JP2016011802A - グロープラグ - Google Patents

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晴彦 阿部
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Abstract

【課題】グロープラグにおける通電耐久性および急速昇温性能を向上させる。
【解決手段】グロープラグ(10)は、筒状のシースチューブ(810)と、螺旋状に巻回された素線を備えシースチューブ内に収納されて通電により発熱する通電コイル(820,830)と、シースチューブ内において通電コイルの周囲に充填された絶縁粉末(840)と、を備えるヒータ素子(800)を有する。通電コイルは、素線における軸線を含む断面の形状が巻回方向に変化する部位であって、コイル一巻きの間に断面の形状が略円形、略楕円形、略円形と変化する第1の不均一部、および、コイル一巻きの間に前記断面の形状が略楕円形、略円形、略楕円形と変化する第2の不均一部、から選択される不均一部を有する。略円形は、短径の長さに対する長径の長さの比の値が1.0〜1.2であり、楕円形は、短径の長さに対する長径の長さの比の値が1.4以上である。
【選択図】図3

Description

本発明は、グロープラグに関するものである。
グロープラグが備えるヒータとして、先端部が閉塞した円筒状のシースチューブと、シースチューブ内に配置されて通電により発熱する発熱コイルと、を備えるヒータ素子が知られている。このようなグロープラグは、例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関の始動時等における着火を補助する熱源として用いられ、上記発熱コイルに通電してヒータを昇温させることにより、熱源として機能する(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2013/157266号パンフレット
発熱コイルにおいて大電流が流れる場合など、発熱コイルが過剰に昇温する場合には、発熱コイルが損傷(溶損)し、例えば発熱コイルの断線が引き起こされる場合がある。そのため、発熱コイルへの通電による発熱の動作を繰り返すグロープラグでは、さらなる通電耐久性の向上(通電を繰り返しても、より長く性能が維持されること)が望まれていた。また、グロープラグにおいては、上記のように通電耐久性を向上させつつ、さらに、内燃機関の始動性向上のための急速昇温性能(内燃機関でより速く着火させるためにグロープラグがより速く昇温する性能)の向上が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びて先端が閉じられた筒状のシースチューブと、螺旋状に巻回された素線を備え前記シースチューブ内に収納されて通電により発熱する通電コイルと、前記シースチューブ内において前記通電コイルの周囲に充填された絶縁粉末と、を備えるヒータ素子を有するグロープラグが提供される。このグロープラグにおいて、前記通電コイルは、前記素線における前記軸線を含む断面の形状が巻回方向に変化する部位であって、コイル一巻きの間に前記断面の形状が略円形、略楕円形、略円形と変化する第1の不均一部、および、コイル一巻きの間に前記断面の形状が略楕円形、略円形、略楕円形と変化する第2の不均一部、から選択される不均一部を有する。前記略円形は、短径の長さに対する長径の長さの比の値が1.0〜1.2であり、前記楕円形は、短径の長さに対する長径の長さの比の値が1.4以上である。
この形態のグロープラグによれば、コイル一巻きの間に、素線の断面形状が、略円形、略楕円形、略円形、あるいは、略楕円形、略円形、略楕円形と変化する不均一部を有する通電コイルを備えるため、通電コイルと絶縁粉末との接触を、より十分に確保可能となり、グロープラグの通電耐久性および急速昇温性能を向上させることができる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記不均一部のうち前記断面の形状が略楕円形である箇所における前記断面の前記長径は、前記軸線方向に平行であることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、通電コイルからシースチューブへの放熱量を、より多くできるため、シースチューブの昇温を促進し、通電コイルの過剰な昇温を抑えることができる。そのため、通電耐久性および急速昇温性能を向上させる効果を高めることができる。
(3)上記形態のグロープラグは、前記シースチューブ内において、前記シースチューブの先端側に配置された発熱コイル部と、該発熱コイル部と直列に接続されて該発熱コイル部の後端側に配置され、該発熱コイル部よりも正の抵抗温度係数が大きい制御コイル部と、を備え;前記通電コイルは、前記発熱コイル部と前記制御コイル部とのうちの少なくとも一方であることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、発熱コイル部と制御コイル部とのうちの少なくとも一方に不均一部を設けることにより、グロープラグの通電耐久性および急速昇温性能を向上させることができる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記通電コイルは、前記発熱コイル部または前記制御コイル部であり、前記通電コイルは、総巻数の10%以上において、前記不均一部を有することとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、発熱コイル部と制御コイル部のいずれかに不均一部を設けることにより、グロープラグの通電耐久性および急速昇温性能を向上させることができる。特に、コイルを構成する材料の融点近くまで昇温されるコイル部に不均一部を設ける場合には、グロープラグの通電耐久性および急速昇温性能を向上させる効果を特に高めることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、グロープラグの製造方法、グロープラグ用ヒータ素子、およびヒータ素子の製造方法などの形態で実現することが可能である。
グロープラグを示す説明図である。 ヒータ素子の詳細な構成を示す説明図である。 図2において領域Aとして破線で囲んで示した領域を示した説明図である。 発熱コイルの一部分の外観を拡大して模式的に示す斜視図である。 グロープラグの製造方法を示す工程図である。 発熱コイルと絶縁粉末との間に隙間が生じる様子を模式的に表わす説明図である。 発熱コイルの断面における「長径/短径」の値と評価結果とをまとめて示す説明図である。 制御コイルの断面における「長径/短径」の値と評価結果とをまとめて示す説明図である。 制御コイルにおける不均一部の巻数の割合と評価結果とをまとめて示す説明図である。 発熱コイルにおける不均一部の巻数の割合と評価結果とをまとめて示す説明図である。
