JP2016010736A - 膜形成装置及び膜形成方法 - Google Patents

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Takashi Akutsu
隆史 圷
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Abstract

【課題】吐出される膜材料の温度を最適温度に近づけ、所望の品質の膜を形成することが可能な膜形成装置を提供する。
【解決手段】ステージに対象物が保持される。ノズルヘッドの複数のノズル孔から、膜材料が液滴化されて、対象物に向けて吐出される。移動機構が、対象物とノズルヘッドとの一方を他方に対して移動させる。供給系が、ノズルヘッドに膜材料を供給する。供給系を通してノズルヘッドに供給される膜材料が、加温装置によって加温される。温度センサがノズルヘッドの温度を測定する。制御装置が、対象物に形成すべき膜の形状を定義する画像データを記憶するとともに、画像データに基づいてノズルヘッド及び移動機構を制御することにより対象物に、画像データによって定義される形状の膜を形成する。制御装置は、画像データ及び温度センサによる測定温度に基づいて、加温装置を制御する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ノズル孔から膜材料を吐出して膜を形成する膜形成装置、及び膜形成方法に関する。
ノズルヘッドから膜材料を液滴化して吐出し、基板の表面に、所定のパターンを有する膜を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1)。膜を形成すべき基板は、例えばプリント基板であり、膜材料はソルダーレジストである。ソルダーレジスト等の膜材料は、循環装置から材料供給用の配管を通ってノズルヘッドに供給され、余分な膜材料が、材料回収用の配管を通って循環装置に回収される。ノズルヘッドからの膜材料の吐出を安定化させるために、膜材料を加温して、膜材料の粘度を低下させることが好ましい。
インクジェットヘッドを用いた印刷装置または記録装置が、特許文献2、3に開示されている。特許文献2に開示された印刷装置においては、インクタンクとインクジェットヘッドの間でインクを循環させ、循環するインクをヒータで加熱する。インクジェットヘッド内のインクの温度を測定し、測定結果に基づいてヒータを制御する。これにより、吐出するインクの温度調整を、迅速かつ的確に行うことができる。
特許文献3に開示された記録装置においては、記録データの種別に基づいて、記録ヘッドの内部温度と、記録ヘッドの駆動周波数を制御する。これにより、インクの吐出周波数によらず、高品位な記録を行うことができる。
特開2004−104104号公報 特開2011−207064号公報 特開平10−777号公報
ノズルヘッドに供給される膜材料の温度が一定になるように、温度制御を行っても、実際に吐出される膜材料の温度が最適温度からずれる場合があることがわかった。膜材料の温度が最適温度からずれると、膜材料の粘度が変化し、所望の品質の膜を形成することが困難になる。
本発明の目的は、吐出される膜材料の温度を最適温度に近づけ、所望の品質の膜を形成することが可能な膜形成装置、及び膜形成方法を提供することである。
本発明の一観点によると、
対象物を保持するステージと、
膜材料を液滴化して、前記対象物に向けて吐出する複数のノズル孔を含むノズルヘッドと、
前記対象物と前記ノズルヘッドとの一方を他方に対して移動させる移動機構と、
前記ノズルヘッドに前記膜材料を供給する供給系と、
前記供給系を通して前記ノズルヘッドに供給される前記膜材料を加温する加温装置と、
前記ノズルヘッドの温度を測定する温度センサと、
前記対象物に形成すべき膜の形状を定義する画像データを記憶するとともに、前記画像データに基づいて前記ノズルヘッド及び前記移動機構を制御することにより前記対象物に、前記画像データによって定義される形状の前記膜を形成する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、前記画像データ及び前記温度センサによる測定温度に基づいて、前記加温装置を制御する膜形成装置が提供される。
本発明の他の目的は、
複数のノズル孔を含むノズルヘッドに供給される膜材料を、加温装置で加温する工程と、
前記ノズルヘッドに対向するように対象物を配置し、前記ノズルヘッド及び前記対象物の一方を他方に対して移動させながら、画像データに基づいて前記ノズル孔から前記膜材料を液滴化して吐出させることにより、前記対象物に前記画像データで定義される形状の膜を形成する工程と、
