JP2001122317A - 漏洩検査が容易な液体容器用キャップ - Google Patents

漏洩検査が容易な液体容器用キャップ

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JP2001122317A
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彰雄 福原
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崇 君塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料用ボトル等の液体容器において、内容物
となる液体を充填してキャップで密閉した後での容器の
密封性(内容物の液体の漏洩の有無)を容易に検査でき
るようにする。 【解決手段】 液体容器の注出口に冠着されるキャップ
1において、容器本体2の注出口21と密着するシール
部12,13の付近を非導電性の材料1aにより形成
し、シール部12,13を挟んだキャップの中心部と周
辺部をそれぞれ導電性の材料1bにより形成して、導電
性材料1bで形成されたキャップの中心部と周辺部を、
シール部12,13を含む非導電性材料1aの部分によ
り電気的に絶縁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用ボトル等の
液体容器の注出口に冠着されるキャップの構造に関し、
特に、内容物となる液体を充填してキャップで密閉した
後での容器の密封性を容易に検査することができる液体
容器用キャップの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料用ボトル等の液体容器において、内
容物となる液体(ゼリー状のものを含む)を充填してキ
ャップで密閉した後での容器の密封性を検査するための
方法として、従来は、内容物が充填されてキャップで密
閉された液体入りの容器を出荷のために所定数毎に段ボ
ール箱に箱詰めした状態で、キャップの側が下方となる
ように段ボール箱を倒置した状態で一定期間だけ保管し
た時点で、内容物の液体の漏洩により段ボール箱が濡れ
ていないかを目視で確認することによって、キャップが
冠着された容器注出口の密封性を検査している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の密封検査(漏洩検査)方法によれば、容器
を箱詰めした段ボール箱を保管するための保管場所が必
要となり、また、内容物を充填・密封した後で一定期間
だけ保管する必要がある(漏洩した液体が倒置されたキ
ャップの上端からオーバーフローするまでは漏洩を確認
できない)ことから、内容物の新鮮さがそれだけ失われ
ることになり、しかも、容器を箱詰めした段ボール箱が
濡れていないかを目視により検査するため、そのような
密封検査を自動化することが困難となっている。
【0004】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、飲料用ボトル等の液体
容器において、内容物となる液体を充填してキャップで
密閉した後での容器の密封性(内容物の液体の漏洩の有
無)を容易に検査できるようにすることを課題とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、液体容器の注出口に冠着される
キャップにおいて、容器本体の注出口と密着するシール
部の付近を非導電性の材料により形成し、シール部を挟
んだキャップの中心部と周辺部をそれぞれ導電性の材料
により形成して、導電性材料で形成されたキャップの中
心部と周辺部を、シール部を含む非導電性材料の部分に
より電気的に絶縁することを特徴とするものである。
【0006】上記のような構成のキャップが冠着される
液体容器によれば、容器本体内に内容物となる液体を充
填してキャップで密閉した後で、キャップの側が下方と
なるように容器を倒置して、導電性材料で形成されたキ
ャップの中心部と周辺部の何れか一方が陽極となり他方
が陰極となるように電圧を印加することにより、漏洩し
た液体がキャップからオーバーフローするのを待つまで
もなく、直ちにキャップが冠着された容器注出口の密封
性を検査することができる。
【0007】すなわち、内容物の液体が漏洩していない
場合には、キャップの中心部と周辺部が非導電性材料の
