JP2016002627A - 加工軌道生成装置と方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献3は、工具押付け力をフィードバック制御する力制御型マニピュレータを開示している。
特許文献1〜4は、ワークのCADモデルから軌道を自動生成する手段を開示している。
特許文献5〜7は、冗長軸を有するロボットの動作範囲を制限する手段を開示している。
(1)位置と力のハイブリッド制御の目標軌道に必要な押付け方向が生成されない。
(2)ロボットアームの冗長性の問題や特異姿勢の問題に明確に対処されていない。
(3)工具とワークの形状に制約がある。
しかし、曲面の磨き等、ワークの形状が複雑な場合、円錐型、円柱型などの工具形状に合わせて、(4)工具の工具面(外周面)をワーク表面に平行に設定する教示作業は煩雑であり、手間と時間を要し、ロボットの稼働率が低下する問題点があった。
しかし、7軸マニピュレータは特殊であり、その装置及び制御が複雑となることから、冗長軸を持たない6軸の自由度のロボットアーム(以下、6軸ロボットアームと呼ぶ)を用いて、ロボットの特異姿勢回避や外部との干渉を回避することが望まれていた。
ワーク表面の形状データと、
工具軸を回転中心とする回転体の工具面を有し、ワーク表面に接触して加工する加工工具の工具データと、
前記加工工具を3次元空間内で移動する6軸ロボットアームのロボットデータと、を記憶する記憶装置と、
前記加工工具の回転軸上に原点を、回転軸と一致するようにZ軸を設定したTCPの、空間に固定された座標系における位置と加工工具の押付け方向ベクトルを含む工具軌道データを生成する軌道データ生成装置と、を備え、
該軌道データ生成装置により、
(A)前記形状データからワーク表面の加工点位置と、各加工点における加工工具の押付け方向ベクトルとを生成し、
(B)各加工点において、加工工具の工具面がワーク表面と平行になるように、TCP位置と工具軸方向ベクトルを算出し、
(C)各加工点において、TCP位置と工具軸方向ベクトルを維持したままとりうる、前記6軸ロボットアームの複数の姿勢から、特異姿勢や外部との干渉のない姿勢を選択する、ことを特徴とする加工軌道生成装置が提案される。
記憶装置に、ワーク表面の形状データと、
工具軸を回転中心とする回転体の工具面を有し、ワーク表面に接触して加工する加工工具の工具データと、
前記加工工具を3次元空間内で移動する6軸ロボットアームのロボットデータと、を記憶する記憶ステップと、
軌道データ生成装置により、前記加工工具の回転軸上に原点を、回転軸と一致するようにZ軸を設定したTCPの、空間に固定された座標系における位置と加工工具の押付け方向ベクトルを含む工具軌道データを生成する軌道データ生成ステップと、を有し、
軌道データ生成ステップは、
(A)前記形状データからワーク表面の加工点位置と、各加工点における加工工具の押付け方向ベクトルとを生成する第1ステップと、
(B)各加工点において、加工工具の工具面がワーク表面と平行になるように、TCP位置と工具軸方向ベクトルを算出する第2ステップと、
(C)各加工点において、TCP位置と工具軸方向ベクトルを維持したままとりうる、前記6軸ロボットアームの複数の姿勢から、特異姿勢や外部との干渉のない姿勢を選択する第3ステップと、を有する、ことを特徴とする加工軌道生成方法が提案される。
前記(B)において、加工工具の球型の工具面の中心にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定し、
ワーク表面の加工点を押付け方向ベクトルの逆向きに球型の半径距離をシフトしてTCP位置を算出する。
前記(B)において、加工工具の工具端面の中心にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定し、
工具軸方向ベクトルを、押付け方向ベクトルを送り方向回りに+90度又は−90度回転させた方向に設定し、
ワーク表面の加工点を押付け方向ベクトルの逆向きに円柱型の半径距離をシフトしてTCP位置を算出する。
