JP2016014106A - 二液硬化型水性塗料キット及び二液硬化型水性塗料用主剤 - Google Patents

二液硬化型水性塗料キット及び二液硬化型水性塗料用主剤 Download PDF

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健 守角
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Abstract

【課題】本発明は、ポットライフが長く、主剤と硬化剤とを混合した後、基材に塗布するまでの時間が長くても、塗膜の光沢性や外観性に優れた塗膜を形成することができる二液硬化型水性塗料キットの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の二液硬化型水性塗料キットは、含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなる主剤(I)と、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)を含有する硬化剤(II)とからなり、前記含フッ素樹脂(A)は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備え、前記含フッ素樹脂(A)は、前記構成単位(g)を、全構成単位に対して0.4〜10モル%で含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、二液硬化型水性塗料キット及び二液硬化型水性塗料用主剤に関する。
従来、長期耐候性が要求される土木構造物、建築物、港湾設備、プラント、船舶、橋梁、電力設備、通信設備等の大型の鉄鋼構造物の表面塗装には、合成樹脂を含む水性塗料が広く用いられている。このような水性塗料の多くは、硬化性官能基を有する合成樹脂と、該硬化性官能基と反応性がある官能基を有する硬化剤とが組合せられている。
たとえば、特許文献1には、水酸基およびカルボキシ基を有する含フッ素樹脂を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物を含有する硬化剤とからなる二液硬化型水性塗料が開示されている。このような二液硬化型水性塗料は、乾燥性や塗膜外観性等に優れているため、広く採用されている。
しかし、特許文献1に記載される二液硬化型水性塗料は、耐候性が充分得られない場合がある。また、主剤と硬化剤とを混合した後、塗布可能な状態を維持する時間(すなわち、ポットライフ)が短いため、作業を短時間で行わなければならない。
これらの問題に対処するため、水酸基を有する含フッ素樹脂を含む主剤と、スルホ基または一部もしくは全部が中和されたスルホ基と、1を超える数のイソシアネート基とを有する化合物を含む硬化剤とを組合せることにより、従来品に比べ、耐候性が良く、ポットライフの延長が図られた二液硬化型水性塗料が報告されている(特許文献2)。
特開2011−256257号公報 特開2013−1756号公報
しかし、本発明者等による検討の結果、特許文献2に記載された二液硬化型水性塗料は、主剤と硬化剤とを混合した後、基材に塗布するまでの時間が長くなると、塗料に発泡や増粘が生じ均一性が低下する場合があることが分かった。また、該二液硬化型水性塗料は、主剤と硬化剤とを混合した後、基材に塗布するまでの時間がより長い場合、形成された塗膜の光沢性や外観性が充分でなくなる場合があることも分かった。
そこで本発明は、ポットライフが長く、主剤と硬化剤とを混合した後、基材に塗布するまでの時間が長くても、塗膜の光沢性や外観性に優れた塗膜を形成することができる二液硬化型水性塗料キットの提供を目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[6]の態様を有する。
[1]含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなる主剤(I)と、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)を含有する硬化剤(II)とからなり、前記含フッ素樹脂(A)は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備え、前記含フッ素樹脂(A)は、前記構成単位(g)を、全構成単位に対して0.4〜10モル%で含む、二液硬化型水性塗料キット。
[2]前記主剤(I)が、さらに非フッ素樹脂(C)を含有する、[1]に記載の二液硬化型水性塗料キット。
[3]前記主剤(I)中の前記含フッ素樹脂(A)と前記非フッ素樹脂(C)との配合割合(A/C)が、質量比で90/10〜20/80である、[2]に記載の二液硬化型水性塗料キット。
[4]前記官能基(h)が、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基、ヒドラジド基、およびβ−ヒドロキシアルキルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の二液硬化型水性塗料キット。
[5]前記主剤(I)中の前記構成単位(g)のモル数に対する、前記硬化剤(II)中の前記官能基(h)のモル数の比が、0.5〜1.5である、[1]〜[4]のいずれかに記載の二液硬化型水性塗料キット。
[6]含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなり、前記含フッ素樹脂(A)は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備え、前記含フッ素樹脂(A)は、前記構成単位(g)を、全構成単位に対して0.4〜10モル%で含み、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)を含有する硬化剤と組合せて用いられることを特徴とする、二液硬化型水性塗料用主剤。
本発明によれば、ポットライフが長く、主剤と硬化剤とを混合した後、基材に塗布するまでの時間が長くても、塗膜の光沢性や外観性に優れた塗膜を形成することができる二液硬化型水性塗料キットを提供することができる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「構成単位」とは、単量体が重合することによって形成された該単量体に由来する単位を意味する。重合反応によって直接形成された単位であってもよく、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「単量体」とは、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物を意味する。
「含フッ素単量体」とは、フッ素原子を有する単量体を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または両方を意味する。
「水性媒体」とは、水を含み、有機溶媒の含有量が20質量%以下である液体を意味する。
<<二液硬化型水性塗料キット>>
本発明の二液硬化型水性塗料キットは、主剤(I)と硬化剤(II)とからなる。
<主剤(I)>
