JP2016008379A - 金属サイディング - Google Patents

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Keiji Izumi
圭二 和泉
豊 和栗
Yutaka Waguri
豊 和栗
真弘 渡辺
Naohiro Watanabe
真弘 渡辺
慎一郎 櫻井
Shinichiro Sakurai
慎一郎 櫻井
明功 森谷
Akinori Moriya
明功 森谷
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Abstract

【課題】高い防火性を有するとともに、環境への負荷をさらに軽減可能な金属サイディングを提供する。
【解決手段】本発明に係る金属サイディングは、金属板と、当該金属板の裏面上に配置される発泡樹脂層と、を有する。当該発泡樹脂層は、発泡剤によって樹脂組成物を発泡させてなり、当該発泡剤は、ハイドロフルオロオレフィンを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属サイディングに関する。
金属サイディングは、金属板とその裏面に配置された発泡樹脂層とを有し、例えば内外装用の壁材のような建材に使用されている。建材用の金属サイディングには、高い断熱性が要求される。高い断熱性を実現するための発泡樹脂層には、いわゆる硬質ウレタンフォームが知られており、また、高い耐火性を実現するために、いわゆる代替フロンであるハイドロフルオロカーボンを上記発泡樹脂層の樹脂材料の発泡剤として使用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、上記代替フロンは、オゾン層の破壊については影響力を実質的に有さないものの、地球温暖化については強い影響力を有する。したがって、近い将来、代替フロンの使用が制限されることが推測される。このため、代替フロンと同程度に高い耐火性を発現し、かつオゾン層の破壊と地球温暖化との両方に悪影響を及ぼさない発泡剤が求められており、このような高い耐火性を有する発泡剤として、いわゆるハイドロフルオロオレフィンが、ウレタン系発泡性樹脂組成物の発泡剤として知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−185114号公報 特開2013−064139号公報
しかしながら、ハイドロフルオロオレフィンを発泡剤とした発泡樹脂層を有する金属サイディングは、知られていない。
本発明は、高い防火性を有するとともに、環境への負荷をさらに軽減可能な金属サイディングを提供することを課題とする。
本発明者らは、代替フロンが発泡剤として使用された金属サイディングと同等の高い耐火性を有しながら、オゾン層を破壊せず、さらに地球温暖化への影響も抑えられる物質として、ハイドロフルオロオレフィンに着目し、これを発泡剤として金属サイディングに適用した。そして、ハイドロフルオロオレフィンが、金属サイディングに、代替フロン並みの高い耐火性と、ハイドロフルオロオレフィンによる環境負荷の低さとをもたらすだけでなく、防火性を向上させ得るさらなる特性をもたらすことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の金属サイディングに関する。
[1]金属板と、前記金属板の裏面上に配置される発泡樹脂層と、を有する金属サイディングであって、前記発泡樹脂層は、発泡剤によって樹脂組成物を発泡させてなり、前記発泡剤は、ハイドロフルオロオレフィンを含む、金属サイディング。
[2]前記発泡樹脂層は、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームである、上記1に記載の金属サイディング。
本発明によれば、高い防火性を有するとともに、環境への負荷をさらに軽減可能な金属サイディングを提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る金属サイディングを説明する。上記金属サイディングは、金属板と、当該金属板の裏面上に配置される発泡樹脂層とを有する。
上記金属板は、単一組成の金属板であってもよいし、表面がめっきされためっき金属板であってもよい。また、上記金属板は、平板であってもよいし、エンボス加工されていてもよい。金属板の例には、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板、アルミ合金板およびステンレス鋼板が含まれる。上記金属板の厚さは、例えば0.1〜2.0mmである。
