JP6398653B2 - パッチアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、パッチアンテナに関する。
従来より、パッチアンテナと呼ばれる、誘電体基板の一方の面が接地電極で覆われ、誘電体基板の他方の面に矩形あるいは円形の放射電極が設けられたマイクロストリップアンテナが知られている。パッチアンテナは、薄型化が可能であり、かつ、利得が高いため、様々な用途に利用されている。
また、パッチアンテナにおいて、放射電極に切り込みを形成することで、アンテナの特性を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
例えば、特許文献1に開示された平面アンテナでは、正方形状に形成された放射導体に8個のスリット状の切れ込みが形成される。それらスリット状の切れ込みは、放射導体の各辺から任意の辺と平行する方向に形成されるとともに、放射導体を90度回転させても同一の形状となるような位置に形成されている。これにより、原点から給電点までの距離の変化に対するインピーダンスの変化が比較的小さくなることで、この平面アンテナは、インピーダンス整合を取り易くするとともに、帯域幅を広くしている。
また、特許文献2に開示されたパッチアンテナでは、放射電極が4箇所に切欠き部を有する外形に形成されており、各切欠き部は、誘電体基板の四辺の略中央を臨む位置にそれぞれ形成される。そしてこのパッチアンテナは、切欠き部を有することで、下方への放射を抑制して天頂方向の利得を高める。
さらに、特許文献3に開示された円偏波アンテナでは、略正方形の放射導体板の各辺の中心に設けた切欠き部から脚辺が延出している。そして相対向する脚辺どうしの間隔が他方の相対向する脚辺どうしの間隔よりも所定長長くなるように設定されている。そして両端に一方の相対向する脚辺が存在する直線Aと、両端に他方の相対向する脚辺が存在する直線Bに対して、給電ピンの存在する対角線が45度の角度をなすように設定されている。これにより、直線Aに沿う共振モードと直線Bに沿う共振モードの共振長に所定の差が生じるので、特許文献3に開示されたアンテナは、円偏波アンテナとして動作する。
特開平5−304413号公報 特開2005−203873号公報 特開2005−252585号公報
放射電極が略矩形状に形成されたパッチアンテナでは、放射電極の長辺方向に沿った偏波面を持ち、かつ、その長辺の長さの2倍の波長を持つ電波に対してパッチアンテナが共振する。同様に、放射電極の短辺方向に沿った偏波面を持ち、かつ、その短辺の長さの2倍の波長を持つ電波に対してパッチアンテナが共振する。そのため、パッチアンテナは、放射電極の長辺に沿った偏波面を持ち、かつ、その長辺の長さの2倍の波長を持つ電波と、放射電極の短辺に沿った偏波面を持ち、かつ、その短辺の長さの2倍の波長を持つ電波とを、放射または受信できる。
一方、レーダなど、用途によっては、パッチアンテナには、特定方向の偏波面を持つ電波を放射または受信し、その他の方向の偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制することが求められる。このような場合、上記の各技術では、放射電極の4辺のそれぞれにスリットまたは切欠け部が形成されているため、特定方向の偏波面を持つ電波を放射または受信し、その他の方向の偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制することは困難である。
そこで、一つの側面によれば、本明細書は、特定の方向に沿った偏波面を持つ電波を放射または受信し、その特定の方向以外の偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制できるパッチアンテナを提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、パッチアンテナが提供される。このパッチアンテナは、誘電体により形成される基板と、基板の一方の面に設けられる接地電極と、基板の他方の面に設けられる矩形状の放射電極とを有する。そして放射電極に、放射電極の第1の辺と平行かつ第1の辺よりも短いスリットが形成され、かつ、スリットと第1の辺間の間隔及びスリットと第1の辺と対向する第2の辺間の間隔が第1の辺よりも短く、かつ、第1の辺及び第2の辺は直線状に形成される。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示されたパッチアンテナは、特定の方向に沿った偏波面を持つ電波を放射または受信し、その特定の方向以外の偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制することができる。
