JP3217343U - 蒸気滅菌器用廃棄物収納容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】培地が分離されていない合成樹脂製シャーレを蒸気滅菌器で滅菌処理するための容器であって、滅菌処理後にシャーレと培地由来の液体が自動的に分離され、かつ蒸気滅菌器およびその周辺が汚れない蒸気滅菌器用廃棄物収納容器を提供する。
【解決手段】側面と下面は有孔な材料で形成された略柱状体形状の籠2と、籠2の外形より大きい内形を有し籠2の少なくとも下部分の一部を収容する略柱状体形状のバケツ3と、バケツ3内に籠2を収容するときバケツ3の縦方向中心線と籠2の縦方向中心線をほぼ一致させる籠センタリング部材4と、バケツ3内に籠2を収容したときバケツ3の底面内側と籠2の底面外側の間に空間を形成するための籠支持部材5を備える。
【選択図】図1
【解決手段】側面と下面は有孔な材料で形成された略柱状体形状の籠2と、籠2の外形より大きい内形を有し籠2の少なくとも下部分の一部を収容する略柱状体形状のバケツ3と、バケツ3内に籠2を収容するときバケツ3の縦方向中心線と籠2の縦方向中心線をほぼ一致させる籠センタリング部材4と、バケツ3内に籠2を収容したときバケツ3の底面内側と籠2の底面外側の間に空間を形成するための籠支持部材5を備える。
【選択図】図1
Description
本考案は、特に合成樹脂製の容器と含水廃棄物を含む廃棄物を蒸気滅菌器内で滅菌処理する際に、上記廃棄物を収容する蒸気滅菌器用廃棄物収納容器に関する。具体的には、例えば、合成樹脂製シャーレと、該シャーレ内に入れられた微生物を培養した培地等とを同時に滅菌処理するために収容し、蒸気滅菌器に運び、蒸気滅菌器内で滅菌処理して滅菌処理したものを廃棄するために好適に使われる、蒸気滅菌器用廃棄物収納容器に関するものである。
特許文献1には、上部分が有孔で下部分が無孔である縦型高圧蒸気滅菌器用容器を提案している。その提案による容器の実施例において、「滅菌処理の後にすぐに廃棄するものについては、直接その容器内に収容せず、例えば、高密度ポリエチレンにより製造したバッグに被滅菌物を収納し、その状態でその容器に入れ、その容器を蒸気滅菌器に容れて滅菌処理する。」ことが記載されている。
また、特許文献2には、上部分の一部が有孔で下部分が無孔である縦型高圧蒸気滅菌器用容器を提案している。その提案による実施の形態の段落「0020」において、「被滅菌物収容容器に、防水性袋に入れた状態の被滅菌物を収納し、その収納容器を縦型高圧蒸気滅菌器のチャンバ内に装着し、収納した被滅菌物の滅菌処理が行われる。」と記載されている。また段落「0021」において、「被滅菌物の滅菌処理後において、該被滅菌物収容容器から被滅菌物を防水性袋ごと取り出す。」と記載されている。
このように微生物等を培養したシャーレおよび培地を廃棄する前に、それらを特殊な袋(いわゆる滅菌袋)に収容し、それを蒸気滅菌器内に運び、そこで滅菌処理することが従来から行われている。
以下は、某大学生物学科の「微生物学実習テキスト」の冒頭の「はじめに」の章の抜粋である。
1.実習の目的
・・・省略・・・
2.全般的な注意
(1)本実習では病原性のある微生物は扱わないが、病原性のある微生物を扱うとして実験を行う。他の実習と異なり、感染事故や環境汚染を起こさないよう特別な注意が必要である。・・・中略・・・
(2)無菌状態の器具とそうでない器具を常に区別し把握しておく。
(3)実験が終了したら、使用した全ての菌は必ずオートクレーブ滅菌をしてから捨てる。オートクレーブ滅菌ができない器具類に、菌が少量付着しているときは、まず消毒液で殺菌した後に洗浄する。
・・・中略・・・
(9)実験終了後、培養した寒天培地(プラスチックシャーレ)は専用の袋に入れ、袋を開けた状態でオートクレーブ滅菌する。寒天が固まる前に、熱いので注意して下に穴を開け、寒天を回収する。寒天は指定した袋に入れ生ごみとして捨てる。残ったプラスチックシャーレは燃えるゴミとして捨てる。オートクレーブ後に溶けた寒天を流しに捨てると冷えて固まり排水管が詰まる。培養した液体培地はオートクレーブ滅菌を行い、流しに捨てる。汚染したものを拭き取った紙類は全てオートクレーブしてから捨てる。
