JP2016010518A - パンツ型の着用物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエスト開口を拡げやすく、引き上げ操作が容易なパンツ型の着用物品の提供。
【解決手段】パンツ型の着用物品(10)の第1ウエスト域(12)には、横方向(X)へ伸長状態で収縮可能に配置された複数条のウエスト弾性体(34)が互いに縦方向(Y)において所与寸法離間して配置されており、前記第1ウエスト域は、肌対向面側において他の領域に比して静摩擦係数の高い高摩擦部(20)を有し、前記高摩擦部は、前記縦方向において隣接する前記ウエスト弾性体間の離間部分に配置され、かつ、前記ウエスト弾性体と平面視において重なっていない。
【選択図】図2

Description

本発明は、パンツ型の着用物品に関する。
従来、着用物品の内面側に他の領域よりも摩擦係数の高い高摩擦部を備えるパンツ型の着用物品は公知である。例えば、特許文献1には、ウエスト開口と一対のレッグ開口とを含むパンツ型の着用物品が開示されており、着用物品のウエスト開口縁部には、複数条のウエスト弾性体が取り付けられ、着用物品の内面側には、高摩擦部材が取り付けられた、
他の領域に比して摩擦係数の高い高摩擦部が配置されている。
特開2006−130140号公報
特許文献1に開示された着用物品では、ウエスト弾性体と高摩擦部とが重なって配置されており、ウエスト弾性体によって高摩擦部が着用者の肌に押し当てられることによって、着用時における着用物品のずり下がりを防止している。
かかる着用物品において、例えば、高齢者等の比較的に握力の弱い着用者の場合には、
着用するときに、ウエスト開口から着用物品の内側へ両手を挿入し、手の甲を用いてウエスト開口を拡げて脚をレッグ開口に通し、かかる状態を維持したまま着用物品をウエストまで引き上げて装着することがある。かかる着用動作において、高摩擦部によって着用物品の内面を手の動きに追従させて安定的に引き上げることができる一方、ウエスト弾性体の収縮力によって高摩擦部が手の甲に押し当てられた状態において、該収縮力に抗してウエスト開口を拡げる必要があるため、ウエスト開口を所要の大きさに拡げ難いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、従来の技術の改良であって、ウエスト開口を拡げやすく、着用時における引き上げ操作が容易なパンツ型の着用物品の提供にある。
上記課題を達成するために、本発明が対象とするのは、縦方向及び横方向と、肌対向面及びその反対側に位置する非肌対向面と、前ウエスト域及び後ウエスト域のうちの一方のである第1ウエスト域と、前記前ウエスト域及び前記後ウエスト域のうちの他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを有するシャーシを備え、前記第1及び第2ウエスト域の両側縁部を連結して画成されるウエスト開口及び一対のレッグ開口を有するパンツ型の着用物品である。
本発明は、上記着用物品において、前記第1ウエスト域には、前記横方向へ伸長状態で収縮可能に配置された複数条のウエスト弾性体が互いに前記縦方向において所与寸法離間して配置されており、前記第1ウエスト域は、前記肌対向面側において他の領域に比して静摩擦係数の高い高摩擦部を有し、前記高摩擦部は、前記縦方向において隣接する前記ウエスト弾性体間の離間部分に配置され、かつ、前記ウエスト弾性体と平面視において重なっていないことを特徴とする。
本発明に係るパンツ型の着用物品によれば、第1ウエスト域は、肌対向面側において他の領域と比して摩擦係数が高い高摩擦部を有し、高摩擦部は、隣接するウエスト弾性体の間の離間部分に配置され、かつ、ウエスト弾性体と平面視において重なっていないため、高摩擦部にウエスト弾性体の収縮力が直接的に作用せず、手の甲を用いてウエスト開口を拡げる際、ウエスト弾性体の収縮力によって高摩擦部が手の甲に押し当てられることがなく、ウエスト開口を拡げやすい。また、ウエスト開口を拡げた状態では、隣接するウエスト弾性体の間に形成された高摩擦部が手の甲に接触して、着用物品が手の甲からずれ落ちることを防止できるため、着用物品の引き上げ操作が容易である。
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本発明に係るパンツ型の着用物品の一例として示すパンツ型の使い捨ておむつの斜視図。 各弾性体の最大伸長時(弾性材料の収縮作用によるギャザーがなくなる程度)まで縦方向及び横方向に伸展したおむつの一部破断展開平面図。 おむつの一部破断分解斜視図。 前ウエスト域の平面図。 後ウエスト域の平面図。 おむつのウエスト開口を手の甲を用いて開いた状態を示す説明図。 図1のVII−VII線に沿う模式的断面図。 (a)図6のVIII−VIII線に沿う模式的断面図。(b)おむつの着用時における着用者の身体と高摩擦部の位置関係を示す説明図。 (a)おむつの着用時における着用者の身体と高摩擦部の位置関係を示す説明図。(b)おむつの着用時における着用者の身体と高摩擦部の位置関係を示す説明図。 おむつの他の実施形態を示す図4と同様の平面図。 おむつの他の実施形態を示す図5と同様の平面図。 おむつの変形例を示す展開平面図。
<第1実施形態>
図1〜3を参照すると、本発明の第1実施形態に係るパンツ型の着用物品の一例である使い捨ておむつ10は、その幅寸法を二等分する縦中心線P及びその長さ寸法を二等分する横中心線Qと、縦中心線Pに沿う縦方向Y及び横中心線Qに沿う横方向Xとを有し、肌対向面及びその反対側に位置する非肌対向面とを有するシャーシ11を含む。図2において、後述する各弾性体は、横方向X及び縦方向Yへの収縮力によって各弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが、自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態にある。