部分により電気的に絶縁されていることで、電圧を印加
しても電流が流れないのに対して、内容物の液体が漏洩
している場合には、漏洩した液体によってキャップの中
心部と周辺部が電気的に接続されることで、電圧を印加
すると電流が流れることから、内容物の液体が僅かでも
漏洩した時点で直ちにそれを電気的に検知することがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の漏洩検査が容易な
液体容器用キャップの実施形態について、図面に基づい
て詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明の液体容器用キャップの一
実施形態について、容器本体の注出口部に冠着されたキ
ャップの断面構造を示すもので、容器本体2は、円筒状
のネジ付き注出口21を有するポリエチレンテレフタレ
ート製やガラス製の透明ボトル容器であり、容器本体2
の注出口21に冠着されるキャップ1は、熱可塑性樹脂
により一体成形されたネジキャップ(スクリューキャッ
プ)であって、キャップ1で密閉される容器本体2の内
部には、液体(例えば、ジュース等の飲料)が内容物と
して充填されている。
【0010】容器本体2の注出口21に冠着されるキャ
ップ1には、注出口21の外面に形成されたネジ部と螺
合するネジ部11が側壁部の内面に形成されており、ま
た、容器本体2の注出口21と密着して密封面を形成す
るシール部として、注出口21の上端面に密着する環状
のシール突起12と、注出口21の上部内面に密着嵌合
する円筒状のインナー栓13とが、キャップ1の軸線を
中心として同心円状に、頂壁部の内面(下面)からそれ
ぞれ突設されている。
【0011】そのような熱可塑性樹脂製のキャップ1に
おいて、容器本体2の注出口21と密着するシール部
(シール突起12とインナー栓13)の付近は非導電性
材料1aによって形成され、その両側に位置するキャッ
プの中心部(頂壁部の中心部)と周辺部(頂壁部の周辺
部及び側壁部)は何れも導電性材料1bにより形成され
ていて、導電性材料1bからなるキャップの中心部と周
辺部は、非導電性材料1aの部分(シール突起12とイ
ンナー栓13を含む部分)によって電気的に絶縁されて
いる。
【0012】熱可塑性樹脂製のキャップ1を構成する非
導電性材料1aとしては、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,ポリエチレンテレフタレート,ポリアミド,ポリ塩
化ビニール,ポリスチレン,エチレンビニルアルコー
ル,エチレン酢酸ビニル共重合体,アクリル酸ビニル,
ポリカーボネート等の非導電性熱可塑性樹脂が適宜選択
的に使用され、導電性材料1bとしては、上記の樹脂に
導電性を付与するための粉未状の導電材を混練した熱可
塑性樹脂が適宜選択的に使用されている。
【0013】熱可塑性樹脂に混練する粉未状の導電材に
ついては、C,Fe,Al,Ag,Cu,Au,Sn,
Ni等の粉末があり、これらは単体でも2種以上のブレ
ンドでも良く、酸化物も適宜使用できる。また、導電性
材料1bのベース樹脂となる熱可塑性樹脂は、非導電性
材料1aとして使用する樹脂と異種の樹脂でも良いが、
同一樹脂の方が互いの接合部の接着性という点で好まし
い。
【0014】非導電性材料1aと導電性材料1bからな
る熱可塑性樹脂製のキャップ1の具体的な一例を挙げる
と、非導電性材料1aとなる熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレンを使用し、導電性材料1bとしてポリプロピレ
ンにカーボンブラックを20%含有させたものを使用し
たものがある。
【0015】カーボンブラックを粉未状の導電材として
樹脂に混練して導電性を付与するためには、非導電性熱
可塑性樹脂にカーボンブラックを5〜60重量%(好ま
しくは10〜30重量%)含有させれば良い。カーボン
ブラックの含有量が5重量%未満では印加電圧が低いと
導電性が発現せず、一方、60重量%を超えると検査す
るには問題はないが成形されたキャップの脆さが目立つ
ようになる。
【0016】なお、熱可塑性樹脂製のキャップ1におけ
る非導電性材料1aの部分と導電性材料1bの部分の具
体的な分布範囲については、必ずしも図1に示したよう
なものに限らず、キャップの製造方法が異なることで、
例えば、図2(A),(B)に示すようなものにもな
る。
