JP2015528446A - 腎毒性を低減してがんを処置するための改良法 - Google Patents

腎毒性を低減してがんを処置するための改良法 Download PDF

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Abstract

腎不全を有するがん患者における腫瘍の増殖を阻害し、または該がん患者を処置するための方法が提供される。前記方法は、有効量のLipoplatinを該患者に投与することを要する。第2の化学療法剤が前記患者に投与され得る。前記第2の化学療法剤が、前記Lipoplatin療法の前若しくは後、またはLipoplatin療法と同時に投与され得る。【選択図】無し

Description

本発明は一般に、白金療法に応答性である固形腫瘍の分野に関する。
シスプラチンは、30年超にわたって使用されており、肺、卵巣、頭頸部、婦人科、精巣、および尿路上皮のがんを含めたいくつかの悪性腫瘍に対して有効な薬剤であることが実証されている。シスプラチンは、最も著しい、有効な抗がん剤の1つであるが、その毒性は、処置過程の継続を妨げる抑制因子であることが多い。主な副作用は、腎毒性(腎不全)である。他の有害反応には、吐き気および嘔吐、無力症、ならびに神経毒性が含まれている。
過去15〜20年にわたって、シスプラチンの代替品としての他の薬剤を生成する広範な取り組みがあった。主な代替剤は、CDDP類似体、カルボプラチンであった。さらに、ある特定の悪性腫瘍では、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、およびゲムシタビン、およびビノレルビンを含めた他の新規薬剤が試験されている。腎毒性は、これらの薬剤を使用することによって回避されたが、骨髄毒性を含めた他の副作用が観察された。しかし、これらの薬剤のいずれも、シスプラチンと比較した場合、より有効でなかった。
したがって、相対的に無毒性である有効な処置の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満たし、その上、関連した利点をもたらす。
本発明は、がん患者における腫瘍の増殖を阻害し、またはがん患者を処置するための方法であって、ここで前記がん患者は腎不全を有しており、Lipoplatinの有効量を患者に投与するステップを含み、あるいはそれから本質的になり、またはなおさらにそれからなり、それによって、前記腫瘍の増殖を阻害し、または処置する、方法を提供する。一つの態様では、前記方法は、有効量の第2の化学療法剤を投与することをさらに含み、またはそれから本質的になり、またはなおさらにそれからなる。第2の化学療法は、Lipoplatin療法の前もしくは後、または同時に投与することができる。単独で、あるいは第2もしくは他の化学療法薬、または抗がん剤(上述した)と組み合わせたLipoplatin、および任意選択で、本開示の方法を実施するための指示書を備えるキットも、出願人によって提供される。
本願全体にわたって、本文は、本組成物および方法の様々な実施形態を参照する。記載される様々な実施形態は、様々な例示的な例を提供することを意味し、代替種の記載として解釈されるべきでない。むしろ、本明細書に提供の様々な実施形態の記載は、重複範囲のものでありうることが留意されるべきである。本明細書で論じる実施形態は、単に例示的であり、本発明の範囲を限定することを意味していない。
また、本開示全体にわたって、様々な刊行物、特許、および公開特許明細書は、識別によって参照されている。これらの刊行物、特許、および公開特許明細書の開示は、本発明が関係する現況技術をより完全に記載するために、その全体が本開示内に参照により本明細書で組み込まれている。
定義
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、脈絡により別段に明らかに要求されない限り、複数形の参照を含む。例えば、用語「a cell」は、その混合物を含めた複数の細胞を含む。
本明細書において、用語「含む」は、組成物および方法が列挙した要素を含むが、他を排除しないことを意味するように意図されている。「から本質的になる」は、組成物および方法を定義するのに使用する場合、組合せに対して任意の本質的に重要な他の要素を除外することを意味するものとする。したがって、本明細書に定義の要素から本質的になる組成物は、単離および精製方法からの微量の混入物、ならびに薬学的に許容される担体、例えば、リン酸緩衝食塩水、防腐剤などを除外しない。「からなる」は、他の成分の微量を超える要素を除外することを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
