JP2016009929A - 無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信経路を構築する際に送信データが衝突する可能性を低減し、且つ、ホップ数がより少ない通信経路でマルチホップ通信を行えるようにした無線通信システムを提供する。【解決手段】中継機30は、最終宛先情報が付加されたACKを受信すると、最終宛先情報に含まれるホップ数をもとに次段のホップ数を求める。中継機30は、データ受信後に他のノードから送信されたACKを受信した場合、このACKに付加された最終宛先情報のホップ数が次段のホップ数以上であれば、送信元の下位ノードに最終宛先情報を付加したACKを送信する。また中継機30は、データ受信後に他のノードから送信されたACKを受信した場合、このACKに付加された最終宛先情報のホップ数が次段のホップ数よりも少なければ、ACKを送信しない。【選択図】図1
Description
本発明は、無線通信システムに関し、より詳細には、ノード間の通信を中継用ノードで中継伝送する無線通信システムに関する。
従来、基地局ノード装置と、複数台の子ノード装置との間で、マルチホップで無線通信を行うネットワークシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
このネットワークシステムでは、複数台ある子ノード装置のそれぞれに計測機器が接続されている。基地局ノード装置が、ある計測機器に接続されている子ノード装置にデータを要求する場合に、この子ノード装置との接続関係が不明であれば、データを要求する要求パケットを、送信先となる子ノード装置を特定することなくブロードキャストで送信する。
子ノード装置が、基地局ノード装置からの要求パケットを受信した場合に、要求パケットの送信先アドレスが機器IDと一致しなければ、子ノード装置は中継ノードとして機能し、要求パケットを他の子ノード装置にブロードキャスト送信する。このように、子ノード装置による要求パケットの受信及びブロードキャスト送信が繰り返されることによって、いずれ、要求パケットは送信先の計測機器が接続されている子ノード装置に受信されることになる。送信先の計測機器に接続された子ノード装置は、基地局ノード装置からの要求パケットに対する応答パケットを作成し、送信先となるノード装置を特定してユニキャストで送信する。ここで、応答パケットのヘッダには、応答パケットを作成した子ノード装置の機器IDと、基地局ノード装置までの通信経路が含まれており、子ノード装置による受信およびユニキャスト送信が繰り返されることによって、最終的に基地局ノード装置まで送信される。
特許文献1のネットワークシステムでは、基地局ノード装置から特定の子ノード装置への要求パケットをブロードキャスト送信すると、ノード間で中継処理が行われることで、送信先の子ノード装置と基地局ノード装置の間の接続関係が特定されるようになっている。そのため、ホップ数がより少ない通信経路があるにも関わらず、最初に通信に成功した通信経路で以後の通信が行われる可能性があった。
本発明は上記課題に鑑みて為され、通信経路を構築する際に送信データが衝突する可能性を低減し、且つ、ホップ数がより少ない通信経路でマルチホップ通信を行えるようにした無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の無線通信システムは、無線通信機能を有する送信元の第1ノードと、無線通信機能を有する送信先の第2ノードと、前記第1ノードと前記第2ノードとの間の無線通信を中継する機能を備えた複数台の第3ノードとを備え、前記第1ノードから前記第2ノードまでデータを送信する通信経路が確立していない状態では、前記第1ノード及び前記第3ノードはブロードキャストでデータを送信するように構成され、前記通信経路の少なくとも一部で送信先が決まると、前記第1ノード及び前記第3ノードのうち送信先ノードが決まったノードは前記送信先ノードへユニキャストでデータを送信するように構成され、前記第2ノードは、下位ノードからデータを受信すると、ホップ数の情報を含む最終宛先情報を付加したACKを送信元の前記下位ノードに送信するように構成され、前記第3ノードは、上位ノードから前記最終宛先情報が付加されたACKを受信すると、前記最終宛先情報に含まれるホップ数を自ノードのホップ数とし、前記自ノードのホップ数から次段のホップ数を求め、前記第3ノードは、前記次段のホップ数の情報を得ている状態で、下位ノードからのデータを受信した場合、前記次段のホップ数を含めた最終宛先情報を付加したACKを送信元の前記下位ノードに送信するように構成され、前記第3ノードは、下位ノードからデータを受信した後で他のノードから送信元の前記下位ノードへ送信されたACKを受信した場合、前記ACKに付加された前記最終宛先情報のホップ数が前記次段のホップ数以上であれば、送信元の前記下位ノードに前記最終宛先情報を付加したACKを送信するように構成され、且つ、前記ACKに付加された前記最終宛先情報のホップ数が前記次段のホップ数よりも少なければ、ACKを送信しないように構成されたことを特徴とする。
この無線通信システムにおいて、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、データを送信した後に、前記データの送信時点から予め設定された受信時間が経過するまでの間、又は、予め設定された台数のノードからACKを受信するまでの間、受信動作を行うように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記最終宛先情報が付加されたACKを受信した場合、前記最終宛先情報が付加された前記ACKの送信元ノードを、次回送信時の送信先の候補ノードとし、複数の前記候補ノードの中から前記送信先ノードを決めるように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、複数の前記候補ノードの中から、ホップ数が最も少ない前記候補ノードを前記送信先ノードに決めるように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記候補ノードの数の上限を設定する設定部を備えてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記送信先ノードが決まった状態で、前記送信先ノードへのデータ送信に失敗すると、前記送信先ノードへユニキャストでデータを再送信するように構成され、