JP2016009928A - 通信方法、通信装置および帯域合成回路 - Google Patents

通信方法、通信装置および帯域合成回路 Download PDF

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Abstract

【課題】帯域分散アダプタの分割に起因する符号間干渉の発生を防ぎ、信号伝送特性を改善させる。【解決手段】帯域合成回路は、合成した変調信号を入力するスペクトラム変換手段で、受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、帯域合成回路から出力されるルートロールオフ特性を有する変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタに入力し、フルロールオフ特性を有する変調信号を復調器で復調する。【選択図】 図1

Description

本発明は、無線通信または有線通信に用いられる通信装置において、異なる複数のユーザが限られた周波数帯域を有効利用するために、送信装置から周波数帯域を分割して送信された信号を受信装置で帯域合成して復調処理を行う通信方法、通信装置および帯域合成回路に関する。
図5は、従来の通信装置の構成例を示す(非特許文献1参照) 。図5(a) は送信装置、図5(b) は受信装置を示す。
図5(a) において、送信装置は、変調器1、ルートロールオフフィルタ2、帯域分割回路10を備える。変調器1は、送信するデータ信号をQPSKなどの変調方式で変調し、ルートロールオフフィルタ2を介して波形整形したシングルキャリア変調信号を帯域分割回路10に入力する。
帯域分割回路10は、直並列変換回路12、FFT(高速フーリエ変換) 回路13、分割フィルタ141 〜14N (Nは2以上の整数)、周波数シフタ151 〜15N 、加算回路16、IFFT(高速逆フーリエ変換) 回路17、並直列変換回路18、D/A変換器19を備え、シングルキャリア変調信号の帯域をN分割し、周波数軸上で分散配置して送信する構成である。シングルキャリア変調信号の帯域を3分割(N=3)する例を図6に示す。
帯域分割回路10に入力するシングルキャリア変調信号は直並列変換し、FFT回路13で高速フーリエ変換し、時間領域の信号から周波数領域の信号へ変換する(図6(a))。分割フィルタ141 〜14N は、周波数領域に変換されたシングルキャリア変調信号に対して、図6(b) の破線で示す信号帯域をN分割するフィルタ係数を周波数ごとに乗算し、N個のサブ変調信号を生成する。周波数シフタ151 〜15N は、各サブ変調信号を周波数軸上の所望の帯域に分散配置し、加算回路16で足し合わせることにより、分散配置されたサブ変調信号が生成される(図6(c))。この分散配置後のサブ変調信号は、IFFT回路17で高速逆フーリエ変換により周波数領域の信号から時間領域の信号へ変換され、並直列変換およびD/A変換して送信信号となる。
図5(b) において、受信装置は、帯域合成回路20と復調器6を備える。帯域合成回路20は、A/D変換器21、直並列変換回路22、FFT回路23、抽出フィルタ241 〜24N 、周波数シフタ251 〜25N 、加算回路26、IFFT回路27、並直列変換回路28を備え、帯域をN分割されたサブ変調信号を分割前のシングルキャリア変調信号に合成する構成である。帯域が3分割(N=3)されたシングルキャリア変調信号を合成する例を図7に示す。
帯域合成回路20に入力する受信信号は、A/D変換および直並列変換し、FFT回路23で高速フーリエ変換し、時間領域の信号から周波数領域の受信信号へ変換する(図7(a))。抽出フィルタ241 〜24N は、周波数領域に変換された受信信号に対して、図7(b) の破線で示すフィルタ係数を周波数ごとに乗算し、送信側で周波数シフトされた各サブ変調信号を抽出する(図7(c))。周波数シフタ251 〜25N は、抽出されたサブ変調信号を送信側で周波数シフトされる前の帯域に戻し、加算回路26で足し合わせることにより、合成された変調信号を生成する(図7(d))。この合成後の変調信号は、IFFT回路27で高速逆フーリエ変換により周波数領域の信号から時間領域の信号へ変換され、並直列変換して出力される。復調器6は、帯域合成回路20から出力されたシングルキャリア変調信号を復調し、送信装置から送信されたデータ信号を復元する。
このような送信装置および受信装置を用いることにより、シングルキャリア変調信号の占有帯域を分割して生成された各サブ変調信号を周波数軸上の任意の場所に分散配置できるため、異なる複数のユーザで不連続な空き周波数帯域を有効利用することができる。