A.第1の実施形態:
(A−1)グロープラグの全体構成:
図1は、本発明の第1の実施形態としてのグロープラグ10を示す説明図である。本実施形態のグロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関の始動時等における着火を補助する熱源として機能する。図1に示すように、グロープラグ10は、主な構成要素として、通電によって発熱するヒータ素子800と、主体金具500と、中軸200と、を備える。図1では、グロープラグ10の軸線Oから紙面右側に外観構成を図示し、軸線Oから紙面左側に断面構成を図示した。なお、本明細書では、グロープラグ10において軸線Oに沿ってヒータ素子800側を「先端側」と呼び、中軸200側を「後端側」と呼ぶ。
主体金具500は、炭素鋼を筒状に成形した部材である。主体金具500は、先端側の端部においてヒータ素子800を保持する。主体金具500は、後端側の端部において絶縁部材410とオーリング460とを介して中軸200を保持する。絶縁部材410は、絶縁部材410の後端に接するリング300が中軸200に加締められることで、軸線O方向の位置が固定される。この絶縁部材410によって、主体金具500と中軸200との間が電気的に絶縁される。主体金具500は、絶縁部材410からヒータ素子800に至る中軸200の部位を内包する。主体金具500は、工具係合部520と、雄ネジ部540とを備え、内部に軸孔510が形成されている。
工具係合部520は、グロープラグ10の取り付けと取り外しとに用いられる工具(図示しない)に係合する。雄ネジ部540は、内燃機関(図示しない)に形成された雌ネジに嵌り合う。軸孔510は、軸線Oに沿って形成された貫通孔であり、中軸200の外径よりも大きな内径を有する。軸孔510に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。軸孔510の先端側には、ヒータ素子800が圧入されて接合されている。
中軸200は、導電材料を円柱状に成形した部材である。中軸200は、主体金具500の軸孔510に挿入されて、軸線Oに沿って組み付けられる。中軸200は、先端側に形成された中軸先端部210と、後端側に設けられた接続部290とを備える。中軸先端部210は、ヒータ素子800の内部に挿入される。接続部290は、主体金具500から突出している。接続部290には、係合部材100が嵌り合う。
(A−2)ヒータ素子の構成:
図2は、ヒータ素子800の詳細な構成を示す説明図である。ヒータ素子800は、シースチューブ810と、発熱体としての発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とを備える。図2では、シースチューブ810は断面を示し、発熱コイル820および制御コイル830は外観を示している。
シースチューブ810は、軸線O方向に延び、先端が閉塞した筒状部材であり、例えばステンレス鋼により形成される。シースチューブ810の内部には、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とが配置されている。シースチューブ810は、シース管先端部811とシース管後端部819とを備える。シース管先端部811は、シースチューブ810の先端側において、先端に向かって次第に縮径しつつ外側に向けて丸く形成された部分の端部である。シース管後端部819は、シースチューブ810の後端側において開口した端部である。シース管後端部819からシースチューブ810の内部に中軸200の先端側が挿入されている。シースチューブ810は、パッキン600と絶縁粉末840とによって、中軸200から電気的に絶縁される。パッキン600は、中軸200とシースチューブ810との間に挟まれた絶縁部材である。シースチューブ810は、主体金具500と電気的に接続されている。シースチューブ810は、横断面(軸線Oに垂直な断面)における外径が軸線O方向にわたって一定であるストレート部860と、ストレート部860よりも先端側に、ストレート部860に連続して次第に縮径するように形成されて、シース管先端部811を含む縮径部865と、を備える。
発熱コイル820は、導電性材料で形成された螺旋状のコイルである。発熱コイル820は、シースチューブ810の内側に軸線O方向に沿って配置され、通電によって発熱する。発熱コイル820は、先端側の端部である発熱コイル先端部821と、後端側の端部である発熱コイル後端部829とを備える。発熱コイル820の先端部分がシースチューブ810に溶接されることにより、シースチューブ810の先端付近には、発熱コイル820とシースチューブ810とが溶融して形成された溶融部850が形成され、発熱コイル820はシースチューブ810と電気的に接続される。発熱コイル先端部821は、発熱コイル820と溶融部850との境界に相当する。なお、本実施形態では、発熱コイル820が、「課題を解決するための手段」における「通電コイル」に相当する。
制御コイル830は、発熱コイル820の後端側に配置され、発熱コイル820を形成する材料よりも、正の抵抗温度係数が大きい導電材料(例えば、コバルトやニッケル、あるいはこれらの金属を主成分とする合金)で形成された螺旋状のコイルである。そのため制御コイル830は、温度が上昇するに従い抵抗値が大きくなる性質を有しており、この性質により、発熱コイル820に供給される電力を制御する。制御コイル830は、先端側の端部である制御コイル先端部831と、後端側の端部である制御コイル後端部839とを備える。制御コイル先端部831は、発熱コイル820の発熱コイル後端部829に溶接されることによって、発熱コイル820と電気的に接続される。制御コイル後端部839は、中軸200の中軸先端部210に接合されることによって中軸200と電気的に接続される。
絶縁粉末840は、電気絶縁性を有する粉末である。絶縁粉末840としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)の粉末を用いることができる。絶縁粉末840は、シースチューブ810の内側に充填され、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、中軸200との各隙間を電気的に絶縁する。
(A−3)発熱コイルの構成:
