JP2016007624A - チタン合金の接合方法及び構造物 - Google Patents

チタン合金の接合方法及び構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】回転ツールへの負荷及び接合荷重が小さくなるチタン合金のβトランザス温度以上での摩擦攪拌接合によって、高い衝撃吸収エネルギーを有するチタン合金接合部を形成させる方法を提供する。【解決手段】2つのチタン合金材6,8を接合部において対向させ、接合部に所定の回転速度で回転させた棒状の回転ツール12を圧入することで2つのチタン合金材を接合する摩擦攪拌接合工程と、摩擦攪拌接合工程によって形成した攪拌部組織のラメラ幅を測定する組織観察工程と、を有するチタン合金材の接合方法であって、組織観察工程で測定されたラメラ幅が0.2μm未満であった場合は、接合部への入熱量又は冷却速度の増加に資する接合条件の変更を伴った摩擦攪拌接合工程を更に施し、ラメラ幅が0.2μm以上となるまで摩擦攪拌接合工程及び組織観察工程を繰り返す。【選択図】図5

Description

本発明はチタン合金の接合方法に関し、より具体的には、高い衝撃吸収エネルギーを有するチタン合金接合部を形成させるためのチタン合金の摩擦攪拌接合方法に関する。
摩擦攪拌接合は接合中の最高到達温度が被接合材の融点に達せず、接合部における強度低下が従来の溶融溶接と比較して小さいことから、急速に実用化が進んでいる。摩擦攪拌接合は被接合材よりも硬度及び高温強度等に優れた回転ツールを被接合材中に圧入して塑性流動を生じさせることを基本原理とする接合手法であるため、融点及び塑性変形抵抗等が小さなアルミニウムを被接合材として適用が進んできた。これに対し、近年の回転ツール及び摩擦攪拌接合装置の改良に伴い、被接合材の対象範囲が鋼やチタン合金等の高融点金属へと拡大している。
例えば、特許文献1(特開2012−200753号公報)では、チタン合金材の接合後の金属組織が、最密立方格子の構造を有するα相の等軸組織、α相と体心立方格子の構造を有するβ相との2相が共存しているα+β相の等軸組織、及びβ相の等軸組織のいずれかであるチタン合金材の接合継手が提案されており、当該接合継手は摩擦攪拌接合によって好適に得られることが開示されている。
上記特許文献1に記載のチタン合金材の接合継手においては、当該接合継手の金属組織が、最密立方格子の構造を有するα相の等軸組織、α相と体心立方格子の構造を有するβ相との2相が共存しているα+β相の等軸組織、及びβ相の等軸組織のいずれかである。そのため、従来のチタン合金材の接合継手のように、β粒内にラメラ状のα相が含まれていないため、接合継手に高い衝撃吸収エネルギーを付与することができ、靱性や、疲労特性が大幅に向上したチタン合金材の接合継手とすることができる、としている。
特開2012−200753号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている接合継手は、接合温度が低くなる条件(接合温度がチタン合金のβトランザス温度未満)でチタン合金に摩擦攪拌接合を施す必要がある。その結果、回転ツールへの負荷が大きくなるため、回転ツールの寿命が短くなってしまう。加えて、低温で摩擦攪拌接合を施すためには、剛性の高い大型の摩擦攪拌接合装置を使用する必要があり、当該大型装置の使用は実用化の障害となる。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、高い衝撃吸収エネルギーを有するチタン合金接合部を形成させるためのチタン合金の接合方法であって、回転ツールへの負荷及び接合荷重が小さくなるチタン合金のβトランザス温度以上での摩擦攪拌接合によって、高い衝撃吸収エネルギーを有するチタン合金接合部を形成させる方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、摩擦攪拌接合によって得られるチタン合金接合部の組織と衝撃吸収エネルギーとの関係等について鋭意研究を重ねた結果、チタン合金接合部に高い衝撃吸収エネルギーを付与するには、チタン合金接合部に形成されるラメラ組織のラメラ幅を摩擦攪拌接合条件によって一定値以上とすること等が極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
2つのチタン合金材を接合部において対向させ、前記接合部に所定の回転速度で回転させた棒状の回転ツールを圧入することで前記2つのチタン合金材を接合する摩擦攪拌接合工程と、
前記摩擦攪拌接合工程によって形成した攪拌部組織のラメラ幅を測定する組織観察工程と、を有するチタン合金材の接合方法であって、