前記(B)において、加工工具の前記円錐型の頂点にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定し、
工具軸方向ベクトルを、押付け方向ベクトルを送り方向回りに(90−α/2)度又は−(90−α/2)度回転させた方向に設定する。
ロール角、ピッチ角、又はヨー角のいずれかを仮の値に固定して、ロール角、ピッチ角、及びヨー角を算出する。
各関節角から、ロボットの特異姿勢又は外部との干渉の有無をチェックする。
また、第2ステップにおいて、加工工具の工具面がワーク表面と平行になるように、TCP位置と工具軸方向ベクトルを算出する。
従って、冗長軸を持たない6軸ロボットアームを用いてロボットの特異姿勢回避や外部との干渉を回避することができる。
この図において、1はワーク(被加工部材)、4は加工工具、10は加工ロボット、20は本発明の加工軌道生成装置である。
加工軌道生成装置20は、ワーク1の表面(以下、ワーク表面1a)を研削又は研磨により仕上げ加工する加工ロボット10の加工軌道を生成する。
この加工軌道には、後述する工具軌道データD4と6軸ロボットアーム12の姿勢(以下、ロボット姿勢と呼ぶ)が含まれる。
ワーク1は図示しないワーク保持装置により所定位置に位置決めされている。
上述した手先部材14は、制御軸a1を中心に回転可能である。
加工工具4は、好ましくは、工具軸Zを回転中心とする球型、円柱型、又は円錐型の工具面5を有する回転工具である。
力覚センサ8で検出される外力は、好ましくは6自由度の外力(3方向の力と、3軸まわりのトルク)であるが、本発明はこれに限定されず、ワーク1に対する押付力が検出できる限りで、その他の力センサであってもよい。
このハイブリッド制御では、加工工具4の押付け方向の力が目標値となるように力制御しながら、押付け方向に直交する方向は、工具軌道データD4に追従するように位置制御する。従って、力制御と位置制御とが干渉しない特徴がある。
この記憶装置22には、CADシステムとCAMシステムがインストールされているのがよい。以下、CADシステムとCAMシステムを単にCAD(computer aided design)、CAM(computer aided manufacturing)と呼ぶ。
軌道データ生成装置24は、加工工具4のTCP位置P(以下単に、TCP位置Pと呼ぶ)と加工工具4の押付け方向ベクトルvを含む工具軌道データD4を生成する。
加工工具4の押付け方向ベクトルv(すなわち力制御の方向)は、ワーク表面1aに対する法線方向ベクトルv=(vx,vy,vz)で表される。押付け方向ベクトルv、すなわち法線方向ベクトルvは、単位ベクトルである。
軌道データ生成装置24は、この例では、ロボットコントローラ16と別個に設けられているが、ロボットコントローラ16と軌道データ生成装置24を同一の制御PCで構成してもよい。
上述した装置を用い、本発明の加工軌道生成方法は、記憶ステップS1と軌道データ生成ステップS2とを有する。
軌道データ生成ステップS2は、S21〜S23の各ステップ(工程)からなる。
第1ステップS21において、CAMを使用して、ワーク表面1aの法線方向となるように押付け方向ベクトルvを生成するのがよい。
第2ステップS22において、第1ステップS21のデータから、加工工具4の工具面5の形状に応じて、工具軸方向ベクトルw=(wx,wy,wz)を算出する。この算出の詳細は後述する。
第3ステップS23において、加工ロボット10の姿勢を、TCP座標系のロール角A、ピッチ角B、及びヨー角Cで表現し、ロール角A、ピッチ角B、又はヨー角Cのいずれかを仮の値に固定して、ロール角A、ピッチ角B、及びヨー角Cを算出するのがよい。
コンフィギュレーション空間とは、ある区切られた空間内で、特定の物体を他の物体と重なることなく置ける場所の有無(findspace)や、指定された場所から他の場所まで他の物体と衝突せずに移動する経路の有無(findpath)を計算機を用いて知るために提案された空間表現法である。
前提として、TCP座標系のz軸を、工具軸Zと一致させるように設定すると、式(2)となる。式(2)のwx,wy,wzの各値は、第2ステップS22で計算済みである。
