以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の浴室ユニット(浴室)1は、図1、2に示すように、床躯体上に束等を介して支持された浴槽2及び洗い場床(防水パン)3と、浴槽2の端縁及び洗い場床3の端縁から立ち上がって設けられた立上部4と、立上部4から立設された複数の柱材としてのポスト5と、隣り合うポスト5間に亘って支持されて浴室内壁面を構成する複数の壁パネル6と、複数のポスト5の頂部を連結して設けられたつなぎ梁7と、つなぎ梁7に支持される図示しない天井パネルと、図示しない浴室出入口や窓等と、を備えて構成されている。また、洗い場の壁面には、鏡8が取り付けられ、その他に、図示しないカウンターや棚、照明器具、水栓金具、カラン、シャワー等が設けられる。
なお、以下では、壁パネル6の面直交方向を見込方向と記し、この見込方向と直交する面内方向を見付方向と記す場合があり、特に、ポスト5や、後述する横材12,13、縦材14,15等の長尺部材においては、その材軸方向(長手方向)及び見込方向に直交する方向を見付方向として記すことがある。
ポスト5は、溶融亜鉛めっき鋼板などから曲げ加工及び切断加工によって製作され、断面コ字形や断面C字形に形成されている。このポスト5は、その下端部が浴槽2や洗い場床3の立上部4にブラケット等で固定され、上端部がつなぎ梁7によって隣り合うポスト5の上端部と連結されている。ポスト5は、浴室ユニット1の角部に設けられるコーナーポスト5Aと、隣り合う壁パネル6が平面的に連続した位置に設けられる平ポスト5Bと、を有して構成されている。
壁パネル6は、例えば、鋼板パネルで構成されている。鋼板パネルは、浴室内部側に適宜な化粧面を有する鋼板6A(図5参照)と、この鋼板6Aの裏面に貼付される石膏ボードや発泡ウレタン等の断熱材6Bと、を有し、取付部位に応じた適宜な幅寸法及び高さ寸法に形成されている。鋼板パネルの鋼板6Aには、その左右両側の端縁から見込方向裏面側に突出する突出片6Cと、この突出片6Cの先端から見付方向内側かつ浴室内部側に折り返された被係止部6Dとが形成されている。この鋼板パネルは、被係止部6Dがポスト5の係止片5Cに係止されることで、左右のポスト5間に亘って取り付けられている。
複数の壁パネル6のうち、浴槽2の一方側の短辺2Aに対応する位置の壁パネル6は、上側の上壁パネル61と下側の下壁パネル62とに分割され、これらの間に壁開口部63が形成されている。即ち、壁開口部63は、壁パネル61,62が設けられていない浴室壁面の一部に形成されている。この壁開口部63は、矩形状の内周辺を有し、4つの内周辺のうち、上辺は上壁パネル61の下端縁64によって構成され、下辺は下壁パネル62の上端縁65によって構成され、左右の縦辺は浴槽2の短辺2A両端部から立設された左右一対のポスト5(コーナーポスト5A及び平ポスト5B)によって構成されている。
以上の浴室ユニット1には、図3にも示すように、機能部品としての映像表示部Tを浴室壁に取り付けるための機能部品の取付構造10が設けられている。この取付構造10は、前記壁開口部63と、壁開口部63の左右のポスト5A,5Bに固定されて映像表示部Tを支持する支持部材としての支持フレーム11と、支持フレーム11よりも浴室内側に設けられる化粧フレーム20と、映像表示部Tを収容して支持フレーム11に固定される筐体30と、を備えて構成されている。映像表示部Tは、映像表示を行う電子機器であり、液晶表示部、有機EL表示部、LED表示部等の映像表示部を持つ機器であり、テレビ機器として、図示しない電源装置やテレビアンテナ、チューナー、録画装置、スピーカー等に有線あるいは無線によって接続されてもよい。
支持フレーム11は、壁開口部63の上辺である上壁パネル61の下端縁64に沿った上側の横材12と、壁開口部63の下辺である下壁パネル62の上端縁65に沿った下側の横材13と、壁開口部63の左右の縦辺である左右一対のポスト5A,5Bにそれぞれ沿った一対の縦材14,15と、を四周枠組みして構成されている。これらの横材12,13及び縦材14は、それぞれステンレス鋼板等の金属材料を曲げ加工して形成されており、支持フレーム11の四隅において横材12,13及び縦材14の端部同士が溶接によって接合されて矩形枠状に一体化されている。また、支持フレーム11における縦材14,15の浴室側には、後述する金属プレート16,17が設けられ、縦材15と平ポスト5Bとの間には、位置決め部材18が設けられている。