送信側では、図6(c) に示すように、分割された各サブ変調信号がそれぞれルートロールオフ特性を有するように、分割フィルタ141 〜14N のフィルタ係数を設計する。なお、分割フィルタ141 ,14N の特性は、左右非対称にスペクトラム編集されている。
図6(a) に示すシングルキャリア変調信号のロールオフ率をα、分割後のサブ変調信号のロールオフ率をβとするとき、図6(b) に示す分割フィルタ141 〜14N のフィルタ係数Hdk(f) は、次式で表される。
Figure 2016009928
ここで、fは周波数、fc k は分割後のサブ変調信号kの中心周波数、Bはロールオフフィルタの半値幅、Bk はサブ変調信号kの半値幅である。また、ルートロールオフ関数H(α,f,B)は、次式で表される。
Figure 2016009928
受信側では、図7(a) に示すように、ロールオフ率βのルートロールオフ特性を有するサブ変調信号に対して、抽出フィルタ241 〜24N として、同じくロールオフ率βのルートロールオフフィルタを乗算する(図7(b))。これにより、図7(c) に示すように、抽出されたサブ変調信号はロールオフ率βのフルロールオフ特性を有する。
抽出された各サブ変調信号を分割前の帯域に周波数シフトして合成する。このとき、隣接するサブ変調信号で電力が6dB低下する周波数、すなわち抽出フィルタのフィルタ特性における遮断周波数に相当する周波数同士を重ね合わせるように合成されるため、図7(d) に示すように、フルロールオフ特性を有するシングルキャリア変調信号が得られる。この信号は、フルロールオフ特性を有するため、符号間干渉が生じないので、このまま復調器6で復調できる。
ここで、図5に示す帯域分割回路10および帯域合成回路20だけを取り出し、これを「帯域分散アダプタ」として図8に示すような無線通信システムを構成する(非特許文献2)。すなわち、無線局Aおよび無線局Bは、既存のシングルキャリア変調信号を送受信する既存モデムとアンテナとの間に帯域分散アダプタを挿入し、既存モデムの出力信号を帯域分散アダプタにより周波数軸上で分割し、未使用帯域に分散配置して伝送することにより、周波数利用効率を向上させる構成である。
図9は、既存モデムおよび帯域分散アダプタの回路構成例を示す。
図9において、既存モデムの送信回路は、変調器1、ルートロールオフフィルタ2およびD/A変換器3により構成され、帯域制限されたシングルキャリア変調信号を生成し、出力する。帯域分散アダプタの帯域分割回路10は、図5(a) に示す構成にA/D変換器11を加えた構成であり、送信回路の出力信号をA/D変換および直並列変換し、FFT回路13で時間領域から周波数領域の信号に変換し、分割フィルタ141 〜14N によりルートロールオフ特性を有する複数のサブ変調信号を生成し、周波数シフタ151 〜15N により未使用帯域に分散配置、IFFT回路17により時間領域の信号に変換し、並直列変換およびD/A変換して送信信号を出力する。
帯域分散アダプタの帯域合成回路20は、図5(b) に示す構成にD/A変換器29を加えた構成であり、ルートロールオフ特性を有する受信信号を入力してA/D変換および直並列変換し、FFT回路23により時間領域から周波数領域の信号に変換し、抽出フィルタ241 〜24N によりフルロールオフ特性を有するサブ変調信号を抽出し、周波数シフタ251 〜25N で分割前の帯域にシフトし、合成する。合成された信号は、フルロールオフ特性を有するシングルキャリア変調信号である。これをIFFT回路27で時間領域の信号に変換し、並直列変換およびD/A変換して既存モデムの受信回路に入力する。
帯域合成回路20における帯域合成例と既存モデムとの関係を図10に示す。図10(a) 〜(d) は、図7(a) 〜(d) を再掲したものである。
既存モデムの受信回路は、A/D変換器4、ルートロールオフフィルタ5および復調器6により構成され、帯域分散アダプタの帯域合成回路20の出力信号をA/D変換してルートロールオフフィルタ5を乗算し、復調器6で復調する。しかしながら、帯域合成回路20の出力信号は、図10(d) に示すように、すでにフルロールオフ特性を有する。そのため、図10(e) ,(f) に示すように、受信回路内でさらにルートロールオフフィルタ5を乗算すると、ロールオフ特性を満足せず、符号間干渉が発生する。よって、信号伝送特性が劣化する課題がある。
本発明は、シングルキャリア変調信号の帯域分割に起因する符号間干渉の発生を防ぎ、信号伝送特性を改善することができる通信方法、通信装置および帯域合成回路を提供することを目的とする。
