以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の概略構成を示すものである。
遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図1に示すように、遊技機1の外観は、例えば、矩形箱状に形成された筐体2によって構成され、この筐体2は、前面側F1(図1におけるF1側)に矩形状の開口を有するキャビネット2aと、キャビネット2aの前面側F1に配置される前面扉(開閉扉)2bと、を主体に構成されている。キャビネット2aは、開口の内部に遊技に用いられる機器(例えば、後述するリール(又は、ドラムともいう)など)を収容する。前面扉2bは、キャビネット2aの開口の大きさと対応するように形成されており、キャビネット2aの開口を閉塞可能にキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。これにより、前面扉2bは、遊技機1の前面(正面)を構成する。
前面扉2bには、その略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓4が設けられている。メイン表示窓4には、前面扉2bの裏面側に、遊技機1の内部側から取り付け固定されたメインリールユニット(図示していない)が装着される。
メインリールユニットは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。これらのリール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。
リール3L,3C,3Rは、メイン表示窓4を通じて、各リール3L,3C,3Rの動作や各リール3L,3C,3R上に描かれている図柄が視認可能となる。
なお、メイン表示窓4は、その内部に、各リール3L,3C,3Rに対応させて矩形状に形成された3つの窓枠表示領域を設けることも可能である。
メイン表示窓4には、その表面部に、矩形状のアクリル板などからなる透明パネルが取り付け固定されており、遊技者などがリール3L,3C,3Rに触れることができないようになっている。
本実施の形態におけるメイン表示窓4は、図柄が停止表示される表示窓であって、図柄表示手段を構成する。
メイン表示窓4の下部側B1(図1におけるB1側)には、略水平面の第1,第2,第3の台座部12a,12b,12cが形成されている。メイン表示窓4の右側R1(図1におけるR1側)に位置する第1の台座部12aには、メダルを投入するためのメダル投入口(有効ライン設定手段)5が設けられている。メダル投入口5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓4の左側L(図1におけるL側)に位置する台座部12bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタン(MAXBETボタンともいう)8が設けられている。最大BETボタン8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓4の前面側F1に位置する台座部12cには、液晶表示装置20が設けられている。液晶表示装置20は、液晶表示パネル(液晶パネル)20aのパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネル20bが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている(図8参照)。
なお、タッチセンサパネル20bとしては、例えば、人体の一部(指先など)や静電ペンなどの接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、は、ペン先などの堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造など)であってもよい。
液晶表示装置20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数などの遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キーなどが表示される。
なお、液晶表示装置20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタンなどを装着できるようにしてもよい。
また、液晶表示装置20は、その機能を、後述する表示ユニット100などに振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタン8の前面側F1には、遊技者の操作によりリール3L,3C,3Rを転駆動させるとともに、メイン表示窓4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバー設けられている。スタートレバー6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
本実施の形態におけるスタートレバー6は、遊技開始時操作手段を構成する。なお、遊技開始時操作手段としては、傾動式のレバーに限らず、例えば押下式のボタンなどであってもよい。
スタートレバー6の右側R1で、液晶表示装置20の前面側F1には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。
ここで、3つのリール3L,3C,3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。また、遊技者が第1停止させるための停止操作を第1停止操作という。同様に、遊技者が第2停止させるための停止操作を第2停止操作、第3停止させるための停止操作を第3停止操作という。
本実施の形態におけるストップボタン7L,7C,7Rは、図柄変動停止操作手段を構成する。
なお、1ゲーム(単位遊技)は、スタートレバー6が操作されることによって開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止した時に終了する。各ストップボタン7L,7C,7Rの裏側には、ストップボタン7L,7C,7Rの停止操作を検知するストップスイッチ7S(7LS,7CS,7RS)が設けられている(図7参照)。
ストップボタン7L,7C,7Rの右側R1には、C/Pスイッチ13Sが設けられている(図7参照)。C/Pスイッチ13Sは、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/Pスイッチ13Sの切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、前面扉2bの下部側B1のコインガードプレート部(メインパネル2b-1)に設けたメダル払出口(キャンセルシュート)14からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部15に溜められる。
スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7R、及び、C/Pスイッチ13Sの下部側B1には、腰部パネル(腰部導光板)18が配置されている。腰部パネル18は、アクリル板などを使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネル18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様などが印刷により描かれている。
また、メダル払出口14の左側Lにはスピーカ25Lが、右側R1にはスピーカ25Rが、それぞれ設けられている。スピーカ25L,25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽などの音により報知する。
メイン表示窓4の上部側T(図1におけるT側)において、前面扉2bのフロントパネル2b-2には、略矩形状に開口部が形成された表示領域としての表示画面領域19が設けられている。この表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100が配設されている(表示ユニット100の詳細については、後述する)。
表示ユニット100は、フロントパネル2b-2に設けられた表示画面領域19を通じて、その内部、すなわち表示の内容(演出情報)が視認可能となる。
なお、前面扉2bには、少なくとも表示画面領域19に対応する部位に、アクリル板などからなる透明カバー(図示していない)が取り付け固定されるようになっており、表示画面領域19よりも奥側R(図1におけるR側)のキャビネット2a内に遊技者などが手を挿入したり、物が侵入したりするのを防止している。
表示画面領域19の前面側F1には、例えば、左側Lに払出枚数表示部11が、右側R1にクレジット表示部17が、それぞれ設けられている(図5参照)。払出枚数表示部11は、例えば7セグメントのLEDにより形成され、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
クレジット表示部17は、例えば7セグメントのLEDにより形成され、クレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、このクレジット表示部17に表示されるクレジット枚数は50以下の数値となる。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口14より払出される。
前面扉2bには、例えば、最大BETランプ9、WINランプ23が設けられている(図7参照)。最大BETランプ9は、単位遊技を行うために投入されたメダル数(以下、「BET数」という)に応じて点灯するランプである。具体的には、最大BETランプ9は、メダルの投入枚数が3枚のときに点灯する。WINランプ23は、入賞成立時に点灯する。
その他、前面扉2bには、例えば、7セグメントLEDにより形成され、ボーナス中の遊技情報(ボーナスゲーム中の遊技回数)を表示するボーナス遊技情報表示部などを設けるようにしてもよい。
また、払出枚数表示部11、クレジット表示部17、最大BETランプ9、WINランプ23、又は、ボーナス遊技情報表示部などで表示される情報は、液晶表示装置20で表示させるようにしてもよい。
表示画面領域19の上部側Tには、フロントパネル2b-2の裏面側の左右方向(図1におけるL側及びR1側)に一対の検知器(CSP)22が配設されている(図5参照)。一対の検知器22は、例えば、チャレンジ演出が実行された場合などにおいて、遊技者の手などが近付いてきたことを検知する。
表示画面領域19の下部側B1には、メインパネル2b-1の裏面側のキャビネット2aの内部に、後述する遊技に用いられる機器としての、モータ駆動回路39、ホッパー40、メダル検出部40S、ステッピングモータ49L,49C,49R、リール位置検出回路50、主制御回路60、副制御回路70、及び、役物駆動部200が収容されている(図7、図8参照)。
次に、図2〜図6を参照して、表示ユニット100の構成について説明する。
なお、図2は、遊技機1に対して表示ユニット100を着脱する際の様子を示す斜視図である。また、図3は、遊技機1の表示ユニット100を透過させた状態(前面扉2bの一部(フロントパネル2b-2)とキャビネット2aの一部とを切り欠いた状態)で示す斜視図であり、図4は、表示ユニット100を遊技機1より取り出して示す分解斜視図である。また、図5は、表示ユニット100と役物201,202との関係を説明するために示す遊技機1の正面図であり、図6は、表示ユニット100と役物201,202との関係を説明するために示す遊技機1の斜視図である。
図2に示すように、表示ユニット100は、遊技機1に搭載される演出用ユニットであって、後述するプロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。例えば、図4に示すように、表示ユニット100は、天井版100aに支持されたプロジェクタ101及びリフレクタ102と、スクリーン103と、ステージ(底板)100bとによって、前面側F1が開口されたコの字形状のユニットとして一体化されている。
