JP2015533699A - 航空機用電気系統安定化システム - Google Patents

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Abstract

航空機の電気系統には、一次ACバスおよび二次電池に接続される電源安定化装置が含まれる。二次電池は、舵面アクチュエータからの逆起電力を吸収可能とする定格電圧を有する。そして一次ACバスにおける電圧および周波数に基づいて、二次電池の充放電を制御することにより、電気系統の安定化を図る。【選択図】 図1

Description

本発明は、航空機用電気系統安定化システムに関し、特に、交流電源および直流電源を含む交流主体の電気系統の安定化を図ることが可能な航空機用電気系統安定化システムに関する。
航空機には、動力系統として、一般に、油圧系統、抽気系統、および電気系統の3種類が搭載されており、油圧系統は脚部、舵面等の動作に用いられ、抽気系統は内部の空調、与圧、防除氷装置等の動作に用いられ、電気系統は様々な電気機器または電子機器の動作に用いられている。近年では、油圧系統および抽気系統は、少なくとも一部が効率性の高い電気系統に置き換えられる傾向にある。例えば、航空機が備える各種アクチュエータ(舵面制御用アクチュエータを含む)については、従来の油圧駆動式に代えて電動式のものが広く採用されつつある。このように油圧系統、抽気系統等をできる限り電気系統に置き換えた航空機は、一般にMEA(More Electric Aircraft)と呼ばれる。
ところで、航空機のMEA化が進むと、電源変動が発生しやすくなり電気系統の安定化が損なわれることが知られている。例えば、電動式のアクチュエータでは、駆動モータから大きな逆起電力(電力戻り)が発生することにより、電気系統の電圧が一時的に大幅に上昇することがあるほか、エンジンに設けられる発電機への電力戻りが発生することにより、エンジンギアボックスへのバックラッシュによる悪影響が懸念される。あるいは、電気系統から給電される電力負荷(電気系統から給電される搭載機器)が一時的に増加すると大幅な電圧降下が発生することになる。
そこで、MEA化の進んだ電気系統においては、前述した電圧上昇または電圧降下に対処するために様々な構成を採用することが知られている。例えば、前述したアクチュエータからの逆起電力に対応する構成としては、アクチュエータの制御器内に抵抗器を設けることが知られている。この構成によれば、駆動モータからの逆起電力は抵抗器で熱に変換されて消費されるので、電気系統に戻ることが回避される。また、一時的な電力負荷の増加による電圧降下に対しては、降下の程度に合わせて発電容量を大きくした交流発電機を採用することが知られている。
ただし、このような従来の構成では、航空機の重量増加を招くおそれがある。例えば前者の構成では、大きな逆起電力を十分に消費するために大型の抵抗器が必要となる。それゆえアクチュエータの制御器が大型化することに加え、発生する熱量も大きくなるので、大型の放熱器も必要となる。そのため、大型の制御器および放熱器を搭載するだけ航空機の重量が増加してしまう。また、後者の構成では、発電容量を増加すれば交流発電機そのものの大型化を招くため、やはり航空機の重量が増加してしまう。さらに、前者の構成では、放熱器を設けるとしても本来必要でない発熱が生ずるため、制御器においては、発熱の影響を考慮した設計が必要となる。
そこで、例えば特許文献1:米国公開特許2009/0302153号公報には、小型の航空機において、バッテリまたはキャパシタ等の直流電源を用いて、逆起電力等の余剰電力を吸収したり電圧降下で不足した電力を補足したりする電気システムが提案されている。
米国公開特許2009/0302153号公報
ここで、図14に示すように、一般的な民間航空機の電気系統では、交流115V,400Hz一定周波数あるいは交流230V,360〜800Hz可変周波数の交流が主体となっている。これに対して、特許文献1に記載される電気システムは、典型的な例の一つとして戦闘機のアクチュエータの逆起電力(150〜200kW)が例示されているように、その電気系統は直流270V主体である。そして、特許文献1には、交流115Vにも適用可能である等の記載が含まれるものの、具体的な適用構成については明確に記載されていない。そのため、直流主体の電気系統を対象とする特許文献1に開示の電気システムは、交流主体の電気系統にそのまま適用することはできない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、交流主体の電気系統を備える航空機において、重量増加を回避しつつ電気系統を良好に安定化することが可能な航空機用電気系統安定化システムを提供することを目的とする。
本発明に係る航空機用電気系統安定化システムは、前記の課題を解決するために、電源装置としての直流電源および交流電源と、当該交流電源に接続される交流電源バスと、を備える航空機が備える少なくとも一つの電気機器に電力を供給可能とする電気系統と、前記交流電源バスおよび前記直流電源に接続され、前記電源装置の出力を安定化する電源安定化装置と、から少なくとも構成され、前記直流電源は、前記電気機器からの逆起電力を吸収し、かつ、前記電気機器における過渡的な必要電力を供給するよう構成され、前記電源安定化装置は、PWMコンバータを備える電力変換部と、当該電力変換部を制御する電源安定化制御部と、を備え、当該電源安定化制御部は、前記交流電源バスの電圧の変動および周波数の変動の少なくとも一方を監視し、その監視結果に基づいて、前記直流電源の充放電を制御することにより、前記電気系統の安定化を図る構成である。
前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記航空機は補助動力装置(APU)およびラムエアタービン(RAT)を備え、前記電気系統は、前記交流電源として、前記補助動力装置に設けられ、交流発電を可能とするAPU始動発電機と、エンジンに設けられる交流発電機と、前記ラムエアタービンに設けられるRAT発電機とを備えているとともに、前記直流電源として、二次電池およびキャパシタの少なくとも一方を備えており、前記直流電源および前記APU始動発電機は、前記電源安定化装置にそれぞれ接続されているとともに、前記交流発電機および前記RAT発電機は前記交流電源バスを介して前記電源安定化装置に接続され、さらに前記APU始動発電機は、前記交流電源バスを介しても前記電源安定化装置に接続されている構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電気系統は、前記電力変換部を前記APU始動発電機または前記交流発電機に切り換え可能に接続する電源リレーを備え、前記補助動力装置が停止状態にあって、前記電源リレーが切り換えられて前記電力変換部が前記APU始動発電機に接続されているときには、前記電源安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記直流電源からの直流電力を交流電力に変換して前記APU始動発電機に供給することにより、前記補助動力装置を始動させる構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電気系統は、前記電力変換部を前記APU始動発電機または前記交流発電機に切り換え可能に接続する電源リレーを備え、前記直流電源が充電可能な状態にあって、前記電源リレーが切り換えられて前記電力変換部が前記交流発電機または前記APU始動発電機に接続されているときには、前記電源安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記交流発電機または前記APU始動発電機からの交流電力を直流電力に変換して前記直流電源に供給することにより、当該直流電源を充電する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記交流電源バスには、前記電気機器の少なくとも一つが接続されており、前記電気機器に対して、前記交流電源バスを介して前記交流発電機から交流電力が供給されないときには、前記電源安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記直流電源からの直流電力を交流電力に変換して、前記交流電源バスを介して前記電気機器に一時的に供給する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電気系統は、前記交流電源バスを介して前記交流発電機から電力供給されるように構成され、前記直流電源よりも低い定格電圧を有するエッセンシャルバスと、当該エッセンシャルバスおよび前記直流電源の間に介在する電圧変換器と、を備え、前記直流電源は、前記電力変換部を介して、常に前記エッセンシャルバスに接続されており、前記エッセンシャルバスに対して、前記交流発電機から交流電力が供給されないときには、遮断なく前記エッセンシャルバスに電力を供給する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記交流発電機が停止し、前記RAT発電機が前記交流電源バスに交流電力を供給しているときには、前記電力安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記RAT発電機からの交流電力を、直流電力に変換して前記エッセンシャルバスに供給する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記航空機は、1台の前記補助動力装置を搭載するとともに、前記交流発電機が設けられたエンジンを、左右それぞれに少なくとも1基ずつ搭載しており、前記交流電源バスとしては、前記左側の交流発電機に接続される左側の交流電源バスと、前記右側の交流発電機に接続される右側の交流電源バスとを備えており、前記電気系統は、前記左側の交流発電機および前記左側の交流電源バスに加えて、前記直流電源、前記電源安定化装置、並びに、前記エッセンシャルバスを備える左側電気系統と、前記右側の交流発電機および前記右側の交流電源バスに加えて、前記直流電源、前記電源安定化装置、並びに前記エッセンシャルバスを備える右側電気系統と、の二系統となっており、左右の前記交流電源バス同士と前記APU始動発電機とが電源リレーにより接続可能となっているとともに、左右の前記エッセンシャルバス同士も互いに電源リレーにより接続可能となっている構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電源安定化制御部は、前記交流電源バスの電圧および周波数の少なくとも一方を計測し、その計測値の一次遅れの値を制御の目標値とし、この目標値と前記計測値との偏差に応じて、前記直流電源の充放電を制御している構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電源安定化制御部は、前記直流電源の充電状態を監視し、当該充電状態の計測値と予め設定された充電率の目標値との偏差に基づいて、前記直流電源の充放電の充放電量を補正する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電源安定化制御部は、前記目標値と前記計測値との偏差に対して、有効電力用または無効電力用にそれぞれ予め設定される比例定数を乗算することで、有効電力の電力指令信号または無効電力の電力指令信号を生成するとともに、前記直流電源の充電状態の計測値と予め設定される充電状態の目標値との偏差から有効電力補正値を生成し、さらに、生成された有効電力の前記電力指令信号を基本値として、この基本値に対して、前記有効電力補正値を加算することで、有効電力の電力指令信号の最終値を生成し、無効電力の前記電力指令信号と有効電力の前記電力指令信号の最終値とに基づいて、前記直流電源の充放電を制御する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、生成された有効電力の前記電力指令信号に対して、前記有効電力補正値に加えて、さらに、前記直流電源から交流電源バスに対して補助的な電力を供給するために予め設定される、過負荷対応補正値を加算することによって、有効電力の電力指令信号の最終値を生成する構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記交流電源で発電される交流電力が可変周波数である場合、前記電源安定化制御部は、監視による電圧の変動が電圧上昇であれば、前記電力変換部を制御して、前記電圧上昇に比例して前記直流電源に有効電力を充電するか、前記電圧上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させるか、あるいはその両方を組み合わせて行い、監視による電圧の変動が電圧降下であれば、前記電力変換部を制御して、前記電力降下に比例して前記直流電源から有効電力を放電させるか、前記電圧上昇に比例して遅れ力率の無効電力を出力させるか、あるいはその両方を組み合わせて行う構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記交流電源で発電される交流電力が一定周波数である場合、前記電源安定化制御部は、監視による周波数の変動が周波数上昇であれば、前記電力変換部を制御して、前記周波数上昇に比例して前記直流電源に有効電力を充電し、監視による周波数の変動が周波数降下であれば、前記電力変換部を制御して、前記周波数降下に比例して前記直流電源から有効電力を放電させる構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記交流電源で発電される交流電力が一定周波数である場合、前記電源安定化装置は、監視による電圧の変動が電圧上昇であれば、前記電力変換部を制御して、前記電圧上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させ、監視による電圧の変動が電圧降下であれば、前記電力変換部を制御して、前記電圧降下に比例して遅れ力率の無効電力を出力させる構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記電気機器が、舵面制御用のアクチュエータである構成であってもよい。