【0017】すなわち、非導電性材料1aの部分を挟ん
だキャップの中心部と周辺部の導電性材料1bについ
て、図1に示したキャップでは、非導電性材料1aの両
側の導電性材料1bの各部分を別々に射出して成形して
いるが、図2(A),(B)に示した各キャップでは、
導電性材料1bの部分を全体がつながった状態に同時に
射出成形している。
【0018】そして、図2(A)に示したキャップで
は、射出成形後にキャップ頂面の角部を面取り切断する
ことで、また、図2(B)に示したキャップでは、射出
成形後にキャップ頂面の中心から半径方向中程の位置に
環状の溝部を切削することで、何れも、一つにつながっ
ていた導電性材料1bの部分をキャップ中心部の側とキ
ャップ周辺部の側とに分断している。
【0019】上記のような本実施形態のキャップ1が冠
着された液体容器について、キャップで密閉した容器の
密封性(液体の漏洩の有無)の検査の仕方を説明する
と、先ず、容器本体内に内容物を充填してキャップで密
閉した後で、キャップの側が下方となるように容器を倒
置してから、導電性材料1bで形成されたキャップの中
心部(頂壁部の中心部)と周辺部(頂壁部の周辺部又は
側壁部)をそれぞれ電極として、その何れか一方が陽極
となり他方が陰極となるように外側から電圧を印加す
る。
【0020】そうすると、非導電性材料1aの部分によ
り導電性材料1bからなるキャップの中心部と周辺部が
互いに電気的に絶縁されていることで、内容物の液体が
漏洩していない場合には、電圧を印加しても電流が流れ
ないのに対して、内容物の液体が漏洩している場合に
は、漏洩した液体によりキャップの中心部と周辺部が電
気的に接続されることで、電圧を印加すると電流が流れ
る(例えば、各電極に100Vの電圧を印加すると0.
86mAの電流が流れる)ことから、電気的に内容物の
漏洩が検知されることとなる。
【0021】図3は、そのような検査装置の一例を示す
もので、この装置3は、乾電池31と、電流計32と、
それらを連結すると共にキャップ1の中心部及び周辺部
(導電性材料1bの部分)と接触する端子33a,33
bを備えた導線33とから構成されている。この検査装
置3では、装置の陽極(導線33の端子33b)をキャ
ップ1の周辺部に接触させ、陰極(導線33の端子33
a)をキャップ1の中心部に接触させると、もし容器内
の液体が注出口2の内面とインナー栓13との間および
注出口2の上端面とシール突起12との間からキャップ
1の周辺部側に漏洩している場合には、検査装置3の回
路に電流が流れるので、電流計32の針が振れて、漏洩
の事実が検知されることになる。
【0022】以上に説明したような本実施形態の液体容
器用キャップによれば、該キャップが冠着された液体容
器の密封性(液体の漏洩の有無)について、従来のよう
に段ボール箱に箱詰めした状態で容器を一定期間(漏洩
した液体がキャップからオーバーフローするまで)保管
するようなことなく、内容物の液体を容器内に充填して
キャップで密閉した後で連続して直ちに検査を行うこと
ができて、しかも、従来のように目視により確認するよ
うなことなく、検査を容易に自動化することができる。
【0023】なお、本実施形態では、非導電性材料とし
て熱可塑性樹脂を使用し、導電性材料として導電性の粉
末を混練した熱可塑性樹脂を使用していることで、キャ
ップを射出成形によって一体成形することができる。
【0024】以上、本発明の液体容器用キャップの実施
形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に
示した具体例に限定されるものではなく、例えば、実施
形態に示したようなポリエチレンテレフタレート製やガ
ラス製のボトル容器に使用されるキャップに限らず、円
筒状の注出口が取り付けられたパウチ(アルミ箔と樹脂
フィルムのラミネート材製の袋体)のような液体(ゼリ
ー状のものを含む)を内容物とするその他の容器に使用
されるキャップとして実施することも可能である。
【0025】また、実施形態に示したような導電性の粉
末を混練した熱可塑性樹脂を導電性材料とした全体が樹
脂製のキャップに限らず、導電性材料としてアルミ板や
鉄板等の金属材を使用することによって実施することも
可能であり、また、キャップ周辺部の導電性材料の部分
について、実施形態に示したような側壁部全体を導電性
材料とするような構造に限らず、頂壁部の周辺部のみ或
いは側壁部の上部のみを導電性材料とし、側壁部の全体
