JP2016006420A - 唾液試料の調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】唾液を、唾液吸収部材に吸収させる吸収工程と、前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材を乾燥させる乾燥工程と、を有し、前記吸収工程において、前記唾液吸収部材に所定量の唾液を吸収させる、又は前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材から、所定量の唾液由来の固形分が吸着している領域を切断して回収することにより、所定量の唾液に由来する固形分が唾液吸収部材に乾燥状態で保持された唾液試料を調製することを特徴とする、唾液試料の調製方法。
【選択図】なし
Description
[1] 本発明に係る第一の唾液試料の調製方法は、唾液を、唾液吸収部材に吸収させる吸収工程と、前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材を乾燥させる乾燥工程と、を有し、前記吸収工程において、(i)前記唾液吸収部材に所定量の唾液を吸収させること、又は(ii)前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材から、所定量の唾液由来の固形分が吸着している領域を切断して回収することにより、所定量の唾液に由来する固形分が唾液吸収部材に乾燥状態で保持された唾液試料を調製することを特徴とする。
[2] 前記[1]の唾液試料の調製方法においては、前記唾液吸収部材が短冊状又は棒状であり、前記吸収工程において、前記唾液吸収部材の一方の端部を唾液に接触させ、毛細管現象により唾液を吸い上げることにより当該唾液吸収部材に唾液を吸収させ、前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材の唾液由来の固形分が吸着している領域のうち、吸い上げられた唾液の先端から8mm以上離れている領域から、所定の面積分又は体積分の領域を切断したものを、唾液試料として回収することが好ましい。
[3] 前記[1]又は[2]の唾液試料の調製方法においては、前記唾液が、液体状態で唾液容器に収容されているものであることが好ましい。
[4] 前記[1]又は[2]の唾液試料の調製方法においては、前記吸収工程を、前記唾液吸収部材を被検者の口腔内において唾液と接触させることにより行うことが好ましい。
[5] 前記[4]の唾液試料の調製方法においては、前記唾液吸収部材が短冊状又は棒状であり、前記吸収工程において、前記唾液吸収部材の一方の端部を被検者の口に入れて、毛細管現象により唾液を吸い上げることにより当該唾液吸収部材に唾液を吸収させ、前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材の唾液由来の固形分が吸着している領域のうち、被検者の口腔内において唾液と直接接触していなかった領域であり、かつ吸い上げられた唾液の先端から8mm以上離れている領域から、所定の面積分又は体積分の領域を切断したものを、唾液試料として回収することが好ましい。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記乾燥工程前に、前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材に、抗菌剤を含有させることが好ましい。
[7] 前記[1]〜[3]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記吸収工程において、唾液と抗菌剤の混合物を前記唾液吸収部材に吸収させることが好ましい。
[8] 前記[1]〜[3]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記唾液吸収部材が、予め抗菌剤を保持していることが好ましい。
[9] 本発明に係る第二の唾液試料の調製方法は、唾液を、唾液吸収部材に吸収させる吸収工程と、前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材を、抗菌剤を含有する溶液中に浸漬させる抗菌剤処理工程と、を有し、前記吸収工程において、(i)前記唾液吸収部材に所定量の唾液を吸収させること、又は(ii)前記吸収工程後、前記唾液吸収部材から所定量の唾液由来の固形分が吸着している領域を切断して回収したものを、前記抗菌剤を含有する溶液中に浸漬させることにより、所定量の唾液に由来する固形分と唾液吸収部材を含有する溶液である唾液試料を調製することを特徴とする。
[10] 前記[6]〜[9]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記抗菌剤が、第四級アンモニウム塩系抗菌剤であることが好ましい。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記吸収工程において前記唾液吸収部材に吸収させる唾液量が、前記唾液吸収部材の最大吸収量であることも好ましい。
