JP2015535177A - 肝臓に関する炎症性障害の遺伝子シグネチャー - Google Patents

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Abstract

本発明は、代謝障害および自己免疫障害における、腸内微生物叢に関連する炎症の特徴付けの分野に関する。特に、本発明は、肝臓関連代謝障害などの炎症が付随する疾患を予測するマーカーとして使用することができる遺伝子シグネチャーの特定に関し、特に、良性脂肪症のその最も重度の形態(脂肪性肝炎および肝硬変)への進展または自己免疫障害、特に炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)に関する。したがって、これらの遺伝子シグネチャーは、薬物研究、患者の監視および適切な治療の指定のための、診断、予後診断、層別化の手段として使用することができる。

Description

本発明は、代謝障害および自己免疫障害における、腸内微生物叢に関連する炎症の特徴付けの分野に関する。特に、本発明は、肝臓関連代謝障害などの炎症が付随する疾患を予測するマーカーとして使用することができる遺伝子シグネチャーの特定に関し、特に、良性脂肪症のその最も重度の形態(脂肪性肝炎および肝硬変)への進展または自己免疫障害、特に炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)に関する。したがって、これらの遺伝子シグネチャーは、薬物研究、患者の監視および適切な治療の指定のための、診断、予後診断、層別化の手段として使用することができる。
全身的および局所的炎症は、多くの障害で、特に代謝障害および自己免疫障害で観察される病理学的特徴である。低度な炎症は、代謝疾患および付随する併存症、例えば心臓疾患、脳卒中および糖尿病の独立危険因子である。炎症はインスリン抵抗性の検出に先立つので、糖尿病の優れた予測因子でありうる。慢性の(持続的な低度の)および急性の(高度の)炎症は、炎症性腸疾患などの自己免疫障害の重要な特性である。
メタボリック症候群は、X症候群、メタボリック症候群X、心血管代謝症候群、インスリン抵抗性症候群、CHAOSまたはリーベン症候群としても知られる。これは、一団となって多数の人々に影響を及ぼす障害の組合せであると一般に考えられている。この症候群の症状および特徴は、以下の状態の少なくとも3つを含む:II型糖尿病、耐糖能異常またはインスリン抵抗性、高血圧、中心性肥満および体重減少の困難、高コレステロール、複合型高脂血症ならびに脂肪肝。生理学的根拠では、インスリン抵抗性はこの症候群に関与するように思われる。しかし、インスリン抵抗性は、グルコース代謝異常、組織中で脂肪分解を抑制することができないこと、不完全なタンパク質合成、細胞分化の変化、異常な細胞周期制御または増殖を含めた種々の異なる点で定義され得、これらすべては、メタボリック症候群と関係がある肝臓および心血管疾患に関与する。
これらの状態について特定の細菌の関連性が検討されたが、これらの発症における細菌性微生物叢の役割はまだ分かっていない。さらに、肥満、メタボリック症候群、インスリン欠乏またはインスリン抵抗性関連障害、グルコース不耐性、糖尿病、非アルコール性脂肪肝(NAFL)、異常な脂質代謝、アテローム性動脈硬化症および関連した障害などの状態を診断、治療および予防するための方法の必要性が依然として存在する。
非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLDは、メタボリック症候群の肝臓の発現であり、主な病原機序としてインスリン抵抗性を伴う。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、過剰なアルコール消費、ウイルス性疾患(HCV、HBV)または他の特定された病因(自己免疫障害)がない状態の、肝組織への単純な脂肪浸潤(脂肪症)、肝組織の脂肪および炎症(非アルコール性脂肪性肝炎-NASH)ならびに肝硬変を含む様々な肝疾患を意味する。これは西洋諸国での慢性肝疾患の主因であり、有病率は、一般集団の30%である。NASHに関しては、一般集団において3から5%の推定有病率が研究によって報告された。NAFLDは、肥満(肥満患者の90%より多くでNAFLDが発見される)、2型糖尿病(T2D患者の40%から70%でNAFLDが発見される)、および脂質異常症と強く関係がある。したがって、NAFLDは、メタボリック症候群の肝臓の発現と考えることができる。
様々なNAFLD臨床症状の範中で、単純な脂肪症は肝臓に関連した病的状態と関係なかったが、NASHは肝臓関連死のリスクの>10倍の増大および心血管リスクの倍加と関係があった。したがって、NASHは、HCVの後の、肝臓移植の徴候に関する2番目に最もよくある病因と考えられ、患者の18%が米国の移植リスト(OPTN)に登録されている。
実際に、NAFLDが肝疾患の非常によくある原因であること、およびその亜型であるNASHが肝硬変に進行しうることが、NAFLDの有病率および自然経過の両方によって示唆される。これらの知見は、患者の健康、健康に関連した生活の質およびヘルスケア経済学に関して、NAFLDの大きな影響を強調する。
NAFLDを有する大抵の患者は脂肪症を有するが、ほんの少数しか、炎症および引き続く線維症、肝硬変および肝細胞癌によって特徴付けられる、より進行した疾患に進行しない。長期経過観察の間に、NASHを有する患者の約5.4%が末期肝疾患の重度の合併症を発症することが、研究によって示されている。そうした進行は、おそらく遺伝的および環境的因子の影響を受け、そのいくつかのみが特定されている。進行に関して認識されている独立危険因子は、年齢が>45歳、糖尿病の存在(またはインスリン抵抗性の重症度)、肥満(肥満指数>30)および高血圧である。進行する患者は、疾患の自然経過の後期にあることが多く、実質的に肝臓に関連した病的状態を有する。
Adams LA. & Feldstein A.E.、Journal of Digestive Diseases 2011 Angulo, N Engl J Med. 2002 Apr 18;346(16):1221〜31 OJn J、Li Y、Cai Z、Li S、Zhu J、Zhang Fら、Nature、2012 Abubucker S、Segata N、Goll J、Schubert AM、Izard Jら、PLoS Comput Biol、2012 Qin J、Li Y、Cai Z、Li S、Zhu J、Zhang Fら、Nature、2012 Flavellら(Nature、2012) Sokolら(IBD、2009) Cani P.、Gut microbes、2012 Godon JJら、Appl. Environ. Microbiol. 1997 Parker & Barnes、Methods in Molecular Biology 106:247〜283 (1999) Heldら、Genome Research 6:986〜994 (1996) M, Raes J、Pelletier Eら、Nature、2011
したがって、こうした患者について、肝臓に関連した病的状態のリスクを評価するための、特に、良性の脂肪肝からNASHおよび進行した肝疾患への進行のリスクを予測するための、予後診断試験を開発する必要がある。
現在、肝生検が、NAFLD、特に炎症の重症度、および肝線維症の重症度を評価するための最良のツールであると考えられている。しかし肝生検は、肝臓診療の専門医以外には適切でないまたは実際的でない侵襲的手技である。さらに、サンプリングの誤りおよび観察者による変動性が原因で、解釈の誤りという欠点が存在する(Adams LA. & Feldstein A.E.、Journal of Digestive Diseases 2011)。したがって、脂肪症のみを有する患者と比較して確立したNASHを有する患者も効率的に区別し、より攻撃的な疾患を有する患者から進行のリスクが低い患者も効率的に区別するための、信頼できる非侵襲的なスクリーニング試験を開発する明確な必要性がある。
NAFLDは無症候性であることが多く、通常、日常的な血液検査中に確認される偶発的な生化学的異常として最初に発見される。しかし、特徴的な生化学的変化(例えば、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼよりも比較的大きいアラニンアミノトランスフェラーゼの上昇)が逆転する傾向があり、肝線維症が進行するにつれて、アラニンアミノトランスフェラーゼレベルが降下する。これは、血液中のアラニンアミノトランスフェラーゼレベルが比較的正常な者においてでさえ、進行した疾患を伴う脂肪性肝炎が存在しうることを意味する。
肝臓の脂肪および炎症の非侵襲的な定量化に関するいくつかの他の方法が提案されており、これには、磁気共鳴画像法または分光法および血液バイオマーカーパネルが含まれる。しかし、幅広い臨床診療において、これらの使用を支持するエビデンスはまだ限られている。日常的な肝臓の超音波画像診断は肝臓脂肪含量の定性的評価を提供するが、特に肝細胞の<33%が脂肪である場合、感度が制限される。また、これらは、軽度の脂肪症を検出するのによりよい感度を与えるが、脂質の定量化に関する磁気共鳴法はリソース集約型であることが多く、まだ、日常的な臨床的使用に幅広く利用することができない。さらに、肝硬変が発達するにしたがって肝臓脂肪含量が減少する傾向があり、それ故、進行した肝疾患の状態において、NASHはおそらく結果的に過小診断される。
したがって、日常的な診療において脂肪性肝炎から単純な脂肪症を区別するために、幅広く受容され信頼できる方法は、肝生検以外にはまだ利用可能ではない。したがって、大抵のNAFLD患者は診断未確定のままであり、根底にある代謝因子(肥満、糖尿病、コレステロール)を制御するために、一次医療レベルで管理される。NASHにさらに進行する患者は、疾患の経過の後期に特定され、肝臓に関連した著しい病的状態を発症する。
したがって、(a)食事および生活様式を変更するためにより大きな刺激を与えること、(b)インスリン抵抗性または糖尿病を有する患者における薬物選択をガイドすること、および(c)肝硬変が存在する場合に、開始される特定の監視ストラテジーを可能にすることによって患者管理を変えるために、予後診断以上に、NAFLDを有する患者の特定が緊急に必要である。
NAFLD患者を取り扱うためのいくつかの治療ストラテジーが、今までに提案されている。しかし、特に肝炎または肝線維症、すなわちNASHの主な臨床的特徴を治療するための薬物は現在認可されておらず、多くの薬物候補は、NASHを治療する(組織レベルで確立された炎症および線維症を回復させる)ことに関して、有意な有効性を示すことができなかった。新たなストラテジーは、脂肪症を制御するためおよび炎症段階への進行を予防するために、効果的な薬物治療は早期発症のNAFLDに焦点を合わせる必要があることを考慮する。このストラテジーは、NAFLDを有する患者の効果的なトリアージを必要とし、その結果、NASHへの個々の進行リスクに医療を合わせることができる。
したがって、一次および二次医療レベルでトリアージ試験として使用するために、NAFLDに罹患している患者を診断し臨床的に区別するためのスクリーニング試験を開発する明確な必要性もある。さらに、この試験は非侵襲的であり、経済的に許容可能である必要がある。
本発明者らは、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)がその最も重度の形態(肝炎、肝硬変、肝臓癌)へ進展するのを予測する、特定の遺伝子シグネチャーを特定した。これらの遺伝子シグネチャーは、有利には、患者の便サンプルにおいて評価される。したがってこれらの遺伝子シグネチャーは、肝臓関連代謝疾患の薬物研究のための、信頼でき且つ非侵襲的な、診断、予後診断および層別化の最初の手段であると考えられる。これらは、このようにして診断された患者に対する監視および適切な治療の指定にも使用することができる。
自己免疫障害は、通常は体内に存在する物質および組織に対する体の不適切な免疫反応から生じる。炎症性腸疾患(IBD)、例えばクローン病または潰瘍性大腸炎は、中でも最も広く認められる自己免疫障害である。これらの疾患は、以下の3つの主なアプローチによって検出され、段階分けされ、監視される:
- 患者データと患者の自己報告質問表の両方を統合する集成スコアを主に使用する臨床評価、
- 血液に基づく生物学的マーカー(すなわち、CRPまたは血小板数などの炎症マーカー)または糞便(すなわち、カルプロテクチン)、ならびに
- 組織学的解析を伴うまたは伴わない内視鏡検査を含めた画像撮影ツール、および磁気共鳴ベース検査(MRIまたはMR腸運動記録法)。
これらのアプローチのうちのいずれかは、IBDにおける疾患活動性、それに続く治療計画を監視するための新しいツールに対する要求を満たす。現在では、IBDの厳格な制御、すなわち考えられた正確なサーベイランスおよび治療調整は、これらの障害の再発および寛解する性質のために、そうした患者の管理において重要である。
臨床症状だけの監視は、疾患活動性を評価するためには十分に信頼できない。患者が自己報告する低疾患活動性は、内視鏡検査の間に腸病変を呈することが多い。糞便のカルプロテクチンなどの生物学的マーカーは有用であるが、特異的でなく、その増加は、遅発性の紅斑における全身性/粘膜性炎症と関係がある。内視鏡検査法によって粘膜治癒の検出が可能になり、これは、最も強く且つ信頼できる疾患寛解のサインとみなされる。しかし、日常的に反復される内視鏡的な監視は、腸の調整および全身麻酔を必要とするため、実行可能ではない。MRIなどの新しい画像撮影ツールは効果的であることが示されているが、高価であり、時間がかかり、利用が限られることにより、日常的な使用が不可能になる。最も有望なアプローチとして示されるMR腸運動記録法も、腸の調整および侵襲的な結腸内視鏡検査を伴う。
要約すれば、患者およびヘルスケア提供者は、疾患活動性および患者ケアの監視の評価を可能にする非侵襲的なツールを積極的に求めている。
ここでは、安定した患者は、数週間にわたって疾患活動性が安定している患者(「安定状態」にある患者)と定義される。一方、不安定な患者(または「不安定状態」にある患者)は以下の患者である:
- その後の週に治療を変化または強化された患者、
- 血液検査によって、その後の週に活動性が上昇したことが示された患者、および/または
- 自己評価によって健康が低下したことが示された患者。
A:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター1の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。B:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター1の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。 C:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、クローン病研究のコホートにおけるクラスター1の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。D:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター1の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 E:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター1の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。F:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、クローン病研究のコホートにおけるクラスター1の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 A:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター31の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。B:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター31の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。 C:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、クローン病研究のコホートにおけるクラスター31の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。D:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター31の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 E:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター31の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。F:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、クローン病研究のコホートにおけるクラスター31の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 A:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター19の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。B:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター19の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。 C:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、クローン病研究のコホートにおけるクラスター19の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。D:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター19の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 E:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター19の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。F:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH-クローン病について安定もしくは不安定)による、クローン病研究のコホートにおけるクラスター19の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 A:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター11の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。B:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター11の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、包括的アプローチを使用した。 C:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH)による、NASH1研究のコホートにおけるクラスター11の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。D:健康状態(単純な脂肪症(=NS)またはNASH)による、NASH2研究のコホートにおけるクラスター11の遺伝子の再分割を示す図である。以下の例で説明するように、閾値アプローチを使用した。 NASH1コホートに関する、クラスター1および31の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純な脂肪症を表し、クロスはNASHを表す)。 NASH2コホートに関する、クラスター1および31の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純な脂肪症を表し、クロスはNASHを表す)。 クローン病コホート(C)に関する、クラスター1および31の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純なクローン病-安定状態を表し、クロスはクローン病-不安定状態を表す)。 NASH1コホートに関する、クラスター1および19の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純な脂肪症を表し、クロスはNASHを表す)。 NASH2コホートに関する、クラスター1および19の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純な脂肪症を表し、クロスはNASHを表す)。 クローン病コホート(C)に関する、クラスター1および19の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純なクローン病-安定状態を表し、クロスはクローン病-不安定状態を表す)。 NASH1コホートに関する、クラスター19および31の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純な脂肪症を表し、クロスはNASHを表す)。 NASH2コホートに関する、クラスター19および31の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純な脂肪症を表し、クロスはNASHを表す)。 クローン病コホート(C)に関する、クラスター19および31の2つの遺伝子の低または高相対的存在量を示す図である(サークルは単純なクローン病-安定状態を表し、クロスはクローン病-不安定状態を表す)。