当業者が理解することになるように、任意およびすべての目的に関して、特に、書面による記載を提供する観点から、本明細書に開示のすべての範囲は、任意およびすべての可能なサブ範囲、ならびにこれらのサブ範囲の組合せも包含する。任意の列挙した範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されるのを十分に記載し、可能にするとして容易に認識されうる。非限定例として、本明細書で論じる各範囲は、下3分の1、中央3分の1、および上3分の1などに容易に分解されうる。やはり当業者が理解することになるように、すべての言い回し、例えば、「最大〜」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」などは、列挙した数値を含み、上記で論じたサブ範囲に引き続いて分解されうる範囲を指す。
範囲を含めたすべての数値的な指定、例えば、pH、温度、時間、濃度、および分子量は、適切な場合、0.1または1.0の増分によって(+)または(−)に変動する近似である。常に明示的に述べられていないものの、すべての数値的な指定は、約15%、あるいは約10%、あるいは約5%の標準偏差を含む用語「約」が先行していることが理解されるべきである。常に明示的に述べられていないものの、本明細書に記載の試薬は、単に例示的であり、このようなものの均等物は、当技術分野で公知であることも理解されるべきである。
「有効量」は、有益な、または所望の結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1つまたは複数の投与、塗布、または投与量で投与することができる。このような送達は、個々の投与量単位が使用されるべき時間、治療剤の生物学的利用能、投与経路などを含めたいくつかの変数に依存する。しかし、任意の特定の対象に対する本発明の治療剤の特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、化合物の生物学的利用能、投与経路、動物の年齢およびその体重、全体的な健康、性別、動物の食餌、投与の時間、排泄率、薬物の組合せ、ならびに処置されている特定の障害の重症度、ならびに投与の形態を含めた様々な要因に依存することが理解される。処置投与量は一般に、安全性および効力を最適化するために滴定されうる。一般に、in vitroおよび/またはin vivo試験からの投与量−効果関係は、最初に、患者への投与の適切な用量に対する有用なガイダンスをもたらすことができる。動物モデルにおける試験を一般に、疾患の処置の有効投与量に関するガイダンスのために使用することができる。一般に、in vitroで有効であることが判明した濃度に見合った血清レベルを実現するのに有効である量の化合物を投与することが望まれることになる。したがって、一化合物が、例えば、以下に論じる表に注記したように、in vitro活性を実証することが見出される場合、in vivo投与のための有効投与量を推定することができる。これらの考慮事項、ならびに有効な製剤および投与手順は、当技術分野で周知であり、標準的な教科書に記載されている。この定義と一致して、かつ本明細書において使用される、用語「治療有効量」は、指定された障害もしくは疾患を処置するのに、あるいは、グリア芽細胞腫を処置する薬理学的応答を得るのに十分な量である。
本明細書において、患者における疾患の「処置すること」または「処置」は、(1)疾患になりやすい、もしくは疾患の症状をまだ示していない動物において、症状または疾患が起こるのを予防し、(2)疾患を阻害し、もしくはその発生を停止し、または(3)疾患もしくは疾患の症状を寛解し、もしくはそれを退縮させることを指す。当技術分野で理解されているように、「処置」は、臨床結果を含む有益な、または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的に関して、有益な、または所望の結果として、1つまたは複数の、それだけに限らないが、検出可能であっても、検出不可能であっても、1つもしくは複数の症状の軽減もしくは寛解、異常(疾患を含む)の程度の縮小、異常(疾患を含む)の状態の安定化(すなわち、悪化させない)、異常(疾患を含む)進行の遅延もしくは減速、異常(疾患を含む)、状態の寛解または緩和、および緩解(部分的であっても全体であっても)を挙げることができる。強力であり、非常に低い用量で局所的に投与することができ、したがって、全身性の有害作用を最小限にする化合物が好適である。