前記組織観察工程で測定された前記ラメラ幅が0.2μm未満であった場合は、下記(A)又は(B)の接合条件の変更を伴った前記摩擦攪拌接合工程を更に施し、
前記ラメラ幅が0.2μm以上となるまで、前記摩擦攪拌接合工程及び前記組織観察工程をそれぞれ繰り返すこと、
を特徴とするチタン合金材の接合方法を提供する。
(A):前記回転ツールの前記回転速度の増加、前記回転ツールの移動速度の減少、前記回転ツールの圧入荷重の増加の群から選ばれる1または2以上の接合条件の変更
(B):前記回転ツールの前記移動速度の増加
本発明者は摩擦攪拌接合によって得られるチタン合金接合部の組織と衝撃吸収エネルギーとの関係を詳細に調査した結果、接合温度がチタン合金材のβトランザス温度(α相から100%β相へ相変態する温度)以上の場合に攪拌部に形成されるラメラ組織のラメラ幅と衝撃吸収エネルギーとが密接に関係しているということを明らかにした。ここで、ラメラ幅が0.2μmまでは当該ラメラ幅の増加に伴って衝撃吸収エネルギーも増加し、0.2μm以上においては衝撃吸収エネルギーの増加が頭打ちとなる。つまり、摩擦攪拌接合条件によってラメラ幅を制御し、0.2μm以上とすることで、チタン合金接合部に高い衝撃吸収エネルギーを付与することができる。
更に、本発明のチタン合金材の接合方法においては、接合温度がチタン合金材のβトランザス温度以上となる条件で摩擦攪拌接合を施すため、接合温度がβトランザス温度未満となる場合と比較して、接合中における回転ツールへの負荷を低減することができる(βトランザス温度以上で安定なβ相は、βトランザス温度未満で安定なα相よりも加工が容易である)。
摩擦攪拌接合温度がチタン合金材のβトランザス温度以上となる場合、接合時に高温で安定なβ相への相変態が生じた後に、接合終了後に常温に戻る際に常温で安定なα相又はα+β相への相変態が生じる。この場合、旧β粒内にラメラ状のα相が析出する。本発明において、上記ラメラ幅とは、旧β粒内に生成した当該α相の幅を意味する。
攪拌部に形成するラメラ組織のラメラ幅は、摩擦攪拌接合条件によって制御することができる。基本的には、摩擦攪拌接合時の入熱量を上昇させる程、ラメラ幅も増加する傾向となる。ここで、摩擦攪拌接合時の入熱量を決定する代表的なプロセスパラメータとしては、回転ツールの回転速度、移動速度、及び圧入荷重が挙げられ、回転速度の増加、移動速度の低下、圧入荷重の増加に伴って入熱量を増加させることができる。
一方で、接合温度からの冷却速度を増加させることによってラメラ幅が大きくなる場合も存在する。冷却速度の増加によってラメラ幅が増加するメカニズムは必ずしも明らかとはなっていないが、接合時の入熱量を増加させてもラメラ幅が0.2μm以上とならない場合には有効な手段である。
本発明のチタン合金材の接合方法においては、前記チタン合金材が、前記チタン合金材のβトランザス温度を上昇させる物質として、H、He、Li、Be、B、C、N及びOから選択される少なくともいずれか1つの物質を有すること、が好ましい。
α安定化元素であるC、N等が添加されることにより、βトランザス温度が上昇するが、Al等の置換型元素よりも拡散係数が大きいこれらの侵入型元素がチタン合金の格子間に入ることにより、同じα安定化元素であるAl等が添加される場合よりも、加工性への影響を抑え、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。
また、本発明のチタン合金材の接合方法においては、前記チタン合金材のAl濃度が5.0重量%以下であり、かつ前記βトランザスを上昇させる物質として、前記チタン合金材が下式(1)で示されるAl当量[Al]eqが4.0重量%以上となる物質を有していること、が好ましい。
[Al]eq=[Al]+([Zr]/6)+([Sn]/3)+10[O] ([]内は重量%) (1)
チタン合金材のAl濃度を5.0重量%以下とし、チタン合金材のα安定化元素であるAlの濃度を減少させることにより、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。また、チタン合金材がAl等量[Al]eqが4.0重量%以上となる物質を含んでいることにより、チタン合金材のAl濃度が5.0重量%以下であっても、βトランザスの低下を抑えつつ、α安定化元素を添加することによる加工性の悪化を抑えることができる。
また、本発明のチタン合金材の接合方法においては、前記チタン合金材が、Vより拡散係数が大きい物質を有すること、が好ましい。
β安定化元素であり、Vより拡散係数が大きいCr、Fe等がチタン合金材に含まれているため、同じβ安定化元素であるVが含まれている場合よりも、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。
