JP3204034U - 被滅菌物収納容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】取手としての機能を損なうことなく、しかも防水性袋の取り出し時に邪魔となることがない取手を備えた、被滅菌物収納容器を提供すること。【解決手段】縦型高圧蒸気滅菌器で使用する被滅菌物収納容器10において、多数の孔を有する有底円筒形状の容器本体11と、該容器本体の上端部に装着された取手12とからなり、取手12は、容器本体11の上端部の直径位置に相当する中心からズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点15,15を中心として回動し、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体11の上端面に当接することにより停止し、他方の回動方向に回動させた場合には容器本体11の側壁13外面に当接することにより停止する略半円弧状の棒体16で形成されている。【選択図】図2
Description
本考案は、縦型高圧蒸気滅菌器で使用される被滅菌物収納容器に関するものである。
縦型高圧蒸気滅菌器は、上方が開口したチャンバを有している。そして、籠状の被滅菌物収納容器に被滅菌物を収納し、その収納容器を上記チャンバ内に装填し、チャンバの開口を蓋によって閉じ、該チャンバ内に高圧蒸気を発生させ、該高圧蒸気で被滅菌物の滅菌処理を行なうものである。
このような縦型高圧蒸気滅菌器において、籠状の被滅菌物収納容器内に被滅菌物を直接収容して滅菌作業を行なうと、被滅菌物、例えばシャーレ,マイクロプレート,フラスコ,ピペットチップ,採血シリンジ等に付着した培養基,血液等が高圧の加熱蒸気により煮沸溶解され、籠状の被滅菌物収納容器の孔を通って外部に流出し、チャンバの底面に設けられたドレン孔あるいは側面に設けられた空気抜き孔、安全弁のための孔等を塞ぐ虞があった。
そこで、被滅菌物を、高密度ポリエチレン製などの防水性袋に入れ、それを収納容器に入れた状態で滅菌処理を行ない、流出した培養基,血液等を該防水性袋内に溜めて、それらが収納容器の孔を介してチャンバ内に流出するのを防止することがなされていた。また、このように防水性袋を籠状の被滅菌物収納容器にセットして研究所の片隅などに置いておけば、該被滅菌物収納容器を、被滅菌物を入れるダストボックスとしてそのまま使用することができ、また、このような使用時において、臭い等の拡散を抑えるための蓋も用意されていた。
ここで、従来において一般的に使用されていた被滅菌物収納容器50は、図7に示したように、側壁及び底面が多孔の有底円筒形状の容器本体51と、該容器本体51の上端部に装着された取手52から成るもので、前記取手52は、容器本体51の上端部の直径位置に相当する中心対称位置の内面側に設けられた2カ所の支点53,53を中心として回動し、容器本体51の上端面に当接することにより停止する半円弧状の棒体54で形成されていた。また、防水性袋が破れた場合などを考慮し、被滅菌物の付着物の流出を防ぐ目的で、上記有底円筒形状の容器本体を下方部の側壁及び底面を無孔のものとした被滅菌物収納容器も存在する(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記したような被滅菌物収納容器では、被滅菌物の滅菌処理が終了し、該被滅菌物収納容器50から被滅菌物を防水性袋60ごと取り出そうとした際、図8に示したように、取手52が防水性袋60の側部に喰い込む方向に回動して邪魔をし、防水性袋60をスムースに容器50から取り出すことができないことが頻繁に発生していた。
本考案は、上述した背景技術が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、取手としての機能を損なうことなく、しかも防水性袋の取り出し時に邪魔となることがない取手を備えた、被滅菌物収納容器を提案することにある。
上記した目的を達成するため、本考案は、次の[1]〜[4]に記載した被滅菌物収納容器とした。
[1] 被滅菌物を被滅菌物収納容器内に収納し、該被滅菌物収納容器を機器本体に形成したチャンバの上方開口からチャンバ内に装填し、上記チャンバ内に高圧蒸気を充満させて、上記被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器で使用する上記被滅菌物収納容器において、多数の孔を有する有底円筒形状の容器本体と、該容器本体の上端部に装着された取手とからなり、前記取手は、容器本体の上端部の直径位置に相当する中心からズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心として回動し、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体の上端面に当接することにより停止し、他方の回動方向に回動させた場合には容器本体の側壁外面に当接することにより停止する略半円弧状の棒体で形成されていることを特徴とする、被滅菌物収納容器。
