JP2016015416A - 光微小共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で、均一性が高く、高い品質因子Qを得ることのできる光微小共振器を提供する。
【解決手段】微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層11と、中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層21と、中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層22と、中心層と第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層31と、中心層と第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層32と、を有し、第1の材料により形成される層または前記第2の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、第3の材料と第4の材料との屈折率差は、第1の材料と第2の材料との屈折率差よりも大きい。
【選択図】図3

Description

本発明は、光微小共振器に関するものである。
今までの情報処理は、電圧や電荷等の観測できる物理量の値に数値を対応させることにより実現されている。一方、量子情報処理においては、量子力学に基づく重ね合わせ状態に情報を載せ、盗聴不可能な情報通信(量子暗号)や大規模な並列計算を可能にする計算機(量子コンピュータ)が実現可能になると考えられており、研究開発が進められている。
このような量子情報処理を行うための基本素子として、光子を1つずつ発生する単一光子源が有力な候補となっている。この単一光子源を量子暗号通信の光源として用いることにより、盗聴があった際に識別可能となるセキュアな通信が可能となる。更に単一光子発生器から発せられる光子の性質を揃えお互いに区別出来ない(識別不可能)状態が実現されると、量子演算と呼ばれる量子力学的重ね合わせ状態に対する演算が可能となり、量子中継による長距離量子暗号通信、量子コンピュータなどより高度な量子情報処理につながる技術となる。
単一光子源の性能である光子の取り出し効率と識別不可能性は、どちらも光子の自然放射寿命に大きく依存する。非発光再結合過程の寿命より自然放射寿命が長いと発光効率自体が低下する。また、発光素子内の電子・正孔対(励起子)の散乱寿命(コヒーレンス時間)より自然放射寿命が長いと、発光中に量子力学的位相が変化してしまうため光子の均一性が失われてしまい、識別不可能性が低下してしまう。
従って、量子情報通信システムに使用される単一光子発生器をより高度な量子演算などに応用する場合には、発生した光子が特定の電磁界モードに効果的に結合し発光寿命が短くなる(弱結合)ような素子構造を用いる。これにより、発生する光子の取り出し効率及び識別不可能性を向上させることができる。また、コヒーレントな単一光子源や、電子と光子の相互もつれ(エンタングル)などを実現するためには、発光体が電磁界モードに非常に強く結合すること(強結合)が必要となる。このような構造としては、発光体である量子ドットをDBR(distributed Bragg reflector)ミラーを用いてミクロンサイズのピラー構造に埋め込んだマイクロピラー共振器が有望とされている。一般的なマイクロピラー共振器は、単層の中心層と、中心層の上下に設けられたDBRミラーを有するピラーにより形成されている。
しかしながら、現状では、半導体量子ドットによる光ファイバーで長距離伝送が可能な通信波長が1.55μm帯の発光に適用するマイクロピラー共振器は少ない。1.55μm領域の光を効率的に発光することが可能な量子ドットは、現在のところInP基板上のInAs量子ドットのみである。InP基板上でエピタキシャル成長することが可能な半導体材料で高い屈折率差をもつ組み合わせは得られていないため、そのような材料でDBRを形成した場合、閉込めが弱いため電磁界の実効的な広がりを表すモード体積が大きくなってしまうとともに、十分な反射率を得るためのDBRの層数が大きくなる。このため、ピラー高さが20μm以上と非常に大きくなってしまい、アスペク比の極めて高いピラーを作らなければならない。このようなピラーは作製することが難しく、使いにくく、崩れやすいので、モノリシックなInP系マイクロピラー共振器は実用にはなっていない。
宋他、第60回応用物理学会春季学術講演会,29a-PB6-1. Song et al., Opt. Lett. 38, 3241(2013). M. Lermer et al., Phys.Rev.Lett.108,057402(2012). Y. Zhang and M. Loncar, Opt. Lett. 34, 902 (2009). Optical Electronics, edited by A. Yariv (Saunders College, San Francisco, 1991). Handbook of optical constants of solids, edited by E. D. Palik (Academic Press, An Imprint of Elsevier, 1998). K. Takemoto et al., Appl. Phys. Exp. 3, 092802 (2010). T. Kuroda et al., Phys. Stat. Sol.(c) 6, 944 (2009).
そのために、発明者達は、屈折率差の大きいSi/SiO−DBRミラーとInAs/InP量子ドットを含む半導体InP中心層をハイブリド接合して、高品質の通信波長帯におけるマイクロピラー共振器を提案した(例えば、非特許文献1、2)。
このマイクロピラー共振器は、図1(a)に示されるように、Si基板910の上に、第1のSi/SiO−DBRミラー層921、InP中心層911、第2のSi/SiO−DBRミラー層922が積層されているピラー構造である。InP中心層911は、光学厚さλ(1波長)となるように形成されており、第1のSi/SiO−DBRミラー層921、第2のSi/SiO−DBRミラー層922は、光学厚さλ/4のSi層とSiO層とを交互に数対積層することにより形成されている。
このマイクロピラー共振器は、1.55μm帯において、十分な発光増強(Purcell因子F=20〜120)が得られるため、量子ドット単一光子源の量子鍵レートの向上及び光子の識別不可化が可能となった。しかしながら、このようなマイクロピラー共振器を作製するためには、半導体により形成されるInP中心層911の両側に、Si/SiO−DBRミラー層を成膜する必要がある。このため、図1(b)に示すように、第1のSi/SiO−DBRミラー層921または第2のSi/SiO−DBRミラー層922を成膜する際、または半導体層をエッチングする際に、InP中心層911に100〜200nmの深さまでダメージが生じる。InP中心層911の厚さは約500nm以下であるため、図1(c)に示されるように、InP中心層911における量子ドット層はダメージを受けた領域から十分に離れていないため、量子ドットの発光効率を弱めてしまう可能性がある。
同時に、このマイクロピラー共振器の構造では、十分な品質を実現するための共振器ピラーの横サイズが大きい(例えば、円形ピラーの場合ピラー直径D>1.6μm)ため、マイクロピラー共振器中に存在している量子ドットの数を抑えにくく、単一のドットのみと共鳴させることが困難である。
小さい横サイズのマイクロピラーにおいて、高い品質を実現する技術としては、通常のマイクロピラー共振器では、単層の中心層だけであった部分を、多層のテーパDBR構造にする方法がある(例えば、非特許文献3、4)。テーパDBR構造とは、通常DBRと同様に2種材料を交互に繰り返して積層することにより形成される構造であるが、テーパDBRを形成している各々の膜の膜厚が共振器中心に近づくに従って、徐々に減るように形成されている構造である。しかしながら、このマイクロピラー共振器におけるDBRに用いられているAlAs/GaAs、SiO/TiOの材料は、通信波長帯1.55μmの光源には適しておらず、かつ、屈折率差が小さいため、ピラーの高さが高くなるという問題もある。
よって、発光体となるInAs量子ドットが含まれるInP中心層を有する光微小共振器であるマイクロピラー型共振器において、小型で、高いPurcell因子F、または、高い品質因子Qを得ることのできる光微小共振器が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、を有し、前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第1の材料により形成される層と第2の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第1の材料により形成される層または前記第2の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第3の材料により形成される層と第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第3の材料と前記第4の材料との屈折率差は、前記第1の材料と前記第2の材料との屈折率差よりも大きいことを特徴とする。
