JP2015536818A - フィルタ膜用支持装置およびフィルタ膜用円盤状多孔性支持要素 - Google Patents

Abstract

フィルタ膜用の本発明の支持装置は、基礎支持およびフィルタ膜用円盤状多孔性支持要素を含む。円盤状多孔性支持要素は、円盤状多孔性支持要素の下側が支持平面において支持されるように、ドレインを備える流体連結における、基礎支持の台座部において着脱可能に受け入れられる。円盤状多孔性支持要素の下側は、あるエリアにおいて支持されず、支持されないエリアは、基礎支持の台座部におけるスペースに隣接し、該スペースは、下側での支持されないエリアの実質的に範囲内の位置での、円盤状多孔性支持要素の上側への力、好ましくは垂直の力または下方に方向づけられた分力の作用によって、円盤状多孔性支持要素がスペースの中に旋回／傾斜し、それが簡単につかまれ、取り除かれ得るように、力が作用する位置から対角の反対側で支持平面の上に持ち上がるように位置づけられ、寸法決めされる。あるいは、フィルタ膜用の本発明の円盤状多孔性支持要素は、支持平面から広がり、かつ、類似のやり方において、実質的に凹みの範囲内の位置での上側への力の作用によって、円盤状多孔性支持要素が旋回／傾斜し、支持平面から持ち上がるように位置づけられ、寸法決めされるエリアに渡って広がる、凹みを提供される下側を有する。

Description

本発明は、生物医薬品、病院、食品および飲料産業の分野に関連し、具体的には、これらの分野における濾過プロセスで用いられ、微生物分析をもたらす液体サンプルを濾過するためのフィルタ膜用支持装置およびフィルタ膜用多孔性支持要素に関する。

流体から任意の微生物を回収するために、かかる流体をフィルタ膜を通して濾過することを目的に、流体、好ましくは液体サンプルの、サンプリングおよび分析を実行するための、使い捨てまたは再使用可能な、様々なタイプの装置が知られている。これらの方法のために最も一般的に用いられるフィルタ膜は、標準サイズ化された、すなわち直径４７ｍｍの、定義された孔サイズを有する円形のフィルタ膜である。

かかるフィルタ膜と共に使用する一般的な支持装置は、EP-A-0463897に記載されている。この装置は、図１に示され、双方がフィルタ膜２を支持する、円形の中央セクション３および中央セクション３を囲むリング状の周辺セクション４を備えた支持ヘッド１を含む。支持の中央セクション３は、膜２を通過した液体サンプルが排出できるように多孔性に作られ、プラスチック、金属またはガラスであり得る、リムーバブルディスクの形状（form）である。本発明の用語および文脈において、中央セクション３は、「フィルタ膜用多孔性支持装置」といわれ、該装置は、支持装置における濾過操作の間、膜を支持することに供される。中央支持３は、周辺支持セクション４の内側に配置される。中央セクション３の中央およびその下、すなわち流体連結において、ドレイン１０は、適切なチャネルを通して排出するために提供され、膜を通過した液体サンプルの液体を送管する。

支持はまた、支持の軸に平行な軸を備え、一端１２はレバーのアーム１４で停止し、その他端はその外周付近の中央支持セクション３の底面と同一平面に配置される、指状プランジャ１１を包含する。プランジャは、プランジャ１１の一端１２が、ばね１７のバイアス力に対する軸方向で上方への動きを引き起こし、中央セクション３の傾斜およびフィルタ膜２の端の取り外しをもたらすように停止する、反対側のレバー１４のアームを押し下げることによる傾斜の動作とともに、中央支持セクション３をその台座および周辺支持セクション４から分離させるために、軸方向に動かし得る。そして多孔性の中央支持セクション３は、鉗子１８によってまたは手によって支持装置から取り除かれ得る。

テスト結果を最大限に保証するために、濾過支持装置、特に多孔性の部分を頻繁に浄化する必要がある。
先行技術の支持装置は、比較的に複雑で、機械的に相互に接続した多数の可動部分を包含するため、装置全体を操作することが難しく、多くの隙間および裂け目（gaps and crevices）の点から見て浄化することが難しく、例えば１６で、環境に対してプランジャ１１を流密に（fluid-tight）密閉することが要求され、そして高価である。

本発明は、多孔性支持要素をかかる支持装置から取り除くための、および、浄化または消毒が簡単で、より費用がかからず、しかし取り扱うのにより頑丈な支持装置を提供するための、よりシンプルな解決策を提供することを目指す。

その問題を解決するために、本発明は、請求項１で定義されているようなフィルタ膜用支持装置および請求項９で定義されているようなフィルタ膜用円盤状多孔性支持要素を提供する。支持装置および円盤状多孔性支持要素の好ましい形態は、それぞれの従属項で定義されている。

