JP2016003340A - 金属酸化物の薄膜、電池用電極及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒活性が良好で、原料を効率的に利用できる金属酸化物の薄膜、電池用電極及びそれらの製造方法の提供。
【解決手段】電極材料1の上に、気相成長法により形成され、厚さが0.1〜100nmである金属酸化物の薄膜2。気相成長法によって電極材料1の上に金属酸化物の薄膜2を形成することを含む、電池用電極10の製造方法であって、前記気相成長法の反応容器内に電極材料1を導入して加熱する工程と、前記反応容器内に前記金属酸化物の原料を供給する原料供給工程と、前記反応容器内に酸化剤を供給する酸化剤供給工程と、を有し、前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を複数回行い、薄膜2の厚さが0.1〜100nmとなる様に形成する電池用電極10の製造方法。電極材料1がグラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、金、ITO等から選択され、金属酸化物がマンガン酸化物(Mn3O4)である薄膜2。
【選択図】図1
【解決手段】電極材料1の上に、気相成長法により形成され、厚さが0.1〜100nmである金属酸化物の薄膜2。気相成長法によって電極材料1の上に金属酸化物の薄膜2を形成することを含む、電池用電極10の製造方法であって、前記気相成長法の反応容器内に電極材料1を導入して加熱する工程と、前記反応容器内に前記金属酸化物の原料を供給する原料供給工程と、前記反応容器内に酸化剤を供給する酸化剤供給工程と、を有し、前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を複数回行い、薄膜2の厚さが0.1〜100nmとなる様に形成する電池用電極10の製造方法。電極材料1がグラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、金、ITO等から選択され、金属酸化物がマンガン酸化物(Mn3O4)である薄膜2。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適な金属酸化物の薄膜、及び、当該薄膜を備えた電池用の電極、並びに、それらの製造方法に関する。
酸素還元反応(ORR:Oxygen Reduction Reaction)及び酸素発生反応(OER:Oxygen Evolution Reaction)のための電気化学的な触媒は、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に重要である。
係る触媒として、マンガン、コバルト、ニッケル等の遷移金属の酸化物の研究が盛んである。これらの遷移金属の酸化物は、液相中又は気相中で作製され得るが、気相での作製には、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapour Deposition)や原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)が試みられている。例えば、特許文献1には、ALDを用いた金属酸化膜の製造方法が開示されている。
また、係る遷移金属の酸化物は、触媒としての活性を高めるために、高温でのアニーリングが必要と考えられており、通常は、アニール工程を経て作製されている。例えば、非特許文献1には、ALDにより、グラッシーカーボン上に成膜された酸化マンガンの膜を、空気中で480℃に加熱して長時間保持することによって、良好な電気化学触媒能を発現できる旨が開示されている。
K. L. Pickrahn, S. W. Park, Y. Golin, H.-B.-R. Lee, T. F. Jaramillo, S. F. Bent, Adv. Ener. Mater. 201200230, 2012
しかし、発明者らの検討により、上記文献等に記載された技術のように、焼成(アニール)を行う場合には、ある程度以上の厚さの層を形成しなければ、十分な触媒活性を得ることが難しいことが分かってきた。
また、金属酸化物の層を電気化学的な触媒として用いる場合には、当該金属酸化物の層の表面が触媒作用を担うと考えられる。上記文献等に記載された技術で成膜された金属酸化物の層は、焼成を経て作製されることから、比較的厚いため、金属酸化物の物質量に対する活性表面の割合は必ずしも高くなかった。そのため、金属酸化物の層の形成のために長時間を要するとともに、金属酸化物を形成するための原料(前駆体等)のコストも高くなっていた。
さらに、上記文献等に記載された技術では、焼成(アニール)を行っているため、カーボン上に金属酸化物の層を成膜した場合には、カーボンがいわゆる焼け細りを起こし、カーボンと金属酸化物との電気的・機械的な接触が不十分となることが懸念される。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、触媒活性が良好で、原料を効率的に利用することのできる金属酸化物の薄膜、電池用電極及びこれらの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係る薄膜の一態様は、電極材料の上に、気相成長法により形成され、厚さが0.1nm以上100nm以下である。
このような薄膜は、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用することができる。
本発明に係る薄膜において、前記電極材料が、導電性の炭素、金属及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
本発明に係る薄膜において、前記電極材料が、グラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、白金、金、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ITO及びZnOからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
