JP2015536191A - 眼の電子的マーキング/登録 - Google Patents

眼の電子的マーキング/登録 Download PDF

Info

Publication number
JP2015536191A
JP2015536191A JP2015540664A JP2015540664A JP2015536191A JP 2015536191 A JP2015536191 A JP 2015536191A JP 2015540664 A JP2015540664 A JP 2015540664A JP 2015540664 A JP2015540664 A JP 2015540664A JP 2015536191 A JP2015536191 A JP 2015536191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eye
astigmatism
intraoperative
real
wavefronts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015540664A
Other languages
English (en)
Inventor
ウィリアム シー
ウィリアム シー
ヤン チョウ
ヤン チョウ
Original Assignee
クラリティ メディカル システムズ インコーポレイテッド
クラリティ メディカル システムズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クラリティ メディカル システムズ インコーポレイテッド, クラリティ メディカル システムズ インコーポレイテッド filed Critical クラリティ メディカル システムズ インコーポレイテッド
Publication of JP2015536191A publication Critical patent/JP2015536191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0016Operational features thereof
    • A61B3/0041Operational features thereof characterised by display arrangements
    • A61B3/0058Operational features thereof characterised by display arrangements for multiple images
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0016Operational features thereof
    • A61B3/0025Operational features thereof characterised by electronic signal processing, e.g. eye models
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0016Operational features thereof
    • A61B3/0041Operational features thereof characterised by display arrangements
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/02Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient
    • A61B3/028Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient for testing visual acuity; for determination of refraction, e.g. phoropters
    • A61B3/036Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient for testing visual acuity; for determination of refraction, e.g. phoropters for testing astigmatism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/103Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for determining refraction, e.g. refractometers, skiascopes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/103Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for determining refraction, e.g. refractometers, skiascopes
    • A61B3/1035Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for determining refraction, e.g. refractometers, skiascopes for measuring astigmatism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/117Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for examining the anterior chamber or the anterior chamber angle, e.g. gonioscopes
    • A61B3/1173Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for examining the anterior chamber or the anterior chamber angle, e.g. gonioscopes for examining the eye lens
    • A61B3/1176Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for examining the anterior chamber or the anterior chamber angle, e.g. gonioscopes for examining the eye lens for determining lens opacity, e.g. cataract

Abstract

1つの態様は、患者の眼の乱視を矯正/中和するための基準軸を屈折矯正手術中に発見、計算、および電子的にマーキングするための方法である。乱視矯正/中和の基準軸は、1つまたは複数の眼特性測定値と、ライブの眼画像の同時記録とに基づき、手術中に決定されてもよい。決定された乱視矯正/中和のための基準軸は、記録された眼画像の1つまたは複数の目印とともに更新および登録されてもよく、かつ眼のライブ画像上にオーバーレイされてもよい。別の態様は、手術中の眼について、外科的に誘発された一時的要因による屈折成分を除外しかつ術者が誘発する要因による屈折成分を加えた、補償された屈折異常をリアルタイムで計算および表示する方法である。

