JP2016008441A - プレストレスコンクリート部材の構造と製造方法 - Google Patents

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【課題】長支間の1径間橋梁の施工が可能となるプレストレスコンクリート部材を提供する。
【解決手段】プレストレスコンクリート部材Aをブロックに分けて構成する。PC鋼線3を用いて製作したプレテンションブロック1と、プレテンションブロック1に接合して位置するポストテンションブロック2と、プレテンションブロック1とその端面に接合したポストテンションブロック2をシース32を介して一体化するPC鋼線3とより構成する。
【選択図】図1

Description

本発明はプレストレスコンクリート部材の構造と製造方法に関するものであり、特にプレテンションブロックとポストテンションブロックを一体化したプレストレスコンクリート部材に関するものである。
このプレストレスコンクリート部材としては、桁だけではなく、スラブでも同様に構成することができる。
従来からプレテンションとポストテンションを導入した構造の各種の桁が開発されている。
特開2007−154544号公報。
前記したような従来のプレテンションとポストテンションを両用する桁は次のようなものであった。
<1>床版にX方向にはプレテンションを、Y方向にはポストテンションを導入する構造。
<2>プレテンションか、ポストテンションのいずれかを導入する構造。
<3>ひとつの部材にはプレテンションを、他の部材にはポストテンションを導入する構造。
<4>ひとつの部材の上部にはプレテンションを、下部にはポストテンションを導入する構造。
<5>ひとつの部材にはプレテンションを、他の部材との連結部にはポストテンションを導入する構造。
<6>プレテンション部材の両側にRC部材を配置する構造。
上記のような従来の構造とは異なり、本発明のプレストレスコンクリート部材の構造は、プレストレスコンクリート部材を、プレテンションブロックとポストテンションブロックとで構成したプレストレスコンクリート部材の構造であって、緊張したPC鋼線が位置する型枠内にコンクリートを打設するプレテンション製法で製作したプレテンションブロックと、内部にシース管を配置してコンクリートを打設して製造したポストテンションブロックと、
プレテンションブロックの端面から露出したPC鋼線であって、プレテンションブロックに接したポストテンションブロックのシース管を通して引き出したPC鋼線とより構成したことを特徴とするものである。
さらに本発明のプレストレスコンクリート部材の構造は、前記のプレテンションブロックを、中央部に位置する中央部プレテンションブロックとして構成し、前記のポストテンションブロックを、中央部プレテンションブロックの両端に位置する端部ポストテンションブロックとして構成し、中央部プレテンションブロック内に配置したPC鋼線を端部ポストテンションブロック内のシース管に配置したことを特徴とするものである。
さらに本発明のプレストレスコンクリート部材の構造は、前記のポストテンションブロックのシース管を通して引き出したPC鋼線は、プレテンションブロックの端面から露出したPC鋼線の一部であることを特徴とするものである。
さらに本発明のプレストレスコンクリート部材の製造方法は、プレストレスコンクリート部材を、プレテンションブロックとポストテンションブロックとで構成したプレストレスコンクリート部材の製造方法であって、緊張したPC鋼線が位置する型枠内にコンクリートを打設してプレテンションブロックを製造し、内部にシース管を配置してコンクリートを打設してポストテンションブロックを製造し、プレテンションブロックの端面から露出したPC鋼線の少なくとも一部を、それに接合させたポストテンションブロックのシース管を通して引き出して緊張を与えて、プレテンションブロックとポストテンションブロックと一体化することを特徴とするものである。
本発明のプレストレスコンクリート部材の構造と製造方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1>ひとつのプレテンションブロックとその端に位置するポストテンションブロックを接合する構造であるので、長支間を1径間橋梁として施工することが可能となる。
<2>全てをポストテンションブロックで施工すると5ブロック程度必要となる場合に、本工法であれば、中央部プレテンションブロックの1ブロックと、その両端のポストテンションブロックの2ブロックの合計3ブロックで構成することができ、ブロック数を削減することができる。
