JP2016003976A - タンクの除染方法 - Google Patents

タンクの除染方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016003976A
JP2016003976A JP2014125074A JP2014125074A JP2016003976A JP 2016003976 A JP2016003976 A JP 2016003976A JP 2014125074 A JP2014125074 A JP 2014125074A JP 2014125074 A JP2014125074 A JP 2014125074A JP 2016003976 A JP2016003976 A JP 2016003976A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
opening
vacuum
vacuum blasting
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014125074A
Other languages
English (en)
Inventor
川見 佳正
Yoshimasa Kawami
佳正 川見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Kosan Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Kosan Co Ltd filed Critical Sankyo Kosan Co Ltd
Priority to JP2014125074A priority Critical patent/JP2016003976A/ja
Publication of JP2016003976A publication Critical patent/JP2016003976A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】放射性物質を含む汚染水を貯蔵して汚染されたタンクを、作業員の被ばく量を抑えつつ短時間で除染する方法を提供する。
【解決手段】天井壁12と側壁16との結合を解除し、天井壁12の周縁部12aと側壁16の支持面との間にローラユニット24を介在させ、天井壁12を周方向に回動可能にする第1ステップと、周縁部12aの一部に第1の開口部を形成すると共に、第1の開口部からタンクの内部へ側壁内面に沿ってバキュームブラスト装置50を垂下しながら、バキュームブラスト装置50によって側壁内面を上端から下端まで上下方向にバキュームブラスト処理する第2ステップと、天井壁をブラスト処理幅だけ周方向に回動させ、第2ステップと同様に側壁内面を上端から下端まで上下方向にバキュームブラスト処理する第3ステップとを含み、第3ステップを繰り返して側壁内面全域をバキュームブラスト処理する。
【選択図】図6

Description

本発明は、原子力発電所の事故等で高レベルの放射能に汚染された水を貯留したタンクの除染方法に関する。
2011年3月の福島原子力発電所の事故後、原子炉には炉心冷却のため大量の海水が注水されている。また、原発敷地内を流れる大量の地下水の一部が建屋に流れ込んで放射能に汚染された汚染水と混ざり、大量の汚染水が発生している。これら大量の汚染水の流出を防止するため、多数の汚染水貯蔵タンクが設置されている。汚染水貯蔵タンクの内部は高レベル放射能で汚染されているため、汚染水を排出した後解体する前に、タンク内を除染して放射能レベルを確実に低レベルに抑える必要がある。また、その施工時間を短縮して、作業員の被ばく量を極めて低いレベルに抑える必要がある。
放射性物質で汚染された金属廃棄物の除染技術として、金属表面に研掃材を吹き付け、研掃されたダストと研掃材を真空ポンプで吸引するバキュームブラスト処理技術の適用が考えられる。これによって、金属表面の塗料等に付着した放射性物質を塗料と共にダスト化し除去することで、金属廃棄物の除染を行うものである。
特許文献1には、放射性物質で汚染された金属廃棄物を除染槽の内部でバキュームブラスト処理して除染する技術が開示されている。
特許文献2にも、原子力施設を解体する際に、原子力施設を構成する壁面の除染に適用可能なバキュームブラスト処理が開示されている。
特開平09−021898号公報 特開2009−166205号公報
特許文献1及び特許文献2には、高くかつ広い垂直壁面を有するタンクの側壁内面や底面を、作業員の被ばく量を抑えつつ短時間で行うことができるブラスト手段は開示されていない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、放射性物質を含む汚染水を貯蔵して汚染されたタンクを、作業員の被ばく量を無害なレベルに抑えつつ、短時間で除染できる除染方法を実現することを目的とする。