Description

関連出願
本願は、すべての目的について参照により組み入れられる、2012年11月06日に提出された米国特許仮出願第61/723,254号「Electronic Eye Marking/Registration」の優先権を主張する。
発明の技術分野
本発明の1つまたは複数の態様は、概して、視力矯正手技のための眼の電子的マーキング/登録(registration)に関する。具体的には、本発明の態様は、乱視に関する基準軸の決定、乱視矯正、および、眼のライブ画像をトラッキングおよびオーバーレイするカスタム指標の電子的なマーキング/登録/記録に関する。
発明の背景
従来の白内障屈折矯正手術において、患者の角膜前面、角膜、または眼球の屈折乱視軸は、術前に測定または決定される。以下において、乱視軸という用語は、乱視眼の軸または経線の位置を定義する。次に、その眼の乱視の矯正において術者をガイドするため、術前または術中に、乱視軸を同定するマーク(例えばエチレンブルーマーカーを用いたものなど)が典型的に強膜上に設けられる。例えば、角膜輪部減張切開術(LRI)または角膜減張切開術(CRI)を行う際、マークは、切開部位を決定するうえで術者をガイドしうる。トーリックの眼内レンズ(IOL)が移植される場合、マークは、トーリックIOLを望ましい配向まで回転させるうえで術者をガイドしうる。
外科用マーカーペンを用いた従来の手作業に基づく乱視軸マーキングは、ペンマークの太さがあり、加えてマークが広い範囲にわたって「流れ出る」/滲み出ることによって、数度以上の角度にわたるさらなる経線誤差が生じるため、概して正確および/または精密でない。加えて、角膜曲率測定/角膜計検査または角膜トポグラフィーに概ね基づく乱視軸測定は、乱視に対する角膜後面の寄与、および水晶体の寄与の可能性が考慮に入っていない。さらに、眼全体の乱視軸測定値には、乱視がある水晶体も寄与している可能性がある。これらはすべて、術後の眼における、考慮および矯正されない乱視誤差につながる可能性がある。
以上を鑑みると、考慮されない乱視が最適に矯正されるよう、白内障屈折矯正手術において乱視の矯正または中和の目標軸をより正確に決定するためのより良いアプローチに対するニーズが当技術分野に存在する。
本発明の1つまたは複数の態様は、当技術分野における前述のニーズのうち1つまたは複数を満たす。具体的には、本発明の1つの態様は、患者の眼の乱視を矯正/中和するための基準軸を屈折矯正手術中に電子的にマーキングするための方法であって、眼の特性を測定する段階と;ライブ眼画像を同時にキャプチャおよび表示する段階と;眼特性測定および同時のライブ眼画像に基づいて眼の乱視矯正/中和軸を決定する段階と;乱視矯正/中和軸をライブ眼画像とともに登録する段階と;眼のライブ画像をトラッキングおよびオーバーレイする乱視矯正/中和軸のカスタム指標を電子的にマーキング/登録する段階とを具備する方法である。
別の態様において、乱視矯正/中和軸は、あらかじめ記録された眼の画像にオーバーレイする。
別の態様において、眼の画像をキャプチャするイメージセンサーかまたは眼のいずれかに角度測定用の十字線を投射または導入するハードウェアを用いることなく、ライブ眼画像上への乱視矯正/中和軸の直接的な電子マーキングが行われる。
別の態様において、眼の光学特性のリアルタイム術中測定値が、患者の眼のライブ画像とともにリアルタイムで表示される。術中測定値の例としては、球面または球面性屈折異常の量、乱視または円柱性もしくは円柱面屈折異常の量、および乱視軸の角度などがある。これらの術中測定値は、術前の測定データと比較されてもよく、そして乱視を矯正/中和するための基準軸の計算に用いられてもよい。例えば、乱視を矯正/中和するためのこの基準軸は、無水晶体眼すなわち患者の眼の天然の水晶体が除去された場合の乱視軸であってもよい。この乱視矯正/中和軸はまた、外科的手技(または要因)が誘発する収差かさらには術者の実技が眼の乱視特性に対して誘発する変化すらも考慮に含みうる、最良の乱視中和/矯正のための目標軸であってもよい。
基準軸は、白内障屈折矯正手術の間の任意の時点で、術中に決定されてよい。例えば、外科切開を行う前に基準軸測定が行われてもよい。別の基準軸測定が、切開を行うなどの手技段階の直後に行われてもよく、または無水晶体状態の眼について行われてもよい。基準軸はまた、屈折矯正手術中にリアルタイムで更新されてもよい。乱視矯正/中和軸は、理想的には、回転可能なトーリックIOLをアライメントするための目標軸である。乱視矯正/中和軸はまた、術眼のすべての術創が治癒した後、術後の眼の残存乱視が患者の目標屈折に合わせて最小化または矯正されるよう、LRI/CRIまたはフェムト秒レーザー手技によっても参照される。
別の態様において、術中に眼の乱視矯正/中和軸を計算する段階は、屈折矯正手術の術前、術中(特に手術が進行中であるとき)、および術後に眼の乱視の軸および程度に著しい変化があるか否かに応じて、より多くの段階にさらに分けられてもよい。
別の例示的態様において、術前の眼特性測定データは、リアルタイムの術中眼特性測定データと比較され、そしてそれらの測定データは乱視矯正/中和のアウトカムをさらに向上させるために用いられる。これに関して、角膜曲率測定/角膜計検査、角膜トポグラフィー、OCT(光干渉トモグラフィー)、波面測定、もしくは自動屈折測定の術前測定値、またはこれら測定値のうち2つ以上の組み合わせが、角膜曲率測定/角膜計検査、角膜トポグラフィー、OCT(光干渉トモグラフィー)、波面測定、もしくは自動屈折測定の術中測定値、またはこれら測定値のうち2つ以上の組み合わせと比較されてもよい。乱視矯正/中和の真の目標軸を計算できるよう、球面または円柱面の屈折異常の変化など、外科的要因から生じた眼の光学特性の変化が決定されてもよい。
また別の例示的態様において、生体計測を含む術前の眼特性測定値と術中の眼特性測定値との比較は、単焦点IOL、2焦点IOL、3焦点IOL、多焦点IOL、およびトーリックIOLを含む最適な眼内レンズ(IOL)が選択されそして確認されうるよう、円柱面屈折異常の矯正に加えて球面屈折異常のさらなる矯正のためにもまた用いられてよい。
また別の例示的態様において、データの比較は、術前の眼特性測定値および術中の眼特性測定値だけでなく、術眼が完全に治癒した後の術後測定値もまた含んでいてもよく、そしてこれらのデータは、IOLを選択および確認するためのノモグラムを作成可能にするかかつ/または向上させるために用いられてもよい。
また別の例示的態様において、乱視矯正/中和の目標軸は、術後の創傷治癒眼に対して関連付けおよび参照される。手術中の眼のリアルタイムの目標屈折値であるが術後の創傷治癒眼に対して参照された値もまた表示される。換言すると、手術中の眼の現在屈折値のリアルタイム表示の代わりに、術者に提示されるのは、創傷が治癒した術後眼の乱視矯正/中和の目標軸および目標屈折値のバーチャル・リアルタイム表示である。
さらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に照らして明らかになるであろう。
弛緩状態の正視眼から来る平面波面を示した図である。 近視眼(myopic or nearsighted eye)から来る収束性の球面波面を示した図である。 遠視眼(hyperopic or farsighted eye)から来る発散性の球面波面を示した図である。 近視であるがまた乱視もある眼から来る波面を示した図である。 さまざまな例示的態様で用いるのに好適なシステムの例示的態様のブロック図である。 角度測定用の十字線像を導入または投射するハードウェアを用いずに、屈折矯正手術を受けている患者の眼を電子的にマーキング/登録するための、1つの例示的方法を示した図である。 開瞼器によって誘発された乱視成分および角膜のみの乱視成分を見つけるための倍角ベクトル図の使用例を示した図である。 表示された眼画像およびマーキングを示した略線図である。 手術用顕微鏡に統合または取り付けされかつタッチスクリーンに電子的に連結された本開示の装置の斜視図である。ハードウェア式タッチボタンが装置筐体の前壁および側壁に位置しており、対応するソフトウェア式タッチボタンもタッチスクリーン上に位置している。 屈折矯正手術中に患者の眼の乱視矯正/中和軸を計算およびマーキング/登録するための1つの例示的方法を示した図である。 手術アウトカムをさらに向上させるために、切開閉創治癒の作用をさらにどのように含めるかに関する例示的態様を示した図である。 トーリックIOLを外科的に移植する、向上した手技の例示的フローチャートを示した図である。
詳細な説明
本発明の1つまたは複数の態様において、十字線投射用の追加的ハードウェアを手術用顕微鏡と組み合わせる必要なく、患者の眼の像および電子的にマーキングされた乱視矯正/中和用の基準軸が眼手術中に術者に提示される。本発明の他の態様において、屈折矯正手術の術前、術中、および術後の患者の眼の乱視特性の変化を考慮に入れることによって、乱視矯正/中和軸がより正確にかつ/または精密に決定される。さらに、電子的に生成された、乱視矯正/中和軸のカスタム指標が、ディスプレイ上の患者の眼のライブ画像上にオーバーレイされ、かつこれとともに登録される。
以下の説明において、さまざまな種類の手術誘発性の要因が検討され、そしてこれら要因を補償するさまざまな方法が説明される。以下の説明を簡単にするため、さまざまな手術誘発性要因は大まかに3つのカテゴリーに分けられる。
第一のカテゴリーは、手術中に行われる段階によって生じる一時的な手術誘発性要因であり、例えば、開瞼器の挿入は、術中に得られる眼の屈折状態/測定値に変化をもたらすが、これは手術完了後は消失する。例えば、開瞼器の挿入は、開瞼器が所定の位置にある間は角膜を変形させるが、開瞼器が除去されると角膜は正常な形状に戻り、屈折の変化はまったくまたはほとんど残存しない。一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた乱視の手術誘発性成分を、一時的な手術誘発性乱視という。
第二のカテゴリーは、角膜の切開および手術中に生じる他の眼外傷など、眼の屈折状態の変化によって生じる、非一時的な手術誘発性要因である。これらの変化は手術完了直後も残る。非一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた乱視の手術誘発性成分を、非一時的な手術誘発性乱視という。
第三のカテゴリーは、眼が手術から回復する際の眼の屈折状態の変化によって生じる、創傷治癒誘発性の要因である。これらの変化は、手術完了直後の瞬間から、数週間または数か月かけて眼が手術から完全に回復した後まで現れる。創傷治癒誘発性要因によって引き起こされた乱視の創傷治癒誘発性成分を、創傷治癒誘発性乱視という。
第二および第三のカテゴリーは、例えば特定の術者が行う切開の習慣的な位置決めおよび性質といった、特定の術者に特有の手術技法によって生じる、術者誘発性の要因または術者特異的な手術誘発性要因としてしばしば一緒に考えられる。術者誘発性要因によって引き起こされた乱視の手術誘発性成分を、術者(または手術)誘発性乱視(SIA)という。
本発明の他の態様において、眼の屈折または波面のリアルタイム測定結果が術者に提示される。リアルタイム測定は、現在の外科的要因の影響を伴った、手術中の現在の眼のものであってもよい。一方で、リアルタイム測定はまた、外科的要因の影響がすでにデジタル的に除去された、仮想的に弛緩および創傷治癒した眼のものであってもよい。換言すると、リアルタイム表示される屈折または波面の結果は、一時的および術者特異的な手術誘発性要因の影響についてすでに補正されており、したがって、眼が一時的および術者特異的な手術誘発性要因の影響を伴わずに弛緩しているかのように、その眼に対して参照される。後者の場合、術者誘発性の屈折異常を含む外科的要因は、手術進行中に一時的および術者特異的な手術誘発性要因の影響を伴わずに、充分に治癒した眼に対して参照されるリアルタイム屈折を計算するうえで考慮に含められている。リアルタイム表示される眼の屈折が術者に知らせているのは、術者の手術アウトカムが、患者の眼が治癒した後の真の目標屈折(例えば正視など)からどれだけ離れているかである。
光学収差を伴わない眼は正視眼と呼ばれ、収差がない正常な視力または見え方は正視と呼ばれる。完全な視力を伴うそのような眼において、眼が弛緩している間、遠方の物体から来た光線は網膜上にはっきり焦点合わせされる。これが、レーザー手技または他の視力矯正手技で求められるものである。遠方の物体について、弛緩した正視眼に入る波面は平面であると考えられるため、光線の伝搬方向が逆になった場合、すなわち中心窩近くの点光源から出た光線が眼光学系を逆向きに通過しそして眼から出る場合、波面はやはり平面である。図1に、弛緩した正視眼120から戻された平面波面110を示す。
眼の収差は従来、低次および高次に分類されている。低次収差には、焦点はずれ(球面屈折異常とも呼ばれる)および乱視(円柱面屈折異常とも呼ばれる)が含まれる。異なる2種類の焦点はずれに対する、より知られている名称は、近視(nearsightednessまたはmyopia)および遠視(farsightedness、hypermetropia、またはhyperopia)である。これらの屈折異常は自動屈折計で測定でき、眼の全収差の約85パーセントを占める。中心窩近くの点光源から出た光線が、焦点はずれを有する眼光学系を逆向きに通過しそして眼から出る場合、波面は球面収束性または球面発散性のいずれかである。図2は近視眼220から出てくる収束性の球面波面210を、図3は遠視眼320から出てくる発散性の球面波面310を示している。
角膜が引き起こす乱視がない場合、眼の角膜は、半分に切った野球用ボールのような形状である。この半円ドームの曲率または勾配は全体にわたって同じである。これを、長さ方向に(とがった両端を通って長い方向に)半分に切ったフットボールに似た角膜と比較する。この角膜の長い方向における(継ぎ目に沿った)曲率は、短い方向に沿った曲率ほど急勾配ではない。そのような角膜は、光を、単一の点ではなく2点に焦点合わせさせる。矯正されていない乱視がある人は、ぼやけて二重になった像を見る可能性がある。長さ方向に切ったフットボールのような形状の角膜は乱視を有する。
乱視を伴う眼において、遠方の物体から来た光線は、例えば1つは網膜上で他方は網膜後方など、垂直に配向した2方向または異なる2点の経線に沿って焦点合わせされる。このことは、乱視、すなわち長さ方向に切ったフットボールのように不均一な曲率を有する角膜を伴う眼で生じうる。2つの異なる曲率は、2つの異なる焦点をもたらす。焦点がどこに位置しているかによって、いくつかの異なる乱視の組み合わせがある。その例には以下のものが含まれる:
・近視性単乱視:1つの焦点が網膜より前、他方が網膜上にある。
・近視性複乱視:焦点が2つとも網膜より前にある。
・遠視性単乱視:1つの焦点が網膜より後ろ、他方が網膜上にある。
・遠視性複乱視:焦点が2つとも網膜より後ろにある。
・混合乱視:1つの焦点が網膜より前、他方が網膜より後ろにある。
しばしば、乱視が角膜だけでなく眼の内部でも生じている場合に、眼内部の乱視の量が角膜の乱視とちょうど反対であることがある。ゆえにそれら2つの形態の乱視が互いに打ち消し合い、有意量の乱視が眼に生じない可能性もある。
一般に乱視眼は互いに90°に配向した2つの異なる経線を有しており、このため各経線について異なる平面内に像が結ばれる。経線はそれぞれ、近視性、遠視性、または正視性でありうる。一般に、乱視に対する矯正は、垂直配向した異なる方向において光線集束パワーが異なる、円柱形レンズまたはトーリックレンズである。経線に沿ったジオプトリーパワーの差が乱視パワーである。
乱視の経線の角度配向は、1つまたは2つの180度半円に対して参照される。観察者から見る方向である場合、上側の半円についての角度配向は、患者の眼の右側に0度のマークが置かれ、そして上側の半円に沿って反時計方向に角度の数字が増す。下側の半円についての角度配向は、患者の眼の左側に0度のマークが置かれ、そして下側の半円に沿って反時計方向に角度の数字が増す。眼の、パワーが最も小さい経線またはよりフラットである主経線の角度配向は、乱視軸として定義される。
乱視はまた「円柱」パワーとしても説明され、この円柱は、円形断面の直径に垂直な高さ軸と、第一の軸に垂直な幅軸とを有する。円柱の高さ軸は曲率がなく、円柱の幅軸は曲率がある。高さ軸が乱視軸である。
乱視は、距離に関わらず、焦点の外れた像をもたらす。乱視眼は、調節、または「混乱が最も少ない円形」が網膜上に来るように焦点合わせすることによって、このぼやけを最小にすることができる。
乱視を矯正するためには、眼の前または内部に円柱レンズが置かれるときに、その軸の位置が指定されなければならない。軸の角度を指示する際、観察者は患者に向き合い、そして配向角度ゼロは観察者の左側となる。スケールは、水平線より下側で、90°が底部、180°が右側となるように読まれる。
乱視眼または円柱面屈折異常を伴う眼において、眼の中心窩近くの点光源から来る波面は、光軸に対して回転対称ではなくなっており、代わりに波面は、2つの異なるが互いに垂直な方位配向の方向に沿った、異なる球面発散または球面収束を有する。
図4に、近視であるが乱視も伴う(近視性複乱視)眼420から来た波面を示す。眼から出た後の波面の収束度が垂直断面(側面図)と水平断面(上面図)とで異なることに留意されたい。側面図の場合における垂直断面の波面410aは、当初、上面図の場合における水平断面の波面410bより、光線が眼から出た後の収束性がより強い。これに対応して、ビーム形状もまた、光軸周囲の回転対称性を伴う純粋な円錐形ではなくなる。430の三次元図に示されているように、右から左への光伝播に従って、(ビーム伝播方向に垂直な)ビームの断面形状は、より大きな水平の楕円形から、水平線、より短い長軸を伴ったより小さな水平の楕円形、混乱が最も少ない円形、より短い長軸を伴ったより小さな垂直の楕円形、垂直線、そして、より大きな垂直の楕円形へと変化する。
視力および視覚パフォーマンスが波面収差と関連することは留意されるべきであるが、視力の記述に用いられる測定基準は、処方のため眼鏡店に持ち込まれることがある眼鏡またはコンタクトレンズの処方箋と同じではない。視力は通常、例えば20/40など、Snellen形式で与えられる。視力20/40の場合、20フィート離れた患者がはっきり見える物体は、視力20/20の人であれば40フィート離れたところからはっきり見ることができる。したがって、視力20/400の人はさらに視力が悪い;分母または2番目の数字が大きいほど視力が悪い。極端な場合、例えば視力表で最大の文字「E」が見えないなど、視力がさらに悪ければ、数えられる指の数が視力を測定する1つのやりかたである。誰かが「3フィートで指を数えられる」場合、その眼は視力20/400より悪く、3フィート離れたところに出された指の数を識別できるにすぎないということである。「完全」よりさらによく見える患者もいるが、完全な視力の至適基準は20/20とされている。ほとんどの患者は両眼を一緒に使うが、視力の検査は各眼について別個に行われ、処方の測定も同様である。下の表に、視力(フィート表示およびメートル表示)と、ジオプトリー表示による屈折異常との間の関係を示す。ジオプトリーはレンズの光学パワーの測定単位であり、メートルで測定した焦点距離の逆数(すなわち、1/メートル)に等しい。
Figure 2015536191
視力矯正のための処方という点に関して、眼が近視であるだけなら、単一の負のジオプトリー値があることになる。マイナス符号は近視であることを示す。マイナス符号の後に来る数字は近視の「重症度」の量を表す。例えば、-1.00Dは1ジオプトリー(1.00D)の近視を意味し、-5.25Dは5.25ジオプトリーまたは5と1/4ジオプトリーの遠視を意味する。これは-1.00Dより強い近視であり、したがって、より厚い負の眼鏡が必要である。
眼が遠視であるだけなら、単一の正のジオプトリー値があることになる。プラス符号は遠視であることを示す。プラス符号の後に来る数字は遠視の「重症度」の量を表す。例えば、+1.00Dは1ジオプトリーの遠視を意味し、+5.75Dは5.75または5と3/4ジオプトリーの遠視を意味する。これは+1.00Dより強い遠視であり、したがって、より厚い正の眼鏡が必要である。
眼が乱視を有する場合、数字の理解はより難しくなる。乱視を有する眼に対する処方には3つの数字が存在する。一般的な形式は S+C×Axis である。SおよびCはいずれも、正値または負値のいずれかをとりうる。Sは、処方の「球面値(sphere)」と呼ばれるものまたは球面性部分を参照する。Cは、処方の乱視または円柱性部分の量を参照する。Axis(軸)は0〜180度の任意の数字である;この軸の数字は、角膜の曲率の差がどこで生じているか、または乱視がどのように配向もしくはアライメントしているかを表す。乱視がどれだけあるかを指定するだけでは充分でなく、曲率の差がどこで起きているかを、座標を与えることによって知る必要がある。したがって、いくつかの種類および重症度の乱視については、処方中に3つの数字が存在する。第二の数字Cが大きいほど、より大きな乱視がある。乱視には複数のカテゴリーがあり、3つの数字による処方を分析することによって、乱視の正確な種類が特定される。例えば、-2.00+1.50×180は、180度の軸におけるプラス1.50ジオプトリーの乱視を伴う、マイナス2ジオプトリーの球面屈折異常を意味する;+4.00+3.00×89は、89度の軸におけるプラス3ジオプトリーの乱視を伴う、プラス4ジオプトリーの球面屈折異常を意味する。