本発明に係る薄膜において、前記厚さが、2nm以上20nm以下であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記金属酸化物は、マンガン酸化物であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記金属酸化物は、四酸化三マンガン(Mn3O4)であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記気相成長法は、原子層堆積法(ALD)又は化学気相堆積法(CVD)であってもよく、前記薄膜は、前記電極材料を反応容器内に導入し、マンガン化合物及び酸化剤を同時に又は別々に前記反応容器に供給して形成されてもよい。
本発明に係る薄膜において、前記マンガン化合物は、下記式(1)で表される化合物
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種であってもよい。
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記マンガン化合物は、下記式(3)
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物であってもよい。
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記マンガン化合物は、80℃における蒸気圧が0.01torr以上であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記酸化剤は、オゾンを含んでもよい。
本発明に係る薄膜において、前記薄膜が形成される際の前記反応容器内の圧力は、0.01torr以上760torr以下であってもよい。
本発明に係る薄膜において、前記薄膜が形成される際の前記電極材料の温度は、23℃以上200℃以下であってもよい。
本発明に係る電池用電極の一態様は、基板と、前記基板の上に気相成長により形成された金属酸化物の薄膜と、を含み、前記薄膜の厚さが、0.1nm以上100nm以下である。
このような電池用電極は、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用することができる薄膜を有するため、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適である。
本発明に係る電池用電極において、前記薄膜の材質は、Mn3O4を含んでもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法の一態様は、気相成長法によって電極材料の上に金属酸化物の薄膜を形成することを含む、電池用電極の製造方法であって、前記気相成長法の反応容器内に前記電極材料を導入して加熱する工程と、前記反応容器内に前記金属酸化物の原料を供給する原料供給工程と、前記反応容器内に酸化剤を供給する酸化剤供給工程と、を有し、前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を複数回行うことにより、前記薄膜の厚さが0.1nm以上100nm以下となるように形成する。
このような電池用電極の製造方法によれば、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用することができる薄膜を有する、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適な電池用電極を容易に製造することができる。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記気相成長法は、原子層堆積法(ALD)又は化学気相堆積法(CVD)であってもよく、前記金属酸化物の原料は、マンガン化合物であってもよく、前記金属酸化物がマンガン酸化物であってもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記マンガン化合物は、下記式(1)で表される化合物
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種であってもよい。
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種であってもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記マンガン化合物は、下記式(3)
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに
置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物であってもよい。
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに
置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物であってもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記マンガン化合物は、80℃における蒸気圧が0.01torr以上であってもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記酸化剤は、オゾンを含んでもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を行う際に、前記電極材料の温度を、23℃以上200℃以下としてもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を行う際の前記反応容器内の圧力を、0.01torr以上760torr以下としてもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記電極材料が、導電性の炭素、金属及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記電極材料が、グラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、白金、金、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ITO及びZnOからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
本発明に係る電池用電極の製造方法において、前記薄膜の厚さが、2nm以上20nm以下となるように形成してもよい。