また、前記構成の航空機用電気系統安定化システムにおいては、前記航空機は、前記油圧系統および抽気系統の少なくとも一方が電気化されており、前記電気系統は、前記電気機器の制御器に接続される直流電源バスを備え、当該直流電源バスには、前記油圧系統および前記抽気系統のうち電気化された系統の制御器も接続されている構成であってもよい。
また、本発明に係る航空機用電気系統安定化方法は、前記の課題を解決するために、電源装置としての直流電源および交流電源と、当該交流電源に接続される交流電源バスと、を備える航空機が備える少なくとも一つの電気機器に電力を供給可能とする電気系統において、前記直流電源として、前記電気機器からの逆起電力を吸収し、かつ、前記電気機器における過渡的な必要電力を供給するよう構成されているものを用い、前記交流電源バスの電圧の変動および周波数の変動の少なくとも一方を監視し、その監視結果に基づいて、前記直流電源の充放電を制御することにより、前記電気系統の安定化を図る方法である。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明では、以上の構成により、交流主体の電気系統を備える航空機において、重量増加を回避しつつ電気系統を良好に安定化することが可能な航空機用電気系統安定化システムを提供できる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係る航空機用電気系統安定化システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。 図2は、図1に示す航空機用電気系統安定化システムが備える電源安定化装置の概略構成の一例を示すブロック図である。 図3は、図1に示す航空機用電気系統安定化システムの要部構成であって、図2に示す電源安定化装置によるAPU始動時の状態の一例を示す概略ブロック図である。 図4は、図2に示す航空機用電気系統安定化システムの要部構成であって、図2に示す電源安定化装置による二次電池の充放電を制御する状態の一例を示す概略ブロック図である。 図5Aは、図2に示す電源安定化装置が備える電源安定化制御部に含まれる充放電制御回路の一例を示す概略ブロック図であり、図5Bは、電源安定化制御部に含まれるSOC補正回路の一例を示す概略ブロック図である。 図6は、図2に示す電源安定化装置が備える電源安定化制御部に含まれる充放電制御回路の他の例を示す概略ブロック図である。 図7は、図1に示す航空機用電気系統安定化システムにおいて、電源安定化装置の制御による状態遷移の一例を示す模式図である。 図8Aは、図1に示す航空機用電気系統安定化システムにおいて、補助動力装置の始動時に二次電池(直流電源)から電力が供給される状態を示す模式的ブロック図であり、図8Bは、通常時に交流発電機(交流電源)から電力が供給される状態を示す模式的ブロック図である。 図9は、図1に示す航空機用電気系統安定化システムにおいて、アクチュエータから生じた逆起電力の吸収、および、電圧降下時の電力の補足の状態を示す模式的ブロック図である。 図10は、図1に示す航空機用電気系統安定化システムにおいて、交流発電機(交流電源)から電力が供給されない事態が発生したときに二次電池(直流電源)からアクチュエータおよびエッセンシャルバスへ電力が供給される状態を示す模式的ブロック図である。 図11は、図1に示す航空機用電気系統安定化システムにおいて、ラムエアタービン発電機からアクチュエータおよびエッセンシャルバスへ電力が供給される状態を示す模式的ブロック図である。 図12は、図5Aに示す充放電制御回路の他の例を示すブロック図である。 図13は、図6に示す充放電制御回路の他の例を示すブロック図である。 図14は、従来の一般的な航空機用電気系統の構成の一例を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[航空機用電気系統安定化システムの全体構成]
まず、本発明の実施の形態1に係る航空機用電気系統安定化システムの全体構成の一例について、図1を参照して具体的に説明する。
本実施の形態に係る航空機用電気系統安定化システムは、交流主体の電気系統を備える航空機に設けられる。ここで、当該航空機は、動力系統の一つである電気系統が交流主体で構成されてもよいし、この電気系統に加えて油圧系統および抽気系統の少なくとも一方が、交流主体で電気化された構成であってもよい。
また、本実施の形態に係る航空機は、油圧系統の一部のみ、または抽気系統の一部のみ、あるいは油圧系統および抽気系統の一部のみが、交流主体で電気化された構成であってもよい。例えば、油圧系統の一部のみが電気化された構成としては、少なくとも舵面制御用のアクチュエータ(以下、説明の便宜上、「舵面アクチュエータ」と略す。)の一部または全部が電気化された構成を挙げることができる。
本実施の形態に係る航空機は、図1に示すように、左右のエンジン11L,11Rと、補助動力装置(APU)12と、ラムエアタービン(RAT)17とを備えている。左エンジン11Lおよび右エンジン11Rはいずれも航空機の推進用エンジンであり、それぞれ交流発電機14L,14Rを備えている。
APU12は、エンジン11L,11Rとは別に装備された補助的な動力源であり、エンジン11L,11Rと同様に燃料の燃焼により動作する。APU12も、交流発電機としてAPU始動発電機124を備えている。RAT17は、APU12とは別に装備された補助的な動力源であり、通常は航空機内に格納され、非常時等には航空機外に展開される。機外に展開されたRAT17は、航空機の飛行により生じる空気流(飛行風)により動作する。RAT17も、交流発電機としてRAT発電機171を備えている。
APU12は、緊急時の動力源として用いられるだけでなく、後述するように左右のエンジン11L,11Rを起動させる際にも用いられる。一方、RAT17は、基本的に、非常用の動力源であり、飛行中の緊急時に際して安全上で必要最低限の電力を供給できるように構成されている。
前記航空機に適用される、本実施の形態に係る航空機用電気系統安定化システムは、図1に示すように、左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rと、左側電気系統20Lに接続される電源安定化装置30Lおよび二次電池13Lと、右側電気系統20Rに接続される電源安定化装置30Rおよび二次電池13Rから少なくとも構成されている。
左側電気系統20Lは、電源装置として、左エンジン11Lの交流発電機14L、APU12のAPU始動発電機124、RAT17のRAT発電機171、並びに、二次電池13Lを備えている。また、右側電気系統20Rには、右エンジン11Rの交流発電機14R、APU始動発電機124、RAT発電機171、並びに二次電池13Rを備えている。
前述した電源装置のうちAPU始動発電機124は、図1に示すように、左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rの双方に直接接続可能に構成されている。また、RAT発電機171は、図1に示すように、バックアップバス29を介して左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rの双方に接続可能に構成されている。
したがって、本実施の形態では、左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rのいずれも、電源装置として3つの交流電源と1つの直流電源との合計4つを備えていることになる。
2つの電気系統のうち左側電気系統20Lの構成について説明すると、左側電気系統20Lの交流発電機14Lは、一次電源リレー281を介して一次交流電源バス(一次ACバス)21Lに接続されており、一次ACバス21Lは、APU始動発電機124、変圧整流器(TRU)251L、変圧器261L、整流器253L、およびモータコントローラ333に対して、それぞれ二次電源リレー282を介して接続されている。また、電源安定化装置30Lは、始動切換リレー283を介して一次ACバス21Lに接続されている。したがって、交流発電機14Lは、一次ACバス21Lを介して、電源安定化装置30L、変圧整流器(TRU)251L、変圧器261L、整流器253L、およびモータコントローラ333に交流電力を供給可能となっている。
また、APU始動発電機124は、一次電源リレー281および二次電源リレー282を介して一次ACバス21Lに接続されている。また、RAT発電機171は、一次電源リレー281を介してバックアップバス29に接続され、このバックアップバス29は、二次電源リレー282を介して一次ACバス21Lに接続されている。したがって、一次ACバス21Lには、交流発電機14Lだけでなく、APU始動発電機124またはRAT発電機171からも交流電力が供給可能となっている。
さらに、電源安定化装置30Lは、一次交流電源バス21Lを介さない経路でもAPU始動発電機124に接続されている。具体的には、図1に示すように、電源安定化装置30Lは、一方の始動切換リレー283を介して一次ACバス21Lに接続されているので、電源安定化装置30Lは、一次ACバス21Lを介した経路(図1では、一方の始動切換リレー283、一次ACバス21L、二次電源リレー282、および一次電源リレー281を経由する経路)でAPU始動発電機124に接続されていることになる。この経路を便宜上「通常経路」と称する。また、電源安定化装置30Lは、通常経路とは別に、他方の始動切換リレー283を介した経路(図1では、他方の始動切換リレー283、一次電源リレー281を経由する経路)でもAPU始動発電機124に接続されている。この経路を便宜上「始動時経路」と称する。
電源安定化装置30Lは、二次電池13Lに接続されており、この二次電池13Lは、電圧変換器262Lおよび整流素子252Lを介して、エッセンシャルバス22Lに接続されている。また、変圧整流器251Lは直流電源バス(DCバス)27Lに接続され、DCバス27Lには、直流電源切換リレー285を介してエッセンシャルバス22Lが接続されている。
この構成によれば、エッセンシャルバス22Lに対しては、一次ACバス21Lを介する経路により、交流電源(交流発電機14L、APU始動発電機124)から電力の供給が可能となっているとともに、電圧変換器262Lを介する経路により、直流電源(二次電池13L)からも電力の供給が可能となっている。また、変圧器261Lは、二次交流電源バス(二次ACバス)23Lに接続されている。
一次ACバス21Lに接続されるモータコントローラ333は、舵面アクチュエータ15が備えるモータ(舵面アクチュエータモータ)151を制御する。また、一次ACバス21Lには、前述した整流器253Lを介して直流電源バス(DCバス)24Lが接続され、このDCバス24Lには、モータコントローラ334が接続されている。このモータコントローラ334は、航空機が備える大きな電力負荷、例えば、空調コンプレッサのモータ、油圧ポンプのモータ等を制御する。
なお、図1では、説明の便宜上、空調コンプレッサのモータ、油圧ポンプのモータ等をまとめて、代表的な1つの「油圧/空調用モータ161」として図示している。また、舵面アクチュエータ15(および舵面アクチュエータモータ151)も代表的な1つのみを図示している。
もう一方の電気系統である右側電気系統20Rの構成は、図1に示すように、前述した左側電気系統20Lと同一である。すなわち、電源装置として交流発電機14R(交流電源)および二次電池13R(直流電源)を備えるとともに、左側電気系統20Lと共有するかたちでAPU始動発電機124およびRAT発電機171を備えている。また、右側電気系統20Rは、電源バスとして、一次ACバス21R、エッセンシャルバス22R、二次ACバス23R、DCバス27Rを備えるとともに、電源安定化装置30Rを備えている。
一次ACバス21Rには、一次電源リレー281を介して交流発電機14Rが接続されているとともに、二次電源リレー282および一次電源リレー281を介してAPU始動発電機124が接続されている。また、一次ACバス21Rは、二次電源リレー282、バックアップバス29および一次電源リレー281を介してRAT発電機171にも接続されている。また、電源安定化装置30Rは、前述したように通常経路(一方の始動切換リレー283を介した経路)で一次ACバス21Rに接続されているとともに、始動時経路(他方の始動切換リレー283を介した経路)でAPU始動発電機124(および一次ACバス21R)に接続されている。
右側電気系統20Rは、前記の電源装置、電源バス、および電源安定化装置30Rに加えて、TRU251R、整流素子252R、整流器253R、変圧器261R、電圧変換器262R等といった、変圧または整流等を行う要素(component,説明の便宜上、「変圧/整流要素」と称する。)を備えており、これら変圧/整流要素は、左側電気系統20Lと同じ構成となるように一次ACバス21Rに接続され、あるいは、他の要素(電源バス、電源装置他)に接続されている。また、一次ACバス21Rには、二次電源リレー282を介してモータコントローラ333が接続され、整流器253RにはDCバス24Rを介してモータコントローラ334が接続されている。なお、右側電気系統20Rについては、これ以上の具体的な説明は省略する。