式(4)の1行目にCA、2行目にSAをそれぞれかけて足し合わせると、数3の式(5)(6)となり、ピッチ角Bは、CC≠0において、式(7)により算出できる。
なお、CC=0(cosC=0)では解を一意に決めることはできないので、cosC=0(すなわちC=90度)とならない工具の当て方を選んでおく必要がある。ピッチ角Bを式(6)又は(8)に代入してヨー角Cを算出する。
式(4)の計算後、軌道上のある点において、ロール角Aを−180,−170,−160,・・・160,170,180に仮決めして、式(5)〜(8)でピッチ角B、ヨー角Cを計算する。つまり、表1のようなテーブルを作成する。
ただし、J1〜J6は6つの関節軸の関節角であり、図1の制御軸a1,a2,a3,a4,a5,a6の角度である。
(1)第1関節軸(制御軸a1)の座標系(Z軸がモータ軸)と第1リンクb1(手先部材14)の長さ、第1リンクb1の直径から、第1リンクb1と周辺物との距離を計算し、その最短距離を記録する。干渉する場合は負の値(−1など)を記録する。
(2)第2関節軸(制御軸a2)の座標系の位置を計算し、第2リンクb2についても、周辺物との干渉を計算する。
同様に第6関節軸(制御軸a6)まで同様の計算を実施し、表3のテーブルを作成する。ただし、Dminは全リンクの最短距離、−1は干渉することを示す。
すなわち、表4の例ではロール角A=180の列のDminの最小値が50であるため、ロール角A=180を採用する。これにより、軌道全体についてロール角Aを固定した軌道が得られる。
加工ロボット10の関節角から、ヤコビ行列Jを計算する。可操作度w2は数4の式(9)で定義される。ヤコビ行列Jとは、加工ロボット10の関節角速度と手先速度との変換行列である。特異姿勢では、ヤコビ行列Jがフルランクでなくなるため、可操作度w2は0に近づく。可操作度w2が大きいということは、手先がどの方向にも動きやすいことを意味するため、加工ロボット10にとって楽な姿勢といえる。
(1)形状が複雑なワーク1への対応
形状が複雑なワーク1のエッジ面取りや曲面磨きの軌道を生成するには、ワーク表面1aの形状データD1を数値化又は定式化する必要があるため、複雑形状への対応は一般に難しい。一方、一般のCAMではそれらの処理が行われているが、一般のCAMはロボットアームに対応していない。また、ロボットアームの軌道生成に対応した加工ロボット用のCAMもあるが、位置と力のハイブリッド制御に必要な目標軌道は生成できない。
なお、CAMとは、製品の製造を行うために、CADで作成された形状データD1を入力データとして、加工用のNCプログラム作成などの生産準備全般をコンピュータ上で行うシステムである。
(2)多様な工具形状への対応
精密仕上げ加工では、狭隘部への工具のアクセス等のため、球型、円柱型、円錐型、など、多様な形状の工具を使用する必要がある。
(3)位置と力のハイブリッド制御への対応
ロボットアームの絶対位置の位置決め精度は低いため、オフラインでの軌道生成と位置決め誤差の補償手段とを組み合わせて使用する必要がある。位置と力のハイブリッド制御の使用を前提とすると、目標軌道として、TCP位置Pと姿勢及び加工工具4の押付け方向ベクトルvを含む工具軌道データD4が必要である。
(4)加工ロボット10の特異姿勢や干渉の回避
6軸ロボットアーム12の手先部材14に工具軸Zを回転中心とする工具面5を有する回転工具を設置すると、回転工具の軸対称性により、冗長性が生じる。つまり、同じ加工を実現する加工ロボット10の姿勢が無数に存在し、この中から1つの姿勢を決定する必要がある。逆にこのことは、加工軌道において、6軸ロボットアーム12が特異姿勢をとる、周辺物と干渉する、などが懸念される場合、加工を変えることなく、これらを回避できる可能性を意味する。
多軸工作機械の普及に伴い、CAMの導入が進んでいる。CAMで5軸工作機械の加工プログラムであるNCデータを作成する手順は、およそ以下の通りである。