[12] 前記[1]〜[11]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記所定量が、1〜50μLであることが好ましい。
[13] 前記[1]〜[12]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記唾液吸収部材が、合成樹脂繊維からなることが好ましい。
[14] 前記[1]〜[8]のいずれかの唾液試料の調製方法においては、前記乾燥工程における乾燥が、自然乾燥であることが好ましい。
[15] 本発明に係る唾液中の有機酸の検出方法は、前記[1]〜[14]のいずれかの唾液試料の調製方法により得られた唾液試料を、極性有機溶剤に浸漬させることにより、前記唾液試料から唾液由来の有機酸を抽出する抽出工程と、前記抽出工程の後、有機酸が抽出された極性有機溶剤を、唾液由来有機酸検出用試料として、前記唾液試料から分離して回収する回収工程と、前記回収工程により回収された唾液由来有機酸検出用試料中の有機酸を下記一般式(1)−1〜(1)−3(式(1)−1〜3中、R1及びR2は、一方が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表し、他方が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。)のいずれかで表される誘導体化試薬とエステル結合させることにより誘導体を合成し、当該誘導体を、正イオンモードのエレクトロスプレーイオン化LC−MS/MS(液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析)法により検出する検出工程と、を有することを特徴とする。
[17] 前記[15]又は[16]の唾液中の有機酸の検出方法においては、前記抽出工程において、前記唾液試料を、予め内部標準物質を含有させた極性有機溶剤に浸漬させることが好ましい。
[18] 前記[15]〜[17]のいずれかの唾液中の有機酸の検出方法においては、前記誘導体化試薬が2−ピリジンメタノール、1−ピペリジンエタノール、及び2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジンからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
[19] 前記[15]〜[18]のいずれかの唾液中の有機酸の検出方法においては、前記有機酸が3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシイソ吉草酸、2−ヒドロキシ酪酸、及び乳酸からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
[20] 本発明に係る有機酸濃度の経時的変化の測定方法は、同一の被験者から経時的に調製された複数の唾液試料に対して、前記[15]〜[19]のいずれかの唾液中の有機酸の検出方法を行い、前記被験者の唾液中の有機酸濃度の経時的変化を調べることを特徴とする。
また、本発明に係る有機酸の検出方法や有機酸濃度の経時的変化の測定方法は、本発明に係る唾液試料の調製方法により調製された唾液試料中の有機酸を、特定の誘導体化試薬を用いて誘導体化した後にLC−P−ESI−MS/MSによって検出する方法であり、これらの方法により、極少量の唾液から、3−HIBや3−HB、3−HMB、2−HB、乳酸等の有機酸を高感度に検出することができる。
本発明に係る唾液試料の調製方法は、所定量の唾液に由来する固形分が唾液吸収部材に乾燥状態で保持された唾液試料を調製することを特徴とする。当該調製方法により調製された唾液試料は、乾燥状態であるため、臨床検査等に供されるまでの間、室温や外気温中で保存した場合であっても、唾液中の各種生体分子が安定して維持される。また、液状の唾液をそのまま容器等に回収して保存する場合よりも、保管や移送等が容易であり、取扱い性にも優れている。さらに、当該調製方法により調製された唾液試料は、予め定められた所定量の唾液に由来する固形分を含有しているため、当該調製方法により調製された複数の唾液試料について同一の検査方法に供することにより、試料ごとの測定のばらつきを抑えることができる上に、ノーマライズ処理を行うことなく、各唾液試料に含有されている生体分子の含有量同士を直接比較することができる。
唾液中の有機酸のうち、3−HB、3−HIB、3−HMB、2−HB、及び乳酸は、いずれも、前記抗菌剤の存在下で比較的長時間、安定して保存することができる。そこで、唾液を吸収させた唾液吸収部材を乾燥させることなく、抗菌剤を含有する溶液中に浸漬させることによっても、唾液由来の有機酸を安定的に含有する唾液試料を調製することができる。具体的には、唾液を、唾液吸収部材に吸収させる吸収工程と、前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材を、抗菌剤を含有する溶液中に浸漬させる抗菌剤処理工程と、により行う。使用する唾液吸収部材及び抗菌剤は、前記の第一の唾液試料の調製方法で用いられるものと同様のものを用いることができ、吸収工程は、前記の第一の唾液試料の調製方法における吸収工程と同様にして行うことができる。また、抗菌剤処理工程において唾液吸収部材を浸漬させる抗菌剤を含有する溶液としては、前記抗菌剤溶液を用いることができる。