高次収差は、屈折性構成要素(涙膜、角膜、房水、水晶体、および硝子体液)の不規則性を伴った眼を光が通過するときに光の波面によって獲得される、他の歪みを指す。角膜および水晶体の異常な曲率は、高次収差(HOA)に寄与する可能性がある。重篤な高次収差はまた、眼手術、外傷、または疾患による角膜の瘢痕からも生じる可能性がある。眼の天然の水晶体を曇らせる白内障もまた高次収差を引き起こしうる。収差はまた、光線を曲げるかまたは屈折させて焦点合わせを得るのを助ける眼の涙膜を、ドライアイが減少させた場合にも起きることがある。高次収差のいくつかの名前としては、コマ収差、トレフォイル(trefoil)収差、および球面収差がある。高次収差は波面センサーを用いて測定可能であり、眼の収差の総量の約15パーセントを占める。
従来、角膜前面の乱視軸が、角膜曲率計/角膜計または角膜トポグラファーを用いて術前に測定または同定されている;あるいは、眼全体の乱視軸が、自動屈折計または波面センサーを用いて術前に術前に測定または同定されている。術者は、白内障手術の術前または術中に、これら術前測定値に基づいて角膜前面または眼全体のいずれかの乱視軸をマーキングする。するとこのマーキングは手術の間、固定され、更新されない。この従来の実技は、正確性および/または精密性が限定されている。さらに、各々の術者も、いわゆる術者誘発性乱視を誘発する可能性がある。その結果として、術後の眼が引き続き残余乱視を有する可能性がある。したがって、この残余乱視を最少にするかまたはより理想的には完全に除去することのニーズが存在する。
1つの例示的態様において、患者の眼の光学特性のライブ連続測定が行われ、そして、測定データの質および手術ステージの推移に基づいて、乱視矯正/中和用の基準軸のマーキングが手術中に更新される。これらの測定値を用いかつ電子的マーキングを行うことにより、角度測定用の十字線またはアライメント用のしるしを投射または導入する追加的ハードウェアを用いることなく、ライブの/記録された眼画像とともに登録されかつその上にオーバーレイされたマーキングとともに、ライブの/記録された眼の画像/ビデオ表示が作成される。
図5は、さまざまな例示的態様を実施するのに用いられるシステムのブロック図である。図5は、手術用顕微鏡502の前端に統合または取り付けされてもよいモジュール500を図示している。モジュールは、波面センサーまたは自動屈折計504、眼カメラ508、プログラムコードおよびデータを保持する有形のメモリとCPUとを含むデータプロセッサ510、ならびに、入力ポートおよび出力ポートを含む。角膜曲率計/角膜計もしくは角膜トポグラファー、または光干渉トポグラファー/トモグラファー(OCT)506などの角膜形状測定デバイスもまた含まれていてもよい。加えて、ディスプレイ(図5には示していない)もまたデータプロセッサに電子的に結合されていてもよい。
この実施例において、波面センサー504は、同一出願人による米国特許第7,445,335号および米国特許出願第20120026466号に説明されているようなシーケンシャル波面センサーであり、眼カメラ508は、1.3メガピクセルの解像度(1280×1024ピクセル)を有するきわめてコンパクトな基板実装用カメラであるUI-1542LE-Mであり、角膜形状測定デバイス(506)はMastel照明付き手術用角膜計である。これら具体的なデバイスは、限定としてではなく例として説明されているのであり、当業者は必要に応じて他の好適なデバイスで代用できるであろう。
この実施例において、術者が手術用顕微鏡の接眼レンズから眼を離す必要なく、さまざまな種類のデータが術中に術者に対して表示されうるよう、手術用顕微鏡は、手術用顕微鏡552の視認用光路内に位置する透明ディスプレイ550を含む。この特徴を「ヘッドアップディスプレイ」ともいう。
図6に、白内障屈折矯正手術を受けている患者の眼を電子的にマーキング/登録するための例示的方法を示す。段階602において、患者の眼の光学特性について、連続的でライブなリアルタイム術中測定が行われる。例示的測定の種類としては、自動屈折測定、収差測定、波面測定、角膜曲率測定/角膜計検査、角膜トポグラフィーもしくは光干渉トポグラフィー/トモグラフィー、または、これら測定の2つもしくはそれ以上の組み合わせなどがある。
段階604において、眼のライブ画像もまた、眼カメラ508によって同時かつ連続的にキャプチャおよび/または記録される。1つの例示的態様において、ライブ眼画像はまた、眼の光学特性のリアルタイム術中測定に用いられている機器の光軸と眼とがどのくらい良好にアライメントしているかを決定するためにも用いられる。
段階606において、ライブ眼画像のフレームはライブ眼光学特性測定データと同期され、そして、良質な眼光学特性測定データのみを選択するため、同期された眼画像データまたは他の眼アライメント測定データに基づいて、眼光学特性測定結果の質が決定される。1つの例示的態様において、ソフトウェアがビデオカメラおよび波面センサーハードウェアの両方からデータの連続ストリームを受け取れるよう、眼カメラ508および波面センサー504は、例えばMicrosoft Visual Studio Professional、およびMicrosoft Windows用のメディアストリーミングアーキテクチャであるMicrosoft DirectShowアプリケーションプログラミングインタフェース(API)など、標準的な既製のソフトウェアコンパイラ、UIビルダー、サービス、およびドライバを用いて、データプロセッサ510に結合されかつインターフェースされる。別の例示的態様において、眼カメラ508および角膜曲率計/角膜計506が、標準的な既製のソフトウェアコンパイラを用いて、データプロセッサ510に結合されかつインターフェースされる。
良好にアライメントした眼画像と関連した良質な眼光学特性測定データだけがフォローアップデータ処理用に選択されるように、測定データの質の判定基準が確立されてもよい。眼光学特性測定データの質は、リアルタイム術中測定を行うために用いられている測定デバイスに対する患者の眼の位置レンジ、および眼光学特性測定の信号強度レンジも考慮に入れた基準に基づいていてもよい。
段階608において、乱視矯正/中和用の基準軸の指標(例えば、線、矢印、点滅する識別子など)を計算するため、眼の光学特性の測定から選択されたデータが処理される。別の例示的態様において、一時的および術者特異的な手術誘発性乱視を特に含む、外科的要因誘発性の屈折異常を計算するためにも、選択されたデータが処理される。
段階610において、乱視矯正/中和用の基準軸を表す指標は、同期した眼画像上の特定参照先への関連付けのために電子的に割当てされる。特定参照先は、虹彩の目印、開瞼器、眼角、外科的に置かれた基準点、またはデバイスの基準点、およびその他であってもよい。同時に、指標はまた、手術用顕微鏡のライブ眼画像に対して参照された状態で、手術用顕微鏡の視野内のライブ眼画像上に表示されてもよい。換言すると、指標は、記録されたライブ眼画像に対して参照され、したがって現実の眼球運動に対してトラッキングされるが、オーバーレイは手術用顕微鏡内部の透明ディスプレイ上でなされてもよく、ライブ眼画像はすでに顕微鏡によって術者に提示されているので手術用顕微鏡は透明ディスプレイ上にライブ眼画像を表示する必要がない。
段階612において、電子割当て指標は、良質な眼光学特性測定データまたは手術ステージの推移のいずれかに基づいて、連続的にキャプチャされているライブ眼画像に対して更新される。例えば、電子割当て指標は、さらに狭いレンジ内における眼の横方向位置および軸方向位置という点に関して、リアルタイム波面センサーなどの眼光学特性測定デバイスに対して眼がさらに良好にアライメントされたかに基づいて、および/または、内蔵のデータ処理アルゴリズムによって判定されうるような信号強度レンジという点に関して、測定によるデータがさらに良質なものであるかに基づいて、更新されてもよい。
より可能性が高いこととして、更新は、手術ステージの推移が生じたときに、内蔵アルゴリズムまたは術者/看護師によって、白内障手術の異なるステージにおいて実施または実行されてもよい。以下において、「有水晶体ステージ(phakic stage)」という用語は天然の水晶体を所定の位置に有している眼を指し、「無水晶体ステージ(aphakic stage)」という用語は水晶体が除去された眼を指し、そして「偽水晶体ステージ(pseudo-phakic stage)」という用語は天然の水晶体が眼内レンズ(IOL)で置換されている眼を指す。価値のある眼光学特性情報を提供できる、異なる手術ステージの例としては、開瞼器適用前の術前の有水晶体ステージ、開瞼器適用後の術中の有水晶体ステージ、天然の水晶体が除去されそして眼の前房が粘弾液で充填/加圧されている術中の無水晶体ステージ、および、眼内レンズ(IOL)が移植されて手術中にアライメントされている術中の偽水晶体ステージなどがある。
有形のメモリに保存されそしてプロセッサにより実行される内蔵アルゴリズムは、さまざまなステージ間の推移を自動的に検出し、そして術者に対して表示される軸および屈折の値を更新するのに必要な計算を行うように構成されていてもよい。あるいは、アルゴリズムは、眼のステージの変化を示すかまたは手技中に生じる他の事象を示すユーザー入力に反応してもよい。
例として、開瞼器の適用前、術前の有水晶体ステージにおいて眼の光学特性を決定するために眼が良好にアライメントされているときに、眼全体の波面収差測定または自動屈折測定が行われてもよい。測定された乱視は眼の乱視軸を有しており、それは最初にライブ眼画像上の電子割当て指標としてマーキングされ、そして更なる眼球運動に対してトラッキングされてもよい。電子割当て指標または第二の電子割当て指標の更新は、患者の眼が良好にアライメントされたときに眼に1組の開瞼器を適用するなど、一時的な手術誘発性要因が生じた後に、デジタル的にもたらされてもよい。測定された第二の乱視は、開瞼器の適用によって誘発された追加の乱視成分を明らかにする可能性がある。更新されたまたは第二の電子割当て指標は、開瞼器の影響下にある眼の乱視軸であるか、または、開瞼器によって誘発された、追加的であるが一時的な乱視成分(すなわち、測定された第二の乱視と第一の乱視との差)の乱視軸である可能性がある。2つの手術ステージ間で眼の乱視および/または乱視軸角度の差が小さい場合は、単一の電子割当て指標で充分となる。一方、2つの状況間で眼の乱視および/または乱視軸角度の差が比較的大きい場合は、開瞼器の適用が角膜形状を変化させ、結果として一時的な手術誘発性乱視が存在していることを術者に知らせるため、2つの異なる色または線パターンを用いて2つの指標が表示されてもよい。
あるいは、2つの測定に基づいて計算/決定された、一時的な手術誘発性乱視の単一の指標が表示されてもよい。同様に、眼が無水晶体状態にあるとき、一時的な手術誘発性要因の影響を伴わない角膜のみの乱視軸など、角膜のみの乱視軸であるが一時的および非一時的な手術誘発性要因の両方の影響下にある乱視軸に関する情報を術者に提供するため、電子割当て指標のさらなる更新が行われてもよい。この場合も、この無水晶体状態とその前1つまたは2つの眼状態との間で、眼の乱視または乱視軸角度の差が小さいのであれば、同じ単一の電子割当て指標で充分であろう。一方、この無水晶体状態とその前1つまたは2つの眼ステージとの間で、眼の乱視または乱視軸角度の差が大きいのであれば、2つまたは3つのステージの測定値に基づいて計算/決定された、更新された指標が、ライブ眼画像上に電子的にマーキングされ、そして眼のさらなる動きに対してトラッキングされてもよい。
手術中の眼の光学特性に対する、一時的および術者特異的な手術誘発性要因の寄与を考慮する必要性の重要性を理解するため、よく確立されている乱視のベクトル解析法について概説したうえで、単純な数値例を取り上げる。
乱視のベクトル解析法において、それぞれの乱視的寄与または成分は、大きさと方向とを備えたベクトルとみなされる。幾何学的角度が360°で繰り返すのに対して乱視の軸は180°で繰り返すという事実により、問題の解は、計算前に乱視の角度を2倍し、そして計算後に角度を半分にすることによって得られる。ベクトルの長さは乱視成分の乱視ジオプトリー値(ジオプトリー)を表し、ベクトルの角度は、通常理解される眼空間内の乱視軸角度の2倍に等しい。例えば、2つの薄い円柱レンズが互いに重ねられそして斜交している場合、その結果としての乱視は、2つの円柱レンズの2つの乱視成分を表す2つのベクトルを足し、次にその合成ベクトルの長さを見出すともにその合成ベクトルの角度を半分にすることによって、倍角ベクトル図を用いて見出される。
一方で、手術誘発性乱視(SIA)もまたベクトル解析法を用いて見出すことができる。全体的な手術誘発性乱視(SIA)は、術後測定乱視から術前測定乱視を引いたものに等しいことが、よく確立されている。換言すれば、倍角ベクトル図を用いると、ベクトル Cpre で表される術前測定乱視と、ベクトル CSIA で表される手術誘発性乱視(SIA)とを足したものは、ベクトル Cpost で表される術後測定乱視に等しい。留意されたい点として、術後測定が行われるのは、手術直後の開瞼器を除去する前もしくは後、または眼が手術から完全に治癒してから数週間もしくは数か月後である可能性があるため、術後測定には異なる定義が存在する可能性があり、したがって測定される乱視は術後測定の定義または解釈によって異なる可能性がある。異なる外科的要因は異なる乱視の寄与または成分を誘発する可能性があり、したがって誘発性乱視は、一時的、非一時的、および創傷治癒を含む、異なるカテゴリーおよび成分にさらに分けられうる。例えば、開瞼器の適用は一時的な乱視成分をもたらす可能性があり(これを一時的な開瞼器誘発性乱視と呼んでもよい)、患者の眼の角膜に行われる切開は非一時的な乱視成分をもたらす可能性があり(これを非一時的な角膜切開誘発性乱視と呼んでもよい)、手術からの眼の回復は創傷治癒誘発性乱視をもたらす可能性があるなどである。
次に、より詳細であるが単純化された数値例を見てゆくことができる。開瞼器適用前の有水晶体ステージにある眼を仮定し、角膜曲率測定/角膜計検査または波面測定において、角膜または眼が、眼の水平軸に対して30°の経線または乱視軸角度に、大きさ1.00ジオプトリーの第一の測定された正味乱視(net astigmatism)を有していることが見いだされたものとする。その有水晶体眼が30°の配向方向に乱視軸を有していることを術者に知らせるため、ライブ眼画像上の電子割当て指標として、まず、第一の基準軸が、30°に配向した両矢印線の形式でマーキングされてもよい。倍角ベクトル図において、この第一の測定乱視成分は、図7に示すように、X軸に対して60°(30°の2倍は60°である)の配向角度を指すベクトル C1st-measured によって表すことができる。
開瞼器適用後に、開瞼器から角膜への圧力によって角膜が眼の垂直方向に沿ってさらに曲げられた場合は、一時的に誘発された球面屈折成分、および、ある配向角度を伴うあるジオプトリー値の一時的な開瞼器誘発性乱視成分が加わる。開瞼器の影響下にある同じ眼の術中の角膜曲率測定または波面測定から、角膜または眼の測定正味乱視が眼に対して60°の経線または乱視軸角度において大きさ1.00ジオプトリーであることが示された場合、倍角ベクトル図において、この第二の測定乱視は、図7に示すように、120°(60°の2倍は120°である)の配向角度を指すベクトル C2nd-measured によって表すことができる。倍角ベクトル図において、第二のベクトル C2nd-measured によって表される正味乱視は、第一のベクトル C1st-measured と開瞼器誘発性ベクトル Cspeculum-induced とのベクトル和になる。
図7に示すように、第一のベクトル C1st-measured および第二のベクトル C2nd-measured は大きさまたはベクトル長が同じで、かつこれら2つのベクトル間の相対角度が60°であるため、ベクトル加法/減法作図もしくは三角法、または、極座標もしくはデカルト座標に基づく計算のいずれかを用いることにより、開瞼器誘発性ベクトル Cspeculum-induced は、1.00ジオプトリーの大きさと、X軸の負方向に沿った指向方向または180°の配向角度とを伴うベクトルであることが見出される。この開瞼器誘発性乱視成分が変換されて眼空間に戻されるとき、配向角度は半分にされる必要があるため、開瞼器誘発性乱視は、1.00ジオプトリーの大きさで眼の垂直方向に沿う。そして、開瞼器適用が垂直方向に沿った乱視成分を誘発したことを術者に知らせるため、ライブ眼画像ディスプレイ上で、電子割当てされた第二の指標として、異なる色の垂直(すなわち90°に配向した)両矢印線の形式で第二の基準軸がマーキングされてもよい。あるいは、開瞼器の一時的な影響下にある眼のリアルタイム乱視軸の実際の配向方向を示す、更新された指標が、このリアルタイム乱視軸に開瞼器の一時的影響があることを術者に知らせるための何らかの区別(異なる色または線パターンなど)を伴って、表示されそしてライブ眼画像に対してトラッキングされてもよい。この一時的影響は、開瞼器が眼から除去された後、実質的になくなる。
眼の天然の水晶体が除去され、粘弾液が水晶体嚢に入れられた後、眼が無水晶体状態である間に第三の術中測定が行われ、そして、開瞼器の一時的な影響下および角膜切開の非一時的な影響下にあるが天然水晶体の寄与を伴わない無水晶体眼が、大きさ0.50ジオプトリーで経線または乱視軸角度120°の正味乱視を有することが見出された場合、倍角ベクトル図において、この第三の測定正味乱視ベクトル C3rd-measured は、図7に示すように、大きさ0.50ジオプトリーで指向角度240°(120°の2倍は240°である)のベクトルとして描くことができる。開瞼器が眼から除去されたら開瞼器誘発性の一時的な乱視成分がなくなることを考慮すると、角膜が元の形状を回復したがまだ角膜切開などの非一時的な外科的要因の影響下にあるときに純粋に角膜のみによって引き起こされる乱視を見出すためには、第三の測定正味乱視から、一時的な開瞼器誘発性乱視成分を減算する必要がある。
図7に示すような倍角ベクトル図において、純粋に角膜のみによって引き起こされる乱視は、ベクトル C3rd-measured とベクトル Cspeculum-inducedとのベクトル差であるベクトル Ccornea-alone によって表される。換言すると、一時的な開瞼器誘発性乱視のベクトル Cspeculum-induced に角膜のみの乱視のベクトル Ccornea-alone を足すと、第三の測定乱視のベクトル C3rd-measured となる。ベクトル加法/減法作図もしくは三角法、または、極座標もしくはデカルト座標に基づくベクトル解析を用いることにより、角膜のみの乱視は、大きさが sqrt(12 - 0.52) = 0.866 ジオプトリーであり、指向角度が 240° + 90° = 330° であることが見出される。この角膜のみの乱視のベクトルが実際の眼空間に変換されるとき、角度が半分にされる必要があるため、眼空間における角膜のみの乱視の実際の乱視軸角度は165°である。次に、角膜のみの真の乱視(角膜の前面および後面の作用ならびに非一時的な角膜切開の作用を含むが、術後はなくなる一時的な開瞼器誘発性乱視成分を除いたもの)の乱視軸が165°であることを術者に知らせるための電子割当て指標として、眼のライブ表示上に、異なる色または線パターンの基準軸が、165°を指す両矢印線の形式で電子的にマーキングまたは描出されてもよい。
したがって、トーリックIOLが移植されるのであれば、角膜のみの乱視成分を完全に打ち消すため、トーリックIOLの乱視の大きさはこの計算された角膜のみの乱視の大きさに基づいて選択されてもよく、そしてトーリックIOLの軸は眼に対して165°に回転およびアライメントされるべきである。一方で、トーリックIOLの球面ジオプトリー値もまた、測定された角膜のみの球面ジオプトリー値に基づいて選択されてもよい。ゆえに、この例示的態様において、選択されたトーリックIOLの乱視の大きさは、測定された真の、乱視に対する角膜のみの寄与全体を補償し、ゆえに、乱視に対する角膜の寄与の一部のみを測定する角膜曲率測定、角膜トポグラフィー、またはOCTなど既存の技法よりも優れた手術アウトカムをもたらす。(S+C×Axisを含む)IOLの屈折処方が決定されれば、角膜のみの寄与の軸を術者に提示することができ、これは図8に関してさらに説明するように、眼が偽水晶体ステージにある場合に特にあてはまる。
留意すべき重要な点として、トーリックIOLの移植後、トーリックIOLの軸が手術中の眼のリアルタイム測定された乱視軸に対してアライメントされているるときに、一時的な手術誘発性要因の影響があることと、一時的な手術誘発性要因の除去を考慮に入れてトーリックIOLが選択されていることとにより、その眼で測定される現在の球面値および円柱値はゼロにはならない。しかし、一時的な手術誘発性要因は、現在の屈折の計算においてデジタル的に除去されるため、トーリックIOLが乱視矯正/中和の目標軸にアライメントされているとき、現在のリアルタイムの屈折測定値は球面および円柱ともゼロに近くなる。
1つの態様において、偽水晶体ステージにある手術中の眼のリアルタイム屈折測定は、屈折の計算に関して開瞼器の作用がデジタル的に除去されているか否かによって、開瞼器の作用が存在する眼の結果である可能性があり、または、開瞼器の作用が存在しない眼の結果である可能性がある。換言すると、偽水晶体ステージにある眼のリアルタイム屈折測定が、開瞼器の作用をデジタル的に除去したものである場合は、トーリックIOLが回転されて、マーキングされた目標軸に対してアライメントされているとき、開瞼器を物理的に除去しなくても、リアルタイム屈折測定は正視(これが目標屈折である場合)に近づく。一方、偽水晶体ステージにある眼のリアルタイム屈折測定が、開瞼器の作用をデジタル的に除去していないものである場合、開瞼器が物理的に除去される前は、トーリックIOLが回転されて、マーキングされた目標軸に対してアライメントされているとき、リアルタイム屈折測定は正視(これが目標屈折である場合)に近づかないが、開瞼器が眼から物理的に除去された後は、リアルタイム屈折測定は正視に近づく。いずれのアプローチも術者によって実施されてよく、術者は、開瞼器の物理的除去より前にトーリックIOLをアライメントするときに開瞼器の作用をデジタル的に除去し、そして次に、手術完了時の(すなわち、開瞼器が物理的に存在していない)眼が真に正視であるかをさらに実験的に確認するため、開瞼器が眼から物理的に除去された後に、開瞼器の作用のデジタル的除去を伴わない、眼の真のリアルタイム屈折測定に切り替える、という選択肢を選択してもよい。
