JP2016003290A - 難燃性樹脂組成物、成形体、難燃性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

難燃性樹脂組成物、成形体、難燃性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薄肉成形体とした場合にも十分に使用に耐え得る、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた難燃性樹脂組成物、該難燃性樹脂組成物からなる成形体、該難燃性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリカーボネート(A)と、スチレン系高分子(B)と、全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)と、ホスファゼン誘導体に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)と、任意選択的に繊維(E)とを含む難燃性樹脂組成物であり、(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、(A)を40質量%以上95質量%未満、(C)を0.1質量%以上3質量%未満、(D)を3質量%以上12質量%未満含有することを特徴とする、難燃性樹脂組成物、該難燃性樹脂組成物からなる成形体、該難燃性樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物、成形体、難燃性樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリカーボネートは、耐熱性、機械的物性、電気的特性等に優れた樹脂であり、例えば自動車材料、電気電子機器材料、住宅材料、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用されている。
特に、難燃化されたポリカーボネート樹脂組成物は、コンピューター、ノートブック型パソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の情報・モバイル機器やプリンター、複写機等のOA機器等の部材として好適に使用されている。
近年、上記のような情報・モバイル機器やOA機器をはじめとする電子・電機機器は、衝撃に耐える必要があり、小型化・薄肉化される傾向がある。これを実現するためには、ポリカーボネートの流動性や耐衝撃性を改善することが必要となる。
例えば、ポリカーボネートを含む樹脂組成物においてスチレン系高分子を流動性改質剤として用いる技術が開示されている(特許文献1、2参照)。本技術によれば、樹脂組成物の流動性を改善することができるが、ポリカーボネートを単独で含む樹脂組成物において得られていた高い難燃性が低下してしまうという問題が生じる。
ポリカーボネートを含む樹脂組成物の耐衝撃性を向上させる手法は、いくつか検討されており、ABS樹脂やポリスチレン(PS)樹脂の添加によりポリマーアロイ化する手法や、このポリマーアロイにガラス繊維等の繊維状の強化材を配合する手法等が知られている。
上記のようなポリマーアロイ化や繊維強化されたポリカーボネートを含む樹脂組成物に難燃性を付与する手法としては、従来、ハロゲン系難燃剤を添加する手法が用いられてきた。しかしながら、塩素や臭素を含有するハロゲン系難燃剤が配合された樹脂組成物は、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたりすることがあった。
そのため、近年では、ハロゲン系難燃剤の代わりに有機リン酸エステル系難燃剤を用いる手法が、数多く採用されている(特許文献3〜5参照)。
しかしながら、有機リン酸エステル系難燃剤が配合されたポリカーボネートを含む樹脂組成物では、近年要求されるような薄肉化や難燃化に応えることが困難であった。また、この樹脂組成物では、高い難燃性を得る目的で難燃剤の配合量を高くした場合に、耐衝撃性や剛性が著しく低下してしまうという問題を有していた。また、有機リン酸エステル系難燃剤のうちで高い難燃性を有するホスファゼン誘導体については、ポリカーボネートに対する分散性が悪いため、樹脂組成物を製造する際にホスファゼン誘導体を含むマスターバッチを調製してから、ポリカーボネートを含む混合物に分散しなければならないという制約が生じ、これにより、製造工程が煩雑になるという問題があった(特許文献6参照)。
これらの研究を受けて、有機リン酸エステル系難燃剤を炭素繊維と共に配合した、炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂も提案されている(特許文献7〜9参照)。
しかしながら、前述のような炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂もやはり、難燃性や耐熱性の低下が課題となり、更には、耐衝撃性も著しく低下するという欠点も有していた。
特開2002−348481号公報 国際公開第2009/113573号 特開平8−201638号公報 特開平10−30056号公報 特開2006−176612号公報 特開2013−231140号公報 特開平9−48912号公報 特開2000−226508号公報 特開2002−265767号公報
このように、難燃性、剛性、耐衝撃性等の力学物性のバランスに優れる樹脂組成物が強く望まれているものの、このような特性を有する樹脂組成物は未だ得られていなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、薄肉成形体とした場合にも十分に使用に耐え得る、難燃性、剛性、耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、難燃性、剛性、耐衝撃性に優れた成形体を提供することも目的とする。
更に、本発明は、上記難燃性樹脂組成物の製造方法を提供することも目的とする。
本発明の発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のホスファゼン誘導体と、特定のリン含有化合物との組み合わせを添加することによって、ポリカーボネートを含む樹脂組成物に、高い難燃性、剛性、耐衝撃性を付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の難燃性樹脂組成物は、ポリカーボネート(A)と、スチレン系高分子(B)と、全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)と、ホスファゼン誘導体に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)と、任意選択的に繊維(E)とを含む難燃性樹脂組成物であり、前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、前記(A)を40質量%以上95質量%未満、前記(C)を0.1質量%以上3質量%未満、前記(D)を3質量%以上12質量%未満含有することを特徴とする。
また、本発明の難燃性樹脂組成物では、前記(C)が、一般式(2)で表される芳香族ホスファゼン化合物であることが好ましい。
Figure 2016003290
・・・・・(2)
[式中、mは、3〜25の整数であり、環の員数を表し;R1及びR2は、共にフェニル基である。]
更に、本発明の難燃性樹脂組成物では、前記(D)が、17.5(MPa)1/2以上25(MPa)1/2未満のSP値を有することが好ましい。
更に、本発明の難燃性樹脂組成物では、前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、リサイクル材を70質量%以上含有し、前記ポリカーボネート(A)の全部又は一部がリサイクル材であり、前記スチレン系高分子(B)が、リサイクル材であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂及び/又はリサイクル材であるポリスチレン樹脂を含み、前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、リサイクル材であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂及び/又はリサイクル材であるポリスチレン樹脂を5質量%以上40質量%未満含有することが好ましい。
更に、本発明の難燃性樹脂組成物は、前記(E)が、ガラス繊維及び/又は炭素繊維を含み、前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、前記ガラス繊維及び/又は炭素繊維を10〜50質量%を含有することが好ましい。
本発明の成形体は、上記の難燃性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法は、樹脂組成物の流動方向に沿う断面における面間距離が0.1mm〜5mmである2つの面で挟まれた間隙を2つ以上通過させる工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた難燃性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた成形体を提供することができる。
更に、本発明によれば、本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の難燃性樹脂組成物、本発明の成形体、本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法の実施形態について詳細に例示説明する。