[2] 上記取手である略半円弧状の棒体が、中央部分に直線部を有することを特徴とする、上記[1]に記載の被滅菌物収納容器。
[3] 上記容器本体が、側壁の周方向の一部及び下方部、そして底面が無孔であることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の被滅菌物収納容器。
[4] 上記取手が、上記容器本体の無孔に形成された側壁の周方向の一部に対して逆方向にズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心とし回動し、かつその回動方向が無孔に形成された側壁の周方向の一部に対して垂直方向に回動するように容器本体の上端部に装着されていることを特徴とする、上記[3]に記載の被滅菌物収納容器。
[1] 被滅菌物を被滅菌物収納容器内に収納し、該被滅菌物収納容器を機器本体に形成したチャンバの上方開口からチャンバ内に装填し、上記チャンバ内に高圧蒸気を充満させて、上記被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器で使用する上記被滅菌物収納容器において、多数の孔を有する有底円筒形状の容器本体と、該容器本体の上端部に装着された取手とからなり、前記取手は、容器本体の上端部の直径位置に相当する中心からズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心として回動し、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体の上端面に当接することにより停止し、他方の回動方向に回動させた場合には容器本体の側壁外面に当接することにより停止する略半円弧状の棒体で形成されていることを特徴とする、被滅菌物収納容器。
[2] 上記取手である略半円弧状の棒体が、中央部分に直線部を有することを特徴とする、上記[1]に記載の被滅菌物収納容器。
[3] 上記容器本体が、側壁の周方向の一部及び下方部、そして底面が無孔であることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の被滅菌物収納容器。
[4] 上記取手が、上記容器本体の無孔に形成された側壁の周方向の一部に対して逆方向にズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心とし回動し、かつその回動方向が無孔に形成された側壁の周方向の一部に対して垂直方向に回動するように容器本体の上端部に装着されていることを特徴とする、上記[3]に記載の被滅菌物収納容器。
上記した本考案に係る被滅菌物収納容器によれば、取手は、容器本体の上端部の偏心した位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心として回動し、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体の上端面に当接することにより停止し、他方の回動方向に回動させた場合には容器本体の側壁外面に当接することにより停止する略半円弧状の棒体で形成されているので、該被滅菌物収納容器に入れた防水性袋の取り出し時において、略半円弧状の棒体からなる取手を、容器本体の側壁外面に当接することにより停止する方向に回動させておけば、該取手が邪魔となることがなく、スムースに防水性袋を取り出すことができるものとなる。また、縦型高圧蒸気滅菌器に入れた場合には、略半円弧状の棒体からなる取手を、容器本体の上端部に当接することにより停止する方向に回動させておけば、該取手を利用して被滅菌物収納容器を滅菌器のチャンバから容易に引き出すことができ、取手としての機能が何ら損なわれることがない。
以下、上記した本考案に係る被滅菌物収納容器の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
縦型高圧蒸気滅菌器1は、図1に示したように、機器本体2にチャンバ3を有しており、該チャンバ3は、上方に開口4を有している。そして、チャンバ3の底面にはドレン孔5が形成され、側面には空気抜き孔6等が形成されている。また、チャンバ3の底部には簀の子7が配設され、該簀の子7の下方にはヒータ8が配置されている。また、機器本体2の上部に開閉蓋9を備えている。
