JP2016002183A - イオン濃度調整器具 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、血液(保存中の濃厚赤血球)製剤中に増加した過剰なカリウムイオンを吸着、除去するイオン濃度調整器具に関するものである。
さらにいえば胎児、未熟児、新生児、交換輸血または体外循環を受ける小児等の患者で、カリウムイオンの値が上昇しているおそれのある赤血球製剤(照射血、長期保存血)を輸血する場合の輸血血液中の過剰なカリウムを吸着、除去することができる小児(胎児、未熟児、新生児等)用の小型化したイオン濃度調整器具の発明に関する。
(以下、特許文献1、2の説明で、本願発明の符号と区別するために、符号の〈 〉を付ける。)
特許文献1のイオン濃度調整器具〈1a〉は、上流(基端)側から下流(末端)側に向けて、合成樹脂製瓶針〈2〉、連結チューブ〈3〉、ハウジング(イオン調整体〈8a〉を装填)、輸血チューブ〈10〉、注射針〈11〉の順に略直列に接続している。
特許文献2のイオン濃度調整器具〈1a〉は、特許文献1のイオン濃度調整器具〈1a〉のハウジングに、連結チューブ〈24〉を介してプライミング液入り容器〈23〉、連結チューブ〈27〉を介して廃液容器〈28〉を接続している。
(A)大容量用赤血球濃厚液4単位用、流速50mL/min以下。
(B)小容量用赤血球濃厚液1単位用、流速30mL/min以下。
前記(A)の器具は、救命上緊急な急速大容量輸血が必要な患者用である。
前記(B)の器具は、胎児、未熟児、新生児、交換輸血または体外循環を受ける小児用である。
前記(A)、(B)の器具共に、特許文献1のイオン濃度調整器具〈1a〉の連結チューブ〈3〉の途中に、いわゆる「通気針用のゴムボタン」(分岐管の一方向の開口に、小さなゴム栓を装着し、当該ゴム栓に通気用の針を刺して、チューブ内を外気と連通して、血液が流れやすくしたもの)を配置している。
特許文献1のイオン濃度調整器具〈1a〉の輸血チューブ〈10〉の途中に、
点滴筒と通気針用のゴムボタンを配置している。
特許文献1のイオン濃度調整器具〈1a〉の注射針〈11〉の代わりに、オスコネクタを装着している。
前記(B)の器具は、前記(A)の器具のサイズを小型化したものであるが、
小児用としては、カリウムの吸着・除去性能を一定以上維持しながら、さらに全体的なサイズ(長さ、容量、全て含む)の小型化が所望されている。
〈1〉血液処理剤(イオン交換体)を装填するハウジングのサイズをさらに小さくしたい。
〈2〉血液処理剤(イオン交換体)の装填量を少なくしたい。
〈3〉器具全体の充填水のプライミングボリュームを少なくしたい。各チューブのサイズ(長さ、径)を小さくしたい。
〈4〉小児の場合、シリンジを使用して血液を採取し、当該シリンジをシリンジポンプに接続して、輸血する場合が多いので、これらの操作に対応させたい。
特許文献2では、ハウジングに血液・洗浄液の入口と出口がそれぞれ二箇所形成されている。サイズを小さくしたい小児用では、ハウジングの血液・洗浄液の入口と出口を一箇所にしたい。
〈6〉現行品の器具(B)では、連結チューブ〈3〉、輸血チューブ〈10〉の途中に、「通気針用のゴムボタン」配置しているが、小児用のサイズでは、各チューブのサイズを小さくしたいので、「通気針穿刺用のゴムボタン」に「通気針」を刺す方法では、各チューブ内を外気と充分に連通させることが困難であり、このため充填液や血液を速やかに排除することが所定の処理速度が確保できない。
〈7〉〈6〉の通気針は、先端が鋭利に形成されているので、作業者の指刺し事故を招来する虞がある。作業の安全面で課題がある。
[1]本発明は、基端(PE)側から末端(DE)側に向けて、略直列的に、基端側接続部材(2)、基端側連結チューブ(3PE)及びハウジング(6)を接続し、
当該ハウジング(6)は、基端(PE)側に血液導入口(6I)を形成し、末端(PE)側に血液導入口(6I)を形成し、内部に血液処理剤(8)を装填し、
当該ハウジング(6)の末端(DE)側に、末端(DE)側に向けて、略直列的に、第1連通手段(OP1)、末端側連結チューブ(3DE)及び末端側シリンジ接続部材(4)を接続し、
前記基端側連結チューブ(3PE)の途中に基端側接続管(3PES)を配置し、
