JP2016000799A - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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浩幸 武田
Hiroyuki Takeda
浩幸 武田
中山 慎也
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慎也 中山
彰法 斉藤
Akinori Saito
彰法 斉藤
信祐 長井
Shinsuke Nagai
信祐 長井
彰宏 武山
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Abstract

【課題】有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子に対し、アルカリ性溶液による洗浄工程を施しても、樹脂粒子の生産性に優れた樹脂粒子の製造方法の提供。【解決手段】少なくとも有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子を、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する洗浄工程を含む樹脂粒子の製造方法であって、前記凝集剤が、三価の金属塩、及び無機系高分子凝集剤の少なくともいずれかであることを特徴とする樹脂粒子の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法に関する。
電子写真装置、それに使用するトナー現像剤の分野においては、近年、市場における高画質化の強い要求から、トナー現像剤の開発に拍車がかかっている。
高画質化に対応したトナーとしては、粒径の揃ったトナーであることが必須である。トナーの粒径が揃い粒径分布がシャープになると、個々のトナー粒子の現像の際の挙動が揃って、微小ドット再現性が著しく向上する。粒径の揃ったトナーを得ることを目的として、水相中で造粒する工程を含む懸濁重合法や乳化重合凝集法等の製造方法により得られるトナー(以下、ケミカルトナーという)の開発が行われている。
有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させたトナーの製造方法についての提案がされている(例えば、特許文献1参照)。有機樹脂微粒子を水系媒体中含ませることは造粒性の点で効果があり、円形度や粒径の調整が容易となり、ケミカルトナーの製造方法としても有益なものとなっている。
また、トナー粒子分散液を、pH8〜12のアルカリ性溶液によるリスラリー洗浄処理する工程を含むトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このアルカリ性溶液による洗浄工程は、トナー表面の前記有機樹脂微粒子や残存オリゴマー、残存不純物などの除去に効果があり、これらが存在することにより阻害されていた低温定着性や帯電能力などを向上させるのに効果がある。
しかしながら前記有機樹脂微粒子を含んだトナーの樹脂粒子に対し、アルカリ性溶液で洗浄すると、前記樹脂粒子の濾過性が損なわれ、前記樹脂粒子の生産性が大幅に悪化する。
一方、樹脂粒子を凝集させ洗浄する工程を含むトナー粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法は、トナーの樹脂粒子を凝集させることにより洗浄効率を高める方法ではあるが、アルカリ性溶液を添加することにより損なわれたトナーの樹脂粒子の濾過性を改善することができるものではない。
したがって、有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子に対し、アルカリ性溶液による洗浄工程を施しても、樹脂粒子の生産性に優れた樹脂粒子の製造方法が求められている。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子に対し、アルカリ性溶液による洗浄工程を施しても、樹脂粒子の生産性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の樹脂粒子の製造方法は、少なくとも有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子を、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する洗浄工程を含む樹脂粒子の製造方法であって、
前記凝集剤が、三価の金属塩、及び無機系高分子凝集剤の少なくともいずれかであることを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子に対し、アルカリ性溶液による洗浄工程を施しても、樹脂粒子の生産性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
(樹脂粒子の製造方法)
本発明の樹脂粒子の製造方法は、少なくとも有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子を、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する洗浄工程を含む樹脂粒子の製造方法であって、
前記凝集剤が、三価の金属塩、及び無機系高分子凝集剤の少なくともいずれかである。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、樹脂粒子の生産性に優れている。
本発明では、水系媒体に有機樹脂微粒子を含有させる。有機樹脂微粒子を含有させることにより、樹脂粒子の形状(円形度、粒度分布など)を有効に制御することができる。有機樹脂微粒子を含まないと、乳化性が損なわれ、樹脂粒子の好適な造粒が困難となる。
有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子は、表面近傍に、有機樹脂微粒子が存在する。該有機樹脂微粒子は、アルカリ性溶液による洗浄により除去することができる。それにより、樹脂粒子の品質を向上させることができる。
アルカリ性溶液を添加した後は、濾過工程が施され、樹脂粒子からなる濾過ケーキを得るため濾液が濾されるが、アルカリ性溶液を添加すると、濾過性が悪くなり、濾過に時間がかかってしまう。その結果、前記樹脂粒子を得るのに長時間かかり、樹脂粒子の生産性が大幅に悪化する。
本発明者らは、その原因として、洗浄により、有機樹脂微粒子が解離し、電気的反発が強くなり、樹脂粒子の分散液の粘度が上昇することにより、樹脂粒子からなる濾過ケーキを得る際、濾過時間の遅延が引き起こされたのではないかと推測している。
そこで、本発明者らは、上記現象を抑制するために、凝集剤を使用して、樹脂粒子を凝集させたところ、アルカリ性溶液による洗浄工程を施しても、樹脂粒子の分散液の粘度上昇が起こらず、樹脂粒子の濾過性が損なわれず、洗浄工程での濾過時間の遅延が起こらず樹脂粒子の生産性に優れた樹脂粒子の製造方法が提供できることを確認した。
本発明における樹脂粒子は、適用分野としては特に制限はなく、化粧品用、光学材料用、トナーなど様々な分野に適用可能である。好ましい態様として、トナーが挙げられる。
<有機樹脂微粒子>
前記有機樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよく、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、前記有機樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。特にビニル系樹脂としては、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルからなる共重合体が好ましく用いられる。
前記有機樹脂微粒子は、重量平均粒径が20nm〜200nmのものであることが好ましい。
<洗浄工程>
前記洗浄工程は、凝集剤の存在下で、前記樹脂粒子をアルカリ性溶液により洗浄する。
また、本発明では、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する前記洗浄工程が、前記樹脂粒子に前記凝集剤を投与する前に、前記アルカリ性溶液を投与し、前記アルカリ性溶液による前洗浄処理を有していることが、より好ましい。
<<凝集剤>>
凝集剤を前記樹脂粒子の分散液中に存在させることにより、樹脂粒子を凝集させて、樹脂粒子の分散液の粘度の上昇を防ぐ。
前記凝集剤としては、三価の金属塩、及び無機系高分子凝集剤の少なくともいずれかが使用できる。
前記三価の金属塩としては、アルミニウム系金属塩、三価の鉄系金属塩などが挙げられ、中でも、三価の鉄系金属塩が好ましく、塩化第二鉄がより好ましい。
前記無機系高分子凝集剤としては、アルミニウム系高分子凝集剤、鉄系高分子凝集剤などが挙げられ、中でもポリ塩化アルミニウムやポリ硫酸第2鉄がより好ましい。
前記凝集剤の使用量としては、特に制限はなく、アルカリ性溶液の濃度や有機樹脂微粒子の含有量などを考慮し、適宜選択することができるが、アルカリ性溶液(0.15M)200gに対して、20mg〜100mg含有させるとよい。
<<アルカリ性溶液による洗浄>>
