JP2015535326A

JP2015535326A - 気体遮断特性を有するポリウレタン−ポリエチレン層間剥離耐性管材

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Publication number: JP2015535326A
Application number: JP2015527625A
Authority: JP
Inventors: ブルジョア，フィリップ; ムニシュ，シャー
Original assignee: テクニ−プレックス，インコーポレーテッド
Priority date: 2012-08-15
Filing date: 2013-08-15
Publication date: 2015-12-10
Anticipated expiration: 2033-08-15
Also published as: WO2014028700A1; EP2885048A1; CR20150128A; EP3090777A1; EP3090777B1; CN104582784B; CA2882029C; MX369587B; ES2653252T3; CA2882029A1; CN104582784A; MX2015001860A; EP2885048B1; PL2885047T3; JP6027682B2

Abstract

内側層と、外側層と、内側層と外側層との間に配置された遮断層と、を備える管であり、遮断層は外側層と遮断層との間に配置された接着剤の層によって外側層に結合されまた遮断層は内側層と遮断層との間に配置された接着剤の層によって内側層に結合され、内側層はポリエチレンを備え外側層は熱可塑性ポリウレタンを備えまた遮断層は気体に対する遮断物として働く材料を備える。【選択図】図１

Description

関連出願
[001]この出願は２０１２年８月１５日に出願された米国特許出願第１３／５８６，２８８の優先権の利益を主張する。

[002]本発明は、共押出工程によって典型的に形成される重合体管材に関し、管材は同じまたは異なる重合体材料の複数の層を有し、各層は連続的に互いに接着される。

[003]重合体材料から成る管材は、医療分野を含む多くの産業用および商業用用途において使用される。所望される特性および意図される用途に応じて、様々なＦＤＡ準拠の可塑性物質が使用される。管材が人間の患者の生体内治療のための流体の輸送のために使用される場合、重合体材料の選択は１つの要因であり得る。

[004]ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）は最も広く使用されている可塑性物質の１つである。ＰＶＣは、構造的に安定でありかつ所望される形状に容易に形成可能であるが、ＰＶＣ母材から体液中に移動する可能性がある可塑剤を使用して典型的には製造され、また医療的治療用途には理想的には適さない他の特性を有する。同様に、可塑化されたＰＶＣ管材の固有の性質により、医療的治療において使用される薬剤および水性流体の他の成分のＰＶＣ管の側壁内への吸収が生じる可能性がある。ポリウレタンは場合によってはＰＶＣの代替であり得る。しかし、ポリウレタンおよびポリエチレンから成る二重層管材は、低度から中度の応力、ひずみ、または機械的操作条件の下で２つの層が互いに接着されたままであることができないこと、ならびに層を通過する酸素の移動を十分に妨げることができないことという難点を有する。開示が参照によりあたかも完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる、Ｓｃｈｍｉｔｔの米国特許第４，６２７，８４４号（「Ｓｃｈｍｉｔｔ」）は、Ｔｅｋｎｉ−Ｐｌｅｘ，Ｉｎｃ．のＮａｔｖａｒ部門によって「ＳＵＲＥＰＡＴＨ１５１」の商標で販売される商品において具現化される、３層管を開示する。Ｓｃｈｍｉｔｔに開示されているように、ＰＶＣの外側層および低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）の内側流体接触層は、エチレン酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）の中間接合層と共に共押出される。しかし、ＳｃｈｍｉｔｔがＬＤＰＥ流体接触層を提供することによってＰＶＣから流体への添加物の移動の可能性および流体からＰＶＣへの成分の吸収の可能性を大きく低減するものの、ＰＶＣを排除することが好ましい。他の管材構成が米国特許第７，６４７，９４９号、米国特許第４，２１１，７４１号、および米国特許公開第２００７／０１１９５１１号に開示されており、これらの開示は参照によりあたかも完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。医療用管材が関係する場合、管材を通って経路付けされている流体内に含有される試薬の完全性の維持が関心事であり得る。同様に、流体からの成分の管材を通した移動の防止が問題になり得る。そのような用途では、気体遮断材料から成る層の管材内への組み込みが、酸素などの気体の流体内への移動の防止の、したがって流体中の酸素感応性試薬の維持の目的のために、実施され得る。