更に、本発明のチタン合金材の接合方法においては、前記チタン合金材のV濃度が3.5重量%以下であり、かつ前記チタン合金材が下式(2)で示されるMo当量[Mo]eqが5.0重量%以上となる物質を有していること、が好ましい。
[Mo]eq=[Mo]+([Ta]/5)+([Nb]/3.6)+([W]/2.5)+([V]/1.5)+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe] ([]内は重量%) (2)
チタン合金材に含まれるV濃度を3.5重量%以下であっても、Mo等量[Mo]eqが5.0重量%以上となる物質がチタン合金材に含まれていることにより、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。
上記摩擦攪拌接合工程においては、接合部を外部加熱又は強制冷却すること、が好ましい。接合部を外部加熱することで、接合部への入熱量を増加させ、攪拌部のラメラ幅を増加させることができる。外部加熱の方法については、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の加熱方法を用いることができ、通電加熱、レーザ照射、高周波加熱、マイクロアーク加熱、熱風を用いた加熱、及び摩擦熱を用いた加熱等を例示することができる。
また、接合部を強制冷却することで、接合部の冷却速度を増加させ、攪拌部のラメラ幅を増加させることができる。強制冷却の方法については、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の加熱方法を用いることができ、例えば、液体窒素、液体CO、不活性ガス、大気、水等をノズル等で噴射することで達成することができるが、液体COを用いることが好ましい。
なお、本発明のチタン合金材の接合方法においては、(1)板状のチタン合金の端部同士を突き合わせて接合部とし、回転ツールをその加工部の長手方向に沿って回転させつつ移動させてチタン合金同士を接合する摩擦攪拌接合、(2)板状のチタン合金の端部同士を突き合わせて接合部とし、回転ツールをその接合部で移動させずに回転させて接合するスポット摩擦攪拌接合(スポットFSW)、(3)チタン合金同士を接合部において重ね合わせ、接合部に回転ツールを挿入し、回転ツールをその箇所で移動させずに回転させてチタン合金同士を接合するスポット摩擦攪拌接合、(4)チタン合金同士を接合部において重ね合わせ、接合部に回転ツールを挿入し、回転ツールをその接合部の長手方向に沿って回転させつつ移動させてチタン合金同士を接合する摩擦攪拌接合の(1)〜(4)の4つの態様およびこれらの組み合わせを含む。なお、スポット摩擦攪拌接合の場合、基本的にはツールを横方向に移動させることがないため、上述の摩擦攪拌接合条件の変更(A)における回転ツールの移動速度の減少は、回転ツールの引抜速度の減少に置き換えて実施することができる。
また、金属材表面の改質を目的とした摩擦攪拌プロセスは基本的に摩擦攪拌接合の原理をそのまま利用する技術であるため、本発明のチタン合金の接合方法は、チタン合金板の表面に回転ツールを当接し、回転ツールを回転させてチタン合金の表面部位を改質する態様も含む。これにより、チタン合金材の任意の領域の衝撃吸収エネルギーを改善することができる。
また、本発明は、本発明のチタン合金材の接合方法によって形成された接合部を有する接合構造物も提供する。本発明の構造物は接合部が高い衝撃吸収エネルギーを有しているため、極めて高い安全性等が担保されている。
本発明によれば、高い衝撃吸収エネルギーを有するチタン合金接合部を形成させるためのチタン合金の摩擦攪拌接合方法であって、回転ツールへの負荷及び接合荷重が小さくなるチタン合金のβトランザス温度以上での摩擦攪拌接合によって、高い衝撃吸収エネルギーを有するチタン合金接合部を形成させる方法を提供することができる。
本発明のチタン合金材の接合方法の工程図である。 攪拌部に形成されるラメラ組織の模式図である。 β安定化元素含有量と温度とをパラメータにしたチタン合金の相図である。 種々のチタン合金材における攪拌部組織のラメラ幅と衝撃吸収エネルギーとの関係を示したグラフである。 摩擦攪拌接合工程における摩擦攪拌接合方法の一例を示す概略斜視図である。 摩擦攪拌接合中のプロセス最大荷重と回転ツールの回転速度との関係を示すグラフである。 種々の摩擦攪拌接合条件で攪拌部に形成されたラメラ組織の代表的なSEM写真である。 摩擦攪拌接合条件で攪拌部に形成されたラメラ組織の代表的なTEM写真である。 接合条件とラメラ幅との関係を示したグラフである。 衝撃吸収エネルギー評価用の試験片形状及び作製位置を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明のチタン合金材の接合方法の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