上記発泡樹脂層は、公知の樹脂の発泡体で構成される。当該発泡樹脂層の厚さは、例えば2〜50mmである。上記発泡樹脂層の例には、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールウレタンフォーム、フェノールフォーム、尿素フォームおよびウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームが含まれる。上記発泡樹脂層は、耐火性に優れる観点から、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームであることが好ましい。
上記発泡樹脂層は、発泡剤によって樹脂組成物を発泡させてなる。当該樹脂組成物は、上記発泡樹脂層に応じて適宜に決めることができる。たとえば、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームのための上記樹脂組成物は、イソシアネート、イソシアヌレート(イソシアネートの環状三量体)およびポリオールを含む。上記樹脂組成物には、公知のものを用いることができる。
上記発泡剤は、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含む。HFOは、一種でもそれ以上でもよい。上記発泡剤は、本発明の効果が得られる範囲において、HFO以外の他の発泡剤をさらに含有していてもよい。耐火性および防火性の観点から、好ましくは、上記発泡剤は、HFOのみからなる。上記樹脂組成物中における当該発泡剤の含有量は、本発明の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。なお、上記発泡樹脂層中の上記発泡剤は、当該発泡剤を検出する公知の方法によって検出可能である。
上記HFOは、特許文献2に記載されているように、例えば、下記式で表される。
Figure 2016008379
上記式中、Rは独立してCl(塩素)、F(フッ素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)またはH(水素)を表し、nは、0〜3のいずれかを表す。HFOの例には、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO 1225ye)などのペンタフルオロプロペン;1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO 1234ze、EおよびZ異性体)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO 1234yf)および1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ye)などのテトラフルオロプロペン;3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)などのトリフルオロプロペン;HFO 1345などのテトラフルオロブテン;HFO1354などのペンタフルオロブテン異性体;HFO1336などのヘキサフルオロブテン異性体;HFO1327などのヘプタフルオロブテン異性体;HFO1447などのヘプタフルオロペンテン異性体;HFO1438などのオクタフルオロペンテン異性体;HFO1429などのノナフルオロペンテン異性体;および、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)(EおよびZ異性体)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)、HCFO1223、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエテン(EおよびZ異性体)、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロペン、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブテン−2(EおよびZ異性体)および2−クロロ−1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロブテン−2(EおよびZ異性体)などのハイドロクロロフルオロオレフィン、が含まれる。
上記樹脂組成物には、例えば代替フロンを発泡剤とする発泡性樹脂組成物中の代替フロンをHFOに置き換えられた樹脂組成物を用いることができ、それは市販品であってもよい。
上記金属サイディングは、本発明の効果が得られる範囲において、他の構成要素をさらに有していてもよい。当該他の構成要素の例には、上塗り塗膜、裏面塗膜および裏面材が含まれる。