本発明は、天井壁が側壁の上端に着脱可能に接続されたタンクに適用される。放射性物質で汚染された汚染水を貯蔵し、解体などのため放射性物質で汚染された汚染水を貯留した後のタンクを除染する方法に係る。
そして、前記目的を達成するため、本発明の一態様に係る除染方法は、天井壁と側壁との結合を解除し、天井壁の周縁部と側壁の支持面との間にローラを介在させ天井壁を周方向に回動可能にする第1ステップと、天井壁の周縁部の一部に第1の開口部を形成すると共に、第1の開口部からタンクの内部へ側壁内面に沿ってバキュームブラスト装置を垂下しながら、バキュームブラスト装置によって側壁内面を上端から下端まで上下方向にバキュームブラスト処理する第2ステップと、天井壁をブラスト処理幅だけ周方向に回動させ、第2ステップと同様に側壁内面を上端から下端まで上下方向にバキュームブラスト処理する第3ステップとを含み、第3ステップを繰り返して側壁内面全域をバキュームブラスト処理するものである。
なお、本明細書で「バキュームブラスト処理」とは、処理面をブラスト処理すると同時に、処理面に噴射された研掃材及び研掃材によって処理面から研掃されたダストを放散させることなく吸引除去する処理を言う。
また、「バキュームブラスト装置」とは、処理面に向けられる開口部を有し、該開口部以外は閉鎖壁で構成された閉鎖ケーシングと、閉鎖ケーシングに研掃材を圧送し処理面に向けて研掃材を噴射する研掃材噴射手段と、処理面に噴射された研掃材を閉鎖ケーシングの内部から吸引する研掃材吸引手段とを備え、前記バキュームブラスト処理が可能な装置を言う。
このように、側壁内面をバキュームブラスト処理することで、側壁内面に付着し既存塗料を含む汚染されたダストを除去・回収する。バキュームブラスト装置は、閉鎖ケーシングの内部を減圧して研掃材及びダストを吸引するため、発生した汚染ダストが装置外に放散することがほとんどない。そのため、側壁内面の放射線量を低減できると共に、作業員がタンクの内部に入ることなく、側壁内面の全域をバキュームブラスト処理できるので、作業員の被ばくを極低レベルに抑えることができる。また、天井壁をブラスト処理幅だけ回動し、バキュームブラスト装置を横移動しながらバキュームブラスト処理するので、側壁内面全域の除染を短時間で効率的に行うことができる。
また、天井壁があるので雨水の浸入を防止でき、そのため、天候によって施工を停止する必要がなく、かつ汚染水の増加が起らない。また、密閉されたタンク内での施工であるため、バキュームブラスト装置に微量の汚染された粉塵が残っても、周辺へ流出するのを防止できる。
さらに、天井壁とフランジ部との間にローラを介装するので、天井壁の回動を容易に行うことができる。
本発明の一態様は、第2ステップ及び第3ステップにおいて、第1の開口部に面した天井壁に第1の投入台を設け、第1の投入台に設置された巻上機でバキュームブラスト装置を垂下するようにする。これによって、バキュームブラスト装置の昇降を容易に行うことができ、作業員の労力を軽減できる。
本発明の別な一態様では、バキュームブラスト装置は、処理面に向けられる開口部を有し、該開口部以外は閉鎖壁で構成された閉鎖ケーシングと、処理面を走行するための車輪と、閉鎖ケーシングに研掃材を圧送し処理面に向けて研掃材を噴射する研掃材噴射手段と、処理面に噴射された研掃材を閉鎖ケーシングの内部から吸引する研掃材吸引手段とを備えている。そして、第2ステップ及び第3ステップでは、前記構成のバキュームブラスト装置を用い、研掃材吸引手段によって閉鎖ケーシングの内部を減圧し、バキュームブラスト装置を処理面に密着させるようにする。
前記構成のバキュームブラスト装置を用いることで、迅速なバキュームブラスト処理が可能になると共に、バキュームブラスト装置から噴射された研掃材やブラスト処理によって側壁内面から除去したダストが閉鎖ケーシングの外に飛散しないので、タンク内の放射線量を抑制できると共に、回収した研掃材を循環使用できる。
本発明のさらに別な一態様では、バキュームブラスト装置は、前記構成に加えて、車輪を駆動する駆動装置をさらに有する自走式バキュームブラスト装置であり、タンクは平坦面からなる底面を有している。この態様では、タンク側壁の除染に加えて、自走式バキュームブラスト装置をタンク底面を走行させてタンク底面に対しバキュームブラスト処理を行う第4ステップをさらに含んでいる。
これによって、作業員がタンク内に入ることなく、即ち、作業員の被ばく量を極低レベルに抑えつつ、タンク底面の除染を効率的に行うことができる。
本発明のさらに別な一態様は、バキュームブラスト装置は車輪を駆動する駆動装置をさらに備えた自走式バキュームブラスト装置であり、タンクの底面は部分的に補強部材が上方に突設されている。かかる構成の底面に対し、次のバキュームブラスト処理を行う。