本明細書において、「手術」または「外科的切除」は、懸念されている腫瘍の外科的除去を指す。
「腫瘍再発」は、本明細書において、かつ国立がん研究所によって定義されているように、通常がんが検出されえなかった間の時間後に再発した(戻った)がんである。がんは、元の(原発性の)腫瘍と同じ場所、または体内の別の場所に戻りうる。これは、再発性がんとも呼ばれる。
「腫瘍再発までの時間」(TTR)は、がんの診断の日から、最初の再発、死亡まで、または患者が最終接触時点でいずれの腫瘍再発も有さない場合、最終接触までの時間として定義される。患者が再発しなかった場合、TTRは、死亡の時点で、または最後の経過観察時に打ち切られた。
「無病生存期間」は、手術などのがんまたは腫瘍の処置後、患者ががんまたは腫瘍の徴候をまったく伴うことなく生存する時間の長さを示す。
「全生存期間」(OS)は、ナイーブな、または未処置の個体または患者と比較した場合の平均余命の延長を意図する。
「進行性疾患」(PD)は、進行中または悪化中である疾患を意図する。例えば、肺がんについて、進行性疾患は、処置の開始からの腫瘍のサイズの20%の増殖、または腫瘍の拡散でありうる。
統計および数学的な疫学における「相対リスク」(PR)は、曝露に対するイベントの(または疾患を発生させる)リスクを指す。相対リスクは、曝露群対非曝露群において起こるイベントの確率の比である。
「単剤療法」は、本明細書において、それ自体によって投与される療法を指す。
用語「判定する」または「判定すること」は、一患者を、同じまたは同様の臨床反応を経験する見込みのある患者の群または集団と密接に関連付け、または関係付けることである。
本明細書において、用語「病期Iがん」、「病期IIがん」、「病期IIIがん」、および「病期IV」は、がんのTNM病期分類を指す。病期Iがんは一般に、原発性腫瘍が起源の臓器に限定されていることを特定する。病期IIは、原発性腫瘍が、腫瘍域から流出したすぐ近くの周囲組織、およびリンパ節内に拡散していることを意図する。病期IIIは、原発性腫瘍がより深い構造への固定を伴って大きいことを意図する。病期IVは、原発性腫瘍がより深い構造への固定を伴って大きいことを意図する。20頁および21頁、CANCER BIOLOGY、2版、Oxford University Press(1987)を参照。
「トリプル・ネガティブ乳がん」は、マーカー:エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、およびハーセプチン(HER2/neu)の発現について試験された、かつ3つすべてのマーカーについて陰性である腫瘍を意図する。
Lipoplatin(商標)は、治療用組成物であり、その作製方法は、それぞれ本明細書に参照により組み込まれている米国特許第7,393,478号、および同第6,511,676号に記載されている。この組成物は、その水溶液形態中にシスプラチンを含有するシスプラチンミセルとして記載され、a)適当な緩衝液、シスプラチンを、有効量の少なくとも30%のエタノール溶液と組み合わせて、シスプラチン/エタノール溶液を形成するステップと、b)この溶液を負に帯電したホスファチジルグリセロール脂質誘導体と組み合わせ、それによってミセル中のその水溶液形態中のシスプラチン混合物を生成するステップであって、シスプラチンと脂質誘導体との間のモル比は、1:1〜1:2である、ステップとを含み、あるいはこれらから本質的になり、またはなおさらにこれらからなる方法によって得られる。一態様では、シスプラチンミセルは、a)適当な緩衝液、シスプラチンを、有効量の少なくとも30%のエタノール溶液と組み合わせて、シスプラチン/エタノール溶液を形成するステップと、b)シスプラチン/エタノール溶液を負に帯電したホスファチジルグリセロール脂質誘導体と組み合わせ、それによってミセル中のその水溶液形態中のシスプラチン混合物を生成するステップであって、シスプラチンと脂質誘導体との間のモル比は、1:1〜1:2である、ステップとを含み、あるいはこれらから本質的になり、またはなおさらにはこれらからなる方法によって得られる。一態様では、ホスファチジルグリセロール脂質誘導体は、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジカプロイルホスファチジルグリセロール(DCPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、およびジオレイルホスファチジルグリセロール(DOPG)からなる群から選択される。別の態様では、モル比は1:1である。