JP2016012777A - 電気音響変換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スピーカ100又はマイクロホン(電気音響変換器)は、一以上の縦割り筒状面5を有する振動体5と、振動体1における縦割り筒状面5の側部を固定する固定部31bを有する筐体3と、振動体1の振動に対応する電気信号との変換を行うアクチュエータ2(変換部)とを備え、振動体1は、縦割り筒状面5の側部方向の筐体3の表面に延長されている。
【選択図】 図2
Description
例えば、特許文献1には、振動板(スピーカ振動板)を光透過性のある素材で構成することにより、振動板を照明燈の保護カバーとして用いたスピーカ付照明装置が開示されている。このスピーカ付照明装置においては、筐状のフレームに振動板を取り付けている。
なお、上記特許文献1〜3に開示されるスピーカの構造は、スピーカの動作原理と逆の動作原理を有するマイクロホンとして適用できるものである。
また、これらの特許文献1〜3に開示されるスピーカでは、湾曲した振動板の形状を生かした意匠や音響特性が実現されていない。
また、本発明の電気音響交換器をスピーカに適用した場合、振動体の縦割り筒状面と筐体の外観面とが連続して形成されていることから、その縦割り筒状面と筐体の外観面との接続部分から不要な回折波が発生することを防止することができる。したがって、スピーカから放音される音の指向特性や周波数特性を向上させることができ、優れた音響特性を発揮させることができる。
振動体の縦割り筒状面と筐体の外観面とを別体で設けた場合でも、これらの表面が一致する形状に設けることで、一体感を持ったデザインが可能となり、優れた意匠性を発揮させることができる。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態のスピーカを示す。
この実施形態のスピーカ(電気音響変換器)100は、一以上の縦割り筒状面5を有する振動体1と、この振動体1を往復駆動するアクチュエータ(変換部)2と、これら振動体1及びアクチュエータ2を支持するための筐体3とを備えている。
なお、上述の縦割り筒状面5とは、筒状の面の一部を縦割りにして切り取った面のことであり、上述の湾曲板11の側部とは、縦割り筒状面5の湾曲する方向の側部のことである。そして、この振動体1においては、谷部6の延在方向が縦方向、これと直交する方向が横方向である。
なお、振動体1の両湾曲板11は、1枚のフィルムから接合部13となる中央部を折り返して一体に成形することにより、両湾曲板11の間の折り返し部分に断面がV字状又はU字状の接合部13が形成された形状とすることもできる。また、振動体1の両湾曲板11は、2枚のフィルムの湾曲板11の一側部どうしを接着して形成することもできる。
また、均一な再生音を得るためには、図2に示すように、両湾曲板11を接線Lに対して対称に形成することが好ましい。ただし、本発明においては、必ずしも線対称でなくてもよい。
ボイスコイルは、円筒状のボビン20aの周りにコイル20bが巻回されたものであり、その直径方向に湾曲板11の接合部13が配置されるように、ボイスコイル20の上端と接合部13の下縁とが接着剤等を介して固着されている。そして、このボイスコイル20の外周部がダンパー22を介して支持枠32に支持されており、ボイスコイル20は支持枠32に対してボイスコイル20の軸方向に沿って往復移動自在に設けられている。なお、ダンパー22には、一般的なダイナミックスピーカに用いられる材料のものを適用することができる。
外装部31は、例えばMDF(Medium Density Fiberboard)やパーティクルボードなどの材料により形成され、略円筒形状の一部をその円筒軸方向(図1では上下方向)で切欠いた形状とされる。その切欠かれた開口溝部31aの内側には、支持枠32が開口溝部31aを跨ぐように取り付けられる。そして、外装部31と振動体1とで囲まれた領域に空間部33が形成される。なお、外装部31の材料は、スピーカの筐体に用いられる材料であれば、上述の材料に限らず他の材料でもよい。
なお、空間部33の円筒軸方向(縦方向)の両端部には、図1に示すように、その空間部33の両端を閉塞する一対の端板34が設けられている。両端板34は、振動体1の往復移動を阻害しないように、振動体1との間に僅かな隙間35を設けて配置されている。なお、この隙間35には、振動体1の往復振動に影響しないような多孔質材(スポンジ材)等の部材を挿入して、隙間35を塞いでもよい。