即ち、第1の開口部と反対側の天井壁の周縁部に第2の開口部を形成する第5ステップと、自走式バキュームブラスト装置が走行可能な走行面を有するレールユニットの両端を前記第1の開口部及び第2の開口部から垂下したワイヤで支持しながらレールユニットを底面に降す第6ステップと、第1の開口部又は第2の開口部からレールユニット上に自走式バキュームブラスト装置を降し、該自走式バキュームブラスト装置をレールユニット上を走行させながら底面をバキュームブラスト処理する第7ステップと、天井壁をブラスト処理幅分だけ周方向に回動させ、第7ステップと同様に自走式バキュームブラスト装置をレールユニット上を走行させながら底面をバキュームブラスト処理する第8ステップとをさらに含み、第8ステップを繰り返して底面全域をバキュームブラスト処理する。
これによって、補強部材が突出した底面に対してもバキュームブラスト処理を効率的に行うことができる。また、底面が円形の場合、レールユニットの長さを底面の直径に近い長さとすることで、ほぼ底面の全域をバキュームブラスト処理できる。
なお、この態様では、研掃材の一部が底面に残るが、施工後に残った研掃材を防護服を着た作業員がバキューム装置で吸引すればよい。この場合、放射性物質が付着した粉塵の大半は自走式バキュームブラスト装置の研掃材吸引手段で吸引除去されているため、作業員の被ばく量を低レベルに抑えることができる。
前記態様において、レールユニットは2本のレールが間隔を置いて並列に配置され、該2本のレール間に閉鎖ケーシングの開口部が開口した構成にするとよい。
これによって、自走式バキュームブラスト装置をレールユニット上を走行させつつ、底面のバキュームブラスト処理を容易に行うことができる。
本発明のさらに別な一態様は、バキュームブラスト装置の前部及び後部に放射線計測器が搭載されている。これによって、バキュームブラスト処理前後の放射線量を計測でき、バキュームブラスト処理による放射線の減少量を把握できるので、次のバキュームブラスト処理による放射線量の低減につなげることができる。
本発明の除染方法によれば、作業員がタンク内に入ることなくタンク内面の除染ができるので、作業員の被ばく量を抑えつつ短時間でタンクの除染を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る除染方法を施すタンクの全体断面図である。 前記タンクの天井壁を示す平面図である。 図1中のA―A線に沿う断面図である。 第1実施形態で用いられるローラユニットの正面図である。 前記ローラユニットの平面図である。 図1の一部拡大図である。 第1実施形態に係る研掃材供給部を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る除染方法を示す断面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明の第1実施形態に係るタンク除染方法を図1〜図7に基づいて説明する。図1に除染対象となる大型のタンク10を示す。円筒形のタンク10は放射能に汚染された汚染水を貯蔵し、その後、解体のため汚染水が排水されている。
図2はタンク10の平面図である。円形の天井壁は天井板12で構成され、天井板12は、I型鋼からなり平行に配置された複数の補強材14で補強されている。円筒形を有する側壁16の上端にはL型断面を有するフランジ18が固着され、天井板12の周縁部12aとフランジ18とはボルト結合されている。
図3はタンク内部の底面を示し、該底面を形成する底板20の上面には補強材22が設けられ、補強材22は底面から上方に突出している。
図2及び図3において、天井板12又は底板20は多数の鋼板をボルト結合して構成され、該鋼板の継ぎ目23を有している。
タンク側壁内面及び底面の除染作業をする場合、必要に応じて側壁16の外周面上部に歩廊又は足場が形成される。作業員はその歩廊又は足場に乗って作業する。まず、タンク側壁内面の除染作業を行うため、天井板12とフランジ18とを結合しているボルトを外し、天井板12と側壁16との結合を解除する。
次に、天井板12の周縁部12aを持ち上げ、天井板12とフランジ18との間にローラユニット24を挿入する。この作業は通常人力で可能である。以下、ローラユニット24の構成を図4及び図5に基づいて説明する。
図4及び図5において、ローラユニット24は、帯板状の基板26と、基板26に回動可能に装着された複数のローラ30と、基板26の外周側側面に固着されたずれ防止板32とで構成されている。基板26の長辺の側面は天井板12の周縁部12aの曲率と同一の曲率をもつ。複数のローラ30はブラケット28を介して基板26に等間隔に装着されている。ずれ防止板32は基板26に対し直角に固着されている。ブラケット28は基板26と同一の長さを有し、ローラ30の両側に一対配置されている。1個の基板26に装着されるローラ30の個数はタンク10の直径、重量及びその他の条件に応じて決定される。