洗浄方法としては、アルカリ性溶液を用いる以外に特に制限はなく、例えば、遠心濾過法、フィルタープレス法を用いた洗浄方法を用いることができる。これらの洗浄方法を用いることにより、樹脂粒子の表面近傍に存在する有機樹脂微粒子や残存オリゴマー、残存活性剤など効果的に除去することができる。
例えばトナーにおいて、熱特性の高い有機樹脂微粒子が表面近傍に存在すると、低温定着性が損なわれたり、帯電能力が低下したりといった問題が生じるが、アルカリ性溶液の洗浄工程で有機樹脂微粒子を除去することにより、低温定着性や、帯電能力が向上したトナーが得られる。
前記アルカリ性溶液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液などが挙げられる。
アルカリ性溶液を含有する前記樹脂粒子の分散液のpHは、9〜13が好ましく、9〜11がより好ましい。
そこで、アルカリ性溶液のpHは、アルカリ性領域を示すものであれば目的に応じて、適宜選択して使用できるが、上記のようにアルカリ性溶液を含有する樹脂粒子の分散液のpHを9〜13とするためには、アルカリ性溶液のpHは、10〜14程度であるとよい。
<トナーの樹脂粒子の製造方法>
以下、樹脂粒子の好ましい態様として、トナーを例にとり本発明の製造方法をより詳しく説明する。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂成分を含むトナー構成成分を含有してなるトナー材料を、有機溶剤中に溶解乃至分散させて油相を調整し、該油相を水系媒体中で分散させ造粒させることによりトナー樹脂粒子を得、該トナー樹脂粒子を、前記凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する工程を含む。
このようなトナーの製造方法としては、公知の溶解懸濁法を用いることができ、この方法では、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶剤の除去、トナー樹脂粒子の洗浄を行う。
尚、トナー樹脂粒子を洗浄、乾燥した後、分級などの工程を経たトナー粒子に対し、更に外添剤を混合させてもよい。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。
<<トナー構成成分>>
トナーを構成する成分としては、少なくとも結着樹脂を含み、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<<<結着樹脂>>>
前記結着樹脂としては、後述する製造方法で使用する有機溶剤に溶解するものであれば、特に制限はなく、公知の樹脂の中から、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン単量体、アクリル単量体、メタクリル単量体等のビニル単量体の単独重合体、これらの単量体が2種類以上からなる共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−ビニル単量体−
前記スチレン単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フエニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン、又はその誘導体などが挙げられる。
前記アクリル単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アクリル酸、アクリル酸のエステル類などが挙げられる。
前記アクリル酸のエステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどが挙げられる。
前記メタクリル単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸のエステル類などが挙げられる。
前記メタクリル酸のエステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどが挙げられる。
前記ビニル単量体の単独重合体、又は共重合体を形成する他のモノマーの例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、以下の(1)〜(18)が挙げられる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類
(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類
(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類
(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類
(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類
(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類
(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物
(8)ビニルナフタリン類
(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等
(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸
(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物
(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル
(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和二塩基酸エステル
(14)クロトン酸、ケイヒ酸等のα、β−不飽和酸
(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物等のα、β−不飽和酸無水物
(16)該α、β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル等のカルボキシル基を有するモノマー
(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類
(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン等のヒドロキシ基を有するモノマー
前記結着樹脂の共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類などが挙げられる。
前記芳香族ジビニル化合物は、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどが挙げられる。
前記アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものなどが挙げられる。
前記エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、これらの化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものなどが挙げられる。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。
また、前記架橋剤として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)等のポリエステル型ジアクリレート類が挙げられる。
また、前記架橋剤として、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等の多官能の架橋剤が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部用いることが好ましく、0.03質量部〜5質量部用いることがより好ましい。
これらの架橋剤のうち、トナー用樹脂における定着性、耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好ましい。
これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
本発明で用いるビニル重合体又はビニル共重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロへキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2’,4’−ジメチル−4’−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジークミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−エトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロへキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチル−オキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシへキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレートなどが挙げられる。