(1)チタン合金材の接合方法
(1−1)接合方法の全体工程
図1に、本発明のチタン合金材の接合方法の工程図を示す。本発明のチタン合金材の接合方法は、チタン合金材に摩擦攪拌接合を施す摩擦攪拌接合工程(S01)と、摩擦攪拌接合工程(S01)によって形成された攪拌部の組織観察によりラメラ幅を測定する組織観察工程(S02)とを有している。
組織観察工程(S02)によって測定されたラメラ幅が0.2μm未満であった場合は、摩擦攪拌接合条件を下記(A)又は(B)に従って変更した後、当該変更後の条件を用いて摩擦攪拌接合工程(S01)を更に施し、ラメラ幅が0.2μm以上となるまで、摩擦攪拌接合工程(S01)及び組織観察工程(S02)をそれぞれ繰り返すことで、最終的には攪拌部のラメラ幅が0.2μm以上であるチタン合金材接合部を得ることができる。
(A):回転ツールの回転速度の増加、回転ツールの移動速度の減少、回転ツールの圧入荷重の増加の群から選ばれる1または2以上の接合条件の変更
(B):回転ツールの移動速度の増加
図2に、攪拌部に形成されるラメラ組織の模式図を示す。当該ラメラ組織においては、旧β粒2内にラメラ状のα相4が析出しており、ラメラ幅とは、旧β粒2内に析出したα相4の幅を意味する(図2中のW)。組織観察工程(S02)におけるラメラ幅の測定は、例えば、α相4の幅を25個程度実測し、それらの平均値を求めればよい。
図3に、β安定化元素含有量と温度をパラメータにしたチタン合金の相図を示す。チタン合金の結晶構造は、低温においては、最密立方格子の構造(hcp構造)を有するα相である。チタン合金の結晶構造は、βトランザスと呼ばれる変態点を超える高温においては、体心立方格子の構造(bcc構造)を100%有するβ相となる。βトランザスは、例えば、Ti‐6Al‐4V合金では980℃であり、Ti‐4.5Al‐3V‐2Fe‐2Mo合金(SP700合金)では900℃である。Ti‐4.5Al‐2.5Cr‐1.2Fe‐0.1C合金(Ti−531C合金)では970℃である。また、チタン合金は、α安定化元素やβ安定化元素といった添加元素の量や割合によって、常温での結晶構造をα相の単相、α相とβ相との2相共存、及びβ相の単相とすることができ、それぞれα合金、α‐β合金及びβ合金と呼ばれている。なお、上記のβトランザス温度は平衡温度であり、摩擦攪拌接合により歪が導入された場合には、実質のβトランザス温度が上記温度よりも下がる可能性がある。
β相ではチタン合金はbcc構造を有する。bcc構造では、すべり系の数が12個と多いため、チタン合金が塑性変形し易く、摩擦攪拌接合等により加工し易い。一方、α相ではチタン合金はhcp構造を有する。hcp構造では、すべり系の数が3個と少ないため、チタン合金は塑性変形し難く、摩擦攪拌接合等により加工し難い。本発明のチタン合金の接合方法においては、基本的にβ相領域において摩擦攪拌接合を施すため、接合中におけるツールへの負荷を低減できることから、回転ツールを長寿命化することができると共に、α相領域において摩擦攪拌接合を施す場合と比較して、小型の摩擦攪拌装置を用いることができる。
本発明者は種々の組成を有するチタン合金材に対して様々な接合条件で摩擦攪拌接合を施し、攪拌部に形成される組織のラメラ幅と衝撃吸収エネルギーとの関係を詳細に調査した。具体的には、供試材として、4種類のチタン合金(Ti−6Al−4V合金、Ti−9合金、Ti−531C合金、SP−700合金)を用い、板厚2mmの2枚の平板の突き合わせ接合を行った。各チタン合金の組成を表1に示す。回転ツールには超硬合金を用い、形状はショルダ径を15mm、プローブ径を6mm、プローブ長を1.8mmとした。接合方法には位置制御方式を採用し、回転ツールの回転速度を200〜1000rpm、移動速度を25〜400mm/minの間で変化させた。なお、ツールの前進角は3°とした。得られた継手攪拌部より衝撃試験片を作成し、常温下において、パンチャー速度1m/sで微小衝撃破断試験を行った。試験片形状は1mmL×1mmT×20mmWであり、ノッチは中心部に深さ0.2mmとした。得られた攪拌部組織のラメラ幅と衝撃吸収エネルギーの関係を図4に示す。
