JP2015536389A - フィラメントを、またそのフィラメントから不織布を、製造するための、マルチゾーン紡糸口金、器具および方法 - Google Patents

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ディアス・デ・レオン・イスキエルド・セルジオ・ラファエル
アラバート・マルサウ・バルガッロ
ストリート・ジョン・アーサー
ステファン・ジョン・エフ
ムーディ・ラルフ・エイ
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Abstract

より均一なフィラメントおよび布構造を有する繊維性不織布用のフィラメントを製造すると共に、そのフィラメントから作られたウェブおよび布におけるフィラメントの破損およびハードスポット欠陥を最小限に抑える、紡糸口金、器具、および方法が提供される。紡糸口金の紡糸口金本体は、少なくとも3%の、全体的な長さ対水力直径比率、および/もしくは少なくとも2%の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有することができ、かつ/または、水力直径、長さ、および長さ対水力直径比率は、クロスフロークエンチまたは片側空のクエンチに適用され得る、毛細管の少なくとも3つの異なるゾーンについて、ゾーン間で次第に増減することができる。

Description

開示の内容
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2012年10月16日出願の米国特許出願第13/652,740号の優先権による利益を主張するものであり、その出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
〔発明の分野〕
本発明は、より均一なフィラメントおよび布構造を有する繊維性不織布用のフィラメントを製造すると共に、そのフィラメントから作られたウェブおよび布におけるフィラメントの破損およびハードスポット欠陥(hard spot defects)を最小限に抑える、紡糸口金、器具、および方法に関する。
〔背景〕
合成有機ポリマーからのフィラメントの溶融紡糸では、ポリマーは、紡糸口金(もしくはスピナレット(spinnerette))の複数の穴を通じて紡糸ポンプまたは何らかの他の装置を用いて、下方に押し出され、溶融フィラメントが形成される。押し出された溶融フィラメントは、空気などの流体の流れがフィラメントの経路を横切って通過してフィラメントを冷却もしくは凝固させるクエンチゾーンを通過する間に、細くなる(attenuated)。引っ張る力を加えることで、フィラメントは、それらの表面が凝固されるまで、細くなって、微細なフィラメントになる。凝固されると、フィラメントは、収集表面上に置かれて、ウェブを形成することができる。ポリマーフィラメントの溶融紡糸に使用されるビーム(Beams)は、典型的には、毛細管を含む紡糸口金を備え、毛細管は、均一に離間しており、紡糸口金の毛細管のアレイ全体にわたって同様の出口直径および同様の長さを有する。紡糸口金における毛細管レイアウトおよび毛細管寸法のこれらの均一なデザインのいくつかのこれまでの変形については、以下で論じる。
米国特許第4,248,581号(「'581号特許」)には、紡糸口金における穴の配列を決定するプロセスが開示されている。'581号特許は、穴間の間隔以外、いかなる穴寸法の変形も開示していないようである。
米国特許第4,514,350号(「'350号特許」)には、高いポリマー押出し速度で、良好な複屈折(すなわち、分子配向)均一性を有する、溶融紡糸フィラメントを製造するのに使用される「段階的な穴サイズ」(GOS)を有する、紡糸口金が示されている。'350号特許は、紡糸口金の異なる形状の毛細管の異なるグループにおいて長さ対水力直径比率(length to hydraulic diameter ratio)の変化をもたらすことにも、紡糸口金における毛細管の任意の2つまたは3つ以上の異なる隣接したグループの、長さ対水力直径比率の変化にも、関連しておらず、これらのパラメータが、紡糸口金、フィラメント、および布の性能に影響を及ぼし得ることも示していない。
米国特許第5,266,255号(「'255号特許」)には、隣接する列の穴より大きい直径を有する少なくとも1列の穴を有する紡糸口金を用いることで、高い複屈折の糸を製造するために、ポリエチレンテレフタレートの糸を高応力紡糸するプロセスが示されている。'255号特許は、直径以外の任意の穴寸法の変形を開示していないようである。
米国特許第5,112,550号(「'550号特許」)では、超微細繊維を製造するプロセスおよび器具が示され、これは、クエンチ方向および、クエンチ方向に対して直角の方向に向かって延びる格子パターンで配列されたノズル穴を有する紡糸口金を使用し、この配列は、その特許に記載されるある式を満たすように設けられる。しかしながら、'550号特許は、異なる直径もしくは長さ、またはそれらの異なる比率を有する、穴(例えば毛細管)を開示していないようである。
本発明者らは、より高い全体的ポリマースループットに適応し、かつ均一なフィラメントを製造すると共に、フィラメントの破損ならびに不織ウェブおよび不織布のハードスポット欠陥を最小限に抑えることのできる、さまざまな寸法の毛細管のさまざまな組み合わせを有する複数のゾーンを備えた紡糸口金が必要とされていることを認識している。
〔概要〕
ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金が提供され、この紡糸口金は、紡糸口金本体を含み、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、かつ紡糸口金本体を通って延びる穴を画定しており、穴は毛細管を備え、毛細管は、ポリマーフィラメントを紡糸口金本体の面から押し出すために、紡糸口金本体の面で開口し、毛細管は、紡糸口金本体の面において、複数の異なる列に配列され、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、複数の異なるゾーンはそれぞれ、毛細管密度を有し、複数のゾーンそれぞれにおける各毛細管は、特定の毛細管長さ、断面形状、水力直径、および長さ対水力直径比率を有する。水力直径は、所与のゾーンの毛細管の断面積と断面形状の周長とを参照して本明細書に定められる式を用いた、計算値である。本発明の紡糸口金の紡糸口金本体は、紡糸口金本体の面において、示されたゾーンのうち少なくとも3つを有する。本発明の紡糸口金の紡糸口金本体はそれぞれ、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率(zone-to-zone length to hydraulic diameter ratios)を有する。本発明の紡糸口金は、商業的スループット(commercial throughputs)でのフロストライン変動を減らすことができ、これにより、概して、繊維および不織布の均一性が改善され、フィラメントの破損および、布に欠陥を生じ得る融合フィラメントのような、欠陥の発生を増加させずに、より高い製造スループットが可能となる。
一実施形態では、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体は、少なくとも3%、またはそれより高い範囲値の、全体的な長さ対水力直径比率を有する。この実施形態では、紡糸口金本体は、1つまたは複数のクエンチガス排出口に対して異なる相対的近接性を有する、複数の異なる毛細管ゾーンを提供する。紡糸口金本体は、複数の異なるゾーン、例えば少なくとも2つ、もしくは3つ、もしくは4つ、もしくは5つ、もしくは6つ以上のゾーンが、異なる長さ対水力直径比率を有するように設計され、全てのゾーンのこれらのさまざまな比率値間の最大差は、少なくとも3%以上となる。この設計は、フロストライン変動およびそれに伴う問題を軽減すると共に、単一の均一なデザインの毛細管スループットを使用する紡糸口金本体として、改良されるかもしくは少なくとも同等な商業的スループットを提供することによって、予想外に良好な線維均一性および性能を提供することができる。
別の実施形態では、紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、そのゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つが、少なくとも2%、もしくは少なくとも3%であるか、またはそれより高い。この実施形態では、紡糸口金本体は、複数の異なる毛細管ゾーンを提供し、これらの毛細管ゾーンは、隣接するゾーン単位で、1つまたは複数のクエンチガス排出口に対して異なる相対的近接性を有する。紡糸口金本体は、紡糸口金本体上の複数のさまざまな隣接したゾーンが、異なる長さ対水力直径比率を有するように設計され、隣接するゾーンのうちの少なくとも1つ、もしくは2つ、もしくは3つ、もしくは4つ、もしくは5つ、もしくは6つ以上の比率値間のゾーンごとの差は、少なくとも2%となる。このデザインは、繊維および布の均一性ならびに性能を、予想外に提供または改良することもできる。
別の実施形態では、本発明の紡糸口金における紡糸口金本体の面の異なるゾーンの毛細管の水力直径、長さ、および長さ対水力直径比率は、1つまたは複数のクエンチガス排出口に対する、さまざまな異なるゾーンの相対的近接性に応じて、毛細管の異なるゾーンのうちの少なくとも3つ、もしくは4つ、もしくは5つ、もしくは6つ以上について、ゾーン間で、または少なくとも紡糸口金本体にわたり同じ方向に、漸進的に増加または減少する。この構成は、片側クエンチ(single-side quench)もしくはクロスフロークエンチ(cross-flow quench)処理で使用され得る。
本発明の別の実施形態では、毛細管密度は、異なるゾーン間で同じであってもよく、異なっていてもよい。本発明のある実施形態では、異なるゾーンが、紡糸口金本体に向かうクエンチ空気の流れの方向に対して垂直に向けられた軸に沿って配されるように設計されると、この軸に沿って紡糸口金本体の外側に位置するゾーンは、それら2つのゾーンの中間に位置する1つまたは複数のゾーンより低い毛細管密度を有し得る。この実施形態は、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体の面の外側における1つまたは複数のゾーンにより製造されたフィラメントが、本明細書でさらに定義される壁効果により影響を受ける際に、有用となり得る。本発明の別の実施形態では、異なるゾーンが、紡糸口金本体に向かうクエンチ空気の流れの方向に対して平行に向けられた軸に沿って配されるように設計されると、全てのゾーンは、ゾーンに影響を及ぼす(本明細書でさらに十分に説明するような)壁効果がないか、または壁効果が他の手段により相殺されたところなどで、同じ毛細管密度を有し得る。
本発明の別の実施形態では、少なくとも3つのゾーンのうちの1つまたは複数は、その他のゾーンのうちの少なくとも1つにおける複数の毛細管の長さ、断面形状、水力直径、および/または長さ対水力直径比率と異なり、かつ実質的に同じでない、長さ、断面形状、水力直径、および/または長さ対水力直径比率を有する、複数の毛細管を有する。一般に、クエンチガス排出口に概して近い1つまたは複数のゾーンにおける毛細管それぞれの長さは、クエンチガス排出口から最も遠い紡糸口金本体の面に位置する複数の毛細管それぞれの毛細管長さより長い。クエンチガス排出口が紡糸口金本体の面のエッジの近くに位置すると仮定すると、紡糸口金本体の面の中心付近のゾーンにおける複数の毛細管それぞれの毛細管長さは、紡糸口金本体の面のエッジにおけるゾーンに位置する複数の毛細管それぞれの毛細管長さより短い傾向がある。一般に、クエンチガス排出口から最も遠い、紡糸口金本体の面におけるゾーンに位置する複数の毛細管それぞれの水力直径(例えば、円形の断面を有する毛細管の直径)は、クエンチガス排出口に近い、紡糸口金本体の面におけるゾーンに位置する複数の毛細管それぞれの水力直径より小さい。さらに、クエンチガス排出口に近いゾーンの複数の毛細管それぞれの、長さと水力直径との比率は、クエンチガス排出口から遠いゾーンに位置する複数の毛細管それぞれの長さ対水力直径比率より大きくなる傾向がある。一般に、毛細管長さおよび/または毛細管の水力直径は、異なるゾーンに位置する毛細管の間でスループットの差を最小にするように、各ゾーンで選択され得る。
本発明の好適な実施形態では、紡糸口金の紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、少なくとも3つのゾーンを有し、第1のゾーンが、紡糸口金本体の面で中心に位置している。第1のゾーンは、複数の第1の列を有し、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を有し、これらの第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する。本発明のこの好適な実施形態の第2のゾーンは、紡糸口金本体の面において、第1のゾーンに隣接して位置しており、複数の第2の列を有する。第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を有し、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する。この本発明の好適な実施形態では、第3のゾーンは、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含み、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管はそれぞれ、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態では、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第1のゾーンは、第2および第3のゾーンより、紡糸口金本体の面の中心に近く、全体的な長さ対水力直径比率は少なくとも3%である。この紡糸口金の別の実施形態では、紡糸口金本体は、少なくとも5%の、全体的な長さ対水力直径比率(overall length to hydraulic ratio)を有する。この紡糸口金の別の実施形態では、紡糸口金本体は、少なくとも2%の、ゾーンごとの水力直径比率(zone-to-zone hydraulic ratio)を有する。
本発明のさらに好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状は、同じである。本発明の別の好適な実施形態では、紡糸口金本体は、(i)および(ii)のうちの少なくとも一方を含む。(i)は、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径が、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径が、第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さいことであり、(ii)は、第1の毛細管それぞれの第1の長さが、第2の毛細管それぞれの第2の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さが、第3の毛細管それぞれの第3の長さより短いことである。本発明の別の好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率より小さい。本発明の別の好適な実施形態では、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率、および第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率は、同じである。本発明の別の好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状は、円形または楕円である。本発明の別の好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状は、必ずしも同じではないが、それぞれ円形または楕円である。本発明の別の好適な実施形態では、紡糸口金本体の面で開口している毛細管の総数は、少なくとも3000個である。本発明の別の好適な実施形態では、紡糸口金本体の面は、多角形(例えば、矩形、または多角形の形状、例えば台形の端部を備えた矩形中央部(rectangular middle with trapezoidal ends)、または他の多角形の形状)である。
本発明の別の好適な実施形態では、第2のゾーンは、紡糸口金本体の面の端部に位置し、第3のゾーンは、第2のゾーンが位置する端部の反対側で、紡糸口金本体の面の端部に位置し、これら3つのゾーンは、クエンチ空気の流れの方向に垂直に向けられた、線形配列で配されている。この紡糸口金のさらなる実施形態では、第1の毛細管密度は、第2の毛細管密度および第3の毛細管密度のそれぞれより高い。
別のオプションとして、紡糸口金は、少なくとも4つの異なるタイプの毛細管ゾーンを含んでよく、これらの毛細管ゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置する第1のタイプの毛細管を有する中心ゾーンを含み、中心ゾーンは、第2のタイプの毛細管を有する一対の内側ゾーンと、第3のタイプの毛細管を有する一対の外側ゾーンとの間に位置する。第3、第2、および第1のタイプの毛細管水力直径および長さは、紡糸口金本体の外側エッジの近くに位置する外側ゾーンから、紡糸口金本体の中心に位置する第1のゾーンに向かって延びる方向に、次第に減少し得る。オプションとして、第1、第2、および第3のタイプの毛細管の、前述したゾーンは、第4のタイプの毛細管を有する一対の端部ゾーン間に位置付けられ得る。これらの異なる毛細管ゾーンの毛細管水力直径および長さは、第4のタイプの毛細管から、第3のタイプの毛細管、第2のタイプの毛細管、第1のタイプの毛細管へと、次第に減少し得る。
本発明のさらに好適な実施形態では、紡糸口金は、紡糸口金本体の面に少なくとも5つのゾーンを有する。前記に一般的に説明した第1の3つのゾーンに加え、紡糸口金本体は、複数の第4の列を有する第4のゾーンを含み、その第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態の紡糸口金本体は、複数の第5の列を有する第5のゾーンも有し、第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を有し、第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有し、第1のゾーンは、第4のゾーンと第5のゾーンとの間に位置し、第4の毛細管それぞれの第4の断面形状および第5の毛細管それぞれの第5の断面形状は、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状と同じであり、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径、および第5の毛細管それぞれの第5の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、かつ第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第5の毛細管それぞれの第5の水力直径より小さく、第4の毛細管それぞれの第4の長さ、および第5の毛細管それぞれの第5の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さ、および第3の毛細管それぞれの第3の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第4の毛細管それぞれの第4の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第5の毛細管それぞれの第5の長さより短い。別の好適な実施形態では、第1の毛細管密度、第4の毛細管密度、および第5の毛細管密度は同じである。本発明の別の好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第4の毛細管それぞれの第4の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第5の毛細管それぞれの第5の長さ対水力直径比率より小さい。
本発明の別の好適な実施形態では、紡糸口金の紡糸口金本体の面に少なくとも7つのゾーンがある。前述した5つのゾーンと、以下のとおり、少なくとも2つの追加のゾーンと、がある。複数の第6の列を有する第6のゾーンがあり、第6の列はそれぞれ、複数の第6の毛細管を含み、第6の毛細管は、第6の毛細管密度で配列され、第6の毛細管はそれぞれ、個々に、第6の断面形状、第6の水力直径、第6の長さ、および第6の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態では、第7のゾーンは複数の第7の列を有し、第7の列はそれぞれ、複数の第7の毛細管を有し、第7の毛細管は、第7の毛細管密度で配列され、第7の毛細管は、個々に、第7の断面形状、第7の水力直径、第7の長さ、および第7の長さ対水力直径比率を有し、第1、第4、および第5のゾーンは、第6のゾーンと第7のゾーンとの間に位置し、第6の毛細管それぞれの第6の断面形状、および第7の毛細管それぞれの第7の断面形状は、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、第3の毛細管それぞれの第3の断面形状、第4の毛細管それぞれの第4の断面形状、および第5の毛細管それぞれの第5の断面形状と同じであり、第6の毛細管それぞれの第6の水力直径、および第7の毛細管それぞれの第7の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径、および第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さく、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径、および第5の毛細管それぞれの第5の水力直径は、第6の毛細管それぞれの第6の水力直径より小さく、かつ第7の毛細管それぞれの第7の水力直径より小さく、第6の毛細管それぞれの第6の長さ、および第7の毛細管それぞれの第7の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さ、および第3の毛細管それぞれの第3の長さより短く、第4の毛細管それぞれの第4の長さ、および第5の毛細管それぞれの第5の長さは、第6の毛細管それぞれの第6の長さより短く、かつ第7の毛細管それぞれの第7の長さより短い。
さらに好適な実施形態では、第1の毛細管密度、第4の毛細管密度、第5の毛細管密度、第6の毛細管密度、第7の毛細管密度は、同じである。加えて、本発明の別のさらなる好適な実施形態では、第4の毛細管それぞれの第4の長さ対水力直径比率、および第5の毛細管それぞれの第5の長さ対水力直径比率はそれぞれ、第6の毛細管それぞれの第6の長さ対水力直径比率、および第7の毛細管それぞれの第7の長さ対水力直径比率より、小さい。言い換えれば、この実施形態では、第4および第5の毛細管それぞれの第4および第5の長さ対水力直径比率の両方が、第6および第7の毛細管それぞれの第6および第7の長さ対水力直径比率より小さい。
本発明の別の好適な実施形態では、ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金は、紡糸口金本体を有し、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は毛細管を含み、毛細管は、ポリマーフィラメントを紡糸口金本体の面から押し出すために紡糸口金本体の面で開口しており、毛細管は、紡糸口金本体の面において、複数の異なる列に配列され、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面で複数の異なるゾーン内に配列され、複数の異なるゾーンは、少なくとも第1のゾーン、第2のゾーン、第3のゾーンを有する。この好適な実施形態の第1のゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置しており、複数の第1の列を含み、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態の第2のゾーンは、紡糸口金本体の面で第1のゾーンに隣接して位置しており、複数の第2の列を含み、第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、第2の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態の第3のゾーンは、紡糸口金本体の面で第1のゾーンに隣接して位置しており、複数の第3の列を含み、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態では、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第1のゾーンは、第2および第3のゾーンより、紡糸口金本体の面の中心に近い。また、この好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状が、同じであり、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第3の毛細管それぞれの第3の長さより短い。さらに好適な実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率より小さい。加えて、このさらに好適な実施形態の第1の毛細管密度、第2の毛細管密度、および第3の毛細管密度は、同じであってよい。さらに、好適な実施形態では、紡糸口金本体の面は、矩形など、多角形であってよい。
好適な実施形態の、前述した少なくとも第1の3つのゾーンに加え、紡糸口金本体は、さらに好ましくは、以下の追加のゾーンを有し得る。このさらに好適な実施形態では、紡糸口金本体の面は、さらに、第4および第5のゾーンを有してよく、第4のゾーンは、複数の第4の列を含み、第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有し、第5のゾーンは、複数の第5の列を含み、第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を含み、第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有する。このさらに好適な実施形態では、第1のゾーン、第2のゾーン、および第3のゾーンは、第4のゾーンと第5のゾーンとの間に位置し、第4の毛細管それぞれの第4の断面形状、および第5の毛細管それぞれの第5の断面形状は、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状と同じである。また、このさらに好適な実施形態では、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径、および第3の毛細管それぞれの第3の水力直径は、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径、および第5の毛細管それぞれの第5の水力直径より小さく、第2の毛細管それぞれの第2の長さ、および第3の毛細管それぞれの第3の長さは、第4の毛細管それぞれの第4の長さ、および第5の毛細管それぞれの第5の長さより短い。言い換えれば、この実施形態では、第2および第3の毛細管それぞれの第2および第3の水力直径の双方は、それぞれ、第4および第5の毛細管それぞれの第4および第5の水力直径の双方より小さい。さらに、この実施形態では、第2および第3の毛細管それぞれの第2および第3の長さの双方は、それぞれ、第4および第5の毛細管それぞれの第4および第5の長さより短い。