図3は、図2において領域Aとして破線で囲んで示した領域を拡大し、シースチューブ810および発熱コイル820の断面を示した説明図である。より具体的には、図3では、ヒータ素子800における軸線O方向の中心線を含む断面を表わす。なお、本実施形態では、ヒータ素子800の中心線は、グロープラグ10の軸線Oに一致している。以下では、発熱コイル820の素線の断面であって、ヒータ素子800における軸線Oを含む断面で露出する断面を、単に、発熱コイル820の素線の断面、あるいは、発熱コイル820の断面とも呼ぶ。なお、発熱コイル820の素線の断面とは、発熱コイル820の素線の伸長方向に垂直な断面ということもできる。また、制御コイル830においても同様に、制御コイル830の素線の断面であって、ヒータ素子800における軸線Oを含む断面で露出する断面を、単に、制御コイル830の素線の断面、あるいは、制御コイル830の断面とも呼ぶ。
図3に示すように、本実施形態のグロープラグ10では、発熱コイル820の断面の形状が不均一に形成されている。すなわち、発熱コイル820は、発熱コイル820を構成する素線における軸線Oを含む断面の形状が、発熱コイル820の巻回方向に変化する不均一部を有している。発熱コイル820の断面は、略円形と略楕円形との間で変化する。
本実施形態において、略円形とは、短径の長さに対する長径の長さの比が1.0〜1.2であることをいう。また、略楕円形とは、短径の長さに対する長径の長さの比が1.4以上であることをいう。上記略楕円形において、短径の長さに対する長径の長さの比の上限は特に制限されていないが、ヒータ素子800を組み立てる際に採用し得る製造方法、あるいは、発熱コイル820の耐久性を考慮すると、上記略楕円形における短径の長さに対する長径の長さの比は、2.0以下とすればよい。図3では、略楕円形の断面において、長径を長径B、短径を短径Cとして示している。
なお、長径の長さとは、発熱コイル820を構成する素線の断面の外周上の任意の2点間の直線距離が最大になるときの、その距離をいう。また、短径の長さとは、該長径と直交する直線のうち、上記断面の外周と交わる2点間の距離が最大になるときの、その距離をいう。発熱コイル820を構成する素線の断面の形状(断面の長径および短径の長さ、およびそれらの比)は、例えば、グロープラグ10(ヒータ素子800)を分解して発熱コイル820の少なくとも一部を露出させることにより調べることができる。あるいは、X線CT観察することにより、非破壊にて内部観察して調べることもできる。いずれの場合にも、例えば、発熱コイル820の素線を50倍に拡大して観察することにより、上記長径および短径の長さを測定すればよい。
本実施形態の発熱コイル820は、素線の長径Bの方向が、軸線O方向に平行になるように形成されている。ここで平行とは、発熱コイル820の素線の長径Bの方向と軸線Oの方向とが完全に平行である場合だけでなく、上記長径Bと軸線Oとが成す角度が、0°〜22°の範囲となる場合を含むものとする。
図4は、発熱コイル820の一部分の外観を拡大して模式的に示す斜視図である。既述したように、発熱コイル820は、素線の断面形状が、発熱コイル820の巻回方向に変化する不均一部を有している。具体的には、コイル一巻きの間に、上記断面形状が略円形、略楕円形、略円形と変化する第1の不均一部、および、コイル一巻きの間に、上記断面形状が略楕円形、略円形、略楕円形と変化する第2の不均一部、から選択される不均一部を有する。上記した第1の不均一部、および第2の不均一部を合わせて、単に不均一部とも呼ぶ。
ここで、コイル一巻きとは、先端側から後端側へと旋回しながら延びる発熱コイル820において、素線が所定のコイル外径にて旋回を開始する先端側の位置を始点としたときに、当該始点と軸線方向に重なる部位間であって、隣接する部位間を旋回しながら延びる巻回部分をいう。本実施形態の発熱コイル820には、コイル一巻きの間に、素線の断面形状が略円形と略楕円形との間で変更される変更箇所を2箇所以上含む不均一部が形成されている。このような不均一部は、発熱コイル820の総巻数の10%以上において形成されていることが好ましい。50%以上で形成されていることがより好ましく、80%以上で形成されていることがさらに好ましい。不均一部を設けることによる、昇温速度の向上および通電耐久性の向上に係る後述する効果を得る観点からは、不均一部が設けられた巻数の割合が高いほど望ましく、上記始点から数えた全ての一巻きで不均一部が設けられることが最も好ましい。なお、図4では、素線の断面形状が略円形と略楕円形との間で変更される変更箇所を2箇所より多く有する様子、すなわち、コイル一巻きの間に、第1の不均一部と第2の不均一部の双方を有する様子を示している。
(A−4)グロープラグの製造方法:
図5は、本実施形態のグロープラグ10の製造方法を示す工程図である。グロープラグ10を製造する際には、まず、シースチューブ810および発熱コイル820を用意する(ステップS100)。その後、シースチューブ810内に発熱コイル820等を配置して、ヒータ素子800を組み立てる(ステップS110)。
ステップS100で用意するシースチューブ810は、先端に開口を有しつつ、この開口に向かって次第に縮径する形状に成形されている。このようなシースチューブ810は、例えば、板材を筒状に丸めてアーク溶接したり、板材を深絞りすることにより円筒形部材を作製し、得られた円筒形部材の先端側に絞り加工を施すことにより得られる。また、ステップS100では、発熱コイル820として、発熱コイル820を構成する素線の断面形状が略円形であって、発熱コイル820全体で線径が均一なコイルを用意する。
ステップS110でヒータ素子800を組み立てる際には、まず、ステップS100で用意した発熱コイル820に制御コイル830を溶接し、さらに、制御コイル後端部839と中軸200の中軸先端部210とを接合する(図2参照)。そして、ステップS100で用意したシースチューブ810内に、中軸200および制御コイル830と一体化した発熱コイル820を挿入し、発熱コイル820の先端部分とシースチューブ810の先端部分とを溶接して、シースチューブ810の先端を閉塞させる。溶接は、例えばアーク溶接とすることができる。溶接の後、シースチューブ810の内側に絶縁粉末840を充填して、ヒータ素子800の組み立てを完了する。
ヒータ素子800の組み立て後、ヒータ素子800に対してスウェージング加工を施す(ステップS120)。スウェージング加工とは、ヒータ素子800に対して打撃力を加えてヒータ素子800を縮径させ、シースチューブ810内に充填した絶縁粉末840を緻密化させる加工である。スウェージング加工のために用いるスウェージング装置は、ヒータ素子800の外周に沿って放射状に配置される複数のスウェージングダイスを備え、これらのスウェージングダイスを用いて、ヒータ素子800の径方向内側に向かう打撃力を加える。スウェージングに伴ってヒータ素子800に打撃力が加えられると、打撃力がヒータ素子800内部に伝えられることにより、絶縁粉末840が緻密化される。
