JP2016015926A - 細菌の固定化方法、細菌固定化担体、及び細菌の保存方法 - Google Patents

細菌の固定化方法、細菌固定化担体、及び細菌の保存方法 Download PDF

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【課題】硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌の固定化方法であって、繁雑な操作の必要がなく、安定に保存が可能で、且つ利用時には固定化された細菌の活性が速やかに発現させることができ、再利用可能な方法を提供する。
【解決手段】アルギン酸ナトリウム水溶液に、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を0.01〜1乾燥質量%になるように分散させ、分散液を得る工程、及び前記分散液を自然乾燥し、細菌固定化担体を得る工程を含む細菌の固定化方法、上記方法により得られた細菌固定化担体、並びに得られた細菌固定化担体を冷蔵保存する保存方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、細菌の固定化方法に関し、特に硫黄酸化細菌及び鉄酸化細菌を安定に保存することができ、且つ利用時には十分な活性が発現させることができる固定化方法に関する。
従来から、有用な微生物を効率的に利用するために、微生物を固定化した担体が開発されている。これらの微生物固定化担体は、カラム式やバッチ式のバイオリアクターに充填され、種々の化合物の生産や廃水処理等に利用されている。一般に、微生物を固定化する方法として、アルギン酸塩、κ−カラギーナン、キトサン等の水溶性多糖類や、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成樹脂からなる多孔質ゲル粒子に微生物を担持させる方法が知られている。たとえば、特許文献1では、アルギン酸ナトリウムやκ−カラギーナン等の多糖類と微生物を混合し、塩化カルシウム、塩化カリウム等の金属塩と接触させることでゲル化し、高濃度の糖溶液等に浸漬して収縮させる方法が開示されている。また、特許文献2では、多孔質の核体の外側にポリビニルアルコール系ゲルからなるコーティング層が被覆一体化されてなる微生物固定用担体が開示され、特許文献3では、ポリアクリルアミドやポリウレタン等の疎水性担体をポリエチレンイミンで処理する工程と、その担体と菌体とを接触させる工程とを含む菌体の固定化担体の製造方法が開示されている。
一方、有用な微生物の一種として、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌が知られている。これらは、たとえば、硫黄系COD成分を含有する廃水処理や生物脱硫装置に利用されている(特許文献4及び5)。また、特許文献6に記載されているように環境中の硫黄酸化細菌は、コンクリートの腐食の原因と考えられており、その生育抑制剤の開発や検出等にも利用されている。
特開2005−224160号公報 特開2005−42037号公報 特開2007−49966号公報 特開2008−194610号公報 特開2011−251267号公報 特開平11−1354号公報
硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌は、一般的にバイオリアクターに利用されるバチルス属等に比較して増殖が遅く、大量生産が難しく、安定的供給に課題がある。したがって、このような硫黄酸化細菌及び鉄酸化細菌を固定化することで安定に保存でき、再利用が可能であれば極めて有用である。
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1〜3のような従来の固定化方法により、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌を固定化した場合、活性が発現するまでに時間を要し、利用方法に限界があることがわかった。これは、従来の固定化方法で得られる微生物包含固定化担体は比較的大きい(2〜6mm程度)ため、増殖速度が高い微生物の場合には、酵素活性が発現し易いため有効であるが、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌のように増殖速度が低い微生物では、酵素活性が発現し難いためと考えられた。また、特許文献1のように、アルギン酸ナトリウム溶液に細菌を懸濁させて、塩化カルシウム溶液に滴下してゲル化して固定化する方法においては、得られた担体の脱塩のために洗浄を繰り返すといった繁雑な操作が必要である。
したがって、本発明の目的は、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌の固定化方法であって、繁雑な操作の必要がなく、安定に保存が可能で、且つ利用時には固定化された細菌の活性が速やかに発現させることができ、再利用可能な方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を安定に保存する方法を提供することにある。
上記目的は、アルギン酸ナトリウム水溶液に、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を0.01〜1乾燥質量%になるように分散させ、分散液を得る工程、及び前記分散液を自然乾燥し、細菌固定化担体を得る工程を含む細菌の固定化方法によって達成される。