当該基端側接続管(3PES)に、通気チューブ(3AR)を接続し、当該通気チューブ(3AR)の末端(DE)側に第2連通手段(OP2)を接続し、当該第2連通手段(OP2)の末端(DE)側に通気部材(AR)を接続し、
前記末端側連結チューブ(3DE)の途中に末端側接続管(3DES)を配置し、
当該末端側接続管(3DES)に、廃液チューブ(3DR)を接続し、当該廃液チューブ(3DR)の末端(DE)側に廃液バッグ(9)を接続したイオン濃度調整器具(1)を提供する。
末端(DE)側は末端側第2連結チューブ(3DE2)の途中に第3クランプ(CL3)を装着し、廃液チューブ(3DR)の途中に第4クランプ(CL4)を装着したイオン濃度調整器具(1)を提供する。
[3]本発明は、通気部材(AR)は、通気フィルタであり、当該通気フィルタは、基端側ハウジング(ARHPE)と末端側ハウジング(ARHDE)との間に、疏水性フィルタ(F)を挟み込んで固定し、
前記基端側ハウジング(ARHPE)の気体通路(APPW)に前記通気チューブ(AR)を接続し、前記末端側ハウジング(ARHDE)の気体通路(APPW)は、外気と通気している[1]または[2]に記載のイオン濃度調整器具(1)を提供する。
[4]本発明は、末端側接続部材(4)は、メス型コネクタである[1]から[3]
のいずれか1つに記載のイオン濃度調整器具(1)を提供する。
[6]本発明は、末端側接続部材(4)に、血液採取器具として、シリンジ(SY)を接続し、当該シリンジ(SY)は、シリンジ筒(SH)とピストン(SPT)からなり、
前記シリンジ筒(SH)は、基端(PE)側に血液出入口(BIO)を有し、
前記シリンジ筒(SH)と前記ピストン(SPT)は、血液の所定の位置落差による圧力により押されて、所定の血液処理速度を維持しながら、前記ピストン(SPT)が前記シリンジ筒(SH)内を、基端(PE)側から末端(DE)側に移動して、血液を採取することができる[1]から[5]のいずれか1つに記載のイオン濃度調整器具(1)を提供する。
〈1〉各チューブの内外径を小さくしても、基端側連結チューブ3PEの途中に基端側接続管3PESを配置し、当該基端側接続管3PESに、通気チューブ3ARを接続し、当該通気チューブ3ARの末端DE側に第2連通手段OP2を接続し、当該第2連通手段OP2の末端DE側に通気部材ARを接続しているので、基端側連結チューブ3PE内を外気と充分に通気することがでる。このため所定の位置落差により、充填液や血液の排出速度を維持することができる。
〈2〉ハウジング6の長さを短くしても、ハウジング6の末端DE側の一箇所のみに、末端DE側連結チューブ3DEを接続し、当該末端DE側連結チューブ3DEの途中に末端側接続管3DESを配置し、末端側接続管3DESに、(血液採取器具と連通する)末端側接続部材4と、廃液チューブ3DRを接続しているので、ハウジング6の充填水・洗浄廃液を廃液バッグへ分取することができ、操作性が向上する。
〈4〉各チューブ、各チューブとハウジング6との間に、第1〜第4クランプCL1〜CL4、第1〜第2連通手段OP1、OP2を所定位置に、配置することにより、洗浄、通気、血液処理操作を手際よく行うことができる。
〈5〉全体のサイズ(長さ、容量、全て含む)を小型化、かつカリウムの吸着・除去性能を一定以上維持することができる。
以下、本発明を明確に説明するため、次の定義をおく。
(定義1)「基端PE(側または方向)」とは、図1に例示するようにハウジング6を略中央に見て、血液を導入する側、基端側接続部材2を装着した側の端部(側または方向)を意味する。「基端PE(側または方向)」とは、上流(側または方向)という場合がある。
(定義2)「末端DE(側または方向)」とは、図1に例示するようにハウジング6を略中央に見て、「基端PE(側または方向)」と反対側の端部を意味する。
さらにいえば、末端側接続部材4を装着した側の端部(側または方向)を意味する。「末端DE(側または方向)」とは、下流(側または方向)という場合がある。
(定義4)通気チューブ3AR及び通気部材ARは、基端側接続管3PEに近い(側または方向)を「基端PE(側または方向)」とし、基端側接続管3から遠い(側または方向)を「末端DE(側または方向)」という。