作業員は天井板12の周縁部12aを持ち上げ、周縁部12aとフランジ18との間にローラユニット24を1個ずつ周方向に順々に挿入する。複数のローラユニット24は全体として周縁部12aとフランジ18との間で環状に配置される。ローラユニット24によって、天井板12は人力によって周方向に回動可能になる。
次に、天井板12の周縁部12aの一部に開口部34を形成する。通常、タンク10の側壁下端には作業員が出入り可能な点検用マンホール16aが形成されている。開口部34は該点検用マンホールの直上に位置する周縁部12aに設けるのがよい。開口部34は後述する自走式バキュームブラスト装置50を出し入れ可能な大きさであればよい。開口部34の形成は電気丸鋸などを使用する。これによって、セシウムなどの放射性物質が揮発するおそれをなくす。
次に、開口部34に面した位置の天井板12に投入ユニット36を設ける。投入ユニット36は天井板12にボルト結合などの手段で固定される。
図6に示すように、投入ユニット36は、ウィンチ設置台36aと滑車柱36bとを有している。ウィンチ設置台36aにはウィンチ38が固定され、滑車柱36bには滑車40及び42が回動可能に装着されている。
次に、一端がウィンチ38に接続されたワイヤ48及び一端がタンク外に導出されたワイヤ49の他端を自走式バキュームブラスト装置50に接続し、開口部34から自走式バキュームブラスト装置50を垂下する。以下、自走式バキュームブラスト装置50の構成を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、自走式バキュームブラスト装置50は、バキュームブラスト装置本体を構成する閉鎖ケーシング52と、閉鎖ケーシング52の四隅に設けられた4個の車輪54と、4個の車輪54を夫々駆動するモータ56と、閉鎖ケーシング52の中央に設けられた中央噴射筒58と、中央噴射筒58に接続された噴射用高圧ホース60と、閉鎖ケーシング52に接続された吸引用高圧ホース62とを有している。閉鎖ケーシング52はバキュームブラスト処理を行う処理面に向けて開口する開口部52bを有し、その他は閉鎖されている。自走式バキュームブラスト装置50の走行方向前端及び走行方向後端には放射線計測器64が設けられている。
処理面に接する閉鎖ケーシング52の先端部位は例えばウレタンゴムなどの弾性体又は可撓性の物質で構成されたシール材52aが設けられている。シール材52aはタンク10の側壁16の湾曲度が異なっても処理面に密着し、処理面と閉鎖ケーシング52間のシール性を確保できる。噴射用高圧ホース60及び吸引用高圧ホース62は、開口部34からタンク10の外部に導設されている。
なお、モータ56に電力を送るためのケーブルや、放射線計測器64の計測信号をタンク外へ送る信号線は、噴射用高圧ホース60及び吸引用高圧ホース62と共にタンク外に導設され、後述する研掃材供給部70の制御盤(不図示)などに接続されるが、これらケーブル類の図示は省略されている。
自走式バキュームブラスト装置50に研掃材を供給する研掃材供給部70の構成を図7に基づいて説明する。研掃材供給部70は車両Vに搭載されている。噴射用高圧ホース60はリサイクルユニット72の下部に設けられた搬送部72aに接続されている。リサイクルユニット72の内部には、例えば鋳鉄の破片などで構成された研掃材sが充填されており、研掃材sは搬送部72aからコンプレッサ74によって噴射用高圧ホース60に圧送され、噴射用高圧ホース60を介して中央噴射筒58から処理面に噴射される。
処理面に噴射された研掃材sは放射性物質を含むダストdを処理面から剥離させ、該ダストdと共に吸引用高圧ホース62に吸引される。
ダストdを含む研掃材sはリサイクルユニット72でダストdと分離される。ダストdと分離された研掃材sはコンプレッサ74で再び噴射用高圧ホース60に圧送され再利用される。研掃材sと分離されたダストdは、配管76を経てバグフィルタ78に吸引される。さらに、バグフィルタ78でダストdは搬送空気と分離される。ダストdと分離した搬送空気は、配管80及び排気減圧部82を経て排気塔84から排気される。排気減圧部82には、吸引用高圧ホース62を減圧して吸引作用を起させる真空ポンプ(不図示)が設けられている。
かかる構成において、開口部34からウィンチ38で自走式バキュームブラスト装置50を垂下させ、自走式バキュームブラスト装置50を昇降させる。その間、中央噴射筒58から研掃材sを側壁16の内面に吹き付ける。側壁内面に付着した既存塗料を含むダストdはセシウムなどの放射性物質を含んでいるが、バキュームブラスト処理によってダストdを側壁内面から除去することにより、側壁内面の放射線量を低減できる。