なお、表示ユニット100は、ステージ(底板)100bを廃してL字形状のユニットとして一体化してもよい。また、表示ユニット100は、上述のコの字形状のユニットの開口されている側面(前面側F1以外の開口された側面)に側板等を設けて箱型形状のユニットとして一体化してもよい。この場合、プロジェクタ101から投影された照射光101aの表示ユニット外部への漏れを防止することができる。
表示ユニット100は、例えば、キャビネット2aに対してフロントパネル2b-2が開放された状態で、図2中、太矢印で示す方向に引き出されることによって遊技機1から取り外されるようになっている。
なお、後述するプロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を箱型形状のユニット筐体に収容することにより一体化して、このユニット筐体をキャビネット2aに対して着脱自在な構成としてもよい。
図3に示すように、表示ユニット100は、プロジェクタ101と、リフレクタ102と、スクリーン103と、を有して構成された演出表示手段としての、いわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、役物201,202に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
プロジェクタ101は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、キャビネット2aの奥側R(図3におけるR側)からキャビネット2aの前面側F1に向けて照射光101aを投影するように配置されている。
リフレクタ102は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの奥側Rに反射させる光学ミラーであって、キャビネット2aの前面側F1に所定の反射角度を有して配置されている。
スクリーン103は、リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが前面側F1より投影される表示画面として機能し、キャビネット2aの奥側Rにおける表示ユニット100のステージ(底板)100b上に配置されている。
スクリーン103は、プロジェクタスクリーンなどの平面的な構造の映写幕であってもよいし、表示(投影)する演出情報などに応じて部分的に凹凸形状(3D面)を有する構造のものであってもよい。また、スクリーン103は、前面側F1と奥側Rとの間、上部側Tと下部側B1との間、もしくは、左側Lと右側R1との間を移動する構造としてもよいし、回転する構造としてもよい。さらに、スクリーン103は、上部側T及び下部側B1に沿う垂直方向、もしくは、左側L及び右側R1に沿う水平方向に、スクロールする構造としてもよい。
また、スクリーン103は、可動式とし、必要に応じて、ステージ100b上に出現したり、ステージ100bより退避したりするように構成することもできる。
また、スクリーン103としては、プロジェクタスクリーンなどの方形の映写幕に限らず、例えば、円形や多角、又は、それらを組合せたような形状としてもよい。
また、スクリーン103は、伸縮性のある素材に、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしたスクリーン、3D面を有する素材に、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしたスクリーンであってもよい。
さらには、役物201,202に対して、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしてもよい。
本実施の形態においては、リフレクタ102によって照射光101aを折り返すことにより、照射光101aの投影距離を稼ぐとともに、プロジェクタ101として、例えば、方式がDLPで、解像度がWXGA1280×800で、照度が150ANSIルーメンで、投射比が0.93で、コントラスト比が1000:1の規格品を用いることによって、照射光101aの投影距離をできるだけ短くするようにしている。こうすることによって、表示ユニット100をより安価に構成できるとともに、小型化を図ることによって、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100の、遊技機1の限られたスペースへの搭載を容易に可能にしている。
なお、表示ユニット100としては、リフレクタ102を用いずとも構成できる。但し、照射光の投影距離の観点から、照射光の投影距離が短い高機能なプロジェクタを用いる必要があるが、現時点において、高機能なプロジェクタは高価なため、結果的に遊技機1の高騰を招くこととなる。
また、本実施の形態においては、表示ユニット100として、少なくともプロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とをユニット化(一体化)したことにより、キャビネット2aに対する着脱(装着)が容易に可能となる。よって、前面扉2bを、例えば図2に示すように、メインパネル(第2の部位)2b-1とフロントパネル(第1の部位)2b-2とに分割して開閉できる方式とするのが好ましい。
図5に示すように、さらに本実施の形態においては、表示ユニット100におけるスクリーン103の前面側F1、すなわちスクリーン103の手前に、例えば演出情報に基づいて各種の役物201,202を配置することが可能となっている。
すなわち、表示ユニット100のスクリーン103と、当該スクリーン103を視認可能にするために前面扉2bのフロントパネル2b-2に設けられた表示画面領域19と、の間のスペースには、例えば、立体形状を有する役物201や可動式の役物202が配置されている。
なお、本実施の形態の場合、立体形状を有する役物201としては、ステージ100b上に固定された神殿の大柱や大階段であり、可動式の役物202としては、ステージ100b上を前面側F1及び奥側Rの方向に変位可能に設けられた、凸面を有する可動体と平面を有する可動体と凹面を有する可動体であるが、これらに限定されるものではない。
図6に示すように、役物201,202に対しては、表示ユニット100による演出時に、プロジェクタ101からの照射光101aの一部が投影される。これによって、映像を用いた演出態様がより立体的となり、これまでよりも斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
次に、図7及び図8を参照して、主制御回路60又は副制御回路70を含む、遊技機1の回路構成について説明する。
図7は、本実施の形態に係る遊技機1の回路構成例を示すものである。
主制御回路60は、内部当籤役の決定やリール3L,3C,3Rの回転制御など、一連の遊技の進行を制御する。主制御回路60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成されている。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。
メインCPU31は、乱数値と内部抽籤テーブル(図示していない)とに基づいて内部当籤役を決定し、当該内部当籤役と停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。また、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止させた際に、メイン表示窓4に表示された図柄の組合せに基づいて「役」が成立したか否かを判断し、「役」が成立している場合に、当該成立した「役」に応じてメダルを払出すなどの利益を遊技者に付与する。
クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、「0」〜「65535」の範囲の乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
また、この遊技機1では、抽出した乱数値をメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、単位遊技毎にメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、内部抽籤処理において内部当籤役の決定を行う。
なお、乱数サンプリングのための手段としては、マイクロコンピュータ30内で、すなわち、メインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行する構成にしてもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラムや各種テーブルなどが記憶されている。
メインRAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した乱数値、遊技状態、内部当籤役、払出枚数、ボーナス持越状況、設定値などを特定する情報、各種カウンタ及びフラグがセットされている。これらの情報の一部は、各種のコマンドにより副制御回路70に送信される。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。これらのアクチュエータとメインCPU31との間の信号の授受は、I/Oポート38を介して行われる。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各周辺装置などの動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、例えば遊技機1の前面扉2bに設けられるWINランプ23や、最大BETランプ9などの、点灯パターン(点灯/消灯など)を制御する。
表示部駆動回路48は、払出枚数表示部11及びクレジット表示部17の他、例えば、ボーナス遊技情報表示部(図示していない)や押し順表示器(図示していない)を制御する。押し順表示器は、例えば、RT3遊技状態中に停止操作するストップボタン7L,7C,7Rの押し順を、液晶表示装置20の表示画面上に表示させるためのものである。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払出しが行われる。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御する。これにより、リール3L,3C,3Rの回転や停止が行われる。このような制御を行うモータ駆動回路39及びステッピングモータ49L,49C,49Rは、本発明の図柄表示制御手段を構成する。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路や各周辺装置などに制御信号を出力する契機となる入力信号を発生するための、各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS,7CS,7RS、最大BETスイッチ8S、C/Pスイッチ13S、メダルセンサ5S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51などがある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作(遊技開始操作信号)を検出し、遊技の開始を指令する遊技開始指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
ストップスイッチ7LS,7CS,7RSは、それぞれストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rの回転の停止を指令する停止指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
なお、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSを総称してストップスイッチ7Sともいう。