前記結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂の場合、樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)に可溶分のゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により測定した分子量分布で、分子量3千〜5万(数平均分子量換算)の領域に少なくとも1つのピークが存在し、分子量10万以上の領域に少なくとも1つのピークが存在する樹脂が、定着性、オフセット性、保存性の点で好ましい。
また、THF可溶分としては、分子量分布100,000以下の成分が、50%〜90%となるような結着樹脂が好ましく、分子量5,000〜30,000の領域にメインピークを有する結着樹脂がより好ましく、5,000〜20,000の領域にメインピークを有する結着樹脂がさらに好ましい。
結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂等のビニル重合体のときの酸価としては、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gであることがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gであることがさらに好ましい。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル樹脂(ポリエステル系重合体)を構成するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルコール成分と、酸成分とからなることが好ましい。
前記アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
3価以上の多価アルコールや3価以上の酸を併用することにより、前記ポリエステル樹脂を架橋させることができるが、樹脂が有機溶剤に溶解することを妨げない範囲の使用量とする必要がある。
前記3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。
前記ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物などが挙げられる。
また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
前記結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合は、樹脂成分のTHF可溶成分の分子量分布で、分子量3,000〜50,000(数平均分子量換算)の領域に少なくとも1つのピークが存在するのが、トナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましい。また、THF可溶分の分子量100,000以下の成分が、60%〜100%となるような結着樹脂が、好ましく、更に、分子量5,000〜20,000の領域に少なくとも1つのピークが存在する結着樹脂がより好ましい。
前記結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、その酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gがより好ましく、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gがさらに好ましい。
本発明に係るトナーに使用できる結着樹脂としては、前記ビニル重合体成分及びポリエステル樹脂成分の少なくとも一つ中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。
ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。
ビニル重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、ポリエステル重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が、0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gである樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
本発明において、トナー組成物の結着樹脂成分の酸価は、基本操作は、JIS K−0070に準じ、以下の方法により求める。
(1)試料は、予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、前記結着樹脂及び前記架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。
試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。
例えば、トナーから前記結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300mLのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150mLを加え溶解する。
(3)0.1mol/Lの水酸化カリウム(KOH)のエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(mL)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(mL)とし、以下の式で算出する。ただしfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W
前記結着樹脂及び該結着樹脂を含むトナー組成物のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー保存性の観点から、35℃〜80℃が好ましく、40℃〜75℃がより好ましい。
前記ガラス転移温度(Tg)が、35℃より低いと高温雰囲気下でトナーが劣化しやすく、また定着時に発生しやすくなることがある。また、ガラス転移温度(Tg)が、80℃を超えると、定着性が低下することがある。
<<<その他の成分>>>
前記その他の成分としては、例えば、離型剤、着色剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下が好ましい。前記融点が、60℃未満であると、低温で離型剤が溶融しやすくなり、耐熱保存性が劣る場合がある。前記融点が、80℃を超えると、樹脂が溶融して定着温度領域にある場合でも、離型剤が充分溶融せずに定着オフセットを生じ、画像の欠損を生じる場合がある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部〜10質量部が好ましく、3質量部〜8質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部未満であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性に劣ることがあり、10質量部を超えると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりなどが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、非晶質ポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のもの中から適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−外添剤−
前記外添剤としては、酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は、1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ一次粒子の平均粒径が30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えば、チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
好適な外添剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子が挙げられる。シリカ微粒子としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル社製)などが挙げられる。また、チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業社製)、TAF−140(富士チタン工業社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ社製)、IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