[005]本発明によれば、内側層と、外側層と、内側層と外側層との間に配置された遮断層と、を備える管が提供され、遮断層は外側層と遮断層との間に配置された接着剤の層によって外側層に結合されまた遮断層は内側層と遮断層との間に配置された接着剤の層によって内側層に結合され、内側層はポリエチレンを備え外側層は熱可塑性ポリウレタンを備えまた遮断層は気体に対する遮断物として働く材料を備える。

[006]遮断層は、約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を好ましくは備える。接着剤は、典型的には１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を、より典型的には１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を、また好ましくは１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体を備える。

[007]内側層は典型的には約９０重量％を超えるポリエチレンを備え、また外側層は約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備える。

[008]遮断層は典型的には約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備え、また接着剤は約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える。

[009]遮断層は約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備えることができ、内側層は約９０重量％を超えるポリエチレンを備えることができ、また外側層は約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備えることができる。

[0010]接着剤は約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えることができ、また内側層は約９０重量％を超えるポリエチレンを備えることができ、また外側層は約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備えることができる。

[0011]遮断層は約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備えることができ、接着剤は約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えることができ、内側層は約９０重量％を超えるポリエチレンを備えることができ、また外側層は約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備えることができる。

[0012]ポリエチレンは典型的には、１つまたは複数の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを備え、芳香族ポリエーテル系ポリウレタンはポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンを備えることができる。

[0013]接着剤は約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えることができ、内側層は約９０重量％を超える低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を備えることができ、外側層は約９０重量％を超えるポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンを備えることができ、また中央層は約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備えることができる。

[0014]接着剤は典型的には約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える。

[0015]ポリウレタン外側層の厚さは典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）であり、内側ポリエチレン層の厚さは典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）であり、また遮断層の厚さは典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）である。

[0016]内側層および外側層は、２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に、管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき好ましくは外観上層間剥離しない。

[0017]好ましくは、管は６０℃の水中に３６時間沈められたときに外観上層間剥離しない。

[0018]管は好ましくは水性流体が通過して経路付けされる中心軸方向流体流経路を有し、内側層は水性流体に接触する半径方向内側の壁部表面を有し、外側層および内側層は、２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に、管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき層間剥離に抵抗する。そのような管は、６０℃の水中に３６時間沈められた後で好ましくは外観上層間剥離しない。

[0019]そのような管では、遮断層と外側層との間に配置された接着剤の厚さは好ましくは約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）であり、また遮断層と内側層との間に配置された接着剤の厚さは好ましくは約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）である。

[0020]本発明の別の態様では、
約９０重量％を超えるポリエチレンを備える内側層と、
約９０重量％を超える芳香族ポリエーテル系ポリウレタンを備える外側層と、
約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、外側層と内側層との間に配置された遮断層と、
遮断層と外側層との間に配置されまた遮断層と内側層との間に配置された、１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える接着剤と、を備える、水性流体の輸送のための医療用管が提供される。

[0021]そのような実施形態では、内側層および外側層は、２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に、管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき好ましくは外観上層間剥離しない。

[0022]そのような実施形態では、管は６０℃の水中に３６時間沈められた後で好ましくは外観上層間剥離しない。

[0023]そのような実施形態では、接着剤は１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える。

[0024]本発明の別の態様では、
少なくとも約９０重量％のポリエチレンから成る内側層と、
少なくとも約９０重量％の芳香族ポリエーテル系ポリウレタンから成る外側層と、
約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、外側層と内側層との間に配置された遮断層と、
遮断層と外側層との間に配置されまた遮断層と内側層との間に配置された、約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える接着剤と、を備える、水性流体の輸送のための医療用管が提供され、
そのような管材は、６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しない。

[0025]本発明の別の態様では、
少なくとも約９０重量％の低密度ポリエチレンから成る内側層、少なくとも約９０重量％のポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンから成る外側層と、
約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、外側層と内側層との間に配置された遮断層と、
遮断層と外側層との間に配置されまた遮断層と内側層との間に配置された、１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える接着剤と、を備える、水性流体の輸送のための医療用管が提供され、
管材は、２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に、管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき外観上層間剥離せず、また、
管材は、６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しない。