左側電気系統20Lと右側電気系統20Rとは、左右間接続リレー284を介在することによって、エッセンシャルバス22L,22R同士、二次ACバス23L,23R同士、並びにDCバス27L,27R同士で接続できるようになっている。左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rは、電気系統としてそれぞれ独自に作動するよう構成されているが、一方の電気系統において発電が停止すれば、これら電源バス同士の間に介在する左右間接続リレー284が切り換えられることにより他方の電気系統に電力を供給することができる。
このように左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rとは互いに接続可能となっているため、左側電気系統20Lの交流電源である交流発電機14Lから右側電気系統20Rに電力の供給が可能であり、また、左側電気系統20Lの直流電源である二次電池13Lから右側電気系統20Rに電力の供給が可能である。右側電気系統20Rから左側電気系統20Lの電力供給も同様である。また、APU始動発電機124およびRAT発電機171は、左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rのいずれにも接続されているので、双方に電力供給が可能である。
また、電気系統20L,20Rにおいては、一次ACバス21L,21R同士が互いに接続可能となっているだけでなく、一次ACバス21L,21RにAPU始動発電機124も接続され、また、エッセンシャルバス22L,22R同士も接続され、さらには、二次ACバス23L,23R同士も接続可能となっている。それゆえ、航空機の電気系統としては、各電気系統20L,20Rが互いに接続された二重冗長系として構成されている。したがって、一方の電気系統から他方の電気系統に電力が供給可能になっている。それゆえ、電気系統の信頼性をより一層向上することができる。なお、各電気系統20L,20Rの間には、左右間接続リレー284(一次ACバス21L,21Rの間には2つの二次電源リレー282)が介在しているので、これら電気系統20L,20Rの間は、常に電気的に接続されているわけではない。
前記構成の電気系統20L,20Rにおいて、交流電源から電力が供給される基本的な経路について簡単に説明する。まず、交流発電機14L,14RまたはAPU始動発電機124からの三相交流電力(説明の便宜上、「通常交流電力」と称する。)は、全て一次ACバス21L,21Rに供給されるので、電力負荷に対する通常交流電力の供給は、一次ACバス21L,21Rを介して行われることになる。
また、航空機が飛行中であって、交流発電機14L,14RおよびAPU始動発電機124のいずれからも電力が供給できない状態が発生すれば、RAT17が始動して、RAT発電機171が発電を開始する。RAT発電機171もバックアップバス29を介して一次ACバス21L,21Rに接続されているので、RAT発電機171で発電される三相交流電力(説明の便宜上、「RAT交流電力」と称する。)も、バックアップバス29を介して一次ACバス21L,21Rに供給される。
このとき、RAT交流電力は、航空機の飛行に際して安全上で必要最小限となる電力負荷、すなわち、舵面アクチュエータ15およびエッセンシャルバス22L,22Rに接続されている電気機器に限って供給される。具体的には、RAT交流電力は、一次ACバス21L,21Rからモータコントローラ333を介して舵面アクチュエータ15に供給される。また、RAT交流電力は、後述するように、一次ACバス21L,21Rから電源安定化装置30L,30Rで直流電力に変換され、電圧変換器262L,262Rおよび整流素子252L,252Rを経由して、エッセンシャルバス22L,22Rへ供給される。
このとき、他の電力負荷である、例えば油圧/空調用モータ161に対しては、RAT交流電力は供給されない。それゆえ、整流器253L,253Rと一次ACバス21L,21Rとの間に介在する二次電源リレー282が切断状態に切り換わることにより、RAT交流電力の供給が遮断される。
[電気系統の構成要素]
次に、各電気系統20L,20Rを構成する電源装置、電源バス、変圧/整流要素等について具体的に説明する。まず、電源装置のうち交流電源の一つである交流発電機14L,14Rは、前述した通り、それぞれ左エンジン11L、右エンジン11Rに設けられており、三相交流電力を発電する。三相交流電力の電圧および周波数は特に限定されないが、本実施の形態では、交流発電機14L,14Rとして、可変周波数(VF)の発電機が用いられてもよいし、一定周波数(CF)の発電機が用いられてもよい。
交流発電機14L,14RがVFの発電機である場合、その電圧および周波数の一例としては、230VAC、360〜800HzVFを挙げることができる。あるいは、115VAC、360〜800HzVFであってもよく、この場合には、図1に示す変圧器261L,261Rは無くてもよい。また、交流発電機14L,14RがCFの発電機である場合、その電圧および周波数の一例としては、230VAC、400HzCFを挙げることができる。あるいは、115VAC、400HzCFであってもよく、この場合にも、変圧器261L,261Rは無くてもよい。
また、交流電源の一つであるAPU始動発電機124は、APU12が備えるマイクロガスタービン(図示せず)に設けられ、交流発電機14L,14Rと同様に三相交流電力を発電する。マイクロガスタービンは、タービンおよびコンプレッサが同軸に結合され、そのコンプレッサ軸にAPU始動発電機124が設けられている。APU始動発電機124が発電する三相交流電力も、本実施の形態では、230VAC、400HzCFであるが、115VAC、400HzCFであってもよい。
また、非常用の交流電源であるRAT発電機171は、RAT17が備えるプロペラの回転により発電する交流発電機であり、飛行に際して安全上で必要最小限の三相交流電力を発電できるように構成されている。RAT発電機171に接続されるバックアップバス29は、RAT発電機171からの三相交流電力を一次ACバス21L,21Rに供給するために設けられる。
一次ACバス21L,21Rは、本実施の形態では、230VACを定格電圧とする電源バスであり、交流発電機14L,14R、APU始動発電機124またはRAT発電機171からの三相交流電力を左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rにそれぞれ供給するために設けられる。
TRU251L,251Rは、一次ACバス21L,21Rからの230VACの電力を28VDCの電力に変換する。DCバス27L,27Rは、TRU251L,251Rで変換された28VDCの電力をエッセンシャルバス22L,22Rに供給するための電源バスである。エッセンシャルバス22L,22Rは、本実施の形態では28VDCを定格電圧とする電源バスであり、TRU251L,251Rで変換された28VDCの電力を、航空機を操縦する上で重要な制御システム(例えば、航空機を操縦する上で重要な表示装置あるいは制御装置等)に供給する。
変圧器261L,261Rは、一次ACバス21L,21RからのAC230Vの電力を115VACに降圧する。二次ACバス23L,23Rは、変圧器261L,261Rで降圧された115VACの電力を、航空機に搭載されている各種電気機器または電子機器に供給する。
電源安定化装置30L,30Rは、交流電源(交流発電機14L,14R)と二次電池13L,13Rとの間に介在し、一次ACバス21L,21Rの電圧を調整して各電気系統20L,20Rの安定化を図る。なお、その具体的な構成については後述する。二次電池13L,13Rは各電気系統20L,20Rの直流電源であり、本実施の形態では、250Vの定格電圧、10AH(Ampere-Hour)の容量を有する。
二次電池13L,13Rは、舵面アクチュエータ15等の大きな電力負荷(電気機器、搭載機器)からの逆起電力を吸収し、電気機器における過渡的に必要な電力を供給するよう構成されている。具体的には、二次電池13L,13Rは、電力負荷からの逆起電力を吸収可能とする定格電圧を有していればよく、本実施の形態では、前記の通り250Vとなっているが、この値に限定されない。また、二次電池13L,13Rの容量も、本実施の形態では、前記の通り10AHとなっているが、この値に限定されない。
例えば、後述するように、従来の航空機の一般的な電気系統においては、二次電池の定格電圧としては、例えば24VDC(図14の二次電池913参照)が挙げられる。これに対して、本実施の形態の二次電池13L,13Rの定格電圧は、例えば250Vであり、交流発電機14L,14Rの電圧(230VAC)あるいはAPU始動発電機124の電圧と略同等である。
それゆえ、本実施の形態で用いられる直流電源(二次電池13L,13R、あるいは後述するキャパシタ等)の定格電圧は、従来の一般的な航空機用二次電池を基準とすれば、少なくともその約10倍(具体的には8〜12倍程度)の定格電圧を有していることが好ましく、交流電源の電圧を基準とすれば、少なくとも略同等(具体的には0.9〜1.1倍程度)の定格電圧を有していることが好ましい。直流電源としてこのような定格電圧を有するものを用いれば、電力負荷からの逆起電力を吸収することができ、また、後述する過負荷による電圧低下にも十分対応することができる。
なお、直流電源としては、このような定格電圧または容量を有するものに限定されず、電力負荷からの逆起電力を吸収することが可能であれば、必要に応じて、さらに大きな定格電圧または容量を有する直流電源を用いることができる。
電圧変換器262L,262Rは、二次電池13L,13Rからの250VDCを28VDCに降圧する。整流素子252L,252Rは、降圧された28VDCの電力をエッセンシャルバス22L,22Rに向けて流すように整流する。それゆえ、エッセンシャルバス22L,22Rには、一次ACバス21L,21Rから電力が供給可能になっているだけでなく、二次電池13L,13Rからも電力が供給可能となっている。
整流器253L,253Rは、一次ACバス21L,21Rからの230VACの電力を+/−270VDCの電力に変換する。整流器253L,253Rに接続されるDCバス24L,24Rは、変換された+/−270VDCの電力を油圧/空調用モータ161等の大きな電力負荷に供給する。
一次電源リレー281、二次電源リレー282、始動切換リレー283、左右間接続リレー284、直流電源切換リレー285は、いずれも、各電気系統20L,20Rの所定の箇所で、必要に応じて、通電を接続状態または切断状態に適宜切り換える「リレー要素」である。なお、これらリレー要素は、図1では、いずれもキャパシタの記号で図示している。
一次電源リレー281は、交流電源に直接接続されているリレー要素であって、当該交流電源から一次ACバス21L,21R等に電力を供給するときには接続状態となり、電力を供給しないときには切断状態となる。二次電源リレー282は、一次ACバス21L,21Rに直接接続されているリレー要素(一次電源リレー281および始動切換リレー283を除く)であって、交流電源から一次ACバス21L,21Rを介して各要素に電力を供給するときには接続状態となり、電力を供給しないときには切断状態となる。
また、始動切換リレー283は、電源安定化装置30L,30Rに接続されるリレー要素であり、本実施の形態では、2つの始動切換リレー283が電源安定化装置30L,30Rに接続されている。一方の始動切換リレー283は、電源安定化装置30L,30Rおよび一次ACバス21Lの間に介在している。他方の始動切換リレー283は、電源安定化装置30L,30RおよびAPU始動発電機124の間に介在している。
他方の始動切換リレー283は、後述するように、APU始動発電機124を始動する場合には接続状態となり、これによって、一次ACバス21L,21Rを介さない経路(始動時経路)で電源安定化装置30L,30RをAPU始動発電機124に接続する。交流発電機14L,14R(あるいはAPU始動発電機124、RAT発電機171)等から一次ACバス21L,21Rを介して交流電力が供給されるときには、他方の始動切換リレー283は切断状態となり、電源安定化装置30L,30Rは通常経路(一方の始動切換リレー283を介した経路)で一次ACバス21L,21Rに接続されることになる。
また、左右間接続リレー284は、前述したように、左側電気系統20Lおよび右側電気系統20Rの間で電力を供給可能とするためのリレー要素であり、一方の電気系統20Lまたは20Rから他方の電気系統20Rまたは20Lに電力を供給する場合には接続状態となり、電力供給の必要がない場合には切断状態となる。言い換えれば、左右の交流発電機14L,14Rの双方が正常に動作しているときには切断状態にあり、左右の交流発電機14L,14Rのうち一方のみが正常に動作しているとき、もしくは、APU始動発電機124から交流電力を供給するとき等には、接続状態となる。
また、直流電源切換リレー285は、一次ACバス21L,21RからTRU251L,251RおよびDCバス27L,27Rを介して供給される直流電力をエッセンシャルバス22L,22Rに供給可能とするためのリレー要素である。例えば、一次ACバス21L,21RからTRU251L,251RおよびDCバス27L,27Rを介して電力供給しているときには接続状態となり、一次ACバス21L,21Rからエッセンシャルバス22L,22Rに直流電力を供給できないときには切断状態となる。
なお、前述した電源装置、電源バス、変圧/整流要素、リレー要素等の具体的な構成は特に限定されず、特に断りの無い限り、航空機の分野で公知の電源装置、電源バス、整流器および変圧器等が好適に用いられる。また、モータコントローラ、アクチュエータ等の電力負荷についても、航空機が備える公知の構成が好適に用いられる。
[電源安定化装置の基本構成]
次に、各電気系統20L,20Rに接続される電源安定化装置30L,30Rの基本構成の一例について、図2ないし図4を参照して具体的に説明する。