本発明に係る薄膜は、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用することができる。また、本発明に係る電池用電極は、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用することができる薄膜を有し、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適である。また、本発明に係る電池用電極の製造方法によれば、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用して薄膜を形成でき、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適な電池用電極を容易に製造することができる。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下に説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.薄膜
図1は、本実施形態の薄膜2の断面の模式図である。図1に示される薄膜2は、基板1
上に形成されており、基板1及び薄膜2によって電池用電極10が構成されている。本実施形態の薄膜2は、基板1上に形成される。薄膜2が形成される基板1としては特に限定されず、例えば、金属基板、半導体基板、炭素基板、樹脂基板等を挙げることができる。
図1は、本実施形態の薄膜2の断面の模式図である。図1に示される薄膜2は、基板1
上に形成されており、基板1及び薄膜2によって電池用電極10が構成されている。本実施形態の薄膜2は、基板1上に形成される。薄膜2が形成される基板1としては特に限定されず、例えば、金属基板、半導体基板、炭素基板、樹脂基板等を挙げることができる。
1.1.薄膜の形状等
本実施形態の薄膜2は、電極材料の上に形成される。電極材料としては、導電性を有する材料であれば限定されず、導電性の炭素、金属及び金属酸化物を挙げることができ、より具体的には、グラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、白金、金、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ITO及びZnOからなる群より選択される少なくとも一種を例示することができる。なお、基板1の全体が電極材料によって形成されていてもよいし、電極材料以外の材質で形成された基板1であっても、薄膜2が形成される面に電極材料の層(図示せず。)が配置され、係る面に薄膜2が形成されてもよい。また、基板1(電極材料)と薄膜2との間には、例えば、密着性を高める等の目的で、図示せぬチタン等の層が設けられてもよい。
本実施形態の薄膜2は、電極材料の上に形成される。電極材料としては、導電性を有する材料であれば限定されず、導電性の炭素、金属及び金属酸化物を挙げることができ、より具体的には、グラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、白金、金、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ITO及びZnOからなる群より選択される少なくとも一種を例示することができる。なお、基板1の全体が電極材料によって形成されていてもよいし、電極材料以外の材質で形成された基板1であっても、薄膜2が形成される面に電極材料の層(図示せず。)が配置され、係る面に薄膜2が形成されてもよい。また、基板1(電極材料)と薄膜2との間には、例えば、密着性を高める等の目的で、図示せぬチタン等の層が設けられてもよい。
基板1(電極材料)の薄膜が形成される面の形状も特に限定されず、平面状、曲面状若しくはそのような形状を組み合わせた形状であってもよい。さらに、基板1(電極材料)の薄膜2が形成される面は凹凸を有してもよい。電極材料上に形成された薄膜2は、電極材料の表面の形状に沿う形状の膜となっている。また、薄膜2は、貫通孔等のない均一なシート状であってもよいし、貫通孔等を有してもよい。
薄膜2は、全面にわたって必ずしも均一な厚さである必要はなく、厚さに分布を有してもよい。薄膜2が厚さに分布を有する場合においても、顕微鏡観察やエリプソメトリー等の手法により、平均的な膜厚(厚さ)を見積もることができる。本実施形態の薄膜2の厚さは、0.1nm以上100nm以下である。また、平均的な厚さについても同様に、0.1nm以上100nm以下である。薄膜2の厚さがこの範囲にあれば、触媒としての活性を良好に発現することができ、かつ、原料(金属酸化物の前駆体等)を大量に使用する必要が無く、効率的に成膜することができる。薄膜2の厚さは、このような効果を高める観点から、1nm以上50nm以下がより好ましく、1.5nm以上30nm以下がさらに好ましく、2nm以上20nm以下が特に好ましい。
本実施形態の薄膜2は、電極材料の表面上に形成され、電気化学的な触媒として機能することができる。薄膜2は、基板1の表面に形成されることによって、基板1と薄膜2とを含む電池用電極10として用いることができる。薄膜2は、例えば、酸素還元反応(ORR:Oxygen Reduction Reaction)及び酸素発生反応(OER:Oxygen Evolution Reaction)のための電気化学的な触媒として機能することができる。したがって、例えば、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に形成されることにより、充放電における過電圧を減少させることができ、電池の性能を向上させることができる。
1.2.薄膜の材質
本実施形態の薄膜2の材質は、金属酸化物を含む。薄膜2の材質は、例えばバインダー等の金属酸化物以外の物質を含んでもよい。金属酸化物としては、遷移金属の酸化物が好ましく、亜鉛属の酸化物であってもよい。係る酸化物の例としては、元素の周期表における第3族元素から第11族元素の間に存在する元素の酸化物を挙げることができる。本実施形態の薄膜に含まれる金属酸化物は、具体的には、マンガン酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、鉄酸化物、銅酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、亜鉛酸化物、ランタン酸化物、セリウム酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、スズ酸化物、タングステン酸化物等であり、これらの複数種の混合物、又は複合酸化物であってもよい。また、例示した各金属の酸化物
の酸化の価数についても特に限定されない。