ヒータ素子800において、既述したストレート部860(図2参照)とは、ステップS120でスウェージングダイスからの打撃力が加えられた領域である。また、縮径部865とは、スウェージング加工の前から、スウェージング後のストレート部860における外径よりも小さい外径を有しており、スウェージングダイスからの打撃力が加えられなかった領域である。本実施形態では、制御コイル830の全体と、発熱コイル820における先端近傍を除く大部分が、グロープラグ完成時のストレート部860内に配置されるため、これらの部位は、スウェージング加工時には打撃力を受ける。このように打撃力が伝えられることにより、発熱コイル820(および制御コイル830)が変形し得る。本実施形態では、スウェージング加工時の条件を調節することにより、ヒータ素子800内に配置した発熱コイル820に、既述した不均一部を形成している。
スウェージング加工時には、上記したようにヒータ素子800の外周に沿って放射状に配置されるスウェージングダイスを、ヒータ素子800の径方向内側に向かって繰り返し打ち付ける。このとき、ヒータ素子800を、軸線Oを回転の中心として回転させながら、軸線O方向に引き抜き、あるいは押し込む動作を繰り返す。したがって、スウェージングの条件としては、具体的には、例えば、スウェージングダイスによる打撃速度、ヒータ素子800の引き抜きおよび押し込みの動作の速度、ヒータ素子800を軸線Oを中心として回転させる速度、および、スウェージング加工を行なう時間、を挙げることができる。
本実施形態では、発熱コイル820に不均一部を設けるために、これらのスウェージングの条件を調節している。具体的には、例えば、ヒータ素子800の引き抜きおよび押し込みの速度を、スウェージングダイスによる打撃速度よりも速く設定すればよい。ヒータ素子800の引き抜きおよび押し込みの速度を、スウェージングダイスによる打撃速度よりも速くするほど、発熱コイル820における変形量を軸線O方向に不均一化する程度を大きくできる。あるいは、さらに、ヒータ素子800の回転速度を、スウェージングダイスによる打撃速度よりも十分に速く設定してもよい。このようにして、ヒータ素子800に加えられる打撃力の大きさの、軸線O方向の分布を不均一にして、発熱コイル820において、より大きく変形される部分と変形が比較的小さい部分とを作ることで、既述した不均一部を形成することができる。上記したスウェージングの条件を適宜調節して、発熱コイル820において変形量の分布が軸線O方向に不均一となる程度を変更することで、発熱コイル820の総巻数のうちの不均一部を有する割合を変更することができる。
なお、スウェージング加工時に加えられる打撃力は、ヒータ素子800において径方向内側に加えられる力である。そのため、打撃力が不均一であることにより発熱コイル820に形成された不均一部において、発熱コイル820の素線の断面形状が略楕円形になっている部位では、略楕円形の長径の向きは、軸線O方向に平行になる。
また、ステップS120において、制御コイル830については、加えられる打撃力が均一になるように、制御コイル830が配置される領域に対するスウェージングの条件を調節している。すなわち、ヒータ素子800の引き抜きおよび押し込みの速度に対して、スウェージングダイスによる打撃速度を十分に速く設定している。なお、スウェージング加工により、発熱コイル820および制御コイル830では、全体として、コイル外径が小さくなり、線径が太くなり、コイルピッチが広くなるという変化も生じている。
スウェージング加工後、ヒータ素子800と主体金具500とを含む部材を組み付けて(ステップS130)、グロープラグ10が完成する。具体的には、中軸200が一体化されたヒータ素子800を主体金具500の軸孔510に圧入して固定すると共に、主体金具500の後端部分において、オーリング460や絶縁部材410を中軸200に嵌め込み、係合部材100を主体金具500の後端に設けられた中軸200の接続部290に締め付ける。また、ステップS130では、グロープラグ10に対してエージング処理が施される。具体的には、組み立てられたグロープラグ10に通電することによって、ヒータ素子800を発熱させて、ヒータ素子800の外表面に酸化膜を形成させる。
以上のように構成された本実施形態のグロープラグ10によれば、発熱コイル820において、コイル一巻きの間に既述した不均一部(素線の断面形状が略円形と略楕円形との間で少なくとも2回変化する部位)を形成しているため、通電耐久性および急速昇温性能を向上させることができる。このような効果は、以下の理由により得られると考えられる。
発熱コイル820に不均一部を設けることで、発熱コイル820の表面積が増加するため、線径が均一な素線からなる発熱コイルを備える場合に比べて、発熱コイル820から絶縁粉末840を介したシースチューブ810への熱伝導効率が向上する(放熱量が増大する)。そのため、発熱コイルに印加される電圧が同じであり、発熱コイルにおける発熱量が同等であっても、ヒータ素子800(シースチューブ810)の昇温速度を速めることができる。
また、本実施形態では、グロープラグ10において通電による発熱の動作を繰り返すことに伴い、発熱コイル820が熱膨張と収縮を繰り返しても、発熱コイル820と絶縁粉末840との間の接触を、より十分に確保することができる。そのため、発熱コイル820から絶縁粉末840を介したシースチューブ810への放熱を確保して、発熱コイル820の過剰な温度上昇を抑え、発熱コイル820の損傷(溶損)、およびその結果としての発熱コイルの断線を抑制することができる。
図6は、本実施形態のグロープラグ10において、繰り返し使用することに伴い、発熱コイル820と絶縁粉末840との間に隙間が生じる様子を模式的に表わす説明図である。図6に示すように、発熱コイル820が不均一部を有し、発熱コイル820の表面に凹凸形状が形成される場合には、凸部(図6における領域E)では隙間が生じるものの、凹部(図6における領域D)では隙間が生じ難い。これは、発熱コイル820の表面の凹部では、発熱コイル820から絶縁粉末840に対して3方向から熱膨張に起因する力が加わることにより絶縁粉末840が押し固められて、発熱コイル820と絶縁粉末840との接触が維持されやすくなるためである。図6では、発熱コイル820から絶縁粉末840に対して加えられる熱膨張に起因する力を矢印で示している。
なお、凸部では、発熱コイル820から絶縁粉末840に対して主として1方向(ヒータ素子800において径方向外側に向かう方向)の力が加えられる。そのため、凸部では、発熱コイル820と絶縁粉末840との間に隙間855が形成され易くなる。これに対して、本実施形態とは異なり、不均一部を有しない発熱コイルを設ける場合には、発熱コイルの表面全体で、絶縁粉末との間で広く隙間が生じ易くなる。このように、本実施形態では、発熱コイル820に不均一部を設けることで、上記凹部において、発熱コイル820と絶縁粉末840との間の接触を確保することができる。
