JP2016001690A - 半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な吸着力を維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上可能な半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。吸着用電極3を含み、かつ基板支持面5を有する基板支持部2が準備される。基板支持面5上に半導体基板1が配置される。吸着用電極3に電圧を印加することにより、半導体基板1が基板支持面5に吸着される。半導体基板1が基板支持面5に吸着された状態で、半導体基板1が処理される。半導体基板1を処理する工程の後、半導体基板1が基板支持部2から取り外される。基板支持面5は、第1部材2aと、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bとにより構成される。
【選択図】図1
【解決手段】半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。吸着用電極3を含み、かつ基板支持面5を有する基板支持部2が準備される。基板支持面5上に半導体基板1が配置される。吸着用電極3に電圧を印加することにより、半導体基板1が基板支持面5に吸着される。半導体基板1が基板支持面5に吸着された状態で、半導体基板1が処理される。半導体基板1を処理する工程の後、半導体基板1が基板支持部2から取り外される。基板支持面5は、第1部材2aと、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bとにより構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置に関し、特定的には、吸着用電極を用いた半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置に関する。
半導体装置製造工程において、ウエハを保持するための一つの手段として静電チャックが広く用いられている。静電チャックは、主に単極方式および双極方式の2つのタイプを有する。単極方式の静電チャックの場合は、ウエハと吸着用電極との間に電圧を印加することによって、ウエハと基板支持部との間に静電気力(クーロン力)発生させることにより、ウエハを基板支持部に吸着することができる。双極方式の静電チャックの場合は、複数の吸着用電極との間に電圧を印加することによって、ウエハと基板支持部との間に静電気力(ジョンソン・ラーベック力)を発生させることにより、ウエハを基板支持部に吸着することができる。
たとえば特開2003−282688号公報(特許文献1)には、一対の吸着用電極を覆うように誘電体層と、誘電体層上に設けられたセラミックス製の凸部とを有し、凸部の頂面が基板吸着面となる静電チャックが開示されている。当該静電チャックによれば、凸部を形成するセラミックスの抵抗を1015Ω・m以上とすることが好ましいことが記載されている。
しかしながら、上記に記載の静電チャックによれば、十分な吸着力を維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することが困難であった。
本発明の一態様の目的は、十分な吸着力を維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上可能な半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置を提供することである。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。吸着用電極を含み、かつ基板支持面を有する基板支持部が準備される。基板支持面上に半導体基板が配置される。吸着用電極に電圧を印加することにより、半導体基板が基板支持面に吸着される。半導体基板が基板支持面に吸着された状態で、半導体基板が処理される。半導体基板を処理する工程の後、半導体基板が基板支持部から取り外される。基板支持面は、第1部材と、第1部材と電気抵抗率の異なる第2部材とにより構成される。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造装置は、基板支持部と、電圧印加部と、基板処理部とを備える。基板支持部は、吸着用電極を含み、かつ基板支持面を有する。電圧印加部は、吸着用電極に電圧を印加可能に構成されている。基板処理部は、半導体基板に対して処理を実行可能に構成されている。基板支持面は、第1部材と、第1部材と電気抵抗率の異なる第2部材とにより構成される。
本発明の一態様によれば、十分な吸着力を維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上可能な半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置を提供することができる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
発明者は、十分な吸着力を維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上する方策について鋭意研究の結果、以下の知見を得て、本発明の一態様を見出した。
たとえば、半導体基板の反る方向は、半導体基板を構成する材料、サイズ、厚みなどの条件によって決定されると考えられる。そのため、量産時などにおいて同じ種類の半導体基板を連続的に処理する場合において、静電チャックの基板支持面に半導体基板を配置すると、半導体基板に接触する基板支持面の部分と、半導体基板に接触しない基板支持面の部分とは、毎回ほぼ同じ位置になる。たとえば、半導体基板に接触しやすい基板支持面の部分を、低電気抵抗率を有する材料によって構成することにより、基板支持面からチャージが抜けやすくなるので、半導体基板を基板支持面から迅速に離脱させることができる。また半導体基板に接触しづらい基板支持面の部分を、高電気抵抗率を有する材料によって構成することにより、半導体基板が強固に基板支持面に吸着される。以上のように、基板支持面を、電気抵抗率が異なる2種類の部材により構成することにより、吸着力(チャッキング力)を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度(デチャック速度)を向上することが可能となる。