注意!病原性の有無に関わらず、培養した培地は、滅菌しないで捨ててはいけない。
・・・後略(引用終了)
1.実習の目的
・・・省略・・・
2.全般的な注意
(1)本実習では病原性のある微生物は扱わないが、病原性のある微生物を扱うとして実験を行う。他の実習と異なり、感染事故や環境汚染を起こさないよう特別な注意が必要である。・・・中略・・・
(2)無菌状態の器具とそうでない器具を常に区別し把握しておく。
(3)実験が終了したら、使用した全ての菌は必ずオートクレーブ滅菌をしてから捨てる。オートクレーブ滅菌ができない器具類に、菌が少量付着しているときは、まず消毒液で殺菌した後に洗浄する。
・・・中略・・・
(9)実験終了後、培養した寒天培地(プラスチックシャーレ)は専用の袋に入れ、袋を開けた状態でオートクレーブ滅菌する。寒天が固まる前に、熱いので注意して下に穴を開け、寒天を回収する。寒天は指定した袋に入れ生ごみとして捨てる。残ったプラスチックシャーレは燃えるゴミとして捨てる。オートクレーブ後に溶けた寒天を流しに捨てると冷えて固まり排水管が詰まる。培養した液体培地はオートクレーブ滅菌を行い、流しに捨てる。汚染したものを拭き取った紙類は全てオートクレーブしてから捨てる。
注意!病原性の有無に関わらず、培養した培地は、滅菌しないで捨ててはいけない。
・・・後略(引用終了)
オートクレーブ(蒸気滅菌器)とは、簡単に言えば圧力釜である。普通、円筒形の缶体を持ち、上端に蓋があり、蓋には排気口、温度計、圧力計を備える。底には排水バルブがある。底の排水バルブを閉めた状態で、これにまず水を入れ、その上に専用の籠に入れた培地などの試料を入れ、蓋を閉じて固定する。次に上の排気口を開け、加熱していくと、当初は排気口から空気が出てくるが、次第に湯気が噴き出すようになる。そこから内部に水蒸気が充満する頃合いを見計らって排気口を閉じる。その後温度と圧力に注意しながら加熱を続け、時間を見て加熱を止め、内容が十分に冷えた後に取り出す。加熱は電気ヒータによるのが普通である。蒸気滅菌器で滅菌処理を適正な温度・圧力で行うためには、内部が飽和水蒸気で満たされている必要があり、空気が大量に残っていると圧力の上昇が遅くなって滅菌が正しく行われない。このため、加熱初期には釜に取り付けられたバルブが開いた状態で空気を逃がし、90℃を超える頃に自動的にバルブが閉じて釜が密閉され、温度と圧力が上がる仕組みになっている。
シャーレの中の培地で微生物を培養した後、廃棄する前に蒸気滅菌器にいれて滅菌処理を行うが、この際、特許文献1と特許文献2の従来技術では、シャーレ(シャーレの蓋を含む)と使用済の培地を特殊な袋に入れ、その袋を多孔の滅菌器用容器に入れて蒸気滅菌器内に収納し、そこで高温高圧を所定時間だけ維持して滅菌処理を行う。しかし、袋に入れられているので蒸気の通りが良くなく、被処理物の温度上昇に長い時間が必要であるという問題があった。また滅菌処理の後、袋からそれらの被処理物を出して廃棄するという手間が面倒であった。
上記某大学生物学科の「微生物学実習テキスト」の抜粋に記載されているように、プラスチックの袋の中に培地がついた複数のシャーレを入れ、それを蒸気滅菌器に中に入れて滅菌処理し、蒸気滅菌器の温度と圧力を下げた後、袋を蒸気滅菌器から取りだし、袋の下部分に穴を開け寒天等の培地を流出させて、シャーレと培地を分離するのであるが、袋に穴を開け液体化した培地を取り出すという作業を行う際、袋は未だ熱いので作業が困難であるという問題があった。また、もっと簡便に滅菌処理済シャーレと滅菌処理済み培地を分離する装置が望まれていた。
本考案は、上述した背景技術が有する課題に鑑みなされたものであり、特に培地が分離されていない合成樹脂製シャーレを蒸気滅菌器で滅菌処理するための容器であって、滅菌処理後にシャーレと培地由来の液体が自動的に分離され、かつ蒸気滅菌器およびその周辺が汚れない容器を提案することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本考案は、次の〔1〕〜〔5〕に記載した蒸気滅菌器用廃棄物収納容器とした。