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記送信先ノードへの再送信でもデータ送信に失敗すると、前記送信先ノードを除いた前記候補ノードにユニキャストでデータを送信するように構成され、前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記候補ノードの全てでデータ送信に失敗すると、ブロードキャストでデータを送信して、前記通信経路を再構築するように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第3ノードは、データを受信した後に、前記データに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、前記データの中継送信を行わないように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第3ノードは、データを受信した後に、前記データに応答して前記第2ノードから送信されたACKを受信した場合、ACKの送信を行わないように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第3ノードは、データを受信した後に、前記データに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、前記次段のホップ数の情報を持っていなければ、ACKの送信を行わないように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記通信経路の下位ノードからブロードキャストで送信されたデータを受信し、前記データに応答してACKを最初に送信した前記第3ノードは、他のノードからのACK送信時間よりも長い待機時間が経過した後に、前記データの中継送信を行うように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第3ノードは、前記第1ノードから送信されたデータを受信した後に、前記データに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、前記データに対するACKの送信を行わないように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記第3ノードは、前記第1ノードから送信されたデータを受信した後に、他のノードから送信された前記データに対するACKを受信した場合、前記データに対するACKの送信を行わないように構成されてもよい。
この無線通信システムにおいて、前記通信経路が決まった後で前記第1ノードから前記第2ノードへとデータが送信される場合、前記通信経路を構成する複数のノードの各々は、各々の前記ノードを特定する識別情報を前記データに付加して前記第2ノードへと送信するように構成されてもよい。
本発明によれば、通信経路を構築する際に送信データが衝突する可能性を低減し、且つ、ホップ数がより少ない通信経路でマルチホップ通信を行えるようにした無線通信システムを提供することができる。
以下、本実施形態に係る無線通信システムを図面に基づいて説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されず、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
図1に本実施形態の無線通信システムの概略構成を示す。本実施形態の無線通信システムは、データの送信元である子機(第1ノード)10と、データの送信先である親機(第2ノード)20と、複数台(図1では例えば6台)の中継機(第3ノード)30とを備える。なお、図1に示した無線通信システムでは6台の中継機30が存在するが、中継機30の台数は6台に限定されず、信号の中継に必要な台数があればよい。また、本実施形態の無線通信システムはデータの送信元である子機10を1台備えているが、子機10の台数は1台に限定されず、必要に応じて適宜変更が可能である。また、以下の実施形態では子機10から親機20にデータを送信する場合を例に説明したが、中継機30に所定の物理量を測定するセンサが接続されている場合、親機20が中継機30に対してセンサの測定データを要求する要求データを送信する場合もある。この場合は親機20が送信元の第1ノードとなって、測定データを要求する対象の中継機30が送信先の第2ノードとなる。
子機10と親機20と中継機30とは、それぞれ、無線免許が不要の無線通信部(例えば特定小電力無線モジュール、IEEE802.15.1の規格に準拠した無線通信部、IEEE802.15.4の規格に準拠した無線通信部など)を備えている。ここで、子機10と親機20とが互いの通信圏内にあり、子機10と親機20との間の通信環境が良好であれば、子機10と親機20との間で無線通信が直接行われる。しかしながら、子機10と親機20とが直接通信できない場合や、通信可能であっても通信環境が良好でない場合、子機10と親機20との間では中継機30を介して無線通信が行われる。そのため、複数台の中継機30は、子機10と親機20の間の無線通信を中継できるように、隣接する他の中継機30が通信圏内に存在するように配置されており、子機10と親機20と複数台の中継機30で中継通信網が構築されている。
子機10、親機20、及び中継機30にはネットワーク内で個々のノードを識別するために個別のノード番号(識別情報)が付与されている。本実施形態の無線通信システムでは、親機20のノード番号が「0」に設定され、6台の中継機30の各々に「1」〜「6」のノード番号が設定され、子機10のノード番号が「11」に設定されている。なお、図1及び図5の説明図において、子機10、親機20、中継機30のそれぞれを示す四角内の数字は、子機10、親機20、中継機30のそれぞれに割り当てられたノード番号を示している。
次に、子機10と親機20と中継機30の構成を図2〜図4に基づいて説明する。
子機10は、図2に示すように、MCU(Micro Control Unit)100と、測定部101と、記憶部102と、無線通信部103と、アンテナ104と、操作部105(設定部)と、表示部106と、電源部107と、有線通信部108とを備えている。子機10は、所定の計測タイミングで測定部101が測定したデータを、親機20に無線送信する。
MCU100は、子機10の全体的な制御を行う。
測定部101は、例えば温度を測定するためのものであり、周囲温度に応じて電気抵抗が変化するサーミスタを備え、サーミスタの抵抗値を測定することによって周囲温度を測定する。なお、測定部101の測定対象は温度に限定されず、周囲の湿度や照度など使用目的や用途に応じた物理量を測定すればよい。