少なくとも5つのゾーンを備える、本発明のさらに好適な実施形態に加え、紡糸口金は、第4の毛細管それぞれの第4の長さ対水力直径比率および第5の毛細管それぞれの第5の長さ対水力直径比率より小さい、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率および第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率を有し得る。さらに、このさらに好適な実施形態では、第1の毛細管密度、第2の毛細管密度、第3の毛細管密度、第4の毛細管密度、および第5の毛細管密度は、同じであってよい。さらに、本発明の紡糸口金では、毛細管の各ゾーンにおける毛細管の毛細管密度および寸法は、所与の1組の処理条件で処理される所与のポリマーについて算出された剪断応力の式に基づいて、毛細管の異なるゾーン間で、等しい目標のポリマースループットを生じるように選択され得る。
本発明の別の好適な実施形態では、ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金は、紡糸口金本体を有し、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は、毛細管を含み、毛細管は、ポリマーフィラメントを紡糸口金本体の面から押し出すために紡糸口金本体の面で開口しており、毛細管は、紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列されており、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、複数の異なるゾーンは、少なくとも、第1のゾーン、第2のゾーン、および第3のゾーンを有する。この好適な実施形態の第1のゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含み、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態の第2のゾーンは、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含み、第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する。この好適な実施形態の第3のゾーンは、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含み、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する。また、この好適な実施形態では、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第3の毛細管それぞれの第3の水力直径は、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、第3の毛細管それぞれの第3の長さは、第1の毛細管それぞれの第1の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さより短く、第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率は、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率より小さい。さらなる実施形態では、全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%であってよい。さらなる実施形態では、紡糸口金本体の面は、環状であってよい。さらなる実施形態では、紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、そのゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、少なくとも2%である。加えて、紡糸口金のさらなる実施形態では、第1、第2、および第3の毛細管密度は、同じである。
本発明の紡糸口金のこれらさまざまな特徴により、より速いライン速度およびより高いポリマースループットでの、フィラメントのより均一なクエンチを可能にすると共に、毛細管を通るポリマースループットの変動を最小限に抑え、毛細管の単一のゾーンデザインが紡糸口金に使用された場合、または毛細管寸法のうちのただ1つが変更され、ゾーンごとに実質的に同じでなかった場合よりも、フィラメントの均一性を高める。このタイプの制御されたフィラメント押出しにより、より多くのポリマーが、より均一なフィラメントならびに不織ウェブおよび不織布の構造で、より高いスループットにて毛細管を通って押し出されることができると共に、フィラメントの破損ならびに不織ウェブおよび不織布のハードスポット欠陥が最小限に抑えられる。
別のオプションとして、不織布に有用である溶融紡糸不織ウェブを製造するための器具が提供され、この器具は、ポリマー供給システムと、収集表面であって、示された紡糸口金は、収集表面に向かう経路に沿って下方に移動する、押出しフィラメントを製造するためポリマー供給システムから受け取ったポリマーを押し出すように収集表面上に位置している、収集表面と、冷却ガスの少なくとも1つの流れを供給するための、少なくとも1つのクエンチガス供給装置と、冷却ガスの少なくとも1つの流れが紡糸口金の下で、かつ押出しフィラメントを横切って流れるように方向付けられる、紡糸口金の下にある冷却領域と、を含む。この器具のある実施形態では、紡糸口金の下に配列された冷却領域は、冷却ガスの流れを、相対する方向から紡糸口金の下に、かつ収集表面に向かう経路に沿った押出しフィラメントを横切って、クロスフローするように方向づける。この器具の別の実施形態では、紡糸口金の下に配列された冷却領域は、冷却ガスの流れを、単一の方向から紡糸口金の下に、かつ押出しフィラメントを横切って流れるように方向づける。好ましくは、冷却領域と収集表面との間に位置する、フィラメントに力を加える手段があり、その力により、フィラメントは、まだ溶融状態にある間に、細くなる。
本発明の一実施形態では、溶融紡糸された不織ウェブを製造する器具は、a)ポリマー供給システムと、b)フィラメント収集表面と、c)収集表面に向かう経路に沿って下方に動く押出しフィラメントを製造するためにポリマー供給システムから受け取ったポリマーを押し出すように、収集表面の上に位置する紡糸口金と、d)冷却ガスの少なくとも1つの流れを供給するための、少なくとも1つのクエンチガス供給装置と、e)冷却ガスの少なくとも1つの流れが、紡糸口金の下に、かつ収集表面に向かう経路に沿った押出しフィラメントを横切って流れるように方向づけられる、紡糸口金の下の冷却領域と、を含む。この実施形態では、紡糸口金は、紡糸口金本体を含み、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は、毛細管を含み、毛細管は、紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すために紡糸口金本体の面で開口しており、毛細管は、紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列される。この実施形態では、複数の異なるゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと;紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと;紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、を含む。この実施形態では、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第1のゾーンは、第2および第3のゾーンより、紡糸口金本体の面の中心に近く、全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である。この器具の別の実施形態では、紡糸口金本体は、少なくとも5%の全体的な長さ対水力直径比率を有する。この器具のさらなる実施形態では、紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、少なくとも2%である。この器具の別の実施形態では、第1の毛細管密度は、第2の毛細管密度および第3の毛細管密度のそれぞれより大きくてよく、これらの3つのゾーンは、冷却ガス(例えば、クエンチ空気(quenching air))の流れの方向に垂直に向けられた線形配列で配される。
この器具のさらなる実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状は、同じである。この器具の別の好適な実施形態では、紡糸口金本体の面で開口する毛細管の合計は、少なくとも3000個である。この器具の別の好適な実施形態では、紡糸口金本体の面は、矩形などの多角形である。
この器具の別の実施形態では、紡糸口金本体は、(i)および(ii)のうちの少なくとも一方を含む。(i)は、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径が、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径が、第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さいことであり、(ii)は、第1の毛細管それぞれの第1の長さが、第2の毛細管それぞれの第2の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さが、第3の毛細管それぞれの第3の長さより短いことである。
この器具のさらに別の実施形態では、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率より小さい。さらに、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率、および第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率は、同じであってよい。
この器具のさらなる実施形態は、円形または楕円である、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状を有する、紡糸口金を含む。本発明の別の実施形態は、円形または楕円である、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状を含み、第2のゾーンは、紡糸口金本体の面の端部に位置してよく、第3のゾーンは、第2のゾーンが位置する端部とは反対側の、紡糸口金本体の面の端部に位置することができ、3つのゾーンは、冷却ガス(例えば、クエンチ空気)の流れの方向に垂直に向けられた線形配列で配される。
本発明の器具のさらなる実施形態は、前述した最初の3つのゾーンに加えて、複数の第4の列を含む第4のゾーンであって、第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有する、第4のゾーンと、複数の第5の列を含む第5のゾーンであって、第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を有し、第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有する、第5のゾーンと、を有する紡糸口金を含んでもよく、第1のゾーンは、第4のゾーンと第5のゾーンとの間に位置する。本発明の器具のこのさらなる実施形態では、第4の毛細管それぞれの第4の断面形状、および第5の毛細管それぞれの第5の断面形状は、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、および第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状と同じであり、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径、および第5の毛細管それぞれの第5の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、かつ第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第5の毛細管それぞれの第5の水力直径より小さく、第4の毛細管それぞれの第4の長さ、および第5の毛細管それぞれの第5の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さ、および第3の毛細管それぞれの第3の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第4の毛細管それぞれの第4の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第5の毛細管それぞれの第5の長さより短い。
本発明の追加の実施形態における器具は、少なくとも7つのゾーンを有する紡糸口金を有してもよく、この器具では、前述した5つのゾーンに加え、第6および第7のゾーンも含まれ得る。器具の、この追加の実施形態では、第6のゾーンは、複数の第6の列を含み、第6の列はそれぞれ、複数の第6の毛細管を有し、第6の毛細管は、第6の毛細管密度で配列され、第6の毛細管は、個々に、第6の断面形状、第6の水力直径、第6の長さ、および第6の長さ対水力直径比率を有し、第7のゾーンは、複数の第7の列を有し、第7の列はそれぞれ、複数の第7の毛細管を含み、第7の毛細管は、第7の毛細管密度で配列され、第7の毛細管は、個々に、第7の断面形状、第7の水力直径、第7の長さ、および第7の長さ対水力直径比率を有し、第1、第4、および第5のゾーンは、第6のゾーンと第7のゾーンとの間に位置し、第6の毛細管それぞれの第6の断面形状、および第7の毛細管それぞれの第7の断面形状は、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、第3の毛細管それぞれの第3の断面形状、第4の毛細管それぞれの第4の断面形状、および第5の毛細管それぞれの第5の断面形状と同じであり、第6の毛細管それぞれの第6の水力直径、および第7の毛細管それぞれの第7の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径、および第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さく、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径、および第5の毛細管それぞれの第5の水力直径は、第6の毛細管それぞれの第6の水力直径より小さく、かつ第7の毛細管それぞれの第7の水力直径より小さく、第6の毛細管それぞれの第6の長さ、および第7の毛細管それぞれの第7の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さ、および第3の毛細管それぞれの第3の長さより短く、第4の毛細管それぞれの第4の長さ、および第5の毛細管それぞれの第5の長さは、第6の毛細管それぞれの第6の長さより短く、かつ第7の毛細管それぞれの第7の長さより短い。
本発明の器具は、前述した、それぞれ同じである第1の毛細管密度、第4の毛細管密度、第5の毛細管密度、第6の毛細管密度、および第7の毛細管密度を有する、紡糸口金を有することもできる。本発明の器具は、第6の毛細管それぞれの第6の長さ対水力直径比率および第7の毛細管それぞれの第7の長さ対水力直径比率より小さい、前述した、第4の毛細管それぞれの第4の長さ対水力直径比率および第5の毛細管それぞれの第5の長さ対水力直径比率を有する、紡糸口金を有することもできる。
本発明の別の実施形態では、溶融紡糸された不織ウェブを製造する器具は、a)ポリマー供給システムと、b)フィラメント収集表面と、c)収集表面に向かう経路に沿って下方に動く押出しフィラメントを製造するためにポリマー供給システムから受け取ったポリマーを押し出すように収集表面の上に位置する紡糸口金と、d)冷却ガスの少なくとも1つの流れを供給するための、少なくとも1つのクエンチガス供給装置と、e)冷却ガスの少なくとも1つの流れが、紡糸口金の下を、かつ収集表面に向かう経路に沿った押出しフィラメントを横切って、流れるように方向づけられる、紡糸口金の下の冷却領域と、を含む。この実施形態では、紡糸口金は、紡糸口金本体を含み、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は、毛細管を含み、毛細管は、紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すために紡糸口金本体の面で開口しており、毛細管は、紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列される。この実施形態では、複数の異なるゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む、第1のゾーンであって、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと;紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む、第2のゾーンであって、第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと;紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む、第3のゾーンであって、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、を含む。この実施形態では、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第3の毛細管それぞれの第3の水力直径は、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、第3の毛細管それぞれの第3の長さは、第1の毛細管それぞれの第1の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さより短く、第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率は、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率より小さい。
別の実施形態として、ポリマーフィラメントを溶融紡糸するプロセスが提供され、このプロセスは、示された紡糸口金の下に押し出されるフィラメントを製造するために、紡糸口金を通して溶融ポリマーを押し出す工程と;紡糸口金の下のクエンチゾーンに押出しフィラメントを通す工程であって、フィラメントは、冷却ガスの少なくとも1つの流れの流動を、紡糸口金の下に、かつ押出しフィラメントを横切って方向づけることにより、クエンチされる、工程と;フィラメントのクエンチ後にフィラメントを収集する工程と、を含む。
本発明のある実施形態では、ポリマーフィラメントを溶融紡糸するプロセスは、a)紡糸口金の下に押し出されるフィラメントを製造するために、紡糸口金を通して溶融ポリマーを押し出すことと;b)紡糸口金の下のクエンチ領域に押出しフィラメントを通すことであって、フィラメントは、冷却ガスの少なくとも1つの流れを、紡糸口金の下に、かつ押出しフィラメントを横切って方向づけることにより、クエンチされる、ことと;c)クエンチされたフィラメントを収集することと、を含む。本発明のプロセスのこの実施形態では、紡糸口金は、紡糸口金本体を含み、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は毛細管を含み、毛細管は、紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すために紡糸口金本体の面において開口しており、毛細管は、紡糸口金本体の面において複数の異なる列で配列され、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、複数の異なるゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、を含み、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第1のゾーンは、第2および第3のゾーンより紡糸口金本体の面の中心に近く、全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である。このプロセスの別の実施形態では、全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも5%である。このプロセスの別の実施形態では、紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、少なくとも2%である。このプロセスの別の実施形態では、紡糸口金の下のクエンチ領域に押出しフィラメントを通すことは、冷却ガスの少なくとも1つの流れを、紡糸口金下に、押出しフィラメントを横切ってクロスフロー方向に方向付けることによって、フィラメントをクエンチすることを含む。このプロセスの別の好適な実施形態では、紡糸口金本体の面で開口している毛細管の合計は、少なくとも3000個である。このプロセスの別の好適な実施形態では、紡糸口金本体の面は、矩形または台形などの多角形である。
本発明のプロセスは、少なくとも5つのゾーンを有する紡糸口金も含んでよく、第4および第5のゾーンが、前述したような最初の3つのゾーンに加えられる。本発明のプロセスのこの実施形態では、第4のゾーンは、複数の第4の列を含み、第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有し、第5のゾーンは、複数の第5の列を含み、第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を含み、第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有し、第1のゾーンは、第4のゾーンと第5のゾーンとの間に位置し、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径、および第5の毛細管それぞれの第5の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、かつ第3の毛細管それぞれの第3の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第4の毛細管それぞれの第4の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第5の毛細管それぞれの第5の水力直径より小さく、第4の毛細管それぞれの第4の長さ、および第5の毛細管それぞれの第5の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さ、および第3の毛細管それぞれの第3の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第4の毛細管それぞれの第4の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第5の毛細管それぞれの第5の長さより短い。本発明のプロセスの別の実施形態では、紡糸口金は、第1の毛細管それぞれの第1の断面形状、第2の毛細管それぞれの第2の断面形状、および第3の毛細管それぞれの第3の断面形状を有してよく、これらの断面形状はすべて円形であるかまたはすべて楕円であり、第1の毛細管、第2の毛細管、および第3の毛細管それぞれからの押出しフィラメントは、それらの毛細管それぞれに対応する断面形状を有する。
本発明のある実施形態では、ポリマーフィラメントを溶融紡糸するプロセスは、a)紡糸口金の下で押し出されるフィラメントを製造するために紡糸口金を通して溶融ポリマーを押し出すことと;b)紡糸口金の下のクエンチ領域に押出しフィラメントを通すことであって、冷却ガスの少なくとも1つの流れを、紡糸口金の下で、反対側に流動する冷却ガスなしで1つの方向に、押出しフィラメントを横切って方向付けることによって、フィラメントがクエンチされる、ことと;c)クエンチされたフィラメントを収集することと、を含む。本発明のプロセスのこの実施形態では、紡糸口金は、紡糸口金本体を含み、紡糸口金本体は、全体的な長さ対水力直径比率を有し、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は、毛細管を含み、毛細管は、紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すために紡糸口金本体の面において開口しており、毛細管は、紡糸口金本体の面において複数の異なる列で配列されており、複数の異なる列は、紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、複数の異なるゾーンは、紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、紡糸口金本体の面において第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、を含み、第1のゾーンは、第2のゾーンと第3のゾーンとの間に位置し、第3の毛細管それぞれの第3の水力直径は、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の水力直径は、第2の毛細管それぞれの第2の水力直径より小さく、第3の毛細管それぞれの第3の長さは、第1の毛細管それぞれの第1の長さより短く、第1の毛細管それぞれの第1の長さは、第2の毛細管それぞれの第2の長さより短く、第3の毛細管それぞれの第3の長さ対水力直径比率は、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率より小さく、第1の毛細管それぞれの第1の長さ対水力直径比率は、第2の毛細管それぞれの第2の長さ対水力直径比率より小さい。
別の実施形態では、本発明のプロセスは、商業上有用なスループットおよび繊維均一性で、紡糸口金からフィラメントが押し出されることを含み得る。
前記の概説および以下の詳細な説明の双方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求するような本発明のさらなる説明を提供するよう意図されていることが、理解される。