本実施の形態に係る電源安定化装置30Lまたは30Rは、図2ないし図4に示すように、電力変換部33、一次ACバス監視部34、二次電池監視部35、および電源安定化制御部36から少なくとも構成されている。なお、図2は、電源安定化装置30Lまたは30Rの全体構成を模式的に示す概略ブロック図であるが、図3および図4は、電源安定化制御部36による制御構成を示す概略ブロック図であるので、図3および図4においては、説明の便宜上、図2に図示される一次ACバス監視部34および二次電池監視部35は省略している。
電力変換部33は、直流電源である二次電池13Lまたは13Rと、交流電源である交流発電機14L,14RあるいはAPU始動発電機124との間で、直流電力および交流電力を相互に変換可能とするものであり、本実施の形態では、PWMコンバータ331と昇圧コンバータ332とから構成されている。
図3に示すように、PWMコンバータ331は、2つの始動切換リレー283の切り換えにより、始動時経路(図1参照)でAPU12のAPU始動発電機124に接続された状態で、APU始動発電機124を始動する。したがって、PWMコンバータ331は、APU始動発電機124のモータコントローラに相当する。また、PWMコンバータ331の出力により一次ACバス21L,21Rの安定化も行われる。PWMコンバータ331の具体的な構成は特に限定されず、本実施の形態では、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いたインバータ回路が用いられる。
また、図3および図4に示すように、昇圧コンバータ332は、二次電池13Lまたは13Rに接続され、PWMコンバータ331に供給するために、二次電池13Lまたは13Rからの直流電力を昇圧する。昇圧コンバータ332の具体的な構成は特に限定されず、本実施の形態では、例えばIGBTを用いた双方向チョッパ回路が用いられる。なお、二次電池13Lまたは13Rの直流電力を昇圧する必要がなければ、昇圧コンバータ332は無くてもよい。
ここで、図2ないし図4には模式的に1つのみ示しているが、電気系統20L,20Rには2つの始動切換リレー283が設けられており、これら始動切換リレー283は、電力変換部33を、一次ACバス21L,21Rを介さずにAPU始動発電機124に接続するか(始動時経路)、または一次ACバス21L,21Rを介して交流電源(交流発電機14L,14R、APU始動発電機124、またはRAT発電機171)に接続する(通常経路)ように、切り換え可能に構成されている(図1も参照)。
なお、前述したように、電源安定化装置30L,30Rは、始動時経路および通常経路の2経路でAPU始動発電機124に接続されており、これら2経路のそれぞれに始動切換リレー283が設けられている。図2では、始動時経路の始動切換リレー283のみを図示している。具体的には、APU始動発電機124を示すブロックは、他方の始動切換リレー283に直接接続するよう図示しており、通常経路については、一方の始動切換リレー283を省略し、一次ACバス21L,21RおよびAPU始動発電機124の間をつなぐラインで図示している。また、図2の交流発電機のブロックは、交流発電機14L,14RだけでなくRAT発電機171を含むものとする。
また、図3および図4では、始動時経路を説明する便宜上、APU始動発電機124を1つの円形ブロックで模式的に示し、APU始動発電機124以外の他の交流電源(交流発電機14L,14RおよびRAT発電機171)をまとめて1つの円形ブロックで模式的に示している。また、始動切換リレー283は、始動時経路に設けられるもののみを図示し、通常経路に設けられるものは省略している。ただし、前述したように、APU始動発電機124は、他の交流電源と同様に通常経路でも接続電源安定化装置30L,20Rに接続されているので、他の交流電源を示す円形ブロックについては、通常経路でAPU始動発電機124が接続されている場合も含むものとして、符号「124」を括弧書きで併記している。
APU12が停止状態にあって、APU12の始動が必要なときには、図3に示すように、始動切換リレー283が切り換えられて、電力変換部33が始動時経路でAPU始動発電機124(APU12)に接続される。そして、電源安定化制御部36は、電力変換部33を制御して、二次電池13L,13Rからの直流電力を交流電力に変換してAPU始動発電機124(APU12)に供給することにより、APU12を始動させる。
また、二次電池13L,13Rが充電可能な状態にあって、図4に示すように、始動切換リレー283が切り換えられて電力変換部33が通常経路で接続されているときには、電源安定化制御部36は、電力変換部33を制御して、一次ACバス21L,21Rに接続されている交流電源(交流発電機14L,14R、またはAPU始動発電機124)からの交流電力を直流電力に変換して二次電池13L,13Rに供給することにより、当該二次電池13L,13Rを充電する。
また、図4に示すように、始動切換リレー283が切り換えられて電力変換部33が通常経路で接続されたときであって、一次ACバス21L,21Rに、複数の電気機器の少なくとも一つ、例えば、舵面アクチュエータ15が接続されているとする。このとき、交流発電機14L,14Rが故障して、一次ACバス21L,21Rに交流電力が供給されない事態が発生したとする。この場合、APU始動発電機124が発電を開始するか、または、RAT発電機171が発電を開始して、一次ACバス21L,21Rに交流電力が供給されることになる。
しかしながら、これら交流電源による発電は、前記事態が発生した直後に遅滞なく開始できるとは限らない。そのため、前記事態が発生すると、一次ACバス21L,21Rに対して、一時的に交流電力が供給されない状態が発生するおそれがある。これに対して、電源安定化制御部36は、電力変換部33を制御して、二次電池13L,13Rからの直流電力を交流電力に変換して、一次ACバス21L,21Rを介して、飛行に際して安全上で必要最小限となる電力負荷(電気機器)に対して一時的に交流電力を供給することができる。
一次ACバス監視部34は、図2に示すように、一次ACバス21L,21Rの電圧の変動および周波数の変動の少なくとも一方を監視し、その監視結果(図中矢印m1)である計測電圧値を電源安定化制御部36に出力する。一次ACバス監視部34の具体的構成は特に限定されず、公知の交流電力監視ユニット等を好適に用いることができる。
二次電池監視部35は、図2に示すように、二次電池13L,13Rの充電状態を監視し、その監視結果(図中矢印m2)を電源安定化制御部36に出力する。二次電池監視部35の具体的な構成は特に限定されず、二次電池13L,13Rの充電状態(SOC:State Of Charge,充電率)を検出可能とする公知のSOC検出器を好適に用いることができる。
なお、SOC検出器としては、充放電電流を積算する積算SOC法を用いたタイプと、電池電圧、電流および温度等から充電状態を推定する瞬時SOC法を用いたタイプと、が知られており、いずれのタイプであっても好適に用いることができる。しかしながら、本実施の形態では、好ましくは、積算SOC法で生じる累積誤差を瞬時SOC法で補正する構成のものが用いられる。これにより、SOC検出器を長期間使用してもSOCの誤差の累積が抑制されるので、電源安定化制御部36に出力されるSOCの精度を良好なものとすることができる。そのため、電源安定化装置30L,30Rにより電気系統20L,20Rをより良好に安定化することができる。
電源安定化制御部36は、電源安定化装置30Lまたは30Rの制御器であって、図2ないし図4に示すように、一次ACバス監視部34により一次ACバス21Lまたは21Rの電圧および周波数の少なくとも一方を監視(モニタ)し、その電圧および周波数に基づいて電力変換部33を制御する。これにより、直流電源である二次電池13Lまたは13Rの充放電を制御する。
なお、本実施の形態では、前記の通り、二次電池監視部35により得られる、二次電池13L,13Rの充電状態も監視して制御に利用している。これに加えて、図2に示すように、電気系統20L,20Rから得られる、APU始動指令、発電機作動状態、電源安定化開始指令等の情報も、電源安定化制御部36に出力され(図中矢印m0)、電力変換部33の制御に利用される。
本実施の形態では、後述するように、交流電源(交流発電機14L,14R)が可変周波数(VF)である場合には、一次ACバス21Lまたは21Rの電圧を監視し、電圧の計測値の一次遅れの値を制御の目標値とし、この目標値と計測値との偏差に応じて、直流電源の充放電を制御している。また、交流電源が一定周波数(CF)である場合には、一次ACバス21Lまたは21Rの電圧および周波数を監視し、電圧および周波数の計測値の一次遅れの値を制御の目標値とし、この目標値と計測値との偏差に応じて、直流電源の充放電を制御している。
本実施の形態における電源安定化制御部36の具体的な構成は特に限定されず、前述した電力指令信号を生成するために、公知のスイッチング素子、減算器、比較器等による論理回路として構成されてもよいし、あるいは、電源安定化制御部36となるマイクロコントローラのCPUが、同マイクロコントローラの記憶部に格納されるプログラムに従って動作することにより実現される機能構成であってもよい。
[電源安定化制御部の構成例:VF対応型]
次に、電源安定化制御部36の具体的な構成の一例について、図5A,Bを参照して説明する。
交流発電機14L,14RがVFの発電機である場合には、電源安定化制御部36は、図5Aに示すように、一次ACバス21L,21Rの電圧(すなわち電気系統20L,20Rの電圧)を監視し、その監視結果に基づいて、有効電力および/または無効電力を充放電する「充放電制御回路」を含んでいる。なお、この充放電制御回路を含む電源安定化制御部36を、説明の便宜上「VF対応型」と称する。
具体的には、図5Aに示すように、VF対応型の電源安定化制御部36は、例えば、第一遅れ演算器341、第二遅れ演算器342、減算器345、第一比較制御器361、第二比較制御器362、および加算器365から構成される充放電制御回路を含んでいる。
電源安定化装置30L,30Rを構成する一次ACバス監視部34は、図2に示すように、一次ACバス21L,21Rの電圧を監視しており、図5Aに示すように、計測電圧値Vmを監視結果m1として第一遅れ演算器341に出力する(図3および図4も参照)。第一遅れ演算器341は、フィルタによる時間遅れを示しており、この出力として系統電圧値Vgen を生成し、第二遅れ演算器342および減算器345に出力する。なお、第一遅れ演算器341の時定数Tmは測定遅延時間として設定されている。
第二遅れ演算器342は、系統電圧値Vgen に時間遅れ処理を施して系統電圧目標値Vref を生成し、減算器345に出力する。なお、第二遅れ演算器342の時定数Tsは適宜設定可能であり、本実施の形態では10秒に設定されている。減算器345は、系統電圧目標値Vref から系統電圧値Vgen を減算し、その減算値(偏差、Vref −Vgen )を第一比較制御器361および第二比較制御器362に出力する。
第一比較制御器361は、無効電力の充放電を制御するための電力指令信号Qcmd を生成する制御器であり、比例定数Kqが予め設定されている。また、第二比較制御器362は、有効電力の充放電を制御するための電力指令信号Pcmd を生成する制御器であり、比例定数Kqが予め設定されている。第一比較制御器361は、減算器345の出力値である減算値に比例定数Kqを乗算することにより、電力指令信号Qcmd (=Kq×(Vref −Vgen ))を生成し、これを図3または図4において矢印s1で示すように電力変換部33のPWMコンバータ331に出力する。
一方、第二比較制御器362は、減算値に比例定数Kpを乗算し、この乗算値(Kp×(Vref −Vgen ))を加算器365に出力する。この乗算値は、有効電力の電力指令信号Pcmd の基本値となる。加算器365に対しては、後述するように有効電力補正値Psoc_cmp も出力される。加算器365は、乗算値(基本値)と有効電力補正値Psoc_cmp とを加算することで、最終的な電力指令信号Pcmd (=Kp×(Vref −Vgen )+Psoc_cmp 、電力指令信号Pcmd の最終値)を生成し、図3または図4において矢印s1,s2で示すように電力変換部33に出力する。電力変換部33では、これら電力指令信号Qcmd およびPcmd に基づいて、二次電池13L,13Rの充放電を制御する。
より具体的には、監視による電圧の変動が一時的な電圧上昇であれば、系統電圧目標値Vref よりも系統電圧値Vgen の方が大きくなる。それゆえ、減算器345からの減算値はマイナスの値となる(Vref −Vgen <0)ので、第二比較制御器362を介して(Kpの乗算)加算器365から出力される(Psoc_cmp の加算)有効電力の電力指令信号Pcmd もマイナスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Pcmd に基づいて、電圧上昇の値に比例して二次電池13L,13R(直流電源)に有効電力を充電することになる。
また、第一比較制御器361から出力される無効電力の電力指令信号Qcmd は、当該第一比較制御器361でマイナスの減算値に比例定数Kqが乗算されるため、マイナスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Qcmd に基づいて、電圧上昇の値に比例して進み力率の無効電力を出力させることになる。
一方、監視による電圧の変動が一時的な電圧降下であれば、系統電圧目標値Vref よりも系統電圧値Vgen の方が小さくなる。それゆえ、減算器345からの減算値はプラスの値となる(Vref −Vgen >0)ので、加算器365から出力される有効電力の電力指令信号Pcmd もプラスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Pcmd に基づいて、電圧降下の値に比例して二次電池13L,13R(直流電源)に有効電力を放電させることになる。