(1)本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。吸着用電極3を含み、かつ基板支持面5を有する基板支持部2が準備される。基板支持面5上に半導体基板1が配置される。吸着用電極3に電圧を印加することにより、半導体基板1が基板支持面5に吸着される。半導体基板1が基板支持面5に吸着された状態で、半導体基板1が処理される。半導体基板1を処理する工程の後、半導体基板1が基板支持部2から取り外される。基板支持面5は、第1部材2aと、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bとにより構成される。これにより、電気抵抗率の高い部材で半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、電気抵抗率の低い部材によりチャージが迅速に抜けることで半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(2)上記(1)に係る半導体装置の製造方法において好ましくは、半導体基板を処理する工程は、半導体基板1を加熱しながら半導体基板1を処理する工程を含む。これにより、高温において、半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(3)上記(2)に係る半導体装置の製造方法において好ましくは、半導体基板を処理する工程は、半導体基板1を加熱しながら半導体基板1にイオン注入が実施される。これにより、イオン注入時において半導体基板を強固に基板支持部の基板支持面に吸着させることができる。半導体基板の離脱時間を短縮することにより、イオン注入工程のスループットを向上することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに係る半導体装置の製造方法において好ましくは、半導体基板を処理する工程は、室温で半導体基板1を基板支持面5に吸着しながら半導体基板1を処理する工程を含む。これにより、室温において、半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(5)上記(4)に係る半導体装置の製造方法において好ましくは、半導体基板を処理する工程は、室温で半導体基板1を基板支持面5に吸着しながら半導体基板1にイオン注入が実施される。これにより、イオン注入時において半導体基板を強固に基板支持部の基板支持面に吸着させることができる。半導体基板の離脱時間を短縮することにより、イオン注入工程のスループットを向上することができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに係る半導体装置の製造方法において好ましくは、第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低い。第2部材2bを用いることにより、高温における半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(7)上記(6)に係る半導体装置の製造方法において好ましくは、第2部材2bは、25℃において第1部材よりも電気抵抗率が高い。これにより、半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに係る半導体装置の製造方法において好ましくは、第1部材2aはpBNを含む。これにより、効果的に半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに係る半導体装置の製造方法において好ましくは、第2部材2bはAlNを含む。これにより、効果的に半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに係る半導体装置の製造方法において好ましくは、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板が基板支持面5に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
(11)上記(1)〜(9)のいずれかに係る半導体装置の製造方法において好ましくは、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板から見て、半導体基板が基板支持面5と反対側に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
(12)本発明の一態様に係る半導体装置は、基板支持部2と、電圧印加部4と、基板処理部8とを備える。基板支持部2は、吸着用電極3を含み、かつ基板支持面5を有する。電圧印加部4は、吸着用電極3に電圧を印加可能に構成されている。基板処理部8は、半導体基板1に対して処理を実行可能に構成されている。基板支持面5は、第1部材2aと、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bとにより構成される。これにより、電気抵抗率の高い部材で半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、電気抵抗率の低い部材によりチャージが迅速に抜けることで半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(13)上記(12)に係る半導体装置において好ましくは、基板支持部2は、半導体基板1を加熱可能に構成された加熱部9を含む。これにより、半導体基板1を加熱した状態において、半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(14)上記(12)または(13)に係る半導体装置において好ましくは、基板処理部8は、イオン注入部である。これにより、イオン注入時において半導体基板を強固に基板支持部の基板支持面に吸着させることができる。半導体基板の離脱時間を短縮することにより、イオン注入工程のスループットを向上することができる。
(15)上記(12)〜(14)のいずれかに係る半導体装置において好ましくは、第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低い。第2部材2bを用いることにより、高温における半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(16)上記(12)〜(15)のいずれかに係る半導体装置において好ましくは、第2部材2bは、25℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が高い。これにより、半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
(17)上記(12)〜(16)のいずれかに係る半導体装置において好ましくは、第1部材2aはpBNを含む。これにより、効果的に半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
(18)上記(12)〜(17)のいずれかに係る半導体装置において好ましくは、第2部材2bはAlNを含む。これにより、効果的に半導体基板の離脱速度を向上することができる。
(19)上記(12)〜(18)のいずれかに係る半導体装置において好ましくは、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板が基板支持面5に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