本発明のフィルタ膜用の支持装置は、基礎支持およびフィルタ膜用円盤状多孔性支持要素を含み、ここで円盤状多孔性支持膜は、円盤状多孔性支持要素の下側が支持平面において支持されるように、ドレインとの流体連結において基礎支持の台座部で着脱可能に受け入れられる。本発明によると、円盤状多孔性支持要素の下側は、あるエリアでは支持されず、その支持されないエリアは、基礎支持の台座部におけるスペースに隣接し、該スペースは、下側で支持されないエリアの実質的に（substantially）範囲内の位置での円盤状多孔性支持要素の上側への力の作用、好ましくは垂直の力または下方に方向づけられた分力（force component）によって、円盤状多孔性支持要素がスペースの中へと旋回／傾斜し、および、力が作用する位置から対角の反対側で支持平面の上に持ち上がるように、位置づけられ、寸法決めされる。

本発明によると、多孔性支持要素の旋回／傾斜を容易にするための構造的な特徴は、基礎支持において形成される。代替的に、かかる基礎支持の台座部において着脱可能に受け入れられるように意図された、本発明のフィルタ用の円盤状多孔性支持要素は、膜を支持するための上側、および、支持平面を定義する１または２以上の支持部（単数または複数）を備えた下側を有する。下側には、支持平面から伸び、あるエリアに及ぶ凹みが提供され、該エリアは、実質的に凹みの範囲内の位置での上側への力の作用によって、円盤状多孔性支持要素が旋回／傾斜し、支持平面から持ち上がるように位置づけられ、寸法決めされる。

本発明のこの円盤状多孔性支持要素は、レバーおよびプランジャを包含する複雑な持ち上げ機構が不要になるように、例えば、EP-A-0463897との関連で上述したような支持装置との組み合わせで使用され得る。本発明の円盤状多孔性支持要素の使用は、基礎支持の凹んだ（recessed）台座部を有する任意の支持装置を備えることで有利になり得り、なぜならば、多孔性要素が任意の具体的な持ち上げ機構なしに、および、任意の追加のツールなしに、または先行技術による特定のデバイスにおいて採用された解決策でもある、支持装置をひっくり返すことなしに、より簡単に取り除かれ得るためである。
ゆえに、本発明の支持装置は、清潔にし、維持することがより簡単であり、より少ない費用で製造され得る。多孔性部分は、非常に短い時間で、片手または鉗子を用いることによって、凹んだ台座から取り出され得る。取り除きは、使用者の左手または右手の好みに依存しない。

本発明の基本的なアイデアは、支持要素の特定のゾーン（zone）が支持されないように、基礎支持の台座部において、または、円盤状多孔性支持要素自体の一部分に提供される、自由空間（free space）において、円盤状多孔性支持要素自体をレバーのように機能する状態にすることである。支持されないゾーンは、実質的に支持されないエリアの範囲における上側への力の作用によって、多孔性支持要素の旋回／傾斜を引き起こし、それによって力の作用ゾーンの近くにある自由空間の中に突っ込み、その位置から実質的に対角の反対側で支持平面の上に持ち上がるように、好ましくは円盤状多孔性支持要素の外周にリング状で位置づけられ、寸法決めされる。この傾斜した状態で、多孔性支持要素は、簡単に指または鉗子でつかまれ、支持装置から取り除かれ得る。

台座部の支持平面から凹みの中へのトランジション（transition）は、多孔性支持要素の傾斜の動きを導くために丸められ得る。
それによって、傾斜の動きは、よりスムーズに、かつ、よりコントロールされた状態にされ得る。
円盤状多孔性支持要素の上側は、力が作用することになる位置のためのガイダンスとして役立つように、支持されないエリアの範囲内で視覚的および／または構造的にマークされ得る。
支持平面は、複数の相隔たる台座点を含む不連続の台座面によって、または、実質的に連続の台座面によって、定義され得る。
台座面は、周辺と台座面の中央との間でリング状の突起（protrusion）になり得、または、かかる幾何学的なエリア内に配列された複数の、より小さな突起を含み得る。

上面図において見るとき、円盤状多孔性支持要素は、円形、正方形、三角形、六角形または不規則な形になり得る。
リング状の突起が支持平面を定義するために使われる場合、チャネル（channels）は、外周と、台座部の中央またはその近くに位置づけられるであろうドレインとの間の流体接続（fluid connection）を提供するために、リング状の突起を通して伸びるように提供され得る。
かかるチャネルは、下側で、台座部および／または円盤状多孔性支持要素自体に提供され得る。
本発明は、円盤状多孔性支持要素を、支持装置の基礎支持の凹んだ台座部から、片手の操作であっても拾い上げ、取り除くことを可能にする。

