JP2016014631A - 容器の密封性の検査方法及び補助装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、例えばペットボトル入り飲料の新商品の開発や既存の商品の改良等にあたり、新規にキャップや口部を設計し、該キャップの密封性を評価して前記新規設計のキャップや口部が採用された場合に、その後商品として流通するペットボトル入り飲料について個別に密封性の評価を行わないにもかかわらず、前記採用されたものと同一のコストの高いキャップを製造する必要がある。
例えばペットボトル入り飲料が、ホットパック充填されたものである場合には、ペットボトル内の飲料の温度変化に起因する内圧の変化の影響や、ペットボトル入り飲料を自動販売機で販売する際のストッカーから商品取出し口に落下したときの衝撃の影響が判断できなかった。すなわち、実際に流通するペットボトル入り飲料のようにキャップが未開封であるときと、検査とで密封性の評価結果に乖離が生じる虞があった。
なお、第一与圧ステップとしては、第一注入ステップで染料が注入された容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップや、第一注入ステップで染料が注入された容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップが好適に例示できる。外力を印加するとは、前記容器を落としたり、握ったり、温めたりする等、前記容器の内圧が高まるようなことをするこという。
キャップの天面部に、インナーシールとアウターシールと容器の口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部が形成された容器は、一つに限らず複数であってもよい。
なお、第二与圧ステップとしては、前記別の容器を逆さまにした状態で放置する第二放置ステップや、前記別の容器に対して所定の外力を印加する第二印加ステップが好適に例示でき、第一与圧ステップと同様のステップであることが好ましい。
キャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部が形成された容器は、一つに限らず複数であってもよく、前記第一孔部が形成された容器と同数であることが好ましい。
ホットパック充填では、中味が熱い状態でキャップを閉め、充填後、直ちに冷水シャワーで冷却し、液体がその後常温に戻ると、容器内の気体部分の体積が小さくなり、容器内は負圧の状態となるため、インナーシールの密封性がより重要視される。
しかし、ホットパック充填すると、充填される液体の温度がキャップに伝わり、樹脂製のインナーシールやアウターシールが暖められ、その後常温に戻るときに、インナーシールは口部の内周面から離間する方向に収縮する虞がある。また、アウターシールは口部の外周面に密着する方向に収縮するが、アウターシールは、インナーシールより短く設計されているため、口部への密着が不安定になることが多い。
本発明による検査方法は、ホットパック充填により液体が充填される容器に対して好適に用いられ、容器のキャップの、特にインナーシールの信頼性の高い評価が可能となる。
補助装置10は、基板11の上に、キャップ110が螺着されていた容器100を水平姿勢で保持する保持部20と、保持部20に保持された容器100のキャップ110に向けて穿設部の一例としてのドリルビット41を有する電動のドリル40や注入部の一例としての注射針51を有する注射器50等を備えている。容器100としてはペットボトルが好ましく例示できる。なお、容器100とは容器100の本体のみをいうこともあるし、その口部101にキャップ110が螺着された容器100の全体をいうこともある。
また、容器100が、ホットパック充填により内容物である液体が充填されているものを例に説明する。
保持部20は、平板状の基部21の前方(図1中Y方向(第二方向)に沿って注射器50を向く方向)上面に、容器100のキャップ110を、その天面部111が前記前方を向くように嵌挿可能なキャップ固定部22と、基部21の後方上面に、容器100の底面を前記前方に向けて押圧可能な押圧部25が備えられた押圧台24と、基板21の前方裏面に、補助装置10の基板11に配設された支持部60の基部61,61間に、X方向(第一方向)に沿って配設された一対のレール62,62に沿って移動するための一対のレールガイド28,28等とを備えている。
つまり、保持部20が、容器100を、キャップ110の天面部111が、ドリルビット41または注射針51に対向するように、水平姿勢で保持する第一保持部を構成し、支持部60が、保持部20を、ドリル40及び注射器50の並設方向に沿ったX方向に、少なくともドリル40及び注射器50との間で、相対的に移動可能に支持する第一支持部を構成する。
なお、キャップ110の所定位置とは、例えば図5に示されるように、キャップ110の天面部111のうち、キャップ110のインナーシール115とアウターシール114と口部101の周縁部とで区画された第一空間S1に連通することができる位置をいう。
基部21の、位置決め部材63と対応する位置には、X方向に係合ピン65を配設するための延設部が備えられ、該延設部に係合切欠64,64に係合可能な下端部66を有する係合ピン65が立設されている。係合ピン65の下端部66が係合切欠64に係合することで、基部21のX方向に沿った移動が規制され、係合ピン65の下端部66を係合切欠64から離間させて係合を解除することで、基部21のX方向に沿った移動が許容される。