(20)上記(12)〜(18)のいずれかに係る半導体装置において好ましくは、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板から見て、半導体基板が基板支持面5と反対側に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造装置の構成について説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る半導体装置の製造装置10は、基板支持部2と、電圧印加部4と、基板処理部8と、チャンバ20とを主に有している。
図1を参照して、本実施の形態に係る半導体装置の製造装置10は、基板支持部2と、電圧印加部4と、基板処理部8と、チャンバ20とを主に有している。
基板支持部2は、基板支持部2は、半導体基板1が配置される基板支持面5を有しており、静電気の力により半導体基板1を基板支持面5に吸着して支持するための静電チャックである。基板支持部2は、内部に吸着用電極3と加熱部9とを含んでいる。吸着用電極3は、たとえば第1吸着用電極3aと、第2吸着用電極3bとを有している。第1吸着用電極3aは、第2吸着用電極3bから離間して設けられている。第1吸着用電極3aおよび第2吸着用電極3bの各々は、基板支持面5に対向して設けられている。基板支持部2の内部に設けられた加熱部9は、たとえば基板支持面5に対向して設けられており、基板支持面5上に配置される半導体基板1を加熱可能に構成されている。加熱部9は、基板支持部2の外部に設けられた電源7に接続されている。電源7により加熱部9に対して電流または電圧が印加されることにより、加熱部9は、たとえば熱伝導により半導体基板1を加熱することができる。
電圧印加部4は、吸着用電極3に電圧を印加可能に構成されている。電圧印加部4の正極および負極の一方は第1吸着用電極3aと電気的に接続されており、他方は第2吸着用電極3bに電気的に接続されており、第1吸着用電極3aおよび第2吸着用電極3bに対して電圧を印加可能に構成されている。たとえば第1吸着用電極3aに対して正の電圧を印加し、かつ第2吸着用電極3bに対して負の電圧を印加することにより、半導体基板1と基板支持面5との間に静電気力(ジョンソン・ラーベック力)を発生させることにより、半導体基板1を基板支持面5に吸着することができる。
基板処理部8は、半導体基板1に対して処理を実行可能に構成されている。基板処理部8は、たとえばイオン注入部である。イオン注入部は、半導体基板1に対して、たとえばアルミニウムイオンまたはリンイオンなどを注入可能に構成されている。基板処理部8は、たとえば半導体基板1の第1の主面1aに対して対向して配置されている。基板処理部8および基板支持部2の各々は、たとえばチャンバ20の内部に配置されている。チャンバ20は、たとえば真空ポンプ(図示せず)に接続されており、基板処理部8によって半導体基板1に対して処理を行う際に、チャンバ20の内部が減圧可能に構成されている。基板処理部8は、たとえば半導体基板1上に成膜を行う成膜部であってもよいし、半導体基板1上に配置されたレジストなどの露光をおこなう露光部であってもよい。
図1を参照して、基板支持部2は、たとえば第1部材2aと、第2部材2bと、第3部材2cとにより構成される。第3部材2cは、基板支持部2の本体部分を構成する。第3部材2cの厚みは、たとえば10mm以上である。第1部材2aおよび第2部材2bの各々は、第3部材2cを覆うコーティング部分である。第1部材2aおよび第2部材2bの各々の厚みは、第3部材2cの厚みよりも小さい。第1部材2aおよび第2部材2bの各々の厚みは、たとえば1mm程度である。第3部材2cは、たとえばアルミナなどの絶縁体材料により構成される。第3部材2cの内部には、第1吸着用電極3aと、第2吸着用電極3bと、加熱部9とが埋め込まれている。第2部材2bの電気抵抗率は、第1部材2aと異なっている。第2部材2bは、使用温度域内のある温度において、第1部材2aと異なった電気抵抗率を有していればよい。つまり、第1部材2aを構成する材料は、第2部材2bを構成する材料とは異なる。第3部材2cを構成する材料の電気抵抗率は、第1部材2aおよび第2部材2bの各々を構成する材料の電気抵抗率よりも高くてもよい。
図1を参照して、第2部材2bは、第1部材2aよりも外周側に設けられている。第1部材2aは、基板支持面5の一部を構成する第1支持面部分2a1を有し、第2部材2bは、基板支持面5の一部を構成する第2支持面部分2b1を有する。つまり、基板支持面5は、第1部材2aの第1支持面部分2a1と、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bの第2支持面部分2b1とにより構成される。好ましくは、第1部材2aは、pBN(Pyrolytic Boron Nitride)を含み、より好ましくは、pBNにより構成される。好ましくは、第2部材2bはAlN(Aluminum Nitride)を含み、より好ましくはAlNにより構成される。
図2を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは、第1部材2aを取り囲むように配置されていてもよい。基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bはリング状を有しており、かつ第1部材2aは、円形を有している。第2部材2bの内周部は、第1部材2aの外周部と接している。基板支持面5の径方向において、第1部材2aと第2部材2bとの境界線と基板支持面5の中心との距離は、当該境界線と基板支持面5の外周との距離よりも長くてもよい。
第2部材2bを構成する材料の電気抵抗率が、第1部材2aを構成する材料の電気抵抗率よりも高い場合、第2部材2bが半導体基板1を吸着する力は、第1部材2aが半導体基板1を吸着する力よりも強くなる。つまり、基板支持面5の外周部が半導体基板1を吸引する力は、基板支持面5の中心部が半導体基板1を吸引する力よりも強い。そのため、図1に示すように、半導体基板1の中心から外周に向かうにつれて、半導体基板1の第2の主面1bと、基板支持面5との距離が広がるように半導体基板1が反っている場合において、効果的に半導体基板1を基板支持面5に対して吸着することができる。
図1および図3を参照して、第1吸着用電極3aは、第1部材2aに対向して配置され、かつ第2吸着用電極3bは、第2部材2bに対向して配置されている。基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2吸着用電極3bは、たとえば第1吸着用電極3aを取り囲むように設けられている。第2吸着用電極3bは、たとえばリング状を有しており、かつ第1吸着用電極3aは、たとえば円形を有している。第1吸着用電極3aの外周部は、第2吸着用電極3bの内周部と周方向に沿って一定の間隔で離間している。第1吸着用電極3aは、第1部材2aの第1支持面部分2a1の全面に対向していてもよいし、第1支持面部分2a1の一部に対向していてもよい。第2吸着用電極3bは、第2部材2bの第2支持面部分2b1の全面に対向していてもよいし、第2支持面部分2b1の一部に対向していてもよい。