(定義5)廃液チューブ3DR及び廃液バッグ9は、末端側接続管3DEに近い(側または方向)を「基端PE(側または方向)」とし、末端側接続管3DEから遠い(側または方向)を「末端DE(側または方向)」という。
さらに詳述すれば、基端側接続部材2、基端側第1連結チューブ3PE1、基端側接続管3PES、基端側第2連結チューブ3PE2及びハウジング6の順に接続している。
さらに当該ハウジング6の末端DE側に、末端DE側に向けて、略直列的に、
第1連通手段OP1、末端側連結チューブ3DE、末端側接続部材4を接続している。末端側連結チューブ3DEの途中に末端側接続管3DESを配置している。
さらに詳述すれば、第1連通手段OP1、末端側第1連結チューブ3DE1、末端側接続管3DES、末端側第2連結チューブ3DE2及び末端側シリンジ接続部材4の順に接続している。
末端側接続管3DESは分岐管(前記「略直列」から逸れている管で、あえて符号は記載せず)に、廃液チューブ3DRを接続し、廃液チューブ3DRの末端DE側に廃液バッグ9を接続している。
第1連通手段OP1、第2連通手段OP2は、連通前は各チューブ間の流路を内部から完全に密封でき、外圧による折割等(「切断」という場合がある)により流路を開通できるものが好ましい。
例えば図3に例示するように、略筒状の固定部OPSと無垢状の切断部OPCよりなり、これらの途中に形成した脆弱部OPWより、切断部OPCを切り放して、流路を開通できるものが好適に使用できる。
末端DE側は末端側第2連結チューブ3DE2の途中に第3クランプCL3を装着し、廃液チューブ3DRの途中に第4クランプCL4を装着している。
第1クランプCL1〜第4クランプCL4は、各チューブの外部から外圧により各チューブの流路を閉じたり、開いたり繰り返し(反復して)行うことができるものであれば何でもよい。
例えば、図4に示すように、略板状の基部CLBと略板状の可動部CLMと有し、基部CLB及び/又は可動部CLMの対向する壁面に略突状のチューブ押圧部CLPを形成し、基部CLBと可動部CLMとの間にチューブを置いて、チューブの外部から外圧によりチューブの流路を閉じたり、開いたり繰り返し行うことができるものが好適に使用される。
ハウジング6は、いわゆる細長い「略円筒状」の形態を有し、基端PE側に血液導入口6Iを有し、末端DE側に血液導出口6Oを有する。
ハウジング6内には、血液処理剤(イオン交換体)8を装填している。
さらに詳述すれば、ハウジング6は、基端PE側に基端PE側キャップ6CPEを装着し、末端DE側に末端DE側キャップ6CDEを装着している。
基端側キャップ6CPEに略管状の血液導入口6Iを形成し、末端側キャップ6CDEに略管状の血液導出口6Oを形成している。
血液処理剤8は、後述するように、いわゆる粒状のものが使用されるので、ハウジング6内に装填した後は、ハウジング6外に漏れないようにする。
このためハウジング6内の基端PE(上部U)側と末端DE(下部U)側に網目のフィルタ6FPE、6FDEを配置している。図1では基端PE側に籠状のフィルタ6FPE、末端DE側に円盤状のフィルタ6FDEを装着しており、各々基端PE側キャップ6CPE、末端PE側キャップ6CDEでハウジング両端部に固定される。基端PE側と末端DE側にそれぞれ、円板状のフィルタを配置し、これらの間に血液処理剤8を装填してもよい。
これらのフィルタの目開きは、血液処理剤8の粒径よりも小さいフィルタが使用される。
基端側接続部材2とは、後述するように洗浄水入り容器、保存血液入り容器の輸液・輸血口に接続する部材である。
接続部材2としては、例えば図1に示すように、いわゆる「合成樹脂製瓶針」等が好適に使用される。その他に金属針やコネクタ等も使用することができる。
通気部材ARは、例えば図5に例示したようないわゆる「通気フィルタ」を使用する。
「通気フィルタ」について詳述すると、いわゆる略円筒状の基端側ハウジングARHPEと末端側ハウジングARHDEとの間に、疏水性フィルタFを挟み込んで固定したもので、基端側ハウジングARHPEの気体通路APPW(通気管)に、通気チューブ3ARを接続し、末端側ハウジングARHDEの気体通路APPW(通気管)は、外気と通気している。
このような通気部材ARを使用することにより、前記各連結チューブ、ハウジング6内の通気性を良好に確保することができる。