<シャーシ>
シャーシ11は、縦中心線Pに関して対称に形成されており、前ウエスト域12と、後ウエスト域13と、前後ウエスト域12,13の間に位置するクロッチ域14とを有する。また、シャーシ11は、前後ウエスト域12,13を画成してウエスト周り方向へ延びる環状の弾性ウエストパネル15と、クロッチ域14から前後ウエスト域12,13へ延び、弾性ウエストパネル15の肌対向面側に取り付けられた吸液性パネル16とを含み、弾性ウエストパネル15の肌対向面側には、横方向Xへ延びる高摩擦部20が形成されている。
<弾性ウエストパネル>
図2を参照すると、弾性ウエストパネル15は、前ウエスト域12に位置する前ウエストパネル18と、後ウエスト域13に位置する後ウエストパネル19とを含む。前後ウエストパネル18,19は、吸液性パネル16の前後端部16A,16Bとそれぞれ交差し、横方向Xへ延びる中間内端縁18a,19aと、縦方向Yにおいて中間内端縁18a,19aと離間対向して横方向Xへ延びる外端縁18b,19bと、外端縁18b,19bから縦方向Yへ延びる両外側縁18c,19cと、両外側縁18c,19cと中間内端縁18a,19aとをつなぐ凹曲状の両内側縁18d,19dとによって、略台形状に形成される。前後ウエストパネル18,19は、それぞれ、横方向Xにおいて吸液性パネル16が配置される中央部22A,23Aと、吸液性パネル16の横方向X外側に位置する両側部22B,23Bとを有する。前ウエストパネル18の両外側縁18cと後ウエストパネル19の両外側縁19cとは、互いに重ね合わされて、縦方向Yへ断続的に延びるシーム部24によって連結されることによってウエスト開口25及び一対のレッグ開口26が画定される。シーム部24では、熱又は超音波によるエンボス加工によって互いに重なり合うシートが融着される。本実施形態において、前後ウエスト域12,13は、シーム部24によってその両側縁部が連結されるものである。
図3を参照すると、前後ウエストパネル18,19は、肌対向面側に位置する内層シート30,31と、非肌対向面側に位置する外層シート32,33と、横方向Xへ延びる複数条のストリング状又はストランド状の弾性材料から形成されており、内外層シート30,31,32,33の間においてホットメルト接着剤を介して伸長状態で収縮可能に取り付けられた前後ウエスト弾性体(ウエスト弾性体)34,35とを有し、後ウエストパネル19は、更に、臀部弾性体36を有する。臀部弾性体36は、後ウエスト域13の両側縁部からレッグ開口縁部に沿ってクロッチ域15まで延びる複数条のストリング状又はストランド状の弾性材料から形成され、内外層シート30,31,32,33の間においてホットメルト接着剤を介して伸長状態で収縮可能に取り付けられる。
図4を参照すると、前ウエストパネル18には、前ウエスト弾性体34が配設された、ウエスト開口縁側であって吸液性パネル16の縦方向Y外側に位置して横方向Xへ連続して延びる第1前ウエスト弾性域38Aと、前ウエスト域12のクロッチ域14側において、横方向Xにおいて互いに離間対向して位置する一対の弾性域からなる、前ウエスト弾性体34が配設された第2前ウエスト弾性域38Bとを有する。より具体的には、前ウエスト域12は、吸液性パネル16の前端縁17aよりも縦方向Yの外側に位置する第1前ウエスト弾性域38Aと、該前端縁17aよりも縦方向Yの内側に位置する第2前ウエスト弾性域38Bとに区分される。
第1前ウエスト弾性域38Aを形成する前ウエスト弾性体34間(具体的には、第1前ウエスト弾性域38Aにおいて、最もクロッチ域14側に位置する前ウエスト弾性体34bとそれに隣接する(隣り合う)前ウエスト弾性体34aとの間)に位置する離間部分(すなわち、弾性材料である前ウエスト弾性体34の非配置領域)には、平面視において前ウエスト弾性体34と重ならないように、前高摩擦部28(高摩擦部20)が配置される。
図5を参照すると、後ウエストパネル19は、後ウエスト弾性体35が配設された、ウエスト開口縁側であって吸液性パネル16の縦方向Y外側に位置して横方向Xへ連続して延びる第1後ウエスト弾性域39Aと、後ウエスト域13のクロッチ域14側において横方向Xにおいて互いに離間対向して位置する一対の弾性域からなる、後ウエスト弾性体35が配設された第2後ウエスト弾性域39Bと、臀部弾性体36が配置された臀部弾性域39Cとを有する。より具体的には、後ウエスト域13は、吸液性パネル16の後端縁17bよりも縦方向Yの外側に位置する第1後ウエスト弾性域39Aと、該後端縁17bよりも縦方向Yの内側に位置する第2後ウエスト弾性域39Bとに区分される。
臀部弾性域39Cは、後ウエスト域13からクロッチ域14に亘って形成され、臀部弾性域39Cの一部は、第2後ウエスト弾性域39Bと平面視において重なっている。第1後ウエスト弾性域39Aを形成する後ウエスト弾性体35間(具体的には、第1後ウエスト弾性域39Aにおいて、最もクロッチ域14側に位置する後ウエスト弾性体35bとそれに隣接する(隣り合う)後ウエスト弾性体35aとの間)に位置する離間部分(すなわち、弾性材料である後ウエスト弾性体35の非配置領域)には、平面視において後ウエスト弾性体35と重ならないように、後高摩擦部29(高摩擦部20)が配置される。