記憶部102は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成されている。記憶部102は、MCU100によってデータの書き込み及び読み出しが行われ、子機10に割り当てられた識別情報(アドレスやノード番号)や、測定部101による測定データや、通信経路の情報などを記憶する。
無線通信部103は例えば特定小電力無線の通信規格に適合した無線モジュールからなり、アンテナ104を介して無線信号の送信又は受信を行う。また、無線通信部103は、受信信号の受信信号強度を測定する機能も備える。
有線通信部108は、例えば設定器(図示せず)などの機器に通信線を介して接続され、有線通信方式で通信を行う。
操作部105は、例えば測定部101による測定範囲の下限値及び上限値や、測定間隔や、測定データの送信間隔を設定するために用いられる。また、操作部105は、ブロードキャストでデータを送信した場合に受信可能なACKの数(受信可能数)や、候補ノードの数の上限や、送信先ノードを決定する際に最低限必要な候補ノードの数(最小候補数)を設定するためにも使用される。
表示部106は例えば1乃至複数個の発光ダイオードからなり、MCU100によって点灯/消灯が制御される。
電源部107は例えば電池を電源として、子機10の内部回路に対して動作に必要な電力を供給する。
親機20は、図3に示すように、MCU200と、記憶部201と、無線通信部202と、アンテナ203と、有線通信部204と、操作部205(設定部)と、表示部206と、電源部207とを備えている。
MCU200は、親機20の全体的な制御を行う。
記憶部201は、例えばEEPROMやフラッシュメモリのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成されている。記憶部201は、MCU200によってデータの書き込み及び読み出しが行われ、親機20に割り当てられた識別情報(アドレスやノード番号)や、子機10から収集した測定データや、通信経路の情報などを記憶する。
無線通信部202は例えば特定小電力無線の通信規格に適合した無線モジュールからなり、アンテナ203を介して無線信号の送信又は受信を行う。また、無線通信部202は、受信信号の受信信号強度を測定する機能も備える。
有線通信部204は、例えばサーバ(図示せず)に通信線を介して接続されており、子機10から収集したデータを有線通信方式でサーバに送信する。
操作部205は、例えば親機20の動作設定を行うために使用される。また、操作部205は、親機20が送信元となってブロードキャストでデータを送信した場合に受信可能なACKの数(受信可能数)や、候補ノードの数の上限や、送信先ノードを決定する際に最低限必要な候補ノードの数を設定するためにも使用される。
表示部206は例えば1乃至複数個の発光ダイオードからなり、MCU200によって点灯/消灯が制御される。
電源部207は、例えば商用電源から電力の供給を受け、親機20の内部回路に対して動作に必要な電力を供給する。
中継機30は、子機10と親機20との間の無線通信を中継する機能を備えている。中継機30は、図4に示すように、MCU300と、記憶部301と、無線通信部302と、アンテナ303と、操作部304(設定部)と、表示部305と、電源部306と、有線通信部307とを備えている。
MCU300は、中継機30の全体的な制御を行う。
記憶部301は、例えばEEPROMやフラッシュメモリのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成されている。記憶部301は、MCU300によってデータの書き込み及び読み出しが行われ、自ノードに割り当てられた識別情報(アドレスやノード番号)や、無線通信部302が受信したデータや、無線通信部302が過去に送信したデータや、通信経路の情報などを記憶する。
無線通信部302は例えば特定小電力無線の通信規格に適合した無線モジュールからなり、アンテナ303を介して無線信号の送信又は受信を行う。また、無線通信部302は、受信信号の受信信号強度を測定する機能も備える。
有線通信部307は、例えば設定器(図示せず)などの機器に通信線を介して接続され、有線通信方式で通信を行う。
操作部304は、例えば中継機30の動作設定を行うために使用される。また、操作部304は、ブロードキャストでデータを送信した場合に受信可能なACKの数(受信可能数)や、候補ノードの数の上限や、送信先ノードを決定する際に最低限必要な候補ノードの数(最小候補数)を設定するためにも使用される。
表示部305は例えば1乃至複数個の発光ダイオードからなり、MCU300によって点灯/消灯が制御される。
電源部306は例えば電池を電源として、中継機30の内部回路に対して動作に必要な電力を供給する。中継機30は電池を電源としているので、中継機30を自由な場所に設置して使用することができる。なお、電源部306は商用電源から電力の供給を受けて、中継機30の内部回路に動作に必要な電力を供給してもよい。
次に、本実施形態の無線通信システムにおいて、子機10と親機20との間の通信経路が確立されていない状態で、子機10から親機20へデータ(例えば測定データ)を送信する処理について図1及び図5を参照して説明する。なお、子機10、親機20、複数台の中継機30には、それぞれ別個のノード番号が割り当てられており、以下では複数台の中継機30を区別して説明するために、ノード番号を使用して説明する。例えば、ノード番号が「1」の中継機30は1番の中継機30と表記し、ノード番号が「6」の中継機30は6番の中継機30と表記する。また、図1及び図5における矢印線はノード間の通信を示し、実線の矢印線はデータの送信処理を、点線の矢印線はACKの送信処理をそれぞれ示している。
子機10から親機20までデータを送信する通信経路が確立していない状態で、子機10が測定データを1回目に送信する場合の通信手順について図1を参照して説明する。
子機10のMCU100は、所定のサンプリング間隔(例えば数秒から数分の間隔)でスリープモードから起動し、測定部101に温度を測定させる。MCU100は、測定部101の測定データと、送信データに割り付けた個別のシーケンス番号とを格納し、宛先アドレスをブロードキャストアドレス、送信元アドレス及びデータ元アドレスを自ノードのアドレス(例えばノード番号)とした送信データを作成する。MCU100は、作成した送信データを、無線通信部103からブロードキャストで送信させる(図1の通信T1)。