これによって所定の位置落差により、基端側接続部材2から連結チューブ3、ハウジング6内の充填液、洗浄液または血液を、廃液バッグ内に採集することができる。
末端側接続部材4とは、血液採集器具、すなわちいわゆるシリンジSYの「血液出入口BIO」と着脱できる「コネクタ」であれば何でもよい。
さらに詳述すれば、シリンジSY(シリンジ筒SH)の末端DE側の形態(通常多くは、いわゆる「オス型コネクタ」、「オス型ルアーコネクタ」が形成されているので、末端側接続部材4は、いわゆる「メス型コネクタ」、「メス型ルアーコネクタ」が使用される。
血液採集器具は、末端側接続部材4に直接接続でき、血液処理、血液採集後は、末端側接続部材4から取り外して、シリンジポンプにそのまま接続して、患者に輸血を行うことができるものを使用することができる。本発明ではシリンジSYが好適に使用される。
シリンジ筒SHは、基端PE側に血液出入口BIOを有する。シリンジ筒SHと
ピストンSPTのコンビネーションは、血液の所定の位置落差による圧力により押されて、所定の処理速度を維持しながら、ピストンSPTがシリンジ筒SH内を、基端PE側から末端DE側に自然に移動(摺動)できるものであれば何でもよい。
血液処理剤8は、イオン交換体、すなわち陽イオン交換樹脂であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムにより、血液製剤中のカリウムイオンをナトリウムイオンと等量置換することで、血液製剤中の過剰なカリウムイオンを吸着・除去することができるものである。
同様に血液製剤中の過剰なカリウムイオンを吸着・除去することができるイオン交換体であれば何でもよい。
また同様に血液製剤中の過剰な物質を吸着・除去することができる血液処理剤であれば何でもよい。
以上のように組み立てられたイオン濃度調整器具1の使用方法の一例について説明する。イオン濃度調整器具1は、所定の包装容器(または包装袋)内に収納・密封した後、高圧蒸気滅菌処理して、使用開始まで保存する。
(使用開始前の洗浄)
(1)イオン濃度調整器具1を、包装容器から取り出し、第3クランプCL3及び第4クランプCL4を閉じる。
(2)基端側接続部材2を、洗浄水入り容器(図示せず)に接続する。
(3)ハウジング6の下流側の第1連通手段OP1を切断して流路を開通する。
(4)第4クランプCL4を開けて、洗浄水を、基端側第1連結チューブ3PE1、基端側第2連結チューブ3PE2を経てハウジング6内に導入する。
血液処理剤8を十分に洗浄し、高圧蒸気滅菌処理時に発生する汚物(血液処理剤8からの溶出物、微小ゴミ等)を廃出する。第1クランプCL1を閉じる。
(5)第2連通手段OP2を切断して流路を開通し、通気部材ARを通したエアーを通気チューブ3AR、基端側第2連連結チューブ3PE2に導入し、ハウジング6内の洗浄液を全て廃液バッグ9内に採集する。採集後、CL4を閉じる。
(1)第1クランプCL1および第2クランプCL2を閉じ、洗浄水入り容器(図示せず)に接続した基端側接続部材2を取り外して、保存血液入り容器(図示せず)に接続する。
(2)末端側接続部材4を、シリンジSYに接続する。基端側接続部材2からシリンジSYまでの落差を、所定の落差(例えば35〜40cm等)に設定する。
(3)第1クランプCL1および第4クランプCL4を開け、血液を末端側接続管3DESまで流し、第4クランプCL4を閉める。
(4)第3クランプCL3を開け、保存血液を、落差圧にて約15mL/minの流量で、基端側第1連結チューブ3PE1、基端側第2連結チューブ3PE2を経て、ハウジング6内に導入し、血液処理剤8で保存血液中のカリウムイオンを、吸着・除去しながら、末端側第2連結チューブ3DE2、末端側接続部材4を経て、シリンジSYに採取する。
(5)処理血液がシリンジSYに所定量溜まったら、第3クランプCL3を閉じてシリンジSYを交換し、再度血液を流す。これを所定量採取するまで繰り返す。
(6)シリンジSYをシリンジポンプに装着し、処理後の血液を患者(新生児、小児など)に輸血する。
図2のイオン濃度調整器具101を試作し、カリウムの吸着試験を実施した。
図2のイオン濃度調整器具101は、図1のイオン濃度調整器具1とほとんど同じであるが、基端側第2連結チューブ3PE2の途中に基端側サンプリングポートSPE(血液のサンプリング用ゴムボタン)、末端側第1連結チューブ3DE1の途中に末端側サンプリングポートSDE(血液のサンプリング用ゴムボタン)を装着した点で異なる。
