JP2015536227A - 吸引チューブ内に配置され、かつ吸引チューブから軸ずれしている灌注チューブを備えるチップアセンブリを有する医療/外科用洗浄ユニット - Google Patents

吸引チューブ内に配置され、かつ吸引チューブから軸ずれしている灌注チューブを備えるチップアセンブリを有する医療/外科用洗浄ユニット Download PDF

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Abstract

灌注チューブ(730)および吸引チューブ(750)を有するチップアセンブリ(650)を備える医療/外科用洗浄ユニット(50)。灌注チューブは、吸引チューブ内に配置され、吸引チューブから軸ずれしている。吸引チューブは、比較的広い断面長さを有する管腔(736)を有し、これによって、管腔内の廃棄物の詰まりが低減するようになっている。

Description

本発明は、一般的に、体部位への灌注流体の放出と該部位からの材料の引込みを同時に行う洗浄ユニットに関する。さらに詳細には、本発明の洗浄ユニットは、部位から引き出される材料の詰まりを最小限に抑える特徴を有している。
多くの外科および医療手術手順において、治療を受ける患者の体の体上または体内の特定位置に流体を送達するために、洗浄ユニットが用いられている。例えば、整形外科手術中、骨を清浄にするために水または生理食塩液の加圧パルスを該骨の露出面に送達するために、洗浄ユニットが用いられることがある。また、水のパルスを患者の皮膚の特定部位に供給することが同じように望まれるいくつかの非外科手術手順が行なわれることもある。すなわち、もし患者がある種の床ずれまたは他の種類の皮膚傷を患っているなら、該傷に衣服を着せる前に該傷を清浄にするために洗浄ユニットを用いることは、一般的に行なわれている。
一般的な形式の医療/外科用洗浄ユニットは、チップアセンブリが選択的に取り付けられたハンドピースを備えている。多くの場合、ハンドピースの内側には、一定量の加圧流体を周期的に送達する小型ポンプが配置されている。代替的に、加圧流体は、外部ポンプからハンドピースに送達されることもある。流体は、チップアセンブリと一体の放出チューブを通って、患者の体上または体外の選択された部位に放出される。これらの洗浄ユニットは、2つの理由から加圧パルスの流体を送達するようになっている。1つの理由は、流体パルスが対象となる部位に迅速に衝突し、かつ該部位から迅速に離れることにあり、この作用は、該部位からの破片の望ましい除去を促進するのに役立つことになる。第2の理由は、不連続な流体パルスは、加圧流体の連続的な流れに晒されるときに視野が遮られる場合と比較して、それほど部位の視野を遮らないことにある。
殆どの洗浄ユニットは、無菌流体が放出されるときに通る導管に加えて、放出された流体が対象となる部位から取り出されるときに通る導管を有している。典型的には、この流体は、最初、チップアセンブリの一部でもある吸引チューブを通して部位から引き出される。次いで、流体および該流体流れ内の破片は、ハンドピースと一体の導管を通って流れる。ハンドピース吸引導管は、灌注器とは別の吸引システムに接続された第2の吸引チューブに接続されている。従って、患者の体上の部位の清浄化と清浄化プロセスによって生じた破片の除去を本質的に同時に行う能力を考慮すれば、なぜ灌注器が多くの医療および外科手術手順を容易にするための有用なツールになってきたかは、容易に分かるだろう。
さらに、洗浄ユニットのハンドピースとチップアセンブリの両方を使い捨て式物品として製造することが一般的に行なわれている。これらのユニットが使い捨て式である1つの理由は、経済性にある。これらの装置を殺菌可能な構成要素から形成し、次いで、使用するたびにその後該装置を殺菌するためのコストは、使い捨て式装置を提供するコストよりも高くなる可能性がある。これらのユニットが使い捨て式物品である第2の理由は、重量に関連している。殺菌可能となるように製造されたハンドピースを形成する構成部品の重量は、使い捨て式ハンドピースを形成する同等の構成要素の重量よりも大きい。骨清浄化のような手術手順中、洗浄ユニットを数分に至る時間にわたって安定して保持することが必要な場合がある。洗浄ユニットを可能な限り軽量にすることによって、該ユニットを長期にわたって安定して保持するのに必要な従事者の筋肉疲労を軽減させることができる。
特許文献1,2は、いずれも使い捨て式洗浄ユニットを開示している。これらの文献は、参照することによって、明示的にここに含まれるものとする。これらの文献および他の出願において、洗浄ユニット(lavage unit)は、「灌注器(irrigator)」と呼ばれていることもある。
参照によってここに含まれる前述の文献の洗浄ユニットは、完全ではないが、満足の行く程度に機能するものである。しかし、これらの洗浄ユニットならびに他の洗浄ユニットでは、場合によっては、チップアセンブリと一体の吸引チューブが、破片によって詰まることがある。これは、詰まりを取り除くかまたは代わりのチップアセンブリを取り付けるために、ユニットの使用が中断されねばならないことを意味している。これらの手術手順のいずれかを行うために時間を費やすることは、最新の医療手順の目的に反する。すなわち、患者が麻酔下にある時間または患者の体内組織が周囲環境に晒される時間を最小限に抑えるために、手術手順は、可能な限り迅速に行なわれるべきである。
さらに、他の製品と同様、製品のコストを最小限に維持することも常に望まれている。洗浄器ハンドピース設計に及ぼす1つの区域は、トリガーである。トリガーは、施術者がポンプモータを選択的に作動させるために押し込む手動部材である。場合によっては、施術者は、ポンプによる洗浄流体の放出のオン/オフ操作を迅速に制御することを望むことがある。この種の制御が必要なとき、トリガーは、瞬間的接触スイッチとして機能する必要がある。場合によっては、施術者は、ポンプが、長期にわたって、例えば、30秒以上にわたってオン状態で維持されることを望むことがある。もしトリガーが、瞬間的接触式であるなら、施術者は、トリガーを確実にオン状態に維持するために精神的および物理的な努力を果たさねばならない。従って、この場合、トリガーは、選択的にトグル留めによってオン・オフ作動するスイッチとして機能すべきである。これが、オン・オフ状態間でトグル留めされるトグルスイッチを有する洗浄ユニットを提供することが有用な理由である。しかし、場合によっては、同じ手術手順において、施術者は、トリガーが手術手順の1つの過程では瞬間的接触スイッチとして機能し、該手術手順の他の過程では、トグルスイッチとして機能することを望むことがある。これまで、接触スイッチおよびトグルスイッチの両方として機能することができるトリガーを有する使い捨て式洗浄器ハンドピースを提供することは、困難であると見なされていた。
米国特許第6,022,329号明細書 米国特許第7,153,287号明細書
本発明は、新規の有用な洗浄ユニットに向けられている。本発明の洗浄ユニットは、ポンプを有するハンドピースと該ハンドピースから遠位側前方に延在するチップアセンブリとの両方を備えている。
本発明のハンドピースおよびチップアセンブリは、いずれも患者からの吸引流れ内に捕捉された破片が吸引流路を詰まらせる可能性を低減するように、形成されている。具体的には、チップアセンブリは、吸引チューブ内に配置された灌注チューブを備えている。これらの2つのチューブおよびそれらの相補的な管腔は、同軸ではない。本発明のこの特徴によって、吸引管腔の軸の断面距離が大きくなる。ハンドピース内において、吸引経路は、1対の孔を備えている。これらの孔は、軸ずれしている。さらに、これらの孔は、円形ではない。これらの孔の重なりは、比較的広い貫通流路をもたらすようになっている。本発明のこの特徴によって、詰まりの可能性が低減されると共にポンプの低コスト製造が達成されることになる。
本発明のハンドピースは、多位置トリガーを備えている。トリガーは、通常、オフ状態にある。トリガーは、初期距離にわたって移動することができる。トリガーが初期距離にわたって移動すると、トリガーは、瞬間的接触スイッチとして機能する。トリガーの解放によって、トリガーは、瞬時にオフ状態に戻る。また、トリガーは、第1の距離よりも大きい第2の距離にわたって移動することができる。トリガーが第2の距離にわたって移動すると、トリガーは、相補的なストッパーに係合する。この場合、トリガーは、静止したオン状態位置にとどまることになる。ハンドピースポンプは、追加的な努力によってトリガーを移動させるまで、オン状態にとどまっている。第3の位置へのトリガーの移動によって、トリガーは、オフ状態に戻る。従って、本発明のトリガーは、瞬間的な接触スイッチと、一定のオン状態または一定のオフ状態に設定可能なトグルスイッチの両方として機能する。
本発明の全ての態様ではないが、いくつかの態様において、第2の位置へのトリガーの移動によって、トリガーは、ストッパーに係合し、該ストッパーによって適所に保持されるようになっている。本発明のいくつかの態様におけるストッパーは、ハンドピースのハウジングを形成するシェル部材の1つに形成された特徴部である。
本発明は、請求項において詳細に指摘されている。本発明の上記の特徴およびさらなる特徴ならびに利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって理解されるだろう。
本発明の洗浄ユニットの斜視図である。 洗浄ユニットの分解斜視図である。 洗浄ユニットのハンドピースの内部を示す切断図である。 ハンドピース内の構成部品の分解図である。 ハンドピースの右側シェルの内部の斜視図である。 右側シェルの内部の平面図である。 速度制御スイッチが着座する箇所を示すシェルを形成するハンドピースハウジングの部分の拡大図である。 図6に示されているトリガーアセンブリブラケットの平面図である。 ハンドピースの左側シェルの平面図である。 左側シェルの斜視図である。 ハンドピース内のフェースギアの斜視図である。 ハンドピース内の偏心ギアの斜視図である。 ハンドピース内のポンプハウジングの斜視図である。 図11の線12−12に沿って切断されたポンプハウジングの底部の断面図である。 図11の線13−13に沿って切断されたポンプハウジングのネックの断面図である。 図11の線14−14に沿って切断されたポンプハウジングのヘッドの断面図である。 ハンドピース内のベローズおよび弁の斜視図である。 ハンドピース内の弁およびベローズの断面図である。 ハンドピース内のポンプヨークの斜視図である。 ハンドピース内の導電性構成要素を示す図である。 電源へのハンドピースの電気接続の略線図である。 ハンドピースのオン/オフトリガーに関連する接点の斜視図である。 ハンドピースの速度制御スイッチの露出部の斜視図である。 速度制御スイッチの引っ込んだ特徴部の斜視図である。 トリガーの前方斜視図である。 トリガーの後方斜視図である。 本発明のチップアセンブリを形成する構成部品の分解斜視図である。 チップアセンブリのコネクタの前部の斜視図である。 コネクタの後部の斜視図である。 コネクタの断面図である。 チップアセンブリの本体の斜視図である。 チップアセンブリの本体を長手方向に貫通する面に沿って切断した該本体の断面図である。 図28の線29−29に沿って切断されたチップアセンブリの本体の断面図である。 噴霧シールドの前部の斜視図である。 噴霧シールドの後部の斜視図である。 噴霧シールドを長手方向に貫通する面に沿って切断した噴霧シールドの断面図である。 代替的トリガーを有する本発明の代替的右側シェルの平面図である。 図33の代替的トリガーの斜視図である。
[I.概観]
図1〜図3は、本発明の洗浄ユニット50の基本的な構成要素を示している。洗浄ユニット50は、チップアセンブリ650が取外し可能に取り付けられたハンドピース64を備えている。灌注チューブ56が、灌注流体源54からハンドピース64に延びている。吸引チューブ66が、ハンドピース64に取り付けられている。吸引チューブ66は、廃棄物収集容器63および吸引源61の両方に向かって近位側に延在している。(本明細書において、「近位側」は、チップアセンブリ650が適用される患者から施術者が保持するハンドピース64に向かう側を意味している。「遠位側」は、施術者から患者に向かう側を意味している。)ハンドピース64内には、ポンプ420が配置されており、灌注チューブ56の遠位端がポンプ420に接続されている。ポンプ420は、モータ360によって駆動される。モータ360のオン/オフ状態は、ハンドピース64の下面に枢動可能に取り付けられたトリガー561によって制御される。モータ360の作動速度、従って、ポンプ420の作動流量は、速度設定スイッチ562によって制御される。スイッチ562は、ハンドピース64の近位端に摺動可能に取り付けられている。
