JP2016015532A - マイクロストリップアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】RFIDのリーダなどの装置において、そのリーダなどの装置用のアンテナに近接し、かつ、そのリーダなどの装置用のアンテナの中心付近の電界強度を向上させることが可能なリーダなどの装置用のマイクロストリップアンテナを提供する。【解決手段】マイクロストリップアンテナ1は、接地電極11と、その接地電極11と電気的に絶縁する絶縁層10を挟んで対向し、所定の無線周波数に対して共振する長さを持つ線状に形成され、互いに交差するように配置され、かつ、所定のインピーダンスを持つ位置で給電される複数の放射電極(12−1、12−2)とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、マイクロストリップアンテナに関する。
従来より、パッチアンテナとも呼ばれる、誘電体基板の一方の面が接地電極で覆われ、誘電体基板の他方の面に矩形あるいは円形の放射電極が設けられたマイクロストリップアンテナが知られている(例えば、非特許文献1及び2を参照)。このようなマイクロストリップアンテナは、薄型化が可能であり、かつ、利得が高いため、様々な用途に利用されている。
後藤尚久著、「図説・アンテナ」、電子情報通信学会、1995年 後藤尚久他、「アンテナ・無線ハンドブック」、オーム社、2006年
パッチアンテナでは、放射電極の端部から電波が放射されるので、放射電極の端部近傍において電界強度は最も強くなる。また、使用する無線周波数によっては、放射電極のサイズが大きいので、放射電極の端部から放射電極の中心までの距離がある。そのため、放射電極に近接した位置では、放射電極の中心近傍の電界強度は相対的に低い。
また近年、Radio Frequency IDentifier(RFID)といった、RFタグとリーダ間での無線通信で識別情報などを通信する技術が利用されている。RFIDでは、例えば、RFタグがリーダのアンテナに近接した位置、例えば、アンテナとRFタグ間の距離が数cm以内となる位置に翳されることで、リーダは、RFタグから無線電波によって情報を受信することができる。
上記のパッチアンテナをRFIDのリーダに利用した場合、上述したように、放射電極に近接した位置では、放射電極の中心近傍の電界強度が相対的に低いため、RFタグが放射電極の中心近傍に近接して翳されると、リーダは、RFタグと通信できないおそれがあった。この場合でも、RFタグを放射電極から少し離せば電界強度も強くなるので、リーダはRFタグと通信できるようになる。しかし、ユーザは必ずしもそのようなパッチアンテナの特性を知らないので、RFタグとリーダ間で通信できる適切な位置にRFタグまたはリーダを移動させられないことがある。
そこで、本明細書は、RFIDのリーダなどの装置において、そのリーダなどの装置用のアンテナに近接し、かつ、そのリーダなどの装置用のアンテナの中心付近の電界強度を向上させることが可能なリーダなどの装置用のマイクロストリップアンテナを提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、マイクロストリップアンテナが提供される。このマイクロストリップアンテナは、接地電極と、その接地電極と電気的に絶縁する絶縁層を挟んで対向し、所定の無線周波数に対して共振する長さを持つ線状に形成され、互いに交差するように配置され、かつ、所定のインピーダンスを持つ位置で給電される複数の放射電極とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示されたマイクロストリップアンテナは、RFIDのリーダなどの装置において利用可能であり、そのリーダなどの装置用のアンテナに近接し、かつ、そのリーダなどの装置用のアンテナの中心付近の電界強度を向上させることができる。
一つの実施形態に係るマイクロストリップアンテナの概略斜視図である。 (a)は、図1のAA’における線を矢印の方から見た、マイクロストリップアンテナの概略側面断面図である。(b)は、図1のBB’における線を矢印の方から見た、マイクロストリップアンテナの概略側面断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、2本の放射電極を離して配置する場合の放射電極の交点近傍の部分拡大図である。 シミュレーションに利用した、一つの実施形態に係るマイクロストリップアンテナの各部の寸法を示す図である。 シミュレーションに利用した比較例のパッチアンテナの各部の寸法を示す図である。 一つの実施形態に係るマイクロストリップアンテナによる放射電界の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。 比較例のパッチアンテナによる放射電界の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。 アンテナからRFタグまでの距離とS21パラメータとの関係のシミュレーション結果を示す図である。 (a)〜(f)は、それぞれ、変形例による放射電極の配置を示す、マイクロストリップアンテナの概略平面図である。