そして、外装部31の開口溝部31aにおいて、その外装部31の外周面の端部(固定部31b)に、振動体1の両湾曲板11の接合部13とは反対側の側部(縦割り筒状面5の側部)が固定される。
そして、振動体1の縦割り筒状面5と筐体3の外観面30とが連続した形状に形成されていることから、その縦割り筒状面5と筐体3の外観面30との接続部分から不要な回折波が発生することを防止することができる。また、筐体3の外観面30が曲面で形成されるため、筐体3からの回折波の発生を抑制することができる。したがって、スピーカ100から放音される音の指向特性や周波数特性を向上させることができ、優れた音響特性を発揮させることができる。
さらに、筐体3の外装部31の内周面を曲面で形成していることから、筐体3内の定在波の発生が抑制され、放射される音の周波数特性を向上させることもできる。
なお、本実施形態のスピーカ100は、筐体3の外装部31の横断面がハート形に形成され、外観面30が曲面のみで構成されていたが、これに限定されるものではない。図3に示す第2実施形態のスピーカ202や、図4に示す第3実施形態のスピーカ203のように、筐体3の外装部31の一部が平面で形成される場合においても、振動体1の縦割り筒状面5と筐体3の外観面30とを同一の材料で形成することで、外観の一体感を向上させることができる。
また、振動体1の縦割り筒状面5と筐体3の外観面30とは、連続した形状とされていれば必ずしも同一の材料で形成する必要はないが、本実施形態のように同一の材料で形成した方が、より高い意匠性や音の特性の効果を発揮させることができる。
また、このスピーカ206には、図示は省略するが、振動体1を往復駆動するためのアクチュエータが、各振動体1の谷部6の底部にそれぞれ設けられている。これにより、スピーカ206では、各振動体1によって2チャンネルの音声信号を処理することができる。更に、2つの振動体1の間の平面部36に、第3のチャンネルの音声信号用(例えば、センター用の音声信号)に対応する振動体1を追加、配置して、図8に示す第7実施形態のスピーカ207のように、3つの振動体1を備える構成とすることもできる。スピーカ207は、3つの振動体1が、それぞれの谷部6の延在方向が平行となるように、平面部36を介して左右に並んで配置される。また、筐体3の両側部37は、縦割り筒状面5の側部方向を延長するような半円筒状の外面を有しており、この両側部37及び平面部36を含む筐体3の外観面30と、3つの振動体1の縦割り筒状面5とが、同一の材料により一体に形成される。このように、このスピーカ207においても、第6実施形態のスピーカ206と同様に、各振動体1は、縦割り筒状面5の側部方向の筐体3の表面に延長され、筐体3の表面を一周取り巻いて設けられる。
また、これら第6実施形態のスピーカ206及び第7実施形態のスピーカ207のように、複数の振動体1を組み合わせた構成とすることで、ステレオ2チャンネル、2.1チャンネル(ステレオ2チャンネルと低音用の0.1チャンネルの構成)、または3チャンネル(ステレオ2チャンネルとセンター用の1チャンネル)の音声信号の再生を、一つのスピーカで実現できる。
このように、正面側の筐体3を平面のみで構成したスピーカ208は、図9に示すように、スピーカを有するその他の製品の外装(図9の二点鎖線)の一部を構成するように組み込まれることで、外観において振動体1及び筐体3と、前述の製品とが区別されることなく一体となって、滑らかな外観を持った製品のデザインが可能となる。
また、このスピーカ209においても、第1実施形態のスピーカ100と同様に、振動体1が、縦割り筒状面5の側部方向の筐体3の外観面30に延長され、筐体3の表面に一周取り巻いて設けられ、縦割り筒状面5と外観面30とが同一の材料で形成される。そして、スピーカ209には、図示は省略するが、振動体1を往復駆動するためのアクチュエータが、谷部6の延在方向に間隔をおいて複数個(例えば2個)設けられている。これにより、振動体1の全体を、その谷部6の延在方向において一様に振動させることができるので、谷部6の延在方向と直交する上下方向にはスピーカ209の高さよりも広く、その一方で谷部6の延在方向に沿う左右方向にはスピーカ209の幅に限定されたエリアにおいて、均一な音声を提供できる。