イオン交換樹脂は、三菱化学社製のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを使用した。
イオン交換樹脂量は、6.3mL/min(実測値)とした。
滅菌については標準的な高圧蒸気滅菌条件(温度115°C、時間30分)にて行った。
評価血液は、人濃厚赤血球製剤(ガンマ照射後の保存血)で、サンプルNo.1〜9(表1参照)を使用した。
サンプルNo.1〜9(表1参照)のカリウム濃度は、38.9〜54.7mEであった。
カリウムイオンの定量装置として、電解質分析装置(常光製EX−D)を使用した。
(2)キャップ(図示省略)を開封し、瓶針(基端側接続部材2)を、生理食塩液のポート(図示省略)に穿刺した。
(3)ハウジング6の下部Dの第1連通手段OP1を切断して流路を開通し、通液可能な状態とした。
(4)第4クランプCL4を開け、生理食塩液を100mL流して洗浄した後、第1クランプCL1を閉じた。
(5)第2連通手段OP2を切断して流路を開通し、通気部材ARを通したエアーを通気チューブ3AR、基端側第2連連結チューブ3PE2に導入し、ハウジング6内の生理食塩液を全て廃液バッグ9に移した。
(7)瓶針(基端側接続部材2)からシリンジSYまでの落差は35〜40cmに設定した。
(8)第1クランプCL1を開き、血液が基端側接続管3PESまで来たら、第4クランプCL4を閉じ、ハウジング6の上流側のゴムボタンSPUから未処理の血液を20mLサンプリングした。
(9)ルアーコネクター(末端側接続部材4)に30mLのディスポシリンジSYを接続した。
(10)基端側第2連結チューブ3PE2を送液ポンプに取り付けて、第3クランプCL3を開け、15mL/minの流量に調整して吸着処理した血液をシリンジSYに30mL採取した。
(12)シリンジSYに採取した血液は、遠沈管にて3000rpm×10分で遠心分離して血漿を分取し、カリウム濃度を測定した。
以上のカリウム吸着試験の結果を表1に示す。
15mL/minの血流量にて105mL〜120mLの血液に対してカリウム吸着処理を行った場合、90%の吸着率が得られた。小児(新生児)の輸血において、1単位(140mL)以下の濃厚赤血球製剤を、15mL/min以下で吸着処理を行うことにより、十分にカリウム濃度を低減させた安全な血液を調整することが確認できた。
本発明のイオン濃度調整器具1は、表2に記載したように、従来のイオン濃度調整器具[器具(B)]と比較して、各構成部材のサイズを大幅に小さくすることができ、小さくしても従来のイオン濃度調整器具[器具(B)]と同等の性能を発揮できることが確認できた。
2 基端側接続部材
3 連結チューブ
3PE1 基端側第1連結チューブ
3PE2 基端側第2連結チューブ
3DE1 末端側第1連結チューブ
3DE2 末端側第2連結チューブ
3AR 通気チューブ
3DR 廃液チューブ
AR 通気部材
3PES 基端側接続管
3DES 末端側接続管
4 末端側接続部材
CL1 第1クランプ
CL2 第2クランプ
CL3 第3クランプ
CL4 第4クランプ
OP1 第1連通手段
OP2 第2連通手段
6 ハウジング
6CPE 基端側キャップ
6CDE 末端側キャップ
6I 血液導入口
6O 血液導出口
6FPE 基端側フィルタ
6FDE 末端側フィルタ
8 血液処理剤(イオン交換体)
9 廃液バッグ
SY シリンジ
SH シリンジ筒
SPT ピストン
BIO 血液出入口
Claims (6)
- 基端(PE)側から末端(DE)側に向けて、略直列的に、基端側接続部材(2)、基端側連結チューブ(3PE)及びハウジング(6)を接続し、
当該ハウジング(6)は、基端(PE)側に血液導入口(6I)を形成し、末端(PE)側に血液導入口(6I)を形成し、内部に血液処理剤(8)を装填し、
当該ハウジング(6)の末端(DE)側に、末端(DE)側に向けて、略直列的に、第1連通手段(OP1)、末端側連結チューブ(3DE)及び末端側シリンジ接続部材(4)を接続し、
前記基端側連結チューブ(3PE)の途中に基端側接続管(3PES)を配置し、