開示の光微小共振器によれば、InP基板上に形成されたInAs量子ドット等により形成される発光層(中心層)を有する共振器構造において、小型で、高いPurcell因子F、または、高い品質因子Qを得ることができる。
光微小共振器の構造図 TM波に対する平面DBRミラーでの電磁界減衰の割合の膜厚依存性の説明図 第1の実施の形態における光微小共振器の構造図 第1の実施の形態における光微小共振器の特性図 第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態における光微小共振器の説明図 第2の実施の形態における光微小共振器の構造図 第2の実施の形態における光微小共振器の特性図 第3の実施の形態における光微小共振器の構造図 第3の実施の形態における光微小共振器の特性図 第4の実施の形態における光微小共振器の構造図 第4の実施の形態における光微小共振器の特性図(1) 第4の実施の形態における光微小共振器の特性図(2) 第5の実施の形態における光微小共振器の構造図 第5の実施の形態における光微小共振器の特性図
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。ピラーの形状は円形に限定されるものではないが、本願においては、ピラー直径Dを持つ円形ピラーを例として説明する。
(実施の形態の概要)
本実施の形態における光微小共振器は、中心層と、中心層の両側に各々形成された遷移DBR層と、遷移DBR層の外側となる両側に形成された通常DBR層とを有している。中心層は第1の材料により形成されており、例えば、化合物半導体であるInGaAsPにより形成されている。遷移DBR層は、第1の材料と第2の材料とを膜厚を変化させながら交互に積層することにより形成されている。第2の材料は化合物半導体により形成されており、例えば、InPが用いられている。通常DBR層は、第3の材料と第4の材料を一定の周期で交互に積層することにより形成されている。第3の材料としては、例えば、SiOが用いられ、第4の材料としては、例えば、Siが用いられる。
また、本実施の形態は、遷移DBR層を内遷移DBR層と外遷移DBR層とにより形成した光微小共振器であってもよい。この場合、遷移DBR層における内遷移DBR層は中心層側に形成され、外遷移DBR層は通常DBR層側に形成される。この際、内遷移DBR層は、第1の材料と第2の材料を交互に積層することにより形成してもよく、外遷移DBR層は、第3の材料と第4の材料を交互に積層することにより形成してもよい。
(実施の形態における効果)
DBRを用いたマイクロピラー型微小共振器では、近似的に言えば、ピラーの縦方向となる軸方向においてはDBRによるブラッグ反射により光閉じ込めを行い、横方向となる半径方向においては屈折率差による全反射による光閉じ込めを行う。これにより、共振器構造を実現している。しかしながら、全反射がおこるのは平面波の場合であり、微小共振器のように反射面が有限領域である場合は厳密には、全反射はおこらず有限のリークが発生する。これが微小共振器におけるQ値が有限の値になる理由の1つである。即ち、全反射が起こらない理由は、光が有限領域に閉じ込められていることにより、波数成分に広がりが生じ、全反射条件を満たさない成分が発生するからである。
テーパ型構造においては、DBR層を形成している膜の膜厚を中心層に近づくに伴い薄くすることにより、DBRのバンドギャップを高波数側に徐々にシフトさせている。これによりDBRの減衰率は中心層に近づくに従って小さくなり、ゆるやかな光閉じ込めが実現される。光閉じ込めがゆるやかになることにより、光の電磁界の包絡線の変化も緩やかになり、フーリエ変換により得られる電磁界の波数成分の広がりも小さくなり、全反射条件を満たさない光の成分を小さくすることができる。
しかしながら、DBRの減衰率を中心層に近づくに従って小さくする方法は、DBR層の膜厚を中心に近づくに従って薄くすることによりバンドギャップを高波数側にシフトさせる方法が唯一の方法ではない。高屈折率層及び低屈折率層の膜厚を変化させる方法には様々な方法があり、バンドギャップの中心波長をシフトさせるだけではなく、バンドギャップの幅自体を変化させることによっても可能である。
この様子を定性的に調べるには、平面DBRで解析を行えばよい。例えば、積層方向をZ方向とした場合のTMモードに対して考えると、次のようになる。まず、数1に示される式のように、Eを進行波成分Eと後退波成分Eとに分ける。すると各接合面での境界条件は数2に示される式となり、数3に示される式が得られる。
Figure 2016015416
Figure 2016015416
Figure 2016015416
これに基づき、材料1及び材料2の2層膜からなる領域の両側のEを結びつける縦続行列Fは、数4に示される。
Figure 2016015416
尚、数5に示されるものは材料iでできた層における誘電率であり、数6に示されるものはz方向の波数である。
Figure 2016015416
Figure 2016015416
平面DBRの1層(高屈折率層1層+低屈折率層1層)あたりの電磁界の振幅の減衰割合を表す定数は、数4に示される行列の固有値であり、数7に示される固有方程式の解xとして与えられる。
Figure 2016015416
数7に示される方程式の解が、2つの異なる実数となる場合、一方の解の絶対値は1より大きく、他方は1より小さくなるため、考えている光の波長はDBRの阻止域にあり、絶対値の小さい解が1層あたりの電磁界の減衰の割合となる。
TEモードに対しても、上記固有方程式の誘電率の代わり透磁率を用いることにより、同様の結果を得ることができる。
図2は、以上のように計算したTM波に対する平面DBRミラーでの電磁界の減衰の割合を表す定数xのDBR膜厚依存性を示している。上記のように、xは1層進む毎に電磁界がどれだけ小さくなるかを表しているので、xの値が小さいほど減衰の割合は大きい。従って、DBRの減衰率を最も大きくするためには、高屈折率層及び低屈折率層をともに、λ/4の奇数倍にする必要があることがわかるが、これよりも小さい減衰率を得るためには、様々な膜厚の組み合わせがあることがわかる。よって、中心層の膜厚にあまり制約を与えることなく、中心に近づくに従って減衰率が小さくなるような緩やかな光閉じ込めを実現することは可能である。
以下に開示する実施の形態は、このような様々な構造変化に基づき遷移DBRを形成することにより、中心層の膜厚にあまり制約を与えることなく、高いQ値をもつマイクロピラー型微小共振器を得るものである。更に、開示する実施の形態は、製造工程において中心層が受けるダメージをできるだけ少なくし、歩留まりが高く、信頼性の高い光微小共振器を得ることができるものである。尚、開示される実施の形態おいて得られるQ値については、開示する実施の形態とともに記載する。
〔第1の実施の形態〕
(構造)
本実施の形態における光微小共振器について、図3に基づき説明する。本実施の形態における光微小共振器は、遷移DBR層を形成している第1の材料により形成される層と第2の材料により形成される層の膜厚が、中心層に近づくに伴い、徐々に薄くなっているマイクロピラー共振器である。
本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に形成されたピラー100により形成されている。本実施の形態における光微小共振器のピラー100の横断面の形状は、円形に限定されるものではないが、本実施の形態においては、ピラー直径Dのピラー100の構造の場合を例に説明する。ピラー100の中央付近には第1の材料111により中心層11が形成されている。中心層11には発光体(例えば、半導体量子ドット)が形成されており、中心層11の両側には、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32が形成されている。更に、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32の外側には、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22が形成されている。即ち、本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、第2の通常DBR層22を積層することにより形成されたピラー100により形成されている。
第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。本実施の形態においては、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、中心層11に近づくに伴って、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなるN段のテーパDBRにより形成されている。尚、本実施の形態においては、段とは、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層の1セットの2層膜である。また、本実施の形態においては、第1の材料111は、InGaAsPが用いられており、第2の材料112は、InPが用いられている。