主剤(I)は、含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなる。主剤(I)が後述する硬化剤(II)と組合せて用いられることにより、本発明による効果が発揮される。
主剤(I)は、含フッ素樹脂(A)を含有する。主剤(I)は、含フッ素樹脂(A)以外に、さらに非フッ素樹脂(C)または添加剤(D)を含有することが好ましい。
水性分散体とするために用いられる媒体としては、水又は水性媒体が挙げられる。
主剤(I)において、樹脂成分(含フッ素樹脂(A)および非フッ素樹脂(C))は、媒体に溶解している状態でもよく、分散している状態でもよく、またはこれらの状態が混在した状態でもよい。分散している状態の場合、樹脂成分はエマルションを形成していてもよく、形成していなくてもよい。
主剤(I)中の固形分濃度は、20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。
(含フッ素樹脂(A))
含フッ素樹脂(A)は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備える。
構成単位(g)が有するカルボキシ基を中和する場合に用いる塩基性化合物(1)としては、塗膜中に塩基性化合物(1)が残留しにくくなる点から、沸点が200℃以下のものが好ましい。
沸点が200℃以下の塩基性化合物(1)としては、アンモニア、アルキルアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン等)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等)、ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、アルキレンイミン(エチレンイミン、プロピレンイミン等)、ピペラジン、モルホリン、ピラジン、ピリジン等が挙げられる。
含フッ素樹脂(A)における構成単位(g)の含有量は、0.4〜10モル%である。該含有量は、0.4〜8.4モル%が好ましく、1.4〜6モル%がより好ましい。
含フッ素樹脂(A)における構成単位(g)の含有量が前記下限値以上であれば、硬化が充分に進み、さらに良好な耐候性が得られる。一方、前記上限値以下であれば、硬化速度が速くなりすぎず、ポットライフがより長くなる。
含フッ素樹脂(A)としては、含フッ素単量体に基づく構成単位を有する重合体もしくは共重合体、または、含フッ素単量体に基づく構成単位および含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体に基づく構成単位を有する共重合体等が挙げられる。
含フッ素単量体としては、たとえば、フルオロオレフィン(フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、含フッ素(メタ)アクリレート(トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロビル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。中でも、フルオロオレフィンが好ましく、フルオロオレフィンの中でも、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体としては、たとえば、ビニルエーテル系単量体、ビニルエステル系単量体もしくはアクリル系単量体、またはこれらの単量体と共重合可能な他の単量体等が挙げられる。
中でも、含フッ素樹脂(A)は、以下に詳述する含フッ素樹脂(A1)または含フッ素樹脂(A2)が好ましく、硬化剤(II)により架橋されやすい点から、含フッ素樹脂(A1)がより好ましい。
含フッ素樹脂(A)は、1種のみでもよく、2種以上が組合せられてもよい。
「含フッ素樹脂(A1)」
含フッ素樹脂(A1)は、構成単位(a1)と、構成単位(a2)と、構成単位(a3)と、構成単位(a4)とを有する。
含フッ素樹脂(A1)は、後の「含フッ素樹脂(A1)の製造」で述べるとおり、溶液重合法により得られた含フッ素樹脂(A1’)にカルボキシ基を導入し、該カルボキシ基を塩基性化合物(1)で中和して、水に分散させて得られたものが好ましい。
構成単位(a1):
構成単位(a1)は、下記式(a1)で表される、フルオロオレフィン系化合物に基づく構成単位である。
Figure 2016014106
ただし、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子または−CYであり、Y、Y、Yはそれぞれ独立に水素原子、塩素原子またはフッ素原子である。
フルオロオレフィン系化合物としては、フルオロエチレン、フルオロプロペンが挙げられる。
フルオロエチレンとしては、CF=CF、CFCl=CF、CHCl=CF、CCl=CF、CFCl=CFCl、CHF=CCl、CH=CFCl、CCl=CFCl、CF=CH等が挙げられる。
フルオロプロペンとしては、CFClCF=CF、CFCCl=CF、CFCF=CFCl、CFClCCl=CF、CFClCF=CFCl、CFClCF=CF、CFCCl=CFCl、CFCCl=CCl、CFClCF=CCl、CClCF=CF、CFClCCl=CCl、CFClCCl=CCl、CFCF=CHCl、CFClCF=CHCl等が挙げられる。
フルオロオレフィン系化合物としては、塗膜の耐候性が優れる点で、CF=CF、CFCl=CFが好ましい。
構成単位(a2):
構成単位(a2)は、下記式(a2)で表される、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル、アルキルアリルエーテル、アルキルアリルエステル等に基づく構成単位である。これらの中から所望の塗膜物性(硬度、光沢、顔料分散性等)に応じた構成単位が適宜選択される。含フッ素樹脂(A1)は、2種以上の構成単位(a2)を有していてもよい。
Figure 2016014106
ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R11は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数4〜10の1価の脂環式基であり、uは0〜8の整数であり、vは0または1である。
構成単位(a2)としては、uが0であり、vが0または1である、アルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルエステルに基づく構成単位が好ましい。アルキルビニルエーテルまたはアルキルビニルエステルとしては、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。
構成単位(a2)としては、構成単位(a1)との交互共重合性がよく、含フッ素樹脂(A1)の合成中間体である含フッ素樹脂(A1’)(「含フッ素樹脂(A1)の製造」を参照)のガラス転移温度を調整しやすい点から、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルが好ましい。
構成単位(a3):
構成単位(a3)は、下記式(a3)で表される、水酸基含有ビニルエーテル、水酸基含有ビニルエステル、水酸基含有アリルエーテル、水酸基含有アリルエステル等に基づく構成単位である。