[0026]本発明の別の態様では、外側層と、最内側層と、外側層と最内側層との間に配置された中間層と、を備える医療用管を形成する方法が提供され、方法は、
選択された構造的安定性を有する第１の重合体材料を選択するステップと、
水性流体に対して不活性な第２の重合体材料を選択するステップと、
気体に対する遮断物として働く第３の重合体材料を選択するステップと、
材料の共押出および冷却の際に第１および第２の重合体材料に容易に結合しかつ接着する第４の重合体材料を選択するステップと、
選択された第１、第２、第３、および第４の重合体材料を共押出して、少なくとも約９０重量％の第１の重合体材料を備える外側層、少なくとも約９０重量％の第２の重合体材料を備える内側層、内側層と外側層との間に配置された少なくとも約９０重量％の第３の重合体材料を備える層、外側層と第３の重合体材料の層との間に配置された第４の材料の層、および内側層と第３の重合体材料の層との間に配置された第４の材料の層を有する構成で、医療用管材を形成するステップと、を含む。

[0027]そのような方法では、第１の重合体材料は典型的にはポリウレタンとなるように選択され、第２の重合体材料はポリエチレンとなるように選択され、第３の重合体材料はエチレンビニルアルコール共重合体およびポリアミドから成る群から選択され、また第４の重合体材料は１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体である。

[0028]そのような方法では、第１の重合体材料は好ましくはポリウレタンとなるように選択され、第２の重合体材料はポリエチレンとなるように選択され、第３の重合体材料はエチレンビニルアルコール共重合体およびポリアミドから成る群から選択され、また第４の重合体材料は医療用管材が６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しないように選択される。

[0029]そのような方法では、接着剤は典型的には１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える。

[0030]本発明の別の態様では、
内側層、外側層、および内側層と外側層との間に配置された遮断層を備える管を選択するステップであって、内側層がポリエチレンを備え、外側層が熱可塑性ポリウレタンを備え、また遮断層が１つまたは複数のエチレンビニルアルコール共重合体およびポリアミドを備える、選択するステップにおいて、
管がこれらの層によって取り囲まれた中心流体流経路を有する、選択するステップと、
管の中心流体流経路を通して水性流体を経路付けするステップと、
中心流体流経路を通して経路付けされた水性流体を対象者の血管内に送達するステップと、を含む、対象者に水性流体を送達する方法が提供される。

[0025]選択するステップは好ましくは、
接着剤の層が外側層と遮断層との間にまた内側層と遮断層との間に配置されるように管を選択するステップを含む。

[0026]選択するステップは典型的には、
外側層、内側層、および遮断層、ならびに接着剤層を共押出して管を形成するステップと、約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えるように接着剤を選択するステップと、を含む。

[0027]接着剤は典型的には１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える。

[0028]接着剤は１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体を備えることができる。

[0029]図面は、本発明の例として示される本発明の１つまたは複数の実施形態を描写する。

[0030]管材の構造および構成をより良く説明するために剥離された外側層および中央層または中間層を示す、５層とされた管の概略的な斜視図である。 [0031]図１に示された管１０の線２−２に沿って取られた断面図である。

[0032]図１には、少なくとも約９０重量％のポリウレタン材料、典型的にはＬｕｂｒｉｚｏｌＴＰＵＰｅｌｌｅｔｈａｎｅ２３６３−９０ＡＥを一例とするポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンから成る外側層１と、少なくとも約９０重量％のポリエチレン材料、典型的にはＷｅｓｔｌａｋｅＬＤＰＥＥＭ８０８ＡＡを一例とする低密度ポリエチレンから成る内側流体接触層３と、少なくとも約９０重量％のエチレンビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）、ポリアミド、またはこれらの２つ以上の混和物もしくは混合物から成る中間気体遮断層５と、遮断層５を外側層１および内側層３に結合する接着剤材料から成る結合層７、９と、を備える、本発明による共押出された５層管材１０の実施形態が示される。気体遮断層５は、一般的には酸素、窒素、水素、塩素、亜酸化窒素などの、気体に対する遮断物として働く。接着剤層７、９は押出後の管材１０に層間剥離に対する耐性を持たせる材料を好ましくは備え、この場合管材は、６０℃の水中に３６時間浸漬され、その後管を手で圧搾することにより断面が丸いその通常の状態から偏平化されたもしくは楕円形の形状の断面形状または断面状態へと機械的に偏平化された後で、外観上層間剥離しない。接着剤材料は１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えるように最も好ましくは選択され、その一例は無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体であり、その具体的な例は市販されているＷｅｓｔｌａｋｅＴｙｍａｘＧＡ７００１（無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体）などの無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体である。