ラメラ幅が0.2μmまでは当該ラメラ幅の増加に伴って衝撃吸収エネルギーも増加し、0.2μm以上においては衝撃吸収エネルギーの増加が頭打ちとなっており、ラメラ幅と衝撃吸収エネルギーの関係において、ラメラ幅が0.2μmに明瞭な境界条件が存在することが分かる。つまり、摩擦攪拌接合条件によってラメラ幅を制御し、0.2μm以上とすることで、効率よくチタン合金接合部に高い衝撃吸収エネルギーを付与することができる。
(1−2)摩擦攪拌接合工程(S01)
摩擦攪拌接合中に接合部に導入される入熱量を増加させることで、攪拌部に形成される組織のラメラ幅を増加させることができる(摩擦攪拌接合条件の変更(A))。摩擦攪拌接合時の入熱量を決定する代表的なプロセスパラメータとしては、回転ツールの回転速度、移動速度、及び圧入荷重が挙げられ、回転速度の増加、移動速度の低下、圧入荷重の増加に伴って入熱量を増加させることができる。
図5に、摩擦攪拌接合工程(S01)における摩擦攪拌接合方法の一例を示す概略斜視図を示す。摩擦攪拌接合工程(S01)では、図5に示すように、チタン合金板6,8の端部同士を接合部10において突き合わせ、接合部10の表面側から回転ツール12のプローブ14を挿入してチタン合金板6,8同士を接合する。
回転ツール12は、図5に示すように略円筒状をなし、先端に本体の径(ショルダ径)より小径の略円柱状のプローブ14を備えている。回転ツール12の材質は、WC等の超硬合金、Si,PCBN等のセラミックス、W,Mo,Co,Ir合金等の高融点金属等が望ましいが、本実施形態の接合方法によれば、回転ツール12への負担も軽減されるため、比較的に安価なWC合金からなる従来の形式の回転ツール12を適用することができる。
図5に示すように、本実施形態では、接合部10に回転ツール12のプローブ14を挿入し、回転ツール12を回転させつつ接合部10の長手方向に沿って移動させることによって、チタン合金板6,8を接合することができる。摩擦攪拌接合工程(S01)では、接合部10の入熱量又は冷却速度を制御する必要があるため、回転ツール12の回転速度、移動速度(接合速度)、及び圧入荷重をプロセスパラメータとし、ラメラ幅が0.2μm以上となる入熱量又は冷却速度となるように調整する。
基本的には上述の摩擦攪拌接合条件の変更(A)(摩擦攪拌接合中に接合部10に導入される入熱量の増加)によって、ラメラ幅を0.2μm以上とすることができるが、接合部10の冷却速度を増加させることによってもラメラ幅を増加させることができる場合がある(摩擦攪拌接合条件の変更(B))。
上述のとおり、接合条件変更(A)では、回転ツール12の回転速度の増加、回転ツールの移動速度の減少、回転ツール12の圧入荷重の増加の群から選ばれる1または2以上の接合条件を変更することによって、接合部10への入熱量を増加させることができる。また、接合条件変更(B)では、回転ツール12の移動速度を増加させることで、接合部10の冷却速度を増加させることができる。
摩擦攪拌接合工程(S01)においては、接合部10を外部加熱又は強制冷却すること、が好ましい。接合部10を外部加熱することで、接合部10への入熱量を効率的に増加させ、攪拌部のラメラ幅を増加させることができる。外部加熱の方法については、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の加熱方法を用いることができ、通電加熱、レーザ照射、高周波加熱、マイクロアーク加熱、熱風を用いた加熱、及び摩擦熱を用いた加熱等を例示することができる。
また、接合部10を強制冷却することで、接合部10の冷却速度を増加させ、攪拌部のラメラ幅を増加させることができる。強制冷却の方法については、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の加熱方法を用いることができ、例えば、液体窒素、液体CO、不活性ガス、大気、水等をノズル等で噴射することで達成することができるが、液体COを用いることが好ましい。
(1−3)組織観察工程(S02)
組織観察工程(S02)は攪拌部に形成されるラメラ幅を測定する工程であり、ラメラ幅を正確に計測できる限りにおいて、組織観察方法は特に限定されない。ここで、ラメラ幅を正確に計測するためには透過電子顕微鏡(TEM)又は走査透過電子顕微鏡(STEM)を用いた観察を行うことが好ましいが、走査電子顕微鏡(SEM)及び光学顕微鏡(OM)を用いて観察を行ってもよい。
より具体的には、攪拌部のTEM観察により攪拌部の異なる4、5カ所から微細組織写真を取得する。当該微細組織写真から適当なα相を25本程度選定し、その幅の平均値を求めることでラメラ幅を得ることができる。ここで、ラメラ組織が大きな場合はTEM観察に加えてSEM観察を行い、SEM観察で得られた微細組織写真からも適当なα相を25本程度選定する。上記TEM観察で選定された約25本のα相と合わせて合計約50本のα相における幅の平均値を求めることで、より正確にラメラ幅を求めることができる。