本実施形態の薄膜2の材質は、金属酸化物を含む。薄膜2の材質は、例えばバインダー等の金属酸化物以外の物質を含んでもよい。金属酸化物としては、遷移金属の酸化物が好ましく、亜鉛属の酸化物であってもよい。係る酸化物の例としては、元素の周期表における第3族元素から第11族元素の間に存在する元素の酸化物を挙げることができる。本実施形態の薄膜に含まれる金属酸化物は、具体的には、マンガン酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、鉄酸化物、銅酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、亜鉛酸化物、ランタン酸化物、セリウム酸化物、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物、スズ酸化物、タングステン酸化物等であり、これらの複数種の混合物、又は複合酸化物であってもよい。また、例示した各金属の酸化物
の酸化の価数についても特に限定されない。
さらに、本実施形態の薄膜2の材質は、MxOyCzXnなる組成(ここで、Mは、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、銅、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、ランタン、セリウム、バナジウム、モリブデン、スズ、及びタングステン等の金属原子を表し、Oは酸素原子を表し、Cは炭素原子を表し、Xは窒素原子、ケイ素原子、リン原子、及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を表す。)を有してもよい。
本実施形態の薄膜2に含まれる金属酸化物は、薄膜2の製造の容易さや、電気化学的な触媒能の高さから、マンガン酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物であることがより好ましい。また、電気化学的な触媒能の高さ及び原料のコスト等を考慮すると、本実施形態の薄膜2に含まれる金属酸化物は、マンガン酸化物がより好ましく、四酸化三マンガン(酸化マンガン(II,III))(Mn3O4)、三酸化二マンガン(酸化マンガン(III))(Mn2O3)、二酸化マンガン(酸化マンガン(IV))(MnO2)、及び、一酸化マンガン(酸化マンガン(II))(MnO)からなる群より選択される一種、又は複数種の混合物であることがさらに好ましく、とりわけ四酸化三マンガン(酸化マンガン(II,III))(Mn3O4)を含むことが好ましい。
1.3.気相成長法
本実施形態の薄膜2は、気相成長法により形成される。気相成長法としては、蒸着法が挙げられ、例えば、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapour Deposition)、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、物理気相成長法(PVD:Physical Vapour Deposition)、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法、イオンめっき(ion plating)、イオンビーム堆積法、スパッタ法、熱CVD法、触媒CVD法、光CVD法、プラズマCVD法、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を挙げることができる。
本実施形態の薄膜2は、気相成長法により形成される。気相成長法としては、蒸着法が挙げられ、例えば、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapour Deposition)、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、物理気相成長法(PVD:Physical Vapour Deposition)、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法、イオンめっき(ion plating)、イオンビーム堆積法、スパッタ法、熱CVD法、触媒CVD法、光CVD法、プラズマCVD法、有機金属化学気相成長法(MOCVD)を挙げることができる。
また、これらの気相成長法のうち、原子層堆積法(ALD)、又は、化学気相成長法(CVD)は、材質の均一性がより良好で、かつ、下地(電極材料)のカバレッジ(被覆性)のより良好な薄膜2を形成することが容易であるためより好ましい。
気相成長法として、ALD法又はCVD法を用いる場合には、本実施形態の薄膜2は、例えば、上述の電極材料を気相成長装置の反応容器に導入し、金属酸化物の原料及び酸化剤を同時に又は別々に反応容器に供給して形成されることができる。
1.3.1.金属前駆体
金属酸化物の原料(以下、「金属前駆体」という場合がある。)としては、所定の金属元素を含む有機金属化合物、有機金属錯体、無機金属化合物、無機金属錯体等が挙げられる。このような金属前駆体としては、(R1’−Cp)(R2’−Cp)Co(ここでCpは、シクロペンタジエニル基、R1’とR2’は水素、メチル、エチルより独立して選択される。)、(EtCp)2Ni(ここでEtはエチル基を表す。)、(EtCp)2Mn、Cp2Mn等を例示することができる。
金属酸化物の原料(以下、「金属前駆体」という場合がある。)としては、所定の金属元素を含む有機金属化合物、有機金属錯体、無機金属化合物、無機金属錯体等が挙げられる。このような金属前駆体としては、(R1’−Cp)(R2’−Cp)Co(ここでCpは、シクロペンタジエニル基、R1’とR2’は水素、メチル、エチルより独立して選択される。)、(EtCp)2Ni(ここでEtはエチル基を表す。)、(EtCp)2Mn、Cp2Mn等を例示することができる。
ALD法又はCVD法では、係る原料を揮発させてそのガス(蒸気)を用いて電極材料上に堆積させるため、金属酸化物の原料の蒸気圧は、80℃において、0.01torr以上であることが好ましく、0.1torr以上であることがより好ましい。このような金属前駆体を選択すれば、例えば、反応容器内の圧力を、0.01torr以上760torr以下として所定の金属酸化物を含む薄膜2を堆積させて形成することができる。ま
た、原料は、所定の金属酸化物の金属種を含む化合物を用いればよく、各金属の金属前駆体について、適宜市販の試薬等を用いることができる。
た、原料は、所定の金属酸化物の金属種を含む化合物を用いればよく、各金属の金属前駆体について、適宜市販の試薬等を用いることができる。