前記ノズルヘッドの測定温度、及び前記画像データに基づいて、前記加温装置を制御する工程と
を有する膜形成方法することである。
形成すべき膜の形状を定義する画像データ、及び温度センサによる測定温度に基づいて加温装置を制御することにより、ノズル孔の位置における膜材料の温度を、吐出に最適な温度に近づけることができる。これにより、所望の品質の膜を形成することが可能になる。
図1は、実施例による膜形成装置の概略図である。 図2は、実施例による膜形成装置に用いられている支持プレート及びノズルヘッドの底面図である。 図3は、ノズルヘッドの概略断面図である。 図4は、対象物の概略平面図、及び形成すべき膜の平面形状を定義する画像データの一部を示す図である。 図5は、実施例による膜形成装置で行われる膜材料の温度制御の制御ブロック図であり、図5Bは、塗布対象画素の比率PRと、目標温度Tt1と関係の一例を示すグラフである。 図6A〜図6Cは、測定温度Tm、ノズル孔の位置における膜材料の温度Tn、目標温度Tt1、及び塗布対象画素の比率PRの時間変化の一例を示すグラフである。 図7Aは、他の実施例による膜形成装置で行われる膜材料の温度制御の制御ブロック図であり、図7Bは、測定温度Tm、ノズル孔の位置における膜材料の温度Tn、目標温度Tt1、及び塗布対象画素の比率PRの時間変化の一例を示すグラフである。
図1に、実施例による膜形成装置の概略図を示す。基台10に、移動機構11によってステージ13が支持されている。xy面を水平面とし、鉛直上方をz軸の正の向きとするxyz直交座標系を定義する。ステージ13は、x方向及びy方向に移動可能である。ステージ13の上に、膜を形成する対象物15が保持される。対象物15は、例えば回路パターンが形成されたプリント基板であり、ステージ13に吸着される。形成される膜には、例えばソルダーレジストが用いられる。
複数のノズルヘッド20が、支持プレート30によって、ステージ13の上方に支持さ
れている。ノズルヘッド20の各々の底面に、複数のノズル孔が設けられている。ノズルヘッド20は、ノズル孔から対象物15に向けて、膜材料を液滴化して吐出する。膜材料には、例えば光硬化性の樹脂が用いられる。図1には示されていないが、支持プレート30に、膜材料を硬化させるための硬化用光源が取り付けられている。膜材料に、紫外線硬化性の樹脂が用いられる場合は、硬化用光源は、対象物15に向けて紫外光を放射する。
次に、ノズルヘッド20に膜材料を供給する供給系40について説明する。メインタンク41内に、液状の膜材料が貯蔵されている。加温装置42が、メインタンク41内の膜材料を加温し、その温度を目標温度に維持する。目標温度は、例えば75℃〜90℃である。加温装置42には、例えば抵抗加熱ヒータが用いられる。
メインタンク41に貯蔵されている膜材料が、供給路43を通って複数のノズルヘッド20に供給される。ノズルヘッド20から吐出されなかった膜材料が、回収路53を通ってメインタンク41に回収される。
供給路43は、メインタンク41から流出した膜材料を複数のノズルヘッド20に分流させる分岐部45を含む。分岐部45に、加温装置46が配置されている。加温装置46には、例えば抵抗加熱ヒータが用いられる。膜材料が分岐部45に一時的に蓄積され、目標温度まで加温される。メインタンク41から分岐部45まで輸送される間に、膜材料の温度が低下した場合でも、分岐部45内で膜材料が再び目標温度まで加温される。
メインタンク41と分岐部45との間の供給路43に、送出ポンプ44が挿入されている。送出ポンプ44は、メインタンク41内の膜材料を分岐部45に向けて送り出す。メインタンク41と送出ポンプ44との間の供給路43に、ガス導入弁47が挿入されている。ガス導入弁47を開くと、供給路43にガス、例えば空気が導入される。
回収路53は、複数のノズルヘッド20から回収された膜材料を1本の管路に合流させる合流部55を含む。合流部55とメインタンク41との間の回収路53に、回収ポンプ54が挿入されている。回収ポンプ54は、合流部55内の膜材料をメインタンク41に向けて送り出す。
合流部55に加温装置を配置してもよい。合流部55に加温装置を配置することにより、膜材料がノズルヘッド20からメインタンク41に回収されるときの温度低下を抑制することができる。回収路53内で膜材料の温度が低下すると、膜材料の粘度が上昇して、管路内に膜材料が付着し易くなる。管路内に高粘度の膜材料が付着すると、膜材料の安定した循環が阻害される。合流部55に加温装置を配置することにより、より安定して膜材料を循環させることができる。