疎水化処理された酸化物微粒子、疎水化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理されたチタニア微粒子、疎水化処理されたアルミナ微粒子は、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理すれば得られる。またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm以上70nm以下がより好ましい。3nmより小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また70nmより大きいと、感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記外添剤のシリカや酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<<水系媒体(水相)の調製>>
前記水系媒体の調製は、前記有機樹脂微粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。
有機樹脂微粒子としては、上述したとおりある。
前記有機樹脂微粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水系媒体100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部が好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
<<油相の調製>>
前記トナー材料を含有する油相の調製は、結着樹脂、必要に応じて帯電制御剤、離型剤、着色剤などを含む前述したトナー構成成分を含有するトナー材料を、有機溶剤中に溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶剤が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
<<乳化乃至分散>>
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、分散液を安定に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体相中に、トナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
前記水系媒体の使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母体粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。
<<有機溶剤の除去>>
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶剤を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶剤を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶剤を除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶剤が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
<<トナー樹脂粒子の洗浄>>
前記トナー樹脂粒子の洗浄方法としては、凝集剤の存在下、アルカリ性溶液で洗浄を行う。
尚、本発明では、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する前記洗浄工程が、前記凝集剤を投与するより先に予め前記アルカリ性溶液を前記トナー樹脂粒子に投与しておき、前記アルカリ性溶液による前洗浄処理を有しているとより好ましい。
具体的には、前記トナー樹脂粒子に先にアルカリ性溶液を投入し、1時間を目安に、一定時間経過した後、凝集剤を投入する。例えば、アルカリ性溶液を投入後、0.5時間〜1.5時間経過してから、凝集剤を投入する。そして、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液による洗浄(本洗浄ともいう)を行う。このように本洗浄の前に、凝集剤のない状態でアルカリ性溶液による前洗浄処理を行うのがより好ましい。
前洗浄処理を行わないで本洗浄のみ行うと、凝集剤により形成される凝集物(フロック)には、樹脂粒子表面に残存している有機樹脂微粒子が凝集剤と凝集することにより形成されるフロックの他、スラリー中に溶け出た有機微粒子と凝集剤とが凝集することにより形成されたフロック等も含まれていると推測されるが、前記前洗浄処理を行うことにより、スラリーに溶け出た有機樹脂微粒子をより効果的に取り除くことができると考えられる。前記洗浄工程が、前記前洗浄処理を有していると、フロックからのトナー母体粒子の取り出しの容易化が図られより好ましい。
アルカリ性溶液で洗浄を行うと、トナー粒子表面に存在する乳化剤、分散剤、イオン性不純物などを除去することができる。
前記凝集剤と、前記アルカリ性溶液については、上述したとおりである。
前記凝集剤を使用すると、樹脂粒子が凝集し、樹脂粒子の分散液の粘度上昇は起こらず、濾過時間の遅延なく濾過ケーキを得ることができる。樹脂粒子の濾過性は損なわれず、短時間で効率よく樹脂粒子を製造することができる。
<<混合>>
上記で得られたトナー母体粒子は、前記外添剤などの粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、前記トナー母体粒子の表面から前記外添剤の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
ガラス転移温度(Tg)は、DSCシステム(示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いて下記手順により測定した。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱(昇温2回目)した。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測した。
得られたDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度を求めた。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度を求めた。
<分子量の測定>
トナー又は樹脂の各構成成分の分子量は、以下の方法で測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:0.15質量%の試料を0.4mL注入
試料の前処理:トナー又は樹脂をテトラヒドロフランTHF(安定剤含有 和光純薬製)に0.15質量%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を100μL注入して測定した。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
下記実施例における各測定値は、上述した方法により測定した。なお、結着樹脂のTg、分子量は、製造例で得られた各樹脂から測定した。
<結着樹脂の合成>
窒素導入管、脱水管、撹拌機及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物とがモル比(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物)で60/40であり、テレフタル酸とアジピン酸とがモル比(テレフタル酸/アジピン酸)で97/3であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.3となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[ポリエステル樹脂]を得た。
この樹脂の重量平均分子量(Mw)は5,300、Tgは67℃であった。
<離型剤分散液の作製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に離型剤としてパラフィンワックス(日本精鑞株式会社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)30g、及び酢酸エチル120gを仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行ない[WAX分散液]を得た。
<マスターバッチ(MB)の合成>
水100g、及び着色剤としてカーボンブラック(Printex35、デクサ社製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕4g、及び着色剤分散樹脂として前記[ポリエステル樹脂]6gを混合撹拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、[マスターバッチ]を調整した。
<油相の調製>
[WAX分散液]240g、[ポリエステル樹脂]440g、[マスターバッチ]50g、酢酸エチル380gを容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で7,000rpmで60分間混合し、[油相]を得た。