〔1〕廃棄物を蒸気滅菌器内で滅菌処理する際に使用する蒸気滅菌器用廃棄物収納容器であって、側面と下面は有孔な材料で形成された略柱状体形状の籠と、上記籠の外形より大きい内形を有し上記籠の少なくとも下部分の一部を収容する略柱状体形状のバケツと、上記バケツ内に上記籠を収容するとき上記バケツの縦方向中心線と上記籠の縦方向中心線をほぼ一致させる籠センタリング部材と、上記バケツ内に上記籠を収容したとき上記バケツの底面内側と上記籠の底面外側の間に空間を形成するための籠支持部材を備えることを特徴とする、蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔2〕上記籠センタリング部材が、上記バケツの上縁の内面部に等間隔を開けて内向きに形成されている複数の突起、あるいは、上記籠の下縁の外面部に等間隔を開けて外向きに形成されている複数の突起であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔3〕上記籠支持部材が、略円環状の水平な環状部と、上記環状部から下方向に延在する複数の脚部から形成された五徳形状のものであることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔4〕上記籠センタリング部材と上記籠支持部材とが、一体に形成された部材であり、かつ、上記バケツの上縁の内面部に等間隔を開けて内向きに突設された複数の部材であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔5〕上記廃棄物が、合成樹脂製シャーレと、該シャーレ内に入れられた微生物培養用培地であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔1〕廃棄物を蒸気滅菌器内で滅菌処理する際に使用する蒸気滅菌器用廃棄物収納容器であって、側面と下面は有孔な材料で形成された略柱状体形状の籠と、上記籠の外形より大きい内形を有し上記籠の少なくとも下部分の一部を収容する略柱状体形状のバケツと、上記バケツ内に上記籠を収容するとき上記バケツの縦方向中心線と上記籠の縦方向中心線をほぼ一致させる籠センタリング部材と、上記バケツ内に上記籠を収容したとき上記バケツの底面内側と上記籠の底面外側の間に空間を形成するための籠支持部材を備えることを特徴とする、蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔2〕上記籠センタリング部材が、上記バケツの上縁の内面部に等間隔を開けて内向きに形成されている複数の突起、あるいは、上記籠の下縁の外面部に等間隔を開けて外向きに形成されている複数の突起であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔3〕上記籠支持部材が、略円環状の水平な環状部と、上記環状部から下方向に延在する複数の脚部から形成された五徳形状のものであることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔4〕上記籠センタリング部材と上記籠支持部材とが、一体に形成された部材であり、かつ、上記バケツの上縁の内面部に等間隔を開けて内向きに突設された複数の部材であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
〔5〕上記廃棄物が、合成樹脂製シャーレと、該シャーレ内に入れられた微生物培養用培地であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
上記した本考案に係る蒸気滅菌器用廃棄物収納容器は、例えば、培地がついたシャーレ等の合成樹脂製の容器と含水廃棄物を含む廃棄物を該容器に入れて蒸気滅菌器で滅菌処理すると、シャーレと培地由来の液体が自動的に分離され、それぞれの廃棄が容易なものとなる。また、滅菌袋を使用する必要がなく、蒸気が被処理物の隅々まで行き届き、滅菌効率が向上すると共に被処理物の減容化が可能となる利点がある。