前ウエスト域12において、第2前ウエスト弾性域38Bに配置される前ウエスト弾性体34は、横方向Xにおいて吸液性パネル16と重なり、平面視において吸液性パネル16と重なる部位には、前ウエスト弾性体34の収縮力が実質的に作用しない非弾性域が形成される。また、後ウエスト域13において、第2後ウエスト弾性域39Bに配置される後ウエスト弾性体35は、横方向Xにおいて吸液性パネル16と重なり、平面視において吸液性パネル16と重なる部位には、後ウエスト弾性体35の収縮力が実質的に作用しない非弾性域が形成される。臀部弾性域39Cにおいて、複数条の臀部弾性体36と吸液性パネル16とが平面視において重なる部位には、臀部弾性体36の収縮力が作用しない非弾性域が形成される。
前後ウエスト域12,13及びクロッチ域14に位置する各非弾性域は、その両側に位置する弾性域を構成する弾性体34,35,36が切断又は除去されていることの他に、その収縮力が実質的に発現しないような態様で一部が配置されている場合を含む。このように、各弾性体34,35,36が吸液性パネル16の中央部と重ならないように配置されていることによって、それらの収縮力によって吸液性パネル16の吸液性能を低下させるようなギャザーや変形が生じるのを抑制することができる。また、非弾性域の横方向Xの両外側において、前後ウエスト弾性体34,35及び臀部弾性体36の一部は平面視において吸液性パネル16と重なっており、該弾性体34,35,36の収縮作用によって吸液性パネル16の中央部を横方向Xに拡げることができる。
前後ウエストパネル18,19を構成する各種のシート、すなわち、内外層シート30,31,32,33は、例えば、質量約15〜30g/mの疎水性のスパンボンド不織布、SMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維布、プラスチックフィルム又はそれら不織布の少なくとも一つとのラミネートシート等から形成することができる。互いに積層されたシートは、少なくともいずれか一方の内面に間欠的に塗布されたホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合される。前後ウエストパネル18,19は、通気性を有することが好ましい。
前後ウエスト弾性体34,35及び臀部弾性体36は、繊度が約350〜1250dtexであって、収縮又は弛緩された状態から約1.8〜3.5倍に伸長されたストリング状又はストランド状の弾性材料から形成することができる。但し、各弾性体の繊度や伸長倍率は所要の収縮力や伸長応力に応じて適宜変更することができる。前後ウエスト域12,13に前後ウエスト弾性体34,35が配置されることによって、その外面には複数のギャザー51が形成され、全体としてギャザーリングされている。本実施形態において、前後ウエスト弾性体34a,35aは、繊度及び伸長倍率が等しい同一の弾性材料から形成されており、前後ウエスト弾性体34b,35bは、繊度及び伸長倍率が等しい同一の弾性材料から形成されている。
<吸液性パネル>
図2を参照すると、吸液性パネル16は、縦長の略矩形状であって、前ウエストパネル18の肌対向面と連結された前端部16Aと、後ウエストパネル19の肌対向面と連結された後端部16Bと、前後端部16A,16B間において縦方向Yへ延び、クロッチ域14の一部を形成する中間部16Cとを有する。
図3を参照すると、吸液性パネル16は、透液性の身体側ライナ40と、それに身体側が被覆された吸収体41と、吸収体41の非肌対向面側に位置する疎水性の被覆シート42とを含む。身体側ライナ40は、例えば、質量約15〜25g/mの親水化処理されたスパンボンド繊維不織布、SMS繊維不織布等から形成することができる。吸収体41は、フラッフ木材パルプや超吸収性ポリマー粒子等の吸収性・離散材料から形成された吸液性コアと、吸液性コアの全体を包被する質量約10〜20g/mのティッシュペーパ等から形成された透液性のコアラップシートとを有する。被覆シート42は、質量約10〜20g/mの疎水性のSMS繊維不織布やスパンボンド不織布等から形成される。被覆シート42と吸収体41との間には、質量約10〜25g/mの通気性を有するプラスチックフィルムから形成された防漏シート43が配置される。
被覆シート42の両側部47は、内方へ向かって折り曲げられて、その前端部及び後端部が接合部を介して、被覆シートの両側部47間に位置する中央部及び/又は身体側ライナ40に固定されている。両側部47には、縦方向Yへ延びる、繊度が約400〜800dtexであって、収縮又は弛緩された状態から約2.0〜3.0倍に伸長された複数条のストリング状又はストランド状の弾性材料から形成されたカフ弾性体46が配置される。おむつ10の着用状態において、両側部47は、カフ弾性体46の収縮作用によって着用者の身体側へ起立するバリアカフを形成する。
<高摩擦部>
図4及び図5を参照すると、既述の通り、前後ウエストパネル18,19の肌対向面側であって、縦方向Yにおいて隣接する前ウエスト弾性体34a,34b間及び縦方向Yにおいて隣接する後ウエスト弾性体35a,35b間に位置する前後ウエスト弾性体34,35の非配置領域には、平面視において前後ウエスト弾性体34,35と重ならないように、前後高摩擦部28,29(高摩擦部20)が配置される。前後高摩擦部28,29は、それぞれ、前後ウエスト域12,13の両外側縁18c,19c間において、横方向Xに連続して延びる一条の帯状を有する。
高摩擦部20は、各種公知のシート材料、例えば、ポリウレタンエラストマやポリプロピレンエラストマ等のオレフィン系エラストマ等、エラストマ材料からなる高摩擦部材を用いることができる。高摩擦部材の厚さは、約0.05〜1.0mmであることが好ましい。高摩擦部材は、前後ウエストパネル18,19の内面に、ホットメルト接着剤を介して取り付けられる。高摩擦部材を固定するためのホットメルト接着剤は、その内面全体に各種公知の塗布パターンで塗布されているものであって、柔軟性を確保するために、間欠的に塗布されていることが好ましい。また、高摩擦部材の内側縁及び外側縁(高摩擦部20の内側縁20a及び外側縁20b)は、前後ウエスト弾性体34,35の収縮力が作用しないように、前後ウエストパネル18,19に固定されていなくてもよい。また、高摩擦部20はシャーシ11の肌対向面、すなわち内層シート30,31の肌対向面に塗布したホットメルト接着剤によって形成することもできる。