第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層を一定の周期で交互に積層することにより形成されているm/n周期の構造である。第3の材料113により形成される層は低屈折率層であり、例えば、SiOにより形成されており、第4の材料114により形成される層は高屈折率層であり、例えば、Siにより形成されている。
本実施の形態における光微小共振器は、第1の材料111と第2の材料112との屈折率差よりも、第3の材料113と第4の材料114との屈折率差の方が大きくしている。即ち、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を形成している材料における屈折率差よりも、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22を形成している材料における屈折率差の方が大きくなるように形成されている。具体的には、第1の材料111となるInGaAsPの屈折率は3.3であり、第2の材料112となるInPの屈折率は3.1である。これに対し、第3の材料113となるSiOの屈折率は1.5であり、第4の材料114となるSiの屈折率は3.5である。従って、第1の材料111と第2の材料112との屈折率差0.2よりも、第3の材料113と第4の材料114との屈折率差2.0の方が大きくなっている。尚、本実施の形態における光微小共振器においては、第1の材料111と第2の材料112は、どちらが屈折率が高くてもよい。
このように、中心層11の両側に、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を形成することにより、製造プロセスにおいて中心層11の受けるダメージを防ぐことができる。また、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を形成している材料の屈折率差よりも、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22を形成している材料の屈折率差を大きくすることにより、ピラー100の高さを低くすることができる。これにより、光微小共振器の製造がしやすくなり、また、光微小共振器を一層小型にすることができる。
本実施の形態においては、一例として、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22における第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層の光学厚さは、ブラッグ波長λの1/4とする。即ち、第3の材料113により形成される層の膜厚tと第4の材料114により形成される層の膜厚tは、下記の数8に示される式により定まる。
Figure 2016015416
ここで、ne3は第3の材料113の有効屈折率であり、ne4は第4の材料114の有効屈折率である。有効屈折率については、非特許文献5に記載されている方法により計算することができる。ブラッグ波長λは目標モード波長付近、例えば、通信波長帯の1.55μmに設定する。
次に、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32について説明する。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32においては、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層の膜厚は、形成される位置により異なる。具体的には、i段における第1の材料111により形成される層の膜厚t1iと第2の材料112により形成される層の膜厚t2iは、下記の数9に示される式により定まる。
Figure 2016015416
尚、膜位置を表す段番号iは、第1の通常DBR層21または第2の通常DBR層22の側から離れ、中心層11に近づくに伴い大きくなる整数である。ne1は第1の材料111の有効屈折率であり、ne2は第1の材料111の有効屈折率であり、ρ(ρ>0)は膜厚変化の度合(傾き)である。尚、中心層11の膜厚t10は、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32の構造と関係があり、数10に示される式により定めることが好ましい。
Figure 2016015416
以上については、膜厚の設定の一例であるが、これに限定されるものではない。尚、有効屈折率はピラー100におけるピラー直径Dによって変化する。また、上記においては、光微小共振器を形成している第1の材料111、第2の材料112、第3の材料113、第4の材料114における有効屈折率の値は、ピラー直径Dが一定な値、例えば0.8μmにおける値である。
(効果)
本実施の形態における光微小共振器であるマイクロピラー共振器の光学性能は、FDTD(finite-difference-time-domain)法を用いて解析することができる。上述した第1の材料111、第2の材料112、第3の材料113、第4の材料114は上述した材料を用いた光微小共振器について解析を行った。光微小共振器は、第2の通常DBR層22/第1の通常DBR層21を4/6.5対、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32におけるテーパDBRの段数N=6とした。また、ブラッグ波長λを1.55μm、ρを0.03とし、数8〜10に基づき膜厚を設定した場合の計算を行った。この結果を図4に示す。尚、図4(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図4(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図4(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。尚、図4において、従来構造は、図1に示される構造の光微小共振器におけるものである。
本実施の形態における光微小共振器は、従来のSi/SiO−InPマイクロピラー共振器と比べ、モード波長λの変化は同様であるが、品質因子Qはより高くなっているため、特性が向上している。また、ピラー直径Dが1.5μm以下においては、20から100以上までの高いPurcell因子Fが得られている。特に、ピラー直径Dが0.80μm近傍においては、モード波長λが1.55μmと、Purcell因子F=20〜140が実現されている。これにより、本実施の形態における光微小共振器は、ピラー直径Dが、サブミクロンの直径であっても、1.55μmの通信波長帯の量子ドット単一光子源において、十分強い発光増強効果が実現できる。本実施の形態においては、光微小共振器であるピラー100の横サイズを小さくすることにより、単一ドット発光が実現しやすくなった。例えば、本実施の形態における光微小共振器において、量子ドットの面密度を1010cm−2オーダに、発光スペクトル半値幅を50meVとし、ピラー直径Dを0.8μmとすると、マイクロピラー共振器の共振モードと共鳴する量子ドットが1個程度になる。
(製造方法)
次に、本実施の形態における光微小共振器であるマイクロピラー共振器の製造方法について説明する。説明の便宜上、基板10がSi、第1の材料111がInGaAsP、第2の材料112がInP、第3の材料113がSiO、第4の材料114がSiにより形成されている場合について説明する。図5から図7は、本実施の形態における光微小共振器の製造方法を説明する工程断面図である。
最初に、図5(a)に示すように、本実施の形態における光微小共振器の第2の遷移DBR層32、中心層11、第1の遷移DBR層31を形成する。第2の遷移DBR層32、中心層11、第1の遷移DBR層31は、分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法又は有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法等により形成する。
具体的には、InPウェハ50の上に、厚さが1μm〜数μmのInPからなる不図示のバッファ層を形成し、更に、基板10と格子整合するエッチストップ層51として、例えば、膜厚が100nm程度となるInGaAsからなる層を形成する。更に、エッチストップ層51の上に、第1の材料111であるInGaAsPにより形成される高屈折率層と第2の材料112であるInPにより形成される低屈折率層とをN回交互に積層することにより、テーパDBRである第2の遷移DBR層32を形成する。第2の遷移DBR層32を形成している第1の材料111であるInGaAsPにより形成される高屈折率層と第2の材料112であるInPにより形成される低屈折率層は積層する度に徐々に膜厚が変化している。例えば、第1の材料111であるInGaAsPにより形成される高屈折率層は、6層成膜される間に、膜厚が124nmから85nmまで線形に薄くなっている。また、第2の材料112であるInPにより形成される低屈折率層は、6層成膜される間に、膜厚が128nmから87nmまで線形に薄くなっている。