ノズルヘッド20の各々に温度センサ21が取付けられている。温度センサ21は、ノズルヘッド20の測定位置の温度を測定する。測定位置については、後に図3を参照して詳しく説明する。なお、温度センサ21を、ノズルヘッド20に設けられた膜材料収容室の内部に配置してもよい。
支持プレート30の上に遮蔽板31が取り付けられており、遮蔽板31が、供給系40及びノズルヘッド20を覆う。支持プレート30と遮蔽板31とで囲まれた空間が、仕切板32によって、供給系40が配置された加温空間33と、ノズルヘッド20が配置された冷却空間34とに仕切られる。
冷却装置14が、ファンを駆動することにより、冷却空間34内に空冷のための気流を発生させる。これにより、ノズルヘッド20が冷却される。仕切板32は、加温空間33
から冷却空間34への熱の伝達を阻害する機能を有する。供給系40の周囲の高温の空気が、遮蔽板31と仕切板32とで囲まれた加温空間33内に閉じ込められることにより、移動機構11及びステージ13への熱の影響が軽減される。
補充タンク57内に、膜材料が貯蔵されている。メインタンク41内の膜材料が減少すると、補充ポンプ58を動作させて、補充タンク57からメインタンク41に膜材料を補充する。補充タンク57は、遮蔽板31と支持プレート30とで囲まれた空間の外に配置されている。補充タンク57内の膜材料の温度はほぼ室温である。補充用の膜材料を室温で保管することにより、熱による膜材料の劣化を防止することができる。
遮蔽板31、支持プレート30、移動機構11、ステージ13、及び補充タンク57は、エンクロージャ12内に配置される。排気ポンプ16がエンクロージャ12内を排気する。エンクロージャ12内を排気すると、エンクロージャ12に取り付けられたフィルタ17を通って外気がエンクロージャ12内に流入する。これにより、エンクロージャ12内を換気することができる。
排気ポンプ35が、加温空間33内を排気する。加温空間33内が排気されると、遮蔽板31に設けられた流入口36を通って加温空間33内に外気が流入する。加温空間33内が換気されることにより、加温空間33の過度の温度上昇を防止することができる。
制御装置18が、移動機構11、ノズルヘッド20、送出ポンプ44、加温装置42、46、回収ポンプ54、及び補充ポンプ58を制御する。温度センサ21で測定されたノズルヘッド20の温度が、制御装置18に入力される。
図2に、支持プレート30及びノズルヘッド20の底面図を示す。支持プレート30に複数の開口37が形成されている。例えば、合計10個の開口37が2列に並んでいる。2列の各々は、x方向に等ピッチで並ぶ5個の開口37で構成される。一方の列の開口37は、他方の列の開口37に対して、x方向に半ピッチ分ずれている。
開口37の各々の内側に、2個のノズルヘッド20がy方向に並んで配置されている。2個のノズルヘッド20の間、及びノズルヘッド20の各々の外側に、それぞれ硬化用光源23が配置されている。ノズルヘッド20及び硬化用光源23は、ブラケット24を介して支持プレート30に取り付けられている。
ノズルヘッド20のノズル面25に、複数のノズル孔26が設けられている。ノズルヘッド20の各々は2本のノズル列を含み、ノズル列の各々は、x方向にピッチPで配列した複数のノズル孔26で構成される。一方のノズル列のノズル孔26は、他方のノズル列のノズル孔26に対してx方向に(1/2)Pだけずれている。1つの開口37内に配置されている2つのノズルヘッド20の一方は、他方に対して(1/4)Pだけx方向にずれている。このため、1つの開口37内の2つのノズルヘッド20に設けられたノズル孔26は、全体として、x方向に(1/4)Pのピッチで分布する。さらに、1枚の支持プレート30に取り付けられた20個のノズルヘッド20に設けられたノズル孔26は、全体として、x方向に(1/4)Pのピッチで分布する。
ステージ13(図1)及び対象物15(図1)をy方向に移動させながら、ノズルヘッド20から膜材料を液滴化して吐出することにより、対象物15に膜材料を塗布することができる。対象物15に塗布された膜材料に、硬化用光源23から放射された硬化用の光が照射されることにより、対象物15に塗布された膜材料が硬化する。
図3に、ノズルヘッド20の概略断面図を示す。ノズルヘッド20の内部に、膜材料を
収容する収容室22が、底面に隣接して形成されている。導入管27から収容室22内に膜材料が供給され、収容室22内を輸送された後、回収管28から回収される。導入管27は供給路43に接続され、回収管28は回収路53に接続されている。