図1の例では子機10の通信圏内にノード番号が4番、5番、6番の3台の中継機30が存在し、子機10から送信されたデータは、これら3台の中継機30の無線通信部302で受信される。各中継機30のMCU300は、無線通信部302が受信したデータから、測定データとシーケンス番号と宛先アドレス(この場合はブロードキャストアドレス)と送信元アドレスとデータ元アドレスを取り出す。各中継機30のMCU300は、無線通信部302がデータを受信した時点からウエイト時間(ACK送信時間)が経過した時点で、送信元ノードである子機10にACK(acknowledgement:肯定応答)を送信する。ACKを送信するまでのウエイト時間は、各中継機30でランダムな時間に設定されており、図1の例では4番の中継機30が子機10に最初にACKを送信する(図1の通信T2)。本実施形態の無線通信システムでは、各中継機30は、下位ノードからのデータを受信した後に、他のノードから送信されたACKを受信した場合、ホップ数の情報を持っていなければ、ACKを送信しないように構成されている。子機10から親機20へ1回目にデータが送信される場合、全ての中継機30はホップ数の情報を持っていないので、子機10には4番の中継機30のみからACKが送信され、5番及び6番の中継機30はACKの送信を行わない。
子機10のMCU100は、データ送信後から所定の受信時間が経過するまでの間は無線通信部103を受信状態で動作させ、受信時間が経過するまでの間に送信されたACKを受信する。MCU100は、受信時間が経過するまでの間に無線通信部103が受信したACKに最終宛先情報が付加されていれば、最終宛先情報が付加されたACKの送信元である中継機を次回送信時の送信先の候補ノードとして記憶部102に記憶させる。図1の例では、子機10は、4番の中継機30から送信されたACKを受信するが、このACKには最終宛先情報が付加されていないので、子機10のMCU100は、4番の中継機30を候補ノードには設定しない。
子機10のMCU100は、データを送信してから上記の受信時間が経過するとスリープモードに切り替わり、消費電力の低減を図る。なお本実施形態では、子機10のMCU100は、データを送信してから受信時間が経過するまでの間、受信状態で動作するが、受信したACKの数が操作部205を用いて設定された受信可能数(台数)に達するまでの間、受信状態で動作してもよい。また子機10のMCU100は、データを送信してから受信時間が経過したという条件、及び受信したACKの数が所定の受信可能数に達したという条件のうち少なくとも何れか一方の条件が成立するまでの間、受信状態で動作するように構成されてもよい。なお本実施形態では、各中継機30がACKを送信するまでのウエイト時間(ACK送信時間)はランダムな時間に設定されており、このウエイト時間の最大値よりも若干長めの時間に受信時間は設定されている。
本実施形態では、子機10及び中継機30は、最終宛先情報が付加されたACKを所定の最小候補数以上の上位ノードから受信すれば、最終宛先情報を送信してきた上位ノード(候補ノード)の中から送信先ノードを決定する。子機10の記憶部102と中継機30の記憶部301にはそれぞれ最小候補数の設定値が記憶されており、子機10と中継機30とで最小候補数に同じ値が設定されてもよいし、別々の値が設定されてもよい。本実施形態では子機10及び中継機30の両方共に最小候補数が2台に設定されている。ただし、子機10及び中継機30は、親機20から最終宛先情報が付加されたACKを受信すれば、親機20を送信先ノードとして決定する。
上述のように子機10から送信されたデータは4番、5番、6番の中継機30で受信されるが、本実施形態の無線通信システムでは、下位ノードからのデータを受信した中継機30のうち、ACKを最初に送信した中継機30のみが、データの中継送信を行う。
図1の例では、4番の中継機30が子機10へ最初にACKを送信しているので、4番の中継機30のみがデータの中継送信を行い、5番及び6番の中継機30はデータの中継送信を行わない。4番の中継機30のMCU300は、通信T1で子機10から送信された送信データを受信すると、この送信データから測定データとシーケンス番号と宛先アドレスと送信元アドレスとデータ元アドレスを取り込む。4番の中継機30のMCU300は、測定データとシーケンス番号とを含め、宛先アドレスをブロードキャストアドレス、送信元アドレスを自ノードのアドレス、データ元アドレスを11番の子機10のアドレスとした送信データを作成する。4番の中継機30のMCU300は、データ受信時から待機時間が経過した時点で、この送信データを無線通信部302からブロードキャストで送信させる(図1の通信T3)。ここで、待機時間は、予め設定された一定の時間でもよいし、ランダムな時間でもよい。また、待機時間は、ACKが送信されるまでの時間であるACK送信時間よりも長い時間に設定されるのが好ましく、4番の中継機30が中継送信するデータと、他の中継機30から送信されるACKとが衝突しにくくなり、送信データのロスを低減できる。
図1の例では、4番の中継機30の通信圏内に1番、2番、5番の中継機30と子機10とが存在し、4番の中継機30からブロードキャストで送信されたデータは、1番、2番、5番の中継機30の無線通信部302によって受信される。子機10は、データ送信時から受信時間が経過するとスリープモードに切り替わっているので、4番の中継機30から送信されたデータは子機10では受信されない。
1番、2番、5番の中継機30の無線通信部302が、4番の中継機30からの送信データを受信すると、これらの中継機30のMCU300は、受信したデータから測定データとシーケンス番号と宛先アドレスと送信元アドレスとデータ元アドレスを取り出す。上述のように、各中継機30がACKを送信するまでのウエイト時間はランダムな時間に設定されており、図示例では1番の中継機30が最初にACKを送信する(図1の通信T4)。2番及び5番の中継機30は、4番の中継機30から送信されたデータを受信するが、このデータに応答するACKが1番の中継機30から送信されたため、ACKの送信は行わない。