本実施形態ではシーム部24において前高摩擦部28と後高摩擦部29とが連結されている。前後高摩擦部28,29は、シーム部24の近傍において互いに分離していてもよいが、それらが連結されて高摩擦部20がウエスト周りに沿って環状に形成されることで、図6に示すように着用者が手の甲を用いてウエスト開口25を拡げる際に、手の甲を確実に高摩擦部20に接触させることができる。また、このように、ウエスト周りに一連に延びる場合には、前高摩擦部28と後高摩擦部29とを単一の高摩擦部材から形成してもよい。
高摩擦部20の摩擦係数は、シャーシ11の肌対向面側における他の領域(高摩擦部20の非存在領域)と比較して高くなっている。具体的には、高摩擦部20の肌対向面側における静摩擦係数(μs)が0.35〜1.00に設定される。静摩擦係数が0.35未満の場合、おむつ10を引き上げる際、着用者の手の動きに対して十分に追従できず、おむつ10が手の甲からずり下がるおそれがある。また、静摩擦係数が1.00を超える場合、おむつ10を装着した状態において、着用者の肌が高摩擦部20に接触したときに違和感を与えるおそれがある。
図7は、図1のVI−VI線に沿う模式的断面図である。図8(a)は、図6のVIII−VIII線に沿う模式的断面図であって、おむつ10の着用操作時における高摩擦部20と着用者の手の甲52との位置関係を示す説明図である。図8(b)は、おむつ10の着用時における高摩擦部20と着用者の身体である腰部53との位置関係を示す説明図であり、具体的には、図6のVIII−VIII線断面に沿う位置における高摩擦部20と腰部53との位置関係を示している。
図7を参照すると、おむつ10の各弾性材料が収縮又は弛緩された状態において、高摩擦部20にはギャザー50(図1参照)が形成され、高摩擦部20の一部が隣接する前ウエスト弾性体34a,34bに対しておむつ10の外側に僅かに突出した状態にある。図7の仮想線で示すように、手の甲52によっておむつ10の開口を拡げる前の状態では、外側に突出した高摩擦部20が手の甲と接触していない。
図8(a)を参照すると、着用操作において、着用者が矢印Fの方向へ手を動かし、手の甲52を用いてウエスト開口25を押し拡げた状態では、隣接する前ウエスト弾性体34a,34bの伸長に伴って高摩擦部20のギャザー50が徐々に消失していくとともに、高摩擦部20において外側に突出した部分が手の甲52に接触するようになり、そのため、高摩擦部20の手の甲52に対する接触面積が大きくなる。図8(b)を参照すると、おむつ10の着用状態では、着用操作時に比して前ウエスト弾性体34が弛緩した状態にあり、高摩擦部20の一部が着用者の腰部53に接触しているが、前ウエスト弾性体34によって腰部53に押し当てられることがないため接触面積は比較的小さくなる。
このように、高摩擦部20が前ウエスト弾性体34と重ならないように前ウエスト弾性体34a,34bの離間部分に配置されていることにより、手の甲52を用いてウエスト開口25を押し拡げるときに、前ウエスト弾性体34の収縮力によって高摩擦部20が手の甲52に押し当てられることがなく、ウエスト開口25を拡げやすい。また、ウエスト開口25を拡げた状態では、高摩擦部20が手の甲52に接触して、おむつ10がずれ落ちることを防止でき、引き上げ操作が容易である。特に、ウエスト開口25が拡がってギャザー50が引き伸ばされた状態では、高摩擦部20の手の甲52に対する接触面積が大きくなり、ずり下がりを防止する効果が一層高くなる。かかる効果を奏するために、高摩擦部20が弾性素材を含む場合には、隣接する前ウエスト弾性体34よりも低い伸長倍率で伸長された状態又は非伸長状態(弛緩状態)で取り付けられることが好ましい。なお、おむつ10の脱衣操作においても同様に、高摩擦部20によっておむつ10が手の甲52からずれ落ちることを防止することができる。
図8(b)を参照すると、おむつ10の着用状態では、高摩擦部20にギャザー50が形成されており、高摩擦部20が比較的に広い面積で肌に接触することがないため、着用者に違和感を与えることを抑制することができる。高摩擦部がウエスト弾性体と重なって配置されているおむつでは、おむつの着用状態において、高摩擦部がウエスト弾性体によって着用者の肌に押し当てられ、着用者が違和感を覚えやすくなるが、本実施形態のおむつ10では、高摩擦部20がウエスト弾性体34,35と重なっていないため、着用状態における違和感を低減できる。また、高摩擦部20にギャザー50が形成されることで、高摩擦部20が非通気性の素材で形成されている場合であっても着用時における通気性を向上することができる。なお、図7,8では、前ウエスト域12側における高摩擦部20と着用者の身体との位置関係を示しているが、後ウエスト域13側においても同様の作用・効果を奏する。
このような高摩擦部20は、図2に示す各弾性体の最大伸長時の状態において、ウエスト開口縁から所与寸法離間して配置されていることが好ましく、ウエスト開口縁からの離間寸法R1は、約30mm以上であることが好ましい。また、高摩擦部20は、レッグ開口縁から所与寸法離間して配置されることが好ましく、レッグ開口縁からの離間寸法(すなわち、レッグ開口縁と、レッグ開口縁に最も近接する高摩擦部20との離間距離)R2は、約30mm以上であることが好ましい。ウエスト開口縁から30mm未満の範囲内に高摩擦部20が配置されている場合、前ウエスト弾性体34の伸長力が低減されてウエスト開口25を拡げるために大きな力が必要となり、握力が弱い着用者にとっておむつ10の着脱操作が困難になる。また、高摩擦部20をウエスト開口縁から所与寸法離間して配置することによって、両手でウエスト開口部を掴んで引っ張り上げるときに、指先が高摩擦部20に接触し、滑り止めとして機能しうる。レッグ開口縁から30mm未満の範囲内に高摩擦部20が配置されている場合、着脱操作の際に高摩擦部20が着用者の脚に触れやすくなるため、違和感を与えたり、体毛を巻き込んで不快感を与えたりするおそれがある。