また、第一比較制御器361から出力される無効電力の電力指令信号Qcmd は、当該第一比較制御器361でプラスの減算値に比例定数Kqが乗算されるため、プラスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Qcmd に基づいて、電圧降下の値に比例して遅れ力率の無効電力を出力させることになる。
このように、本実施の形態では、系統電圧値Vgen の一次遅れの値Vref を所定の電圧値である系統電圧目標値を用いている。これにより、電気系統20L,20Rの電圧の変動が過渡的(または一時的)な場合にのみ、電力指令信号を生成することになる。そのため、電源安定化制御部36は、電気系統20L,20Rで定常的に生じる電圧の偏差に反応して電力指令信号を生成することがない。その結果、二次電池13L,13Rが過放電または過充電になるおそれを有効に抑制することができる。
また、本実施の形態では、電源安定化制御部36は、監視による電圧の変動が電圧上昇であれば、電力変換部33を制御して、電圧上昇に比例して直流電源(二次電池13L,13R)に有効電力を充電してもよいし、電圧上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させてもよいし、有効電力の充電および進み力率の無効電力の出力の双方を行わせてもよい。これにより、後述するように、電気系統20L,20Rに生じた一時的な電圧上昇と交流電源への電力戻りの発生とを有効に抑制することができる。
一方、電源安定化制御部36は、監視による電圧の変動が電圧降下であれば、電力変換部33を制御して、電力降下に比例して直流電源から有効電力を放電させてもよいし、電圧降下に比例して遅れ力率の無効電力を出力させてもよいし、有効電力の放電および遅れ力率の無効電力の出力の双方を行わせてもよい。これにより、後述するように電気系統20L,20Rに生じた一時的な電圧低下を有効に抑制することができる。
なお、充放電制御回路を構成する第一遅れ演算器341および第二遅れ演算器342は、本実施の形態では、一次遅れ演算処理を行う構成であるが、本発明はこれに限定されず、時間遅れ演算処理を行う構成であれば、二次遅れ演算処理等、他の演算処理を行う構成であってもよい。
ここで、有効電力補正値Psoc_cmp の生成について説明する。本実施の形態に係る電源安定化制御部36は、図5Aに示す充放電制御回路に加えて、図5Bに示すような、二次電池13L,13RのSOCを補正する「SOC補正回路」も含んでいる。有効電力補正値は、このSOC補正回路で生成され、加算器365に出力される。この充電状態制御回路は、本実施の形態では、図5Bに示すように、減算器351と上下限リミッタ352から構成されている。
電源安定化装置30L,30Rを構成する二次電池監視部35は、図2に示すように、二次電池13L,13Rの充電状態を監視しており、図5Bに示すように、監視結果m2であるSOCの計測値SOCmを減算器351に出力する(図3および図4も参照)。SOC補正回路には、予めSOCの目標値SOCref が設定されているので、減算器351は、目標値SOCref と計測値SOCmとを比較して減算する。得られる減算値SOCdiff(SOCref −SOC)は、上下限リミッタ352に出力される。
上下限リミッタ352では、減算値SOCdiffに基づいて有効電力補正値Psoc_cmp を生成して、充放電制御回路の加算器365に出力する。減算値SOCdiffがプラスの場合、すなわち、計測値SOCmが目標値SOCref を下回っている場合、有効電力補正値Psoc_cmp はマイナスとなるように生成される(Psoc_cmp <0)。これにより、有効電力の電力指令信号Pcmd は充電側となるように補正される。一方、減算値SOCdiffがマイナスの場合、すなわち、計測値SOCmが目標値SOCref を上回っている場合、有効電力補正値Psoc_cmp はプラスとなるように生成される(Psoc_cmp >0)。これにより、有効電力の電力指令信号Pcmd は放電側となるように補正される。
このように、本実施の形態では、直流電源が二次電池13L,13Rであるときに、その充電状態(SOC)を監視して、この監視による計測値SOCmと予め設定されるSOCの所定値(目標値SOCref )との偏差に応じて、二次電池13L,13Rの充放電量を補正している。これにより、電気系統20L,20Rの安定化動作が長期間に及んでも、二次電池13L,13Rが過放電または過充電になるおそれを有効に抑制することができる。
[電源安定化制御部の構成例:CF対応型]
次に、電源安定化制御部36の具体的な構成の他の例について、図6を参照して具体的に説明する。
交流発電機14L,14RがCFの発電機である場合には、電源安定化制御部36は、図6に示すように、一次ACバス21L,21Rの電圧および周波数(すなわち電気系統20L,20Rの電圧および周波数)を監視し、その監視結果に基づいて、有効電力および/または無効電力を充放電する「充放電制御回路」を含んでいる。なお、この充放電制御回路を含む電源安定化制御部36を、説明の便宜上「CF対応型」と称する。
具体的には、図6に示すように、CF対応型の電源安定化制御部36は、例えば、第一遅れ演算器341、第二遅れ演算器342、第一減算器346、第一比較制御器363、PLL演算器344、第三遅れ演算器343、第二減算器347、第二比較制御器364、および加算器365から構成される充放電制御回路を含んでいる。
図6には示さない一次ACバス監視部34は、計測電圧値Vmを監視結果m1として第一遅れ演算器341に出力する。第一遅れ演算器341は、フィルタの遅れを示しており、この出力として系統電圧値Vgen を生成し、第二遅れ演算器342および第一減算器346に出力する。第二遅れ演算器342は、系統電圧値Vgen に時間遅れ処理を施して系統電圧目標値Vref を生成し、第一減算器346に出力する。第一減算器346は、系統電圧目標値Vref から系統電圧値Vgen を減算し、その減算値(偏差、Vref −Vgen )を第一比較制御器363に出力する。
第一比較制御器363は、無効電力の充放電を制御するための電力指令信号Qcmd を生成する比較制御器であり、比例定数Kvが予め設定されている。第一比較制御器363は、第一減算器346からの減算値に比例定数Kvを乗算することにより、電力指令信号Qcmd (=Kv×(Vref −Vgen ))を生成し、図3または図4において矢印s1示すように電力変換部33のPWMコンバータ331に出力する。電力変換部33では、この電力指令信号Qcmd と後述する電力指令信号Pcmd に基づいて、二次電池13L,13Rの充放電を制御する。
より具体的には、監視による電圧の変動が一時的な電圧上昇であれば、系統電圧目標値Vref よりも系統電圧値Vgen の方が大きくなる。それゆえ、VF対応型と同様に、第一減算器346からの減算値はマイナスの値となり、第一比較制御器363から出力される無効電力の電力指令信号Qcmd はマイナスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Qcmd に基づいて、電圧上昇の値に比例して進み力率の無効電力を出力させることになる。
一方、監視による電圧の変動が一時的な電圧降下であれば、系統電圧目標値Vref よりも系統電圧値Vgen の方が小さくなる。それゆえ、VF対応型と同様に、第一比較制御器363から出力される無効電力の電力指令信号Qcmd はプラスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Qcmd に基づいて、電圧上昇の値に比例して遅れ力率の無効電力を出力させることになる。
また、図6には示さない一次ACバス監視部34は、計測電圧値VmをPLL演算器344にも出力する。PLL演算器344は、計測電圧値Vmに位相同期演算(Phase Locked Loop;PLL演算)を施すことにより、電気系統20L,20Rの系統周波数Fgen を生成し、第三遅れ演算器343に出力する。第三遅れ演算器343は、第二遅れ演算器342と同じ構成であり、系統周波数Fgen に時間遅れ処理を施して系統周波数目標値Fref を生成し、第二減算器347に出力する。第二減算器347は、系統周波数目標値Fref から系統周波数Fgen を減算し、その減算値(偏差、Fref −Fgen )を第二比較制御器364に出力する。
第二比較制御器364は、有効電力の充放電を制御するための電力指令信号Pcmd を生成する比較制御器であり、比例定数Kfが予め設定されている。第二比較制御器364は、減算値に比例定数Kfを乗算し、この乗算値(=Kf×(Fref −Fgen ))を加算器365に出力する。この乗算値は、有効電力の電力指令信号Pcmd の基本値となる。加算器365に対しては、前述したように、SOC補正回路(図5B参照)から有効電力補正値Psoc_cmp も出力されるので、加算器365は、乗算値(基本値)と有効電力補正値Psoc_cmp とを加算することで、最終的な電力指令信号Pcmd (=Kf×(Fref −Fgen )+Psoc_cmp 、電力指令信号Pcmd の最終値)を生成し、図3または図4において矢印s1,s2で示すように電力変換部33に出力する。電力変換部33では、この電力指令信号Pcmd と前述した電力指令信号Qcmd に基づいて、二次電池13L,13Rの充放電を制御する。
より具体的には、監視による周波数の変動が一時的な周波数上昇であれば、系統周波数目標値Fref よりも系統周波数Fgen の方が大きくなる。それゆえ、減算器345からの減算値はマイナスの値となる(Fref −Fgen <0)ので、第二比較制御器364を介して(Kfの乗算)加算器365から出力される(Psoc_cmp の加算)有効電力の電力指令信号Pcmd もマイナスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Pcmd に基づいて、周波数上昇の値に比例して二次電池13L,13R(直流電源)に有効電力を充電することになる。
一方、監視による周波数の変動が一時的な周波数降下であれば、系統周波数目標値Fref よりも系統周波数Fgen の方が小さくなる。それゆえ、第二減算器347からの減算値はプラスの値となる(Fref −Fgen >0)ので、加算器365から出力される有効電力の電力指令信号Pcmd もプラスの値となる。そのため、電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Pcmd に基づいて、周波数降下の値に比例して二次電池13L,13R(直流電源)に有効電力を放電させることになる。
このように、CF対応型では、交流電力の周波数が一定であるので、電源安定化制御部36では、電圧の目標値については、VF対応型と同様に、系統電圧値Vgen の一次遅れの値Vref を用いており、周波数の目標値については、系統周波数Fgen の一次遅れの値Fref を用いている。
これにより、電気系統20L,20Rの電圧の変動および/または周波数の変動が過渡的(または一時的)な場合にのみ、電力指令信号を生成することになる。そのため、電源安定化制御部36は、電気系統20L,20Rで定常的に生じる電圧または周波数の偏差に反応して電力指令信号を生成することがない。その結果、二次電池13L,13Rが過放電または過充電になるおそれを有効に抑制することができる。
また、本実施の形態では、電源安定化制御部36は、監視による周波数の変動が周波数上昇であれば、電力変換部33を制御して、周波数上昇に比例して直流電源(二次電池13L,13R)に有効電力を充電し、監視による電圧の変動が電圧上昇であれば、電圧上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させる。これにより、後述するように、電気系統20L,20Rに生じた一時的な逆起電力による電圧上昇を有効に抑制することができる。
一方、電源安定化制御部36は、監視による周波数の変動が周波数降下であれば、電力変換部33を制御して、周波数降下に比例して直流電源から有効電力を放電させ、監視による電圧の変動が電圧降下であれば、電圧降下に比例して遅れ力率の無効電力を出力させる。これにより、後述するように電気系統20L,20Rに生じた一時的な電圧低下を有効に抑制することができる。
[電気系統の安定化]
次に、前記構成の電源安定化装置30L,30Rによる各電気系統20L,20Rの安定化の一例について、図2ないし図4に加えて、図7、図8A,B、図9、図10および図11を参照して具体的に説明する。なお、説明の便宜上、図8A,Bおよび図9ないし図11においては、舵面アクチュエータ15以外に電気化された系統の電力負荷(例えば、油圧系統では油圧ポンプ、抽気系統では空調コンプレッサ)を「符号16のブロック」で図示する。
図7に示すように、本実施の形態に係る安定化システムは、電源安定化装置30L,30Rの制御により、停止状態を含めて、合計5つの状態を遷移するように構成されている。図中中心の状態M0が停止状態であり、APU12の始動が要求されれば、電源安定化装置30L,30RによりAPU12が始動されるので、安定化システムは、図中上方の状態M1:APU始動状態に移行する。なお、APU12の始動が完了すれば、状態M0:停止状態に戻る。また、バックアップが要求されれば、図中下方の状態M4:バックアップ状態に移行し、バックアップの停止が要求されれば、状態M0:停止状態に戻る。