薄膜2に含まれる金属酸化物として、マンガン酸化物を選択する場合の例として、原料として以下のマンガン化合物を用いることができる。そのようなマンガン化合物の一例としては、下記式(1)で表される化合物
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種を挙げることができる。さらに、マンガン化合物の例として、下記式(3)
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物を例示することができる。式(3)の化合物は、マンガン原子に対してシクロペンタジエニル基が配位結合しており、高い蒸気圧と高い反応性とを併せ持つため、気相成長法においてさらに好適である。
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種を挙げることができる。さらに、マンガン化合物の例として、下記式(3)
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物を例示することができる。式(3)の化合物は、マンガン原子に対してシクロペンタジエニル基が配位結合しており、高い蒸気圧と高い反応性とを併せ持つため、気相成長法においてさらに好適である。
マンガン化合物のより具体的な例としては、(EtCp)2Mn、Cp2Mn、(MeCp)2Mn[Meはメチル基を表す。]、(i−PrCp)2Mn[i−Prはイソプロピル基を表す。]、MeCpMn(CO)3、(t−BuCp)2Mn[t−Buは三級ブチル基を表す。]、(DMPD)(EtCp)Mn[DMPDは、2,4−ジメチルペンタンジオンを表す。]、((CH3)5Cp)2Mn、(thd)3Mn[thdは、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオンを表す。]等を例示することができる。
1.3.2.酸化剤
本実施形態の薄膜2をCVD法又はALD法により成膜する際の酸化剤としては、水、酸素、オゾン、酸素プラズマ、二酸化窒素等が挙げられる。これらの酸化剤は、混合して用いられてもよいし、他のガス(例えば、窒素、空気、不活性ガス等)と混合して用いられてもよい。酸化剤は、金属前駆体と同時に反応容器に供給されてもよいし、別々に供給されてもよい。酸化剤は、主としてCVD法の場合、金属前駆体と同時に反応容器に供給されてもよいし、主としてALD法の場合、別々に供給されてもよい。CVD法を用いる場合には、高い成膜速度を期待でき、一方、ALD法を用いる場合には、基板1が複雑な構造体である場合などに厚さの均一性の高い薄膜2を成膜できることを期待できる。
本実施形態の薄膜2をCVD法又はALD法により成膜する際の酸化剤としては、水、酸素、オゾン、酸素プラズマ、二酸化窒素等が挙げられる。これらの酸化剤は、混合して用いられてもよいし、他のガス(例えば、窒素、空気、不活性ガス等)と混合して用いられてもよい。酸化剤は、金属前駆体と同時に反応容器に供給されてもよいし、別々に供給されてもよい。酸化剤は、主としてCVD法の場合、金属前駆体と同時に反応容器に供給されてもよいし、主としてALD法の場合、別々に供給されてもよい。CVD法を用いる場合には、高い成膜速度を期待でき、一方、ALD法を用いる場合には、基板1が複雑な構造体である場合などに厚さの均一性の高い薄膜2を成膜できることを期待できる。
1.4.電池用電極
本実施形態に係る電池用電極10は、上述した基板1と、該基板1(電極材料)の上に気相成長により形成された、上述の金属酸化物の薄膜2と、を含む。薄膜2の厚さは、既に説明したとおり、0.1nm以上100nm以下である。本実施形態の電池用電極10は、触媒活性が良好で、かつ、原料(金属前駆体)を効率的に利用することができる薄膜2を有する。そのため、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適である。また、本実施形態の電池用電極10において、薄膜2の材質は、Mn3O4を含んでもよい。こ
のようにすれば、酸素還元反応(ORR)の性能を維持したまま、酸素発生反応(OER)の性能の良好な電池用電極10とすることができる。すなわち、放電電圧を高く、充電電圧を低くすることができ、高効率のエネルギー利用を行うことができる。
本実施形態に係る電池用電極10は、上述した基板1と、該基板1(電極材料)の上に気相成長により形成された、上述の金属酸化物の薄膜2と、を含む。薄膜2の厚さは、既に説明したとおり、0.1nm以上100nm以下である。本実施形態の電池用電極10は、触媒活性が良好で、かつ、原料(金属前駆体)を効率的に利用することができる薄膜2を有する。そのため、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適である。また、本実施形態の電池用電極10において、薄膜2の材質は、Mn3O4を含んでもよい。こ
のようにすれば、酸素還元反応(ORR)の性能を維持したまま、酸素発生反応(OER)の性能の良好な電池用電極10とすることができる。すなわち、放電電圧を高く、充電電圧を低くすることができ、高効率のエネルギー利用を行うことができる。
1.5.気相成長法による薄膜の成膜
上述の通り、本実施形態の薄膜2は、気相成長法によって電極基板上に形成されるが、以下に、その具体的工程を説明する。なお、下記の工程を経ることにより、本実施形態の薄膜2が形成されるとともに、本実施形態の電池用電極10を製造することができる。なお、薄膜2、電極材料、金属酸化物、金属前駆体、酸化剤等の材料については、既に説明したとおりであり、以下の説明においては、詳細な説明を省略する。また、以下では、マンガン酸化物を含む薄膜2を形成する例について説明し、金属前駆体及び酸化剤を別々に(逐次的に)供給する態様について説明する。
上述の通り、本実施形態の薄膜2は、気相成長法によって電極基板上に形成されるが、以下に、その具体的工程を説明する。なお、下記の工程を経ることにより、本実施形態の薄膜2が形成されるとともに、本実施形態の電池用電極10を製造することができる。なお、薄膜2、電極材料、金属酸化物、金属前駆体、酸化剤等の材料については、既に説明したとおりであり、以下の説明においては、詳細な説明を省略する。また、以下では、マンガン酸化物を含む薄膜2を形成する例について説明し、金属前駆体及び酸化剤を別々に(逐次的に)供給する態様について説明する。
本実施形態に係る電池用電極10(薄膜2)の製造方法は、気相成長法によって電極材料の上に金属酸化物の薄膜2を形成することを含む。