図4を参照して、第1部材2aおよび第2部材2bを構成する材料の電気抵抗率の温度依存性について説明する。
図4に示すように、第1部材2aを構成する材料(たとえばpBN)の電気抵抗率は、温度がたとえば25℃(室温)から300℃まで変化する場合において、ほぼ一定の値を示す。たとえば25℃における第1部材2aの電気抵抗率R2は、1.0×1015Ω・cmである。一方、第2部材2bを構成する材料(たとえばAlN)の電気抵抗率は、温度がたとえば25℃(室温)から300℃まで変化する場合において、単調に減少する。たとえば25℃における第2部材2bの電気抵抗率R1は1.0×1016Ω・cmであり、たとえば300℃における第2部材2bの電気抵抗率R3は1.0×1014Ω・cmである。第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低いことが好ましい。第2部材2bは、25℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が高いことが好ましい。
次に、基板支持部の第1の変形例の構成について説明する。
図5および図6を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されていてもよい。この場合、第1部材2aに対向して配置される第1吸着用電極3aは、第2部材2bに対向して配置される第2吸着用電極3bよりも外側に配置されてもよい。つまり、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1吸着用電極3aは、第2吸着用電極3bを取り囲むように配置されてもよい。
図5および図6を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されていてもよい。この場合、第1部材2aに対向して配置される第1吸着用電極3aは、第2部材2bに対向して配置される第2吸着用電極3bよりも外側に配置されてもよい。つまり、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1吸着用電極3aは、第2吸着用電極3bを取り囲むように配置されてもよい。
第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されている場合、基板支持面5の第1支持面部分2a1は、第2支持面部分2b1を取り囲むように配置される。第2部材2bを構成する材料の電気抵抗率が第1部材2aを構成する材料の電気抵抗率よりも高い場合、基板支持面5の中心部が半導体基板1を吸引する力は、基板支持面5の外周部が半導体基板1を吸引する力よりも強い。結果として、図5に示すように、半導体基板1の外周部から中心部に向かうにつれて、半導体基板1の第2の主面1bと、基板支持面5との距離が広がるように半導体基板1が反っている場合において、効果的に半導体基板1を基板支持面5に対して吸着することができる。
次に、基板支持部の第2の変形例の構成について説明する。
図7を参照して、基板支持面5の中心部から外周部に向かう方向において、第1部材2aと、第2部材2bとが交互に位置するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。この場合、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、基板支持面5は、同心円状を有する複数(たとえば6つ)の領域に分割されており、当該領域に第1部材2aと第2部材2bとが交互に配置されていてもよい。基板支持面5の中心は、第1部材2aによって構成されていてもよいし、第2部材2bによって構成されていてよい。
図7を参照して、基板支持面5の中心部から外周部に向かう方向において、第1部材2aと、第2部材2bとが交互に位置するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。この場合、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、基板支持面5は、同心円状を有する複数(たとえば6つ)の領域に分割されており、当該領域に第1部材2aと第2部材2bとが交互に配置されていてもよい。基板支持面5の中心は、第1部材2aによって構成されていてもよいし、第2部材2bによって構成されていてよい。
基板支持部が上記の構成を有している場合、基板支持面5の中心部から外周部に向かう方向において、半導体基板1を吸引する力の大小が交互に変化する。そのため、半導体基板1が径方向において波打つように反っている場合において、半導体基板1を効果的に基板支持面5に対して吸着することができる。
次に、基板支持部の第3の変形例の構成について説明する。
図8を参照して、基板支持面5の周方向において、第1部材2aと、第2部材2bとが交互に位置するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。この場合、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々は、たとえば基板支持面5の中心から基板支持面5の外周全体の一部に向かって放射状に広がる形状を有する。たとえば基板支持面5を周方向に4等分した領域の内、対角線状に位置する2つの領域を第1部材2aが占め、残りの2つの領域を第2部材2bが占めるように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。
図8を参照して、基板支持面5の周方向において、第1部材2aと、第2部材2bとが交互に位置するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。この場合、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々は、たとえば基板支持面5の中心から基板支持面5の外周全体の一部に向かって放射状に広がる形状を有する。たとえば基板支持面5を周方向に4等分した領域の内、対角線状に位置する2つの領域を第1部材2aが占め、残りの2つの領域を第2部材2bが占めるように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。
基板支持部が上記の構成を有している場合、基板支持面5の周方向において、半導体基板1を吸引する力の大小が交互に変化する。そのため、半導体基板1が周方向において波打つように反っている場合において、半導体基板1を効果的に基板支持面5に対して吸着することができる。
次に、基板支持部の第4の変形例の構成について説明する。