高摩擦部20が配置されている前後ウエスト弾性体34,35の離間部分の縦方向Yにおける寸法R3は、約10mm以上であることが好ましく、本実施形態では約25mmである。寸法R3を10mm以上とすることで、離間部分にギャザー50が形成されやすくなって、着用状態において肌に違和感を与えることを低減することができる。寸法R3は、第1及び第2前後ウエスト弾性域38A,38B,39A,39Bにおいて縦方向Yに並ぶ複数の離間部分のうち、高摩擦部20が配置されない離間部分の縦方向Yにおける寸法よりも大きいことが好ましい。手の甲からのずれ落ちを効果的に防止するために、高摩擦部20の縦方向Yの寸法W2は、約5.0mm以上であることが好ましく、本実施形態では約15mmである。また、高摩擦部20と、それに隣接するウエスト弾性体、すなわち前後ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bとの離間寸法R4は、約1.0mm以上であることが好ましく、約3.0mm以上であることがより好ましい。本実施形態において離間寸法R4は約4.0mmである。離間寸法R4を0.5mm以上とすることで、高摩擦部20が前後ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bの影響を受けにくくなり、ウエスト開口25をより拡げやすくすることができるとともに、ギャザー50が形成された状態において、高摩擦部20の一部がおむつ10の外側に突出した状態になりやすい。
縦方向Yにおいて高摩擦部20に隣接する前後ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bのうち、ウエスト開口25側に位置する前ウエスト弾性体34aの伸長応力は、クロッチ域14側に位置する前ウエスト弾性体34bの伸長応力よりも低いことが好ましく、ウエスト開口25側に位置する後ウエスト弾性体35aの伸長応力は、クロッチ域14側に位置する後ウエスト弾性体35bの伸長応力よりも低いことが好ましい。本実施形態では、前後ウエスト弾性体34a,35aの伸長応力が0.6Nであり、前後ウエスト弾性体34b,35bの伸長応力が0.8Nである。
かかるおむつ10では、クロッチ域14側の前後ウエスト弾性体34b,35bに比してウエスト開口25側の前後ウエスト弾性体34a,35a伸長応力が低いため、ウエスト開口25をより拡げやすくすることができる。更に、おむつ10の着用状態において、クロッチ域14側の前後ウエスト弾性体34b,35bよりもウエスト開口25側の前後ウエスト弾性体34a,35aの伸長応力が高い場合には、前後ウエスト弾性体34a,35aに比して前後ウエスト弾性体34b,35bの方が、着用者の動作によってずり下がりやすくなり(図9(a)参照)、高摩擦部20が着用者の肌に触れやすくなるが、ウエスト開口25側の前後ウエスト弾性体34a,35aよりもクロッチ域14側のウエスト弾性体34b,35bの伸長応力の方が高い場合には、前後ウエスト弾性体34b,35bに比して前後ウエスト弾性体34a,35aの方が、着用者の動作によってずり下がりやすくなって(図9(b)参照)、高摩擦部20を着用者の肌に触れ難くすることができ、肌に違和感を与えることを抑制することができる。
高摩擦部20は、透明、半透明又はシャーシ11と同一色に形成することができる。このような配色にすることで、高摩擦部20の存在が視認され難くなって下着のような外観を呈することができる。また、高摩擦部20をシャーシ11と異なる色に着色して、おむつの外面側から視認可能にすることもできる。高摩擦部20を着色することで、着脱操作において高摩擦部20の位置がおむつ10の外面側から確認しやすくなり、容易に手の甲に接触させることができる。また、高摩擦部20は、肌との接触面積を調整するために、複数のスリットが設けられていてもよい。高摩擦部20に設けられるスリットは、縦方向Yに延びることが好ましい。かかる場合には、高摩擦部20を形成する高摩擦部材を弾性材料から形成し、かつ、通気性を有するシート部材から弾性ウエストパネル15を形成することによって、着用状態において高摩擦部20がウエスト周り方向へ伸長されてスリットが大きくなり、内部の空気を外部に排出して蒸れを抑制するための通気孔としても機能しうる。
<静摩擦係数の測定方法>
静摩擦係数の測定器として新東科学 株式会社製 HEIDON トライポギア
ミューズ TYPE94iを使用した。試片として、弾性材料によるギャザーがなくなる程度にまで伸長した状態において、縦方向Yの寸法が50mm、横方向Xの寸法が50mmの正方形ものを高摩擦部20の存在領域と非存在領域のそれぞれについて用意し、該伸長した状態における肌対向面の縦方向Yについての静摩擦係数を求めた。
<伸長応力の測定方法>
