JP2016010997A - 船舶の荷役装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】荷物を舷側の収容凹部内の任意の位置に揚収でき、収容凹部の開口が大きくそれを覆う壁材が重くなった場合であって開口を適切に開閉でき、壁材を動かすことなく荷物のみを船幅方向に移動できる船舶の荷役装置を提供する。【解決手段】船体2の舷側に形成された収容凹部3に荷物を出し入れする船舶の荷役装置1であって、収容凹部3内に配置され、船幅方向に伸縮することで、先端が収容凹部3の開口3xに対して出没する一対の伸縮ガーダー4と、伸縮ガーダー4の先端に取り付けられ、収容凹部3の開口3xを覆う形状の壁材5と、伸縮ガーダー4を伸縮させることで壁材5を、開口3xに対する閉塞位置と開放位置とに移動させる駆動手段と、伸縮ガーダー4に沿って船幅方向に移動するシャトル7と、シャトル7に沿って船首尾方向に移動するトロリ8と、トロリ8に設けられたウインチ9と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、船舶の荷役装置に関し、特に、船体の舷側に形成された収容凹部に荷物を出し入れ可能な船舶に適した船舶の荷役装置に関する。
船体の舷側に形成された収容凹部に搭載艇を出し入れする揚艇装置として、収容凹部の内部に船幅方向に移動することで収容凹部の開口から出没する移動ブームを設け、移動ブームの中程に搭載艇を吊り下げるためのウインチを設け、移動ブームの先端に収容凹部の開口を覆う形状の壁材を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
この揚艇装置によれば、移動ブームを船幅方向の外方に移動することで、移動ブームの先端に設けた壁材が収容凹部の開口を開き、移動ブームの中程に設けたウインチによって海上の搭載艇を吊り上げることができる。その後、移動ブームを船幅方向の内方に移動することで、ウインチに吊り上げられた搭載艇を収容凹部内に移動でき、同時に、移動ブームの先端に設けた壁材により収容凹部の開口を閉じることができる。
このように、壁材で収容凹部の開口を閉じることにより、風雨や海水が収容凹部に浸入することを防止することができ、美観を向上することができ、更に、RCS(Radar Cross Section)対策にもなる。
ところで、上述の揚艇装置においては、移動ブームの先端に壁材が固定され、移動ブームの中程にウインチが固定されているため、壁材が収容凹部の開口を閉じるように移動ブームを船幅方向の内方に移動したとき、収容凹部内に移動されたウインチの位置が一意に定まってしまい、定点での揚収しかできない。搭載艇のみを揚収するのであれば問題ないが、収容凹部にコンテナ等の荷物を揚収する場合には、荷物を収容凹部内の任意の位置に揚収する必要があるため、多目的な荷役には使用できない。
また、上述の揚艇装置は、移動ブームが1本であり、この1本の移動ブームの先端に壁材を取り付けた構造である。よって、大きな搭載艇に対応する場合、そのサイズに合わせて収容凹部の開口を大きくし、壁材を大きくする必要があり、壁材の重量が増大し、1本の移動ブームでは壁材の重量を適切に支持できない。例えば、搭載艇として船長12m程度のものが用いられると、壁材は、横14m程度、縦9m程度、数トンの重量となり、この壁材を移動ブームの先端に取り付けて、収容凹部の開口を適切に開閉することは困難となる。
また、上述の揚艇装置は、移動ブームの先端に壁材が固定され、移動ブームの中程にウインチが固定された構造であるため、ウインチに吊り下げた搭載艇を収容凹部に移動すべく移動ブームを船幅方向の内方に移動すると、壁材も一体的に移動することになる。すなわち、ウインチに吊り下げた搭載艇を収容凹部に移動するためには、搭載艇の重量に壁材の重量を加えた重量を船幅方向に移動する必要があり、作業負担が大きく効率が良いとは言えない。
