JP2015530576A - 音響パイロメトリのためのノイズロバストな伝播時間推定 - Google Patents
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Abstract
音響パイロメトリのための方法であって、ソースおよびレシーバにおける音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における複数のサンプルを表すデータを生成し、複数の周波数範囲における周波数領域内のサンプルを表すデータを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、ソースの各選択された周波数範囲におけるデータをレシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各選択された周波数範囲の最大の重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、ソースとレシーバとの間の決定された信号の遅延を、媒体の温度の計算に用いる。
Description
関連出願に関する記載
本願は、2012年9月5日に出願された米国仮特許出願第61/696,852号の優先権およびその利益を主張する。
本願は、2012年9月5日に出願された米国仮特許出願第61/696,852号の優先権およびその利益を主張する。
政府の権利
本発明は、契約番号DE−FC26−05NT42644に基づく政府支援によってなされた。米国政府はこの発明に一定の権利を有しうる。
本発明は、契約番号DE−FC26−05NT42644に基づく政府支援によってなされた。米国政府はこの発明に一定の権利を有しうる。
技術分野
本発明は、気体の温度測定に関する。より詳細には、本発明は、気体の温度を測定するための音響パイロメトリ(高温測定)に関する。
本発明は、気体の温度測定に関する。より詳細には、本発明は、気体の温度を測定するための音響パイロメトリ(高温測定)に関する。
音響パイロメトリのための伝播時間(time-of-flight)推定は、高温気体中の音響信号の伝播時間を評価する。これは、複数の経路にわたる、この環境中の温度分布を推定するためにさらに用いられる。
Knapp H. C, Carter G. C, "The generalized correlation method for estimation of time delay". IEEE transactions on acoustics, speech, and signal processing, vol. asp-24, no 4, pp. 320-327, 1976
Chen J., Benesty J., Huang Y., "Delay estimation in room acoustic environments: an overview". EURASIP journal of applied signal processing, vol. 2006, pp. 1-19. 2006
Jovanovic I., Sbaiz L., Vetterli M., "Acoustic tomography method for measuring temperature and wind velocity". IEEE international conference on acoustics, speech, and signal processing, pp.1141-1144, 2006
Sielschott H., Wubbeling F., "Waveform inversion in acoustic pyrometry". World congress on industrial process tomography, pp. 538-541, 1999
Development of an Acoustic Sensor for On-Line Gas Temperature Measurement in Gasifiers, Technical Progress Report, Prepared for: US Department of Energy, National Energy Technology Laboratory, Pittsburgh, PA, Prepared by: Dr. Peter Ariessohn, Enertechnix, Inc., Date Issued: January 15, 2006
この技術の従来技術における使用は、低流量、低乱流および低ノイズ歪みを有する比較的静的な環境、たとえば、ボイラや炉に集中していた。しかし、現在のアプローチは、複雑な環境、たとえばガスタービン排気においては失敗している。複雑な環境では、送信信号と受信信号との間に変化が入り、受信信号をノイズから区別することは難しくなる。
したがって、複雑な流れ環境中の気体に対して音響パイロメトリを適用するための新規で改善された方法およびシステムが必要とされている。
本発明の方法およびシステムの一態様によれば、音響パイロメトリを用いることにより、媒体の温度を測定することが提供される。
本発明の別の態様によれば、
温度を有する媒体を介したソースとレシーバとの間の音響信号の伝播時間を測定することによる音響パイロメトリのための方法が提供され、該方法では、
プロセッサが、