そして、交流発電機14L,14Rに含まれるVFの発電機が起動し、電気系統20L,20Rの安定化の開始が要求されれば、安定化システムは、図中向かって右側の状態M2:VF電源安定化状態に移行する。なお、VFの交流発電機14L,14Rが停止したり、安定化の停止が要求されたりすれば、状態M0:停止状態に戻る。同様に、APU始動発電機124が、発電機として電源を供給している状態、あるいは、交流発電機14L,14Rに含まれるCFの発電機が電力を供給している状態で、電気系統20L,20Rの安定化の開始が要求されれば、図中向かって左側の状態M3:CF電源安定化状態に移行する。なお、これらの交流発電機14L,14RあるいはAPU始動発電機124が停止したり、安定化の停止が要求されたりすれば、状態M0:停止状態に戻る。
また、交流電源のうちRAT発電機171は、VF発電機に分類される。それゆえ、RAT発電機171が発電機として電力を供給している状態で電気系統20L,20Rの安定化開始が要求されれば、安定化システムは、図中向かって右側の状態M2:VF電源安定化状態に移行する。なお、RAT発電機171が停止したり、安定化の停止が要求されたりすれば、状態M0:停止状態に戻る。
次に、前述した状態遷移を参照しながら、各電気系統20L,20Rの安定化について説明する。まず、図3および図8Aに示すように、APU12のAPU始動発電機124の始動時には、安定化システムは図7の状態M0から状態M1へ移行し、電源安定化装置30Lまたは30Rは、図中ブロック矢印F1に示すように、二次電池13Lまたは13Rを放電させる。このとき、電力変換部33は、始動切換リレー283の切り換えにより、通常経路ではなく始動時経路でAPU始動発電機124側に接続されている。そして、電源安定化制御部36は、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに向けて直流−交流変換を行うように電力変換部33を制御する。
具体的には、電源安定化制御部36は、二次電池13Lまたは13RからAPU始動発電機124に向けて放電するための電力指令信号を生成し、電力変換部33を構成するPWMコンバータ331および昇圧コンバータ332に入力する。図3(および図4)においては、PWMコンバータ331に入力される電力指令信号を細線矢印s1で示し、昇圧コンバータ332に入力される電力指令信号を細線矢印s2で示している。本実施の形態では、これら電力指令信号は、PWMコンバータ331または昇圧コンバータ332を構成する複数のスイッチング素子(例えばパワー半導体素子)のON/OFFを行うゲート駆動信号である。
このゲート駆動信号の入力によってPWMコンバータ331または昇圧コンバータ332の各スイッチング素子が切り換えられることで、二次電池13L,13Rからブロック矢印F1に示すように放電が行われる。その結果、二次電池13L,13RからAPU始動発電機124に対して電力が供給されるので、APU始動発電機124を始動することができる。次に、APU始動発電機124が始動すれば、APU12により左エンジン11Lおよび右エンジン11Rも始動するので、これらエンジン11L,11Rに設けられる交流発電機14L,14Rが発電を開始する。
また、APU始動発電機124の始動によって、当該APU始動発電機124からの交流電力が一次ACバス21L,21Rに供給されることになる。このとき、安定化システムは、状態M1から状態M0に戻った後、安定化開始要求に応じて状態M3に移行する。この状態からエンジン11L,11Rが始動するので、図8Bに示すように、一次ACバス21L,21Rに対する交流電力の供給元は、APU始動発電機124から交流発電機14L、14Rに切り換わる。安定化システムは、この交流電源の切り換わりにおいて、一旦、状態M0を経由してから、交流発電機14L,14Rの形態(VFまたはCF)に応じて、状態M2またはM3に移行する。
これに伴い、電力変換部33は始動時経路から通常経路に切り換わる。そして、電源安定化制御部36は、電力変換部33において一次ACバス21L,21Rから二次電池13L,13Rに向けてAC−DC変換を行う。これにより、図4および図8Bのブロック矢印F3に示すように、交流発電機14L,14Rからの電力が二次電池13L,13Rに供給されるので、二次電池13L,13Rが充電される。
具体的には、図4の細線矢印m1に示すように、一次ACバス監視部34(図4には図示せず)が一次ACバス21L,21Rの電圧および周波数(すなわち各電気系統20L,20Rの電圧および周波数)をモニタしているので、電源安定化制御部36は、このモニタ結果に基づいて電力指令信号s1およびs2を生成し、電力変換部33を構成するPWMコンバータ331または昇圧コンバータ332に入力する。電力指令信号s1およびs2の入力により、PWMコンバータ331および昇圧コンバータ332の各スイッチング素子が切り換えられることで、二次電池13L,13Rに対してブロック矢印F3に示すように充電が行われる。
なお、交流発電機14L,14Rから供給される交流電力は、主として舵面アクチュエータ15、他の電力負荷16に対して供給される。それゆえ、図8Bにおいては、これら電力負荷への供給電力を示すブロック矢印F2を相対的に太く図示し、二次電池13L,13Rの充電用の供給電力を示すブロック矢印F3を相対的に細く図示している。また、図8Bにおける状態は、通常経路で交流電源から電力が供給される状態であるが、このときの交流電源には、交流発電機14L,14RだけでなくAPU始動発電機124も含まれる。
このような通常時の電力供給状態で、例えば、逆起電力等の電圧上昇が生じたり電力負荷の増大により電圧降下が生じたりすれば、図9に示すように、電源安定化装置30L,30Rは、二次電池13L,13Rにより電圧上昇を吸収させたり電圧降下で不足した電力を補給させたりする安定化制御を行う。図9では、逆起電力および補足電力をまとめて双方向のブロック矢印R0で図示している。
具体的には、例えば、図4の細線矢印m1に示すように、一次ACバス監視部34(図4には図示せず)が、一次ACバス21L,21Rの電力状態をモニタし、一次ACバス21L,21Rにおいて逆起電力の発生(電圧の上昇、周波数の上昇等)が検知されれば、電源安定化制御部36は、一次ACバス21L,21Rから二次電池13L,13Rに向かって電力が供給されるように、電力指令信号s1およびs2を生成して電力変換部33に入力する。ここでモニタする電力状態は、少なくとも電圧であればよいが、例えば電圧とともに周波数等もモニタすることができる。
電力変換部33を構成するPWMコンバータ331および昇圧コンバータ332では、電力指令信号に基づいて各スイッチング素子が切り換えられ、一次ACバス21L,21Rに流入した逆起電力は、図4のブロック矢印R0−3(ブロック矢印F3と同じ方向)に示すように二次電池13L,13Rに向かって流れることになる。ここで、二次電池13L,13Rは逆起電力を吸収可能とする程度に高電圧化されているので、発生した逆起電力は、二次電池13Lまたは13Rに充電されることによって良好に吸収される。
また、前述したように、電源安定化制御部36は、電圧の上昇時には、電力変換部33を制御して、電圧の上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させる。この制御によっても、電圧の上昇を抑制することができる。
同様に、図4の細線矢印m1に示すように、一次ACバス監視部34(図4には図示せず)が、一次ACバス21L,21Rの電力状態をモニタし、一次ACバス21L,21Rにおいて大幅な電力低下(電圧の降下、周波数の降下等)が検知されれば、電源安定化制御部36は、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに向かって電力が供給されるように、電力指令信号s1およびs2を生成して電力変換部33に入力する。
電力変換部33を構成するPWMコンバータ331および昇圧コンバータ332では、電力指令信号に基づいて各スイッチング素子が切り換えられ、二次電池13L,13Rからの直流電力は、図4のブロック矢印R0−4に示すように一次ACバス21L,21Rに向かって流れることになる。その結果、二次電池13L,13Rが交流発電機14L,14Rを補助することになり、交流発電機14L,14Rの過負荷状態を緩和することができる。つまり、過負荷状態による大幅な電圧低下を、二次電池13L,13Rからの供給電力により補足することができる。
また、前述したように、電源安定化制御部36は、電圧の降下時には、電力変換部33を制御して、電圧の降下に比例して遅れ力率の無効電力を出力させる。この制御によっても、電圧の降下を抑制することができる。
このように、本実施の形態によれば、電源安定化装置30L,30Rが一次ACバス21L,21Rの電圧および周波数をモニタして直流電源の充放電を制御するため、大きな逆起電力(電力戻り)を一次ACバス21L,21Rを介して直流電源で吸収したり、一時的な電圧降下を直流電源からの電力供給により補足したりすることができる。その結果、従来のように、例えば舵面アクチュエータ15の制御器内に抵抗器を設けて、逆起電力を発熱として消費させたり、交流電源の発電容量を最大負荷に合わせて大きくしたりする必要がなくなる。それゆえ、本発明に係る航空機用電気系統安定化システムによれば、重量増加を回避しつつ各電気系統20L,20Rを良好に安定化することができる。
さらに、図10に示すように、交流発電機14L,14Rに何らかの異常(図中×印Em)が生じて、一次ACバス21L,21Rに電力が供給されない事態が発生しても、電源安定化装置30L,30Rの電源安定化制御部36は、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに向けてDC−AC変換を行うように電力変換部33を制御する。この状態は、図7の状態M4:バックアップ状態に相当する。
つまり、一次ACバス21L,21Rには、電気機器の少なくとも一つが接続されているが、この電気機器に対して、一次ACバス21L,21Rを介して交流発電機14L,14Rから交流電力が供給されないときには、電源安定化制御部36は、電力変換部33を制御して、二次電池13L,13Rからの直流電力を交流電力に変換して、一次ACバス21L,21Rを介して電気機器に一時的に電力を供給可能としている。これにより、図10のブロック矢印F4に示すように、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに交流電力が供給される。
交流発電機14L,14Rから電力が供給されない事態が発生すれば、APU12またはRAT17を起動することによりAPU始動発電機124またはRAT発電機171も起動して発電を開始するが、これら補助発電機の起動には、ある程度の起動時間(例えば5秒程度)を要する。このようなごく短い起動時間であっても電力が供給されなければ航空機の運行に影響が生じるおそれがあるので、電源安定化制御部36は、電力変換部33を制御して二次電池13L,13Rから交流電力を供給させ、例えば、舵面アクチュエータ15等を動作させることが可能となる。
具体的には、電源安定化制御部36が、例えば図4に示すような交流電力の供給状態から、交流発電機14L,14Rの同時停止等といった異常が検知されれば、電源安定化制御部36は、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに向かって電力が供給されるように、電力指令信号s1およびs2を生成して電力変換部33に入力する。
電力変換部33を構成するPWMコンバータ331および昇圧コンバータ332では、電力指令信号に基づいて各スイッチング素子が切り換えられ、二次電池13L,13Rからの直流電力は、図4のブロック矢印F4(ブロック矢印R0−4と同じ方)に示すように一次ACバス21L,21Rに向かって流れることになる。
また、エッセンシャルバス22L,22Rには、飛行に際して安全上で必要最小限となる重要な電力負荷が接続されている。本実施の形態では、交流発電機14L,14Rの同時停止等により補助発電機が起動するまでの間、図10のブロック矢印F4に示すように、エッセンシャルバス22L,22Rに対しても、二次電池13L,13Rからの直流電源を電圧変換器262L,262Rおよび整流素子252L,252Rを介して供給することが可能となっている。
エッセンシャルバス22L,22Rには、交流発電機14L,14Rから一次ACバス21L,21Rを介して変圧整流器251L,251Rで直流変換された電力が供給されている。これに加えて、高電圧化された二次電池13L,13Rからの直流電力は、電圧変換器262L,262Rで降圧されて、整流素子252L,252Rを通してエッセンシャルバス22L,22Rに常時接続されている。
そのため、非常時に交流発電機14L,14Rからの電力供給が停止したような場合、すなわち、エッセンシャルバス22L,22Rに対して、一次ACバス21L,21Rを介して交流発電機14L,14Rから交流電力が供給されないときには、二次電池13L,13Rから電力を継続的に供給することができる。それゆえ、リレー要素の切り換えによる瞬断を生じさせることなく、無瞬断で電力を補給することが可能となり、重要な制御システムの不時停止を回避することができる。
さらに、航空機の飛行中にエンジン11L,11Rに取り付けられた交流発電機14L,14Rが同時に停止した場合、あるいは、エンジン11L,11Rそのものが同時に停止した場合には、RAT17が機外に展開され、図11に模式的に示すように、RAT17が備えるRAT発電機171が起動する。RAT発電機171は、前述したように、飛行に際して安全上で必要不可欠な電気負荷に電力を供給可能となっている。なお、図11では、RAT発電機171からの供給電力をブロック矢印F5で図示している。