以下、上記した本考案に係る蒸気滅菌器用廃棄物収納容器の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、蒸気滅菌器10内に収容された本考案の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1の一つの実施形態を示した概念的な断面図である。図示した蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1は、側面と下面は有孔金属板で形成された略円筒形状の籠2と、上記籠2の外形より大きい内径を有し、かつ上記籠2の少なくとも下部分の一部を収容する略円筒形のバケツ3とを備え、上記籠2の内部に滅菌処理される被処理物Mを収容した状態で蒸気滅菌器10内に収容される。
なお、上記籠2の形状は略円筒形に限られず、底面が多角形で鉛直な中心線を持つ略多角形柱であってもよい。
なお、上記籠2の形状は略円筒形に限られず、底面が多角形で鉛直な中心線を持つ略多角形柱であってもよい。
蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1を収容した状態で蒸気滅菌器10の蓋11は気密に閉じられ、高圧に耐えるようにロック部材12でロックされる。ロックされた後、加熱手段13によって蒸気滅菌器10内は加熱される。加熱手段は電力加熱を使うことができる。加熱により水蒸気が発生するが、蒸気滅菌器10は所定の排気時間後に気密に閉じられているので蒸気滅菌器1の内部は高温高圧の状態となる。この高温高圧状態を所定時間維持することにより、蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1内に入れられた被処理物Mの滅菌処理が行われる。
図2は、微生物培養をした寒天等からなる培地Bと、該培地Bを収容しているシャーレSと、シャーレの蓋Hを示した概念的な斜視図である。図2では、培地Bの表面には微生物の痕跡が残っている。微生物培養を行った後、廃棄する前に、これら全てを滅菌処理しなければならない。滅菌処理するために、培地B、蓋を開けた状態のシャーレS、シャーレの蓋Hの全てが、袋に入れられることなく、本考案の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1を構成する籠2の中にランダムに収容される。図3は、これらのシャーレS、シャーレの蓋H、培地B等の被処理物Mが、籠2に収容された状態を示す概念的な斜視図である。これらが収容された籠2は取っ手2aにより持ち上げられ、バケツ3の中に運ばれる。
上記籠2は、酸および塩基に対して耐腐食性を有し、かつ蒸気滅菌器10内の温度・圧力等に耐える材料、例えばステンレス鋼で形成することが好ましい。また、籠2は、有孔な材料、例えばパンチングにより多数の孔が形成された材料、網目構造を有する材料等で形成することが可能である。有孔材料で籠2を作る理由は、有孔であれば、蒸気滅菌器10内の高温高圧状態の水蒸気が籠2の中に入り込んで被処理物Mの温度を速やかに上昇させることができるとともに、被処理物Mから発生した液体、例えばシャーレSに入れられた培地Bが高温高圧下で溶けて液体となったものを籠2から外部に流出させることができる。この目的のため、籠2の側面と底面はともに有孔な材料で形成されている。形成する孔の孔径は、培地等に依存するが、一般的には0.5〜10mm程度が好ましい。
図4は、バケツ3の一実施形態を示した概念的な斜視図である。バケツ3も、酸および塩基に対して耐腐食性を有し、かつ蒸気滅菌器10内の温度・圧力等に耐える材料で形成することが好ましい。バケツ3は、その上に配置される上記した籠2から流れ落ちてくる液体を収容するための物である。それ故、側面および底面に孔は形成されていない。
また、図4に示した実施形態に係るバケツ3にあっては、籠センタリング部材としての突起4がバケツの上面の開口の周縁に等間隔を開けて4個形成されている。上記した側面と下面は有孔金属板で形成された略円筒形状の籠2が、該籠2の外形より大きい内径を有する略円筒形のバケツ3の中に収容される際、この突起4によりセンタリングがなされ、籠2の中心線とバケツ3の中心線が一致する。この結果、籠2の側面外側とバケツ3の側面内側に間に均等な隙間G1が形成される(図1参照)。この隙間G1が無ければ籠2の側面とバケツ3とが接触することとなり、その接触部において籠2から流出した液体はバケツ3によって捕捉されることなく、バケツ3の外方に流れ出し、液だれの原因となる。