このように形成された第2の遷移DBR層32の上に、膜厚が40nm程度の量子ドット下地InGaAsP層を形成した後、基板温度や成長環境を調整してInAsを2原子層程度の堆積させることによりInAs量子ドットを形成する。更に、このInAs量子ドットの上に、膜厚が40nm程度の量子ドットキャップInGaAsP層を形成する。これにより、量子ドット下地InGaAsP層、InAs量子ドット及び量子ドットキャップInGaAsP層により中心層11が形成される。
更に、中心層11の上に、第2の材料112であるInPにより形成される低屈折率層と第1の材料111であるInGaAsPにより形成される高屈折率層とをN回交互に積層することにより、テーパDBRである第1の遷移DBR層31を形成する。第1の遷移DBR層31を形成している第1の材料111であるInGaAsPにより形成される高屈折率層と第2の材料112であるInPにより形成される低屈折率層は積層する度に徐々に膜厚が変化している。例えば、第1の材料111であるInGaAsPにより形成される高屈折率層は、6層成膜される間に、膜厚が85nmから124nmまで線形に厚くなっている。また、第2の材料112であるInPにより形成される低屈折率層は、6層成膜される間に、膜厚が87nmから128nmまで線形に厚くなっている。
これにより、InPウェハ50の上に、不図示のバッファ層、エッチストップ層51、第2の遷移DBR層32、中心層11、第1の遷移DBR層31が形成される。尚、中心層11は、ドット下地InGaAsP層、InAs量子ドット及び量子ドットキャップInGaAsP層により形成されている。
次に、図5(b)に示すように、第1の遷移DBR層31の上に、第1の通常DBR層21を形成する。具体的には、MOCVD装置等より量子ドットが形成されたInP基板を取り出して蒸着装置内に設置する。Si及びSiOの成膜は、PECVD(plasma-enhanced chemical vapor deposition)や電子ビーム蒸着等により行なう。第1の通常DBR層21は、n周期の通常Si/SiO−DBRであり、第1の遷移DBR層31の上に、一定の膜厚の高屈折率層と低屈折率層とを交互にn回繰り返して蒸着することにより形成する。本実施の形態においては、膜厚が122nmのSiにより形成される高屈折率層と、膜厚が346nmのSiOにより形成される低屈折率層とをn回繰り返して蒸着することにより形成している。
次に、図5(c)に示すように、第1の通常DBR層21まで成膜されているInPウェハ50の上下反転し、基板10となるSiウェハの上に、第1の通常DBR層21が位置するように貼り合せる。このSiウェハは、これまでの構造図において基板10として示されているものである。基板10となるSiウェハの上の貼り合せはウェハボンディングなどの方法で行う。これにより、Siウェハである基板10の上に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、エッチストップ層51、不図示のバッファ層、InPウェハ50の順に積層されたものが形成される。従って、第1の通常DBR層21は基板10と接しており、InPウェハ50は上側になる。
次に、図6(a)に示すように、研磨により、InPウェハ50の大部分を削り落とした後、例えば、HPO/HCl溶液を用いたウェットエッチング等により、不図示のInPからなるバッファ層を除去することにより、エッチストップ層51を露出させる。
次に、図6(b)に示すように、例えば、FeCl/HO溶液を用いたウェットエッチングにより、InGaAsにより形成されているエッチストップ層51を除去することにより、第2の遷移DBR層32の表面を露出させる。
次に、図6(c)に示すように、基板10を再び蒸着装置に設置し、第2の遷移DBR層32の上に、第2の通常DBR層22を形成する。尚、第2の通常DBR層22は、m周期の通常Si/SiO−DBRであり、第1の通常DBR層21と同様に、蒸着による成膜により形成する。これにより、光微小共振器を形成するための共振器の縦構造が形成される。
次に、図7に示すように、リソグラフィによるパターニングにより、ピラー100が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成した後、レジストパターンの形成されていない領域において基板10の表面が露出するまでエッチングを行う。これにより、一定の横サイズとなるピラー直径を有するマイクロピラーとなるピラー100を形成することができ、本実施の形態における光微小共振器が作製される。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。尚、上記エッチングは、ドライエッチングを含む方法であってもよい。
本実施の形態においては、中心層11の一方の側には、第1の遷移DBR層31が形成されているため、図5(b)に示される工程において、第1の通常DBR層21を形成する際に、中心層11がダメージを受けることはない。また、中心層11の他方の側には、第2の遷移DBR層32が形成されているため、図6(b)(c)に示される工程において、エッチストップ層51を除去する際に、第2の通常DBR層22を形成する際に、中心層11がダメージを受けることはない。よって、本実施の形態においては、中心層11は、膜厚が均一であって、ダメージも受けていないため、歩留まりが高く、均一な光微小共振器を作製することができる。
即ち、本実施の形態における光微小共振器においては、図8に示されるように、化合物半導体材料であるInPとInGaAsPとにより形成される第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32の全体の厚さは約2.5μmである。従って、第1の遷移DBR層31と第1の通常DBR層21との界面から中心層11までの距離及び第2の遷移DBR層32と第2の通常DBR層22との界面から中心層11までの距離は、1μm以上離れている。蒸着等により化合物半導体が受けるダメージを受ける領域60は、第1の遷移DBR層31と第1の通常DBR層21との界面及び第2の遷移DBR層32と第2の通常DBR層22との界面から約200nmの深さまでである。よって、本実施の形態における光微小共振器は、光微小共振器を製造する工程において、中心層11がダメージを受けることはない。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32が、中心層11に近づくに伴い、第1の材料111により形成される層が徐々に厚くなり、第2の材料112により形成される層が徐々に薄くなる構造のものである。
(構造)
図9に基づき、本実施の形態における光微小共振器について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に形成されたピラー100により形成されている。具体的には、本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、第2の通常DBR層22を積層することにより形成されたピラー100により形成されている。
第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。具体的には、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、中心層11に近づくに伴い、徐々に第1の材料111により形成される層の膜厚が厚くなり、第2の材料112により形成される層の膜厚が薄くなるN段のテーパDBRにより形成されている。尚、本実施の形態においては、第1の材料111は、InGaAsPが用いられており、第2の材料112は、InPが用いられている。
本実施の形態においては、i段における第1の材料111により形成される層の膜厚t1iと第2の材料112により形成される層の膜厚t2iは、下記の数11に示される式により定まる。
Figure 2016015416
具体的には、ρ<0、ρ>0とすることにより、中心層11に近づくに伴い、第1の材料111により形成される層の膜厚を増加させ、第2の材料112により形成される層の膜厚を減少させている。
また、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22については、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層の膜厚が、上述した数8に示されるように、均一となるように形成されている。
また、本実施の形態においては、中心層11の厚さは数12に示される式を満たすように形成されている。
Figure 2016015416
以上は、一例であり、上記の内容に限定されるものではなく、上記と異なる構成のほうが有効である場合がある。
(効果)
本実施の形態における光微小共振器の効果について説明する。光微小共振器は、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22を4/6.5対とし、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32におけるテーパDBRの段数N=6とした。尚、本実施の形態における光微小共振器は、第1の材料111がInGaAsP、第2の材料112がInP、第3の材料113がSiO、第4の材料114がSiにより形成されている。