さらに、本実施形態では、発熱コイル820を構成する素線の断面形状が略楕円形である部位において、上記略楕円形の長径が、軸線O方向に平行に形成されている。そのため、発熱コイル820とシースチューブ810との距離が短い領域をより多く確保することができ、発熱コイル820からシースチューブ810に伝えられる熱量を、より多くすることができる。
また、グロープラグ10では、その設計内容によって、発熱コイル820と制御コイル830のいずれにおいて通電時に負荷(熱的な負荷)がかかり易いかが変わる。グロープラグ10における設計内容には、発熱コイル820と制御コイル830を構成する材料や形状、その結果としての各々のコイルの抵抗値、および、各々のコイルの抵抗値に起因する分圧比(通電時に各々のコイルに印加される電圧比)が含まれる。各コイルを構成する材料により、各コイルの抵抗値(使用温度条件下での抵抗値)が変わる。また、各コイルの形状により、各コイルの抵抗値が変更され、例えば線径を太くするほど抵抗値は下がる。抵抗値の大きいコイルほど、電圧が高くなるため、通電時に発熱量が増加し易く、温度上昇に起因する損傷(溶損)が起こり易くなる。また、コイルを構成する材料の融点が低いほど、温度上昇に起因する損傷(溶損)が起こり易くなる。
上記のような観点から、本実施形態の構成は、特に、制御コイル830よりも発熱コイル820において通電時に温度上昇に起因する損傷が起こりやすい設計の場合に、通電耐久性を向上させる効果をより高めることができる。このような場合には、発熱コイル820の総巻数の10%以上において不均一部を設けることで、通電耐久性を効果的に高めることができる。
なお、本実施形態のように、スウェージング条件を軸線O方向に不均一にすると、発熱コイル820だけでなく、シースチューブ810(ヒータ素子800)の表面にも凹凸が形成され得る。このようにヒータ素子800の表面に凹凸が形成されると、ヒータ素子800の表面積が増大するため、ヒータ素子800から内燃機関の燃焼室への放熱効率が向上し、グロープラグ10の性能を高めることができる。
B.第2の実施形態:
第1の実施形態では、発熱コイル820に不均一部を設けたが、異なる構成とすることもできる。第2の実施形態では、発熱コイル820に代えて制御コイル830において、第1の実施形態と同様の不均一部を形成している。なお、第2の実施形態では、制御コイル830が、「課題を解決するための手段」における「通電コイル」に相当する。
このような第2の実施形態のグロープラグは、第1の実施形態と同様にして、スウェージングの際に加えられる打撃力の分布を軸線O方向に不均一にすることにより製造することができる。ただし、第1の実施形態とは異なり、発熱コイル820ではなく制御コイル830に対して打撃力を加える際に、打撃力の大きさの軸線O方向の分布を不均一にすればよい。これにより、制御コイル830において、第1の実施形態の発熱コイル820と同様の不均一部を形成することができる。その結果、制御コイル830の表面積が増加するため、制御コイル830から絶縁粉末840を介したシースチューブ810への放熱量を増加させて、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
制御コイル830において不均一部を設ける構成は、特に、発熱コイル820よりも制御コイル830において通電時に温度上昇に起因する損傷が起こりやすい設計の場合に、通電耐久性を向上させる効果をより高めることができる。このような場合には、制御コイル830の総巻数の10%以上において不均一部を設けることで、通電耐久性を効果的に高めることができる。
C.第3の実施形態:
第1の実施形態では、スウェージング条件を調節することにより発熱コイル820に不均一部を形成しているが、異なる構成とすることもできる。第3の実施形態では、図5のステップS100において、素線の断面形状が不均一である発熱コイル820を用意している。すなわち、スウェージングに先立って、素線の断面形状が不均一である発熱コイル820を用いてヒータ素子800の組み立てを行なっている。このような構成としても、第1の実施形態と同様に、発熱コイル820においてコイル一巻きの間に不均一部を有するグロープラグ10を作製することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
例えば、スウェージング前の素線の線径が太いほど、同じスウェージング条件であっても、素線の断面形状が楕円化し難い傾向にある。そのため、ステップS100において用意する発熱コイル820の素線の断面形状が略円形であって、コイルの線径が不均一である場合には、均一な条件でスウェージングを行なったとしても、素線の断面形状の楕円化の程度が不均一な発熱コイル820を得ることができる。また、ステップS100において、素線の断面形状が不均一である発熱コイル820を用意する場合には、さらに、ステップS120におけるスウェージング条件を軸線O方向に不均一にすることによって、グロープラグ中の発熱コイル820の素線の断面形状の不均一状態を調節してもよい。
なお、ステップS100で用意する発熱コイル820の断面形状(略円形であるか略楕円形であるか)、および断面形状における不均一状態(素線の断面における長径と短径の長さの比)には、特に制限はない。最終的に得られるグロープラグ10内の発熱コイル820が、コイル一巻きの間に既述した不均一部を有していればよい。
素線の断面形状が不均一であるコイルを予め用意することにより、グロープラグ内のコイルに不均一部を設ける第3の実施形態の構成は、制御コイル830に適用してもよい。
D.変形例:
・変形例1(不均一部の変形):
上記各実施形態では、発熱コイル820または制御コイル830において、素線の断面形状が変化する不均一部を設けている。これに対して、発熱コイル820と制御コイル830の両方に、不均一部を設けてもよい。
また、発熱コイル820および/または制御コイル830に不均一部を設ける場合に、コイルを構成する素線の断面が略楕円形になる箇所において、楕円の長径は、軸線Oに平行でなくてもよい。このような構成は、例えば、第3の実施形態のように、素線の断面形状が不均一である発熱コイル820および/または制御コイル830を予め用意する際に、用意したコイルにおいて、断面形状が略楕円形である箇所の楕円の長径の向きを、軸線O方向とは異ならせることにより、実現可能となる。
また、発熱コイル820および/または制御コイル830に不均一部を設ける場合に、各々のコイルの総巻数に対する、各々のコイルにおいて不均一部が形成された巻数の割合は、10%未満とすることも可能である。ただし、急速昇温性および通電耐久性を向上させる効果を高めるためには、不均一部を設けるコイルにおいて、当該コイルの総巻数に対して、10%以上の巻数となる部位に、不均一部を設けることが好ましい。
・変形例2(ヒータ素子の変形):