本出願に組み込まれ、その一部を構成する、添付図面は、本発明の実施形態のいくつかを例示しており、説明と共に、本発明の原理を明らかにするのに役立つ。さまざまな図面において同じ参照符号を有する特徴部は、特に指定のない限り、同様の要素を表わしている。図面、および図面に描かれる特徴部は、必ずしも、一定の縮尺で描かれたものではない。
〔定義〕
本明細書で使用される用語「フィラメント」は、通常の形成過程中には意図的に破損されない、連続ポリマーストランドを指す。
本明細書で使用される用語「繊維」は、フィラメント、実質的に連続したフィラメント、ステープルファイバー、不連続繊維、および断面寸法より実質的に大きい繊維長さを有する他の繊維構造体を指す。
本明細書で使用される用語「不織布(nonwoven(s))」または「不織ウェブ」は、ランダムに向けられたフィラメントを含有する材料を指し、この材料は、布地を織るか、縫うか、または編むプロセスの助けなしで、形成されたものである。
本明細書で使用される用語「不織布」または「不織構成要素」は、互換的に使用されてよく、本明細書中定義するような、1つまたは複数の層を形成するために、密接に結合された(in a close association)1つまたは複数の不織ウェブの集合を指すことができる。1つまたは複数の不織ウェブに加えて、不織布または不織構成要素の1つまたは複数の層は、特に指定のない限り、ステープル長さの繊維、実質的に連続もしくは不連続の繊維、および、それらの組み合わせまたは混合物を含み得る。不織布または不織構成要素の1つまたは複数の層は、安定化されていても、安定化されていなくてもよい。
用語「スパンボンド(spunbond)」または「S」は、紡糸口金本体の複数の毛細管から溶融材料を押し出すことにより形成される、フィラメントを指す。用語「スパンボンド」は、前記で定義したように形成されるフィラメントも含み、このフィラメントは、その後、収集表面上に置かれるか、または、別様に、単一工程で層になって形成される。本発明により包含される布構造は、スパンボンド‐スパンボンド(spunbond-spunbond)(SS)、スパンボンド‐スパンボンド‐スパンボンド(spunbond-spunbond-spunbond)(SSS)、ならびに層の他の組み合わせおよび変形体も含み得る。
本明細書で使用される「溶融紡糸(meltspun)」または「メルトスパン(melt-spun)」は、一般に、スパンボンドまたはメルトブロー(melt-blowing)の繊維形成プロセスを指す。
紡糸口金の毛細管または穴の寸法に関して、本明細書で使用される「実質的に同じ」は、それらの寸法の差が、機械加工公差未満であることを指す。
本明細書で使用される「含む(comprising)」または「含む(comprises)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、「有する(having)」、または「により特徴づけられる(characterized by)」の同義語であり、可変的なものであり、列挙されていない追加の要素もしくは方法工程を排除するものではないので、「・・・を含むが、これに限定されない」ことを意味すると解釈されるべきである。
本明細書で使用される「からなる(consisting of)」は、特定されていないあらゆる要素、工程、または成分を排除する。
本明細書で使用される「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特定された材料、紡糸口金、器具または工程と、本明細書で説明するような本発明の紡糸口金、器具、方法、もしくは不織布の基本的かつ新奇な特徴に実質的に影響を与えない追加アイテムと、を指す。
本明細書で使用される「紡糸口金本体」は、典型的には、穴を含む1つまたは複数の金属プレートであり、これらの穴は、毛細管を含み、毛細管を通って、ポリマーが押し出されて、フィラメントまたは他の繊維を形成する。紡糸口金本体はまた、全体的な穴のパターンの一部を形成し得る、穴をそれぞれが有する金属プレート要素の組立体であってもよい。紡糸口金本体は、例えば、全体的な穴のパターンを有する単一部品の構造であってよく、あるいは、代わりに、組み立てられると全体的な穴のパターンを有する本体をもたらす複数の金属プレート要素から、モジュール式に組み立てられてもよい。
本明細書で使用される「紡糸口金」は、フィラメントもしくは他の繊維を形成するために繊維形成ポリマー流体が押し通される、いくつかの小さな貫通孔を有する紡糸口金本体を含む構造体であり、必ずではないが典型的には、紡糸口金と共に使用される追加の構成要素、例えば、より均一なポリマー供給分布を紡糸口金本体に与える、上を覆うブレーカープレート、ポリマーがブレーカープレートおよび/もしくは紡糸口金本体に入る前にポリマーをフィルタリングする1つもしくは複数のフィルター層、またはこれらの組み合わせなど、を含む。
本明細書で使用される「毛細管」は、小さな貫通孔を指し、これらの貫通孔から、ポリマーが紡糸口金本体を出て、繊維を形成する。毛細管は、長さ、断面形状、水力直径、および長さ対水力直径比率を有する。本発明では必須ではないが、一般的に、水力直径および断面形状は、毛細管の長さに沿って、実質的に均一である。
本明細書で使用される「毛細管密度」は、紡糸口金本体の面、または紡糸口金本体の面の作業領域のうちの正方形面積における、直線的な幅に基づいた、毛細管の数を指す。
本明細書で使用される「毛細管長さ」または「長さ」は、紡糸口金の面の毛細管開口部までの、紡糸口金本体を通った毛細管の長さを指す。
本明細書で使用される用語「毛細管断面積」または「CA」は、本明細書に記載するような紡糸口金の紡糸口金本体の面における、1つまたは複数の毛細管の断面形状の出口領域の測定値である。
本明細書で使用される「毛細管周長」または「周長」または「CP」は、紡糸口金本体表面の面における毛細管の出口形状により画定される周縁部に沿った距離である。円形断面形状を有する毛細管では、周長は、毛細管の円周として定義される。
本明細書で使用される「水力直径」または「D」は、式:
=4R により算出され、
式中、Rは、水力半径を表わす。水力半径(R)は、比率:CA/CPから算出され、CAは、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体の面におけるポリマー出口にある毛細管開口部の毛細管断面積であり、CPは、同じ毛細管開口部の毛細管周長である。例えば、円形断面形状およびその直径「D」を有する毛細管の水力直径を算出するには、水力直径について示した式を使用することで、D=4(πD/4)/(πD)が得られ、これは、円形断面形状または領域の一方の側からもう一方の側までの、最長寸法の測定値を指す、Dになる。CAおよびCP値は、ビューアーおよび/または生成されたデジタル画像上に換算表を含み得る走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは光学顕微鏡などによって毛細管のゾーンの代表的な開口部のデジタル画像を撮ることなどにより、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体の面におけるポリマー出口にある毛細管開口部について決定され得る。当業者は、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体の面におけるポリマー出口にある開口部の形状に適切である、毛細管の周長および断面積を測定する方法を選択するであろう。これらの方法は、典型的には、顕微鏡、より典型的には光学顕微鏡を用いて、紡糸口金本体の面におけるポリマー出口にある毛細管開口部を調べることに基づいている。例えば、円形、正方形、矩形、もしくは三角形などの、単純な幾何学形状では、周長または断面積を算出するのに使用される変数を測定するために、較正基準(例えば、イギリス・ケントのPyser-SGI Limitedの光学格子較正スライド(optical grid calibration slide)03A00429 Stage Mic 1MM/0.01 DIV)と組み合わせて、光学顕微鏡を使用することができる。多数の突出部を有するもの(multi-lobal)など、より複雑な断面形状では、方法の一例は、紡糸口金本体の面にある毛細管開口部のポリマー出口の画像をデジタルで撮ることのできる顕微鏡を使用すること、ならびに、紡糸口金本体の面における出口の周長および断面積を算出するためにその画像を分析するソフトウェアを使用することである。例えば、日本の〒155‐0003 東京都杉並区高円寺南2‐15‐17の株式会社ハイロックス(Hirox Company, Ltd)の、顕微鏡により記録されたデジタル画像を分析するのに使用され得る適切なソフトウェアを備えたデジタル顕微鏡KH−7700などの顕微鏡がある。より正確には、紡糸口金本体の面におけるポリマー出口にある毛細管開口部の周長および/または断面積を算出するために、改訂日が2006年10月の、初版のこの顕微鏡の操作マニュアル第3章117〜132ページに記載された、長さおよび面積測定方法を使用することができる。毛細管開口部形状の断面積および周長の寸法は、既知の幾何学的外形の法則による計算のいずれか、または、断面形状のデジタル画像もしくは写真画像の評価に適用可能な、既知のもしくは市販されるソフトウェアアルゴリズムを用いた決定、または手作業による決定を使用して、決定され得る。手作業による決定として、重量法を使用することができ、この方法は、非常に複雑な形状に有用となり得、開口部形状のデジタル画像もしくは写真が、既知の全体寸法(例えば正方形、矩形、または円形)の別個の規則的形状の紙切れなどの上に、実際の毛細管形状に対して既知の倍尺(known enlarged scale)で、提供され得る。その後、開口部形状の画像は、紙から切り抜かれてよく、元のデジタル画像の紙切れの全重量に対する、分離された開口部形状の重量割合は、開口部形状の断面積 対 紙切れの断面積と、同じ比率値を生じると考えられ得る。紙切れ上の拡大されたデジタル画像の開口部形状の断面積は、これらの比率から容易に算出することができ、その後、実際の毛細管形状の断面積は、紙切れ上のデジタル画像に使用された、示された既知の倍尺に基づいて、その値を縮小することにより、その値から算出され得る。単純または複雑な形状などの形状の周長も、拡大画像における形状の周長を、測定可能な長さのフィラメントなどでその形状をたどることで手作業で測定し、その結果を、デジタル画像に使用された既知の倍尺に基づいて実際の毛細管形状に縮小することによって、決定され得る。
本明細書で使用される「毛細管長さ対毛細管水力直径比率」または「長さ対水力直径比率」は、毛細管の水力直径で毛細管長さを割った数値結果を指す。
本明細書で使用される「全体的な長さ対水力直径比率」は、式:
100×[(L/D−(L/D]/(L/D
から算出され、
式中、(L/Dは、紡糸口金本体の毛細管ゾーンすべての毛細管長さ対水力直径比率のうちの最大値であり、(L/Dは、紡糸口金本体の面における毛細管ゾーンすべての毛細管長さ対水力直径比率のうちの最小値である。結果は、パーセンテージの値として表わされる。
本明細書で使用される「ゾーンごとの長さ対水力直径比率」は、式:
100×[(L/DZG−(L/DZS]/(L/DZG
から算出され、
式中、(L/DZGは、紡糸口金本体の面における一対の隣接する毛細管ゾーンのうちの一方の毛細管長さ対水力直径比率の大きいほうの値であり、(L/DZSは、もう一方の毛細管ゾーンの毛細管長さ対水力直径比率の小さいほうの値である。結果は、パーセンテージの値として表わされる。
本明細書で使用される「毛細管寸法」または「寸法」は、毛細管長さ、毛細管断面形状、毛細管水力直径、毛細管断面積、毛細管周長、または毛細管長さ対水力直径比率のうちの1つまたは複数を指す。
用語「冷却(cooling)」および「クエンチ(quench(ing))」は、ガスなどの流体に言及する場合、本明細書中で互換的に使用されており、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体の面において毛細管から出る溶融ポリマーを凝固するのに使用されるガスの機能および温度を指す。
〔詳細な説明〕
本発明は、溶融紡糸フィラメントの製造に使用され得る紡糸口金を対象とする。紡糸口金は、異なる毛細管デザインをそれぞれが備えたゾーンを有する。これらのゾーンは、毛細管密度、毛細管寸法、またはその両方に基づいて、互いと異なっていてよい。異なり得る毛細管寸法は、例えば、毛細管ポリマー出口開口部の、水力直径、断面積、周長、長さ、断面形状、および長さ対水力直径比率であってよい。紡糸口金本体の面における異なるゾーンそれぞれのデザインは、毛細管の総数の増大を可能にするように選択されてよいので、紡糸口金全体の、より高いポリマースループットおよび/またはフィラメント均一性の改善を潜在的に可能にし、これにより、安定したプロセスを維持しながら、不織ウェブおよび不織布の均一性の改善が容易となる。紡糸口金本体の面における異なるゾーンそれぞれのデザインは、毛細管密度を増大させずに、より高いポリマースループットでフィラメントのデニール均一性が改善されることを可能にするように選択されることもできる。本発明のマルチゾーン紡糸口金の他の利点は、紡糸口金本体の面にわたり毛細管を通じた、より均一なポリマー流量、毛細管1つ当たりのポリマースループットの変動の最小化、および紡糸口金本体の面のさまざまなゾーンにおける毛細管の間でのフィラメントデニールの変動の最小化、を含み得る。フィラメントのクエンチは、本発明の紡糸口金を使用することで、紡糸口金本体の面にわたり、より均一に行われ得る。紡糸口金本体の面から、フィラメントの表面が固体になる各フィラメント上の場所までの距離(「フロストライン」としても知られる)である、各フィラメントの「紡糸口金本体の面までのクエンチ距離」の変動は、本発明の紡糸口金を使用することで、最小化され得るとも考えられる。本明細書に示される本発明の紡糸口金デザインの原理は、フィラメントのクロスフローもしくは両側クエンチ、または紡糸口金により製造されるフィラメントの片側クエンチなど、異なるクエンチモダリティーに有用な紡糸口金を提供するために使用され得る。
本発明の紡糸口金の実施形態は、紡糸口金本体の面にわたり1種類の毛細管デザインおよび均一な毛細管寸法だけで作られた同等の紡糸口金と比べ、より高いポリマースループットで動作可能であると共に、同様のフィラメント、不織ウェブ、および不織布の均一性を維持するか、またはより良好なフィラメント、不織ウェブ、および不織布の均一性を達成することができる。このデザインにより、単一の毛細管デザインのみを有すると共に安定した紡糸プロセスを依然として維持する標準的紡糸口金で実現可能なものよりも低い平均繊維デニールを達成するために、より多くのフィラメントを延伸することができる。
少なくとも部分的には、本明細書の実施例において実行し記載する実験研究の結果に基づいて、調査員らは、このような単一の毛細管デザインおよび寸法の紡糸口金を、高いポリマースループットで操作する際に見られる、フィラメントの破損ならびに不織ウェブおよび不織布のハードスポット欠陥の主な原因は、紡糸口金本体の面にわたるフィラメントの冷却の著しい可変性であり得ると考える。より正確には、クエンチガス排出口から最も遠くに(例えば、単一の毛細管デザインを有し、2つの向かい合った側からクエンチ空気を受け取る、紡糸口金本体の毛細管の中央の列に)押し出されたフィラメントは、クエンチガス排出口付近(例えば、クエンチ空気がフィラメントの束を貫通する、紡糸口金本体のエッジ付近)に位置する毛細管の列から押し出されたフィラメント、および温度を上昇させたクエンチガスにより接触されるべき、クエンチガス排出口から遠くにあるフィラメントと比べて、クエンチガス(例えば、空気)によりあまり効果的には冷却されておらず、それらのフィラメントの表面の凝固点が、クエンチガス排出口付近で押し出されたフィラメントと比べて、紡糸口金本体の面から遠くに生じると考えられる。例えば、クロスフローもしくは二重クエンチ構成で使用される紡糸口金の中心列から(すなわち、クエンチガス排出口からさらに離れて)押し出されるフィラメントは、まだ溶融しているかもしくは粘着性があるときに互いに接触する機会が多く、互いの破損もしくは接触を引き起こし、不織ウェブもしくは不織布におけるハードスポット欠陥を生じ得る障害を生じる。これらの中心列からのフィラメントは、それらのフロストラインが低いため、クエンチガス排出口付近の毛細管から押し出されたフィラメントより低いデニールを有することができ、それらをより多く延伸する(すなわち細くする)ことができるとも考えられる。同様の問題が、片側クエンチ構成もしくはモダリティーで生じる場合があり、この構成もしくはモダリティーでは、クエンチガス排出口から最も遠くに(例えば、片側クエンチモダリティーでクエンチガス排出口もしくはクエンチ源に最も近い側とは反対側の紡糸口金本体の側に位置する、単一の毛細管デザインを有する毛細管の列に)押し出されたフィラメントは、クエンチガス排出口付近(例えば、クエンチ空気が最初にフィラメントの束を貫通する紡糸口金本体のエッジ付近)に位置する毛細管の列から押し出されたフィラメントと比べ、クエンチガスであまり効果的に冷却されることができない。
クロスフロークエンチ構成で使用される紡糸口金本体のクエンチガス排出口付近およびクエンチガス排出口から離れているフィラメント間のフロストラインの変化に取り組む方法は、単一毛細管デザインの紡糸口金の中央に毛細管のないストリップを残すことであったが、これは、ポリマースループットを減少させてしまい、同じ収集坪量で布を提供するために収集表面を減速させることを必要とする。本発明のマルチゾーン紡糸口金は、単一毛細管デザインの紡糸口金のこれらの欠点を軽減または排除して、紡糸口金を通る、より高い全体的ポリマースループット、ならびにより均一な不織ウェブおよび不織布の形成を可能にすることができると共に、フィラメントの破損ならびに不織ウェブおよび不織布のハードスポット欠陥を最小限に抑える。
本発明のマルチゾーン紡糸口金は、添付図面を参照して本明細書で例示する、いくつかの要素を組み合わせることにより、この目的を達成することができる。本発明の紡糸口金の紡糸口金本体は、紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、穴は毛細管を含み、毛細管は、紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すために紡糸口金本体の面で開口している。毛細管は、複数の異なる列に配列され、これらの列は、紡糸口金本体の面において複数のゾーンに配列される。これらの毛細管は、紡糸口金本体の面における出口もしくは開口部において、別個の長さ、別個の断面形状、別個の断面積、別個の周長、ならびに、断面積および周長を用いて算出される別個の水力直径を有する。毛細管長さは、紡糸口金本体の底面の毛細管開口部から、その反対側の毛細管端部まで、例えば、毛細管が、同じ紡糸口金本体の反対側の上面から延びる穴のさらに大きな孔部分と構造的および流動的に合流し得るところまで、延びる。本発明の紡糸口金は、例えば、全体的な長さ対水力直径比率、ゾーンごとの長さ対水力直径比率、毛細管の密度、毛細管の水力直径、毛細管の長さ、毛細管の断面形状、もしくはこれらの任意の組み合わせに基づいて、異なり得る、毛細管の複数のゾーンを有する。
一実施形態では、紡糸口金の紡糸口金本体は、少なくとも3%(すなわち、3%以上で、100%まで)、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも15%、もしくは少なくとも20%、もしくは少なくとも25%、もしくは少なくとも50%、もしくは少なくとも75%、もしくは100%、もしくは3〜100%、もしくは4〜75%、もしくは5〜50%、もしくは10〜25%、または3〜100%の任意の他の値の、全体的な長さ対水力直径比率を有する。
別の実施形態では、紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、少なくとも2%(すなわち、2%以上で、100%まで)、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも15%、もしくは少なくとも20%、もしくは少なくとも25%、もしくは少なくとも50%、もしくは少なくとも75%、もしくは100%、もしくは2〜100%、もしくは3〜75%、もしくは4〜50%、もしくは5〜25%、または2〜100%の任意の他の値、である。
別のオプションとして、本発明の紡糸口金は、ゾーンに分割されることができ、これらのゾーンは、それらの毛細管水力直径および毛細管長さにより、互いと差別化される。例えば、毛細管水力直径および毛細管長さは、紡糸口金本体の面上でクエンチガス排出口から遠くに位置する毛細管のゾーンでは、クエンチガス排出口の比較的近くに位置する毛細管の異なるゾーンに比べて、小さくすることができる。別のオプションとして、本発明の紡糸口金は、ゾーンに分割されることができ、これらのゾーンは、それらの毛細管の水力直径、長さ、および長さ対水力直径比率により、互いと差別化される。例えば、毛細管の水力直径、長さ、および長さ対水力直径比率は、紡糸口金本体の面上でクエンチガス供給源(例えば、排出口)から離れて位置する毛細管のゾーンでは、クエンチガス供給源の比較的近くに位置する毛細管の異なるゾーンと比べた場合に、小さくすることができる。別のオプションとして、本発明の紡糸口金は、ゾーンに分割されることができ、これらのゾーンは、これらの特徴の任意の組み合わせ、または毛細管寸法の任意の組み合わせにより、互いと差別化される。さらに、毛細管水力直径、毛細管長さ、またはその両方は、紡糸口金本体の面の幾何学的中心がクエンチガス排出口付近のゾーンよりもクエンチガス排出口から離れているとすれば、紡糸口金本体の面の幾何学的中心に近い毛細管のゾーンでは、低減され得る。
例えば、隣接するゾーンの毛細管間に提供される任意の1つまたは複数の毛細管寸法(断面形状を除く)における差は、少なくとも毛細管を製造する際の機械加工公差より大きくてよく、具体的には、少なくとも2%、もしくは少なくとも約2.5%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも9%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも15%、もしくは少なくとも20%、もしくは少なくとも25%、もしくは少なくとも30%、もしくは少なくとも35%、もしくは少なくとも40%、またはこれらの0でない値のうち任意の2つの異なるものに基づく任意の範囲(例えば、約2%〜約30%))、または他の値だけ、互いに異なってよい。これらと同様の値が、異なるゾーンの毛細管間に提供され、かつ紡糸口金本体の面におけるゾーンについて全体的な長さ対水力直径比率およびさまざまなゾーンごとの長さ対水力直径比率を算出するのに使用される、毛細管の長さ対水力直径比率の差にも当てはまってよい。隣接するゾーンの毛細管間に提供される毛細管長さの差は、例えば、少なくとも毛細管を製造する際の機械加工公差より大きくてよく、具体的には、少なくとも2%、もしくは少なくとも2.5%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも9%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも15%、もしくは少なくとも20%、もしくは少なくとも25%、もしくは少なくとも30%、もしくは少なくとも約35%、もしくは少なくとも40%、または、これらの0でない値のうちの任意の2つの異なるものに基づいた任意の範囲(例えば、約2%〜約35%)、または他の値だけ、互いに異なっていてよい。これらのパーセンテージでの差はすべて、2つの数の数値差の正の絶対値を、それら2つの数の大きいほうの数で割り、得られた値に100を掛けることによって、算出され得る。
別のオプションとして、本発明の紡糸口金は、ゾーンに分割されることができ、これらのゾーンは、それらの毛細管密度により互いと差別化される。例えば、毛細管の少なくとも1つのゾーンは、紡糸口金本体の両端部に位置する毛細管の2つの他のゾーン間で中心に位置してよく、これら3つのゾーンは、冷却ガス(例えば、クエンチ空気)の流れの方向に垂直に向けられた線形配列で配され、毛細管の、中心に位置する1つまたは複数のゾーンは、毛細管の、外側の(すなわち、中心を離れて位置する(less centrally located))ゾーンのそれぞれより大きい毛細管密度を有する。3つのゾーンが冷却ガス(例えば、クエンチ空気)の流れの方向に垂直に向けられた線形配列で配されている、示された毛細管の中心ゾーンと外側ゾーンとの間などに提供され得る毛細管密度の、示された差は、少なくとも毛細管を製造する際の機械加工公差より大きくてよく、例えば、少なくとも1%、もしくは少なくとも約2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも9%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも15%、もしくは少なくとも20%、もしくは少なくとも25%、もしくは少なくとも30%、もしくは少なくとも35%、またはこれらの0でない値のうちの任意の2つの異なるものに基づいた任意の範囲(例えば、約1%〜約30%)、または他の値だけ、互いに異なっていてよい。これらの毛細管密度の値は、紡糸口金本体の幅に基づくことができる。
本発明の紡糸口金はまた、紡糸口金本体の面の開口領域を比例的に増大させることなく、より多くの毛細管を含むことができ、開口領域は、ポリマースループットを犠牲にすることなく、減らされることもできる。示された単一毛細管デザインの紡糸口金と比較した場合、これは、例えば、紡糸口金本体の面の毛細管の数の、最大で約20%〜約25%までの増大であってよく、紡糸口金本体領域の開口した面は、最大で5%まで、または最大で7%まで、または他の改善された値まで、減少され得る。