定義
本明細書で使用する場合、用語「炎症性疾患」は、炎症促進性および抗炎症性サイトカインの発現の全身的変化と関係がある代謝障害を指す。C反応性タンパク質およびアディポサイトカイン[すなわち、腫瘍壊死因子-α(TNF-a)、インターロイキン-6(IL-6)およびアディポネクチン]は、代謝障害と関係がある炎症促進性および抗炎症性サイトカインとしてしばしば観察された。C反応性タンパク質、糞便のカルプロテクチンおよびサイトカイン[すなわち、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-8(IL8)]は、炎症性腸疾患と関係がある炎症促進性および抗炎症性サイトカインとしてしばしば観察された。
好ましい実施形態では、前記炎症性疾患は、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、耐糖能異常、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、炎症性腸疾患、リウマチ様障害および肝疾患からなる群において選択される。
「肝疾患(Liver disease)」は、「肝臓疾患(hepatic disease)」とも称される。これは、肝臓にその所定の機能を実行できなくさせる潜在的な問題をカバーする、幅広い用語である。より具体的には、これは、異なる段階の脂肪肝のすべて、非アルコール性脂肪性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝不全および肝臓癌を、本出願において包含する。
本明細書で使用する場合、用語「非アルコール性脂肪性肝疾患」(NAFLD)は、著しいアルコール消費がない個体における脂肪肝から脂肪性肝炎および肝硬変に及ぶ、脂肪肝疾患の全範囲を包含する。
「脂肪症」は、しばしば「非アルコール性脂肪肝」(NAFL)とも称される。これは、肝細胞の風船様拡大状の肝細胞障害のエビデンスがないまたは線維症のエビデンスがない脂肪肝の存在に対応する。これは、以下「単純な脂肪症」とも呼ばれる。医学的見地に基づくと、脂肪症はいくつかの機序を通して生じる。第一に、脂肪組織の拡大および炎症によって、脂肪性インスリン抵抗性および脂肪分解の増大がもたらされ、それによって、肝臓への遊離脂肪酸の流動が高まる。第二に、肝脂肪酸の酸化異常および脂質酸化を誘導するタンパク質、例えばアディポネクチンの減少によって、肝臓内のさらなる脂肪蓄積がもたらされる。第三に、高インスリン血症によって引き起こされる肝臓のデノボ脂肪生成の増大および炭水化物摂取の増大によって、肝臓脂肪含量が高まる。第四に、VLDL(超低密度リポタンパク質)の分泌異常によって、このプロセスが悪化する。脂質酸化能力が最終的に壊滅し、これによって、活性酸素種(ROS)、腸由来シグナル(例えば、細菌内毒素、短鎖脂肪酸)、炎症性サイトカインおよびアディポカインの不安定な放出が発生し、続いて、その結果として、脂肪性肝炎、線維症および肝硬変などのより重度の段階へ、この状態が進行しうる。
NAFLDの自然経過において、対象の約60%は、3.5から11年の追跡調査期間中に肝臓の組織診断パラメーターが変化せず、13%は改善さえすることは興味深い。一方では、同じ期間中で、対象の28%は脂肪性肝炎、線維症または肝硬変として肝損傷に進行する[Angulo, N Engl J Med. 2002 Apr 18;346(16):1221〜31]。このことによって、消化器病学および肝臓学の分野において、用語「良性」および「悪性」がこれらのNAFLDの肝臓の結果を分けるために使用されている結果となった。
したがって、用語「良性脂肪症」は、脂肪肝は存在するが、この脂肪症が脂肪性肝炎、線維症または肝硬変に進行するリスクは(たとえあるとしても)最小である状態を指すために、本出願において使用される。換言すれば、本明細書で意味する「良性脂肪症」に罹患している患者は、肝臓の組織診断パラメーターが変化しないと予測される(または予後診断される)。
これに反して、用語「炎症性脂肪症」は、脂肪肝は存在するが、この脂肪症が脂肪性肝炎、線維症または肝硬変に進行するリスクがある状態を指すために、本出願において使用される。換言すれば、本明細書で意味する「炎症性脂肪症」に罹患している患者は、次の月または次の年中に脂肪性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝不全または肝臓癌に罹患すると予測される(または予後診断される)。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、線維症の有無にかかわらず、肝細胞傷害(風船様拡大)がある脂肪肝および炎症が存在する場合に診断される。この段階は、肝硬変、肝不全およびまれに肝臓癌に進行しうる。本明細書で使用する場合、用語「脂肪性肝炎」は、非アルコール性脂肪性肝炎およびアルコール性脂肪性肝炎を包含する。
NASH肝硬変は、脂肪症または脂肪性肝炎の現在または以前の組織学的エビデンスがある肝硬変が存在する場合に診断され、一方で、特発性肝硬変は、明らかな病因がない肝硬変が存在する場合に診断される。特発性肝硬変を有する患者は、肥満およびメタボリック症候群などの代謝性危険因子に大いに富んでいる。
NASH関連の線維症は、線維症を伴う脂肪肝および炎症が存在する場合に診断される。線維症は、修復または反応プロセスにおける肝臓での過剰な線維性結合組織の形成に対応する。「瘢痕」は、根底にある器官または組織の構造を消してしまう集密的な線維形成を指す。
肝硬変は、線維形成、瘢痕組織および再生結節(損傷した組織が再生されるプロセスの結果として生じる塊)による肝組織の置き換えによって特徴付けられる慢性肝疾患の結果であり、肝機能の喪失につながる。
肝不全は、肝臓が、正常な生理機能の一部としてその正常な合成機能および代謝機能を実行することができないことを指す。急性および慢性の2つの形態が認められている。「急性肝不全」は、以前の肝疾患が知られていない患者における、肝細胞機能障害、特に凝固障害および精神状態の変化(脳症)の急速な発症と定義され、一方で、「慢性肝不全」は通常、肝硬変と関連して生じる。
「肝臓癌」は、肝臓の表面または側面で増殖する悪性腫瘍を指す。肝臓癌を、体内の他の箇所の器官が起源であり、肝臓に移動する肝転移と混同すべきでない。
用語「炎症性腸疾患」は、特にクローン病および潰瘍性大腸炎を本明細書で指す。
注目すべきことに、炎症性腸疾患またはリウマチ様障害は「自己免疫障害」に属する。
以下で使用する場合、対象の疾患または状態を「診断する」は、前記対象が前記疾患または前記状態に実際に罹患していることを特定または検出することを意味する。対照的に、対象の疾患または状態を「予後診断する」は、前記対象が前記疾患または状態に罹患するであろうことを予測することを本明細書で意味する。
特に、対象の「脂肪症を診断すること」は、前記対象が単純な脂肪症を有する(かつNASHでない)ことを特定または検出することを意味することが、本明細書で意図される。対照的に、対象の「脂肪症を予後診断すること」は、前記対象が安定なままであろう良性脂肪症を実際に有することを意味する。
より詳細には、対象の「脂肪性肝炎を診断すること」は、前記対象が脂肪性肝炎(線維症の有無に関わらない)に罹患していることを特定または検出することを意味することが、本明細書で意図される。対照的に、対象の「脂肪性肝炎を予後診断すること」は、例えば対象が炎症性脂肪症を有することが理由で、前記対象が脂肪性肝炎(線維症の有無に関わらない)を発症する可能性があることを意味する。換言すれば、前記対象は脂肪性肝炎(線維症の有無に関わらない)に罹患するリスクを有する。
より詳細には、対象の「線維症を診断すること」は、前記対象が線維症を伴う脂肪性肝炎に罹患していることを特定または検出することを意味することが、本明細書で意図される。対照的に、対象の「線維症を予後診断すること」は、例えば対象が炎症性脂肪症または確立された脂肪性肝炎を有することが理由で、前記対象が肝線維症を発症する可能性があることを意味する。換言すれば、前記対象は線維症に罹患するリスクを有する。
「対象は疾患に罹患するリスクを有する」は、本明細書では、上述の疾患または状態と関係がある遺伝子存在量プロファイルを持つ対象が、50%を超える、好ましくは60%を超える、より好ましくは75%を超える、上述の疾患または状態に罹患するリスクを有することを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「メタゲノム」は、細胞培養からの代わりに対象から直接的に得たゲノム材料を指す。したがってメタゲノムは、微生物および宿主の成分から構成される。
本明細書で使用する場合、用語「遺伝子」は、遺伝情報単位を大まかに指す。これは、所与の生物のポリペプチドまたはRNA鎖をコードしうるDNAまたはRNAから構成される。より具体的には、遺伝子は位置が特定可能なゲノム配列領域であり、これは、制御領域、転写領域および/または他の機能的な配列領域と関連する。本発明で言及される遺伝子は、好ましくは「細菌遺伝子」であり、すなわちこれは位置が特定可能な細菌ゲノム領域に対応する。
本明細書すべてにおいて、用語「遺伝子シグネチャー」は、試験サンプル中の1つまたは複数の遺伝子の量に関係している一連の情報を指す。この情報は、試験サンプル中の遺伝子コピーまたは遺伝子産物の量の特定から生じうる。したがって、本明細書で使用する場合、「本発明の遺伝子シグネチャー」は、少なくとも1つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも2つの細菌遺伝子の発現レベルまたはこれらの少なくとも1つまたは2つの細菌遺伝子の存在量のいずれかを包含する。
本明細書で使用する場合、遺伝子の「発現」は、遺伝子からの情報が、機能的な遺伝子産物の合成に使用されるプロセスである。これらの産物はタンパク質であることが多いが、リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)または核内低分子RNA(snRNA)遺伝子などの非タンパクをコードする遺伝子において、産物はまた、機能的なRNAである。したがって、対応するrRNA、tRNA、mRNA、snRNAおよび/またはタンパク質レベルでの遺伝子産物の存在を従来の手段で決定することによって、遺伝子発現を検出することができる。
一方で、「遺伝子存在量」は、試験遺伝子の絶対量または相対量を指す。遺伝子の「絶対量」(または「絶対存在量」)は、定められた量の試験サンプルにおける前記遺伝子の全コピー数を指すが、遺伝子の「相対量」(または「相対的存在量」)は、遺伝子の総量に対する前記遺伝子の全コピー数、または試験サンプル中に存在する単一の参照遺伝子または好ましくは参照遺伝子の組合せの量に対する前記遺伝子の全コピー数を指す。ユビキタス遺伝子、例えばDNAポリメラーゼまたはグルコース代謝に関与するタンパク質をコードする遺伝子のような生物の生存に必須な遺伝子は、メタゲノム研究における参照遺伝子の優れた候補である。
したがって、本発明の方法で使用する「遺伝子シグネチャー」は、試験細菌遺伝子の存在量プロファイルおよび/もしくは発現プロファイル(絶対的もしくは相対的のいずれか)を含むまたはそうしたプロファイルからなる。
「存在量プロファイル」は、試験遺伝子群の絶対的または相対的存在量を意味する。この存在量は、例えば定量的PCR、シークエンシングまたは核酸マイクロアレイによって、DNAレベルで試験遺伝子のコピー数を検出することによって決定することができる。
「発現プロファイル」は、試験遺伝子群の発現レベルを意味する。これらの発現レベルは、遺伝子産物レベル、例えば、試験遺伝子に対応する転写産物レベルまたはタンパク質レベルを検出することによって決定することができる。
本発明において、解析される遺伝子シグネチャーにおいて1つの遺伝子を他のものと置き換えることが、本発明の方法のパフォーマンスに有意に影響を及ぼさないならば、2つの遺伝子は、「同等」と考えられる。そのような同等遺伝子はサンプルに同時に存在せず、その存在量は、それらが存在するサンプルにおいて、同じ方向および同じ比率で同時に変動する。これは、一般的には「遺伝子A」が「遺伝子B」と相関がある場合であり、「遺伝子A」の発現レベルまたは存在量が、それぞれ「遺伝子B」の発現レベルと統計的に相関があることを意味する。本発明において、この相関は、かなり明確である(患者で「遺伝子A」が上方制御されると、次いで同じ患者で「遺伝子」Bも上方制御されることを意味する)。この相関は、例えばピアソンまたはスピアマンの相関係数などの関連性を測定することによって決定することができる。あるいは、同等遺伝子を特定するのに共変を使用することができる。
2つの遺伝子の同等性は、2つの遺伝子が同じゲノムに属する場合(Qin J、Li Y、Cai Z、Li S、Zhu J、Zhang Fら、Nature、2012)、結合した2細菌のゲノムに2つの遺伝子が属する場合、またはこれら2遺伝子の産物が同じ代謝経路および/またはシグナル伝達経路に含まれる場合(Abubucker S、Segata N、Goll J、Schubert AM、Izard Jら、PLoS Comput Biol、2012)などの状況の結果であると、当業者は予想する。
本発明において、「共変」遺伝子は、本発明で開示される代表遺伝子に対して、少なくとも0,45、より好ましくは0,5およびさらにより好ましくは0,6という最小ピアソン相関に関連している。
好ましい実施形態では、前記同等遺伝子は、同じ細菌クラスターに属する共変遺伝子である。
本明細書で使用する場合、「遺伝子クラスター」または「クラスター」は、同等遺伝子のリストを指す。当業者は、そのような同等遺伝子クラスターを特定するのに使用することができる方法に精通している(Qin J、Li Y、Cai Z、Li S、Zhu J、Zhang Fら、Nature、2012)。前記クラスターは、上記で定義されたような、数百の細菌遺伝子、好ましくは共変遺伝子を含むことができる。単純化目的で、各クラスターについて、これらの共変遺伝子の5つのみを本出願で特定した。各クラスターでは、クラスターの大抵の遺伝子と有意に相関する(最小ピアソン相関>0.7)遺伝子が、クラスターの代表遺伝子として指定された。これらの代表遺伝子は、例えば、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、および配列番号151である。各クラスターのすべての他の遺伝子はこれらの代表遺伝子と「同等」である。したがってクラスターは、1つの代表遺伝子および何百もの同等遺伝子を含み、これらのすべては共変遺伝子とみなされる。
本明細書で使用する場合、「同等遺伝子シグネチャー」は、代表遺伝子に加えてまたは代表遺伝子と置き換えて、本発明の方法に同じパフォーマンスを与える同等遺伝子を含む遺伝子シグネチャーである。これらの同等遺伝子は上で記載した。好ましい実施形態では、同等遺伝子シグネチャーは、2つの異なるクラスターに属する少なくとも2つの遺伝子を含む。別の好ましい実施形態では、同等遺伝子シグネチャーは、1つのクラスターのみに属する少なくとも2つの異なる遺伝子を含む。同等遺伝子シグネチャーは、代表遺伝子(配列番号1、6、11、16など)およびその同等物の混合物または同等遺伝子のみを含むことができる。これはまた、クラスターのすべての同等遺伝子を含むことができる。あるいは、これは、クラスターのいくつかのまたはすべての同等遺伝子に関連するシグナルの算術平均または幾何平均を含むことができる。
「含む(comprising)」は遺伝子シグネチャーが任意の他の遺伝子であって、その中で、本発明の遺伝子シグネチャーの本質的な特徴に有意に影響を及ぼさない特定の遺伝子をさらに含みうることを意味するものである。[したがって用語「から本質的になる(consisting essentially of)」の意味と重複する]。これに対して、「からなる(consisting of)」は、解析される遺伝子シグネチャー中にさらなる遺伝子は存在しないことを意味するものである。
「参照シグネチャー」は、既知の炎症に関連する疾患を有する1対象またはいくつかの対象からの生物サンプルから得られる、あらかじめ決定された遺伝子シグネチャーである。特定の実施形態では、試験サンプルと比較するために使用される参照シグネチャーは、炎症性疾患、特に単純な脂肪症(「脂肪症参照サンプル」)もしくはNASH(「NASH参照サンプル」)などの肝疾患を有すると(例えば肝生検によって)正確に且つ明確に診断された対象からの生物サンプルから、ならびに/またはNASHおよび線維症(「線維症参照サンプル」)を有すると診断された対象からの生物サンプルから、ならびに/または疾患活動性が既知である、クローン病(「クローン病参照サンプル」)と診断された対象からの生物サンプルから得られた。したがって、参照シグネチャーは、前記参照サンプルについて決定された、細菌遺伝子の発現および/もしくは存在量を含むまたはそれからなる。好ましくは、これらの情報は、一般的には、肝疾患(単純な脂肪症/NASH/線維症)の各段階に関する、異なる患者からの96サンプルを使用し、肝疾患の各段階に関する、異なる患者からの145サンプルの別のセットを使用し、疾患の異なる状態を有するクローン病患者からの118サンプルの別のセットを使用することによって、十分な数の対象から得られる。
試験対象の遺伝子シグネチャーを参照シグネチャーと「比較する」は、試験対象から生物サンプルを収集し、そのゲノム内容物、すなわちRNAもしくはDNAを適切な方法で抽出し、それぞれ各遺伝子の発現もしくは相対的存在量を推定し、シグネチャーの各遺伝子の発現および/もしくは存在量のいずれかを参照シグネチャー中の同じ遺伝子の発現および/もしくは存在量と別々に比較する(これは好ましくない)こと、または参照サンプルもしくはシグネチャーに基づいて較正されたアルゴリズムを使用して、試験サンプルに対する診断または予後診断の転帰に影響を及ぼすことを意味する。特定の実施形態では、選択されるアルゴリズムに応じて、アルゴリズムは値を出すことができ、次いでこの値を、(例えば、ロジスティック回帰によって)あらかじめ決定された参照値と比較する。そうした比較は、診断または予後診断目的のために一般化されうる参照シグネチャーから判別可能な特徴(例えば遺伝子)を抽出するために、以下で述べるものなどの数学的および統計学的方法を必要とする。
本明細書で使用する場合、用語「参照値」(または「対照値」)は、転帰クラス(例えば、単純な脂肪症、NASHまたはNASH関連の線維症、クローン病活動性の安定なまたは不安定な状態)と関係がある患者を特定するのに使用することができる、特定の値またはデータセットを指す。先に述べたように、前記参照値または対照値は、定められた病態について明確に診断された患者または患者のプールに関する過去の発現および/または存在量データから得られる。この参照値または対照値は、あらかじめ決定された値であり、様々な形態を取りうる。中央値または平均などの単一のカットオフ値でもよい。これは、あらゆる患者それぞれに等しく適用可能な単一の数でもよいし、患者の特定の亜集団に従って変動してもよい。この参照値は、上記で述べた計算モデルのいずれかを用いて、当業者によって容易に決定することができる。