<3>ポストテンション工法では、グラウト充填不足による耐久性低減が懸念される場合がある。その点、本発明の構造のように一部をプレテンションブロックとして構成すれば、全部をポストテンション工法で構成する構造と比べて、高い耐久性を得ることができる。
<4>構造物の一部がプレテンション工法で製造したブロックであるために内部にシースが存在しない。そのためにプレテンションのブロックでは引張に対して必要な、コンクリート部材の外面に近い位置にPC鋼線を配置することができる。
<5>以上のような効果を期待できるために、バイプレ工法、プレビーム工法よりも長支間で桁高が低く自重の軽いPC橋の構築が可能となる。
<6>プレテンションPC桁コンクリートは、中央部でPC鋼線の配置が最大量となるが、その両端では過剰な本数が配置されることになる。その点でプレテンションブロックの端面から露出させたPC鋼線の少なくとも一部をポストテンションブロックのシース管を通して引き出す構造を採用した場合には、中央部と端部とでPC鋼線の配置本数を変更して端部での配置本数を減少することができるからきわめて経済的である。
<7>上記の構造で端部での配置本数を減らすことによって、端部での定着具の個数を減らすことができる。その結果、経済的であることはもちろん、限られた端部の表面に過剰に密着して無理に定着具を配置する必要がないという効果を達成できる。
本発明のプレストレスコンクリート部材の実施例の完成状態の説明図。 中央部プレテンションブロックを製造する工程の説明図。 端部ポストテンションブロックを製造する工程の説明図。 中央部プレテンションブロックと端部ポストテンションブロックを切り離す工程の説明図。 現場へ運搬する状態の説明図。 現場で組み立てる工程の説明図。 現場で緊張する工程の説明図。 中央部プレテンションブロックに配置したPC鋼線の一部を、端部で切断する工程の説明図。 中央部プレテンションブロックの一部のPC鋼線を、端部ポストテンションブロックに配置して定着する構造の説明図。 プレストレスコンクリート部材の他の実施例の説明図。
以下図面を参照にしながら本発明のプレストレスコンクリート部材の構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<1>全体の構成。
本発明のプレストレスコンクリート部材Aは、プレテンションブロックとポストテンションブロックで構成する。
その場合に、中央部プレテンションブロック1と、その両側に位置する端部ポストテンションブロック2とより構成することができる。(図1)
あるいは一つのプレテンションブロックと、一つのポストテンションブロックとによって構成することもできる。(図10)
以下ではまず図1の桁の実施例の製造工程について説明し、その後に図10に示す実施例の製造工程について説明する。
なお以下の実施例では「桁」に関して説明するが、この発明思想は「梁」あるいは「スラブ」にも同様に採用することができるから、本発明の「プレストレスコンクリート部材」とは桁だけに限るものではない。
<2>中央部プレテンションブロック。(図2)。
プレストレスコンクリート部材Aを、中央部プレテンションブロック1と、その両側に位置する端部ポストテンションブロック2とより構成する実施例について説明する。
中央部プレテンションブロック1は、一般の公知のプレテンションブロックと同様に製作する。
すなわち、先行してPC鋼線3を緊張して張力を与えておき、その状態で桁の型枠内にコンクリートを打設する。
コンクリートが硬化したら、型枠を解体してコンクリート桁を得るが、その桁の内部には張力を備えたPC鋼線3が固定されて位置している。
すると緊張したPC鋼線3は元に戻ろうとして、コンクリート桁に圧縮力を与え続けることになり、この状態のブロックがプレテンションブロックである。
ここで配置したPC鋼線3は十分な長さを与えておき、中央部プレテンションブロック1の両端で切断せず、両端から十分な長さの余長部31を残して切断する。
なお「中央部」とは後述する「端部」に対する用語であって、正確に中央である必要はない。
<3>端部ポストテンションブロック。(図3)
中央部プレテンションブロック1の製造が完了したら、その両側に端部ポストテンションブロック2を製造する。
一般にブロックを製造するには少なくとも桁の両側、両端、および下面に型枠を設置してコンクリートを打設する必要があるが、先行して製作した中央部プレテンションブロック1の端面を型枠がわりとするマッチキャスト工法を採用して端部ポストテンションブロック2を製造することができる。