前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における前記複数のサンプルを表すデータを生成し、
複数の周波数範囲における前記周波数領域内の前記サンプルを表す前記データを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、
前記ソースの各選択された周波数範囲におけるデータを前記レシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、前記ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、
前記選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各前記選択された周波数範囲の最大の前記重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、
前記ソースと前記レシーバとの間の決定された前記信号の遅延を、前記媒体の温度の計算に用いる。
温度を有する媒体を介したソースとレシーバとの間の音響信号の伝播時間を測定することによる音響パイロメトリのための方法が提供され、該方法では、
プロセッサが、
前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における前記複数のサンプルを表すデータを生成し、
複数の周波数範囲における前記周波数領域内の前記サンプルを表す前記データを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、
前記ソースの各選択された周波数範囲におけるデータを前記レシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、前記ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、
前記選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各前記選択された周波数範囲の最大の前記重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、
前記ソースと前記レシーバとの間の決定された前記信号の遅延を、前記媒体の温度の計算に用いる。
本発明の別の態様によれば、前記プロセッサが、さらに、前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを、複数の窓に調整する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記プロセッサが、前記周波数領域内の前記複数のサンプルを表すデータを複数のビンに調整し、ノイズの影響が最小の1つ以上のビンを選択する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、複数の前記重み付き相互スペクトルパワー推定は平滑化コヒーレンス変換(SCOT)相互相関を用いる方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、
前記スパース性を最大にする関数は下記式で表され、
式中、
tnは範囲[−d,d]内の時間変数であり、
Nは窓の数であり、
τは信号の遅延時間であり、
nは窓を示すインデックスであり、
kはソースを示すインデックスであり、
mはレシーバを示すインデックスであり、
Rn,k,m(τ+tn)は、ソースkからの、時間差(τ+tn)においてレシーバmにおいて受信される、窓n内に表される信号に対する平滑化コヒーレンス変換相互相関を表す、
方法が提供される。
前記スパース性を最大にする関数は下記式で表され、
式中、
tnは範囲[−d,d]内の時間変数であり、
Nは窓の数であり、
τは信号の遅延時間であり、
nは窓を示すインデックスであり、
kはソースを示すインデックスであり、
mはレシーバを示すインデックスであり、
Rn,k,m(τ+tn)は、ソースkからの、時間差(τ+tn)においてレシーバmにおいて受信される、窓n内に表される信号に対する平滑化コヒーレンス変換相互相関を表す、
方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、窓は、関心のある温度範囲における、前記ソースから前記レシーバへの物理的に最小の可能な伝播遅延に基づいている、方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記プロセッサが、さらに、複数のソースによって生成され、かつ、複数のレシーバによって受信された複数の信号に対する複数の信号の遅延を決定する、方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、好ましい信号の遅延は、前記音響信号が進んだ距離に基づく物理モデルを用いることにより、複数の信号の遅延から決定される、方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記方法は、ガスタービン内の温度を決定するために用いられる、方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記方法は、原子力発電プラント内の温度を決定するために用いられる、方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、