図1を参照すると、本発明のある実施形態のマルチゾーン紡糸口金100が図示されている。紡糸口金は、紡糸口金本体101を有し、紡糸口金本体101は、紡糸口金本体101を通って延びる穴103を、3つのゾーン111、121、122に画定している。ゾーン111の穴103は、第1の毛細管131を含み、ゾーン121および122は、第2の毛細管132および第3の毛細管133を含み、これらの毛細管はすべて、紡糸口金本体101の底面105で開口しており、この底面から、ポリマーフィラメントの押出しが下向きに行われる。図1では、異なるゾーンの穴/毛細管は、任意に加えられるマーク(すなわち、空の円(empty circles)(ゾーン111)および、まだらの灰色の円(mottled grey circles)(ゾーン121、122))により、この説明の目的で、互いに差別化され、これらのマークは、実際の紡糸口金構造の一部ではない。ゾーン111の第1の毛細管131は、紡糸口金本体101の面105において複数の異なる第1の列141に配列される。同様に、ゾーン121および122の毛細管132および133は、複数の異なる第2の列142および第3の列143に配列される。複数の異なる列141、142、143は、前述した複数の異なるゾーン111、121、122内に配列され、第1のゾーン111は、ゾーン121とゾーン122との間に位置する。第1のゾーン111は、その他のゾーン121および122より、紡糸口金本体101の面105の想像上の幾何学的中心115の近くに位置する。第1のゾーン111の第1の毛細管131は、個々に、第1の断面形状151を有する。第1のゾーン111の第1の毛細管131の第1の列141は、第1の毛細管密度161で配列される。第2のゾーン121の第2の毛細管132は、個々に、第2の断面形状152を有する。第2のゾーン121の第2の毛細管132の第2の列142は、第2の毛細管密度162で配列される。第3のゾーン122の第3の毛細管133は、個々に、第3の断面形状153を有する。第3のゾーン122の第3の毛細管133の第3の列143は、第3の毛細管密度163で配列される。ある実施形態では、毛細管は、列のすべてまたは実質的にすべてについて、所与の列内で等間隔であってよい。ある実施形態では、毛細管の隣接する列は、列のすべてまたは実質的にすべてについて、紡糸口金本体101の幅方向ωに対して等間隔であってよい。クエンチ空気流のクロスフローは、本明細書に記載される他の実施形態でさらに詳細に説明するように、紡糸口金本体の幅方向ωに直交して向けられた方向αで紡糸口金100の紡糸口金本体101に向けて、かつその下に、一般的な方向171Aおよび171Bに向けられることができる。
図1に図示する、前述した毛細管の断面形状は、紡糸口金本体の面における毛細管の出口開口部形態に基づいている。本明細書で説明する図面に示すように、断面形状は、毛細管が画定されている紡糸口金本体の厚さを少なくとも部分的に通って延びることができる。毛細管の断面形状は、この例示では円形になるように示されている。他の形態の断面形状、例えば、楕円、矩形、正方形、平行四辺形、三角形、多数の突出部を有するものなど、を使用することができる。ある実施形態では、紡糸口金は、毛細管を有し、毛細管は、その出口開口部において別個の断面形状を備え、この断面形状により、紡糸口金の毛細管を用いて形成される押出しフィラメントに、同様の断面形態を与えることができる。例えば、円形断面形状の毛細管を備える紡糸口金は、円形の断面形状を有するフィラメントを形成するのに使用されることができ、矩形の断面形状の毛細管は、矩形の断面形状のフィラメントを形成するのに使用されることができ、かつ/または楕円の断面形状の毛細管は、楕円の断面形状を有するフィラメントを形成するために使用されることができる。
ある実施形態では、第1または中央ゾーン111の毛細管密度161は、端部の(もしくは外側の)ゾーン121および122の毛細管密度162および163それぞれより高くてよい。冷却ガス供給源(例えば、クエンチ空気排出口)に対する毛細管のゾーンの場所に加え、壁もしくは他の冷却ガス流障害物に対するゾーンの場所は、ゾーン間の毛細管密度の差を左右し得る。例えば、毛細管密度161は、毛細管密度162および毛細管密度163と実質的に同じでなくてもよく、それは、毛細管密度162および毛細管密度163が、紡糸口金本体の外側エッジに位置する壁(不図示)に近接し得るためである。壁は、冷却ガス流を妨害する可能性があり、これにより、溶融状態にある間に、より多くの乱流およびフィラメント接触の可能性が生じ得るので、紡糸口金本体の面のエッジにおける毛細管密度162および毛細管密度163は、ゾーン111、121、122がすべてクエンチ空気排出口(不図示)に近接していても、毛細管密度161より小さくすることができるが、クエンチ空気排出口からの空気流は一般的な方向171Aおよび171Bにより示されている。実施形態では、端部のゾーン121および122の毛細管密度162および163は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。ある実施形態では、それら毛細管密度は同じである。前述したように、本明細書に記載する毛細管密度は、紡糸口金本体の線形幅に基づいて、または紡糸口金本体の面の正方形面積に基づいて、表わされ得る。紡糸口金本体101の線形幅方向ωは、図1に示される。図1に示す紡糸口金本体101の全体の線形幅は、紡糸口金本体101の端部121Aと端部12Aとの間の、線形幅方向ωにおける線形距離に基づいて決定され得る。紡糸口金本体は、例えば、紡糸口金プレートの業界で使用されるものなど、類似の材料タイプの金属プレートであってよい。本明細書に記載する形態を有する穴および毛細管は、例えば、紡糸口金製造のための、当技術分野で既知の機械加工技術の適応および使用によって、紡糸口金本体のボディに画定され得る。
図2Aにさらに詳細に示すように、穴203(103)は、紡糸口金本体201(101)の底面205(105)の反対側にある、それらの穴が位置する紡糸口金本体201(101)の上面204’から、紡糸口金本体201(101)の厚さt全体を通って延びる。上面204’は、この例示においては、穴間で概ね平坦であり、概ね水平に延びている。本明細書で使用される、括弧に入れた数字は、別の図面で特定されたのと同じ特徴部を指す。この例示では、穴203が形成される、紡糸口金本体201の上面204’は、上面204’を囲む、紡糸口金本体201の隆起した突起204”のエッジ面部分204に対して、奥まっている。紡糸口金本体201の外側エッジ部分204は、厚さt’を有し得る。厚さtは厚さt’より薄く、この例示では紡糸口金本体の上面における凹状のくぼみとして図示され、突起204”により囲まれた、上面部分204’間の空間214を画定し、紡糸口金本体201の上面204’に供給される溶融ポリマーは、水圧下で穴203に押し込まれる前に、溜められ満たされる貯蔵空間を有する。このようにして、例えば、ブレーカープレートなど、紡糸口金の別の構成要素から、紡糸口金本体201に入るポリマーの流れは、容易にすることができる。第1のゾーン211(111)の第1の毛細管231(131)は、個々に、第1の水力直径210および第1の長さ212を有し得る。図2Aに示す水力直径210は、円形断面形状のためのものである。紡糸口金本体201の一部252は、紡糸口金本体201の底部を通って延びるにつれて毛細管231を囲み、かつ画定し、紡糸口金本体201の底面205で開口している。本明細書で例示する毛細管は円形断面形状を有するが、本明細書に示すものなど、他の断面形状を使用することができる。第1の長さ対水力直径比率(L/D)は、これらの第1の毛細管231について算出されるか、または別様に決定されることができる。水力直径は、本明細書に定めるような、前述した式により決定される。
図2Bに示すように、第2のゾーン221(121)の第2の毛細管232(132)は、個々に、第2の水力直径216および第2の長さ217を有し得る。図2Bに示す水力直径は、円形断面形状のためのものである。第2の長さ対水力直径比率(L/(D))は、これらの第2の毛細管232について算出されるか、または別様に決定されることができる。前述したように、例えば、円形断面積形状の毛細管では、水力直径(D)および長さ対水力直径比率(L/D)の値は、これらの長さおよび水力直径の寸法値から容易に算出され得る。水力直径は、本明細書に定めるような、前述した式により決定される。ある実施形態では、図2Bで紡糸口金本体201について図示され、本明細書にも例示されるゾーン221(121)の穴203および第2の毛細管232(132)は、図1に示す紡糸口金本体101の第3のゾーン122の穴103および第3の毛細管133を表わし、かつこれらと同じであることができる。ある実施形態では、紡糸口金本体のゾーンはそれぞれ、同じ毛細管寸法を有する毛細管を含む。ある実施形態では、本発明の紡糸口金の所与のゾーンの全毛細管の少なくとも約90%、もしくは少なくとも約95%、もしくは少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは100%が、同じ毛細管寸法を有し得る。前述したように、本発明の実施形態では、毛細管の寸法の変動が、異なる毛細管ゾーンのうちいくつかの間で、もたらされる。
図2Cは、第1の毛細管231(131)の断面形状251(151)、その直径241、その周長262、およびその断面積261の拡大図を示す。毛細管231の断面形状251、断面積261、および周長262は、紡糸口金本体201の前述した部分252により定められ、この部分252は、紡糸口金本体201の底面205で開口するまで紡糸口金本体201の底部を通って延びるにつれて毛細管231を囲んでいる。図2Dおよび図2Eは、図2Cの形状の断面積および周長をそれぞれ示している。図2Dおよび図2Eに例示する寸法のうち、これらの2つの値は、本明細書中の前述した式に従って、図2Cの形状251(151)の水力直径(D)を算出する際に使用される。この例示では、断面形状251の断面積261は、図2Dに示す、斜交平行線の陰影をつけた空間であり、断面形状251の周長262は、図2Eにおいて、矢印が終わる破線開始/終了地点により示される円の周りの線状長さによって、示される。図2Cに例示したものなど、円形断面形状では、断面積261および周長262のそれぞれの値は、例えば、直径241の値を知ることなどによって、一般的な幾何学的法則に従って算出されることができ、あるいは本明細書で詳細に述べるように別様に決定されることができる。示したように、この例示は、円形断面形状を有し得る毛細管を示す。本発明の紡糸口金において使用される毛細管231および他の毛細管に使用され得る毛細管の他の断面形状は、例えば、図2Fに示すものなど、周囲の紡糸口金本体部分253内部に画定される対応する断面積273を有する楕円断面形状271、または、図2Iに示すような、周囲の紡糸口金本体部分254内部に画定される対応する断面積283を有する矩形もしくは正方形の断面形状281、または他の形状および対応する断面積を含む。図2Gおよび図2Hは、図2Fの形状の断面積273および周長272をそれぞれ示す。図2Jおよび図2Kは、図2Iの形状の断面積283および周長282をそれぞれ示す。これらの形状の水力直径は、本明細書で詳述する式を用いて、対応する断面積および周長から決定されることもできる。第1のゾーンの第1の毛細管の、これら例示したタイプの毛細管断面形状は、本明細書の説明に従って選択および調節された相対寸法を有する、紡糸口金の他のゾーンについて本明細書に記載した他の毛細管にも当てはめることができる。
図2Lは、例示のために図1および図2Aに図示された紡糸口金本体101を有する紡糸口金100を参照して、本発明のある実施形態の紡糸口金の毛細管密度を決定する方法を示す。これを例示するために、毛細管密度161は、第1のゾーン111の毛細管131のパターンの、任意に選択された部分的な部分291について決定されるが、毛細管密度が測定され得る紡糸口金本体の特定の部分に制限することを意図するものではない。紡糸口金の所与のゾーンの毛細管密度を決定するのに使用される部分は、毛細管のゾーン全体、またはその、あまり代表的でない部分(lesser representative portion)を含むことができる。毛細管密度161は、紡糸口金本体101の幅方向ωに対して決定され得る。この例示では、例えば、紡糸口金本体101の幅方向ωにおいて、部分291の長さ292当たり59個の毛細管があり、これにより、第1のゾーン111の毛細管密度の基準が与えられる。別のオプションとして、毛細管密度161は、幅方向ω、および紡糸口金本体の幅方向ωに直交して方向づけられた方向αの双方に関し、紡糸口金本体101の面105の正方形面積に基づいて決定され得る。この例示では、例えば、紡糸口金本体101の面の正方形面積294当たり59個の毛細管があり、正方形面積294は、幅方向ωにおける部分291の長さ292と、紡糸口金本体の幅方向ωに直交して方向づけられた、示された方向αにおける部分291の長さ293とを掛け合わせることにより決定され、これにより、第1のゾーン111の毛細管密度の別の基準がもたらされる。本明細書に記載するものなど、紡糸口金の他のゾーン内の他の毛細管の密度は、同様に決定され得る。
図3は、本発明の別の実施形態のマルチゾーン紡糸口金300である。紡糸口金は、7つのゾーン311、321、322、331、332、341、342に穴303を画定する、紡糸口金本体301を有する。穴303は、紡糸口金本体301を通って延びており、紡糸口金本体301の面305で開口する毛細管を含む。第1または中央のゾーン311は、第1の毛細管351を含み、第2および第3の(または端部の)ゾーン321および322は、第2の毛細管352および第3の毛細管353を含み、第4および第5の(または横の)ゾーン331および332は、第4の毛細管354および第5の毛細管355を含み、第6および第7の(または横の)ゾーン341および342は、第6の毛細管356および第7の毛細管357を含む。毛細管351、352、353、354、355、356、357は、紡糸口金本体301の底面305で開口しており、そこから下方に、ポリマーフィラメントの押出しが行われる。図3では、異なるゾーンの穴および/または毛細管は、任意に加えられたマーク(すなわち、空の円(ゾーン311)、まだらの灰色の円(ゾーン321、322)、斜めの縞模様の円(ゾーン331、332)、塗りつぶした円(solid circles)(ゾーン341、342))により、この説明のために、互いに差別化され、これらのマークは、実際の紡糸口金構造の一部ではない。第1のゾーン311の第1の毛細管351は、紡糸口金本体301の面305において複数の異なる第1の列361で配列される。同様に、第2のゾーン321および第3のゾーン322の毛細管352および353は、複数の異なる第2の列362および第3の列363で配列され、第4のゾーン331および第5のゾーン332の毛細管354および355は、複数の異なる第4の列364および第5の列365で配列され、第6のゾーン341および第7のゾーン342の毛細管356および357は、複数の異なる第6の列366および第7の列367で配列される。複数の異なる列361、362、363、364、365、366、367は、示された複数の異なるゾーン311、321、322、331、332、341、342内に配列される。第1のゾーン311は、紡糸口金本体の幅方向ωではゾーン321とゾーン322との間に、かつ紡糸口金本体の方向ωに対して直交に向けられた方向αではゾーン331、332、341、342の間に位置する。第1のゾーン311は、その他のゾーン321、322、331、332、341、342より、紡糸口金本体301の面305の想像上の幾何学中心315の近くに位置する。第1のゾーン311の第1の毛細管351は、個々に、第1の断面形状371を有する。第1のゾーン311の毛細管351の第1の列361は、第1の毛細管密度381で配列される。第2のゾーン321の第2の毛細管352は、個々に、第2の断面形状372を有する。ゾーン321の毛細管352の列362は、第2の毛細管密度382で配列される。第3のゾーン322の第3の毛細管353は、個々に、第3の断面形状373を有する。ゾーン322の毛細管353の列363は、第3の毛細管密度383で配列される。第4のゾーン331の第4の毛細管354は、個々に、第4の断面形状374を有する。ゾーン331の毛細管354の列364は、第4の毛細管密度384で配列される。第5のゾーン332の第5の毛細管355は、個々に、第5の断面形状375を有する。ゾーン332の毛細管355の列365は、第5の毛細管密度385で配列される。第6のゾーン341の第6の毛細管356は、個々に、第6の断面形状376を有する。ゾーン341の毛細管356の列366は、第6の毛細管密度386で配列される。第7のゾーン342の第7の毛細管357は、個々に、第7の断面形状377を有する。ゾーン342の毛細管357の列367は、第7の毛細管密度387で配列される。ある実施形態では、毛細管は、列のすべてまたは実質的にすべてについて、所与の列内で等間隔であってよい。ある実施形態では、毛細管の隣接する列は、紡糸口金本体301の幅方向ω、または直交方向α、またはそれら両方に対して、列のすべてまたは実質的にすべてで等間隔であってよい。紡糸口金本体301は、台形の端部を備えた、矩形の中央部分を含む、全体的に多角形の形状を有する。
図3に示した前記の毛細管の断面形状はまた、紡糸口金本体の面における毛細管の出口開口部形態に基づいている。本明細書で説明する図面に示すように、これらの毛細管の断面形状は、毛細管が画定されている紡糸口金本体の厚さを少なくとも部分的に通って延びることができる。毛細管の断面形状はまた、この図3の例示では、円形になるように示されている。前述のように、毛細管の断面形状に、他の形態を使用することができる。ある実施形態では、紡糸口金本体のゾーンはすべて、同じ毛細管断面形状を有する毛細管を含むが、本明細書で記載するような、異なる毛細管ゾーンの一部またはすべてにおいて、毛細管のその他の寸法が変動する。ある実施形態では、第1、第4、第5、第6、第7のゾーンの毛細管密度381、384、385、386、387はそれぞれ、端部のゾーン321および322の毛細管密度382および383のそれぞれより大きくてよい。実施形態では、第1、第4、第5、第6、第7のゾーンの毛細管密度381、384、385、386、387は、互いに同じでも、異なっていてもよい。一実施形態では、それらは同じである。実施形態では、端部のゾーン321および322の毛細管密度382および383は、互いに同じでも、異なっていてもよい。一実施形態では、それらは同じである。図1に示す紡糸口金本体301の全体的な直線幅は、紡糸口金本体301の端部321Aと端部322Aとの間の、直線幅方向ωにおける直線距離に基づいて決定され得る。紡糸口金本体301は、図1の紡糸口金本体について本明細書で示したのと、同様の構造であってよく、かつ同じように製造されることができる。図3では、紡糸口金本体301は、細長い八角形の周辺形状を有するものとして例示され、端部のゾーン321および322は、幾何学中心315から遠ざかって幅方向ωにテーパー状になる。他の多角形状(例えば、矩形、正方形、六角形、台形、およびその他)など、ならびに長円形、円形、楕円、および他の非多角形状などの、他の紡糸口金本体形状を使用することができる。
図3には矢印が含まれており、これらの矢印は、本明細書の他の図面(例えば図8)に関してさらに詳細に説明するものなどの溶融紡糸器具において紡糸口金が使用される場合に、紡糸口金の毛細管ゾーンのレイアウトに対して使用され得る、クエンチ空気393および394のクロスフロー方向を示している。本明細書で説明するように、クエンチ空気は、フィラメントが押し出される紡糸口金の底面の下を流れるように準備される。クエンチ空気は、紡糸口金本体301の各側に配列された1つまたは複数のクエンチガス排出口391および392により、紡糸口金本体301より下のエリアに向けて、相対するクロスフロー方向に供給され得る。説明を単純化するため、図面には、いくつかのクエンチガス排出口が図示されているにすぎないが、クエンチガスが好適には、紡糸口金本体301の幅全体または実質的に幅全体に対して、紡糸口金本体301の両側から、紡糸口金本体301の下に均一にまたは実質的に均一に吹き付けられる限り、より多いかまたは少ないクエンチガス排出口が使用され得る。
紡糸口金本体301の毛細管の寸法に関して、図2Aに示し、本明細書中に例示した紡糸口金本体201のゾーン211の穴203および第1の毛細管231が、図3に示す紡糸口金本体301の第1のゾーン311の穴303および第1の毛細管351と、それらの前述した構造および寸法とを表していて、それらについて同じであってもよい。図2Bに示し本明細書中に例示する紡糸口金本体201のゾーン221の穴203および第2の毛細管232が、図3に示す紡糸口金本体301の第2のゾーン321および第3のゾーン322の穴303ならびに第2の毛細管352および第3の毛細管353と、それらの前述した構造および寸法とを表していて、それらについて同じであってもよい。図3のゾーン331、332、341、342の毛細管の毛細管寸法は、図4Aおよび図4Bを参照して、さらに詳細に説明する。
図4Aでさらに詳細に示すように、穴403(303)は、紡糸口金本体401(301)の底面405(305)と反対側の、紡糸口金本体401(301)の上面404’から、紡糸口金本体401(301)のの厚さtを通って延びる。この例示では、必須ではないが、穴403が形成され、エッジ面部分404から離れて位置する、紡糸口金本体401の上面404’は、わずかに奥まっている。紡糸口金本体401の外側エッジ部分404は、厚さt’を有し得る。第4のゾーン431(331)の第4の毛細管454(354)は、個々に、第4の水力直径406、および第4の長さ407を有し得る。図4Aに示した水力直径は、円形断面形状のためのものである。第4の長さ対水力直径比率は、本明細書中の式を用いて、これらの第4の毛細管454について算出されるか、または別様に決定されることができる。円形断面形状の毛細管では、例えば、DおよびL/D比率の値は、これらの長さおよび水力直径の寸法値から、容易に算出され得る。前述した図2Cは、このような円形断面形状の毛細管の断面積を例示している。L/D比率の値は、本明細書に記載する計算に従って、円形断面形状の毛細管について決定されることもできる。前述のように、毛細管の他の断面形状の断面積(CA)値は、任意の便利な方法で決定されてよく、水力直径の値は、本明細書に定義するような、示された式により決定される。ある実施形態では、図4Aに示し、本明細書に例示するゾーン431(331)の穴403(303)および第4の毛細管454(354)が、図3に示す紡糸口金本体301の第5のゾーン332の穴303および第5の毛細管355と、それらの示した構造および寸法とを表し、かつこれらについて同じであってもよい。図4Bに示すように、紡糸口金本体401の第6のゾーン441(341)の第6の毛細管456(356)は、個々に、第6の水力直径408、および第6の長さ409を有し得る。図4Bに示した水力直径は、円形断面形状のためのものである。第6の長さ対水力直径比率(L/D)は、これらの第6の毛細管456について算出されるか、または別様に決定され得る。水力直径の値は、本明細書で定めるような、示した式により決定され、L/D比率の値が算出され得る。ある実施形態では、図4Bに示し、本明細書中で例示したゾーン441(341)の穴403(303)および第6の毛細管456(356)が、図3に示した紡糸口金本体301の第7のゾーン342の穴303および第7の毛細管357と、それらの示された構造および寸法とを表し、かつこれらについて同じであってもよい。
図5A、図5B、図5Cは、図3に示した、いくつかの示された紡糸口金エッジエリア5A、5B、5Cそれぞれの拡大平面図である。寸法501〜514は、紡糸口金本体301のこれら異なるエッジエリアにおける、毛細管の隣接する列間のさまざまなピッチ距離および関係を示している。本明細書で使用する「ピッチ」は、2つの隣接する毛細管の、中心間直線距離を指す。図3に示したものと同様のクエンチ空気の方向が含まれている。図5Aは、図3の第2のゾーン321の示したエリアにおける唯一の毛細管タイプとして、図3に示すような紡糸口金300のゾーン321の毛細管352に対応する、毛細管552を含むエッジエリア5Aのこれらの特徴を示す。図5Bは、図3の第6のゾーン341の示したエリアにおける唯一の毛細管タイプとして、図3に示すような紡糸口金300のゾーン341の毛細管356に対応する、毛細管556を含むエッジエリア5Bのこれらの特徴を示す。図5Cは、第6のゾーン341のテーパー部分で紡糸口金300の第3のゾーン322に移行する、示したエリアで使用される毛細管タイプとして、図3に示すような紡糸口金300のゾーン341の毛細管356に対応する、想像上の分割線559の左側に位置する毛細管である毛細管556と、図3に示すような紡糸口金300のゾーン322の毛細管353に対応する、想像上の分割線559の右側に位置する毛細管である毛細管553と、の両方を含むエッジエリア5Cについて、これらの特徴を示す。図5Aでは、図3に示すものなどの、クエンチ空気の方向と整列される毛細管の隣接した列における毛細管のピッチ502は、クエンチ空気の方向に対して直交方向に向けられた隣接した列内の毛細管のピッチ504と同じでも異なっていても(例えば、より小さくても)よい。距離501は、3つの隣接した毛細管のピッチの寸法であり、距離503は、隣接した列内の毛細管の寸法を示す。図5Bでは、図3に示すものなどの、クエンチ空気の方向と整列される毛細管の隣接した列における毛細管のピッチ506は、クエンチ空気の方向に対して直交方向に向けられた隣接した列内の毛細管のピッチ508と同じでも異なっていても(例えば、より小さくても)よい。距離505は、隣接した列内の3つの毛細管のピッチの寸法であり、距離509は、隣接した列内の毛細管の寸法を示し、距離507は、そのパターンの外側の毛細管から紡糸口金本体のエッジまでの寸法を示す。図5Aおよび図5Bでは、(図3の紡糸口金300のゾーン321の)ピッチ502は、(図3の紡糸口金300のゾーン341の)ピッチ506より大きくてよく、ピッチ504は、ピッチ508より大きいか、または他の値であってよい。図5Cでは、(図300の紡糸口金300の異なるゾーン341および322の)異なる毛細管556および553の隣接した列内の毛細管の間のピッチ510は、ピッチ512(図5Bのピッチ506と同じ値であってよい)、およびピッチ513(図5Aのピッチ502と同じ値であってよい)それぞれより大きくてよい。距離511は、毛細管556の中の隣接した列内の3つの毛細管のピッチの寸法であり、距離513および514は、毛細管553の中の隣接した列内の他の毛細管の寸法を示す。図5A、図5B、図5Cに示した寸法の他のピッチの値は、本明細書に含まれる実施例に例示したものを含み得る。