化粧フレーム20は、支持フレーム11及び筐体30の浴室側に設けられる矩形枠状の被覆部材であって、上下左右の四周に設けられるアルミ形材製の化粧材21と、これらの化粧材21を四隅で接続する図示しない接続部材と、を有して構成されている。なお、化粧材21は、アルミ形材製に限らず、他の金属製でもよいし、樹脂製やガラス製などでもよく、その材質は特に限定されない。この化粧フレーム20は、係止部材22によって筐体30の前面側に取り付けられるようになっている。
筐体30は、全体箱状に形成されるとともに映像表示部Tの前面側に開口30Aを有した筐体本体31と、この筐体本体31の内部側から開口30Aを覆う透光性を有したカバー部材としての透明板32と、を有して構成されている。筐体本体31は、支持フレーム11の内側に挿通可能で矩形状に連続する外周辺33(上辺33A、下辺33B、左側の縦辺33C、及び右側の縦辺33D)を有するとともに、この四方の外周辺33には、それぞれ見付方向外方に延出する延出片34が形成されている。これらの延出片34は、ビス35によって支持フレーム11の横材12,13及び縦材14,15に固定され、これにより筐体30が設置対象部としての壁開口部63に固定されるようになっている。本実施形態では、筐体30の延出片34、支持フレーム11の横材12,13及び縦材14,15と、これらを固定するビス35と、を備えて「固定部」が構成される。
以下、図4〜8も参照して支持フレーム11の詳細構造及び浴室ユニット1への取付構造を詳しく説明する。ここで、図6は、図4における筐体30の下辺33B近傍を拡大して示す分解断面図である。この下辺33B近傍における取付構造と、筐体30の上辺33A近傍における取付構造と、が上下対称であるため、上辺33A近傍における取付構造に係る符号を図6中の括弧内に示すこととする。また、図7は、図5における筐体30の左側の縦辺33C近傍を拡大して示す分解断面図であり、図8は、図5における筐体30の右側の縦辺33D近傍を拡大して示す分解断面図である。
支持フレーム11の上側の横材12は、図4、6にも示すように、見込方向(壁パネル6の面直交方向)に延びる見込み面部121と、この見込み面部121の浴室内部側端部から下方に折れ曲がって延びる第一延出面部(延出片)122と、見込み面部121の浴室外部側端部から上方に折れ曲がって延びる第二延出面部123と、を有して断面クランク状に形成されている。見込み面部121は、上壁パネル61の下端縁64から離隔して下端縁64に対向するように設けられている。第一延出面部122は、上壁パネル61の浴室内壁面と略平坦に設けられ、ビス孔124にビス35が螺合されることで筐体30の延出片34が固定されるようになっている。第二延出面部123は、上壁パネル61の裏面に沿って延び、上壁パネル61を背面側から係止可能に設けられている。
下側の横材13は、図4、6にも示すように、上側の横材12と略同様に、見込方向に延びる見込み面部131と、この見込み面部131の浴室内部側端部から上方に折れ曲がって延びる第一延出面部(延出片)132と、見込み面部131の浴室外部側端部から下方に折れ曲がって延びる第二延出面部133と、を有して断面クランク状に形成されている。見込み面部131は、下壁パネル62の上端縁65から離隔して上端縁65に対向するように設けられている。第一延出面部132は、下壁パネル62の浴室内壁面と略平坦に設けられ、ビス孔134にビス35が螺合されることで筐体30の延出片34が固定されるようになっている。第二延出面部133は、下壁パネル62の裏面に沿って延び、下壁パネル62を背面側から係止可能に設けられている。
ここで、ビス35が螺合される支持フレーム11の横材12,13の第一延出面部122,132と筐体30の延出片34は、壁パネル6の見込方向における浴室表面側に位置するように設けられている。換言すると、支持フレーム11に、見込み面部121,131が設けられていることで、ビス35が螺合される固定部が、見込み面部121,131の見込方向の寸法分だけ壁パネル6の浴室表面側に設けられていることになる。これにより、浴室内から支持フレーム11と筐体30との固定作業を実施する場合に、手前側に固定部が位置することとなり、作業性の向上を図ることができる。さらに、第一延出面部122,132及び延出片34よりも裏面側における建物躯体との距離を拡大することができ、この空間を放熱空間とすることで放熱性能を高めることができる。