側壁内面から除去されたダストd及び噴射後の研掃材sは、閉鎖ケーシング52の内部で吸引用高圧ホース62で吸引され、リサイクルユニット72で研掃材sと分離される。研掃材sは循環使用され、研掃材sと分離されたダストdはバグフィルタ78で搬送空気と分離される。分離されたダストdはフレコンパック80などの収納容器に詰められる。
閉鎖ケーシング52の内部は吸引用高圧ホース62で吸引され減圧されるので、シール材52aは側壁内面に密着できる。そのため、研掃材s及び側壁内面から剥離したダストdは外部へ放散しない。
これで側壁内面の一つのブラスト処理幅分の除染を終了する。次に、ブラスト処理幅分だけ天井板12を回転させ、自走式バキュームブラスト装置50を横移動させ、バキュームブラスト処理を終えた領域の隣の領域を同様にバキュームブラスト処理する。この操作を繰り返すことで、側壁内面の全域のバキュームブラスト処理を完了できる。
なお、研掃材供給部70を搭載した車両Vはタンク10の外側に置かれ、天井板12の回転と共に移動する。
次に、タンク底面のバキュームブラスト処理を行う。この場合、まず、開口部34と反対側の周縁部12aに、開口部34と同様の方法で開口部44を形成する。そして、開口部44に面した周縁部12aにウィンチ設置台46aを有する投入ユニット46を設置する。ウィンチ設置台46aにはウィンチ47を固定する。投入ユニット36から自走式バキュームブラスト装置50を投入せずに、後述するレールユニット90を支持するワイヤのみを投入するので、開口部44の大きさは開口部34より小さくてよい。
底面16のバキュームブラスト処理ではレールユニット90を用いる。レールユニット90は2本のレール90a及び90bと、これらレールの両端に設けられ、これらレールを一体に結合する横桁92とで構成されている。レール90a及び90bは、閉鎖ケーシング52の開口部を配置するための間隔を置いて平行に配置されている。レール90aとレール90bとの間隔は自走式バキュームブラスト装置50の左右の車輪54間の間隔と一致するように設定されている。横桁92は、レールユニット90の強度を増すため、レール90a及び90bの両端以外にも適宜取り付けられる。レール90a及び90bの側辺外側縁には車輪54の脱輪を防止するための段部90cが形成されている。
ウィンチ38及びウィンチ48で夫々送り出される2本のワイヤ49及び94が夫々レールユニット90の両端に接続される。その後、ウィンチ38及び47で2本のワイヤ48及び94を送り出すことで、レールユニット90をタンク底面に降ろす。レールユニット90はタンク底面の中心を通るように底板20上に横たわる(図3参照)。
次に、ウィンチ38を用いて自走式バキュームブラスト装置50を開口部34から降ろし、自走式バキュームブラスト装置50の車輪54がレール90a及び90bの上面に乗るように配置する。このとき、自走式バキュームブラスト装置50がレールユニット90に乗らないようであれば、作業員が点検用マンホール16aからタンク内に入り、自走式バキュームブラスト装置50の位置を修正する。
その後、タンク10の外部から車輪54を駆動させ、自走式バキュームブラスト装置50をレールユニット90上を一端から他端まで走行させると共に、レール90a及び90b間に配置された中央噴射筒58から研掃材sを底板20に噴射し、底板20をバキュームブラスト処理する。
次に、ウィンチ38及び47でレールユニット90をタンク底面から若干浮かせた後、天井板12をブラスト処理幅分だけ回転させる。そして、再びレールユニット90を底板20まで降した後、自走式バキュームブラスト装置50をレールユニット90上を一端から他端まで走行させる。同時に、レール90a及び90b間の研掃材sを底板20に噴射し、バキュームブラスト処理が済んだ領域の隣りの領域の底板20をバキュームブラスト処理する。
この操作を繰り返しながら、天井板12を半回転させると、底面16のほぼ全域をバキュームブラスト処理できる。
なお、未ブラスト処理領域として残ったタンク底面の周辺部は、点検用マンホール16aからハンドブラスト装置を持ち防護服を着た作業員が入り、該周辺部のブラスト処理と残った研掃材の回収を行う。
本実施形態によれば、自走式バキュームブラスト装置50は、閉鎖ケーシング52の内部を減圧して研掃材s及びダストdを吸引するため、発生した汚染ダストが装置外に放散することがほとんどない。そのため、タンク10の側壁内面及び底面の放射線量を低減できると共に、作業員がタンク内に入ることなく、タンク側壁内面及び底面の全域をバキュームブラスト処理できる。従って、作業員の被ばくを無害な極低レベルに抑制できる。また、天井板12をブラスト処理幅だけ回動し、自走式バキュームブラスト装置50を横移動しながらバキュームブラスト処理するので、側壁内面及び底面全域の除染を短時間で効率的に行うことができる。