以下、図を参照しつつ、マイクロストリップアンテナについて説明する。
このマイクロストリップアンテナは、絶縁層の接地電極が設けられた面と反対側の面に配置された、線状に形成され、かつ、互いに交差するように設けられた複数の放射電極を有する。これにより、このマイクロストリップアンテナは、アンテナに近接し、かつアンテナの中央付近の電界強度を向上させる。
図1は、一つの実施形態に係るマイクロストリップアンテナの概略斜視図である。図2(a)は、図1のAA’における線を矢印の方から見た、マイクロストリップアンテナの概略側面断面図である。また図2(b)は、図1のBB’における線を矢印の方から見た、マイクロストリップアンテナの概略側面断面図である。
マイクロストリップアンテナ1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた接地電極11と、絶縁層10の他方の面に設けられた2本の放射電極12−1及び12−2を有する。マイクロストリップアンテナ1が、RFタグのリーダ用のアンテナとして利用される場合、例えば、放射電極12−1及び12−2が設けられた面がRFタグと対向するように、マイクロストリップアンテナ1は配置される。
絶縁層10は、誘電体により形成され、接地電極11と放射電極12−1及び12−2とを、所定の間隔を空けて支持する。絶縁層10の厚さは、放射電極12−1及び12−2が所定の周波数の電波に対して共振するように、絶縁層10を形成する材料の誘電率に応じて設定される。
なお、絶縁層10は、1種類の誘電体により形成されてもよく、あるいは、誘電率が異なる複数の種類の誘電体が積層されることで形成されてもよい。あるいはまた、絶縁層10は、誘電体と接地電極11の間、または誘電体と放射電極12−1及び12−2との間に空気層を有していてもよい。あるいはまた、絶縁層10は、接地電極11を支持する誘電体と、放射電極12−1及び12−2を支持する誘電体との間に空気層を有していてもよい。さらに、絶縁層10全体が空気層で形成されてもよい。このような空気層が形成されることで、放射電極12−1及び12−2から放射される電界が強くなる。
接地電極11は、接地された平板状の導体であり、絶縁層10の一方の側の面(図2(a)及び図2(b)では、絶縁層10の下側の面)に設けられる。接地電極11は、放射電極12−1及び12−2よりも大きく、マイクロストリップアンテナ1を上方から見た場合に、接地電極11は、放射電極12−1及び12−2全体と重なるように配置される。
放射電極12−1及び12−2は、それぞれ、マイクロストリップアンテナ1が利用可能な所定の無線周波数を持つ信号を、通信回路(図示せず)から給電線13−1及び13−2を介して受け取り、その信号を無線信号として空中に放射する。あるいは、放射電極12−1及び12−2は、所定の無線周波数を持つ無線信号を受信し、電気信号として給電線13−1及び13−2へ渡す。なお、所定の無線周波数は、例えば、RFIDで利用される周波数、例えば、900MHz帯の周波数とすることができる。
放射電極12−1及び12−2は、それぞれ、線状に形成された導体である。そして放射電極12−1及び12−2は、絶縁層10を挟んで接地電極11と対向するように、絶縁層10の接地電極11が設けられた面とは反対側の面(図2(a)及び図2(b)では、絶縁層10の上側の面)に、接地電極11と略平行に設けられる。また本実施形態では、放射電極12−1と放射電極12−2とは、互いに直交し、かつ、放射電極12−1の長手方向の中心と放射電極12−2の長手方向の中心とで交差するように配置される。このように二つの放射電極が配置されることで、交点14を中心とした比較的均一な電界が得られる。以下では、放射電極12−1と放射電極12−2が交差する位置を、便宜上、交点14と呼ぶ。この例では、交点14から接地電極11へ下した垂線が接地電極11の略中心で交差するように放射電極12−1及び12−2は配置される。なお、放射電極12−1と放射電極12−2とは、互いに絶縁されていてもよく、あるいは、電気的に接続されていてもよい。