支持フレーム11の左右一方(浴室内部側から見て左側)の縦材14は、図5、7にも示すように、コーナーポスト5Aに沿って見込方向に延びる見込み面部141と、この見込み面部141の浴室内部側端部から見付方向内方(壁開口部63の内側)に折れ曲がって延びる延出面部(延出片)142と、を有して断面L字状に形成されている。この縦材14は、見込み面部141を貫通する固着具としてのビス143によってコーナーポスト5Aに固定されている。延出面部142は、横材12,13の第一延出面部122,132と平坦に設けられ、ビス孔144にビス35が螺合されることで筐体30の延出片34が固定されるようになっている。
支持フレーム11の左右他方(浴室内部側から見て右側)の縦材15は、図5、8にも示すように、平ポスト5Bに沿って見込方向に延びる見込み面部151と、この見込み面部151の浴室内部側端部から見付方向内方(壁開口部63の内側)に折れ曲がって延びる延出面部(延出片)152と、を有して断面L字状に形成されている。この縦材15は、見込み面部151を貫通する固着具としてのビス153によって平ポスト5Bに固定されている。延出面部152は、横材12,13の第一延出面部122,132と平坦に設けられ、ビス孔154にビス35が螺合されることで筐体30の延出片34が固定されるようになっている。
このような支持フレーム11は、壁パネル6の見付方向内方に離隔して設けられた横材12,13の第1延出面部122,132と、縦材14,15の延出面部142,152と、を有し、これらの延出面部122,132、142,152が、ビス35が螺合されることで、筐体30の延出片34に固定されるから、壁パネル6の端縁64,65は、該端縁64,65に対向する筐体30の外周辺33に対して、壁パネル6の面内方向外方に離隔して設けられる。こうして、筐体30の外周辺33に対して、壁パネル6の面内方向外方に離隔して設けられた離隔部分S(図4、図5参照)は、筐体30の四周を囲んで連続して設けられている。
金属プレート16は、支持フレーム11の縦材14に沿って長尺状に形成されるとともに、図5、7にも示すように、縦材14の延出面部142に沿って見付方向に延びる第一面部161と、この第一面部161の見付方向外端部から見込方向の浴室外部側に延びる第二面部162と、この第二面部162の浴室外部側端部から外方に折れ曲がって延びる位置決め片163と、を有して断面クランク状に形成されている。第一面部161は、縦材14の延出面部142と筐体30の延出片34との間に挟持され、第二面部162は、縦材14の見込み面部141とコーナーポスト5Aとの間に挟持されている。位置決め片163は、コーナーポスト5Aの浴室外部側の側面に当接することで、金属プレート16が見込方向に位置決めされる。このように金属プレート16をコーナーポスト5Aに対して位置決めした状態において、縦材14及び金属プレート16にビス143を貫通させ、このビス143をコーナーポスト5Aに螺合させることで、支持フレーム11がコーナーポスト5Aに対して所定の見込位置に固定できるようになっている。
金属プレート17は、支持フレーム11の縦材15に沿って長尺状に形成されるとともに、図5、8にも示すように、縦材15の延出面部152に沿って見付方向に延びる第一面部171と、この第一面部171の見付方向外端部から見込方向の浴室外部側に延びる第二面部172と、この第二面部172の先端から見付方向内側かつ浴室内部側に折り返された被係止部173と、を有して形成されている。第一面部171は、縦材15の延出面部152と筐体30の延出片34との間に挟持される。第二面部172及び被係止部173は、隣り合う壁パネル6の突出片6C及び被係止部6Dと同様の納まりによって平ポスト5Bの係止片5Cに係止される。これによって金属プレート17及び壁パネル6の平ポスト5Bに対する係止が維持されるようになっている。
位置決め部材18は、支持フレーム11の縦材15に沿った複数個所(本実施形態では3箇所)に設けられるピース部材であって、図5、8にも示すように、見込方向に延びる見込面部181と、この見込面部181の浴室外部側端部から見付方向外方に折れ曲がって延びる位置決め片182と、を有して断面L字状に形成されている。見込面部181は、縦材15の見込み面部151と平ポスト5Bとの間に挟持されている。位置決め片182は、平ポスト5Bの浴室外部側の側面に当接することで、位置決め部材18が見込方向に位置決めされる。このように位置決め部材18を平ポスト5Bに対して位置決めした状態において、縦材15及び位置決め部材18にビス153を貫通させ、このビス153を平ポスト5Bに螺合させることで、支持フレーム11が平ポスト5Bに対して所定の見込位置に固定できるようになっている。