図28に示されているように、チップアセンブリ650は、剛性の高い灌注チューブ750を備えている。灌注チューブ750は、吸引チューブ730内に配置されている。噴霧シールド770が、吸引チューブ730に取外し可能に配置されている。チップアセンブリ650がハンドピース64に取り付けられたとき、第1の流体連通路が、ポンプ420の出口ポートと灌注チューブ750との間にもたらされる。また、第2の流体連通路が、吸引チューブ730の近位端と、ハンドピース64に取り付けられてそこから延在する吸引チューブ66との間にもたらされる。
[II.ハンドピース]
ハンドピース64は、図4および図5にそれぞれ示されているように、右側シェル70および左側シェル210を備えている。シェル70,210は、一緒になって、ハンドピース64のハウジングまたは本体を形成している。シェル70,210は、非線形近位−遠位方向長軸を有する近位区域および遠位区域を有している。具体的には、これらのシェルの近位区域は、一緒になって、ハンドピース64のハンドグリップ65を形成している。これらのシェルの遠位区域は、一緒になって、ハンドピース64のバレル67を形成している。シェル70,210は、ABSのようなプラスチックから形成されている。
図5および図6に示されているように、右側シェル70は、基部69を有するように形成されている。矩形状ノッチ72が、シェル70の最近位リム71に設けられている。2つのブラケット74,78が、ノッチ72によって画定されたシェル70内の空間内に部分的に延在するように、シェル基部から上方に延在している。図6Aに示されているように、ブラケット74は、シェル最近位リム71から遠位側内方に延在する小さい部分を有するという点において、L字状に形作られている。ブラケット74,78は、略平面状である。互いに隣接するブラケット74,78の端において、ブラケット74,78には、それぞれ、段75,79が形成されている。段74,78は、それぞれ、ブラケット74,78の遠位側前方に位置し、そこから延在している。リブ76,80が、それぞれ、段75,79から近位側に突出している。リブ76,80は、凸状である。段75,79は、互いに離間していることを理解されたい。
段75,79の前には、2つのボス84がシェル基部の内面から上方に延在している。各ボス84には、(部番が付されていない)有底孔が形成されている。ボス84は、シェル70の上側リム83の方に位置している。ボス86が、シェル基部の内面から上方に延在している。ボス86は、ボス84の下方かつ遠位側前方に位置している。(部番が付されていない)有底孔が、ボス86の露出面から内方に延在している。
4つのリブ88,92,96,102が、シェル基部から上方に延在している。リブ88,92,96,102は、ボス86の前方に位置している。リブ88,92,96、102は、概して、互いに平行であり、シェルの上部に隣接する箇所から下側リム139に向かって、シェル基部を横切って延在している。リブ88は、リブの本体から上方に延在する2つの互いに離間したタブ90を有するように、形成されている。タブ90間において、リブ88は、(部番が付されていない)凹状の上面を有している。リブ92,96は、内方に湾曲した面を有しており、該面は、リブによって画定されたノッチの基部として機能する(面およびノッチには部番が付されていない)。リブ102は、概して、リブ92,96の内方に湾曲した面の上方に突出している。リブ102は、(部番が付されていない)U字状ノッチを有するようにさらに形成されている。
2つのボス106,108が、シェル基部から上方に延在している。ボス106,108は、いずれもリブ102の前方に位置している。ボス106は、シェル70の上側リムの方に位置している。ボス108は、シェル70の下側リムの方に位置している。ボス108は、ボス106の直径よりも小さい直径を有している。ボス106,108のいずれにも、(部番が付されていない)有底孔が形成されている。ボス108は、孔106の直径よりも小さい直径を有している。
右側シェル70は、ボス106,108の前方にボス110を有するように、形成されている。ボス110は、ボス106,108間に位置すると共にボス106,108の遠位側前方に位置している。ボス110には、(部番が付されていない)有底孔が形成されている。4つの互いに等角に離間した補強ウエブ112が、ボス110の外面から半径方向外方に突出している。ウエブ112には、ボス110の外面から下向きにテーパが付されている。ウエブ112は、シェル70の基部の内面から上方に延在するリング114に向かって延在している。リング114は、ボス110がシェルの上方に延在する距離よりも短い距離にわたって、シェル70の上方に延在している。
図6Bに最もよく示されているように、ブラケット122も右側シェル70に一体に形成されている。ブラケット122は、シェル70の内面から外方に突出する3つの平行バー118上に着座している。バー118およびブラケット122は、いずれもボス108,110間に位置すると共にボス108,110の下方に位置している。ブラケット122は、その主軸、すなわち、長軸がシェルの上下リム間に延在する線に沿って延在するような略細長構造を有している。ブラケット122は、その下端が凸状の底面124を有するように形成されている。このブラケットは、底面124から近位側および上方に延在する第1の近位側面126を有している。第1の近位側面126には、概して、底面124から近位側および上方に向かってテーパが付されている。このブラケットは、第1の近位側面126の上方に凸状の第2の近位側面128を有している。これによって、側面128は、ブラケット122内にノッチを画定している。このブラケットは、側面128の上方に段面130を画定するように、形作られている。段面130は、第2の側面128の外側上縁から略遠位側前方に延在している。段面130は、凹状である。ブラケット122は、第3の近位側面132を有するようにさらに形成されている。第3の近位側面132は、段面130の遠位端から上方および近位側に延在している。第3の近位側面132は、上面134に合一している。上面134は、略半円形状を有している。遠位側面136が、上面134から底面124に向かって下方に延在している。
右側シェル70の下側リム139は、ブラケット122の下方かつ前方に細長のノッチ140を画定するように、形成されている。ノッチ140は、シェルがハンドピースのグリップ部67からバレル部65に湾曲する箇所に位置している。ノッチ140の近位側において、ピン135がシェル基部69から上方に延在している。ピン135は、シェルの下側リム139から内方に離間している。J字状ブラケット137が、シェル基部69から外方に延在している。ブラケット137は、完全ではないが実質的にピン135を包囲している。右側シェル70は、ブラケット137がピン135の遠位側を向く面を包囲しないように、形作られている。
ノッチ140の上方には、3つの平行レール142,148,152が、シェル70の基部の内面から内方に延在している。レール142,148,152は、ハンドピース64のバレル区域を形成するシェル70の部分に位置している。レール142は、シェル70の上端の方に位置している。レール152は、シェルの下端の方に位置している。レール148は、レール142,152間に位置している。レール142,148,152は、各々、シェル70を横切って延在する共通線上に位置する近位端を有している。ウエブ142,152は、レール148よりもさらに遠位側に延在している。3つのウエブ144が、基部またはシェル70の内面から上面に延在している。また、各ウエブ144は、レール142の上面から外方に延在している。リム146が、ウエブ142の外面から外方に突出している。さらに具体的には、リム146は、レール142の上部から外方に突出している。
円筒ボス150が、レール148と一体に形成されている。ボス150は、レール142,152の後方に位置するように、レール148の近位端に配置されている。ボス150には、(部番が付されていない)有底孔が形成されている。リム153が、レール152の露出面の底から外方に延在している。リム146,153のいずれにも、凹み151が形成されている(リム146上の凹みのみに部番が付されている)。凹み151は、互いに面するリム146,153の対向面から内方に延在している。
3つのウエブ154,156,158が、シェル基部69から上方に延在すると共にレール152の底面から外方に延在している。ウエブ154は、レール152の近位端に隣接して位置している。シェル70は、円筒ボス155がシェルの基部から上方に延在するように、形成されている。ボス155は、レール152から離間したウエブ154の端に一体化されている。(部番が付されていない)有底孔が、ボス155の露出面から延在している。ウエブ156は、ウエブ154の前方に位置し、ウエブ154よりも大きい長さ(レール152から突出する距離)を有している。ウエブ158は、最遠位ウエブであり、ウエブ154よりも短くなっている。段160が、レール152の底から外方に突出している。段160は、レール142の段146と同様の形状を有している。
2つの付加的な円筒ボス162,164が、シェル70の内面から上方に延在している。ボス162は、レール142の遠位端のすぐ上に位置している。ボス164は、レール152の遠位端のすぐ下に位置している。(部番が付されていない)有底孔が、ボス162,164に形成されている。
右側シェル70は、上側リム167にノッチ168を画定するように、さらに形成されている。ノッチ168は、シェル70の近位端からシェルのグリップ形成部67の全体に沿って延在している。また、ノッチ168は、シェル70のバレル形成部65に沿っていくらか延在している。シェル70は、ノッチ168のいくらか下方においてシェル基部69から外方に突出する棚170を画定するように、さらに形成されている。棚170は、ノッチ168の下方の空間を占め、ノッチの遠位端から前方にわずかに、例えば、略1cm延在している。ウエブ172が、棚170に延在している。複数、図示の例では、5つのウエブ172が、上側リムと棚170との間に延在するように、シェル基部から上方に延在している。ウエブ172は、凹面を有している。さらに具体的には、蓋170およびウエブ172は、吸引チューブ66を棚上の空間に圧縮保持するように、寸法決めされている。
本発明の図示されている形態では、ブラケット76が棚170の下面から下方に延在している。また、ウエブ88,92,96,102,144も、各々、棚170の下面から下方に延在している。
3つの平行ヨーク176,178,180が、シェル70の内面から上方に延在している。ヨーク176,178,180は、レール142,152の前方に位置し、レール142,152間に位置する線に沿った同一線の横軸を有している。ヨーク176,178,180は、概して、平面構造の形態にある。各ヨーク176,178,180は、円弧状基部を有するノッチを画定するように、形作られている(ノッチには部番が付されていない)。また、2つの付加的なヨーク182が、シェル70の内面から上方に延在している。これらのヨーク182は、互いに平行である。各ヨーク182は、シェルの上側リムの内面から下方に延在している。最近位側のヨーク182は、ヨーク178と長手方向において略真っ直ぐに並んでいる。遠位側のヨーク182は、ヨーク180の前方に位置している。各ヨーク182は、湾曲した基部を有するノッチを画定するように形成されている(ノッチには部番が付されていない)。
右側シェル70の基部は、貫通開口186を有するように形成されている。貫通開口186は、ヨーク178,180間に位置している。貫通開口186は、略矩形状である。本発明の図示されている態様では、貫通開口186の最近位コーナが丸められている。貫通開口186の主軸は、ヨーク178,180の長軸と平行である。右側シェルは、貫通開口186の前方から離間した位置に凹状パネル188を有するように形成されている(凹状パネル188の遠位端は、図5に部分的にしか示されていない)。シェル70は、パネル188が該シェルの遠位端から近位側後方に延在するように、形作られている。従って、パネル188は、シェル基部69の外面に凹部を画定する。この凹部は、シェル70の内側に通じている。