[0033]図１に示されるように、ポリウレタン製の外側層１は、無水物変性アクリレート接着剤層７の半径方向外側に面する表面Ｓ２に結合しかつ接着する半径方向内側に面する表面Ｓ１を有する。接着剤層７は、遮断層５の半径方向外側に面する表面Ｓ４に結合する、半径方向内側に面する表面Ｓ３を有する。遮断層５は、接着剤の別の層９の半径方向外側に面する表面Ｓ６に結合する、半径方向内側に面する表面Ｓ５を有する。接着剤層９は、内側ポリエチレン層３の半径方向外側に面する表面Ｓ８に結合する、半径方向内側に面する表面Ｓ７を有する。中間遮断層５は、管１０が２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に、管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき３つの層１、３、および５が層７、９にかつ互いに接着されたままであるように、外側層１および内側層３に接着する。そのような応力およびひずみを測定するための機械的試験装置は当技術分野で知られており、その例はＬｌｏｙｄＬＲ５ＫＰｌｕｓ機械的試験装置である。弾性降伏点は、管材の１つもしくは複数の層が永久的に変形するかところの最高点であるか、または、Ｌ．Ｈ．Ｓｐｅｒｌｉｎｇ（著者）、ＪｏｈｎＷｉｌｅｙ＆Ｓｏｎｓ（発行者）、２００６年の「ＩｎｔｒｏｄｕｃｔｉｏｎｔｏＰｈｙｓｉｃａｌＰｏｌｙｍｅｒＳｃｉｅｎｃｅ，４ｔｈＥｄｉｔｉｏｎ」で別様に定義されるようなものであり、その開示は参照によりあたかも完全に記載されているかのようにその全体が本明細書に組み込まれる。

[0034]そのような管材１０の層１、３、５、７、９は、これらの層が６０℃の水中に３６時間浸漬されその後管を手で圧搾することにより断面が丸いその通常の状態から偏平化されたもしくは楕円形の形状の断面形状または断面状態へと機械的に偏平化された後で、外観上層間剥離しないように、互いに接着されたままである。

[0035]図１および図２に示されるように、層１、３、５は、水性溶液が通過して内側層３の半径方向内側に面する表面Ｓ９に接触しながら軸方向のＡ方向に沿って経路付けされかつ流れる中心中空流体経路２０を、取り囲みかつ囲い込む、構造的に安定な壁部となるように形成される。接着剤層７、９は構造的な内側層３、中間層５、および外側層１を１つに結合しかつ保持する。

[0036]内側層３は、半径方向内側の流体接触表面Ｓ９を提供し、内側層３の厚さは典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）の断面厚さＴ１の範囲である。中間層５は典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）の断面厚さＴ３の範囲である。外側層１は典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）の断面厚さＴ５の範囲である。接着剤層７、９は典型的には約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）の断面厚さＴ２、Ｔ４の範囲である。

[0037]ポリエチレン材料は好ましくは、ＷｅｓｔｌａｋｅＣｈｅｍｉｃａｌＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手可能なＷｅｓｔｌａｋｅＥＭ８０８などの分岐低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）である。ポリエチレン材料は、ＤｏｗＣｈｅｍｉｃａｌＣｏｍｐａｎｙから入手可能なＤｏｗｌｅｘ２０３５Ｇなどの直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）としてよい。ポリエチレン材料はまた、ＣｈｅｖｒｏｎＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手可能なＣｈｅｖｒｏｎ９５０６ＨＤＰＥ、Ｃｈｅｖｒｏｎ９４０６ＨＤＰＥ、およびＣｈｅｖｒｏｎ９５０３ＨＤＰＥなどの高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）としてよい。ポリエチレン材料は、前述のポリエチレン材料の２つ以上の混和物または混合物としてよい。

[0038]ポリウレタンエラストマー（ＴＰＵ）は典型的にはポリオールとイソシアネートとの反応生成物であり、通常はハードセグメント・ドメインおよびソフトセグメント・ドメインを組み合わせたものを含む。ポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンなどの、芳香族ポリエーテル系ＴＰＵまたは脂肪族ポリエーテル系ＴＰＵが使用され得る。これらのＴＰＵのそのような例には、ＬｕｂｒｉｚｏｌＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手可能なＰｅｌｌｅｔｈａｎｅ２３６３−９０ＡＥシリーズが含まれる。