以上のように、左側の縦材14が金属プレート16によってコーナーポスト5Aに対して位置決めされるとともに、見込み面部141を貫通するビス143によってコーナーポスト5Aに固定され、右側の縦材15が位置決め部材18によって平ポスト5Bに対して位置決めされるとともに、見込み面部151を貫通するビス153によって平ポスト5Bに固定されることで、支持フレーム11は、左右のポスト5に亘って固定される。このように支持フレーム11が左右のポスト5に亘って壁開口部63に固定されることで、上壁パネル61の下端縁64に沿って上側の横材12が支持され、下壁パネル62の上端縁65に沿って下側の横材13が支持される。この際、横材12の見込み面部121と上壁パネル61の下端縁64とは互いに離隔して設けられ、横材13の見込み面部131と下壁パネル62の上端縁65とは互いに離隔して設けられることで、支持フレーム11からの荷重が壁パネル6に伝達されないようになっている。
次に、図6〜8も参照して、化粧フレーム20の詳細構造及び取付構造について説明する。化粧フレーム20の四周に設けられる化粧材21は、各々同一断面を有して形成され、浴室内部側の見えがかり面となる見付け面部211と、この見付け面部211の見付方向外端縁から見込方向に延びる見込み面部212と、見付け面部211の背面と見込み面部212の先端を連結する補強面部213と、見付け面部211の背面から見込方向に突出した被係止面部214と、を有して形成されている。また、見付け面部211の見付方向内端縁には、背面側に突出した第一突条215が設けられ、補強面部213の見込方向背面側には、第二突条216が設けられている。
係止部材22は、金属製の板バネ材から曲げ加工により成形されるピース部材であって、筐体30の上辺33A及び下辺33Bにおける延出片34にそれぞれ3箇所ずつ設けられ、筐体30の左右の縦辺33C,33Dにおける延出片34にそれぞれ2箇所ずつ設けられている。係止部材22は、ビス35によって延出片34に固定される固定片部221と、固定片部221から浴室内部側に屈曲状に延びる係止片部222と、を有して形成されている。このような係止部材22は、固定片部221を貫通するビス35によって筐体30の延出片34に固定されるとともに、係止片部222によって化粧材21の被係止面部214を係止することで、筐体30に対して化粧フレーム20を係脱自在に支持するように構成されている。
このように筐体30の浴室内部側(前面側)に取り付けられた化粧フレーム20において、第一突条215は、その先端が筐体30の透明板32に近接して設けられ、この第一突条215の先端と透明板32との間は、シリコンシール23によって止水処理が施されている。また、第二突条216は、上下辺において上壁パネル61及び下壁パネル62の浴室内面に当接又は近接し、左辺において金属プレート16の第一面部161に当接又は近接し、右辺において金属プレート17の第一面部171に当接又は近接して設けられている。このような第二突条216と、上壁パネル61、下壁パネル62、及び金属プレート16,17との間には、必要に応じてシール材が設けられていてもよい。
次に、図9も参照して、筐体30の詳細構造及び取付構造について説明する。筐体本体31は、開口30Aが形成されて映像表示部Tの前面側に設けられる前枠体36と、映像表示部Tの背面側に設けられて映像表示部Tが固定される後枠体37と、を互いに連結して構成されている。前枠体36及び後枠体37は、それぞれステンレス鋼板等の金属板材にプレス加工等を施して形成されている。透明板32は、板ガラスから形成され、その前面あるいは後面には反射防止コーティング等の適宜な表面処理が施されている。
前枠体36は、全体矩形枠状に形成されるとともに、筐体30の外周辺33の前側部分を構成する前見込面部361と、この前見込面部361の前端縁から見付方向内側に延びて開口30Aの周辺部を構成する開口周辺部362と、前見込面部361の後端縁から見付方向外側に延びる前延出片363と、を有して形成されている。後枠体37は、前方側が開口した全体箱状に形成されるとともに、筐体30の外周辺33の後側部分を構成する後見込面部371と、この後見込面部371の後端縁に連続した板状の背面部372と、後見込面部371の前端縁から見付方向外側に延びる後延出片373と、を有して形成されている。後枠体37の背面部372には、映像表示部Tを固定するための複数の背面固定部374が設けられている。