上記各実施形態では、ヒータ素子800は、発熱コイル820と制御コイル830とを備えている。これに対して、ヒータ素子には制御コイル830を設けず、通電により発熱するコイルとして単一の発熱コイル820のみを設けてもよい。
また、ヒータ素子は、グロープラグ以外、例えば、暖房器具や調理器具などに用いられても良い。
・変形例3(グロープラグの変形):
上記各実施形態のグロープラグは、補助熱源としての機能のみを有しているが、さらに燃焼圧センサ機能を有していても良い。この場合には、ヒータ素子を軸線O方向に移動可能な構造とし、ヒータ素子の変位を検出可能なセンサをグロープラグに具備させることで、燃焼圧センサ機能を実現することができる。
また、上記各実施形態のグロープラグは、内燃機関の始動時等における着火を補助する熱源として用いる他、例えば、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)の再活性バーナーシステムにおいて用いることもできる。
通電コイルの形状が異なる種々のグロープラグを作製し、急速昇温性能(通電時の昇温速度)および通電耐久性(断線寿命)を評価した結果を以下に説明する。
<仕様1〜5>
図7は、発熱コイル820の形状を異ならせたグロープラグについて、発熱コイル820の断面における「長径の長さ/短径の長さ」(以下、単に「長径/短径」という)の値と評価結果とをまとめて示す説明図である。発熱コイル820の断面における「長径/短径」の値によって、グロープラグを仕様1〜5に分類して、評価を行なった。
仕様1〜5のグロープラグは、いずれも、発熱コイル820および制御コイル830の材料が共通している。具体的には、いずれの仕様のグロープラグも、発熱コイル820は鉄−クロム(Fe−Cr)合金線により形成し、制御コイル830は純ニッケル(純Ni)線により形成した。ステップS100に先立って用意した発熱コイル820および制御コイル830の素線の断面形状は、略円形であり、線径も共通している。これらのグロープラグは、仕様ごとにスウェージング条件を異ならせることにより、発熱コイル820の形状を異ならせた。なお、制御コイル830については、いずれの仕様のグロープラグも、スウェージング後の素線の断面が略円形で共通する形状とした。
スウェージングを経て作製されたグロープラグにおいて、仕様1は、発熱コイル820の断面が略円形であり、断面における「長径/短径」の値は、1.0以上、1.2以下の範囲でほぼ均一である。仕様2は、発熱コイル820の断面が略楕円形であり、断面における「長径/短径」の値は、1.4以上、1.7以下の範囲でほぼ均一である。仕様3〜5は、発熱コイル820において、断面形状が略円形の部位と略楕円形の部位とが形成されており、断面が略円形である部位における「長径/短径」の値は、1.0以上、1.2以下である。仕様3では、断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は、1.2を超え、1.4以下である。仕様4では、断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は、1.4以上、1.7以下である。仕様5では、断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は1.7以上、2.0以下である。
これら仕様1〜5のグロープラグは、以下のように作製した。すなわち、ステップS110まで同様に組み立てた複数のヒータ素子に対して、発熱コイル820の形状においてのみ差異が生じるように互いに異なる条件でスウェージング加工を施し、その後、得られたヒータ素子を分解してコイルを取り出し、線径(長径および短径)を測定して断面形状の解析を行なった。そして、仕様1〜5の条件を満たす発熱コイル820を備えるグロープラグを製造するための、仕様ごとのスウェージング条件を決定した。急速昇温性能および通電耐久性の評価には、仕様ごとに上記のように定めたスウェージング条件にて作製したグロープラグを用いた。なお、仕様3〜5のグロープラグはいずれも、発熱コイル820の全体にわたって(総巻数の全体にわたって)、不均一部を有していた。また仕様3〜5のグロープラグにおいて、断面が略楕円形の箇所では、楕円の長径は軸線O方向に平行であった。
(急速昇温性能)
各仕様のグロープラグに電圧を印加して、グロープラグ先端の温度が1000℃に達するまでに要する時間を測定した。1000℃に達するまでに要する時間が短いほど、急速昇温性能が優れていると判断できる。各グロープラグに電圧を印加する際には、11Vにて2秒印加後、電圧を5Vに変更した。図7に示した「昇温速度(秒)」は、電圧開始から1000℃に昇温するまでの経過時間を示す。ここでは、仕様ごとに200個のグロープラグを用いて上記時間を測定し、その平均値を求めた。上記グロープラグ先端の温度は、ヒータ素子の先端から2mmの位置にR熱電対を配置して測定した温度である。
(通電耐久性)
各仕様のグロープラグに電圧を印加する動作を繰り返し行ない、通電耐久性を評価した。各グロープラグに電圧を印加する動作は、11Vにて2秒、1100℃200秒、常温(25℃)まで冷却、を1サイクルとして繰り返し行なった。
ヒータ素子を1100℃で維持するための印加電圧は、以下のように決定した。すなわち、各仕様のグロープラグを用いて上記した通電サイクルを繰り返し行なう際に、最初の2サイクルまでの間に、電圧を変更しながら電圧を印加して、1100℃に維持するための電圧値を決定した。以後のサイクルでは、上記決定した電圧を印加した。なお、上記ヒータ素子の温度は、ヒータ素子の先端から2mmの位置にR熱電対を配置して測定した温度である。ヒータ素子を1100℃から常温に冷却するための条件(風冷時間)は、各仕様のグロープラグと同じ条件で作製したグロープラグを用いて、ヒータ素子の温度を1100℃に昇温させた後に、ヒータ素子を常温に冷却するために要する風冷時間を予め調べることにより設定した。
通電耐久性は、グロープラグが備えるコイルが断線するまでのサイクル数によって評価した。コイルの断線は、コイルの抵抗値が無限大になることにより判断できるが、ここでは、グロープラグに流れる電流をサイクルごとに検出して、電流値が予め設定した基準値を下回った時に断線したと判断した。なお、図7に示した通電耐久性を示すサイクル数は、仕様ごとに20個のグロープラグを用いて上記サイクル数を測定し、その平均値を求めた値である。なお、仕様1〜5のグロープラグについて、X線観察することにより非破壊にて内部観察したところ、いずれも、断線時には制御コイル830ではなく発熱コイル820で断線していた。
図7に示すように、仕様4および5のグロープラグは、仕様1〜3のグロープラグに比べて、急速昇温性能、通電耐久性共に優れていた。すなわち、発熱コイル820に不均一部を設け、素線の断面が略楕円形である部位の楕円の「長径/短径」の値を1.4以上とすることで、急速昇温性能および通電耐久性を向上させられることを確認できた。