Figure 2016014106
ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R12は炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜10の2価の脂環式基であり、wは0〜8の整数であり、xは0または1である。
構成単位(a3)としては、2−ヒドロキシアルキルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチルシクロヘキサン、または4−ヒドロキシプチルビニルエステルに基づく構成単位が挙げられる。
構成単位(a3)としては、重合性、架橋性等の点から、ヒドロキシアルキルビニルエーテルに基づく構成単位が好ましい。
構成単位(a4):
構成単位(a4)は、下記式(a4)で表される構成単位である。構成単位(a4)は、含フッ素樹脂(A1)における構成単位(g)である。
Figure 2016014106
ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R13は炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数4〜10の2価の脂環式基であり、R14は炭素数2〜10のアルキレン基または炭素数4〜10の2価の脂環式基であり、R15は水素原子または−NHZであり、Z、Z、Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、少なくとも一部のR15は−NHZであり、yは0〜8の整数であり、zは0または1である。
含フッ素樹脂(A1)においては、上記式(a4)における−C(=O)−O−R15が、「カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方」である。
含フッ素樹脂(A1)において、R15が−NHZである割合は、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましい。
含フッ素樹脂(A1)の製造のしやすさの点から、Rは構成単位(a3)のRと、R13は構成単位(a3)のR12と、yは構成単位(a3)のwと、zは構成単位(a3)のxと、それぞれ同じであることが好ましい。
他の構成単位:
含フッ素樹脂(A1)は、構成単位(a1)〜構成単位(a4)以外の他の構成単位を有していてもよい。
他の構成単位としては、たとえばエチレン性単量体に基づく構成単位が挙げられる。
構成単位の割合:
含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a1)の割合は、すべての構成単位のうち、40〜60モル%であり、45〜55モル%が好ましい。構成単位(a1)の割合が前記範囲内であれば、塗膜の耐候性が充分になり、含フッ素樹脂(A1)のガラス転移温度が高くなりすぎず、非晶質で良好な塗膜が得られる。
含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a2)の割合は、すべての構成単位のうち、3〜50モル%であり、20〜45モル%が好ましい。構成単位(a2)の割合が前記範囲内であれば、含フッ素樹脂(A1)が媒体中に分散しやすく、貯蔵中に含フッ素樹脂(A1)が沈降しにくい。
含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a3)の割合は、すべての構成単位のうち、4〜30モル%であり、8〜25モル%が好ましい。構成単位(a3)の割合が4モル%以上であれば、架橋をした際、架橋密度が充分に高くなる。構成単位(a3)の割合が30モル%以下であれば、形成した塗膜の耐候性が低下しにくくなる。
含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a4)の割合は、すべての構成単位のうち、0.4〜7モル%であり、1.4〜6モル%が好ましい。構成単位(a4)の割合が前記範囲内であれば、媒体への分散性に優れ、媒体中での安定性に優れる。
含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a1)〜構成単位(a4)の合計は、80〜100モル%であり、95〜100モル%が好ましい。
他の構成単位の割合は、20モル%以下であり、5モル%以下が好ましい。
含フッ素樹脂(A1)は、構成単位(a1)の45〜55モル%と、構成単位(a2)の14〜45.6モル%と、構成単位(a3)の8〜25モル%と、構成単位(a4)の1.4〜6モル%とからなり、他の構成単位を有しないものが好ましい。
「含フッ素樹脂(A1)の製造」
含フッ素樹脂(A1)は、下記の工程(α)〜工程(δ)を有する方法により製造できる。工程(α)で合成される含フッ素樹脂(A1’)は、上述の構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)を有する樹脂である。
工程(α):後述する単量体(a1’)、単量体(a2’)および単量体(a3’)を含む単量体成分から、重合反応により含フッ素樹脂(A1’)を合成する工程。
工程(β):含フッ素樹脂(A1’)と二塩基性酸無水物とを有機溶媒中で反応させて、含フッ素樹脂(A1’)中の構成単位(a3)における水酸基の一部をエステル化してカルボキシ基を導入する工程。
工程(γ):工程(β)のエステル化によって導入されたカルボキシ基の全部または一部を塩基性化合物(1)で中和する工程。
工程(δ):有機溶媒を除去する工程。
以下、各工程について詳述する。
工程(α):
工程(α)は、単量体(a1’)、単量体(a2’)および単量体(a3’)を含む単量体成分から、重合反応により含フッ素樹脂(A1’)を合成する工程である。
含フッ素樹脂(A1’)は、公知の重合法により製造すればよい。
中でも、重合法は溶液重合法が好ましい。溶液重合法においては、含フッ素樹脂(A1’)は、後述する単量体(a1’)、単量体(a2’)および単量体(a3’)を、重合触媒の共存下または非共存下に、重合開始剤、電離性放射線等の重合開始源を作用させて、アルカリ条件下で重合させることによって含フッ素樹脂(A1’)を製造することができる。溶液重合法においては、共重合反応系をアルカリ側に保つため、重合反応は塩基性化合物(2)の存在下で行われる。
単量体(a1’)は、下記式(a1’)で表される化合物である。
Figure 2016014106
ただし、X、XおよびXは、上記式(a1)におけるものと同じである。
単量体(a2’)は、下記式(a2’)で表される単量体である。
Figure 2016014106
ただし、R、R11、uおよびvは、上記式(a2)におけるものと同じである。
単量体(a3’)は、下記式(a3’)で表される化合物である。
Figure 2016014106
ただし、R、R12、wおよびxは、上記式(a3)におけるものと同じである。
単量体(a1’)、単量体(a2’)、単量体(a3’)の仕込みの比率(モル%)は、含フッ素樹脂(A1’)を構成する構成単位(a1)、構成単位(a2)、構成単位(a3)のモル%と同じとする。