筐体30の延出片34は、前延出片363と、後延出片373と、これらの間に介装される止水材38と、が前後方向に重ねられるとともに、周方向に複数設けられるビス39によって固着されて構成されている。このように構成される延出片34は、筐体30の最前部である開口周辺部362から前見込面部361の前後寸法分だけ後退するとともに、筐体30の最後部である背面部372から後見込面部371の前後寸法分だけ前進した位置に設けられ、すなわち、筐体30の外周辺33における前後方向の中間部から外方に突出して形成されている。また、延出片34(前延出片363及び後延出片373)には、ビス39が貫通するとともに螺合する貫通孔341と、ビス35を挿通させるための複数の挿通孔342(図6〜8参照)と、が形成されている。さらに、延出片34と上壁パネル61、下壁パネル62、及び金属プレート16,17との間には、シール材34Aが設けられている。
筐体30の内部における上辺33A、下辺33B、左右の縦辺33C,33Dの各辺に沿った複数個所には、透明板32を開口周辺部362に向かって押圧する押圧手段40が設けられている。この押圧手段40は、後枠体37側に設けられる金属製の押圧部材41と、この押圧部材41と透明板32との間に介装される弾性部材42と、を有して構成されている。押圧部材41は、その後端部を後枠体37の背面部372に当接させ、前端部で弾性部材42を介して透明板32を前方に向かって押圧するように構成されている。また、透明板32の前面と開口周辺部362との間には止水部材43が四周連続して介装され、透明板32の四周端縁と前見込面部361の内面との間には、透明板32の面内移動を規制する規制部材44が介装されている。
このように透明板32は、押圧手段40によって前方に押圧されるとともに、開口周辺部362との間に止水部材43が介装されていることで、筐体30の内部において弾性支持され、前後方向への移動が規制されている。さらに、透明板32は、規制部材44によって面内方向への移動が規制されているので、筐体本体31に安定して支持されるとともに、外部からの衝撃が伝達しにくくなっている。また、映像表示部Tは、背面固定部374によって後枠体37に固定されているので、映像表示部Tと透明板32とを一体化する必要がなく、互いに離隔させることができるので、外部からの振動や衝撃による映像表示部T及び透明板32の破損が防止できるようになっている。
筐体30の組立手順としては、先ず、背面固定部374によって後枠体37に映像表示部Tを固定するとともに、弾性部材42を貼り付けた押圧部材41を後枠体37にセットしておく。一方、前枠体36において、前見込面部361の内面に規制部材44をセットするとともに、前面外周に沿って止水部材43を貼り付けた透明板32を開口周辺部362にセットしておく。このような前枠体36及び後枠体37において、前延出片363と後延出片373との間に止水材38を挟み込むとともに、これらの前延出片363と後延出片373とをビス39によって固着することで、映像表示部T及び透明板32を筐体本体31に内蔵した筐体30が組み立てられる。
以上のように組み立てられた筐体30は、映像表示部T及び透明板32を内蔵した状態で浴室ユニット1の施工現場まで搬送され、壁開口部63の支持フレーム11に固定される。具体的には、前述したように、支持フレーム11の縦材14,15をビス143,153によって左右のポスト5に固着することによって、支持フレーム11を壁開口部63に固定しておく。この支持フレーム11に対して浴室内部側から筐体30をセットし、その延出片34の挿通孔342にビス35を挿通し、このビス35を横材12,13及び縦材14,15のビス孔124,134,144,154に螺合することによって、支持フレーム11に筐体30を固定する。
なお、支持フレーム11に対して筐体30をセットする前に、筐体30の延出片34にシール材34Aを貼り付けておくとともに、縦材15の浴室側に金属プレート17を接着しておくものとする。また、筐体30の延出片34の挿通孔342にビス35を挿通する際には、このビス35の頭部と延出片34との間に係止部材22を挟んでおく。このように筐体30を支持フレーム11に固定したら、筐体30に取り付けられた係止部材22の係止片部222に化粧材21の被係止面部214を係止させることで、筐体30に対して化粧フレーム20を取り付け、化粧材21の第一突条215と筐体30の透明板32との間をシリコンシール23で止水する。以上によって、筐体30及び筐体30に収容された映像表示部Tの浴室ユニット1への取り付けが完了する。