本発明に係る唾液中の有機酸の検出方法(以下、「本発明に係る検出方法」ということがある。)は、本発明に係る唾液試料の調製方法により得られた唾液試料中の有機酸を、特定の誘導体化試薬により誘導体化した後にLC−P−ESI−MS/MSによって検出することを特徴とする。本発明に係る検出方法では、有機酸を、特定の誘導体化試薬により誘導体化して検出するため、供される唾液試料が1〜50μLという極少量の唾液から調製されたものであっても、3−HB、3−HIB、3−HMB、2−HB、乳酸等(以下、まとめて「3−HB等」ということがある。)の有機酸を検出することができる。
以下の実施例や参考例等で用いた試薬は次の通りである。D−3−HB、L−3−HB、及び3−HIBナトリウム塩は、シグマアルドリッチケミカル社製のものを用いた。DL−3−HB−13C4ナトリウム塩は、太陽日酸社製のものを用いた。2−ピリジンメタノール、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、1−ピペリジンエタノール、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジン、3−ピリジンメタノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、及び4−ピリジンメタノールは、東京化成工業社製のものを、4−ジメチルアミノピリジンは和光純薬社製のものを用いた。3−HBデヒドロゲナーゼは、Roche Diagnostics社製のものを用いた。
以下の参考例において使用した血清試料は、以下のようにして調製した。
健常人から採取した血液から血清を回収し、測定に使用する時点まで−20℃で保存したものを用いた。血清(10μL)を、1.5mLの遠心分離用プラスチックチューブにいれ、さらに内部標準として769pmol(100ng)のDL−3−HB−13C4ナトリウム塩を含むアセトニトリル/水(1/19、容量比)溶液(100μL)を添加して1分間撹拌した後、2000×gで1分間遠心分離処理した。上清を、水/アセトニトリル(1/19、容量比)溶液に入れ、脱蛋白処理をした後、液相を回収して80℃、窒素ガス吹き付け下でエバポレートして乾燥させた。
以下の参考例において使用した3−HB−フリー血清は、以下のようにして調製した。
3−HB−フリー血清は、正常な血清(10μL)を1.8mMのNADと0.075Uの3−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼを添加した150mMのTris−HCl(pH8.6)に添加して、37℃で30分間インキュベートすることにより調製した。
以下の参考例において、2−ピリジンメタノールを誘導体化試薬とする有機酸のエステル化反応は、以下のようにして調製した。
2−ピリジンメタノールを誘導体化試薬とする有機酸のエステル化反応は、シイナらによるカルボキシエステルの合成方法(非特許文献13参照。)を改良して行った。具体的には、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(67mg)、4−ジメチルアミノピリジン(20mg)、ピリジン(900μL)、及び2−ピリジンメタノール(100μL)からなる2PM誘導体化用混合試薬を用いた。まず、直前に調製した前記2PM誘導体化用混合試薬(50μL)を、有機酸を含む乾燥させたサンプルに加えた反応溶液を、室温で30分間静置した。次いで、当該反応液にn−ヘキサン(1mL)を加えて30秒間撹拌した後、700×gで1分間遠心分離処理し、回収した上清を、80℃、窒素ガス吹き付け下でエバポレートした。残留物を1容量%のギ酸水溶液(150μL)に再溶解させ、再度7000×gで1分間遠心分離処理し、回収した上清を、測定試料としてESI−LC−MS/MSに供した。
LC−MS/MSシステムは、HESI−IIプローブとProminence Ultra Fast Liquid Chromatography(UFLC)システム(島津製作所製)を備えたトリプル四重極型質量分析計TSQ Vantage(Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。クロマトグラフィーにおける分離は、Hypersil GOLD aQカラム(2.1×150mm、3μm、Thermo Fisher Scientific社製)を用いて40℃で行った。はじめに、移動相を0.2容量%のギ酸を含むアセトニトリル/水(1/19、容量比)として流速300μL/分で5分間流した。5分後に、移動相を0.2容量%のギ酸を含むアセトニトリルに変更し、流速300μL/分で7分間流した。一般的なMS/MS条件は、以下の通りである;
スプレー電圧:3000V、
噴霧器温度:450℃、
シースガス(窒素)圧:50psi、