再び図3に示す紡糸口金を参照すると、示したように、一実施形態では、幅方向ωにおいて紡糸口金本体の両端部に位置する、2つのゾーン321および322(または「ゾーンA」)は、同じ水力直径および長さを有する毛細管を含み得る。ゾーン321とゾーン322との間に位置する、ゾーン341および342(または「ゾーンB」)、ゾーン331および332(または「ゾーンC」)、ならびにゾーン311(またはゾーン「D」)は、外側のゾーン341および342から中心ゾーン311に向かう方向αに向かって、次第に小さくなる毛細管出口水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)ならびに長さを有する、毛細管を含み得る。例えば、ゾーン311の毛細管は、ゾーン331および332より小さい水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)ならびに長さを有することができ、ゾーン331および332の毛細管は、ゾーン341および342より小さい水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)ならびに長さを有し得る。ゾーン321とゾーン322との間に位置するゾーン341および342、ゾーン331および332、ならびにゾーン311内の毛細管の長さ対水力直径比率はまた、外側のゾーン341および342から中心ゾーン311に向かう方向αにゾーン間を移動すると、次第に小さくなることができる。ゾーン341および342は、端部のゾーン321および322の毛細管より小さい長さならびに出口水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)を有する毛細管の複数の長さ方向列で作られ得る。この実施例では、ゾーン341および342の毛細管水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)ならびに長さは、端部のゾーン321および322の毛細管より小さいので、内側のゾーン331、332、311は、端部のゾーン321および322と比較した場合に、水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)ならびに長さがさらに小さい毛細管を有する。ある実施形態では、ゾーン311、321、322、331、332、341、342はそれぞれ、毛細管の複数の長さ方向の列を含んでよく、これらの列はすべて、同じゾーン内に位置する毛細管については、同じ出口水力直径(および/または円形断面形状の毛細管の直径)ならびに長さを有する。ゾーン321、322、341、342は、紡糸口金の端部付近で経験する空気の乱れおよびクエンチの不足(quench deficiencies)の影響を最小限に抑えるために、例示するように、テーパー状の形状または部分的にテーパー状の形状を有し得る。オプションとして、ゾーン321および322は、垂直列1つ当たりの毛細管の数が、ゾーン341および342、ゾーン331および332、またはゾーン331の非テーパー状部分で一定になるエリアまで延びていない。示したように、ゾーン321および322の毛細管密度は、紡糸口金の残り部分より低くてよく、また、いくつかの市販の紡糸口金で使用される密度(例えば、紡糸口金本体の面の幅1m当たり約6800個の毛細管)とほぼ同じであってよい。示したように、ゾーン311、331、332、341、342のこの例示における残りのゾーンは、同じ毛細管密度の値を有し得る。例示した実施形態では、ゾーン341、342、321、322は、図3に示すように、紡糸口金の外側に向かって位置するゾーンであり、クエンチ空気の、入ってくるクロスフローにより影響される最初のゾーンである。オプションとして、紡糸口金300の端部のゾーン321および322から押し出される、不織布の部分は、紡糸口金を用いて製造された不織布から切り取られてよく、あるいは、それらは、製品内に保持され得る。紡糸口金300の端部のゾーン321および322から押し出される不織布の部分を切り取ることは、それらの布部分が、ゾーン311、331、332、341、342からフィラメントを押し出すことで製造された不織布の残り部分より劣る場合に望ましくなり得る。オプションとして、説明したこれらの構造に従った毛細管の追加的ゾーンが、紡糸口金本体301に含まれ得る。
紡糸口金本体の面の幅1m当たりの毛細管開口部の総数は、例えば、少なくとも3000個、もしくは少なくとも4000個、もしくは少なくとも5000個、もしくは少なくとも6000個、もしくは少なくとも6500個、もしくは少なくとも7000個、もしくは少なくとも7500個、もしくは少なくとも8000個、もしくは少なくとも9000個、もしくは少なくとも9500個、もしくは少なくとも10000個、もしくは他の値であってよい。単一のデザインの毛細管を有する紡糸口金と比べて、本発明の紡糸口金における紡糸口金本体の幅1m当たりの毛細管の総数を増やすことで、例えば、より高いスループットを可能にすることができる。フィラメントのより均一なクエンチも可能となり得、紡糸口金本体から繊維収集表面までのフロストライン距離の変動性が小さくなる。その点について、各ゾーンの毛細管の寸法は、水力直径の特徴に基づいて選択されてよく、長さは、剪断応力(Tcw)に基づいて均一なスループット(例えば、本明細書中「ghm」または「グラム/時/m」と言われることもある、1m当たりの毎時グラム(grams per hour per meter)で)を維持するように選択される。概して、毛細管の水力直径は、紡糸口金本体の面において外側のゾーンから内側のゾーンに向けて減少し、本明細書で説明するような二重対向交差方向クエンチガス構成においてゾーンが紡糸口金本体の中心に近づくと、出口フィラメント速度を増大させ、かつ初期フィラメント直径を低減する。本明細書で説明するような実験結果に基づくと、クエンチガス排出口からさらに離れて、より小さい水力直径の毛細管を使用することで、フィラメントからの熱伝達を改善することができ、そのため、二重対向交差方向クエンチガス構成で紡糸口金本体の中央に向かって予測される、任意のより高い空気温度およびより低い空気体積を、部分的に相殺すると考えられる。クロスフロークエンチデザインでは、例えば、異なる寸法の毛細管を有する異なるゾーンを備えた紡糸口金が提供されてよく、例えば、それらの毛細管の毛細管長さ、水力直径、および毛細管長さ対水力直径比率は、外側のゾーンから内側および中心のゾーンに向かって相対する方向に流れるクエンチ空気の入ってくる流れに面する外側のゾーンから、次第に減少する。この減少は、紡糸口金本体の毛細管の連続して隣接するゾーンにおいて、少なくとも2つのゾーンについて、いくつかの実施形態では少なくとも3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つ以上のゾーンで、ゾーンごとにもたらされ得る。これは、紡糸口金本体の面の中央に向けてのクエンチを改善するために行われてよく、したがって、ghm単位の全体的なポリマースループットの増加、または布の均一性の改善(例えば、同等のポリマースループットで、より均一な繊維)を可能にすることができる。異なるゾーンの毛細管の毛細管長さおよび水力直径は、毛細管の1つのゾーンから別のゾーンにかけて等しいポリマースループットを生じるために、剪断応力(Tcw)に基づいて選択され得る。本明細書の目的で、剪断応力は、Tcw=ΔPHc/4Lcとして定義される。圧力降下は各毛細管の長さにわたり、かつ紡糸口金本体の面にわたり一定であり、ΔΡについてこの式を解くことが想定されるので、Tcwaca/DHa=Tcwbcb/DHb=Tcwc/CLcc/DHcであり、式中、Tcwx(例えば、Tcwa、Tcwb、Tcwc)は、水力直径DHx(例えば、DHa、DHb、DHc)を有する毛細管Xのレオロジー曲線から得られるような、剪断応力であり、Lcx(例えば、Lca、Lcb、Lcc)は、毛細管の長さであり、ΔΡは、毛細管にわたる圧力降下である。剪断応力は、毛細管水力直径と共に変化するので、毛細管長さは、異なる毛細管デザイン間で一定の式(expression)(Tcwx Lc/DHx)を保つように調節され得る。オプションとして、円形断面形状の毛細管では、毛細管の長さ対水力直径比率の組み合わせは、Tcwx cx/DHxの式が、紡糸口金本体の面に毛細管ゾーンをデザインするのに使用され得る、前述した式に基づいて、一定、またはその±35、もしくは±30、もしくは±25、もしくは±20%、もしくは±15、±10%、±5%、もしくは±3%もしくは±1%以内に維持されるように、構成され得る。
これらの原理は、片側クエンチガスモダリティーで使用され得る、本発明の紡糸口金の紡糸口金本体の面の毛細管および毛細管ゾーンのデザインにも適応され得る。例えば、片側クエンチガスモダリティーでは、異なる寸法の毛細管を有する異なるゾーンを備えた面を有する紡糸口金本体が、提供され得、例えば、毛細管の毛細管長さ、水力直径、および毛細管長さ対水力直径比率は、入ってくるクエンチガスの排出口に最も近い外側のゾーンから、紡糸口金本体の反対側付近に位置する毛細管に向かって、クエンチガス供給源からさらに離れて、次第に減少する。この漸進的な減少は、紡糸口金本体の面の毛細管の連続して隣接するゾーンで、少なくとも2つのゾーンについて、また本発明のいくつかの実施形態では少なくとも3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、もしくは8つ以上のゾーンにおいて、ゾーンごとにもたらされ得る。
図3に示す紡糸口金本体301の端部のゾーン321および322が、可能な壁効果のためになされた毛細管デザイン改変により、クエンチガス排出口付近に位置する紡糸口金本体の面における他のゾーンの毛細管より大きい毛細管寸法を有し得ることが、理解される。図3に示す紡糸口金本体301の端部のゾーン321および322が、可能な壁効果のためになされた毛細管デザイン改変により、クエンチガス排出口付近に位置する紡糸口金本体の面における他のゾーンの毛細管密度より小さい毛細管密度を有し得ることも理解される。壁効果は、ω方向における紡糸口金本体のエッジでの(図面には示されていない)壁の干渉による、追加的な乱れ、および改変されたクエンチガスの流れを含むが、これらに制限されない。すなわち、図3の紡糸口金本体301は、細長い八角形の周辺形状を有し、端部のゾーン321および322は、幾何学的中心315から遠ざかる幅方向ωにおいてテーパー状になる。壁効果により、この例示における端部のゾーン321および322の毛細管は、ゾーン341および342が使用中に端部のゾーン321および322よりクエンチガス排出口の近くにある場合であっても、ゾーン341および342の毛細管の水力直径および長さより大きい、水力直径および長さを有し得る。本明細書で使用される「壁効果」は、紡糸口金本体の真下にあり、壁を画定する冷却チャンバの使用を指し、これらの壁により、壁付近での、空気などのクエンチガスの流れに乱れが生じる。この壁効果での乱れにより、紡糸口金本体の端部のゾーンからこれらの領域内に紡糸された小さなフィラメントが、動きまわって、システムから製造されたウェブの側方部分に不均一性をもたらし得る。これらの不均一な側方部分は、製品から切り取られるか、または保持されることができる。不均一なウェブ側方部分が生成される可能性があるにもかかわらず、端部のゾーン321および322は、壁付近の乱流エリアに対する緩衝装置として役立つことにより、フィラメントの束内へのクエンチガスの流れに対する壁効果の程度を最小限に抑えるのに使用され得る。端部のゾーン321および322は、紡糸口金本体の面にわたりスループットを均一に保つのに役立ち得る。端部のゾーン321および322は、代わりに、壁効果を減少させるため、壁付近の紡糸口金本体の面において、毛細管のない部分(capillary-free portions)に置き換えられることもできる。フィラメントを生成する、前述の端部のゾーンを含むことは、紡糸口金本体の面の中央に近接して位置する毛細管から製造されるフィラメントに対する壁効果への、より効果的な緩衝装置を提供するために、好ましい場合がある。紡糸口金本体の側面に隣接して壁を画定するチャンバを含まない、フィラメントの冷却領域を使用する場合、クエンチガスの流れが紡糸口金本体の面の全幅に沿ってより均一になり得るので、端部のゾーンの必要性は、減少するか、または排除されることができる。
本発明における紡糸口金および紡糸口金本体のポリマースループットは、紡糸口金本体の面の幅1m当たり毎時少なくとも約15,000g(すなわち「ghm」)、もしくは少なくとも約25,000ghm、もしくは少なくとも約50,000ghm、もしくは少なくとも約75,000ghm、もしくは少なくとも約100,000ghm、もしくは少なくとも約150,000ghm、もしくは少なくとも約200,000ghm、もしくは少なくとも約250,000ghm、もしくは少なくとも約300,000ghm、もしくは約15,000〜約1,000,000ghm、もしくは約25,000〜約800,000ghm、もしくは約50,000〜約700,000ghm、もしくは約75,000〜約700,000ghm、もしくは約100,000〜約600,000ghm、もしくは約150,000〜約500,000ghm、もしくは約150,000〜約400,000ghm、もしくは約200,000〜約350,000ghmの値、または他の値で、ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマーを処理するために提供され得る。ghmに関連する「幅」は、図1、図2L、図3、図6、図7に示すように、紡糸口金本体の面のω方向に測定される。約35%未満である繊維直径分布の標準偏差など、減少したフィラメント直径可変性を有するフィラメントを製造する、紡糸口金本体を提供することができる。
毛細管水力直径の機能において毛細管長さを調節するのに使用される戦略は、毛細管への入口形状からのわずかな影響を前提としていることも注意されたい。しかしながら、その入口形状が、無視できない影響を有するように選択されると、算出する上でそれを考慮に入れることができ、かつ/または、毛細管水力直径の変化を相殺するために、代わりに、もしくはある程度、それを使用することができる。例えば、カウンターボアの角度は、流量に影響を及ぼしてよい(例えば、より狭い角度は、毛細管を長くするのと同じ効果を有し得る)。言い換えれば、一般的に、水力直径は、毛細管開口部入口では、紡糸口金本体の面の毛細管開口部出口と、入口と出口との間の毛細管の長さにわたり、同じであると考えられる。しかしながら、長さに沿ってこの均一な毛細管直径を有する毛細管を有していない、本発明の紡糸口金本体では、この均一性の欠如は、紡糸口金本体の面におけるゾーンおよびその中の毛細管のデザインにおいて、考慮に入れることができると考えられる。
図6は、本発明の別の実施形態のマルチゾーン紡糸口金600の底面図であり、このマルチゾーン紡糸口金は、相対する交差方向流れ(すなわち、両側(dual side))ガスクエンチ動作モダリティーのために使用され得る。紡糸口金は、紡糸口金本体601を有し、紡糸口金本体601は、紡糸口金本体601を通って延びる、5つのゾーン611、621、622、631、632における穴603を画定している。第1または中央のゾーン611は、第1の毛細管651を含み、第2のゾーン621および第3のゾーン622は、第2の毛細管652および第3の毛細管653を含み、第4のゾーン631および第5のゾーン632は、第4の毛細管654および第5の毛細管655を含む。毛細管651、652、653、654、655は、紡糸口金本体601の底面605で開口しており、そこから、ポリマーフィラメントの押出しが、下方に向けて行われる。図6では、異なるゾーンの穴および/または毛細管は、任意に加えられたマーク、例えば、ゾーン611については空の円、ゾーン621および622については斜めの縞模様の円、ゾーン631および632については塗りつぶした円によって、この説明の目的で、互いに差別化され、これらのマークはすべて、実際の紡糸口金本体601構造の一部ではない。第1のゾーン611の第1の毛細管651は、紡糸口金本体601の面605において複数の異なる第1の列661に配列される。同様に、第2のゾーン621および第3のゾーン622の毛細管652および653は、複数の異なる第2の列662および第3の列663に配列され、第4のゾーン631および第5のゾーン632の毛細管654および655は、複数の異なる第4の列664および第5の列665に配列される。矢印が図6に含まれており、これらの矢印は、本明細書中で他の図面(例えば図8)についてさらに詳細に説明するような、溶融紡糸器具で紡糸口金が使用される場合に、紡糸口金本体601の面605における毛細管ゾーンのレイアウトに対して使用され得る、クエンチガス(例えば、空気)のクロスフロー方向を示している。
複数の異なる列661、662、663、664、665は、示された複数の異なるゾーン611、621、622、631、632内に配列される。第1のゾーン611は、紡糸口金本体601の面上の幅方向ωに対して直交して向けられた、紡糸口金本体601の面605上の方向αにおいてゾーン621とゾーン622との間に位置し、ゾーン621および622は、紡糸口金本体601の面605の方向αにおいてゾーン631とゾーン632との間に位置する。第1のゾーン611は、その他のゾーン621、622、631、632より、紡糸口金本体601の面605の想像上の幾何学中心615に近接して位置している。第1のゾーン611の第1の毛細管651は、個々に、第1の断面形状671を有する。第1のゾーン611の毛細管651の第1の列661は、第1の毛細管密度681で配列される。第2のゾーン621の第2の毛細管652は、個々に、第2の断面形状672を有する。ゾーン621の毛細管652の列662は、第2の毛細管密度682で配列される。第3のゾーン622の第3の毛細管653は、個々に、第3の断面形状673を有する。ゾーン622の毛細管653の列663は、第3の毛細管密度683で配列される。第4のゾーン631の第4の毛細管654は、個々に、第4の断面形状674を有する。ゾーン631の毛細管654の列664は、第4の毛細管密度684で配列される。第5のゾーン632の第5の毛細管655は、個々に、第5の断面形状675を有する。第5のゾーン632の毛細管655の列665は、第5の毛細管密度685で配列される。ある実施形態では、毛細管は、列のすべてまたは実質的にすべてで、所与の列内で、等間隔であってよい。ある実施形態では、毛細管の隣接する列は、紡糸口金本体601の幅方向ω、または直交方向α、またはその両方に対して、列のすべてまたは実質的にすべてで、等間隔であってよい。
図6に示す前述した毛細管の断面形状はまた、紡糸口金本体601の面605における毛細管の出口開口部形状に基づいている。本明細書中で説明する図面に示すように、これらの毛細管の断面形状は、毛細管が画定されている紡糸口金本体の厚さを少なくとも部分的に通って延びることができる。また、毛細管の断面形状は、この図面では円形になるように示されている。前述のとおり、他の形状が、毛細管の断面形状に使用され得る。ある実施形態では、紡糸口金本体601のゾーンすべては、同じ毛細管断面形状を有する毛細管を含むが、本明細書に記載するような毛細管の異なるゾーンのうちの1つまたは複数において毛細管の毛細管寸法(断面形状以外)は変動する。ある実施形態では、第1のゾーン611、第2のゾーン621、第3のゾーン622、第4のゾーン631、第5のゾーン632の毛細管密度681、682、683、684、685は、同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、それらの密度は同じである。図6に示す紡糸口金本体601の全体の線形幅は、紡糸口金本体601の端部621Aと端部622Aとの間の、線形幅方向ωにおける線形距離に基づいて決定され得る。紡糸口金本体601は、図1および図3の紡糸口金本体について本明細書で示したものと同様の構造であってよく、また、同様の方法で製造され得る。図6では、紡糸口金本体601は、矩形の周辺形状を有し、毛細管631、621、611、622、632のゾーンの全体的なレイアウトは、全体的な矩形の形状の外周を有する。他の紡糸口金本体周辺形状も、この実施形態または他の実施形態に使用され得る。そのような形状には、多角形、円形、長円形、楕円、台形、およびそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに制限されない。
紡糸口金本体601の穴および毛細管の寸法に関して、図2Aに示し本明細書中に例示される紡糸口金本体201のゾーン211の穴203および第1の毛細管231が、図6に示した紡糸口金本体601の第1のゾーン611の穴603および第1の毛細管651と、それらの前述した構造および寸法とを表し、かつそれらについて同じであることもできる。図4Aに示し本明細書中に例示される紡糸口金本体401のゾーン431の穴403および第4の毛細管454が、図6に示す紡糸口金本体601の第2のゾーン621および第3のゾーン622の穴603および第2の毛細管652および第3の毛細管653、ならびにそれらの前述した構造および寸法を表し、かつそれらについて同じであることもできる。図4Bに示し本明細書中に例示される紡糸口金本体401のゾーン441の穴403および第6の毛細管456が、図6に示す紡糸口金本体601の第4のゾーン631および第5のゾーン632の穴603および第4の毛細管654および第5の毛細管655、ならびにそれらの前述した構造および寸法を表し、かつそれらについて同じであることもできる。ゾーン631および632、ゾーン621および622、ならびにゾーン611は、図6に示されるようにゾーンが配列された状態で、最も外側のゾーン631および632から内側に、ゾーン621および622に向けて、そして中心のゾーン611に向かう方向αに、この順番でゾーン間を動くとき、徐々に小さくなる毛細管開口部出口水力直径、長さ、および長さ対水力直径比率を有する毛細管を含むことができる。オプションとして、説明したこれらの配列に従う、毛細管の追加のゾーンが、紡糸口金本体601に含まれ得る。
図7は、本発明の別の実施形態のマルチゾーン紡糸口金700の底面図であり、これは、片側クエンチガス動作モダリティーに使用されることができる。紡糸口金は、紡糸口金本体701を有し、紡糸口金本体701は、紡糸口金本体701を通って延びる、3つのゾーン711、721、731における穴703を画定する。第1または中央のゾーン721は、第1の毛細管752を含み、第2のゾーン731は、第2の毛細管754を含み、第3のゾーン711は、第3の毛細管751を含む。毛細管751、752、754は、紡糸口金本体701の底面705で開口しており、ここから、ポリマーフィラメントの押出しが下方に向けて行われる。図7では、異なるゾーンの穴および/または毛細管は、任意に加えられたマーク、例えば、ゾーン711については空の円、ゾーン721については斜めの縞模様の円、ゾーン731については塗りつぶした円により、この説明の目的で、互いに差別化され、これらのマークはすべて、実際の紡糸口金構造の一部ではない。第1のゾーン721の第1の毛細管752は、紡糸口金本体701の面705において複数の異なる第1の列762に配列される。同様に、第2のゾーン731の毛細管754は、複数の異なる第2の列764に配列され、第3のゾーン711の毛細管751は、複数の異なる第3の列761に配列される。矢印が図7に含まれ、これらの矢印は、本明細書中他の図面(例えば、図8)に関してさらに詳細に説明するような、溶融紡糸器具で紡糸口金700が使用される場合に、紡糸口金700の毛細管ゾーンのレイアウトに対して使用され得る、クエンチ空気の片側流れ方向を示す。
複数の異なる列761、762、764は、示された複数の異なるゾーン711、721、731内に配列される。第1のゾーン721は、紡糸口金本体701の面705の幅方向ωに対して直交して向けられた、紡糸口金本体701の面705の方向αで、面705においてゾーン731とゾーン711との間に位置している。第1のゾーン721は、第3のゾーン711よりクエンチ空気供給源の近くに位置し、第2のゾーン731は、第1のゾーン721よりクエンチ空気供給源の近くに位置する。第1のゾーン721の第1の毛細管752は、個々に、第1の断面形状772を有する。ゾーン721の毛細管752の列762は、第1の毛細管密度782で配列される。第2のゾーン731の第2の毛細管754は、個々に、第2の断面形状774を有する。ゾーン731の毛細管754の列764は、第2の毛細管密度784で配列される。第3のゾーン711の第3の毛細管751は、個々に、第3の断面形状771を有する。第3のゾーン711の毛細管751の第3の列761は、第3の毛細管密度781で配列される。ある実施形態では、毛細管は、列のすべてまたは実質的にすべてで、所与の列内で等間隔であってよい。ある実施形態では、毛細管の隣接する列は、紡糸口金本体701の面705の幅方向ω、または直交方向α、またはその両方に対して、列のすべてまたは実質的にすべてで、等間隔であってよい。
図7に示した前述した毛細管の断面形状はまた、紡糸口金本体701の面705における毛細管の出口開口部形状に基づいている。本明細書で説明する図面に示すように、これらの毛細管の断面形状は、毛細管が画定されている紡糸口金本体701の厚さを少なくとも部分的に通って延びていてよい。毛細管の断面形状はまた、この図7の例示では、円形であるように示されている。前述したように、他の形状を、毛細管の断面形状に使用してもよい。ある実施形態では、紡糸口金本体701の面705のゾーンはすべて、同じ毛細管断面形状を有する毛細管を含むが、本明細書に記載するような異なる毛細管ゾーンのうちの1つまたは複数において毛細管の毛細管寸法(断面形状以外)が変動する。ある実施形態では、第1のゾーン721、第2のゾーン721、第3のゾーン711の毛細管密度782、784、781は、それぞれ、同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、それらの密度は同じである。図7に示す紡糸口金本体701の全体的な線形幅は、紡糸口金本体701の面705の端部721Aと端部722Aとの間の、線形幅方向ωにおける線形距離に基づいて決定され得る。紡糸口金本体は、金属プレート構造または他の剛性耐熱材料であってよい。図7では、紡糸口金本体701は、その外周により画定される矩形の形状を有し、毛細管ゾーン731、721、711の全体的なアレイは、全体的な矩形の形状を有する。他の紡糸口金本体形状を、この実施形態に使用することもできる。例えば、この実施形態は、他の多角形形状の紡糸口金本体、例えば台形、正方形、八角形、三角形、ならびに円形、長円形、楕円、または他の非多角形の形状に当てはめられることもできる。
紡糸口金本体701の毛細管の寸法に関して、図2Aに示し本明細書で例示された紡糸口金本体201のゾーン211の穴203および第1の毛細管231が、図7に示す紡糸口金本体701の第3のゾーン711の穴703および第3の毛細管751ならびにそれらの前述した構造および寸法を表してよく、かつそれらについて同じであってもよい。図4Aに示し本明細書で例示された紡糸口金本体401のゾーン431の穴403および第4の毛細管454が、図7に示す紡糸口金本体701の第1のゾーン721の穴703および第1の毛細管752ならびにそれらの前述した構造および寸法を表してよく、かつそれらについて同じであってもよい。図4Bに示し本明細書で例示された紡糸口金本体401のゾーン441の穴403および第6の毛細管456が、図7に示す紡糸口金本体701の第2のゾーン731の穴703および第2の毛細管754ならびにそれらの前述した構造および寸法を表してよく、かつそれらについて同じであってもよい。ゾーン731、ゾーン721、ゾーン711は、ゾーンが図7に示すように配列された状態で、クエンチ空気供給源に最も近接している最も外側のゾーン731から、ゾーン721に向けて、その後ゾーン711に向かって、その順番で、面705において方向αにゾーン間を動くとき、徐々に小さくなる毛細管出口水力直径、長さ、および長さ対水力直径比率を有する毛細管を含み得る。オプションとして、これらの説明した配列に従う毛細管の追加のゾーンが、面705において紡糸口金本体701に含まれ得る。