シェル70の遠位側リムには、2つの半円形ノッチ194,196が形成されている。
図7および図8から、左側シェル210は、右側シェル70と鏡面対称の形状を有していることが分かるだろう。左側シェル210は、基部272および該基部から内方に延在する一組のリムを有している。シェル70,210が一緒に配置されたとき、右側シェルリム71,139,167,193は、それぞれ、左側シェルリム274,312,318,346に当接するようになっている。
左側シェル210は、遠位端リム274を有するように形成されている。リム274には、ノッチ276が形成されている。左側シェルノッチ276は、右側シェルノッチ72と対称的である。ここで、シェル70,210の構成部品間の「対称性」は、シェル間に上下に延在する面を中心とするものである。左側シェルには、2つのブラケット278,280が形成されている。これらのブラケット278,280は、ノッチ276の近位側前方に位置し、ノッチ276を覆って延在している。ブラケット278は、右側シェルブラケット74と位置および形状に関して対称的である。ブラケット280は、右側ブラケット78と位置および形状に関して対称的である。従って、図示されていないが、ブラケット278は、段75およびリブ76を有するように形成されていると見なすことができる。ブラケット280は、段79およびリブ80を有している。
4つのポスト284,296,308,326が、シェル基部272の内面から外方に延在している。各ポスト284,296,308,320は、該ポストの自由端から外方に延在するピン287(1つのみに部番が付されている)を有するように、形成されている。ピン286は、ポスト284,296,308,326の直径よりも小さい直径を有している。シェル70,210は、これらのシェルがハンドピース64を組み立てるために互いに押し込まれたとき、ポスト284と一体のピン287が右側シェルボス86と一体の孔内に着座し、ポスト296と一体のピン287が右側ボス106と一体の孔内に着座し、ポスト308と一体のピン287がボス155と一体の孔内に着座し、ポスト326と一体のピン287がボス162と一体の孔内に着座するように、構成されている。シェルの構成部品は、相補的なボス内へのピン287の着座によって2つのシェル70,210が互いにスナップ嵌合または圧縮嵌合するように、さらに寸法決めされている。
ポスト284,296間において、リブ286,288,290,292が、シェル基部212の内面から外方に延在している。リブ284は、右側リブ88と形状および位置に関して対照的である。従って、リブ284には、タブ90が形成されている。リブ288は、右側リブ92と形状および位置に関して対称的である。リブ290は、右側リブ96と形状および位置に関して対照的である。リブ292は、右側リブ102と形状および位置に関して対照的である。
左側シェル210は、ポスト296の前方および下方において、ブラケット298がシェル基部212の内面から外方に延在するように、さらに形成されている。ブラケット298は、右側シェルブラケット122と対照的である。従って、図示されていないが、ブラケット298は、ブラケット122の面124,126,128,130,132,134,136と同一の面を有することを理解されたい。
2つのボス304,308が、左側シェル基部272から外方に突出している。ボス304は、右側シェルボス110と位置に関して対照的である。ボス308は、右側ボス150と位置に関して対称的である。各ボス304,308には、(部番が付されていない)有底孔が形成されている。補強ウエブ306が、各ボス304の周囲からシェル基部272に向かって外方に延在している。
左側シェル210は、下側リム312を有している。底リム312には、ノッチ314が形成されている。ノッチ314は、右側シェル70と一体のノッチ140と形状および位置に関して対照的である。ノッチ314のすぐ前方において、ボス316が左側シェル基部272から上方に延在している。ボス316は、右側シェルボス164と対照的である。ボス316には、(部番が付されていない)有底孔が形成されている。
左側シェル210は、下側リム312の反対側に、上側リム318を有している。シェル210は、ノッチ320がリム318の近位端から遠位側前方に延在するように、形作られている。ノッチ320は、右側シェルノッチ168と対称的である。棚322が、ノッチ320の下方においてシェル基部212から外方に突出している。左側シェル棚322は、右側シェル棚170と対称的である。左側シェル210は、ウエブ324を有するようにさらに形成されている。ウエブ324は、右側シェルウエブ172と対称的である。ハンドピース64が組み立てられたとき、灌注チューブ56は、棚322上に位置し、ウエブ324に当接する。
左側シェル210は、ポスト326の前方に3つの平行ヨーク330,332,334を有するように形成されている。ヨーク330は、右側シェルヨーク176と形状および位置に関して対称的である。ヨーク332は、右側ヨーク178と形状および位置に関して対称的である。ヨーク334は、右側ヨーク180と形状および位置に関して対称的である。
ヨーク332,334の上方には、2つの付加的な平行ヨーク336が位置している。各ヨーク336は、右側シェルヨーク182の個々のものと形状および位置に関して対称的である。ヨーク336は、上側リム318の内面から外方に延在している。
左側シェル210には、貫通開口340および凹状パネル342が形成されている。貫通開口340は、右側シェル70と一体の貫通開口186と形状および位置に関して対称的である。パネル342は、右側シェル凹状パネル188と対称的である。左側シェル210は、遠位リム346を有している、リム346は、2つの半円状ノッチ348,350を有するように形成されている。ノッチ348は、右側シェルノッチ194と対称的である。ノッチ350は、左側シェルノッチ196と対称的である。
図3および図4に戻ると、モータ360がシェル70,210間に挟み込まれていることが理解されるだろう。モータは、本体362を有している。本体362は、同様の長さの直径を有する複数の円筒区域を有している。円筒状ヘッド364が、本体362から前方に延在している。回転シャフト366が、ヘッド364から前方に延在している。モータヘッド364は、本体362の直径よりも小さい直径を有している。シャフト366は、モータヘッド364の直径よりも小さい直径を有している。モータ本体362は、右側スリーブリブ92,96のノッチを画定する内方湾曲面および左側スリーブリブ288,290の相補的な面に対して、着座している。本体362の近位端は、シェルリブ88,286の遠位面に対して配置されている。モータ本体の遠位端は、シェルリブ102,292の近位面に対して配置されている。モータヘッド364は、シェルリブ102,292によって画定されたノッチを貫通している。
ギア370が、モータシャフト366の自由端に装着されており、該シャフトと共に回転するようになっている。ギア370は、ハンドピース64と一体のフェースギア372にも係合している。図9に示されているように、フェースギア372は、円板状基部374を備えている。歯376が、基部374の外周の周りに延在するように、基部374から上方に延在している。隆起した円形台座378が、基部374の中心から上方に延在している。内側および外側スリーブ380,384が、それぞれ、台座378の露出面から上方に延在している。台座378およびスリーブ380,384は、中心軸、具体的には、ギア基部372の回転軸と同軸である。外側スリーブ384の内面は、内側スリーブ380から半径方向外方に離間している。円弧的に互いに離間して、ウエブ382が、内側スリーブ380の外面と外側スリーブ384の隣接する内面との間に延在している。部番が付されていないが、同軸貫通孔が内側スリーブ380およびその下の台座378を貫通している。外側スリーブには、歯386が形成されている。
図4に示されているように、ピン390が、フェースギア370をハンドピース64内に回転可能に保持している。ピン390は、台座378および内側スリーブ380を貫通する軸方向孔を通って延在している。ピン390の一端は、右側シェルボス110と一体の孔内に着座している。ピン390の他端は、左側シェルボス304と一体の孔内に着座している。フェースギア370は、ギア基部372が右側シェルボス110に隣接するように、位置決めされている。ハンドピース64が組み立てられたとき、シャフトギア370は、フェースギア歯376に係合するようになっている。
フェースギア370は、ハンドピース64内に回転可能に配置された偏心ギア396を駆動するようになっている。図10に最もよく示されているように、偏心ギア396には、円形基部398が形成されている。基部398には、多数の互いに円弧的に離間した貫通開口402が形成されている。また、基部398は、多数の互いに円弧的に離間した凹部404を有するように形成されている。凹部404は、基部の外周の内方に位置している。本発明の図示されている態様では、凹部は、種々の円弧を画定している。さらに、大きな円弧に沿って延在する凹部404は、複数の開口402と交差している。歯406が、基部398の外周から外方に突出している。円筒ヘッド408が、ギア基部398から上方に突出している。ヘッド408の長手方向中心軸は、基部398の回転軸から横方向にずれている。偏心ギアは、貫通孔410を有するようにさらに形成されている。孔410は、基部398の回転軸を回転軸を貫通すると共に、基部398の回転軸の上に延在するヘッド408の外側部分を貫通している。ギア396には、2つの空洞412が形成されている。空洞412は、ヘッド408およびヘッドの下方の基部398の部分を貫通している。これらの空洞412は、孔410を二分する面を中心として対称的である。
図4に示されているように、ピン416が、偏心ギア396をハンドピース46内に回転可能に保持している。ピン416の一端は、右側シェルボス150と一体の孔内に着座している。ピン416の他端は、左側シェルボス308と一体の孔内に着座している。ハンドピース64が組み立てられたとき、偏心ギア歯406は、フェースギア372の歯386と係合するようになっている。
ポンプ420は、ポンプハウジング422を備えている。以下、図11〜図14を参照して、ポンプハウジング422について説明する。ポンプハウジング422は、成形プラスチックの単一片から形成されており、基部424を備えている。基部424は、外側スリーブ426を備えている。外側スリーブ426は、外面に沿って略一定の直径を有している。リップ428が、スリーブ426の近位端から半径方向外方に突出している。リング430が、リップ428から近位側後方に延在している。リング430は、リップ428の外周の内方に位置している。本発明の図示されている態様では、リング430は、外側スリーブ426の外径よりも大きい内径を有している。ポンプハウジングは、リングの外面に沿って、段432がリングの周りに周方向に延在するように、さらに形成されている。従って、リング430の近位部の外径は、リングの遠位部、すなわち、段432の遠位側の部分の外径よりも小さくなっている。2つの柔軟な脚434が、リップ428から後方に延在している。これらの脚434は、直径方向において互いに対向している。各脚434には、内向きの足436が形成されている。
ポンプハウジング422には、外側スリーブ426と同軸で外側スリーブ426内に配置された内側スリーブ438が形成されている。内側スリーブ438は、外側スリーブ426の近位端から遠位側に延在している。内側スリーブ438は、外側スリーブの略中央面の位置で終端している。外側スリーブ内の(部番が付されていない)円形ウエブが内側スリーブに延在している。スリーブ426,438は、これらのスリーブ間に環状隙間が生じるように、寸法決めされている(間隙には部番が付されていない)。内側スリーブ438の近位端において、円形リップ442が該スリーブから内方に延在している
外側スリーブ426は、3つの孔が一緒になってスリーブを貫通するように、さらに形成されている。第1の孔446は、内側スリーブ438の内壁によって画定されている。第2の孔480は、孔446のすぐ前方に位置している、第3の孔482は、外側スリーブ426内への遠位端開口を形成している。スリーブ426は、孔482が孔480の直径よりも大きい直径を有するように形成されている。