つまり、位置決め部材64の係合切欠64,64と、それに係合する保持部20に備えられた係合ピン65とが、ドリルピット41と対向する位置で、または、注射針51と対向する位置で、保持部20がX方向への相対的に移動することを規制する規制部を構成する。
該検査方法は、液体充填後に約15℃の環境に最低16時間おかれている容器100の口部101に螺着されているキャップ110の天面部111に、該キャップ110のインナーシール115とアウターシール114と口部101の周縁部とで区画された第一空間S1に連通する直径1.0mm程度の第一孔部116を形成する第一穿設ステップと、第一孔部116を介して、第一空間S1に染料52を注入する第一注入ステップと、前記第一注入ステップで染料52が注入された容器100のキャップ110に対して内圧を付与する第一与圧ステップの一例として容器100を放置する第一放置ステップと、前記第一放置ステップ後に容器100内への染料52の漏洩の有無を確認する第一確認ステップと、前記第一確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する評価ステップを備えている。
なお、第一放置ステップでの放置時間は、前記3日間に限らず、第一放置ステップを開始してから漏洩を確認するのに足る適当な時間として例えば予め設定された数秒から数十時間のような時間であってもよいし、前記時間のように予め設定されたものではなく第一放置ステップを開始してから漏洩が確認されるまでの時間であってもよい。
図2には、本発明の第二の実施形態による補助装置10が示されている。
上述の第一の実施形態による補助装置10と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この第二の実施形態による補助装置10は、図1に示す第一の実施形態による補助装置10の保持部20の横に、さらに、容器100を、キャップ110の筒部112がドリルビット41または注射針51に対向するように、垂直姿勢で保持する保持部30を備えている。なお、保持部20と保持部30は、断面L字状のステー13により一体的に固定されている。つまり、ステー13が、保持部20及び保持部30を、X方向に沿って、所定距離Tで並設固定する固定部を構成する。
つまり、保持部30が、容器100を、キャップ110の天面部111が、ドリルビット41または注射針51に対向するように、垂直姿勢で保持するに第二保持部を構成する。
なお、キャップ110の所定位置とは、例えば図8に示されるように、キャップ110の筒部112のうち、少なくとも該キャップ110のアウターシール114と筒部112の内周面と口部101の外周部とで区画された第二空間S2に連通することができる位置をいう。
基部31の、位置決め部材63と対応する位置に、係合切欠64,64,64に係合可能な下端部66を有する係合ピン65が立設されている。この場合、基部21には係合ピン65を備える必要はない。
係合ピン65が左の係合切欠64に係合する位置では、保持部20がドリル40に対向し、係合ピンが中央の係合切欠64に係合する位置では、保持部20が注射器50に、保持部30がドリル40に夫々対向し、係合ピン65が右の係合切欠64に係合する位置では、保持部30が注射器50に対向する。
20:第一保持部(保持部)
30:第二保持部(保持部)
40:ドリル
41:ドリルビット(穿設部)
50:注射器
51:注射針(注入部)
52:染料
60:第一支持部
63:位置決め部
64:係合切欠
65:係合ピン
70:第二支持部
100:容器
101:口部
111:天面部
114:アウターシール(シール)
115:インナーシール(シール)
116:第一孔部
117:第二孔部
S1:第一空間
S2:第二空間
T:所定間隔
X:第一方向
Y:第二方向
Claims (9)
- 液体が充填されている容器の口部と、
天面部と、前記天面部の周縁から垂下するとともに、内周面に前記口部の外周面との螺合部が形成された筒部と、前記天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触する樹脂製のアウターシールと、同じく前記天面部の内面に形成された、前記口部の内周面と接触する樹脂製のインナーシールと、を備えたキャップとの密封性の検査方法であって、
容器の口部に螺着されているキャップの天面部に、該キャップのインナーシールとアウターシールと前記口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部を形成する第一穿設ステップと、
前記第一孔部を介して、前記第一空間に染料を注入する第一注入ステップと、
前記第一注入ステップで染料が注入された前記容器のキャップに対して内圧を付与する第一与圧ステップと、
前記第一与圧ステップ後に前記容器内への染料の漏洩の有無を確認する第一確認ステップと、
前記第一確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価する評価ステップを備えていることを特徴とする検査方法。 - 前記容器とは別の容器の口部に螺着されているキャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部を形成する第二穿設ステップと、
前記第二孔部を介して、前記第二空間に染料を注入する第二注入ステップと、
前記第二注入ステップで染料が注入された前記別の容器のキャップに対して内圧を付与する第二与圧ステップと、
前記第二与圧ステップ後に前記別の容器内への染料の漏洩の有無を確認する第二確認ステップと、