本実施形態に係る電池用電極(薄膜)の製造方法は、図2に示すような、CVD法又はALD法等の気相成長法を実施することができる気相成長装置100を用いて行われる。図1に示すように、本実施形態で使用する気相成長装置100は、基板1(電極材料)を導入することのできる石英管(反応容器20)と、石英管の内部を排気(減圧)することのできる排気手段30と、石英管を外部から加熱することのできるファーネス(加熱手段40)と、石英管にマンガン前駆体(プレカーサー)を供給する前駆体供給部50と、酸化剤を供給する酸化剤供給部60と、マンガン前駆体及び酸化剤を石英管に流入させるためのキャリアガスを流通させるキャリアガス供給手段70と、を有し、各構成が適宜の配管により連通されている。また、図示しないが、各配管を適宜、開通・閉塞することのできる複数のバルブを有している。なお、本例では、反応容器20として石英管を例示しているが、これに限定されず、また、排気手段30や加熱手段40も適宜のポンプやヒーター等により構成することができる。さらに、本実施形態の気相成長装置100は、図示せぬ、圧力計測手段、流量計測手段、温度計測手段、制御手段等の他の構成を有してもよい。
まず、気相成長装置100の反応容器20(石英管)内に基板1(少なくとも表面は電極材料となっている。)を導入する。次に排気手段30を動作させて、石英管の内部を減圧し、0.01torr以上10torr以下程度の圧力として、大気等の残留気体を排気した後、キャリアガス供給手段70から窒素を反応容器20に導入して反応容器20内の圧力を0.1torr以上760torr以下、好ましくは0.1torr以上100torr以下、より好ましくは1torr以上10torr以下程度とする。
次いで、加熱手段40によって、石英管を加熱して基板1(電極材料)を加熱する。このとき、基板1の温度が、0℃以上600℃以下、好ましくは23℃以上500℃以下、より好ましくは80℃以上300℃以下、さらに好ましくは100℃以上150℃以下程度となるように加熱する。
次に、前駆体供給部50に収容されたマンガン前駆体を、必要に応じて加熱して、キャリアガス供給手段70からのキャリアガスとともに反応容器20(石英管)に供給する。図示の例では前駆体供給部50からのマンガン化合物がキャリアガスの流れに合流するように描かれているが、前駆体供給部50にキャリアガスをバブリングして、マンガン化合物を反応容器20に供給してもよい。
次に、次いで、必要に応じて、余剰のマンガン前駆体を石英管から排気し、酸化剤供給
部60に収容された酸化剤を、キャリアガス供給手段70からのキャリアガスとともに反応容器20(石英管)に供給する。このとき供給される酸化剤は、オゾンを含むことがより好ましく、例えば、酸化剤供給部60は、オゾン発生装置に酸素ガスを通過させるような構成としてもよい。
部60に収容された酸化剤を、キャリアガス供給手段70からのキャリアガスとともに反応容器20(石英管)に供給する。このとき供給される酸化剤は、オゾンを含むことがより好ましく、例えば、酸化剤供給部60は、オゾン発生装置に酸素ガスを通過させるような構成としてもよい。
このようにすれば、基板1上に本実施形態の薄膜2を形成することができる。なお、薄膜2の厚さを厚くする場合には、反応容器20内に金属酸化物の原料(金属前駆体)を供給する原料供給工程、及び/又は、反応容器20内に酸化剤を供給する酸化剤供給工程、の各々の時間を長くすることの他に、原料供給工程及び酸化剤供給工程の組を複数回行い、その繰り返し回数を増すことにより行うことができる。そして、形成される薄膜2の厚さが0.1nm以上100nm以下、好ましくは2nm以上20nm以下となるように成膜時間、及び/又は、繰り返し回数が調節される。
このような電池用電極10(薄膜2)の製造方法によれば、触媒活性が良好で、かつ、原料を効率的に利用することができる薄膜を形成することができる。これにより、金属−空気電池や燃料電池等の電池の電極に好適な電池用電極を容易に製造することができる。
また、本実施形態の電池用電極10(薄膜2)の製造方法によれば、少なくとも原料供給工程及び酸化剤供給工程において、600℃以下の温度で成膜され、いわゆるアニール工程を有さないため、基板1に耐熱性の低い材質を用いた場合でも良好な成膜が可能となる。例えば、基板1(電極材料)にカーボン材料を採用した場合であっても、カーボンのいわゆる焼け細りを起こしにくく、カーボンと金属酸化物との電気的・機械的な接触が不十分となることを抑制することができる。
なお、本実施形態の電池用電極(薄膜)の製造方法は、上述の各工程を有する例に限定されず、各操作を適宜に省略したり追加したりすることができる。また、本実施形態の電池用電極(薄膜)の製造方法は、上述の工程の他にも、適宜の工程を有することができる。そのような工程としては、例えば、反応容器内をクリーニングする工程、反応容器内のガスを置換する工程、基板や容器を冷却する工程などが挙げられる。
2.実験例
以下に実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
以下に実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
2.1.実験例1
本実験例では、ALD法によって、マンガン酸化物の薄膜を形成した。具体的には、本実験例の薄膜は、(EtCp)2Mnを金属前駆体とし、酸化剤としてオゾンを含むガスを用いて、ALD法によって成膜した。
本実験例では、ALD法によって、マンガン酸化物の薄膜を形成した。具体的には、本実験例の薄膜は、(EtCp)2Mnを金属前駆体とし、酸化剤としてオゾンを含むガスを用いて、ALD法によって成膜した。
電極材料としてグラッシーカーボン(5mm径×4mm厚)を用い、石英反応容器(48mm径×100cm長)に導入した。次に、真空ポンプで反応容器内を減圧後、200sccmの流量で反応容器内に窒素を導入し、反応容器内の圧力を2torrとした。次に、反応容器を加熱して電極材料部分を120℃に加熱した。そして、(EtCp)2Mnを、80℃に加熱して、50sccmの窒素をキャリアガスとしてバブリングすることにより(EtCp)2Mnを反応容器内に供給した。酸化剤は、50sccmの酸素を、オゾン発生器を通過させることにより生成させこれを用いた。金属前駆体及び酸化剤は、それぞれ対応するバルブの操作により、逐次的に供給した。係る供給の操作は、コンピューター制御された空気圧動作バルブによって行った。
図3は、本実験例における金属前駆体及び酸化剤の供給スキームを示している。図3に