高摩擦部20に隣接する前後ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bの伸長応力は、引張試験機(インストロン社製)を用いて引張スピード300mm/minの条件下において測定する。まず、前後ウエスト域12,13において、所定幅(具体的には、各ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bの縦方向Yの両側の外方において、約2mm幅を有するもの。)を有する各ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bが配設された伸縮域をそれぞれ切り取り(ただし、高摩擦部20及び吸液性パネル16は取り除く)、試験片とする。試験片を引張試験機のチャック間(初期のチャック間距離は100mmとする)に収縮した状態で固定し、ウエスト弾性体の最大伸長時(ウエスト弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態)における長さ寸法を測定し、これを最大寸法(100%)とする。その後、温度20℃、湿度60%の条件下で、試験片をウエスト弾性体が弛緩した状態で48時間放置する。48時間経過した後、試験片を最大寸法の85%の寸法まで伸長させ、その後、最大寸法の75%の寸法まで戻し、この時点における応力を測定し、この測定値を各ウエスト弾性体34a,34b,35a,35bの伸長応力とした。
<第2実施形態>
図10及び図11は、本願の第2実施形態に係る図4及び図5と同様の平面図である。本実施形態に係るおむつ10は、第1実施形態に係るそれと基本的構成が同一であるので、相違する点についてのみ以下に説明する。
本実施形態における高摩擦部20は、前ウエストパネル18の両側部22Bに位置する第1前高摩擦部61a,61b及び第2前高摩擦部62a,62bと、後ウエストパネル19の両側部23Bに位置する第1後高摩擦部63a,63b及び第2後高摩擦部64a,64bとを含む。
第1及び第2前高摩擦部61a,61b,62a,62bは、それぞれ、第1及び第2前ウエスト弾性域38A,38Bに配置された前ウエスト弾性体34の間の離間部分65,66に横方向Xに延びて前ウエスト弾性体34と重ならないように配置されており、第1前高摩擦部61a,61bは、第2前高摩擦部62a,62bよりもウエスト開口25側に位置する。第1及び第2後高摩擦部63a,63b,64a,64bは、それぞれ、第1及び第2後ウエスト弾性域39A,39Bに配置された後ウエスト弾性体35の間の離間部分67,68に横方向Xに延びて後ウエスト弾性体35と重ならないように配置されており、第1後高摩擦部63a,63bは、第2後高摩擦部64a,64bよりもウエスト開口25側に位置する。第1前高摩擦部61a,61bと第1後高摩擦部63a,63bとはシーム部24において互いに連結され、第2前高摩擦部62a,62bと第2後高摩擦部64a,64bとはシーム部24において互いに連結される。なお、第2前後高摩擦部62a,62b,64a,64bは平面視において臀部弾性体36と重なっていない。
高摩擦部20は、ウエスト開口縁及びレッグ開口縁から所与寸法離間して配置されていることが好ましく、ウエスト開口縁と高摩擦部20の離間寸法R1(すなわち、ウエスト開口縁からウエスト開口縁に最も近接する第1前後高摩擦部61a,61b,63a,63bまでの離間寸法R1)が約30mm以上、レッグ開口縁と高摩擦部20の離間寸法R2(すなわち、レッグ開口縁からレッグ開口縁に最も近接する第2前後高摩擦部62a,62b,64a,64bまでの離間寸法R2)が約30mm以上であることが好ましい。また、高摩擦部20が配置されている前後ウエスト弾性体34,35の離間部分65,66,67,68の縦方向Yにおける寸法R3は、それぞれ約10mm以上であることが好ましい。各高摩擦部61a−64bの縦方向Yの寸法は約5.0mm以上であって、隣接する前後ウエスト弾性体34,35から約1.0mm以上離間していることが好ましい。
第2実施形態のおむつ10では、前後ウエスト弾性体34,35の離間部分65−68に前後ウエスト弾性体34,35と重ならないように高摩擦部20が配置されているため、第1実施形態と同様の技術的効果を奏することができる。更に、高摩擦部20が吸液性パネル16の横方向Xの外側に位置する前後ウエストパネル18,19の両側部22B,23Bに配置されているため、高摩擦部20が手の甲に当たりやすく、中央部22A,23Aに高摩擦部20を配置しないことで着用状態における高摩擦部20の肌への接触を低減し、着用感を良好にすることができる。特に、中央部22Aには着用者の腹部が接触するため、高摩擦部20が配置されている場合には違和感を与えやすいが、本実施形態では高摩擦部20が配置されていないため、良好な着用感を得ることができる。また、平面視において吸液性パネル16と重なる領域、特に吸収体41と重なる領域に、高摩擦部20が配置されていると、高摩擦部20によって吸収体41への体液の吸収が抑制されるが、吸液性パネル16と重なっていないことで、かかる事態を防止することができる。なお、第1前後高摩擦部61a,61b,63a,63b及び第2前後高摩擦部62a,62b,64a,64bは、シーム部24において連結されることなく、互いに分離する構成であってもよい。本実施形態のように第1及び第2前後高摩擦部61a−64bがシーム部24において互いに連結されることで、両側部22B,23Bにおいて高摩擦部20がウエスト周り方向へ一連に延びて、より手の甲に接触させやすくすることができる。
本実施形態では、第1前後ウエスト弾性域38A,39Aと第2前後ウエスト弾性域38B,39Bに高摩擦部20が形成されているが、高摩擦部20は前後ウエスト域12,13において、中央部22A,23Aを除く領域に配置されていればよく、例えば、両側部22B,23Bにおいて、第1前後ウエスト弾性域38A,39A又は第2前後ウエスト弾性域38B,39Bのみに高摩擦部20が配置される構成や、第1前後ウエスト弾性域38A,39Aと第2前後ウエスト弾性域38B,39Bとの境界に位置する各ウエスト弾性体34,35の離間部分70,71に高摩擦部20が配置される構成であってもよい。また、本実施形態では、前後ウエスト域12,13のそれぞれにおいて、縦方向Yに並ぶ二つ離間部分65,66,67,68にそれぞれ高摩擦部20が形成されているが、高摩擦部20は一以上の離間部分に形成されていればよく、例えば、第1前後高摩擦部61a,61b,63a,63bのみの構成や、第2前後高摩擦部62,64よりもクロッチ域14側に位置する離間部分に更に第3前高摩擦部及び第3後高摩擦部をそれぞれ形成する構成であってもよい。また、本実施形態では、前後ウエスト域12,13の両側部22B,23Bに高摩擦部61a−64bを形成しているが、少なくとも前後ウエスト域12,13のうちの一方のウエスト域において、一方の側部に高摩擦部20が配置されていればよい。