(1−4)被接合材(チタン合金材)
本発明のチタン合金材の接合方法に用いるチタン合金材は、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々のチタン合金材を用いることができ、例えば、汎用されているTi−6Al−4V合金等を用いることができるが、高加工性チタン合金等を用いることが好ましい。
ここで、本発明における高加工性チタン合金とは、従来のチタン合金の欠点であった加工性を改善したチタン合金の総称であり、以下に説明するような添加元素の調整や組織の微細化等によって加工性が改善されたチタン合金を意味する。より具体的には、高加工性チタン合金として、表1に示すTi−531C合金、SP−700合金、及びTi−9合金等を例示することができる。
本発明のチタン合金材の接合方法においては、チタン合金材が、チタン合金材のβトランザス温度を上昇させる物質として、H、He、Li、Be、B、C、N及びOから選択される少なくともいずれか1つの物質を有すること、が好ましい。
α安定化元素であるC、N等が添加されることにより、βトランザス温度が上昇するが、Al等の置換型元素よりも拡散係数が大きいこれらの侵入型元素がチタン合金の格子間に入ることにより、同じα安定化元素であるAl等が添加される場合よりも、加工性への影響を抑え、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。
また、本発明のチタン合金材の接合方法においては、チタン合金材のAl濃度が5.0重量%以下であり、かつβトランザスを上昇させる物質として、チタン合金材が下式(1)で示されるAl当量[Al]eqが4.0重量%以上となる物質を有していること、が好ましい。
[Al]eq=[Al]+([Zr]/6)+([Sn]/3)+10[O] ([]内は重量%) (1)
チタン合金材のAl濃度を5.0重量%以下とし、チタン合金材のα安定化元素であるAlの濃度を減少させることにより、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。また、チタン合金材がAl等量[Al]eqが4.0重量%以上となる物質を含んでいることにより、チタン合金材のAl濃度が5.0重量%以下であっても、βトランザスの低下を抑えつつ、α安定化元素を添加することによる加工性の悪化を抑えることができる。
また、本発明のチタン合金材の接合方法においては、チタン合金材が、Vより拡散係数が大きい物質を有すること、が好ましい。
β安定化元素であり、Vより拡散係数が大きいCr、Fe等がチタン合金材に含まれているため、同じβ安定化元素であるVが含まれている場合よりも、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。
更に、本発明のチタン合金材の接合方法においては、チタン合金材のV濃度が3.5重量%以下であり、かつチタン合金材が下式(2)で示されるMo当量[Mo]eqが5.0重量%以上となる物質を有していること、が好ましい。
[Mo]eq=[Mo]+([Ta]/5)+([Nb]/3.6)+([W]/2.5)+([V]/1.5)+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe] ([]内は重量%) (2)
チタン合金材に含まれるV濃度を3.5重量%以下であっても、Mo等量[Mo]eqが5.0重量%以上となる物質がチタン合金材に含まれていることにより、チタン合金材への加工(接合初期における回転ツールの圧入及び接合中のチタン合金材の攪拌等)を容易なものとすることができる。
以上より、添加元素の影響をまとめると、
α安定化元素:Al、C、O、N等。添加量が多くなるほど、βトランザスが上昇し、加工性が低下する。
β安定化元素:V、Cr、Mo、Nb、Ta、Fe等。添加量が多くなるほど、βトランザスが低下し、加工性が向上する。
Al:引張強度、弾性率、クリープ強さを著しく増加させる。7重量%以上の添加ではα(TiAl)が形成され、著しく脆化する。5重量%以下の添加により、β相が安定化し、熱間加工性が向上する。
O,C及びN:α安定化元素。拡散速度大。α安定化元素の添加による加工性の影響を低減。
V:β安定化元素。加工性向上。
Mo:拡散速度抑制、粒径が微細化する。硬化。超塑性発生温度低下。
Fe:拡散速度大。β安定化元素。加工性向上。
Cr:熱間加工性が向上。脆性改善。
Si:0.1〜0.2%添加で転位のピン止め効果(転移運動抑制)があり、クリープ強さを向上させる。