なおさらなる態様では、Lipoplatinを生成する方法は、有効量の遊離融合ペプチド、融合ペプチド−脂質コンジュゲート、または融合ペプチド−−PEG−HSPCコンジュゲートを、ステップa)の混合物と組み合わせるステップであって、融合ペプチドは、N末端またはC末端で1〜6個の負に帯電したアミノ酸のストレッチで誘導化されており、したがって、その水溶液形態中のシスプラチン混合物に静電気的に結合することができる、ステップをさらに含み、あるいはそれから本質的になり、またはなおさらにそれからなる。一態様では、遊離融合ペプチド、または融合ペプチド脂質コンジュゲートは、DOPEまたはDOPE/カチオン性脂質を含み、あるいはそれから本質的になり、またはなおさらにそれからなる。
本明細書において、用語「薬学的に許容される担体」は、標準的な薬学的担体、例えば、リン酸緩衝食塩水、水、および油/水または水/油エマルジョンなどのエマルジョンなど、ならびに様々なタイプの湿潤剤のいずれも包含する。組成物は、安定剤および防腐剤も含みうる。担体、安定剤、および補助剤の例については、Martin(1975)Remington’s Pharm.Sci.、15版(Mack Publ.Co.、Easton)を参照。
「対象」、「個体」、または「患者」は、本明細書で互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指す。哺乳動物としては、それだけに限らないが、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、家畜、競技動物、ペット、ウマ、および霊長類、特にヒトがある。ヒト処置に有用であることに加えて、本発明は、哺乳動物、げっ歯類などを含めたコンパニオン哺乳動物、珍しい動物、および家畜の獣医学的処置にも有用である。
用語の投与は、限定することなく、眼内、経口、動脈内、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、吸入、経皮静脈内、ICV、槽内の注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)による、吸入スプレー、経鼻、膣、直腸、舌下、尿道の(例えば、尿道坐剤)、または局部的な投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾル、眼内など)による投与を含むものとし、各投与経路に適切な慣例的な無毒性の薬学的に許容される担体、補助剤、賦形剤、およびビヒクルを含有する適当な投与単位製剤で、単独で、または一緒に処方することができる。本発明は、投与経路、処方または投薬スケジュールによって限定されない。
「病的細胞」は、疾患に関係する、または疾患から生じるものである。病的細胞は、過剰増殖性でありうる。「過剰増殖細胞」は、細胞または組織が正常または健康な状態にあるときの速度より大きい速度で分裂および増殖している細胞または組織を意味する。このようなものの例としては、それだけに限らないが、がん細胞がある。過剰増殖細胞には、脱分化、不死化、新生物、悪性、転移性、およびがんの細胞、例えば、肉腫細胞、白血病細胞、癌細胞、または腺癌細胞なども含まれる。指定されたがんは、それだけに限らないが、肺がん細胞、グリア芽細胞腫細胞、および食道癌細胞を含む。
「対照」は、比較目的で実験において使用される代替の対象または試料である。対照は、「陽性」または「陰性」でありうる。例えば、実験の目的が、特定のタイプの疾患またはがんの処置に対する本発明の組成物の効力の相関を判定することである場合、陽性対照(所望の治療効果を呈することが分かっている化合物または組成物)、および陰性対照(療法を受けない、またはプラセボを受ける対象または試料)を使用することが一般に好ましい。
用語「がん」、「新生物」、および「腫瘍」は、互換的に、かつ単数形または複数形で使用され、細胞を宿主生物体にとって病的にする悪性形質転換を経た細胞を指す。原発がん細胞(すなわち、悪性形質転換の部位付近から得られる細胞)は、十分に確立した技法、特に組織学的検査によって非がん性細胞と容易に区別することができる。がん細胞の定義は、本明細書において、原発がん細胞だけでなく、がん細胞祖先に由来する任意の細胞も含む。これは、転移がん細胞、ならびにがん細胞に由来するin vitro培養物および細胞株を含む。固形腫瘍として通常顕在化するがんのタイプに言及する場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、例えば、CATスキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、X線、超音波、または触診などの手順によって、腫瘍塊に基づいて検出可能であるものである。単独での生化学的または免疫学的知見は、この定義を満たすのに不十分である場合がある。