本明細書で使用する場合、「遺伝子のシグネチャーを決定するための試薬」は、特に、前記遺伝子シグネチャーの決定を可能にする、すなわち、特に、遺伝子シグネチャー中に含まれる遺伝子の存在量および/または発現レベルの特異的な決定を目的とする試薬または一連の試薬を指す。これらの試薬は、例えば、遺伝子シグネチャーに含まれるmRNA、DNAまたはcDNAと特異的にハイブリダイズすることができる核酸プライマーまたはプローブでもよい。あるいは、試薬は、遺伝子シグネチャーに含まれる遺伝子によって産生されるタンパク質を特異的に認識する抗体または酵素でもよい。本定義は、任意の遺伝子の遺伝子シグネチャーを決定するのに有用な一般的な試薬、例えばTaqポリメラーゼまたは増幅バッファーを除外するが、そうした試薬も本発明によるキットに含むことができる。
本発明において、試薬が閾値レベルの結合活性を示す、および/または2)試薬が既知の関連分子と著しく交差反応しない場合、試薬(例えばプローブ、プライマーまたは抗体)はその標的に「特異的」であるか、その標的を「特異的に認識する」。当業者なら、前記結合親和性を容易に決定することができる。
Flavellら(Nature、2012)の最近の発見は、マウス研究に基づいて、インフラマソームと腸内微生物叢とNAFLDの間の関連に関するエビデンスを提供する。以前の発表を実証するこれらの結果は、腸内微生物叢のバランス失調が脂肪肝を悪化させ、NAFLDの進行速度を左右することを確証した。
本発明者らは、患者の便における、特定の腸内微生物叢の組成または変化(いわゆる腸内菌共生バランス失調)を代表する特定の細菌遺伝子の存在は有用な情報であるかもしれず、NASHまたは線維症などの肝臓関連代謝障害に関係している可能性があると仮定した。
Sokolら(IBD、2009)の研究は、腸内微生物叢が炎症性腸疾患(IBD)の病変形成の中心であることを確証した。いくつかの他の研究は、腸内微生物叢の不安定性は(健康対照と比べて)IBDと関係があり、また、疾患活動性および疾患予後と相関があることを示した(Sokol 2008、Morgan 2012、Willing 2010)。
本発明者らは、最近の肝生検の読取りが利用可能な患者またはクローン病活動性が監視された患者から収集したいくつかの便サンプルについて、細菌遺伝子の遺伝子存在量を定量的メタゲノムによって解析した。
代謝性脂肪肝疾患では、脂肪症(N=29)または線維症を伴う(N=33)もしくは伴わない(N=34)脂肪性肝炎を有する患者の集団間でのメタゲノムの比較によって、これらの患者を識別するためのメタゲノムシグネチャーが特定された。
これらの判別可能な遺伝子シグネチャーを、続いて、肝生検を受けた患者から多数の便サンプルについて検証し、患者の何人かは異なる疾患段階にあった。
IBDでは、安定的な低活動性疾患(N=20)または不安定な疾患(N=98)のクローン病患者の集団間のメタゲノムの比較によってそれらを引き起こし、これら2つのカテゴリーの患者を識別するためのメタゲノムシグネチャーが特定された。
したがって、異なる段階のNAFLDの間およびクローン病患者の異なる疾患活動性状態の間で差次的に豊富ないくつかの遺伝子を特定した。重要なことに、これらの遺伝子の存在量は、(例えば、肝臓組織診断の改善または悪化への)疾患の将来の進展と相関することができた。
より正確には、14個の遺伝子クラスターは、通常、良性脂肪症または安定状態のクローン病と関連することが分かり、7個の遺伝子クラスターは、より進行した肝疾患(NASH、線維症、肝硬変)と関連することが分かった。さらに、8個の遺伝子クラスターは、線維症を伴わないNASHと非常に関連することが分かり、2個の遺伝子クラスターは、NASH関連の線維症と関連することが分かった。したがって、最小数の遺伝子のいくつかの組合せは、良性脂肪症もしくは線維症の有無を問わないNASHまたはクローン病の活動性を予測すると提唱される。
さらに、4個の遺伝子クラスター(クラスター1、31、19および11)は、良性脂肪症と非常に関連することが分かり、3個の遺伝子クラスター(クラスター1、31および19)は、安定なクローン病と非常に関連することが分かった。
本発明の方法が、特定の炎症性疾患段階を診断することを可能にするだけでなく、前記炎症性疾患、特に肝疾患またはクローン病に罹患している象の陽性または陰性の転帰を予後診断することをも可能にすることに留意することは重要である。
これは、以下のように説明することができる。腸内微生物叢は乳児期中(0〜3歳の間)に獲得される。宿主免疫系は、(その組成において)各個体に特異的であり、経時的に安定なままである最終的な中心的微生物叢の選択において重要な役割を持つ。経時的におよび一生を通じて観察される中心的微生物叢の安定性は食事の変化と無関係であり、復元力がある(すなわち医原性の破壊の後に回復する)。この安定性および復元力を考慮すると、中心的微生物叢の特徴(組成、豊富さ、多様性)は、定められた炎症誘導性代謝障害と相関し、病態の発症時および疾患進展の全体を通して存在する。したがって、疾患の経過中のある時点において、前記患者の腸内微生物叢を単純に解析することによって、患者の一生を通じて、脂肪肝が脂肪性肝炎、線維症または肝硬変などの進行した肝損傷に進行するか、または良性のままであるかどうかを予後診断することができる。
別の重要な点は、腸内微生物叢が、腸障壁の機能、特にその透過性の制御において重要な役割を持つことである。腸内微生物叢組成の変化は腸障壁の機能変化につながり、これは、炎症の発症を惹起する、細菌移行(血液における細菌およびその成分の存在)および代謝性内毒血症(血液における内毒素の存在)を促進する。したがって、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、炎症性腸疾患および肝疾患などの炎症誘導性障害は、腸内微生物叢組成の変化によって起こる腸透過性異常によって最初に引き起こされる(Cani P.、Gut microbes、2012)。したがって、肝疾患の進展を診断、監視または予後診断することを目標とする腸内微生物叢解析に基づく試験は、任意の他の炎症関連障害(すなわち、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、炎症性腸疾患および心血管疾患)の診断、監視または予測にも有用でありうる。
第一の態様では、本発明はしたがって、対象における炎症性疾患のインビトロでの診断または予後診断のための方法であって、
a)1つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも2つの細菌遺伝子を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照遺伝子シグネチャーと比較する工程、
c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程
を含む方法に関する。
この方法は、非侵襲的であり、経済的に許容可能であり、高い感度および高い特異性を提供するので、従来技術の診断または予後診断方法よりも有利である。
一実施形態では、本発明の方法は、炎症性疾患に罹患している患者の転帰を予測するのに使用することもできる。
好ましい実施形態では、前記炎症性疾患は、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、耐糖能異常、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、炎症性腸疾患および肝疾患からなる群において選択される。
より好ましい実施形態では、前記炎症性疾患は、炎症性腸疾患(クローン病など)または肝疾患(良性脂肪症、NASHもしくはNASH関連の線維症など)である。
本発明の方法は、任意の対象、すなわちヒトまたは動物のいずれかに適用することができる。さらに、好ましい実施形態では、本発明の方法は、ヒト患者、特に、過体重、肥満、肝疾患、糖尿病(すなわち任意の代謝障害)および/または炎症性腸疾患に罹患しているヒトに適用される。
より一般的には、代謝障害において、本発明の方法は、肝臓の酵素、例えばアミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼならびに肝細胞傷害マーカー、例えばCK18、αマクログロブリン、血小板量、ハプトグロビン、アポリポタンパク質A1およびビリルビンのレベルの増大を示すヒト患者を監視するのに有用である。炎症性腸疾患では、本発明の方法は、炎症マーカー、例えば血小板数、平均血小板量、赤血球沈降速度(ESR)、血清トロンボポエチン、血清エリスロポエチン、C反応性タンパク質およびオロソムコイド(α1-酸性糖タンパク質)、TNFα、インターロイキン(特にIL1、IL2、IL6、IL8、IL10、IL15)ならびに炎症の糞便マーカー、例えばラクトフェリンおよびカルプロテクチンのレベルの増大を示すヒト患者を監視するのに有用である。
先に述べたように、本発明者らは、良性脂肪症、NASHおよび/またはNASH関連の線維症に罹患している患者の便において、または安定なもしくは不安定な状態のクローン病患者からのサンプルにおいて、差次的に豊富な31個の細菌遺伝子クラスターを特定した。これらの細菌遺伝子クラスターを、以下のTable 1(表1)に提示する。各細菌遺伝子クラスターは、細菌性実在物の代表であると考えられ、全体的におよび同じ比率で存在する/存在しない数百の細菌遺伝子(いわゆる「共変遺伝子」)を含む。単純化を目的として、各クラスターについて、これらの共変遺伝子の5つのみを本出願で特定した。これらの5遺伝子および同じクラスターに属するすべての遺伝子は「同等」と考えられる。
より正確には、以下のTable 1(表1)に開示されているように,
・クラスター1は、5遺伝子が配列番号1〜5(最小ピアソン相関:0.64)である、少なくとも425遺伝子を含み、
・クラスター2は、5遺伝子が配列番号6〜10(最小ピアソン相関:0.72)である、少なくとも473遺伝子を含み、
・クラスター3は、5遺伝子が配列番号11〜15(最小ピアソン相関:0.72)である、少なくとも486遺伝子を含み、
・クラスター4は、5遺伝子が配列番号16〜20(最小ピアソン相関:0.7)である、少なくとも324遺伝子を含み、
・クラスター5は、5遺伝子が配列番号21〜25(最小ピアソン相関:0.86)である、少なくとも515遺伝子を含み、
・クラスター6は、5遺伝子が配列番号26〜30(最小ピアソン相関:0.66)である、少なくとも320遺伝子を含み、
・クラスター7は、5遺伝子が配列番号31〜35(最小ピアソン相関:0.7)である、少なくとも456遺伝子を含み、
・クラスター8は、5遺伝子が配列番号36〜40(最小ピアソン相関:0.72)である、少なくとも336遺伝子を含み、
・クラスター9は、5遺伝子が配列番号41〜45(最小ピアソン相関:0.8)である、少なくとも509遺伝子を含み、
・クラスター10は、5遺伝子が配列番号46〜50(最小ピアソン相関:0.86)である、少なくとも275遺伝子を含み、
・クラスター11は、5遺伝子が配列番号51〜55(最小ピアソン相関:0.74)である、少なくとも646遺伝子を含み、
・クラスター12は、5遺伝子が配列番号56〜60(最小ピアソン相関:0.86)である、少なくとも320遺伝子を含み、
・クラスター13は、5遺伝子が配列番号61〜65(最小ピアソン相関0.7)である、少なくとも323遺伝子を含み、
・クラスター14は、5遺伝子が配列番号66〜70(最小ピアソン相関:0.7)である、少なくとも593遺伝子を含み、
・クラスター15は、5遺伝子が配列番号71〜75(最小ピアソン相関:0.74)である、少なくとも283遺伝子を含み、
・クラスター16は、5遺伝子が配列番号76〜80(最小ピアソン相関:0.76)である、少なくとも621遺伝子を含み、
・クラスター17は、5遺伝子が配列番号81〜85(最小ピアソン相関:0.82)である、少なくとも263遺伝子を含み、
・クラスター18は、5遺伝子が配列番号86〜90(最小ピアソン相関:0.82)である、少なくとも1039遺伝子を含み、
・クラスター19は、5遺伝子が配列番号91〜95(最小ピアソン相関:0.74)である、少なくとも1231遺伝子を含み、
・クラスター20は、5遺伝子が配列番号96〜100(最小ピアソン相関:0.8)である、少なくとも712遺伝子を含み、
・クラスター21は、5遺伝子が配列番号101〜105(最小ピアソン相関:0.88)である、少なくとも575遺伝子を含み、
・クラスター22は、5遺伝子が配列番号106〜110(最小ピアソン相関:0.64)である、少なくとも1232遺伝子を含み、
・クラスター23は、5遺伝子が配列番号111〜115(最小ピアソン相関:0.7)である、少なくとも298遺伝子を含み、
・クラスター24は、5遺伝子が配列番号116〜120(最小ピアソン相関:0.76)である、少なくとも785遺伝子を含み、
・クラスター25は、5遺伝子が配列番号121〜125(最小ピアソン相関:0.82)である、少なくとも780遺伝子を含み、
・クラスター26は、5遺伝子が配列番号126〜130(最小ピアソン相関:0.72)である、少なくとも491遺伝子を含み、
・クラスター27は、5遺伝子が配列番号131〜135(最小ピアソン相関:0.64)である、少なくとも827遺伝子を含み、
・クラスター28は、5遺伝子が配列番号136〜140(最小ピアソン相関:0.88)である、少なくとも531遺伝子を含み、
・クラスター29は、5遺伝子が配列番号141〜145(最小ピアソン相関:0.78)である、少なくとも289遺伝子を含み、
・クラスター30は、5遺伝子が配列番号146〜150最小ピアソン相関:0.74)である、少なくとも320遺伝子を含み、
・クラスター31は、5遺伝子が配列番号151〜155(最小ピアソン相関:0.66)である、少なくとも299遺伝子を含む。
各クラスターでは、クラスターの大抵の遺伝子と有意に相関する(ピアソン相関>0.7)遺伝子がクラスターの代表遺伝子として指定された。これらの代表遺伝子の配列は、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、および配列番号151である。
本発明者らは、本発明の方法は、上述のクラスターにおいて選択された1つのみまたは2つの細菌遺伝子の発現および/または存在量を決定し、直接的にまたは間接的に参照遺伝子シグネチャーと比較する場合、非常に感度がよく且つ特異的であることを発見した(以下の例を参照されたい)。したがって、代表遺伝子(例えば、クラスター1については配列番号1)を含むまたはその同等遺伝子(例えば、クラスター1については配列番号2または3または4または5)のいずれかを含む遺伝子シグネチャーを使用するのと同等である。好ましい実施形態では、遺伝子シグネチャーは、同じクラスターに属する少なくとも2つの異なる遺伝子(「代表物」および少なくとも1つのその「同等物」、または上記で定義された少なくとも2つの同等遺伝子のいずれか)を含む。別の好ましい実施形態では、遺伝子シグネチャーは、少なくとも2つの異なる遺伝子であって、少なくとも2つの異なるクラスターに属する遺伝子を含む。
例えば、本発明の方法は、配列番号1および配列番号6、または配列番号2および配列番号6、または配列番号3および配列番号6、または配列番号3および配列番号6、または配列番号3および配列番号7、または配列番号1および配列番号9などの遺伝子シグネチャーを使用することができる。
好ましい実施形態では、本発明の方法で決定した遺伝子シグネチャーは、1つまたは少なくとも2つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの、好ましくは少なくとも6つの、好ましくは少なくとも7つの、好ましくは少なくとも8つの、好ましくは少なくとも9つの、好ましくは少なくとも10個の、好ましくは少なくとも11個の、好ましくは少なくとも12個の、好ましくは少なくとも13個の、好ましくは少なくとも14個の、好ましくは少なくとも15個の、好ましくは少なくとも16個の、好ましくは少なくとも17個の、好ましくは少なくとも18個の、好ましくは少なくとも19個の、好ましくは少なくとも20個の、好ましくは少なくとも21個の、好ましくは少なくとも22個の、好ましくは少なくとも23個の、好ましくは少なくとも24個の、好ましくは少なくとも25個の、好ましくは少なくとも26個の、好ましくは少なくとも27個の、好ましくは少なくとも28個の、好ましくは少なくとも29個の、好ましくは少なくとも30個の、好ましくは少なくとも31個の細菌遺伝子を含むまたはそれからなる。
好ましくは、前記細菌遺伝子は、上記で定義されたような同じ遺伝子クラスターまたは異なる遺伝子クラスターに属する。
より好ましい実施形態では、上述の細菌遺伝子は、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、および配列番号151からなる群において選択される。あるいは、本発明の方法で決定された遺伝子シグネチャーは、その同等遺伝子シグネチャーを含むまたはその同等遺伝子シグネチャーからなる。
さらにより好ましい実施形態では、上述の細菌遺伝子は、肝臓および腸関連障害の定められた段階と非常に関連する、配列番号1、配列番号51、配列番号91および配列番号151からなる群において選択される。
換言すれば、本発明の方法で決定された遺伝子シグネチャーは、配列番号1、配列番号51、配列番号91および配列番号151からなる群において選択される細菌遺伝子を含むまたはそれからなる。
あるいは、本発明の方法で決定された遺伝子シグネチャーは、その同等遺伝子シグネチャーを含むまたはその同等遺伝子シグネチャーからなる。
好ましい実施形態では、前記「同等遺伝子シグネチャー」は、少なくとも1つのいわゆる代表遺伝子が、上記で定義されたその同等物で置き換えられた遺伝子シグネチャーに対応し、好ましくは前記同等物は、同じ細菌性実在物に属する共変遺伝子である。
より好ましい実施形態では、配列番号1の同等遺伝子は配列番号2〜5からなる群において選択され、配列番号6の同等遺伝子は配列番号7〜10からなる群から選択され、配列番号11の同等遺伝子は配列番号12〜15からなる群から選択され、配列番号16の同等遺伝子は配列番号17〜20からなる群から選択され、配列番号21の同等遺伝子は配列番号22〜25からなる群から選択され、配列番号26の同等遺伝子は配列番号27〜30からなる群から選択され、配列番号31の同等遺伝子は配列番号32〜35からなる群から選択され、配列番号36の同等遺伝子は配列番号37〜40からなる群から選択され、配列番号41の同等遺伝子は配列番号42〜45からなる群から選択され、配列番号46の同等遺伝子は配列番号47〜50からなる群から選択され、配列番号51の同等遺伝子は配列番号52〜55からなる群から選択され、配列番号56の同等遺伝子は配列番号57〜60からなる群から選択され、配列番号61の同等遺伝子は配列番号62〜65からなる群から選択され、配列番号66の同等遺伝子は配列番号67〜70からなる群から選択され、配列番号71の同等遺伝子は配列番号72〜75からなる群から選択され、配列番号76の同等遺伝子は配列番号77〜80からなる群から選択され、配列番号81の同等遺伝子は配列番号82〜85からなる群から選択され、配列番号86の同等遺伝子は配列番号87〜90からなる群から選択され、配列番号91の同等遺伝子は配列番号92〜95からなる群から選択され、配列番号96の同等遺伝子は配列番号97〜100からなる群から選択され、配列番号101の同等遺伝子は配列番号102〜105からなる群から選択され、配列番号106の同等遺伝子は配列番号107〜110からなる群から選択され、配列番号111の同等遺伝子は配列番号112〜115からなる群から選択され、配列番号116の同等遺伝子は配列番号117〜120からなる群から選択され、配列番号121の同等遺伝子は配列番号122〜125からなる群から選択され、配列番号126の同等遺伝子は配列番号127〜130からなる群から選択され、配列番号131の同等遺伝子は配列番号132〜135からなる群から選択され、配列番号136の同等遺伝子は配列番号137〜140からなる群から選択され、配列番号141の同等遺伝子は配列番号142〜145からなる群から選択され、配列番号146の同等遺伝子は配列番号147〜150からなる群から選択され、配列番号151の同等遺伝子は配列番号152〜155からなる群から選択される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、クラスター1に属する配列番号1の細菌遺伝子またはその同等遺伝子(例えば配列番号2〜5の中で選択される)を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用する。換言すれば、本発明の方法は、配列が配列番号1である細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用する。好ましくは、この同等遺伝子シグネチャーは、配列番号2から5から選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。好ましくは、この細菌遺伝子は、本発明の方法に従って肝疾患またはクローン病を予後診断または診断するのに使用される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、クラスター11に属する配列番号51の細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子(例えば配列番号52〜55から選択される)を含むまたはそうした遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを使用する。換言すれば、本発明の方法は、配列が配列番号51である細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用する。好ましくは、この同等遺伝子シグネチャーは、配列番号52から55から選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。好ましくは、この細菌遺伝子は、本発明の方法に従って肝疾患を予測または診断するのに使用される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、クラスター19に属する配列番号91の細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子(例えば配列番号92〜95から選択される)を含むまたはそうした遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを使用する。換言すれば、本発明の方法は、配列が配列番号91である細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用する。好ましくは、この同等遺伝子シグネチャーは、配列番号92から95から選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。好ましくは、この細菌遺伝子は、本発明の方法に従って肝疾患またはクローン病を予測または診断するのに使用される。