最大BETスイッチ8Sは、最大BETボタン8に対する遊技者の投入操作(押下操作)を検出し、クレジットされたメダルからのメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ13Sは、遊技者の切り換え操作を検出し、クレジットモード又は払出モードを切り換えるための信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り換えられた場合、遊技機1内にクレジットされているメダルの払出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ5Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口5に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リール位置検出回路50は、リール回転センサ(図示していない)からのパルス信号を検出し、各リール3L,3C,3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(すなわち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払出しが完了したことを示すための信号を発生する。
副制御回路70は、I/Oポート38に接続され、スタートコマンドなどの主制御回路60から出力された各種のコマンドに基づいて、演出データの決定や実行などの各種の処理を行う。
但し、副制御回路70が主制御回路60へコマンドや情報などを出力することはなく、主制御回路60から副制御回路70への一方向で通信が行われる。
副制御回路70からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、液晶表示パネル20aとタッチセンサパネル20bとを含む液晶表示装置20、検知器22,22、スピーカ25L,25R、プロジェクタ101を含む表示ユニット100、及び、役物202を駆動する役物駆動部200がある。
副制御回路70は、決定した演出データに基づいて、表示ユニット100で表示される演出情報の決定とその表示、及び、スピーカ25L,25Rから出力する遊技音の決定とその出力などの制御を行う。
また、副制御回路70は、遊技の進行に伴って、液晶表示装置20の液晶表示パネル20aに表示される遊技情報などの決定とその表示、並びに、タッチセンサパネル20bからの入力の検出などの制御を行う。
また、副制御回路70は、特定の当籤役に内部当籤した場合に演出パターン番号の抽籤を行い、特定有利状態への移行に伴う演出データを決定する。
ここで、本実施の形態に係る遊技機1では、メダルの投入を条件に、遊技者のスタートレバー6に対する操作によって、スタートスイッチ6Sから遊技を開始する信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁など)によりリール3L,3C,3Rの回転が開始される。この際、ステッピングモータ49L,49C,49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。
この遊技機1では、「16」のパルスが出力されると、リール3L,3C,3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより「16」のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが「1」ずつ更新される。
また、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、そのリールインデックスに関するデータがリール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスに関するデータの出力により、メインRAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタの値が「0」にクリアされる。
このようにして、各リール3L,3C,3Rについて、1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。
なお、リール3L,3C,3Rの回転により、各図柄が一図柄分移動する距離を1コマという。すなわち、図柄が1コマ移動することは、図柄カウンタが「1」更新されることに対応する。
リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図示していない図柄配置テーブルがメインROM32に記憶されている。この図柄配置テーブルは、前述のリールインデックスに関するデータが出力される位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、「00」から「20」までのコードナンバー(図柄位置)と、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードと、を対応付けている。
また、スタートスイッチ6Sから遊技開始指令信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。この遊技機1では、乱数値が抽出されると、その乱数値がメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、メインCPU31により内部当籤役が決定される。
リール3L,3C,3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7L柄の組合せであり、優先順位2位は「小役」に係る図柄の組合せである。次いで、優先順位3位は「ボーナス」に係る図柄の組合せである。
ここで、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出された際の、該当するリール3L,3C,3Rの図柄カウンタに対応する図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転の停止が開始される図柄位置を「停止開始位置」といい、決定した滑りコマ数(数値範囲「0」〜「4」)を当該停止開始位置に加算した図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる図柄位置を「停止予定位置」という。滑りコマ数は、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出されてから、対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するまでのリール3L,3C,3Rの回転量であり、この遊技機1では、最大滑りコマ数を「4」と規定している。
全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理、すなわち、「役」の成立・不成立の入賞判定処理が行われる。表示役の検索は、メインROM32に記憶されている図柄組合せテーブル(図示していない)に基づいて行われる。この図柄組合せテーブルでは、表示役に係る図柄の組合せと、図柄の組合せに対応する配当(メダルの払出枚数)と、が設定されている。
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断されると、メインCPU31からホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払出しが行われる。この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払出しの完了を示す信号がメインCPU31に出力される。これにより、メインCPU31によってホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
なお、C/Pスイッチ13Sによりクレジットモードに切り換えられている場合、メインCPU31は、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断すると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM33のクレジットカウンタに加算する。また、払出されたメダルの枚数は、メインCPU31によって表示部駆動回路48が制御されることにより、クレジット表示部17において更新されたクレジット枚数として表示されるとともに、払出枚数表示部11に表示される。
ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払出し又はクレジットを総称して単に「払出し」という場合がある。
なお、本実施の形態にあっては、主制御回路60において内部当籤役が決定されることに基づいて、後述する副制御回路70により、演出パターン番号の抽籤が選択的に行われる。すなわち、演出パターン番号の抽籤は、主制御回路60からのスタートコマンドにより通知される、内部当籤役として特定の当籤役が内部当籤(所定の演出条件が成立)したことを条件に、行われる。
次に、図8を参照して、副制御回路70の回路構成について説明する。
図8は、本実施の形態に係る遊技機1の副制御回路70の構成例を示すものである。
副制御回路70は、映像、音、光などを用いて、遊技に関する演出や種々の情報を報知するための制御を行う。すなわち、副制御回路70は、主制御回路60から送信される各種のコマンドや各種の入力情報などに基づいて、演出データの決定と各種の演出処理とを行う。
副制御回路70は、サブCPU71、サブROM72、サブRAM73、レンダリングプロセッサ74、フレームバッファ76を備えた描画用SDRAM75、ドライバ77、A/D変換器78、アンプ79、及び、映像再生機能を有する表示ユニット駆動部105を有している。
サブCPU71は、サブROM72に記憶されているプログラムに基づいて、液晶表示装置20の表示/入力制御、スピーカ25L,25Rの出力制御、検知器22,22の動作制御、表示ユニット100の表示制御、及び、役物駆動部200の駆動制御などを行う。
具体的には、サブCPU71は、主制御回路60から各種のコマンドなどを受信し、コマンドに含まれる各種の情報をサブRAM73に記憶させる。なお、主制御回路60におけるあらゆる情報がコマンドにより送信され、副制御回路70では、主制御回路60の状態を逐一判断することができる。
また、サブCPU71は、サブRAM73に記憶させた遊技状態情報や内部当籤役情報などを参照しながらプログラムを実行することにより、液晶表示装置20、スピーカ25L,25R、検知器22,22、表示ユニット100、及び、役物駆動部200に行わせる演出の内容を決定する。
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、レンダリングプロセッサ74及びドライバ77を介して液晶表示装置20を制御し、また、A/D変換器78及びアンプ79を介してスピーカ25L,25Rを制御する。
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、表示ユニット駆動部105を介して表示ユニット100のプロジェクタ101を制御し、また、役物駆動部200を介して役物202を制御する。
また、サブCPU71は、サブROM72に記憶されている乱数取得プログラムを実行することにより、演出データなどを決定する際に用いる乱数値を取得する。但し、主制御回路60と同様に、乱数発生器及びサンプリング回路を副制御回路70内に設ける場合には、当該処理は不要である。
サブROM72は、サブCPU71が実行するプログラムを記憶するプログラム記憶領域と、各種テーブルなどを記憶するデータ記憶領域と、を有する。
プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路60との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出データ登録処理用の制御プログラムなどを記憶する。
一方、データ記憶領域は、図示していない演出抽籤テーブルなどを記憶するテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータなどを記憶する描画制御データ記憶領域、BGMや効果音といった音データなどを記憶する音声制御データ記憶領域などを有する。
サブRAM73は、サブCPU71が各プログラムを実行する際に、作業用一時記憶手段として使用される。
レンダリングプロセッサ74は、サブCPU71から受信する画像表示コマンドなどに基づいて、液晶表示装置20に遊技情報を表示させるための処理を行う。レンダリングプロセッサ74が行う処理に必要な画像データは、起動時に描画用SDRAM75に展開される。