ノズル面25に複数のノズル孔26が形成されている。ノズル孔26に対応して、アクチュエータ29が配置されている。アクチュエータ29には、例えば圧電素子が用いられる。アクチュエータ29を駆動することにより、ノズル孔26から膜材料が液滴化されて、吐出される。
導入管27に温度センサ21が取り付けられている。温度センサ21は、ノズルヘッド20の温度を測定する。温度センサ21は、ノズルヘッド20の他の位置に取り付けてもよい。
図4に、対象物15の概略平面図、及び形成すべき膜の平面形状を定義する画像データ60の一部を示す。対象物15の表面が、複数の単位走査領域19に区分されている。単位走査領域19の各々は長方形の平面形状を有し、x方向に平行な一方の縁からy方向に延び、x方向に平行な他方の縁まで達する。単位走査領域19は、x方向に関しては、隙間なく並んでいる。
画像データ60は、例えばビットマップ形式を有し、x方向及びy方向に配列する複数の画素61により構成される。図4においては、膜材料を塗布すべき画素(塗布対象画素)を黒色で塗りつぶした正方形で示し、膜材料が塗布されない画素を中空の正方形で示す。
ノズル孔26(図2)全体として、x方向に関するピッチが画素のピッチと等しい場合には、ノズルヘッド20を対象物15に対してy方向に1回走査することにより、目標とする画素に膜材料を塗布することができる。ノズル孔26のx方向に関するピッチが画素のピッチより大きい場合には、対象物15に対してノズルヘッド20をx方向に画素のピッチに相当する長さだけ副走査させながら、複数回の走査(主走査)を行うことにより、全ての塗布対象画素に膜材料を塗布することができる。例えば、ノズル孔26のx方向に関するピッチが画素のピッチの4倍である場合、1つの単位走査領域19に対して4回の走査を行うことにより、全ての塗布対象画素に膜材料を塗布することができる。
図5Aに、実施例による膜形成装置で行われる膜材料の温度制御の制御ブロック図を示す。制御装置18が、目標温度決定ブロック63及び制御ブロック64を含む。制御装置18に、初期目標温度Tt0及び画像データ60が記憶されている。目標温度決定ブロック63は、画像データ60及び初期目標温度Tt0に基づいて、目標温度Tt1を決定する。例えば、塗布対象画素の比率PRに基づいて、初期目標温度Tt0を修正することにより、目標温度Tt1を決定する。
一例として、1回の走査で塗布することができる画素の総数をNTで表し、画像データ60に基づいて選択された塗布対象画素の個数をNAで表した時、塗布対象画素の比率PRは、NA/NTで定義される。この定義では、塗布対象画素の比率PRは、1回の走査を算出単位として算出される。なお、複数回の走査を算出単位として、塗布対象画素の比率PRを算出してもよい。また、1回の走査をさらに細かく区分し、細分された区分ごとに塗布対象画素の比率PRを算出してもよい。例えば、1/2回の走査ごとに、塗布対象画素の比率PRを算出してもよい。
制御ブロック64は、目標温度Tt1と、温度センサ21で測定されたノズルヘッド20の測定温度Tmとの差分が小さくなるように、加温装置42、46を制御する。一例と
して、加温装置42、46の制御には、オンオフ制御またはPID制御を採用することができる。加温装置42、46によって膜材料が加温され、温度センサ21の測定位置における膜材料の温度が変化する。膜形成装置が図1、図2に示したように複数のノズルヘッド20を有している場合には、例えば、複数の温度センサ21による測定温度の平均値が測定温度Tmとして採用される。
アクチュエータ29(図3)を動作させると、アクチュエータ29やアクチュエータ29のドライバ回路からの発熱により、ノズル孔26の近傍の温度が、温度センサ21の測定位置の温度より高くなる。さらに、硬化用光源23からの発熱によっても、ノズル孔26の近傍の温度が上昇する。このため、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが、温度センサ21で測定される測定温度Tmより高くなる。
膜材料の安定した吐出を行うためには、図3に示したノズル孔26の位置における膜材料が吐出に適した粘度になるように、膜材料の温度を最適温度に近づけなければならない。ところが、ノズル孔26の位置の近傍の温度を測定することは困難である。実施例においては、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnと、測定温度Tmとの差を考慮して、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが吐出に最適温度に近づくように、目標温度Tt1が決定される。