λを1.55μm、ρ=−ρ=0.03として、数11及び数12等に基づき、膜厚を設定した場合の計算を行った。この結果を図10に示す。尚、図10(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図10(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図10(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。尚、図10において、従来構造は、図1に示される構造の光微小共振器におけるものである。ピラー直径Dが0.85μmで、モード波長λが1.5μmの場合、Q値は1×10に達しており、従来構造のものより大幅に向上している。また、Purcell因子Fは20〜200以上となる。
本実施の形態における光微小共振器においても、サブミクロンのピラー直径でも通信波長帯の量子ドット単一光子源に対する十分強い発光増強効果が実現できる。サブミクロンのピラー直径と高いQ値では、量子ドットの面密度は5×1010cm−2程度でも、単一ドットとの共鳴ができる。また、本実施の形態においては、第1の材料111と第2の材料112により形成される層全体の厚さは、第1の実施の形態における光微小共振器よりも厚く形成することができる。具体的には、本実施の形態においては、第1の材料111と第2の材料112により形成される層の全体の厚さは3μmとなるため、中心層11に含まれる発光体(量子ドット)へのダメージの影響を一層避けることができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における光微小共振器であるマイクロピラー共振器の製造方法は、第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法と、膜厚等を除き略同様であるため省略する。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、第1の遷移DBR層及び第2の遷移DBR層がハイブリッドとなっている構造のものである。第1の実施の形態等において、第1の材料111と第2の材料112との屈折率差が小さい場合、第1の遷移DBR層及び第2の遷移DBR層において得られる減衰率は、あまり大きくない。このような第1の遷移DBR層及び第2の遷移DBR層である遷移DBR層に、減衰率の大きい第1の通常DBR層及び第2の通常DBR層である通常DBR層を直接接合すると、減衰率の不連続性が大きくなってしまう。
本実施の形態は、このような減衰率の不連続性が大きくなることを避けるため、遷移DBR層を内遷移DBR層と外遷移DBR層とにより形成したものである。このように形成される遷移DBR層における内遷移DBR層は中心層が形成されている側に形成し、外遷移DBR層は、通常DBR層が形成される側に、通常DBR層を形成している材料と同じ材料で形成したものである。
本実施の形態は、内遷移DBR層及び外遷移DBR層を形成している層が、中心層に向かって徐々に薄くなるように形成されているマイクロピラー共振器である。
(構造)
図11に基づき、本実施の形態における光微小共振器について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に形成されたピラー100により形成されている。基板10の上に形成されるピラー100は、第1の通常DBR層21、第1の外遷移DBR層141、第1の内遷移DBR層151、中心層11、第2の内遷移DBR層152、第2の外遷移DBR層142、第2の通常DBR層22が積層されている。本実施の形態においては、第1の外遷移DBR層141と第1の内遷移DBR層151により第1の遷移DBR層131が形成され、第2の外遷移DBR層142と第2の内遷移DBR層152により第2の遷移DBR層132が形成される。
本実施の形態においては、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、中心層11に近づくに伴って、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなるNin段のテーパDBRにより形成されている。尚、本実施の形態においては、第1の材料111は、InGaAsPが用いられており、第2の材料112は、InPが用いられている。
また、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、中心層11に近づくに伴って、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層の膜厚が徐々に薄くなるNex段のテーパDBRにより形成されている。尚、本実施の形態においては、第3の材料113は、SiOが用いられており、第4の材料114は、Siが用いられている。
第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、m/n対となっている。
本実施の形態においては、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、ともに段番号が増加するに伴い、徐々に薄くなるように形成されている。
例えば、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152を形成している第1の材料111により形成される層及び第2の材料112により形成される層の膜厚は、数11及び数12に示す式において、ρ>0、ρ>0より定められる。また、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142を形成している第3の材料113により形成される層及び第4の材料114により形成される層の膜厚は、下記の数13に示す式において、ρ>0、ρ>0より定められる。
Figure 2016015416
以上は、一例であり、上記の内容に限定されるものではなく、上記と異なる構成の方が有効である場合がある。
(効果)
本実施の形態における光微小共振器の効果について説明する。光微小共振器は、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142と第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152におけるテーパDBRの段数Nex=Nin=3とした。また、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22を4/6.5対とした。尚、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。また、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。本実施の形態における光微小共振器は、第1の材料111がInGaAsP、第2の材料112がInP、第3の材料113がSiO、第4の材料114がSiにより形成されている。
数11、数12、数13に基づき、λ=1.34μm、ρ=ρ=ρ=ρ=0.035となるように遷移DBR層を形成している各々の層の膜厚を設定する。これにより、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142と第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152においては、中心層11に近づくに従い各々の層の膜厚は徐々に均一な割合で薄くなる。
上述した設定された膜厚に基づき計算した結果を図12に示す。尚、図12(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図12(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図12(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。尚、図12において、従来構造は、図1に示される構造の光微小共振器におけるものである。
上記のように、遷移DBR層において、中心層11に近づくに従い各々の層の膜厚は徐々に均一な割合で薄くなる構造の光微小共振器の計算結果を図12における「▲」により示す。「▲」により示されるように、ピラー直径Dが0.80μmで、モード波長λが1.55μmの場合、Q値は5000に達しており、従来構造のものより大幅に向上している。また、Purcell因子Fは20〜200以上となる。
本実施の形態における光微小共振器においても、サブミクロンのピラー直径でも通信波長帯の量子ドット単一光子源に対する十分強い発光増強効果が実現できる。サブミクロンのピラー直径と高いQ値では、量子ドットの面密度は数1010cm−2程度でも、単一ドットとの共鳴ができる。本実施の形態においては、第1の材料111と第2の材料112により形成される層の全体の厚さは1μmとなるため、中心層11に含まれる発光体(量子ドット)へのダメージの影響を十分に避けることができる。更に、F>20となるピラー直径D範囲は0.2μmの幅であり、第1の実施形態及び第2の実施の形態における数十nmの狭い有効直径範囲と比べて、本実施の形態における光微小共振器は、製造しやすいといった利点がある。