温度を有する媒体を介したソースとレシーバとの間の音響信号の伝播時間を測定する音響パイロメトリシステムが提供され、該システムは、
データおよび命令を保存可能なメモリと、
前記メモリから取り出した命令を実行可能なプロセッサと、を備えており、
前記プロセッサは、以下のステップを実行する、すなわち、
前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における前記複数のサンプルを表すデータを生成し、
複数の周波数範囲における前記周波数領域内の前記サンプルを表す前記データを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、
前記ソースの各選択された周波数範囲におけるデータを前記レシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、前記ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、
前記選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各前記選択された周波数範囲の最大の前記重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、
前記ソースと前記レシーバとの間の決定された前記信号の遅延を、前記媒体の温度の計算に用いる。
温度を有する媒体を介したソースとレシーバとの間の音響信号の伝播時間を測定する音響パイロメトリシステムが提供され、該システムは、
データおよび命令を保存可能なメモリと、
前記メモリから取り出した命令を実行可能なプロセッサと、を備えており、
前記プロセッサは、以下のステップを実行する、すなわち、
前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における前記複数のサンプルを表すデータを生成し、
複数の周波数範囲における前記周波数領域内の前記サンプルを表す前記データを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、
前記ソースの各選択された周波数範囲におけるデータを前記レシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、前記ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、
前記選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各前記選択された周波数範囲の最大の前記重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、
前記ソースと前記レシーバとの間の決定された前記信号の遅延を、前記媒体の温度の計算に用いる。
本発明のさらに別の態様によれば、前記プロセッサが、さらに、前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを、複数の窓に調整する、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記プロセッサが、前記周波数領域内の前記複数のサンプルを表すデータを複数のビンに調整し、ノイズの影響が最小の1つ以上のビンを選択する、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、複数の前記重み付き相互スペクトルパワー推定は平滑化コヒーレンス変換(SCOT)相互相関を用いる、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、
前記スパース性を最大にする関数は下記式で表され、
式中、
tnは範囲[−d,d]内の時間変数であり、
Nは窓の数であり、
τは信号の遅延時間であり、
nは窓を示すインデックスであり、
kはソースを示すインデックスであり、
mはレシーバを示すインデックスであり、
Rn,k,m(τ+tn)は、ソースkからの、時間差(τ+tn)においてレシーバmにおいて受信される、窓n内に表される信号に対する平滑化コヒーレンス変換相互相関を表す、
システムが提供される。
前記スパース性を最大にする関数は下記式で表され、
式中、
tnは範囲[−d,d]内の時間変数であり、
Nは窓の数であり、
τは信号の遅延時間であり、
nは窓を示すインデックスであり、
kはソースを示すインデックスであり、
mはレシーバを示すインデックスであり、
Rn,k,m(τ+tn)は、ソースkからの、時間差(τ+tn)においてレシーバmにおいて受信される、窓n内に表される信号に対する平滑化コヒーレンス変換相互相関を表す、
システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、窓は、関心のある温度範囲における、前記ソースから前記レシーバへの物理的に最小の可能な伝播遅延に基づいている、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記プロセッサは、複数のソースによって生成され、かつ、複数のレシーバによって受信された複数の信号に対する複数の信号の遅延を決定する、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、好ましい信号の遅延は、前記音響信号が進んだ距離に基づく物理モデルを用いることにより、複数の信号の遅延から決定される、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記方法は、ガスタービン内の温度を決定するために用いられる、システムが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記方法は、原子力発電プラント内の温度を決定するために用いられる、システムが提供される。