ポンプハウジング422は、円筒ネック484を有するように、さらに形成されている。ネック484は、外側スリーブ426と直交して上方に延在している。ポンプハウジング484は、ネック484が(スリーブ426を通る長軸と直交すると共にスリーブ426を通る長軸から横方向にずれた)軸に沿って上方に延在するように、形成されている。ネック484には、通路486が形成されている。図12および図13に示されているように、通路486は、外側および内側スリーブ426,438間の環状隙間内に開いている。
ハウジングネック484は、ヘッド490まで延在している。ポンプハウジングヘッド490は、略多角形と見なされる多数の副区域から形成された(部番が付されていない)主区域を有している。本発明の開示されている態様では、ヘッド490には、上側開口492が形成されている。開口492は、ネック通路486と同軸である。開口492は、ポンプハウジング422を形成するために用いられる射出成形プロセスの結果として生じるものである。さらに具体的に、開口492は、ネック通路486を画定する型の構成部品の結果として生じるものである。ハンドピース64を製造するプロセス中に、(図4にのみ示されている)キャップ494が、開口492を閉じるためにハウジングヘッド490の上部に装着されるようになっている。
ポンプハウジング422は、2つの取付具496,504がヘッド490の近位面から近位側に延在するように、形成されている。取付具496は、灌注チューブ56の遠位端が装着される取付具である。ハウジング422には、有底孔498が形成されている。有底孔498は、取付具496を貫通し、ヘッド490を部分的に通ってネック通路486に至るようになっている。従って、孔498は、灌注流体が灌注チューブからポンプハウジング基部424内に流れるときに通る導管である。
円筒ノーズ502が、ハウジングヘッド490から遠位側前方に延在している。ノーズ502には、円筒孔512が形成されている。円筒孔512は、ノーズ502の遠位端(前端)から近位側後方に延在している。ノーズ502および孔512は、長手方向の共通軸を共有している。この軸の延長線は、取付具496,504がハウジングヘッド490から延在するそれぞれの箇所間において該ヘッド490を貫通している。2つの通路506,508が、取付具502からヘッドを通って孔512に至る流体連通路として機能している。通路506,508は、平面軸に沿っている。これらの通路の最初の通路、すなわち、通路506は、取付具504およびヘッドの近位部を通って遠位側前方に延在している。通路508は、孔508の基部から略ヘッド490の遠位部に向かって延在している。通路506,508は、いずれも、D字状の断面輪郭を有している。通路506,508は、同軸ではない。代わって、ポンプハウジング422は、通路506の最幅部が通路508の最幅部と真っ直ぐに並ぶように、形成されている。ハウジングヘッドは、通路506の最遠位部から通路508にわたってテーパが付されるように、さらに形成されている。同様に、通路508の最近位部から通路506にわたってテーパが付されている。従って、通路506,508は、一緒になって、ポンプハウジング422を通る非線形経路を形成することになる。
ハンドピース64の組立時に、ポンプハウジング基部424は、右側シェルヨーク176,178,180と相補的な左側シェルヨーク330,332,334との間に挟み込まれる。ハウジングリップ428の遠位面は、ヨーク178,320の近位面に対して配置される。ポンプハウジングヘッド490は、右側シェルヨーク182と一体のノッチ内および相補的な左側シェルヨーク336によって画定されたノッチ内に着座している。
図15および図16に最もよく示されているように、ポンプ420の一部でもあるベローズ514が、ハウジング基部424から近位側に延在している。ベローズ514は、柔軟な熱可塑性プラスチックから形成されており、周方向に延在する(部番が付されていない)襞が形成された円筒状本体516を有している。ベローズ本体516は、近位側閉端を有している。ボタン519が、ベローズ本体516の閉端から外方に延在している。ボタン519の直径よりも小さい直径を有するネック517が、ボタンを本体516の閉端に接続している。リップ518が、ベローズ本体516の開端の半径方向外方および周方向に延在している。リング520が、リップ518の外周からハウジングリング430に向かって延在している。さらに具体的には、ベローズリング520は、ハウジングリング430の周りに密着して延在している。図15にのみ示されているOリング524が、リング430と一体の段432に着座している。Oリング524は、ハウジングリング430とベローズリップ518との間に押圧されている。Oリング524は、ベローズ514とポンプハウジング基部424との間のシールとして寄与するものである。ハウジング脚434は、ベローズリング520の外面の全体にわたって延在している。ハウジング足436は、ベローズをポンプハウジング424に保持するために、ベローズリップ518を覆って延在している。
ポンプ420の一部でもあるダックビル弁526が、ハウジング孔446によって画定された孔内に着座している。弁526は、該弁の開端がベローズ520の方を向くように配置されている。弁526のリップは、チューブ孔480の方を向いている。弁526は、弁の開端の周りに弁から半径方向外方に延在する基部528を有している。基部528は、湾曲した断面を有している。弁基部528の外周は、内側スリーブ438の近位端および隣接するリップ442を覆って延在している。
ハンドピース64が組み立てられると、ベローズリップ516は、ヨーク176,330のそれぞれの遠位面に対して配置される。この構造部品の接触によって、ポンプハウジング420およぶベローズリップ516の両方の近位側運動が阻止される。
ポンプ420の一部でもあるヨーク534が、ハンドピース64内に移動可能に配置されている。図17に最もよく示されているように、単一ユニットであるヨーク534は、略矩形状フレーム536を備えている。フレーム536の長軸は、ハンドピースバレルの長軸と平行である。フレーム536は、多数の長手方向および横方向にそれぞれ延在するビーム538,540から形成されている。2つの最近位側に配置された横方向ビーム540は、楕円開口542をフレームに画定するように、湾曲している。開口542の主軸は、フレーム536の長手方向の主軸と直交している。開口542は、偏心ギアヘッド406を受け入れるように寸法決めされた短幅を有している。
ヨーク534は、フレーム536の遠位端に配置された2つの平行ディスク544,546をさらに備えている。互いに離間したディスク544,546は、ヨークフレーム536と直交する面内に位置している。これらのディスクは、フレームを通る長軸の延長線を中心としている。最遠位ディスク546には、U字状ノッチ550が形成されている。ノッチ550の基部の中心は、フレームを通る長軸の延長部上に位置している。ディスク544,546は、ディスク間のベローズボタン519のすべり嵌めを容易にする距離だけ離間している。ディスク546は、ノッチ550がベローズネック517を受け入れることができるように、形作られている。
ハンドピース64の組立中に、ヨーク534は、右側シェルレール142,148,152上に着座するように位置決めされる。さらに具体的には、ヨーク534は、レール142のリム144とレール152のリム153との間に配置される。ヨーク534がこのように位置決めされると、偏心ギア396のヘッド408は、ヨークフレーム開口542内に着座する。ベローズボタン519は、ディスク544,546間に着座する。ベローズ514およびヨーク534の両方のこのような構造によって、ベローズ本体516は、ヨークの往復運動によって拡張および収縮することになる。
図18の実線および図18Aの破線によって示されているケーブル551は、典型的には、対の灌注チューブ56および吸引チューブ66を備えるアセンブリと共に束ねられている。ケーブルの近位端は、洗浄ユニット50に関連する電源549に接続されている。この電源549は、バッテリパックの形態にあるとよい。代替的に、電源は、異なる2つの電位にあるAC電圧−DC電圧の変換を行う装置の形態にあってもよい。電源の正確な構造は、本出願の洗浄ユニット50の構造の一部をなすものではない。図18Aでは、電源549は、4つの直列に接続された電池として示されている(個々の電池には、部番が付されていない)。
ケーブル551内には、複数の絶縁ワイヤが配置されている。説明を容易にするために、これらのワイヤは、図18Aにのみ示されている。1つのワイヤ552は、モータ360に取付けられた接点553に接続されている。ワイヤ552の近位端は、典型的には、電源549に関連するアースに接続されている。ケーブル551は、2つの追加的なワイヤ554,558を備えている。ワイヤ554,558は、種々の電位を有する通電信号を電源549からハンドピースに供給するワイヤである。図18Aでは、これは、一緒になって4つの電池の全てに接続されているワイヤ552,554、および一緒になって2つの電池のみに接続されているワイヤ552,558によって、示されている。ワイヤ554は、第1の右側シェルボス84から突出する導電性ポスト556に接続されている。ワイヤ558は、第2の右側シェルボス84から突出する導電性ポスト560に接続されている。
スイッチ562が、ハンドピース64の近位端に摺動可能に取り付けられている。以下、図19および図20に基づき、スイッチ562について説明する。スイッチ562は、略矩形状のプレート564を備えている。閉ループリブ566が、プレート564の近位面から外方に突出している。リブ566は、概して、丸形コーナを有する矩形の形態にある。リブ566は、親指または他の指の先を受け入れるための(部番が付されていない)空間を画定するように、寸法決めされている。細長の足568が、プレート564の遠位面から直角に前方に延在している。足568は、略三角形状である。スイッチ562は、足568の遠位端から内方に延在する空洞570を有するように、形成されている。2つの平行リブ572も、プレート564の遠位面から外方に突出している。リブ572は、互いに平行であるのに加えて、足568が配置された面と平行である。導電性接点576が、足空洞570内に着座し、足空洞570から外方に延在している。
スイッチ562は、プレート564の近位面がシェル70,210の内面に対して配置されるように、ハンドピースに取り付けられている。互いに隣接するノッチ72,276によって形成されたハンドピースの開口を通して、スイッチプレート564の近位面にアクセスすることができる。プレート564の遠位面は、右側シェルブラケット74,78および相補的な左側シェルブラケット278,280のすぐ後方に配置される。
スイッチ562は、該スイッチが取り付けられた空間内において摺動可能に移動するようになっている。スイッチ562は、相補的なハンドピースリブ76の下面に対する下側リブ572の当接によって、1つの位置に保持される。スイッチは、リブ80の上面に対する上側リブ572の当接によって、第2の位置に保持される。ブラケット74,278およびブラケット78,280の柔軟性に起因して、ブラケットおよび関連するリブを手動力によって撓ませ、スイッチ562の摺動を行うことができる。接点576は、導電性ポスト556,560間に配置されている。スイッチ562の位置に依存して、接点576は、ポスト556またはポスト560のいずれかに当接することになる。
絶縁ワイヤ578が、接点576から延在している。ワイヤ568をコネクタ576に接続する端子577が、図4に示されている。この端子577は、接点576の一部である(部番が付されていない)タブに接続されている。ワイヤ578の他端は、右側シェル70に移動可能に取り付けられた接点582に接続されている。図18Bに最もよく示されているように、接点582は、円弧状に形作られた柔軟な金属片の形態にある。接点582は、一端に湾曲したヘッド584を有している。接点のこのヘッドは、タブ143とシェル下側リム139との間の空洞内に着座するようになっている。図18では、右側シェル70に対する接点の位置を明瞭にするために、トリガー561が省略されている。接点582は、ヘッド584に隣接するタブ585を有している。タブ585は、コネクタ587(図4)が取り付けられる接点の構造部品である。コネクタ587は、ワイヤ578の端を接点582に保持する構成部品である。