(難燃性樹脂組成物)
本発明の一例の難燃性樹脂組成物(以下、「一例の難燃性樹脂組成物」ともいう)は、ポリカーボネート(A)と、スチレン系高分子(B)と、全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)と、ホスファゼン誘導体に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)と、任意選択的に繊維(E)とを含む。
ここで、一例の難燃性樹脂組成物は、(A)成分〜(E)成分の合計質量を100質量%として、(A)成分を40質量%以上95質量%未満、(C)成分を0.1質量%以上3質量%未満、(D)成分を3質量%以上12質量%未満含有することを必要とする。
以下、各成分について詳細に記載する。
−ポリカーボネート(A)−
本発明において用いられるポリカーボネート(A)は、特に限定されることなく、一般式(1)の構成単位からなる単独重合体(ホモポリマー)、又は一般式(1)の構成単位を含む共重合体(コポリマー)としてよい。
Figure 2016003290
・・・・・(1)
[式中、X1は、2価の炭化水素基である。]
一般式(1)において、2価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基等が挙げられ、特に、−PhC(CH32Ph−が好ましく、また、樹脂組成物に種々の特性を付与する観点から、ヘテロ原子が導入されたアルキル基、アリール基としてもよい。
なお、ポリカーボネート(A)は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。また、共重合体の場合、共重合形態としては、ランダム共重合、ブロック共重合等の種々の共重合形態を選択することができる。通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
ポリカーボネート(A)は、炭酸結合(COO−)に直接的に結合する炭素が芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び上記炭素が脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類され、いずれも好適に用いることができ、特に、樹脂組成物の耐熱性、機械的物性、電気的特性等を高める観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
なお、上記ポリカーボネート(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
ポリカーボネート(A)の具体例としては、特に限定されることなく、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と、任意選択的にポリヒドロキシ化合物等とを反応させてなる反応生成物や、環状エーテルとカーボネート前駆体(特に二酸化炭素)とを反応させてなる反応生成物が挙げられる。
ポリカーボネート(A)の原料となるジヒドロキシ化合物のうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(すなわち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA)が好ましい。
なお、上記芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
ポリカーボネート(A)の原料となるジヒドロキシ化合物のうち、脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4−テトラメチル−シクロブタン−1,3−ジオール等のシクロアルカンジオール類;2,2’−オキシジエタノール(すなわち、エチレングリコール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6−ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4’−ビフェニルジメタノール、4,4’−ビフェニルジエタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類等が挙げられる。
なお、上記脂肪族ジヒドロキシ化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
ポリカーボネート(A)の原料となる環状エーテルの具体例としては、1,2−エポキシエタン(すなわち、エチレンオキシド)、1,2−エポキシプロパン(すなわち、プロピレンオキシド)、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,3−エポキシノルボルナン、1,3−エポキシプロパン等が挙げられる。
なお、上記環状エーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
ポリカーボネート(A)の原料となるカーボネート前駆体の具体例としては、カルボニルハライド、カーボネートエステル、二酸化炭素等が使用される。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
なお、上記カーボネート前駆体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
本発明において用いられるポリカーボネート(A)の製造方法は、特に限定されることなく、任意の方法を採用してよく、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。
ポリカーボネート(A)の分子量は、必要に応じて適宜決定されてよい。
特に、溶液粘度から換算した粘度平均分子量(Mv)としては、樹脂組成物の機械的強度をより向上させる観点から、通常10000以上としてよく、16000以上であることが好ましく、17000以上であることが更に好ましく、また、樹脂組成物の流動性の低下を抑制して、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようにする観点から、通常40000以下としてよく、30000以下であることが好ましく、24000以下であることが更に好ましい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて、温度20℃での極限粘度(η)(単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4Mv0.83、から算出される値を指す。ここで、極限粘度(η)とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2016003290
なお、粘度平均分子量(Mv)の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ポリカーボネート(A)の末端水酸基濃度は、必要に応じて適宜決定されてよく、分子量の低下を抑制し、樹脂組成物の機械的特性を向上させる観点から、通常10ppm以上としてよく、30ppm以上であることが好ましく、40ppm以上であることが更に好ましく、また、樹脂組成物の滞留熱安定性及び色調をより向上させる観点から、通常1000ppm以下としてよく、800ppm以下であることが好ましく、600ppm以下であることが更に好ましい。
なお、末端水酸基濃度の単位は、ポリカーボネート(A)の重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものである。末端水酸基濃度の測定方法としては、四塩化チタン/酢酸法による比色定量が挙げられる(例えば、Macromol.Chem.88 215(1965)参照)。
ポリカーボネート(A)は、ポリカーボネート単独(ポリカーボネート単独とは、1種のポリカーボネートのみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネートを含む態様も含む。)で用いてもよく、ポリカーボネートと他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。更に、ポリカーボネート(A)は、例えば、難燃性や耐衝撃性を更に高める目的で、ポリカーボネートとシロキサン構造を有するオリゴマー又はポリマーとの共重合体として構成してもよく、熱酸化安定性や難燃性を更に向上させる目的で、ポリカーボネートとリン原子を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーとの共重合体として構成してもよく、熱酸化安定性を向上させる目的で、ポリカーボネートとジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーとの共重合体として構成してもよく、光学的性質を改良する目的で、ポリカーボネートとポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマー又はポリマーとの共重合体として構成してもよく、耐薬品性を向上させる目的で、ポリカーボネートとポリエステル樹脂オリゴマー又はポリマーとの共重合体として構成してもよい。