4番の中継機30のMCU300は、データ送信時から受信時間が経過するまでの間は無線通信部302を受信状態で動作させ、受信時間が経過するまでの間に送信されたACKを受信する。4番の中継機30のMCU300は、受信時間が経過するまでの間に無線通信部302が受信したACKに最終宛先情報が付加されていれば、最終宛先情報が付加されたACKの送信元ノードを送信先の候補ノードとして記憶部301に記憶させる。図1の例では、4番の中継機30は、1番の中継機30から送信されたACKを受信するが、このACKには最終宛先情報が付加されていないので、4番の中継機30は、1番の中継機30を候補ノードには設定しない。なお本実施形態では、中継機30のMCU300は、データ送信時から受信時間が経過するまでACKを受信しているが、受信したACKの数が操作部304を用いて設定された受信可能数に達するまでACKを受信してもよい。また、中継機30のMCU300は、データ送信後から所定の受信時間が経過したという条件、及び受信したACKの数が所定の受信可能数に達したという条件のうち少なくとも何れか一方の条件が成立するまでの間、ACKを受信するように構成されてもよい。
図1の例では、4番の中継機30からのデータを受信した1番、2番、5番の中継機30のうち、1番の中継機30が4番の中継機30にACKを送信しているため、1番の中継機30のみがデータの中継送信を行う。1番の中継機30のMCU300は、4番の中継機30からの送信データから測定データとシーケンス番号と宛先アドレスと送信元アドレスとデータ元アドレスを取り込む。1番の中継機30のMCU300は、測定データとシーケンス番号とを含め、宛先アドレスをブロードキャストアドレス、送信元アドレスを自ノードのアドレス、データ元アドレスを11番の子機10のアドレスとした送信データを作成する。そして、1番の中継機30のMCU300は、データ受信後から待機時間が経過した時点で、この送信データを無線通信部302からブロードキャストで送信させる(図1の通信T5)。
図1の例では、1番の中継機30の通信圏内に親機20と2番及び4番の中継機30が存在し、1番の中継機30からブロードキャストで送信されたデータは、親機20と2番及び4番の中継機30で受信される。
親機20の無線通信部202が1番の中継機30からの送信データを受信すると、親機20のMCU200は、受信したデータから測定データとシーケンス番号と宛先アドレスと送信元アドレスとデータ元アドレスを取り出す。親機20のMCU200は、下位ノードからの送信データを受信すると、ウエイト時間を設けずに、送信元の下位ノード(図1の例では1番の中継機30)に最終宛先情報を付加したACKを送信する(図1の通信T6)。最終宛先情報とは、最終的な送信先である親機20と通信可能なことを示す情報である。本実施形態では、最終宛先情報を親機20までのホップ数としており、1番の中継機30に対しては親機20までのホップ数、すなわちデータの「1」を付加したACKが送信される。なお、図5の通信T2,T4で4番及び1番の中継機30がACKを送信する場合、4番及び1番の中継機30は上位ノードから最終宛先情報を受信していないので、4番及び1番の中継機30から送信されるACKには最終宛先情報が付加されていない。換言すれば、通信T2で4番の中継機30から送信されるACKや、通信T4で1番の中継機30から送信されるACKには、ホップ数がゼロであることを示すデータが付加されていることになる。
なお、2番の中継機30は、1番の中継機30から送信されたデータを受信した後に、このデータに応答して親機20から送信されたACKを受信するため、ACKの送信を行わない。また、4番の中継機30が、1番の中継機30から送信されたデータを受信した場合、このデータに付加されたシーケンス番号及びデータ元アドレスから過去に送信したデータと同じデータであると判断して、ACKの送信を行わない。
このように、子機10から親機20にデータが送信されると、親機20にデータを中継した1番の中継機30に親機20から最終宛先情報が送信される。本実施形態の無線通信システムでは、以上のような送信処理を繰り返すことによって、ACKに付加された最終宛先情報が通信経路の下位ノードへと順次送信されていく。
ここで、1番及び2番の中継機30のみが最終宛先情報を受信し、1番の中継機30のホップ数が「1」、2番の中継機30のホップ数が「2」と得られている状態で、子機10から親機20にデータを送信する処理について図5を参照して説明する。
子機10のMCU100は、所定のサンプリング間隔でスリープモードから起動し、測定部101に温度を測定させる。MCU100は、測定部101の測定データと、送信データに割り付けた個別のシーケンス番号とを格納し、宛先アドレスをブロードキャストアドレス、送信元アドレス及びデータ元アドレスを自ノードのアドレスとした送信データを作成する。MCU100は、作成した送信データを、無線通信部103からブロードキャストで送信させる(図5の通信T11)。
子機10から送信されたデータは4番、5番、6番の中継機30によって受信されるが、図5の例では5番の中継機30が子機10にACKを送信している(図5の通信T12)。4番及び6番の中継機30は、ホップ数の情報を持っておらず、5番の中継機30から先にACKが送信されたため、ACKの送信を中止する。
また図5の例では、5番の中継機30が子機10へ最初にACKを送信しているので、5番の中継機30のみがデータの中継送信を行い、4番及び6番の中継機30はデータの中継送信を行わない。5番の中継機30のMCU300は、通信T11で子機10から受信した送信データより、測定データとシーケンス番号と宛先アドレスと送信元アドレスとデータ元アドレスを取り込む。5番の中継機30のMCU300は、測定データとシーケンス番号とを含め、宛先アドレスをブロードキャストアドレス、送信元アドレスを自ノードのアドレス、データ元アドレスを11番の子機10のアドレスとした送信データを作成する。5番の中継機30のMCU300は、データ受信時から待機時間が経過した時点で、この送信データを無線通信部302からブロードキャストで送信させる(図5の通信T13)。
図5の例では、5番の中継機30の通信圏内に1番、2番、3番、4番、6番の中継機30と子機10とが存在し、5番の中継機30からブロードキャストで送信されたデータは、1番、2番、3番、4番、6番の中継機30の無線通信部302によって受信される。子機10は、データ送信時から受信時間が経過するとスリープモードに切り替わっているので、5番の中継機30から送信されたデータは子機10では受信されない。
4番及び6番の中継機30のMCU300は、5番の中継機30から送信されたデータに含まれるシーケンス番号及びデータ元アドレスをもとに、以前に受信したデータと同じであると判断し、ACKの送信を行わず、データの中継送信も行わない。