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、左右のポスト5A,5B(柱材)に固定される支持フレーム11(支持部材)によって映像表示部T(機能部品)を支持することで、壁パネル61,62に映像表示部Tの重量が作用しないようにできるので、壁パネル61,62を厚くしたり、その裏面に補強を設けたりする必要がなく、通常の浴室ユニット1に対して映像表示部Tを取り付けることができる。また、壁パネル61,62の端縁64,65が筐体30の外周辺33と面内方向に離隔して設けられ、この離隔部分S(図4、図5参照)、即ち隙間に支持フレーム11と筐体30との固定部が設けられているので、この固定部周辺のスペースを確保して固定作業の作業性の向上を図ることができる。さらに、壁パネル61,62の端縁64,65と映像表示部Tの外周辺33との間に離隔部分Sが形成されているので、この離隔部分Sを放熱空間として利用することができ、この放熱空間に映像表示部Tからの熱を逃がすことで映像表示部Tの発熱を抑制することができる。
また、本発明の機能部品の取付構造10では、支持フレーム11(支持部材)と筐体30との両方に、離隔部分Sにて他方に延びる延出片34、第一延出面部122,132、延出面部142,152が形成され、当該延出片34、第一延出面部122,132、延出面部142,152に前記固定部が設けられている。この構成によれば、支持フレーム11と筐体30との一方から他方に向かって形成される延出片34、第一延出面部122,132、延出面部142,152に固定部が設けられているので、この固定部の固定作業を一層容易に実施することができる。
さらに、本発明の機能部品の取付構造10では、延出片34、第一延出面部122,132は、壁パネル61,62の見込方向の浴室表面側に設けられている。この構成によれば、壁パネル61,62の浴室表面側に延出片34、第一延出面部122,132が設けられているので、浴室内から支持フレーム11(支持部材)と筐体30との固定作業を実施する場合に、手前側に固定部が位置することとなり、より一層作業性の向上を図ることができる。さらに、延出片34、第一延出面部122,132よりも裏面側における建物躯体との距離を拡大することができ、この空間を放熱空間とすることで放熱性能を高めることができる。
また、本発明の機能部品の取付構造10では、離隔部分Sは、筐体30の四周を囲んで連続して設けられている。この構成によれば、筐体30の四周を囲んで離隔部分S(隙間)が連続して設けられていることで、この離隔部分Sを放熱空間として利用する場合に、放熱空間内部の空気を循環させることができ、放熱性能をより一層向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
本発明の変形例に係る機能部品の取付構造110,210,310について、図10(A)(B)(C)を参照して説明する。図10(A)は、本発明の変形例に係る機能部品の取付構造を示す断面図であり、図10(B)は、本発明の他の変形例に係る機能部品の取付構造を示す断面図であり、図10(C)は、本発明のさらに他の変形例に係る機能部品の取付構造を示す断面図である。なお、図10(A)(B)(C)において、上述した実施形態と同一構成乃至同一機能を有する部分には、同一符号を付して説明を省略する。
機能部品の取付構造110は、図10(A)に示すように、筐体本体31Aが、矩形状に連続する外周辺33(上辺33A,下辺33B、左側の縦辺33C、及び右側の縦辺33D)を有して構成されている。つまり、筐体本体31Aにおいて、上述した実施形態にいう延出片34は省略されていてもよい。上述した実施形態では、延出片が支持フレーム11及び筐体30の両方に形成されていたが、ここでは、延出片が支持フレーム11Aのみに形成された一例を説明する。
支持フレーム11Aは、上下の横材13Aが、見込方向(壁パネル6の面直交方向)に延びる見込み面部131と、この見込み面部121の浴室内部側端部から上方に折れ曲がって延びる第一延出面部132と、見込み面部131の浴室外部側端部から下方に折れ曲がって延びる第二延出面部133と、を有しているとともに、さらに、筐体30の外周辺33の下辺33Bに重ねられる重なり面部135を有して構成されている。重なり面部135は、第一延出面部132との間で折れ曲がって見込方向に延びて形成されている。そして、重なり面部135が筐体30の下辺33Bに重ねられた状態で、ビス35Aが、重なり面部135及び下辺33Bに螺合されることで、支持フレーム11Aと筐体30とが固定されている。これによれば、支持フレーム11Aと筐体30とが固定された状態で、第一延出面部132の上下方向の寸法分だけ、壁パネル62の端縁65と筐体30の外周辺33の下辺33Bとが離隔した離隔部分Sが形成されていることとなり、上述した実施形態と同様の効果が奏される。