特定の実施形態では、本発明の方法は、クラスター31に属する配列番号151の細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子(例えば配列番号152〜155から選択される)を含むまたはそうした遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを使用する。換言すれば、本発明の方法は、配列が配列番号151である細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用する。好ましくは、この同等遺伝子シグネチャーは、配列番号152から155から選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。好ましくは、この細菌遺伝子は、本発明の方法に従って肝疾患またはクローン病を予測または診断するのに使用される。
注目すべきことに、本発明の方法の工程a)において、本発明者らが特定した各クラスターの少なくとも1つの遺伝子を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用することができる。特に、本発明の方法において、本発明者らが特定したいわゆるすべての「代表的」遺伝子を、場合によってはその同等物を伴って含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを使用することができる。より詳細には、いわゆるすべての「代表的」遺伝子(その同等遺伝子を伴う)のシグナルを考慮する遺伝子シグネチャーを使用することができる。さらにより詳細には、クラスターのいくつかのまたはすべての同等遺伝子に関連するシグナルの算術平均または幾何平均を考慮する遺伝子シグネチャーを使用することができる(実施例1bおよび2b)。
「生物サンプル」は、対象から得ることができるいかなるサンプルでもよく、例えば血清サンプル、血漿サンプル、尿サンプル、血液サンプル、便サンプル、リンパサンプルまたは生検物である。そうしたサンプルは、本発明の遺伝子シグネチャーの決定を可能にするはずである。
本発明の方法において遺伝子シグネチャーを決定するのに好ましい生物サンプルとしては、便サンプルおよび腸生検物(結腸内視鏡検査による腸生検は、肝生検よりも著しく侵襲性が低い)が挙げられる。
より好ましい実施形態では、本発明の方法で使用する生物サンプルは便サンプルである。実際は、そうしたサンプルは、完全に無害な収集によって患者から得ることができ、それにより、肝疾患または炎症性腸疾患などの炎症性疾患の非侵襲的診断が可能になる。例えばGodon JJら、Appl. Environ. Microbiol. 1997に記載されている抽出プロトコールを使用することによって、前記サンプルからDNAを抽出することができる。しかし、他のプロトコールを使用することができ、それらは周知である。注目すべきことに、引き続くメタゲノム解析のために、細菌性DNAと宿主DNAを物理的に分離する必要はない。
本発明の方法の工程(b)において述べるように、特定のクローン病患者または肝疾患を有する患者などにおける炎症性疾患の存在の決定は、得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較することによって行われる。
前記参照シグネチャーとの試験対象遺伝子シグネチャーの比較は、試験対象の存在量または発現プロファイルに基づく、試験対象の臨床状態および進展の診断または予測を可能にし、好ましくは、試験サンプルで測定された遺伝子シグナルにアルゴリズムを適用することによって行われる。この計算は、統計モデルまたは機械学習技術を使用することによって、当業者が行うことができる。PLS(部分最小二乗)回帰は、小参照サンプルの場合に予測するのに特に適切である。比較は、再帰分割、サポートベクターマシン(SVM)、線形回帰またはその派生体(ロジスティック回帰を含めた、GLMと略される一般化線形モデルなど)、線形判別分析[LDA、対角線形判別分析(DLDA)を含める]、対角二次判別分析(Diagonal quadratic discriminant analysis)(DQDA)、ランダムフォレスト、k-NN(近傍法)またはPAM(マイクロアレイの予測分析)アルゴリズムを使用して行うこともできる。コックスモデルも使用することができる。様々なタイプの距離を用いるセントロイドモデル(Centroid model)も使用することができる。試験集団が同質でない場合、すなわち、いくつかの異なる遺伝子セットが表現型に関与する、または表現型を支持する、または表現型につながりうる場合は、再帰分割または特定した変数の単純な組合せなどの他のアルゴリズムを考慮することができる。
上述の参照サンプルは、通常、各段階の炎症性疾患、例えば肝疾患または炎症性腸疾患に罹患している患者を最も良く分離する最適な統計学的アルゴリズムを選択および較正するために使用される。最良の分離は、一般に、できる限りサンプルを誤って分類せず、異なるデータセットについて比較的よく実行する見込みが最も高いものである。
良性/悪性の診断などのバイナリー結果については、ロジスティック回帰を含めた、線形回帰または一般化線形モデル(GLMと略される)を使用することができる。線形回帰は線形回帰関数の決定に基づき、その一般式は、
f(x1, ... , xN)=β01x1+...+βNxN
として表すことができる。
線形回帰関数の他の表現も使用することができる(以下を参照されたい)。
ロジスティック回帰は、以下のロジスティック回帰関数の決定に基づき、
Figure 2015535177
式中、zは通常
z=β01x1+... +βNXN
と定義される。
上記の線形またはロジスティック回帰関数では、x1からxNは、シグネチャー中のN個の遺伝子の発現または存在量の値であり、β0は切片であり、β1からβΝは回帰係数である。
切片の値および回帰係数の値は、上記で定義された一群の参照サンプルに基づいて決定される。これらの参照サンプルに基づいて線形またはロジスティック回帰関数を決定する場合は、使用者は、良いもしくは悪い診断(例えば、それぞれ、単純な脂肪症もしくはNASHの診断、もしくはクローン病の安定なもしくは不安定な状態診断)または予後診断を定められた値と対応付けし、値および特定の閾値(以下「参照値」と呼ばれる)が特定される。試験シグネチャーに関連する値が参照値より下または上であるかどうかに応じて、次いで、試験遺伝子シグネチャーを、良いもしく悪い診断を有する(例えば、それぞれ、単純な脂肪症もしくはNASHの診断、またはクローン病の安定なもしくは不安定な状態の診断)として、または良いもしくは悪い予後診断を有する(良性または炎症性の脂肪症)として分類することができる。
ロジスティック回帰以外の他のタイプの一般化線形モデルも使用することができる。これらのアプローチは当業者に周知である。
要約すれば、アルゴリズム[線形回帰またはその派生体、例えば一般化線形モデル(GLM、ロジスティック回帰を含める)、近傍法(k-NN)、決定木、サポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワーク、線形判別分析(LDA)、ランダムフォレストまたはマイクロアレイの予測分析(PAM)から選択されうる]を、(好ましくは、良性脂肪症に関連するいくつかの参照シグネチャーならびにNASHおよびNASH関連の線維症に関連するいくつかの参照シグネチャーを含めた)一群の参照サンプルに基づいて較正し、次いで、試験サンプルに適用する。簡単に言えば、患者のシグネチャー中のすべての遺伝子を参照シグネチャー由来のすべての遺伝子と比較する方法に基づいて、患者を、良い(または悪い)診断/予後診断に分類する。
良い診断/予後診断サンプル対悪い診断/予後診断サンプルにおいて、遺伝子シグネチャーの個々の遺伝子が増大したか低下したかどうかについての理解は、科学的に興味深い。それぞれの個々の遺伝子に関して、スチューデントのt検定または同等の方法を使用することによって、良い診断/予後診断群における遺伝子発現または存在量レベルを悪い診断/予後診断群と比較することができる。しかし、シグネチャーがいくつかの異なる遺伝子を含む場合は、そうしたバイナリー比較は、一般に診断/予後診断に使用されない。
好ましい実施形態では、本発明の方法は、対象が肝疾患、特に良性脂肪症、NASHまたはNASH関連の線維症に罹患しているかどうか決定することを可能にする。
したがって本発明は、インビトロでの肝疾患の診断および/または予後診断のための方法であって、
a)1つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも2つの細菌遺伝子を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、対象の生物サンプルから決定する工程、
b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照遺伝子シグネチャーと比較する工程、
c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程
を含む方法に関する。
好ましい実施形態では、前記肝疾患は、脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝不全および肝臓癌からなる群において選択される。
好ましい実施形態では、本発明の方法は、特定の段階の肝疾患の診断または予後診断に使用することができる。
特に、本発明の方法は、良性脂肪症の(良い)診断もしくは予後診断または脂肪性肝炎の(悪い)診断もしくは予後診断に使用することができる。
本実施形態では、本発明の方法は、
a)配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101からなる群において選択される1つもしくは少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、対象の生物サンプルから決定する工程、
b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
c)前記対象が良性脂肪症または脂肪性肝炎を有するかどうかを、前記比較から診断する工程
を含む。
そうした診断または予後診断方法に関して、良性脂肪症は陽性の結果とみなされ、一方、脂肪性肝炎は(患者が脂肪性肝炎に罹患しているまたは罹患するであろうことを考慮すれば)陰性の結果とみなされる。
本発明者らは、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101またはその同等遺伝子からなる群において選択される1つまたは複数の細菌遺伝子の組合せが、脂肪性肝炎に罹患する(すなわち、線維症の有無を問わないNASHに罹患する)またはより進行した肝疾患(肝硬変、肝臓癌)に罹患する対象と良性脂肪症を有する対象とを効率的に識別することができることを実際に示した(以下の実施例1を参照されたい)。
より正確には、こうした細菌遺伝子の2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個からなる遺伝子シグネチャーを解析することによって、これらの対象を効率的に識別できることを示した。
したがって、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される1つもしくは少なくとも2つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの、好ましくは少なくとも6つの、好ましくは少なくとも7つの、好ましくは少なくとも8つの、好ましくは少なくとも9つの、好ましくは少なくとも10個の、好ましくは少なくとも11個の、好ましくは少なくとも12個の、好ましくは少なくとも13個の、好ましくは少なくとも14個の、好ましくは少なくとも15個の、好ましくは少なくとも16個の、好ましくは少なくとも17個の、好ましくは少なくとも18個の、好ましくは少なくとも19個の、好ましくは少なくとも20個の、好ましくは少なくとも21個の細菌遺伝子、または同等シグネチャーにおいて選択される同等遺伝子の発現および/または存在量を決定することによって、脂肪性肝炎に罹患する患者を診断または予後診断することができる。
好ましい実施形態では、非常に特異的であり、比較的感度がよい(AUC:0.83、sn:0.62;sp:0.9;PPV:0.72;NPV:0.85)ことが示された4個の代表遺伝子、すなわち配列番号1、配列番号81、配列番号56および配列番号96からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.86、sn:0.66;sp:0.9;PPV:0.73;NPV:0.86)ことが示された9個の代表遺伝子、すなわち配列番号1、配列番号16、配列番号41、配列番号71、配列番号81、配列番号21、配列番号46、配列番号91および配列番号96からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.83、sn:0.59;sp:0.9;PPV:0.71;NPV:0.83)ことが示された10個の代表遺伝子、すなわち配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号21、配列番号31、配列番号41、配列番号51、配列番号61、配列番号76および配列番号96からなる遺伝子シグネチャーを決定することによって、良性脂肪症または脂肪性肝炎が診断される。
別の好ましい実施形態では、非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.81、sn:0.48;sp:0.94;PPV:0.78;NPV:0.81)ことが示された1、5、17、10、12および20の6クラスター[以下のTable 1(表1)を参照されたい]のすべての遺伝子からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.8、sn:0.52;sp:0.9;PPV:0.68;NPV:0.81)ことが示された2、5、8、12、13、15、16、17、18および21の10クラスターのすべての遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを決定することによって、良性脂肪症または脂肪性肝炎が診断される。
別の好ましい実施形態では、感度は良くないが非常に特異的である(AUC:0.64、sn:0.29;sp:0.9;PPV:0.48;NPV:0.8)ことが示された1および31の2クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャー[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.76、sn:0.59;sp:0.87;PPV:0.65;NPV:0.83)ことが示された1、16、13および14の4クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.7、sn:0.41;sp:0.94;PPV:0.75;NPV:0.79)ことが示された12、5、10、18および19の5クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.73、sn:0.66;sp:0.84;PPV:0.63;NPV:0.85)ことが示された3、16、15、11、13、14、7および4の8クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを決定することによって、良性脂肪症または脂肪性肝炎が診断される。
別の実施形態では、本発明の方法は、以前に脂肪性肝炎と診断された、線維症を伴う脂肪性肝炎に罹患している対象の、特に上記の工程a)からc)による診断または予後診断に使用することができる。
この特定の実施形態では、本発明の方法は、
d)配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される1つもしくは少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、前記生物サンプルにおいて決定する工程、
e)工程d)で得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
f)前記対象が線維症を伴う脂肪性肝炎に罹患するかどうかを、前記比較から決定する工程
をさらに含む。
そうした診断または予後診断方法に関しては、線維症を伴わないNASHは「陽性」結果とみなされ、一方、より進行した肝臓関連疾患(線維症を伴うNASH)は陰性の結果とみなされる。
実際に本発明者らは、工程a)からc)で決定した場合に、対象の遺伝子シグネチャーが脂肪性肝炎に関連することが一旦分かると、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151またはその同等遺伝子からなる群において選択される1つまたは複数の細菌遺伝子の組合せは、「単純な」脂肪性肝炎(すなわち線維症を伴わない)に罹患する対象と線維症が付随する脂肪性肝炎に罹患する対象を効率的に識別することができることを示した(以下の実施例2を参照されたい)。
以下の実施例2では、これらの細菌遺伝子の2、3、4、5、6、7または8個からなる遺伝子シグネチャーを解析することによって、これらの対象を効率的に識別できることも示した。
したがって、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151または同等シグネチャーにおいて選択される同等遺伝子からなる群において選択される、1つまたは少なくとも2つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも3、好ましくは少なくとも4、好ましくは少なくとも5、好ましくは少なくとも6、好ましくは少なくとも7、好ましくは少なくとも8、好ましくは少なくとも9、好ましくは少なくとも10個の細菌遺伝子の発現および/または存在量を決定することによって、線維症が付随する脂肪性肝炎に罹患する患者を診断または予後診断することができる。