接点582の本体は、最初、ヘッドから遠位側に湾曲している。接点582の自由端は、モータ360の遠位面に向かって上方および近位側に湾曲している。接点582の自由端は、ボス108から上方に突出する導電性ポスト586に当接するように、位置決めされている。接点の形状およびタブ143の拘束力に起因して、接点582は、通常時、ポスト586から離間している。絶縁ワイヤ588が、ポスト586からモータ360に取り付けられた第2のコネクタ589に延在している。
ハンドピース64が組み立てられたとき、接点582は、接点ヘッド584がシェルピン135の周りに着座するように、位置決めされる。接点582の本体は、シェルブラケット137の遠位端に隣接する空間内においてピンから遠位側に延在している。
図21および図22に最もよく示されているように、トリガー561は、プラスチックの単一片から形成されている。トリガー561は、略矩形状の前パネル602を有するように、形作られている。2つの平行側パネル604が、前パネル602の両側縁から近位側後方に延在している。側パネル604は、近位側に延在するのに加えて、前パネル602の下に向かって下方に延在している。フィンガー605が、各側パネル604の近位端から前方に突出している。各フィンガー605は、該フィンガーが一体化された側パネル604から上方に離間した本体を有している。各フィンガー605は、撓むことによって、関連する側パネル604に対してその初期位置に戻ることができる。(図では縁しか示されていない)底パネル606が、側パネル604間において前パネル602から後方に延在している。タブ610が、前パネル602と直交して遠位側に延在している。タブ610は、前パネル602を通る上下方向長軸と交差する面内に位置している。円筒ビーム612が、タブ610を貫通している。従って、ビーム612の長軸は、前パネル602を通って横方向に延在する横軸と平行である。
矩形状のタブ616が、底パネル606の近位縁から上方に延在している。タブ616は、周囲の側パネル604から離間して該側パネル604間に位置している。タブ616は、トリガー561の残りに対して撓むことができる、バー618が、タブ616の上部を横切って延在している。バー618は、タブ616の近位面から外方に突出している。トリガーの図示されている態様では、側パネル604の1つから外方に突出するバーに隣接する小さいタブ620が示されている。トリガー561は、タブ616が隣接する側パネルの上方にわずかに延在するように、形作られている。円筒ビーム622が、タブ616の上部を横切って延在している。ビーム622は、シェルブラケット122,296の側面128および段面130に画定されたノッチ内へのタブの着座を容易にする半径を有している。
ハンドピース64の組立時に、トリガービーム612の両端は、右側シェルボス164および左側シェルボス316に形成された対向孔内に着座する。トリガー561は、互いに隣接するノッチ140,314によって形成された開口を貫通する。トリガー561は、ビーム612を通る長軸を中心として旋回することができる。トリガー561の下向き運動は、ノッチ140,314の近位端を画定するシェル底リム139,312の内面に対するバー616の当接によって、制限されている。トリガー561の上向き運動は、連結されたボス155およびポスト308に対するフィンガー605の当接によって制限されている。
[III.チップアセンブリ]
図23に示されているように、チップアセンブリ650は、コネクタ652、本体720、および噴霧シールド770を備えている。コネクタ652は、ハンドピース64に取外し可能に取り付けられるチップアセンブリの構成部品である。本体720は、ポンプによって放出された流体が通る灌注チューブ730およびその周囲の吸引チューブ750を備えている。噴霧シールド770は、本体720の遠位端に取外し可能に取り付けられるようになっている。
図24〜図26から、コネクタ652がプラチックの単一片から形成されており、略楕円状のプレート670を有するように形作られていることが分かるだろう。脚654が、プレートの互いに向き合った側、具体的には、互いに向き合った側縁の各々から後方に延在している。各脚654は、概して、矩形パネルの形態にある。脚654は、プレート670に対して柔軟である。各脚654は、脚の外側露出面から内方に延在する凹部656を有するように、形成されている。凹部656は、指の先を受け入れるように寸法決めされている。足660が、各脚の露出面から外方に延在している。各足660は、隙間658によって、脚の一部を形成する凹部656から離間している。隙間658は、(開口186,338と相補的な凹状パネル188,342との間に延在するシェル基部69,272の部分の着座に適合する)近位−遠位方向幅を有している。足660は、脚654に沿って横方向に、すなわち、上下方向に延在している。各足660は、該足の近位端に足を形成するための表面662を有している。この表面662には、脚654から外方および遠位側前方にテーパが付されている。
リム672が、コネクタプレート670の外周の周りに遠位側前方に延在している。コネクタ652は、リム672が凹面675を有するようにさらに形成されている。凹面675は、リムの遠位側前端において、リムの残りから内方に位置している。リム672は、凹面675がリムの周りに周方向に延在するように形成されている。
コネクタ652は、チューブ状灌注取付具676がプレート670を貫通するように、さらに形成されている。灌注取付具は、3つの区域を有している。これらの3つの区域の各々は、一定の外径を有しており、プレートの近位側に配置されている。第1の区域678は、プレート670にごく隣接して位置している。第2の区域680は、区域678から近位側に延在している。第3の区域682は、区域680から近位側に延在し、灌注取付具676の最近位部をなしている。区域680は、区域678の外径よりも小さい外径を有している。区域682は、区域680の外径よりも小さい外径を有している。
灌注取付具は、細長の区域673を有している。区域673は、プレート670の前方に延在し、区域676,678,680と同軸になっている。区域673は、プレート670から遠位側に向かって減少する外径を有している。ノーズ684が、灌注取付具676の最遠位部を形成している。ノーズ684は、隣接する区域682の外径よりも小さい外径を有している。ノーズの最遠位端には、ノーズの遠位端部の外径がノーズの遠位端から近位側に向かって増大するように、テーパが付されている。コネクタ652は、3つの同心孔690,692,694が灌注取付具を通って延在するように、さらに形成されている。孔690は、取付区域680の近位端から取付区域676,678が略交わる箇所まで遠位側に延在している。孔690は、一定の直径を有している。孔692は、孔690の遠位端から取付区域678,673を通って延在している。孔692の直径は、孔690から離れるにつれて減少している。孔694は、ノーズ682が取付区域682から現れる箇所から略始まっている。孔694は、一定の直径を有し、灌注取付具676の遠位端に延在している。
また、コネクタプレート670は、略管状の吸引取付具702を有するように形成されている。吸引取付具702は、プレートから近位側後方、すなわちリム672の後方に延在している。吸引取付具702は、最近位ヘッド区域704を有している。ヘッド区域704は、取付具702の(部番が付されていない)本体の外径よりも小さい外径を有している。孔706が、吸引取付具602を軸方向に貫通している。コネクタ652は、孔706がプレート670の開口から近位側に進むにつれて該孔の直径が減少するように、形成されている。
コネクタ652は、4つの互いに平行に離間したリブ708,710,712,714が、灌注取付具676の細長区域682から上方に延在するように、さらに形成されている。リブ708,714は、区域682の両外側から外方に延在している。リブ710,712は、リブ708,714間に位置している。リブ710,712は、取付区域682の上面から上方に延在している。各リブ708,710,712,714は、孔706がプレート706の遠位面から内方にテーパが付され始める箇所に隣接する位置で終端している。リブ708,710,712,714の各々は、(部番が付されていない)上面を有している。この上面は、灌注取付具の細長区域682の遠位側から上方および近位側に凹状に湾曲し、次いで、上方に直線状に傾斜し、この後、プレート670に至るまで凸状に湾曲している。これらのリブは、リブ708,714の上面がリブ710,712の上面の上方に位置するように、形成されている。
以下、図27〜図29を参照して、チップアセンブリ本体720について説明する。チップアセンブリ本体720は、単一片ユニットとして形成されている。この本体は、ヘッド722を有するように形作られている。ヘッド722は、楕円状リップ724を有している。リップ724は、コネクタ652と一体のリム672を覆ってすべり嵌合するように、寸法決めされている。部番が付されていないが、外方に段の付いた面が、リップの内壁に形成されており、この段面に対して、リム672および該リムの遠位側凹面が着座するようになっている。ヘッド722は、リップの前方に位置する空洞725を画定している。ヘッド722は、非対称に形作られている。具体的には、リップ724の上部に隣接するヘッドの外面には、リップによって画定された開口の中心を通る短軸からずれた位置に向かってテーパが付されている。さらに具体的に、ヘッドは、孔706がプレート652から延在する箇所に対して遠位側に短い距離にわたって延在すると共に灌注取付具676の細長区域682を収容するために、遠位側により長い距離にわたって延在するように寸法決めされた空洞725を、画定している。このように、ヘッド720は、チップアセンブリ本体720に沿った近位−遠位方向長軸と直交する面において、ヘッドが遠位側前方に進むにつれてヘッドの断面積が減少するように、形作られている。
吸引チューブ730は、一定の内外径を有しており、ヘッド722の遠位端から遠位側前方に延在している。吸引チューブ730は、該チューブの遠位端から略2cmの位置に4つのタブ732を有するように、形成されている(図27では、3つのタブしか見えていない)。これらのタブ732は、チューブの外面から外方に突出している。2つのタブ732は、互いに平行であり、チューブ730の頂部に隣接する箇所から外方に延在している。残りの2つのタブ732は、チューブ730の近位端と遠位端との間に延在する長軸を通る面に対して、第1の2つのタブと対称的に配置されている。
吸引チューブ730は、該チューブの遠位端から内方に延在する2つのノッチ734を有するように、さらに形成されている。ノッチ734は、U字状である。これらのノッチ734は、チューブの近位端と遠位端との間に延在する長軸の周りに対称的に配置されている。もしタブ732が吸引チューブ730の上部および底部から延在しているなら、ノッチ734は、チューブの両側部から内方に延在するようになっている。
灌注チューブ750が、吸引チューブ730の内側に配置されている。灌注チューブ750は、吸引チューブ730と同軸ではない。代わって、吸引チューブ730の内径よりも小さい外径を有する灌注チューブ750は、吸引チューブ730の内壁から外方に延在している。従って、吸引チューブ内の灌注チューブの位置に起因して、吸引チューブは、図29に示されているように、三日月状に形作られた貫通管腔736を有するとみなすことができる。チップアセンブリ本体720は、灌注チューブ750が吸引チューブ730の遠位端の近位側の位置で終端するように、さらに形成されている。
灌注チューブ750は、多数の互いに連続する同軸孔を有するように形成されている。第1の孔752は、チューブ750の近位端から前方に延在している。孔752は、一定の直径を有している。孔754は、孔752のすぐ前に位置している。孔754は、遠位側に進むにつれて内方にテーパが付されている。孔752,754は、コネクタの灌注取付具676と一体のノーズ684を適所に受け入れて圧縮保持するように、連携して設計されている。チューブ750は、孔754の前方に一定直径の孔756を有している。灌注チューブ750を貫通する孔の長さに関して、孔756の長さは最短である。孔758は、孔756の遠位端から灌注チューブ750の遠位端に延在している。灌注チューブ750を通る貫流路を形成する多数の孔の内、孔758は、最大の長さおよび最小の直径を有している。