現在の音響パイロメトリのアプローチは、ガスタービンなどの複雑な流れ環境においては失敗している。本発明の1つ以上の態様によれば、受信信号中の短時間のゆらぎを補償するために、ならびに、伝播時間推定におけるノイズを低減し、予測誤差を検出しかつ排除するために、音響パイロメトリにおいて方法が提供される。
音響パイロメータシステムの概略構成が図1に示されており、これには伝播時間に基づく音響パイロメトリの記録構成が示されている。音響波がソース(101)によって生成され、高音気体媒体を介した伝播の後にレシーバ(101、103)によって記録される。波の伝播速度は、媒体の温度によって影響を受ける。複数の経路にわたって測定された伝播時間に基づいて、温度分布が推定される。図1に示されるように、101から102への経路には、101から103への経路よりもはるかに高温の気体が含まれている。
目的は、気体媒体中の温度分布を推定することである。このために、音波の走行時間が推定される。以下では、この走行時間を伝播時間という。本発明の態様は、過酷な環境におけるこの伝播時間の推定に集中している。
すなわち、気体の組成およびソースとレシーバとの間の音響距離がわかれば、伝播時間に基づいて気体温度を決定することができる。
音響手段による温度測定の利点は、センサが媒体内部にある必要がないことである。このようにして、非常に過酷な条件、たとえば、腐食性環境においても、高い温度または放射を測定することができる。そうでなければ、このような測定は、不可能であるか、または、高価なセンサを必要とする。
音響に基づく温度推定の別の利点は、高速性と高い精度である。測定の速度は、音の伝播時間によって決まり、たとえばセンサの昇音時間(熱容量)によって制限されない。
音響パイロメトリは、多くの分野における適用が成功しており、多くの関連特許、すなわち、特許文献1〜8が存在する。
しかし、これらの特許のいずれも、大きな空気流量、乱流およびノイズ歪みを含む環境中の放出信号の伝播時間をロバストに検出する信号処理の試みに対応するものではないと考えられる。
通常、伝播時間は、送信され、遅延して受信された信号のエンベロープおよび単純な相関方法を用いて推定される。しかし、これらの方法は低ノイズ環境においてのみ機能し、制限された遅延範囲に関し、ノイズからの放出信号の非相関スペクトル成分または単一経路の問題を有する。これらの方法を実世界の環境に対してよりロバストにするためのいくつもの改善が文献において提案されている。たとえば、スペクトル重み付けおよび正規化を、Rothプロセッサ、平滑化コヒーレンス変換(SCOT)、位相変換(PATH)、Eckartフィルタまたは最大尤度アプローチに用いることが非特許文献1に記載されている。この重み付けは、ノイズの影響および放出信号のスペクトル成分に対する感度を低下させる。
非特許文献2には、複数経路を考慮する方法が記載されており、反響性環境においてよりロバストである。これらの方法は基本的な相関アプローチへの重要な伸展であるが、本願発明の少なくとも1つの態様において目的とされる高ノイズ環境においては十分ではない。
また、上記で参照した方法は、乱流を考慮しておらず、観察された伝播時間のばらつきをもたらす。伝播時間を示すピークのエネルギは、このばらつき効果に対する補正が無ければ、より長い期間にわたって合計されると希釈化される。したがって、ノイズ中で正確な伝播時間を検出することは、乱流がある場合にはより困難である。たとえば非特許文献3には、音響トモグラフィにおける風の影響が議論されている。
音響パイロメトリのアプローチのさらなるロバスト性は、物理モデリングを用いて実現される。すなわち、物理環境に関する前もっての知識、たとえば最低温度および最高温度、空間レイアウト、ソースおよびレシーバの位置などが、走査範囲を制限し、あり得ない結果を無視するために用いられる。波形反転を用いた音響パイロメータを解決手段とするこのようなモデルの実施は、非特許文献4に記載されている。
ノイズロバストな伝播時間推定のための本発明の一態様にかかる本明細書に記載される方法は、従来技術を新規な伸展と組み合わせて最適な結果を実現する。この新規なアプローチに関する処理フローの概要が図2に示されている。
第1のステップ201において、ソースのうちの1つの起動によって記録が開始され、ステップ203において検出される。ステップ205において、後の伝播時間推定段階における高い時間精度を実現するよう、音響データは、高いサンプリング周波数、たとえば、100kHzで記録される。必要に応じて、音響ソースの開始および停止は、ソースのレシーバのうちの1つとの近さのために高ノイズ中で容易に検出されうる。全てのレシーバが信号の受信を終了したとき、ソースの起動の開始から終了の直後までのデータが、次の処理ブロックへと送られる。