好ましい実施形態では、非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.83、sn:0.76;sp:0.82;PPV:0.81;NPV:0.78)ことが示された7個の代表遺伝子、すなわち配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号131、配列番号136および配列番号151からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.81、sn:0.82;sp:0.79;PPV:0.79;NPV:0.82)ことが示された8個の代表遺伝子、すなわち配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136および配列番号151からなる遺伝子シグネチャーを決定することによって、線維症が付随する脂肪性肝炎が診断される。
別の好ましい実施形態では、非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.85、sn:0.74;sp:0.85;PPV:0.83;NPV:0.76)ことが示された22、23、25、27、28および31の6クラスターのすべての遺伝子からなる遺伝子シグネチャー[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.85、sn:0.88;sp:0.7;PPV:0.75;NPV:0.85)ことが示された22、23、24、25、27、28および31の7クラスターのすべての遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを決定することによって、線維症が付随する脂肪性肝炎が診断される。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法は、クローン病患者の特定の状態の診断または予後診断に使用することができる。
特に、本発明の方法は、安定状態のクローン病患者の診断もしくは予後診断、または不安定状態のクローン病患者の診断もしくは予後診断に使用することができる。
本実施形態では、本発明の方法は、
a)配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101からなる群において選択される1つもしくは少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、対象の生物サンプルから決定する工程、
b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
c)前記対象が安定なまたは不安定な状態のクローン病を有するかどうかを、前記比較から診断する工程
を含む。
そうした診断または予後診断方法に関しては、「安定状態のクローン病患者」または「安定なクローン病」は、陽性の結果とみなされ、一方、「不安定状態のクローン病患者」または「不安定なクローン病」は陰性の結果とみなされる。
実際に本発明者らは、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101またはその同等遺伝子からなる群において選択される1つまたは複数の細菌遺伝子が、安定なクローン病に罹患する対象または不安定なクローン病に罹患する対象を効率的に識別することができることを示した(以下の実施例4を参照されたい)。
特に好ましい実施形態では、非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.73、sn:0.4;sp:0.99;PPV:0.89、NPV:0.89)ことが示された3、11、17、10および18の5クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャー[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.74、sn:0.4;sp:0.99;PPV:0.89;NPV:0.89)ことが示された2、7、11、15、17および18の6クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャー、非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.74, sn:0.4;sp:0.99;PPV:0.89;NPV:0.89)ことが示された3、11、13、15、17および18の6クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャー、または非常に特異的であり、感度がよい(AUC:0.73、sn:0.4;sp:0.99;PPV:0.89;NPV:0.89)ことが示された3、11、12、14、16、17および18の7クラスターのそれぞれの少なくとも1つの遺伝子からなる遺伝子シグネチャーを決定することによって、クローン病を予後診断または診断する。
遺伝子シグネチャーは、当業者に既知の任意の技術によって決定することができる。特に、各遺伝子発現または存在量は、ゲノムおよび/または核酸および/またはタンパク質レベルで測定することができる。好ましい実施形態では、遺伝子シグネチャーは、各遺伝子のDNAコピー量を測定することによって決定される。別の実施形態では、遺伝子シグネチャーは、各遺伝子によって産生される核酸転写産物および/またはタンパク質の量を測定することによって、決定される。
好ましい実施形態では、工程a)およびd)における対象の遺伝子シグネチャーは、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション解析、ポリヌクレオチドのシークエンシングおよび/またはプロテオミクスに基づく遺伝子存在量プロファイリング法を使用することによって決定される。
各遺伝子のDNAコピー量は、当業者に既知の任意の技術によって測定することができる。サンプル中のDNA鎖を定量化するための、当技術分野で既知の最も一般に使用される方法としては、ノーザンブロッティングおよびインサイチュハイブリダイゼーション[Parker & Barnes、Methods in Molecular Biology 106:247〜283 (1999)]ならびにPCRベースの方法、例えば定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)[Heldら、Genome Research 6:986〜994 (1996)]が挙げられる。あるいは、DNA二本鎖またはDNA-タンパク質二本鎖を含めた配列特異的な二本鎖を認識しうる抗体を用いることができる。シークエンシングベースの解析の代表的な方法としては、連鎖停止反応法、ショットガンシークエンシング法、デノボシークエンシング、次世代シークエンシング法[大規模並列シグネチャーシークエンシング(Massively Parallel Signature Sequencing)(MPSS)、ポロニーシークエンシング、454ピロシーケンシング、Illumina(Solexa)シークエンシング、SOLiDシークエンシング、Ion半導体シークエンシング、DNAナノボールシークエンシング、Helioscope一分子シークエンシング、一分子リアルタイム(SMRT)シークエンシング、RNAPシークエンシング、ナノポアDNAシークエンシング、シークエンシングバイハイブリダイゼーション(Sequencing by hybridization)およびマイクロ流体サンガーシークエンシングを含む]が挙げられる。
遺伝子によって産生されるタンパク質の量は、当業者に既知の任意の技術によって測定することができる。特に、タンパク質マイクロアレイ、インサイチュ蛍光ハイブリダイゼーション(FISH)または当技術分野で周知の任意の技術を使用して測定することができる。
特定の実施形態では、本発明の方法の工程a)およびd)における遺伝子シグネチャーは、前記細菌遺伝子の相対的存在量を測定することによって決定される。先に開示したように、遺伝子の相対的存在量は、例えば、これら2つの量の比を求めることにより試験サンプル中に存在する前記遺伝子の全コピー数および細菌遺伝子の総量を測定することで、評価される。以下の例で示すように、例えば、ハイスループットシークエンシング技術(次世代シークエンシングまたはNGS)を使用して糞便サンプルから抽出したDNAをシークエンシングすること、非重複参照カタログ(non-redundant reference catalogue)から得られるショートリードをマッピング/整列化すること、および該カタログからの単一参照配列にマップされたリード数を数えることによって、遺伝子のコピー数を測定することができる。遺伝子の全長に関してマップされたリード数を標準化することおよび細菌遺伝子の総量に関して遺伝子数を標準化することは、データを標準化するための好ましい2つのオプションである。
好ましい実施形態では、本発明の診断および/または予後診断方法は、肝疾患または炎症性腸疾患などの炎症性疾患に罹患している対象に対する治療を計画するのに使用することができる。本実施形態では、本発明の方法は、対象に対する治療であって、(本発明の方法によって)診断された特定の病態に適合する治療を計画するさらなる工程を含む。
特に、肝疾患またはクローン病などの炎症性疾患に罹患している対象において治療の有効性を試験するのに、本発明の方法を使用することができる。
例えば、本発明の診断方法が、対象が2型糖尿病に罹患していることを特定することを可能にするならば、適合する治療は、以下からなる群から選択される薬理学的治療でもよい:抗糖尿病薬、例えば(これらに限定されないが)メトホルミン、ビグアニド、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、メグリチニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、インクレチンミメティック(グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト、胃抑制ペプチド類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、アミリン類似体を含む)、TGR5活性化剤、GPR119リガンド、グルコキナーゼ活性化剤、亜鉛トランスポーターアゴニスト、IL1β阻害剤、チオレドキシン相互作用タンパク質阻害剤;ならびに生活様式への介入、例えば広範囲の異なるカロリー制限強度の食事および多量栄養素組成物(低炭水化物、低脂肪、飽和脂肪食);ならびに胃バンド、胆腸バイパス、胃バイパスおよび胃スリーブ手術を含めた肥満外科手術法。
例えば、本発明の診断方法が、対象が良性脂肪症に罹患していることを特定することを可能にするならば、適合する治療は、以下からなる群から選択される薬理学的治療でもよい:抗糖尿病薬、例えば(これらに限定されないが)メトホルミン、ビグアニド、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、メグリチニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、インクレチンミメティック(グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト、胃抑制ペプチド類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、アミリン類似体を含む)、TGR5活性化剤、GPR119リガンド、グルコキナーゼ活性化剤、亜鉛トランスポーターアゴニスト、IL1β阻害剤、チオレドキシン相互作用タンパク質阻害剤、腸内リパーゼ阻害剤;ならびに末梢性カンナビノイド受容体の遮断薬またはアゴニスト、ならびに抗酸化剤、例えば(これらに限定されないが)ペントキシフィリン、ビタミンEおよびビタミンD、ならびにカスパーゼ阻害剤、PDE4選択的阻害剤、胆汁酸およびその派生体[ウルソデオキシコール酸(UDCA)、FXRおよびRXRアゴニスト]および多価不飽和脂肪酸、例えば、これらに限定されないが、ω3脂肪酸および結合型ω3脂肪酸、ならびに生活様式への介入、例えば広範囲の異なるカロリー制限強度の食事および多量栄養素組成物(低炭水化物、低脂肪、飽和脂肪食);ならびに(これらに限定されないが)胃バンド、胆腸バイパス、胃バイパスおよび胃スリーブ手術を含めた肥満外科手術法。
例えば、本発明の診断方法が、対象がNASH関連の線維症に罹患していることを特定することを可能にするならば、適合する治療は、以下からなる群から選択される薬理学的治療でもよい:抗糖尿病薬、例えば(これらに限定されないが)メトホルミン、ビグアニド、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、メグリチニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、インクレチンミメティック(グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト、胃抑制ペプチド類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、アミリン類似体を含む)、TGR5活性化剤、GPR119リガンド、グルコキナーゼ活性化剤、亜鉛トランスポーターアゴニスト、IL1β阻害剤、チオレドキシン相互作用タンパク質阻害剤、腸内リパーゼ阻害剤;ならびに末梢性カンナビノイド受容体の遮断薬またはアゴニスト、ならびに抗酸化剤、例えば(これらに限定されないが)ペントキシフィリン、ビタミンEおよびビタミンD、ならびにカスパーゼ阻害剤、PDE4選択的阻害剤、胆汁酸およびその派生体[ウルソデオキシコール酸(UDCA)、FXRおよびRXRアゴニスト]および多価不飽和脂肪酸、例えば(これらに限定されないが)ω3脂肪酸および結合型ω3脂肪酸、抗線維化薬、例えば(これらに限定されないが)コルヒチン、インターフェロンγ、ARB、PPARリガンド、ピルフェニドン;ならびに生活様式への介入、例えば(これらに限定されないが)広範囲の異なるカロリー制限強度の食事および多量栄養素組成物(低炭水化物、低脂肪、飽和脂肪食);ならびに(これらに限定されないが)胃バンド、胆腸バイパス、胃バイパスおよび胃スリーブ手術を含めた肥満外科手術法。
例えば、本発明の診断方法が、対象が線維症を伴わないNASHに罹患していることを特定することを可能にするならば、適合する治療は、以下からなる群において選択される薬理学的治療でもよい:抗糖尿病薬、例えば(これらに限定されないが)メトホルミン、ビグアニド、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、メグリチニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、インクレチンミメティック(グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト、胃抑制ペプチド類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、アミリン類似体を含む)、TGR5活性化剤、GPR119リガンド、グルコキナーゼ活性化剤、亜鉛トランスポーターアゴニスト、IL1β阻害剤、チオレドキシン相互作用タンパク質阻害剤、腸内リパーゼ阻害剤;ならびに末梢性カンナビノイド受容体の遮断薬またはアゴニスト、ならびに抗酸化剤、例えば(これらに限定されないが)ペントキシフィリン、ビタミンEおよびビタミンD、ならびにカスパーゼ阻害剤、PDE4選択的阻害剤、胆汁酸およびその派生体[ウルソデオキシコール酸(UDCA)、FXRおよびRXRアゴニスト]および多価不飽和脂肪酸、例えば(これらに限定されないが)ω3脂肪酸および結合型ω3脂肪酸、抗線維化薬、例えば(これらに限定されないが)コルヒチン、インターフェロンγ、ARB、PPARリガンド、ピルフェニドン;ならびに生活様式への介入、例えば(これらに限定されないが)広範囲の異なるカロリー制限強度の食事および多量栄養素組成物(低炭水化物、低脂肪、飽和脂肪食);ならびに(これらに限定されないが)胃バンド、胆腸バイパス、胃バイパスおよび胃スリーブ手術を含めた肥満外科手術法。
例えば、対象が炎症性腸疾患に罹患しているならば、本発明の診断方法がその状態を特定することを可能にする場合、適合する治療は、以下からなる群において選択される薬理学的治療でもよい:アザチオプリン、メサラミン、アバタセプト、アダリムマブ、アナキンラ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、ナタリズマブ、コルチコステロイド、シクロスポリン、メトトレキサート、タクロリムス、抗JAK(トファシチニブ)、抗インテグリン(ベドリズマブ、rhuMAbβ7、MAdCAM-1アンタゴニスト)または抗IL12/IL23(ウステキヌマブ、ABT874)。
より好ましくは、本実施形態では、本発明は、炎症性疾患に罹患している対象を治療するための方法であって、
i)本発明の方法に従って、対象において2型糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、炎症性腸疾患(例えば、クローン病)または肝疾患などの炎症性疾患を診断および/または予後診断する工程、
ならびに
ii)前記対象を適切な治療で治療する工程であって、前記炎症性疾患が一旦診断されると、前記適切な治療が伝統的な形で医師が認めるものにおいて選択される工程
を含む方法を包含する。
好ましくは、前記適切な治療は、以下からなる群において選択することができる:抗糖尿病薬、例えば(これらに限定されないが)メトホルミン、ビグアニド、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、メグリチニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、インクレチンミメティック(グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト、胃抑制ペプチド類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、アミリン類似体を含む)、TGR5活性化剤、GPR119リガンド、グルコキナーゼ活性化剤、亜鉛トランスポーターアゴニスト、IL1β阻害剤、チオレドキシン相互作用タンパク質阻害剤、腸内リパーゼ阻害剤;ならびに末梢性カンナビノイド受容体の遮断薬またはアゴニスト、ならびに抗酸化剤、例えば(これらに限定されないが)ペントキシフィリン、ビタミンEおよびビタミンD、ならびにカスパーゼ阻害剤、PDE4選択的阻害剤、胆汁酸およびその派生体[ウルソデオキシコール酸(UDCA)、FXRおよびRXRアゴニスト]および多価不飽和脂肪酸、例えば(これらに限定されないが)ω3脂肪酸および結合型ω3脂肪酸、抗線維化薬、例えば(これらに限定されないが)コルヒチン、インターフェロンγ、ARB、PPARリガンド、ピルフェニドン。
さらにより好ましくは、本発明は、炎症性疾患に罹患している対象を管理するための方法であって、
i)本発明の方法に従って、対象において2型糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、炎症性腸疾患(例えば、クローン病)または肝疾患などの炎症性疾患を診断および/または予後診断する工程、
ならびに
ii)適切な治療で前記対象に対処する工程であって、前記炎症性疾患が一旦診断されると、前記適切な治療が伝統的な形で医師が認めるものにおいて選択される工程
を含む方法を包含する。
この特定の実施形態では、前記適切な治療は、好ましくは、生活様式への介入、例えば異なるカロリー制限強度の食事および多量栄養素組成物(低炭水化物、低脂肪、飽和脂肪食);ならびに/または(これらに限定されないが)胃バンド、胆腸バイパス、胃バイパスおよび胃スリーブ手術を含めた肥満外科手術法である。
好ましい実施形態では、本発明は、肝疾患に罹患している対象を治療するための方法であって、
i)本発明の方法に従って、対象において良性脂肪症、脂肪性肝炎または線維症が付随する脂肪性肝炎を診断および/または予後診断する工程、
ならびに
ii)前記対象を適切な治療で治療する工程であって、肝疾患の前記段階が一旦診断されると、前記適切な治療が伝統的な形で医師が認めるものにおいて選択される工程
を含む方法を包含する。
好ましくは、前記適切な治療は以下からなる群において選択することができる:抗糖尿病薬、例えば(これらに限定されないが)メトホルミン、ビグアニド、チアゾリジンジオン、スルホニル尿素、メグリチニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、インクレチンミメティック(グルカゴン様ペプチド類似体およびアゴニスト、胃抑制ペプチド類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、アミリン類似体を含む)、TGR5活性化剤、GPR119リガンド、グルコキナーゼ活性化剤、亜鉛トランスポーターアゴニスト、IL1β阻害剤、チオレドキシン相互作用タンパク質阻害剤、腸内リパーゼ阻害剤;ならびに末梢性カンナビノイド受容体の遮断薬またはアゴニスト、ならびに抗酸化剤、例えば(これらに限定されないが)ペントキシフィリン、ビタミンEおよびビタミンD、ならびにカスパーゼ阻害剤、PDE4選択的阻害剤、胆汁酸およびその派生体[ウルソデオキシコール酸(UDCA)、FXRおよびRXRアゴニスト]および多価不飽和脂肪酸、例えば(これらに限定されないが)ω3脂肪酸および結合型ω3脂肪酸、抗線維化薬、例えば(これらに限定されないが)コルヒチン、インターフェロンγ、ARB、PPARリガンド、ピルフェニドン。