また、ポリカーボネート(A)は、成形品の外観の向上や流動性を向上する観点から、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1500以上、好ましくは2000以上であり、また、通常9500以下、好ましくは9000以下である。更に、ポリカーボネートオリゴマーの含有量は、ポリカーボネート(A)(ポリカーボネートオリゴマーを含む)100質量部に対して、30質量%以下とすることが好ましい。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量%中におけるポリカーボネート(A)の含有量は、剛性及び難燃性の観点から、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、55質量%以上であることが特に好ましく、また、耐衝撃性の観点から、95質量%未満であることが好ましく、80質量%未満であることが更に好ましく、70質量%未満であることが特に好ましい。
−スチレン系高分子(B)−
本発明において用いられるスチレン系高分子(B)は、特に限定されることなく、スチレン系単量体を重合して得られる重合体、又はスチレン系単量体と該スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体及び/又はゴム質重合体とを共重合して得られる共重合体としてよい。
スチレン系高分子(B)の原料となるスチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体が挙げられ、特に、スチレンが好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
また、スチレン系単量体としては、上記のものの他、広く芳香族ビニル系モノマーを用いることができる。
スチレン系高分子(B)の原料となる、スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;フェニルアクリレートベンジルアクリレート等のアクリル酸のアリールエステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸及びその無水物;
が挙げられ、特に、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
これらのビニル単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
スチレン系高分子(B)の原料となる、スチレン系単量体と共重合可能なゴム質重合体は、ガラス転移温度が10℃以下のゴムが好ましく、その具体例としては、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコンゴム、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(IPN型ゴム)等が挙げられ、特に、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム等が好ましい。
なお、ゴム質重合体はスチレン系高分子(B)をエラストマーとする場合に好適に用いることができる。ゴム質重合体の詳細は後述する。
本願明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」と「メタアクリレート」の一方又は両方を指す。「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリロ」についても同様である。
ジエン系ゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、ブタジエン−(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル共重合体、ブタジエン−スチレン−(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル共重合体等が挙げられる。ここで、上記のブタジエン−(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル共重合体又はブタジエン−スチレン−(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル共重合体における、(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
アクリル系ゴムとしては、例えば、アクリル酸アルキルエステルゴムが挙げられ、そのここで、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8である。アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル等が挙げられる。アクリル酸アルキルエステルゴムには、任意に、エチレン性不飽和単量体が用いられていてもよい。そのような化合物の具体例としては、ジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。アクリル系ゴムとしては、更に、コアとして架橋ジエン系ゴムを有するコア−シェル型重合体が挙げられる。
これらのゴム質重合体についても、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
本発明において用いられるスチレン系高分子(B)としては、例えば、スチレンの単独重合体、スチレンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、スチレンと(メタ)アクリロニトリルと他の共重合可能な単量体との共重合体、ゴム質重合体の存在下スチレンを重合してなるグラフト共重合体、ゴム質重合体の存在下スチレンと(メタ)アクリロニトリルとをグラフト重合してなるグラフト共重合体等が挙げられる。
スチレン系高分子(B)の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS樹脂)、水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)及びスチレン−IPN型ゴム共重合体等の樹脂、又は、これらの混合物が挙げられる。
更に、スチレン系高分子(B)としては、シンジオタクティックポリスチレン等のような立体規則性を有する重合体及び共重合体であってもよい。
本発明において用いられるスチレン系高分子(B)としては、これらの中でも、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)が好ましく、特にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が好ましい。
なお、上記スチレン系高分子(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
本発明において用いられるスチレン系高分子(B)の製造方法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の公知の方法が挙げられる。
ここで、スチレン系高分子(B)は、難燃性樹脂組成物の耐衝撃性を向上させる観点から、エラストマーであることが好ましい。
本発明において用いられるエラストマーとしては、特に、ゴム質重合体とこれと共重合可能な単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体が好ましい。ここで、グラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ、また、共重合の方式としては、一段グラフト、多段グラフトが挙げられ、特に、生産性や粒径を制御しやすい点より、乳化重合法が好ましく、多段乳化重合法がより好ましい。この多段乳化重合法としては、例えば、特開2003−261629号公報に記載される方法が挙げられる。
ゴム質重合体としては、ガラス転移温度が、通常0℃以下、好適には−20℃以下、更に好適には−30℃以下のものが好ましい。
ゴム質重合体の具体例としては、ポリブタジエンゴム、(部分)水添ポリブタジエンゴム、ブタジエン−スチレン共重合体、(部分)水添ポリブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、(部分)水添ポリブタジエン−スチレンブロック共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソブチルアクリレートを主成分とするアクリル系ゴム共重合体等のブタジエンとブタジエンと共重合し得る1種以上のビニル系単量体との共重合体等のブタジエン系ゴム;ポリイソブチレン、ポリイソブチレン−スチレン共重合体、ポリイソブチレン−スチレンブロック共重合体等のイソブチレン系ゴム;ポリイソプレンゴム;ポリブチルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体等のポリアルキルアクリレートゴム;ポリオルガノシロキサンゴム等のシリコーン系ゴム;ブタジエン−アクリル複合ゴム;ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム(IPN:(Interpenetrating Polymer Network));エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴム等のエチレン−αオレフィン系ゴム;エチレン−アクリルゴム;フッ素ゴム等が挙げられる。
これらのうち、機械的特性や表面外観の観点から、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムが好ましい。
なお、上記ゴム質重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
ゴム質重合体とグラフト共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)等が挙げられる。