しかし、上述の例は原理を説明するために単純化されたものであることは、留意されるべきである。眼の光学屈折特性および必要な屈折矯正における変化を反映するため、モニタリングおよび/または考慮されるべき手術の推移および作用は、より多い可能性がある。例えば、前述のIOL選択は、開瞼器が除去された無水晶体ステージの眼に対して参照された屈折矯正にのみ基づいている。本発明者らが知るところにおいては、眼が治癒する際に、眼の屈折特性にさらなる変化が生じうる可能性がある。したがって、患者の眼の乱視特性変化に影響を及ぼしうる、術者特異的な手術誘発性要因の作用または影響もまた、乱視中和/矯正の目標軸を計算するうえで考慮に入れられてもよい。なぜならば、角膜の切開および術創の閉鎖など、屈折矯正手術を行う際の個別の術者の習慣は、創傷治癒プロセスの間に、術後眼に特定の残存乱視を誘発する可能性があるからである。この点に関して、無水晶体眼および/または手術直後の偽水晶体眼の角膜形状および/または屈折異常の測定が収集され、そして、数週間または数か月間の回復後に完全に治癒した術後眼の角膜形状および/または屈折異常の測定値と比較されてもよい。患者の特定の人種群の間で、角膜形状または眼特性の変化の平均と、関連する残存乱視(および球面度数)とを見出すためにデータベースが確立されてもよく、したがってそのようなデータが、ノモグラムの作成、および乱視中和/矯正の目標軸の計算のさらなる向上に用いられてもよい。ゆえに、創傷治癒した眼の球面度数および乱視の矯正/中和をさらに向上させるため、創傷治癒した眼に対してIOL選択を参照できるように、眼の創傷治癒の作用を考慮するためにも、同じ原理が拡張されてもよい。後述するように、このことは、既存の技法よりさらに優れた手術アウトカムをもたらす。
図7と関連する例において、測定もしくは計算された乱視成分のジオプトリー値および眼空間乱視軸の配向角度、ならびに/または、角膜のみおよび/もしくは選択されるIOLの処方の球面ジオプトリー値が、電子的にマーキングされた指標または基準軸に加えて、数字、線、楕円、円、または他の形状の形式で定量的または定性的に術者に対して表示されてもよい。
留意されるべき点として、基準軸の更新は例示的態様と関連した重要な特徴である。なぜならば、外科的要因の各々の影響の前後に眼光学特性を測定し、そして異なる手術ステージにおける眼の乱視特性の変化を考慮に入れることによって、術後の乱視の矯正および中和のための目標軸の正確性および精密性が実質的に向上しうるからである。
留意されたい点として、指標は、連続的に更新されそしてライブ眼画像上にオーバーレイされる眼光学特性測定データと関連していてもよい。加えて、指標はまた、術前または術中にキャプチャされた静止眼画像上にもオーバーレイされてよい。リアルタイム波面測定に由来する、眼の乱視軸の同定か、または乱視矯正/中和用の基準軸が、カスタム基準点として選択されてもよく、そしてマークは自動的に「描画」されて、この軸にアライメントもしくは隣接するように置かれるか、またはこの軸に対して参照される。
図8に、電子割当てされた1つのマーキングまたは基準軸と、眼のリアルタイム屈折測定の結果とを伴う、患者の眼の画像例を示す。睫毛が左側にあり、したがって眼の水平線は図8において垂直であることに留意されたい。両端矢印の長い破直線802は、ライブ眼画像812にオーバーレイしている基準軸(電子割当て指標)を表す。一方で、リアルタイム屈折測定結果もまた、定性的および定量的に示されている。1つの態様において、ディスプレイ中心部の完全な円804は、眼のリアルタイム屈折測定の「球面」または球面屈折異常を示しており、この円の直径は「球面」ジオプトリー値を、色は符号(正または負)を表す。ディスプレイ中心部の短く太い直線バー806は、眼のリアルタイム屈折測定の「円柱」または円柱面屈折異常を示しており、この直線バーの長さは「円柱」ジオプトリー値を、色は符号(正または負)を表す。短く太い直線バー806に沿って描かれている長く細い実直線808は、眼のリアルタイム屈折測定による現在の乱視軸を示している。一方で、眼のリアルタイム屈折810もまた、ディスプレイの右上隅あたりに Rx: S+C×Axis の形式で定量的に示されており、この形式において、Sは「球面」ジオプトリー値を指し、Cは乱視または円柱面のジオプトリー値を指し、そしてAxisは眼空間における眼の乱視軸角度を指す。Rxは、現在のリアルタイム屈折異常を中和するのに必要な処方または矯正のことである。留意されたい点として、この具体例において、両端矢印の長い破線802は、一時的な外科的要因の影響を伴わない角膜のみの乱視の軸に対応する電子割当てマーカーである。換言すると、両端矢印の長い破線802は無水晶体眼の屈折測定から計算されるが、一時的な外科的要因によって誘発される角膜の変形はすでにデジタル的に除去されている。長く細い実線808は、トーリックIOLが移植された偽水晶体眼のリアルタイム乱視軸であるが、まだ正しい配向まで回転される必要がある。
別の態様において、ライブ眼画像ディスプレイに表示される基準軸およびリアルタイム屈折は、一時的な手術誘発性要因の影響を伴う眼の現在の屈折状態だけでなく、一時的な要因ならびに術者誘発性要因(すなわち、非一時的および創傷治癒誘発性の要因を含む)の影響を除去した創傷治癒眼に対して参照された、現在の眼のリアルタイム屈折状態も反映している。例えば、ライブの眼球運動に対してトラッキングされている、電子的にマーキングされた基準軸は、無水晶体ステージまでのすべての一時的な手術誘発性要因、ならびに、静的データから決定されうるような術者個人の手術習慣に起因する術者特異的な手術誘発性要因(非一時的および創傷治癒の要因を含む)によって誘発された乱視成分を減算した、角膜の乱視軸であってもよく、これに対して、表示されているリアルタイム屈折異常は、トーリックIOLが移植された偽水晶体ステージにおける実際の眼のものであるが、無水晶体ステージまでのすべての一時的な手術誘発性要因、ならびに、術者個人の手術習慣に起因する術者特異的な手術誘発性要因(非一時的および創傷治癒の要因を含む)によって誘発された屈折成分は除去されている。
換言すると、手術中の眼の偽水晶体ステージにおけるリアルタイム波面測定結果は、ライブ眼画像ディスプレイ上にリアルタイムで表示されるものが、同じ眼であるが創傷がすでに治癒した術後の弛緩状態に対して参照されるリアルタイム屈折となるように、処理される。このやり方において、術者はトーリックIOLの乱視値(および球面ジオプトリー値)を選択し、そして移植したトーリックIOLを回転させて、電子的にマーキングされた基準軸にアライメントさせる。中心合わせおよび有効レンズ位置が正しければ、バーチャル術後眼に対して参照されたこのリアルタイム屈折は、正視眼の屈折または術者が決定した目標屈折に近づく。したがって、この偽水晶体ステージにおいて術者は、移植したトーリックIOL上の点線の軸マークを、電子的にマーキングされたライブ眼画像上の基準軸と比較しそしてこれにアライメントさせてもよく、かつ/または、眼のリアルタイム屈折を、値がゼロもしくは目標屈折に近づくまで見ていってもよい。
1つの例示的態様において、カメラによりキャプチャされた眼画像およびオーバーレイされた登録マークは、将来の再生および解析のために記録される。他の態様において、登録マークは、あらかじめ記録された眼画像上にオーバーレイされる。
上述の各態様は、手術全体を通して術者が基準マークを作成することを可能にする。例えば、マークは、手術開始時の患者/眼の状態を記述する参照/登録を提供するために置かれてもよい。例えば、円柱値または乱視軸が、手術開始前の有水晶体ステージにおいて測定されてもよく、そして次に術中の無水晶体ステージまたは偽水晶体ステージにおいて測定されてもよい。これらの異なる測定は、レンズ(水晶体およびIOL)がある場合およびない場合の患者の角膜の円柱的寄与、ならびに、角膜切開および開瞼器使用の作用に起因する、手術全体を通した乱視の大きさおよび軸のテンポ(tempo)/変化を術者が決定することを可能にする。加えて、球面度数、角膜形状、眼の長さ/眼軸長、または前房深度が手術中に変化するのに伴って、これらのマークおよび/または値がリアルタイムで参照/マーキングされてもよい。術者は、手術を行いながら、手術アウトカムを向上させるためにその情報を用いてもよい。例えば、切開の前後に基準マークがつけられる場合、術者は、行われた決定または手技の種類の屈折的作用について、直接的なフィードバックを受け取る。術者は、屈折面の作用を減じるために望ましいのであれば、異なる技法を用いることを決定してもよい。
マーキングは、眼特性測定の定性的および/もしくは定量的データ(収差測定/自動屈折測定など)と相関するボタンの「タッチ(touch)」を通じて実行されてもよく、ユーザーがスクリーンに触れるタッチスクリーンもしくはマウスを介してユーザー(術者または看護師)によってドラッグおよびドロップされてもよく、または、音声制御を通じてかもしくは自動的に患者の例えば眼角に対して登録されてもよい。
図9は、手術用顕微鏡に統合または取り付けされた例示的態様の斜視図、および、本開示の装置に電子的に連結されたタッチスクリーンを示した線図である。装置筐体の前壁および側壁に位置するハードウェア式タッチボタンA、B、C、およびD(902)があり、かつ/または、対応するソフトウェア式A、B、C、およびD(904)もまたタッチスクリーンのモニター上にある。ハードウェア式ボタンは、マーキングまたは他の機能を実行するため、手術中に術者によって押されてもよい。例えば、ボタンAは手動マーキングを実行するかかつ/または自動マーキングを無効化するために用いられてもよく;ボタンBは内部固視灯を点灯または消灯するために用いられてもよく;ボタンCは記録された眼画像の特定のフレームを強調するためのブックマーク作動ボタンとして用いられてもよく;そしてボタンDは、キャプチャおよび表示されているライブ眼画像の明るさおよびコントラストをより良好に制御するために近赤外フラッド照明の出力をオン/オフまたは循環させるために用いられてもよい。これらのボタンに割当てられてもよい、ここに列挙されていない他の機能も存在しうる。
自動電子的マーキングは内蔵アルゴリズムによって実行されてもよいが、術者は、電子マーキングのための好みの測定結果を選択し、そしてまた好みであればマーキングのリアルタイム更新を無効化するため、ハードウェアボタンを押すことによってアルゴリズムに優先してもよい。このことは時として必要となるが、それは、眼が良好にアライメントされている場合であっても、内蔵アルゴリズムが容易に認識できない他の要因によって測定が影響を受ける可能性があり、そのため術者が行う主観的判定のほうがより良くかつ信頼性が高くなる可能性があるからであり、そのような要因としては、患者の眼の角膜上に潅流液が残っている、患者の水晶体嚢ないに光学バブルまたはデブリが存在している、および、粘弾液による水晶体嚢の充填が不十分でそのため眼内圧が正常範囲から外れている、などがある。ソフトウェア式ボタンは、マーキングを実行するかまたは他の機能を行うため、術中に看護師によって押されてもよい。同じ機能がまた、コンピュータマウスを用いてソフトウェアボタンをクリックするかまたはコンピュータキーボードを用いて、看護師によって行われてもよい。術者はまた、マウスまたはキーボードを用いてマーキングを実行するよう、声による指示を看護師に与えてもよい。手術の進行にしたがって、異なるステージにおいて複数のマーキングが実行されてもよい。加えて、術者および/または看護師は、手術誘発性の収差、創傷治癒、または用いられる他の測定基準について補正するために用いられるアルゴリズムをオンまたはオフにしてもよい。
乱視の軸および度数に対する角膜の寄与を測定する1つの技法は、術中に無水晶体眼の波面測定を行って角膜の寄与を直接測定することである。角膜の自然な「フットボール」形状を、異なる歪んだ「フットボール」形状へと歪めるような、眼への圧力によって、手術中は角膜が変形している可能性があるため、この測定もまた誤差を有しうる。この歪みは、眼瞼を開いた状態に保持するための開瞼器の適用または手術中の潅流液の適用といった一時的な外科的要因、ならびに、角膜の切開および術創の治癒といった非一時的な外科的要因によって誘発されうる。ゆえに、術中の無水晶体状態での測定は、圧力が除去され、眼が弛緩し、そして切開創が治癒したときにほとんど元の術前状態に戻る「歪んだフットボール」を特徴付けする。他の要因を考慮せずに無水晶体状態での測定のみに基づいてトーリックIOLが回転されるのであれば、弛緩および治癒した眼の乱視を打ち消すよう正しく位置決めされてはいない可能性がある。
本開示の1つの態様において、電子的マーキングは、これら外科的要因を考慮したデータ処理を通じて計算された、より良好な乱視矯正/中和のための基準軸である。例えば、外科的要因の著しい影響がない状態で行われた、眼の光学屈折特性の少なくとも第一の測定があり、そして、同じ眼の光学特性であるが、少なくとも1つの外科的要因(開瞼器の適用など)の影響がある状態での、少なくとも第二の測定がある。この実施例において、第一および第二の測定は、特に手術ステージの推移中における、眼の乱視特性の変化を明らかにするために処理される。測定は、角膜曲率測定、角膜トポグラフィー測定、OCT測定、自動屈折測定、収差測定、および/または波面測定を含んでいてもよい。この実施例において、外科的要因の影響を伴った第二の測定は、リアルタイム術中眼科用眼光学特性測定デバイスか、または2つもしくはそれ以上のデバイスの組み合わせを用いて行われ、そのようなデバイスの例としては、リアルタイム術中角膜曲率計、角膜トポグラファー、光干渉トポグラファー/トモグラファー(OCT)、自動屈折計、収差計、および波面センサーなどがある。
少なくとも2つの測定を行うことの目的は、術後眼の乱視中和/矯正の目標軸における関連する変化を理解、観察、および/または計算できるよう、1つまたは複数の外科的要因の影響がある場合とない場合とで眼の乱視特性(および球面屈折特性)に著しい変化があるかを決定することである。
ここで再度指摘されるべきこととして、2つの測定はまた、直座位の患者での1つの術前測定を含んでいてもよい。したがって、1つの例示的態様は、直座位の患者に用いられるのが典型的である種々の測定デバイスおよび技法で行われた術前測定を確認するか、または、眼の光学特性の変化を同定するかのいずれかを行うためにも、術中測定を用いる。直座位の患者と仰臥位の患者とのこの比較は、患者アウトカムの向上において術者をさらに支援できる可能性がある。
図10に、屈折矯正手術中に、向上した乱視矯正/中和軸を電子的にマーキングするための1つの例示的方法を示す。段階1002において、外科的要因の著しい影響がない状態で、患者の眼の特性の第一の測定が行われる。この第一の測定は、角膜曲率測定、角膜トポグラフィー、OCT、自動屈折測定、収差測定、もしくは波面検知測定、または、これら測定の2つもしくはそれ以上の組み合わせであってもよい。第一の測定は、直座位の患者での術前測定か、または仰臥位の患者での術中測定かのいずれかであってもよい。
第一の測定を行う目的は、比較的自然なまたは弛緩した状態の眼について、少なくとも1つの乱視関連特性を記録することである。留意されるべき点として、この自然状態または弛緩状態は、眼の術前乱視特性について比較的著明でないかまたは無視できる変化を伴う眼として、広く解釈されるべきである。好例は、患者が仰臥位にあるが開瞼器が適用される前の患者の眼である。この状態において、局所点眼麻酔が眼に適用されている可能性があるが、この外科的要因の影響は無視できるものとみなされる可能性がある。この状態における眼の特性は、患者が直座位にあるときの自然な日常生活のそれと比較的似ていると考えられ、そして、同じ眼のこれら2つの状態(直座位 対 仰臥位)間の乱視特性の差は比較的小さいと予測される。
段階1004において、外科的要因の影響を伴った患者の眼の特性について、1つまたは複数の第二の測定が行われる。この1つまたは複数の第二の測定は、リアルタイムで術中に行われ、そしてこの場合も、角膜曲率測定、角膜トポグラフィー、OCT、自動屈折測定、収差測定、もしくは波面検知測定、または、これら測定の2つもしくはそれ以上の組み合わせであってもよい。この第二の測定の目的は、少なくとも乱視特性の変化を記録することであるが、外科的要因の影響の結果としての眼の球面値または前房深度など、他のパラメータもまた含んでいてもよい。
第二の測定は、有水晶体ステージ、無水晶体ステージ、または偽水晶体ステージにおいて行われてもよく、これには、1つのステージにおいてより多くの測定を行うことと、それに対し、一部またはすべてのステージにおいて1つの測定を行うこととの可能性がある。これら測定間の差もまた、最適な屈折アウトカムを得るための適切な乱視矯正および/または球面矯正を決定するのに有用である可能性がある。1つの好例は、患者が仰臥位にあり、一組の開瞼器が適用された後の患者の眼である。別の好例は、患者が仰臥位にあり、天然の水晶体が除去されそして眼の水晶体嚢内に粘弾液が置かれた後の無水晶体眼である。留意されたい点として、患者が仰臥位にあり一組の開瞼器が適用された後の有水晶体眼測定がまた、患者が仰臥位にあり天然の水晶体が除去されそして眼の水晶体嚢内に粘弾液が置かれた後の無水晶体眼測定と組み合わされてもよい。あるいは、無水晶体状態の角膜曲率測定または角膜トポグラフィー測定が、無水晶体状態の屈折測定または波面測定と直接的に組み合わされてもよい。無水晶体状態の角膜曲率測定または角膜トポグラフィー測定は、外科的要因の影響に伴う角膜形状の変化について情報を提供し、そして無水晶体状態の屈折測定または波面測定は、水晶体による寄与はないがこの時点までの外科的要因の影響はある、角膜のみの乱視(および球面値)について情報を提供する。これらの場合は、複数の第二の測定が行われる。屈折矯正手術の進行中、眼の乱視特性のいかなるリアルタイム変化も更新されてよい。
留意されるべき点として、角膜および/または眼の乱視の軸および大きさの変化は、屈折矯正手術の術前、術中、および術後に生じる可能性があるため、乱視特性変化は多くのステージにおいて生じうる。例としては、眼が有水晶体状態であり患者が直座位にあるときから、患者が仰臥位になったときまで;点眼散瞳剤および/または局所点眼麻酔が眼に適用される前から、適用後まで;開瞼器が適用される前から、眼を開いた状態に保つために開瞼器が適用された後まで;角膜に切開が行われる前から、切開が行われた後まで;前房の房水または液が置換される前から、粘弾液が導入された後まで;粘弾液が所定の位置にあって天然の水晶体が除去される前から、粘弾液が水晶体嚢内に置かれていて天然の水晶体が除去された後まで;トーリック眼内レンズ(IOL)が導入される前から、IOLが導入された後まで;トーリックIOLが回転される前から、トーリックIOLが回転されている間または回転された後まで;トーリックIOLが所定の位置にあり粘弾液が除去される前から、粘弾液が除去された後まで;LRI/CRIが行われる前から、LRI/CRIが行われている間、そしてLRI/CRLが行われた後まで;すべての角膜切開が閉鎖される前から、閉鎖後まで;ならびに、屈折矯正手術の完了直後から、すべての創傷が完全に治癒してから数週間または数か月後まで、などがある。したがって、第一および第二の眼光学特性測定は、上述の変化のうち任意のものによって引き起こされた差を測定してもよい。
段階1006において、眼のライブ画像は同時かつ連続的に眼カメラ508によって表示のためキャプチャされ、そしてまた記録もされてもよい。この場合も、ライブ眼画像はまた、眼の光学特性のリアルタイム術中測定に用いられている機器の光軸と眼とがどのくらい良好にアライメントしているかを決定するためにも用いられてよい。
段階1008において、ライブ眼画像のフレームはリアルタイム眼特性測定データと同期され、そして、同期された眼画像データおよび/または眼光学特性測定データに基づいて眼特性測定結果の質が決定される。良好にアライメントした眼画像と関連した良質な眼特性測定データだけがフォローアップデータ処理用に選択されるように、測定データの質の判定基準が確立されてもよい。その基準は、眼特性測定デバイスに対する眼の横方向位置、眼特性測定デバイスに対する眼の軸方向距離、および患者の眼からの光学信号強度に基づいて確立されてもよい。信号強度は、手術器具もしくは術者の手によって光路が遮られるか、または、手術器具の光る反射面から測定デバイス内へと強い光反射が生じた場合に、望ましいレンジから外れる。
段階1010において、第一の測定データおよび選択された第二の測定データは、外科的要因の影響下にある眼の乱視(および球面屈折)特性の変化を計算に入れるため、および、乱視中和/矯正軸を計算するために処理される。この計算は、現在の外科的要因の影響がある状態で測定された眼の見かけ上の乱視の軸ではない可能性が高い、乱視中和/矯正軸を決定するために、眼の乱視特性の変化の情報を用いる。
段階1012において、乱視中和/矯正軸は電子的にマーキングされる。計算された乱視中和/矯正軸と関連した指標(線、矢印)は、眼上の特定参照先への関連付けのために割当てられ、そしてライブ眼画像上に表示およびオーバーレイされる。参照先は、虹彩上の任意の目印、開瞼器、手術誘発性の基準点、デバイスの基準点、眼角、およびその他であってもよい。この場合も、指標はまた、手術用顕微鏡のライブ眼画像に対して参照された状態で、手術用顕微鏡の視野内のライブ眼画像上に表示されてもよい。