また、天井板12があるので雨水の浸入を防止でき、そのため、天候によって施工を停止する必要がなく、かつ汚染水の増加が起らない。また、密閉されたタンク内で施工するので、自走式バキュームブラスト装置50に微量の汚染された粉塵が残っても周辺へ流出するのを防止できる。
さらに、天井板12とフランジ18との間にローラユニット24を介装するので、天井板12の回動を人手で容易に行うことができる。
また、投入ユニット36に固定されたウィンチ38で自走式バキュームブラスト装置50を垂下するので、自走式バキュームブラスト装置50の昇降を容易に行うことができ、作業員の労力を軽減できる。
また、吸引用高圧ホース62で閉鎖ケーシング52の内部を減圧するので、閉鎖ケーシング52は処理面に密着する。そのため、中央噴射筒58から噴射された後の研掃材s及びタンク10の側壁内面や底面から剥離したダストは閉鎖ケーシング52の外に飛散しないので、タンク内の放射線量を抑制できると共に、回収した研掃材sを循環使用できる。
また、タンク底面が円形の場合、レールユニット90の長さをタンク底面の直径に近い長さとすることで、ほぼ底面全域をバキュームブラスト処理できる。
なお、前述のように、未ブラスト処理領域として残ったタンク底面の周辺部は、防護服を来た作業員がハンドブラスト装置を持って点検用マンホール16aから入り、該周辺部のブラスト処理と残った研掃材の回収を行う必要があるが、この場合、放射性物質が付着した粉塵の大半は自走式バキュームブラスト装置50で吸引除去されているため、作業員の被ばく量を低レベルに抑えることができる。
また、補強材22が上方に突出したタンク底面では、閉鎖ケーシング52の開口部52bがタンク底面に密着しないため、研掃材の一部が閉鎖ケーシング52から放散する。しかし、施工後にタンク底面に残った研掃材は防護服を着た作業員がバキューム装置で吸引すればよい。この場合、放射性物質が付着した粉塵の大半は自走式バキュームブラスト装置50の研装材吸引手段で吸引除去されているため、作業員の被ばく量を極低レベルに抑えることができる。
また、レールユニット90は2本のレール90a及び90b間に研掃材噴射空間を有しているので、自走式バキュームブラスト装置50をレールユニット90上を走行させながら、タンク底面のバキュームブラスト処理を容易に行うことができる。
さらに、自走式バキュームブラスト装置50の前部及び後部に放射線計測器64が搭載されているので、バキュームブラスト処理前後の放射線量を計測でき、バキュームブラスト処理による放射線の減少量を的確に把握できるので、次のバキュームブラスト処理による放射線量の低減につなげることができる。
なお、投入ユニット36及び46に雨水浸入防止用のカバーを取り付けることで、開口部34及び44からの雨水の浸入を防止できる。
(実施形態2)
本発明の第2実施形態を図8に基づいて説明する。第2実施形態は、タンク底面から補強部材が突出しておらず、平坦な底面を有するタンクを除染する例である。
本実施形態では、タンク側壁のバキュームブラスト処理に加えて、タンク底面をバキュームブラスト処理するとき、図8に示すように、レールユニット90を使わず、自走式バキュームブラスト装置50を直接タンク底面に降ろす。そして、自走式バキュームブラスト装置50をタンク底面の全域に走行させながら、底板20に対しバキュームブラスト処理を行えばよい。
閉鎖ケーシング52のシール材52aは平坦な底板20に密着するので、噴射された研掃材や底板20から剥離したダストが閉鎖ケーシング52の外側へ放散されない。
これによって、作業員がタンク内に入ることなく、即ち、作業員の被ばく量を極低レベルに抑えつつ、タンク底面の除染を効率的に行うことができる。
ちなみに、試験的に本発明方法により放射能で汚染されたタンクの除染を実施したところ、除染率は約93%(37,000cpm → 2,400cpm)であった。そのため、想定される10mSv/hの汚染度の場合、95%以上の除染が可能である。
本発明によれば、大型のタンクを除染する場合でも、作業員がタンク内に入ることなくタンク内面の除染ができるので、作業員の被ばく量を無害なレベルに抑えつつ短時間で効率的にタンクの除染を行うことができる。
10 タンク
12 天井板
12a 周縁部
14、22 補強材
16 側壁
16a 点検用マンホール
18 フランジ
20 底板
22 補強材
23 継ぎ目
24 ローラユニット
26 基板
28 ブラケット
30 ローラ
32 ずれ防止板
34、44 開口部
36、46 投入ユニット
36a、46a ウィンチ設置台
36b 滑車柱
38、47 ウィンチ
40、42 滑車