本発明は、上述した問題点を鑑みて創案されたものであり、搭載艇のみならずコンテナ等の荷物を収容凹部内の任意の位置に揚収でき、収容凹部の開口が大きくそれを覆う壁材が大きく重くなった場合であって開口を適切に開閉でき、壁材を動かすことなく荷物のみを船幅方向に搬送できる船舶の荷役装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、船体の舷側に形成された収容凹部に荷物を出し入れする船舶の荷役装置であって、前記収容凹部内に配置され、船幅方向に伸縮することで、先端が前記収容凹部の開口に対して出没する一対の伸縮ガーダーと、該伸縮ガーダーの先端に取り付けられ、前記収容凹部の開口を覆う形状の壁材と、前記伸縮ガーダーを伸縮させることで前記壁材を、前記開口に対する閉塞位置と開放位置とに移動させる駆動手段と、前記伸縮ガーダー上に船首尾方向に架け渡され、前記伸縮ガーダーに沿って船幅方向に移動するシャトルと、該シャトル上に載置され、前記シャトルに沿って船首尾方向に移動するトロリと、該トロリに設けられ荷物の昇降を行うウインチと、を備えたことを特徴とする船舶の荷役装置が提供される。
前記収容凹部は、船首尾方向に間隔を隔てた側壁の少なくとも一方を開閉するスライドドアを有し、前記シャトルは、船首尾方向の両端部のうち前記スライドドアが配置された側の端部から船首尾方向に出没する伸縮ブームを有し、前記トロリは、前記シャトル及び前記伸縮ブーム上を船首尾方向に沿って移動するものであってもよい。
前記壁材は、RCS対策が施されていてもよい。
本発明に係る船舶の荷役装置によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)トロリに設けたウインチに荷物を吊り下げ、トロリをシャトルに沿って船首尾方向に移動し、シャトルを伸縮ガーダーに沿って船幅方向に移動することで、荷物を収容凹部内の任意の位置に揚収できる。
(2)収容凹部の開口を覆う壁材を一対の伸縮ガーダーの先端に取り付けたので、壁材を2本の伸縮ガーダーで支持でき、開口が大きくそれを覆う壁材が大きく重くなった場合であっても、開口を適切に開閉できる。
(3)壁材が取り付けられた伸縮ガーダー上をシャトルが船幅方向に移動することで荷物を船幅方向に搬送するので、壁材を動かすことなく荷物のみを船幅方向に搬送でき、効率が高い。
(1)トロリに設けたウインチに荷物を吊り下げ、トロリをシャトルに沿って船首尾方向に移動し、シャトルを伸縮ガーダーに沿って船幅方向に移動することで、荷物を収容凹部内の任意の位置に揚収できる。
(2)収容凹部の開口を覆う壁材を一対の伸縮ガーダーの先端に取り付けたので、壁材を2本の伸縮ガーダーで支持でき、開口が大きくそれを覆う壁材が大きく重くなった場合であっても、開口を適切に開閉できる。
(3)壁材が取り付けられた伸縮ガーダー上をシャトルが船幅方向に移動することで荷物を船幅方向に搬送するので、壁材を動かすことなく荷物のみを船幅方向に搬送でき、効率が高い。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付すことにより重複した説明を省略し、また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1〜図3に示したように、本発明の第1実施形態に係る船舶の荷役装置1は、船体2の舷側に形成された収容凹部3に荷物を出し入れするものである。この荷役装置1は、収容凹部3内に配置され、船幅方向に伸縮することで、先端が収容凹部3の開口3xに対して出没する一対の伸縮ガーダー4と、伸縮ガーダー4の先端に取り付けられ、収容凹部3の開口3xを覆う形状の壁材5と、伸縮ガーダー4を伸縮させることで壁材5を、開口3xに対する閉塞位置と開放位置とに移動させる駆動手段6と、を備えている。また、荷役装置1は、伸縮ガーダー4上に船首尾方向に架け渡され、伸縮ガーダー4に沿って船幅方向に移動するシャトル7と、シャトル7上に載置され、シャトル7に沿って船首尾方向に移動するトロリ8と、トロリ8に設けられ荷物(搭載艇S)の昇降を行うウインチ9と、を備えている。
収容凹部3は、船体2の舷側に船首尾方向に沿って形成されており、床3a、船首側の側壁3b、船尾側の側壁3c、天井3d及び奥壁3eにより、平断面が矩形で側断面が台形に形成され、舷側に開口3xを有する。荷役される荷物は、図1に示す搭載艇S(例えば、船長12m程度)の他、図6に示すコンテナC(例えば、船長6m程度)等である。