そして、籠状の被滅菌物収納容器10に、防水性袋20に入れた状態の被滅菌物Aを収納し、その収納容器10を上記縦型高圧蒸気滅菌器1のチャンバ3内に装填し、チャンバ3の開口4を開閉蓋9によって閉じ、該チャンバ3内にヒータ8によって高圧蒸気を発生させ、該高圧蒸気で収納した被滅菌物Aの滅菌処理を行なう。
上記縦型高圧蒸気滅菌器1で使用されている被滅菌物収納容器10は、図2に示したように、多数の孔を有する有底円筒形状の容器本体11と、該容器本体11の上端部に装着された取手12とから構成され、これらの容器本体11及び取手12は、ステンレススチール,アルミニウム,合成樹脂等の錆難い材料により形成されている。
容器本体11は、側壁13の周方向の一部13a及び下方部13b、そして底面14が無孔に形成されている。無孔に形成されている側壁13の周方向の一部13aの範囲は、図3に示した角度αで、70〜170度の範囲の側壁部分が好ましく、80〜150度の範囲の側壁部分が更に好ましい。図示した実施形態においては、120度の範囲の側壁部分13aが無孔に形成されている。また無孔に形成されている側壁13の下方部13bの範囲は、容器本体の高さHの1/7〜3/7の高さの範囲の下方部が好ましく、1/5〜2/5の高さの範囲の下方部が更に好ましい。図示した実施形態においては、容器本体の高さHの1/3の高さの下方部13bが無孔に形成されている。このように容器本体の側壁13の周方向の一部13a及び下方部13b、そして底面14を無孔に形成することにより、被滅菌物A、例えばシャーレ,マイクロプレート,フラスコ,ピペットチップ,採血シリンジ等から流出した培養基,血液などの汚水を底部に溜めることができ、また、横に倒すことにより無孔の側壁部分13aを樋のように利用して底部に溜めた汚水をスムースに排出することができる。
容器本体11の上端部に装着された取手12は、容器本体11の上端部の直径位置に相当する中心からズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点15,15を中心として回動し、図3に示したように、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体11の上端面に当接することにより停止し、図4に示したように、他方の回動方向に回動させた場合には容器本体11の側壁外面に当接することにより停止する略半円弧状の棒体16で形成されている。支点15,15の位置の偏心量は、図4に示した距離βで、容器本体の半径Rの1/20〜2/5の距離の偏心量であることが好ましく、1/10〜2/7の距離の偏心量であることが更に好ましい。図示した実施形態においては、容器本体11の上端部の直径位置に相当する中心から1/7の距離ズレた位置に装着されている。
また、取手12は、中央部分に直線部16aを有する略半円弧状の棒体16に形成されている。これにより取手12として持ち易いものとなると共に、図3に示したように、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体11の上端面に直線部16aが当接して確実に停止するものとなり、また図4に示したように、他方の回動方向に回動させた場合に容器本体11の側壁外面に直線部16aが当接し、その両側部に側壁との間に隙間が形成された状態で停止し、該隙間を利用して該取手12を操作し易いものとなる。
更に、取手12は、上記容器本体11の無孔に形成された側壁の周方向の一部13aに対して逆方向にズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点15,15を中心とし回動し、かつその回動方向が無孔に形成された側壁の周方向の一部13aに対して垂直方向に回動するように容器本体11の上端部に装着されている。このように取手12を設けることにより、図5に示したように、容器本体11を横に倒して無孔の側壁部分13aを樋のように利用して底部に溜めた汚水を排出する際、取手12と容器本体11との間隙が広く、取手12が持ち易いものとなり、またその排出作業が容易なものとなる。
上記のように構成された本考案に係る被滅菌物収納容器10は、図1に示したように、該被滅菌物収納容器10に、防水性袋20に入れた状態の被滅菌物Aを収納し、その収納容器10を縦型高圧蒸気滅菌器1のチャンバ3内に装填し、収納した被滅菌物Aの滅菌処理が行われる。この際、略半円弧状の棒体16からなる取手12を、図示したように容器本体11の上端部に当接することにより停止する方向に回動させておけば、滅菌処理後において該取手12を利用して収納容器10を縦型高圧蒸気滅菌器1のチャンバ3内から容易に引き出すことができ、取手12としての機能を十分に果たすものとなる。