アルギン酸ナトリウム水溶液に上記の量の菌体を分散させ、自然乾燥することにより、細菌の活性低下を起こすことなく、安定に硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を固定化することができる。この方法によれば、菌体を分散したアルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム等の水溶液中に滴下してゲル化する場合と異なり、脱塩のための洗浄等の繁雑な操作を行わなくても細菌固定化担体を調製することができる。本発明の方法により得られる細菌固定化担体は、通常、シート状又は鱗片状であるが、利用する際に用途に応じて適宜粉砕することにより、一般的なカプセル状の固定化担体より微粒子化することができ、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌の活性を発現し易くすることができる。
なお、本発明において、自然乾燥とは、分散液を室温付近の温度、たとえば、1〜40℃で乾燥させる方法を意味し、人工的に温度、湿度、気圧を調節する方法も含み、凍結乾燥は含まないものとする。
本発明の製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記アルギン酸ナトリウム水溶液は、0.05〜1.0質量%のアルギン酸ナトリウム水溶液である。これにより、水溶液の粘度が細菌の分散性が良好な範囲となり、且つ自然乾燥し易い固形分含有量であり、より好適な菌体濃度の細菌固定化担体が得られる。
(2)前記自然乾燥工程が、4〜30℃の温度、0〜70%RHの相対湿度の環境下で常圧乾燥又は減圧乾燥する工程である。より細菌の活性が維持された細菌固定化担体が得られる。
(3)前記自然乾燥工程が、前記細菌固定化担体の水分が、0.05〜5.0質量%になるまで乾燥する工程である。細菌の保存安定性をより向上させることができる。
(4)前記分散液を得る工程において、前記細菌と共に磁性体微粒子を分散させる工程を含む。これにより、磁力によって細菌固定化担体を回収することができ、容易に細菌固定化担体の再利用を行うことができる。
(5)(4)において、前記磁性体微粒子が、鉄微粒子、Fe微粒子、ニッケル微粒子、及びコバルト微粒子からなる群から選択される磁性体微粒子である。このような強磁性体の微粒子であれば、より容易に細菌固定化担体を回収することができる。
(6)(4)又は(5)において、前記磁性体微粒子を、アルギン酸ナトリウムの質量に対して、0.05〜1質量%で分散させる。これにより、十分な磁性化が得られ、さらに容易に細菌固定化担体を回収することができる。
また、本発明の目的は、本発明の細菌の固定化方法により得られた細菌固定化担体によって達成される。
さらに、本発明の目的は、本発明の細菌固定化担体を、冷蔵保存することを特徴とする細菌の保存方法によって達成される。
本発明によれば、細菌の活性低下を起こすことなく、安定に硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を固定化することができ、菌体を分散したアルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム等の水溶液中に滴下してゲル化する場合と異なり、脱塩のための洗浄等の繁雑な操作を行わなくても細菌固定化担体を得られる。本発明の細菌固定化担体は、利用する際に用途に応じて適宜粉砕することにより、一般的なカプセル状の固定化担体より微粒子化することができ、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌としての活性を発現し易くすることができる。また、本発明の細菌固定化担体を冷蔵保存することで、長期間硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を保存することができる。
本発明の細菌の固定化方法を説明するための概略図である。 本発明の細菌の固定化方法により得られた細菌固定化担体の好適態様の一例を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 本発明による鉄酸化細菌固定化担体において、菌体添加量が鉄酸化能力に及ぼす影響を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の細菌の固定化方法を説明するための概略図である。本発明の細菌の固定化方法は、アルギン酸ナトリウム水溶液に、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を0.01〜1乾燥質量%になるように分散させ、分散液を得る工程、及び前記分散液を自然乾燥し、細菌固定化担体を得る工程を含む。
まず、図1(a)に示したように、撹拌装置12を備えた分散槽11にアルギン酸ナトリウム及び水を投入し、撹拌してアルギン酸ナトリウム溶液を調製する。次いで、分散槽11に、常法により培養した硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を0.01〜1乾燥質量%になるように分散させ、分散液21を得る。
硫黄酸化細菌は、硫化物等の還元型硫黄化合物の酸化によってエネルギーを得る細菌であり、HS、S、S 2−をSO 2−に酸化する細菌であれば、特に制限はない。たとえば、アシディチオバチルス・チオオキシダンス(Acidithiobacillus thiooxidans)、アシディチオバチルス・カルダス(Acidithiobacillus caldus)等が挙げられる。