一つの実施形態に係るパッチアンテナの概略平面図である。 (a)は、図1のAA’における線を矢印の方から見た、パッチアンテナの概略側面断面図である。(b)は、図1のBB’における線を矢印の方から見た、パッチアンテナの概略側面断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、スリットが形成されていない放射電極を有する、比較例のパッチアンテナについて、放射電極の幅が異なる場合のS11パラメータのシミュレーション結果を示す図である。 比較例のパッチアンテナのアンテナ利得を示す図である。 (a)は、一つの実施形態に係るパッチアンテナのS11パラメータのシミュレーション結果を示す図である。(b)は、一つの実施形態に係るパッチアンテナのアンテナ利得のシミュレーション結果を示す図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、変形例によるパッチアンテナの概略平面図である。 他の変形例によるパッチアンテナの概略平面図である。
以下、図を参照しつつ、パッチアンテナについて説明する。
このパッチアンテナは、誘電体で形成された基板の一方の面に設けられた接地電極と、その基板の他方の面に設けられた矩形状の放射電極とを有する。そして放射電極の各辺のうち、利用する波長の1/2の長さを持つ第1の辺と隣接し、かつ、第1の辺の長さと略等しい長さを持つ二つの辺の一方に、第1の辺と平行なスリットが形成される。そのため、第1の辺及び第1の辺と対向する放射電極の第2の辺とスリットとの間隔が、第1の辺の長さよりも短くなる。これにより、このパッチアンテナは、利用する波長を持つ電波に対して第1の辺と直交する方向の共振を抑制して、第1の辺と直交する方向に沿った偏波面を持ち、かつ利用する波長を持つ電波の放射または受信を抑制する、
以下では、説明の便宜上、パッチアンテナが利用する電波の波長、すなわち、パッチアンテナが放射または受信しようとする電波の波長を設計波長と呼ぶ。
図1は、一つの実施形態に係るパッチアンテナ1の概略平面図である。図2(a)は、図1のAA’における線を矢印の方から見た、パッチアンテナ1の概略側面断面図である。また図2(b)は、図1のBB’における線を矢印の方から見た、パッチアンテナ1の概略側面断面図である。なお、図1、図2(a)及び図2(b)では、パッチアンテナ1の構造の理解を容易にするために、パッチアンテナ1の特定部分が強調されており、これらの図に示されているパッチアンテナ1の各部のサイズは、実際のサイズとは異なっていることに留意されたい。
パッチアンテナ1は、基板10と、基板10の一方の面に設けられた接地電極11と、基板10の他方の面に設けられた放射電極12を有する。そしてパッチアンテナ1は、例えば、レーダ用のアンテナとして、ミリ波を放射または受信するために利用される。そのため、パッチアンテナ1は、例えば、地面に対して放射電極12の表面の法線が平行となり、かつ、放射電極の各辺が、図1において矢印100で示される地面に対して45度をなすように配置される。したがって、パッチアンテナ1は、地面に対して45度をなす偏波面を持つ電波を放射または受信できる。
基板10は、接地電極11と放射電極12とを支持する。基板10は、誘電体により形成され、これにより、接地電極11と放射電極12とは互いに絶縁されている。例えば、基板10は、ポリイミド、または、FR-4といったガラスエポキシ樹脂により形成される。あるいは、基板10は、層状に形成可能な他の誘電体により形成されてもよい。
接地電極11は、接地された平板状の導体であり、基板10の一方の側の面(図2(a)及び図2(b)では、基板10の下側の面)全体を覆うように設けられる。