段階1014において、電子割当て指標は、連続的にキャプチャおよび表示されているライブ眼画像上で更新およびオーバーレイされる。この場合も、電子割当て指標は、リアルタイム術中眼光学特性測定デバイスに対して眼がさらに良好にアライメントされたかに基づいて、および/または、内蔵のデータ処理アルゴリズムもしくは術者の主観的決定によって判定されうるように、測定によるデータがさらに良質なものであるかに基づいて、更新されてもよい。さらに、更新は手術の異なるステージにおいて行われてもよくかつその可能性が高いのであり、このとき、前述のように、1つまたは複数の更新された電子割当て指標/マーキングが表示され、かつライブ眼画像に対して参照/トラッキングされる。
白内障屈折矯正手術の手術アウトカムをさらに向上させるため、乱視中和/矯正軸の決定において、および、無水晶体ステージにおけるトーリックIOLの選択において、追加の非一時的な手術誘発性作用(術創閉鎖など)および創傷治癒作用もまた考慮に入れられてもよい。例として、無水晶体ステージから眼が完全に回復したステージまでにおいて、一時的な手術誘発性要因(特に開瞼器の適用および除去の作用)の除去に加えて、角膜切開の創閉鎖治癒作用が、患者の眼の乱視特性(および球面特性)にさらなる変化を引き続き引き起こす主要因であると仮定できる。また、無水晶体ステージにおいて、眼の屈折特性の測定を行っており、そして図7に示すように一時的な手術誘発性の乱視(および球面)成分を除去して角膜のみの乱視(および角膜のみの球面値)を決定しているとも仮定できる。しかし、図7の角膜のみのベクトル Ccornea-alone は、角膜の切開など少なくともいくつかの非一時的な外科的要因の影響を含んでいるが、切開の閉鎖および治癒は含んでいない。したがって、角膜のみの乱視(および球面値)の矯正は、たとえ一時的な手術誘発性乱視が除去されていても、切開の閉鎖および治癒プロセスにおいてさらに誘発されうる残存乱視(および球面値)を完全に打ち消すには充分でないと考えられる。
図11に、手術アウトカムをさらに向上させるために切開閉鎖治癒作用をどのようにさらに含めるかについての例示的態様を示す。この倍角ベクトル図において、角膜のみの乱視のベクトル Ccornea-alone に加えて、切開閉鎖治癒の乱視のベクトル Cincision-sealing-and-healing もある。このベクトル Cincision-sealing-and-healing は、特定の術者個人について徐々に確立されてもよいデータベースから、人種的背景が似た比較的多数の患者について、角膜のみの乱視成分のベクトルと、完全に回復した眼の創傷治癒した乱視成分のベクトルとの間の公称乱視ベクトルを統計的に見出すことによって得られてもよい。
図11に示されているように、現在手術中の患者の角膜のみの乱視のベクトル Ccornea-alone と、統計的な名目切開閉鎖治癒乱視のベクトル Cincision-sealing-and-healing とのベクトル和は、充分に補償される必要がある、最も可能性が高い最終残存乱視ベクトル Cfinal-remnant とみなすことができる。この数値例において、概念を例証するための数学を単純にするために本発明者らが仮定したところによれば、統計的な名目切開閉鎖治癒乱視のベクトル Cincision-sealing-and-healing は大きさが0.50ジオプトリーで、指向方向の角度は倍角ベクトル図において60°であり(これは、眼空間において、この統計的な名目切開閉鎖治癒乱視成分は大きさが0.50ジオプトリーで、乱視軸角度が30°であることを意味する)、一方、角膜のみの乱視のベクトル Ccornea-alone は、図7に示されているのと同じく、大きさが0.866ジオプトリーで指向角度が330°である。0.866ジオプトリーの Ccornea-alone ベクトルと、0.50ジオプトリーの Cincision-sealing-and-healing ベクトルとの間の(倍角ベクトル図における)相対角度が90°であるから、ベクトル加法/減法作図もしくは三角法、または、極座標もしくはデカルト座標に基づくベクトル解析を用いると、最も可能性が高い最終残存乱視ベクトル Cfinal-remnant は、大きさがsqrt(0.8662 + 0.52) = 1.00 ジオプトリーで指向方向角度が0°のベクトルであることが見出される。この最も可能性が高い最終残存乱視ベクトルは、眼空間に変換されたとき、大きさが1.00ジオプトリーで、乱視軸が0°(0°の半分はやはり0°である)となる。
したがって、手術中の眼の、この最も可能性が高い残存乱視(および球面値)を充分に補償するためには、無水晶体ステージで選択されるトーリックIOLは、1.00ジオプトリーの円柱値を打ち消すかまたは中和できかつ乱視矯正/中和の目標軸が0°である乱視成分または円柱成分を有するとともに、ベクトルではなくスカラーによる球面ジオプトリー加法および減法を用いて同様に決定されてもよい球面成分も有するべきである。換言すると、この例示的態様において、電子指標/マークの目標軸802は、0°の角度または患者の眼の水平方向に沿って配向され、そして、IOLの S+C 値の大きさは、球面値スカラー加法/減法およびベクトル Cfinal-remnant によってそれぞれ決定される。
次に、トーリックIOLを外科的に移植する、向上した手技を説明する。トーリックIOLの目的は、球面屈折異常の矯正に加えて、角膜の非球面的な「フットボール形状」によって引き起こされる乱視を補償および/または矯正することである。ここで、図12のフローチャート、図7および図11のベクトル図、ならびに図8の像が参照される。典型的に、患者の角膜の前面形状の角膜曲率測定が手術前に行われ、そしてこれらの測定に基づいて角膜曲率性乱視の軸および度数が計算される。トーリックIOLは、眼上にマーキングされた乱視矯正/中和の軸にアライメントされるための、乱視矯正の軸を示すマーキングを有する。
この例において、本発明者らは、手術前に角膜曲率測定が行われていると仮定する。無水晶体ステージより前は波面測定より角膜曲率測定のほうが好ましく、これはなぜならば、一般に白内障の水晶体は曇っており、波面測定の結果に影響を及ぼしうるような予測不可能な様式で光を散乱させる可能性があるからである。本発明者らはまた、無水晶体ステージにおいて、1つは術中の角膜曲率測定、他方は術中の屈折測定または波面測定という、2つの術中測定が行われていることも仮定する。本発明者らはまた、角膜のみの乱視/球面値を明らかにするためにこれら2つの術中測定および術前の角膜曲率測定によるデータが処理されていること、ならびに、選択されるトーリックIOLの S+C×Axis 値を見出すために統計的な名目切開閉鎖治癒誘発性の乱視および球面値が計算に入れられていることも仮定する。すると図8における破線軸802は、眼の最も可能性が高い最終残存乱視の乱視軸の配向を表す。対応する角膜のみの乱視のベクトルは図7および図11の Ccornea-alone として描出され、そして対応する最も可能性が高い最終残存乱視のベクトルは図11の Cfinal-remnant として描出される。角膜のみの S+C×Axis 値および最も可能性が高い最終残存 S+C×Axis 値は図8に表示されていないが、必要であればいずれかまたは両方が表示されてもよい。
この例示的態様において、トーリックIOLの S+C×Axis 値という点におけるIOL処方は図8に表示されておらず(ただし、もし望ましいのであれば表示されてもよい)、図8においてディスプレイの右上隅に示されている S+C×Axis 値は、数週間または数か月して眼が完全に回復した後になくなると考えられる、一時的および術者特異的な外科的要因によって誘発される乱視成分および球面成分がデジタル的に除去された、手術中の眼のリアルタイム屈折測定結果である。
図12に、トーリックIOLを外科的に移植する、向上した手技の例示的フローチャートを示す。プロセス段階1202において、術者は、手術中の患者の眼の最も可能性が高い最終残存乱視成分および球面成分を打ち消すように選択された乱視成分および球面成分を有するトーリックIOLを移植する。一般に、トーリックIOLは1方向に容易に回転できるように設計されており、この実施例においては時計回り方向である。術者は一般に、次にトーリックIOLを目標軸まで回転できるよう、トーリックIOLの軸が目標軸から反時計回りに数度の位置になるようにトーリックIOLを移植する。
手術中、プロセス段階1204において、術者は、マーキングされた目標軸802にトーリックIOLの軸が近づきそしてこれにアライメントするように、トーリックIOLを回転させる。
目標とされる術後眼が正視であるならば、2つの軸がアライメントされたとき、図8の窓に表示されるようなリアルタイム S+C 値(810)はゼロに近づく。随意的な段階として、プロセス段階1206において、術者はまた、手術中の眼のリアルタイム屈折測定結果であるが、同じ眼の外科的に充分回復した状態に対して参照された結果も見て、そして、リアルタイム屈折が正視眼または目標最終屈折に近づくまでトーリックIOLの位置および軸を微調整または漸増減する。
別の代替として、プロセス段階1208において、術者はまた、患者の眼から開瞼器が除去された後、手術の最後にもリアルタイム屈折結果をチェックしてもよい。この場合、術者は、リアルタイム屈折測定結果を、開瞼器あり表示形式(すなわち、測定結果から一時的な手術誘発性要因がデジタル的に除去されたもの)から、開瞼器なし表示形式(すなわち、開瞼器がすでに除去されているので、一時的な手術誘発性要因のデジタル除去をしていないもの)へと切り替える選択肢を有していてもよい。この切り替えは、一時的な外科的要因のデジタル除去の正確性および精密性について、より良好な実験的確認を提供する。実験的確認はまた、同様の眼の創傷治癒誘発性の屈折変化についての統計をさらに向上させるために、確立されたデータベースを増大させるデータポイントとしても機能してもよい。
また別の代替として、プロセス段階1210において、術者は、同じ眼が完全に回復してから数週間または数か月後に眼の屈折を再度チェックしてもよく、そしてこのとき、波面センサーが同じ眼のリアルタイム屈折を厳密に測定するよう、創傷治癒作用の影響がデジタル的に除去されるべきである。これは、最終的な実験的検証または確認として機能してもよく、そしてさらに測定結果は、確立されたデータベースのエンドポイントデータの正確性および精密性をさらに向上させるため、主観的なフォロプター検査の結果と比較されてもよい。
例示的態様の1つの独特の特徴は、無水晶体ステージにおいて、外科的要因が除去されれば存在しなくなる一時的な外科的要因によって誘発された屈折異常を除去して、角膜のみの屈折異常を術中に計算すること、および、術眼が回復する際に誘発される術者誘発性の屈折異常を考慮に入れることである。そのようにする際に、最適化された眼内レンズ(IOL)、特にトーリックIOLが、無水晶体ステージにおいて選択されてもよく、そしてその後、術中の偽水晶体ステージにおいて、IOLが適切に位置決めされたとき、特にトーリックIOLが適切に回転およびアライメントされたとき、ならびに、最終的に開瞼器が眼から除去されたときに確認もされてもよい。
例示的態様の別の独特の特徴は、手術中の眼のリアルタイム屈折であるが、術後眼(すなわち一時的な外科的要因がデジタル除去された状態)および同じ眼の術後の創傷治癒状態(すなわち一時的および術者誘発性の要因が除去された状態)に対して参照された、リアルタイム屈折の表示である。このアプローチにより、眼に余分の屈折変化を誘発した可能性がありかつ手術直後または手術から数週間もしくは数か月後になくなると考えられるすべての外科的要因が、個々の術者誘発性の残存屈折異常を含めて、リアルタイム屈折の計算から除去される。したがって、偽水晶体ステージにおいて、術者が、アライメント角度を微調整するため移植したトーリックIOLを回転させているか、または、LRIもしくはCRIを行っているかのいずれかであるとき、「最終タッチ」が正しい方向にあるのであれば、バーチャル術後眼または同じ眼の術後の創傷治癒状態に対して参照されたリアルタイム屈折は、正視眼の屈折または術者が決定した目標屈折に近づく。
留意されるべきこととして、眼特性測定、ライブ眼画像のキャプチャ/記録および表示、良質な測定データの選択、屈折矯正手術中の眼の乱視軸または乱視矯正/中和軸を同定するためのデータ処理、ならびに、電子的マーキング/登録という点について、細部の、異なるバリエーションがあってもよい。例えば、眼特性測定デバイスが、自動屈折計、収差計、波面センサー、角膜曲率計、角膜トポグラファー、または光干渉トポグラファー/トモグラファーに制限または限定される必要はない。測定デバイスは、点光源の網膜像を直接キャプチャでき、ひいては眼の点広がり関数を直接見出せる、網膜/眼底カメラでさえあってもよく、これは次に、眼の乱視特性、屈折特性、および/または収差特性の特徴付けに用いられてもよい。
ライブ眼画像キャプチャ用のデバイスが、近赤外カメラに制限される必要はない。デバイスは、可視波長域または他の波長域で作動するカメラであってもよい。デバイスは、例えば細隙灯生体顕微鏡であってもよい。デバイスはまた、手術用顕微鏡の補助観察ポートの接眼レンズに取り付けられてもよい、別個のカメラであってもよい。画像が前眼部に限定される必要はない。ライブ画像は、眼光学特性測定デバイスに対する眼のアライメントを判定するために用いられ、かつ眼のトラッキングにも用いられるため、眼の虹彩に加えて、参照用目印を含有する、眼の任意の部分が用いられてよい。この点に関して、ライブ眼画像は、白目、眼角、睫毛、外科的に/術者により置かれた基準点、または開瞼器であってもよく、さらには患者の頭部であってもよい。
眼光学特性測定データとライブ眼画像のフレームとの同期は、専用のチッププロセッサおよびコンピュータを含む、任意のデータプロセッサを用いて実現されてもよい。比較的良質な眼特性測定データの同定および選択は、追加的なアライメント検出手段を伴わずに、または伴って、内蔵のアルゴリズムまたはプログラムを用いてリアルタイムで自動的に実現されてもよい。しかし、同定および選択はまた、別個のデータプロセッサを用いるか、さらには術者もしくは看護師によって手動で、非リアルタイムで行われてもよい。眼が眼特性測定デバイスと良好にアライメントされたとき/された後で、かつ、眼の潅流など他の干渉がないときに、術者が良質であると考える測定データを主観的に選択できるよう、キャプチャされたライブ眼画像および眼光学特性測定結果は、デジタル的に記録されそしてOR(手術室)内で再生されてもよい。
手術症例の段階/プロセス、手術技法の因果関係、および他の影響を術者が検討するため、収集および記録された同期データが、再生中に閲覧されてもよい。これらの記録は、術者の技法および手技を向上させるため、術者のノモグラムを向上させるデータを収集するため、または訓練目的などのために、術者によって用いられてもよい。
眼の乱視軸または乱視矯正/中和軸の計算は、良質なデータを選択するジョブを行うのと同じデータプロセッサを用いて、または異なるプロセッサを用いて、行われてもよい。外科的要因の影響を伴わない参照用の眼光学特性測定がない場合、角膜前面(角膜曲率測定もしくは角膜トポグラフィー)もしくは角膜全体(自動屈折計もしくは波面センサーによって測定された無水晶体眼の屈折)のいずれか、または眼全体(有水晶体眼の自動屈折測定もしくは波面測定)の乱視軸が、乱視矯正/中和用の基準軸として直接用いられてもよい。外科的要因の著しい影響を伴わない第一の参照用の眼光学特性測定がある場合は、第一の測定が第二の測定と比較されてもよい。第一の参照用測定は、術前のもの(術前の角膜曲率測定もしくは術前の波面測定など)、または、術中のもの(開瞼器適用前の角膜曲率測定もしくは波面測定など)であってもよい。第一の参照用測定と第二の測定との比較は、外科的要因(開瞼器の適用など)の影響の結果として眼の乱視(および屈折)特性に変化があるかを見出すために用いられてもよい。変化がないかまたは無視できるものである場合は、基準軸を見つけるために、第二の測定の結果が直接用いられてもよい。著しい変化がある場合、これは、第二の測定によって測定された乱視軸を基準軸として直接用いることはできないことを示す。しかしその変化は、乱視矯正/中和の目標軸を見出すための計算に用いられてもよい。1種類より多くの第二の測定があってもよいこと、および、1種類より多くの第二の測定が組み合わされても良いことに留意されたい。
非常に有用な2つの第二の測定は、一組の開瞼器適用後の眼光学屈折特性測定、および、無水晶体状態での自動屈折測定または波面測定である。一組の開瞼器適用後の第二の測定は有水晶体ステージまたは無水晶体ステージのいずれかにおいて行われてもよく、そして、開瞼器適用の結果としての角膜形状または眼光学状態の変化を見出すため、一組の開瞼器適用前に行われた第一の参照用測定と比較されてもよい。外科的要因の適用前に測定された角膜の「フットボール」形状と、外科的要因の適用後に測定された「フットボール」形状との差は、外科的要因の適用によって誘発された、眼の乱視(および全体的な屈折)の軸および度数の変化を計算するために用いられてもよい。
無水晶体状態での自動屈折測定または波面測定は、無水晶体眼(角膜は伴うが天然の水晶体は伴わない眼)の乱視を直接明らかにする可能性がある。しかし、この測定の正確性は、適用された外科的要因によって誘発された角膜の歪みによって影響を受ける可能性がある。基準軸の正確性および精密性は、角膜形状の変化を計算に入れること、および、角膜が元の形状を取り戻すと仮定することによって、向上する可能性がある。基準軸の正確性および精密性は、創傷治癒プロセスの間に誘発される眼の屈折の変化を計算に入れることによって、なおさらに向上する可能性がある。術中のトーリックIOL回転、ならびに、トーリックIOLの選択、および、LRIまたはCRIを行う位置など他の手術手技の選択のために、乱視矯正/中和の目標軸を計算するうえで、乱視(および、球面値を含む全体的な屈折)において誘発された変化が、測定された無水晶体状態の乱視に繰り込まれてもよい。測定された無水晶体状態の乱視軸と異なる、この目標軸は、角膜が元の形状を取り戻した後、および眼が手術から完全に回復した後に、眼の乱視を打ち消すという点において、無水晶体状態の乱視軸より良好な参照を術者に与えると考えられる。
これも留意されるべき点として、術者は手術をごく短時間休止させ、基準軸を得るために1つまたは複数の良質な第二の測定を手動でかつ主観的に選択し、そしてそれから手術を続けてもよいので、第二の測定が同時的な測定に限定される必要はない。良質な眼光学特性測定データを主観的に選択する1つの理由は、眼の乱視特性に影響しうるが内蔵アルゴリズムによって容易には検出されない外科的要因が存在する可能性があるからである。そのような要因の例としては、眼の灌流、水晶体嚢内に残存する水晶体もしくは皮質の不完全な除去、または、眼内の光学バブル(optical bubble)の存在などがある。これらは術者のほうがより良好に同定できるため、時として主観的な選択のほうが良好な結果につながることがある。第二の測定データはまた、患者のグループについて取得されそして統計的に解析されたものであってもよいことに留意されたい。1例は、術者個人に特異的な術者誘発性の残存乱視である。
乱視軸、目標軸、または乱視矯正/中和の予測軸についての指標の電子割当て、および、ライブ眼画像を伴う指標の登録は、同じデータプロセッサまたは異なるプロセッサによって行われてもよい。ディスプレイは、手術用顕微鏡のもの、別個のディスプレイ/モニター、ヘッドアップディスプレイ、または、手術用顕微鏡の双眼鏡の1つもしくは両方の内部の内蔵半透明ディスプレイであってもよい。電子的マーキング/登録は、角度目盛りを伴う角度測定用ダイアルまたは十字線、および、乱視軸または乱視矯正/中和の目標軸を示す直線の形式であってもよい。しかしマーキング/登録はまた、乱視軸を示す矢印の形式など、他の形式であってもよい。乱視軸または乱視矯正/中和の目標軸のマーキング/登録はまた、角度目盛りを有するダイアルまたは十字線の周りの、強調された目印マークであってもよい。
これもまた留意されるべき点として、本発明者はここまでの説明の大部分について屈折以上または屈折度数を用いてきたが、本発明の概念は眼のより低次およびより高次の収差を含めるように直接的に拡大されうる。換言すると、眼光学特性測定の結果は、角膜前面および/または眼全体の二次収差のみならず、角膜前面および/または眼全体の三次、四次、および他の高次収差もまた含んでいてもよい。したがって、焦点はずれおよび乱視(すなわち、球面値および円柱値)を含む二次収差に加えて、本説明は他のすべての次数の収差成分に適用されてもよい。
本明細書に説明されているさまざまな態様は、白内障手術、LASIK、PRK、LRI/CRI、フェムト秒レーザー手術などの屈折矯正手術に加えて、任意のリアルタイム視力矯正手技に適用されてもよい。本発明の例示的態様はまた、リアルタイム波面に影響を及ぼす相互因子を有している可能性がある、任意のリアルタイム波面矯正デバイスにもまた適用されてもよい。
本発明の教示を組み入れたさまざまな態様を本明細書において詳しく説明してきたが、当業者は、これら教示を組み入れたまま他の種々の態様を容易に考案できるであろう。
[本発明1001]
第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされるような、リアルタイム術中波面センサーと;
該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
[本発明1002]