1番、2番、及び3番の中継機30のMCU300は、5番の中継機30から送信されたデータから、測定データとシーケンス番号と宛先アドレスと送信元アドレスとデータ元アドレスを取り出す。上述のように、各中継機30がACKを送信するまでのウエイト時間はランダムな時間に設定されており、図示例では2番の中継機30が最初にACKを送信する(図5の通信T14)。2番の中継機30は、以前の通信で最終宛先情報が付加されたACKを上位ノードから受信しており、この最終宛先情報に含まれるホップ数の情報から、自ノードのホップ数を「2」と求めている。2番の中継機30のMCU300は、自ノードのホップ数「2」を1つ増やした値「3」を次段のホップ数として求め、T14の通信では次段のホップ数の情報「3」を含めた最終宛先情報をACKに付加して5番の中継機30に送信する。1番及び3番の中継機30は5番の中継機30からのデータを受信した後も受信状態を継続しており、T14の通信で2番の中継機30から5番の中継機30に送信されたACKは1番及び3番の中継機30によっても受信される。
3番の中継機30は、自ノードのホップ数の情報を持っていないため、下位ノードである5番の中継機30からのデータを受信した後に、2番の中継機30から送信元ノード(5番の中継機30)に送信されたACKを受信すると、ACKの送信を中止する。
1番の中継機30は、以前の通信で最終宛先情報が付加されたACKを受信しており、この最終宛先情報に含まれるホップ数の情報から、自ノードのホップ数を「1」と求め、次段のホップ数を「2」と求めている。1番の中継機30のMCU300は、2番の中継機30から5番の中継機30へ送信されたACKに最終宛先情報が付加されている場合、この最終宛先情報に含まれるホップ数を、自ノードのホップ数から求めた次段のホップ数と比較する。2番の中継機30からのACKに付加されたホップ数「3」は、自ノードのホップ数から求めた次段のホップ数「2」よりも大きいので、1番の中継機30のMCU300は、次段のホップ数の情報を含めた最終宛先情報をACKに付加し、無線通信部302から5番の中継機30に送信させる(図5の通信T15)。
これにより、5番の中継機30は、2番及び1番の中継機30から最終宛先情報が付加されたACKを受信できる。5番の中継機30のMCU300は、最終宛先情報を付加したACKを送信してきた2番及び1番の中継機30を、次回の送信先の候補ノードとする。さらに、5番の中継機30のMCU300は、候補ノードとして1番及び2番の中継機30から、ホップ数がより少ない中継機、この場合は1番の中継機30を送信先ノードとし、次回の送信時には送信先ノード(1番の中継機30)にユニキャストでデータを送信する。したがって、子機10から親機20への通信経路のうち、5番の中継機30から1番の中継機30を経由して親機20へデータを送信する経路が確定する。なお、1〜3番の中継機30が全てホップ数の情報を持っていれば、5番の中継機30には、1〜3番の中継機30の全てから最終宛先情報を付加したACKが送信される。この場合、5番の中継機30は、1〜3番の中継機30を候補ノードとし、1〜3番の中継機30から送信先ノードを決定する。
また、2番の中継機30は、5番の中継機30からのデータを受信した後に、最初にACKを送信しているので、データの中継送信を行う。2番の中継機30のMCU300は、測定データ及びシーケンス番号を含め、宛先アドレスを上位ノード(図示せず)のアドレス、送信元アドレスを自ノードのアドレス、データ元アドレスを子機10のアドレスとした送信データを作成する。2番の中継機30のMCU300は、データ受信時から待機時間が経過した時点で、作成した送信データを無線通信部302から上位ノードへユニキャストで送信させる(図5の通信T15)。
なお、2番の中継機30から上位ノードへユニキャストで送信されたデータは、上位ノードから親機20へとユニキャストで送信されるが、その通信手順については説明を省略する。
また、1番の中継機30も、5番の中継機30に対してACKを送信するが(通信T15)、2番の中継機30が最初にACKを送信しているので、上位ノードへのデータ送信は行わない。
以上のように、本実施形態の中継機30は、データ受信後に他のノードから送信されたACKを受信した場合、このACKに付加された最終宛先情報のホップ数が、次段のホップ数以上であれば、送信元の下位ノードに最終宛先情報を付加したACKを送信する。また、中継機30は、データ受信後に他のノードから送信されたACKを受信した場合、このACKに付加された最終宛先情報のホップ数が、自ノードのホップ数から求めた次段のホップ数よりも少なければ、送信元の下位ノードにACKを送信しない。
このように、下位ノードからのデータを受信した中継機30がACKを送信した場合に、次段のホップ数がACKに付加された最終宛先情報のホップ数以下となる中継機30があれば、この中継機30から最終宛先情報を付加したACKが送信される。したがって、下位ノードは、ホップ数がより少ない中継機30を送信先ノードに決定することが可能になり、子機10(第1ノード)から送信先の親機20(第2ノード)までデータが送られるのに必要な時間が短くなる。また、下位ノードからのデータを受信した中継機30がACKを送信した場合に、次段のホップ数がACKに付加された最終宛先情報のホップ数よりも大きい中継機30があれば、この中継機30はACKの送信を行わない。よって、下位ノードがデータを送信した場合に、上位ノードから送信元の下位ノードに送信されるACKの数が少なくなるから、データの衝突が起こりにくくなり、通信のロスが低減される。
ここで、子機10及び中継機30の各々は、データ送信後に、データの送信時点から予め設定された受信時間が経過するまでの間、又は、予め設定された台数のノードからACKを受信するまでの間、受信動作を行ってもよい。これにより、子機10及び中継機30は、1回のデータ送信で複数のノードから最終宛先情報が付加されたACKを受信できるようになり、送信先ノードの候補を複数見つけることができる。
また、子機10及び中継機30の各々は、最終宛先情報が付加されたACKを送信してきた送信元ノードを、次回送信時の送信先の候補ノードとして、複数の候補ノードの中から送信先ノードを決定してもよい。これにより、複数の候補ノードの中から、より通信条件の良好な候補ノードを送信先ノードに決定することができる。
また、子機10及び中継機30の各々は、複数の候補ノードの中から、ホップ数が最も少ない候補ノードを送信先ノードに決定してもよい。これにより、ホップ数がより少ない候補ノードを送信先ノードに選択できるようになり、子機10から親機20までデータを送信するのに要する時間を短くできる。