図5は、本考案の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1の一実施形態の全体を示した概念的な斜視図である。この実施形態の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1では、上記バケツ3の中に上記籠2を入れる前に、籠支持部材5をバケツ3の中に置き、その上に籠2を置く。この結果、籠2の底面外側とバケツ3の底面内側の間に隙間G2が形成される(図1参照)。この隙間G2が無ければ籠2の底面はバケツ3と接触し、籠2から流出した液体をバケツ3内に貯めることができない。この実施形態では、籠支持部材5は、略円環状の水平な環状部5aと、上記環状部から下方向に延在する複数の脚部5bから形成された五徳形状のものに形成されている。
上記構成の本考案に係る蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1に被処理物Mを入れた状態で、蒸気滅菌器10に該容器1を収納し、蒸気滅菌器10を作動させる。すると、容器1に入れられた被処理物Mは、高温高圧蒸気に曝されることにより滅菌処理されるとともに、原材料が合成樹脂であるシャーレSとシャーレの蓋Hは溶融してその形状が変化し、また培地Bは液体となってシャーレSから流れ出す。溶融・変形した多数のシャーレSとシャーレの蓋Hはくっ付いて塊SHとなり、溶けた培地Bは籠2の孔から外部に流出する。図6は、溶けたシャーレとシャーレの蓋が塊SHとなって籠2の中に残り、溶けて籠から流出した培地Bがバケツ3に捕捉される状態を概念的に示している。
蒸気滅菌器10による滅菌操作が終わり、蒸気滅菌器の温度を下げてから、籠2を取っ手2aを用いてバケツ3から取り出す。籠2の中では、溶けたシャーレSとシャーレの蓋Hとが一体の塊SHとなって固化している。図7は、籠2から取り出した塊SHの一例を概念的に示した図である。図7から分かるように、溶融した後に固化したものなので、専有実効体積は滅菌処理前に比較して減少しており、廃棄物の減容化が図れる。これを籠2から取り出し、所定の方法、例えば燃えるゴミとして廃棄する。
一方、寒天などの培地Bは、滅菌処理で液体になり籠2の孔を通過して下のバケツ3に溜まっている。そのため、バケツ3を取っ手3aを用いて蒸気滅菌器10から取り出し、溜まった該液体状の培地Bをバケツから袋に移し、所定の方法、例えば生ごみとして廃棄する。
図8は、本考案の他の実施形態の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器1の概念的側面図である。この実施形態では、バケツ3の側面内側上縁付近にバケツ内部側に突き出した棚状の複数の金具20がほぼ等間隔に固定されている。この金具20は、図5の実施形態における、籠センタリング部材である突起4の機能と、五徳形状の籠支持部材5の機能とを合わせ持つものである。この金具20の上に、バケツ4より小さい籠3を載置することにより、籠3の中心線とバケツ4の中心線が自動的に一致し、籠3の側面外側とバケツ4の側面内側の間に隙間G1が形成され、かつ、籠3の底面外側とバケツ4の底面内側の間に間隔G2が自動的に形成される。
この実施形態においても、籠2の中で液体になった培地Bは籠2の孔を通ってバケツ3の中に流れ込み、溶融したシャーレSとシャーレの蓋Hは籠2の中で塊SHとなって固化するので、先の実施形態に係る容器1と同様に、液体状の培地Bと、固体状のシャーレやシャーレの蓋等の塊SHとを分離した状態で容易に廃棄することができる。
この実施形態においても、籠2の中で液体になった培地Bは籠2の孔を通ってバケツ3の中に流れ込み、溶融したシャーレSとシャーレの蓋Hは籠2の中で塊SHとなって固化するので、先の実施形態に係る容器1と同様に、液体状の培地Bと、固体状のシャーレやシャーレの蓋等の塊SHとを分離した状態で容易に廃棄することができる。
以上、本考案に係る蒸気滅菌器用廃棄物収納容器の実施形態を説明したが、本考案は、既述の実施形態に何ら限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