また、本実施の形態における他の光微小共振器の例として、数11、数12、数13に基づき、λ=1.45μm、ρ=ρ=0.025、ρ=ρ=0.03となるように遷移DBR層を形成している各々の層の膜厚を設定する。これにより、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142と第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152においては、中心層11に近づくに従い各々の層の膜厚は徐々に不均一な割合で薄くなる。
上述した設定された膜厚に基づき計算した結果を図12における「□」により示す。「□」により示されるように、ピラー直径Dが0.90μmで、モード波長λが1.55μmの場合、Q値は4×10に達しており、従来構造のものより大幅に向上している。また、Purcell因子Fは20〜200以上となる。この構造のものは、「▲」に示されるものと同じ効果があることの他に、Q値が1×10以上と高い値になり、発光体と共振器モードの強結合ができることも期待できる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における光微小共振器であるマイクロピラー共振器の製造方法は、第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法と膜厚等を除き略同様であるため省略する。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、第1の遷移DBR層及び第2の遷移DBR層がハイブリッドとなっている構造のものである。本実施の形態は、内遷移DBR層及び外遷移DBR層を形成している層の一部が、中心層に向かって徐々に厚くなるように形成されているマイクロピラー共振器である。
第3の実施の形態においては、遷移DBR層を内遷移DBR層と外遷移DBR層により形成することにより、全体としての減衰率の連続性を得ている。しかしながら、第1の材料111と第2の材料112の屈折率の平均と、第3の材料113と第4の材料114の屈折率の平均の差が大きい場合には、内遷移DBR層と外遷移DBR層とにおいて、波数の不連続性が大きくなるという問題がある。本実施の形態は、第1の材料111、第2の材料112、第3の材料113、第4の材料114のうちで、他の材料と屈折率差の大きい材料の膜厚の割合が、内遷移DBR層と外遷移DBR層との接合面に近づくに伴い、小さくなるように形成したものである。このように、内遷移DBR層と外遷移DBR層との接合面に近づくに従って小さくなるように形成することにより、波数の不連続性が大きくならないようにすることができる。本実施の形態において、上述した他の材料と屈折率差の大きい材料としては、例えば、第3の材料113が挙げられる。
(構造)
図13に基づき、本実施の形態における光微小共振器について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に形成されたピラー100により形成されている。基板10の上に形成されるピラー100は、第1の通常DBR層21、第1の外遷移DBR層141、第1の内遷移DBR層151、中心層11、第2の内遷移DBR層152、第2の外遷移DBR層142、第2の通常DBR層22が積層されている。本実施の形態においては、第1の外遷移DBR層141と第1の内遷移DBR層151により第1の遷移DBR層131が形成され、第2の外遷移DBR層142と第2の内遷移DBR層152により第2の遷移DBR層132が形成される。
本実施の形態においては、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、中心層11に近づくに伴い、徐々に第1の材料111により形成される層の膜厚が厚くなり、第2の材料112により形成される層の膜厚が薄くなるNin段のテーパDBRにより形成されている。尚、本実施の形態においては、第1の材料111は、InGaAsPが用いられており、第2の材料112は、InPが用いられている。
また、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、中心層11に近づくに伴って、徐々に第4の材料114により形成される層の膜厚が厚くなり、第3の材料113により形成される層の膜厚が薄くなるNex段のテーパDBRにより形成されている。尚、本実施の形態においては、第3の材料113は、SiOが用いられており、第4の材料114は、Siが用いられている。
第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、m/n対となっている。
本実施の形態は、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、中心層11に近づくに従って、第4の材料114により形成された高屈折率層の膜厚が徐々に厚くなり、第3の材料113により形成された低屈折率層の膜厚が徐々に厚くなる。また、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、第2の材料112により形成された層及び第1の材料111により形成された層は、中心層11に近づくに伴い連続的に変化する。
数11、数12、数13に示す式において、ρ>0、ρ<0となるように、各々の膜厚を設定してもよいが、これに限定されることなく、他にも多様に膜厚を変化させる方法がある。
(効果)
本実施の形態における光微小共振器の効果について説明する。光微小共振器は、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142と第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152における遷移DBR層の段数Nex=Nin=3とした。また、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22を4/6.5対とした。尚、第1の外遷移DBR層141及び第2の外遷移DBR層142は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。また、第1の内遷移DBR層151及び第2の内遷移DBR層152は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。この光微小共振器は、第1の材料111がInGaAsP、第2の材料112がInP、第3の材料113がSiO、第4の材料114がSiにより形成されている。
数11、数12、数13に基づき、λ=1.80μm、−ρ=ρ=ρ=−ρ=0.07となるように遷移DBR層を形成している各々の層の膜厚を設定する。これにより、中心層11に近づくに伴い、内遷移DBR層及び外遷移DBR層において高屈折率材料(SiとInGaAsP)により形成される層の膜厚を徐々に増加させ、低屈折率材料(SiOとInP)により形成される層の膜厚を徐々に減少させる。
上述した設定された膜厚に基づき計算した結果を図14に示す。尚、図14(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図14(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図14(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。尚、図14において、従来構造は、図1に示される構造の光微小共振器におけるものである。
中心層11に近づくに伴い、内遷移DBR層及び外遷移DBR層において高屈折率材料により形成される層の膜厚が徐々に増加し、低屈折率材料により形成される層の膜厚が徐々に減少している構造の光微小共振器の計算結果を図14における「△」により示す。「△」により示されるように、ピラー直径Dは0.85μm〜1.40μmの広い範囲において、モード波長λが1.55μmの場合、Q値は1×10〜1×10となり、Purcell因子Fは20〜200以上となる。よって、従来構造におけるピラー直径D>1.6μmよりは改善が明らかであり、D<1μmであっても、λ=1.55μmにおいてF>20となる。
本実施の形態における光微小共振器においても、サブミクロンのピラー直径でも通信波長帯の量子ドット単一光子源に対する十分強い発光増強効果が実現できる。サブミクロンのピラー直径と高いQ値では、量子ドットの面密度は数1010cm−2程度でも、単一ドットとの共鳴ができる。本実施の形態においては、第1の材料111と第2の材料112により形成される層の全体の厚さはが2μmとなるため、中心層11に含まれる発光体(量子ドット)へのダメージの影響を十分に避けることができる。更に、F>20となるピラー直径Dの範囲は、0.8μm〜1.4μmの殆どであるため、第1の実施形態及び第2の実施の形態における数十nmの狭い有効直径範囲と比べて、本実施の形態における光微小共振器は、製造しやすいといった利点がある。
次に、本実施の形態における光微小共振器の他の構造として、数11、数12、数13に基づき、λ=1.81μm、ρ=ρ=0.04、ρ=−ρ=0.06となるように遷移DBR層を形成している各々の層の膜厚を設定する。これにより、中心層11に近づくに伴い、外遷移DBR層において高屈折率材料(Si)により形成される層の膜厚を徐々に増加させ、低屈折率材料(SiO)により形成される層の膜厚を徐々に減少させることができる。また、内遷移DBR層において高屈折率材料(InGaAsP)により形成される層及び低屈折率材料(InP)により形成される層の膜厚を徐々に減少させることができる。