第1の発明は、送信回路から帯域分割回路に変調信号を入力し、帯域分割回路は、複数の分割フィルタで変調信号から周波数軸上で複数の帯域に分割したサブ変調信号を生成し、各サブ変調信号を周波数軸上の任意の場所に分散配置した送信信号を出力し、帯域合成回路は、複数の抽出フィルタで送信信号に対応する受信信号から各サブ変調信号を抽出し、各サブ変調信号の帯域を分散配置前の帯域に戻して合成した変調信号を出力し、帯域合成回路から出力される変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタを介して復調器に入力して復調する通信方法において、帯域合成回路は、合成した変調信号を入力するスペクトラム変換手段で、受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、帯域合成回路から出力されるルートロールオフ特性を有する変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタに入力し、フルロールオフ特性を有する変調信号を復調器で復調する。
第1の発明の通信方法において、スペクトラム変換手段は、帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、遷移域のロールオフ率を変換した補償信号を生成するとともに、帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、受信回路のルートロールオフ特性に対して、合成した変調信号の遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、かつ位相特性が一致するように位相補償した補完信号を生成し、補償信号および補完信号を加算して出力する。
第2の発明は、変調信号から周波数軸上で複数の帯域に分割したサブ変調信号を生成する複数の分割フィルタを備え、各サブ変調信号を周波数軸上の任意の場所に分散配置した送信信号を出力する帯域分割回路と、送信信号に対応する受信信号から各サブ変調信号を抽出する複数の抽出フィルタを備え、各サブ変調信号の帯域を分散配置前の帯域に戻して合成した変調信号を出力する帯域合成回路とを備え、帯域合成回路から出力される変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタを介して復調器に入力して復調する構成である通信装置において、帯域合成回路は、受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完するスペクトラム変換手段を含み、帯域合成回路から出力されるルートロールオフ特性を有する変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタに入力し、フルロールオフ特性を有する変調信号を復調器で復調する。
第2の発明の通信装置において、スペクトラム変換手段は、帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、遷移域のロールオフ率を変換した補償信号を生成するスペクトラム変換フィルタと、帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、受信回路のルートロールオフ特性に対して、合成した変調信号の遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、かつ位相特性が一致するように位相補償した補完信号を生成する補完信号生成手段と、補償信号および補完信号を加算して出力する加算回路とを備える。
第3の発明は、第2の発明の通信装置の帯域合成回路において、受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完するスペクトラム変換手段を含む。
第3の発明の帯域合成回路において、スペクトラム変換手段は、帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、遷移域のロールオフ率を変換した補償信号を生成するスペクトラム変換フィルタと、帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、受信回路のルートロールオフ特性に対して、合成した変調信号の遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、かつ位相特性が一致するように位相補償した補完信号を生成する補完信号生成手段と、補償信号および補完信号を加算して出力する加算回路とを備える。