<仕様6〜10>
図8は、制御コイル830の形状を異ならせたグロープラグについて、制御コイル830の断面における「長径/短径」の値と評価結果とをまとめて示す説明図である。制御コイル830の断面における「長径/短径」の値によって、グロープラグを仕様6〜10に分類して、評価を行なった。
仕様6〜10のグロープラグは、いずれも、発熱コイル820および制御コイル830の材料が共通している。具体的には、いずれの仕様のグロープラグも、発熱コイル820は鉄−クロム(Fe−Cr)合金線により形成し、制御コイル830はコバルト−ニッケル(Co−Ni)合金線により形成した。ステップS100に先立って用意した発熱コイル820および制御コイル830の素線の断面形状は、略円形であり、線径も共通している。これらのグロープラグは、仕様ごとにスウェージング条件を異ならせることにより、制御コイル830の形状を異ならせた。なお、発熱コイル820については、いずれの仕様のグロープラグも、スウェージング後の素線の断面が略円形で共通する形状とした。
スウェージングを経て作製されたグロープラグにおいて、仕様6は、制御コイル830の断面が略円形であり、断面における「長径/短径」の値は、1.0以上、1.2以下の範囲でほぼ均一である。仕様7は、制御コイル830の断面が略楕円形であり、断面における「長径/短径」の値は、1.4以上、1.7以下の範囲でほぼ均一である。仕様8〜10は、制御コイル830において、断面形状が略円形の部位と略楕円形の部位とが形成されており、断面が略円形である部位における「長径/短径」の値は、1.0以上、1.2以下である。仕様8では、断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は、1.2を超え、1.4以下である。仕様9では、断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は、1.4以上、1.7以下である。仕様10では、断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は1.7以上、2.0以下である。
これら仕様6〜10のグロープラグは、以下のように作製した。すなわち、ステップS110まで同様に組み立てた複数のヒータ素子に対して、制御コイル830の形状においてのみ差異が生じるように互いに異なる条件でスウェージング加工を施し、その後、得られたヒータ素子を分解してコイルを取り出し、線径(長径および短径)を測定して断面形状の解析を行なった。そして、仕様6〜10のグロープラグを製造するための、仕様ごとのスウェージング条件を決定した。急速昇温性能および通電耐久性の評価には、仕様ごとに上記のように定めたスウェージング条件にて作製したグロープラグを用いた。なお、仕様8〜10のグロープラグはいずれも、制御コイル830の全体にわたって(総巻数の全体にわたって)、不均一部を有していた。また仕様8〜10のグロープラグにおいて、断面が略楕円形の箇所では、楕円の長径は軸線O方向に平行であった。
(急速昇温性能)
各仕様のグロープラグに電圧を印加して、グロープラグ先端の温度が850℃に達するまでに要する時間を測定した。850℃に達するまでに要する時間が短いほど、急速昇温性能が優れていると判断できる。各グロープラグへの印加電圧は11Vとした。図8に示した「昇温速度(秒)」は、電圧開始から850℃に昇温するまでの経過時間を示す。ここでは、仕様ごとに200個のグロープラグを用いて上記時間を測定し、その平均値を求めた。上記グロープラグ先端の温度は、ヒータ素子の先端から2mmの位置にR熱電対を配置して測定した温度である。
(通電耐久性)
各仕様のグロープラグに電圧を印加する動作を繰り返し行ない、通電耐久性を評価した。各グロープラグに電圧を印加する動作は、11Vにて10秒、13.5Vにて180秒、常温(25℃)まで冷却、を1サイクルとして繰り返し行なった。
通電耐久性は、仕様1〜5と同様に、グロープラグが備えるコイルが断線するまでのサイクル数によって評価した。図8に示した通電耐久性を示すサイクル数は、仕様ごとに20個のグロープラグを用いて上記サイクル数を測定し、その平均値を求めた値である。なお、仕様6〜10のグロープラグについて、X線観察することにより非破壊にて内部観察したところ、いずれも、断線時には発熱コイル820ではなく制御コイル830で断線していた。
図8に示すように、仕様9および10のグロープラグは、仕様6〜8のグロープラグに比べて、急速昇温性能、通電耐久性共に優れていた。すなわち、制御コイル830に不均一部を設け、素線の断面が略楕円形である部位の楕円の「長径/短径」の値を1.4以上とすることで、急速昇温性能および通電耐久性を向上させられることを確認できた。
<仕様11〜15>
図9は、制御コイル830の形状を異ならせたグロープラグについて、制御コイル830の総巻数に対する、制御コイル830において不均一部が形成された巻数の割合(以下、不均一部の巻数の割合という)と、評価結果とをまとめて示す説明図である。制御コイル830における不均一部の巻数の割合によって、グロープラグを仕様11〜15に分類して、評価を行なった。
仕様11〜15のグロープラグは、いずれも、発熱コイル820および制御コイル830の材料が共通している。具体的には、いずれの仕様のグロープラグも、発熱コイル820は鉄−クロム(Fe−Cr)合金線により形成し、制御コイル830はコバルト−ニッケル(Co−Ni)合金線により形成した。ステップS100に先立って用意した発熱コイル820および制御コイル830の素線の断面形状は、略円形であり、線径も共通している。これらのグロープラグは、仕様ごとにスウェージング条件を異ならせることにより、制御コイル830における不均一部の巻数の割合を異ならせた。なお、発熱コイル820については、いずれの仕様のグロープラグも、スウェージング後の素線の断面が略円形で共通する形状とした。
スウェージングを経て作製されたグロープラグにおいて、制御コイル830における不均一部の巻数の割合は、仕様11が0%、仕様12が5%、仕様13が10%、仕様14が50%、仕様15が100%である。
これら仕様11〜15のグロープラグは、以下のように作製した。すなわち、ステップS110まで同様に組み立てた複数のヒータ素子に対して、制御コイル830の形状においてのみ差異が生じるように互いに異なる条件でスウェージング加工を施し、その後、得られたヒータ素子を分解してコイルを取り出し、線径(長径および短径)を測定して断面形状の解析を行なった。そして、仕様11〜15のグロープラグを製造するためのスウェージング条件を決定した。急速昇温性能および通電耐久性の評価には、仕様ごとに上記のように定めたスウェージング条件にて作製したグロープラグを用いた。