Bi:0.1〜2.0%添加で、転位のピン止め効果があり、クリープ強さを向上させる。
Sn(中立的):クリープ強度改善(0.2〜1%)。
Zr(中立的):αおよびβ相強化(固溶強化)(2〜8%)。
(2)接合構造物
本発明の接合構造物は、本発明のチタン合金材の接合方法によって形成された接合部10を有することを特徴とするものである。本発明の構造物は接合部10が高い衝撃吸収エネルギーを有しているため、極めて高い安全性が担保されている。
本発明の接合構造物に用いるチタン合金材は、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々のチタン合金材を用いることができ、例えば、汎用されているTi−6Al−4V合金等を用いることができるが、高加工性チタン合金等を用いることが好ましい。高加工性チタン合金の詳細については上述のとおりである。
以上、本発明のチタン合金材の接合方法の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実験例を挙げて本発明のチタン合金材の接合方法について更に説明するが、本発明はこれらの実験例に何ら限定されるものではない。
≪摩擦攪拌接合工程≫
供試材として、4種類のチタン合金(Ti−6Al−4V合金、Ti−9合金、Ti−531C合金、SP−700合金)を用い、板厚2mmの2枚の平板の突き合わせ接合を行った。各チタン合金の組成は表1に示すとおりである。回転ツールには超硬合金を用い、形状はショルダ径を15mm、プローブ径を6mm、プローブ長を1.8mmとした。接合方法には位置制御方式を採用し、回転ツールの回転速度を200〜1000rpm、移動速度を25〜400mm/minの間で変化させた。なお、ツールの前進角は3°とした。
各種チタン合金における摩擦攪拌接合工程中のプロセス最大荷重(回転ツール又は被接合材に印加される最大荷重)と回転ツールの回転速度との関係を図6に示す。高加工性チタン合金であるTi−531C合金及びSP−700合金のプロセス最大荷重は、代表的なチタン合金であるTi−6Al−4V合金と比較して明らかに小さくなっている。当該結果は、上述の添加元素による組成の調整等によって加工性を向上させた高加工性チタン合金を被接合材として用いることにより、ツールの長寿命化及び摩擦攪拌接合装置の小型化が可能であることを意味している。
≪組織観察工程≫
日本電子株式会社製透過型電子顕微鏡JEM−2100F(HR)を用い、攪拌部のWD面(接合方向に対して垂直な面)において、加速電圧200kV、カメラ長200mmで明視野像の観察を行った。試料作製手順を以下に示す。まず、放電加工機により攪拌部の中心を3mm×0.5mmの形状に切り出し、WD方向が80μm以下となるまでエメリー紙♯400から♯4000で湿式研磨し、アセトン中で10分間の超音波洗浄を行い脱脂した。次に、Struers製Tenupol−5を用いて洗浄後の試料に電圧40V、液温−40℃で電解研磨を行い、薄膜を作製した。電解液にはHClO(60%過塩素酸)+C10O(99%1−ブタノール)+CHOH(99%メタノール)(体積比1:7:12)を用いた。なお、作製後の試料は、エタノール中に保管した。
種々の摩擦攪拌接合条件で攪拌部に形成されたラメラ組織の代表的なSEM写真を図7に、TEM写真を図8にそれぞれ示す。全ての攪拌部において旧β粒の内部に細長いα相が析出しており、当該α相の幅(ラメラ幅)は摩擦攪拌接合工程における接合条件及びチタン合金の種類によって異なっていることが分かる。
TEM観察で異なる4、5か所から得られた微細組織写真において、適当なラメラ組織を合計で25本選定し、その平均値を求めた。また、Ti−6Al−4V合金およびTi−9合金に関しては、ラメラ組織が大きいため、TEM写真に加えて、SEM写真から比較的大きめのラメラ組織を25本選定し、計50本の平均値を求めた。なお、SEM観察には日本電子株式会社製JSM−7001FAを用い、加速電圧15kVで観察を行った。
摩擦攪拌接合工程における接合条件とラメラ幅の関係を図9に示す。チタン合金の種類が同じ場合、基本的に回転ツールの回転速度の増加及び移動速度の減少によってラメラ幅が増加している。ここで、回転ツールの回転速度の増加及び移動速度の減少は接合部への入熱量を増加させることから、同じく接合部への入熱量を増加させる回転ツールの圧入荷重の増加によってもラメラ幅が増加するものと思われる。一方で、SP−700合金に関しては回転ツールの移動速度の増加によって極端にラメラ幅が大きくなる接合条件が認められる(回転速度:400rpm、移動速度:1000rpm)。当該結果より、接合部への入熱量を増加させる方向に接合条件を変更してもラメラ幅が0.2μm以上とならない場合は、回転ツール移動速度の増加が効果的であるということが分かる。