A/D変換器78は、サブCPU71が演出データに基づいて選択するデジタル形式の音データを、アナログ形式の音データに変換してアンプ79に送信する。アンプ79は、A/D変換器78から受信したアナログ形式の音データを、遊技機1に設けられた音量調整用ツマミ(図示していない)により調節された音量に基づいて増幅させた後、スピーカ25L,25Rに送信する。その結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた遊技音が、スピーカ25L,25Rから出力される。
上記した本実施の形態においては、既存の遊技機1の限られたスペース内にプロジェクタ101を用いた表示ユニット100を効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機1を提供することが可能となる。すなわち、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100を搭載できるようにしたので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機1が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタ101を用いた表示ユニット100によって多種多様な演出を安定的に実現することが可能となる。
また、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103が遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化されているので、演出ユニット100に汎用性を持たせることができる。
また、スクリーン103と表示画面領域19との間には、立体形状を有する役物201及び可動式の役物202が配置することができるので、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
さらには、ユニット化によってプロジェクタ101を用いた表示ユニット100を限られたスペース内に効率よく配置することができることにより、前面扉2bを、表示画面領域19が形成されたフロントパネル2b-2とそれ以外のメインパネル2b-1とで分割して開閉する方式とすることも可能になる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機1Aの一部を透過して示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施の形態の遊技機1Aにおいて、表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100Aが配設されている。
図9に示すように、いわゆるプロジェクションマッピング装置(演出表示手段)としての表示ユニット100Aは、上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とを有して構成されている。また、本実施の形態に係る表示ユニット100Aは、第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。
上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100との違いは、表示ユニット100Aの場合、プロジェクタ101が、キャビネット2aの前面側F1からキャビネット2aの奥側Rに向けて照射光101aを投影するように配置され、スクリーン103が、プロジェクタ101からの照射光101aが裏面側より投影されるように配置されている点である。
すなわち、本実施の形態の表示ユニット100Aの場合、プロジェクタ101は、キャビネット2aの奥側Rに向けて照射光101aを投影するように、キャビネット2aの前面側F1に後ろ向きに配置され、リフレクタ102は、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの前面側F1に反射させるように、キャビネット2aの奥側Rに所定の反射角度を有して配置され、スクリーン103は、リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが裏面側より投影されるように、キャビネット2aの前面側F1に配置されている。
このような構成とした本実施の形態においては、第1の実施の形態の場合と同様に、表示ユニット100Aをより安価に構成できるとともに、小型化を図ることによって、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100Aの、遊技機1Aの限られたスペースへの搭載が容易に可能となる。
したがって、既存の遊技機1Aの限られたスペース内にプロジェクタ101を用いた表示ユニット100Aを効率よく配置できるようになるため、設計を大幅に変更したりすることなく、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機1Aを提供することが可能となる。
また、本実施の形態の場合、表示ユニット100Aのスクリーン103と、キャビネット2aの奥側Rと、の間のスペース(スクリーン103の裏面側)に、例えば、立体形状を有する役物や可動式の役物を配置できる。立体形状を有する役物や可動式の役物に対して、プロジェクタ101からの照射光101aを投影させて、スクリーン103に役物の影を透過させることによって、より立体的で斬新な演出を行うことが可能となる。
特に、演出情報などに基づいて役物を可動させることによって、スクリーン103の形状(平面的な構造)が変化するように構成してもよい。すなわち、照射光101aを透過できるスクリーン103を、例えば高い伸縮性を有する素材により構成することによって、可動式の役物の動きに応じて、スクリーン103が表示画面領域19から飛び出すような立体的で斬新な演出が可能となる。
なお、本実施の形態においては、表示画面領域19とスクリーン103とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合、表示画面領域19を立体的な形状とすることによって、より立体的で斬新な演出を行うことが可能となる。
また、スクリーン103を開閉できるように構成し、表示画面領域19を介して、可動式の役物による演出を視認できるようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第3の実施の形態について説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る遊技機1Bの一部を透過して示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施の形態の遊技機1Bにおいて、表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100Bが配設されている。
図10に示すように、いわゆるプロジェクションマッピング装置(演出表示手段)としての表示ユニット100Bは、上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とを有して構成されている。また、本実施の形態に係る表示ユニット100Bは、第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。
ここで、本実施の形態に係る遊技機1Bは、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と、スクリーン103の構成が異なるが、他の構成は同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なる点についてのみ、詳しく説明する。
図10及び図11に示すように、本実施の形態に係るスクリーン103は、立体形状を有する可動式の役物で構成されている。また、本実施の形態では、可動式の役物が複数設けられている。
具体的には、スクリーン103は、第1の役物131と、第2の役物132とを含んで構成されている。本実施の形態では、可動式の役物を2つとしたが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。又は、可動式の役物と固定式の役物とを組み合わせても構わない。
これら第1の役物131及び第2の役物132の表面には、第1の役物131及び第2の役物132をスクリーンとして機能させるためのスクリーン塗料が塗布されている。スクリーン塗料としては、例えば反射効率の優れたアクリル塗料を用いることができる。これにより、第1の役物131及び第2の役物132は、色再現性に優れ、水平及び垂直視野角が広く画面輝度が均一なスクリーンとして機能することとなる。
また、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132ごとにそれぞれ異なる色のスクリーン塗料が塗布されている。例えば、第1の役物131には、演出表示がより立体的に表現されるような色(例えば「シルバー」)のスクリーン塗料が塗布され、第2の役物132には、表示内容が視認しやすい色(例えば「白色」)のスクリーン塗料が塗布されている。
これにより、第1の役物131は、立体感や奥行きの感じられる映像を表現することができる。また、第2の役物132は、表面に投影される映像を見えやすくすることができる。このように、スクリーン塗料を役物ごとに異ならせるだけで、投影される映像が見えやすく、かつ立体感や奥行きの感じられる斬新な演出を、簡易かつ低コストな構成で実現することができる。なお、上述したスクリーン塗料の配色は、一例であり、逆の配色としてもよく、いずれの役物に何色のスクリーン塗料を塗布するかは任意である。
また、本実施の形態では、第1の役物131は、映像が投影される面(正面)が湾曲した形状となっている。これにより、第1の役物131は、例えばリール上に描かれる図柄が映像として投影されることで、疑似的なリールを構成することができる。
さらに、本実施の形態では、第2の役物132は、第1の役物131の下部に配置され、映像が投影される面(正面)が傾斜した台形形状となっている。本実施の形態では、この台形形状の第2の役物132の傾斜面に映像を投影可能とするために、リフレクタ102の傾斜角度を、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の傾斜角度と異なる角度に変更するのが好ましい。
また、本実施の形態では、リフレクタ102の傾斜角度を、第2の役物132の傾斜面に映像を投影可能な角度としているが、ステージ(底板)100bにも映像が投影できるような角度としてもよい。この場合、ステージ(底板)100b上にもスクリーン塗料を塗布するのが好ましい。これにより、より立体感のある演出や、奥行きが感じられるような演出を行うことができる。
また、第2の役物132は、映像が投影される面(正面)が遊技機1の幅方向(図1中、L−R1方向)に3分割されるよう、中央部分が遊技機1の前面側に突出した形状をなしている。これにより、例えば第1の役物131が疑似的なリールとして機能する場合に、第2の役物132を各リールの停止順序等の情報を報知する役物として機能させることができる。
なお、上述した第1の役物131及び第2の役物132の形状は、一例であってこれに限定されるものではない。例えば、第1の役物131を、横回転するドラムを疑似的に表現可能な湾曲形状とし、第2の役物132を、上述したような疑似的なリールを表現可能な湾曲形状とする等、種々の形状を採用することができる。
また、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132を上下2段に構成したが、これに限らず、これら2つの役物を遊技機1の幅方向に並べた構成としてもよいし、3つ以上の役物を遊技機1の幅方向に並べた構成としてもよい。遊技機1の幅方向に3つの役物を並べれば、実際のリールと遜色ないような疑似的なリールを表現可能である。
また、図12及び図13に示すように、本実施の形態に係る副制御回路70には、第1役物駆動部301と、第2役物駆動部302とが接続されている。第1役物駆動部301は、第1の役物131を駆動するものであり、第2役物駆動部302は、第2の役物132を駆動するものである。したがって、サブCPU71は、第1役物駆動部301及び第2役物駆動部302を駆動することにより、第1の役物131及び第2の役物132をそれぞれ可動させることができる。