機能部品の取付構造210は、図10(B)に示すように、筐体本体31Bが、矩形状に連続する外周辺33を有するとともに、この四方の外周辺33には、それぞれ見付方向外方に延出する延出片34が形成され、さらに、支持フレーム11の見込み面部131に重ねられる重なり面部235を有して構成されていてもよい。上述した実施形態では、延出片が支持フレーム11及び筐体30の両方に形成されていたが、ここでは、延出片34が筐体30のみに形成された一例を説明する。
支持フレーム11Bは、上下の横材13Aが、見込方向(壁パネル6の面直交方向)に延びる見込み面部131と、見込み面部131の浴室外部側端部から下方に折れ曲がって延びる第二延出面部133と、を有して構成されている。つまり、横材13Aにおいて、第一延出面部132は省略されていてもよい。そして、筐体30の重なり面部235と支持フレーム11Bの見込み面部131とが重ねられた状態で、ビス35Bが、重なり面部235及び見込み面部131に螺合されることで、支持フレーム11Bと筐体30とが固定されている。これによれば、支持フレーム11Bと筐体30とが固定された状態で、筐体30の延出片34の延出方向(上下方向)の寸法分だけ、壁パネル62の端縁65と筐体30の外周辺33の下辺33Bとが離隔した離隔部分Sが形成されていることとなり、上述した実施形態と同様の効果が奏される。
機能部品の取付構造310は、図10(C)に示すように、筐体本体31Aが、矩形状に連続する外周辺33を有して構成されている。つまり、筐体本体31Aにおいて、上述した実施形態にいう延出片34は省略されていてもよい。また、支持フレーム11Bの上下の横材13Aは、見込方向(壁パネル6の面直交方向)に延びる見込み面部131と、見込み面部131の浴室外部側端部から下方に折れ曲がって延びる第二延出面部133と、を有して構成されている。つまり、横材13Aにおいて、第一延出面部132は省略されていてもよい。上述した実施形態では、延出片が支持フレーム11B又は筐体30のうちの一方に形成されていたが、ここでは、延出片に相当する部材が、支持フレーム11Bと筐体30とは別部材の固定部材80から構成された一例を説明する。
固定部材80は、見込方向に延びる一対の見込み面部81,82と、これらの見込み面部81,82との境界位置において折れ曲がって上下に延びる延出面部83と、を有して構成されていている。この場合においては、見込み面部81が、筐体30の下辺33Bに重ねられた状態でビス35Cが螺合され、そして、見込み面部82が、支持フレーム11Bの見込み面部131に重ねられた状態でビス35Bが螺合されることで、支持フレーム11Bと筐体30とが固定されている。これによれば、支持フレーム11Bと筐体30とが固定された状態で、延出面部83の上下方向の寸法分だけ、壁パネル62の端縁65と筐体30の外周辺33の下辺33Bとが離隔した離隔部分Sが形成されていることとなり、部品点数が増加してしまうものの、上述した実施形態と同様の効果が奏される。
また、上述した実施形態では、支持フレーム11と筐体30とがビス35を用いて固定されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。支持フレーム11と筐体30とがリベットを用いて固定されていてもよく、ボルト固定や加締めにより固定されていてもよいし、溶着や接着などの公知の方法で固定されていてもよい。
また、例えば、前記実施形態では、機能部品が映像表示部Tである場合を例示したが、機能部品としては、映像表示部Tに限らず、テレビ受像機能を備えない表示装置であってもよいし、パーソナルコンピュータやゲーム機器、音響機器、冷暖房装置、照明装置、冷蔵庫、時計などの電気機器であってもよい。さらに、機能部品としては、電気機器に限らず、収納装置や鏡(通常の鏡やハーフミラー等)などの浴室付属部品であってもよいし、水槽、絵画、彫刻などの装飾品であってもよく、その品種や品目は特に限定されない。