これらのうち、機械的特性や表面外観の観点から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル化合物が更に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。
なお、上記ゴム質重合体とグラフト共重合可能な単量体成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
ゴム質重合体とこれと共重合可能な単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体としては、耐衝撃性や表面外観の観点から、コア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましく、特に、ポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムからなる群から選択される少なくとも1種のゴム質重合体をコア層とし、該ゴム質重合体と共重合する(メタ)アクリル酸エステルをシェル層としてなる、コア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。
上記コア/シェル型グラフト共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB)、メチルメタクリレート−アクリルゴム共重合体(MA)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン共重合体(MAS)、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体等が挙げられる。
上記コア/シェル型グラフト共重合体の市販品としては、例えば、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製の「パラロイド(登録商標、以下同じ)EXL2602」、「パラロイドEXL2603」、「パラロイドEXL2655」、「パラロイドEXL2311」、「パラロイドEXL2313」、「パラロイドEXL2315」、「パラロイドKM330」、「パラロイドKM336P」、「パラロイドKCZ201」、三菱レイヨン社製の「メタブレン(登録商標、以下同じ)C−223A」、「メタブレンE−901」、「メタブレンS−2001」、「メタブレンSRK−200」、カネカ社製の「カネエース(登録商標、以下同じ)M−511」、「カネエースM−711」、「カネエースM−731」「カネエースM−600」、「カネエースM−400」、「カネエースM−580」、「カネエースMR−01」等が挙げられる。
上記コア/シェル型グラフト共重合体におけるコア層のゴム質重合体の含有量は、40重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることが更に好ましく、また、シェル層の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、10重量%以上であることが好ましい。
なお、上記エラストマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
本発明において用いられるエラストマーの含有量は、ポリカーボネート(A)100質量部に対して、エラストマーによる耐衝撃性を向上させる効果を十分に得る観点から、0.5質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、1.5質量部以上であることが特に好ましく、また、難燃性の低下を避け、樹脂組成物からなる成形品の外観を良好にする観点から、30質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが更に好ましく、8質量部以下であることが特に好ましく、5質量部以下であることが最も好ましい。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量%中におけるスチレン系高分子(B)の含有量は、スチレン系高分子(B)の配合による成形品の外観性及び耐衝撃性を改善する効果を十分に得る観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることが更に好ましく、3質量%以上であることが特に好ましく、また、成形品の耐熱性及び表面硬度の低下を抑制する観点から、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
−全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)−
本発明において用いられる全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)(以下、「本発明におけるホスファゼン誘導体(C)」ともいう)は、特に限定されることなく、あらゆるものとしてよい。
本発明におけるホスファゼン誘導体(C)としては、一般式(2)で表される芳香族ホスファゼン化合物であることが好ましい。
Figure 2016003290
・・・・・(2)
[式中、mは、3〜25の整数であり、環の員数を表し;R1及びR2は、それぞれ、アリール基又はアルキルアリール基であり、同一又は異なっていてもよい。]
ここで、一般式(2)において、R1及びR2は、共にフェニル基であることが特に好ましい。
また、本発明におけるホスファゼン誘導体(C)としては、一般式(3)で表される芳香族ホスファゼン化合物であることも好ましい。
Figure 2016003290
・・・・・(3)
[式中、nは、3〜10000の整数であり;R3及びR4は、それぞれ、アリール基又はアルキルアリール基であり、同一又は異なっていてもよく;R5は、−N=P(OR33、−N=P(OR43、−N=P(O)OR3、−N=P(O)OR4からなる群から選択される少なくとも1種であり;R6は、−P(OR34、−P(OR44、−P(O)(OR32、−P(O)(OR42からなる群から選択される少なくとも1種である。]
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量%中における全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)の含有量は、樹脂組成物の難燃性を十分に向上させる観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることが更に好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましく、また、(C)成分及びこれに組み合わせて用いられる後述の(D)成分の含有量を低減して、樹脂組成物の力学物性の低下を抑制する観点から、3質量%未満であることが好ましく、2質量%未満であることが更に好ましく、1.5質量%未満であることが特に好ましい。
−ホスファゼン誘導体(C)に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)−
本発明において用いられるホスファゼン誘導体に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)(以下、「本発明におけるリン含有化合物(D)」ともいう)は、特に限定されることなく、あらゆるものとしてよい。
但し、本発明におけるリン含有化合物(D)は、前述の本発明におけるホスファゼン誘導体(C)に属さないことを必要とする。
(D)成分によれば、難燃性樹脂組成物の混練温度でホスファゼン誘導体(C)を溶解することができる。これにより、樹脂組成物中における(C)成分及び(D)成分の分散性が高まり、樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
本発明におけるリン含有化合物(D)としては、一般式(4)で表されるリン酸エステル及び/又は縮合リン酸エステル等の化合物であることが好ましい。
Figure 2016003290
・・・・・(4)
[式中、xは、0.1以上であり;yは、0以上であり;R7は、アルキル基、アリール基又はアルキルアリール基からなり;R8及びR9は、それぞれ、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基からなる群から選択される1種であり、同一又は異なっていてもよく;R10は、アリール基又はアルキルアリール基である]
本発明におけるリン含有化合物(D)としては、樹脂組成物の混練温度である室温から200℃までの温度範囲で、前述の本発明におけるホスファゼン誘導体(C)を溶解することができることが好ましい。
本発明におけるリン含有化合物(D)の具体例としては、
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、キシレニルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、クレジル−2、6−キシレニルホスフェート、2−エチルヘキシル−ジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル;ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)等の芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられ、特に、本発明の効果を高める観点から、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)が好ましい。