伸縮ガーダー4は、収容凹部3の床に立設された柱10の頂部に支持されている。柱10は、床3aに、船幅方向に間隔を隔てると共に船首尾方向に間隔を隔てて、計4本配設されている。船尾側の2本の柱10の頂部に一方の伸縮ガーダー4が架け渡され、船首側の2本の柱10の頂部に他方の伸縮ガーダー4が架け渡されている。これら伸縮ガーダー4は、船首尾方向に間隔を隔てて、船幅方向に沿って一対平行に配設されている。
伸縮ガーダー4は、図2に示したように、柱10の頂部に固定された基部ガーダー4aと、基部ガーダー4aに対して船幅方向に移動する中間ガーダー4bと、中間ガーダー4bに対して船幅方向に移動する先端ガーダー4cと、を有し、3段テレスコピック構造となっている。なお、伸縮ガーダー4は、このような3段テレスコピック構造に限らず、2段テレスコピックでもよく、4段以上のテレスコピックでも構わない。
壁材5は、図2に示したように、船首尾方向に間隔が隔てられた先端ガーダー4cの先端に取り付けられており、2本の先端ガーダー4cによって支持されている。壁材5は、収容凹部3の開口3xに合わせた形状(矩形)に形成されている。壁材5には、RCS(Radar Cross Section)対策が施されてもよい。RCS対策としては、例えば、壁材5の表面にレーダーを乱反射させる或いは吸収するRCS対策塗料を塗装する、壁材5の材質に同様の機能を有するRCS対策樹脂を用いる、壁材5を枠状のフレームにRCS対策スクリーン(Radar Cross Section Reduction Closures:レーダーを乱反射させる金属製の楔帷子)が装着された構造とする、等が考えられる。
駆動手段6は、伸縮ガーダー4を伸縮させることで壁材5を開口3xに対する閉塞位置と開放位置とに移動させるものであり、図3のIV部分の拡大図である図4に示したように、本実施形態においては、基部ガーダー4aに対して中間ガーダー4bを伸縮するための第1ピニオン11及び第1ラック12、中間ガーダー4bに対して先端ガーダー4cを伸縮するための第2ピニオン13及び第2ラック14を有する。
詳しくは、基部ガーダー4aには、第1ピニオン11を回転駆動する第1モータ15が取り付けられ、中間ガーダー4bには、第1ピニオン11と歯合する第1ラック12が船幅方向に沿って設けられている。また、中間ガーダー4bには、第2ピニオン13を回転駆動する第2モータ16が取り付けられ、先端ガーダー4cには、第2ピニオン13と歯合する第2ラック14が船幅方向に沿って設けられている。
この構成によれば、第1モータ15を正逆回転することで中間ガーダー4bを基部ガーダー4aに対して船幅方向に伸縮でき、第2モータ16を正逆回転することで先端ガーダー4cを中間ガーダー4bに対して船幅方向に伸縮できる。なお、基部ガーダー4aと中間ガーダー4bとの間、中間ガーダー4bと先端ガーダー4cとの間には、夫々、滑り部材(図示せず)が介設されており、伸縮時の抵抗を軽減している。伸縮ガーダー4を伸縮する駆動手段6は、上述したラックピニオンに限られず、シリンダやプッシュチェーン等であってもよい。
シャトル7は、図1〜図3に示したように、伸縮ガーダー4上に船首尾方向に架け渡され、伸縮ガーダー4に沿って船幅方向に移動自在に載置されている。シャトル7は、伸縮ガーダー4に載置された一対のシャトル下部7aと、シャトル下部7a同士を架け渡すシャトル上部7bと、を有する。シャトル上部7bは、船幅方向に間隔が隔てられた一対のブーム材からなる。シャトル下部7aには、伸縮ガーダー4の頂面を走行する車輪17が設けられていると共に、伸縮ガーダー4の側面に接してシャトル7を伸縮ガーダー4に沿って案内するガイドローラ18が設けられている。
シャトル7は、図1、図2に示したように、プッシュチェーン装置19によって伸縮ガーダー4に沿って船幅方向に移動される。プッシュチェーン装置19は、伸縮ガーダー4の基部ガーダー4aの端部に設けられた駆動スプロケット19aと、駆動スプロケット19aを駆動するモータ19bと、駆動スプロケット19aに中程が巻き掛けられたプッシュチェーン本体19cとを有し、プッシュチェーン本体19cの先端がシャトル下部7aに固定されている。