新生物は、組織の相対的に自律性の新しい増殖によって生成される細胞の異常な塊またはコロニーである。ほとんどの新生物は、新生物形質転換を経た単細胞のクローン性増殖から生じる。正常細胞の新生物細胞への形質転換は、細胞ゲノムを直接かつ不可逆的に変更する化学的、物理的、または生物学的作用物質(またはイベント)によって引き起こされうる。新生物細胞は、いくつかの特殊化した機能の喪失、および新しい生物学的性質、第一に、相対的に自律性の(制御されない)増殖の性質の取得によって特徴付けられる。新生物細胞は、これらの遺伝性の生物学的特性を子孫細胞に伝える。
新生物の過去、現在、および将来予測される生物学的挙動または臨床経過は、診断、処置、および予後における大いに重要な区別である良性または悪性としてさらに分類される。悪性新生物は、より大きい程度の自律性を顕在化し、浸潤および転移拡散をすることができ、処置に対して耐性である場合があり、死の原因となりうる。良性新生物は、より小さい程度の自律性を有し、通常、侵襲性でなく、転移せず、一般に、十分に処置される場合、大きな害を生じない。
がんは、悪性新生物の総称である。退形成は、がん細胞の特徴的な性質であり、正常な構造特性および機能特性の欠如(未分化)を表す。
腫瘍は、文字通りには、炎症性または他の腫張などの任意のタイプの腫脹であるが、現代の使用法は、一般に、新生物を表す。接尾辞「−腫」は、腫瘍を意味し、通常、線維腫、脂肪腫などにおけるような良性新生物を表すが、時折、いわゆる黒色腫、肝細胞癌、および精上皮腫と同様に、悪性新生物を、または非新生物病変部、例えば、血腫、肉芽腫、または過誤腫などさえも暗示する。接尾辞「−芽腫」は、胚細胞の新生物、例えば、副腎の神経芽細胞腫、または眼の網膜芽細胞腫などを表す。
組織形成は、組織の起源であり、起源の組織細胞に基づいて新生物を分類する方法である。腺腫は、腺上皮の良性新生物である。癌腫は、上皮の悪性腫瘍である。肉腫は、間葉組織の悪性腫瘍である。新形成を分類するための一システムは、良性であれ、悪性であれ、生物学的(臨床的)挙動、ならびに組織形成、組織学的および細胞学的検査によって判定される新生物の起源の組織または細胞を利用する。新生物は、有糸分裂をすることができる細胞を含有するほとんど任意の組織に由来しうる。新生物の組織形成分類は、組織学的および細胞学的検査によって判定される起源の組織(または細胞)に基づく。
腫瘍増殖を「阻害すること」は、いずれの療法も伴わない増殖と比較して制限されている増殖状態を示す。腫瘍細胞増殖は、それだけに限らないが、腫瘍サイズの測定、H−チミジン取込みアッセイを使用する、腫瘍細胞が増殖中であるか否かの判定、または腫瘍細胞の計数を含めた、当技術分野で公知の任意の手段によって評価することができる。
腫瘍細胞増殖を「抑制すること」は、以下の状態、すなわち、減速、遅延のいずれかまたはすべてを意味し、腫瘍増殖を「抑制すること」は、腫瘍増殖の停止時に制限されている増殖状態、および腫瘍収縮を示す。
用語「培養すること」は、様々な種類の培地上または培地中での細胞または生物のin vitro増殖を指す。培養液中で増殖された細胞の子孫は、親細胞と完全に同一でない(形態学的に、遺伝的に、または表現型的に)場合があることが理解されている。「拡張した」とは、細胞の任意の増殖または分裂を意味する。
本明細書において、用語「腎不全(renal insufficiency)」(ある態様では、腎不全(renal failure)とも呼ばれる)は、正常な健康状態を維持するのに不十分な腎機能が存在するときを意図する。
説明的な実施形態
本発明は、腎不全を有するがん患者における腫瘍の増殖を阻害し、または該がん患者を処置するための方法であって、有効量のLipoplatinを該患者に投与し、それによって、腫瘍の増殖を阻害し、または、がんを処置するステップを含む、あるいはそれから本質的になる、またはなおさらにそれからなる方法を提供する。一態様では、本方法は、有効量の第2の化学療法剤の投与をさらに含み、あるいはそれから本質的になり、またはなおさらにそれからなる。第2の化学療法は、Lipoplatin療法の前もしくは後、または同時に投与することができる。本明細書において、用語「化学療法剤」は、小分子および巨大分子(生体分子ベース、例えば、抗体ベース)治療剤を意図する。