本発明は、受信側の帯域合成回路において、合成した変調信号の周波数特性を受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように補償し、ルートロールオフ特性を有する変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタに入力することにより、フルロールオフ特性を有する変調信号が生成される。これにより、復調器でフルロールオフ特性を有する変調信号を復調することができ、符号間干渉の発生を防ぎ、伝送特性を向上させることができる。
また、帯域分割回路および帯域合成回路を帯域分散アダプタとして、既存モデムの送信回路および受信回路に接続して用いることができる。
本発明の通信装置の実施例構成を示す図である。 合成された変調信号とルートロールオフフィルタとの関係を示す図である。 帯域合成回路20Aにおける帯域合成例と既存モデムとの関係を示す図である。 帯域合成回路20Aにおける補完信号例を示す図である。 従来の通信装置の構成例を示す図である。 従来の帯域分割回路10における帯域分割例を示す図である。 従来の帯域合成回路20における帯域合成例を示す図である。 帯域分散アダプタを用いた無線通信システムの構成例を示す図である。 既存モデムおよび帯域分散アダプタの回路構成例を示す図である。 帯域合成回路20における帯域合成例と既存モデムとの関係を示す図である。
図1は、本発明の通信装置の実施例構成を示す。
図1において、通信装置の帯域分散アダプタは、既存モデムの送信回路に接続される帯域分割回路10と、既存モデムの受信回路に接続される帯域合成回路20Aにより構成される。ここに示す既存モデムの送信回路および受信回路、帯域分散アダプタの帯域分割回路10は、図9に示す従来構成と同じ構成である。
本発明の特徴とする帯域合成回路20Aは、図9に示す従来の帯域合成回路20の加算回路26とIFFT回路27との間にスペクトラム変換回路30を挿入した構成であり、その他は同じ構成である。スペクトラム変換回路30は、スペクトラム変換フィルタ31、補完信号生成回路32,33、補完信号位相補償回路34,35および加算回路36により構成される。
帯域合成回路20Aでは、従来の帯域合成回路20と同様に、受信信号からサブ変調信号を抽出して加算回路26で合成する。この合成された変調信号は、図10(e) の破線で示す既存モデムの受信回路のルートロールオフ特性よりも占有帯域幅が狭く、スペクトラムの低周波数側および高周波数側の信号成分が欠損している。詳しくは、既存モデムの受信回路のルートロールオフフィルタ5のロールオフ率をα、受信信号(加算回路26で合成された変調信号)のロールオフ率をβとしたときの周波数特性の関係を図2に示す。実線は合成された変調信号の周波数特性、破線は受信回路のルートロールオフ特性を示す。
合成された変調信号はフルロールオフ特性を有しており、遷移域(−(1+β)B/2〜−(1−α)B/2、(1−α)B/2〜(1+β)B/2)の特性が受信回路のルートロールオフ特性と異なる。特に、合成された変調信号の遷移域の外側の帯域(−(1+α)B/2〜−(1+β)B/2、(1+β)B/2〜(1+α)B/2)が欠損している。このように欠損した周波数成分a1(−(1+α)B/2〜−(1+β)B/2)および周波数成分a2((1+β)B/2〜(1+α)B/2)は送信側で失われているが、当該遷移域の周波数成分は通過域の成分の折り返しになっているため、欠損した周波数成分a1,a2に相当する通過域の周波数成分b1((1−α)B/2〜(1−β)B/2)および周波数成分b2(−(1−β)B/2〜−(1−α)B/2)で補完が可能である。
そこで、スペクトラム変換回路30では、この合成された変調信号の周波数特性を、受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、遷移域の周波数成分のロールオフ率を変換した補償信号と、欠損した周波数成分a1,a2を補完する周波数成分b1,b2の補完信号を生成し、それらを加算して出力する処理を行う。以下、詳しく説明する。
帯域合成回路20Aにおいて、帯域が3分割(N=3)された変調信号を合成する例を図3に示す。図3(a) 〜(d) は、図10(a) 〜(d) を再掲したものである。
スペクトラム変換回路30のスペクトラム変換フィルタ31は、加算回路26で合成された変調信号を入力し、図3(e) に破線で示すフィルタ特性により、半値幅の帯域と遷移域の周波数特性が受信回路のルートロールオフ特性と同等になるようにロールオフ率を変換した補償信号を出力する。スペクトラム変換フィルタ31のフィルタ係数Hc(f)は、次式で表される。
Figure 2016009928