放射電極12は、基板10を挟んで接地電極11と対向するように、基板10の接地電極11が設けられた面とは反対側の面(図2(a)及び図2(b)では、基板10の上側の面)に、接地電極11と略平行に設けられる。また本実施形態では、放射電極12は、スリット12bが形成される部分を除いて、基板10の上側の面全体を覆うように形成される。なお、パッチアンテナ1を上方から見たときの基板10及び接地電極11のサイズは、放射電極12のサイズと略等しい。しかし、パッチアンテナ1を上方から見た場合における、基板10及び接地電極11のサイズが放射電極12のサイズよりも大きく、かつ、接地電極11が放射電極12全体を含むように、パッチアンテナ1は形成されてもよい。
放射電極12は、設計波長に対応する無線周波数を持つ信号を、信号処理回路(図示せず)から、放射電極12の辺12cと辺12e間の角に形成された給電点12aに接続された給電線(図示せず)を介して受け取り、その信号を電波として空中に放射する。あるいは、放射電極12は、その無線周波数を持つ電波を受信し、受信した電波を電気信号として給電線を介して信号処理回路へ渡す。なお、給電点12aの位置はこの例で示された位置に限られず、放射電極12のどの位置に設けられてもよい。
本実施形態では、接地電極11及び放射電極12は、矩形に形成されている。さらに、放射電極12の互いに対向する辺12c及び辺12dの長さが、設計波長の1/2となるように放射電極12は形成されている。そのため、辺12c及び辺12dに沿って、設計波長を持つ電波に対してパッチアンテナ1は共振する。したがって、パッチアンテナ1は、図1において矢印101で示される、辺12c及び辺12dに沿った偏波面を持ち、かつ、設計波長を持つ電波を放射または受信できる。なお、基板10の比誘電率に応じて、放射電極12上での電波の設計波長は、空気中での設計波長よりも短縮されることに留意されたい。
以下では、説明の便宜上、利用する偏波面の方向に沿った放射電極12のサイズ、すなわち、辺12c及び辺12dの長さを、放射電極の長さLと表記する。一方、利用する偏波面の方向と直交する方向の放射電極のサイズ、すなわち、辺12c及び辺12dと直交する方向に位置する、辺12e及び辺12fの長さを、放射電極12の幅Wと表記する。
放射電極12の幅Wは、放射電極の長さLよりも短くてもよく、あるいは、放射電極12の幅Wは、放射電極の長さLよりも長くてもよい。放射電極12の幅Wが広いほど、辺12c及び辺12dに沿った偏波面を持ち、かつ、設計波長を持つ電波と共振できる放射電極12の面積が広くなるので、設計波長について、パッチアンテナ1のアンテナ利得が向上する。ただし、放射電極12の幅Wが放射電極の長さLよりも長くなると、幅Wの増加に対するアンテナ利得の向上は緩やかになる。そこで本実施形態では、放射電極12の幅Wは、放射電極の長さLと略等しくなるように放射電極12は形成される。
また、放射電極12には、辺12e及び辺12fの何れかの中央に、その辺を一端とし、辺12cと平行であり、かつ、放射電極12の長さLよりも短いスリット12bが形成される。これにより、放射電極12の辺12e及び辺12fに沿った方向では、放射電極12が連続する部分の長さが設計波長の1/2に満たなくなる。そのため、辺12e及び辺12fに沿った方向における、設計波長を持つ電波に対する共振が抑制される。
また本実施形態では、辺12e及び辺12fのうち、給電点12aから遠い方の辺12fの中央を一端として、スリット12bが形成される。これにより、放射電極12のうち、給電点12aからスリット12bの他端と辺12e間を介して接続される部分と給電点12a間の電流経路が短くて済むので、アンテナ利得の低下が抑制される。
スリット12bの幅(すなわち、辺12fに平行な方向のスリット12bの長さ)は、スリット12bを挟んで対向する放射電極12の二つの部分がスリット12bで絶縁されるように設計されることが好ましい。これにより、放射電極12の幅Wに沿った方向における設計波長を持つ電波に対する共振が抑制される。一方、スリット12bの幅が広くなるほど、放射電極12の辺12cに沿った偏波面を持つ電波と共振できる放射電極12の面積が狭くなり、その結果としてアンテナ利得が低下する。そこでスリット12bの幅は、例えば、基板10の厚さの3倍程度に設定されることが好ましい。
またスリット12bの辺12cに沿った方向の長さ(以下、単にスリット12bの長さと呼ぶ)は、長いほど、辺12fに沿った方向の共振が抑制されるので好ましい。そのため、スリット12bの長さは、放射電極12の辺12cに沿った方向の長さの1/2以上であることが好ましい。これにより、辺12fに沿った方向の共振が可能な放射電極12の面積が、辺12cに沿った方向の共振が可能な放射電極12の面積の半分以下となる。