本考案に係る蒸気滅菌器用廃棄物収納容器は、合成樹脂製シャーレと、該シャーレ内に入れられた微生物を培養した培地等とを同時に滅菌処理するために収容し、蒸気滅菌器に運び、蒸気滅菌器内で滅菌処理して滅菌処理したものを廃棄するために好適に使用することができる。
1 蒸気滅菌器用廃棄物収納容器
2 籠
2a 取っ手
3 バケツ
3a 取っ手
4 籠センタリング部材(突起)
5 籠支持部材
5a 環状部
5b 脚部
10 蒸気滅菌器
11 蓋
12 ロック部材
13 加熱手段
M 被処理物
S シャーレ
H シャーレの蓋
B 培地
SH 塊
G1,G2 隙間
2 籠
2a 取っ手
3 バケツ
3a 取っ手
4 籠センタリング部材(突起)
5 籠支持部材
5a 環状部
5b 脚部
10 蒸気滅菌器
11 蓋
12 ロック部材
13 加熱手段
M 被処理物
S シャーレ
H シャーレの蓋
B 培地
SH 塊
G1,G2 隙間
Claims (5)
- 廃棄物を蒸気滅菌器内で滅菌処理する際に使用する蒸気滅菌器用廃棄物収納容器であって、側面と下面は有孔な材料で形成された略柱状体形状の籠と、上記籠の外形より大きい内形を有し上記籠の少なくとも下部分の一部を収容する略柱状体形状のバケツと、上記バケツ内に上記籠を収容するとき上記バケツの縦方向中心線と上記籠の縦方向中心線をほぼ一致させる籠センタリング部材と、上記バケツ内に上記籠を収容したとき上記バケツの底面内側と上記籠の底面外側の間に空間を形成するための籠支持部材を備えることを特徴とする、蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
- 上記籠センタリング部材が、上記バケツの上縁の内面部に等間隔を開けて内向きに形成されている複数の突起、あるいは、上記籠の下縁の外面部に等間隔を開けて外向きに形成されている複数の突起であることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
- 上記籠支持部材が、略円環状の水平な環状部と、上記環状部から下方向に延在する複数の脚部から形成された五徳形状のものであることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
- 上記籠センタリング部材と上記籠支持部材とが、一体に形成された部材であり、かつ上記バケツの上縁の内面部に等間隔を開けて内向きに突設された複数の部材であることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
- 上記廃棄物が、合成樹脂製シャーレと、該シャーレ内に入れられた微生物培養用培地であることを特徴とする、請求項1に記載の蒸気滅菌器用廃棄物収納容器。
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CN111153048A (zh) * | 2020-02-19 | 2020-05-15 | 福州市仓山区伟超日用品有限公司 | 一种餐具灭菌存储箱 |
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2018
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110152044A (zh) * | 2019-05-31 | 2019-08-23 | 中国科学院水生生物研究所 | 一种用于高压蒸汽灭菌器的多功能筐 |
CN110152044B (zh) * | 2019-05-31 | 2024-05-31 | 中国科学院水生生物研究所 | 一种用于高压蒸汽灭菌器的多功能筐 |
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CN111153048B (zh) * | 2020-02-19 | 2020-11-27 | 山东瑞谱检测技术有限公司 | 一种餐具灭菌存储箱 |
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