図3(a)〜図3(c)は、それぞれ、2本の放射電極を離して配置する場合の放射電極の交点近傍の部分拡大図である。図3(a)に示される例では、交点14において絶縁層10から遠い方に配置される放射電極12−1の、絶縁層10の面と直交する方向(以下、厚さ方向と呼ぶ)の長さ(以下、厚さと呼ぶ)が放射電極12−2よりも厚くなっている。そのため、交点14近傍以外では、放射電極12−1の絶縁層10と面する方の面(以下、下側の面と呼ぶ)と放射電極12−2の下側の面は同一平面上に位置している。すなわち、放射電極12−1と放射電極12−2は、同一平面上に配置することができる。そして交点14近傍において、放射電極12−1が、厚さ方向について、放射電極12−2と対向する側の面が凹状に形成されている。そして放射電極12−2が、その凹状に窪んだ部分を通ることで、放射電極12−1と放射電極12−2とは、互いに接触せず、電気的に切断されるように配置される。例えば、放射電極12−1は、交点14近傍以外では0.135mmの厚さを持ち、交点14では、長さ14mmにわたって0.035mmの厚さを持つ。一方、放射電極12−2は、その全体にわたって0.035mmの厚さを持ち、幅7mmに形成される。
図3(b)に示される例では、一方の放射電極12−1が、交点14近傍において、厚さ方向に沿って他方の放射電極12−2から離れる方向に折り曲げられる。そして、交点14近傍以外では、二つの放射電極12−1及び12−2は、同一平面上に配置される。
なお、図3(a)及び図3(b)に示される例では、交点14近傍において、放射電極12−1と放射電極12−2の間に、放射電極12−1と放射電極12−2が変形して接触することがないように誘電体が配置されてもよい。
図3(c)に示される例では、放射電極12−1と放射電極12−2は、厚さ方向において、放射電極12−1は、放射電極12−2よりも接地電極11から離して配置される。この場合も、放射電極12−2と放射電極12−1の間に、放射電極12−1と放射電極12−2が変形して接触することがないように誘電体の層が設けられてもよい。このように二つの放射電極が配置される場合、二つの放射電極が同じ無線周波数において共振するために、接地電極11に近い方の放射電極12−2を、接地電極11から遠い方の放射電極12−1よりも長くすることが好ましい。
また、放射電極12−1及び12−2の長手方向の長さ(以下、単に長さと呼ぶ)は、所定の無線周波数の電波に対して放射電極12−1及び12−2が共振するように設定される。この例では、放射電極12−1及び12−2の長さは、正方形状の放射電極を有するパッチアンテナが所定の無線周波数に対応する電波に対して共振するときの放射電極の1辺の長さと略等しくなるように設定され、λ/3〜λ/2となる。なお、λは、所定の無線周波数に対応する波長である。なお、放射電極12−1と放射電極12−2が交点14にて電気的に接続される場合の放射電極12−1及び12−2の長さは、放射電極12−1と放射電極12−2が電気的に切断される場合の放射電極12−1及び12−2の長さよりも短くなる。したがって、放射電極12−1と放射電極12−2とを交点14にて電気的に接続することで、マイクロストリップアンテナ1は小型化される。一方、アンテナが小型化されれば、放射される電界の領域も狭くなる。したがって、放射される電界の領域を拡大することが求められる場合、放射電極12−1と放射電極12−2とが交点14にて電気的に切断されるように各放射電極を配置することが好ましい。
また、放射電極12−1及び12−2は、それぞれ、給電点12−1a、12−2aにおいて給電線13−1、13−2と接続されている。交点14、すなわち、放射電極12−1の中点から給電点12−1aまでの距離、及び、放射電極12−2の中点から給電点12−2aまでの距離は、それぞれ、マイクロストリップアンテナ1のインピーダンスが所定値(例えば、50Ω)となるように決定される。なお、交点14から給電点12−1aまでの距離、及び、交点14から給電点12−2aまでの距離が長いほど、マイクロストリップアンテナ1のインピーダンスは高くなる。
放射電極12−1及び12−2は線状の導体であるため、共振する無線周波数を持つ電流が流れる場合、放射電極12−1及び放射電極12−2の長手方向において、電流の分布の節が形成される。電流の分布の節付近では、放射電極12−1及び12−2から放射される電界が強くなる。また、放射電極12−1及び12−2は線状の導体であり、中心付近まで電界が放射されうる導体の縁が連続している。一方、方形状あるいは円形状の放射電極を有する従来のパッチアンテナでは、電界が放射されうる導体の縁は中心付近には続いていない。したがって、本実施形態のように放射電極12−1及び12−2が配置されることで、マイクロストリップアンテナ1に近接し、かつ、中心付近の電界が、方形状あるいは円形状の放射電極を有するパッチアンテナよりも強化される。