また、子機10、親機20、及び中継機30の各々は、候補ノードの数の上限を設定する設定部(操作部105,205,304)を備えてもよい。候補ノードの数に上限を設けることで、候補ノードを記憶するメモリの容量を小さくできる。
また本実施形態の無線通信システムにおいて、子機10及び中継機30の各々は、送信先ノードが決まった状態で、送信先ノードへのデータ送信に失敗すると、以下のような通信処理を行ってもよい。先ず子機10及び中継機30の各々は、送信先ノードへのデータ送信に失敗すると、送信先ノードへユニキャストでデータを再送信する。子機10及び中継機30の各々は、送信先ノードへの再送信でもデータ送信に失敗すると、送信先ノードを除いた候補ノードにユニキャストでデータを送信する。子機10及び中継機30の各々は、候補ノードの全てでデータ送信に失敗すると、ブロードキャストでデータを送信して、通信経路を再構築する。
例えば5番の中継機30が送信先ノードを1番の中継機30に決定した状態で、5番の中継機30から1番の中継機30へのデータ送信に失敗すると、5番の中継機30は1番の中継機30へユニキャストで1乃至複数回データを再送信する。5番の中継機30は、1番の中継機30への再送信でもデータ送信に失敗すると、1番の中継機30を除いた候補ノード、すなわち2番の中継機30にデータをユニキャストで1乃至複数回送信する。5番の中継機30は、1番の中継機30へのデータ送信に成功すると、1番の中継機30を送信先ノードとする。さらに、中継機30は、候補ノードの全て(この場合は2番の中継機30のみ)でデータ送信に失敗すると、ブロードキャストでデータを送信して、通信経路を再構築する。このように、子機10及び中継機30は、送信先ノードへのデータ送信に失敗した場合、送信先ノード及び候補ノードへのユニキャスト送信を順番に試した後、ブロードキャストでデータを送信しているから、データ送信が行えなくなる可能性を低減できる。なお、中継機30が候補ノードにデータを送信する際に、候補ノードが複数存在する場合、中継機30は、例えばホップ数の少ない候補ノードから順番にデータを送信してもよいし、受信信号強度が大きい候補ノードから順番にデータを送信してもよい。
また、中継機30は、データを受信した後に、このデータに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、データの中継送信を行わないように構成されてもよく、送信データの衝突が起こりにくくなり、送信データのロスを低減できる。
また、中継機30は、データを受信した後に、このデータに応答して親機20から送信されたACKを受信した場合、このデータに対するACKの送信を行わないように構成されてもよい。他のノードが親機20と通信可能である場合、他のノードは親機20を送信先ノードにすればホップ数が最小になるから、中継機30は最終宛先情報を付加したACKを送信する必要は無い。したがって、中継機30がACKの送信を行わないことで、送信データの衝突が起こりにくくなり、送信データのロスが少なくなる。
また、中継機30は、データを受信した後に、このデータに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合に、次段のホップ数の情報を持っていなければ、ACKの送信を行わないように構成されてもよい。送信元のノードは、ホップ数の情報を持っていない中継機30からACKのみが送信されても、ホップ数の情報が無ければ、この中継機30を送信先の候補ノードに選択することができない。したがって、中継機30が、次段のホップ数の情報を持っていなければ、ACKの送信を行わないようにすることで、送信データの衝突が起こりにくくなり、送信データのロスが少なくなる。
また、中継機30は、子機10から送信されたデータを受信した後に、このデータに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、ACKの送信を行わないようにしてもよい。子機10が、電池を電源とする機器や環境発電技術で電力を得る機器の場合、消費電力を抑制するために、データ送信後にACKを受信するとスリープモードに切り替えるのが好ましい。したがって、中継機30では、子機10からのデータを受信した場合に、他のノードからACKが送信されていれば、ACKを送信しないようにすることで、送信データの衝突が起こりにくくなり、送信データのロスを抑制できる。
また、子機10から親機20への通信経路が決定した後で子機10から親機20へとデータが送信される場合、通信経路を構成する複数のノードの各々は、各々のノードを特定する識別情報をデータに付加して親機20へと送信してもよい。本実施形態では、親機20に近いノードから順番に送信先ノードが決定され、最後に子機10が送信先ノードを決定することによって、通信経路が確定する。例えば、子機10から、5番の中継機30と、1番の中継機30とを経由して親機20にデータを送信する通信経路が確定しているとする。子機10は送信先ノードを5番の中継機30と決定すると、次回のデータ送信時に、データと、通信経路を親機20に通知させるコマンドとを含めた送信データを、5番の中継機30へユニキャストで送信する。5番の中継機30は、子機10からの送信データを受信すると、送信データに含まれるコマンドにしたがって、データと、自ノードまでの通信経路を構成する子機10及び自ノードのアドレスと、通信経路を親機20に通知させるコマンドとを含めた送信データを作成する。そして、5番の中継機30は、作成した送信データを、1番の中継機30にユニキャストで送信する。1番の中継機30は、5番の中継機30からの送信データを受信すると、送信データに含まれるコマンドにしたがって、データと、自ノードまでの通信経路を構成する子機10、5番の中継機30、及び自ノードのアドレスとを含めた送信データを作成する。そして、1番の中継機30は、作成した送信データを、親機20にユニキャストで送信する。これにより、1番の中継機30からの送信データを受信した親機20は、送信データに含まれるアドレスの情報をもとに、子機10から親機20までの通信経路を構成する各ノードの情報を取得することができる。
10 子機(第1ノード)
20 親機(第2ノード)
30 中継機(第3ノード)
105,205,304 操作部(設定部)
20 親機(第2ノード)
30 中継機(第3ノード)
105,205,304 操作部(設定部)
