JP2016011113A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、寒冷地等において、車両の駐車中、電動パーキングブレーキの凍結を防止するため、車両の外気温度を検出するセンサが凍結温度になると、電動パーキングブレーキを解除する技術が提案されている(特許文献1)。
この発明における第2の発明の電動ブレーキ装置は、電動モータと、この電動モータの出力により車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、ロック状態とアンロック状態とに切換えられるロック部材と、このロック部材をアンロック状態に付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢力に抗して前記ロック部材をロック状態に切換え駆動する駆動源とを有する電動ブレーキ装置であって、
車両の外気温度または電動ブレーキ装置の温度を検出する温度センサが設けられ、
前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構がロック状態のとき、前記温度センサが、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度T1を検出すると、前記駆動源に通電を開始するように制御する凍結防止通電手段が設けられ、
この凍結防止通電手段は、前記駆動源を通電させることで、前記温度センサで検出される温度が、前記温度T1よりも高く設定された設定温度THと検出された時点で、前記駆動源へ通電する電流を元の電流よりも小さく制御することを特徴とする。
前記電動モータの回転を減速する減速機構を有し、前記制動力負荷機構は、減速機構で出力される回転運動を直線運動に変換して車輪に対して制動力を負荷するものとしても良い。
前記発進操作検出手段は、車両のドアロック解除を検出信号とするものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、車両のイグニッション「オン」を検出信号とするものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、車両の運転席側シートに運転者が着座したことを検出するセンサを含むものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、車輪に対し制動力を与えるペダルの操作を検出信号とするものであっても良い。
前記発進操作検出手段は、エンジンを遠隔始動する信号を検出信号とするものであっても良い。
この構成によると、車両の駐車時において、制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、ロック機構がロック状態のとき、温度センサが凍結直前の温度を検出すると、凍結防止通電手段は、ロック部材がロック状態を維持するように、複動形の駆動源に通電を開始する制御を行う。したがって、駆動源自体が発熱することで、電動ブレーキ装置の温度を上昇させる。これにより、駐車時において、電動ブレーキ装置のロック機構等の凍結を確実に防止することができて、車両の発進時など必要に応じて正常にロック解除等が行える。したがって、車両を遅滞無く発進させることができる。
この発明の自動車は、前記いずれかの電動ブレーキ装置を備えたものである。
この発明における第2の発明の電動ブレーキ装置は、電動モータと、この電動モータの出力により車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、ロック状態とアンロック状態とに切換えられるロック部材と、このロック部材をアンロック状態に付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢力に抗して前記ロック部材をロック状態に切換え駆動する駆動源とを有する電動ブレーキ装置であって、車両の外気温度または電動ブレーキ装置の温度を検出する温度センサが設けられ、この凍結防止通電手段は、前記駆動源を通電させることで、前記温度センサで検出される温度が、前記温度T1よりも高く設定された設定温度THと検出された時点で、前記駆動源へ通電する電流を元の電流よりも小さく制御する。このため、駐車時において、制動力を解除することなく、簡単な構成で凍結を確実に防止することができ、正常に走行を開始できる。
この電動ブレーキ装置は、図1に示すように、ハウジング1と、電動モータ2と、この電動モータ2の回転を減速する減速機構3と、制動力負荷機構4と、ロック機構5と、温度センサ6(図5)と、凍結防止通電手段7(図5)を有する。ハウジング1の開口端に、径方向外方に延びるベースプレート8が設けられ、このベースプレート8に電動モータ2が支持されている。ハウジング1内には、電動モータ2の出力により車輪、この例ではブレーキディスク9に対して制動力を負荷する制動力負荷機構4が組込まれている。ハウジング1の開口端およびベースプレート8の外側面は、カバー10によって覆われている。
制動力負荷機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換して車輪に対して制動力を負荷するいわゆる直動機構である。この制動力負荷機構4は、スライド部材11と、軸受部材12と、環状のスラスト板13と、スラスト軸受14と、転がり軸受15,15と、回転軸16と、キャリア17と、すべり軸受18,19とを有する。ハウジング1の内周面に、円筒状のスライド部材11が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。スライド部材11の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起11aが設けられている。この螺旋突起11aに、後述する複数の遊星ローラが噛合している。
キャリア17のインナ側ディスク17bと、遊星ローラ20の軸方向一端部との間には、ワッシャーおよびスラスト軸受(いずれも図示せず)が介在されている。ハウジング1内において、インナ側ディスク17bと軸受部材12との間には、環状のスラスト板13およびスラスト軸受14が設けられている。
図2に示すように減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸16に固定された出力ギヤ23に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列を含む。この例では、減速機構3は、電動モータ2のロータ軸2aに取付けられた入力ギヤ24の回転を、ギヤ列25,26,27により順次減速して、回転軸16の端部に固定された出力ギヤ23に伝達可能としている。
図3に示すように、ロック機構5は、制動力負荷機構4(図2)の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能に構成されている。図3の丸枠A内において、ロック機構5のロック状態を二点鎖線で表し、アンロック状態を実線で表す。前記減速機構3に、ロック機構5が設けられている。ロック機構5は、図4(A)に示すように、ケーシング40と、ロック部材であるロックピン29と、このロックピン29をアンロック状態に付勢する付勢手段41と、駆動源であるリニアソレノイド30とを有する。ケーシング40は、前記ベースプレート8(図3)に支持され、このベースプレート8には、ロックピン29の進退を許すピン孔が形成されている。