第1役物駆動部301及び第2役物駆動部302は、例えばモータで構成されており、後述する駆動機構310を介して第1の役物131及び第2の役物132をそれぞれ遊技機1の前後方向(図1中、F1−R方向)に可動させるようになっている。
駆動機構310は、図14(a)、(b)に示すように、第1役物駆動部301に連結されたピニオンギヤ311と、ピニオンギヤ311に噛み合うドライブギヤ312とを含んで構成されている。本実施の形態では、駆動機構310は、第1の役物131及び第2の役物132に対応して2つ設けられる。なお、駆動機構310は、図示しない支持部材を介して表示ユニット100Bの後側板104に固定されている。
ここで、駆動機構310を介して役物を可動する構成について、第1の役物131を例に説明する。
図14(a)に示すように、後側板104には、第1の役物131を遊技機1の前後方向にスライド可能に支持する一対の支持部140が固定されている。第1の役物131は、遊技機1の幅方向の両端に図示しないスライダを有しており、このスライダが支持部140にスライド可能に支持されることで、遊技機1の前後方向に移動できるようになっている。
また、ドライブギヤ312は、周縁の一部に半径方向外側に突出した突出部312aが設けられている。この突出部312aには、ドライブギヤ312の軸方向に突出し、第1の役物131に形成された長溝131aに嵌合する突起312bが設けられている。
まず、図14(a)に示すように、第1の役物131が後側板104側に位置している状態で、第1役物駆動部301を駆動してピニオンギヤ311を図中、矢印方向に回転させると、ドライブギヤ312が図中、矢印方向に回転する。
次いで、ドライブギヤ312が回転すると、突起312bが長溝131aに沿って図中、左側に移動する。このとき、第1の役物131は、幅方向の移動が一対の支持部140により規制されているため、幅方向には移動せず、図中、太矢印で示すように遊技機1の正面側に向けて移動する。すなわち、第1の役物131が可動する。
一方、遊技機1の正面側に移動した第1の役物131を元の位置に戻す、つまり図14(a)に示す状態に戻すには、例えば第1役物駆動部301を逆駆動してもよいし、ドライブギヤ312を常時、回転方向と逆方向(図14中、時計回り方向)に回転させるよう付勢力を付与する圧縮スプリング等の付勢部材によってドライブギヤ312を逆回転させてもよい。ただし、付勢部材を用いてドライブギヤ312を逆回転させる場合には、第1役物駆動部301の駆動トルクを作用させないようにするのが好ましい。
なお、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132を可動する構成として、図14(a)、(b)に示す構成を採用したが、これに限らず、例えば、駆動機構310をラックアンドピニオン方式の駆動機構で構成したり、第1役物駆動部301及び第2役物駆動部302を電磁ソレノイドで構成する等、種々の構成を採用することができる。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が立体形状を有する可動式の第1の役物131及び第2の役物132で構成されており、それら第1の役物131及び第2の役物132の表面にはスクリーン塗料が塗布されているので、プロジェクタ101を用いて、より立体的な演出を行うことができる。また、第1の役物131及び第2の役物132が可動することにより多種多様な演出を行うことができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132をそれぞれ遊技機1の前後方向(図1中、F1−R方向)に可動させる構成としたが、これに限らず、例えば遊技機1の幅方向(図1中、L−R1方向)や上下方向(図1中、T−B1方向)に可動させる構成としてもよいし、第1の役物131と第2の役物132とで可動する方向を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技者とキャビネット2aとの間、すなわち表示画面領域19の裏側(キャビネット2a側)に黒スモーク処理が施されたアクリル板を設けてもよい。あるいは、前面扉2bの表示画面領域19に対応する部位に取り付け固定された透明カバー(図示せず)を黒スモーク処理が施されたアクリル板で構成してもよい。これにより、表示画面領域19を介して遊技機1の内部、つまり表示ユニット100B内に導入される外部光を抑制することができる。したがって、スクリーン103での外部光の反射を抑えることができ、プロジェクタ101から投影された映像がより鮮明に遊技者に視認されるようにすることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第4の実施の形態について説明する。
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る表示ユニット100Cの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図15に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Cは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。この側板107には、スクリーン駆動機構410が設けられている。スクリーン駆動機構410については、後述する。
また、本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置(図15、図18(a)に示す位置)と当該照射光が投影されない非投影位置(図18(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
具体的には、図18(a)に示すように、スクリーン103は、裏面側に突出する有端の回動片130を有している。この回動片130は、スクリーン103の裏面側の両側にそれぞれ設けられている。また、回動片130は、回動軸130aを介して側板107に回動自在に支持されている。
これにより、スクリーン103は、後述するスクリーン駆動部401及びスクリーン駆動機構410によって投影位置と非投影位置との間で、回動軸130aを支点に回動可能となっている。また、回動片130の先端側には、後述する係合突起414aが係合する長穴130bが形成されている。
図16及び図17に示すように、スクリーン駆動部401は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。スクリーン駆動部401は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、スクリーン駆動機構410を介してスクリーン103を可動させるようになっている。なお、スクリーン駆動部401及びスクリーン駆動機構410は、一対の側板107の双方に設けてもよいし、いずれか一方にのみ設けてもよい。
図18(a)に示すように、スクリーン駆動機構410は、スクリーン駆動部401に連結されたピニオンギヤ411と、ピニオンギヤ411に噛み合う減速ギヤ412と、減速ギヤ412に噛み合うドライブギヤ413とを含んで構成されている。
本実施の形態に係るスクリーン駆動機構410では、減速ギヤ412を設けることでピニオンギヤ411からドライブギヤ413に伝達される回転を減速し、ドライブギヤ413で発生するトルクを増幅することができる。これにより、例えば回動軸130aと後述する係合突起414aとの間の距離が短い場合であってもスクリーン103を良好に回動させることができる。
ドライブギヤ413には、ドライブギヤ413と一体回転可能なクランク機構414が連結されている。クランク機構414は、一端がドライブギヤ413に固定されるとともに、他端に、回動片130の長穴130bに係合する係合突起414aが設けられている。係合突起414aは、ドライブギヤ413の回転に伴い長穴130b内を摺動するようになっている。
このように構成された表示ユニット100Cでは、図18(a)に示すように、スクリーン103が投影位置に位置している状態で、スクリーン駆動部401を駆動してピニオンギヤ411を図中、時計回り方向に回転させると、減速ギヤ412が図中、反時計回り方向に回転する。
次いで、減速ギヤ412が回転すると、ドライブギヤ413が図中、矢印方向(時計回り方向)に回転する。このとき、減速ギヤ412と一体回転するクランク機構414を介して係合突起414aが長穴130b内を回動片130の先端側に向かって摺動する。
これにより、スクリーン103が回動軸130aを支点に図中、時計回り方向に回動する。その後、ドライブギヤ413がさらに回転すると、所定回転角度を境に係合突起414aが長穴130b内を回動軸130a側に向けて戻るように摺動する。
最終的に、図18(b)に示すように、係合突起414aが長穴130bの回動軸130a側の端に移動するまでドライブギヤ413が回転すると、スクリーン103が非投影位置に位置するようになる。これにより、スクリーン103の投影位置から非投影位置への可動が完了する。
なお、非投影位置に位置するスクリーン103を元の位置、つまり投影位置に戻すには、例えばスクリーン駆動部401を逆駆動(ピニオンギヤ411を反時計回り方向に回転させる)させてもよいし、スクリーン駆動部401による駆動トルクを解除することでスクリーン103の自重により回動させてもよい。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が投影位置と非投影位置との間で可動自在に構成されているので、例えば遊技状態に応じて、スクリーン103を用いた演出とスクリーン103を用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。
なお、本実施の形態では、スクリーン103の背面側に何も設けない構成としたが、これに限らず、例えば第3の実施の形態で示したような第1の役物131及び第2の役物132をスクリーン103と後側板104との間に設けてもよい。この場合、スクリーン103による演出と第1の役物131及び第2の役物132を用いた演出とを切り替えることができ、演出に更なる多様性を持たせることができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第5の実施の形態について説明する。
図19は、本発明の第5の実施の形態に係る表示ユニット100Dの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図19に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Dは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。
また、本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置に固定された第1のスクリーンとしてのメインスクリーン111と、メインスクリーン111に対して可動自在な第2のスクリーンとしてのサブスクリーン112とを有している。
メインスクリーン111は、図23(a)に示すように、一対のブラケット103aを介してステージ100bに固定されている。なお、メインスクリーン111は、一対の側板107に固定される構成であってもよい。
また、メインスクリーン111は、図19に示すように、所定の面積の開口部111aを有する。この開口部111aは、サブスクリーン112によって閉塞あるいは開放されるようになっている。
サブスクリーン112は、メインスクリーン111の開口部111aを閉塞する閉塞位置(図19、図23(a)に示す位置)と開口部111aを開放する開放位置(図23(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
具体的には、サブスクリーン112は、メインスクリーン111の背面に固定された一対のサブスクリーン用ブラケット113に上下方向に可動自在に支持されている。これにより、サブスクリーン112は、後述するサブスクリーン駆動部501及びラックアンドピニオン機構510によって閉塞位置と開放位置との間で可動するようになっている。サブスクリーン駆動部501は、図23(a)に示すように、メインスクリーン111の背面側に固定されている。