示すように、本実験例では、(1)反応容器内に(EtCp)2Mnを1sccmの流量で5秒間導入した。(2)反応容器内に250sccmの流量で窒素ガスを30秒間導入し、余分の(EtCp)2Mnを除去した。(3)反応容器に1sccmの流量で酸化剤(オゾンを含む)を10秒間導入した。(4)反応容器に250sccmの流量で窒素ガスを30秒間導入し、余分の酸化剤を除去した。そして、上記過程を所定の回数繰り返し行って、所定の膜厚のマンガン酸化物の薄膜を電極材料上に堆積させた。成膜終了後、反応容器を窒素で置換し室温まで冷却し、基板(電極材料)及び成膜された薄膜(電池用電極)を回収した。
示すように、本実験例では、(1)反応容器内に(EtCp)2Mnを1sccmの流量で5秒間導入した。(2)反応容器内に250sccmの流量で窒素ガスを30秒間導入し、余分の(EtCp)2Mnを除去した。(3)反応容器に1sccmの流量で酸化剤(オゾンを含む)を10秒間導入した。(4)反応容器に250sccmの流量で窒素ガスを30秒間導入し、余分の酸化剤を除去した。そして、上記過程を所定の回数繰り返し行って、所定の膜厚のマンガン酸化物の薄膜を電極材料上に堆積させた。成膜終了後、反応容器を窒素で置換し室温まで冷却し、基板(電極材料)及び成膜された薄膜(電池用電極)を回収した。
このような操作により、0.36nmから75nm程度の厚さの薄膜を有する電池用電極のサンプルを20点作製した。なお、本実験例では、各原料の流量や導入時間を固定して行っているが、上記実施形態で述べたように、これらの値は適宜設計されることができ、何ら限定されるものではない。
各サンプルをSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して、薄膜の厚さを測定し、本実験例の手法における薄膜の成膜速度(成長速度)を算出した結果、約0.36nm/サイクルとなっていた。係る成長速度も本発明を何ら限定するものではない。
薄膜の厚さが7nm程度のサンプルについて、XRD(X線回折パターン)を測定した結果を図4に示す。図4をみると、本実験例で得られたマンガン酸化物の薄膜は、Mn3O4を含むことが判明した。
2.2.実験例2
実験例1で得られたサンプルのうち、0.36nmから75nm程度の厚さの薄膜を有するサンプルを、アニール処理した。アニールは、空気中で480℃まで昇温し、そのまま2時間保持して行った。
実験例1で得られたサンプルのうち、0.36nmから75nm程度の厚さの薄膜を有するサンプルを、アニール処理した。アニールは、空気中で480℃まで昇温し、そのまま2時間保持して行った。
2.3.実験例3
実験例1及び実験例2で得られたサンプルの電気化学的触媒としての活性を調べた。上記各実験例で得られたマンガン酸化物の薄膜が成膜された電池用電極を作用電極とし、回転電極式電気化学分析計(Pine株式会社製:形式WaveDeiver20,AFMSRCE)に接続した。
実験例1及び実験例2で得られたサンプルの電気化学的触媒としての活性を調べた。上記各実験例で得られたマンガン酸化物の薄膜が成膜された電池用電極を作用電極とし、回転電極式電気化学分析計(Pine株式会社製:形式WaveDeiver20,AFMSRCE)に接続した。
作用電極、対極(白金)と参照電極(水銀/酸化水銀)を電解液(0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液)に漬けた。そして、酸素ガスを電解液に10分程度バブリングして飽和させた。作用電極を1600rpmで回転させながら、電圧を走査してORR/OER活性を調べた。
ORRは、電圧を0Vから−0.9V(vs.Hg/HgO)まで走査して測定した。ORR性能の指標となる値として、電圧−0.47V(vs.Hg/HgO)又は0.4V(vs.RHE)のときの電流値を記録した。
OERは、電圧を0Vから2V(vs.Hg/HgO)まで走査して測定した。OER性能の指標となる値として、電圧1.03V(vs.Hg/HgO)又は1.9V(vs.RHE)のときの電流値を記録した。なお、RHEは可逆水素電極を略記したものである。
図5は、各実験例で得られたサンプル(ALDのサイクル数を変化させて膜厚を変化させたもの)のORR/OER活性を示すグラフである。図5(a)は、OER活性の測定結果を示し、図5(b)は、ORR活性の測定結果を示す。
図5(a)をみると、実験例1のアニール処理をしていないサンプルでは、薄膜の厚さが2nmを越える程度(ALDサイクル数として6サイクル程度)から厚くなるにつれて、OER活性が急激に増大した。これに対して、実験例2のアニール処理したサンプルでは、薄膜の厚さの増加に対するOER活性の増大は緩慢であった。このことから、実験例1のサンプルでは、アニールする場合よりも、より厚さが小さい領域で高いOER活性が発現することが判明した。
また、図5(a)をみると、実験例1のサンプルでは、薄膜の厚さが約7nm程度でOER活性のピークとなっており、20nm程度までOER活性が維持されるものの、20nm程度を越えて厚さが増すとOER活性は低下している。これに対して、実験例2のサンプルでは、厚さが20nm以上でOER活性は飽和している。これらのことから、実験例1のサンプルは、2nm以上20nm以下程度で高いOER活性を示し、実験例2のサンプルと比較すれば、2nm以上8nm以下程度で実験例2のサンプルよりも良好なOER活性を示すことが判明した。
一方、図5(b)をみると、実験例1のサンプルは、薄膜の厚さが0.36nm以上20nm以下程度(ALDサイクル数が1サイクルから20サイクル程度)の範囲で、十分に良好なORR活性を示すことが判明した。また、実験例1のサンプルの薄膜の厚さが20nmを越えるとORR活性は不十分となることが分かった。これに対して実験例2のサンプルは、薄膜の膜厚が比較的広い範囲で良好なORR活性を示すことが判明した。
したがって、OER活性及びORR活性の両者を考慮すると、実験例1のサンプルは、2nm以上20nm以下程度でOER活性及びORR活性のバランスが良好で、実験例2のサンプルと比較すれば、2nm以上8nm以下程度で両者が顕著にバランスよく向上していることが判明した。よって、本発明に係る電池用電極(薄膜)は、従来の薄膜に比較して、より薄い膜厚でより良好な電気化学的触媒活性を示すことが分かった。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…基板、2…薄膜、10…電池用電極、20…反応容器、30…排気手段、40…加熱手段、50…前駆体供給部、60…酸化剤供給部、70…キャリアガス供給手段、100…気相成長装置