このような工法を採用すると、ひとつの端面の型枠が不要で経済的であり、工期短縮と品質向上を図ることができる。
端部ポストテンションブロック2の製造は公知の方法であるが、型枠内へは事前にシース管32を配置して型枠内へコンクリートを打設する。
PC鋼線3を挿入するシース管32は、その端部が、端部ポストテンションブロック2の表面に開口する状態でコンクリート内に埋め込まれる。
<4>PC鋼線の挿入。
一般にポストテンションブロックではコンクリート硬化後にシース管32にPC鋼線3を挿入、貫通し、桁の一端にPC鋼線3を固定し、他端から緊張を与えてプレストレスを導入する。
しかし本発明の場合には、シース管32には前記の中央部プレテンションブロック1の端部から露出したPC鋼線3の余長部31を挿入するだけでコンクリートを硬化させる。
この段階では端部ポストテンションブロック2においてはPC鋼線3の緊張は行わない。
<5>桁の切り離し。(図4)
コンクリートの硬化後、両側の端部ポストテンションブロック2を、中央部プレテンションブロック1から離れる方向へ移動する。
中央プレテンションブロックと端部ポストテンションブロック2は、前記したようにPC鋼線3を緊張して一体化していないので、端部ポストテンションブロック2を移動して切り離すことは容易であり、PC鋼線3の余長部31は端部ポストテンションブロック2に配置したシース管32から抜け出す。
こうして中央部プレテンションブロック1と、その両側に位置する端部ポストテンションブロック2をいったん切り離す。
すると、3個の独立した部材を製造することができる。
その際に、中央部プレテンションブロック1のPC鋼線3は、その余長部31が端部ポストテンションブロック2のシース管32から引き出され、中央部プレテンションブロック1の両端から露出した状態を呈する。
<6>現場への運搬。(図5)
以上の製造工程は、工場などの品質管理のゆき届いた場所でおこなう。
そして分離した3つの部材、すなわち中央部プレテンションブロック1と両側の端部ポストテンションブロック2を、トラックで現場に運搬する。
このように大型の桁においても、完成状態を3分割した小型のコンクリートブロックを運搬すればよいので、運搬が効率的であり、道路幅が狭い場所への運搬も容易となる。
<7>現場での桁の接合。(図6)
現場では、中央部プレテンションブロック1を配置し、その両側に同軸上に端部ポストテンションブロック2を配置する。
その際に中央部プレテンションブロック1の端から露出しているPC鋼線3の余長部31を端部ポストテンションのシース管32に挿入する。
そして、端部ポストテンションブロック2を中央部プレテンションブロック1に向けて接近させる。
最後には端部ポストテンションブロック2内のシース管32を貫通したPC鋼線3の余長部31の端部は、端部ポストテンションブロッ2クの外側の端面から露出する。
<8>現場での緊張。(図7)
ポストテンションブロックの外側の両端面から露出したPC鋼線3の余長部31をジャッキ4で把持して緊張を与える。
すると中央部プレテンションブロック1と、その両側の端部ポストテンションブロック2の3部材が強固に一体化する。
その後、PC鋼線3の端部を保護コンクリートで被覆し、シース管32の内部にグラウトを充填する。
こうして3部材を接合した強固な一体の桁や梁、スラブなどのプレキャストコンクリート部材Aの製造、あるいは桁などの架設工事が完成する。
<9>PC鋼線の減少。(図8)
以上の説明は中央部プレテンションブロック1と、端部ポストテンションブロック2とに同数本のPC鋼線3を配置する構造であった。
しかし本発明の構造は中央部と端部とが絶縁していることから、中央部プレテンションブロック1に配置するPC鋼線3の本数より、端部ポストテンションブロック2に配置するPC鋼線3の本数を減らすような配置が可能となる。
そのような構造を採用する理由は、中央部プレテンションブロック1でPC鋼線3の配置が最大量となるが、その両端では過剰な本数が配置されることになるからである。
そのために中央部プレテンションブロック1の端部から露出させたPC鋼線3の余長部31の一部を中央部プレテンションブロック1の端部で切断する。
そして現場では、切断しなかった残りのPC鋼線3の余長部31を、端部ポストテンションブロック2のシース管32に挿入して緊張するのである。