また、鉄酸化細菌は、Fe2+をFe3+に酸化することによってエネルギーを得る化学的独立栄養細菌であれば特に制限はない。たとえば、アシディチオバチルス・フェロオキシダンス(Acidithiobacillus ferrooxidans)、レプトスピリラム・フェロオキシダンス(Leptospirillum ferrooxidans)、スルフォバシラス・アシドフィラス(Sulfobacillus acidophilus)等が挙げられる。本発明においては、これらの何れか1種又は複数種を組み合わせて用いても良い。
硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌の培養方法は、特に制限はなく、通常の液体培養で行うことができる。たとえば、鉄酸化細菌の場合は、アシディチオバチルス・フェロオキシダンス(Acidithiobacillus ferrooxidans)をシルバーマン等の9K液体培地(M. P. Silverman and D.G. Lundgren (1959) J. Bacteriol. 77, 642-647)に接種し、30℃において振とう培養することができる。
液体培養した培地は、好ましくは遠心分離やフィルターにより集菌し、菌体ペースト又は適切な緩衝液(β−アラニン緩衝液(pH3.0)等)に懸濁した菌体懸濁液を得ることができる。必要に応じて、菌体を適切な緩衝液で数回洗浄して、十分に培地成分を除くことが好ましい。このようにして得られた菌体を湿潤状態のまま、上記のようにアルギン酸ナトリウム水溶液に分散させる。分散量としての乾燥質量%は、湿潤状態の菌体のタンパク質量をローリー法によって測定するか、又は乾燥質量を測定する(菌体の50質量%をタンパク質として算出する)ことにより求めることができる。乾燥質量%の測定方法は、湿潤状態の菌体を精秤し、真空乾燥機にて20℃、1時間乾燥させて乾燥質量を測定することにより求める。
また、アルギン酸ナトリウム水溶液におけるアルギン酸ナトリウムの濃度は、特に制限はないが、濃度が高過ぎると、アルギン酸ナトリウム水溶液の粘度が高くなり過ぎ、細菌の分散性が低下し、得られる細菌固定化担体における菌体濃度も低くなり、濃度が低過ぎると、固形分含有量が少な過ぎ、蒸発させる水分量が多くなり、自然乾燥工程が長期間かかり困難となる。したがって、アルギン酸ナトリウムの濃度は、0.1〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましく、特に、0.1〜0.3質量%が好ましい。
次に、図1(b)に示す通り、乾燥用トレー13に分散液21を移送し、自然乾燥させ、図1(c)に示すように、細菌固定化担体22を得る。自然乾燥とは、分散液を室温付近の温度、たとえば、1〜40℃で乾燥させる方法を意味し、人工的に温度、湿度、気圧を調節する方法も含み、凍結乾燥は含まないものとする。上記の方法により、細菌の活性低下を起こすことなく、安定に硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を固定化することができる。また、本発明の方法によれば、菌体を分散したアルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム等の水溶液中に滴下してゲル化する場合と異なり、脱塩のための洗浄等の繁雑な操作を行わなくても細菌固定化担体を調製することができる。細菌固定化単体中の菌体の含有率は、細菌固定化担体の乾燥質量を基準として、2.5〜10乾燥質量%であることが好ましい。
本発明の方法により得られる細菌固定化担体22は、図示のように、通常、シート状又は鱗片状であるが、利用する際に用途に応じて適宜粉砕することにより、一般的なカプセル状の固定化担体より微粒子化することができ、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌としての活性を発現し易くすることができる。たとえば、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌に対する防腐剤の効果確認等の、迅速性が要求される場合は、粒度を小さくすることで、より細菌の活性を発現し易くし、短時間に判定することができ、廃水処理に用いる場合は、より粒度を大きくし滞留時間を調節することができる。
上記自然乾燥工程において、温度が高過ぎると、細菌の活性の維持に影響が出る場合があり、温度が低すぎると乾燥時間がかかり過ぎる場合がある。したがって、自然乾燥工程は、人工的に温度、湿度、気圧を調節し、4〜30℃の温度、0〜70%RHの湿度で常圧乾燥又は減圧乾燥する工程であることが好ましい。温度は、10〜30℃がより好ましく、15〜25℃が更に好ましい。
自然乾燥工程において、細菌固定化担体22の水分は、通常、0.05〜5.0質量%である。細菌の保存安定性をより向上させるため、自然乾燥工程は、細菌固定化担体22の水分を、0.05〜3.0質量%、より好ましくは、0.1〜1.0質量%になるまで乾燥させることが好ましい。細菌固定化担体22の水分の測定方法は、得られた細菌固定化担体22を精秤し、真空乾燥機にて20℃、1時間乾燥させて乾燥質量を測定し、減少した質量を水分の質量%として求める。
本発明の細菌の固定化方法において、安定的な供給に課題がある硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌を固定化した担体を再利用できると極めて有効である。細菌固定化担体の再利用は、たとえば、廃水処理への利用の場合には、ろ過やサイクロン式遠心分離等により回収することも可能である。より細菌固定化担体の回収を容易にするため、上記の分散液21を得る工程において、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌と共に磁性体微粒子を分散させることが好ましい。これにより磁力によって、細菌固定化担体を容易に回収し、再利用することができる。