データプロセッサが、屈折矯正手術の間に角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1003]
角膜のみの乱視成分を表示するように構成された、データプロセッサに結合されたディスプレイをさらに具備する、本発明1002の装置。
[本発明1004]
屈折矯正手術の間の眼が無水晶体状態にあるときに、角膜のみの乱視成分を出力するようにデータプロセッサがさらに構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1005]
第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体が除去される前に(有水晶体状態で)測定された、患者の眼の第一の有水晶体状態の角膜形状測定を出力し、かつ、該第一の術中インターバルの間に測定された、患者の眼の第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を出力するように構成された、術中用角膜形状測定デバイスをさらに具備し;かつ
データプロセッサが、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を受け取るため該術中用角膜形状測定デバイスにさらに結合されており、かつ、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定に基づいて一時的な乱視成分を計算するようにさらに構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1006]
術中用角膜形状測定デバイスが、角膜曲率計、角膜計、角膜トポグラファー、または光干渉トポグラファー/トモグラファーである、本発明1005の装置。
[本発明1007]
リアルタイム術中波面センサーが、波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻され、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されており;かつ
データプロセッサが、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の屈折成分を計算するようにさらに構成され、かつ一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の屈折成分と第二の屈折成分との差を計算するように構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1008]
リアルタイム術中波面センサーが、波面の第四セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされ、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
データプロセッサが、該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ該偽水晶体状態の乱視成分を出力するようにさらに構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1009]
手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサーおよびデータプロセッサが該ハウジング内に配されている、本発明1001の装置。
[本発明1010]
手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサー、データプロセッサ、および術中用角膜形状測定デバイスが該ハウジング内に配されている、本発明1005の装置。
[本発明1011]
データプロセッサが、角膜のみの乱視成分と術者誘発性の乱視成分との和である、予期される術後乱視成分を計算し、かつ該予期される術後乱視成分を白内障屈折矯正手術の間に出力するように構成されている、本発明1001の装置。
[本発明1012]
第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、リアルタイム術中波面センサーと;
白内障屈折矯正手術の手技の間に該患者の眼のリアルタイムデジタル画像を出力するように構成されているリアルタイム眼カメラと;
該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、かつ該リアルタイムデジタル画像を受け取るために該リアルタイム眼カメラに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該患者の眼の該リアルタイムデジタル画像とともに該角膜のみの乱視成分が表示されているデジタル画像を該屈折矯正手術の間に出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の術中測定値を表示するための装置。
[本発明1013]
データプロセッサに接続されたディスプレイをさらに具備し、角膜のみの乱視成分が角膜のみの乱視軸を含み、該ディスプレイが、患者の眼のライブ眼画像と、該ライブ眼画像の動きに対してトラッキングされる該角膜のみの乱視軸とを表示するように構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1014]
第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体が除去される前(有水晶体状態)の、患者の眼の第一の有水晶体状態の角膜形状測定を出力し、かつ、該第一の術中インターバルの間の患者の眼の第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を出力するように構成された、術中用角膜形状測定デバイスをさらに具備し;かつ
データプロセッサが、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を受け取るため該術中用角膜形状測定デバイスにさらに結合されており、かつ、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定に基づいて一時的な乱視成分を計算するようにさらに構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1015]
術中用角膜形状測定デバイスが、角膜曲率計、角膜計、角膜トポグラファー、または光干渉トポグラファー/トモグラファーである、本発明1014の装置。
[本発明1016]
リアルタイム術中波面センサーが、波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻され、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
データプロセッサが、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の乱視成分と第二の乱視成分との差を計算するように構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1017]
リアルタイム術中波面センサーが、波面の第四セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされ、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;
データプロセッサが、該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ、眼のリアルタイムデジタル画像とともに角膜のみの乱視成分と該偽水晶体状態の乱視成分との両方が表示されているデジタル画像を生成するようにさらに構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1018]
角膜のみの乱視成分が角膜のみの乱視軸を含み、かつ偽水晶体状態の乱視成分が偽水晶体の乱視軸を含み、かつ
デジタルプロセッサが、角膜のみの乱視軸と偽水晶体の乱視軸との両方が眼のリアルタイムデジタル画像にオーバーレイしているデジタル画像を白内障屈折矯正手術の間にリアルタイムで出力するようにさらに構成されている、本発明1017の装置。
[本発明1019]
ユーザー入力デバイスをさらに具備し、かつ
データプロセッサが、術者または看護師からのユーザー入力に基づいて基準軸を更新するようにさらに構成されている、本発明1017の装置。
[本発明1020]
角膜のみの乱視軸が眼のリアルタイムデジタル画像にオーバーレイしているデジタル画像を記録するように構成されている記録用デバイスをさらに具備し、
プロセッサが、眼の該リアルタイムデジタル画像にオーバーレイしている該角膜のみの乱視軸の記録を術者または看護師が閲覧しているときに、該術者または看護師からのユーザー入力に基づいて基準軸を更新するようにさらに構成されている、本発明1019の装置。
[本発明1021]
データプロセッサに接続されたディスプレイをさらに具備し、該ディスプレイが、患者の眼のライブ眼画像と、該ライブ眼画像の動きに対してトラッキングされる角膜のみの乱視軸および偽水晶体の乱視軸とを表示するように構成されている、本発明1018の装置。
[本発明1022]
手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサー、リアルタイム眼カメラ、およびデータプロセッサが該ハウジング内に配されている、本発明1012の装置。
[本発明1023]
手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサー、術中用角膜形状測定デバイス、リアルタイム眼カメラ、およびデータプロセッサが該ハウジング内に配されている、本発明1014の装置。
[本発明1024]
データプロセッサが、角膜のみの乱視成分と術者誘発性の乱視成分との和である、予期される術後乱視成分を計算し、かつ該予期される術後乱視成分をリアルタイムで出力するように構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1025]
データプロセッサが、リアルタイム術中波面センサーに対する眼のアライメントを判定するために患者の眼のリアルタイムデジタル画像を処理するようにさらに構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1026]
データプロセッサが、眼のアライメントに基づいて測定データの質の判定基準を計算するようにさらに構成されている、本発明1025の装置。
[本発明1027]
データプロセッサが、
デジタル眼画像上の特定参照先に関連付けするための乱視矯正/中和の基準軸の指標を電子割当てし、かつライブ眼画像に対して参照された該指標を該ライブ眼画像上に表示し、かつ
より良質な眼特性測定データまたは手術状態の推移のいずれかに基づいて指標を更新する
ようにさらに構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1028]
良質な眼特性測定データのみの選択が、リアルタイム術中測定を行うために用いられている測定デバイスに対する患者の眼の位置と眼特性測定の信号強度レンジとを考慮に入れた基準に基づいている、本発明1027の装置。
[本発明1029]
データプロセッサが、白内障屈折矯正手術の間に乱視矯正/中和のための基準軸または目標軸を示す指標を割当てするようにさらに構成されており、基準軸は異なる手術状態における患者の眼の乱視軸であり、かつ目標軸は、一時的な乱視成分の除去および/または術者誘発性の乱視成分の追加を考慮に入れた、予期される術後の創傷治癒した患者の眼の乱視軸である、本発明1012の装置。
[本発明1030]
データプロセッサが、処置眼が完全に治癒した後の術後眼特性測定と比較するための情報を出力するようにさらに構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1031]
術者個人の実技習慣と特異的に関連する手術誘発性の残存乱視も考慮に入れた、乱視矯正/中和の目標軸を計算するためのノモグラムを確立するため、屈折矯正手術の術前、術中、および術後に収集された他の情報とともに処理するための情報を出力するように、データプロセッサがさらに構成されている、本発明1012の装置。
[本発明1032]
光を収集するための前端を有する手術用顕微鏡と;
第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、リアルタイム術中波面センサーと、
白内障屈折矯正手術の手技の間に該患者の眼のリアルタイムデジタル画像を出力するように構成されているリアルタイム眼カメラと、
該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、かつ該リアルタイムデジタル画像を受け取るために該リアルタイム眼カメラに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な屈折変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該患者の眼の該リアルタイムデジタル画像とともに該角膜のみの乱視成分が表示されているデジタル画像を、該白内障屈折矯正手術の間にリアルタイムで出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
を含む、該手術用顕微鏡の該前端に結合されたモジュールと
を具備する装置。
[本発明1033]
手術用顕微鏡が光路を有し、かつ
データプロセッサによって出力された、患者の眼のリアルタイムライブ顕微鏡像に角膜のみの乱視成分がオーバーレイしているデジタル画像を、屈折矯正手術の間にリアルタイムで表示するための、該光路内に配されかつ該データプロセッサに結合された透明ディスプレイ
をさらに含む、本発明1032の装置。
[本発明1034]
リアルタイム術中波面センサーが、波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻され、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
データプロセッサが、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の屈折成分を計算するようにさらに構成され、かつ一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の屈折成分と第二の屈折成分との差を計算するように構成されている、本発明1032の装置。
[本発明1035]
リアルタイム術中波面センサーが、波面の第四セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされ、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
データプロセッサが、該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ該偽水晶体状態の乱視成分を出力するようにさらに構成されている、本発明1032の装置。
[本発明1036]
第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされるような、リアルタイム術中波面センサーと;
該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該角膜のみの乱視成分を保存するようにさらに構成されている、データプロセッサと
を具備する、リアルタイム視力矯正手技の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
[本発明1037]
第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、リアルタイム術中波面センサーと;
該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから球面成分、無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該球面成分および該角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
[本発明1038]
データプロセッサが、屈折矯正手術の間に球面成分および角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、本発明1037の装置。
[本発明1039]
球面成分および角膜のみの乱視成分を表示するように構成された、データプロセッサに結合されたディスプレイをさらに具備する、本発明1037の装置。
[本発明1040]
第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするため、および、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するための手段であって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、手段と;
該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するため、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するため、および、該角膜のみの乱視成分を出力するための、該波面測定データを受け取るために該連続サンプリングするための手段に結合された手段と
を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
[本発明1041]
屈折矯正手術の間に角膜のみの乱視成分を出力するための手段をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1042]
角膜のみの乱視成分を表示するための手段をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1043]
屈折矯正手術の間の眼が無水晶体状態にあるときに、角膜のみの乱視成分を出力するための手段をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1044]
第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体が除去される前に(有水晶体状態で)測定された、患者の眼の第一の有水晶体状態の角膜形状測定を出力するため、および、該第一の術中インターバルの間に測定された、患者の眼の第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を出力するための手段と;
該第一の有水晶体状態の角膜形状測定と該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定とを受け取るため、および、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定に基づいて一時的な乱視成分を計算するための手段と
をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1045]
波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするため、および、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するための手段であって、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻される、手段と;
該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の屈折成分を計算するため、および、一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の屈折成分と第二の屈折成分との差を計算するための手段と
をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1046]
波面の第四セットをサンプリングするため、および、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するための手段であって、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされる、手段と;
該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するため、および、該偽水晶体状態の乱視成分を出力するための手段と
をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1047]
本発明1001の装置を手術用顕微鏡に取り付けるかまたは統合するための手段をさらに具備する、本発明1040の装置。
[本発明1048]
本発明1005の装置を手術用顕微鏡に取り付けるかまたは統合するための手段をさらに具備する、本発明1044の装置。
[本発明1049]
角膜のみの乱視成分と術者誘発性の乱視成分との和である、予期される術後乱視成分を計算するため、および、該予期される術後乱視成分を白内障屈折矯正手術の間に出力するための手段をさらに具備する、本発明1040の装置。
さらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に照らして明らかになるであろう。