補完信号生成回路32,33は、加算回路26で合成された変調信号を入力し、図2および図3(f) に示すように、スペクトラムの低周波数側および高周波数側の欠損した周波数成分a1,a2を復元するための周波数成分b1,b2を抽出した補完信号を生成する。補完信号位相補償回路34,35は、加算回路26で合成された変調信号を用いて補完信号の位相を補償する。詳しくは図4を参照して改めて説明する。加算回路36は、スペクトラム変換フィルタ31から出力される補償信号、補完信号位相補償回路34,35から出力される位相補償された各補完信号を加算合成することにより、受信回路のルートロールオフ特性を有する変調信号を出力する(図3(g))。
スペクトラム変換回路30から出力されるルートロールオフ特性を有する変調信号は、IFFT回路27で時間領域の信号に変換し、直並列変換およびD/A変換して既存モデムの受信回路に入力される。
このように、帯域分散アダプタの帯域合成回路20Aの出力信号がルートロールオフ特性を有することで、既存モデムの受信回路でルートロールオフフィルタ5を乗算することによりフルロールオフ特性の変調信号が得られ(図3(h))、符号間干渉の発生を防ぎ、伝送特性を改善することができる。
ここで、加算回路26で合成された変調信号の低周波数側の欠損した周波数成分a1の補完および位相補償について、図4を参照して説明する。
周波数成分a1の補完信号は、通過域の周波数成分b1((1−α)B/2〜(1−β)B/2)を抽出することになるが、合成された変調信号の中心周波数を0とするとき、合成された変調信号に以下のフィルタ係数Hcomp(f) で示すフィルタを乗算する。
Figure 2016009928
ここで生成された周波数成分b1の補完信号を、欠損した周波数成分a1の帯域(−(1+α)B/2〜−(1+β)B/2 )に加算することにより補完する。
ただし、受信信号には伝送に伴い位相傾斜が生じる場合、受信信号と補完信号との間に位相差が生じるため、周波数成分b1の補完信号を周波数成分a1の帯域にそのまま加算しても位相特性が直線にならず、位相が歪む。
そこで、補完信号位相補償回路34では、受信信号スペクトラムのうち、フィルタで削られずに残存している遷移域の周波数成分c1(−(1+β)B/2〜−B/2)の位相θと、折り返しにより周波数成分c1と同じ周波数成分d1((1−β)B/2〜B/2)の位相φとの間で、位相差ψ=φ−θを算出する。この位相差ψを用いて、補完信号生成回路32から出力される補完信号(周波数成分b1)の位相を補償する。このように位相補償された補完信号を用いて、スペクトラム変換フィルタ31から出力される信号と加算回路36で加算合成することにより、遷移域の信号成分を補償した合成信号を得ることができる。
なお、図1〜図4を参照して説明した実施例では、補完信号位相補償回路34,35において、加算回路26で合成された変調信号の周波数成分c1,c2を基準に、補完信号生成回路32,33で生成された補完信号の位相を補償していたが、スペクトラム変換フィルタ31から出力される補償信号の周波数成分c1,c2をを基準に、補完信号の位相を補償する構成としてもよい。
1 変調器
2 ルートロールオフフィルタ
3 D/A変換器
4 A/D変換器
5 ルートロールオフフィルタ
6 復調器
10 帯域分割回路
11 A/D変換器
12 直並列変換回路
13 FFT(高速フーリエ変換) 回路
141 〜14N 分割フィルタ
151 〜15N 周波数シフタ
16 加算回路
17 IFFT(高速逆フーリエ変換) 回路
18 並直列変換回路
19 D/A変換器
20,20A 帯域合成回路
21 A/D変換器
22 直並列変換回路
23 FFT(高速フーリエ変換) 回路
241 〜24N 抽出フィルタ
251 〜25N 周波数シフタ
26 加算回路
27 IFFT(高速逆フーリエ変換) 回路
28 並直列変換回路
29 D/A変換器
30 スペクトラム変換回路
31 スペクトラム変換フィルタ
32,33 補完信号生成回路
34,35 補完信号位相補償回路
36 加算回路

Claims (6)

  1. 送信回路から帯域分割回路に変調信号を入力し、
    前記帯域分割回路は、複数の分割フィルタで前記変調信号から周波数軸上で複数の帯域に分割したサブ変調信号を生成し、各サブ変調信号を周波数軸上の任意の場所に分散配置した送信信号を出力し、
    帯域合成回路は、複数の抽出フィルタで前記送信信号に対応する受信信号から前記各サブ変調信号を抽出し、前記各サブ変調信号の帯域を前記分散配置前の帯域に戻して合成した変調信号を出力し、
    前記帯域合成回路から出力される変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタを介して復調器に入力して復調する通信方法において、