なお、仕様11は、制御コイル830の断面が略円形であり、断面における「長径/短径」の値は、1.0以上、1.2以下の範囲でほぼ均一である。また、仕様12〜15は、制御コイル830の断面が略円形である部位における「長径/短径」の値は1.0以上、1.2以下であり、制御コイル830の断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は1.7以上、2.0以下である。また、仕様12〜15のグロープラグにおいて、制御コイル830の断面が略楕円形の箇所では、楕円の長径は軸線O方向に平行であった。
急速昇温性能および通電耐久性は、図8の仕様6〜10と同様にして評価した。図9に示すように、仕様13〜15のグロープラグは、仕様11および12のグロープラグに比べて、急速昇温性能および通電耐久性共に優れていた。すなわち、制御コイル830に不均一部を設け、制御コイル830における不均一部の巻数の割合を10%以上とすることで、急速昇温性能および通電耐久性を向上させられることを確認できた。
<仕様16〜19>
図10は、発熱コイル820の形状を異ならせたグロープラグについて、発熱コイル820の総巻数に対する、発熱コイル820において不均一部が形成された巻数の割合(以下、不均一部の巻数の割合という)と、評価結果とをまとめて示す説明図である。発熱コイル820における不均一部の巻数の割合によって、グロープラグを仕様16〜19に分類して、評価を行なった。
仕様16〜19のグロープラグは、いずれも、発熱コイル820および制御コイル830の材料が共通している。具体的には、いずれの仕様のグロープラグも、発熱コイル820は鉄−クロム(Fe−Cr)合金線により形成し、制御コイル830は純ニッケル(Ni)線により形成した。ステップS100に先立って用意した発熱コイル820および制御コイル830の素線の断面形状は、略円形であり、線径も共通している。これらのグロープラグは、仕様ごとにスウェージング条件を異ならせることにより、発熱コイル820における不均一部の巻数の割合を異ならせた。なお、制御コイル830については、いずれの仕様のグロープラグも、スウェージング後の素線の断面が略円形で共通する形状とした。
スウェージングを経て作製されたグロープラグにおいて、発熱コイル820における不均一部の巻数の割合は、仕様16が0%、仕様17が10%、仕様18が50%、仕様19が100%である。
これら仕様16〜19のグロープラグは、以下のように作製した。すなわち、ステップS110まで同様に組み立てた複数のヒータ素子に対して、発熱コイル820の形状においてのみ差異が生じるように互いに異なる条件でスウェージング加工を施し、その後、得られたヒータ素子を分解してコイルを取り出し、線径(長径および短径)を測定して断面形状の解析を行なった。そして、仕様16〜19のグロープラグを製造するためのスウェージング条件を決定した。急速昇温性能および通電耐久性の評価には、仕様ごとに上記のように定めたスウェージング条件にて作製したグロープラグを用いた。
なお、仕様16は、発熱コイル820の断面が略円形であり、断面における「長径/短径」の値は、1.0以上、1.2以下の範囲でほぼ均一である。また、仕様17〜19は、発熱コイル820の断面が略円形である部位における「長径/短径」の値は1.0以上、1.2以下であり、発熱コイル820の断面が略楕円形である部位における「長径/短径」の値は1.7以上、2.0以下である。また、仕様17〜19のグロープラグにおいて、発熱コイル820の断面が略楕円形の箇所では、楕円の長径は軸線O方向に平行であった。
急速昇温性能および通電耐久性は、図7の仕様1〜5と同様にして評価した。図10に示すように、仕様17〜19のグロープラグは、仕様16のグロープラグに比べて、急速昇温性能および通電耐久性共に優れていた。すなわち、発熱コイル820に不均一部を設け、発熱コイル820における不均一部の巻数の割合を10%以上とすることで、急速昇温性能および通電耐久性を向上させられることを確認できた。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
100…係合部材
200…中軸
210…中軸先端部
290…接続部
300…リング
410…絶縁部材
460…オーリング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ネジ部
600…パッキン
800…ヒータ素子
810…シースチューブ
811…シース管先端部
819…シース管後端部
820…発熱コイル
821…発熱コイル先端部
829…発熱コイル後端部
830…制御コイル
831…制御コイル先端部
839…制御コイル後端部
840…絶縁粉末
850…溶融部
855…隙間
860…ストレート部
865…縮径部

Claims (4)

  1. 軸線方向に延びて先端が閉じられた筒状のシースチューブと、螺旋状に巻回された素線を備え前記シースチューブ内に収納されて通電により発熱する通電コイルと、前記シースチューブ内において前記通電コイルの周囲に充填された絶縁粉末と、を備えるヒータ素子を有するグロープラグにおいて、
    前記通電コイルは、前記素線における前記軸線を含む断面の形状が巻回方向に変化する部位であって、コイル一巻きの間に前記断面の形状が略円形、略楕円形、略円形と変化する第1の不均一部、および、コイル一巻きの間に前記断面の形状が略楕円形、略円形、略楕円形と変化する第2の不均一部、から選択される不均一部を有し、
    前記略円形は、短径の長さに対する長径の長さの比の値が1.0〜1.2であり、
    前記楕円形は、短径の長さに対する長径の長さの比の値が1.4以上であることを特徴とする
    グロープラグ。
  2. 請求項1記載のグロープラグであって、
    前記不均一部のうち前記断面の形状が略楕円形である箇所における前記断面の前記長径は、前記軸線方向に平行であることを特徴とする
    グロープラグ。
  3. 請求項1または2に記載のグロープラグであって、
    該グロープラグは、前記シースチューブ内において、前記シースチューブの先端側に配置された発熱コイル部と、該発熱コイル部と直列に接続されて該発熱コイル部の後端側に配置され、該発熱コイル部よりも正の抵抗温度係数が大きい制御コイル部と、を備え、
    前記通電コイルは、前記発熱コイル部と前記制御コイル部とのうちの少なくとも一方であることを特徴とする
    グロープラグ。
  4. 請求項3に記載のグロープラグであって、
    前記通電コイルは、前記発熱コイル部または前記制御コイル部であり、
    前記通電コイルは、総巻数の10%以上において、前記不均一部を有することを特徴とする
    グロープラグ。
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