当該基端側接続管(3PES)に、通気チューブ(3AR)を接続し、当該通気チューブ(3AR)の末端(DE)側に第2連通手段(OP2)を接続し、当該第2連通手段(OP2)の末端(DE)側に通気部材(AR)を接続し、
前記末端側連結チューブ(3DE)の途中に末端側接続管(3DES)を配置し、
当該末端側接続管(3DES)に、廃液チューブ(3DR)を接続し、当該廃液チューブ(3DR)の末端(DE)側に廃液バッグ(9)を接続した、
ことを特徴とするイオン濃度調整器具(1)。 - 基端(PE)側は基端側第1連結チューブ(3PE1)の途中に第1クランプ(CL1)を装着し、通気チューブ(3AR)の途中に第2クランプ(CL2)を装着し、
末端(DE)側は末端側第2連結チューブ(3DE2)の途中に第3クランプ(CL3)を装着し、廃液チューブ(3DR)の途中に第4クランプ(CL4)を装着したことを特徴とする請求項1に記載のイオン濃度調整器具(1)。 - 通気部材(AR)は、通気フィルタであり、当該通気フィルタは、基端側ハウジング(ARHPE)と末端側ハウジング(ARHDE)との間に、疏水性フィルタ(F)を挟み込んで固定し、
前記基端側ハウジング(ARHPE)の気体通路(APPW)に前記通気チューブ(AR)を接続し、前記末端側ハウジング(ARHDE)の気体通路(APPW)は、外気と通気していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のイオン濃度調整器具(1)。 - 末端側接続部材(4)は、メス型コネクタであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のイオン濃度調整器具(1)。
- 血液処理剤(8)はイオン交換体であり、当該イオン交換体は、陽イオン交換樹脂であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムであり、血液製剤中のカリウムイオンをナトリウムイオンと等量置換することで、血液製剤中の過剰なカリウムイオンを吸着・除去することができることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のイオン濃度調整器具(1)。
- 末端側接続部材(4)に、血液採取器具として、シリンジ(SY)を接続し、当該シリンジ(SY)は、シリンジ筒(SH)とピストン(SPT)からなり、
前記シリンジ筒(SH)は、基端(PE)側に血液出入口(BIO)を有し、
前記シリンジ筒(SH)と前記ピストン(SPT)は、血液の所定の位置落差による圧力により押されて、所定の血液処理速度を維持しながら、前記ピストン(SPT)が前記シリンジ筒(SH)内を、基端(PE)側から末端(DE)側に移動して、血液を採取することができる、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のイオン濃度調整器具(1)。
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JP2014123314A Pending JP2016002183A (ja) | 2014-06-16 | 2014-06-16 | イオン濃度調整器具 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH08289932A (ja) * | 1995-02-22 | 1996-11-05 | Kawasumi Lab Inc | 保存血液製剤のイオン濃度調整装置 |
JPH09154942A (ja) * | 1995-12-01 | 1997-06-17 | Kawasumi Lab Inc | 保存血液製剤の輸血装置 |
US20090261038A1 (en) * | 2005-07-26 | 2009-10-22 | Heim Gerd H | Steam-Sterilizable Blood Separating Device |
-
2014
- 2014-06-16 JP JP2014123314A patent/JP2016002183A/ja active Pending
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