アクチュエータ29からの発熱量は、動作するアクチュエータ29の個数に依存する。動作するアクチュエータ29の個数は、塗布対象画素の比率PRによって決まる。塗布対象画素の比率PRが高くなれば、動作するアクチュエータ29の個数も多くなる。従って、アクチュエータ29からの発熱量は、塗布対象画素の比率PRに依存し、塗布対象画素の比率PRが高くなると、アクチュエータ29からの発熱量が増加する。
図5Bに、塗布対象画素の比率PRと、目標温度Tt1との関係の一例を示す。横軸は塗布対象画素の比率PRを単位「%」で表し、縦軸は目標温度Tt1を表す。塗布対象画素の比率PRが0%、すなわちいずれのアクチュエータ29も駆動されていない場合、目標温度Tt1は初期目標温度Tt0に等しい。塗布対象画素の比率PRが増加するにしたがって、目標温度Tt1が低下する。
塗布対象画素の比率PRの算出値、及び図5Bに示したグラフに基づいて、目標温度Tt1を決定することができる。なお、ノズルヘッド20ごとに塗布対象画素の比率PRを算出し、最も小さな算出値に基づいて、目標温度Tt1を決定してもよい。塗布対象画素の比率PRの算出値が最も小さいノズルヘッド20においては、アクチュエータ29からの発熱量が最も少ない。発熱量が最も少ないノズルヘッド20を基準にして目標温度Tt1を決定することにより、膜材料の温度の過度の低下を回避することができる。
目標温度Tt1が低下すると、制御ブロック64によるフィードバック制御により、図5Aに示した測定位置における膜材料の温度も低下する。この低下分が、アクチュエータ29からの発熱によって補われることにより、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが一定に保たれる。図5Bに示した塗布対象画素の比率PRと目標温度Tt1との関係は、種々の評価実験を行うことにより、推定することが可能である。
図6A〜図6Cを参照して、上記実施例の優れた効果について説明する。図6A〜図6Cは、測定温度Tm、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tn、目標温度Tt1、及び塗布対象画素の比率PRの時間変化の一例を示す。図6A〜図6Cの左縦軸が温度を表し、右縦軸が塗布対象画素の比率PRを表し、横軸が経過時間を表す。図6A〜図6Cのいずれの場合でも、制御ブロック64によるフィードバック制御が行われるため、時間の経過とともに、測定温度Tmが目標温度Tt1に近づく。
図6Aは、目標温度Tt1を初期目標温度Tt0に等しい一定値とし、塗布対象画素の比率PRが0%の場合を示す。塗布対象画素の比率PRが0%であるため、アクチュエータ29からの発熱が無い。このため、図5Aに示したノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが、測定位置における膜材料の温度、すなわち測定温度Tmとほぼ等しい。測定温度Tmが目標温度Tt1に近づくように加温装置42、46が制御されているため、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnは、目標温度Tt1にほぼ一致する。
図6Bに、目標温度Tt1を初期目標温度Tt0に等しい一定値とし、塗布対象画素の比率PRが変動する場合を示す。塗布対象画素の比率PRが変動するため、アクチュエータ29からの発熱量も変動する。この発熱量に応じて、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが、測定温度Tmより高くなる。このため、測定温度Tmは目標温度Tt1にほぼ一致するが、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnは、測定温度TmからΔTだけずれてしまう。温度のずれ量ΔTは、塗布対象画素の比率PRに依存する。
図6Cに、目標温度Tt1を上記実施例による方法で決定し、塗布対象画素の比率PRが変動する場合を示す。塗布対象画素の比率PRの変動に依存して、目標温度Tt1も変動している。塗布対象画素の比率PRが高くなると、目標温度Tt1が低くなる。測定温度Tmは、目標温度Tt1に近づくように変化する。ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnは、測定温度TmよりもΔTだけ高くなる。その結果、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが、初期目標温度Tt0にほぼ等しくなる。初期目標温度Tt0は、吐出に最適な温度に設定されている。