本発明の効果を高める観点から、リン含有化合物(D)の全部又は一部に、上記本発明におけるリン含有化合物(D)のうち、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)と1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)とを組み合わせて用いることが最も好ましい実施態様となる。
ここで、本発明におけるリン含有化合物(D)は、17.5(MPa)1/2以上25(MPa)1/2未満のSP値を有することが好ましい。上記SP値を有する(D)成分によれば、難燃性樹脂組成物の混練温度でホスファゼン誘導体(C)を溶解することができ、これにより、樹脂組成物中における(C)成分及び(D)成分の分散性が高まり、樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
なお、「SP値」とは、Hildebrandの溶解性パラメーター概念から溶解度定数として説明される古典的な熱力学定数を意味し、一般に無償公開されている高分子シミュレーターであるOCTAを用いて計算された値を指すものとする。
本発明におけるリン含有化合物(D)のうち主なもののSP値((MPa)1/2)は、以下の通りである;トリフェニルホスフェート(TPP):22.0、トリクレジルホスフェート(TCP);21.4、トリキシレニルホスフェート(TXP):21.0、クレジルジフェニルホスフェート(CDP):21.8、クレジル−2、6−キシレニルホスフェート:21.1、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(BDP):21.8である。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量%中におけるホスファゼン誘導体(C)に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)の含有量は、ホスファゼン誘導体(C)を十分に溶解させる観点から、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、7質量%以上であることが特に好ましく、また、樹脂組成物の耐衝撃性を高める観点から、12質量%未満であることが好ましく、10質量%未満であることが更に好ましく、8質量%未満であることが特に好ましい。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量%中における前述の(C)成分及び(D)成分の含有量は、難燃性の観点から、6質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることが更に好ましく、10質量%以上であることが特に好ましく、また、樹脂組成物の耐衝撃性を高める観点から、12質量%未満であることが好ましく、11質量%未満であることが更に好ましく、10.5質量%未満であることが特に好ましい。
従来の樹脂組成物では、樹脂組成物の質量100質量%中における前述の(C)成分及び/又は(D)成分の含有量は、12質量%〜20質量%であった。
上記の通り、一例の難燃性樹脂組成物では、(C)成分と(D)成分とを組み合わせることによって、難燃剤の含有量を効果的に低減することができ、これにより、樹脂組成物の難燃性と通常それと背反する特性である耐衝撃性(靭性)とを高いレベルで両立させることが可能となる。
−繊維(E)−
本発明の一例の難燃性樹脂組成物は、機械的強度を向上させる観点から、任意選択的に、繊維(E)を更に含む。
繊維(E)としては、特に限定されないが、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられ、ガラス繊維が好ましい。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量%中における繊維(E)の含有量は、樹脂組成物の機械的強度を向上させる観点から、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることが更に好ましく、20質量%以上であることが特に好ましく、また、樹脂組成物を含む成形体の外観を良好にする観点から、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物では、環境負荷及びコストを低減する観点から、ポリカーボネート(A)及び/又はスチレン系高分子(B)として、家電製品から回収されたリサイクル材を用いることが好ましい。
一例の難燃性樹脂組成物では、(A)成分〜(E)成分の合計質量を100質量%として、リサイクル材を70質量%以上含有することが好ましく、75質量%以上含有することが更に好ましく、80質量%以上含有することが特に好ましい。
本発明の一例の難燃性樹脂組成物の好適例としては、(A)成分〜(E)成分の合計質量を100質量%として、リサイクル材を70質量%以上含有し、ここで、ポリカーボネート(A)の全部又は一部がリサイクル材であり、またここで、スチレン系高分子(B)が、リサイクル材であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂及び/又はリサイクル材であるポリスチレン樹脂を含み、(A)成分〜(E)成分の合計質量を100質量%として、リサイクル材であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂及び/又はリサイクル材であるポリスチレン樹脂を5質量%以上40質量%未満含有するものが挙げられる。
上記組成とすれば、環境負荷及びコストを低減しつつ、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた難燃性樹脂組成物を提供することができる。また、リサイクル材には様々な組成のスチレン系高分子が含まれているため、後述の間隙通過処理工程により力学物性に優れた難燃性樹脂組成物を創り出すことができる。
−その他の添加剤−
本発明の一例の難燃性樹脂組成物は、難燃性、剛性、耐衝撃性等を著しく低下させない範囲において、リン系安定剤、フェノール系安定剤、滑剤、その他の樹脂(ポリカーボネート及びスチレン系高分子以外の樹脂)、紫外線吸収剤、染顔料、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等のその他の添加材を含んでよい。
−−リン系安定剤−−
一例の難燃性樹脂組成物は、必要に応じて、リン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤としては、公知のものを用いることができ、具体的には、リン酸、ホスホン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ポリリン酸等のリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウム等の酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛等の第1族又は第2B族の金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物;有機ホスホナイト化合物;有機ホスファイト化合物等が挙げられ、特に、有機ホスファイト化合物が好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
有機ホスファイト化合物の市販品としては、例えば、アデカ社製の「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」;城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、上記リン系安定剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
リン系安定剤の含有量は、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量部に対して、熱安定効果を十分に得る観点から、通常0.001質量部以上であり、0.01質量部以上であることが好ましく、0.02質量部以上であることが更に好ましく、また、熱安定効果の頭打ちによる経済性の低下を避ける観点から、通常1質量部以下であり、0.7質量以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることが更に好ましい。
−−フェノール系安定剤−−
一例の難燃性樹脂組成物は、フェノール系安定剤を含有することも好ましい。フェノール系安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−α,α’,α’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられ、特に、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」;アデカ社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、上記フェノール系安定剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
フェノール系安定剤の含有量は、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量部に対して、安定剤としての効果を十分に得る観点から、通常0.001質量部以上であり、0.01質量部以上であることが好ましく、また、安定剤としての効果の頭打ちによる経済性の低下を避ける観点から、通常1質量部以下であり、0.5質量部以下であることが好ましい。