48、49、94 ワイヤ
50 自走式バキュームブラスト装置
52 閉鎖ケーシング
52a シール材
52b 開口部
54 車輪
56 モータ
58 中央噴射筒
60 噴射用高圧ホース
62 吸引用高圧ホース
64 放射線計測器
70 研掃材供給部
72 リサイクルユニット
72a 搬送部
74 コンプレッサ
76、80 配管
78 バグフィルタ
80 フレコンパック
82 排気減圧部
84 排気塔
90 レールユニット
90a、90b レール
90c 段部
92 横桁
V 車両
d ダスト
s 研掃材

Claims (7)

  1. 天井壁が側壁の上端に着脱可能に接続されたタンクであって、放射性物質で汚染された汚染水を貯留した後の前記タンクを除染するタンクの除染方法において、
    前記天井壁と前記側壁との結合を解除し、前記天井壁の周縁部と前記側壁の支持面との間にローラを介在させ前記天井壁を周方向に回動可能にする第1ステップと、
    前記天井壁の周縁部の一部に第1の開口部を形成すると共に、該第1の開口部から前記タンクの内部へ前記側壁内面に沿ってバキュームブラスト装置を垂下し、前記バキュームブラスト装置によって前記側壁内面を上端から下端まで上下方向にバキュームブラスト処理する第2ステップと、
    前記天井壁をブラスト処理幅だけ周方向に回動させ、前記第2ステップと同様に、前記側壁内面を上端から下端まで上下方向にバキュームブラスト処理する第3ステップとを含み、
    前記第3ステップを繰り返して前記側壁内面全域をバキュームブラスト処理することを特徴とするタンクの除染方法。
  2. 前記第2ステップ及び前記第3ステップでは、前記第1の開口部に面した前記天井壁に第1の投入台を設け、前記第1の投入台に設置された巻上機で前記バキュームブラスト装置を垂下することを特徴とする請求項1に記載のタンクの除染方法。
  3. 前記バキュームブラスト装置は、
    処理面に向けられる開口部を有し、該開口部以外は閉鎖壁で構成された閉鎖ケーシングと、前記処理面を走行するための車輪と、該閉鎖ケーシングに研掃材を圧送し前記処理面に向けて研掃材を噴射する研掃材噴射手段と、前記処理面に噴射された研掃材を前記閉鎖ケーシングの内部から吸引する研掃材吸引手段とを備え、
    前記第2ステップ及び前記第3ステップでは、前記研掃材吸引手段によって前記閉鎖ケーシングの内部を減圧し、前記閉鎖ケーシングの開口部を前記処理面に密着させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のタンクの除染方法。
  4. 前記バキュームブラスト装置は前記車輪を駆動する駆動装置をさらに有する自走式バキュームブラスト装置であると共に、前記タンクは平坦面からなる底面を有し、
    前記自走式バキュームブラスト装置を前記底面上を走行させ、該底面に対しバキュームブラスト処理を行う第4ステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のタンクの除染方法。
  5. 前記バキュームブラスト装置は前記車輪を駆動する駆動装置をさらに有する自走式バキュームブラスト装置であると共に、前記タンクは前記底面から部分的に補強部材が上方に突設されており、
    前記第1の開口部と反対側の前記天井壁の周縁部に第2の開口部を形成する第5ステップと、
    前記自走式バキュームブラスト装置が走行可能な走行面を有するレールユニットの両端を前記第1の開口部及び前記第2の開口部から垂下したワイヤで支持しながら前記レールユニットを前記底面に降す第6ステップと、
    前記第1の開口部又は前記第2の開口部から前記レールユニット上に前記自走式バキュームブラスト装置を降し、前記自走式バキュームブラスト装置を前記レールユニット上を走行させながら前記底面をバキュームブラスト処理する第7ステップと、
    前記天井壁をブラスト処理幅分だけ周方向に回動させ、前記第7ステップと同様に、前記自走式バキュームブラスト装置を前記レールユニット上を走行させながら前記底面をバキュームブラスト処理する第8ステップとをさらに含み、
    前記第8ステップを繰り返して前記底面全域をバキュームブラスト処理することを特徴とする請求項3に記載のタンクの除染方法。
  6. 前記レールユニットは2本のレールが間隔を置いて並列に配置され、該2本のレール間に前記閉鎖ケーシングの開口部が開口していることを特徴とする請求項5に記載のタンクの除染方法。
  7. 前記バキュームブラスト装置の前部及び後部に放射線計測器が搭載されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンクの除染方法。