重合開始剤としては、ペルオキシエステル型過酸化物(t−ブチルペルオキシアセテート等)、ジアルキルペルオキシジカーボネート(ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等)、ベンゾイルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
用いる重合開始剤の量は、その種類、重合反応条件に応じて適宜変更でき、通常、単量体の総量100質量部に対して、0.05〜0.5質量部である。
塩基性化合物(2)としては、有機塩基性化合物、無機塩基性化合物が挙げられる。有機塩基性化合物としては、アルキルアミン(トリエチルアミン等)、アルキルホスフィン(トリエチルホスフィン等)等が挙げられる。無機塩基性化合物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物(酸化マグネシウム等)等が挙げられる。
用いる塩基性化合物(2)の量は、単量体の総量100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
有機溶媒としては、アルコール、エステル、ケトン、1つ以上のフッ素原子を有する飽和ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素(キシレン等)等が挙げられる。
溶液重合の際の温度は、10〜90℃が好ましい。
溶液重合の際の圧力は、0〜2MPaが好ましく、0〜1MPaがより好ましい。
含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a1)の好ましい割合は、含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a1)の好ましい割合と同じである。含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a2)の好ましい割合は、含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a2)の好ましい割合と同じである。
また、後の工程(β)で、含フッ素樹脂(A1’)中の構成単位(a3)における水酸基の一部が二塩基性酸無水物とエステル化される。さらに、該水酸基の一部にエステル結合した二塩基性酸無水物の一部のカルボキシ基が、後の工程(γ)で塩基性化合物(1)により中和される。このようにして、含フッ素樹脂(A1’)中の構成単位(a3)の一部または全部は、含フッ素樹脂(A1)中の構成単位(a4)へと変換される。したがって、含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a3)のモル%は、含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a3)および構成単位(a4)の合計モル%に等しい。したがって、含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a3)の好ましい割合は、含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a3)の好ましい割合と構成単位(a4)の好ましい割合との合計と同じである。
含フッ素樹脂(A1’)の質量平均分子量は、3000〜200000が好ましい。含フッ素樹脂(A1’)の質量平均分子量が3000以上であれば、塗膜にした場合の耐候性が良好となる。含フッ素樹脂(A1’)の質量平均分子量が200000以下であれば、塗装性が良好となり、塗膜外観が良好となる。
工程(β):
工程(β)は、工程(α)で得られた含フッ素樹脂(A1’)と二塩基性酸無水物とを有機溶媒中で反応させて、含フッ素樹脂(A1’)中の構成単位(a3)における水酸基の一部または全部をエステル化してカルボキシ基を導入する工程である。
二塩基性酸無水物としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水フタル酸、無水1,8−ナフタル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
有機溶媒としては、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタノール、ペンタノール等)、セロソルブ(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、第2級ブチルセロソルブ等)、プロピレングリコール誘導体(プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等)、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)等が挙げられる。
有機溶媒は、含フッ素樹脂(A1’)および二塩基性酸無水物の溶解性等を勘案して適宜選定される。なお、工程(α)で用いた有機溶媒が充分に残留していれば、工程(β)において新たに有機溶媒を添加する必要はない。
工程(β)においては、触媒を併用してもよい。触媒としては、カルボン酸金属塩、水酸化アルカリ、アルカリ金属炭酸塩、4級アンモニウム塩、3級アミン等が挙げられ、3級アミン(トリエチルアミン等)が好ましい。
エステル化反応の温度は、室温〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。エステル化反応の時間は、数10分から数時間である。
二塩基性酸無水物の量は、結果的に得られる含フッ素樹脂(A1)における、構成単位(a3)と構成単位(a4)の割合が適切な割合となるように調整して決定される。
エステル化反応後の含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a4)の割合L(モル%)は、工程(γ)を行う前に測定した酸価Jから、下記式(1)により算出される。
L=J/5 ・・・(1)
たとえば、該酸価Jが2〜35mgKOH/gであれば、構成単位(a4)が0.4〜7モル%になる。
エステル化反応前の含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a3)の割合M(モル%)は、工程(α)後工程(β)を行う前に測定した水酸基価Kから、下記式(2)により算出される。
M=K/5 ・・・(2)
たとえば、エステル化反応前の水酸基価Kが20〜150mgKOH/gであれば、エステル化反応前の構成単位(a3)は、4〜30モル%になる。
エステル化反応後の含フッ素樹脂(A1’)における構成単位(a3)の割合N(モル%)は、上記LおよびMから、下記式(3)により算出される。
N=M−L ・・・(3)
工程(γ):
工程(γ)は、工程(β)のエステル化によって導入されたカルボキシ基の全部または一部を塩基性化合物(1)で中和する工程である。該工程により含フッ素樹脂(A1)を含有する分散体が得られる。
構成単位(a4)のカルボキシ基うち、塩基性化合物(1)で中和する割合、すなわち、含フッ素樹脂(A1)における上記式(a4)のR15が−NHZである割合は、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましい。