補助ガス(窒素)流量:15任意単位、
イオントランスファーキャピラリー温度:220℃、
衝突ガス(アルゴン)圧:1.0mTorr、
衝突エネルギー:15V、
イオン極性:正モード。
キャリブレーションカーブの作成には、アセトニトリル/水(1/19、容量比)にD−3−HBナトリウム塩を溶解させた標品保存溶液(200ng/μL)を、さらにアセトニトリル/水(1/19、容量比)を用いて適宜希釈することにより調製した濃度既知のD−3−HBナトリウム標準溶液(1〜200ng/100μL)を用いた。各標準溶液には、内部標準として、DL−3−HB−13C4ナトリウム塩(100ng)を添加し、混合物をエバポレートして乾燥させた後に、誘導体化(誘導体によるエステル化)をしたものを、ESI−LC−MS/MSにより測定した。キャリブレーションカーブのマトリックス効果を調べるために、各標準溶液にブランクマトリックスとして、3−HB−フリー血清を添加した。
3−HBのLC−N−ESI−MS/MSは、誘導体化を行わずに、LC−P−ESI−MS/MSで用いたLC−MS/MSシステムと同じものを用いて実施した。クロマトグラフィーにおける分離は、Hypersil GOLD aQカラム(2.1×150mm、3μm、Thermo Fisher Scientific社製)を用いて40℃で行った。移動相は、0.1容量%のギ酸を含むメタノール/水(1/9、容量比)を流速200μL/分で流した。一般的なMS/MS条件は、以下の通りである;
スプレー電圧:2500V、
噴霧器温度:450℃、
シースガス(窒素)圧:50psi、
補助ガス(窒素)流量:15任意単位、
イオントランスファーキャピラリー温度:220℃、
衝突ガス(アルゴン)圧:1.0mTorr、
衝突エネルギー:15V、
イオン極性:負モード、
3−HBのSRM(選択反応モニタリング):m/z 103 → m/z 59、
[13C4]のSRM:m/z 107 → m/z 61。
以下の実施例及び参考例等における数値は、平均±SD(標準偏差)である。キャリブレーションカーブの直線性は単回帰分析により分析した。再現性は、一元配置分散分析法(one−way ANOVA)(JMPソフトウェア、SAS Institute社製)により分析した。推定値±95%信頼限界を、精度指標として得た(非特許文献14参照。)。値を算出するために、JMPソフトウェアを用いた再現性試験においては、直交回帰分析を行った。異なるグループ間の差の統計的有意性は、Student’s two−tailed t−testにより評価した。全ての分析では、P<0.05で有意差ありとした。
2−ピリジンメタノールで誘導体化された3−HB及び3−HIBを、LC−P−ESI−MS/MSにより検出した。具体的には、アセトニトリル/水(1/19、容量比)(100μL)にD−3−HBナトリウム塩(標品、1μg)のみを溶解させた試料溶液、D−3−HIBナトリウム塩(標品、1μg)のみを溶解させた試料溶液、及びD−3−HBナトリウム塩(標品、1μg)とD−3−HIBナトリウム塩(標品、1μg)を溶解させた試料溶液を調製し、それぞれをエバポレートして乾燥させた後に、前記2PM誘導体化用混合試薬により誘導体化(誘導体によるエステル化)をした。最終的に1容量%のギ酸水溶液(1mL)に再溶解させ、1μL(D−3−HBナトリウム塩、D−3−HIBナトリウム塩それぞれ1ng相当)を、前述の通りにLC−P−ESI−MS/MSにより測定した。
1−ピペリジンエタノールで誘導体化された3−HB及び3−HIBを、LC−P−ESI−MS/MSにより検出した。具体的には、誘導体化試薬として、2PM誘導体化用混合試薬に代えて、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(67mg)、4−ジメチルアミノピリジン(20mg)、ピリジン(900μL)、及び1−ピペリジンエタノール(100μL)からなる1PE誘導体化用混合試薬を用いた以外は、参考例1と同様にして誘導体化し、LC−P−ESI−MS/MSにより測定した。
2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジンで誘導体化された3−HB及び3−HIBを、LC−P−ESI−MS/MSにより検出した。具体的には、誘導体化試薬として、2PM誘導体化用混合試薬に代えて、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(67mg)、4−ジメチルアミノピリジン(20mg)、ピリジン(900μL)、及び2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジン(100μL)からなる1PE誘導体化用混合試薬を用いた以外は、参考例1と同様にして誘導体化し、LC−P−ESI−MS/MSにより測定した。