まず、(1)CLデータ(Cutter Location Data)と呼ばれる中間データを出力する。これは加工形状を実現するために工具が描くべきTCP位置Pの軌道であり、TCP位置Pの座標点列と、各点における工具軸方向ベクトルw(=主軸の姿勢)とから構成される。
次に、(2)CLデータから工作機械を動作させるNCデータに変換する。
最後に、(3)工作機械を動作させながら、NCデータの工具回転速度や送り速度の設定を調整し、加工のNCデータを完成させる。
以下のステップからなる軌道生成方法を提案する。
(1)CAMによるCLデータの作成
図3は、CAMによるCLデータの説明図である。
市販のCAMを使用し、ワーク1の加工エッジや加工面上の点の位置P1(X,Y,Z)と、位置と力のハイブリッド制御で使用する押付け方向ベクトルv(vx,vy,vz)からなる中間データを生成する。押付け方向ベクトルvは、曲面の磨きにおいてはワーク表面1aの法線方向(図3)、エッジの面取りにおいては角の2等分方向のベクトルとする。
(2)(1)で生成したCLデータと加工工具4の形状と当て方から、中間的な加工ロボット10の工具軌道データD4を生成する。この中間の工具軌道データD4は、加工工具4の工具面5が接するように動作するTCP位置P、工具軸方向ベクトルwの姿勢、加工工具4の押付け方向ベクトルvから構成される。
つまり、ここでは加工工具4の工具面5の形状による幾何学的な制約条件から、工具面5がワーク表面1aに接するような工具軸方向ベクトルwを軌道上の各TCP位置Pについて算出する。なお、これだけでは加工ロボット10の姿勢(ロボット姿勢)は一意に決まらないため、この条件を満たす加工ロボット10の姿勢を仮に1つ算出する。
TCP座標の原点Pを球型の工具面5の中心に設定する。CLデータの各点P1を押付け方向ベクトルvの逆向きに球型の半径距離rをシフトすると、球型工具の姿勢にかかわらず、球型工具とワーク1とが接する軌道となる。つまり、工具軸方向と加工ロボット10の姿勢の両方に任意の値を設定することができる。
また、「TCP位置Pを算出する」とは、空間に固定された座標系(ロボットのベース座標系や、テーブル座標系など)を基準として、TCPの空間上の位置を算出することを意味する。そして空間上のTCPの位置姿勢(XYZABC)とは、TCPをその空間上の位置に移動させることのできるロボットの位置姿勢と同義であるが、ここではまだTCP座標系の位置(XYZ)だけなので、まだロボットの位置姿勢は1つには決まらない。
TCP座標の原点Pを工具端面の中心に設定する。TCP座標のZ軸方向ベクトルnZを押付け方向ベクトルvと一致するように設定する。次に、TCP座標の姿勢を算出するには、上述した式(4)を解いてロール角A、ピッチ角B、ヨー角Cを算出する。
ただし、CP:cosPの略記(P=A,B,C)、SP:sinPの略記(P=A,B,C)、である。Z軸方向ベクトルnZが与えられてもロール角A、ピッチ角B、ヨー角Cは一意に決まらないため、簡単のため、ロール角Aを(例えば0に)固定して残りのピッチ角B、ヨー角Cを算出することで、TCP座標の仮の姿勢とする。
TCP座標の原点Pを図4(B)と同様に工具端面の中心に設定する。TCP座標のZ軸方向ベクトルnZは、押付け方向ベクトルvを送り方向回りに+90度又は−90度回転させた方向に設定する。なお、送り方向は軌道上の次の点に向かう方向を算出して使用する。Z軸方向ベクトルnZ設定後のTCP座標の仮の姿勢角の算出は図4(B)と同様である。また、図4(A)と同様に、CLデータ上の点を円柱型の半径距離rをシフトして、工具とワーク1が接するようにする。
円錐型工具では、加工工具4の円錐型の頂点にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定する。
先端角をαとすると、工具軸方向ベクトルwを、押付け方向ベクトルvを送り方向回りに(90−α/2)度又は−(90−α/2)度回転させた方向に設定する。送り方向の算出は図4(C)と同様であり、TCP座標の仮の姿勢角の算出は図4(B)と同様である。
図5は、本発明の第3ステップS23を示す説明図である。