窓処理のブロック207において、データは、より短い、部分的に重なるセグメントに分割される。このようにして、分析されるデータの時間的およびスペクトル的解像を両立する。たとえば、ソースが1秒間記録された場合、窓長は100ミリ秒に選択され、窓は90ミリ秒分重なり、全てのデータは91個の窓において表される。このような窓の最大解像度は、周波数領域において10Hzであり、時間領域において10ミリ秒である。しかし、窓内のエネルギを分析すると、連続した窓の間では窓の中の中身の10%しか変化しない。
重なりの量を変化させることも、重なりがないようにすることも可能である。
さらに、窓処理のブロックは、関心のある温度範囲における、ソースの位置における信号とレシーバの位置における信号との間の物理的に最小の可能な遅延を考慮する。このアプローチは図3に示されている。この処理の目的は、ソースにおける信号を含む窓と、レシーバにおける信号を含む窓との間の相関する信号成分を最大化することである。さらに、窓長は、信号の長さに最小可能遅延範囲を加えたものに選択される。また、ソースの位置における信号の窓内のノイズ成分は、さらなる処理ステップにおけるノイズの寄与を最少化するために、ゼロとされる。すなわち、ソース位置を表す窓内の信号とレシーバ位置を表す窓内の信号との間の遅延を見いだすためにその後に用いられる方法では、より長い信号長を用いることができ、ノイズや他の無関係の信号成分によってより影響されない。
図3は、最小遅延適合化窓処理を示す。この処理は、関心のある温度範囲における、ソースからレシーバへの物理的に最小の可能な伝播遅延を考慮することにより、窓内の相関した信号成分を最大化する。
以下では、窓の始端と終端における不連続性は、ハン状窓重み付けを用いることにより防がれる。これは、データがスペクトル領域に変換されるときのアーチファクトを最少にするためである。しかし、伝播時間推定の、重み付け関数のエンベロープへの偏りを防ぐため、方形の窓がハン関数に従って平滑化された終端と共に用いられる。その後、データは図2のステップ209に示されるように高速フーリエ変換を用いてスペクトル領域に変換される。
次の処理ステップ211において、最大の信号対ノイズ比における信号を表すために、複数の周波数ビンが選択される。ステップ211において、1つ以上の無関係なビンが考慮から削除または排除される。このステップの目的は、アルゴリズムのノイズロバスト性を向上し、以降のステップの伝播時間推定精度を改善することである。観察された信号およびノイズエネルギに基づいて周波数ビンが選択される。たとえば、信号が広帯域であるが、その伝播によって8000Hz超える信号が減衰し、ノイズエネルギのほとんどが500Hz以下に集中する場合、信号を最もよく表すために、500Hz〜8000Hzの周波数ビンが選択される。別の例では、信号成分が、ノイズによって最小に覆われる時間周波数空間においてスパース(疎)となるように制御され、信号を最もよく表すためにこれらのスパースな時間周波数ビンが選択される。
ただ1つの実施例であるビンを作成するスペクトル成分を区別するいくつかの方法がある。1つは、たとえば、制限帯域のスペクトル成分を選択的に決定可能とする、窓の移動または他の方法を用いることである。本発明の一態様では、プロセッサによって、1つ以上の周波数範囲内におけるサンプルのスペクトル成分が決定される。本発明の一実施形態では、複数の周波数ビンが用いられる。
次のステップでは、残っている前処理されたソースおよびレシーバにおける信号成分を用いて伝播時間が推定される。これは、平滑化コヒーレンス変換(SCOT)を用いて窓毎に実施される。
相互スペクトルパワー推定の決定における相互スペクトル密度関数の重み付けは、種々のやり方で実行可能である。1つは、平滑化コヒーレンス変換(SCOT)であり、これが本明細書中で実施例として用いられている。他の重み付け方法が可能であり、十分検討されており、Rothプロセッサ、位相変換(PHAT)、Eckartフィルタ、HTプロセッサおよび当業者に知られる他の方法も含まれうる。重み付け関数の選択は、乱流や環境ノイズなどの測定の動作条件に依存しうる。本明細書においてこの処理ステップについて用いられる語は、重み付け相互スペクトルパワー推定である。
詳細には、ステップ213で、平滑化コヒーレンス変換(SCOT)のやり方で相互スペクトル密度関数の重み付けが実行される。その後、ステップ215において、逆FFTが実行され、時間領域における遅延の推定が可能である。ステップ217において、たとえば乱流やノイズなどの影響に基づいた変動を考慮するよう、結果が調整される。ステップ219において、異常値を除くためにモデルが用いられる。ステップ221において、伝播時間が決定され、そこから、温度が計算される。以下では、処理についてより詳細に説明する。
センサ位置m=1…MにおけるF個のスペクトルビンを含むスペクトル領域中のデータの窓n=1…Nとして、下記式を示す:
さらに、センサ位置m=kがソース位置を表し、m≠kはレシーバ位置を表すと仮定する。k=1…Mは実験において変えうる。ソース位置とレシーバ位置との間の相互スペクトルパワーは下記式で定義される:
さらに、センサ位置m=kがソース位置を表し、m≠kはレシーバ位置を表すと仮定する。k=1…Mは実験において変えうる。ソース位置とレシーバ位置との間の相互スペクトルパワーは下記式で定義される:
Rn,k,mにおいて最も高い振幅を表す遅延τは、窓nにおけるレシーバmとソースkとの間の推定される伝播時間に等しい。このアプローチの欠点は、ソースとセンサとの間の複数のチャネルの伝達関数の影響を考慮しないことである。たとえば、ソースからセンサへの複数のチャネルが4kHzを超える信号エネルギを低減し、4kHz以下の周波数に高いノイズエネルギが存在する場合、相互相関は高エネルギノイズ信号に集中し、より高い周波数の情報成分が強調されず、誤った伝播時間推定を返す可能性がある。