−−滑剤−−
また、一例の難燃性樹脂組成物は、必要に応じて、滑剤を含有することも好ましい。滑剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和又は不飽和の脂肪族一価、二価又は三価カルボン酸を挙げることができる。ここで、脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で、炭素数6〜36の一価又は二価カルボン酸が好ましく、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸が更に好ましい。
脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、上記脂肪族カルボン酸と同じものとしてよい。
また、アルコールとしては、例えば、飽和又は不飽和の一価又は多価アルコールが挙げられ、特に、炭素数30以下の一価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコール又は脂肪族飽和多価アルコールが更に好ましい。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。なお、脂肪族とは、脂環式の化合物も包含することを意味する。
アルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。更に、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられ、特に、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが更に好ましい。なお、脂肪族炭化水素とは、脂環式炭化水素も包含する。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、5000以下であることが好ましい。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。
なお、上記滑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
滑剤の含有量は、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量部に対して、離型性の効果を十分に得る観点から、通常0.001質量部以上であり、0.01質量部以上であることが好ましく、また、耐加水分解性の低下や射出成形時の金型汚染等が生じる可能性を低減する観点から、通常2質量部以下であり、1質量部以下であることが好ましい。
−−その他の樹脂(ポリカーボネート及びスチレン系高分子以外の樹脂)−−
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂;公知の樹脂添加剤等が挙げられる。
なお、上記その他の樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
−−紫外線吸収剤−−
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物等の有機紫外線吸収剤等が挙げられ、特に、樹脂組成物の透明性や機械物性が良好にする観点から、有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物が更に好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の市販品としては、例えば、シプロ化成社製「シーソーブ701」、「シーソーブ705」、「シーソーブ703」、「シーソーブ702」、「シーソーブ704」、「シーソーブ709」;共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ583」;ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」;サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」;アデカ社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」;チバ・スペシャリティケミカルズ社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物の具体例としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−n−ドデシロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物の市販品としては、例えば、シプロ化成社製「シーソーブ100」、「シーソーブ101」、「シーソーブ101S」、「シーソーブ102」、「シーソーブ103」;共同薬品社製「バイオソーブ100」、「バイオソーブ110」、「バイオソーブ130」;ケミプロ化成社製「ケミソーブ10」、「ケミソーブ11」、「ケミソーブ11S」、「ケミソーブ12」、「ケミソーブ13」、「ケミソーブ111」;BASF社製「ユビヌル400」、「ユビヌルM−40」、「ユビヌルMS−40」;サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV9」、「サイアソーブUV284」、「サイアソーブUV531」、「サイアソーブUV24」;アデカ社製「アデカスタブ1413」、「アデカスタブLA−51」等が挙げられる。
サリシレート化合物の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等が挙げられる。サリシレート化合物の市販品としては、例えば、シプロ化成社製「シーソーブ201」、「シーソーブ202」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ21」、「ケミソーブ22」等が挙げられる。
シアノアクリレート化合物の具体例としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。シアノアクリレート化合物の市販品としては、例えば、シプロ化成社製「シーソーブ501」;共同薬品社製「バイオソーブ910」;第一化成社製「ユビソレーター300」;BASF社製「ユビヌルN−35」、「ユビヌルN−539」等が挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物等が挙げられる。トリアジン化合物の市販品としては、例えば、アデカ社製「LA−46」;チバ・スペシャリティケミカルズ社製「チヌビン1577ED」、「チヌビン400」、「チヌビン405」、「チヌビン460」、「チヌビン477−DW」、「チヌビン479」等が挙げられる。
オギザニリド化合物の具体例としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリニックアシッドビスアリニド等が挙げられる。オキザリニド化合物の市販品としては、例えば、クラリアント社製「サンデュボアVSU」等が挙げられる。
マロン酸エステル化合物としては、2−(アルキリデン)マロン酸エステル類が好ましく、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類が更に好ましい。マロン酸エステル化合物の市販品としては、例えば、クラリアントジャパン社製「PR−25」;チバ・スペシャリティケミカルズ社製「B−CAP」等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量部に対して、耐候性の改良効果を十分に得る観点から、通常0.01質量部以上であり、0.1質量部以上であることが好ましく、また、モールドデボジット等が生じ、金型汚染が生じる可能性を低減する観点から、通常3質量部以下であり、1質量部以下であることが好ましい。
なお、紫外線吸収剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
−−染顔料−−
染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料及び有機染料等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青等の珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青等のフェロシアン系顔料等が挙げられる。
有機顔料及び有機染料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料;ニッケルアゾイエロー等のアゾ系染顔料;チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料;アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料等が挙げられる。
これらの中では、熱安定性の点から、酸化チタン、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物等が好ましい。
なお、染顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて併用してもよい。
染顔料の含有量は、耐衝撃性を十分に得る観点から、(A)成分〜(E)成分の合計質量100質量部に対して、通常5質量部以下であり、3質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることが更に好ましい。