上記上塗り塗膜は、例えば、溶剤系塗料の加熱、焼成により得られる。当該上塗り塗料の例には、樹脂、造膜助剤が含まれる。上記上塗り塗料は、本発明の効果が得られる範囲において、前述した成分以外の他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分の例には、顔料、ワックス、艶消し剤、消泡剤、表面調整剤、増粘剤、酸化防止剤が含まれる。また、上記上塗り塗膜の厚さは、当該塗膜の効果が得られる範囲内で適宜に決められる。たとえば、上記上塗り塗膜の厚さは、金属板の表面を被覆する観点および所期の意匠性を得る観点から、3〜60μmであることが好ましい。
上記裏面塗膜は、例えば、上記金属板と発泡樹脂層との接着性を高める観点から配置される。当該裏面塗膜の材料の例には、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの樹脂中に分散された顔料、が含まれる。上記裏面塗膜の厚さは、当該塗膜の効果が得られる範囲内で適宜に決められ、例えば2〜10μmである。
上記裏面材には、ラミネート紙などの、金属サイディングの裏面材として通常使用されるシート状の部材を用いることができる。裏面材の例には、アルミニウム箔とクラフト紙とのラミネート紙、熱可塑性樹脂シートが熱融着されたクラフト紙、炭酸カルシウム含浸紙とアルミニウム箔とのラミネート紙、ガラス不織布と熱可塑性樹脂フィルムとの積層体、および、金属板、が含まれる。
上記金属サイディングは、発泡剤にHFOを用いる以外は、公知の方法によって製造することが可能である。たとえば、上記金属サイディングは、ポリイソシアヌレートと水との化学反応で生成する二酸化炭素を発泡剤として利用する、いわゆる「水発泡法」がある。この水発泡法において、水の配合を抑えて、発泡剤としてHFOを含有する上記樹脂組成物を用いることによって、製造することが可能である。なお、例えば、上記金属サイディングを製造した後に、上記金属板または塗装金属板の表面に水性塗料を塗布し、加熱、焼成することによって、最表層塗膜を作製することが可能である。
上記金属サイディングは、耐火試験相当の条件で強熱したとき、従来の金属サイディングに比べて、発泡樹脂層の変形、崩壊が著しく抑制される。これは、以下の理由によると考えられる。
前述したウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームは、上記発泡樹脂層として優れた耐火性を発現する。しかしながら、当該フォームは、樹脂製であることから、耐火試験相当の条件で金属サイディングが強熱された場合では、通常、炭化し、崩壊する。
本実施の形態に係る金属サイディングは、発泡剤にHFOを含む。発泡剤は、金属サイディングにおいては、発泡樹脂層中の気泡内に存在している。HFOは、代替フロンと同様にフッ素化炭化水素である。このため、HFOは、代替フロンと同様に高い難燃性を有することから、高い耐熱性を金属サイディングに付与する。
一方、HFOは、代替フロンと異なり、その分子構造内に炭素間不飽和二重結合を有する。金属サイディングが強熱されている場合、HFOを含む発泡樹脂層もまた、200℃以上の高い温度に曝される。HFOは、フッ素化炭化水素であるため、200℃以上の高温環境下であっても熱分解されない。
しかしながら、HFO中の炭素間不飽和二重結合は、ラジカル重合性に富むので、上記高温環境下では、熱によるラジカル重合反応が開始する。それにより、発泡樹脂層の樹脂とHFOとの間、あるいはHFO間で、当該ラジカル重合反応による架橋が発生する。その結果、発泡樹脂層の樹脂が熱で変質(炭化、分解)する過程で、発泡樹脂層中の気泡内においてHFOによる架橋構造が形成され、当該気泡による構造が保存され、発泡樹脂層の変形が抑制される。
従来の金属サイディングのうち、代替フロンを発泡剤とする金属サイディングも、ある程度の耐火性を有する。しかしながら、代替フロンは、HFOにおける炭素間不飽和二重結合に相当する、架橋点となり得る分子構造を有さない。このため、代替フロンを発泡剤とする発泡樹脂層は、金属サイディングが耐火試験相当の条件で強熱されると、発泡樹脂層の樹脂が炭化し、当該気泡による構造は特に支持されることがないので崩れ、よって、発泡樹脂層が崩壊する。