上述のように、実施例においては、測定位置における膜材料の温度と、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnとの差を考慮して、目標温度Tt1が決定されている。このため、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnを、初期目標温度Tt0(最適温度)にほぼ等しくすることができる。
上記実施例では、図3に示したように、温度センサ21による測定位置を、導入管27の基部に設置したが、ノズルヘッド20の他の位置に設置してもよい。ノズル孔26の極近傍の温度を測定することは困難であるため、実際には、ノズル孔26から離れた位置の温度が測定される。このため、測定温度Tmと、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnとにずれが生じる。実施例においては、この温度のずれを考慮して、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが初期目標温度Tt0に近づくように、目標温度Tt1が決定される。
次に、図7A及び図7Bを参照して、他の実施例による膜形成装置について説明する。以下、図1〜図5B、及び図6Cに示した実施例との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図7Aに、他の実施例による膜形成装置で行われる膜材料の温度制御の制御ブロック図を示す。図7Aに示した実施例では、制御ブロック64が、加温装置42、46の他に、冷却装置14を制御する。具体的には、冷却装置14の空冷用のファンの回転数を変化させることにより、冷却装置14の冷却能力を変化させる。冷却装置14の冷却能力が変化することにより、ノズルヘッド20の放熱量が変化する。これにより、測定位置における温度(測定温度Tm)とノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnとの差が変化する。例えば、冷却装置14の冷却能力を高めることにより、測定温度Tmとノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnとの差を小さくすることができる。
図7Bに、測定温度Tm、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tn、目標温度T
t1、及び塗布対象画素の比率PRの時間変化の一例を示す。時刻t1において、塗布対象画素の比率PRが急激に大きくなると、目標温度Tt1が大幅に低下する。これにより、測定温度Tmと目標温度Tt1との差が大きくなるため、制御ブロック64(図7A)は、加温装置42、46による加熱量を低下させる。ところが、加温装置42、46による加熱量を最小、または0にしても、測定温度Tmの低下が緩やかである場合、測定温度Tmが目標温度Tt1に一致するまでに長時間を要する。
冷却装置14による冷却量を変化させない場合、図7Bにおいて破線で示すように、塗布対象画素の比率PRの増加に応じて、測定温度Tmとノズル孔26の位置における膜材料の温度Tn1との差ΔT1が広がる。温度の差ΔT1の広がりの速さが、測定温度Tmが目標温度Tt1に近づく速さよりも速い場合、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnが初期目標温度Tt0よりも高くなってしまう。
図7Aに示した実施例では、制御ブロック64が、加温装置42、46による加熱量を低下させるとともに、冷却装置14による冷却量を上昇させる。冷却装置14による冷却量が上昇すると、温度の差ΔTが小さくなる。このため、測定温度Tmが目標温度Tt1に近づく速さが遅い場合でも、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnと、初期目標温度Tt0との差を小さく維持することが可能である。
冷却装置14の冷却能力は、画像データ60、より具体的には塗布対象画素の比率PRに基づいて制御することが好ましい。例えば、塗布対象画素の比率PRが上限閾値を超えると、ノズルヘッド20からの発熱量が大きくなり過ぎることにより、目標温度Tt1の制御のみでは、ノズル孔26の位置における膜材料の温度Tnを初期目標温度Tt0に近づけることが困難になる場合がある。塗布対象画素の比率PRが上限閾値を超えた場合に、冷却装置14の冷却能力を高める制御を行うことにより、この困難さが低減される。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 基台