図9を参照して、基板支持面5に平行なある一つの方向に沿って、第1部材2aと、第2部材2bとが交互に位置するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。基板支持面5に平行なある一つの方向に沿って、基板支持面5をたとえば7等分した領域を、第1部材2aと第2部材2bとが交互に占めるように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。基板支持面5から垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々は、長軸方向と短軸方向とを有する長尺状の形状を有する。基板支持面5から垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bは、縞模様を構成する。
図9を参照して、基板支持面5に平行なある一つの方向に沿って、第1部材2aと、第2部材2bとが交互に位置するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。基板支持面5に平行なある一つの方向に沿って、基板支持面5をたとえば7等分した領域を、第1部材2aと第2部材2bとが交互に占めるように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。基板支持面5から垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々は、長軸方向と短軸方向とを有する長尺状の形状を有する。基板支持面5から垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bは、縞模様を構成する。
基板支持部が上記の構成を有している場合、基板支持面5に平行なある一つの方向に沿って、半導体基板1を吸引する力の大小が交互に変化する。そのため、半導体基板1が、半導体基板1の第1の主面1aが、第1の主面1aに平行なある一つの方向に波打つように反っている場合において、半導体基板1を効果的に基板支持面5に対して吸着することができる。
次に、基板支持部の第5の変形例の構成について説明する。
図10を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が格子状に配置されていてもよい。基板支持面5から垂直な方向から見た場合、基板支持面5をたとえば多数(たとえば50以上)の正方形領域に分割し、正方形領域を構成するある一辺に沿った方向において第1部材2aと第2部材2bとが交互に占め、上記ある一辺に垂直な他の一辺に沿った方向において第1部材2aと第2部材2bとが交互に占めるように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。つまり、正方形状の第1部材2aの4つの辺の各々において、正方形状の第2部材2bが接するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置される。
図10を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が格子状に配置されていてもよい。基板支持面5から垂直な方向から見た場合、基板支持面5をたとえば多数(たとえば50以上)の正方形領域に分割し、正方形領域を構成するある一辺に沿った方向において第1部材2aと第2部材2bとが交互に占め、上記ある一辺に垂直な他の一辺に沿った方向において第1部材2aと第2部材2bとが交互に占めるように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置されていてもよい。つまり、正方形状の第1部材2aの4つの辺の各々において、正方形状の第2部材2bが接するように、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が配置される。
基板支持部が上記の構成を有している場合、基板支持面5の径方向に沿って、半導体基板1を吸引する力の大小が交互に変化するが、その変化量は小さい。そのため、半導体基板1が、半導体基板1が反っておらず、比較的平坦な場合において、電気抵抗率の高い部材によって十分な吸着力を維持しつつ、電気抵抗率の低い第1部材によって半導体基板の離脱速度を向上することができる。
次に、基板支持部の第6の変形例の構成について説明する。
図11を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が渦巻き状に配置されていてもよい。基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aが、旋回するにつれて中心から遠ざかるように伸長する渦巻き形状を有しており、第2部材2bは、基板支持面5の内、第1部材2a以外の領域を占めるように配置された渦巻き形状を有していてもよい。
図11を参照して、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aおよび第2部材2bの各々が渦巻き状に配置されていてもよい。基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aが、旋回するにつれて中心から遠ざかるように伸長する渦巻き形状を有しており、第2部材2bは、基板支持面5の内、第1部材2a以外の領域を占めるように配置された渦巻き形状を有していてもよい。
基板支持部が上記の構成を有している場合、基板支持面5の径方向に沿って、半導体基板1を吸引する力の大小が交互に変化するが、その変化量は小さい。そのため、半導体基板1が、半導体基板1が反っておらず、比較的平坦な場合において、電気抵抗率の高い部材によって十分な吸着力を維持しつつ、電気抵抗率の低い第1部材によって半導体基板の離脱速度を向上することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
まず、基板支持部を準備する工程(S10:図12)が実施される。具体的には、図1で示されるように、吸着用電極3と加熱部9とを含み、かつ基板支持面5を有する基板支持部2を備えた半導体装置の製造装置10が準備される。基板支持面5は、第1部材2aの第1支持面部分2a1と、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bの第2支持面部分2b1とにより構成される。第1部材2aは、たとえばpBNを含み、第2部材2bは、たとえばAlNを含む。図4に示すように、第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低いことが好ましい。第2部材2bは、25℃において第1部材よりも電気抵抗率が高いことが好ましい。基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。図2に示すように、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。製造装置10のその他の構成は上述の通りである。