Claims (12)
- 無線通信機能を有する送信元の第1ノードと、
無線通信機能を有する送信先の第2ノードと、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間の無線通信を中継する機能を備えた複数台の第3ノードとを備え、
前記第1ノードから前記第2ノードまでデータを送信する通信経路が確立していない状態では、前記第1ノード及び前記第3ノードはブロードキャストでデータを送信するように構成され、
前記通信経路の少なくとも一部で送信先が決まると、前記第1ノード及び前記第3ノードのうち送信先ノードが決まったノードは前記送信先ノードへユニキャストでデータを送信するように構成され、
前記第2ノードは、下位ノードからデータを受信すると、ホップ数の情報を含む最終宛先情報を付加したACKを送信元の前記下位ノードに送信するように構成され、
前記第3ノードは、上位ノードから前記最終宛先情報が付加されたACKを受信すると、前記最終宛先情報に含まれるホップ数を自ノードのホップ数とし、前記自ノードのホップ数から次段のホップ数を求め、
前記第3ノードは、前記次段のホップ数の情報を得ている状態で、下位ノードからのデータを受信した場合、前記次段のホップ数を含めた最終宛先情報を付加したACKを送信元の前記下位ノードに送信するように構成され、
前記第3ノードは、下位ノードからデータを受信した後で他のノードから送信元の前記下位ノードへ送信されたACKを受信した場合、前記ACKに付加された前記最終宛先情報のホップ数が前記次段のホップ数以上であれば、送信元の前記下位ノードに前記最終宛先情報を付加したACKを送信するように構成され、且つ、前記ACKに付加された前記最終宛先情報のホップ数が前記次段のホップ数よりも少なければ、ACKを送信しないように構成された
ことを特徴とする無線通信システム。 - 前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、データを送信した後に、前記データの送信時点から予め設定された受信時間が経過するまでの間、又は、予め設定された台数のノードからACKを受信するまでの間、受信動作を行うように構成された
ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。 - 前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記最終宛先情報が付加されたACKを受信した場合、前記最終宛先情報が付加された前記ACKの送信元ノードを、次回送信時の送信先の候補ノードとし、複数の前記候補ノードの中から前記送信先ノードを決めるように構成された
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、複数の前記候補ノードの中から、ホップ数が最も少ない前記候補ノードを前記送信先ノードに決めるように構成された
ことを特徴とする請求項3記載の無線通信システム。 - 前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記候補ノードの数の上限を設定する設定部を備えた
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。 - 前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記送信先ノードが決まった状態で、前記送信先ノードへのデータ送信に失敗すると、前記送信先ノードへユニキャストでデータを再送信するように構成され、
前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記送信先ノードへの再送信でもデータ送信に失敗すると、前記送信先ノードを除いた前記候補ノードにユニキャストでデータを送信するように構成され、
前記第1ノード及び前記第3ノードの各々は、前記候補ノードの全てでデータ送信に失敗すると、ブロードキャストでデータを送信して、前記通信経路を再構築するように構成された
ことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第3ノードは、データを受信した後に、前記データに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、前記データの中継送信を行わないように構成された
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第3ノードは、データを受信した後に、前記データに応答して前記第2ノードから送信されたACKを受信した場合、ACKの送信を行わないように構成された
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第3ノードは、データを受信した後に、前記データに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、前記次段のホップ数の情報を持っていなければ、ACKの送信を行わないように構成された
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の無線通信システム。 - 前記通信経路の下位ノードからブロードキャストで送信されたデータを受信し、前記データに応答してACKを最初に送信した前記第3ノードは、他のノードからのACK送信時間よりも長い待機時間が経過した後に、前記データの中継送信を行うように構成された
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第3ノードは、前記第1ノードから送信されたデータを受信した後に、前記データに応答して他のノードから送信されたACKを受信した場合、前記データに対するACKの送信を行わないように構成された
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の無線通信システム。 - 前記通信経路が決まった後で前記第1ノードから前記第2ノードへとデータが送信される場合、前記通信経路を構成する複数のノードの各々は、各々の前記ノードを特定する識別情報を前記データに付加して前記第2ノードへと送信するように構成された
ことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の無線通信システム。
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