<変形例>
図12(a)〜(c)は、おむつ10の変形例を示す展開平面図であって、高摩擦部20の配置例を示す。図12(a)〜(c)に示すおむつ10において、高摩擦部20は、平面視において前後ウエスト弾性体34,35と重ならないように前後ウエスト弾性体34,35の間の離間部分(前後ウエスト弾性体34,35の非配置領域)に配置される。
図12(a)のおむつ10では、環状の高摩擦部20が縦方向Yに複数形成される。具体的には、高摩擦部20は、前ウエスト域12に位置する前高摩擦部81,82,83と、後ウエスト域13に位置する後高摩擦部84,85,86を含み、前高摩擦部81−83は、両外側縁18c間を横方向Xに連続して延びており、縦方向Yに複数並んで配置され、後高摩擦部84−86は、両外側縁19c間を横方向Xに連続して延びており、縦方向Yに複数並んで配置されている。前後ウエスト域12,13の両側縁部が互いに連結された状態において、前後高摩擦部81−86はシーム部24において互いに連結され、複数の環状の高摩擦部20が形成される。環状の高摩擦部20の一部は、平面視において吸液性パネル26と重なる。図12(a)のおむつ10では、吸液性パネル26と重なる部分において、高摩擦部20が吸液性パネル26の非肌対向面側に位置しているが、吸液性パネル26の肌対向面側に位置していてもよい。かかるおむつ10では、環状の高摩擦部20が前後ウエスト域12,13の広範囲に形成されているため、高摩擦部20を着用者の手の甲に当てることが容易であって、着用操作におけるずり下がり防止の効果を向上することができる。
図12(b)のおむつ10では、前後ウエスト域12,13において、横方向Xに不連続に延びる(断続的に配置された)高摩擦部20が縦方向Yに複数形成されている。具体的には、高摩擦部20は、前ウエスト域12に位置する前高摩擦部88と、後ウエスト域13に位置する後高摩擦部89とを含み、前高摩擦部88は、両外側縁18c間を横方向Xに不連続に延びて形成されるとともに縦方向Yに複数配置されており、後高摩擦部89は、両外側縁19c間を横方向Xに不連続に延びて形成されるとともに、縦方向Yに複数配置されている。かかるおむつ10では、環状の高摩擦部20を配置したものと比較して、高摩擦部20の部材コストを低減することができる。なお、図12(b)のおむつ10では、横方向Xに不連続に延びる高摩擦部20の列が縦方向Yに複数形成されているが、横方向Xに不連続に延びる高摩擦部20の列が縦方向Yに一つ以上形成されていればよく、前後ウエスト域12,13のうち、一方のウエスト域にのみ形成される構成であってもよい。また、図12(b)のおむつ10では、吸液性パネル26と重なる部分において、高摩擦部20が吸液性パネル26の非肌対向面側に位置しているが、吸液性パネル26の肌対向面側に位置していてもよい。
図12(c)のおむつ10では、環状の高摩擦部20と、横方向Xに不連続に形成される高摩擦部20とを含む。具体的には、高摩擦部20は、前ウエスト域12に位置する外側前高摩擦部91及び内側前高摩擦部92a,92bと、後ウエスト域13に位置する外側後高摩擦部93及び内側後高摩擦部94a,94bとを含む。外側前高摩擦部91は、第1前ウエスト弾性域38Aに位置し、両外側縁18c間を横方向Xに連続して延びており、内側前高摩擦部92a,92bは、第2前ウエスト弾性域38Bであって、吸液性パネル16の横方向Xの外側(両側部22B)に位置する。外側後高摩擦部93は、第1後ウエスト弾性域39Aに位置し、両外側縁19c間を横方向Xに連続して延びており、内側後高摩擦部93a,94bは、第2後ウエスト弾性域39Bであって、吸液性パネル16の横方向Xの外側(両側部23B)に位置する。
かかるおむつ10では、平面視において吸液性パネル16と重なる領域に高摩擦部20が配置されていないことで、吸液性パネル16を肌に密着させやすくすることができる。更に、前後ウエスト域12,13において、他の領域に比して剛性が高くなる吸液性パネル16の配置領域に高摩擦部20が配置されていないことで、おむつ10の柔軟性を保ち着用感を良好にすることができる。なお、環状の高摩擦部20(すなわち、外側前後高摩擦部91,93)は縦方向Yに一以上形成されていればよく、例えば、縦方向Yに複数形成されていてもよい。また、両側部22B,23Bに位置する高摩擦部20(すなわち、内側前後高摩擦部92a,92b,94a,94b)は、前後ウエスト域12,13において縦方向Yに一以上形成されていればよく、前後ウエスト域12,13のうち、一方のウエスト域にのみ形成される構成であってもよい。
図12(a)〜(c)のおむつ10では、前後ウエスト弾性体34,35の離間部分に前後ウエスト弾性体34,35と重ならないように高摩擦部20が配置されているため、第1実施形態と同様の技術的効果を奏することができる。