まず、基板支持部を準備する工程(S10:図12)が実施される。具体的には、図1で示されるように、吸着用電極3と加熱部9とを含み、かつ基板支持面5を有する基板支持部2を備えた半導体装置の製造装置10が準備される。基板支持面5は、第1部材2aの第1支持面部分2a1と、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bの第2支持面部分2b1とにより構成される。第1部材2aは、たとえばpBNを含み、第2部材2bは、たとえばAlNを含む。図4に示すように、第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低いことが好ましい。第2部材2bは、25℃において第1部材よりも電気抵抗率が高いことが好ましい。基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。図2に示すように、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。製造装置10のその他の構成は上述の通りである。
次に、半導体基板を配置する工程(S20:図12)が実施される。図13を参照して、半導体基板1は、たとえば単結晶基板11と、単結晶基板11上に形成されたエピタキシャル層12とを有する。単結晶基板は、たとえばポリタイプ4Hの六方晶炭化珪素単結晶から構成される。エピタキシャル層12は、たとえば炭化珪素から構成されるエピタキシャル層である。単結晶基板11およびエピタキシャル層12の各々は、たとえば窒素などのn型不純物を含んでおり、n型の導電型を有する。単結晶基板11が含む窒素などのn型不純物の濃度は、エピタキシャル層12が含む窒素などのn型不純物の濃度よりも高くてもよい。
半導体基板1は、第1の主面1aと、第1の主面1aとは反対側の第2の主面1bとを有する。たとえば、エピタキシャル層12が半導体基板1の第1の主面1aを構成し、単結晶基板11が半導体基板1の第2の主面1bを構成する。半導体基板1の第1の主面1aの最大径は、たとえば100mmより大きく、好ましくは150mm以上である。半導体基板1の第1の主面1aは、たとえば{0001}面または{0001}面から8°以下オフした面である。具体的には、第1の主面1aは、たとえば(000−1)面または(000−1)面から8°以下程度オフした面であり、第2の主面1bは、(0001)面または(0001)面から8°以下程度オフした面であってもよい。半導体基板1の厚みは、たとえば600μm以下であり、好ましくは300μm以下である。なお、半導体基板1は、窒化ガリウムなどの化合物半導体を含んでいてもよい。
図14を参照して、半導体基板1の第2の主面1bが、基板支持部2の基板支持面5に接するように、半導体基板1が基板支持面5上に配置される。断面視(基板支持面5の径方向に沿って見た視野)において、半導体基板1は、基板支持面5に対して突出するように湾曲している。半導体基板1が、たとえば炭化珪素を含む場合、基板支持面5と接触する半導体基板1の第2の主面1bは、炭素面または炭素面から8°以下オフした面である。図14に示すように、半導体基板1の外周部は、基板支持部2の第2部材2bの上方に位置し、半導体基板1の中央部は、基板支持部2の第1部材2aの上方に位置するように、半導体基板1が基板支持面5上に配置される。半導体基板1の第2の主面1bの中央部が第1部材2aの第1支持面部分2a1に接し、かつ半導体基板1の第2の主面1bの外周部が第2部材2bの第2支持面部分2b1から離間するように、半導体基板1が基板支持部2の基板支持面5上に配置される。半導体基板1を基板支持面5上に載せる前に、加熱部9によって基板支持面5が、たとえば300℃程度に加熱されていてもよい。この場合、半導体基板1を基板支持面5上に載せる直前における、半導体基板1の温度は、基板支持面5の温度よりも低い。
次に、半導体基板を吸着する工程(S30:図12)が実施される。具体的には、吸着用電極3に電圧を印加することにより、半導体基板1が基板支持面5に吸着される。たとえば第1吸着用電極3aに対して第1の極性(たとえば正の極性)の電圧を印加し、かつ第2吸着用電極3bに対して第2の極性(たとえば負の極性)の電圧を印加することにより、静電気力により半導体基板1が基板支持部2の基板支持面5に吸着される。好ましくは、図15に示すように、半導体基板1の第2の主面1bの外周部が第2部材2bの第2支持面部分2b1に接し、かつ半導体基板1の第2の主面1bの中心部が第1部材2aの第1支持面部分2a1に接するように、半導体基板1が基板支持部2の基板支持面5に吸着されて支持される。これにより、半導体基板1の反りが低減されて、半導体基板1の第1の主面1aが平坦化される。
次に、半導体基板を処理する工程(S40:図12)が実施される。具体的には、半導体基板1の第2の主面1bが基板支持部2の基板支持面5に吸着された状態で、半導体基板1の第1の主面1aが処理される。より具体的には、半導体基板1が基板支持面5に吸着されて支持された状態において、半導体基板1の第1の主面1aに対してイオン注入が行われる。好ましくは、半導体基板1が加熱されながら半導体基板1の第1の主面1aが処理される。たとえば、半導体基板1の第2の主面1bが基板支持面5に吸着されて支持された状態で、半導体基板1が加熱部9によりたとえば300℃に加熱されながら、半導体基板1の第1の主面1a上にイオン注入マスク21が形成される。次に、半導体基板1が加熱部9によりたとえば300℃に加熱されながら、半導体基板1の第1の主面1aに対して、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がイオン注入されることにより、エピタキシャル層12にp型の導電型を有する第1の不純物領域13が形成される(図16参照)。また半導体基板1が加熱部9によりたとえば300℃に加熱されながら、半導体基板1の第1の主面1aに対して、たとえばリンなどのn型不純物がイオン注入されることにより、エピタキシャル層12にn型の導電型を有する第1の不純物領域13が形成されてもよい。
なお本実施の形態の半導体装置の製造方法において製造される半導体装置は、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。半導体装置がMOSFETである場合、第1の不純物領域13は、たとえばベース領域、ソース領域、コンタクト領域およびガードリング領域などである。また半導体装置は、ダイオード、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)およびJFET(Junction Field Effect Transistor)などであってもよい。
また半導体基板を処理する工程は、イオン注入工程以外の工程であってもよい。半導体基板を処理する工程は、たとえば半導体基板1上に成膜を行う工程であってもよいし、半導体基板1上に配置されたレジストなどに対して露光を行う工程であってもよい。
次に、半導体基板を取り外す工程(S50:図12)が実施される。具体的には、半導体基板1を処理する工程の後、半導体基板1が基板支持部2の基板支持面5から取り外される。より具体的には、加熱部9により基板支持部2を加熱した状態で、吸着用電極3に対する電圧の印加を停止する。これにより、基板支持部2の基板支持面5に吸着していた半導体基板1の第2の主面1bの一部が基板支持面5から離脱する。基板支持面5は、第1部材2aと、第2部材2bとにより構成されている。図4に示すように、第2部材2bは、たとえば300℃において、第1部材2aよりも電気抵抗率が低い。そのため、第2部材2bにおける電荷は、第1部材2aにおける電荷よりも迅速に抜けていく。第1部材2aおよび第2部材2bの各々から電荷がある程度抜けた後、半導体基板1が基板支持面5から取り外される。