<有機樹脂微粒子分散液の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水168g、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業株式会社製)4g、スチレン34g、メタクリル酸34g、及び過硫酸アンモニウム2gを仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液8g加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[有機樹脂微粒子分散液]を得た。
<水相の調製>
水1400g、前記[有機樹脂微粒子分散液]100g、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)260g、及び酢酸エチル140gを混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相]とした。
<乳化・脱溶剤>
[油相]1,110gが入った容器に、[水相]1,890gを加え、TKホモミキサーで、回転数8,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー]を投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、[トナー粒子分散スラリー]を得た。
(実施例1)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに、200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%の塩化第二鉄(多木化学株式会社、塩化第二鉄)水溶液0.5gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(10.8)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ1]を得た。[ケーキ1]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。その後、濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で48時間乾燥させ、目開き25μmのメッシュで篩い[トナー母体粒子1]を得た。
上記吸引濾過試験、及び上記貫通洗浄試験の評価方法、及び基準は、以下のとおりである。評価結果を表1に示す。
<アルカリ洗浄後の吸引濾過試験>
ビフネルロートAF−4(アズワン)、ろ過びん1L(SIBATA)、FILTER PAPER 131 100CIRCLES 110mm(ADVANTEC)を用いて、得られたスラリー200gを100mbarにて吸引濾過を行い、濾過開始から水が捌けるまでの時間を濾過時間とし、下記基準にて濾過性を評価した。
−評価基準−
◎:100秒未満
○:100秒から115秒未満
△:115秒から130秒未満
×:130秒以上
<貫通洗浄試験>
吸引濾過試験終了後のケーキに、イオン交換水200gを加え再び吸引濾過を行い、濾過開始から水が捌けるまでの時間を貫通洗浄時間とし、下記基準にて濾過性を評価した。
−評価基準−
◎:250秒未満
○:250秒から300秒未満
△:300秒から350秒未満
×:350秒以上
(実施例2)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに、200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%のポリ塩化アルミニウム(多木化学株式会社、PAC)水溶液0.5gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(10.5)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ2]を得た。[ケーキ2]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子2]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例3−1)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20gと0.3質量%の硫酸アルミニウム(多木化学株式会社、硫酸アルミニウム)水溶液2gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(11.0)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ3−1]を得た。[ケーキ3−1]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子3−1]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例3−2)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%の硫酸アルミニウム(多木化学株式会社、硫酸アルミニウム)水溶液0.5gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(11.0)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ3−2]を得た。[ケーキ3−2]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子3−2]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例4−1)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20gと0.3質量%のポリ硫酸第2鉄(多木化学株式会社、ダンパワー)水溶液2gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(10.3)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ4−1]を得た。[ケーキ4−1]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子4−1]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例4−2)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%のポリ硫酸第2鉄(多木化学株式会社、ダンパワー)水溶液0.5gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(10.3)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ4−2]を得た。[ケーキ4−2]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子4−2]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%の塩化第二鉄(多木化学株式会社、ダンパワー)水溶液1gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(9.3)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ5]を得た。[ケーキ5]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子5]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに、200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%のポリ塩化アルミニウム(多木化学株式会社、PAC)水溶液1gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(9.5)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ6]を得た。[ケーキ6]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子6]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例7)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%の硫酸アルミニウム(多木化学株式会社、硫酸アルミニウム)水溶液1gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(9.0)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ7]を得た。