健常者から採取された10μLの血清に内部標準としてDL−3−HB−13C4ナトリウム塩を添加した試料を、参考例1と同様にして2−ピリジンメタノールで誘導体化し、LC−P−ESI−MS/MSにより測定した。図5に、2−ピリジンメタノールで誘導体化された3−HB(2PM−3−HB)と[13C4]同位体の典型的なSRMクロマトグラムを示した。当該クロマトグラムより、2PM−3−HBの[13C4]同位体に対するピークエリア面積比を算出し、当該比率をキャリブレーションカーブに当てはめて血清中の3−HB濃度を決定した。当該クロマトグラム中の2PM−3−HBのピークは5.1pmol(76μM)に相当した。クロマトグラムAの4.53分に見られたピークは、2PM−3HIB標品との比較から、3−HIBの2PMエステル誘導体であると同定された。
2−ピリジンメタノールで誘導体化された3−HB、3−HIB、3−HMB、及び2−HBを、LC−P−ESI−MS/MSにより検出した。具体的には、アセトニトリル/水(1/19、容量比)(100μL)に、D−3−HBナトリウム塩(標品、30ng)とD−3−HIBナトリウム塩(標品、30ng)とD−3−HMBナトリウム塩(標品、30ng)とD−2−HBナトリウム塩(標品、30ng)とDL−3−HB−13C4ナトリウム塩(標品、80ng)を溶解させた試料溶液を調製し、エバポレートして乾燥させた後に、前記2PM誘導体化用混合試薬により誘導体化(誘導体によるエステル化)をした。最終的に1容量%のギ酸水溶液(1mL)に再溶解させ、1μL(D−3−HBナトリウム塩、D−3−HIBナトリウム塩、D−3−HMBナトリウム塩、D−2−HBナトリウム塩がそれぞれ3ng相当、DL−3−HB−13C4ナトリウム塩が8ng相当)を、前述の通りにLC−P−ESI−MS/MSにより測定した。
被検者から採取された血清と唾液を一定時間室温放置した場合における、血清中と唾液中の3−HIB及び3−HBの安定性を検討した。
健常者から6本の採血管に血液を採取した。6本の採血管のうちの1本については、採血後速やかに遠心分離処理を行い、回収した血清を−20℃で凍結保存した。残りの5本については、それぞれ、室温で1、2、4、6、又は24時間放置した後、遠心分離処理を行い、回収した血清を−20℃で保存した。
−20℃で保存後の各血清中の3−HIB及び3−HBの濃度を、内部標準としてDL−3−HB−13C4ナトリウム塩を用い、誘導体化試薬として2−ピリジンメタノールを用いて、参考例4と同様にしてLC−P−ESI−MS/MSにより測定した。クロマトグラムより、2PM−3−HBの[13C4]同位体に対するピークエリア面積比を算出し、当該比率をキャリブレーションカーブに当てはめて、血清中の3−HB濃度及び3−HIB濃度を決定した。測定結果を図7に示す。この結果、血清中の3−HB濃度及び3−HIB濃度は、採血後室温で放置される時間が6時間に至るまで減少するが、その後24時間まで変化はなかった。
健常者から1本のチューブに採取(流涎)した唾液を6本のチューブに分注した。6本のチューブのうちの1本については、採取後速やかに−20℃で凍結保存した。残りの5本については、それぞれ、室温で1、2、4、6、又は24時間放置した後、−20℃で保存した。凍結保存した唾液試料は、分析時に室温で自然解凍した。ボルテックスミキサーを用いて混和した後、遠心分離処理(3000rpm、15分間)し、粘性蛋白質(ムチン)を分解し、唾液中に含まれている食べかす等と共に沈殿させ、上清を分析に用いた。
−20℃で保存後の各唾液中の3−HIB及び3−HBの濃度を、内部標準としてDL−3−HB−13C4ナトリウム塩を用い、誘導体化試薬として2−ピリジンメタノールを用いて、参考例4と同様にしてLC−P−ESI−MS/MSにより測定した。クロマトグラムより、2PM−3−HBの[13C4]同位体に対するピークエリア面積比を算出し、当該比率をキャリブレーションカーブに当てはめて、唾液中の3−HB濃度及び3−HIB濃度を決定した。測定結果を図8に示す。この結果、唾液中の3−HB濃度及び3−HIB濃度は、採取後室温で放置される時間にかかわらず、ほぼ安定していた。
被検者から採取された血清と唾液(流涎)中における、3−HIB、3−HB、及び2−HBの濃度の相関性を調べた。具体的には、健常人3名(被検者α、β、γ)から、各5サンプルずつ、血清及び唾液を採取し、これらの3−HIB、3−HB、及び2−HBの濃度を測定し、血清中濃度と唾液中濃度の相関性を調べた。血清中及び唾液中の3−HIB、3−HB、及び2−HBの濃度は、参考例6と同様にして測定した。3−HB濃度の測定結果を図9Aに、3−HIB濃度の測定結果を図9Bに、2−HB濃度の測定結果を図9Cに、それぞれ示す。この結果、3−HIB、3−HB、及び2−HBのいずれにおいても、唾液中濃度は、血清中濃度と相関することが確認された。
走運動前後の血清中、唾液中、及び尿中の3−HIB濃度及び3−HB濃度を測定し、経時的変化を観察した。
具体的には、被験者(男性健常者)に、前日の午前11時から走運動当日の午前11時までの24時間蓄尿した後、60分間ジョギング(走行距離:約9km、速度:約6.7分/km)し、その後24時間経過時点(走運動日の翌日の昼12時)までを実験期間とした。被験者は、前日の午前11時から実験期間終了時点までの間、前日の昼食及び夕食、走運動当日の昼食及び夕食、翌日の朝食を摂取した。被験者の運動と食事状況、及び血液、唾液、尿の採取時点を図10に示す。なお、実施した60分間ジョギングは、当該被験者にとって日常的に行っている運動よりもやや負荷の高い運動であった。