有効量は、最高の治療上の利益を患者に提供するために処置医師が決定した用量で投与され、患者、がんおよび従前の処置、および療法の継続時間とともに変動することになる。
本方法は、固形腫瘍の増殖を阻害し、あるいは転移性または非転移性の肺がん、消化器がん、膀胱がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、トリプル・ネガティブ乳がん、胃がん、頭頸部がん、大腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、中皮腫、膵がん、脳腫瘍、(グリア芽細胞腫の多形もしくは転移)、または卵巣がんの群からのがんを処置するのに有用である。
さらなる態様では、本方法は、有効量の第2の化学療法剤を投与するステップをさらに含み、あるいはそれから本質的になり、またはなおさらにそれからなる。本明細書に記載の非限定例は、例えば、オキサリプラチン、パクリタキセル、タキソール、タキサン、5−フルオロピリミジン(5−FU)、ビノレルビン、またはゲムシタビン、およびそれぞれのその均等物の1種または複数である。
本方法は、患者のためのファーストライン、セカンドライン、またはサードライン療法として使用することができる。一態様では、患者は、外科的切除および/または放射線療法を以前に経験している。さらなる態様では、患者は、ファーストライン・オキサリプラチン療法で以前に処置されている。
一態様では、Lipoplatinは、パクリタキセルまたはその均等物とともに投与される。別の態様では、Lipoplatinは、5−FUまたはその均等物とともに投与される。別の態様では、Lipoplatinは、ゲムシタビンまたはその均等物とともに投与される。一態様では、処置は、ファーストまたはセカンドライン療法として施される。別の態様では、処置は、セカンドまたはサードライン療法として施される。
任意の適当な投与経路が許容でき、処置医師によって決定されうる。非限定例としては、静脈内、または吸入療法によるものがある。
本発明の一態様では、第2の化学療法剤は、DNAにアルキル基を付着するDNAアルキル化剤である。このような薬剤は、当技術分野で周知であり、様々な腫瘍を処置するのに使用されている。DNAアルキル化剤の非限定例は、ナイトロジェンマスタード、例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド(イホスファミド、トロホスファミド)、クロランブシル(メルファラン、プレドニムスチン)、ベンダムスチン、ウラムスチン、およびエストラムスチンなど;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(セムスチン)、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、およびストレプトゾシンなど;ブスルファン(マンノスルファン、トレオスルファン)などのスルホン酸アルキル;アジリジン、例えば、カルボコン、ThioTEPA、トリアジコン、トリエチレンメラミンなど;ヒドラジン(プロカルバジン);トリアゼン、例えば、ダカルバジンおよびテモゾロミドなど;アルトレタミンおよびミトブロニトールである。
本発明の別の態様では、第2の抗がん薬は、DNAアルキル化剤のサブクラスである白金系化合物である。このような薬剤は、当技術分野で周知であり、様々ながん、例えば、肺がん、頭頸部がん、卵巣がん、結腸直腸がん、および前立腺がんなどを処置するのに使用されている。このような薬剤の非限定例としては、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、四硝酸トリプラチン、サトラプラチン、アロプラチン、ロバプラチン、およびJM−216がある。(McKeageら(1997)J.Clin.Oncol.、201:1232〜1237頁、および一般に、Series Basic and Clinical Oncology、Angioliら編、2004におけるCHEMOTHERAPY FOR GYNECOLOGICAL NEOPLASM,CURRENT THERAPY AND NOVEL APPROACHESを参照)。