中和反応は、塩基性化合物(1)または塩基性化合物(1)の水溶液を、工程(β)で得られた含フッ素樹脂(A1’)が溶解した有機溶媒に対して、室温で数10分撹拌しながら加えれば、充分に進行する。
工程(γ)においては、工程(β)で得られた含フッ素樹脂(A1’)が溶解した有機溶媒に対して、塩基性化合物(1)を加えるとともに水を加えてもよい。水は、塩基性化合物(1)と同時に加えてもよく、塩基性化合物(1)と別々に加えてもよく、一部を塩基性化合物(1)と同時に加えて残りを塩基性化合物(1)と別々に加えてもよい。一部または全部を塩基性化合物(1)と同時に加える場合には、塩基性化合物(1)の水溶液とすることが好ましい。塩基性化合物(1)と水とを別々に加える場合には、塩基性化合物(1)を加える前に水を加えてもよく、塩基性化合物(1)を加えた後に水を加えてもよい。中でも、塩基性化合物(1)を加えた後に水を加える方法、塩基性化合物(1)の水溶液を加える方法が好ましい。
加える水の量は、工程(γ)で得られる分散体の固形分濃度が20〜70質量%となる量が好ましく、30〜60質量%となる量がより好ましい。
工程(δ):
工程(δ)は、有機溶媒を除去する工程である。該工程により、有機溶媒の含有量が全質量に対して10質量%以下である含フッ素樹脂(A1)を含有する分散体が得られる。有機溶媒はすべて除去されることが好ましい。
除去される有機溶媒としては、工程(α)で用いた有機溶媒が残留したもの、工程(β)で用いた有機溶媒が残留したものが挙げられる。
有機溶媒の除去は、減圧留去により行うことができる。
工程(γ)において必要量の水を加えていない場合、有機溶媒を除去した後に、水を加えてもよい。
加える水の量は、工程(δ)で得られる分散体の固形分濃度が20〜70質量%となる量が好ましく、30〜60質量%となる量がより好ましい。
「含フッ素樹脂(A2)」
含フッ素樹脂(A2)は、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の含フッ素単量体に基づく構成単位を有する。
含フッ素樹脂(A2)における構成単位(g)としては、メタクリル酸等のカルボキシ基含有不飽和単量体に基づく構成単位等が挙げられる。
含フッ素樹脂(A2)は、含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(たとえば、上述の含フッ素樹脂(A1)における構成単位(a2)や構成単位(a3)等)を有していてもよい。
含フッ素樹脂(A)として含フッ素樹脂(A2)を用いれば、塗料の安定性が良好になる。
(非フッ素樹脂(C))
主剤(I)は、含フッ素樹脂(A)以外に、さらに非フッ素樹脂(C)を含有することが好ましい。主剤(I)が非フッ素樹脂(C)を含有することにより、造膜性、塗膜の耐候性等の特性をさらに向上させることができる。
非フッ素樹脂(C)としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、造膜性の点から、シリコーン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
「シリコーン樹脂」
シリコーン樹脂としては、たとえば、ジメチルポリシロキサン等のジアルキルポリシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等のポリアリールシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のポリアルキルアリールシロキサンからなるシリコーンオイルやシリコーン樹脂、あるいは、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等の変性シリコーンオイルや変性シリコーン樹脂等をエマルション化したものを使用することができる。
シリコーン樹脂の平均粒子径は、10〜50nmが好ましい。
シリコーン樹脂と含フッ素樹脂(A)との固形樹脂成分質量比率(シリコーン樹脂:含フッ素樹脂(A))は、1.0:99.0〜50.0:50.0が好ましく、2.0:98.0〜40.0:60.0がより好ましく、3.0:97.0〜30.0:70.0がさらに好ましい。
シリコーン樹脂が、この比率より少ない場合は、塗膜の質感が損なわれるおそれがある。一方、シリコーン樹脂が、この比率より多い場合は、造膜性が低下する。
「アクリル樹脂」
アクリル樹脂は、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のアクリル単量体に基づく構成単位を有することが好ましい。
アクリル酸エステルとしては、透明性、造膜性に優れた塗膜が得られるという点で、アルキル基の炭素数が1〜10のアクリル酸アルキルエステルが好ましい。
メタクリル酸エステルとしては、透明性、造膜性に優れた塗膜が得られるという点で、アルキル基の炭素数が1〜10のメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
含フッ素樹脂(A)として特に含フッ素樹脂(A2)を用いる場合、塗膜の造膜性や基材への密着性をより良好にする点から、水性分散体は、含フッ素樹脂(A2)以外にアクリル樹脂を含むことが好ましい。
このとき、含フッ素樹脂(A2)とアクリル樹脂との質量比(含フッ素樹脂(A2)/アクリル樹脂)は、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜80/20がより好ましい。含フッ素樹脂(A2)が多すぎると、塗膜の造膜性や基材への密着性が低下する。アクリル樹脂が多すぎると、塗膜の耐候性が低下する。
含フッ素樹脂(A2)とアクリル樹脂とを含む水性分散体としては、Arkema社製、製品名「Kynar Aquatec FMA−12」(フッ化ビニリデン系重合体/アクリル樹脂=50/50(質量比)、アクリル樹脂=メタクリル酸メチル単位/メタクリル酸エチル単位/メタクリル酸ブチル単位=60/20/20(質量比))が挙げられる。
アクリル樹脂がエマルションである場合、該エマルションの平均粒子径は100〜200nmが好ましい。(メタ)アクリレートと、紫外線安定基および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体に基づく構成単位とを有するエマルションが好ましい。(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル基、ターシャリーブチル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、紫外線安定基および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体としては、2,2,6,6−テトラ置換ピペリジル基を有する不飽和単量体が好ましい。
(添加剤(D))
水性分散体は、上述の含フッ素樹脂(A)および非フッ素樹脂(C)以外に、さらに添加剤(D)を含有することが好ましい。水性分散体が添加剤(D)を含有することにより、造膜性、硬化性、塗膜の着色、塗膜の保護等の諸機能をさらに向上させることができる。