図8は、本発明のある実施形態による、溶融紡糸不織ウェブまたは不織布802を製造するために紡糸口金801を使用する器具800の断面概略図である。器具800は、熱可塑性ポリマーで作られた、押し出され空気力学的に引き伸ばされたフィラメントから、溶融紡糸ウェブを連続して製造することをもたらし得る。器具800は、流路804に沿って下方に動く、熱い熱可塑性フィラメント803Aを押し出すために、下方に向けられた紡糸口金801を有する。紡糸口金801は、前述した図面に例示され、それらの図面に関して説明されたような特徴部を有する、紡糸口金本体821を含み得る。紡糸口金801は、紡糸口金本体821に加えて、ブレーカープレート822、および紡糸口金本体821の上に位置するフィルター823を含み得る。本発明のブレーカープレートおよびフィルターは、これらの紡糸口金構成要素のための従来のデザインを有し得る。例えば、ブレーカープレートは、穴のアレイを含むことができ、穴のアレイは、紡糸口金801に到達する前に、ダイ空洞(例えば、824)から受け取ったポリマーの分布を一様にすることができる。溶融ポリマー805は、スピンまたはギアポンプ825を用いてさらに増大および制御され得る圧力下で、スクリュー押し出し機などの溶融ポリマー供給部806から、ダイ空洞824に供給されることができる。この例示では、ダイ空洞824は、図8に示す「洋服掛け」型の囲い828により画定される。ダイ空洞824に導入されたポリマーは、紡糸口金801の上側に供給され、そこから、紡糸口金本体821の上面820Aに到達する前に圧力下でフィルター823およびブレーカープレート822を通過する。ポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性ポリマーは、ポリマー供給部806の中に導入され、樹脂と任意の添加剤とのよく混ざった混合物を生じる任意の処置によりブレンドされることができる。例えば、ポリマー樹脂および任意の添加剤は、連続ミキサーもしくは押出機、タンブラー、静的ミキサー、バッチミキサー、またはこれらの組み合わせにおいて、ブレンドされ得る。例えば、ポリマー供給部806は、当技術分野で既知のものなどの連続ミキサー、例えば、2軸混合押出機、低粘度の溶融ポリマーの流れを混合する静的ミキサー、衝突ミキサー(impingement mixers)など、を含み得る。前述したように、ダイ空洞824から出たポリマー溶融物は、フィルター823においてろ過され、ブレーカープレート822を通過して、紡糸口金本体821に到達する前にポリマーを均等に分布させるのを助けることができる。ポリマーは、本明細書に記載したような、紡糸口金本体821の穴および毛細管を通過し、紡糸口金本体821の底面または面820Bからフィラメント803Aとして現れる。紡糸口金801の下および下流、すなわち、紡糸口金本体821の底面または面820Bの真下には、冷却チャンバ807がある。この例示では、冷却チャンバ807は、冷却チャンバ807内の押出しフィラメント803Aを通ってクロスフロー方向にクエンチ空気808Aおよび808Bまたは他の冷却ガスの流れを供給されて、冷却チャンバ807内のフィラメント803Aを冷却または「クエンチ」する。クエンチ空気808Aおよび808Bの流れは、エア・コンプレッサまたはファン809Aおよび809Bを用いて、圧力下で冷却チャンバ807内に送られ得る。冷却チャンバ807は、単一の区画であってよく、または、複数の垂直に配列された区画(不図示)に再分割されてよく、その中で、フィラメント803Aは、それぞれの冷却空気供給源810Aおよび810Bから入ってくる同じ温度または異なる温度の冷却加工空気で、冷却される。クエンチ空気808Aおよび808Bは、確実に均一の層状空気流がフィラメント803Aを横切るのを助ける、ハニカム構造体829Aおよび829Bまたは類似のクエンチ空気取り扱い構造体を通過することができる。図8は、便宜上、冷却チャンバ807の両側で向かい合うクエンチ空気808Aおよび808Bを示しているが、それぞれがクエンチ空気を冷却チャンバ807の両側から、しかし、チャンバ807の異なる垂直高さで、供給するように、クエンチ空気808Aおよび808Bが配列され得ることが、理解される。これにより、冷却チャンバ807に上方および下方のクエンチゾーンを設けることができ、これらのゾーンは、空気流量および温度に関して、独立して制御され得る。オプションとして、クエンチ空気808Aおよび808Bは、同じかまたは実質的に同じ温度で、押出しフィラメント803Aに供給される。使用されるクエンチガス(例えば、空気)の温度は、例えば処理される材料および処理機器および動作条件に応じて、変化してよい。例えば、クエンチガス(例えば、空気)の温度は、本発明の紡糸口金から出た後に、ポリオレフィン系フィラメントまたは他のタイプなどの熱可塑性フィラメントをクエンチするのに使用される場合に、約12℃〜約25℃の一般的範囲であってよい。他の温度範囲は、異なるポリマーに合わせて選択されることができる。本発明の器具において使用されるように構成され得る、紡糸フィラメントのための、クエンチ空気システムおよびその排出口の構成は、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第4,820,142号、5,814,349号、6,918,750号、および7,762,800号に示すものなど、当技術分野で既知のものを含むが、これらに制限されない。冷却チャンバ807の下流には、フィラメント減衰ユニット(filament attenuation unit)811、例えば狭いチャネルもしくはスロットがあり、冷却チャンバ807からその中へと、フィラメント803Aが向けられ、そこで、下向きの力がフィラメント803Aに加えられる。例えば、紡糸口金から出た後、溶融繊維は、クロスフロー空気クエンチシステムによりクエンチされ、その後、紡糸口金から引き離されて、高速空気により細くされる(延伸される)。概して2つの空気減衰(air attenuation)方法があり、1つは、冷却チャンバと大気との間の圧力差に基づくものであり、もう1つは、ベンチュリー効果を用いるものである。ベンチュリー効果は一般に、2つの方法のうちの1つにより適用され、第1の方法は、紡糸口金の幅または冷却の幅にわたり(run)得る、吸引器スロットを使用してフィラメントを細くする(すなわち、スロット延伸(slot draw))。第2の方法は、ノズルまたは吸引器ガンを通じて、フィラメントを細くする。他の減衰方法を使用してもよい。別のオプションとして、フィラメントは、機械的に細くされてもよい。図8に示すように、減衰ユニット811は、垂直な内壁を有する通路を画定する、延伸チャネル812を有する。空気抵抗の影響下にあるフィラメント803Bは、延伸チャネル812から散布器813内へと通過し、散布器813は、下向きの長さの少なくとも一部にわたり分かれる内壁を有する。フィラメント803Bは、散布器813において乱流に遭遇する。散布器813を通過した、細くなったフィラメント803Bは、溶融紡糸ウェブのための堆積表面として使用される、連続的に動く小孔収集ベルト814上に堆積される。収集ベルト814は、例えば、ローラー(不図示)に巻き付けられた収集表面815を含む継ぎ目なしの形成ベルトであってよく、そのため、この継ぎ目なしの形成ベルトは、少なくとも部分的には、矢印816で示すような方向に、駆動され得る。細くなったフィラメント803Bを収集ベルト814上に堆積させるために、当技術分野で既知の、追加的な堆積ユニット(不図示)を使用することができる。少なくとも1つの吸引装置817が、小孔収集ベルト814および散布器813の下に設けられて、真空を引き、空気のバランスをとることができ、これにより、フィラメント803Bを小孔収集ベルト814上に堆積させることができる。収集ベルト814は、堆積および収集された不織ウェブ802を運ぶ間、図8で方向矢印816により示される水平方向へと動くことができる。ベルト814の速度は、例えばポリマー、システム、および処理の詳細に応じて、例えば1分当たり約600〜約700m、または他の値であってよい。一対の加圧ローラー826は、ウェブが散布器813を通過した直後にベルト814上を移動する間に、不織ウェブ802に圧力を加えるために使用され得る。ウェブ802はまた、さらなる取り扱い、保管、および使用の前にウェブを布へとさらに統合するために、カレンダリングユニット827(例えば、加熱されたパターン付きロールおよび対向する加熱された滑らかなロール)を通過することもできる。
理論に縛られることを望むわけではないが、紡糸口金本体821を使用する器具800によって、フロストライン818Aを設けることができると考えられ、フロストライン818Aは、紡糸口金が毛細管の単一の寸法デザインのみを含む場合のフロストラインを表すために設けられた比較フロストライン818B’と比べて、紡糸口金本体821の示された幅方向(ω方向)において、紡糸口金本体821の底面820Bまでの均一な、または少なくともより均一な距離を有する。比較フロストライン818Bは、下方に延びるか、または、紡糸口金本体821の中心エリアの下に垂れ下がり、押出しフィラメント803Aの束にわたる、不均一なフィラメント表面冷却および凝固を示している。ベルト814は、例えば、不織布を作るために不織ウェブに適用され得る、(例えば、紡糸口金において使用される前述したゾーンAのいずれかから押し出されるフィラメントを取り除くための)エッジ刈り込み、結合、圧縮、統合(例えば、水圧によるもつれ(hydraulic entangling)、機械的穿刺、ステッチング(stitching))、対流もしくは放射熱溶接、積層、または他の処理のうち、少なくとも1つの処理のために、追加の処理ステーションまたはユニットに、細くなったフィラメント803Bのウェブを運び去るために使用され得る。例えば、このように形成されたフィラメントは、スクリーン(「ワイヤ」)または多孔質形成ベルト上に収集されて、ウェブを形成することができ、次に、そのウェブは、例えばウェブを圧縮ロールに通し、その後、一方のロール上の隆起ランド(raised lands)が結合不織布を形成するためにウェブをその複数地点で結合する加熱されたカレンダーロール間に通すことによって、さらに処理され得る。堆積および収集されたウェブ802のいくつかの特性、例えば、坪量は、紡糸速度、質量スループット(mass throughput)、温度、ポリマー組成、もしくは減衰条件のうちの1つまたは複数などであるがこれらに制限されない、要因によって、制御されるか、またはさらに制御されることができる。本明細書に記載するようなマルチゾーン紡糸口金を含むように構成されている、そのような溶融紡糸形成器具の一般的な動作は、本明細書で提供される説明および実施例を鑑みれば、当業者の能力の範囲内であろう。
溶融紡糸フィラメントにおいて溶融紡糸材料として使用されるべき適切なポリマーは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ビスコースレーヨン、リヨセル、再生セルロース、またはそれらの任意のコポリマーもしくは組み合わせなど、スパンボンド繊維を形成するのに適した、任意の天然または合成ポリマーを含み得る。好適なオプションとして、ポリマーは、熱可塑性ポリマーである。本明細書で使用される用語「ポリオレフィン」は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ならびにそれらのコポリマーおよび組み合わせを含む。本明細書で使用される用語「ポリプロピレン」は、使用される構成成分(building block)の少なくとも50重量%がプロピレンモノマーである、すべての熱可塑性ポリマーを含む。ポリプロピレンポリマーは、それらのアイソタクチック、シンジオタクチック、もしくはアタクチック形態でのホモポリマーポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリプロピレンターポリマー、および、プロピレンモノマーと他のモノマーとの組み合わせを含む他のポリマーも含む。オプションとして、シングルサイトもしくはメタロセン触媒システムであるチーグラー・ナッタで作られたアイソタクチックホモポリマーポリプロピレンなどのポリプロピレンは、ポリマーとして使用され得る。例えば、約5g/10分〜約400g/10分、または好ましくは15〜45g/10分、または他の値のメルトフローレート(MFR)を有するポリプロピレンを使用することができる。ポリプロピレンについては、MFRは、230℃の温度にて、2.16kgの重量で実行された標準試験法ASTM D1238によってポリマー組成を試験することで達成された結果を指す。オプションとして、他の処理補助具または実行成分(performance ingredients)もしくは添加剤は、ポリマーまたはポリマー樹脂組成物中に組み込まれ得る。ポリマーまたはポリマー樹脂のためのオプションの添加剤は、例えば、顔料、粘度調整剤、香料、抗菌物質、難燃剤、熱変色剤(thermochromics)、フッ化化学物質(fluoro-chemistries)、柔軟性添加剤(softness additives)、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。オプションの添加剤は、処理可能性を改変し、かつ/あるいは、不織ウェブもしくは布またはそのようなウェブもしくは布を組み込んだ物品の物理的特性を改変するために、さらに使用され得る。
本発明の紡糸口金および器具で作られた不織布およびウェブは、単独に、または、類似材料もしくは異なる材料と組み合わせて使用されることができる。例えば、本発明の紡糸口金および/または器具を使用して作られた不織ウェブは、S、SS、SSS、SMS、SMMS、もしくはそれらの他の組み合わせなど、組成的に異なるスパンボンドウェブ(S)などの他の材料と、または例えばメルトブローウェブ(M)であるがこれらに制限されない、異なるタイプのウェブと、組み合わせられ得る。不織ウェブまたは布のうちの1つまたは複数は、フィルム材料と組み合わせられてもよい。この点で適切なフィルムは、例えばキャストフィルムおよび押し出しフィルムを含むことができ、微孔フィルム、モノリシックフィルム、および網状フィルムからさらに選択され得る。多層材料は、提供される場合には、既知の方法で、統合または単一化され得る。不織ウェブおよび布は、少なくとも1つの機能を実行するさまざまな物品で使用されることもできる。例えば、不織ウェブは、単独で、または、衣服、衛生、家財道具、ヘルスケア、エンジニアリング、工業、および消費者用の商品、もしくは他の物品の1つもしくは複数の構成要素として、使用され得る。物品は、手術衣、ドレープ、手術着(scrubs)、フェイスマスク、キャップ、靴用カバー、おむつ、ウェットティッシュ(wipes)、包帯、フィルター、ジオテキスタイル、袋、カバー、包装材料(wrappings)、使い捨て衣類、聴覚系構成要素(acoustical system components)、パッケージ、または他の物品を含み得るが、これらに制限されない。
〔実施例〕
試験方法
坪量(BW)
以下の実施例の坪量は、ASTM D756およびEDANA ERT−40,3−90試験方法に一致するように測定された。結果は、単位面積質量の単位でg/m(gsm)にて提供し、以下の実施例または比較例のそれぞれに記載される最低10cm×10cmのサンプルを秤量することにより得た。
デニールおよびDPFの決定
デニールは、繊維9,000m長さ当たりのグラムで表示した質量である。個々のフィラメントが不織ウェブを形成するのに使用される場合、デニールは、フィラメント当たりデニールすなわちDPFと同じである。スパンボンド布へと形成された個々のフィラメントの平均デニールを決定することは、当業者にとっては一般的な試験である(溶融紡糸繊維では、直径は、典型的には10〜50μmである)。円形断面形状の繊維では、典型的には、光学顕微鏡を用いて個々の繊維の幅を測定することを含み、そのような円形繊維の幅は、直径に等しい。測定装置は、許容可能な基準(例えば、イギリス・ケントのPyser-SGI Limitedの光学格子較正用スライド03A00429 S16 Stage Mic 1MM/0.01 DIV、またはSEM Target grid SEM NIST SRM 4846 #59-27F)を用いてまず較正される。ランダムに繊維を選択する一般的な方法は、試験されているサンプル片(不織ウェブ)を横切って設定された2つの点の間に引いた線に沿って繊維の幅を測定することである。このアプローチにより、同じ繊維を複数回測定することを最小限にする。本明細書で説明する実施例については、サンプルの幅にわたり散在する6つの場所で、15回の読み取りが行われたため、1つのサンプル当たり、合計で90個のデータ点が得られた。次に、その平均繊維直径が、以下の式:
デニール=D2*0.007069
を用いて、デニールに変換され、
式中、Dは、円形フィラメントの平均幅または直径をμmで示したものであり、Gは、固体状態でのポリマー密度を、立方センチメートル当たりのグラム数で表わしたものである。実施例で使用されるポリプロピレンでは、固体状態でのポリマー密度には、0.91g/cmの密度が使用された。
円形以外の断面を有するフィラメントについて、別のアプローチは、フィラメントを切断し、それらの断面を顕微鏡下で調べることである。断面の面積が、市販の画像分析ソフトウェアの使用を含む、さまざまな周知の方法により、測定され得る。平方マイクロメートルでの、この繊維またはフィラメントの断面積(CSA)が分かれば、デニールは、以下の式:
デニール=CSA0.009
を用いて算出することができ、
式中、CSAは、平方マイクロメートルでの、フィラメントの断面積であり、Gは、立方センチメートル当たりのグラム数での、ポリマーの密度である。
毛細管長さ、断面積、周長、および水力直径
毛細管長さおよび水力直径は、紡糸口金製造業者の製品図面上で仕様書に示されるように使用された。円形の毛細管では、毛細管水力直径(D)および毛細管直径(D)は、紡糸口金製造業者の仕様書に示されるように、本明細書で計算したものと同じであり、毛細管断面積CAは、以下の式に従って計算される:
=毛細管の内径
CA=πD /4または3.1416*D /4
円形または円形以外の断面を有する毛細管について、断面(CA)および周長(CP)を計算する方法は、顕微鏡、より典型的には光学顕微鏡を用いて、毛細管出口を調べることを含む。実施例として、円形、正方形、矩形、または三角形などの単純で規則的な幾何学形状(simple regular geometric shapes)では、較正基準(例えば、イギリス・ケントのPyser-SGI Limitedの光学格子較正スライド03A00429 Stage Mic 1MM/0.01 DIV)と組み合わせて光学顕微鏡を使用し、周長の計算または毛細管断面積の決定に使用される重要な寸法を測定することができた。
多数の突出部を有する毛細管のように、より複雑な形状では、適用され得る方法の例は、画像をデジタルで撮ることができる顕微鏡の使用、ならびに、毛細管の壁の内側に収容されたエリアについて周長および断面を計算するためにその画像を分析するソフトウェアを使用すること、を含む。例えば、日本国〒105−0003 東京都杉並区高円寺南2−15−17の株式会社ハイロックス(Hirox Company, Ltd)のデジタル顕微鏡KH−7700のような顕微鏡を使用することができる。この顕微鏡は、記録されたデジタル画像を分析するのに使用される、著作権のあるソフトウェア(proprietary software)を備えている。より正確には、毛細管形状の周長または断面積を計算するために、改訂日が2006年10月の、初版の操作マニュアル第3章117〜132ページに記載されたような、前述した顕微鏡のための長さおよび面積測定方法を使用することができる。これらの測定値から、水力半径Rおよび水力直径Dは、R=CA/CPおよびD=4Rの、示された式を用いて、計算され得る。
実験および結果
不織布は、ドイツ・トロイスドルフのReifenhauser Reicofil GmbH & Co. KGにより設計された溶融紡糸ライン上で準備され、このラインでは、典型的なReicofil 4溶融紡糸ビームが、本明細書で示し説明されるような4つの異なるタイプの毛細管ゾーンを有する図3に示したようなタイプのマルチゾーン紡糸口金を使用するために、改変された。この実施例について言及されたように、ゾーンAは、図3に示すゾーン321および322と同様であり、ゾーンBは、図3のゾーン341および342と同様であり、ゾーンCは、図3のゾーン331および332と同様であり、ゾーンDは、図3のゾーン311と同様である。これらの実験で使用したマルチゾーン紡糸口金は、面に紡糸口金本体を含んでおり、その面の穴は、異なるゾーンで円形断面形状ならびに異なる長さおよび水力直径寸法を備える毛細管を有していた。図4A〜図4Bおよび図5A〜図5Cは、紡糸口金の紡糸口金本体で使用される、追加の毛細管特徴部を示す。比較のために、不織布は、ただ1つの寸法タイプの毛細管を有する紡糸口金を用いて、同じライン上で作られた。
比較の紡糸口金では、Reicofil 4溶融紡糸ビームは、ただ1つの寸法タイプの毛細管を含み、かつ均一に離間していて、同様の出口直径および同様の長さを有する、紡糸口金を備えており、3.5m幅の紡糸口金が、0.6mmの水力直径(6349平方ミリメートルの開口面積)で円形である出口形状を有する、合計で22,454個の毛細管を含み、2.7mmの長さ(L)を有し、これらの毛細管は、4.5の長さ対水力直径比率、ならびに紡糸口金本体の面の線形幅1m当たり6800個の毛細管および1平方センチメートル当たり3.37個の毛細管という毛細管密度を有した。これらの寸法を有する毛細管は、本明細書中、ゾーンAの毛細管とも呼ばれる。これらの実施例の紡糸口金のすべてのゾーンで毛細管のすべてに、円形断面形状の毛細管が使用されているので、これらの実施例の前述した毛細管水力直径の値も、これらの実施例の直径の値と等しく、これらの実施例の前述した長さ対水力直径比率の値も、これらの実施例の長さ対直径比率の値と等しいことが注目される。
マルチゾーン紡糸口金では、図3〜図5を参照すると、3.5m幅の紡糸口金が、紡糸口金の各端部に1つが位置している、2つのゾーンAを有しており、これらのゾーンで1平方センチメートル当たり約3.37個の毛細管という密度で、4.5の長さ対水力直径比率値のために0.6mmの水力直径および2.7mmの長さを有する毛細管を含む。各ゾーンAは、合計で325個の毛細管を有していた。紡糸口金本体およびゾーンAは、図3に示すように、ゾーンB、C、Dから離れて下方にテーパー状であった。ゾーンAのそれぞれの幅(例えば、図3に示す方向ωにおいて)は、約75mmであった。各ゾーンAの(例えば、図3に示す方向αにおける)前後長さは、約68〜70mmであった。テーパー状のゾーンAは、図3および図5Aのエッジエリア5Aにより示すように、コーナー領域を有し、これは、図5Aで使用された参照符号に関連して以下の寸法を有した:501=10.4mm、502=5.2mm、503=2.85mm、504=5.7mm。残りのゾーンB、C、Dは、同じ毛細管密度を有し、紡糸口金本体の幅1m当たり約8000個の毛細管(1平方センチメートル当たり約4.13個の毛細管)であった。ゾーンB、C、Dは、毛細管の出口水力直径およびそれらの長さが互いに異なっていた。これらの毛細管水力直径および長さ寸法の双方は、外側のゾーンBから紡糸口金本体の中心に向かって、最初は中間のゾーンCまで、そして中央のゾーンDまで、徐々に小さくなっていた。2つのゾーンBは、ゾーンA間で紡糸口金本体の外側に向かって位置するゾーンであり、図3に示すように、相対するクロスフロー方向から紡糸口金本体の下に供給される、入ってくるクエンチ空気によって、ゾーンAの隣接する外側部分と共に、最初に影響を受けるものであった。これらのゾーンBはそれぞれ、(図3に示すα方向に、ゾーン内でカウントされた)21個の長さ方向列に配列された、8007個の毛細管を含んでいた。双方のゾーンBの毛細管の総数は、16,014個であった。これらのゾーンBでは、毛細管は、4の長さ対水力直径比率のために2.2mmの長さおよび0.55mmの出口水力直径を有した。ゾーンCは、ゾーンBに隣接しており、かつゾーンB間にあった。ゾーンCはそれぞれ、(図3に示すα方向に、ゾーン内でカウントされた)約10個の毛細管長さ方向列に配列された、3815個の毛細管を含んでいた。双方のゾーンCの毛細管の総数は、7,630個である。ゾーンCの毛細管は、3.46の長さ対水力直径比率のために1.73mmの長さおよび0.5mmの出口水力直径を有した。中央のゾーンDは、2つのゾーンCに隣接し、かつゾーンC間で、紡糸口金の中間に位置していた。ゾーンDの毛細管は、3.12の長さ対水力直径比率のために1.4mmの長さおよび0.45mmの水力直径を有した。(図3に示すα方向に、ゾーン内でカウントすると)ゾーンDには9列の毛細管が設けられ、合計で3434個の毛細管を有していた。ゾーンB、C、Dの(例えば、図3に示す方向ωにおける)幅は、約3.35mであった。各ゾーンBの(例えば、図3に示す方向αにおける)前後の長さは、約56mmであり、各ゾーンCの前後の長さは約27mmであり、ゾーンDの前後の長さは約25mmであった。紡糸口金本体の合計の前後の長さは、マルチゾーン紡糸口金および比較の紡糸口金で、約192.5mmであった。さらに、ゾーンBは、図3および図5Bのエッジエリア5Bにより例示されたように配列された毛細管を有する、中央の矩形に成形された領域を有し、これは、図5Bで使用された参照符号に関し、以下の寸法を有していた:505=8.8mm、506=4.4mm、507=8.25mm、508=5.5mm、509=2.75mm。さらに、ゾーンBは、図3および図5Cのエッジエリア5Cにより示されるものなどの、隣接するゾーンAの毛細管の列に向かって、これらの列と同様の角度で下方にテーパー状となる、毛細管の列を備えたコーナー領域を有し、これは、図5Cで使用される参照符号に関連して以下の寸法を有していた:510=6mm、511=8.8mm、512=4.4mm、513=5.2mm、514=10.4mm。紡糸口金本体のα方向においてエッジエリア5Bの寸法508および509について示されるピッチ寸法は、エッジエリア5CのゾーンBおよびAの毛細管について同じ方向におけるピッチ寸法にも使用された。これらの寸法に基づいて、ゾーンAの毛細管の長さ対水力直径比率は、約4.5であり、ゾーンBでは約4、ゾーンCでは約3.46、ゾーンDでは約3.12であった。その水力直径は、これらのゾーンで使用される、円形に成形された毛細管について同様の傾向をとった。比較の紡糸口金は、マルチゾーン紡糸口金と同様の外側周長プロファイルならびに多角形の形状およびサイズを有したが、前述したようにその中に形成された毛細管のゾーンについては、異なっていた。
以下は、本発明の紡糸口金のこの実施例で、選択されたさまざまな水力直径の毛細管の長さにどのように到達するかを説明するものである。
まず、流動学的曲線が、樹脂が処理されると予測される溶融温度の、目的の樹脂について、樹脂供給者から開発または入手された。典型的には、それらの曲線は、試験方法ISO 11443に記載するように、既知の長さおよび直径の毛細管では、異なる流量で圧力を測定することで得られる。
この特定の実施例では、流動学的曲線は、230℃の溶融温度の、スペイン・マドリッドのRepsol Quimica S.A.により販売される30MFRのアイソタクチックホモポリマーポリプロピレンであるポリプロピレン樹脂Isplen(登録商標)089Y1Eについて得られた。それらの曲線は、さまざまな剪断率(SR)にわたって剪断粘度(SV)を提供した。それらの曲線は、式T=SRSVにより、所与の温度の所与のポリマーについて、剪断応力(T)を計算するのに使用され得る。
それらのデータは、対数(SR) 対 対数(T)としてプロットされた。230℃のその樹脂では、最近似曲線(best fitted curve)が、以下の式:
対数(T)=2.092+1.367対数(SR)−0.1573対数(SR)
により表わされ得、
式中、Tは、パスカルで表わされ、SRは、s−1で表わされる。