(成形体)
本発明の一例の成形体(以下、「一例の成形体」ともいう)は、本発明の一例の難燃性樹脂組成物を含む。
一例の成形体としては、例えば、コンピューター、ノートブック型パソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の情報・モバイル機器やプリンター、複写機等のOA機器等の部材等が挙げられる。一例の成形体は、特に、耐熱性を要する外装部材に好適に用いられる。
一例の成形体は、例えば、一例の難燃性樹脂組成物を常法に従って射出成形することによって得ることができる。
(難燃性樹脂組成物の製造方法)
本発明の一例の難燃性樹脂組成物の製造方法(以下、「一例の製造方法」ともいう)は、例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び任意選択的に加えられる(E)成分、並びに必要に応じて加えられるその他の添加剤を、溶融混練する溶融混練工程と、混練後の難燃性樹脂組成物に2つの面で挟まれた間隙を通過させる処理、ここで、間隙においては樹脂組成物の流動方向に沿う断面における面間距離が0.1mm〜5mmである、を行う間隙通過処理工程とを含む。
−溶融混練工程−
一例の製造方法では、初めに、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び任意選択的に加えられる(E)成分、並びに必要に応じて加えられるその他の添加剤を、溶融混練する(溶融混練工程)。
上記工程によれば、各成分を均一に混合することができる。
この工程では、上記各成分を、タンブラー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等の当該技術分野において公知の混練機を用いて、混練速度、混練温度、混練時間等の条件を適宜調節しながら、混練する。
例えば、上記各成分を、タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて、予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等の混練機で溶融混練してもよい。また、例えば、各成分を予め混合せずに、これらの成分をフィーダーを用いて押出機に投入し、溶融混練してもよい。更に、例えば、一部の成分のみを予め混合し、その後、溶融混練することによって得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチと再度残りの成分とを溶融混練してもよい。
ここで、この工程では、特に限定されることなく、(C)成分と(D)成分とを予め溶融混合させた後に、二軸混練押出機に添加することが好ましい。(D)成分が室温で液体の場合、(C)成分を(D)成分に室温で溶解させることが可能である。また、(D)成分が室温で固体(例えば、粉末)の場合、(C)成分と(D)成分とを乳鉢で混ぜた後、混合物を90℃以上に加熱して溶融させ、この溶融状態の混合物を二軸混練押出機に添加することが可能である。
なお、上記(C)成分と(D)成分との予混合は、溶融混練工程の例示であり、難燃剤の分散性を高める観点から、好ましい実施形態となる。本発明の製造方法において必須となるものではない。また、上記乳鉢を用いた混合は、(C)成分と(D)成分との混合方法の例示であり、本発明の製造方法における(C)成分と(D)成分との混合方法は、これに限定されるものではなく、いかなる方法としてもよい。
特に、混練温度は、(D)成分を(C)成分により十分に溶解させ、樹脂組成物中における難燃剤の分散性を高める観点から、200℃以上であることが好ましく、220℃以上であることが更に好ましい。
混練工程に用いられる装置としては、樹脂組成物を大量に安定して製造する観点、すなわち製造効率の観点から、二軸混練押出機が好適に用いられる。
−間隙通過処理工程−
続いて、混練後の難燃性樹脂組成物に2つの面で挟まれた間隙を通過させる処理、ここで、間隙においては樹脂組成物の流動方向に沿う断面における面間距離が0.1mm〜5mmである、を行う(間隙通過処理工程)。
上記工程によれば、間隙の通過により樹脂組成物に連続した層状の剪断流動が発生し、樹脂組成物の分散混合が効率的になされ(カオス混合)、これにより、分子量低下等の樹脂に対するダメージを回避しながら混練を行うことが可能となる。そのため、樹脂組成物中に難燃性を付与する役割を果たす(C)成分及び(D)成分の、樹脂組成物中における分散性が高まり、樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
この工程では、例えば、前述の混練工程において二軸混練押出機を用いた場合、二軸混練押出機の吐出口に、樹脂組成物を通過させることが可能な2つの面に挟まれた空間を内部に有するダイを取り付ける。ここで、ダイとしては、樹脂組成物の流動方向に沿う断面における面間距離が0.1mm〜5mmである間隙を2つ以上有するものを用いる。そして、混練後の難燃性樹脂組成物を二軸混練押出機の吐出口からダイに向かって押し出す。押し出された樹脂組成物はダイ内部を通過する間に処理されダイの吐出口から押し出される。
ここで、上記面間距離は、間隙の目詰まりを防止する観点から、0.1mm以上とすることが好ましく、0.2mm以上とすることが更に好ましく、また、混練の効果を好適に得る観点から、5mm以下とすることが好ましく、3mm以下とすることが更に好ましい。
間隙の樹脂組成物の流動方向に沿う長さは、混練の効果を十分に得る観点から、5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることが更に好ましく、また、100mm以下とすることが好ましく、50mm以下とすることが更に好ましい。
また、間隙の樹脂組成物の流動方向に垂直な方向の幅は、特に限定されることなく、例えば、5mm以上としても、2000mm超としてもよい。
上記2つの面としては、平面、曲面、及びこれらの組み合わせが挙げられ、特に、樹脂に対するダメージを回避する観点から、曲面であることが好ましい。具体的には、樹脂組成物の流動方向に沿う断面における2つの面の面間距離が、流動方向先方から間隙中央部分に向かって漸減し、その後、間隙中央部分から流動方向後方に向かって漸増するような曲面であることが好ましい。
樹脂組成物が通過する間隙の数は、2つ以上であることが好ましい。
間隙通過処理工程に用いられる装置としては、特開2011−26364号や特開2013−028795号に記載されるものが挙げられる。
上記の通り、本発明の一例の難燃性樹脂組成物の製造方法によれば、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた本発明の一例の難燃性樹脂組成物を製造することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[原材料]
−ポリカーボネート(A)−
PC:出光興産社製のタフロンA2200を用いた。
−スチレン系高分子(B)−
ABS:テクノポリマー社製のテクノABS300を用いた。
PS:PSジャパン社製、商品名:GPPSを用いた。
−全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)−
SPS:大塚化学社製のSPS100(主成分として、3員環の環状構造を有し、その6個の側鎖全てがフェノキシ基である芳香族ホスファゼン化合物)を用いた。
なお、本発明における(C)成分に含まれないホスファゼン誘導体として、DTP:大塚化学社製のDTP(ジクロロシクロトリホスファゼン)を用いた。
−ホスファゼン誘導体(C)に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)−
TPP:大八化学工業社製のTPP(SP値:22(MPa)1/2)を用いた。
BDP:ポリメートアディティブ社製のFyrolflexBDP(ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート))(SP値:21.8(MPa)1/2)を用いた。
TCP:大八化学社製のTCP(トリクレジルホスフェート)(SP値:21.4(MPa)1/2)を用いた。
SP値は、ソフトウェアーOCTAにより計算した(他の成分(D)についても同様)。
なお、本発明における(D)成分に含まれないリン含有化合物として、TMP:大八化学社製のTMP(トリメチルホスフェート)(SP値:16.5(MPa)1/2)、TEP:大八化学社製のTEP(トリエチルホスフェート)(SP値:16.7(MPa)1/2)、赤燐:日本化学工業社製の高純度赤燐を用いた。
−繊維(E)−
GF:日東紡績社製のCSG 3PA−83089(ガラス繊維)を用いた。
CF:東レ社製のトレカミルドファイバー(炭素繊維)を用いた。
−その他の添加剤−
C−223A:樹脂添加剤として三菱レイヨン社製のメタブレンC−223Aを用いた。
[物性の測定方法]
下記の実施例及び比較例により製造した難燃性樹脂組成物を、東芝機械社製の射出成形機EC50SXを、成形温度280℃、射出速度50mm/s、射出圧力85Paの条件で用いて、射出成型して、ISO多目的試験片を作製した。この試験片を用いて、下記(1)〜(3)の試験を行った。引張試験、衝撃試験及び難燃試験を行った。
(1)難燃試験
上記の通り得られたISO多目的試験片を、温度23℃、湿度50%とした恒温室中で、48時間調湿し、この試験片について、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めるUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して、難燃試験を行なった。