この構成によれば、モータ19bで駆動スプロケット19aを正回転させることで、プッシュチェーン本体19cを船幅方向の外方に繰り出して、プッシュチェーン本体19cによりシャトル7を船幅方向の外方に押し出し、モータ19bで駆動スプロケット19aを逆回転させることで、プッシュチェーン本体19cを船幅方向の内方に手繰って、プッシュチェーン本体19cによりシャトル7を船幅方向の内方に引き寄せることができる。なお、シャトル7を船幅方向に駆動する装置は、プッシュチェーン装置19に限られず、ラックピニオンやシリンダ等であってもよい。
トロリ8は、図1〜図3に示したように、シャトル上部7bを構成する一対のブーム材上に船幅方向に架け渡されており、シャトル上部7bに沿って船首尾方向に移動自在となっている。トロリ8には、シャトル上部7bの頂面を走行する車輪20が設けられていると共に、シャトル上部7bの側面に接してトロリ8をシャトル上部7bに沿って案内するガイドローラ21が設けられている。
トロリ8は、図1のV部分の拡大図である図5に示したように、ラックピニオン装置22によってシャトル上部7bに沿って船首尾方向に移動される。このラックピニオン装置22は、シャトル上部7bに船首尾方向に沿って敷設されたラック23と、トロリ8に支持されラック23に歯合するピニオン24と、ピニオン24を回転駆動する駆動装置25と、を有する。駆動装置25は、ピニオン24の回転シャフトに取り付けられたスプロケット26と、トロリ8に設けられたモータ27の回転シャフトに取り付けられたスプロケット28と、スプロケット26,28同士に巻き掛けられたチェーン29と、を有する。
この構成によれば、モータ27を正逆回転させることで、ピニオン24及びラック23を介して、トロリ8をシャトル上部7bに沿って船首尾方向に移動させることができる。なお、トロリ8を船首尾方向に移動させる装置は、ラックピニオン装置22に限られず、シリンダやプッシュチェーン等であってもよい。
ウインチ9は、図1〜図3に示したように、トロリ8に設けられており、荷物(搭載艇S、コンテナC)を吊り下げて昇降するものである。ウインチ9は、モータによって回転駆動される巻上ドラム9aと、巻上ドラム9aに巻き付けられたワイヤ9bと、ワイヤ9bの下端に設けられた吊下具9cと、を有する。巻上ドラム9aは、荷物(搭載艇S、コンテナC)を安定して吊り下げるため、船首尾方向に間隔を隔てて一対配設されている。
次に、図1〜図3に基づき、本実施形態に係る船舶の荷役装置1を用いた搭載艇Sの揚収を説明する。
図1に示したように、通常時(荷役時以外)には、伸縮ガーダー4を収縮させておく。伸縮ガーダー4が収縮した状態では、壁材5によって収容凹部3の開口3xが塞がれる。このとき、壁材5は、シリンダピン等の固定装置によって開口3xに固定された状態となっている。収容凹部3の開口3xが壁材5で閉じられているので、収容凹部3が風雨や海水に晒されることはなく、美観が向上し、RCS(Radar Cross Section)対策にもなる。壁材5に既述の如きRCS対策を施せば、レーダー反射によるコーナーリフレクタ効果を更に低減でき一層効果的である。
荷役時には、上述した固定装置(シリンダピン等)による壁材5の固定を解除し、伸縮ガーダー4を図4に示す駆動手段6(ラックピニオン)によって伸長させる。これにより、図2に示したように、壁材5が船幅方向の外方に移動し、収容凹部3の開口3xが開放される。その後、シャトル7を図1、図2に示すプッシュチェーン装置19によって伸縮ガーダー4に沿って船幅方向の外方に移動させ、トロリ8のウインチ9によって搭載艇Sを海上Lから吊り上げる。搭載艇Sをウインチ9で巻き上げた後、伸縮ガーダー4を伸長させた状態で、シャトル7をプッシュチェーン装置19によって船幅方向の内方に移動させ、搭載艇Sを収容凹部3に移動させる。最後に、搭載艇Sを収容凹部3に設置した固定台30に載置し、固縛する。なお、搭載艇Sを収容凹部3から海上Lに移す場合には、上述した手順の逆となる。