以下においては、本発明の支持装置および円盤状多孔性支持要素の様々な形態が、添付された図面の参照によって記載される。
先行技術のフィルタ膜用支持装置を示す。 本発明による、支持要素を傾斜させるための運動学的概念を説明する。 本発明の円盤状多孔性支持要素を備えた、支持装置の基礎支持セクションを示す。 図３の円盤状多孔性支持要素の詳細を示す。 本発明の円盤状多孔性支持要素の、支持状況の一例の詳細を示す。 標準の円盤状多孔性支持要素と組み合わせた使用のための、支持装置の基礎支持の修正されたバージョンを示す。 本発明の支持装置のさらなる形態の、基礎支持の台座部の上面図を示す。 本発明の円盤状多孔性支持要素の修正された形態を示す。 本発明の円盤状多孔性支持要素の図８において示される支持要素と比較してなるに修正されたバージョンを示す。

図３に示されるようなフィルタ膜用の支持装置の多孔性支持は、例えば先行技術文献EP-A-0463897に関連して上記で開示および記載されたように、本質的には技術的に知られているものである。しかしながら、円盤状多孔性支持要素３は、本発明に従って作られ、かつ、それは操作の間に膜を支持するための平らな上側、および、支持平面を定義する１または２以上の支持部（単数または複数）を備える下側を備えた、円形の円盤状多孔性体である。

引き延ばされた長方形である断面（例えば図６において示されるように）を有する円盤状多孔性支持要素の先行技術の構造から逸脱して、本発明は、１または２以上の支持部（単数または複数）３ｃが保持されるように、例えば、支持要素の外周にある、リング状の凹みが提供される下側を教示する。図４に示されるように、平らな円形の表面から、または、安定的な支持が可能だとすると、さらなる減少した支持表面になり得る下側の支持部分（単数または複数）から、凹みへのトランジション３ａは、図４に示されるように丸められ、多孔性支持要素が旋回／傾斜し、反対側で支持平面から持ち上がることを引き起こす実質的に凹みの範囲内の、３ｂの位置で力Ｆが上側に作用するときに、多孔性支持要素の傾斜の動きを導く。

凹みのサイズと位置次第で、様々な位置が力の作用にとってふさわしいかもしれない。一見すると、凹みがより大きく、位置がより外方になるほど、支持要素を傾斜させるためのレバーアーム（lever arm）はより大きく、要求される力Ｆはより小さくなる。支持要素を旋回／傾斜させるための運動学的概念は、図２において明示されている。ゆえに、凹みの提供に起因する支持されないエリアは、半径方向外周から、安定的な水平の支持状態を提供することが可能な支持要素の下側の中心に向けて、実質的に内方に伸び得る。さらに、凹みの深さは、求められる持ち上げの高さＨ次第で決められることになる。図４は、外周の端部にあるリング状の凹みが選択される場合における、多孔性支持要素の下側にある支持されないエリア、および、力の作用のための対応する上側でのゾーンを示す。

図５は、支持平面における円盤の実際の接触エリアが、例えば、操作においてフィルタ膜および円盤支持を通過した流体の流れを容易にするために、基礎支持におけるドレインと連結する追加の自由容積（free volume）６が支持要素３の下に提供される場合、比較的に狭いリング状のゾーン５のみに減少し得ることを示す。実際の実践において、接触エリアは、それでも安定的な水平の支持状態を提供し得る、本質的に３つの相隔たる点だけに減少し得る。

図６は、実質的に長方形の断面図を備え、上述のような専用の傾斜した凹みがない、一般的な円盤状多孔性支持要素３が使用される本発明の概念の修正を開示する。この修正において、多孔性支持要素の下側は、支持されないエリアの実質的に範囲内の位置において、多孔性支持要素の上側、好ましくは外周への力の作用が、多孔性支持要素のスペース７への旋回／傾斜、および、その位置から対角の反対側での支持平面の上への持ち上がりを同様に引き起こすように、同様に位置づけられ、寸法決めされた基礎支持の台座部におけるスペースの隣のエリアにおいて、支持されない。

この形態において、支持平面は、複数の相隔たる台座点または台座部８ａを包含する不連続の台座面によって、または、連続した台座面８ｂによって、定義され、それは円盤状多孔性支持要素の外周にあるリング状の支持されないエリアとなる。
台座面は、図６に示されるように、外周とその中心との間にある、台座部のリング状の突起８ｂ上に位置づけられてもよい。リング状の突起を通して、外周の凹みと中央ドレイン１０との間に流体連結を提供するために、チャネル９が、図７に示されるように提供され得る。図には示されないが、台座部の支持平面から基礎支持における凹みへのトランジションは、凹みの中への支持要素の傾斜の動きを導くために、図４との関連で説明されるように丸められ得る。そして、旋回点は、図６に示されるような、むしろ旋回表面であり、点または線ではない。