次の段階において、該方法は、たとえば乱流による伝播時間結果のばらつきに対処する。複数の窓からの伝播時間推定の簡単なアプローチでは、SCOT結果の合計
を取り、Rk,mにおける最も高い振幅を表すτを見いだす。合計する目的は、SCOT結果におけるノイズピークの振幅の低減である。このτはその後、位置kとmとにおける信号の間の伝播時間に関する推定として用いられる。しかし、乱流環境において、τはnにわたって等しくない。僅かなτの変化でも、SCOT出力のスパイク状の特性のため、結果に振幅の大きな低減をもたらす。これは、ノイズの多い環境における伝播時間の誤検出につながりうる。本発明の一態様による本明細書において用いられるアプローチでは、平均SCOT結果のスパース性を最大化する異なる窓nの間におけるτの僅かな変動を許容とすることにより、この問題に対処する。
を取り、Rk,mにおける最も高い振幅を表すτを見いだす。合計する目的は、SCOT結果におけるノイズピークの振幅の低減である。このτはその後、位置kとmとにおける信号の間の伝播時間に関する推定として用いられる。しかし、乱流環境において、τはnにわたって等しくない。僅かなτの変化でも、SCOT出力のスパイク状の特性のため、結果に振幅の大きな低減をもたらす。これは、ノイズの多い環境における伝播時間の誤検出につながりうる。本発明の一態様による本明細書において用いられるアプローチでは、平均SCOT結果のスパース性を最大化する異なる窓nの間におけるτの僅かな変動を許容とすることにより、この問題に対処する。
この最大スパースSCOTアプローチと、SCOT結果の単純な平均との比較が、図4に示されており、種々の窓からのSCOT結果の最大にスパース(疎)な組み合わせを、平均結果と比較している。平均SCOT結果の信号遅延のうちの最大ピークは、SCOT窓の最大にスパースな組み合わせの59%である。ピークに関連するノイズは両方のアプローチに関して同等である。
最大限許容される時間のばらつきの範囲−d≦tn≦d(dは当該範囲の境界を表す)におけるランダム遅延tnを見いだした後、最大スパースSCOT結果が下記式に計算される:
kとmとの間の推定される伝播時間は、Sk,m(τ)において最大振幅を表す遅延τによって得られる。
kとmとの間の推定される伝播時間は、Sk,m(τ)において最大振幅を表す遅延τによって得られる。
種々の窓からの遅延の間における変動を許容する1つの動機は上述したものであり、すなわち、乱流によるランダムな遅延である。信号が単一の窓から伝播時間を推定するにはノイズが多すぎる可能性がある。しかし、乱流によるランダム遅延を考慮せずに平均を取った場合、伝播時間のピークがキャンセルされる可能性がある。上記の関数(費用関数ともいう)は、−dのサンプルとdのサンプルとの間のランダム遅延を足した伝播時間をモデル化する。すなわち、すべての可能な遅延時間に対して、種々の窓が、最大ピークを得るように調整される。この方法を用いた場合、その結果は最大ピークを有する伝播の遅延/時間である。これは、kとmとの間の伝播時間とみなされる。最大ピークの類似した振幅を有する複数の解が存在する場合、解は、最小のデータの補正を要するもの、すなわち、最小の
を有するものが好ましい。
を有するものが好ましい。
本発明の一態様による本明細書に記載される方法の1つの段階において、ノイズロバスト性は、すべてのM−1個の伝播時間推定結果に基づいた伝播時間ピークの選択を可能とする物理モデルの使用によってさらに改善される。非常にノイズの多い環境では、ノイズまたは反射から生じる最大スパースSCOTにおけるピークが、関心のある信号のものよりも高い可能性がある。これは、ソース−レシーバ距離および関心のある温度範囲に基づいて物理的に意味のある範囲に結果を限定する場合にもあてはまる。
本方法は、結果が不明確な場合に、位置kおよびmの各組について複数のピークの選択を可能とすることにより、この問題を考慮する。さらなるステップにおいて、可能な伝播時間の各組のピークは、すべてのソース−レシーバの対からの組に基づいて、予測される結果に最もよく適合するものが選択される。以下において、このような物理モデルの例がより詳細に記載されている。
最初に、明確な伝播時間結果が存在するか、または、複数のピークが考慮されるべきかの決定がなされる。これは、物理的に不可能な、すなわち、ノイズから生じるべき遅延におけるSCOTピークの最大高さを、関心のある範囲における最大高さと比較することによりなされる。ノイズフロアから明確に突出する、たとえば、ノイズフロアと最大信号応答との間の差の10%を超えるピークが選択される。
以下では、音響パイロメータが環状の管を流れる高温気体の温度を測定すると仮定する。この場合、この管内の温度分布はガウス近似される。すなわち、壁から一定距離における温度は等しい。システムが加熱されると、管の中心部がより高温となり、冷却されると、管の中心部は壁に近い領域よりもより低温となりうる。
さらに、最大スパースSCOT結果における最大ピークは、正確な伝播時間を表す傾向があると仮定する。すなわち、第1のステップにおいて、アルゴリズムはパラメトリックなガウス温度モデルを、すべてのソース−レシーバの対からの最大ピークを用いて、伝播時間データに適合させる。第2のステップにおいて、このモデルに最も適合する各ピークの組および各ソース−レシーバの対からピークが選択される。このようにして、アルゴリズムは全てのソース−レシーバの対からの情報を用いて異常値に関して補正する。