ただし、スリット12bの他端と辺12eとの間の区間の距離が狭くなり過ぎると、放射電極12のうちのその区間を介して接続される部分に電流が流れ難くなる。そこで、スリット12bの他端と辺12eとの間の区間の距離は、その区間におけるインピーダンスがパッチアンテナ1のインピーダンス(例えば、50Ω)以下となるように設定されることが好ましい。
また、辺12fに沿った方向における、スリット12bが形成される位置は、辺12fの中央に限られない。スリット12bは、スリット12bから辺12cまでの間隔及びスリット12bから辺12dまでの間隔が設計波長の1/2より小さくなる位置に形成されればよい。ただし、スリット12bから辺12cまでの間隔及びスリット12bから辺12dまでの間隔の一方が設計波長の1/2に近づくほど、パッチアンテナ1は、辺12fに沿った偏波面を持ち、かつ、設計波長を持つ電波に対するアンテナ利得が向上する。そこで、スリット12bは、スリット12bから辺12cまでの間隔及びスリット12bから辺12dまでの間隔の何れも、設計波長の1/2に対して十分小さくなるように、辺12fの中央に形成されることが好ましい。
なお、接地電極11及び放射電極12は、例えば、銅、金、銀、ニッケルといった金属またはこれらの合金若しくはその他の導電性を有する材料によって形成される。
以下、パッチアンテナ1の放射特性のシミュレーション結果について説明する。このシミュレーションでは、モーメント法を利用した。また、以下のシミュレーションでは、パッチアンテナ1及び比較例のパッチアンテナは、周波数(76GHz〜81GHz)で使用されるものとした。
図3(a)〜(c)は、それぞれ、放射電極にスリットが形成されていない点以外は、パッチアンテナ1と同様の構成を有する比較例のパッチアンテナについて、放射電極の幅Wが異なる場合のS11パラメータのシミュレーション結果を示す図である。このシミュレーションにおいて、基板の厚さは50μm、比誘電率εrは3.4、誘電正接tanδは0.01であるとした。また、放射電極及び接地電極は、導電率σ=4.1x107S/mの金属で形成されるものとし、放射電極及び接地電極の厚さは5μmであるとした。また、図3(a)〜図3(c)において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸はS11パラメータ[dB]を表す。また図3(a)〜図3(c)において、m3は周波数76GHzを表し、m4は周波数81GHzを表す。
図3(a)は、放射電極の長さLが1100μmであり、幅Wが400μmである場合のS11パラメータのシミュレーション結果を示す。グラフ310は、周波数とS11パラメータの関係を表す。この例では、放射電極の幅Wが放射電極の長さLの1/2以下であるため、長さLに対応する所望周波数fLを含む、周波数76GHz〜81GHzの電波に対して共振できる放射電極の面積が小さい。そのため、周波数76GHz〜81GHzにおいて、S11パラメータは比較的高くなっている。
図3(b)は、放射電極の長さLが1100μmであり、幅Wが700μmである場合のS11パラメータのシミュレーション結果を示す。グラフ320は、周波数とS11パラメータの関係を表す。この例では、図3(a)に示される例よりも放射電極の幅Wが広いため、周波数76GHz〜81GHzにおいて、S11パラメータは低下している。また、幅Wが広くなったことにより、S11パラメータが極小値となる、幅Wの2倍に対応する周波数fWと周波数fLの差が小さくなる。
図3(c)は、放射電極の長さLが1100μmであり、幅Wが1000μmである場合のS11パラメータのシミュレーション結果を示す。グラフ330は、周波数とS11パラメータの関係を表す。この例では、図3(b)に示される例よりもさらに放射電極の幅Wが広いため、周波数76GHz〜81GHzにおいて、S11パラメータは低下している。また、長さLと幅Wの差がより小さくなるので、S11パラメータが極小値となる、周波数fLと周波数fWの差もより小さくなる。そして周波数fLと周波数fWの差が小さいため、この比較例のパッチアンテナは、周波数fLにおいて、長さLに対応する辺に沿った偏波面を持つ電波だけでなく、幅Wに対応する辺に沿った偏波面を持つ電波も放射または受信可能となることが分かる。そのため、この比較例のパッチアンテナは、特定方向の偏波面を持つ電波の放射または受信し、それ以外の方向の偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制することが求められる用途には適さない。