また、スピーカ210は、図11に示すように、スピーカ210の後方に薄い箱状のラック8(同図の二点鎖線)を合体させて設けることもできる。そして、スピーカ210は、第9実施形態のスピーカ209と同様に、谷部6の延在方向を左右方向に配置して使用する。
スピーカ210は、第1実施形態のスピーカ100と同様に、振動体1が、縦割り筒状面5の側部方向の筐体3の外観面30に延長され、筐体3の表面に一周取り巻いて設けられ、縦割り筒状面5と外観面30とが同一の材料で形成される。また、縦割り筒状面5の側部方向(谷部6の延在方向と直交する方向)に沿う断面形状は、どの位置においても、図2に示す第1実施形態のスピーカ100と同様に、同じ形状とされる。そして、スピーカ209は、縦割り筒状面5の中央部を前方に押し出して湾曲させた形状に形成しているので、谷部6の延在方向と直交する上下方向にはスピーカ209の高さよりも広く、かつ、谷部6の延在方向に沿う左右方向においてはスピーカ209の幅よりも広いエリアで、均一な音声を提供できる。
スピーカ211も、第1実施形態のスピーカ100と同様に、振動体1が、縦割り筒状面5の側部方向の筐体3の外観面30に延長され、筐体3の表面に一周取り巻いて設けられ、縦割り筒状面5と外観面30とが同一の材料で形成される。また、このスピーカ211では、振動体1の縦割り筒状面5を、谷部6の延在方向における中央部を前方に押し出し、かつ、左右方向に膨らませて形成することで、縦割り筒状面5の側部方向だけでなく、谷部6の延在方向にも湾曲させた形状に設けている。これにより、谷部の延在方向に沿う上下方向にはスピーカ211の高さよりも広く、かつ、谷部6の延在方向と直交する左右方向においてもスピーカ211の幅よりも広いエリアで、均一な音声を提供できる。
このスピーカ212では、第6実施形態のスピーカ206や第7実施形態のスピーカ208とは異なり、複数対の縦割り筒状面5の側部どうしの間に平面部36を介在させずに、隣接する縦割り筒状面5の側部どうしを繋げて、これら縦割り筒状面5を合体させた複数の湾曲形状により振動体1が形成される。そして、この振動体1が、縦割り筒状面5の側部方向の筐体3の外観面30に延長され、筐体3の表面に一周取り巻いて設けられることにより、縦割り筒状面5と外観面30とが同一の材料で形成される。
例えば、振動体を往復駆動する変換部として、ボイルコイルモータを適用したが、ボイルコイルモータに代えて、圧電素子等を用いてもよい。
また、上記実施形態ではいずれも本発明をスピーカに適用したが、本発明をマイクロホンに適用することも可能である。本発明をスピーカに適用する場合は、ボイスコイルモータ等の変換部が、音声信号に基づく電気信号を振動体の振動に変換するが、本発明をマイクロホンに適用する場合も、変換部としてボイスコイルモータ等を用いることができ、その場合の変換部は、音波を受けて振動する振動体の振動を電気信号に変換する。
Claims (4)
- 一以上の縦割り筒状面を有する振動体と、
前記振動体における前記縦割り筒状面の側部を固定する固定部を有する筐体と、
前記振動体の振動に対応する電気信号との変換を行う変換部とを備え、
前記振動体は、前記縦割り筒状面の側部方向の前記筐体の表面に延長されていることを特徴とする電気音響変換器。 - 前記振動体は、前記縦割り筒状面の側部方向において、前記筐体の表面に一周取り巻いて設けられることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器。
- 一以上の縦割り筒状面を有する振動体と、
前記振動体における前記縦割り筒状面の側部に繋がる接続部を有する筐体と、
前記振動体の振動に対応する電気信号との変換を行う変換部とを備え、
前記縦割り筒状面の前記側部と前記筐体の接続部とは、表面が一致する形状に設けられていることを特徴とする電気音響変換器。 - 前記縦割り筒状面は一対で並列に形成されるとともに、隣り合う前記縦割り筒状面の間に谷部を形成していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気音響変換器。
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