このように中央部と端部とでブロックを絶縁すれば、中央部プレテンションブロック1の配置本数に比較して、端部ポストテンションブロック2ではPC鋼線3の配置本数を減少することができ、きわめて経済的である。
<10>定着具の配置。
上記のように、端部ポストテンションブロック2におけるPC鋼線3の本数を減少すると、その端部でPC鋼線3を把持、固定する定着具5の個数を減らすことができる。
そのような経済効果だけではなく、限られた端部の表面に過剰に密着して無理に定着具5を配置する必要がなくなった。
その例を説明すると、例えば桁高1.1m、全長35.9mの桁において、22mの中央部プレテンションブロック1では66本のPC鋼線3を配置する場合に、6.95mの端部ポストテンションブロック2では32本のPC鋼線3の配置で機能を達成することができた。
端部ポストテンションブロック2の端面の面積は1.1×0.7mであり、それほど広いものではないから66個の定着具は到底配置できなかった。
しかし32個の定着具であれば余裕をもって配置することができることが明らかになった。
<11>2分割の例。(図10)
以上はコンクリート部材を、中央の中央部プレテンションブロック1と、その両側の端部ポストテンションブロック2に分割する実施例であった。
しかし本件の発明思想は図10に示すように、一つのプレテンションブロックと、一つのポストテンションブロックによって構成することもできる。
その場合にも、プレテンションブロックを製造する工程(図2)、そのプレテンションブロックの端面を利用してポストテンションブロックを製造する工程(図3)、プレテンションブロックとポストテンションブロックを切り離す工程(図4)、分割状態の両ブロックを運搬する工程(図5)、両ブロックを現場で並べてプレテンションブロックの端部から露出したPC鋼線3の余長部31をポストテンションブロックのシース管32に挿入する工程(図6)、ポストテンションブロックの解放端面から露出したPC鋼線3の余長部31を緊張する工程(図7)などはすべて同様に行う。
1:中央部プレテンションブロック
2:端部ポストテンションブロック
3:PC鋼線
31:PC鋼線の余長部
32:シース管

Claims (4)

  1. プレストレスコンクリート部材を、プレテンションブロックとポストテンションブロックとで構成したプレストレスコンクリート部材の構造であって、
    緊張したPC鋼線3が位置する型枠内にコンクリートを打設するプレテンション製法で製作したプレテンションブロックと、
    内部にシース管32を配置してコンクリートを打設して製造したポストテンションブロックと、
    プレテンションブロックの端面から露出したPC鋼線3であって、プレテンションブロックに接したポストテンションブロックのシース管32を通して引き出したPC鋼線3とより構成したことを特徴とする、
    プレストレスコンクリート部材の構造。
  2. 前記のプレテンションブロックを、中央部に位置する中央部プレテンションブロック1として構成し、
    前記のポストテンションブロックを、中央部プレテンションブロック1の両端に位置する端部ポストテンションブロック2として構成し、
    中央部プレテンションブロック1内に配置したPC鋼線3を端部ポストテンションブロック2内のシース管32に配置したことを特徴とする、
    請求項1記載のプレストレスコンクリート部材の構造。
  3. 前記のポストテンションブロックのシース管32を通して引き出したPC鋼線3は、
    プレテンションブロックの端面から露出したPC鋼線3の一部であることを特徴とする、
    請求項1記載のプレストレスコンクリート部材の構造。
  4. プレストレスコンクリート部材を、プレテンションブロックとポストテンションブロックとで構成したプレストレスコンクリート部材の製造方法であって、
    緊張したPC鋼線3が位置する型枠内にコンクリートを打設してプレテンションブロックを製造し、
    内部にシース管32を配置してコンクリートを打設してポストテンションブロックを製造し、
    プレテンションブロックの端面から露出したPC鋼線3の少なくとも一部を、それに接合させたポストテンションブロックのシース管32を通して引き出して緊張を与えて、
    プレテンションブロックとポストテンションブロックと一体化することを特徴とする、
    プレストレスコンクリート部材の製造方法。
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