図4は、図3(b)に示される例と同様に、放射電極の長さLが1100μm、幅Wが700μmである比較例のパッチアンテナの周波数fLでのアンテナ利得を示す図である。図4において、横軸は、放射電極の表面かつ中心での法線に対して、図1の矢印100で示される方向に沿ってなす角θを表す。縦軸はアンテナ利得[dBi]を表す。そしてグラフ400は、角θとアンテナ利得の関係を表す。この例では、法線方向において最もアンテナ利得が高くなり、そのアンテナ利得は3.076[dBi]となる。
図5(a)は、一つの実施形態に係るパッチアンテナ1のS11パラメータのシミュレーション結果を示す図である。図5(a)において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸は縦軸はS11パラメータ[dB]を表す。また図5においても、m3は周波数76GHzを表し、m4は周波数81GHzを表す。グラフ500は、パッチアンテナ1についての、周波数とS11パラメータの関係を表す。なお、この例では、放射電極12の長さL及び幅Wを1100μmとした。また、スリットの幅を14.1μm、スリットの長さを874.2μmとした。
グラフ500に示されるように、周波数76GHz〜81GHzにおいて、S11パラメータの値は、放射電極の幅Wを1000μmとしたときの比較例のパッチアンテナと同程度となっている。また、本実施形態では、スリット12bにより、幅Wに対応する方向に沿った共振が抑制される一方、スリット12bと辺12cまたは辺12d間の間隔、すなわち、幅Wの半分に相当する周波数fW'にて、S11パラメータは極小値となる。しかしこの場合、周波数fW'と周波数fL間の差は、放射電極の幅Wを1000μmとしたときの比較例のパッチアンテナにおける、周波数fLと周波数fWの差よりも大きくなる。そのため、周波数fL、すなわち、設計波長では、パッチアンテナ1は、幅Wに対応する方向に沿った偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制できることが分かる。
図5(b)は、本実施形態によるパッチアンテナ1の周波数fLでのアンテナ利得を示す図である。なお、この例でも、放射電極12の長さL及び幅Wを1100μmとした。図5において、横軸は、放射電極12の表面かつ中心での法線に対して、図1の矢印100で示される方向に沿ってなす角θを表す。縦軸はアンテナ利得[dBi]を表す。そしてグラフ510は、角θとアンテナ利得の関係を表す。この例では、法線方向におけるアンテナ利得が3.634[dBi]となり、放射電極の幅Wが700μmの場合の比較例よりもアンテナ利得が向上していることが分かる。
以上に説明してきたように、このパッチアンテナは、矩形状の放射電極のうち、利用する偏波面の方向と直交する方向の辺に、利用する偏波面の方向と平行なスリットを設けることで、利用する偏波面と直交する方向における共振を抑制する。これにより、このパッチアンテナは、利用する偏波面と直交する方向の辺を長くしてアンテナ利得を向上させつつ、利用する偏波面と直交する方向の偏波面を持つ電波の放射または受信を抑制できる。
なお、このパッチアンテナが有する放射電極の形状、配置及び本数は、上記の実施形態に限られない。
図6(a)及び図6(b)は、それぞれ、変形例による、パッチアンテナの概略平面図である。なお、図6(a)及び図6(b)において、矢印600は、地面と平行な方向を表す。
図6(a)に示される変形例によるパッチアンテナ2は、図1に示されるパッチアンテナ1と比較して、地面に対する配置が異なっている。すなわち、パッチアンテナ2は、利用する偏波面の方向と平行な放射電極12の辺12c及び辺12dが、地面と平行となるように配置される。一方、地面と直交する方向の辺12eと辺12fのうち、給電点12aと遠い方の辺12fの中央に、辺12cと平行なスリット12bが形成される。そして辺12c及び辺12dの長さLと辺12e及び辺12fの長さWは、略等しくなるように放射電極12は形成される。したがって、パッチアンテナ2は、辺12cの長さLの2倍に相当する設計波長を持ち、かつ、地面と平行な方向の偏波面を持つ電波を放射または受信できる。