本発明の図示されている形態では、リム760が、放出チューブの遠位端から内方および周方向に延在している。該リムは、孔758の遠位端から前方に延在するオリフィス762を画定している。リム760は、オリフィスの直径が孔758の遠位端から遠位側に進むにつれて増大するように、寸法決めされている。
以下、図30、図31および図32を参照して、噴霧シールド770について説明する。噴霧シールド770は、PVCのような柔軟プラスチックの単一片から形成されている。噴霧シールド770は、ステム772を有するように、形作られている。ステム772は、4つの円弧区域774,776,778,780から形成されている。これらの円弧区域は、一緒になって、チップアセンブリ本体720の遠位端が挿入される(部番が付されていない)開口を画定している。図30において、区域774,778は、ステム772の互いに向き合った上区域および下区域を形成するものとして示されている。区域774,778の内面は、灌注チューブ730の遠位端の直径よりも略1mm小さい直径を有する円の部分の周りに延在している。区域774,778の各々は、矩形状の貫通開口780を有するものとして示されている。貫通開口780は、チップアセンブリ本体のタブ732を受け入れるように、位置決めされかつ形作られている。ステム区域776,780は、ステム区域774,778間に位置している。これらのステム区域は、ステム区域774,778の外面によって画定された円を超えて外方に突出している。
噴霧シールド770は、ステム772の遠位端から前方に延在するヘッド786を有するように、さらに形成されている。ヘッド786は、ステム772から遠位側に進むにつれてヘッドの外径が増大するような円錐形状を有している。
ステム772およびヘッド786は、いずれも内部空洞を有している。空洞782は、ステム772の近位端からヘッド内に軸方向に延在する空洞である。噴霧シールド770は、リブ784が空洞782を画定するシールドの内壁から内方に突出するように、さらに形成されている。ヘッド786は、略円錐状の空洞788を有している。空洞788の遠位端は、噴霧シールド770内への遠位端開口を画定している。噴霧シールド770は、ヘッド786が、該ヘッドの外面から空洞788内に延在する2つの空気抜きポート790を有するように、さらに形成されている。
本発明のチップアセンブリ650が組み立てられるとき、コネクタ652が、チューブ本体のヘッド722内に圧入される。図23に示されるガスケット791が、アセンブリ灌注取付具676の区域680,682間の段の周りに配置される。ガスケット792が、吸引取付具702のヘッド702と本体との間の段の周りに配置される。
[IV.操作]
本発明の洗浄ユニット30は、最初、チップアセンブリ650をハンドピース64に取り付けることによって、使用の準備が整えられる。この接続は、コネクタ脚654をハンドピース64と一体の凹状パネル188、342の外面の上を摺動させることによって、行なわれる。各コネクタ足660が、ハンドピース開口188,338の各々内に着座する。ハンドピース開口188,338内への足660の着座によって、チップアセンブリ650をハンドピースに取外し可能に保持することができる。ハンドピースパネル188,342とコネクタ脚654との間に小さい隙間が生じる。この隙間によって、脚654を内方に撓ませることができる。脚を内方に撓ませることによって、コネクタ足660をハンドピース開口188,338から外に後退させることができる。いったんコネクタ足660がこのように後退したなら、チップアセンブリ650をハンドピース64から取り外すことができる。
チップアセンブリ650をハンドピースに取り付けた結果として、コネクタ灌注取付区域680は、ポンプハウジング422と一体の孔482内に着座することになる。コネクタ灌注取付具702は、ポンプハウジング孔512内に着座している。
灌注チューブ56が、灌注流体源54に接続される。吸引チューブ66が、廃棄物収集容器68および吸引源61に接続される。ケーブル550が、電源に接続される。これらの接続によって、洗浄ユニットは、使用の準備が整うことになる。
トリガー561が押し込まれないとき、その形状に起因して、接点582は、常時、ポスト586から離間している。その結果、モータ360に電流が流れない。従って、ポンプ420は、オフ状態にある。施術者は、トリガー561を押し込むことによって、ポンプ420を作動させる。これによって、バー618が上方に旋回し、接点582に当接することになる。接点582に対するバー618の当接によって、該接点がポスト586に対して旋回するようになっている。ポスト586に対する接点582の当接によって、モータ360への電力回路が閉鎖される。モータ360の作動によって、ギア370,396およびヨーク534が協働して、ベローズ514を往復動させる。ベローズ514の拡張によって、灌注流体がチューブ56からポンプハウジング取付具498および通路486を通ってベローズ内に引き込まれる。ベローズの後退によって、該流体が弁526を通ってチップアセンブリ灌注チューブ750内に押し出される。この流体は、噴霧シールド720の開端が向けられた部位に放出される。
接点582が上記の状態に旋回したとき、接点ヘッド484に隣接する接点の本体がビーム137に隣接する端面に対して押圧される。接点を連続的に旋回する結果として、ビームを形成する材料は、潜在的エネルギーを蓄積し、該エネルギーが解放されると、ビーム582をオフ位置に戻し、このオフ位置において、該ビームがポスト586から離間することになる。
ポンプ420を作動させるためにトリガー561をまず移動させると、トリガービーム622は、ハンドピースブラケット122,298の近位面上を移動する。その結果、トリガータブ616は、側パネル604から後方に撓むことになる。同時に、トリガーフィンガー605は、ハンドピース内のボス155および相補的ポスト308を押圧することになる。これによって、電流がモータ360に流れ、ポンプ424を作動させる。トリガーバー618が接点582をポスト586に対して移動させると、トリガービームの対向端がブラケット122,298のノッチを画定する側面128内に着座する。トリガー561がこの位置にあるとき、ボス155およびポスト308に当接したフィンガー605の抵抗力によって、トリガーが下方に付勢される。従って、もし施術者がポンプ420を非作動させることを望むなら、トリガー561への力を解放すればよい。この場合、トリガーフィンガー605によってトリガーの残りに加えられた回復力によって、トリガーが下方に移動することになる。バー618が、接点582から離れる方に移動する。接点582を形成する材料の弾性に起因して、接点の撓みによって接点に貯蔵された潜在的エネルギーが解放される。これによって、接点582がポスト586から離れる方に撓むことになる。その結果、モータ360の接続が遮断され、ポンプ420が作動停止される。このように、施術者は、トリガー561を選択的に旋回させることによって、瞬間的オン/瞬間的オフモードで洗浄ユニット30を操作することができる。
手術手順において、施術者が灌注流体を洗浄ユニット50から連続的に放出することを望む時がある。もし施術者がユニット50を一定のオン状態で操作することを望んだなら、施術者は、トリガーを瞬間的オン状態の位置から上方に旋回させることになる。これによって、トリガービーム622が、ブラケット122,298の段面130に着座する。いったんビーム622がこのように位置決めされたなら、ブラケットの段面130に対するビームの当接によって、トリガーに加えられるフィンガー605の下方運動が阻止されることなる。施術者は、トリガーへの枢動力を解放することができ、トリガーは、この位置にとどまることになる。この位置にあるとき、トリガーは、導電性ポスト586に対して接点582を保持している。従って、トリガー561がこの位置にあるとき、洗浄ユニットは、一定オン状態にある。施術者は、トリガーが押し込まれることを確実にするために精神的および物理的な措置を取ることなく、灌注流体を施すことができる。
洗浄ユニット50は、トリガー561を連続的に押し込むことによって、一定のオン状態からオフ状態に移行される。トリガーのこの移動によって、ビーム622の両端が最初ブラケット側面132の上を移動する。いったんビーム622が側面132の上部に達したなら、トリガータブ616は、タブの静止位置に向かって遠位側に自在に撓むことができる。ビーム622は、ブラケット上面134の上を移動する。従って、フィンガー605によって加えられる付勢力が、阻止されないことになる。フィンガー605によって加えられる力は、トリガーを下方に移動させる。トリガー561のこの下方運動の最初の過程において、ビーム622は、ブラケット122,298の遠位側側面136の上を移動する。トリガービーム622の前方および下方運動の結果として、ビームは、接点582から離れる方に移動する。接点582を形成している材料の弾性に起因して、接点は、その初期の静止状態に戻り、該静止状態において、該接点は、ポスト586から離間することになる。この場合も、ポスト586から離れる方への接点582の運動によって、モータ360、従って、ポンプ420は、作動停止する。このように、フィンガー605によって加えられた力によって、トリガー561は、静止位置、すなわち、オフ位置に戻ることになる。
ポンプの速度は、スイッチ562の設定によって決められる。スイッチ562は、接点576をポスト556または560のいずれかと物理的に接触させるように、設定することができる。モータ360に印加される電位およびポンプ420の速度は、ポスト556または560のいずれが接点576に接触するかに依存している。
洗浄ユニットの吸引構成部品のオン/オフ状態および吸引率は、吸引源61によって制御される。従って、吸引チューブ730のオン/オフ状態および吸引率は、灌注流体が洗浄ユニット50から放出される程度と無関係である。前述したように、吸引チューブ730の管腔736は、三日月形状である。同軸で延在する灌注チューブを含む吸引チューブの断面幅は、灌注チューブの外径を差し引いた吸引チューブの内径の半分に等しい。本発明のチップアセンブリ650は、吸引チューブ750が吸引チューブ730の中心を通る軸から横方向にずれた軸に沿って延在するように、構成されている。その結果、その最大幅の領域における管腔の断面幅は、前記した従来のチップアセンブリの吸引管腔の断面幅よりも大きくなっている。その結果、吸引管腔の断面幅の増大によって、吸引チューブ730を通って引き出される固体および半固体廃棄物が該チューブを詰まらせる可能性を低減させることができる。
廃棄物流れは、吸引チューブ730からチップアセンブリヘッド722内の空洞725に向かう。リブ708,710,712,714が、廃棄物流れを吸引取付具702の入口開口に導く。これによって、ヘッドの空洞725内の乱流の生成が低減されることになる。
さらに、いったん廃棄物がハンドピース64内に引き込まれると、該廃棄物は、最初貫通通路508を通り、次いで、ポンプハウジング422の通路506を通って流れることになる。通路506,508は、いずれもD字状の断面を有している。ポンプハウジング422は、通路506,598のそれぞれの最幅区域が互いに連続して互いに部分的に重なる通路部分となるように、さらに形成されている。本発明のこの特徴によって、流路がハウジングを通って横方向に変更されるとき、廃棄物がポンプハウジング422を詰まらせる可能性を低減させることができる。流路のこの変更は、ハウジングを通る垂直面の中央面に沿って位置する軸からこの中央面の片側に横方向にずれた軸への変更であることを理解されたい。
チップ本体に装着された噴霧シールド770に対して吸引が施されるとき、噴霧シールドポート790が空気抜きポートとして機能する。噴霧シールドステム772が、吸引チューブノッチ734を覆っているので、これらのノッチを通る吸引の損失が本質的に最小限に抑えられる。噴霧シールドを用いることなく、チップ本体が患者に適用される場合、チップ本体ノッチ734が、空気抜きポートとして機能する。空気抜きポートを通る空気の流れによって、ハンドピース64内への露出した未切除組織の引込みが阻止されることになる。
[V.第1の代替的構造]
本発明の代替的な右側シェル81が、図33に示されている。右側シェル810は、前述した右側シェル70の特徴部の多くを有している。従って、これらの特徴部については、繰返して説明しない。右側シェル810は、シェル基部69から内方に突出するビーム812を有するように、さらに形成されている。ビーム812は、ブラケット122の前方に位置している。シェル810は、ビーム812が3辺構造であるように、形作られている。3辺構造は、ビームの基部がノッチ140に向くように、配置されている。