図20及び図21に示すように、サブスクリーン駆動部501は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。サブスクリーン駆動部501は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、ラックアンドピニオン機構510を介してサブスクリーン112を可動させるようになっている。なお、サブスクリーン駆動部501及びラックアンドピニオン機構510は、サブスクリーン112の長手方向(左右方向)の両側にそれぞれ設けてもよいし、いずれか一方にのみ設けてもよい。
図23(a)に示すように、ラックアンドピニオン機構510は、サブスクリーン駆動部501に連結されたピニオンギヤ511と、ピニオンギヤ511に噛み合うラック部512とを含んで構成されている。また、一対のサブスクリーン用ブラケット113には、上下方向に延在する長穴113aが形成されている。
ラック部512は、ピニオンギヤ511に噛み合うギヤを有するラック本体512aと、サブスクリーン用ブラケット113の長穴113a内を摺動可能な摺動部512bと、摺動部512bに連結された支持部512cとを含んで構成されている。
支持部512cは、図示しない締結部材あるいは接着等によりサブスクリーン112に固定されている。したがって、サブスクリーン112は、ラック部512の可動に連動して上下方向に可動する。
詳細には、図23(a)に示すように、サブスクリーン112が閉塞位置に位置している状態で、サブスクリーン駆動部501を駆動してピニオンギヤ511を図中、時計回り方向に回転させると、ラック部512が上方に移動する。このとき、摺動部512cが長穴113a内を上方に向けて摺動する。これにより、図23(b)に示すように、サブスクリーン112が開放位置まで上昇し、サブスクリーン112の閉塞位置から開放位置への可動が完了する。
なお、開放位置に位置するサブスクリーン112を元の位置、つまり閉塞位置に戻すには、例えばサブスクリーン駆動部501を逆駆動(ピニオンギヤ511を反時計回り方向に回転させる)させてもよいし、サブスクリーン駆動部501による駆動トルクを解除することでサブスクリーン112の自重により下降させてもよい。
一方、図22に示すように、メインスクリーン111の背面側には、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な立体的形状(例えば、扇形状)を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン110が設けられている。
可動スクリーン110の表面には、可動スクリーン110をスクリーンとして機能させるためのスクリーン塗料が塗布されている。スクリーン塗料としては、第3の実施の形態と同様のものを用いることができる。本実施の形態では、可動スクリーン110は、映像が投影される面(正面)が湾曲した扇形状となっている。これにより、可動スクリーン110は、例えばリール上に描かれる図柄が映像として投影されることで、疑似的なリールを構成することができる。なお、可動スクリーン110の形状は、一例であってこれに限定されるものではない。
可動スクリーン110は、サブスクリーン112が開放位置にあるときに、役物駆動部502及び役物駆動機構520によって開口部111aを介して遊技機前方側に向けて可動するようになっている。
図20及び図21に示すように、役物駆動部502は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。役物駆動部502は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、役物駆動機構520を介して可動スクリーン110を可動させるようになっている。
図24(a)、(b)に示すように、役物駆動機構520は、役物駆動部502に連結されたピニオンギヤ521と、ピニオンギヤ521に噛み合うドライブギヤ522と、ドライブギヤ522の回転に連動して作動するリンク機構523とを含んで構成されている。
リンク機構523は、ドライブギヤ522に一体回転可能に取り付けられた第1のアーム523aと、第1のアーム523aの一端に回動可能に取り付けられた第2のアーム523bとを有している。
したがって、図24(a)に示すように、可動スクリーン110がメインスクリーン111の背面側に位置している状態で、役物駆動部502を駆動してピニオンギヤ521を図中、反時計回り方向に回転させると、ドライブギヤ522が時計回り方向に回転する。このとき、サブスクリーン112は、すでに開放位置まで上昇している。
ドライブギヤ522が回転すると、第1のアーム523aもともに回転し、それまで屈曲していたリンク機構523が伸長した状態となる。これにより、図24(b)に示すように、可動スクリーン110がメインスクリーン111の開放された開口部111aを介して遊技機前方側にせり出す。
なお、遊技機前方側にせり出した可動スクリーン110を元の位置、つまりメインスクリーン111の背面側に戻すには、例えば役物駆動部502を逆駆動(ピニオンギヤ521を時計回り方向に回転させる)させてもよいし、リンク機構523が図24(a)に示す屈曲状態と逆方向の屈曲状態となるまで役物駆動部502をさらに駆動させてもよい。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が、投影位置に固定されたメインスクリーン111と、そのメインスクリーン111に対して可動自在なサブスクリーン112とを有するので、メインスクリーン111とサブスクリーン112とを用いた多種多様な演出を行うことができる。本実施の形態では、サブスクリーン112の開放位置への上昇と連動して可動スクリーン110を可動させることができる。
また、本実施の形態に係る演出用ユニット100Dは、メインスクリーン111及びサブスクリーン112に加えて、立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン110を備えているので、メインスクリーン111及びサブスクリーン112と可動スクリーン110とを用いた多種多様な演出を行うことができる。
また、サブスクリーン112が開放位置にあるときにメインスクリーン111の開口部111aを介して遊技機前方側に向けて可動スクリーン110が可動するので、役物の動きを加えた演出を行うことができ、遊技者の興趣を惹きつけることができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第6の実施の形態について説明する。
図25(a)、(b)及び図26(a)、(b)は、本発明の第6の実施の形態に係る表示ユニット100Eの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図25(a)に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Eは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。各側板107には、第1の案内穴108と、第2の案内穴109とが形成されている。これら第1の案内穴108及び第2の案内穴109には、後述する係合突起134、135がそれぞれ係合するようになっている。
本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置(図25(a)に示す位置)と当該照射光が投影されない非投影位置(図26(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
また、図25(b)に示すように、本実施の形態の投影位置には、プロジェクタ101からの照射光を投影可能としつつも、所定の面積の開口133を形成する一部開口位置(、図25(b)に示す位置)が含まれる。開口133は、スクリーン103の下面とステージ100bの上面と一対の側板107の側面とによって画成される。
また、図25(a)に示すように、スクリーン103の両側端部(側板107に対向する端部)には、スクリーン103の上下方向に互いに離隔して配置された係合突起134、135が設けられている。
係合突起134は、第1の案内穴108に係合し、第1の案内穴108内を摺動するようになっている。係合突起135は、第2の案内穴109に係合し、第2の案内穴109内を摺動するようになっている。
第1の案内穴108は、スクリーン103を投影位置と一部開口位置との間で移動させる際に係合突起134が摺動する第1案内部108aと、スクリーン103を一部開口位置と非投影位置との間で移動させる際に係合突起134が摺動する第2案内部108bとを有する。
第2の案内穴109は、スクリーン103を投影位置と一部開口位置との間で移動させる際に係合突起135が摺動する第1案内部109aと、スクリーン103を一部開口位置と非投影位置との間で移動させる際に係合突起135が摺動する第2案内部109bとを有する。
一方、スクリーン103の背面側には、第5の実施形態と同様の構成の可動スクリーン110が設けられている。可動スクリーン110の構成は、第5の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。なお、本実施の形態の可動スクリーン110は、スクリーン103が一部開口位置にあるときに可動するようになっている。
また、本実施の形態では、スクリーン103を可動する駆動部については、図示を省略しているが、例えばスクリーン103の下部近傍にワイヤを取り付け、このワイヤを介してスクリーン103を表示ユニット100Eの上部から引き上げる構成を採用することができる。こうしたワイヤの引き上げは、例えばモータによるワイヤの巻き取り等によって実現することができる。
このように構成された表示ユニット100Eでは、図25(a)に示すように、スクリーン103が投影位置に位置している状態で、スクリーン103が上方に引き上げられると、係合突起134及び135がそれぞれ第1案内部108a、109aに沿って上昇する。
そして、図25(b)に示すように、スクリーン103が一部開口位置に到達したタイミングでスクリーン103の引き上げを一旦停止する。その後、役物駆動機構520を駆動することによって可動スクリーン110を遊技機前方側に向かって可動させる。これにより、図26(a)に示すように、可動スクリーン110がスクリーン103の下部に形成された開口133を介して遊技機前方側にせり出す。この状態では、プロジェクタ101からの照射光をスクリーン103と可動スクリーン110の双方に投影することができる。
次いで、スクリーン103をさらに引き上げると、係合突起134及び135がそれぞれ第2案内部108b、109bに沿って上昇する。これにより、図26(b)に示すように、スクリーン103が非投影位置まで上昇する。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103に加えて、立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン110を備えているので、スクリーン103と可動スクリーン110とを用いた多種多様な演出を行うことができる。
(第7の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第7の実施の形態について説明する。
図27(a)、(b)は、本発明の第7の実施の形態に係る表示ユニット100Fの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図27(a)に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Fは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。この一対の側板107間には、スクリーン103及びスクリーン駆動機構710を支持する支持板700が取り付けられている。