また、マイクロストリップアンテナ1は、互いに交差するように配置された2本の放射電極12−1及び12−2を有するので、放射電極12−1及び12−2から生じる電場を円偏波とすることができる。そのため、マイクロストリップアンテナ1は、電場の向きごとの電場の強さを均一化できるので、RFタグといった通信相手の装置が有するアンテナの向きによらずにその装置との通信を行うことができる。
給電線13−1及び13−2は、それぞれ、放射電極12−1及び12−2と通信回路(図示せず)とを接続する。本実施形態では、給電線13−1及び13−2は、中心部に位置する内側導線と、その内側導線の周囲に設けられた外周導体とを有する同軸線路である。そして、給電線13−1及び13−2の外周導体は接地電極11と電気的に接続される。一方、給電線13−1の内側導線が絶縁層10を貫通して給電点12−1aにて放射電極12−1と電気的に接続される。同様に、給電線13−2の内側導線が絶縁層10を貫通して給電点12−2aにて放射電極12−2と電気的に接続される。これにより、給電線13−1及び13−2のインピーダンスを放射電極12−1及び12−2のインピーダンスと整合させることが容易となる。
なお、接地電極11、放射電極12−1及び12−2は、例えば、銅、金、銀、ニッケルといった金属またはこれらの合金若しくはその他の導電性を有する材料によって形成される。また絶縁層10を形成する誘電体は、例えば、FR-4といったガラスエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテルといったフェノール系樹脂、またはポリテトラフルオロエチレンとすることができる。あるいは、絶縁層10を形成する誘電体は、層状に形成可能な他の誘電体であってもよい。
以下、マイクロストリップアンテナ1の放射特性のシミュレーション結果について説明する。このシミュレーションにおいて、マイクロストリップアンテナ1及び比較例であるパッチアンテナは、周波数919MHzで動作するように各部の寸法が調節されるものとする。
図4は、シミュレーションに利用した、マイクロストリップアンテナ1の各部の寸法を示す図である。この例では、放射電極12−1と放射電極12−2とは、交点14で電気的に接続されるものとする。そして放射電極12−1及び放射電極12−2の長さは130.6mmであり、短手方向の長さ(以下、幅と呼ぶ)は7mmである。なお、放射電極12−1と放射電極12−2が電気的に切断され、かつ、図3(a)及び図3(b)に示されるように同一平面上に配置される場合、放射電極12−1及び放射電極12−2の長さは145mmとなる。また、給電点12−1a及び給電点12−2aは、マイクロストリップアンテナ1のインピーダンスが50Ωとはならないが、比較例のパッチアンテナと置換できるように、それぞれ、交点14から27mmの位置に設けられる。なお、比較例のパッチアンテナでは、後述するように、放射電極の中心から27mmの位置に給電点が設けられることで、インピーダンスが50Ωとなる。
この例では、絶縁層10は、放射電極12−1及び放射電極12−2を支持する誘電体10aと、その誘電体と接地電極11間に形成される空気層10bとを有する。誘電体10aの厚さは1mmであり、空気層10bの厚さは10mmである。また、誘電体10aの比誘電率εrは4.4であり、誘電正接tanδは0.02である。また接地電極11のサイズは、180mm×180mmである。
接地電極11、放射電極12−1及び放射電極12−2の導電率は、それぞれ、5.8e5(S/m)とする。接地電極11には、給電点12−1a及び12−2aから接地電極11に下した垂線が交差する位置において1辺4mmの四角形状の孔が形成され、その孔を通るように、1辺2mmの四角柱状の給電線13−1、13−2が形成される。
さらに、マイクロストリップアンテナ1を支持するために、マイクロストリップアンテナ1は、1辺の長さが182mmの正方形状の底面を持ち、厚さが16.5mmの直方体状の中空の筐体16に収容されるものとする。筐体16は、比誘電率εr=3.8を持つ誘電体で形成され、筐体16の側面及び接地電極11と面する方の面(以下、底面と呼ぶ)の厚さは1mmである。一方、放射電極12−1及び12−2と面する方の筐体16の面(以下、天面と呼ぶ)の厚さは2.5mmである。さらに、接地電極11を支持するために、筐体16の底面と接地電極11の間に、誘電体10aと同じ材質の誘電体の厚さ1mmの層が設けられる。また、放射電極12−1及び12−2と筐体16の天面との間には、1mmの間隔が設けられる。なお、このような誘電体の筐体16と近接して放射電極12−1及び12−2が配置されることで、所定の無線周波数と共振する放射電極12−1及び12−2の長さは、波長短縮により放射電極12−1及び12−2が直接露出して配置される場合よりも短くなる。