Claims (26)
- 電極材料の上に、気相成長法により形成され、厚さが0.1nm以上100nm以下である、金属酸化物の薄膜。
- 請求項1において、
前記電極材料が、導電性の炭素、金属及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、薄膜。 - 請求項1において、
前記電極材料が、グラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、白金、金、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ITO及びZnOからなる群より選択される少なくとも一種を含む、薄膜。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記厚さが、2nm以上20nm以下である、薄膜。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記金属酸化物は、マンガン酸化物である、薄膜。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記金属酸化物は、四酸化三マンガン(Mn3O4)である、薄膜。 - 請求項5又は請求項6において、
前記気相成長法は、原子層堆積法(ALD)又は化学気相堆積法(CVD)であり、
前記薄膜は、前記電極材料を反応容器内に導入し、マンガン化合物及び酸化剤を同時に又は別々に前記反応容器に供給して形成される、薄膜。 - 請求項7において、
前記マンガン化合物は、下記式(1)で表される化合物
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種である、薄膜。 - 請求項7又は請求項8において、
前記マンガン化合物は、下記式(3)
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物である、薄膜。 - 請求項7ないし請求項9のいずれか一項において、
前記マンガン化合物は、80℃における蒸気圧が0.01torr以上である、薄膜。 - 請求項7ないし請求項10のいずれか一項において、
前記酸化剤は、オゾンを含む、薄膜。 - 請求項7ないし請求項11のいずれか一項において、
前記薄膜が形成される際の前記反応容器内の圧力は、0.01torr以上760torr以下である、薄膜。 - 請求項7ないし請求項12のいずれか一項において、
前記薄膜が形成される際の前記電極材料の温度は、23℃以上200℃以下である、薄膜。 - 基板と、
前記基板の上に気相成長により形成された金属酸化物の薄膜と、
を含み、
前記薄膜の厚さが、0.1nm以上100nm以下である、電池用電極。 - 請求項14において、
前記薄膜の材質は、Mn3O4を含む、電池用電極。 - 気相成長法によって電極材料の上に金属酸化物の薄膜を形成することを含む、電池用電極の製造方法であって、
前記気相成長法の反応容器内に前記電極材料を導入して加熱する工程と、
前記反応容器内に前記金属酸化物の原料を供給する原料供給工程と、
前記反応容器内に酸化剤を供給する酸化剤供給工程と、
を有し、
前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を複数回行うことにより、前記薄膜の厚さが0.1nm以上100nm以下となるように形成する、電池用電極の製造方法。 - 請求項16において、
前記気相成長法は、原子層堆積法(ALD)又は化学気相堆積法(CVD)であり、前記金属酸化物の原料は、マンガン化合物であり、前記金属酸化物がマンガン酸化物である、製造方法。 - 請求項17において、
前記マンガン化合物は、下記式(1)で表される化合物
L1L2Mn ・・・(1)
及び下記式(2)で表される化合物
L1L2L3Mn ・・・(2)
[式(1)及び式(2)において、L1、L2及びL3は、Mn原子に対して共有結合、配位結合若しくはイオン結合し、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、ジケトン、シクロアルキル、シクロアルケニル、シリル、アミノ、シリルアミノ、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される骨格を有する基又は配位子である。]
の少なくとも一種である、製造方法。 - 請求項17又は請求項18において、
前記マンガン化合物は、下記式(3)
Cp(R1R2R3R4R5)MnCp(R6R7R8R9R10) ・・・(3)
[式(3)において、Cpは、シクロペンタジエニル基を表し、R1〜R10は、Cpに置換基であって、それぞれ独立に、水素、並びに、置換若しくは非置換の、アルキル、アリル、アリルアルキル、シクロペンタジエニル及びフェニル、からなる群より選択される構造を有する基又は配位子である。]
で表される化合物である、製造方法。 - 請求項17ないし請求項19のいずれか一項において、
前記マンガン化合物は、80℃における蒸気圧が0.01torr以上である、製造方法。 - 請求項17ないし請求項20のいずれか一項において、
前記酸化剤は、オゾンを含む、製造方法。 - 請求項17ないし請求項21のいずれか一項において、
前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を行う際に、前記電極材料の温度を、23℃以上200℃以下とする、製造方法。 - 請求項17ないし請求項22のいずれか一項において、
前記原料供給工程及び前記酸化剤供給工程の組を行う際の前記反応容器内の圧力を、0.01torr以上760torr以下とする、製造方法。 - 請求項17ないし請求項23のいずれか一項において、
前記電極材料が、導電性の炭素、金属及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、薄膜。 - 請求項17ないし請求項24のいずれか一項において、
前記電極材料が、グラッシーカーボン、カーボンナノファイバー、白金、金、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、ITO及びZnOからなる群より選択される少なくとも一種を含む、製造方法。 - 請求項17ないし請求項25のいずれか一項において、
前記薄膜の厚さが、2nm以上20nm以下となるように形成する、製造方法。
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