添加剤としては、公知の塗料用添加剤が挙げられ、具体的には、造膜助剤、無機系着色顔料、有機系着色顔料、体質顔料、硬化触媒、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。本発明の含フッ素樹脂塗料組成物には、添加剤を2種以上配合してもよい。
造膜助剤としてはジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2.2.4−トリメチルー1.3ペンタジオールモノ(2−メチルポロピオネート)、ジエチルングリコールジエチルエーテル、エーテル化合物などが挙げられる。
塗膜の光沢を調整する必要がある場合は、常用の無機または有機のツヤ消剤を添加してもよい。
着色が必要な場合には、市販の有機顔料、無機顔料、有機染料、これらを複合化した顔料もしくは染料、等の着色材を分散もしくは混合添加してもよい。
着色材の量は含フッ素樹脂(A)と非フッ素樹脂(C)の総量100質量部に対して、10〜120質量部が好ましく、20〜100質量部が特に好ましい。
[樹脂成分の配合割合]
主剤(I)中の含フッ素樹脂(A)の含有量は、顔料分散性、塗装性、貯蔵安定性の点から、10〜80質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。
主剤(I)中の含フッ素樹脂(A)と非フッ素樹脂(C)との配合割合(A/C)は、耐候性の点から、質量比で90/10〜20/80が好ましく、80/20〜30/70がより好ましく、70/30〜40/60が最も好ましい。
[主剤(I)の製造方法]
主剤(I)は、公知の方法により製造でき、たとえば、各成分を媒体に分散または溶解することで得られる。具体的には、主剤(I)は、含フッ素樹脂(A)、非フッ素樹脂(C)、添加剤(D)のすべての成分を同じ媒体に一時に分散または溶解させることにより主剤(I)を得てもよく、各成分を別々の媒体に分散または溶解させた分散体を混合することにより主剤(I)を得てもよい。
樹脂成分は、その一部または全部がエマルションを形成していてもよい。各成分を別々の媒体に分散または溶解させた分散体を混合して得る場合、たとえば、樹脂成分毎に形成したエマルションを混合することにより、複数の樹脂成分がエマルションの状態の分散体(α)からなる主剤(I)を得ることができる。
エマルションの製造方法は、特に限定されないが、たとえば、乳化重合法が挙げられる。乳化重合法としては、バッチ重合法、モノマー滴下重合法、乳化モノマー滴下重合法等が挙げられる。重合に用いる乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤から選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<硬化剤(II)>
硬化剤(II)は、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)(以下、単に「化合物(B)」ともいう。)を含有する。硬化剤(II)は、化合物(B)からなるものでもよく、媒体に分散または溶解されていてもよい。
媒体としては、水又は水性媒体が挙げられる。媒体を用いる場合、硬化剤(II)は、主剤(I)と混合する直前に、硬化剤(II)に配合することが好ましい。
[化合物(B)]
化合物(B)は、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物であり、含フッ素樹脂(A)のカルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方と反応して、該含フッ素樹脂(A)を架橋する作用を有する。化合物(B)が有する官能基(h)の数は2個以上であり、2〜8個が好ましく、2〜4個がより好ましく、2個が最も好ましい。化合物(B)は、水溶性化合物であることが好ましい。
カルボキシ基との反応性がある官能基(h)としては、たとえば、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基、ヒドラジド基、およびβ−ヒドロキシアルキルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。中でも、カルボキシ基との反応速度がより良好であり、水媒体中での安定性がより高い点から、カルボジイミド基、オキサゾリン基、およびヒドラジド基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、カルボジイミド基がより好ましい。
二液硬化型水性塗料キットにおいて、主剤(I)中のカルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方のモル数に対する、硬化剤(II)中のカルボキシ基との反応性がある官能基(h)のモル数の比は、硬化速度がより良好になる点から、0.5〜1.5であることが好ましい。
[添加剤(E)]
硬化剤(II)は、上述の化合物(B)および媒体以外に、添加剤(E)を含んでいてもよい。添加剤(E)の種類は、上述の添加剤(D)と同様であり、この中から適宜選択し用いられる。
硬化剤(II)中の化合物(B)の含有量は、主剤(I)と硬化剤(II)とを混合して水性塗料を得る際に固形分濃度を調整しやすい点から、60〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。
硬化剤(II)中の媒体の含有量は、主剤(I)と硬化剤(II)とを混合して水性塗料を得る際に固形分濃度を調整しやすい点から、0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
<使用方法>
二液硬化型水性塗料キットの主剤(I)および硬化剤(II)は、使用時まで別々に保管される。主剤(I)と硬化剤(II)とは、使用時に混合されて水性塗料とされ、基材表面に塗布される。該水性塗料が塗布された基材表面上には、該水性塗料が硬化した塗膜が形成される。
基材としては、たとえば、土木構造物、建築物、港湾設備、プラント、船舶、橋梁、電力設備、通信設備等の鉄鋼構造物等に用いられるものが挙げられ、具体的には、金属材料基材、ガラス基材、磁器タイル基材、コンクリート基材、サイディングボード基材、窯業基材、押出成形板基材、合成樹脂基材、人工大理石基材、および木材基材等が挙げられる。中でも、建築物、土木構築物等の躯体が好ましい。
二液硬化型水性塗料キットは、躯体として組み立てる前に、工場等において基材表面にプレコートして用いてもよく、躯体として組み立てた後に塗布してもよい。
二液硬化型水性塗料キットは、基材に直接塗布してもよく、基材に公知の表面処理(下地処理等)を施した上に塗布してもよい。
塗布方法としては、ハケ塗り、スプレー、ローラー、ロールコーター、フローコーター等が挙げられる。
塗膜の乾燥膜厚は、用途により適宜設定される。
<<二液硬化型水性塗料用主剤>>