ここで、前記必要不可欠な電気負荷としては、舵面アクチュエータ15およびエッセンシャルバス22L,22Rに接続される電気機器が挙げられる。このうち、特に舵面アクチュエータ15は、過渡的に大きな負荷量が必要となる電力負荷(電気機器)である。これに対して、RAT発電機171は、非常用の電源装置であるため、その発電容量は交流発電機14L,14R等と比較して小さなものとなっている。それゆえ、RAT発電機171のみを交流電源とする場合、電気系統20L,20Rにおいては、他の交流電源を用いた場合と比較して、一時的な電力変動に対して大きな電圧変動が生じやすくなる。
これに対して本実施の形態では、図11の双方向のブロック矢印R0に示すように、電源安定化装置30L,30Rが、二次電池13L,13Rにより電圧上昇を吸収させたり電圧降下で不足した電力を補給させたりする安定化制御を行う。それゆえ、RAT発電機171を交流電源とする場合には、本実施の形態に係る安定化システムによる電気系統20L,20Rを安定化させる効果はより顕著なものとなる。
具体的には、図11のブロック矢印F5に示すように、RAT発電機171からの供給電力は、一次ACバス21L,21Rを介して舵面アクチュエータ15に供給される。ここで、舵面アクチュエータ15に起因して一時的な電力負荷の増大あるいは逆起電力が発生しても、このような電圧変動(または周波数変動)は、電源安定化装置30L,30Rの安定化制御により抑制される。
さらに、電源安定化装置30L,30Rの電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、RAT発電機171の交流電力を直流電力に変換することができるので、図11の矢印F5に示すように、この直流電力をエッセンシャルバス22L,22Rに供給することができる。したがって、電源安定化装置30L,30Rは、RAT発電機171を交流電源とする場合、電気系統20L,20Rを安定化させることができるだけでなく、エッセンシャルバス22L,22Rへ直流電力を供給するための電力変換器としても機能することができる。
加えて、本実施の形態に係る航空機用電気系統安定化システムによれば、従来の一般的な電気系統と比較して、構成の簡素化を図ることもできるという利点がある。具体的には、図14に示すように、従来の電気系統920L,920Rは、基本的には図1に示す本実施の形態に係る電気系統20L,20Rと同様の構成を有しているが、左側電気系統920Lの二次ACバス23Lには、二次電池用充電器924を介して二次電池913が接続されており、この二次電池913は、エッセンシャルバス22L,22Rに接続されている。また、二次電池用充電器924と二次電池913との間には、充電切換リレー286が介在しているとともに、二次電池913とエッセンシャルバス22L,22Rとの間には、電池電源切換リレー287が介在している。
一方、右側電気系統920Rの二次ACバス23Rには、APU始動用二次電池用充電器925を介して、APU始動用二次電池922が接続され、このAPU始動用二次電池922には、昇圧器923を介してAPU始動制御器921(モータコントローラ)が接続されている。APU始動制御器921は、一次ACバス21L,21RとともにAPU12(APU始動発電機124)に接続されている。また、APU始動用二次電池用充電器925とAPU始動用二次電池922との間には、充電切換リレー286が介在している。
さらに、RAT発電機171に接続されているバックアップバス29には、バックアップ用変圧整流器926が接続されている。このバックアップ用変圧整流器926は、RAT発電機171の交流電力を直流電力に変換して、エッセンシャルバス22L,22Rへ供給するための変圧/整流要素であり、直流電源切換リレー285を介してエッセンシャルバス22L,22Rに接続されている。
この構成では、直流電源として、エッセンシャルバス22L,22Rのバックアップ電源である二次電池913と、APU12の始動専用に設けられるAPU始動用二次電池922との2個の電池が必要となる。しかも、これら二次電池913,922は、本実施の形態に係る電源安定化装置30L,30Rに接続されているわけではないので、充電用にそれぞれ二次電池用充電器924、APU始動用二次電池用充電器925が接続され、さらに、これら充電器924,925と二次電池913,922の間には、充電切換リレー286が介在している必要がある。
さらに、本実施の形態では、電源安定化装置30L,30RをAPU12の始動時の制御器として用いることができるが、従来の構成では、別途APU始動制御器921を設ける必要がある。加えて、APU始動用二次電池922の定格電圧は24VDCであるため、APU12を始動させるためには、昇圧器923により昇圧する必要がある。
このように、従来の電気系統920L,920Rでは、直流電源である二次電池913,922に対してそれぞれ充電器924,925が必要であり、さらに、APU12を始動させるために、APU始動制御器921および昇圧器923が必要である。加えて、RAT発電機171からエッセンシャルバス22L,22Rにバックアップ電力を供給するためには、バックアップ用変圧整流器926および直流電源切換リレー285を介した経路が必要となる。また、TRU251L,251Rから直流電力が供給されないときには、二次電池913からバックアップ電力を供給する必要があり、そのためには、電池電源切換リレー287が必要となる。それゆえ、本実施の形態よりも、電気系統の構成要素(充電器、昇圧器、始動制御器等)の種類が多くなり、電気系統そのものの構成が複雑化して、重量およびコストの増加を招くおそれがある。
加えて、二次電池913の定格電圧は24VDCであるため、エッセンシャルバス22L,22Rの定格電圧28VDCとほぼ同程度である。それゆえ、二次電池913を充電するためには、専用の充電器924が必要となる。また、二次ACバス23Lから専用の充電器924により二次電池913を充電することになるため、当該二次電池913と二次電池用充電器924との間には、充電切換リレー286を介在させ、二次電池913とエッセンシャルバス22L,22Rとの間には、電池電源切換リレー287を介在させる必要がある。それゆえ、二次電池913は、エッセンシャルバス22L,22Rに常時接続することができない。
このような構成であれば、非常時に交流発電機14L,14Rからの電力供給が停止した場合、特に電池電源切換リレー287の切り換えによって二次電池913から電力が供給される際に、一時的な電力遮断(瞬断)が生じることになる。この電力遮断が発生すると、エッセンシャルバス22L,22Rに接続される電気機器が一時停止してしまう。そのため、これら電気機器は、一時停止を回避するために、それぞれバッテリまたはキャパシタ等の非常用電源を内蔵する必要がある。
これに対して本実施の形態に係る各電気系統20L,20Rは、図1に示すように、それぞれが同じ構成を有しているため、従来と比較して構成要素の種類を削減することが可能となり、電気系統の構成の簡素化を図ることができる。
特に、電気系統の構成の簡素化に関しては、本実施の形態であれば、充電器924,925および充電切換リレー286が不要となり、また、APU始動制御器921および昇圧器923が不要となり、さらに、RAT発電機171からバックアップ電力を供給する上で、バックアップ用変圧整流器926および直流電源切換リレー285の経路が不要となるとともに、瞬断の原因となる電池電源切換リレー287も不要となる。
しかも、本実施の形態では、前述したように電力供給の切り換えに伴う瞬断を回避できるため、エッセンシャルバス22L,22Rに接続されている電気機器に非常用電源を設ける必要がなくなり、これら電気機器の重量増加を回避できたり信頼性を向上させたりすることができる。
また、本実施の形態では、従来とは異なり、左右の各電気系統20L,20Rのそれぞれが電源安定化装置30L,30Rと二次電池13L,13Rとを備えている。それゆえ、直流電源を用いてAPU12を始動する系統を二重化することができるとともに、二次電池13L,13Rによるエッセンシャルバス22L,22Rへ電力を供給する系統も二重化することができる。
また、二次電池13L,13Rは、電源安定化装置30L,30Rおよび一次ACバス21L,21Rを介してAPU12に接続されており、しかも、大きな電力負荷を吸収できる程度の高い定格電圧を有している。それゆえ、APU12の始動時に大電流を流すために用いられる、二次電池913,922からの大電流用の配線を削減することが可能となり、その結果、機体を軽量化することもできる。
[変形例]
本実施の形態では、直流電源として定格電圧250Vの二次電池13L,13Rを例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、同様の定格電圧を有するキャパシタであってもよいし、キャパシタおよび二次電池の組合せであってもよい。ここでいうキャパシタは、ウルトラキャパシタと呼ばれる大容量の電気二重層キャパシタを挙げることができる。このように、本発明においては、直流電源は、舵面アクチュエータ15等の電気機器からの逆起電力を吸収し、過渡的な必要電力を供給するよう構成されていればよく、その具体的な構成は二次電池13L,13Rに限定されない。
また、航空機の重量を過剰に増大させない限り、二次電池および/またはキャパシタを複数台組み合わせて直流電源としてもよい。ただし、直流電源がキャパシタの場合、電気系統の安定化は可能であっても、APU12を始動させることができない。それゆえ、APU12の始動に関しては、始動用の直流電源等を別途設けてもよい。
また、本発明に係る航空機用電気系統安定化システムは、動力系統の多くが電気化された航空機に好適に用いることができるが、特に舵面アクチュエータ15の少なくとも一部が電気化、あるいは舵面アクチュエータ15が全て電気化された航空機に好適に用いることができる。
図9に例示される大きな逆起電力または電力需要は、電気系統にとって大きな電力負荷が存在すれば生じ易くなり、このような電力負荷としては、舵面アクチュエータ15、他のアクチュエータ、各種ヒータ、コンプレッサ、その他のモータ等が挙げられる。この中でも、特に舵面アクチュエータ15から大きな逆起電力が生じやすい。舵面アクチュエータ15は、航空機の舵面を動作させるために用いられ、航空機の運動に伴って急激に動作することがある。それゆえ、航空機が運動する際には舵面アクチュエータ15から大きな逆起電力が生じやすいので、少なくとも舵面アクチュエータ15が電気化された航空機について、本発明に係る航空機用電気系統安定化システムを好適に用いることができる。
また、本発明に係る航空機用電気系統安定化システムにおいては、図12および図13に示すように、電源安定化装置30L,30Rは、交流電源(交流発電機14L,14R、APU始動発電機124、もしくはRAT発電機171)に過負荷が発生したときに、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに対して一定の負荷を供給させるように構成されてもよい。
二次電池13L,13Rから一定の負荷が供給可能である電源安定化装置30L,30Rについて、交流電源がVFの発電機である場合(VF対応型)を例示して説明する。この場合の電源安定化制御部36は、図12に示すように、基本的に図5に示す構成と同様の構成を有する充放電制御回路を備えている。ただし、図12に示す充放電制御回路では、加算器365に対して、さらに過負荷対応補正値Poverloadが入力される点が、図5に示す充放電制御回路とは異なっている。この過負荷対応補正値Poverloadは、二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに対して、一定の補助的な電力(補助的な負荷)を供給することによって、交流電源の過負荷を緩和(または実質的に相殺)するための補正値である。
図12に示す充放電制御回路は、図5Aに示す充放電制御回路と同様に、有効電力補正値Psoc_cmp および電力指令信号Qcmd を生成し、電力変換部33に出力する。前述したように、減算器345から出力された減算値(系統電圧目標値Vref と系統電圧値Vgen との偏差)は、第一比較制御器361および第二比較制御器362に出力される。第一比較制御器361は、減算値から電力指令信号Qcmd を生成し、電力変換部33に出力するが、第二比較制御器362は、減算値から乗算値を生成し加算器365に出力する。
ここで、加算器365に対しては、第二比較制御器362からの乗算値(有効電力の電力指令信号Pcmd の基本値)、並びに、SOC補正回路(図5B参照)からの有効電力補正値Psoc_cmp が入力されるが、さらに、予め設定される過負荷対応補正値Poverloadも入力される。加算器365は、乗算値、有効電力補正値Psoc_cmp 、および過負荷対応補正値Poverloadを加算することで、電力指令信号Pcmd (=Kp×(Vref −Vgen )+Psoc_cmp +Poverload)を生成し、電力変換部33に出力する。電力変換部33では、これら電力指令信号Qcmd およびPcmd に基づいて、二次電池13L,13Rの充放電を制御する。
電力変換部33は、電源安定化制御部36の制御により、電力指令信号Pcmd に基づいて、電圧上昇の値または電圧降下の値に比例して二次電池13L,13R(直流電源)に有効電力を充電または放電する。このとき、電力指令信号Pcmd には、前記の通り、過負荷対応補正値Poverloadが含まれている。そのため、交流発電機14L,14Rに過負荷が発生しても、過負荷に対応する有効電力(一定の負荷)を二次電池13L,13Rから一次ACバス21L,21Rに対して供給することができる。