上記の各部のサイズは単なる一例であり、マイクロストリップアンテナ1の各部のサイズは、使用する信号の周波数、各部の材質の物理特性などに応じて、適宜設定されればよい。
図5は、シミュレーションに利用した比較例のパッチアンテナの各部の寸法を示す図である。このパッチアンテナは、放射電極12−1と放射電極12−2の代わりに、円形状の放射電極17を有する点でマイクロストリップアンテナ1と相違する。そして放射電極17の直径は157mmである。また、放射電極から放射される電磁波が円偏波となるように、放射電極17は、その中心Oから互いに直交する2方向(以下、便宜上、水平方向及び垂直方向とする)についてそれぞれ27mm離れた位置で給電される。比較例のパッチアンテナのその他の各部の寸法は、図4に示したマイクロストリップアンテナ1の対応する部分の寸法と同一である。
図6は、マイクロストリップアンテナ1による放射電界の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。また、図7は、比較例のパッチアンテナによる放射電界の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。なお、これらのシミュレーションでは、有限積分法を利用して電界の強度分布を求めた。
図6及び図7において、色が濃い部分ほど、電界の強度が強いことを表す。図6において、分布601は、放射電極12−1の長手方向に沿った、マイクロストリップアンテナ1の厚さ方向、すなわち、マイクロストリップアンテナ1の放射電極が設けられた面(以下、表面と呼ぶ)と直交する面での電界の強度分布を表す。一方、分布602は、放射電極12−2の長手方向に沿った、マイクロストリップアンテナ1の表面と直交する面での電界の強度分布を表す。なお、矢印611及び612は、マイクロストリップアンテナ1の表面から垂直に離れる方向を表す。そして分布603は、マイクロストリップアンテナ1の表面から19mm離れた位置における、その表面と平行な面内の電界の強度分布を表す。
同様に、図7において、分布701は、水平方向に沿った、比較例のパッチアンテナの表面と直交する面での電界の強度分布を表す。一方、分布702は、垂直方向に沿った、比較例のパッチアンテナの表面と直交する面での電界の強度分布を表す。なお、矢印711及び712は、比較例のパッチアンテナの表面の放射電極17から垂直に離れる方向を表す。そして分布703は、比較例のパッチアンテナの表面から19mm離れた位置における、その表面と平行な面内の電界の強度分布を表す。
図6及び図7に示されるように、本実施形態によるマイクロストリップアンテナ1の方が、比較例のパッチアンテナよりも、放射電極の中心に近い位置の電界が強くなっていることが分かる。
図8は、アンテナからRFタグまでの距離とS21パラメータとの関係のシミュレーション結果を示す図である。このシミュレーションにおいても、有限積分法を利用してS21パラメータを算出した。シミュレーションに利用したRFタグ801は、長手方向のサイズが80mm、かつ、短手方向のサイズが18mmの矩形の一端が途切れた形状のアンテナを有する。グラフ802は、RFタグ801単体のS11パラメータのシミュレーション結果を示す。グラフ802において、横軸は周波数を表し、縦軸はS11パラメータを表す。RFタグ801では、周波数919MHzにおいて、S11パラメータが-11.523[dB]となる。
グラフ811は、図4に示した寸法を持つマイクロストリップアンテナ1の表面からRFタグ801までの距離と、マイクロストリップアンテナ1とRFタグ801間のS21パラメータとの関係を表す。また、グラフ812は、図5に示した寸法を持つ比較例のパッチアンテナの表面からRFタグ801までの距離と、マイクロストリップアンテナ1とRFタグ801間のS21パラメータとの関係を表す。なお、グラフ811及び812において、横軸はアンテナとRFタグ801間の距離を表し、縦軸はS21パラメータを表す。なお、RFタグ801は、マイクロストリップアンテナ1またはパッチアンテナの表面の中心に配置し、その表面から垂直方向に沿って移動させることとした。