Claims (49)

  1. 第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされるような、リアルタイム術中波面センサーと;
    該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
    を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
  2. データプロセッサが、屈折矯正手術の間に角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、請求項1記載の装置。
  3. 角膜のみの乱視成分を表示するように構成された、データプロセッサに結合されたディスプレイをさらに具備する、請求項2記載の装置。
  4. 屈折矯正手術の間の眼が無水晶体状態にあるときに、角膜のみの乱視成分を出力するようにデータプロセッサがさらに構成されている、請求項1記載の装置。
  5. 第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体が除去される前に(有水晶体状態で)測定された、患者の眼の第一の有水晶体状態の角膜形状測定を出力し、かつ、該第一の術中インターバルの間に測定された、患者の眼の第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を出力するように構成された、術中用角膜形状測定デバイスをさらに具備し;かつ
    データプロセッサが、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を受け取るため該術中用角膜形状測定デバイスにさらに結合されており、かつ、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定に基づいて一時的な乱視成分を計算するようにさらに構成されている、請求項1記載の装置。
  6. 術中用角膜形状測定デバイスが、角膜曲率計、角膜計、角膜トポグラファー、または光干渉トポグラファー/トモグラファーである、請求項5記載の装置。
  7. リアルタイム術中波面センサーが、波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻され、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されており;かつ
    データプロセッサが、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の屈折成分を計算するようにさらに構成され、かつ一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の屈折成分と第二の屈折成分との差を計算するように構成されている、請求項1記載の装置。
  8. リアルタイム術中波面センサーが、波面の第四セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされ、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
    データプロセッサが、該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ該偽水晶体状態の乱視成分を出力するようにさらに構成されている、請求項1記載の装置。
  9. 手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサーおよびデータプロセッサが該ハウジング内に配されている、請求項1記載の装置。
  10. 手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサー、データプロセッサ、および術中用角膜形状測定デバイスが該ハウジング内に配されている、請求項5記載の装置。
  11. データプロセッサが、角膜のみの乱視成分と術者誘発性の乱視成分との和である、予期される術後乱視成分を計算し、かつ該予期される術後乱視成分を白内障屈折矯正手術の間に出力するように構成されている、請求項1記載の装置。
  12. 第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、リアルタイム術中波面センサーと;
    白内障屈折矯正手術の手技の間に該患者の眼のリアルタイムデジタル画像を出力するように構成されているリアルタイム眼カメラと;
    該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、かつ該リアルタイムデジタル画像を受け取るために該リアルタイム眼カメラに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該患者の眼の該リアルタイムデジタル画像とともに該角膜のみの乱視成分が表示されているデジタル画像を該屈折矯正手術の間に出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
    を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の術中測定値を表示するための装置。
  13. データプロセッサに接続されたディスプレイをさらに具備し、角膜のみの乱視成分が角膜のみの乱視軸を含み、該ディスプレイが、患者の眼のライブ眼画像と、該ライブ眼画像の動きに対してトラッキングされる該角膜のみの乱視軸とを表示するように構成されている、請求項12記載の装置。
  14. 第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体が除去される前(有水晶体状態)の、患者の眼の第一の有水晶体状態の角膜形状測定を出力し、かつ、該第一の術中インターバルの間の患者の眼の第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を出力するように構成された、術中用角膜形状測定デバイスをさらに具備し;かつ
    データプロセッサが、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を受け取るため該術中用角膜形状測定デバイスにさらに結合されており、かつ、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定に基づいて一時的な乱視成分を計算するようにさらに構成されている、請求項12記載の装置。
  15. 術中用角膜形状測定デバイスが、角膜曲率計、角膜計、角膜トポグラファー、または光干渉トポグラファー/トモグラファーである、請求項14記載の装置。
  16. リアルタイム術中波面センサーが、波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻され、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
    データプロセッサが、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の乱視成分と第二の乱視成分との差を計算するように構成されている、請求項12記載の装置。
  17. リアルタイム術中波面センサーが、波面の第四セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされ、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;
    データプロセッサが、該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ、眼のリアルタイムデジタル画像とともに角膜のみの乱視成分と該偽水晶体状態の乱視成分との両方が表示されているデジタル画像を生成するようにさらに構成されている、請求項12記載の装置。
  18. 角膜のみの乱視成分が角膜のみの乱視軸を含み、かつ偽水晶体状態の乱視成分が偽水晶体の乱視軸を含み、かつ
    デジタルプロセッサが、角膜のみの乱視軸と偽水晶体の乱視軸との両方が眼のリアルタイムデジタル画像にオーバーレイしているデジタル画像を白内障屈折矯正手術の間にリアルタイムで出力するようにさらに構成されている、請求項17記載の装置。
  19. ユーザー入力デバイスをさらに具備し、かつ
    データプロセッサが、術者または看護師からのユーザー入力に基づいて基準軸を更新するようにさらに構成されている、請求項17記載の装置。
  20. 角膜のみの乱視軸が眼のリアルタイムデジタル画像にオーバーレイしているデジタル画像を記録するように構成されている記録用デバイスをさらに具備し、
    プロセッサが、眼の該リアルタイムデジタル画像にオーバーレイしている該角膜のみの乱視軸の記録を術者または看護師が閲覧しているときに、該術者または看護師からのユーザー入力に基づいて基準軸を更新するようにさらに構成されている、請求項19記載の装置。
  21. データプロセッサに接続されたディスプレイをさらに具備し、該ディスプレイが、患者の眼のライブ眼画像と、該ライブ眼画像の動きに対してトラッキングされる角膜のみの乱視軸および偽水晶体の乱視軸とを表示するように構成されている、請求項18記載の装置。
  22. 手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサー、リアルタイム眼カメラ、およびデータプロセッサが該ハウジング内に配されている、請求項12記載の装置。
  23. 手術用顕微鏡に取り付けまたは統合されるように構成されたハウジングをさらに具備し、リアルタイム術中波面センサー、術中用角膜形状測定デバイス、リアルタイム眼カメラ、およびデータプロセッサが該ハウジング内に配されている、請求項14記載の装置。
  24. データプロセッサが、角膜のみの乱視成分と術者誘発性の乱視成分との和である、予期される術後乱視成分を計算し、かつ該予期される術後乱視成分をリアルタイムで出力するように構成されている、請求項12記載の装置。
  25. データプロセッサが、リアルタイム術中波面センサーに対する眼のアライメントを判定するために患者の眼のリアルタイムデジタル画像を処理するようにさらに構成されている、請求項12記載の装置。
  26. データプロセッサが、眼のアライメントに基づいて測定データの質の判定基準を計算するようにさらに構成されている、請求項25記載の装置。
  27. データプロセッサが、
    デジタル眼画像上の特定参照先に関連付けするための乱視矯正/中和の基準軸の指標を電子割当てし、かつライブ眼画像に対して参照された該指標を該ライブ眼画像上に表示し、かつ
    より良質な眼特性測定データまたは手術状態の推移のいずれかに基づいて指標を更新する
    ようにさらに構成されている、請求項12記載の装置。
  28. 良質な眼特性測定データのみの選択が、リアルタイム術中測定を行うために用いられている測定デバイスに対する患者の眼の位置と眼特性測定の信号強度レンジとを考慮に入れた基準に基づいている、請求項27記載の装置。
  29. データプロセッサが、白内障屈折矯正手術の間に乱視矯正/中和のための基準軸または目標軸を示す指標を割当てするようにさらに構成されており、基準軸は異なる手術状態における患者の眼の乱視軸であり、かつ目標軸は、一時的な乱視成分の除去および/または術者誘発性の乱視成分の追加を考慮に入れた、予期される術後の創傷治癒した患者の眼の乱視軸である、請求項12記載の装置。
  30. データプロセッサが、処置眼が完全に治癒した後の術後眼特性測定と比較するための情報を出力するようにさらに構成されている、請求項12記載の装置。
  31. 術者個人の実技習慣と特異的に関連する手術誘発性の残存乱視も考慮に入れた、乱視矯正/中和の目標軸を計算するためのノモグラムを確立するため、屈折矯正手術の術前、術中、および術後に収集された他の情報とともに処理するための情報を出力するように、データプロセッサがさらに構成されている、請求項12記載の装置。
  32. 光を収集するための前端を有する手術用顕微鏡と;
    第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、リアルタイム術中波面センサーと、
    白内障屈折矯正手術の手技の間に該患者の眼のリアルタイムデジタル画像を出力するように構成されているリアルタイム眼カメラと、
    該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、かつ該リアルタイムデジタル画像を受け取るために該リアルタイム眼カメラに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な屈折変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該患者の眼の該リアルタイムデジタル画像とともに該角膜のみの乱視成分が表示されているデジタル画像を、該白内障屈折矯正手術の間にリアルタイムで出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
    を含む、該手術用顕微鏡の該前端に結合されたモジュールと
    を具備する装置。
  33. 手術用顕微鏡が光路を有し、かつ
    データプロセッサによって出力された、患者の眼のリアルタイムライブ顕微鏡像に角膜のみの乱視成分がオーバーレイしているデジタル画像を、屈折矯正手術の間にリアルタイムで表示するための、該光路内に配されかつ該データプロセッサに結合された透明ディスプレイ
    をさらに含む、請求項32記載の装置。
  34. リアルタイム術中波面センサーが、波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻され、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
    データプロセッサが、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の屈折成分を計算するようにさらに構成され、かつ一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の屈折成分と第二の屈折成分との差を計算するように構成されている、請求項32記載の装置。
  35. リアルタイム術中波面センサーが、波面の第四セットをサンプリングするように構成されており、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされ、かつ該リアルタイム術中波面センサーは、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成され;かつ
    データプロセッサが、該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するようにさらに構成され、かつ該偽水晶体状態の乱視成分を出力するようにさらに構成されている、請求項32記載の装置。
  36. 第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされるような、リアルタイム術中波面センサーと;
    該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該角膜のみの乱視成分を保存するようにさらに構成されている、データプロセッサと
    を具備する、リアルタイム視力矯正手技の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
  37. 第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするように構成され、かつ、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するように構成されている、リアルタイム術中波面センサーであって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、リアルタイム術中波面センサーと;
    該波面測定データを受け取るために該リアルタイム術中波面センサーに結合され、該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから球面成分、無水晶体状態の乱視成分を計算するように、かつ、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するように構成され、かつ、該球面成分および該角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、データプロセッサと
    を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
  38. データプロセッサが、屈折矯正手術の間に球面成分および角膜のみの乱視成分を出力するようにさらに構成されている、請求項37記載の装置。
  39. 球面成分および角膜のみの乱視成分を表示するように構成された、データプロセッサに結合されたディスプレイをさらに具備する、請求項37記載の装置。
  40. 第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻された波面の第一セットを連続的にサンプリングするため、および、該波面の第一セットを特徴付けする波面測定データを出力するための手段であって、該患者の眼の術前測定乱視成分に一時的な変化を引き起こす一時的な手術誘発性要因が該第一の術中タイムインターバルの間に生じ、該波面の第一セットは水晶体の除去後に(無水晶体状態で)サンプリングされる、手段と;
    該波面の第一セットのサンプルを特徴付けする波面データから無水晶体状態の乱視成分を計算するため、該無水晶体状態の乱視成分と、該一時的な手術誘発性要因によって引き起こされた一時的な乱視変化の測定値である一時的な乱視成分との差である、角膜のみの乱視成分を計算するため、および、該角膜のみの乱視成分を出力するための、該波面測定データを受け取るために該連続サンプリングするための手段に結合された手段と
    を具備する、白内障屈折矯正手術の間に患者の眼の乱視成分を測定するための装置。
  41. 屈折矯正手術の間に角膜のみの乱視成分を出力するための手段をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  42. 角膜のみの乱視成分を表示するための手段をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  43. 屈折矯正手術の間の眼が無水晶体状態にあるときに、角膜のみの乱視成分を出力するための手段をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  44. 第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体が除去される前に(有水晶体状態で)測定された、患者の眼の第一の有水晶体状態の角膜形状測定を出力するため、および、該第一の術中インターバルの間に測定された、患者の眼の第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定を出力するための手段と;
    該第一の有水晶体状態の角膜形状測定と該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定とを受け取るため、および、該第一の有水晶体状態の角膜形状測定および該第二の有水晶体状態または無水晶体状態の角膜形状測定に基づいて一時的な乱視成分を計算するための手段と
    をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  45. 波面の第二セットおよび第三セットをサンプリングするため、および、該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面測定データを出力するための手段であって、該波面の第二セットは第一の術中タイムインターバルより前かつ水晶体の除去より前に(有水晶体状態で)患者の眼から戻され、かつ該波面の第三セットは該第一の術中タイムインターバルの間でかつ患者の眼が有水晶体状態にあるときに患者の眼から戻される、手段と;
    該波面の第二セットおよび第三セットを特徴付けする波面データから有水晶体状態の第一および第二の屈折成分を計算するため、および、一時的な乱視成分を得るために該有水晶体状態の第一の屈折成分と第二の屈折成分との差を計算するための手段と
    をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  46. 波面の第四セットをサンプリングするため、および、該波面の第四セットを特徴付けする波面測定データを出力するための手段であって、該波面の第四セットは第一の術中タイムインターバルの間に患者の眼から戻され、かつ眼内レンズの移植後に(偽水晶体状態で)サンプリングされる、手段と;
    該波面の第四セットを特徴付けする波面データから偽水晶体状態の乱視成分を計算するため、および、該偽水晶体状態の乱視成分を出力するための手段と
    をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  47. 請求項1記載の装置を手術用顕微鏡に取り付けるかまたは統合するための手段をさらに具備する、請求項40記載の装置。
  48. 請求項5記載の装置を手術用顕微鏡に取り付けるかまたは統合するための手段をさらに具備する、請求項44記載の装置。
  49. 角膜のみの乱視成分と術者誘発性の乱視成分との和である、予期される術後乱視成分を計算するため、および、該予期される術後乱視成分を白内障屈折矯正手術の間に出力するための手段をさらに具備する、請求項40記載の装置。
JP2015540664A 2012-11-06 2013-08-23 眼の電子的マーキング/登録 Pending JP2015536191A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261723254P 2012-11-06 2012-11-06
US61/723,254 2012-11-06
US13/950,193 2013-07-24
US13/950,193 US9332899B2 (en) 2012-11-06 2013-07-24 Electronic eye marking/registration
PCT/US2013/056510 WO2014074206A1 (en) 2012-11-06 2013-08-23 Electronic eye marking/registration