さらにより好ましくは、本発明は、肝疾患に罹患している対象を管理するための方法であって、
i)本発明の方法に従って、対象において良性脂肪症、脂肪性肝炎または線維症が付随する脂肪性肝炎を診断および/または予後診断する工程、
ならびに
ii)適切な治療で前記対象に対処する工程であって、肝疾患の前記段階が一旦診断されると、前記適切な治療が伝統的な形で医師が認めるものにおいて選択される工程
を含む方法を包含する。
この特定の実施形態では、前記適切な治療は、好ましくは、生活様式への介入、例えば異なるカロリー制限強度の食事および多量栄養素組成物(低炭水化物、低脂肪、飽和脂肪食);ならびに/または(これらに限定されないが)胃バンド、胆腸バイパス、胃バイパスおよび胃スリーブ手術を含めた肥満外科手術法である。
好ましい実施形態では、本発明は、クローン病などの炎症性腸疾患に罹患している対象を治療するための方法であって、
i)本発明の方法に従って、対象において炎症性腸疾患に罹患している患者の状態を診断および/または予後診断する工程、
ならびに
ii)前記対象を適切な治療で治療する工程であって、炎症性腸疾患の前記状態が一旦診断されると、前記適切な治療が伝統的な形で医師が認めるものにおいて選択される工程
を含む方法を包含する。
例えば、クローン病患者が不安定状態であると診断される場合は、適合する治療は、以下からなる群において選択される薬理学的治療でもよい:アザチオプリン、メサラミン、アバタセプト、アダリムマブ、アナキンラ、セルトリズマブ、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、ナタリズマブ、コルチコステロイド、シクロスポリン、メトトレキサート、タクロリムス、抗JAK(トファシチニブ)、抗インテグリン(ベドリズマブ、rhuMAbβ7、MAdCAM-1アンタゴニスト)または抗IL12/IL23(ウステキヌマブ、ABT874)。
別の態様では、本発明はさらに、本発明の方法による、肝疾患またはクローン病などの炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後診断のためのキットであって、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される少なくとも1つもしくは2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含む遺伝子シグネチャーを決定するための少なくとも1つの試薬を含むキットに関する。
前記キットは、1つまたは複数の参照遺伝子のさらなる遺伝子または遺伝子産物に特異的なさらなる試薬(例えば、プライマー、プローブまたは抗体)を含むことができる。本明細書の参照遺伝子は、シグネチャーに関する遺伝子レベルを標準化するのに使用することができる、細菌全体にわたって、ユビキタスなレベルの発現および/または存在量を有する遺伝子を指す。前記キットは、肝疾患または炎症性腸疾患などの炎症性疾患の有無の決定に関する指示書を含むこともできる。
有利には、キットが良性脂肪症を診断または予後診断することを目的とする場合、本発明のキットに含まれる試薬は、配列番号1、配列番号81、配列番号56および配列番号96に対して、配列番号1、配列番号16、配列番号41、配列番号71、配列番号81、配列番号21、配列番号46、配列番号91および配列番号96に対して、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号21、配列番号31、配列番号41、配列番号51、配列番号61、配列番号76および配列番号96に対して、1、5、17、10、12および20の6クラスターのすべての遺伝子に対して、または2、5、8、12、13、15、16、17、18および21の10クラスターのすべての遺伝子に特異的である。
より有利には、これらの試薬は、配列番号1、配列番号91、配列番号51および/または配列番号151に特異的である。
有利には、キットが、線維症が付随する脂肪性肝炎を診断または予後診断することを目的とする場合、本発明のキットに含まれる試薬は、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号131、配列番号136および配列番号151に対して、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136および配列番号151に対して、22、23、25、27、28および31の6クラスターのすべての遺伝子に対して、または22、23、24、25、27、28および31の7クラスターのすべての遺伝子に特異的である。
好ましい実施形態では、本発明のキットは、肝疾患または炎症性腸疾患などの炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後診断専用である。「専用」は、本発明のキットの試薬が、場合によっては1つまたは複数のハウスキーピング遺伝子と共に、遺伝子シグネチャーに含まれる特定の遺伝子の存在量および/または発現レベルを決定するための試薬から本質的になり、したがって、遺伝子シグネチャーにおいて述べた遺伝子およびハウスキーピング遺伝子以外の遺伝子の発現および/または存在量を決定するための最低限の試薬を含むことを意味する。
別の態様では、したがって本発明は、対象における炎症性疾患のインビトロでの診断または予後診断のための方法であって、上記で定義された本発明のキットを使用する方法に関する。好ましい実施形態では、前記方法は、
a)1つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも2つの細菌遺伝子を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを前記対象の生物サンプルから決定し、それによって、上記で定義された本発明のキットを使用する工程、
b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照遺伝子シグネチャーと比較する工程、
c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程
を含む。
好ましい実施形態では、前記方法は、上記で定義された条件において、肝疾患、特に良性脂肪症、NASHまたはNASH関連の線維症に対象が罹患しているかまたは罹患するかどうかを決定することを可能にする。
別の好ましい実施形態では、前記方法は、上記で定義された条件において、安定なまたは不安定な状態のクローン病を対象が有するかどうかを決定することを可能にする。
加えて、クローン病/肝疾患の表現型の有無の決定に関する指示書は、好ましくは、参照シグネチャーを得るための少なくとも1つの参照シグネチャーまたは少なくとも1つの参照サンプルを含む。好ましい実施形態では、少なくとも1つの参照シグネチャーは脂肪症参照サンプルから得られる。あるいは、少なくとも1つの参照シグネチャーはNASH参照サンプルから得られる。あるいは、少なくとも1つの参照シグネチャーは線維症参照サンプルから得られる。あるいは、少なくとも1つの参照シグネチャーは安定クローン病参照サンプルから得られる。あるいは、少なくとも1つの参照シグネチャーは不安定クローン病参照サンプルから得られる。より好ましくは、クローン病/肝疾患の診断の決定は、上記のように、これらの参照シグネチャーとの比較によって行われる。
別の態様では、本発明は、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151またはその同等遺伝子からなる群において選択される1つもしくは少なくとも2つの細菌遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる核酸マイクロアレイにも関していた。
より有利には、これらのマイクロアレイは、配列番号1、配列番号91、配列番号51および配列番号151からなる群において選択される少なくとも1つの細菌遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる。
より一層有利には、これらのマイクロアレイは、クラスター1および31のそれぞれの、クラスター1、16、13および14のそれぞれの、もしくはクラスター3、16、13、15、16、11、14、7および4のそれぞれの少なくとも1つの遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]。これらは、例えば、肝疾患に罹患する患者において肝疾患を予後診断または診断するために使用することができる。
より一層有利には、これらのマイクロアレイは、クラスター3、11、17および10のそれぞれの、クラスター2、7、11、15、17および18のそれぞれの、もしくはクラスター3、11、13、15、17および18のぞれぞれの、もしくはクラスター3、11、12、14、17および18のそれぞれの少なくとも1つの遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]。これらは、例えば、クローン病に罹患する患者においてクローン病の進展を予後診断または診断するために使用することができる。
本発明によれば、「核酸マイクロアレイ」は、基盤に結合している様々な核酸プローブからなり、基盤はマイクロチップ、ガラススライドまたはミクロスフェアサイズのビーズでもよい。マイクロチップは、ポリマー、プラスチック、樹脂、多糖、シリカまたはシリカ系の材料、炭素、金属、無機ガラス、またはニトロセルロースから構成されうる。プローブは、核酸、例えばcDNA(「cDNAマイクロアレイ」)またはオリゴヌクレオチド(「オリゴヌクレオチドマイクロアレイ」)でもよく、オリゴヌクレオチドは、約25から約60塩基対以下の長さでもよい。
好ましい実施形態では、本発明の核酸マイクロアレイは、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される1つまたは少なくとも2つの細菌遺伝子に特異的にハイブリダイズすることができ、特異的なプローブとして働くオリゴヌクレオチドを有する、オリゴヌクレオチドマイクロアレイである。好ましくは、オリゴヌクレオチドは約50塩基の長さである。
本発明の核酸マイクロアレイが上記で定義された同等遺伝子シグネチャーに特異的なマイクロアレイを包含することが認められている。
有利には、前記核酸マイクロアレイは、前記マイクロアレイが良性脂肪症を診断または予後診断することを目的とする場合、少なくとも配列番号1、配列番号81、配列番号56および配列番号96に対して、配列番号1、配列番号16、配列番号41、配列番号71、配列番号81、配列番号21、配列番号46、配列番号91および配列番号96に対して、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号21、配列番号31、配列番号41、配列番号51、配列番号61、配列番号76および配列番号96に対して、1、5、17、10、12および20の6クラスターのすべての遺伝子に対して、もしくは2、5、8、12、13、15、16、17、18および21の10クラスターのすべての遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる。
より有利には、前記核酸マイクロアレイは、配列番号1、配列番号91、配列番号51および配列番号151からなる群において選択される少なくとも1つの細菌遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる。
より一層有利には、前記核酸マイクロアレイは、クラスター1および31のそれぞれの、クラスター1、16、13および14のそれぞれの、もしくはクラスター3、16、13、15、16、11、14、7および4のそれぞれの少なくとも1つの遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]。これらは、例えば、肝疾患に罹患する患者において肝疾患を予後診断または診断するために使用することができる。
より一層有利には、前記核酸マイクロアレイは、クラスター3、11、17および10のそれぞれの、クラスター2、7、11、15、17および18のそれぞれの、もしくはクラスター3、11、13、15、17および18のぞれぞれの、もしくはクラスター3、11、12、14、17および18のそれぞれの少なくとも1つの遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる[標的配列との対応について、以下のTable 1(表1)を参照されたい]。これらは、例えば、クローン病に罹患する患者においてクローン病の進展を予後診断または診断するために使用することができる。
有利には、前記マイクロアレイが、線維症が付随する脂肪性肝炎を診断または予後診断することを目的とする場合、前記マイクロアレイは、少なくとも、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121に対して、配列番号131、配列番号136および配列番号151に対して、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136および配列番号151に対して、22、23、25、27、28および31の6クラスターのすべての遺伝子に対して、22、23、24、25、27、28および31の7クラスターのすべての遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる。
前記核酸マイクロアレイは、さらなる遺伝子に対して、場合によっては1つまたは複数の参照遺伝子に特異的なさらなる核酸を含むことができるが、好ましくは、最大で500、400、300、200、好ましくは100、90、80、70、より好ましくは60、50、45、40、35、30、25、20、15、10個の、またはさらに少ない(例えば9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1個の)異なる核酸からなる。
標的核酸サンプルの遺伝子シグネチャーを決定するために、前記サンプルを標識し、ハイブリダイゼーション条件で本発明の核酸マイクロアレイと接触させ、マイクロアレイの表面に結合したプローブ配列に相補的な標的核酸と複合体を形成させる。次いで、核酸マイクロアレイ上のハイブリダイズした標識複合体の存在を検出する。マイクロアレイハイブリダイゼーション技術の多くの変形を、当業者が利用することができる。
配列番号1から155の任意の遺伝子に特異的な適切なマイクロアレイオリゴヌクレオチドは、当技術分野で既知の任意のマイクロアレイオリゴヌクレオチド設計法を使用して、各遺伝子のゲノム配列に基づいて設計することができる。特に、マイクロアレイオリゴヌクレオチドの設計用に開発された任意の利用可能なソフトウェアを使用することができ、例えばOligoArrayソフトウェア(http://berry.engin.umich.edu/oligoarray/で利用可能)、GoArraysソフトウェア(http://www.isima.fr/bioinfo/goarrays/で利用可能)、Array Designerソフトウェア(http://www.premierbiosoft.com/dnamicroarray/index.htmlで利用可能)、Primer3ソフトウェア(http://frodo.wi.mit.edu/primer3/primer3_code.htmlで利用可能)またはPromideソフトウェア(http://oligos.molgen.mpg.de/で利用可能)などである。
別の態様では、本発明はしたがって、対象における炎症性疾患のインビトロでの診断または予後診断のための方法であって、上記で定義された本発明のマイクロアレイを使用する方法に関する。好ましい実施形態では、前記方法は、
a)1つの細菌遺伝子、好ましくは少なくとも2つの細菌遺伝子を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを前記対象の生物サンプルから決定し、それによって、上記で定義された本発明のマイクロアレイを使用する工程、
b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照遺伝子シグネチャーと比較する工程、
c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程
を含む。
好ましい実施形態では、前記方法は、上記で定義された条件において、肝疾患または炎症性腸疾患、特に良性脂肪症、NASHまたはNASH関連の線維症に対象が罹患しているかまたは罹患するかどうかを決定することを可能にする。
設備および方法
1.共変原理を用いて、クラスタリングアプローチを使用した。二段階の階層グラフクラスタリングを、330万遺伝子のカタログにマップされた、MetaHITコンソーシアムからの435サンプルに適用した。
第一段階では、MetaProfソフトウェアを使用して、330万遺伝子すべてと435サンプル由来の存在量プロファイルとのすべての非重複ペアワイズスピアマン相関を計算した。
フランスのCurieスーパーコンピューターで、5.4*1012の異なる相関を288コアに20分未満でコンピューター処理した。開始閾値rho=0.5を使用して、遺伝子をクラスターにグループ分けした。クラスターサイズが10,000遺伝子を越えた場合は、0.01単位の増大した相関閾値を使用して、その最終的なサイズが10,000以下になるまで構成遺伝子を繰り返し再クラスター化した。この第一段階は、膨張可能な離散的な閾値を使用して、クラスタリング問題の徹底的且つ決定的な探索を可能にした。
第二段階では、1,000遺伝子を越えるクラスターサイズおよび少なくとも2つのサンプルにおいて遺伝子がヌルでない存在量のシグナルを有するクラスターサイズについて、別の分割法を行った。このアプローチは、DAPCアルゴリズムを使用するパラメトリックな分配法からなる。遺伝子セットにおいてクラスターの最適な数(すなわちk)を評価するために、3pam2関数を使用して、最適なシルエット幅3を推定した。次いで、Rプログラミング環境において、3adegenet2ライブラリーを使用して、DAPC法を適用した。全変動性の少なくとも90%を含む最少数の主成分を使用して、遺伝子をクラスター化した。この第二段階は、すべての遺伝子を亜単位にグループ化することを可能にし、この亜単位は特定したクラスターに対応する。
2.目的の遺伝子クラスターの特定
あらかじめ決定された遺伝子クラスターの相対的存在量を、そのクラスター中の遺伝子存在量を平均することによって得た。500を超えるアイテムを有するクラスターのみを使用した。なぜなら、それが既知の細菌の最少サイズに対応するからである。コルモゴロフ-スミルノフ検定およびウィルコクソンのノンパラメトリック検定を使用して、遺伝子クラスターのlog変換化存在量プロファイルを表現型(良性脂肪症対NASHもしくはNASH+線維症、またはNASH対NASH+線維症のいずれか)に対して検定した。いずれかの検定(P値閾値:0.05)を通過するクラスターを選択した。高く相関する要素でクラスターを濃縮するために、通過クラスターを、元のクラスターの要素に対する階層クラスタリングを使用してサブクラスターに分けた。コルモゴロフ-スミルノフ検定およびウィルコクソン検定を使用して、250を超える要素を含むサブクラスターを検定した。最も有意に検定を通過するサブクラスターのみを選択した。
3.利用可能な最近(<4年)の生検を全員が有する肝臓の患者からの102個の糞便サンプルについて、これらの方法を適用した。
Figure 2015535177
Figure 2015535177
重要なことに、Table 1(表1)は、
- クラスター番号と添付のリストに列挙される標的配列の間の、
- 内部参照コード(以下「mgs」とも称される)とクラスター番号の間の、
対応を示す。
結果の統計的分析
(実施例1)
良性脂肪症の診断
真陽性および偽陽性の結果、NPV、PPV、特異性および感度を、以下のように定義し、計算する。
Figure 2015535177
・PPV(陽性的中率)=TP/(TP+FP)
・NPV(陰性的中率)=TN/(TN+FN)