上述した工具の軸対称性による冗長性より、図5に破線で示すように、工具軸Z(=TCPのZ軸回り)の方向を変えずに加工ロボット10の姿勢を変えることで、加工に影響なく、加工ロボット10の姿勢を選択することができる。
そこで、算出した軌道上の各点のTCP座標の姿勢を工具軸Zを中心に回転させて、特異姿勢の回避や、周辺物との干渉回避を行う。この計算は、パラメータが工具軸Z回りの回転量のみであるため、試行錯誤的に姿勢を選択すればよい。
3次元的な曲面を持つアルミ製ファンをCADでモデリングし、本発明の方法で軌道を生成した。さらに、位置と力のハイブリッド制御でフェルトバフによる磨き加工を行い、本発明の適用性を確認した。
なお、フェルトバフの形状は砲弾型であるが、円錐型工具(図4(D))の軌道生成方法を適用し、先端角の値を変えることで、バフの当てる位置を調整することができる。3次元CADはSolidWorksを、軌道生成ソフトウェアは、加工ロボット10のCAMであるRobotWorksを使用した。
その後、提案する軌道生成方法を使って、多様な形状の工具を使い分けながら、形状が複雑な部品の仕上げに対応するロボットシステムを開発し、精密仕上げ加工に適用できることが確認された。
また、第2ステップS22において、加工工具4の工具面5がワーク表面1aと平行になるように、TCP位置Pと工具軸方向ベクトルwを算出する。
従って、冗長軸を持たない6軸ロボットアーム12を用いてロボットの特異姿勢回避や外部との干渉を回避することができる。
a1、a2、a3、a4、a5、a6 制御軸、
b0 ベース、b1、b2、b3、b4、b5、b6 リンク、
D1 形状データ、D2 工具データ、D3 ロボットデータ、
D4 工具軌道データ、Dmin 全リンクの最短距離、
J ヤコビ行列、J1、J2、J3、J4、J5、J6 関節軸の関節角、
P TCP位置、P1 加工点、Q 工具姿勢、r 半径距離、
v 押付け方向ベクトル(法線方向ベクトル)、w 工具軸方向ベクトル、
w2 可操作度、Z 工具軸、1 ワーク(被加工部材)、
1a ワーク表面、4 加工工具、5 工具面、6 駆動装置、
8 力覚センサ、10 加工ロボット、12 6軸ロボットアーム、
14 手先部材、16 ロボットコントローラ、
20 加工軌道生成装置、22 記憶装置、24 軌道データ生成装置
Claims (13)
- ワーク表面を研削又は研磨により仕上げ加工する加工ロボットの加工軌道を生成する加工軌道生成装置であって、
ワーク表面の形状データと、
工具軸を回転中心とする回転体の工具面を有し、ワーク表面に接触して加工する加工工具の工具データと、
前記加工工具を3次元空間内で移動する6軸ロボットアームのロボットデータと、を記憶する記憶装置と、
前記加工工具の回転軸上に原点を、回転軸と一致するようにZ軸を設定したTCPの、空間に固定された座標系における位置と加工工具の押付け方向ベクトルを含む工具軌道データを生成する軌道データ生成装置と、を備え、
該軌道データ生成装置により、
(A)前記形状データからワーク表面の加工点位置と、各加工点における加工工具の押付け方向ベクトルとを生成し、
(B)各加工点において、加工工具の工具面がワーク表面と平行になるように、TCP位置と工具軸方向ベクトルを算出し、
(C)各加工点において、TCP位置と工具軸方向ベクトルを維持したままとりうる、前記6軸ロボットアームの複数の姿勢から、特異姿勢や外部との干渉のない姿勢を選択する、ことを特徴とする加工軌道生成装置。 - 前記加工工具は、工具軸を回転中心とする球型、円柱型、又は円錐型の工具面を有する回転工具である、ことを特徴とする請求項1に記載の加工軌道生成装置。
- ワーク表面を研削又は研磨により仕上げ加工する加工ロボットの加工軌道を生成する加工軌道生成方法であって、
記憶装置に、ワーク表面の形状データと、
工具軸を回転中心とする回転体の工具面を有し、ワーク表面に接触して加工する加工工具の工具データと、
前記加工工具を3次元空間内で移動する6軸ロボットアームのロボットデータと、を記憶する記憶ステップと、