或いは下部を非導電性材料とすることによって実施する
ことも可能である。
【0026】また、実施形態に示したような側壁部の内
面にネジ部を設けて環状のシール突起と円筒状のインナ
ー栓をシール部とした構造のネジキャップに限らず、例
えば、注出口の内面に形成されたネジ部と螺合するネジ
部をインナー栓の外面に設けてシール突起のみをシール
部とした異なる構造のネジキャップとして実施すること
も可能であり、さらには、ネジ係合によるキャップに限
らず、スナップ係合やかしめ係合により容器の注出口に
冠着されるキャップとして実施することも可能である
等、非導電性材料と導電性材料とからなる液体容器用キ
ャップである限りにおいて適宜設計変更可能なものであ
ることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したような本発明の漏洩検査が
容易な液体容器用キャップによれば、該キャップが冠着
される液体容器の密封性の検査(漏洩検査)を、従来の
ように一定期間保管するようなことなく、内容物の液体
を容器内に充填してキャップで密閉した後で連続して直
ちに行うことができて、保管場所を必要とすることなく
検査に要する時間を大幅に短縮することができると共
に、漏洩した液体が僅かな量であっても電気的に検知で
きるため、従来の目視検査に比べてはるかに検査の精度
を向上させることができ、しかも、簡単な検査装置によ
り検査を容易に自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏洩検査が容易な液体容器用キャップ
の一実施形態に係る樹脂製ネジキャップの一例につい
て、容器本体の注出口部に冠着された状態のキャップを
示す縦断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る樹脂製ネジキャップ
の他の各例(A),(B)をそれぞれ示す縦断面図。
【図3】本発明のキャップを使用して漏洩検査を行って
いる状態の一例を示す縦断面説明図。
【符号の説明】
1 キャップ 1a 非導電性材料 1b 導電性材料 2 容器本体 12 シール突起(シール部) 13 インナー栓(シール部) 21 注出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 君塚 崇 神奈川県相模原市西橋本5−5−1 大和 製罐株式会社総合研究所内 (72)発明者 松村 淳治 神奈川県相模原市西橋本5−5−1 大和 製罐株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E084 AA04 AA12 AB01 BA01 CA01 CC03 CC08 DA01 DB12 DC03 EA04 EC03 FA09 FB01 GA01 GB01 HA03 HB02 HC03 HD01 KB01 LD01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体容器の注出口に冠着されるキャップ
    において、容器本体の注出口と密着するシール部の付近
    が非導電性の材料により形成され、シール部を挟んだキ
    ャップの中心部と周辺部がそれぞれ導電性の材料により
    形成され、導電性材料で形成されたキャップの中心部と
    周辺部が、シール部を含む非導電性材料の部分により電
    気的に絶縁されていることを特徴とする漏洩検査が容易
    な液体容器用キャップ。
  2. 【請求項2】 非導電性の材料として熱可塑性樹脂が使
    用され、導電性の材料として熱可塑性樹脂に導電性の粉
    末を5〜60重量%含有させたものが使用され、キャッ
    プ全体が射出成形により一体成形されていることを特徴
    とする請求項1に記載の漏洩検査が容易な液体容器用キ
    ャップ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010060440A (ja) * 2008-09-04 2010-03-18 Daiwa Can Co Ltd 容器のシール不良検査方法
WO2016002429A1 (ja) * 2014-07-03 2016-01-07 サントリーホールディングス株式会社 容器の密封性の検査方法及び補助装置

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