次に、本発明の紡糸口金の毛細管Bの特徴が選択された:4.0のL/DHb比率のための、2.2mmに等しい毛細管長さLを有する、0.55mmの水力直径DHb(これは、円形の毛細管なので、水力直径は、実際の直径と同じである)。0.5gcmの毛細管当たりのスループットは、紡糸口金が動作すると予測される典型的なスループット範囲内であるので、選択された。この0.5gcmのスループットは、溶融ポリプロピレンの密度が0.74g/cmであると仮定すれば、以下の式を用いて、0.01126cm/秒の体積流量(Q)に変換されることができた:
Q=gcm単位の穴1個当たりのスループット/(60g/cm単位の溶融ポリマーの密度)。
0.55mmの水力直径を有する、0.01126cm/秒のポリマーの体積流量Qbの、円形毛細管Bでは、230℃のそのポリマーの剪断率(SRb)は、非ニュートン流体に使用される以下のべき法則式に基づいて計算された:
SR=((3n+1)/n)(Q/(3.1416(DHb/2))=778sec−1
式中、nは0.35であり、ポリプロピレンのべき法則定数(46ページ, Giles, Harold F., "Extrusion: the definitive processing guide and handbook", William Andrew Inc., 2005 ISBN: 0-8155-1473-5)、DHbは、毛細管Bの半径であり、Qは、cm/秒での質量流量である。
SRのこの値、および230℃のこのポリマーの流動学的曲線からの結果を用いて、53603パスカルの剪断応力TWbが得られた。
その他の毛細管A、C、Dの直径は、それぞれ、0.6、0.5、0.45mmとして、選択された。剪断率(SR)は、以下の式を用いて、0.5gcmの、毛細管1個当たりの一定のスループットを前提として、それらの毛細管について計算された:
SRx=((3n+1)/n)(Qx/(3.1416(DHx/2))。
各毛細管直径で剪断率(SR)が分かれば、剪断応力(T)は、流動学曲線の結果に基づいて計算され、表1で報告されている。各毛細管直径について230℃で処理されたこのポリマーの計算された剪断応力(T)を用いて、また、動作中の圧力降下が所与の紡糸口金の毛細管すべてで同じであると仮定して、以下の式は、同じ理論上のスループットを生み出すであろう毛細管長さL、L、Lについて解かれることができた: L=(TWb 2.2mm0.6mm)/(TWa 0.55mm)=2.69 L=Twb 2.2mm0.5mm)/(TWc 0.55mm)=1.78
=TWb 2.2mm0.45mm)/(TWd 0.55mm)=1.43。
これらの式を解くことは、所与のスループットおよびポリマー密度で円形毛細管を通って流れる非ニュートン流体に関する剪断応力式:T=ΔΡ/(4L)、に基づき、式中、Tは、水力直径Dおよび長さLを有する毛細管を通って流れる流体の剪断応力であり、圧力降下は、ΔΡである。ΔΡは、紡糸口金本体を通り抜ける毛細管すべてにわたり一定とみなされるので、剪断応力が分かると、ある毛細管の長さおよび水力直径により、剪断応力が予測されている、異なる直径を有する毛細管の長さを計算すること可能となる。
製造された紡糸口金の毛細管A、B、C、Dの実際の長さは、それぞれ、約2.7、2.2、1.73、1.4mmであった。
Figure 2015536389
同じアプローチを逆に使用して、理論上のスループットが、同じポリマーおよび温度で動作する毛細管A、B、C、Dの実際の寸法について計算され、毛細管の中で最も大きな差は、約9%であった。
本発明のある実施形態の紡糸口金本体の面においてマルチゾーン毛細管デザインを有する紡糸口金は、前述した毛細管寸法を有して製造され、その紡糸、処理条件、および結果として得られる不織布の特性を評価するのに使用された。これらのトライアルは、坪量の軽い製品に適したSSS/RF4工業ラインからの単一ビームを用いて実行された。それらのトライアルは、30MFRの公称粘度を有し、スペイン・マドリッドのRepsol Quimica S.A.によりIsplen(登録商標)089Y1の名称で販売される、アイソタクチックなポリプロピレン樹脂を用いて実行された。サンプルの一部は、ベースラインのTi0顔料を添加して、かつそれを添加せずに、行われた。マルチゾーン紡糸口金(すなわち、前述のゾーンA、B、C、Dに、1m当たり約8000個の毛細管を有する)は、比較の紡糸口金(すなわち、1m当たり6800個の単一寸法の毛細管を有する)と同じように、ライン上で取り付けられた。
溶融紡糸システムは、概して、図8に示す構成を有した。このシステムは、溶融ポリマーを紡糸ポンプ(spin pump)(溶解ポンプ)に送達する押出機を含んでおり、このポンプは、正圧下で溶融ポリマーをダイ空洞および紡糸口金に送達するように設定された。押出機の温度プロファイルは、ギアポンプで約225℃のポリマー温度を、紡糸口金本体で測定される約254℃の溶解温度を、もたらすように設定された。押出機のねじ速度は、ほぼ一定の圧力で、溶解ポンプに連続的なポリマー供給をもたらすのに適切な値に設定された。紡糸口金本体は、紡糸口金内部で非対称のブレーカープレートおよびフィルターにより支持された。実施例1〜5では、約46rpmの紡糸ポンプ設定が、本明細書に示されたマルチゾーンおよび比較の紡糸口金のスループットを提供するために使用された。実施例6では、紡糸ポンプの設定は、より高いスループットを提供するために53.4rpmであった。紡糸口金を出た後、溶融ポリマーフィラメントは、本明細書でさまざまな図面について例示されたような、クロスフロー空気クエンチシステムにより、クエンチされ、その後、紡糸口金から引き離され、高速の空気により細くされた(延伸された)。使用されたラインは、R4ラインデザインの二重クエンチ空気システムの特徴を有した。それらのラインでは、1つの側につき2つのクエンチゾーンがあり、それらのクエンチゾーンは、互いに対して垂直に配されている。それらの実験では、空気の流れおよび温度は、安定したプロセスを生じるように調節された。クエンチされ細くされた繊維は、動いている多孔質ウェブ上に堆積され、不織ウェブのマットを形成した。ラインの速度は、そのスループット使用で、所望の坪量を生じるように選択された。
実施例1および2
図8に示したものと同様の、本発明のマルチゾーン紡糸口金が装着された、システムを動作させる間に、スパンボンドのサンプルは、3600パスカルの冷却チャンバ圧力、および表1で報告した空気温度で上方および下方ガスクエンチゾーン間の約1:2のクエンチ空気体積の比率を用いて、毎分毛細管1つ当たり0.43g(gcm)の計算されたポリマースループット、または毎時約716kg(Kg/h)の総スループットで、生成された。ライン速度は、1平方メートル当たり約12グラム(gsm)の坪量を生じるように調節され、カレンダーは、1cm当たり89デカニュートン(daN/cm)の圧力に設定され、エンボスロールの温度は、166℃に設定され、滑らかなロールの温度は、164℃に設定された。実施例および比較例のすべてにおいて押出機に供給される調剤に使用されるパーセント(%)単位の顔料の濃度は、何も添加されなかった実施例1を除いて、約0.4〜0.5重量%となるようにブレンダーを設定することで、制御された。追加の処理条件、ならびに試験結果は、表2で見ることができる。
Figure 2015536389
(1)M‐Zは、本発明のマルチゾーン紡糸口金を説明するものであり、標準とは、比較の紡糸口金である。
(2)gcmは、毎分の毛細管1個当たりのポリマーのグラム数を表す。
(3)QA比率は、下方クエンチ空気ダクトを通って供給されたクエンチ空気と、上方クエンチ空気ダクトを通って供給された空気との、体積間の比率である。
(4)上方クエンチ空気ダクトに供給された空気の温度/下方クエンチ空気ダクトに供給された空気の温度
(5)デニール測定に関する標準偏差
比較例3
各毛細管が0.6mmの水力直径および2.7mmの毛細管長さを有する状態で、紡糸口金本体の面の幅1m当たり約6800個の毛細管の密度の、均一な寸法の毛細管を有する、比較の「単一ゾーン」(すなわち、単一寸法の毛細管の1つのゾーン)の紡糸口金を用い、0.525gcmの計算された平均スループットまたは約717Kg/hの総スループット、3600パスカルの冷却チャンバ圧力、および表1で報告した空気温度での上方および下方クエンチゾーン間の約1:5.5の空気体積の比率を使用して、サンプルが準備された。追加の処理条件ならびに試験結果は、表2で見ることができる。カレンダーは、実施例1および2で使用したのと同じにセットされた。
実施例4および5
実施例4および5は、冷却チャンバ圧力が5000パスカルに上昇したことを除いて、実施例1および2と同じように製造された。クエンチ空気体積の比率は、約1:2に設定した。カレンダーは、実施例1および2と同じにセットした。それらのサンプルは、マルチゾーン紡糸口金が、同じ処理安定性で、少なくともデニール変動性を減少させずに、不織布に使用される不織フィラメントを製造する能力を示すために、製造された。
実施例6
実施例6も、本発明のマルチゾーン紡糸口金を使用して実行されたが、計算された平均スループットは、0.5gcm、または約832Kg/hの総スループットに上昇し、ライン速度は、27gsmの坪量を生じるように調節された。クエンチ空気体積の比率は、上方および下方クエンチゾーン間で約1:2に設定された。この実施例では、カレンダーの設定は、実施例1および2と同じであった。この実施例は、本発明の紡糸口金が、より高いスループットで、平均繊維デニールもしくはその変動性を全く減少させないか、もしくはわずかに減少させて、安定した紡糸プロセスをもたらす能力を示すために行われた。
結果
いくつかの小規模な処理調節により、3600パスカルの冷却チャンバ圧力で本発明のマルチゾーン紡糸口金を使用する間の、716Kg/hで行われた実施例1および2、ならびに832Kg/hで行われた実施例6の紡糸安定性は、同じ前述したポリプロピレン樹脂を用いながら、比較用のRF4の、716Kg/hのスループットおよび同じ冷却チャンバ圧力で紡糸口金本体1m当たり6,800個の毛細管を用いる実施例3で観察された紡糸安定性に相当することが、観察された。ポリマーの滴(polymer drips)またはハードスポットは、実施例1、2、6では観察されなかった。3600パスカルの冷却チャンバ圧力は、標準的な紡糸口金本体および前述したポリプロピレン樹脂により非常に安定した処理を得ることができる、最大冷却チャンバ圧力に近いことから、選択された。実施例1および2のフィラメントの平均デニールは、比較例3で測定されたデニールより低いことも観察された。デニールの変動性は、同等であるか、または、実施例3よりも実施例1および2で良好であった。結果を表2で見ることができる。
716Kg/hのスループットで本発明の紡糸口金により5000パスカルの冷却チャンバ圧力を用いて行われた実施例4および5の紡糸安定性も、3600パスカルの冷却チャンバ圧力で製造された比較例3で観察された紡糸安定性と同等であった。ポリマーの滴またはハードスポットは、これらの実施例では観察されなかった。より高い冷却チャンバ圧力を使用した結果、平均デニールは、著しく減少し、デニール変動性は改善されたか、またはほぼ同じであった。結果は表2で見ることができる。
実施例1〜6で作られた不織ウェブの通気性、強度、伸長特性は、商業上適したものであることが判断され、分かった。
全体的な不織布の外観は、マルチゾーン毛細管デザインを有する紡糸口金本体を含む紡糸口金では、比較用の紡糸口金本体と比べて改善されたことが分かった。この改善は、5000パスカルの冷却チャンバ圧力で、さらに顕著であった。
要するに、実験的試験の結果は、本発明の前述したマルチゾーン紡糸口金本体デザインが、紡糸の品質を損なわずに、フィラメントの均一性を最大限にし得ることを、示した。本発明のマルチゾーン紡糸口金デザインの、1m当たり8000個の毛細管を含む紡糸口金本体は、比較用の紡糸口金における前述した1m当たり6800個の毛細管を含む紡糸口金本体と比べて、約10%低い流量範囲を有した(6022mm)。これにより、わずかに高い初期動作圧力が生じた。しかしながら、ゾーンごとに異なる毛細管水力直径と組み合わせられた背圧は、紡糸口金に使用される非対称のブレーカープレートを補完して、紡糸におけるポリマー速度の差を補うのを助けた。マルチゾーン紡糸口金の前述した紡糸口金本体における異なる長さ対水力直径比率を有する前述した4つの異なる毛細管構成は、不均一なフィラメントクエンチ速度を補うのを助けるために使用されており、フロストラインのたるみおよび不均一性を有するセクションを避けるのを助けたと考えられる。1列当たりの毛細管数および1つのゾーン当たりの列数の指定は、結果として得られる同じポリマー流開口面積を維持することによって、決定された。毛細管の間のピッチは、毛細管密度が高いゾーンにわたって一定に維持された。
トライアル中に行われた、さらなる観察として、マルチゾーン紡糸口金内の毛細管の密度は、比較用の紡糸口金よりほぼ20%高いが、フィラメントの紡糸は、不織布のハードスポットの点では、比較用の紡糸口金と同等であることが観察された。毛細管密度が高いゾーンについての、これらの結果は、より低いフィラメントデニール、および、より高いポリマースループットでの形成が改善されたことを示した。毛細管の異なるゾーンを有する、本発明のマルチゾーン紡糸口金デザインにより、比較用の紡糸口金に匹敵する紡糸品質が可能となり、この特徴により、冷却チャンバ圧力が5000パスカルまで増大することができた。フィラメントクエンチの非効率性を補うために、マルチゾーン紡糸口金の紡糸口金本体のさまざまなゾーンで次第に増大する長さ対水力直径比率を使用することは、性能に影響を与えずに互いに近接する異なる水力直径を使用することが可能となる、重大な影響を与える。
特に指示のない限り、本明細書で使用されたすべての量、パーセンテージ、比率などは、重量によるものである。量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、範囲、好適な範囲、または好適な上限値および好適な下限値のリストのいずれかとして与えられた場合、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の範囲上限(upper range limit)または好適な値と、任意の範囲下限(lower range limit)または好適な値との任意の対から形成されるすべての範囲を具体的に開示するものとして理解されるものである。ある数値範囲が本明細書中に列挙された場合、特に明記しない限り、その範囲は、その終点、ならびにその範囲内のすべての整数および端数を含むことが意図されている。本発明の範囲が、ある範囲を定める場合に列挙される特定の値に制限されることは、意図していない。
本発明は、特定の実施形態に関して説明されたが、これらの実施形態は、本発明の原理および適用を単に説明したものであることが、理解される。さまざまな改変および変形が、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本発明の方法および器具に対してなされ得ることが、当業者には明らかであろう。よって、本発明は、請求項およびその等価物の範囲内にある改変および変形を含むことが、意図されている。
〔実施の態様〕
(1) ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金において、
全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面で開口している毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において、複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、前記第1のゾーンは、前記第2および第3のゾーンよりも、前記紡糸口金本体の面の中心に近く、
前記全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である、紡糸口金。
(2) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状は、同じである、紡糸口金。
(3) 実施態様2に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状は、円形または楕円である、紡糸口金。
(4) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
(i)前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さい;および、
(ii)前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短い、
のうちの、少なくとも一方である、紡糸口金。
(5) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
(6) 実施態様5に記載の紡糸口金において、
前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率は、同じである、紡糸口金。
(7) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、
前記ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つが、少なくとも2%である、紡糸口金。
(8) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管密度は、前記第2の毛細管密度および前記第3の毛細管密度のそれぞれより大きい、紡糸口金。
(9) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
複数の第4の列を含む第4のゾーンであって、前記第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、前記第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、前記第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有する、第4のゾーンと、
複数の第5の列を含む第5のゾーンであって、前記第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を含み、前記第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、前記第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有する、第5のゾーンと、
をさらに含み、
前記第1のゾーンは、前記第4のゾーンと前記第5のゾーンとの間に位置し、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の断面形状、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の断面形状は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状と同じであり、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、かつ前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径より小さく、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さより短い、紡糸口金。
(10) 実施態様9に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管密度、前記第4の毛細管密度、および前記第5の毛細管密度は、同じである、紡糸口金。
(11) 実施態様9に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
(12) 実施態様9に記載の紡糸口金において、
複数の第6の列を含む第6のゾーンであって、前記第6の列はそれぞれ、複数の第6の毛細管を含み、前記第6の毛細管は、第6の毛細管密度で配列され、前記第6の毛細管は、個々に、第6の断面形状、第6の水力直径、第6の長さ、および第6の長さ対水力直径比率を有する、第6のゾーンと、
複数の第7の列を含む第7のゾーンであって、前記第7の列はそれぞれ、複数の第7の毛細管を含み、前記第7の毛細管は、第7の毛細管密度で配列され、前記第7の毛細管は、個々に、第7の断面形状、第7の水力直径、第7の長さ、および第7の長さ対水力直径比率を有する、第7のゾーンと、
をさらに含み、
前記第1、第4、および第5のゾーンは、前記第6のゾーンと前記第7のゾーンとの間に位置し、
前記第6の毛細管それぞれの前記第6の断面形状、および前記第7の毛細管それぞれ前記第7の断面形状は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の断面形状、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の断面形状と同じであり、
前記第6の毛細管それぞれの前記第6の水力直径、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の水力直径より小さく、かつ、前記第7の毛細管それぞれの前記第7の水力直径より小さく、
前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さ、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さより短く、かつ、前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さより短い、紡糸口金。
(13) 実施態様12に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管密度、前記第4の毛細管密度、前記第5の毛細管密度、前記第6の毛細管密度、および前記第7の毛細管密度は、同じである、紡糸口金。
(14) 実施態様12に記載の紡糸口金において、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ対水力直径比率、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さ対水力直径比率は、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さ対水力直径比率、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
(15) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体は、少なくとも5%の、全体的な長さ対水力直径比率を有する、紡糸口金。
(16) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体の面において開口する前記毛細管の総数は、少なくとも3000個である、紡糸口金。
(17) 実施態様1に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体の面は、多角形である、紡糸口金。
(18) ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金において、
紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面で開口している毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において、複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、前記第1のゾーンは、前記第2および第3のゾーンよりも、前記紡糸口金本体の面の中心に近く、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状は、同じであり、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
(19) 実施態様18に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体の面は、多角形である、紡糸口金。
(20) 実施態様19に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体の面は、矩形である、紡糸口金。
(21) ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金において、
全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面において開口する毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の水力直径、第2の断面形状、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径より小さく、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さは、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さより短く、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
(22) 実施態様21に記載の紡糸口金において、
前記全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である、紡糸口金。
(23) 実施態様21に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体の面は、環状である、紡糸口金。
(24) 実施態様21に記載の紡糸口金において、
前記紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、
前記ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、少なくとも2%である、紡糸口金。
(25) 実施態様21に記載の紡糸口金において、
前記第1の毛細管密度、前記第2の毛細管密度、および前記第3の毛細管密度は、同じである、紡糸口金。
(26) 溶融紡糸不織ウェブを製造するための器具において、
ポリマー供給システムと、
フィラメント収集表面と、
前記収集表面に向かう経路に沿って下方に動く押出しフィラメントを製造するため、前記ポリマー供給システムから受け取った溶融ポリマーを押し出すように、前記収集表面の上に位置する紡糸口金と、
冷却ガスの少なくとも1つの流れを供給するための、少なくとも1つのクエンチガス供給装置と、
前記紡糸口金より下の冷却領域であって、前記冷却領域では、前記冷却ガスの少なくとも1つの流れが、前記紡糸口金の下で、前記収集表面に向かう経路に沿った押出しフィラメントを横切って流れるように方向づけられる、冷却領域と、
を含み、
前記紡糸口金は、