本発明の二液硬化型水性塗料用主剤は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備える含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなり、前記含フッ素樹脂(A)における前記構成単位(g)の含有量が、0.4〜10モル%であり、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)を含有する硬化剤と組合せて用いられることを特徴とする。すなわち、本発明の二液硬化型水性塗料用主剤は、所定の水性分散体からなり、使用時に、所定の硬化剤と組合せて用いられる。
二液硬化型水性塗料用主剤におけるカルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備える含フッ素樹脂(A)、ならびにその他の成分は、上述の二液硬化型水性塗料キットにおけるものと同様である。
また、二液硬化型水性塗料用主剤と組合せて用いる硬化剤は、上述の二液硬化型水性塗料キットにおけるものと同様である。
<<作用効果>>
本発明の硬化型水性塗料キットは、ポットライフが長く、主剤と硬化剤とを混合した後、基材に塗布するまでの時間が長くても、塗膜の光沢性や外観性に優れた塗膜を形成することができる。これは、主剤における所定量のカルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する含フッ素樹脂と、硬化剤における所定の化合物とを組合せて用いたことにより、硬化が適切な速度で進むことによるためと考えられる。
また、本発明の二液硬化型水性塗料キットは、樹脂成分として含フッ素樹脂を用いているため、塗膜の耐候性に優れる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
[塗膜の耐候性試験]
主剤および硬化剤を混合した直後、4時間後、6時間後、8時間後の水性塗料を用いて、フィルムアプリケーターにより、クロメート処理アルミ板(厚さ1mm、表面クロメート処理)の表面に、乾燥膜厚が40μmになるように塗膜を形成して、試験板を作製した。乾燥、硬化は、24時間、23℃の条件で行った。
沖縄県那覇市の屋外に、得られた試験板を設置し、設置直前と設置2年後の塗膜表面の60°光沢値を測定し、設置直前の塗膜表面の光沢値に対する設置2年後の塗膜表面の光沢値を百分率で算出して、塗膜の光沢保持率(%)を求めることにより、耐候性を評価した。
塗膜表面の光沢は、光沢計(日本電色工業社製、PG−1M)を用いて測定した。以下の基準に従って、耐候性を評価した。
「○」:光沢保持率が80%以上であった。
「×」:光沢保持率が80%未満であった。
[ポットライフ試験]
主剤および硬化剤を混合した直後、4時間後、6時間後、8時間後の水性塗料の性状を目視により、以下の基準で評価した。
「○」:均一であり、増粘がなかった。
「×」:発泡があり、不均一であり、増粘があった。
また、粘度計(太佑機材(株)製、ストーマー粘度計)を用いて各水性塗料の粘度を測定し、主剤と硬化剤とを混合した直後の粘度に対する混合後4時間、6時間、8時間の粘度を、増粘率(%)として算出して、両剤の混合後の継時的な粘度の増加を評価した。
[塗膜の外観評価試験]
主剤および硬化剤を混合した直後、4時間後、6時間後、8時間後の水性塗料を用いてクロメート処理アルミ板の表面に乾燥膜厚が40μmとなるように塗膜を形成した。該塗膜の光沢を、上記の耐候性試験のときと同じ光沢計を用いて60°光沢値を測定し、以下の基準により評価した。
「○」:60°光沢値が80以上であった。
「×」:60°光沢値が80未満であった。
また、塗膜の外観を目視により、以下の基準で評価した。
「○」:均一で良好であった。
「×」:不均一で違和感があった。
<原料>
[単量体((a1’)−1)]
クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」という。)(旭硝子(株)製)
[単量体((a2’)−1)]
エチルビニルエーテル(以下、「EVE」という。)(BASF社製)
[単量体((a2’)−2)]
シクロヘキシルビニルエーテル(以下、「CHVE」という。)(BASF社製)
[単量体((a3’)−1)]
4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下、「4−HBVE」という。)(BASF社製)
<製造例1>
[樹脂分散液の調製]
単量体((a1’)−1)、単量体((a2’)−1)、単量体((a2’)−2)、および単量体((a3’)−1)を公知の方法で溶液重合して、含フッ素樹脂((A1’)−1)(CTFE単位/EVE単位/CHVE単位/4−HBVE単位=50/15/15/20(モル比)、水酸基価:100mgKOH/g、質量平均分子量:7000))を得た(工程(α))。該含フッ素樹脂((A1’)−1)は、含フッ素樹脂(A1’)の一つであり、市場で購入可能である(旭硝子社製「ルミフロン(登録商標)」フレーク)。
含フッ素樹脂((A1’)−1)を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解させて、固形分濃度60質量%のワニス(含フッ素樹脂((A1’)−1)を含有する分散体)を得た。
このワニスの300gに、無水コハク酸の4.8g、触媒としてトリエチルアミンの0.072gを加え、70℃で6時間反応させて、含フッ素樹脂((A1’)−1)をエステル化した(工程(β))。反応液の赤外吸収スペクトルを測定したところ、反応前に観測された無水酸の特性吸収(1850cm−1、1780cm−1)が反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm−1)およびエステル(1735cm−1)の吸収が観測された。エステル化後の含フッ素樹脂((A1’)−1)の水酸基価は85mgKOH/g、酸価は15mgKOH/gであった。エステル化後の含フッ素樹脂((A1’)−1)の構成単位の比「CTFE単位/EVE単位/CHVE単位/4−HBVE単位/エステル化された4−HBVE単位(モル比)」は、50/15/15/17/3であった。
次いで、エステル化後の含フッ素樹脂((A1’)−1)に、トリエチルアミンの4.9gを加え室温で20分撹拌してカルボン酸を中和し、イオン交換水の180gを徐々に加え、含フッ素樹脂((A1)−1)を得た(工程(γ))。エステル化された4−HBVE単位のうち、トリエチルアミンで中和された割合は70モル%であった。
次いで、アセトンおよびメチルエチルケトンを減圧留去した(工程(δ))。
次いで、イオン交換水により、含フッ素樹脂((A1)−1)が固形分濃度50質量%となるように調整し、製造例1の樹脂分散液を得た。
<製造例2〜5>
製造例2〜5においては、エステル化に使用する無水コハク酸のアセトン量および中和反応に使用するトリエチルアミンの量を表1に示すようにした以外は、製造例1と同様にして、それぞれ製造例2〜5の樹脂分散液を得た。
表1に、製造例1〜5で用いたワニス(含フッ素樹脂((A1’)−1)を固形分濃度60質量%で含有する分散体)の量、該含フッ素樹脂にカルボキシ基を導入する際に用いた無水コハク酸の量、カルボキシ基を導入した後の酸価および水酸基価、カルボキシ基の中和に用いたトリエチルアミンの量を示す。
Figure 2016014106
<製造例6>
[顔料分散液の調製]