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015536191A true JP2015536191A (ja) 2015-12-21

Family

ID=50622064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015540664A Pending JP2015536191A (ja) 2012-11-06 2013-08-23 眼の電子的マーキング/登録

Country Status (11)

Country Link
US (1) US9332899B2 (ja)
EP (1) EP2903497B1 (ja)
JP (1) JP2015536191A (ja)
KR (1) KR20150083119A (ja)
CN (1) CN105263394A (ja)
AU (1) AU2013341699A1 (ja)
BR (1) BR112015010128A2 (ja)
CA (1) CA2889335A1 (ja)
RU (1) RU2637287C2 (ja)
TW (1) TWI552737B (ja)
WO (1) WO2014074206A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019514569A (ja) * 2016-05-02 2019-06-06 ノバルティス アーゲー レーザ手術のための患者のアイレジストレーション用オーバレイ画像形成

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9168173B2 (en) 2008-04-04 2015-10-27 Truevision Systems, Inc. Apparatus and methods for performing enhanced visually directed procedures under low ambient light conditions
US10117721B2 (en) 2008-10-10 2018-11-06 Truevision Systems, Inc. Real-time surgical reference guides and methods for surgical applications
US9226798B2 (en) 2008-10-10 2016-01-05 Truevision Systems, Inc. Real-time surgical reference indicium apparatus and methods for surgical applications
US9173717B2 (en) * 2009-02-20 2015-11-03 Truevision Systems, Inc. Real-time surgical reference indicium apparatus and methods for intraocular lens implantation
US9655517B2 (en) 2012-02-02 2017-05-23 Visunex Medical Systems Co. Ltd. Portable eye imaging apparatus
US20150021228A1 (en) 2012-02-02 2015-01-22 Visunex Medical Systems Co., Ltd. Eye imaging apparatus and systems
US9179840B2 (en) 2012-03-17 2015-11-10 Visunex Medical Systems Co. Ltd. Imaging and lighting optics of a contact eye camera
US9351639B2 (en) 2012-03-17 2016-05-31 Visunex Medical Systems Co. Ltd. Eye imaging apparatus with a wide field of view and related methods
ES2813625T3 (es) 2012-08-30 2021-03-24 Alcon Inc Sistema y procedimientos de formación de imágenes que visualizan una imagen reconstruida multidimensional fusionada
US9986908B2 (en) 2014-06-23 2018-06-05 Visunex Medical Systems Co. Ltd. Mechanical features of an eye imaging apparatus
US11357474B2 (en) * 2014-09-15 2022-06-14 Peter Fedor Method of quantitative analysis and imaging of the anterior segment of the eye
WO2016123138A1 (en) 2015-01-26 2016-08-04 Visunex Medical Systems Co. Ltd. A disposable cap for an eye imaging apparatus and related methods
US10820794B2 (en) 2015-11-06 2020-11-03 Canon Kabushiki Kaisha Pupil monitoring method for adaptive optics imaging system
CN114404140B (zh) * 2016-09-12 2024-04-05 雷萨公司 用于将装置对准入眼睛结构的激光方法和系统
TWI649067B (zh) * 2017-03-01 2019-02-01 醫百科技股份有限公司 Positioning corrector
US10917543B2 (en) 2017-04-24 2021-02-09 Alcon Inc. Stereoscopic visualization camera and integrated robotics platform
US11083537B2 (en) 2017-04-24 2021-08-10 Alcon Inc. Stereoscopic camera with fluorescence visualization
US10299880B2 (en) 2017-04-24 2019-05-28 Truevision Systems, Inc. Stereoscopic visualization camera and platform
WO2019229696A1 (en) 2018-05-30 2019-12-05 Alcon Inc. System and method for nomogram-based refractive laser surgery
EP3893717A4 (en) * 2018-12-12 2022-09-14 Tesseract Health, Inc. BIOMETRIC IDENTIFICATION METHODS
CN109363625B (zh) * 2018-12-17 2021-07-13 温州医科大学 一种在线标示散光轴位的扩增实境系统
DE102019101409B4 (de) * 2019-01-21 2021-12-30 Oculus Optikgeräte GmbH Verfahren und Sehprüfsystem zum Überprüfen der Augen
CN110797122B (zh) * 2019-11-20 2024-04-16 杭州明视康眼科医院有限公司 一种用于角膜屈光矫正的定量调整纵向球差的方法
JP2023505042A (ja) * 2019-12-10 2023-02-08 アルコン インコーポレイティド 光学パラメータを測定するための方法及びシステム
CN111513917B (zh) * 2020-05-22 2022-03-22 杭州明视康眼科医院有限公司 一种散光型icl术后残留散光的转位调整方法并预估转位调整后的屈光度的方法
AU2021283398A1 (en) 2020-06-01 2023-01-05 Icares Medicus, Inc. Double-sided aspheric diffractive multifocal lens, manufacture, and uses thereof
CN114522020B (zh) * 2022-02-21 2022-12-02 华中科技大学 一种个性化屈光手术装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533412A (ja) * 2004-04-20 2007-11-22 ウェーブテック・ビジョン・システムズ・インコーポレイテッド 一体化した手術用顕微鏡および波面センサ

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100603543B1 (ko) * 1999-10-21 2006-07-24 테크노라스 게엠베하 옵탈몰로지쉐 시스템 광학 치료용 홍체 인식 및 추적
US6609794B2 (en) * 2001-06-05 2003-08-26 Adaptive Optics Associates, Inc. Method of treating the human eye with a wavefront sensor-based ophthalmic instrument
US7175278B2 (en) * 2003-06-20 2007-02-13 Visx, Inc. Wavefront reconstruction using fourier transformation and direct integration
DE602004024193D1 (de) * 2004-08-11 2009-12-31 Max Planck Gesellschaft Verfahren und Vorrichtung zur Messung von Wellenfronten
US7445335B2 (en) * 2006-01-20 2008-11-04 Clarity Medical Systems, Inc. Sequential wavefront sensor
US8100530B2 (en) 2006-01-20 2012-01-24 Clarity Medical Systems, Inc. Optimizing vision correction procedures
US8777413B2 (en) * 2006-01-20 2014-07-15 Clarity Medical Systems, Inc. Ophthalmic wavefront sensor operating in parallel sampling and lock-in detection mode
WO2009008120A1 (ja) 2007-07-12 2009-01-15 Yuichi Sugiyama 膜タンパク質の安定化剤及び安定化方法
DE102008011608A1 (de) * 2008-02-28 2009-09-03 Carl Zeiss Surgical Gmbh Vorsatzeinrichtung für eine optische Beobachtungseinrichtung
US8414564B2 (en) * 2010-02-18 2013-04-09 Alcon Lensx, Inc. Optical coherence tomographic system for ophthalmic surgery

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533412A (ja) * 2004-04-20 2007-11-22 ウェーブテック・ビジョン・システムズ・インコーポレイテッド 一体化した手術用顕微鏡および波面センサ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019514569A (ja) * 2016-05-02 2019-06-06 ノバルティス アーゲー レーザ手術のための患者のアイレジストレーション用オーバレイ画像形成

Also Published As

Publication number Publication date
US20140125949A1 (en) 2014-05-08
BR112015010128A2 (pt) 2017-07-11
RU2015121703A (ru) 2016-12-27
EP2903497B1 (en) 2017-06-07
TW201427653A (zh) 2014-07-16
RU2637287C2 (ru) 2017-12-01
KR20150083119A (ko) 2015-07-16
US9332899B2 (en) 2016-05-10
AU2013341699A1 (en) 2015-05-14
TWI552737B (zh) 2016-10-11
WO2014074206A1 (en) 2014-05-15
CN105263394A (zh) 2016-01-20
CA2889335A1 (en) 2014-05-15
EP2903497A1 (en) 2015-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2637287C2 (ru) Электронные маркировка/совмещение глаза
RU2604942C2 (ru) Измерение/отображение/запись/воспроизведение данных волнового фронта для использования в процедурах коррекции зрения
US9706913B2 (en) Optimizing vision correction procedures
JP5162458B2 (ja) 測定装置付眼科手術用顕微鏡
US9895058B2 (en) Heads-up vision analyzer
CN103917150B (zh) 用于监测眼睛的一个或多个参数的设备
JP4492858B2 (ja) 眼科装置及び眼内屈折力分布算出プログラム
JP2016520362A5 (ja)
CN103917151A (zh) 用于监测眼睛的一个或多个手术参数的设备
US9271647B2 (en) Methods for objectively determining the visual axis of the eye and measuring its refraction
JP2013135837A (ja) 眼科装置及び眼科プログラム
Gupta et al. Optimization of biometry for best refractive outcome in cataract surgery
Kaur et al. Wavefront Analysis Systems
Benjamin Optical and anatomical assessment of the cornea
Díaz Corneal Ablation and Contact Lens Fitting: Physical, Optical and Visual Implicatios

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170410

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171101