図6(b)に示される変形例によるパッチアンテナ3も、図1に示されるパッチアンテナ1と比較して、地面に対する配置が異なっている。すなわち、パッチアンテナ3は、利用する偏波面の方向と平行な放射電極12の辺12c及び辺12dが、地面と直交するように配置される。一方、地面と平行な方向の放射電極12の辺12eと辺12fのうち、給電点12aと遠い方の辺12fの中央に、辺12cと平行なスリット12bが形成される。そして辺12cの長さLと辺12fの長さWは、略等しくなるように放射電極12は形成される。したがって、パッチアンテナ3は、辺12cの長さLの2倍に相当する設計波長を持ち、かつ、地面と直交する方向の偏波面を持つ電波を放射または受信できる。
図7は、他の変形例によるパッチアンテナの概略平面図である。この変形例によるパッチアンテナ4では、利用する偏波面と直交する方向の放射電極12の幅W、すなわち、辺12fの長さが、利用する偏波面と平行な方向の放射電極12の長さL、すなわち、辺12cの長さよりも長くなっている。なお、この例では、幅Wは、長さLの略1.5倍である。そして辺12e及び辺12fのうち、給電点12aから遠い方の辺12fに、辺12cと平行な複数のスリット12b−1〜12b−3が等間隔で形成されている。そのため、隣接するスリット間の幅W'は、長さLよりも短くなっている。したがって、この例でも、設計波長を持つ電波に対して、利用する偏波面と直交する方向における共振が抑制される。またこの例では、隣接するスリット間の幅W'は、上記の実施形態によるパッチアンテナ1のスリット12bと辺12cまたは辺12d間の間隔よりも狭くなっている。そのため、この変形例によるパッチアンテナ4では、長さLの2倍の設計波長を持つ電波の周波数fLにおいて、より直線状の偏波特性が得られる。またこの例では、放射電極12の幅Wを、利用する偏波面と平行な方向の長さLよりも長くできるので、パッチアンテナ1個当たりのアンテナ利得がより向上する。
さらに他の変形例によれば、スリットは、利用する偏波面と直交する方向の二つの辺の両方に、利用する偏波面と平行に形成されてもよい。あるいは、スリットは、放射電極の中央に、利用する偏波面と平行に形成され、スリットの両端は、放射電極の何れの辺ともつながってなくてもよい。
さらに他の変形例によれば、放射電極にスリットが形成される位置において、基板及び接地電極にもスリットが形成されてもよい。これらの変形例でも、上記の実施形態によるパッチアンテナと同様の効果が得られる。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1〜4 パッチアンテナ
10 基板
11 接地電極
12 放射電極
13 給電線
12a 給電点
12b、12b−1〜12b−3 スリット
12c〜12f 放射電極の辺

Claims (3)

  1. 誘電体により形成される基板と、
    前記基板の一方の面に設けられる接地電極と、
    前記基板の他方の面に設けられる矩形状の放射電極とを有し、
    前記放射電極に、前記放射電極の第1の辺と平行かつ前記第1の辺よりも短いスリットが形成され、かつ、前記スリットと前記第1の辺間の間隔及び前記スリットと前記第1の辺と対向する第2の辺間の間隔が前記第1の辺よりも短く、かつ、前記第1の辺及び前記第2の辺は直線状に形成され、
    前記放射電極の一つの角に給電点が設けられ、
    前記スリットの一端が、前記放射電極の前記第1の辺と直交する二つの辺のうち、前記給電点から遠い方の辺上に位置するように前記スリットが形成される、
    パッチアンテナ。
  2. 前記第1の辺と直交する前記放射電極の二つの辺の長さが、前記第1の辺の長さ以上となるように前記放射電極は形成される、請求項1に記載のパッチアンテナ。
  3. 前記二つの辺に沿って複数の前記スリットが形成され、隣接する前記スリット間の間隔が前記第1の辺よりも短い、請求項に記載のパッチアンテナ。
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