なお、HFOのオゾン層破壊係数(ODP)は、0であり、これは、代替フロンのそれと同様に低い値となっている。加えて、HFOの地球温暖化係数(GWP)も0であり、これは、代替フロンのそれよりも著しく低い。代替フロンのGWPは約900である。よって、HFOは、代替フロンと比べて、オゾン層の破壊に対して代替フロンと同等の防止効果を有し、地球温暖化に対して代替フロンよりも著しい防止効果を有する。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る金属サイディングは、金属板と、当該金属板の裏面上に配置される発泡樹脂層と、を有し、当該発泡樹脂層が、発泡剤によって樹脂組成物を発泡させてなり、上記発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンを含むことから高い防火性を有するとともに、環境への負荷をさらに軽減可能な金属サイディングが提供される。
また、上記発泡樹脂層がウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームであることは、金属サイディングの耐火性を高める観点から、より一層効果的である。
本実施の形態に係る金属サイディングでは、金属板側からの強熱(例えば火事の延焼などによる直火による金属板の加熱)を受けたときに、発泡樹脂層は、最終的には炭化するが、発泡樹脂層における独立気泡または連続気泡による多孔質構造は残される。このため、上記金属サイディングは、例えば、上記強熱時に、発泡樹脂層が炭化した後でも、発泡樹脂層の炭化物中の上記多孔質構造による断熱効果が期待でき、防火性のより高い金属サイディングとして建材などに好適に使用され得る。
[金属サイディングの製造]
両面付着量150g/mの溶融55%Al―Zn合金めっき鋼板を金属板として用意した。当該めっき鋼板の厚さは約0.3mmである。当該めっき鋼板の表面に、下記組成の上塗り塗料を塗布し、さらに、下記組成の裏面塗料を塗布し、これらを上記めっき鋼板の到達温度で220℃に40秒間加熱し、当該上塗り塗料および裏面塗料を硬化(焼成)させて、めっき鋼板の表面上に上塗り塗膜および裏面塗膜を作製した。当該上塗り塗膜の厚さは約20μmであり、当該裏面塗膜の厚さは、約5μmである。
(上塗り塗料)
ポリエステル樹脂組成物 55質量部
無機顔料 45質量部
(裏面塗料)
エポキシ樹脂組成物 55質量部
無機顔料 45質量部
次いで、裏面塗膜の上に、下記組成の発泡樹脂層用の樹脂組成物を塗布するとともに、当該樹脂組成物の塗膜の上に下記裏面材を載せた。そして、これらを上記めっき鋼板の到達温度で70℃に60秒間加熱し、上記樹脂組成物中の発泡剤を発泡させて、上記裏面塗膜上に、その表面に裏面材を有する、イソシアヌレートフォームで構成された発泡樹脂層を作製した。当該発泡樹脂層の厚さは、約16mmであり、密度は42kg/mである。
(樹脂組成物)
イソシアネート組成物 55質量部
ポリオール組成物 45質量部
上記イソシアネート組成物は、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)であり、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと高分子量のポリイソシアネートの混合物である。また、上記ポリオール組成物の組成を以下に示す。
(ポリオール組成物)
ポリエステルポリオール 58質量部
発泡剤(HFO) 21質量部
リン酸エステル系難燃剤 7質量部
添加剤(触媒、整泡剤) 14質量部
上記裏面材は、ポリエチレン系接着剤を介して接着されたガラス不織布およびポリエチレン系フィルムの積層体である。ガラス不織布が上記発泡樹脂層側である。当該裏面材の厚さは、約0.2mmである。
[評価]
(1)耐熱性試験
上記の金属サイディングを切断し、10cm四方の大きさを有する試験片1を用意した。また、比較用の試験片C1を用意した。比較用の金属サイディングは、発泡剤が代替フロンである以外は、本実施例における上記金属サイディングと同様の構造を有している。すなわち、比較用の金属サイディングの発泡樹脂層は、イソシアヌレートフォームであり、65質量部のイソシアネート組成物と35質量部のポリオール組成物とからなり、その密度は38kg/mである。
試験片1および試験片C1を、上塗り塗膜を上向にして、あらかじめ800℃に昇温しておいたマッフル炉内に挿入し、炉内に置いて扉を閉め、5分間加熱した。扉を閉めた直後の温度が780℃を下まわらないように炉内の温度を制御した。加熱実験後、試験片1を空冷し、試験片1および試験片C1を炉内より取り出した。
また、試験片1および試験片C1のそれぞれについて、加熱実験前後で発泡樹脂層のサイズを測定した。すなわち、試験片1(C1)の平面形状における第1の辺に沿う第1の方向における、当該発泡樹脂層の長さl(mm)、当該平面形状における当該第1の方向に直交する第2の方向における、当該発泡樹脂層の長さc(mm)、および、当該発泡樹脂層の平面形状における各辺の中央の位置における、当該発泡樹脂層の厚さTi(mm)を測定した。そして、Tiの平均値Ta(mm)を求めた。Taを発泡樹脂層の厚さd(mm)とする。