    前記帯域合成回路は、前記合成した変調信号を入力するスペクトラム変換手段で、前記受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、前記合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、
    前記帯域合成回路から出力されるルートロールオフ特性を有する変調信号を前記受信回路のルートロールオフフィルタに入力し、フルロールオフ特性を有する変調信号を前記復調器で復調する
    ことを特徴とする通信方法。
  2. 請求項1に記載の通信方法において、
    前記スペクトラム変換手段は、
    前記帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、遷移域のロールオフ率を変換した補償信号を生成するとともに、
    前記帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、前記受信回路のルートロールオフ特性に対して、前記合成した変調信号の遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、かつ位相特性が一致するように位相補償した補完信号を生成し、
    前記補償信号および前記補完信号を加算して出力する
    ことを特徴とする通信方法。
  3. 変調信号から周波数軸上で複数の帯域に分割したサブ変調信号を生成する複数の分割フィルタを備え、各サブ変調信号を周波数軸上の任意の場所に分散配置した送信信号を出力する帯域分割回路と、
    前記送信信号に対応する受信信号から前記各サブ変調信号を抽出する複数の抽出フィルタを備え、前記各サブ変調信号の帯域を前記分散配置前の帯域に戻して合成した変調信号を出力する帯域合成回路と
    を備え、前記帯域合成回路から出力される変調信号を受信回路のルートロールオフフィルタを介して復調器に入力して復調する構成である通信装置において、
    前記帯域合成回路は、前記受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、前記合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完するスペクトラム変換手段を含み、
    前記帯域合成回路から出力されるルートロールオフ特性を有する変調信号を前記受信回路のルートロールオフフィルタに入力し、フルロールオフ特性を有する変調信号を前記復調器で復調する
    ことを特徴とする通信装置。
  4. 請求項3に記載の通信装置において、
    前記スペクトラム変換手段は、
    前記帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、遷移域のロールオフ率を変換した補償信号を生成するスペクトラム変換フィルタと、
    前記帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、前記受信回路のルートロールオフ特性に対して、前記合成した変調信号の遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、かつ位相特性が一致するように位相補償した補完信号を生成する補完信号生成手段と、
    前記補償信号および前記補完信号を加算して出力する加算回路と
    を備えたことを特徴とする通信装置。
  5. 請求項3に記載の通信装置の帯域合成回路において、
    前記受信回路のルートロールオフ特性と同等になるように、前記合成した変調信号の遷移域の周波数特性を補償し、遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完するスペクトラム変換手段を含む
    ことを特徴とする帯域合成回路。
  6. 請求項5に記載の帯域合成回路において、
    前記スペクトラム変換手段は、
    前記帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、遷移域のロールオフ率を変換した補償信号を生成するスペクトラム変換フィルタと、
    前記帯域合成回路で合成した変調信号を入力し、前記受信回路のルートロールオフ特性に対して、前記合成した変調信号の遷移域の外側で欠損した周波数成分を補完し、かつ位相特性が一致するように位相補償した補完信号を生成する補完信号生成手段と、
    前記補償信号および前記補完信号を加算して出力する加算回路と
    を備えたことを特徴とする帯域合成回路。
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