この結果、2−ピリジンメタノールで誘導体化してLC−P−ESI−MS/MSを行うことにより、被験者から採取された血清、唾液、尿のいずれにおいても、3−HIBと3−HBの両方を検出できることが確認された。
健常者15名と肝硬変患者20名から血液及び唾液を採取し、血清中と唾液中の3−HIB濃度及び3−HMB濃度を測定し、比較した。血清中と唾液中の3−HIB濃度及び3−HMB濃度は、参考例6と同様にして測定した。
血清中の3−HIB濃度及び3−HMB濃度の測定結果を図14Aに、唾液中の3−HIB濃度及び3−HMB濃度の測定結果を図14Bに、それぞれ示す。この結果、唾液中と血清中のいずれにおいても、肝硬変患者群の3−HIB濃度及び3−HMB濃度は、健常者群よりも高い傾向が観察され、これらが肝硬変マーカーとして有用であることが示された。特に唾液中の3−HIB濃度及び3−HMB濃度は、肝硬変患者群のほうが健常者群よりも有意に高かった。
容器に採取された流涎に、短冊状の濾紙の一方の端部を浸漬させて毛細管現象により唾液を吸収させた後、乾燥させた唾液試料を用いて、3−HIB、3−HB、2−HB、及び3−HMBの含有量(濃度)を測定し、唾液試料間のばらつきを調べた。
シルマー濾紙の一方の端部を被検者が口にくわえることにより毛細管現象により唾液を吸収させた後、乾燥させた唾液試料を用いて、3−HIB、3−HB、2−HB、及び3−HMBの含有量(濃度)を測定し、唾液試料間のばらつきを調べた。
具体的には、まず、口腔内で唾液に直接触れる領域が先端部から10mmまでの領域(採取部位(1))のみとなるように、その他の領域(採取部位(2)及び採取部位(3))を銀紙で覆ったシルマー濾紙(Alcon Laboratories社製)を10本用意した。この10本のシルマー濾紙について、1本ずつ順次、銀紙で覆われていない先端部から10mmまでの領域を同一の被検者の舌下に約5秒間接触させ、毛細管現象により唾液を吸い上げて吸収させた後、室温(20〜25℃)で20分間放置することにより乾燥させた。
乾燥後の10本のシルマー濾紙から銀紙を外し、実施例1と同様にして、先端部から10mmの箇所と15mmの箇所と20mmの箇所の3箇所で切断し、当該先端部から10mmまでの断片(採取部位(1))、当該先端部からの距離が10mmから15mmまでの断片(採取部位(2))、当該先端部からの距離が15mmから20mmまでの断片(採取部位(3))を得、採取部位(1)、採取部位(2)、及び採取部位(3)から3−HIB、3−HB、2−HB、及び3−HMBの含有量(濃度)を求めた。
シルマー濾紙の先端に、容器に採取した流涎5μLを染み込ませて乾燥させた唾液試料について有機酸濃度を測定し、乾燥時間が有機酸濃度の測定値に及ぼす影響を調べた。
具体的には、9本のシルマー濾紙(Alcon Laboratories社製)の先端から10mmの範囲内に、それぞれ、流涎5μLを滴下した後、室温(20〜25℃)で放置することにより自然乾燥させた。乾燥時間は、9本のシルマー濾紙のうち、5本を20分間とし、2本を1日とし、2本を2日間とした。
3種類の素材の異なる濾紙を唾液吸収部材とし、唾液吸収部材の素材が有機酸の測定値に与える影響を調べた。
具体的には、唾液吸収部材として、シルマー濾紙(Alcon Laboratories社製)、ガラス繊維からなるGF/B濾紙(Whatman社製)、及び合成樹脂繊維からなるSOS(SALIMETRICS ORAL SWAB)濾紙(SALIMETRICS社製)を用いた。各濾紙に、一の被験者から容器に採取した流涎を5μLずつ滴下した後、室温(20〜25℃)で20分間放置することにより自然乾燥させた。シルマー濾紙の場合には先端から10mmの領域を切り出した断片に(n=5)、GF/B濾紙の場合には8等分した断片に(n=5)、SOS濾紙の場合には高さが5mmとなるように切断した円柱を半分に切断した断片に(n=5)、それぞれ流涎を滴下した。
健常者の唾液中の乳酸及びD−乳酸の重水素同位体について、2−ピリジンメタノールで誘導体化した後、LC−P−ESI−MS/MSにより検出した。
まず、健常者から採取された流涎を、−20℃にて一旦凍結し、その後解凍したものを、遠心分離処理(3000rpm、15分間)し、粘性蛋白質(ムチン)を分解し、唾液中に含まれている食べかす等と共に沈殿させ、上清を得た。得られた唾液上清を分析に用いた。
次いで、アセトニトリル/水(1/19、容量比)(100μL)に、D−乳酸(標品、100ng)又は前記唾液上清(5μL)と、D−乳酸の重水素同位体(標品、D−乳酸−d3、500ng)とを溶解させた試料溶液を調製し、エバポレートして乾燥させた後に、前記2PM誘導体化用混合試薬により誘導体化(誘導体によるエステル化)をした。最終的に1容量%のギ酸水溶液(100μL)に再溶解させ、5μL(唾液250nL中の固形分相当、D−乳酸が5ng相当、D−乳酸−d3が25ng相当)を、前述の通りにLC−P−ESI−MS/MSにより測定した。