また、前記実施形態では、映像表示部T(機能部品)が筐体30に収容された状態で浴室ユニット1に取り付けられる構成であったが、これに限らず、映像表示部Tが直接支持フレーム11に固定されていてもよい。即ち、機能部品として、防水性能を必要としないもの、あるいは機能部品そのものが防水性能を有したものである場合には、筐体に収容されずに浴室内部に露出して設けられていてもよい。また、機能部品を筐体に収容する場合であっても、この筐体において防水性能は必須ではなく、排水性や清掃性を有した筐体など、使用上の問題が生じない範囲で適宜な筐体を採用することは任意である。
また、前記実施形態としては、浴室ユニット1の壁パネル6として、鋼板パネルを例示したが、壁パネルとしては、鋼板パネルに限らず、樹脂パネルやタイルパネル、木質パネル、ガラスパネル、異種材料が積層された複合パネル等であってもよい。このように壁パネルの種別よって厚さ寸法や取付構造も異なることになるが、そのような各種条件に応じて支持フレームや筐体の形状が変更されてもよく、このような形状や寸法を変更した構造も本発明に含まれる。また、壁パネルの種別よって柱材としてのポストの形状や、壁パネルとポストとの納まりが異なることになるが、そのようなポストに対する支持フレームの固定構造が変更されてもよい。
また、前記実施形態では、壁パネル6を上下に分割した上壁パネル61と下壁パネル62との間に壁開口部63が形成され、この壁開口部63の左右の縦辺が左右一対のポスト5によって構成される場合を例示したが、壁開口部としては、前記実施形態の形態に限らず、壁パネルの一部を取り除いて形成されたものであればよい。すなわち、壁開口部としては、1枚の壁パネルの中間部をくり抜いて形成されたものでもよいし、壁パネルの上下左右の一辺〜三辺を含む領域を切り欠いて形成されたものでもよい。
また、壁開口部としては、前記実施形態のように矩形状の開口に限らず、任意形状の開口であってもよい。この際、例えば、壁開口部が円形の開口である場合、その内周辺のうち上部及び下部を形成する円弧状の辺(上辺及び下辺)の少なくとも一方に沿って支持部材の横材が設けられていればよい。さらに、壁開口部が多角形の開口である場合、横材は、略水平に設けられるだけでなく、傾斜して設けられてもよいし、途中が屈曲して設けられてもよい。
また、前記実施形態では、支持部材として、上下一対の横材12,13と左右一対の縦材14,15とを四周枠組みした支持フレーム11を採用したが、このような支持フレーム11に限らず、上下の横材のうち少なくとも一方の横材を有して支持部材が構成されていればよい。ここで、前記実施形態では、支持フレーム11の縦材14,15を左右のポスト5に固定したが、縦材14,15を備えずに支持部材が構成された場合には、横材の左右両端部を左右のポストに直接固定してもよいし、適宜なブラケット等を介してポストに固定してもよい。また、前記実施形態のような支持フレームを採用する場合であっても、上下の横材間に亘る縦方向の補助部材や、左右の縦材間に亘る横方向の補助部材など、適宜な補助部材によって支持フレームを補強してもよい。
また、前記実施形態では、四周枠組みされた支持フレーム11の上下の横材12,13と左右の縦材14,15に筐体30の延出片34がビス35によって固定されていたが、これらのビス35により固定される固定部が縦材に設けられず、横材のみに設けられていてもよい。さらに、固定部は上下の横材の両方に設けられるものに限らず、上下いずれか一方の横材に設けられていてもよい。このように固定部が縦材に設けられずに横材のみに設けられていれば、横材の長さ(柱材の間隔)に関わらず、それ未満の幅寸法を有した機能部品あるいは筐体を固定する際に、壁開口部を必要以上に大きくしなくて済むことから、機能部品や筐体の側方に開口が形成されず、その開口を塞ぐための部材を省略することができる。
また、前記実施形態では、支持部材である支持フレーム11が固定される柱材として、浴槽2の短辺2A両端部から立設された左右一対のポスト5(コーナーポスト5A及び平ポスト5B)を用いた構成を例示したが、支持部材が固定される柱材としては、浴槽の短辺両端部のポストに限らず、浴槽2の長辺に沿った立上部4から立設されたポストでもよいし、洗い場床3の立上部4から立設されたポストでもよい。さらに、浴室ユニット1のサイズによっては、浴槽2の短辺に沿った中間部からポストが立設される場合があり、このポストに支持部材が固定されてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。