さらに、試験片1およびC1のそれぞれについて、上記l、cおよびdより、加熱実験前後における発泡樹脂層の体積V1、V2(mm)を求めた。
さらに、試験片1およびC1のそれぞれについて、加熱実験前の発泡樹脂層の体積V1に対する加熱実験後の発泡樹脂層の体積V2の割合(%)を求めた。当該割合は、上記加熱実験における発泡樹脂層の残存率である。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2016008379
(2)断熱性試験
試験片1および試験片C1のそれぞれに、厚さ15mmのせっこうボードを、裏面材の上に載せ、防火構造認定試験の条件に準じて、金属板の表面側から当該試験片を直火で加熱した時の、せっこうボードの裏面側の温度を測定し、当該温度が100℃を超える時間(分)を求めた。その結果、試験片1の当該時間は、40分であり、試験片C1の当該時間は30分であった。以上より、本発明に係る金属サイディングは、上記比較用の金属サイディングに比べて、高温環境下での断熱性に優れることが判る。
上記耐熱性試験において、試験片1および試験片C1のいずれにおいても、めっき鋼板の到達温度が800℃という強熱下の状態に曝されると、塗膜には着火し、有機成分が燃え尽きる。発泡樹脂層も、着火したが、直ちに鎮火し、炭化が開始、進行した。このように、いずれの試験片も、十分に高い耐火性を示した。これは、いずれの試験片においても、発泡剤が難燃性のフッ素化炭化水素であるため、と考えられる。
試験片1では、発泡樹脂層の層構造は、炭化後においても、各辺の長さの比率がほぼ保たれ、また一定の厚さを維持していた。その結果、上記の加熱実験後においても、試験片1では、体積換算で半分以上もの発泡樹脂層の炭化物が残された。これは、発泡樹脂層の気泡中のHFOが、発泡樹脂層の樹脂が炭化する際に、熱ラジカル重合反応を生じ、当該気泡内に三次元架橋構造を形成したため、と考えられる。
特に、試験片1における発泡樹脂層の炭化は、平面方向の全体で積層方向に一様に進行していた。これは、発泡樹脂層における高温に曝された気泡が容易に崩壊しないことから、熱が平面方向に広がった後に積層方向に伝わるため、と考えられる。
一方、試験片C1では、発泡樹脂層の厚さは、炭化の進行と共に著しく減少し、上記第2の方向に沿って発泡樹脂層に亀裂が入った。このように、試験片C1では、上記加熱実験における発泡樹脂層の割れが確認された。このため、試験片C1では、発泡樹脂層の各辺の長さの比率が変わり、加熱実験後の発泡樹脂層の炭化物の体積は、加熱実験前の発泡樹脂層の体積に比べて大きく減少した。これは、発泡樹脂層の炭化や熱分解によって、気泡中の代替フロンが抜け、気泡構造が支持されなかったため、およひ、平面方向におけるより高温の中央部で熱が積層方向により伝達されたため、と考えられる。
また、上記断熱性試験においても、試験片1および試験片C1の発泡樹脂層は、いずれも炭化したが、試験片1は、炭化後も含めて十分に高い断熱性を示したのに対し、試験片C1は、試験片1に比べて低い断熱性を示した。これは、試験片1の発泡樹脂層の形状は、炭化後でもある程度保たれるので、発泡樹脂層の炭化物が金属板の熱に対して十分な遮蔽効果を発現するのに対し、試験片C1の発泡樹脂層の形状は、炭化後では大きく損なわれたことから、当該炭化物が金属板の熱を十分に遮蔽することができず、その結果、金属板の熱が試験片C1の裏面側により多く伝わったため、と考えられる。
本発明に係る金属サイディングでは、代替フロンと同等の高い耐火性に加えて、地球温暖化に対して影響を及ぼさない。さらに、当該金属サイディングは、発泡樹脂層が炭化した後でも金属板の熱を金属板の裏面側に伝えにくい。よって、金属サイディングの裏側での、発泡樹脂層の炭化後における温度上昇および発火が防止されるので、本発明によれば、高い耐火性を有するとともに環境負荷のさらなる軽減が可能であることに加えて、防火性に優れた建材の提供が期待される。

Claims (2)

  1. 金属板と、前記金属板の裏面上に配置される発泡樹脂層と、を有する金属サイディングであって、
    前記発泡樹脂層は、発泡剤によって樹脂組成物を発泡させてなり、
    前記発泡剤は、ハイドロフルオロオレフィンを含む、
    金属サイディング。
  2. 前記発泡樹脂層は、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームである、請求項1に記載の金属サイディング。
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