[0039]管材１０の各層のそれぞれの厚さは、従来の多層押出の工具および設備によって制御され得、また図１に示されるような５層管などの多層管材を生成するように構成された金型装置を典型的には含む。そのような適した押出装置は、層１、３、５、７、９全ての軸方向の長さＬの実質的に全体に沿って均一な厚さの層１、３、５、７、９を提供するように選択される。

[0040]層１、３、５、７、９を構成する重合体材料は、管材の軸Ａに沿ってまたその周りで手で屈曲できるように好ましくは選択される。重合体材料はまた、酸化エチレン（ＥｔＯ）殺菌工程およびガンマ線照射殺菌工程を経た後の、管材１０の完全性（すなわり層間剥離が発生しない）および管材１０の透明性または清澄性を維持するように選択される。

[0041]先の記載は本発明の範囲を説明することが意図されておりそれを限定することは意図されておらず、当業者は上の説明によって本発明の等価物が企図されること、ならびに本発明の精神から逸脱することなく本発明に対して変更および修正が成され得、そのような等価物、変更、および修正が本明細書の特許請求の範囲内にあることを認識するであろう。

[004]ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）は最も広く使用されている可塑性物質の１つである。ＰＶＣは、構造的に安定でありかつ所望される形状に容易に形成可能であるが、ＰＶＣ母材から体液中に移動する可能性がある可塑剤を使用して典型的には製造され、また医療的治療用途には理想的には適さない他の特性を有する。同様に、可塑化されたＰＶＣ管材の固有の性質により、医療的治療において使用される薬剤および水性流体の他の成分のＰＶＣ管の側壁内への吸収が生じる可能性がある。ポリウレタンは場合によってはＰＶＣの代替であり得る。しかし、ポリウレタンおよびポリエチレンから成る二重層管材は、低度から中度の応力、ひずみ、または機械的操作条件の下で２つの層が互いに接着されたままであることができないこと、ならびに層を通過する酸素の移動を十分に妨げることができないことという難点を有する。開示が本明細書において主題に関連される、Ｓｃｈｍｉｔｔの米国特許第４，６２７，８４４号（「Ｓｃｈｍｉｔｔ」）は、Ｔｅｋｎｉ−Ｐｌｅｘ，Ｉｎｃ．のＮａｔｖａｒ部門によって「ＳＵＲＥＰＡＴＨ１５１」の商標で販売される商品において具現化される、３層管を開示する。Ｓｃｈｍｉｔｔに開示されているように、ＰＶＣの外側層および低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）の内側流体接触層は、エチレン酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）の中間接合層と共に共押出される。しかし、ＳｃｈｍｉｔｔがＬＤＰＥ流体接触層を提供することによってＰＶＣから流体への添加物の移動の可能性および流体からＰＶＣへの成分の吸収の可能性を大きく低減するものの、ＰＶＣを排除することが好ましい。他の管材構成が米国特許第７，６４７，９４９号、米国特許第４，２１１，７４１号、および米国特許公開第２００７／０１１９５１１号に開示されており、これらの開示は本明細書において主題に関連される。医療用管材が関係する場合、管材を通って経路付けされている流体内に含有される試薬の完全性の維持が関心事であり得る。同様に、流体からの成分の管材を通した移動の防止が問題になり得る。そのような用途では、気体遮断材料から成る層の管材内への組み込みが、酸素などの気体の流体内への移動の防止の、したがって流体中の酸素感応性試薬の維持の目的のために、実施され得る。

[0033]図１に示されるように、ポリウレタン製の外側層１は、無水物変性アクリレート接着剤層７の半径方向外側に面する表面Ｓ２に結合しかつ接着する半径方向内側に面する表面Ｓ１を有する。接着剤層７は、遮断層５の半径方向外側に面する表面Ｓ４に結合する、半径方向内側に面する表面Ｓ３を有する。遮断層５は、接着剤の別の層９の半径方向外側に面する表面Ｓ６に結合する、半径方向内側に面する表面Ｓ５を有する。接着剤層９は、内側ポリエチレン層３の半径方向外側に面する表面Ｓ８に結合する、半径方向内側に面する表面Ｓ７を有する。中間遮断層５は、管１０が２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に、管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき３つの層１、３、および５が層７、９にかつ互いに接着されたままであるように、外側層１および内側層３に接着する。そのような応力およびひずみを測定するための機械的試験装置は当技術分野で知られており、その例はＬｌｏｙｄＬＲ５ＫＰｌｕｓ機械的試験装置である。弾性降伏点は、管材の１つもしくは複数の層が永久的に変形するかところの最高点であるか、または、Ｌ．Ｈ．Ｓｐｅｒｌｉｎｇ（著者）、ＪｏｈｎＷｉｌｅｙ＆Ｓｏｎｓ（発行者）、２００６年の「ＩｎｔｒｏｄｕｃｔｉｏｎｔｏＰｈｙｓｉｃａｌＰｏｌｙｍｅｒＳｃｉｅｎｃｅ，４ｔｈＥｄｉｔｉｏｎ」で別様に定義されるようなものであり、その開示は本明細書において主題に関連される。