磁性体微粒子は、どのようなものでも良いが、より容易に生菌固定化担体を回収することができる点で、強磁性体が好ましく、鉄微粒子、Fe微粒子、ニッケル微粒子、又はコバルト微粒子が好ましい。また、磁性体微粒子の平均粒子径は、特に制限はないが、0.1〜1μmが好ましい。磁性体微粒子の含有量は、細菌固定化担体を磁力により移動させることができれば、特に制限はないが、アルギン酸ナトリウムの質量に対して、0.05〜1質量%で分散させることが好ましい。これにより、十分な磁性が得られ、さらに容易に細菌固定化担体を回収することができる。
本発明の細菌の固定化方法により得られた細菌固定化担体は、シート状又は鱗片状で得られ、利用する際に用途に応じて適宜粉砕することにより、一般的なカプセル状の固定化担体より微粒子化することができ、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌の活性を発現し易くすることができる。そして、微粒子化した細菌固定化担体は、たとえば、硫黄系COD成分を含有する廃水処理や生物脱硫装置への利用することができる。また、コンクリートの腐食の原因と考えられている硫黄酸化細菌の生育抑制剤の開発や検出に利用することができる。利用時の微粒子化した細菌固定化担体の平均粒子径は、廃水処理等に用いる場合は、0.5〜3.0mmが好ましく、硫黄酸化細菌の生育抑制剤の検出等に用いる場合は、0.1〜1.0mmが好ましい。
本発明の細菌固定化担体は、室温又は冷蔵で保存することができる。特に冷蔵保存によれば、1年以上の長期に渡って、細菌の活性が低下することなく保存が可能であり、利用時に速やかに活性を発現させることができるので好ましい。冷蔵温度は、特に制限はないが、1〜6℃が好ましく、2〜5℃がより好ましい。なお、冷凍保存では、細胞の破壊が生じ、活性が低下する場合があるので好ましくない。
以下に、本発明を実施例にて具体的に説明する。
[実施例1]
<鉄酸化細菌の固定化>
(1)鉄酸化細菌の菌体の調製
アシディチオバチルスフェロオキシダンス(Licanantay DSM 17318株)を、培養液(9K液体培地)に接種し、30℃において1日間振とう培養した。菌体を遠心分離(10000rpm×10分)で回収した後、硫酸でpH=3.0に調整した0.1Mのβ−アラニン緩衝液を加え、3回洗浄し、得られた湿潤状態のペレット状の洗浄菌体を得た。
(2)細菌固定化担体の作製
0.2質量%アルギン酸ナトリウム(和光純薬社製)水溶液に、0.1〜0.3乾燥質量%になるように、上記ペレット状の菌体を分散させた(図1(a)参照)。更に、鉄微粒子(平均粒子径0.5μm)をアルギン酸ナトリウムの質量に対して1質量%になるように分散させ、分散液を作製した。分散液を自然乾燥(温度30℃、湿度65%RH、1.0気圧)で乾燥させ、水分2.0質量%の細菌固定化担体を得た。図2に得られた細菌固定化担体の走査型電子顕微鏡写真を示す。図2の白矢印が鉄酸化細菌を指し、黒矢印が鉄微粒子を指す。
[実施例2]
<菌体添加量が鉄酸化細菌の鉄酸化能力に及ぼす影響>
(1)細菌固定化担体の作製
菌体添加量を0.02〜0.7乾燥質量%になるように菌体を分散させた他は、実施例1と同様に細菌固定化菌体を作製した。
(2)鉄酸化能力の比較
上記で調製した細菌固定化菌体を粉砕し、1mmol/10mlのFeSO溶液に各0.1mg/mlになるように添加し、Fe2+イオン濃度を経時的に測定し、鉄酸化能力を比較した。結果を図3に示す。
図示の通り、菌体添加量が高いほどFe2+濃度の低下速度が速くなり、有効な細菌固定化担体であることが分かる。
なお、本発明は上記の実施の形態及び実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を安定に保存することができ、且つ利用時には固定化された細菌の活性が速やかに発現させることができ、再利用可能な細菌固定化菌体が得られる。

Claims (9)

  1. アルギン酸ナトリウム水溶液に、硫黄酸化細菌及び/又は鉄酸化細菌を0.01〜1乾燥質量%になるように分散させ、分散液を得る工程、及び
    前記分散液を自然乾燥し、細菌固定化担体を得る工程
    を含む細菌の固定化方法。
  2. 前記アルギン酸ナトリウム水溶液が、0.1〜1.0質量%のアルギン酸ナトリウム水溶液である請求項1に記載の方法。
  3. 前記自然乾燥工程が、4〜30℃の温度、0〜70%RHの相対湿度の環境下で常圧乾燥又は減圧乾燥する工程である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記自然乾燥工程が、前記細菌固定化担体の水分が、0.05〜5.0質量%になるまで乾燥する工程である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記分散液を得る工程において、前記細菌と共に磁性体微粒子を分散させる工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記磁性体微粒子が、鉄微粒子、Fe微粒子、ニッケル微粒子、及びコバルト微粒子からなる群から選択される磁性体微粒子である請求項5に記載の方法。
  7. 前記磁性体微粒子を、アルギン酸ナトリウムの質量に対して、0.05〜1質量%で分散させる請求項5又は6に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の細菌の固定化方法により得られた細菌固定化担体。
  9. 請求項8に記載の細菌固定化担体を、冷蔵保存することを特徴とする細菌の保存方法。
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