次に、室温で半導体基板が処理されてもよい。たとえば、半導体基板1が室温にまで冷却された後、半導体基板1に対して、上記半導体基板を処理する工程(S40:図12)とは異なる処理が室温で行われてもよい。具体的には、図14を参照して、半導体基板1が、基板支持部2の基板支持面5上に配置される。基板支持部2の加熱部9はオフの状態であるため、基板支持部2の温度はほぼ室温である。図14に示すように、基板支持面5は、第1部材2aの第1支持面部分2a1と、第2部材2bの第2支持面部分2b1とにより構成されている。第2部材2bが、室温においてほとんど半導体基板1を吸着する力を有しない場合であっても、第1部材2aによって半導体基板1を吸着することができる。次に、室温で半導体基板1を基板支持面5に吸着しながら半導体基板1が処理される。具体的には、室温で半導体基板1を基板支持部2の基板支持面5に吸着しながら半導体基板1の第1の主面1aに対してイオン注入が実施される。
たとえば、半導体基板1の第2の主面1bが基板支持面5に吸着されて支持された状態で、半導体基板1の第1の主面1aにイオン注入マスク21が形成される。次に、半導体基板1の第1の主面1aに対して、室温において、たとえばアルミニウムまたはリンなどのn型不純物がイオン注入されることにより、エピタキシャル層12にn型の導電型を有する第2の不純物領域(図示せず)が形成されてもよい。第2の不純物領域は、第1の不純物領域13よりも不純物濃度が低くてもよい。半導体基板1の第1の主面1aに対して垂直な方向から見て、第2の不純物領域は、第1の不純物領域13を取り囲むように配置されるフィールドストップ領域であってもよい。
なお、上記半導体装置の製造方法において、図5および図6に示すように、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されていてもよい。また第1部材2aおよび第2部材2bの各々は、図7〜図11の各々に示すような構成を有していてもよい。
次に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、基板支持面5は、第1部材2aと、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bとにより構成される。これにより、電気抵抗率の高い部材で半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、電気抵抗率の低い部材によりチャージが迅速に抜けることで半導体基板の離脱速度を向上することができる。
また本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板を処理する工程は、半導体基板1を加熱しながら半導体基板1を処理する工程を含む。これにより、高温において、半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板を処理する工程は、半導体基板1を加熱しながら半導体基板1にイオン注入が実施される。これにより、イオン注入時において半導体基板を強固に基板支持部の基板支持面に吸着させることができる。半導体基板の離脱時間を短縮することにより、イオン注入工程のスループットを向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板を処理する工程は、室温で半導体基板1を基板支持面5に吸着しながら半導体基板1を処理する工程を含む。これにより、室温において、半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板を処理する工程は、室温で半導体基板1を基板支持面5に吸着しながら半導体基板1にイオン注入が実施される。これにより、イオン注入時において半導体基板を強固に基板支持部の基板支持面に吸着させることができる。半導体基板の離脱時間を短縮することにより、イオン注入工程のスループットを向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低い。第2部材2bを用いることにより、高温における半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、25℃において第1部材よりも電気抵抗率が高い。これにより、半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第1部材2aはpBNを含む。これにより、効果的に半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、第2部材2bはAlNを含む。これにより、効果的に半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板が基板支持面5に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板から見て、半導体基板が基板支持面5と反対側に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、基板支持面5は、第1部材2aと、第1部材2aと電気抵抗率の異なる第2部材2bとにより構成される。これにより、電気抵抗率の高い部材で半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、電気抵抗率の低い部材によりチャージが迅速に抜けることで半導体基板の離脱速度を向上することができる。
また本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、基板支持部2は、半導体基板1を加熱可能に構成された加熱部9を含む。これにより、半導体基板1を加熱した状態において、半導体基板の吸着力を高く維持しつつ、半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、基板処理部8は、イオン注入部である。これにより、イオン注入時において半導体基板を強固に基板支持部の基板支持面に吸着させることができる。半導体基板の離脱時間を短縮することにより、イオン注入工程のスループットを向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、第2部材2bは、300℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が低い。第2部材2bを用いることにより、高温における半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、第2部材2bは、25℃において第1部材2aよりも電気抵抗率が高い。これにより、半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、第1部材2aはpBNを含む。これにより、効果的に半導体基板の吸着力を高く維持することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、第2部材2bはAlNを含む。これにより、効果的に半導体基板の離脱速度を向上することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第2部材2bは第1部材2aを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板が基板支持面5に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