被検者から採取された唾液(流涎)中の3−HB、3−HIB、3−HMB、2−HB、及び乳酸の室温における保存安定性を調べた。
具体的には、健常者から1本のチューブに採取(流涎)した唾液を7本のチューブに分注した。7本のチューブのうちの1本については、採取後速やかに−20℃で凍結保存した。残りの6本については、それぞれ、室温で1、2、4、6、10、又は24時間放置した後、−20℃で保存した。凍結保存した唾液試料は、分析時に室温で自然解凍した。ボルテックスミキサーを用いて混和した後、遠心分離処理(3000rpm、15分間)し、粘性蛋白質(ムチン)を分解し、唾液中に含まれている食べかす等と共に沈殿させ、上清を分析に用いた。
流涎法にて採取した唾液に対し、LDH(乳酸脱水素酵素)阻害剤であるオキサミン酸ナトリウムを最終濃度200μMとなるように添加した状態で、参考例11と同様にして室温で1〜24時間放置し、室温保存時における唾液中の2−HB濃度及び乳酸濃度の低下に対するLDH阻害剤の効果を調べた。この結果、唾液中の乳酸濃度の減少傾向は、オキサミン酸ナトリウム無添加の場合に比べてやや緩やかではあるものの、依然として乳酸濃度は経時的に低下していた。また、唾液中の2−HB濃度は、オキサミン酸ナトリウムを添加した場合と無添加の場合で差はなかった(データ図示せず。)。
また、添加するオキサミン酸ナトリウムの最終濃度を、500μM、1mM、5mM、又は10mMまで増加させ、24時間放置してした後の試料を検討した場合であっても、唾液中の2−HB濃度及び乳酸濃度の低下は、抑制できなかった(データ図示せず。)。
具体的には、健常者から1本のチューブに採取(流涎)した唾液を、8本のチューブにチューブ1本当たり500μLずつ分注した。8本のチューブのうちの1本については、採取後速やかに−20℃で凍結保存した。残りの7本のうちの1本は何も添加せず、残る6本には、それぞれ、0.001容量% ギ酸水溶液、0.01容量% ギ酸水溶液、1容量% ギ酸水溶液、0.001N 水酸化ナトリウム水溶液、0.001N 塩酸、又は0.1容量% Clear Bath水溶液をそれぞれ1/100倍量(5μL)を直ちに混和し、室温で24時間放置した後、−20℃で保存した。なお、pH試験紙を用いて各唾液のpHを測定したところ、1容量% ギ酸水溶液を添加した唾液のpHは3〜4程度の酸性であり、その他の唾液のpHは6〜8程度の中性であった。凍結保存した唾液試料は、分析時に室温で自然解凍した。ボルテックスミキサーを用いて混和した後、遠心分離処理(3000rpm、15分間)し、粘性蛋白質(ムチン)を分解し、唾液中に含まれている食べかす等と共に沈殿させ、得られた唾液上清を分析に用いた。
被検者から採取された血清と唾液(流涎)中における、乳酸の濃度の相関性を調べた。具体的には、健常人1名から異なる日に同時に採取した血液及び唾液について、これらの乳酸の濃度を測定し、血清中濃度と唾液中濃度の相関性を調べた。
血液は、血清分離剤入りの採血管に採取し、凝固後、遠心分離処理により血清を採取し、分析まで−20℃にて保存した。唾液は、流涎法にて採取後、500μLに対し5μLの0.1% Clear Bath水溶液を直ちに混和し、分析まで−20℃にて保存した。血清中及び唾液中の乳酸の濃度は、参考例11と同様にして測定した。測定結果を図29に示す。この結果、乳酸の唾液中濃度は、血清中濃度と相関することが確認された。
Claims (20)
- 唾液を、唾液吸収部材に吸収させる吸収工程と、
前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材を乾燥させる乾燥工程と、
を有し、
前記吸収工程において、
(i)前記唾液吸収部材に所定量の唾液を吸収させること、又は
(ii)前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材から、所定量の唾液由来の固形分が吸着している領域を切断して回収すること
により、所定量の唾液に由来する固形分が唾液吸収部材に乾燥状態で保持された唾液試料を調製することを特徴とする、唾液試料の調製方法。 - 前記唾液吸収部材が短冊状又は棒状であり、
前記吸収工程において、前記唾液吸収部材の一方の端部を唾液に接触させ、毛細管現象により唾液を吸い上げることにより当該唾液吸収部材に唾液を吸収させ、
前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材の唾液由来の固形分が吸着している領域のうち、吸い上げられた唾液の先端から8mm以上離れている領域から、所定の面積分又は体積分の領域を切断したものを、唾液試料として回収する、請求項1に記載の唾液試料の調製方法。 - 前記唾液が、液体状態で唾液容器に収容されているものである、請求項1又は2に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記吸収工程を、前記唾液吸収部材を被検者の口腔内において唾液と接触させることにより行う、請求項1又は2に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記唾液吸収部材が短冊状又は棒状であり、