図5にこのアプローチが記載されており、高ノイズ環境における伝播時間選択に基づいたモデルを示している。物理的に構成されたモデルが最大スパースSCOT結果からの各レシーバの最大ピークと適合される。各レシーバに対して、物理的に構成されたモデルに最も適合するピークが選択される。すなわち、異常値のみが検出され、キャンセルされる。
ノイズフィルタリングに基づくこの物理モデルの1つの可能な実施例は以下のように記載される。kおよびmにおける信号の間の距離、および、最大スパースSCOT結果からの最大ピークの伝播時間を表す。さらに、全ての経路に対する、kおよびmの1つの組の最大ピークの相対振幅を表す。最後に、スケーリングされていないガウス温度分布を仮定した場合の、kおよびmの間の経路における平均温度を表す。温度オフセットおよびスケーリング因子を定めることにより、最適化によって最もよく適合する温度を見いだすことができる。
この異常値補正の後、伝播時間結果が収集され、さらなる処理ステップに送られ、たとえば、温度マップが計算され、または、モニタされるシステムの温度が経時的に追跡される。
本発明の一実施形態では、本明細書に記載される方法は、発電タービン、ボイラ、気化器、コンプレッサ、排気またはサイロの温度測定に用いられ、ボイラはたとえば、石炭火力発電ボイラ、クラフト回収ボイラ、セメントキルンおよび石油化学処理ヒータである。
本発明の一実施形態において、本明細書に記載される方法は、原子力プラントまたは施設などの放射性環境中の温度の測定に用いられる。本明細書中に記載されるシステムおよび方法は、本発明の一実施形態では、好ましくは−40℃以上、より好ましくは700℃以上または1000K以上、さらにより好ましくは1400℃以上の温度の気体などの媒体の温度の測定に用いられる。
本明細書中に記載される方法は、本発明の一実施形態では、システムまたはコンピュータ装置において実施される。すなわち、本明細書中のステップは、図6に示されるようなシステム中のプロセッサにおいて実施される。図6に示され、本明細書中に記載されるシステムは、データの受信、処理および生成が可能である。このシステムに供給されるデータはたとえばメモリ701に保存される。データは、たとえば、A/Dコンバータを用いることにより、マイクロフォンから得ることができる。データは入力706に供給されうる。このようなデータは音響データであってよく、または、音響システムにおいて有用なデータであってよい。プロセッサは、メモリ702に保存され、プロセッサ703に供給される、本発明の方法を実行する命令セットまたはプログラムが供給されまたはこれによりプログラムされ、プロセッサ703は、702の命令を実行して701からのデータを処理する。プロセッサにより処理された音響データまたはプロセッサにより供給された任意のデータは、出力装置704に出力可能であり、これは画像またはデータを表示する表示装置であるかまたはデータ保存装置であってよい。プロセッサは、また、通信チャネル707を有しており、通信装置から外部データを受信し、外部装置にデータを送信する。本発明の一実施形態のシステムは、入力装置705を有し、これは、たとえば、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、1つ以上のマイクロフォン、または、プロセッサ703に対して供給されるデータを生成しうる任意の他の装置を含む。
プロセッサは、専用のまたは用途特定的なハードウェアまたは回路であってよい。しかし、プロセッサは、702の命令を実行しうる汎用CPUまたは任意の他のコンピューティング装置であってよい。したがって、図6に示されるようなシステムは、センサ、マイクロフォンまたは任意の他のデータソースから生じるデータを処理するためのシステムを提供し、本発明の1つ以上の態様として本明細書中に記載される方法のステップを実行可能である。
本発明の1つ以上の態様では、システムに基づく新規なパイロメトリプロセッサが提供される。新規な音響パイロメトリアプローチによる種々の方法のステップは、システムに基づくプロセッサにおいて実施される。
すなわち、新規なシステムおよび方法および本方法を実施するステップが、音響信号の伝播時間の推定により温度を測定する用途のために、本明細書中に記載され、提供されている。
本発明は、種々の形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特定目的プロセッサまたはその組み合わせで実施可能である。
一実施形態では、本発明は、プログラム保存装置において有形に具体化されたアプリケーションプログラムとしてソフトウェア的に実施可能である。アプリケーションプログラムは、任意の適切な構造を有するマシンにアップロードされまたはこれにより実行されうる。
添付図面に記載されているいくつかのシステム構成要素および方法ステップは、ソフトウェア的に実施可能であるため、システム構成要素(または処理ステップ)の間の実際のつながりは、本発明がプログラムされるやり方によって異なりうる。本明細書中に記載の教示の場合、当業者は本発明のこれらのおよび同様の実施または構成を構成しうる。
非特許文献1〜5は、本発明に全体的に関連する背景情報を提供する。