グラフ811及びグラフ812に示されるように、アンテナの表面からRFタグ801までの距離が16mm以下であれば、マイクロストリップアンテナ1の方が、比較例によるパッチアンテナよりも、S21パラメータの値が高くなる。すなわち、アンテナの表面からRFタグ801までの距離が16mm以下であれば、マイクロストリップアンテナ1の方が、比較例によるパッチアンテナよりも、RFタグ801の電界とアンテナが発する電界とをより良好に結合できることが分かる。
以上に説明してきたように、このマイクロストリップアンテナは、放射電極として、互いに交差するように配置された2本の線状の導体を利用する。これにより、このマイクロストリップアンテナは、マイクロストリップアンテナに近接し、かつ、マイクロストリップアンテナの中心付近の電界強度を向上できる。したがって、例えば、通信相手の装置がRFタグである場合、このマイクロストリップアンテナは、マイクロストリップアンテナに近接し、かつ、マイクロストリップアンテナの中心付近に位置するRFタグからの情報読み取りの性能を向上させることができる。
なお、このマイクロストリップアンテナが有する放射電極の形状、配置及び本数は、上記の実施形態に限られない。
図9(a)〜図9(f)は、それぞれ、変形例による放射電極の配置を示す、マイクロストリップアンテナの概略平面図である。
図9(a)に示される変形例のように、2本の放射電極12−1及び12−2は、直角でない角度で交差してもよい。これにより、2本の放射電極間の角度が鋭角となる方向について生じる電場が強くなるので、マイクロストリップアンテナの表面の特定の位置に対して通信相手の装置と通信を成立し易くできる。
また、図9(b)に示される変形例のように、2本の放射電極12−1及び12−2の長さが互いに異なっていてもよい。例えば、放射電極12−2は、所定の周波数の電波に対して共振する最小の長さを持ち、放射電極12−1は、所定の周波数の電波に対して共振する最小の長さの数倍の長さを持つように、各放射電極の長さは決定されてもよい。これにより、例えば、アンテナを配置できるスペースが長方形状である場合にも、このマイクロストリップアンテナは、そのスペースに合わせて放射電極を配置できる。そのため、スペースに合わせてマイクロストリップアンテナが通信可能な範囲を設定することが可能となる。
また、図9(c)に示される変形例のように、2本の放射電極12−1及び12−2は、互いに中心と異なる位置で交差してもよい。なお、この場合も、各放射電極は、長手方向の中心から所定の距離の位置で給電されることで、所定のインピーダンスを持つ。あるいは、図9(d)に示されるように、2本の放射電極12−1及び放射電極12−2の交点14は、接地電極の中心からずれていてもよい。
さらにまた、放射電極の数は、2本よりも多くてもよい。例えば、図9(e)に示される変形例のように、マイクロストリップアンテナは、4本の放射電極12−1〜12−4を有していてもよい。この場合も、各放射電極は、異なる向きの電場を生じさせるために、互いに交差するように配置されることが好ましい。また各放射電極は、それぞれ別個に、インピーダンスが所定の値となる位置で給電される。
さらにまた、マイクロストリップアンテナが有する複数の放射電極の少なくとも一つが、直線以外の形状を有していてもよい。また複数の放射電極のそれぞれの形状は、互いに異なっていてもよい。例えば、図9(f)に示されるように、放射電極12−1は蛇行形状に形成され、一方、放射電極12−2は、円弧状に形成されてもよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 マイクロストリップアンテナ
10 絶縁層
11 接地電極
12−1〜12−4 放射電極
13−1、13−2 給電線
12−1a、12−2a 給電点
14 交点
16 筐体

Claims (4)

  1. 接地電極と、
    前記接地電極と電気的に絶縁する絶縁層を挟んで対向し、所定の無線周波数に対して共振する長さを持つ線状に形成され、互いに交差するように配置され、かつ、所定のインピーダンスを持つ位置で給電される複数の放射電極と、
    を有するマイクロストリップアンテナ。
  2. 前記複数の放射電極は互いに交差する位置において電気的に接続される、請求項1に記載のマイクロストリップアンテナ。
  3. 前記複数の放射電極は互いに交差する位置において電気的に切断される、請求項1に記載のマイクロストリップアンテナ。
  4. 前記複数の放射電極は、前記複数の電極のそれぞれの長手方向の中心で互いに交差するよう配置される、請求項1〜3の何れか一項に記載のマイクロストリップアンテナ。
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