[ケーキ7]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子7]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例8)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%のポリ硫酸第2鉄(多木化学株式会社、ダンパワー)水溶液1gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(9.3)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[ケーキ8]を得た。[ケーキ8]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子8]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(11.8)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過を行い[比較ケーキ1]を得た。[比較ケーキ1]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子1]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例2−1)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20gと塩化第一鉄20mg投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(10.9)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過を行い[比較ケーキ2−1]を得た。[比較ケーキ2−1]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子2−1]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例2−2)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、塩化第一鉄20mg投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(10.9)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過を行い[比較ケーキ2−2]を得た。[比較ケーキ2−2]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子2−2]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例3−1)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20gと0.3質量%有機高分子凝集剤(多木化学株式会社、タキフロックA−133)を2g投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(11.0)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過を行い[比較ケーキ3−1]を得た。[比較ケーキ3−1]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子3−1]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例3−2)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%有機高分子凝集剤(多木化学株式会社、タキフロックA−133)を0.2g投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(11.0)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過を行い[比較ケーキ3−2]を得た。[比較ケーキ3−2]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子3−2]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに、200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%のポリ塩化アルミニウム(多木化学株式会社、PAC)水溶液2.5gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(7.1)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[比較ケーキ4]を得た。[比較ケーキ4]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子4]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
前記[トナー粒子分散スラリー]200gに200gのイオン交換水を投入後、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を20g投入し1時間後、10質量%の塩化第二鉄(多木化学株式会社、ダンパワー)水溶液2.5gを投入した。その時のトナー粒子の分散液のpHは(7.3)であった。TKホモミキサーで混合(回転数8,000rpmで60分間)した後、131(110mm)のろ紙で100mbarにて吸引濾過試験を行い[比較ケーキ5]を得た。[比較ケーキ5]にイオン交換水200gを投入し、100mbarにて吸引濾過し貫通洗浄試験を行った。
その後、実施例1と同様にして、[比較トナー母体粒子5]を得た。
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016000799
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子を、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する洗浄工程を含む樹脂粒子の製造方法であって、
前記凝集剤が、三価の金属塩、及び無機系高分子凝集剤の少なくともいずれかであることを特徴とする樹脂粒子の製造方法である。
<2> 凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する前記洗浄工程が、前記樹脂粒子に前記凝集剤を投与する前に、前記アルカリ性溶液を投与し、前記アルカリ性溶液による前洗浄処理を有する前記<1>に記載の樹脂粒子の製造方法である。
<3> 前記三価の金属塩が、鉄系の金属塩である前記<1>から<2>のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法である。
<4> 前記無機系高分子凝集剤が、鉄系またはアルミニウム系である前記<1>から<3>のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法である。
<5> 前記洗浄工程において、前記凝集剤と前記アルカリ性溶液とを含有し、前記樹脂粒子が分散された分散液のpHが、9〜13である前記<1>から<4>のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法である。
<6> 前記分散液のpHが、9〜11である前記<5>に記載の樹脂粒子の製造方法である。
特開2007−233030号公報 特開2010−113112号公報 特開2009−036904号公報

Claims (6)

  1. 少なくとも有機樹脂微粒子を含む水系媒体中で乳化分散させ得られた樹脂粒子を、凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する洗浄工程を含む樹脂粒子の製造方法であって、
    前記凝集剤が、三価の金属塩、及び無機系高分子凝集剤の少なくともいずれかであることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 凝集剤の存在下でアルカリ性溶液により洗浄する前記洗浄工程が、前記樹脂粒子に前記凝集剤を投与する前に、前記アルカリ性溶液を投与し、前記アルカリ性溶液による前洗浄処理を有する請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記三価の金属塩が、鉄系の金属塩である請求項1から2のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記無機系高分子凝集剤が、鉄系またはアルミニウム系である請求項1から3のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記洗浄工程において、前記凝集剤と前記アルカリ性溶液とを含有し、前記樹脂粒子が分散された分散液のpHが、9〜13である請求項1から4のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 前記分散液のpHが、9〜11である請求項5に記載の樹脂粒子の製造方法。
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