この構造の光微小共振器の計算結果を図15における「□」により示す。「□」により示されるように、ピラー直径Dは0.95μm付近の広い範囲(幅が0.3μm)において、モード波長λが1.55μmの場合、Q値は1×10となり、Purcell因子Fは20〜120となる。
次に、本実施の形態における光微小共振器の更に他の構造として、数11、数12、数13に基づき、λ=1.81μm、ρ=ρ=−0.04、ρ=−ρ=0.06となるように遷移DBR層を形成している各々の層の膜厚を設定する。これにより、中心層11に近づくに伴い、外遷移DBR層において高屈折率材料(Si)により形成される層の膜厚を徐々に増加させ、低屈折率材料(SiO)により形成される層の膜厚を徐々に減少させることができる。また、内遷移DBR層において高屈折率材料(InGaAsP)により形成される層及び低屈折率材料(InP)により形成される層の膜厚を徐々に増加させることができる。
この構造の光微小共振器の計算結果を図15における「△」により示す。「△」により示されるように、ピラー直径Dは0.85μm付近の広い範囲(幅が0.4μm)において、モード波長λが1.55μmの場合、Q値は1×10となり、Purcell因子Fは20〜100となる。
尚、上記以外の内容については、第3の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における光微小共振器であるマイクロピラー共振器の製造方法は、第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法と膜厚を除き略同様であるため省略する。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、遷移DBR層と通常DBR層との間に、第1の材料111と第2の材料112を交互に積層することにより、半導体通常DBR層を形成した構造のものである。
(構造)
図16に基づき、本実施の形態における光微小共振器について説明する。本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に形成されたピラー100により形成されている。基板10の上に形成されるピラー100は、第1の通常DBR層21、第3の通常DBR層223、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、第4の通常DBR層224、第2の通常DBR層22が積層されている。即ち、第1の通常DBR層21と第1の遷移DBR層31との間に第3の通常DBR層223が形成されており、第2の通常DBR層22と第2の遷移DBR層32との間に第4の通常DBR層224が形成されている。
第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されている。本実施の形態においては、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、中心層11に近づくに伴って、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなるNin段のテーパDBRにより形成されている。具体的には、数11及び数12における式に基づいた値により形成されている。尚、本実施の形態においては、第1の材料111は、InGaAsPが用いられており、第2の材料112は、InPが用いられている。
第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は、第3の材料113により形成される層と第4の材料114により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、m/n対となっている。尚、本実施の形態においては、第3の材料113は、SiOが用いられており、第4の材料114は、Siが用いられている。
第3の通常DBR層223及び第4の通常DBR層224は、第1の材料111により形成される層と第2の材料112により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、m/n対となっている。また、第3の通常DBR層223及び第4の通常DBR層224を形成している第1の材料111により形成される層及び第2の材料112により形成される層の膜厚は、下記の数14に示す式により定められる。しかしながら、この設定に限定されることなく、これ以外にも膜厚の設定方法がある。
Figure 2016015416
(効果)
本実施の形態における光微小共振器の効果について説明する。光微小共振器は、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22を4/6.5対、第3の通常DBR層223及び第4の通常DBR層224を3/3対、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32のテーパDBRの段数N=3とした。尚、本実施の形態における光微小共振器は、第1の材料111がInGaAsP、第2の材料112がInP、第3の材料113がSiO、第4の材料114がSiにより形成されている。
数11、数12及び数14等に基づき、λを1.55μm、ρ=ρ=0.03として、膜厚を設定した場合の計算を行った。この結果を図17に示す。尚、図17(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図17(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図17(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。尚、図17において、従来構造は、図1に示される構造の光微小共振器におけるものである。ピラー直径Dが0.86μmで、モード波長λが1.55μmの場合、Q値は1×10〜1×10に達しており、従来構造のものより大幅に向上している。また、Purcell因子Fは20〜200以上となる。また、ピラー直径D<1.5μmの範囲において、他にもF>20ができるが、ピラー直径Dが0.68μm付近においては、Purcell因子Fは60にも達した。
本実施の形態における光微小共振器においても、サブミクロンのピラー直径でも通信波長帯の量子ドット単一光子源に対する十分強い発光増強効果が実現できる。サブミクロンのピラー直径と高いQ値では、量子ドットの面密度は1010cm−2程度でも、単一ドットとの共鳴ができる。本実施の形態においては、第1の材料111と第2の材料112により形成される層全体の厚さは、第1の実施の形態における光微小共振器よりも厚く形成することができる。具体的には、本実施の形態においては、第1の材料111と第2の材料112により形成される層の全体の厚さは3μmとなる。よって、中心層11に含まれる発光体(量子ドット)へのダメージの影響を一層避けることができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における光微小共振器であるマイクロピラー共振器の製造方法は、第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法と膜厚を除き略同様であるため省略する。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。即ち、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第1の材料により形成される層と第2の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第1の材料により形成される層または前記第2の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第3の材料により形成される層と第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料と前記第4の材料との屈折率差は、前記第1の材料と前記第2の材料との屈折率差よりも大きいことを特徴とする光微小共振器。
(付記2)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記3)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第1の材料により形成される層及び前記第2の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記4)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、
前記第1の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっており、
前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記5)