リニアソレノイド30によりロックピン29を進出させて係止孔28aに係合し、中間ギヤ28の回転を禁止することで、ロック機構5をロック状態にする。リニアソレノイド30をオフにすると、付勢手段41による付勢力により、ばね受け部材44が、ケーシング40内の底面側に押し下げられる。これによりロックピン29を、ケーシング40内に退入させて係止孔28aから離脱させ、中間ギヤ28の回転を許すことで、ロック機構5をアンロック状態にし得る。
図5に示すように、車両には、車両全般を制御する電気制御ユニットであるECU31、および、この車両の外気温度を検出する温度センサ6がそれぞれ設けられている。車両の例えばナックルアームに温度センサ6が取り付けられている。ECU31は、主に、走行制御部31aと、一般制御部31bとを有する。走行制御部31aは、アクセルペダル37の踏み込み量に応じてセンサ38から出力される加速指令と、ブレーキペダル32の動作量に応じてセンサ33から出力される減速指令等から、加速・減速指令を生成する。この例では、車両本体のナックルアームに温度センサ6を設けているが、この形態に限定されるものではない。ハウジング1と減速機構3との間が凍結する場合、電動ブレーキ装置の例えばハウジング1またはロック機構5のケーシング40等に温度センサ6を設け、電動ブレーキ装置の温度を検出しても良い。これらの場合、電動ブレーキ装置の凍結直前の温度をより正確に検出することができる。
ECU31にインバータ装置39が接続され、インバータ装置39は、各電動モータ2に対して設けられたパワー回路部39aと、このパワー回路部39aを制御するモータコントロール部39bとを有する。モータコントロール部39bは、各パワー回路部39aに対して共通して設けられていても、別々に設けられていても良い。
凍結防止通電手段7は、前記制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態のとき、温度センサ6が、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を検出すると、ロック機構5の駆動源であるリニアソレノイド30に通電を開始するように制御する。前記設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度は、温度0℃を基準として任意に定めることが可能である。なお、温度センサ6で外気温度を検出する際、電動ブレーキ装置のハウジング1内の温度が、外気温度よりも比較的高く保持される場合には、電動ブレーキ装置の凍結直前の温度を、温度センサ6で検出された外気温度よりも低く補正しても良い。
図8に示すように、凍結防止通電手段7は、前記温度を検出している間、一定時間毎(時間t1毎)にリニアソレノイド30への通電と遮断を繰り返し行うものとしても良い。リニアソレノイド30への通電開始後、温度センサ6で検出される温度は、例えば、時間と共に温度上昇傾向となる。その後も連続してリニアソレノイド30への通電を行うことで、温度低下傾向となることなく電動ブレーキ装置の凍結を確実に防止できるが、この場合、バッテリに負荷がかかる。また、リニアソレノイド30へ比較的長い時間通電を行い、リニアソレノイド自体が高温になると、リニアソレノイド30への通電を一時的に遮断しても温度低下し難くなる傾向がある。
発進操作検出手段36は、以下の検出信号を適用可能である。
・車両のドア「開」を検出信号とする。
・車両のドアロック解除を検出信号とする。
・車両のイグニッション「オン」を検出信号とする。
・車両の運転席側シートに運転者が着座したことを検出するセンサによる検出信号
・車輪に対し制動力を与えるペダルの操作を検出信号とする。
・エンジンを車両から離れた場所から遠隔始動する信号を検出信号とする。
若干の凍結が生じていても、上記のように、車両の発進操作を表す検出信号を検出すると電動モータ2に通電を行うようにしてあると、電動ブレーキ装置の凍結を早期に解消できて、車両を遅滞無く発進させることができる。
この構成においても、駐車時に、リニアソレノイド30Aのコイル43を熱源としてリニアソレノイド30Aを発熱させることで、電動ブレーキ装置の温度を上昇させる。これにより、駐車時において、電動ブレーキ装置のロック機構5Aの凍結を確実に防止することができて、正常にロック解除等が行える。
3…減速機構
4…制動力負荷機構
5,5A,5B…ロック機構
6…温度センサ
7…凍結防止通電手段
29…ロックピン
30,30A,30B…リニアソレノイド
36…発進操作検出手段
Claims (2)
- 電動モータと、この電動モータの出力により車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、ロック状態とアンロック状態とに切換えられるロック部材と、このロック部材をアンロック状態に付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢力に抗して前記ロック部材をロック状態に切換え駆動する駆動源とを有する電動ブレーキ装置であって、
車両の外気温度または電動ブレーキ装置の温度を検出する温度センサが設けられ、
前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構がロック状態のとき、前記温度センサが、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度T1を検出すると、前記駆動源に通電を開始するように制御する凍結防止通電手段が設けられ、
この凍結防止通電手段は、前記駆動源を通電させることで、前記温度センサで検出される温度が、前記温度T1よりも高く設定された設定温度T2よりも高くなると、前記駆動源への通電を遮断することを特徴とする電動ブレーキ装置。 - 電動モータと、この電動モータの出力により車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構とを備え、前記ロック機構は、ロック状態とアンロック状態とに切換えられるロック部材と、このロック部材をアンロック状態に付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢力に抗して前記ロック部材をロック状態に切換え駆動する駆動源とを有する電動ブレーキ装置であって、
車両の外気温度または電動ブレーキ装置の温度を検出する温度センサが設けられ、
前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構がロック状態のとき、前記温度センサが、設定された電動ブレーキ装置の凍結直前の温度T1を検出すると、前記駆動源に通電を開始するように制御する凍結防止通電手段が設けられ、
この凍結防止通電手段は、前記駆動源を通電させることで、前記温度センサで検出される温度が、前記温度T1よりも高く設定された設定温度THと検出された時点で、前記駆動源へ通電する電流を元の電流よりも小さく制御することを特徴とする電動ブレーキ装置。
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