さらに本実施の形態に係る半導体装置の製造装置によれば、基板支持面5に対して垂直な方向から見た場合、第1部材2aは第2部材2bを取り囲むように配置されている。これにより、半導体基板から見て、半導体基板が基板支持面5と反対側に向かって突出するように反っている場合において、効果的に半導体基板の反りの大きさを低減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 半導体基板
1a 第1の主面
1b 第2の主面
2 基板支持部
2a1 第1支持面部分
2a 第1部材
2b1 第2支持面部分
2b 第2部材
2c 第3部材
3 吸着用電極
3a 第1吸着用電極
3b 第2吸着用電極
4 電圧印加部
5 基板支持面
7 電源
8 基板処理部
9 加熱部
10 製造装置
11 単結晶基板
12 エピタキシャル層
13 第1の不純物領域
20 チャンバ
21 イオン注入マスク
R1,R2,R3 電気抵抗率
1a 第1の主面
1b 第2の主面
2 基板支持部
2a1 第1支持面部分
2a 第1部材
2b1 第2支持面部分
2b 第2部材
2c 第3部材
3 吸着用電極
3a 第1吸着用電極
3b 第2吸着用電極
4 電圧印加部
5 基板支持面
7 電源
8 基板処理部
9 加熱部
10 製造装置
11 単結晶基板
12 エピタキシャル層
13 第1の不純物領域
20 チャンバ
21 イオン注入マスク
R1,R2,R3 電気抵抗率
Claims (20)
- 吸着用電極を含み、かつ基板支持面を有する基板支持部を準備する工程と、
前記基板支持面上に半導体基板を配置する工程と、
前記吸着用電極に電圧を印加することにより、前記半導体基板を前記基板支持面に吸着する工程と、
前記半導体基板が前記基板支持面に吸着された状態で、前記半導体基板を処理する工程と、
前記半導体基板を処理する工程の後、前記半導体基板を前記基板支持部から取り外す工程とを備え、
前記基板支持面は、第1部材と、前記第1部材と電気抵抗率の異なる第2部材とにより構成される、半導体装置の製造方法。 - 前記半導体基板を処理する工程は、前記半導体基板を加熱しながら前記半導体基板を処理する工程を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板を処理する工程は、前記半導体基板を加熱しながら前記半導体基板にイオン注入が実施される、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板を処理する工程は、室温で前記半導体基板を前記基板支持面に吸着しながら前記半導体基板を処理する工程を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板を処理する工程は、室温で前記半導体基板を前記基板支持面に吸着しながら前記半導体基板にイオン注入が実施される、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2部材は、300℃において前記第1部材よりも電気抵抗率が低い、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2部材は、25℃において前記第1部材よりも電気抵抗率が高い、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1部材はpBNを含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2部材はAlNを含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記基板支持面に対して垂直な方向から見た場合、前記第2部材は前記第1部材を取り囲むように配置されている、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記基板支持面に対して垂直な方向から見た場合、前記第1部材は前記第2部材を取り囲むように配置されている、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 吸着用電極を含み、かつ基板支持面を有する基板支持部と、
前記吸着用電極に電圧を印加可能に構成された電圧印加部と、
半導体基板に対して処理を実行可能に構成された基板処理部とを備え、
前記基板支持面は、第1部材と、前記第1部材と電気抵抗率の異なる第2部材とにより構成される、半導体装置の製造装置。 - 前記基板支持部は、半導体基板を加熱可能に構成された加熱部を含む、請求項12に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記基板処理部は、イオン注入部である、請求項12または請求項13に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記第2部材は、300℃において前記第1部材よりも電気抵抗率が高い、請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記第2部材は、25℃において前記第1部材よりも電気抵抗率が高い、請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記第1部材はpBNを含む、請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記第2部材はAlNを含む、請求項12〜請求項17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記基板支持面に対して垂直な方向から見た場合、前記第2部材は前記第1部材を取り囲むように配置されている、請求項12〜請求項18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
- 前記基板支持面に対して垂直な方向から見た場合、前記第1部材は前記第2部材を取り囲むように配置されている、請求項12〜請求項18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置。
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