JP2014125074A 2014-06-18 2014-06-18 タンクの除染方法 Pending JP2016003976A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014125074A JP2016003976A (ja) 2014-06-18 2014-06-18 タンクの除染方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014125074A JP2016003976A (ja) 2014-06-18 2014-06-18 タンクの除染方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016003976A true JP2016003976A (ja) 2016-01-12

Family

ID=55223342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014125074A Pending JP2016003976A (ja) 2014-06-18 2014-06-18 タンクの除染方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016003976A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018066625A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 株式会社東京エネシス 放射性汚染物貯蔵タンクの洗浄装置及び洗浄方法
JP7308121B2 (ja) 2019-10-07 2023-07-13 三菱重工業株式会社 天井クレーンの解体方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018066625A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 株式会社東京エネシス 放射性汚染物貯蔵タンクの洗浄装置及び洗浄方法
JP7308121B2 (ja) 2019-10-07 2023-07-13 三菱重工業株式会社 天井クレーンの解体方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4436694A (en) Nuclear reactor cavity decontamination machine
CN1141717C (zh) 核电厂维修方法
EP3643414B1 (en) An ultra-high-pressure water jetting (uhpwj) hydro-blasting cleaning system for surfaces
JP2016003976A (ja) タンクの除染方法
JP2010008091A (ja) 原子力設備の解体工法
KR200453211Y1 (ko) 차폐판 제염장치
JP2007326010A (ja) 液体が入れられる構造物内の清掃装置及び清掃方法
JP3801451B2 (ja) 炉内構造物除却方法
KR100986727B1 (ko) 섬유보강재 진공함침장치 및 방법
JP2007198839A (ja) サプレッションチェンバのメンテナンス方法
JP2013163226A (ja) ブラスト除染システム及び該システムを用いたブラスト施工方法
RU78980U1 (ru) Комплекс для обработки контейнеров с радиоактивными отходами
JPH11125698A (ja) 圧力抑制室内面のメンテナンス方法
CN204638420U (zh) 斜拉钢缆和管道等细长物体表面处理装置
KR101176436B1 (ko) 증기발생기 오염튜브다발 내부표면을 제염하기 위한 연마분사장치
CN206240928U (zh) 一种车载集成式土壤修复装置的淋洗器外罩
JP5876263B2 (ja) 筒状構造物の施工方法
JP5665106B2 (ja) 放射性廃棄物貯蔵タンクのライニング剥離装置
WO1994023897A1 (en) Self-propelled work platform and containment enclosure
CN205021426U (zh) 移动式喷砂装置
JP7241044B2 (ja) 作業機器の案内装置および方法並びに作業装置および放射性廃棄物の回収方法
CN113314246B (zh) 一种用于放射性烟囱退役的设备及方法
JP2002311197A (ja) 放射性固体廃棄物のリサイクル方法
CN108758162A (zh) 一种管道施工机器人及其管道施工方法
CN217629437U (zh) 一种桥梁防护栏移动式挂篮