また、交流発電機14L,14RがCFの発電機である場合(CF対応型)であっても、図13に示すように、電源安定化制御部36が備える充放電制御回路は、基本的に図6に示す構成と同様である。図6に示す充放電制御回路との相違点は、加算器365に対して、過負荷対応補正値Poverloadが入力される点である。なお、図13に示す充放電制御回路による電力指令信号Qcmd およびPcmdの生成、これら電力指令信号の電力変換部33への出力、電力変換部33による二次電池13L,13Rの充放電の制御(一定の負荷の供給)については、VF対応型の場合と同様であるため、その説明を省略する。ただし、有効電力の電力指令信号Pcmd を生成する際には、VF対応型とは異なり、図6に示す充放電制御回路と同じく、周波数の減算値(系統周波数目標値Fref と系統周波数Fgen との偏差)を用いている。
このように、本発明に係る航空機用電気系統安定化システムにおいては、有効電力の充放電を制御する電力指令信号Pcmd を生成する際に、過負荷対応補正値Poverloadを用いてもよい。これにより、交流発電機14L,14Rに過負荷が発生しても、二次電池13L,13Rから過負荷対応補正値Poverloadに基づく有効電力が供給される。そのため、過負荷の発生による電気系統20L,20Rへの影響を有効に抑制または回避することが可能となるだけでなく、交流発電機14L,14Rの過負荷容量を低減することも可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、民間航空機の電気系統の安定化の分野に好適に用いることができ、特に、少なくとも舵面アクチュエータが電気化された航空機、好ましくは、他の動力系統も電気化されたMEAの分野に広く好適に用いることができる。
11L 左エンジン
11R 右エンジン
12 補助動力装置(APU、電源装置)
13L,13R 二次電池(電源装置、直流電源)
14L,14R 交流発電機(電源装置、交流電源)
15 舵面アクチュエータ
16 他の電力負荷
17 ラムエアタービン(RAT)
20L 左側電気系統
20R 右側電気系統
21L,21R 一次交流電源バス(一次ACバス)
22L,22R エッセンシャルバス
23L,23R 二次交流電源バス(二次ACバス)
24 直流電源バス(DCバス)
30L,30R 電源安定化装置
33 電力変換部
34 一次ACバス監視部
35 二次電池監視部
36 電源安定化制御部
124 APU始動発電機(電源装置、交流電源)
151 舵面アクチュエータモータ
161 油圧/空調用モータ
171 RAT発電機
251L,251R 変圧整流器(TRU)
253L,253R 整流器
261L,261R 変圧器
262L,262R 電圧変換器
331 PWMコンバータ
332 昇圧コンバータ
333,334 モータコントローラ

Claims (18)

  1. 電源装置としての直流電源および交流電源と、当該交流電源に接続される交流電源バスと、を備える航空機が備える少なくとも一つの電気機器に電力を供給可能とする電気系統と、
    前記交流電源バスおよび前記直流電源に接続され、前記電源装置の出力を安定化する電源安定化装置と、
    から少なくとも構成され、
    前記直流電源は、前記電気機器からの逆起電力を吸収し、かつ、前記電気機器における過渡的な必要電力を供給するよう構成され、
    前記電源安定化装置は、
    PWMコンバータを備える電力変換部と、
    当該電力変換部を制御する電源安定化制御部と、を備え、
    当該電源安定化制御部は、前記交流電源バスの電圧の変動および周波数の変動の少なくとも一方を監視し、その監視結果に基づいて、前記直流電源の充放電を制御することにより、前記電気系統の安定化を図る、
    航空機用電気系統安定化システム。
  2. 前記航空機は補助動力装置(APU)およびラムエアタービン(RAT)を備え、
    前記電気系統は、
    前記交流電源として、前記補助動力装置に設けられ、交流発電を可能とするAPU始動発電機と、エンジンに設けられる交流発電機と、前記ラムエアタービンに設けられるRAT発電機とを備えているとともに、
    前記直流電源として、二次電池およびキャパシタの少なくとも一方を備えており、
    前記直流電源および前記APU始動発電機は、前記電源安定化装置にそれぞれ接続されているとともに、前記交流発電機および前記RAT発電機は前記交流電源バスを介して前記電源安定化装置に接続され、さらに前記APU始動発電機は、前記交流電源バスを介しても前記電源安定化装置に接続されている、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  3. 前記電気系統は、前記電力変換部を前記APU始動発電機または前記交流発電機に切り換え可能に接続する電源リレーを備え、
    前記補助動力装置が停止状態にあって、前記電源リレーが切り換えられて前記電力変換部が前記APU始動発電機に接続されているときには、
    前記電源安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記直流電源からの直流電力を交流電力に変換して前記APU始動発電機に供給することにより、前記補助動力装置を始動させる、
    請求項2に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  4. 前記電気系統は、前記電力変換部を前記APU始動発電機または前記交流発電機に切り換え可能に接続する電源リレーを備え、
    前記直流電源が充電可能な状態にあって、前記電源リレーが切り換えられて前記電力変換部が前記交流発電機または前記APU始動発電機に接続されているときには、
    前記電源安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記交流発電機または前記APU始動発電機からの交流電力を直流電力に変換して前記直流電源に供給することにより、当該直流電源を充電する、
    請求項2に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  5. 前記交流電源バスには、前記電気機器の少なくとも一つが接続されており、
    前記電気機器に対して、前記交流電源バスを介して前記交流発電機から交流電力が供給されないときには、
    前記電源安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記直流電源からの直流電力を交流電力に変換して、前記交流電源バスを介して前記電気機器に一時的に供給する、
    請求項2に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  6. 前記電気系統は、
    前記交流電源バスを介して前記交流発電機から電力供給されるように構成され、前記直流電源よりも低い定格電圧を有するエッセンシャルバスと、
    当該エッセンシャルバスおよび前記直流電源の間に介在する電圧変換器と、
    を備え、
    前記直流電源は、前記電力変換部を介して、常に前記エッセンシャルバスに接続されており、
    前記エッセンシャルバスに対して、前記交流発電機から交流電力が供給されないときには、遮断なく前記エッセンシャルバスに電力を供給する、
    請求項2に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  7. 前記交流発電機が停止し、前記RAT発電機が前記交流電源バスに交流電力を供給しているときには、
    前記電力安定化制御部は、前記電力変換部を制御して、前記RAT発電機からの交流電力を、直流電力に変換して前記エッセンシャルバスに供給する、
    請求項6に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  8. 前記航空機は、1台の前記補助動力装置を搭載するとともに、前記交流発電機が設けられたエンジンを、左右それぞれに少なくとも1基ずつ搭載しており、
    前記交流電源バスとしては、前記左側の交流発電機に接続される左側の交流電源バスと、前記右側の交流発電機に接続される右側の交流電源バスとを備えており、
    前記電気系統は、
    前記左側の交流発電機および前記左側の交流電源バスに加えて、前記直流電源、前記電源安定化装置、並びに、前記エッセンシャルバスを備える左側電気系統と、
    前記右側の交流発電機および前記右側の交流電源バスに加えて、前記直流電源、前記電源安定化装置、並びに前記エッセンシャルバスを備える右側電気系統と、の二系統となっており、
    左右の前記交流電源バス同士と前記APU始動発電機とが電源リレーにより接続可能となっているとともに、左右の前記エッセンシャルバス同士も互いに電源リレーにより接続可能となっている、
    請求項6に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  9. 前記電源安定化制御部は、
    前記交流電源バスの電圧および周波数の少なくとも一方を計測し、その計測値の一次遅れの値を制御の目標値とし、
    この目標値と前記計測値との偏差に応じて、前記直流電源の充放電を制御している、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  10. 前記電源安定化制御部は、
    前記直流電源の充電状態を監視し、当該充電状態の計測値と予め設定された充電率の目標値との偏差に基づいて、前記直流電源の充放電の充放電量を補正する、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  11. 前記電源安定化制御部は、
    前記目標値と前記計測値との偏差に対して、有効電力用または無効電力用にそれぞれ予め設定される比例定数を乗算することで、有効電力の電力指令信号または無効電力の電力指令信号を生成するとともに、
    前記直流電源の充電状態の計測値と予め設定される充電状態の目標値との偏差から有効電力補正値を生成し、
    さらに、生成された有効電力の前記電力指令信号を基本値として、この基本値に対して、前記有効電力補正値を加算することで、有効電力の電力指令信号の最終値を生成し、
    無効電力の前記電力指令信号と有効電力の前記電力指令信号の最終値とに基づいて、前記直流電源の充放電を制御する、
    請求項9に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  12. 前記電源安定化制御部は、有効電力の電力指令信号の前記基本値に対して、前記有効電力補正値に加えて、さらに、前記直流電源から交流電源バスに対して補助的な電力を供給するために予め設定される、過負荷対応補正値を加算することによって、有効電力の電力指令信号の最終値を生成する、
    請求項11に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  13. 前記交流電源で発電される交流電力が可変周波数である場合、
    前記電源安定化制御部は、
    監視による電圧の変動が電圧上昇であれば、前記電力変換部を制御して、前記電圧上昇に比例して前記直流電源に有効電力を充電するか、前記電圧上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させるか、あるいはその両方を組み合わせて行い、
    監視による電圧の変動が電圧降下であれば、前記電力変換部を制御して、前記電力降下に比例して前記直流電源から有効電力を放電させるか、前記電圧上昇に比例して遅れ力率の無効電力を出力させるか、あるいはその両方を組み合わせて行う、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  14. 前記交流電源で発電される交流電力が一定周波数である場合、
    前記電源安定化制御部は、
    監視による周波数の変動が周波数上昇であれば、前記電力変換部を制御して、前記周波数上昇に比例して前記直流電源に有効電力を充電し、
    監視による周波数の変動が周波数降下であれば、前記電力変換部を制御して、前記周波数降下に比例して前記直流電源から有効電力を放電させる、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  15. 前記交流電源で発電される交流電力が一定周波数である場合、
    前記電源安定化装置は、
    監視による電圧の変動が電圧上昇であれば、前記電力変換部を制御して、前記電圧上昇に比例して進み力率の無効電力を出力させ、
    監視による電圧の変動が電圧降下であれば、前記電力変換部を制御して、前記電圧降下に比例して遅れ力率の無効電力を出力させる、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  16. 前記電気機器が、舵面制御用のアクチュエータである、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  17. 前記航空機は、前記油圧系統および抽気系統の少なくとも一方が電気化されており、
    前記電気系統は、前記電気機器の制御器に接続される直流電源バスを備え、
    当該直流電源バスには、前記油圧系統および前記抽気系統のうち電気化された系統の制御器も接続されている、
    請求項1に記載の航空機用電気系統安定化システム。
  18. 電源装置としての直流電源および交流電源と、当該交流電源に接続される交流電源バスと、を備える航空機が備える少なくとも一つの電気機器に電力を供給可能とする電気系統において、
    前記直流電源として、前記電気機器からの逆起電力を吸収し、かつ、前記電気機器における過渡的な必要電力を供給するよう構成されているものを用い、
    前記交流電源バスの電圧の変動および周波数の変動の少なくとも一方を監視し、その監視結果に基づいて、前記直流電源の充放電を制御することにより、前記電気系統の安定化を図る、
    航空機用電気系統安定化方法。
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