・特異性=TN/(TN+FP)
・感度=TP/(TP+FN)
・ER=エラー率
a)良性脂肪症を診断するための、2、3、4、5、6、7、8、9、10の遺伝子クラスター由来の遺伝子の組合せ(k)(各クラスターの代表遺伝子のみを考慮する)。
Figure 2015535177
太字の組合せは最も有意な結果を与えた。
b)良性脂肪症を診断するための、2、3、4、5、6、7、8、9、10の遺伝子の組合せ(k)[Table 1(表1)および各クラスターについてのリストに開示されている5同等遺伝子を考慮する]。
Figure 2015535177
太字の組合せは最も有意な結果を与えた。
c)1から21の代表遺伝子クラスターを用いると、以下が得られる:
・AUC:0.84
・感度(良性脂肪症の特定):0.45
・特異性:0.94
・PPV:0.76
・NPV:0.80
・エラー率:0.21
d)クラスター1から21の5個の同等および代表遺伝子を用いると、以下が得られる:
・AUC:0.80
・感度(良性脂肪症の特定):0.38
・特異性:0.93
・PPV:0.69
・NPV:0.78
・エラー率:0.24
e)使用するアルゴリズムのタイプに応じて、試験によって与えられる連続スコアリング変数からのバイナリー試験結果を決定するための閾値を決定する必要がありうる。この閾値の決定は、パフォーマンス要件に従うように行われる。例えば、非常に特異的または感度がよい試験を構築することが重要でありうる。曲線下面積(AUC)は、閾値のすべての可能な値にわたる分類子/試験パフォーマンスの測定である。AUCが高いほど、試験のパフォーマンスがよい。
様々な値の閾値に関する、クラスター1から21のすべての代表遺伝子を有する試験のパフォーマンス。
Figure 2015535177
(実施例2)
NASH+線維症の診断
真陽性および偽陽性の結果、NPV、PPV、特異性および感度を、以下のように定義し、計算する。
Figure 2015535177
・PPV(陽性的中率)=TP/(TP+FP)
・NPV(陰性的中率)=TN/(TN+FN)
・特異性=TN/(TN+FP)
・感度=TP/(TP+FN)
・ER=エラー率
a)NASHおよび線維症を伴うNASHを診断するための、2、3、4、5、6、7、8および9の組合せ(k)(各クラスターの代表遺伝子のみを考慮する)。
Figure 2015535177
b)NASHおよび線維症を伴うNASHを診断するための、2、3、4、5、6、7、8および9遺伝子の組合せ(k)[各クラスターについてTable 1(表1)に開示されている5同等遺伝子を考慮する]。
Figure 2015535177
c)クラスター1から10のすべての代表遺伝子を用いると、以下が得られる:
・AUC:0.66
・感度(NASH+線維症の特定):0.61
・特異性:0.82
・PPV:0.77
・NPV:0.68
・エラー率:0.28
d)クラスター1から10の5個の同等および代表遺伝子を用いると、以下が得られる:
・AUC:0.67
・感度(NASH+線維症の特定):0.52
・特異性:0.82
・PPV:0.74
・NPV:0.64
・エラー率:0.33
e)様々な値の閾値に関する、クラスター1から10のすべての代表遺伝子を用いる試験のパフォーマンス:
Figure 2015535177
(実施例3)
2つのアプローチ(閾値/包括的)による結果の検証
3.1材料および方法
「包括的アプローチ」は、先に開示した(ノンパラメトリック検定を使用する分布の比較であり、通常有意性のカットオフは0.05に設定される)。
「閾値アプローチ」
腸内微生物叢のいくつかの主な構造が報告されている。M, Raes J、Pelletier Eらは、Nature、2011の彼らの論文で、3つのそうした構造が存在することを報告した。これらは、細菌の生存および宿主にとって重要な機能、例えばエネルギー獲得および代謝物の処理を果たしうる細菌の様々な組合せを反映する。例えば、これらの構造のうちの1つであるエンテロタイプ1は、発酵を通して、主として炭水化物およびタンパク質からエネルギーを得ることが知られている。これらのエンテロタイプは、腸内に宿る微生物を形づくり、その結果として様々な種の存在/非存在/存在量を形づくる。表現型に対する目的のマーカーは、微生物叢のそうした構造に依存しうる。
そのようなマーカーを特定するために、通常行われるように、サンプルすべてではなくサンプルの一部のみに見られる傾向を探した。遺伝子の相対的存在量によって定義された部分群のサンプルが1つの表現型について濃縮されるかされないかを推定するために、二項分布を使用した。カイ二乗検定を使用して、濃縮に関して別の評価を行う。
統計
カイ二乗検定は、通常、2つのカテゴリー変数間の関連性を研究するために統計学者によって使用される。一旦、独立性の非存在の検定が拒否されると、ここで報告されるチュプローのTなどの様々な方法を使用して、2つの変数間の関連性の強さを推定することができる。チュプローのTが0である場合は、変数間に関連性がないが、それが1である場合は、関連性は完全である。
NASH1群の患者(「NASH1患者」)
2011年11月から2012年1月まで単一施設横断的研究を行い、登録より前に肝生検を受けたことがある96人の成人対象の便サンプルにおいて、メタジェノタイプを決定した。除外基準は、ここ6週以内の抗生物質療法、最近2週間のプロバイオティクスの定期的な摂取、ここ6カ月以内の結腸内視鏡検査、以前の腸の(肥満)手術、>20g/d(w)/>30g/d(m)のアルコール消費、肝疾患の特定可能な原因(ウイルス性、自己免疫性、遺伝的、毒性、薬物誘発性)とした。各対象に、糞便を自分で家で収集するためのキット[Fecotainer(商標)+AnaeroGen(商標)]および参加に対する30ユーロの謝礼を与えた。便を4℃で維持し、36時間以内に輸送した。
NASH2群の患者(「NASH2患者」)
NASH2患者を、NASH1からの患者と同じ組み入れ基準で動員した。動員は、最初の施設からの動員を補完するために、いくつかの新しい施設(アミアン、アンジェ、ベルン、ボルドー、ニースおよび別のパリの施設)まで拡大した。収集方法を実際上の理由で若干修正した:1つの便サンプルのみを収集し、輸送の間、固定液に室温で保管した。
クローン病罹患患者(「クローン病患者」)
パリのSt Louis病院およびSt Antoine病院で19人の患者を動員した。いくつかのサンプルを各患者から収集し、通算118サンプルを収集した。
クローン病は経過的に進展し、患者の状態は各サンプリング点で変化しうる。各サンプルに対する疾患状態の説明のために選択した判定基準は、経過的安定性に関係する。
サンプリングの際に、以下のようであるならば患者を安定とみなした:
・患者が、自身を良好な健康状態であると推定する[ハーベイ・ブラッドショウ指数(Harvey Bradshaw index)は厳密に4より低い]、
・患者が低カルプロテクチンが低い(厳密に150より低い)、
・患者が、治療を強化することを求められていなかった:
○抗TNF治療の導入、
○免疫抑制剤の導入もしくは免疫抑制剤の投薬量の増大、
○抗生物質の導入、または
○コルチゾンの導入、および
・患者がいかなる抗生物質も服用していない。
少なくとも次の2回のサンプリング時に患者が安定であるならば、患者は経過的に「安定」である。サンプルは、本方法を使用して2群に分類することができ、サンプルの1つの群は経過的に安定な患者から収集され、サンプルの1つの群は状態が進展的である患者から収集される。
3.2.結果
3.2.1. mgs10764_1_2(配列番号1〜5、クラスター1)は、NASH1、NASH2およびクローン病患者に関して非常に興味深い。
包括的アプローチ
包括的アプローチの結果を図1A、図1Bおよび図1Cに開示する(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
包括的統計(中央値/分布の比較。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- ウィルコクソン検定:
○NASH1:0.00056
○NASH2:0.015
○クローン病:0.034
- コルモゴロフ-スミルノフ検定:
○NASH1:0.011
○NASH2:0.013
○クローン病:0.05
閾値アプローチ
低存在量と高存在量を分ける閾値を決定するための自動的な方法を使用して、図1D)、図1E)および図1F)を得た(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
以下に注意されたい
- 相対的存在量をlog10変換する。
- 「-10」は、mgsが検出されない場合に導入される人為的な値である。
以下の表は、NASH状態対低/高mgs相対的存在量を示す。
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
カイ二乗検定の結果(低および高mgs存在量との表現型の比較。値が低いほど、2つの分割の間の差が大きく、濃縮が激しい。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- NASH1:0.0053(係数チュプロー:0.28)
- NASH2:0.0028(係数チュプロー:0.25)
- クローン病:0.014(係数チュプロー:0.23)
通常の測定基準(エラー率、特異性、感度)は、ここでは判定基準として当てはまらず、1つの表現型状態のみ、すなわち、集団の一部に対するNASH/不安定性の予測に当てはまることに注意されたい。陽性的中率あるいは陰性的中率をコンピューター処理することができる(しかし、状態の以前の有病率に非常に依存する)。
他の変数との関連
- 遺伝子の豊富さ(11Mリードの深度でシークエンシングする場合に検出される平均遺伝子数と定義される)。
○ウィルコクソン検定NASH1(96サンプル):1.37e-5
○ウィルコクソン検定NASH2(137サンプル):4.4e-6
○ウィルコクソン検定クローン病(83サンプル):5.3e-7
- 糖尿病(診断されたまたは空腹時血中グルコース>6.1mmol/L)
○カイ二乗検定NASH1(96サンプル):0.0013(係数チュプロー:0.33)
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.0061(係数チュプロー:0.23)
- メトホルミン
メトホルミンは、腸内微生物叢を改変することが知られている抗糖尿病治療である。
カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.00026(係数チュプロー:0.30)
現在のところ、これらの相互接続される因子に対処する方法を知らないことに注意されたい。
- ウエスト/身長比
○ウィルコクソン検定NASH1(94サンプル):0.0069
○ウィルコクソン検定NASH2(137サンプル):0.085
結論
mgs10764_1_2が豊富でないサンプルは、あまり健康でない傾向があり、すなわち、NASHコホート(NASH1、NASH2)において、患者は進行した疾患の状態、すなわちNASHおよび単純でない脂肪症をより患いやすく、クローン病では、患者は、より不安定になりやすい。
3.2.2.mgs 9828_3_1(配列番号151〜155、クラスター31)は、NASH1、NASH2およびクローン病患者に関して非常に興味深い。
包括的アプローチ
包括的アプローチの結果を図2A、図2Bおよび図2Cに開示する(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
包括的統計(中央値/分布の比較。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- ウィルコクソン検定:
○NASH1:0.014
○NASH2:0.064
○クローン病:0.052
- コルモゴロフ-スミルノフ検定:
○NASH1:0.032
○NASH2:0.023
○クローン病:0.14
閾値アプローチ
低存在量と高存在量を分ける閾値を決定するための自動的な方法を使用して、図2D)、図2E)および図2F)を得た(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
以下に注意されたい
- 相対的存在量をlog10変換する。
- 「-10」は、mgsが検出されない場合に導入される人為的な値である。
以下の表は、NASH状態対低/高mgs相対的存在量を示す。
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
カイ二乗検定の結果(低および高mgs存在量との表現型の比較。値が低いほど、濃縮が激しい。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- NASH1:0.0066(係数チュプロー:0.28)
- NASH2:0.076
- クローン病:0.037(係数チュプロー:0.19)。
通常の測定基準(エラー率、特異性、感度)は、ここでは判定基準として当てはまらず、1つの表現型状態のみ、すなわち、集団の一部に対するNASH/不安定性の予測に当てはまることに注意されたい。陽性的中率あるいは陰性的中率をコンピューター処理することができる(しかし、状態の以前の有病率に非常に依存する)。
他の変数との関連
- 遺伝子の豊富さ(11Mリードの深度でシークエンシングする場合に検出される平均遺伝子数と定義される)。
○ウィルコクソン検定NASH1(96サンプル):0.0004
○ウィルコクソン検定NASH2(137サンプル):2.3e-6
○ウィルコクソン検定クローン病(83サンプル):1.3e-7
- 糖尿病(診断されたまたは空腹時血中グルコース>6.1mmol/L)
○カイ二乗検定NASH1(96サンプル):0.48
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.0086(係数チュプロー:0.22)
- メトホルミン
メトホルミンは、腸内微生物叢を改変することが知られている抗糖尿病治療である。
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.0026(係数チュプロー:0.25)
- ウエスト/身長比
○カイ二乗検定NASH1(94サンプル):0.26
○カイ二乗検定NASH2(137サンプル):0.042(係数チュプロー:0.17)
- HOMA(<=3.5)
○カイ二乗検定NASH1(80サンプル):0.048(係数チュプロー:0.21)
○カイ二乗検定NASH2(137サンプル):0.019(係数チュプロー:0.20)
- 高トリグリセリド血症(<=1.7mmol/Lまたは特定の治療)
○カイ二乗検定NASH1(96サンプル):0.11
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.044
結論
mgs9828_3_1が豊富でないサンプルは、あまり健康でない傾向があり、すなわち、NASHコホート(NASH1、NASH2)において、患者は進行した疾患の状態、すなわちNASHおよび単純でない脂肪症をより有しやすく、クローン病では、患者は、より不安定になりやすい。
3.2.3. mgs6069_2_2(配列番号91〜95、クラスター19)は、NASH1、NASH2およびクローン病患者に関して非常に興味深い。
全体的傾向
包括的アプローチの結果を図3A、図3Bおよび図3Cに開示する(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
包括的統計(中央値/分布の比較。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- ウィルコクソン検定:
○NASH1:0.048
○NASH2:0.082
○クローン病:0.070
- コルモゴロフ-スミルノフ検定:
○NASH1:0.020
○NASH2:0.056
○クローン病:0.49
閾値アプローチ
低存在量と高存在量を分ける閾値を決定するための自動的な方法を使用して、図3D、図3Eおよび図3Fを得た(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
以下に注意されたい
- 相対的存在量をlog10変換する。
- 「-10」は、mgsが検出されない場合に導入される人為的な値である。
以下の表は、NASH状態対低/高mgs相対的存在量を示す。
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
カイ二乗検定の結果(低および高mgs存在量との表現型の比較。値が低いほど、濃縮が激しい。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- NASH1:0.0039(係数チュプロー:0.29)
- NASH2:0.029(係数チュプロー:0.18)
- クローン病:0.059。
通常の測定基準(エラー率、特異性、感度)は、ここでは判定基準として当てはまらず、1つの表現型状態のみ、すなわち、集団の一部に対するNASH/不安定性の予測に当てはまることに注意されたい。陽性的中率あるいは陰性的中率をコンピューター処理することができる(しかし、状態の以前の有病率に非常に依存する)。
他の変数との関連
- 糖尿病(診断されたまたは空腹時血中グルコース>6.1mmol/L)
○カイ二乗検定NASH1(96サンプル):0.015(係数チュプロー:0.25)
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.00073(係数チュプロー:0.28)
- メトホルミン
メトホルミンは、腸内微生物叢を改変することが知られている抗糖尿病治療である。
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.00040(係数チュプロー:0.29)
- HOMA(<=3.5)
○カイ二乗検定NASH1(80サンプル):0.026(係数チュプロー:0.23)
○カイ二乗検定NASH2(137サンプル):0.33
- 高トリグリセリド血症(<=1.7mmol/Lまたは特定の治療)
○カイ二乗検定NASH1(96サンプル):0.66
○カイ二乗検定NASH2(145サンプル):0.0019(係数チュプロー:0.19)
結論
mgs6069_2_2が豊富でないサンプルは、あまり健康でない傾向があり、すなわち、NASHコホート(NASH1、NASH2)において、患者は進行した疾患の状態、すなわちNASHおよび単純でない脂肪症をより患いやすく、クローン病では、患者は、より不安定になりやすい。
3.2.4.非常に興味深い3つのmgsは、様々な情報を提供する。
目的の3つのmgsを比較するために、以下の2つのアプローチを試みた:
1.低相対的存在量と高相対的存在量の間の差の確認
(2つのmgsについて、高/低相対的存在量の間に関連がない場合は、すなわち、各mgsによって提供される情報が相補的であり、重複的でない場合は、カイ二乗検定は意味があるはずである)、
2.目的の表現型(NASHコホートにおけるNASHまたはクローン病コホートにおける安定性)に関する、低相対的存在量と高相対的存在量の間の差の確認
低/高相対的存在量の閾値を使用して、
- NASH1
○10764_1_2(行)/9828_3_1(列)の比較
カイ二乗P値=0.0061
Figure 2015535177
○9828_3_1(行)/6069_2_2(列)の比較
カイ二乗P値=0.29
Figure 2015535177
○10764_1_2(行)/6069_2_2(列)の比較
カイ二乗P値=0.45
Figure 2015535177
- NASH2
○10764_1_2(行)/9828_3_1(列)の比較
カイ二乗P値=8.26e-8
Figure 2015535177
○9828_3_1(行)/6069_2_2(列)の比較
カイ二乗P値=0.40
Figure 2015535177
○10764_1_2(行)/6069_2_2(列)の比較
カイ二乗P値=0.0058
Figure 2015535177
- クローン病
○10764_1_2(行)/9828_3_1(列)の比較
カイ二乗P値=0.00020
Figure 2015535177
○9828_3_1(行)/6069_2_2(列)の比較
カイ二乗P値=1
Figure 2015535177
○10764_1_2(行)/6069_2_2(列)の比較
カイ二乗P値=0.025
Figure 2015535177
低/高相対的存在量の閾値+目的の表現型を使用して、
- 10764_1_2×9828_3_1
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
これらの結果を図5Aから図5Cに再現する(サークルは単純な脂肪症またはクローン病-安定状態を表し、一方クロスは、NASHまたはクローン病-不安定状態を表す)。