微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の遷移DBR層は、前記中心層と接して形成される第1の内遷移DBR層と、前記第1の通常DBR層と接して形成される第1の外遷移DBR層とを有しており、
前記第2の遷移DBR層は、前記中心層と接して形成される第2の内遷移DBR層と、前記第2の通常DBR層と接して形成される第2の外遷移DBR層とを有しており、
前記第1の内遷移DBR層及び前記第2の内遷移DBR層は、前記第1の材料により形成される層と第2の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第1の材料により形成される層または前記第2の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の外遷移DBR層及び前記第2の外遷移DBR層は、第3の材料により形成される層と第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第3の材料により形成される層または前記第4の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、前記第3の材料により形成される層と前記第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料と前記第4の材料との屈折率差は、前記第1の材料と前記第2の材料との屈折率差よりも大きいことを特徴とする光微小共振器。
(付記6)
前記第1の内遷移DBR層及び前記第2の内遷移DBR層において、前記第1の材料により形成される層及び前記第2の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっており、
前記第1の外遷移DBR層及び前記第2の外遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層及び前記第4の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっていることを特徴とする付記5に記載の光微小共振器。
(付記7)
前記第1の内遷移DBR層、前記第2の内遷移DBR層、前記第1の外遷移DBR層及び前記第2の外遷移DBR層を形成している、前記第1の材料、前記第2の材料、前記第3の材料及び前記第4の材料のうちのいずれかにより形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする付記5に記載の光微小共振器。
(付記8)
前記第1の通常DBR層と第1の遷移DBR層との間に設けられた第3の通常DBR層と、
前記第2の通常DBR層と第2の遷移DBR層との間に設けられた第4の通常DBR層と、
を有し、
前記第3の通常DBR層及び前記第4の通常DBR層は、前記第3の材料により形成される層と前記第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されていることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の光微小共振器。
(付記9)
前記第1の通常DBR層、前記第1の遷移DBR層、前記中心層、前記第2の遷移DBR層、前記第2の通常DBR層は、基板の上に形成されているピラーに形成されており、
前記ピラーの上面は円形であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の光微小共振器。
(付記10)
前記第1の材料はInGaAsPを含む材料により形成されており、前記第2の材料はInPを含む材料により形成されており、前記第3の材料はSiOを含む材料により形成されており、前記第4の材料はSiを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の光微小共振器。
10 基板
11 中心層
21 第1の通常DBR層
22 第2の通常DBR層
31 第1の遷移DBR層
32 第2の遷移DBR層
50 InPウェハ
51 エッチストップ層
100 ピラー
111 第1の材料
112 第2の材料
113 第3の材料
114 第4の材料
131 第1の遷移DBR層
132 第2の遷移DBR層
141 第1の外遷移DBR層
142 第2の外遷移DBR層
151 第1の内遷移DBR層
152 第2の内遷移DBR層
223 第3の通常DBR層
224 第4の通常DBR層

Claims (7)

  1. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第1の材料により形成される層と第2の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第1の材料により形成される層または前記第2の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第3の材料により形成される層と第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料と前記第4の材料との屈折率差は、前記第1の材料と前記第2の材料との屈折率差よりも大きいことを特徴とする光微小共振器。
  2. 前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第1の材料により形成される層及び前記第2の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の光微小共振器。
  3. 前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、
    前記第1の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっており、
    前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の光微小共振器。
  4. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の遷移DBR層は、前記中心層と接して形成される第1の内遷移DBR層と、前記第1の通常DBR層と接して形成される第1の外遷移DBR層とを有しており、
    前記第2の遷移DBR層は、前記中心層と接して形成される第2の内遷移DBR層と、前記第2の通常DBR層と接して形成される第2の外遷移DBR層とを有しており、
    前記第1の内遷移DBR層及び前記第2の内遷移DBR層は、前記第1の材料により形成される層と第2の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第1の材料により形成される層または前記第2の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の外遷移DBR層及び前記第2の外遷移DBR層は、第3の材料により形成される層と第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、前記第3の材料により形成される層または前記第4の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、前記第3の材料により形成される層と前記第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料と前記第4の材料との屈折率差は、前記第1の材料と前記第2の材料との屈折率差よりも大きいことを特徴とする光微小共振器。
  5. 前記第1の内遷移DBR層及び前記第2の内遷移DBR層において、前記第1の材料により形成される層及び前記第2の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっており、
    前記第1の外遷移DBR層及び前記第2の外遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層及び前記第4の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっていることを特徴とする請求項4に記載の光微小共振器。
  6. 前記第1の内遷移DBR層、前記第2の内遷移DBR層、前記第1の外遷移DBR層及び前記第2の外遷移DBR層を形成している、前記第1の材料、前記第2の材料、前記第3の材料及び前記第4の材料のうちのいずれかにより形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする請求項4に記載の光微小共振器。
  7. 前記第1の通常DBR層と第1の遷移DBR層との間に設けられた第3の通常DBR層と、
    前記第2の通常DBR層と第2の遷移DBR層との間に設けられた第4の通常DBR層と、
    を有し、
    前記第3の通常DBR層及び前記第4の通常DBR層は、前記第3の材料により形成される層と前記第4の材料により形成される層とを交互に積層することにより形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光微小共振器。
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