また、被滅菌物Aの滅菌処理後において、該被滅菌物収納容器10から被滅菌物Aを防水性袋20ごと取り出す際には、図6に示したように、略半円弧状の棒体16からなる取手12を、容器本体11の側壁外面に当接することにより停止する方向に回動させておけば、該取手12が邪魔となることがなく、スムースに防水性袋20を取り出すことができるものとなる。
以上、本考案に係る被滅菌物収納容器の実施形態を説明したが、本考案は、何ら既述の実施形態に限定されるものではなく、種々の異なる態様で実施することは可能であることは当然である。
本考案に係る被滅菌物収納容器は、被滅菌物を収納し、機器本体に形成したチャンバの上方開口からチャンバ内に装填し、上記チャンバ内に高圧蒸気を充満させて、上記被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器で使用する被滅菌物収納容器として、好適に利用することができる。
1 縦型高圧蒸気滅菌器
2 機器本体
3 チャンバ
4 開口
5 ドレン孔
6 空気抜き孔
7 簀の子
8 ヒータ
9 開閉蓋
10 被滅菌物収納容器
11 容器本体
12 取手
13 側壁
13a 無孔に形成されている側壁の周方向の一部
13b 無孔に形成されている側壁の下方部
14 無孔に形成されている底面
15 支点
16 略半円弧状の棒体
16a 直線部
20 防水性袋
A 被滅菌物
2 機器本体
3 チャンバ
4 開口
5 ドレン孔
6 空気抜き孔
7 簀の子
8 ヒータ
9 開閉蓋
10 被滅菌物収納容器
11 容器本体
12 取手
13 側壁
13a 無孔に形成されている側壁の周方向の一部
13b 無孔に形成されている側壁の下方部
14 無孔に形成されている底面
15 支点
16 略半円弧状の棒体
16a 直線部
20 防水性袋
A 被滅菌物
Claims (4)
- 被滅菌物を被滅菌物収納容器内に収納し、該被滅菌物収納容器を機器本体に形成したチャンバの上方開口からチャンバ内に装填し、上記チャンバ内に高圧蒸気を充満させて、上記被滅菌物の滅菌処理を行なう縦型高圧蒸気滅菌器で使用する上記被滅菌物収納容器において、多数の孔を有する有底円筒形状の容器本体と、該容器本体の上端部に装着された取手とからなり、前記取手は、容器本体の上端部の直径位置に相当する中心からズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心として回動し、一方の回動方向に回動させた場合に容器本体の上端面に当接することにより停止し、他方の回動方向に回動させた場合には容器本体の側壁外面に当接することにより停止する略半円弧状の棒体で形成されていることを特徴とする、被滅菌物収納容器。
- 上記取手である略半円弧状の棒体が、中央部分に直線部を有することを特徴とする、請求項1に記載の被滅菌物収納容器。
- 上記容器本体が、側壁の周方向の一部及び下方部、そして底面が無孔であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の被滅菌物収納容器。
- 上記取手が、上記容器本体の無孔に形成された側壁の周方向の一部に対して逆方向にズレた位置の外面側に設けられた2カ所の支点を中心とし回動し、かつその回動方向が無孔に形成された側壁の周方向の一部に対して垂直方向に回動するように容器本体の上端部に装着されていることを特徴とする、請求項3に記載の被滅菌物収納容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016000753U JP3204034U (ja) | 2016-02-19 | 2016-02-19 | 被滅菌物収納容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016000753U JP3204034U (ja) | 2016-02-19 | 2016-02-19 | 被滅菌物収納容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3204034U true JP3204034U (ja) | 2016-05-12 |
Family
ID=55952016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016000753U Active JP3204034U (ja) | 2016-02-19 | 2016-02-19 | 被滅菌物収納容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3204034U (ja) |
-
2016
- 2016-02-19 JP JP2016000753U patent/JP3204034U/ja active Active
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