酸化チタン顔料(D−918(堺化学社製))の72質量部、分散剤(BYK−190(BYK製))の5質量部、消泡剤(Dehydran1620(BASF社製))の0.5質量部、イオン交換水の22.5質量部、ガラスビーズの100質量部を混合し、ダレンミフレ分散機を用い分散し、その後ガラスビーズをろ過して顔料分散液を得た。
<実施例1>
製造例1で得た樹脂分散液の60質量部に、さらに、製造例6で得た顔料分散液の20質量部、造膜助剤のジエチレングリコールモノエチルエーテルの4質量部、増粘剤(ローム&ハース社製、プライマル(登録商標)TT−615)の0.5質量部、消泡剤(BASF社製、デヒドラン(登録商標)1620)の0.5質量部、イオン交換水の15質量部を加えて、主剤を得た。
カルボジイミド基含有水溶性化合物(日清紡ケミカルズ社製「ルボジライトV−02(商品名)」)を硬化剤として用いた。
主剤の100質量部に対し硬化剤の3質量部を配合し、PTF製スパチュラを用いて30秒撹拌混合し、水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例2>
製造例1で得た樹脂分散液を、製造例2で得た樹脂分散液に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例3>
製造例1で得た樹脂分散液を、製造例3で得た樹脂分散液に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例4>
製造例1で得た樹脂分散液を、製造例4で得た樹脂分散液に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例5>
製造例1で得た樹脂分散液の60部を、製造例1で得た樹脂分散液の30部及び含フッ素樹脂エマルション(旭硝子社製「FE4400(製品名)」)の30部を混合した樹脂分散液に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例6>
製造例1で得た樹脂分散液を、市販の含フッ素樹脂を含有する樹脂分散液(Arkema社製「Kynar Aquatec FMA−12(製品名)」、構成単位(g)の含有量:5モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例7>
硬化剤のカルボジイミド基含有水溶性化合物を、オキサゾリン基含有水溶性化合物(日本触媒社製「エポクロスWS700(商品名)」)に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<実施例8>
硬化剤のカルボジイミド基含有水溶性化合物を、ヒドラジド基含有水溶性化合物(日本化成社製「アジピン酸ヒドラジド ADH(商品名)」)に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<比較例1>
硬化剤のカルボジイミド基含有水溶性化合物を、ポリイソシアネート硬化剤(住化バイエルン社製「Bayhydur3100」)に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<比較例2>
製造例1で得た樹脂分散液を、アクリル樹脂エマルション(日本触媒社製「WBR−600(商品名)」、構成単位(g)の含有量:2.8モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
<比較例3>
製造例1で得た樹脂分散液を、製造例5で得た樹脂分散液に変更した以外は、実施例1と同様にして水性塗料を得た。該水性塗料を用いて、塗膜の耐候性試験、ポットライフ試験、塗膜の外観評価試験を行った。
以上の実施例1〜10および比較例1〜3の評価結果を、以下の表2に示す。なお、主剤と硬化剤との混合直後については、水性塗料の性状の評価を行わなかった。また、比較例1,3の混合後8時間の水性塗料の性状については、塗料がゲル化してしまい評価できなかった。
Figure 2016014106
表2に示されるように、硬化剤としてカルボキシ基との反応性がある官能基(h)を有しない化合物を用いた比較例1、および構成単位(g)の含有量が10モル%より高い含フッ素樹脂を含む合成樹脂の樹脂分散液を含有する主剤を用いた比較例3は、ポットライフが短く、主剤と硬化剤を混合した後の時間が延びるほど、塗膜外観に劣った。また、含フッ素樹脂を含まない比較例2は、耐候性に劣っていた。
これに対し、構成単位(g)の含有量が0.4〜10モル%である含フッ素樹脂を含む合成樹脂の樹脂分散液を含有する主剤と、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物を含有する硬化剤とを組合せた実施例1〜10の水性塗料を用いた場合、耐候性と塗膜外観性が優れ、さらに、ポットライフが長かった。
本発明の二液硬化型水性塗料キットによれば、耐候性が求められる、土木構造物、建築物等の塗料として利用可能である。

Claims (6)

  1. 含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなる主剤(I)と、カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)を含有する硬化剤(II)とからなり、
    前記含フッ素樹脂(A)は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備え、
    前記含フッ素樹脂(A)は、前記構成単位(g)を、全構成単位に対して0.4〜10モル%で含む、二液硬化型水性塗料キット。
  2. 前記主剤(I)が、さらに非フッ素樹脂(C)を含有する、請求項1に記載の二液硬化型水性塗料キット。
  3. 前記主剤(I)中の前記含フッ素樹脂(A)と前記非フッ素樹脂(C)との配合割合(A/C)が、質量比で90/10〜20/80である、請求項2に記載の二液硬化型水性塗料キット。
  4. 前記官能基(h)が、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基、ヒドラジド基、およびβ−ヒドロキシアルキルアミド基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二液硬化型水性塗料キット。
  5. 前記主剤(I)中の前記構成単位(g)のモル数に対する、前記硬化剤(II)中の前記官能基(h)のモル数の比が、0.5〜1.5である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二液硬化型水性塗料キット。
  6. 含フッ素樹脂(A)を含有する水性分散体からなり、
    前記含フッ素樹脂(A)は、カルボキシ基、およびカルボキシ基が塩基性化合物(1)により中和された基のいずれか一方を有する構成単位(g)を備え、
    前記含フッ素樹脂(A)は、前記構成単位(g)を、全構成単位に対して0.4〜10モル%で含み、
    カルボキシ基との反応性がある官能基(h)を2個以上有する化合物(B)を含有する硬化剤と組合せて用いられることを特徴とする、二液硬化型水性塗料用主剤。
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