次に、図6〜図8に基づき、本実施形態に係る船舶の荷役装置1を用いたコンテナCの揚収を説明する。
図6に示したように、船体2を埠頭31に近付けた後、伸縮ガーダー4を埠頭31の上方まで伸長させ、コンテナCが載置されたトラックTを先端ガーダー4cの下方に停車させる。なお、船体2と埠頭31との間には、船体2の損傷を防止する防舷材32を配置してもよい。図7に示すように、シャトル7をプッシュチェーン装置19によって伸縮ガーダー4に沿って移動させ、トロリ8のウインチ9によってトラックTのコンテナCを吊り上げる。その後、伸縮ガーダー4を伸長させたまま、図8に仮想線で示したように、シャトル7をプッシュチェーン装置19によって船幅方向の内方に移動させ、コンテナCを収容凹部3に移動させる。シャトル7の位置を船幅方向に微調節し、トロリ8を船首尾方向に移動させることで、ウインチ9に吊り下げたコンテナCを収容凹部3の所望の位置に降ろすことができる。
本実施形態に係る船舶の荷役装置1の作用及び効果について述べる。
トロリ8に設けたウインチ9に荷物(搭載艇S、コンテナC)を吊り下げ、トロリ8をシャトル7に沿って船首尾方向に移動し、シャトル7を伸縮ガーダー4に沿って船幅方向に移動することで、荷物を収容凹部3内の任意の位置に揚収できる。よって、搭載艇Sのみならず、コンテナC等のあらゆる荷物を揚収でき、汎用性が高まり、多目的な荷役装置として利用できる。他方、特許文献1に記載された揚艇装置においては、移動ブームの先端に壁材が固定され、移動ブームの中程にウインチが固定されているため、壁材が収容凹部の開口を閉じるように移動ブームを船幅方向の内方に移動したとき、ウインチの位置が一意に定まってしまい、定点での揚収しかできず、多目的な荷役装置として利用できない。
収容凹部3の開口3xを覆う壁材5を一対の伸縮ガーダー4の先端に取り付けたので、壁材5を2本の伸縮ガーダー4で支持でき、開口3xが大きくそれを覆う壁材5が大きく重くなった場合であっても、開口3xを適切に開閉できる。伸縮ガーダー4は、その先端に壁材5が取り付けられているため撓みやすく、特許文献1に記載された揚艇装置のように1本では壁材の重量に耐えられない可能性もあるが、本実施形態では、2本の伸縮ガーダー4で壁材5を支持しているので、撓みを抑えられ、開口3xを適切に開閉できる。
壁材5が取り付けられた伸縮ガーダー4上をシャトル7が船幅方向に移動することで荷物(搭載艇S、コンテナC)を船幅方向に搬送するので、壁材5を動かすことなく荷物のみを船幅方向に搬送でき、荷物を船幅方向に移動するための駆動装置(プッシュチェーン装置19)の負担が軽くなり、効率が高い。他方、特許文献1に記載された揚艇装置は、移動ブームの先端に壁材が固定されていると共に移動ブームの中程にウインチが固定されているため、ウインチに吊り下げた搭載艇を収容凹部に移動するには、搭載艇の重量に壁材の重量を加えた重量を船幅方向に移動する必要があり、作業負担が大きく効率が悪い。
以上説明したように、本実施形態に係る船舶の荷役装置1によれば、搭載艇SのみならずコンテナC等の荷物を収容凹部3内の任意の位置に揚収でき、収容凹部3の開口3xが大きくそれを覆う壁材5が大きく重くなった場合であって開口3xを適切に開閉でき、壁材5を動かすことなく荷物(搭載艇S、コンテナC)のみを船幅方向に移動でき、効率を高めることができる。
図9〜図11に本発明の第2実施形態に係る船舶の荷役装置1xを示す。この船舶の荷役装置1xは、図1〜図8を用いて説明した第1実施形態に係る船舶の荷役装置1と基本的に同様の構成であり、収容凹部3が、船首尾方向に間隔を隔てた側壁3b、3cの少なくとも一方を開閉するスライドドア33を有し、シャトル7が、船首尾方向の両端部のうちスライドドア33が配置された側の端部から船首尾方向に出没する伸縮ブーム34を有し、トロリ8が、シャトル7及び伸縮ブーム34上を船首尾方向に沿って移動するものである点が相違する。