図34は、代替的なトリガー820を示している。トリガー820は、前述のトリガー561と同じ構造部品の多くを有している。トリガー820には、側パネル604の全体にわたって延在するフィンガーが形成されていない。代わって、トリガー820には、略平坦な単一の柔軟ビーム822が形成されている。ビーム822は、タブ610から前方に延在しており、タブ610の面と直交する面内に位置している。フィンガー882の両側縁には、内向きテーパが付されている。従って、フィンガー822を横切る方向における幅は、タブ610の前方に向かって減少している。
図33に戻ると、トリガー820は、トリガー561と同じように、ハンドピースを形成するシェルに取り付けられていることが分かるだろう。ビーム612の両端は、シェルボス164,316の孔内に着座している。本発明のこの態様では、図33にのみ示されているバネ826が、ビーム812の基部からトリガー820に延在し、トリガー側壁604間に位置している。バネ826の基部は、トリガー底パネル606の内面に着座している。バネ826は、トリガー820をオフ位置に保持している。
トリガーの手動による押込みが、トリガー820に加えられたバネ826の力を上回ることができるようになっている。トリガーが上方に移動すると、トリガービーム822は、それぞれ、シェル810,210と一体のリム139,312に押し付けられる。シェル210,810に対するフィンガー822の当接によって、手動力に対抗してトリガー820に力を加えることができる。手動力の減衰が、施術者の不注意による大きい力の印加によってトリガーを直ちに一定のオン状態に設定する可能性を低減させることになる。本発明のいくつかの態様では、撓んでいない状態に戻るビーム822の抵抗力によって、トリガーをオフ状態に戻す力がもたらされる。
[VI.さらなる代替的実施形態]
本発明の代替的態様が可能である。例えば、本発明の全ての態様が前述の特徴部の各々を必ずしも備えている必要がない。従って、非対称に位置決めされた吸引チューブおよび灌注チューブを有するチップアセンブリは、前述のハンドピース以外のハンドピースと共に実施されてもよい。同様に、前述のハンドピースは、必ずしも前述のチップアセンブリと共に用いられる必要がない。
本発明の代替的態様では、ポンプハウジング422は、キャップ492を備えていなくてもよい。本発明のこれらの態様では、ネック内への開口は、ポンプハウジングが形成されるとき、最初にネックを覆う延長部を成形することによって閉鎖される。次いで、熱カシメ法を用いて、該延長部がキャップを形成するように形作られる。
本ユニットの洗浄ユニットがパルス状の灌注流体を放出する前述のポンプと異なるポンプを備えていてもよいことをさらに理解されたい。例えば、ハンドピースは、灌注流体の連続流れを送達するポンプを備えていてもよい。同様に、本発明のいくつかの態様では、ポンプは、ハンドピースから離間したコンソール内に配置されていてもよい。本発明のこれらの態様では、トリガーおよび速度制御アセンブリは、依然としてハンドピース内に存在している。これらのアセンブリから生じた信号は、コンソール内の制御モジュールにケーブルを介して印加される。これらの信号に基づいて、制御モジュールは、ポンプのオン/オフ状態およびポンプ作動流量の両方を調整することになる。
バネがトリガーをオフ位置に保持し、かつトリガーをオフ位置に戻すようになっている本発明の態様では、フィンガー605およびビーム822のような構成部品は、省略されてもよい。同様に、フィンガー605および/またはビーム822が存在する本発明の態様では、金属バネを設ける必要がない。さらに、本発明のいくつかの態様では、ハンドピースおよびトリガーは、トリガーが手動力を加えていない状態でポンプ瞬間的オン位置にあるときにトリガーをポンプオフ位置に戻す付勢力の一部または全てを重量が担うように、設計されてもよい。本発明のこれらおよび他の態様では、ハンドピース自体がこの機能を果たす付勢部材を実質的に有していなくてもよい。本発明のいくつかの態様では、付勢部材は、トリガーとは別の構成部品であってもよい。この付勢部材は、弾性材料またはバネからなる区域であってもよい。
また、本発明の態様は、洗浄ユニットが適用される部位から吸引物が引き込まれるときに通る導管を備えていなくてもよい。
同様に、トリガーおよびハンドピースは、トリガーがハンドピースの第1の特徴部に係合したとき、トリガーがポンプを作動させ、トリガーに作用する付勢力によってトリガーをオフ位置に移動させることができ、その一方、トリガーがハンドピースの第2の特徴部に係合したとき、トリガーがポンプを作動させ、トリガーに作用する付勢力によってトリガーをその位置から移動させることができないように形作られた異なる構成部品を有していてもよい。本発明のいくつかの態様では、トリガーがオフ位置から第1のポンプオン位置に移動したとき、トリガーが(トリガーをオン位置に保持し、トリガーに加えられる付勢力がトリガーを該位置から離脱させない)ハンドピースの特徴部に係合するように、ハンドピースおよびトリガーを設計することが望ましい。従って、トリガーは、トグル留めされた一定のオン位置にある。次いで、トリガーが第1のポンプオン位置から第2のポンプオン位置に移動したとき、トリガーは、ポンプをその状態に連続的に保持し、さらにトリガーに加えられた付勢力が、トリガーをポンプオフ位置に移動させることができるようになっている。本発明のこれらの態様では、トリガーは、両位置にあるとき、ハンドピースの静止部品に係合しないようになっている。
さらに、本発明のいくつかの態様では、トリガーを瞬間的オン位置またはトグル留めされた(一定の)オン位置の一方または両方に保持する柔軟な部品が、ハンドピースに取り付けられていてもよい。例えば、これらの特徴部は、ハンドピースに取り付けられたバネ状部材であってもよい。本発明のこれらの態様では、トリガーは、どのような柔軟な構成部品を有していなくてもよい。
噴霧シールドをチップアセンブリに取り付ける代替的方法も可能である。例えば、本発明のいくつかの態様では、チップの遠位端は、もしチップの周りを周方向に完全ではないにしても少なくとも部分的に延在する外方延在リブを備えている。この場合、噴霧シールドは、ステム内においてチップが挿入される空洞を画定するステムの内面から外方に突出する溝が生じるように、形成されている。この噴霧シールドがチップアセンブリに装着されるとき、ステムは、チップアセンブリリブがこの溝内に着座するように、位置決めされることになる。
本発明のいくつかの態様では、灌注流体がチップアセンブリの灌注チューブ750内に放出されるときに通る取付具および/または吸引物がチップアセンブの吸引チューブ730から引き込まれるときに通る取付具は、ハンドピースの一部であってもよい。灌注取付具750と一体のリブは、周囲の廃棄物流れを吸引取付具702に導く単一面と置き換えられてもよい。
同様に、チップアセンブリ650をハンドピースに取外し可能に取り付ける手段は、記載されているものと異なっていてもよい。従って、脚654および足660の係止機能を果たす構成部品は、ハンドピースの一部であってもよい。本発明のこれらの態様では、チップアセンブリは、ハンドピース係止部品が着座する構成部品を有するように形成されている。
本発明の他のチップアセンブリは、灌注チューブが吸引チューブ内に配置される一方、チューブが三日月状の断面の管腔を有する吸引チューブを備えないように、構成されてもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、チップアセンブリは、吸引チューブの管腔が三日月形状ではない断面形状を有するように、形成されてもよい。この管腔の最幅領域は、関連する灌注チューブの断面直径よりも大きくなっている。従って、本発明では、一般的に、灌注チューブが吸引チューブ内に配置されたとき、吸引チューブの管腔は、一定の内外径のリングの断面ではない断面形状を有することになる。代替的に、吸引管腔を画定する吸引チューブの内面から延在する1つまたは複数のウエブが、灌注チューブを吸引チューブ内に保持するようになっていてもよい。
前述したように、本発明のチップアセンブリにおける独創的な特徴部は、前述のハンドピース64以外のハンドピースと共に用いられてもよい。従って、このチップアセンブリは、灌注流体が供給されるときに通る灌注チューブおよび吸引物が引き込まれるときに通る吸引チューブを備えるどのようなハンドピースと共に用いられてもよい。これらのハンドピースは、ポンプが取外し可能に取り付けられた電動式外科用工具を備えている。2つのこのような灌注ハンドピースが、出願人による国際特許出願第PCT/US2013/059669号(国際特許出願公開第 号)に開示されている。この文献は、参照することによって、ここに明示的に含まれるものとする。
従って、添付の請求項の目的は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるこのような修正および変更の全てを包含することにある。

Claims (27)

  1. 洗浄ユニット(50)であって、
    ハンドピース(64)と、
    灌注流体の源(54)から前記ハンドピース(64)に延在する灌注チューブ(56)と、
    前記ハンドピースから吸引源(61)に延在する吸引チューブ(66)と、
    前記ハンドピース(64)から前方に延在するチップアセンブリ(650)であって、前記ハンドピース灌注チューブ(56)に接続された灌注チューブ(750)であって、前記灌注チューブ(750)を通って前記灌注流体が放出されるようになっている、灌注チューブ(750)と、前記ハンドピース吸引チューブ(66)に接続された吸引チューブ(730)であって、前記吸引チューブ(730)を通って吸引物が引き込まれるようになっている吸引チューブ(730)とを備えている、チップアセンブリ(650)と、
    を備えている洗浄ユニット(50)において、
    前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)は、前記チップアセンブリ吸引チューブ(730)の長軸から横方向に離間した長軸を中心として位置するように、前記チップアセンブリ吸引チューブ内に配置されていることを特徴とする、洗浄ユニット。
  2. 吸引取付具(702)が、前記ハンドピース(64)の遠位端に隣接して配置されており、前記ハンドピース吸引チューブ(66)は、前記吸引取付具に取り付けられており、前記吸引取付具は、吸引物が引き込まれるときに通る入口開口を有しており、
    灌注取付具(676)が、前記ハンドピース(64)の前記遠位端に隣接して配置されており、前記ハンドピース灌注チューブ(56)は、前記灌注取付具に取り付けられており、前記灌注取付具は、前記吸引取付具の遠位側前方に延在しており、前記吸引取付具入口開口の前方に位置する遠位開口を有しており、前記遠位開口を通って灌注流体が放出されるようになっており、
    前記チップアセンブリ(650)は、前記吸引チューブ(730)を通って管腔(736)に連通する空洞(725)を有するヘッド(722)を有するように、形作られており、前記ヘッドは、前記吸引取付具(702)および前記灌注取付具(676)が前記空洞(725)内に配置されるように、寸法決めされており、前記吸引チューブ(730)および前記灌注チューブ(750)は、前記ハンドピース吸引取付具が前記ヘッド空洞(725)内に開き、前記灌注取付具が前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)の近位端内に開くように、前記ヘッドから遠位側に延在している、請求項1に記載の洗浄ユニット。
  3. 少なくとも1つの構造特徴部(708,710,712,714)が、前記吸引取付具(702)の遠位側前方に位置する前記灌注取付具(676)の端から前記吸引取付具の前記入口開口に向かって延在している、請求項2に記載の洗浄ユニット。
  4. 前記灌注取付具(676)または前記吸引取付具(702)の少なくとも1つは、前記チップアセンブリ(650)と共に単一片アセンブリを形成するために、前記チップアセンブリヘッド(722)内に配置されている、請求項2または3に記載の洗浄ユニット。