≪衝撃吸収エネルギーの評価≫
株式会社タナカ製の微小衝撃片衝撃試験機MIT−D05KJ(S−KIT)卓上型を用い、摩擦攪拌接合工程で得られた継手に対して小型シャルピー衝撃試験を行った。ガス圧力シリンダーで駆動するパンチャーにより、ノッチ裏面に荷重を与え、破壊するまでの荷重をロードセルで測定した。パンチャーの速度は1m・s−1とし、常温において試験を行った。試験片作製位置は継手裏面より0.5〜1.5mm間の中心部分とし、形状は図10に示す寸法で、WD面に深さ0.2mmのノッチを設けた。なお、衝撃試験で得られた荷重−変位曲線の内部の面積を衝撃吸収エネルギーとして評価した。
得られた攪拌部組織のラメラ幅と衝撃吸収エネルギーの関係が図4に示されている。ラメラ幅と衝撃吸収エネルギーとの間には明瞭な相関が認められ、ラメラ幅が0.2μm未満まではラメラ幅の増加に伴って衝撃吸収エネルギーも増加している。一方で、ラメラ幅が0.2μm以上になると衝撃吸収エネルギーは殆ど変化していない。つまり、ラメラ幅を0.2μm以上とすることで、効率的にチタン合金継手に高い衝撃吸収エネルギーを付与することができる。
2・・・旧β粒、
4・・・α相、
6,8・・・チタン合金板、
10・・・接合部、
12・・・回転ツール、
14・・・プローブ。

Claims (7)

  1. 2つのチタン合金材を接合部において対向させ、前記接合部に所定の回転速度で回転させた棒状の回転ツールを圧入することで前記2つのチタン合金材を接合する摩擦攪拌接合工程と、
    前記摩擦攪拌接合工程によって形成した攪拌部組織のラメラ幅を測定する組織観察工程と、を有するチタン合金材の接合方法であって、
    前記組織観察工程で測定された前記ラメラ幅が0.2μm未満であった場合は、下記(A)又は(B)の接合条件の変更を伴った前記摩擦攪拌接合工程を更に施し、
    前記ラメラ幅が0.2μm以上となるまで、前記摩擦攪拌接合工程及び前記組織観察工程をそれぞれ繰り返すこと、
    を特徴とするチタン合金材の接合方法。
    (A):前記回転ツールの前記回転速度の増加、前記回転ツールの移動速度の減少、前記回転ツールの圧入荷重の増加の群から選ばれる1または2以上の接合条件の変更
    (B):前記回転ツールの前記移動速度の増加
  2. 前記チタン合金材が、前記チタン合金材のβトランザス温度を上昇させる物質として、H、He、Li、Be、B、C、N及びOから選択される少なくともいずれか1つの物質を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載のチタン合金材の接合方法。
  3. 前記チタン合金材のAl濃度が5.0重量%以下であり、かつ前記βトランザスを上昇させる物質として、前記チタン合金材が下式(1)で示されるAl当量[Al]eqが4.0重量%以上となる物質を有していること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のチタン合金材の接合方法。
    [Al]eq=[Al]+([Zr]/6)+([Sn]/3)+10[O] ([]内は重量%) (1)
  4. 前記チタン合金材が、Vより拡散係数が大きい物質を有すること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載のチタン合金材の接合方法。
  5. 前記チタン合金材のV濃度が3.5重量%以下であり、かつ前記チタン合金材が下式(2)で示されるMo当量[Mo]eqが5.0重量%以上となる物質を有していること、
    を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載のチタン合金材の接合方法。
    [Mo]eq=[Mo]+([Ta]/5)+([Nb]/3.6)+([W]/2.5)+([V]/1.5)+1.25[Cr]+1.25[Ni]+1.7[Mn]+1.7[Co]+2.5[Fe] ([]内は重量%) (2)
  6. 前記摩擦攪拌接合工程において、前記接合部を外部加熱又は強制冷却すること、
    を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載のチタン合金材の接合方法。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれかに記載のチタン合金材の接合方法によって形成された接合部を有する接合構造物。
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