Claims

内側層と、外側層と、前記内側層と前記外側層との間に配置された遮断層と、を備え、前記遮断層が前記外側層と前記遮断層との間に配置された接着剤の層によって前記外側層に結合されまた前記遮断層が前記内側層と前記遮断層との間に配置された接着剤の層によって前記内側層に結合され、前記内側層がポリエチレンを備え前記外側層が熱可塑性ポリウレタンを備えまた前記遮断層が気体に対する遮断物として働く材料を備える、管。
前記遮断層が約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備える、請求項１に記載の管。
前記接着剤が１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える、請求項１に記載の管。
前記接着剤が１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える、請求項３に記載の管。
前記接着剤が１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体を備える、請求項４に記載の管。
前記内側層が約９０重量％を超えるポリエチレンを備えまた前記外側層が約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備える、請求項１に記載の管。
前記遮断層が約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備えまた前記接着剤が約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える、請求項１に記載の管。
前記遮断層が約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備えまた前記内側層が約９０重量％を超えるポリエチレンを備えまた前記外側層が約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備える、請求項１に記載の管。
前記接着剤は約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えまた前記内側層が約９０重量％を超えるポリエチレンを備えまた前記外側層が約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備える、請求項１に記載の管。
前記遮断層が約９０重量％を超えるエチレンビニルアルコール共重合体もしくはポリアミドまたはこれらの混合物を備え、前記接着剤が約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備え、前記内側層が約９０重量％を超えるポリエチレンを備え、また前記外側層が約９０重量％を超える芳香族または脂肪族ポリエーテル系ポリウレタンを備える、請求項１に記載の管。
前記ポリエチレンが１つまたは複数の低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを備え、かつ芳香族ポリエーテル系ポリウレタンがポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンを備える、請求項１に記載の管。
前記接着剤が約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備え、前記内側層が約９０重量％を超える低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を備え、前記外側層が約９０重量％を超えるポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンを備え、また前記中央層が約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、請求項１に記載の管。
前記接着剤が約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える、請求項３に記載の管。
前記ポリウレタン外側層の厚さが約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）であり、前記内側ポリエチレン層の厚さが約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）であり、また前記遮断層の厚さが約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）である、請求項１に記載の管。
前記内側層および前記外側層が２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に前記管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき外観上層間剥離しない、請求項１に記載の管。
前記管が６０℃の水中に３６時間沈められたとき外観上層間剥離しない、請求項１に記載の管。
前記管が水性流体が通過して経路付けされる中心軸方向流体流経路を有し、前記内側層が前記水性流体に接触する半径方向内側の壁部表面を有し、前記外側層および前記内側層が２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に前記管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき層間剥離に抵抗する、請求項１に記載の管。
前記管が６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しない、請求項１０に記載の管。
前記遮断層と前記外側層との間に配置された前記接着剤の厚さが約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）でありかつ前記遮断層と前記内側層との間に配置された前記接着剤の厚さが約０．０２５４ｍｍ（０．００１インチ）から約０．６３５ｍｍ（０．０２５インチ）である、請求項１２に記載の管。
約９０重量％を超えるポリエチレンを備える内側層と、
約９０重量％を超える芳香族ポリエーテル系ポリウレタンを備える外側層と、
約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、前記外側層と前記内側層との間に配置された遮断層と、