  5. 前記チップアセンブリ(650)は、灌注チューブ(750)が前記吸引チューブ(730)の内壁から離れる方に延在するように、さらに形成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  6. 前記チップアセンブリ吸引チューブ(730)内における前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)の位置に起因して、前記チップアセンブリ吸引チューブは、三日月状の管腔(738)を有している、請求項1〜5のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  7. 前記チップアセンブリ(650)は、前記灌注チューブ(750)が前記吸引チューブ(730)内において前記吸引チューブの前記遠位端の近位側の位置で終端するように、さらに形成されている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  8. 前記チップアセンブリ(650)は、前記吸引チューブ(730)および前記灌注チューブ(750)の各々が遠位端を有するように形成されており、
    噴霧シールド(770)が、前記チップアセンブリから前方に延在しており、前記噴霧シールドは、前記吸引チューブおよび前記灌注チューブの前記遠位端の前方に位置する空洞を画定するヘッド(786)を有している、請求項1〜7のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  9. 前記噴霧シールド(770)は、前記チップアセンブリ(650)に取外し可能に取り付けられるようになっている、請求項8に記載の洗浄ユニット。
  10. 前記チップアセンブリは、前記吸引チューブ(730)の前記遠位端から近位側に延在する少なくとも1つのノッチ(734)を有するように、さらに形成されており、前記少なくとも1つのノッチは、前記吸引チューブの前記管腔(736)内に開いており、
    前記噴霧シールド(770)は、前記吸引チューブに形成された前記少なくとも1つのノッチ(734)を覆って延在するように前記チップアセンブルの遠位部に取外し可能に取り付けられたステム(772)と、前記ステム(772)および前記チップアセンブリ(650)の前方に延在するように前記ステムに取り付けられたヘッド(786)とを有するように形成されており、前記ヘッドは、開端を有しており、前記開端から前記灌注流体が放出され、前記開端を通って吸引物が引き込まれるようになっている、請求項8または9に記載の洗浄ユニット。
  11. 前記ハンドピース灌注チューブ(56)からの灌注流体を前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)を通して外に押し出すためのポンプ(420)が、前記ハンドピース(64)内に配置されている、請求項1〜10のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  12. 前記ハンドピース(64)または前記チップアセンブリ(650)の少なとも1つは、前記ハンドピースへの前記チップアセンブリの取外し可能な取付けを容易にする特徴部(186,188,658、660)を備えている、請求項1〜11のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  13. 灌注流体が放出されるときに通る灌注チューブ(56)および吸引物が引き込まれるときに通る吸引チューブ(66)を備えるハンドピース(64)と共に用いられるチップアセンブリ(650)であって、
    前記灌注流体が放出されるときに通る前記ハンドピース灌注チューブ(56)に接続された灌注チューブ(750)であって、遠位端を有している灌注チューブ(750)と、
    前記ハンドピース吸引チューブ(66)に接続された吸引チューブ(730)であって、吸引物が引き込まれるときに通る管腔(736)を有しており、かつ遠位端を有している、吸引チューブ(730)と、
    前記灌注チューブ(750)および前記吸引チューブ(730)の前記遠位端を覆って延在するように、前記灌注チューブおよび前記吸引チューブに取外し可能に取り付けられた噴霧シールド(770)と、
    からなるチップアセンブリ(650)において、
    前記吸引チューブ(730)は、前記吸引チューブ(730)の前記遠位端から近位側に延在する少なくとも1つのノッチ(734)を有するようにさらに形成されており、前記少なくとも1つのノッチは、前記吸引チューブの前記管腔(736)内に開いており、
    前記噴霧シールド(770)は、前記吸引チューブ(730)に形成された前記少なくとも1つのノッチ(734)を覆って延在するように、前記吸引チューブ(730)の遠位部に取外し可能に取り付けられたステム(772)と、前記ステム(772)および前記チップアセンブリ(650)の前方に延在するように、前記ステムに取り付けられたヘッド(786)と、を有するように形成されており、前記ヘッドは、開端を有しており、前記開端から前記灌注流体が放出され、前記開端を通って前記吸引物が引き込まれるようになっていることを特徴とする、チップアセンブリ。
  14. 前記灌注チューブ(750)は、前記吸引チューブ(730)内に配置されている、請求項13に記載のチップアセンブリ。
  15. 前記チップアセンブリには、前記ハンドピース(64)への前記チップアセンブリの取外し可能な連結を容易する少なくとも1つの特徴部(654,658,660)が形成されている、請求項13または14に記載のチップアセンブリ。
  16. 洗浄ユニット(50)であって、
    ハンドピース(64)と、
    灌注流体の源(54)から前記ハンドピース(64)に延在する灌注チューブ(56)と、
    前記ハンドピース(64)から前方に延在するチップアセンブリ(650)であって、前記チップアセンブリは、前記ハンドピース灌注チューブ(56)に接続された灌注チューブ(750)を備えており、前記灌注チューブ(750)を通って前記灌注流体が放出されるようになっている、チップアセンブリ(650)と、
    灌注流体を前記チップアセンブリ灌注チューブを通して押し出すために選択的に作動可能なポンプ(420)と、
    前記ポンプ(420)の作動を調整するための制御アセンブリであって、前記ハンドピースに取外し可能に取り付けられて前記ポンプの作動を制御するために手動で操作されるトリガー(561,820)を備えている、制御アセンブリと、
    を備えている、洗浄ユニット(50)において、
    前記制御アセンブリおよび前記トリガー(561,820)は、前記トリガーが、前記制御アセンブリがポンプ(420)をオフ状態に保持する第1の位置と、前記制御アセンブリが前記ポンプをオン状態に移行させる第2の位置であって、手動力が前記トリガーに加えられたとき、前記トリガーが前記第1の位置から前記第2のオン位置に移行し、かつ前記手動力が取り除かれたとき、前記第1の位置に戻る、第2の位置と、前記制御アセンブリが前記ポンプを作動させる第3の位置であって、いったん前記トリガーが前記第3の位置に移動したなら、前記トリガーを前記第1の位置または前記第2の位置の少なくとも1つに移動させるように離脱力が前記トリガーに加えられるまで、前記トリガーが前記第3の位置にとどまる第3の位置とを有するように、協働して構成されていることを特徴とする、洗浄ユニット。
  17. 前記制御アセンブリは、前記トリガーを前記第1の位置に保持するために、前記トリガーに力を加える付勢部材(605,822)を備えており、
    前記トリガーが前記第2の位置にあるとき、前記付勢部材は、他の力が作用しない場合、前記トリガーを前記第1の位置に移動させる力を前記トリガーに加えるようになっており、
    前記トリガーが前記第3の位置にあるとき、前記トリガーは、前記ハンドピースと一体の相補的な構成部品と係合し、前記トリガーを前記第3の位置に保持するようになっている、請求項16に記載の洗浄ユニット。
  18. 前記付勢部材(605,822)は、前記トリガー(561,820)と一体に形成されている、請求項17に記載の洗浄ユニット。
  19. 吸引チューブ(66)が、前記ハンドピースから吸引源(61)に延在しており、
    前記チップアセンブリ(650)は、前記ハンドピース吸引チューブ(66)に接続された吸引チューブ(730)を備えており、前記吸引チューブ(730)を通して吸引物が引き込まれるようになっている、請求項16〜18のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  20. 前記ポンプ(420)は、前記ハンドピース(64)内に配置されている、請求項16〜19のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  21. 前記ポンプ(420)を駆動するためのモータ(360)が、前記ハンドピース(64)内に配置されている、請求項20に記載の洗浄ユニット。
  22. 前記制御アセンブリは、前記ポンプ(420)の作動流量を調整するための構成要素(556,560,576)を備えている、請求項16〜21のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  23. 前記ハンドピース(64)または前記チップアセンブリ(650)の少なくとも1つは、前記ハンドピースへの前記チップアセンブリの取外し可能な取付けを容易にする特徴部(186,188,658,660)を備えている、請求項16〜22のいずれか1つに記載の洗浄ユニット。
  24. 洗浄ユニット(50)であって、
    ハンドピース(64)と、
    灌注流体の源(54)から前記ハンドピース(64)に延在する灌注チューブ(56)と、
    前記ハンドピースから吸引源(61)に延在する吸引チューブ(66)と、
    前記ハンドピース(64)から前方に延在するチップアセンブリ(650)であって、前記灌注流体が放出されるときに通る灌注チューブ(750)および吸引物が引き込まれるときに通る吸引チューブ(730)を備えている、チップアセンブリ(650)と、
    前記ハンドピース内に配置されたハウジング(422)であって、前記ハンドピース灌注チューブ(56)と前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)との間の流体連通路および前記チップアセンブリ吸引チューブ(730)と前記ハンドピース吸引チューブ(66)との間の流体連通路(506,508)をもたらす第1の接続部材を有するように、形作られているハウジング(422)と、
    を備えている、洗浄ユニット(50)において、
    前記ハウジング(422)は、前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)と前記ハンドピース灌注チューブ(56)との間の前記流体連通路(446,480,482)が、前記ハウジングを通る平面的な非線形経路を一緒になって形成する第1および第2の通路(506,508)を備えるように形成されていることを特徴とする、洗浄ユニット。
  25. 前記ハンドピース(64)内にポンプ(420)が配置されており、
    前記ハウジング(422)は、前記ポンプの一部であり、前記ハウジングは、前記ハンドピース灌注チューブ(56)が取り付けられた取付具(496)と、前記チップアセンブリ灌注チューブ(750)に接続された前記ハウジング流体連通路(446,480,482)から外に灌注流体を押し出す前記ポンプの構成部品(514,526)に前記灌注流体を流す導管(486,496)とを備えている、請求項24に記載の洗浄ユニット。
  26. 前記ハウジング(422)は、前記チップアセンブリ吸引チューブ(730)と前記ハンドピース吸引チューブ(66)との間に前記流体連通路を形成する前記通路(506,508)の少なくとも1つが円形ではない断面積を有するように形作られている、請求項24または25の洗浄ユニット。
  27. 前記ハウジング(422)は、前記チップアセンブリ吸引チューブ(730)と前記ハンドピース吸引チューブ(66)との間に前記流体連通路を形成する前記通路(506,508)の両方が、D字状の断面を有し、かつ前記ハウジングを通る前記連通路を形成するために前記通路の最幅部が互いに真っ直ぐに並ぶように配置されて形作られている、請求項24または25に記載の洗浄ユニット。
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