伸縮ブーム34の伸縮機構を説明する。図9のX−X線断面図である図10に示したように、シャトル上部7bを構成するブーム材は、シャトル下部7aに取り付けられた基部ブーム35と、基部ブーム35の端部から船首部方向に出没する伸縮ブーム34と、から構成されている。基部ブーム35にはピニオン37を駆動するモータ46が設けられ、伸縮ブーム34にはピニオン37と歯合するラック38が船首尾方向に敷設されている。この構成によれば、モータ46でピニオン37を正逆回転させることで、伸縮ブーム34が船首尾方向に移動して基部ブーム35の端部から出没する。
トロリ8が伸縮ブーム34上を走行する機構を説明する。図10に示したように、伸縮ブーム34には、ラック39が船首尾方向に敷設されており、このラック39と歯合するピニオン40がトロリ8に支持されている。ピニオン40の回転シャフトは、基部ブーム35に船首尾方向に形成されたスロット(長孔)41を挿通されており、基部ブーム35に対する伸縮ブーム34の移動を妨げないようになっている。ピニオン40の回転シャフトに設けたスプロケット42と、モータ27の回転シャフトに設けたスプロケット43とには、チェーン44が巻き掛けられている。この構成によれば、モータ27を正逆回転させることで、ピニオン40及びラック39を介して、トロリ8を伸縮ブーム34に沿って船首尾方向に移動させることができる。
第2実施形態に係る船舶の荷役装置1xによれば、図9に示したように、収容凹部3に搭載艇Sが収容された状態であっても、図11に示したように、スライドドア33を開き、シャトル7から伸縮ブーム34を伸ばし、コンテナCが吊り下げられた状態のトロリ8を伸縮ブーム34に移動させた後、シャトル7をプッシュチェーン装置19によって船幅方向の内方に移動することで、コンテナCを収容凹部3に隣接する甲板45上に揚収することができる。スライドドア33が船幅方向の内方に移動されているため、シャトル7の伸縮ブーム34は、船幅方向の内方に移動された際、スライドドア33と干渉することはない。なお、スライドドア33は、船幅方向に移動するもの限られず、上方に巻き上げられるシャッタータイプでもよく、また、船首尾方向の反対側に設けられていてもよい。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
1,1x 荷役装置
2 船体
3 収容凹部
3b,3c 側壁
3x 開口
4 伸縮ガーダー
5 壁材
6 駆動手段
7 シャトル
8 トロリ
9 ウインチ
33 スライドドア
34 伸縮ブーム
2 船体
3 収容凹部
3b,3c 側壁
3x 開口
4 伸縮ガーダー
5 壁材
6 駆動手段
7 シャトル
8 トロリ
9 ウインチ
33 スライドドア
34 伸縮ブーム
Claims (3)
- 船体の舷側に形成された収容凹部に荷物を出し入れする船舶の荷役装置であって、
前記収容凹部内に配置され、船幅方向に伸縮することで、先端が前記収容凹部の開口に対して出没する一対の伸縮ガーダーと、
該伸縮ガーダーの先端に取り付けられ、前記収容凹部の開口を覆う形状の壁材と、
前記伸縮ガーダーを伸縮させることで前記壁材を、前記開口に対する閉塞位置と開放位置とに移動させる駆動手段と、
前記伸縮ガーダー上に船首尾方向に架け渡され、前記伸縮ガーダーに沿って船幅方向に移動するシャトルと、
該シャトル上に載置され、前記シャトルに沿って船首尾方向に移動するトロリと、
該トロリに設けられ荷物の昇降を行うウインチと、
を備えたことを特徴とする船舶の荷役装置。 - 前記収容凹部は、船首尾方向に間隔を隔てた側壁の少なくとも一方を開閉するスライドドアを有し、前記シャトルは、船首尾方向の両端部のうち前記スライドドアが配置された側の端部から船首尾方向に出没する伸縮ブームを有し、前記トロリは、前記シャトル及び前記伸縮ブーム上を船首尾方向に沿って移動するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の船舶の荷役装置。
- 前記壁材は、RCS対策が施されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶の荷役装置。
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