前記遮断層と前記外側層との間に配置されまた前記遮断層と前記内側層との間に配置された、１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える接着剤と、
を備える、水性流体の輸送のための医療用管。
前記内側層および前記外側層が２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に前記管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき外観上層間剥離しない、請求項２０に記載の医療用管。
前記管が６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しない、請求項２０に記載の管。
前記接着剤が１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える、請求項２０に記載の管。
少なくとも約９０重量％のポリエチレンから成る内側層と、
少なくとも約９０重量％の芳香族ポリエーテル系ポリウレタンから成る外側層と、
約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、前記外側層と前記内側層との間に配置された遮断層と、
前記遮断層と前記外側層との間に配置されまた前記遮断層と前記内側層との間に配置された、約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える接着剤と、
を備える、水性流体の輸送のための医療用管であって、
前記管材が６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しない、医療用管。
少なくとも約９０重量％の低密度ポリエチレンから成る内側層と、
少なくとも約９０重量％のポリテトラメチレングリコール系ポリウレタンから成る外側層と、
約９０重量％を超える気体に対する遮断物として働く材料を備える、前記外側層と前記内側層との間に配置された遮断層と、
前記遮断層と前記外側層との間に配置されまた前記遮断層と前記内側層との間に配置された、１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備える接着剤と、
を備える、水性流体の輸送のための医療用管であって、
前記管材が２２℃（７２°Ｆ）および５０％の相対湿度の周囲条件で機械的試験装置において毎分約３０．４８ｃｍ（１２インチ）の引っ張り速度で測定される場合に前記管の弾性降伏点までの応力およびひずみを受けたとき外観上層間剥離せず、また、
前記管材が６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しない、医療用管。
外側層と、最内側層と、前記外側層と前記最内側層との間に配置された中間層と、を備える医療用管を形成する方法であって、
選択された構造的安定性を有する第１の重合体材料を選択するステップと、
水性流体に対して不活性な第２の重合体材料を選択するステップと、
気体に対する遮断物として働く第３の重合体材料を選択するステップと、
前記材料の共押出および冷却の際に前記第１および第２の重合体材料に容易に結合しかつ接着する第４の重合体材料を選択するステップと、
前記選択された第１、第２、第３、および第４の重合体材料を共押出して少なくとも約９０重量％の前記第１の重合体材料を備える外側層、少なくとも約９０重量％の前記第２の重合体材料を備える内側層、前記内側層と前記外側層との間に配置された少なくとも約９０重量％の前記第３の重合体材料を備える層、前記外側層と前記第３の重合体材料の前記層との間に配置された前記第４の材料の層、および前記内側層と前記第３の重合体材料の前記層との間に配置された前記第４の材料の層を有する構成で前記医療用管材を形成するステップと、を含む、方法。
前記第１の重合体材料がポリウレタンとなるように選択され、前記第２の重合体材料がポリエチレンとなるように選択され、前記第３の重合体材料がエチレンビニルアルコール共重合体およびポリアミドから成る群から選択され、また前記第４の重合体材料が１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体である、請求項２６に記載の方法。
前記第１の重合体材料が好ましくはポリウレタンとなるように選択され、前記第２の重合体材料がポリエチレンとなるように選択され、前記第３の重合体材料がエチレンビニルアルコール共重合体およびポリアミドから成る群から選択され、また前記第４の重合体材料が前記医療用管材が６０℃の水中に３６時間沈められた後で外観上層間剥離しないように選択される、請求項２６に記載の方法。
前記接着剤が１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える、請求項２８に記載の方法。
対象者に水性流体を送達する方法であって、
内側層、外側層、および前記内側層と前記外側層との間に配置された遮断層を備える管を選択するステップであって、前記内側層がポリエチレンを備え、前記外側層が熱可塑性ポリウレタンを備え、また前記遮断層が１つまたは複数のエチレンビニルアルコール共重合体およびポリアミドを備える、選択するステップにおいて、
前記管が前記層によって取り囲まれた中心流体流経路を有する、選択するステップと、
前記管の前記中心流体流経路を通して水性流体を経路付けするステップと、
前記中心流体流経路を通して経路付けされた前記水性流体を前記対象者の血管内に送達するステップと、を含む、方法。
前記選択するステップが、
接着剤の層が前記外側層と前記遮断層との間にまた前記内側層と前記遮断層との間に配置されるように前記管を選択するステップを含む、請求項３０に記載の方法。
前記選択するステップが、
前記外側層、前記内側層、および前記遮断層、ならびに前記接着剤層を共押出して前記管を形成するステップと、約９０重量％を超える１つまたは複数のエチレンアクリル系共重合体を備えるように前記接着剤を選択するステップと、を含む、請求項３１に記載の方法。
前記接着剤が１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリレート共重合体を備える、請求項３２に記載の管。
前記接着剤が１つまたは複数の無水物グラフト化エチレンアクリル酸メチル共重合体を備える、請求項３３に記載の管。