前記吸収工程において、前記唾液吸収部材の一方の端部を被検者の口に入れて、毛細管現象により唾液を吸い上げることにより当該唾液吸収部材に唾液を吸収させ、
前記乾燥工程後、前記唾液吸収部材の唾液由来の固形分が吸着している領域のうち、被検者の口腔内において唾液と直接接触していなかった領域であり、かつ吸い上げられた唾液の先端から8mm以上離れている領域から、所定の面積分又は体積分の領域を切断したものを、唾液試料として回収する、請求項4に記載の唾液試料の調製方法。 - 前記乾燥工程前に、前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材に、抗菌剤を含有させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記吸収工程において、唾液と抗菌剤の混合物を前記唾液吸収部材に吸収させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記唾液吸収部材が、予め抗菌剤を保持している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 唾液を、唾液吸収部材に吸収させる吸収工程と、
前記吸収工程において唾液を吸収させた唾液吸収部材を、抗菌剤を含有する溶液中に浸漬させる抗菌剤処理工程と、
を有し、
前記吸収工程において、
(i)前記唾液吸収部材に所定量の唾液を吸収させること、又は
(ii)前記吸収工程後、前記唾液吸収部材から所定量の唾液由来の固形分が吸着している領域を切断して回収したものを、前記抗菌剤を含有する溶液中に浸漬させること
により、所定量の唾液に由来する固形分と唾液吸収部材を含有する溶液である唾液試料を調製することを特徴とする、唾液試料の調製方法。 - 前記抗菌剤が、第四級アンモニウム塩系抗菌剤である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記吸収工程において前記唾液吸収部材に吸収させる唾液量が、前記唾液吸収部材の最大吸収量である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記所定量が、1〜50μLである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記唾液吸収部材が、合成樹脂繊維からなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 前記乾燥工程における乾燥が、自然乾燥である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の唾液試料の調製方法により得られた唾液試料を、極性有機溶剤に浸漬させることにより、前記唾液試料から唾液由来の有機酸を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程の後、有機酸が抽出された極性有機溶剤を、唾液由来有機酸検出用試料として、前記唾液試料から分離して回収する回収工程と、
前記回収工程により回収された唾液由来有機酸検出用試料中の有機酸を下記一般式(1)−1〜(1)−3
のいずれかで表される誘導体化試薬とエステル結合させることにより誘導体を合成し、当該誘導体を、正イオンモードのエレクトロスプレーイオン化LC−MS/MS(液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析)法により検出する検出工程と、
を有することを特徴とする、唾液中の有機酸の検出方法。 - 前記極性有機溶剤が、アセトニトリルである、請求項15に記載の唾液中の有機酸の検出方法。
- 前記抽出工程において、前記唾液試料を、予め内部標準物質を含有させた極性有機溶剤に浸漬させる、請求項15又は16に記載の唾液中の有機酸の検出方法。
- 前記誘導体化試薬が2−ピリジンメタノール、1−ピペリジンエタノール、及び2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルピロリジンからなる群より選択される1種以上である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の唾液中の有機酸の検出方法。
- 前記有機酸が3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシイソ吉草酸、2−ヒドロキシ酪酸、及び乳酸からなる群より選択される1種以上である、請求項15〜18のいずれか一項に記載の唾液中の有機酸の検出方法。
- 同一の被験者から経時的に調製された複数の唾液試料に対して、請求項15〜19のいずれか一項に記載の唾液中の有機酸の検出方法を行い、前記被験者の唾液中の有機酸濃度の経時的変化を調べることを特徴とする、有機酸濃度の経時的変化の測定方法。
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