軌道データ生成装置により、前記加工工具の回転軸上に原点を、回転軸と一致するようにZ軸を設定したTCPの、空間に固定された座標系における位置と加工工具の押付け方向ベクトルを含む工具軌道データを生成する軌道データ生成ステップと、を有し、
軌道データ生成ステップは、
(A)前記形状データからワーク表面の加工点位置と、各加工点における加工工具の押付け方向ベクトルとを生成する第1ステップと、
(B)各加工点において、加工工具の工具面がワーク表面と平行になるように、TCP位置と工具軸方向ベクトルを算出する第2ステップと、
(C)各加工点において、TCP位置と工具軸方向ベクトルを維持したままとりうる、前記6軸ロボットアームの複数の姿勢から、特異姿勢や外部との干渉のない姿勢を選択する第3ステップと、を有する、ことを特徴とする加工軌道生成方法。 - 前記(B)において、工具形状データを利用して工具軸方向ベクトルを生成する、ことを特徴とする請求項3に記載の加工軌道生成方法。
- 前記加工工具は、工具軸を回転中心とする球型の工具面を有する球型工具であり、
前記(B)において、加工工具の球型の工具面の中心にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定し、
ワーク表面の加工点を押付け方向ベクトルの逆向きに球型の半径距離をシフトしてTCP位置を算出する、ことを特徴とする請求項3に記載の加工軌道生成方法。 - 前記加工工具は、工具軸を回転中心とする円柱型の工具面を有する円柱型工具であり、
前記(B)において、加工工具の工具端面の中心にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定し、
工具軸方向ベクトルを、押付け方向ベクトルを送り方向回りに+90度又は−90度回転させた方向に設定し、
ワーク表面の加工点を押付け方向ベクトルの逆向きに円柱型の半径距離をシフトしてTCP位置を算出する、ことを特徴とする請求項3に記載の加工軌道生成方法。 - 前記加工工具は、工具軸を回転中心とし先端角がαの円錐型の工具面を有する円錐型工具であり、
前記(B)において、加工工具の前記円錐型の頂点にTCPの原点を、回転軸と一致するようにTCPのZ軸を設定し、
工具軸方向ベクトルを、押付け方向ベクトルを送り方向回りに(90−α/2)度又は−(90−α/2)度回転させた方向に設定する、ことを特徴とする請求項3に記載の加工軌道生成方法。 - 前記(C)において、加工ロボットの姿勢を、TCP座標系のロール角、ピッチ角、及びヨー角で表現し、
ロール角、ピッチ角、又はヨー角のいずれかを仮の値に固定して、ロール角、ピッチ角、及びヨー角を算出する、ことを特徴とする請求項3に記載の加工軌道生成方法。 - 前記(C)において、TCP位置と工具軸方向ベクトルの姿勢から、6軸ロボットアームの各関節角を計算し、
各関節角から、ロボットの特異姿勢又は外部との干渉の有無をチェックする、とを特徴とする請求項3に記載の加工軌道生成方法。 - 前記(C)において、TCP位置と工具軸方向ベクトルの姿勢から、TCP位置と工具軸方向ベクトルの姿勢を維持したままとりうる、前記6軸ロボットアームの姿勢から構成されるコンフィグレーション空間の各点において、ロボットの特異姿勢又は外部との干渉の有無を数値的に重みづけしたマップを作成し、そのマップ上でロボットアーム軌道を選択することを特徴とする、ことを特徴とする請求項9に記載の加工軌道生成方法。
- 前記マップにおいて、干渉の有無の重みづけに、ロボットアームの各リンクと外部の物体との最小距離を使用する、ことを特徴とする請求項10に記載の加工軌道生成方法。
- 前記マップにおいて、特異姿勢の重みづけに、ロボットアームの可操作度を使用する、ことを特徴とする請求項10に記載の加工軌道生成方法。
- 前記マップ上でのロボットアーム選定において、ロール角、ピッチ角、又はヨー角のいずれかを一定値という条件下で探索し、ロボットの特異姿勢又は外部との干渉のないロボットアーム軌道を選択する、ことを特徴とする請求項10に記載の加工軌道生成方法。
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