前記評価ステップは、前記第一確認ステップと、前記第二確認ステップの確認結果に基づいて前記密封性を評価することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。 - 前記第一与圧ステップは、少なくとも前記容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップ、または、前記容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
- 前記第一与圧ステップは、少なくとも前記容器を逆さまにした状態で放置する第一放置ステップ、または、前記容器に対して所定の外力を印加する第一印加ステップを備え、
前記第二与圧ステップは、少なくとも前記別の容器を逆さまにした状態で放置する第二放置ステップ、または、前記別の容器に対して所定の外力を印加する第二印加ステップを備えていることを特徴とする請求項2に記載の検査方法。 - 前記液体は、ホットパック充填により容器に充填されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の検査方法。
- 請求項1または3に記載の検査方法が備える第一穿設ステップ及び第一注入ステップを実行するための補助装置であって、
液体が充填されている容器の保持部と、
前記保持部に保持された容器の口部に螺着された、天面部と、前記天面部の周縁から垂下するとともに、内周面に前記口部の外周面との螺合部が形成された筒部と、
前記天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触する樹脂製のアウターシールと、
同じく前記天面部の内面に形成された、前記口部の内周面と接触する樹脂製のインナーシールと、を備えたキャップに所定深さの孔部を形成する穿設部と、
前記穿設部に並設され、前記孔部へ所定量の染料を注入する注入部と、
少なくとも前記保持部、または、前記穿設部及び前記注入部を、
前記穿設部及び前記注入部の並設方向に沿った第一方向に、少なくとも前記穿設部及び前記注入部との間で、相対的に移動可能に支持する第一支持部と、
前記第一方向と水平面内で直交する第二方向に、少なくとも前記穿設部が前記孔部を穿設する穿設位置及び前記注入部が前記孔部へ染料を注入する注入位置と、前記穿設部及び前記注入部が前記キャップと離間する離間位置の間で、相対的に移動可能に支持する第二支持部と、を備え、
前記保持部は容器を、前記キャップの天面部が前記穿設部または前記注入部に対向するように、水平姿勢で保持する第一保持部を備え、
前記穿設部は、前記第一保持部に保持された容器の口部に螺着されているキャップの天面部に、該キャップのインナーシールとアウターシールと前記口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部を形成可能に配設されていることを特徴とする補助装置。 - 請求項2または4に記載の検査方法が備える第一及び第二穿設ステップ並びに第一及び第二注入ステップを実行するための補助装置であって、
液体が充填されている容器の保持部と、
前記保持部に保持された容器の口部に螺着された、天面部と、前記天面部の周縁から垂下するとともに、内周面に前記口部の外周面との螺合部が形成された筒部と、
前記天面部の内面に形成された、前記口部の外周面と接触する樹脂製のアウターシールと、
同じく前記天面部の内面に形成された、前記口部の内周面と接触する樹脂製のインナーシールと、を備えたキャップに所定深さの孔部を形成する穿設部と、
前記穿設部に並設され、前記孔部へ所定量の染料を注入する注入部と、
少なくとも前記保持部、または、前記穿設部及び前記注入部を、
前記穿設部及び前記注入部の並設方向に沿った第一方向に、少なくとも前記穿設部及び前記注入部との間で、相対的に移動可能に支持する第一支持部と、
前記第一方向と水平面内で直交する第二方向に、少なくとも前記穿設部が前記孔部を穿設する穿設位置及び前記注入部が前記孔部へ染料を注入する注入位置と、前記穿設部及び前記注入部が前記キャップと離間する離間位置の間で、相対的に移動可能に支持する第二支持部と、を備え、
前記保持部は容器を、前記キャップの天面部が前記穿設部または前記注入部に対向するように、水平姿勢で保持する第一保持部と、
前記第一保持部に保持された容器とは別の容器を、前記キャップの筒部が前記穿設部または前記注入部に対向するように、垂直姿勢で保持する第二保持部を備え、
前記穿設部は、
前記第一保持部に保持された容器の口部に螺着されているキャップの天面部に、該キャップのインナーシールとアウターシールと前記口部の周縁部とで区画された第一空間に連通する第一孔部を形成可能、かつ、
前記第二保持部に保持された容器の口部に螺着されているキャップの筒部に、少なくとも該キャップのアウターシールと前記筒部の内周面と前記口部の外周部とで区画された第二空間に連通する第二孔部を形成可能に配設されていることを特徴とする補助装置。 - 前記保持部は、前記第一保持部及び第二保持部を、前記第一方向に沿って、前記穿設部と前記注入部との並設距離と等しい距離で並設固定する固定部を備えていることを特徴とする請求項7に記載の補助装置。
- 前記第一支持部は、前記穿設部と対向する位置で、または、前記注入部と対向する位置で、前記保持部が前記第一方向への相対的に移動することを規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の補助装置。
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