本実施の形態に係るスクリーン103は、左スクリーン103Aと右スクリーン103Bとに分割されており、これら左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは互いに対向するように設けられている。
また、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置(図27(b)に示す位置)と当該照射光が投影されない非投影位置(図27(a)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
具体的には、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、それぞれ上端部に後述する第1の長穴700aに係合する第1の係合突起731と、第2の長穴700bに係合する第2の係合突起732とが設けられている。
支持板700には、第1の係合突起731が係合する第1の長穴700aと、第2の係合突起732が係合する第2の長穴700bとが形成されている。
スクリーン駆動機構710は、図示しないモータに連結されたピニオンギヤ711と、ピニオンギヤ711に噛み合う左ドライブギヤ712と、左ドライブギヤ712に噛み合う右ドライブギヤ713と、これら左ドライブギヤ712及び右ドライブギヤ713の回転に連動して作動する左アーム714及び右アーム715とを含んで構成されている。
左アーム714及び右アーム715は、それぞれ左ドライブギヤ712及び右ドライブギヤ713の偏心位置に一端が回動自在に取り付けられている。また、左アーム714及び右アーム715の他端は、それぞれ左スクリーン103A及び右スクリーン103Bの第2の係合突起732に回動自在に取り付けられている。
このように構成された表示ユニット100Fでは、図27(a)に示すように、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bが非投影位置に位置している状態で、ピニオンギヤ711が図中、反時計回り方向に回転すると、左ドライブギヤ712が時計回り方向に回転するとともに、右ドライブギヤ713が反時計回り方向に回転する。
これにより、第2の係合突起732が第2の長穴700b内を側板107から離隔する方向に摺動する。このとき、第1の係合突起731は、第1の長穴700a内を後側板104側に向かって摺動する。
この結果、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、その投影面(互いに対向する面)を遊技機前方側に向けるようにしてせり出す。これにより、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、図27(b)に示すように、投影位置に位置することとなる。
なお、投影位置に位置する左スクリーン103A及び右スクリーン103Bを元の位置、つまり非投影位置に格納するには、例えばモータを逆駆動(ピニオンギヤ711を時計回り方向に回転させる)させる。
このような構成とした本実施の形態においては、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bが投影位置と非投影位置との間で可動自在に構成されているので、例えば遊技状態に応じて、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bを用いた演出と左スクリーン103A及び右スクリーン103Bを用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第8の実施の形態について説明する。
図28〜図30は、本発明の第8の実施の形態に係る表示ユニット100Gの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図28に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Gは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。
また、本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置に固定された第1のスクリーンとしてのメインスクリーン811と、メインスクリーン811に対して可動自在な第2のスクリーンとしてのサブスクリーン812とを有している。
メインスクリーン811は、一対の側板107及びステージ100bに固定されている。なお、メインスクリーン811は、第5の実施の形態と同様、一対のブラケットを介してステージ100bに固定される構成であってもよい。
また、メインスクリーン811は、所定の面積の開口部811aを有する。この開口部811aは、サブスクリーン812によって常時閉塞されている。
サブスクリーン812は、複数の分割スクリーン812a、812b、812cで構成されている。これら分割スクリーン812a、812b、812cは、上下方向に3段となるよう配置されている。なお、サブスクリーン812は、3段に限らず、1〜2段、又は4段以上であってもよい。
また、サブスクリーン812は、メインスクリーン811に対して遊技機前方にせり出すよう可動するようになっている。具体的には、図30に示すように、サブスクリーン812は、図示しないモータ等の駆動部及びサブスクリーン駆動機構910によって、分割スクリーン812a、812b、812cが遊技機前方にせり出したときに階段状となるよう可動するようになっている。
サブスクリーン駆動機構910は、図29に示すように、図示しないモータ等の駆動部に連結される駆動連結部911と、駆動連結部911に一体回転可能に取り付けられた駆動軸912(図28、図30参照)と、駆動軸912に一体回転可能に固定された右ドライブギヤ913と、右ドライブギヤ913に噛み合う左ドライブギヤ914とを含んで構成されている。なお、図29では、メインスクリーン811の図示を省略している。
ここで、右ドライブギヤ913及び左ドライブギヤ914は、分割スクリーン812a、812b、812cごとにそれぞれ設けられている。また、右ドライブギヤ913及び左ドライブギヤ914には、アーム部913a、914aがそれぞれ一体回転可能に固定、あるいは一体形成されている。
また、アーム部913a、914aは、分割スクリーン812a、812b、812cごとにそれぞれ異なる長さに設定されている。本実施の形態では、分割スクリーン812a、812b、812cの順にアーム部913a、914aの長さが長くなるように設定されている。これにより、サブスクリーン812が遊技機前方にせり出した際に、分割スクリーン812a、812b、812cが階段状となる。
また、アーム部913a、914aの先端には、後述する分割スクリーン812a、812b、812cの係合溝920に係合し、係合溝920内を左右方向に摺動する係合突起913b、914bがそれぞれ設けられている。
一方、分割スクリーン812a、812b、812cは、それぞれ天板を有する中空の矩形形状をなし、天板の裏面(内側面)に上述の係合突起913b、914bが係合する係合溝920が左右方向に延在して形成されている。
このように構成された表示ユニット100Gでは、図28に示すように、サブスクリーン812がせり出していない状態で、駆動連結部911を図中、時計回り方向に回転させると、右ドライブギヤ913が時計回り方向に回転する。右ドライブギヤ913が回転すると、左ドライブギヤ914が反時計回り方向に回転する。
これにより、右ドライブギヤ913及び左ドライブギヤ914の回転に連動して各アーム部913a、914aも回転する。このとき、各アーム部913a、914aの回転と連動して、各係合突起913b、914bが各係合溝920内を互いに接近する方向に摺動する。
この結果、図30に示すように、サブスクリーン812が遊技機前方にせり出し、分割スクリーン812a、812b、812cによって階段状のサブスクリーン812が形成される。
なお、遊技機前方側にせり出したサブスクリーン812を元の位置(図28に示す位置)に戻すには、例えば駆動部を逆駆動(駆動連結部911を反時計回り方向に回転させる)させる。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が、投影位置に固定されたメインスクリーン811と、そのメインスクリーン811に対して可動自在なサブスクリーン812とを有するので、メインスクリーン811とサブスクリーン812とを用いた多種多様な演出を行うことができる。
また、本実施の形態に係る表示ユニット100Gは、サブスクリーン812がメインスクリーン811に対して遊技機前方側にせり出すよう可動するので、遊技者に対して迫りくるような感覚を与えることができる迫力のある演出を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、サブスクリーン812を上下方向に3段に分割した構成としたが、これに限らず、例えば左右方向に分割した構成や上下方向に分割したものと左右方向に分割したものとを組み合わせる等、種々の態様をとることができる。また、サブスクリーン812の位置は、メインスクリーン811の下部に限らず、上部あるいは中心であってもよい。
上記したように、上述の各実施の形態に係る表示ユニット100,100A〜100Gは、既存の遊技機1,1A及び1Bの限られたスペース内に効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機を提供することが可能となる。
すなわち、遊技機1,1A及び1Bにおいて、遊技に用いられる各種の機器が収容されるキャビネット2aの内部に、照射光101aを投影するプロジェクタ101と、該プロジェクタ101から投影された照射光101aを所定の反射角度で反射させるリフレクタ102と、該リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが投影されるスクリーン103と、を効率よく配置できるようにしている。これにより、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100,100A〜100Gを搭載できるようになるので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタ101を用いた表示ユニット100,100A〜100Gによって多種多様な演出を安定的に実現することが可能な遊技機1,1A及び1Bとすることができるものである。
しかも、表示ユニット100,100Aには、立体形状を有する役物201や可動式の役物202を配置し、表示ユニット100Bは、スクリーン103を立体形状を有する可動式の役物で構成したので、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
また、プロジェクタ101、リフレクタ102、及び、スクリーン103をユニット化したことにより、表示ユニット100,100A〜100Gの装着を効率よく行うことが可能となり、前面扉2bを、表示画面領域19が形成されたフロントパネル2b-2とそれ以外のメインパネル2b-1とで分割して開閉することが可能な構成とすることもできる。
なお、上記した各実施の形態においては、表示ユニット100,100A〜100Gとして、いずれもプロジェクタ101を天井板100a側に配置するように構成した場合を例に説明したが、これに限らず、例えばステージ100b側にプロジェクタ101を配置する構成としてもよい。
また、いずれの実施の形態における表示ユニット100,100A〜100Gの場合においても、プロジェクタ101は1つに限らず、複数のプロジェクタ101を備えるものであってもよい。
また、各実施の形態において、いずれの表示ユニット100,100A〜100Gの場合も、ステージ100bが可動する構成としてもよい。
また、各実施の形態においては、いずれの場合も、液晶表示パネルを用いて腰部パネル18を構成することも可能である。
また、上記した各実施の形態において、液晶表示装置20は、台座部12cの上部側T、例えば表示画面領域19とスクリーン103との間(L側及びR1側)に設けることも可能である。
また、上記した各実施の形態において、台座部12cの上部側T、例えば表示画面領域19とスクリーン103との間(L側及びR1側)には、ドットマトリクスによる演出装置を設けるようにしてもよい。