本発明に係るおむつ10を構成する各構成材料には、明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、前後ウエスト域12,13が別体のシート部材から構成されたものではなく、前後ウエスト域12,13とクロッチ域14とが一体に形成されていてもよい。具体的には、内外層シート30,31,32,33が、おむつ10の外形をなす略砂時計状の一枚のシート部材から形成されていてもよい。また、明細書及び特許請求の範囲において、「第1」「第2」及び「第3」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられる。なお、明細書において平面視とは、図2,4,5,10,11及び12に示す平面図で視た状態をいい、平面視において重なるとは、平面図で視た状態において厚さ方向に重なることをいう。
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
縦方向Y及び横方向Xと、肌対向面及びその反対側に位置する非肌対向面と、前ウエスト域12及び後ウエスト域13のうちの一方のである第1ウエスト域12と、前ウエスト域12及び後ウエスト域13のうちの他方である第2ウエスト域13と、第1及び第2ウエスト域12,13間に位置するクロッチ域14とを有するシャーシ11を備え、第1及び第2ウエスト域12,13の両側縁部を連結して画成されるウエスト開口25及び一対のレッグ開口26を有するおむつ1において、第1ウエスト域12には、横方向Xへ伸長状態で収縮可能に配置された複数条のウエスト弾性体34が互いに縦方向Yにおいて所与寸法離間して配置されており、第1ウエスト域12は、肌対向面側において他の領域に比して静摩擦係数の高い高摩擦部20を有し、高摩擦部20は、縦方向Yにおいて隣接するウエスト弾性体34間の離間部分に配置され、かつ、ウエスト弾性体34と平面視において重なっていないことを特徴とする。
上記段落0055に開示した本発明に係る使い捨て着用物品は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1)高摩擦部20は、ウエスト開口縁から所与寸法離間して形成される。
(2)高摩擦部20のウエスト開口縁からの離間寸法は、30mm以上である。
(3)高摩擦部20は、レッグ開口縁から30mm以上離間して形成される。
(4)高摩擦部20の静摩擦係数は、0.4〜1.2である。
(5)縦方向Yにおいて高摩擦部20に隣接するウエスト弾性体34a,34bのうち、ウエスト開口25側に位置するウエスト弾性体34aの伸長応力は、クロッチ域14側に位置するウエスト弾性体34bの伸長応力よりも低い。
(6)シャーシ11は、クロッチ域14から第1及び第2ウエスト域12,13へ延びる吸液性パネル16を含み、高摩擦部20は、少なくとも吸液性パネル16の横方向Xの外側に形成される。
(7)ウエスト弾性体34の離間部分の縦方向Yの寸法R3は、10mm以上である。
(8)縦方向Yにおいて高摩擦部20に隣接するウエスト弾性体34a,34bと、高摩擦部20とは、縦方向Yにおいて1.0mm以上離間している。
10 おむつ(パンツ型の着用物品)
11 前ウエスト域
12 後ウエスト域
13 クロッチ域
14 シャーシ
15 弾性ウエストパネル
16 吸液性パネル
20 高摩擦部
34 前ウエスト弾性体(ウエスト弾性体)
35 後ウエスト弾性体(ウエスト弾性体)
X 横方向
Y 縦方向

Claims (9)

  1. 縦方向及び横方向と、肌対向面及びその反対側に位置する非肌対向面と、前ウエスト域及び後ウエスト域のうちの一方のである第1ウエスト域と、前記前ウエスト域及び前記後ウエスト域のうちの他方である第2ウエスト域と、前記第1及び第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを有するシャーシを備え、前記第1及び第2ウエスト域の両側縁部を連結して画成されるウエスト開口及び一対のレッグ開口を有するパンツ型の着用物品において、
    前記第1ウエスト域には、前記横方向へ伸長状態で収縮可能に配置された複数条のウエスト弾性体が互いに前記縦方向において所与寸法離間して配置されており、
    前記第1ウエスト域は、前記肌対向面側において他の領域に比して静摩擦係数の高い高摩擦部を有し、
    前記高摩擦部は、前記縦方向において隣接する前記ウエスト弾性体間の離間部分に配置され、かつ、前記ウエスト弾性体と平面視において重なっていないことを特徴とする前記着用物品。
  2. 前記高摩擦部は、ウエスト開口縁から所与寸法離間して形成される請求項1に記載の着用物品。
  3. 前記高摩擦部のウエスト開口縁からの離間寸法は、30mm以上である請求項2に記載の着用物品。
  4. 前記高摩擦部は、レッグ開口縁から30mm以上離間して形成される請求項3に記載の着用物品。
  5. 前記高摩擦部の静摩擦係数は、0.4〜1.2である請求項1〜4のいずれかに記載の着用物品。
  6. 前記縦方向において前記高摩擦部に隣接する前記ウエスト弾性体のうち、前記ウエスト開口側に位置する前記ウエスト弾性体の伸長応力は、前記クロッチ域側に位置する前記ウエスト弾性体の伸長応力よりも低い請求項1〜5のいずれかに記載の着用物品。
  7. 前記シャーシは、前記クロッチ域から前記第1及び第2ウエスト域へ延びる吸液性パネルを含み、
    前記高摩擦部は、少なくとも前記吸液性パネルの前記横方向の外側に形成される請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
  8. 前記ウエスト弾性体の前記離間部分の前記縦方向の寸法は、10mm以上である請求項1〜7のいずれかに記載の着用物品。
  9. 前記縦方向において前記高摩擦部に隣接する前記ウエスト弾性体と、前記高摩擦部とは、前記縦方向において1.0mm以上離間している請求項1〜8のいずれかに記載の着用物品。
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