全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面において開口する毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、前記第1のゾーンは、前記第2および第3のゾーンより、前記紡糸口金本体の面の中心に近く、
前記全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である、器具。
(27) 実施態様26に記載の器具において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状は、同じである、器具。
(28) 実施態様26に記載の器具において、
(i)前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、かつ前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さい;および、
(ii)前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、かつ前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短い、
のうちの少なくとも一方である、器具。
(29) 実施態様26に記載の器具において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率より小さい、器具。
(30) 実施態様29に記載の器具において、
前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率は、同じである、器具。
(31) 実施態様30に記載の器具において、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状は、円形または楕円である、器具。
(32) 実施態様26に記載の器具において、
前記紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、
前記ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、少なくとも2%である、器具。
(33) 実施態様26に記載の器具において、
前記第1の毛細管密度は、前記第2の毛細管密度および前記第3の毛細管密度のそれぞれより大きい、器具。
(34) 実施態様26に記載の器具において、
前記少なくとも1つのクエンチガス供給装置は、前記冷却ガスの少なくとも1つの流れを、前記紡糸口金の下で、相対する方向からクロスフローするように方向づけるよう、動作可能である、器具。
(35) 実施態様26に記載の器具において、
前記紡糸口金本体は、少なくとも5%の、全体的な長さ対水力直径比率を有する、器具。
(36) 実施態様26に記載の器具において、
前記紡糸口金本体の面で開口する前記毛細管の総数は、少なくとも3000個である、器具。
(37) 実施態様26に記載の器具において、
前記紡糸口金本体の面は、多角形である、器具。
(38) 実施態様37に記載の器具において、
前記紡糸口金本体の面は、矩形である、器具。
(39) 実施態様26に記載の器具において、
複数の第4の列を含む第4のゾーンであって、前記第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、前記第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、前記第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有する、第4のゾーンと、
複数の第5の列を含む第5のゾーンであって、前記第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を含み、前記第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、前記第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有する、第5のゾーンと、
をさらに含み、
前記第1のゾーンは、前記第4のゾーンと前記第5のゾーンとの間に位置し、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の断面形状、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の断面形状は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状と同じであり、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、かつ前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径より小さく、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さより短い、器具。
(40) 実施態様39に記載の器具において、
複数の第6の列を含む第6のゾーンであって、前記第6の列はそれぞれ、複数の第6の毛細管を含み、前記第6の毛細管は、第6の毛細管密度で配列され、前記第6の毛細管は、個々に、第6の断面形状、第6の水力直径、第6の長さ、および第6の長さ対水力直径比率を有する、第6のゾーンと、
複数の第7の列を含む第7のゾーンであって、前記第7の列はそれぞれ、複数の第7の毛細管を含み、前記第7の毛細管は、第7の毛細管密度で配列され、前記第7の毛細管は、個々に、第7の断面形状、第7の水力直径、第7の長さ、および第7の長さ対水力直径比率を有する、第7のゾーンと、
をさらに含み、
前記第1、第4、および第5のゾーンは、前記第6のゾーンと前記第7のゾーンとの間に位置し、
前記第6の毛細管それぞれの前記第6の断面形状、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の断面形状は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の断面形状、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の断面形状と同じであり、
前記第6の毛細管それぞれの前記第6の水力直径、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の水力直径より小さく、かつ前記第7の毛細管それぞれの前記第7の水力直径より小さく、
前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さ、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さより短く、かつ前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さより短い、器具。
(41) 実施態様40に記載の器具において、
前記第1の毛細管密度、前記第4の毛細管密度、前記第5の毛細管密度、前記第6の毛細管密度、および前記第7の毛細管密度は、同じである、器具。
(42) 実施態様40に記載の器具において、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ対水力直径比率、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さ対水力直径比率は、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さ対水力直径比率、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さ対水力直径比率より小さい、器具。
(43) 溶融紡糸不織ウェブを製造するための器具において、
ポリマー供給システムと、
フィラメント収集表面と、
前記収集表面に向かう経路に沿って下方に動く押出しフィラメントを製造するため、前記ポリマー供給システムから受け取った溶融ポリマーを押し出すように、前記収集表面の上に位置する紡糸口金と、
冷却ガスの少なくとも1つの流れを供給するための少なくとも1つのクエンチガス供給装置と、
前記紡糸口金より下の冷却領域であって、前記冷却領域では、前記冷却ガスの少なくとも1つの流れが、前記紡糸口金の下で、前記収集表面に向かう前記経路に沿った押出しフィラメントを横切って流れるように方向づけられる、冷却領域と、
を含み、
前記紡糸口金は、
全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面において開口する毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む、第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の水力直径、第2の断面形状、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径より小さく、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さは、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さより短く、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さい、器具。
(44) ポリマーフィラメントを溶融紡糸するためのプロセスにおいて、
紡糸口金を通して溶融ポリマーを押し出し、前記紡糸口金の下に押し出されたフィラメントを製造することと、
前記紡糸口金より下のクエンチ領域に押出しフィラメントを通すことであって、前記フィラメントは、冷却ガスの少なくとも1つの流れを、前記紡糸口金の下で、前記押出しフィラメントを横切って、方向づけることにより、クエンチされる、ことと、
クエンチされたフィラメントを収集することと、
を含み、
前記紡糸口金は、
全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面において開口する毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む、第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、前記第1のゾーンは、前記第2および第3のゾーンより、前記紡糸口金本体の面の中心に近く、
前記全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である、プロセス。
(45) 実施態様44に記載のプロセスにおいて、
前記紡糸口金は、
複数の第4の列を含む第4のゾーンであって、前記第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、前記第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、前記第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有する、第4のゾーンと、
複数の第5の列を含む第5のゾーンであって、前記第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を含み、前記第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、前記第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有する、第5のゾーンと、
をさらに含み、
前記第1のゾーンは、前記第4のゾーンと前記第5のゾーンとの間に位置し、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、かつ前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径より小さく、
前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さより短い、プロセス。
(46) 実施態様44に記載のプロセスにおいて、
前記紡糸口金より下の前記クエンチ領域に前記押出しフィラメントを通すことは、前記紡糸口金の下で、前記押出しフィラメントを横切ってクロスフロー方向に、前記冷却ガスの少なくとも1つの流れを方向づけることによって、前記フィラメントをクエンチすることを含む、プロセス。
(47) 実施態様44に記載のプロセスにおいて、
前記紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、
前記ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つは、2%以上である、プロセス。
(48) 実施態様44に記載のプロセスにおいて、
前記紡糸口金本体は、少なくとも5%の、全体的な長さ対水力直径比率を有する、プロセス。
(49) 実施態様44に記載のプロセスにおいて、
前記紡糸口金本体の面で開口している前記毛細管の総数は、少なくとも3000個である、プロセス。
(50) 実施態様44に記載のプロセスにおいて、
前記紡糸口金本体の面は、多角形である、プロセス。
(51) ポリマーフィラメントを溶融紡糸するプロセスにおいて、
紡糸口金を通して溶融ポリマーを押し出し、前記紡糸口金の下に押し出されたフィラメントを製造することと、
前記紡糸口金より下のクエンチ領域に押出しフィラメントを通すことであって、前記フィラメントは、前記紡糸口金の下で、前記押出しフィラメントを横切って、対向して流れる冷却ガスがない1つの方向に、冷却ガスの少なくとも1つの流れを方向づけることにより、クエンチされる、ことと、
クエンチされたフィラメントを収集することと、
を含み、
前記紡糸口金は、
全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面において開口する毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なるゾーン内に配列され、
前記複数の異なるゾーンは、
前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の水力直径、第2の断面形状、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
を含み、
前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径より小さく、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、
前記第3の毛細管それぞれの第3の長さは、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さより短く、
前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、
前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さい、プロセス。
本発明のある実施形態によるマルチゾーン紡糸口金の底面図である。 本発明のある実施形態による、図1の線2‐2に沿った、紡糸口金のあるゾーンの毛細管の拡大断面図である。 本発明のある実施形態による、図1の線2’‐2’に沿った、紡糸口金のあるゾーンの毛細管の拡大断面図である。 本発明のある実施形態による、図2Aに示す底面を見る方向2Aにおける、図1および図2Aの第1のゾーンの第1の毛細管の断面形状の拡大図である。 図2Cの毛細管の断面形状の断面エリアの拡大図である。 図2Cの毛細管の断面形状の周長の拡大図である。 本発明のある実施形態による、図1および図2Aの第1のゾーンの第1の毛細管の断面形状のための別のオプションの拡大図である。 図2Fの毛細管の断面形状の断面エリアの拡大図である。 図2Fの毛細管の断面形状の周長の拡大図である。 本発明のある実施形態による、図1および図2Aの第1のゾーンの第1の毛細管の断面形状のための、さらに別のオプションの拡大図である。 図2Iの毛細管の断面形状の断面エリアの拡大図である。 図2Iの毛細管の断面形状の周長の拡大図である。 本発明のある実施形態による、図1および図2Aに示す紡糸口金の毛細管密度の測定を示す。 本発明の別の実施形態による、マルチゾーン紡糸口金の底面図である。 本発明のある実施形態による、図3の線4‐4に沿った、紡糸口金のあるゾーンの毛細管の拡大断面図である。 本発明のある実施形態による、図3の線4’‐4’に沿った、紡糸口金のあるゾーンの毛細管の拡大断面図である。 本発明のある実施形態による、図3のいくつかの紡糸口金エッジエリアの拡大平面図である。 本発明のある実施形態による、図3のいくつかの紡糸口金エッジエリアの拡大平面図である。 本発明のある実施形態による、図3のいくつかの紡糸口金エッジエリアの拡大平面図である。 本発明の別の実施形態による、マルチゾーン紡糸口金の底面図である。 本発明の別の実施形態による、マルチゾーン紡糸口金の底面図である。 本発明のある実施形態による、紡糸口金を使用する器具の概略断面図である。

Claims (10)

  1. ポリマーフィラメントを溶融紡糸するための紡糸口金において、
    全体的な長さ対水力直径比率を有する紡糸口金本体を含み、前記紡糸口金本体は、前記紡糸口金本体を通って延びる穴を画定し、前記穴は、前記紡糸口金本体の面からポリマーフィラメントを押し出すように前記紡糸口金本体の面で開口している毛細管を含み、前記毛細管は、前記紡糸口金本体の面において複数の異なる列に配列され、前記複数の異なる列は、前記紡糸口金本体の面において、複数の異なるゾーン内に配列され、
    前記複数の異なるゾーンは、
    (a)前記紡糸口金本体の面において中心に位置し、複数の第1の列を含む第1のゾーンであって、前記第1の列はそれぞれ、複数の第1の毛細管を含み、前記第1の毛細管は、第1の毛細管密度で配列され、前記第1の毛細管は、個々に、第1の断面形状、第1の水力直径、第1の長さ、および第1の長さ対水力直径比率を有する、第1のゾーンと、
    (b)前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第2の列を含む第2のゾーンであって、前記第2の列はそれぞれ、複数の第2の毛細管を含み、前記第2の毛細管は、第2の毛細管密度で配列され、前記第2の毛細管は、個々に、第2の断面形状、第2の水力直径、第2の長さ、および第2の長さ対水力直径比率を有する、第2のゾーンと、
    (c)前記紡糸口金本体の面において前記第1のゾーンに隣接して位置し、複数の第3の列を含む第3のゾーンであって、前記第3の列はそれぞれ、複数の第3の毛細管を含み、前記第3の毛細管は、第3の毛細管密度で配列され、前記第3の毛細管は、個々に、第3の断面形状、第3の水力直径、第3の長さ、および第3の長さ対水力直径比率を有する、第3のゾーンと、
    を含み、
    前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンと前記第3のゾーンとの間に位置し、前記第1のゾーンは、前記第2および第3のゾーンよりも、前記紡糸口金本体の面の中心に近く、
    前記全体的な長さ対水力直径比率は、少なくとも3%である、紡糸口金。
  2. 請求項1に記載の紡糸口金において、
    前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状は、同じである、紡糸口金。
  3. 請求項1に記載の紡糸口金において、
    (i)前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さい;および、
    (ii)前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短い、
    のうちの、少なくとも一方である、紡糸口金。
  4. 請求項1に記載の紡糸口金において、
    前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
  5. 請求項1に記載の紡糸口金において、
    前記紡糸口金本体は、複数の、ゾーンごとの長さ対水力直径比率を有し、
    前記ゾーンごとの長さ対水力直径比率のうちの少なくとも1つが、少なくとも2%である、紡糸口金。
  6. 請求項1に記載の紡糸口金において、
    (a)複数の第4の列を含む第4のゾーンであって、前記第4の列はそれぞれ、複数の第4の毛細管を含み、前記第4の毛細管は、第4の毛細管密度で配列され、前記第4の毛細管は、個々に、第4の断面形状、第4の水力直径、第4の長さ、および第4の長さ対水力直径比率を有する、第4のゾーンと、
    (b)複数の第5の列を含む第5のゾーンであって、前記第5の列はそれぞれ、複数の第5の毛細管を含み、前記第5の毛細管は、第5の毛細管密度で配列され、前記第5の毛細管は、個々に、第5の断面形状、第5の水力直径、第5の長さ、および第5の長さ対水力直径比率を有する、第5のゾーンと、
    をさらに含み、
    前記第1のゾーンは、前記第4のゾーンと前記第5のゾーンとの間に位置し、
    前記第4の毛細管それぞれの前記第4の断面形状、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の断面形状は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、および前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状と同じであり、
    前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径より小さく、かつ前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の水力直径は、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径より小さく、
    前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さより短く、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さは、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さより短い、紡糸口金。
  7. 請求項6に記載の紡糸口金において、
    前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ対水力直径比率より小さく、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の長さ対水力直径比率は、前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さ対水力直径比率より小さい、紡糸口金。
  8. 請求項6に記載の紡糸口金において、
    (a)複数の第6の列を含む第6のゾーンであって、前記第6の列はそれぞれ、複数の第6の毛細管を含み、前記第6の毛細管は、第6の毛細管密度で配列され、前記第6の毛細管は、個々に、第6の断面形状、第6の水力直径、第6の長さ、および第6の長さ対水力直径比率を有する、第6のゾーンと、
    (b)複数の第7の列を含む第7のゾーンであって、前記第7の列はそれぞれ、複数の第7の毛細管を含み、前記第7の毛細管は、第7の毛細管密度で配列され、前記第7の毛細管は、個々に、第7の断面形状、第7の水力直径、第7の長さ、および第7の長さ対水力直径比率を有する、第7のゾーンと、
    をさらに含み、
    前記第1、第4、および第5のゾーンは、前記第6のゾーンと前記第7のゾーンとの間に位置し、
    前記第6の毛細管それぞれの前記第6の断面形状、および前記第7の毛細管それぞれ前記第7の断面形状は、前記第1の毛細管それぞれの前記第1の断面形状、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の断面形状、前記第3の毛細管それぞれの前記第3の断面形状、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の断面形状、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の断面形状と同じであり、
    前記第6の毛細管それぞれの前記第6の水力直径、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の水力直径は、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の水力直径、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の水力直径より小さく、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の水力直径、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の水力直径は、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の水力直径より小さく、かつ、前記第7の毛細管それぞれの前記第7の水力直径より小さく、
    前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さ、および前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さは、前記第2の毛細管それぞれの前記第2の長さ、および前記第3の毛細管それぞれの前記第3の長さより短く、前記第4の毛細管それぞれの前記第4の長さ、および前記第5の毛細管それぞれの前記第5の長さは、前記第6の毛細管それぞれの前記第6の長さより短く、かつ、前記第7の毛細管それぞれの前記第7の長さより短い、紡糸口金。
  9. 請求項1に記載の紡糸口金において、
    前記紡糸口金本体は、少なくとも5%の、全体的な長さ対水力直径比率の少なくとも1つを有し、前記紡糸口金本体の面において開口する前記毛細管の総数は、少なくとも3000個である、紡糸口金。
  10. 溶融紡糸不織ウェブを製造するための器具において、
    ポリマー供給システムと、
    フィラメント収集表面と、
    前記収集表面に向かう経路に沿って下方に動く押出しフィラメントを製造するため、前記ポリマー供給システムから受け取った溶融ポリマーを押し出すように、前記収集表面の上に位置する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の紡糸口金と、
    冷却ガスの少なくとも1つの流れを供給するための、少なくとも1つのクエンチガス供給装置と、
    前記紡糸口金より下の冷却領域であって、前記冷却領域では、前記冷却ガスの少なくとも1つの流れが、前記紡糸口金の下で、前記収集表面に向かう経路に沿った押出しフィラメントを横切って流れるように方向づけられる、冷却領域と、
    を含む、器具。
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