また、上記した第1の実施形態及び第2の実施の形態においては、役物201,202に対して、例えば、ブラックライトに反応して発光するような塗料を選択的に塗布するようにしてもよい。この場合、遊技機1,1Aにブラックライトを搭載させることのみによって、発光する役物と発光しない役物とを混在させたり、1つの役物において、発光する部分と発光しない部分とを設けることが可能となる。
さらには、上記した各実施の形態における遊技機1,1A及び1Bとしては、パチスロ機に限定されるものではなく、パチンコ機やスロットマシンなどの他の遊技機にも適用できる。
以上、説明したように、本発明に係る遊技機は、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことができるという効果を奏するものであり、遊技機に搭載される表示ユニットに有用である。
[附記]
附記における表示ユニット100及びこれを備えた遊技機1は、以下のとおりである。
(技術分野)
本発明は、演出用ユニット及びこれを備えた遊技機に関する。
(背景技術)
従来、複数の図柄が周面に描かれた複数のリールと、これら各リールに対応して複数設けられるとともに、各リールの周面に描かれた一部の図柄を表示する表示窓と、を備えた回胴式の遊技機(いわゆる、「パチスロ機」)が知られている。このような遊技機は、遊技者によるメダルなどの遊技価値(遊技媒体)の投入とスタートレバーに対する開始操作とに基づいて全リールを回転させ、遊技者によるストップボタンに対する停止操作に基づいて各リールの回転を停止させることにより、表示窓に図柄を停止表示させるようになっている。
こうした遊技機は、表示窓内の有効ライン上に「役」に係る図柄の組合せが停止表示され、表示役として決定されたこと(すなわち、「役」が成立したこと)に基づいて、遊技者に対して特典(例えば、メダル)を付与する。
また、この種の遊技機は、液晶パネルなどの表示ユニットを備え、ランプによる光やスピーカを用いた音の演出とともに、映像による多種多様な演出を行うことが可能とされており、遊技の進行を盛り上げるとともに、遊技の展開に対する遊技者の期待感を向上させる手法として効果を発揮している。
ところが、液晶パネルのような表示ユニットは高価であり、遊技機の低廉化を妨げる要因となっていた。
そこで、近年では、ゲーム用動画を表示する表示画面を大型化するための技術として、液晶パネルよりも安価な液晶プロジェクタを用いるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案は、スロットマシンなどのゲーム機において、内蔵の小型液晶パネルにゲーム用動画を映し出してこれを拡大投影する液晶プロジェクタを内部の下部に配設し、液晶プロジェクタの投影光を裏面側に受けて、ゲーム用動画を正面側に映し出すべく、この投影光を正面側に透過させるスクリーンを、表示画面として正面に配設するようにしたものである。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1)特開平6−35066号公報
(発明の概要)
(発明が解決しようとする課題)
しかしながら、上記した提案の場合、内部の下部に液晶プロジェクタを配設するなど、ゲーム機の内部の構造を考慮していないために、いわゆるパチスロ機などの遊技機には適用できないという問題があった。
すなわち、パチスロ機においては、その筺体の内部に、複数の図柄が周面に描かれた複数のリールや各リールを駆動するための駆動機構、及び、払出し用のメダルを収容するホッパーやホッパー内に収容されたメダルの払出しを行う駆動回路など、さまざまな機器を搭載しなければならず、液晶プロジェクタやスクリーンなどを搭載できるスペースには限りがある。
そのため、大型化を招くなど、既存の遊技機において、これまでの表示ユニットに代えて、特許文献1に記載の構成のものをそのまま採用することは困難である。
特に、遊技機において、映像による従来の演出態様は、その殆どが平面的なものであり、2次元表示に過ぎないため、立体的で、かつ、斬新な演出が可能な演出用ユニットを搭載する遊技機の開発が望まれている。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことが可能な演出用ユニット及びこれを備えた遊技機を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明に係る演出用ユニットは、上記目的達成のため、遊技機(1)に搭載される演出用ユニット(表示ユニット100C、100E、100F)であって、照射光を投影するプロジェクタ(101)と、前記プロジェクタから投影された照射光(101a)を所定の反射角度で反射させるリフレクタ(102)と、前記リフレクタによって反射された前記プロジェクタからの照射光が投影されるスクリーンと(103)、を備え、前記プロジェクタ、前記リフレクタ及び前記スクリーンを、前記遊技機に対して着脱自在なユニットとして一体化するとともに、前記スクリーンは、前記照射光が投影可能な投影位置(例えば図18(a)に示す位置)と前記照射光が投影されない非投影位置(例えば図18(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
この構成により、本発明に係る演出用ユニットは、既存の遊技機の限られたスペース内に効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機を提供することが可能となる。すなわち、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタを用いた演出用ユニットを搭載できるようにしたので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタを用いた演出用ユニットによって多種多様な演出を安定的に実現することが可能となる。
また、プロジェクタ、リフレクタ及びスクリーンが遊技機に対して着脱自在なユニットとして一体化されているので、演出ユニットに汎用性を持たせることができる。
さらに、スクリーンが投影位置と非投影位置との間で可動自在に構成されているので、例えば遊技状態に応じて、スクリーンを用いた演出とスクリーンを用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。
また、本発明に係る演出用ユニットは、前記スクリーンの背面側に、前記照射光が投影可能な立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン(110)をさらに備え、前記投影位置には、前記照射光を投影可能としつつも所定の面積の開口(133)を形成する一部開口位置(図25(b)に示す位置)が含まれ、前記可動スクリーンは、前記スクリーンが前記一部開口位置にあるときに可動する構成を有する。
この構成により、本発明に係る演出用ユニットは、上述のスクリーンに加えて、立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーンを備えているので、スクリーンと可動スクリーンとを用いた多種多様な演出を行うことができる。
本発明に係る演出用ユニットは、上記目的達成のため、遊技機(1)に搭載される演出用ユニット(表示ユニット100D、100G)であって、照射光を投影するプロジェクタ(101)と、前記プロジェクタから投影された照射光(101a)を所定の反射角度で反射させるリフレクタ(102)と、前記リフレクタによって反射された前記プロジェクタからの照射光が投影されるスクリーンと(103)、を備え、前記プロジェクタ、前記リフレクタ及び前記スクリーンを、前記遊技機に対して着脱自在なユニットとして一体化するとともに、前記スクリーンは、前記照射光が投影可能な投影位置に固定された第1のスクリーン(メインスクリーン111、811)と、前記第1のスクリーンに対して可動自在な第2のスクリーン(サブスクリーン112、812)とを有する。
この構成により、本発明に係る演出用ユニットは、既存の遊技機の限られたスペース内に効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機を提供することが可能となる。すなわち、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタを用いた演出用ユニットを搭載できるようにしたので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタを用いた演出用ユニットによって多種多様な演出を安定的に実現することが可能となる。
また、プロジェクタ、リフレクタ及びスクリーンが遊技機に対して着脱自在なユニットとして一体化されているので、演出ユニットに汎用性を持たせることができる。
さらに、スクリーンが、投影位置に固定された第1のスクリーンと、その第1のスクリーンに対して可動自在な第2のスクリーンとを有するので、第1のスクリーンと第2のスクリーンとを用いた多種多様な演出を行うことができる。
また、本発明に係る演出用ユニットは、前記照射光が投影可能な立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン(110)をさらに備え、前記第1のスクリーンは、所定の面積の開口部(111a)を有し、前記第2のスクリーンは、前記開口部を閉塞する閉塞位置(図23(a)に示す位置)と前記開口部を開放する開放位置(図23(b)に示す位置)との間で可動自在に構成され、前記可動スクリーンは、前記第2のスクリーンが前記開放位置にあるときに前記開口部を介して遊技機前方側に向けて可動する構成を有する。
この構成により、本発明に係る演出用ユニットは、第1のスクリーン及び第2のスクリーンに加えて、立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーンを備えているので、第1のスクリーン及び第2のスクリーンと可動スクリーンとを用いた多種多様な演出を行うことができる。
また、第2のスクリーンが開放位置にあるときに第1のスクリーンの開口部を介して遊技機前方側に向けて可動スクリーンが可動するので、役物の動きを加えた演出を行うことができ、遊技者の興趣を惹きつけることができる。
また、本発明に係る演出用ユニットにおいて、前記第2のスクリーンは、前記第1のスクリーンに対して遊技機前方側にせり出すよう可動する構成を有する。
この構成により、本発明に係る演出用ユニットは、第2のスクリーンが第1のスクリーンに対して遊技機前方側にせり出すよう可動するので、遊技者に対して迫りくるような感覚を与えることができる迫力のある演出を行うことができる。
本発明に係る遊技機は、複数種の図柄が外周面に配された複数のリール(3L,3C,3R)を内部に収容したキャビネット(2a)と、前記キャビネットの前面側に設けられた開閉扉(前面扉2b)と、前記複数のリールに配された各図柄を表示する図柄表示手段(メイン表示窓4)と、前記複数のリールの回転を制御し、各リールに配された前記複数種の図柄を、前記図柄表示手段に対して変動表示及び停止表示させることが可能な図柄表示制御手段(モータ駆動回路39、ステッピングモータ49L,49C,49R)と、単位遊技の開始に先立って遊技者により操作される、遊技価値が付与された遊技媒体の投入量に応じて、前記図柄表示手段における有効ラインを有効化するための有効ライン設定手段(メダル投入口5、最大BETボタン8)と、単位遊技の開始時に遊技者により操作される、前記複数のリールによる前記図柄表示手段に対する図柄の変動表示を開始させるための遊技開始時操作手段(スタートレバー6)と、前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、遊技者の操作に応じて、対応するリールの前記図柄表示手段に対する図柄の変動表示を停止させるための複数の図柄変動停止操作手段(ストップボタン7L,7C,7R)と、前記キャビネットに対して着脱自在な請求項1ないし5のいずれか1項に記載の演出用ユニットと、を備え、前記スクリーンを視認可能な表示領域(表示画面領域19)を前記開閉扉に設けた構成を有する。
(発明の効果)
本発明によれば、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことが可能な演出用ユニット及びこれを備えた遊技機を提供できる。