好ましい実施形態に用いられた本発明の基本的な新規な特徴が示され、記載され、指摘されているが、記載されている方法およびシステムの形態および詳細における種々の省略置換および変更は本発明の主旨を離れることなく当業者はなしうる。したがって、請求項の記載によってのみ限定される。
Claims (20)
- 温度を有する媒体を介したソースとレシーバとの間の音響信号の伝播時間を測定することによる音響パイロメトリのための方法であって、
プロセッサが、
前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における前記複数のサンプルを表すデータを生成し、
複数の周波数範囲における前記周波数領域内の前記サンプルを表す前記データを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、
前記ソースの各選択された周波数範囲におけるデータを前記レシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、前記ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、
前記選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各前記選択された周波数範囲の最大の前記重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、
前記ソースと前記レシーバとの間の決定された前記信号の遅延を、前記媒体の温度の計算に用いる、
ことを特徴とする方法。 - 前記プロセッサが、さらに、前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを、複数の窓に調整する、請求項1記載の方法。
- 前記プロセッサが、前記周波数領域内の前記複数のサンプルを表すデータを複数のビンに調整し、ノイズの影響が最小の1つ以上のビンを選択する、請求項1記載の方法。
- 複数の前記重み付き相互スペクトルパワー推定は平滑化コヒーレンス変換(SCOT)相互相関を用いる、請求項1記載の方法。
- 窓は、関心のある温度範囲における、前記ソースから前記レシーバへの物理的に最小の可能な伝播遅延に基づいている、請求項2記載の方法。
- 前記プロセッサが、さらに、複数のソースによって生成され、かつ、複数のレシーバによって受信された複数の信号に対する複数の信号の遅延を決定する、請求項1記載の方法。
- 好ましい信号の遅延は、前記音響信号が進んだ距離に基づく物理モデルを用いることにより、複数の信号の遅延から決定される、請求項7記載の方法。
- 前記方法は、ガスタービン内の温度を決定するために用いられる、請求項1記載の方法。
- 前記方法は、原子力発電プラント内の温度を決定するために用いられる、請求項1記載の方法。
- 温度を有する媒体を介したソースとレシーバとの間の音響信号の伝播時間を測定する音響パイロメトリシステムであって、
データおよび命令を保存可能なメモリと、
前記メモリから取り出した命令を実行可能なプロセッサと、を備えており、
前記プロセッサは、以下のステップを実行する、すなわち、
前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを処理して、1つの周波数領域における前記複数のサンプルを表すデータを生成し、
複数の周波数範囲における前記周波数領域内の前記サンプルを表す前記データを調整して、ノイズの影響の最も少ない1つ以上の周波数範囲を選択し、
前記ソースの各選択された周波数範囲におけるデータを前記レシーバの対応するデータと相関させて、遅延時間に対応する、前記ソースに関する、各選択された周波数範囲についての重み付き相互スペクトルパワー推定値を決定し、
前記選択された周波数範囲の平均重み付き相互スペクトルパワー推定のスパース性が最大となるように、各前記選択された周波数範囲の最大の前記重み付き相互スペクトルパワー推定値の合計を、当該合計が最大を有する所定範囲の遅延を用いて決定し、
前記ソースと前記レシーバとの間の決定された前記信号の遅延を、前記媒体の温度の計算に用いる、
ことを特徴とするシステム。 - 前記プロセッサが、さらに、前記ソースおよび前記レシーバにおける前記音響信号を表す複数のサンプルを、複数の窓に調整する、請求項11記載のシステム。
- 前記プロセッサが、前記周波数領域内の前記複数のサンプルを表すデータを複数のビンに調整し、ノイズの影響が最小の1つ以上のビンを選択する、請求項11記載のシステム。
- 複数の前記重み付き相互スペクトルパワー推定は平滑化コヒーレンス変換(SCOT)相互相関を用いる、請求項11記載のシステム。
- 窓は、関心のある温度範囲における、前記ソースから前記レシーバへの物理的に最小の可能な伝播遅延に基づいている、請求項12記載のシステム。
- 前記プロセッサは、複数のソースによって生成され、かつ、複数のレシーバによって受信された複数の信号に対する複数の信号の遅延を決定する、請求項11記載のシステム。
- 好ましい信号の遅延は、前記音響信号が進んだ距離に基づく物理モデルを用いることにより、複数の信号の遅延から決定される、請求項17記載のシステム。
- 前記方法は、ガスタービン内の温度を決定するために用いられる、請求項11記載のシステム。
- 前記方法は、原子力発電プラント内の温度を決定するために用いられる、請求項11記載のシステム。
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