なお、UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した際の残炎時間やドリップによる綿着火性を調べることによって、難燃性を評価する方法である。ここで、残炎時間とは、着火源を遠ざけた後に、試験片が有炎燃焼を続ける時間の長さを指し、また、ドリップによる綿着火性とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物により着火されるかどうかによって決定される性質を指す。試験結果は、以下の表1に示す評価基準を用いて評価した。
(2)引張試験
上記の通り得られたISO多目的試験片(4mmt)を用いて、ISO178に準拠して、引張試験を行った。測定値(MPa)が高い値であるほど、剛性(引張強度)に優れていると評価した。
(3)衝撃試験
上記の通り得られたISO多目的試験片(3mmt)を用いて、アイゾット衝撃試験器を用いて、衝撃試験を行った。なお、試験片にはノッチ(切れ目)を付けた。測定値(J/m)が高い値であるほど、耐衝撃性に優れていると評価した。
Figure 2016003290
以下、各実施例及び各比較例について詳述する。
[実施例1]
二軸混練押出機として、神戸製鋼所社製のHYPERKTX46(以下、「KTX46」ともいう)を用いた。このKTX46の吐出口の先に、小平製作所社製のダイ(間隙処理装置)を取り付けた。二軸混練押出機の樹脂吐出量が100kg/時となるように、KTX46に付属するフィーダーとペレタイザーとを同期させた。ペレタイザーの手前にはストランドを冷却するための3mの長さの水槽を設置した。
間隙処理装置は、面間距離:1mm、間隙の幅:400mm、間隙の長さ:20mmとして設計された間隙を3箇所有する。この装置は250℃に設定して用いた。
また、二軸混練押出機KTX46のスクリューセグメントの設計は、2ケ所にローターセグメントがついており、回転数300rpmで混練温度は、260℃の運転条件である。
0.4kgのTPPを100℃で溶解させ、これに0.17kgのSPS100を溶解させた。この溶液状態のTPP及びSPS100に、10kgのPC、及び0.1kgのABSを撹拌しながら添加し、混合物を室温に冷却した。
室温でしばらく撹拌した後、樹脂組成物の表面が乾いてきた時点で、樹脂組成物を二軸混練押出機のフィーダーに投入し、混練りし、ダイの吐出口から押し出した。
所定の運転状態で本発明の実施例となる難燃性樹脂組成物のペレットを作製した。ペレットは80℃で5時間乾燥した。
こうして得られた難燃性樹脂組成物について、前述の(1)〜(3)の評価を行ったところ、難燃性についてはUL94−V0であり、引張強度は65MPa(5本平均)であり、衝撃強度は80J/Mであった。組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[実施例2〜5]
TPPの代わりにBDPを用いた点、混練温度を250℃とした点、成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行った。成分組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[実施例6、7]
TPPの代わりにBDPを用いた点、GFを添加した点、混練温度を270℃とした点、二軸混練押出機にダイ(間隙処理装置)を取り付けなかった点、成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行った。なお、GFは、二軸混練押出機の第5シリンダーのベント孔から投入した。成分組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[実施例8]
TPPの代わりにBDP及びTCPを用いた点、成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行った。成分組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[実施例9〜17]
PCとしてパチンコ台から回収した廃材を、ABS及びPSとしては家電リサイクル法に従って回収された廃材を用いた点、成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行った。成分組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[比較例1]
SPS100を添加しなかった点、成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行ったところ、難燃性についてはUL94−V0不合格であり、引張強度は63MPa(5本平均)であり、衝撃強度は85J/Mであった。成分組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[比較例2〜8]
成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行った。特に、比較例3については、TPPの代わりにTMPを用いた。成分組成及び評価結果の詳細を表2に示す。
[比較例9〜13]
PSの代わりにPETを用いた点、成分組成を表1の通りとした点以外は、実施例1と同様に、難燃性樹脂組成物の製造及び該樹脂組成物についての試験を行った。特に、比較例11については、SPS100の代わりにDTPを用いた。特に、比較例12については、TPPの代わりにTEPを用い、特に、比較例13については、TPPの代わりに赤燐を用いた。特に、比較例15については、GFの代わりにCFを用いた。
Figure 2016003290
Figure 2016003290
Figure 2016003290
Figure 2016003290
本発明によれば、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた難燃性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、難燃性、剛性、耐衝撃性に特に優れた成形体を提供することができる。本発明の難燃性樹脂組成物及び本発明の成形体は、コンピューター、ノートブック型パソコン、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等の情報・モバイル機器やプリンター、複写機等のOA機器等の部材等、特に、耐熱性を要する外装部材に好適に用いることができる。更に、本発明によれば、本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. ポリカーボネート(A)と、スチレン系高分子(B)と、全部又は一部の側鎖が少なくとも1つの芳香環を有する基で置換されたホスファゼン誘導体(C)と、ホスファゼン誘導体に属さない、少なくとも1つの芳香環を有するリン含有化合物(D)と、任意選択的に繊維(E)とを含む難燃性樹脂組成物であり、
    前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、前記(A)を40質量%以上95質量%未満、前記(C)を0.1質量%以上3質量%未満、前記(D)を3質量%以上12質量%未満含有する
    ことを特徴とする、難燃性樹脂組成物。
  2. 前記(C)が、一般式(2)で表される芳香族ホスファゼン化合物である、
    Figure 2016003290
    ・・・・・(2)
    [式中、mは、3〜25の整数であり、環の員数を表し;R1及びR2は、共にフェニル基である。]
    請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記(D)が、17.5(MPa)1/2以上25(MPa)1/2未満のSP値を有する、
    請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、リサイクル材を70質量%以上含有し、
    前記ポリカーボネート(A)の全部又は一部がリサイクル材であり、
    前記スチレン系高分子(B)が、リサイクル材であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂及び/又はリサイクル材であるポリスチレン樹脂を含み、
    前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、リサイクル材であるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂及び/又はリサイクル材であるポリスチレン樹脂を5質量%以上40質量%未満含有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記(E)が、ガラス繊維及び/又は炭素繊維を含み、
    前記(A)〜(E)の合計質量を100質量%として、前記ガラス繊維及び/又は炭素繊維を10〜50質量%を含有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物を含む
    ことを特徴とする、成形体。
  7. 樹脂組成物の流動方向に沿う断面における面間距離が0.1mm〜5mmである2つの面で挟まれた間隙を2つ以上通過させる工程を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物の製造方法。
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