11 移動機構
12 エンクロージャ
13 ステージ
14 冷却装置
15 対象物
16 排気ポンプ
17 フィルタ
18 制御装置
19 単位走査領域
20 ノズルヘッド
21 温度センサ
22 収容室
23 硬化用光源
24 ブラケット
25 ノズル面
26 ノズル孔
27 導入管
28 回収管
29 アクチュエータ
30 支持プレート
31 遮蔽板
32 仕切板
33 加温空間
34 冷却空間
35 排気ポンプ
36 流入口
37 開口
40 供給系
41 メインタンク
42 加温装置
43 供給路
44 送出ポンプ
45 分岐部
46 加温装置
47 ガス導入弁
53 回収路
54 回収ポンプ
55 合流部
57 補充タンク
58 補充ポンプ
60 画像データ
61 画素
63 目標温度決定ブロック
64 制御ブロック
Tt0 初期目標温度
Tt1 目標温度
Tm 測定温度
Tn ノズル孔の位置における温度
PR 塗布対象画素の比率

Claims (10)

  1. 対象物を保持するステージと、
    膜材料を液滴化して、前記対象物に向けて吐出する複数のノズル孔を含むノズルヘッドと、
    前記対象物と前記ノズルヘッドとの一方を他方に対して移動させる移動機構と、
    前記ノズルヘッドに前記膜材料を供給する供給系と、
    前記供給系を通して前記ノズルヘッドに供給される前記膜材料を加温する加温装置と、
    前記ノズルヘッドの温度を測定する温度センサと、
    前記対象物に形成すべき膜の形状を定義する画像データを記憶するとともに、前記画像データに基づいて前記ノズルヘッド及び前記移動機構を制御することにより前記対象物に、前記画像データによって定義される形状の前記膜を形成する制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、前記画像データ及び前記温度センサによる測定温度に基づいて、前記加温装置を制御する膜形成装置。
  2. 前記制御装置は、前記温度センサによる測定温度が目標温度に近づくように前記加温装置を制御する請求項1に記載の膜形成装置。
  3. 前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記目標温度を決定する請求項2に記載の膜形成装置。
  4. 前記画像データは、ビットマップ形式を有し、前記制御装置は、前記膜材料を塗布すべき画素の比率に基づいて、前記目標温度を決定する請求項3に記載の膜形成装置。
  5. さらに、前記ノズルヘッドを冷却する冷却能力可変の冷却装置を有し、
    前記制御装置が前記冷却装置の冷却能力を制御する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の膜形成装置。
  6. 前記制御装置は、前記画像データに基づいて、前記冷却装置の冷却能力を制御する請求項5に記載の膜形成装置。
  7. 複数のノズル孔を含むノズルヘッドに供給される膜材料を、加温装置で加温する工程と、
    前記ノズルヘッドに対向するように対象物を配置し、前記ノズルヘッド及び前記対象物の一方を他方に対して移動させながら、画像データに基づいて前記ノズル孔から前記膜材料を液滴化して吐出させることにより、前記対象物に前記画像データで定義される形状の膜を形成する工程と、
    前記ノズルヘッドの測定温度、及び前記画像データに基づいて、前記加温装置を制御する工程と
    を有する膜形成方法。
  8. 前記膜材料の加温を制御する工程において、前記画像データに基づいて目標温度を決定し、前記ノズルヘッドの測定温度が、前記目標温度に近づくように、前記加温装置を制御する請求項7に記載の膜形成方法。
  9. 前記画像データはビットマップ形式を有し、前記膜材料を塗布すべき画素の比率に基づいて前記目標温度を修正する請求項8に記載の膜形成方法。
  10. さらに、前記画像データに基づいて、前記ノズルヘッドの冷却量を制御する工程を含む
    請求項7乃至9のいずれか1項に記載の膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017176988A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 Aiメカテック株式会社 塗布装置および塗布方法
JP2021041405A (ja) * 2016-03-30 2021-03-18 Aiメカテック株式会社 塗布装置

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