- 10764_21_2×6069_2_2
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
これらの結果を図6Aから図6Cに再現する(サークルは単純な脂肪症またはクローン病の状態を表し、一方クロスは、NASHまたはクローン病-不安定状態を表す)。
- 9828_3×6069_2_2
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
これらの結果を図7Aから図7Cに再現する(サークルは単純な脂肪症またはクローン病-安定状態を表し、一方クロスは、NASHまたはクローン病-不安定状態を表す)。
3.2.5.非常に興味深い3つのmgsは、互いに独立して疾患を予測する。
目的の各mgsについて閾値を決定し、その結果、患者のサンプルを、低(あるいは高)相対的存在量のmgsを有するサンプルを含む目的のサブセットと他のサンプルを含む別のサブセットに分けることができた(二項分布を使用して、様々な閾値での濃縮の確率を評価する)。
結果を以下のtable 2(表37)に示す。
Figure 2015535177
陽性的中率および陰性的中率(PPVおよびNPV)は、検定が陽性である場合になされる良い予測の数を推定する。この場合、PPVまたはNPVは、mgsの相対的存在量が、あらかじめ決定した閾値よりも高い(および低い)場合、良い予測の数の比を推定する。PPVまたはNPVが高いほど、および選択されるサンプルのサブセットが大きいほど、予測因子はより有用である。
興味深いことに、目的のサブセットは、1つの表現型(NASHコホートについて:良性またはNASH、クローン病について:安定または不安定)を有する患者で濃縮され、この場合、mgsの相対的存在量を、特定の表現型を有する患者を特定するために使用することができる(他の患者のサンプルはいかなる状態とも関連し得ないことに留意されたい)。
3.2.6.mgs6063_6_3(配列番号51〜55+クラスター11)は、中程度に興味深い(NASH1+NASH2)
このmgsに関する包括的アプローチの結果を図4および図4Bに開示する(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
全体的傾向
包括的統計(中央値/分布の比較。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- ウィルコクソン検定:
○NASH1:0.02
○NASH2:0.21
○クローン病:0.83
- コルモゴロフ-スミルノフ検定:
○NASH1:0.048
○NASH2:0.23
○クローン病:0.97
閾値アプローチ
低存在量と高存在量を分ける閾値を決定するための自動的な方法を使用して、図4Cおよび図4Dを得た(情報が利用可能な患者数を括弧内に示す)。
以下に注意されたい
- 相対的存在量をlog10変換する。
- 「-10」は、mgsが検出されない場合に導入される人為的な値である。
以下の表は、NASH状態対低/高mgs相対的存在量を示す。
Figure 2015535177
Figure 2015535177
カイ二乗検定の結果(低および高mgs存在量との表現型の比較。値が低いほど、2つの分割の間の差が大きく、濃縮が激しい。通常、有意性のカットオフは0.05に設定される)。
- NASH1:0.023(係数チュプロー:0.23)
- NASH2:0.015(係数チュプロー:0.20)
通常の測定基準(エラー率、特異性、感度)は、ここでは判定基準として当てはまらず、1つの表現型状態のみ、すなわち、集団の一部に対するNASH/不安定性の予測に当てはまることに注意されたい。陽性的中率あるいは陰性的中率をコンピューター処理することができる(しかし、状態の以前の有病率に非常に依存する)。
他の変数との関連
- 遺伝子の豊富さ(11Mリードの深度でシークエンシングする場合に検出される平均遺伝子数と定義される)。
○ウィルコクソン検定NASH1(96サンプル):1.37e-5
○ウィルコクソン検定NASH2(137サンプル):4.4e-6
○ウィルコクソン検定クローン病(83サンプル):5.3e-7
- ウエスト/身長比
○ウィルコクソン検定NASH1(94サンプル):0.0069
○ウィルコクソン検定NASH2(137サンプル):0.085
結論
mgs6063_6が豊富でないサンプルは、あまり健康でない傾向があり、すなわち、NASHコホート(NASH1、NASH2)において、患者は進行した疾患の状態、すなわちNASHおよび単純でない脂肪症をより患いやすい。
(実施例4)
クローン病に関する非常に興味深い組合せ
クローン病コホートの20人の安定な患者および98人の不安定な患者を研究した。
各クラスターについてすべての同等遺伝子を考慮して、上で開示したように値を計算した。
以下の表で言及するmgs番号は、対応するTable 1(表1)で開示されるクラスターに関連する。
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
Figure 2015535177
これらの結果は、以下の組合せがクローン病に関して非常に興味深いことを示す。
- クラスター3+クラスター17+クラスター11+クラスター10+クラスター18
- クラスター17+クラスター11+クラスター15+クラスター2+クラスター7+クラスター18
- クラスター3+クラスター17+クラスター11+クラスター15+クラスター13+クラスター18
- クラスター3+クラスター17+クラスター16+クラスター11+クラスター14+クラスター18+クラスター12
コメント
これらの実施例は、試験の実施/アルゴリズムの実施例において特定した遺伝子クラスターの判別能力を例示する。組合せは無作為サンプリング手順によって作成し、AUCが0.7を超える結果のみを報告した。
たった2つの遺伝子クラスターの単純な組合せが、有意な予測力(AUC>0.7)を有する試験を提供する。より多くのクラスターを組み合わせるほど、試験のパフォーマンスがより良くなる。他のより精巧なアルゴリズムを使用して、試験のパフォーマンスを向上させることができる。
特定した遺伝子クラスターを使用して、様々なレベルの複雑度および様々なパフォーマンス結果を用いて、組み合わせる遺伝子クラスター数および使用する閾値を調整することによって、試験を最適化することができ、例えば、表現型(良性脂肪症もしくはNASHもしくはNASH+線維症)のいずれかを有する患者に対して検出性能が高い試験、または優れたおよびバランスのとれたパフォーマンスを有するバランスのとれた試験などである。
特定した遺伝子クラスターに基づいて試験を開発するために、2つのオプションが考えられた。1つは、各クラスターの代表遺伝子のみを使用する場合であり、もう1つは、クラスターの最も相関している5遺伝子の算術平均を使用する場合である。これらの両方のアプローチによって、類似したパフォーマンスを有する試験がもたらされ、これにより、試験の様々な実際的な実施が可能になる。遺伝子存在量を評価するのに非常に正確な検出方法が使用される場合は、クラスターあたり1つの遺伝子で十分でありうる。これに反して、検出方法が正確さを欠く場合は、各クラスターの遺伝子の組合せを使用して、クラスターの存在量を評価することおよび検出方法の低い正確さを補正することができる。

Claims (32)

  1. 対象における炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後診断のための方法であって、
    a)少なくとも2つの細菌遺伝子を含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
    b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程
    を含む方法。
  2. 前記炎症性疾患が、好ましくは良性脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝不全および肝臓癌からなる群において選択される肝疾患、または炎症性腸疾患、例えばクローン病である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記遺伝子シグネチャーが、配列が配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる、請求項1または2に記載の方法。
  4. a)配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101からなる群において選択される少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
    b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    c)前記対象が良性脂肪症または脂肪性肝炎を有するかどうかを、前記比較から診断する工程
    を含む、対象における良性脂肪症または脂肪性肝炎のインビトロでの診断または予後診断のための、請求項3に記載の方法。
  5. d)配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象からの生物サンプルから決定する工程、
    e)工程d)で得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    f)前記対象が線維症を伴う脂肪性肝炎に罹患するかどうかを、前記比較から決定する工程
    をさらに含む、特に請求項4に記載の、脂肪性肝炎を有すると診断された対象における線維症のインビトロでの診断または予後診断のための方法。
  6. 炎症性腸疾患または肝疾患などの炎症性疾患に罹患している対象に対する治療を計画するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 炎症性腸疾患または肝疾患などの炎症性疾患の転帰を、それに罹患している患者において予測するための、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象がヒト患者である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記同等遺伝子シグネチャーが、少なくとも1つの遺伝子がその同等遺伝子によって置き換えられた遺伝子シグネチャーに対応し、好ましくは前記同等遺伝子が同じ細菌クラスターに属する共変遺伝子である、請求項3から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 配列番号1の同等遺伝子が配列番号2〜5からなる群において選択され、配列番号6の同等遺伝子が配列番号7〜10からなる群から選択され、配列番号11の同等遺伝子が配列番号12〜15からなる群から選択され、配列番号16の同等遺伝子が配列番号17〜20からなる群から選択され、配列番号21の同等遺伝子が配列番号22〜25からなる群から選択され、配列番号26の同等遺伝子が配列番号27〜30からなる群から選択され、配列番号31の同等遺伝子が配列番号32〜35からなる群から選択され、配列番号36の同等遺伝子が配列番号37〜40からなる群から選択され、配列番号41の同等遺伝子が配列番号42〜45からなる群から選択され、配列番号46の同等遺伝子が配列番号47〜50からなる群から選択され、配列番号51の同等遺伝子が配列番号52〜55からなる群から選択され、配列番号56の同等遺伝子が配列番号57〜60からなる群から選択され、配列番号61の同等遺伝子が配列番号62〜65からなる群から選択され、配列番号66の同等遺伝子が配列番号67〜70からなる群から選択され、配列番号71の同等遺伝子が配列番号72〜75からなる群から選択され、配列番号76の同等遺伝子が配列番号77〜80からなる群から選択され、配列番号81の同等遺伝子が配列番号82〜85からなる群から選択され、配列番号86の同等遺伝子が配列番号87〜90からなる群から選択され、配列番号91の同等遺伝子が配列番号92〜95からなる群から選択され、配列番号96の同等遺伝子が配列番号97〜100からなる群から選択され、配列番号101の同等遺伝子が配列番号102〜105からなる群から選択され、配列番号106の同等遺伝子が配列番号107〜110からなる群から選択され、配列番号111の同等遺伝子が配列番号112〜115からなる群から選択され、配列番号116の同等遺伝子が配列番号117〜120からなる群から選択され、配列番号121の同等遺伝子が配列番号122〜125からなる群から選択され、配列番号126の同等遺伝子が配列番号127〜130からなる群から選択され、配列番号131の同等遺伝子が配列番号132〜135からなる群から選択され、配列番号136の同等遺伝子が配列番号137〜140からなる群から選択され、配列番号141の同等遺伝子が配列番号142〜145からなる群から選択され、配列番号146の同等遺伝子が配列番号147〜150からなる群から選択され、配列番号151の同等遺伝子が配列番号152〜155からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記遺伝子シグネチャーが、前記サンプル中の前記少なくとも2つの細菌遺伝子の相対的存在量を測定することによって決定される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記遺伝子シグネチャーが、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、ポリヌクレオチドシークエンシングおよび/またはプロテオミクスに基づく遺伝子存在量プロファイリング法を使用することによって決定される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記生物サンプルが便サンプルである、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 炎症性腸疾患または肝疾患などの炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後診断のためのキットであって、配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151からなる群において選択される少なくとも2つの細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを決定するための少なくとも1つの試薬を含むキット。
  15. 配列番号1、配列番号6、配列番号11、配列番号16、配列番号21、配列番号26、配列番号31、配列番号36、配列番号41、配列番号46、配列番号51、配列番号56、配列番号61、配列番号66、配列番号71、配列番号76、配列番号81、配列番号86、配列番号91、配列番号96、配列番号101、配列番号106、配列番号111、配列番号116、配列番号121、配列番号126、配列番号131、配列番号136、配列番号141、配列番号146、配列番号151、またはその同等遺伝子からなる群において選択される少なくとも2つの細菌遺伝子に特異的な核酸を含むまたはそれからなる核酸マイクロアレイ。
  16. 前記遺伝子シグネチャーが、少なくとも配列が配列番号1である細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記遺伝子シグネチャーが、少なくとも配列が配列番号91である細菌遺伝子またはそれらの同等遺伝子シグネチャーを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記遺伝子シグネチャーが、少なくとも配列が配列番号151である細菌遺伝子またはそれらの同等遺伝子シグネチャーを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記遺伝子シグネチャーが、少なくとも配列が配列番号51である細菌遺伝子またはそれらの同等遺伝子シグネチャーを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 対象における炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後診断のための方法であって、
    a)配列番号1の細菌遺伝子またはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
    b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程
    を含む方法。
  21. 以下の工程を含む、対象の炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後のための方法:
    a)配列番号91の細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれらからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
    b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程。
  22. 以下の工程を含む、対象の炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後のための方法:
    a)配列番号151の細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれらからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
    b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程。
  23. 以下の工程を含む、対象の炎症性疾患のインビトロでの診断および/または予後のための方法:
    a)配列番号51の細菌遺伝子もしくはその同等遺伝子シグネチャーを含むまたはそれらからなる遺伝子シグネチャーを、前記対象の生物サンプルから決定する工程、
    b)得られた遺伝子シグネチャーを少なくとも1つの参照シグネチャーと比較する工程、
    c)前記対象の表現型を前記比較から決定する工程。
  24. 前記炎症性疾患が炎症性腸疾患または肝疾患である、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記肝疾患が、良性脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝不全および肝臓癌からなる群において選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記炎症性腸疾患がクローン病または潰瘍性大腸炎である、請求項24に記載の方法。
  27. 前記対象がヒト患者である、請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記同等遺伝子シグネチャーが、少なくとも1つの遺伝子がその同等遺伝子によって置き換えられた遺伝子シグネチャーに対応し、好ましくは前記同等遺伝子が同じ細菌クラスターに属する共変遺伝子である、請求項20から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 配列番号1の同等遺伝子が配列番号2〜5からなる群から選択される、配列番号51の同等遺伝子が配列番号52〜55からなる群から選択される、配列番号91の同等遺伝子が配列番号92〜95からなる群から選択される、配列番号151の同等遺伝子が配列番号152〜155からなる群から選択される、請求項20から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記遺伝子シグネチャーが、前記サンプル中の前記少なくとも2つの細菌遺伝子の相対的存在量を測定することによって決定される、請求項20から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記遺伝子シグネチャーが、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、ポリヌクレオチドシークエンシングおよび/またはプロテオミクスに基づく遺伝子存在量プロファイリング法を使用することによって測定される、請求項20から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記生物サンプルが便サンプルである、請求項20から31のいずれか一項に記載の方法。
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