図８および９は、凹みが、支持要素の外周でリング状であり、および、凹みが、外周から中央に向けて半径方向に間隔があくリング状または円形のゾーンの範囲内の連続の突起１８ｂまたは不連続の突起１８ａの結果である、円盤状多孔性支持要素の２つの代替的な形態を示す。この場合、さらなる凹みはより中央部において形成され、この凹みは、多孔性支持を通過した流体のドレイニング（draining）を容易にする。図９に示されるように、複数の、規則的または不規則に相隔たる突起１８ａが、リング状または円形のゾーン内に配列される場合、外部の周辺の凹みと中央部との間の連結チャネルが、同時に提供される。

Claims (15)

1. 基礎支持およびフィルタ膜用円盤状多孔性支持要素を含む、フィルタ膜用支持装置であって、
   ここで、フィルタ膜用円盤状多孔性支持要素は、円盤状多孔性支持要素の下側が支持平面において支持されるように、ドレインを備える流体連結において基礎支持の台座部で着脱可能に受け入れられており、
   ここで、円盤状多孔性支持要素の下側は、あるエリアにおいて支持されておらず、支持されていないエリアは、基礎支持の台座部におけるスペースに隣接し、該スペースは、実質的に支持されていないエリアの範囲内の位置での円盤状多孔性支持要素の上側への力の作用によって、円盤状多孔性支持要素がスペースの中へと旋回／傾斜し、および、該位置から対角の反対側で支持平面の上に持ち上がるように位置づけられ、寸法決めされる、前記フィルタ膜用支持装置。
2. 支持平面が、複数の相隔たる台座点または台座部を包含する不連続の台座面によって、または、連続の台座面によって定義される、請求項１に記載のフィルタ膜用支持装置。
3. 台座面が、台座部の外周とその中央との間のリング状の突起上に位置づけられる、請求項２に記載のフィルタ膜用支持装置。
4. ドレインが、基礎支持の支持部の中央に、または中央の近くにあり、かつ、チャネルが、外周とドレインとの間に流体接続を提供するように、リング状の突起を通して伸びるように提供される、請求項３に記載のフィルタ膜用支持装置。
5. 支持されないエリアが、円盤状多孔性支持要素の外周でリング状である、請求項１〜４のいずれか一項に記載のフィルタ膜用支持装置。
6. 台座部での支持平面から凹みへのトランジションが、円盤状多孔性支持要素の凹みの中への傾斜の動きを導くために丸められる、請求項１〜５のいずれか一項に記載のフィルタ膜用支持装置。
7. 上面図において見るとき、円盤状多孔性支持要素が、円形、正方形、三角形、六角形または不規則な形である、請求項１〜６のいずれか一項に記載のフィルタ膜用支持装置。
8. 円盤状多孔性支持要素の上側および／または基礎支持が、力の作用の位置のためのガイダンスとして役立つように、支持されないエリアの範囲内で視覚的および／または構造的にマークされる、請求項１〜７のいずれか一項に記載のフィルタ膜用支持装置。
9. 基礎支持の台座部において着脱可能に受け入れられるように意図されたフィルタ膜用円盤状多孔性支持要素であって、円盤状多孔性支持要素が、膜を支持するための上側、および、支持平面を定義する１または２以上の支持部（単数または複数）を備える下側を有し、
   ここで、
   該下側は、支持平面から伸び、かつ、凹みの範囲内の位置での上側への力の作用によって円盤状多孔性支持要素が旋回／傾斜し、支持平面から持ち上がるように位置づけられ、寸法決めされたエリアに渡って伸びる凹みが提供される、
   前記フィルタ膜用円盤状多孔性支持要素。
10. 凹みが、円盤状多孔性支持要素の外周でリング状である、請求項９に記載の円盤状多孔性支持要素。
11. 凹みが、支持部を構成する複数の突起の間で定義される、請求項９に記載の円盤状多孔性支持要素。
12. 支持部を構成する突起が、円盤状多孔性支持要素の外周から中央に向けて半径方向に間隔があくリング状または円形のゾーン内に配列される、請求項１１に記載の円盤状多孔性支持要素。
13. 下側での支持部（単数または複数）から凹みへのトランジションが、円盤状多孔性支持要素の傾斜の動きを導くように丸められる、請求項９〜１２のいずれか一項に記載の円盤状多孔性支持要素。
14. 上面図において見るとき、円盤状多孔性支持要素が、円形、正方形、三角形、六角形または不規則な形である、請求項１０〜１３のいずれか一項に記載の円盤状多孔性支持要素。
15. 円盤状多孔性支持要素の上側が、力の作用の位置のためのガイダンスとして役立つように、凹みの範囲内で視覚的および／または構造的にマークされる、請求項１０〜１４のいずれか一項に記載の円盤状多孔性支持要素。