「オキサリプラチン」(Eloxatin(登録商標))は、シスプラチンおよびカルボプラチンと同じファミリー内の白金系化学療法薬である。これは一般に、結腸直腸がんを処置するために、FOLFOXとして公知の組合せで、フルオロウラシルおよびロイコボリンと組み合わせて投与される。シスプラチンと比較して、2つのアミン基が、抗腫瘍活性の改善のためにシクロヘキシルジアミンによって置き換えられている。塩素リガンドは、水溶性を改善するために、シュウ酸に由来するオキサラト二座配位子によって置き換えられている。オキサリプラチンの等価物は、当技術分野で公知であり、限定することなく、シスプラチン、カルボプラチン、アロプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、およびJM−216を含む(McKeageら(1997)J.Clin.Oncol.、201:1232〜1237頁、および一般に、Series Basic and Clinical Oncology、Angioliら編、2004におけるCHEMOTHERAPY FOR GYNECOLOGICAL NEOPLASM,CURRENT THERAPY AND NOVEL APPROACHESを参照)。
本発明の一態様では、第2の化学療法剤は、トポイソメラーゼ酵素(トポイソメラーゼIおよびII)の作用を妨害する薬剤であるトポイソメラーゼ阻害剤である。トポイソメラーゼは、DNAのホスホジエステル骨格の破壊および再接合を触媒することによってDNA構造の変化を制御する酵素である。このような薬剤は、当技術分野で周知である。トポイソメラーゼI阻害剤の非限定例としては、Pommier(2006)Nat.Rev.Cancer 6(10):789〜802頁および米国特許出願第2005/0250854号に記載されているCPT−11/イリノテカン、SN−38、APC、NPC、カンプトテシン、トポテカン、メシル酸エキサテカン、9−ニトロカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ルルトテカン、ルビテカン、シラテカン、ギマテカン、ジフロモテカン、エキサテカン、BN−80927、DX−8951f、およびMAG−CPTを含めたカンプトテシン誘導体;Liら(2000)Biochemistry、39(24):7107〜7116頁およびGattoら(1996)Cancer Res.15(12):2795〜2800頁に記載されているベルベルビンおよびコラリンを含めたプロトベルベリンアルカロイドおよびその誘導体;Makheyら(2003)Bioorg.Med.Chem.11(8):1809〜1820頁に記載されているベンゾ[i]フェナントリジン、ニチジン、およびファガロニンを含めたフェナントロリン誘導体;Xu(1998)Biochemistry、37(10):3558〜3566頁に記載されているテルベンゾイミダゾールおよびその誘導体;ならびにFoglesongら(1992)Cancer Chemother.Pharmacol.30(2):123〜125頁、Crowら(1994)J.Med.Chem.37(19):3191〜3194頁、およびCrespiら(1986)Biochem.Biophys.Res.Commun.136(2):521〜8頁に記載されているドキソルビシン、ダウノルビシン、およびミトキサントロンを含めたアントラサイクリン誘導体がある。
本発明の一態様では、トポイソメラーゼI阻害剤は、それだけに限らないが、Pommier(2006)Nat.Rev.Cancer 6(10):789〜802頁および米国特許出願第2005/0250854号に記載されているCPT−11/イリノテカン、SN−38、APC、NPC、カンプトテシン、トポテカン、メシル酸エキサテカン、9−ニトロカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ルルトテカン、ルビテカン、シラテカン、ギマテカン、ジフロモテカン、エキサテカン、BN−80927、DX−8951f、およびMAG−CPTを含めたカンプトテシン誘導体;Liら(2000)Biochemistry 39(24):7107〜7116頁およびGattoら(1996)Cancer Res.15(12):2795〜2800頁に記載されているベルベルビンおよびコラリンを含めたプロトベルベリンアルカロイドおよびその誘導体;Makheyら(2003)Bioorg.Med.Chem.11(8):1809〜1820頁に記載されているベンゾ[i]フェナントリジン、ニチジン、およびファガロニンを含めたフェナントロリン誘導体;Xu(1998)Biochemistry 37(10):3558〜3566頁に記載されているテルベンゾイミダゾールおよびその誘導体;ならびにFoglesongら(1992)Cancer Chemother.Pharmacol.30(2):123〜125頁、Crowら(1994)J.Med.Chem. 37(19):3191〜3194頁、およびCrespiら(1986)Biochem.Biophys.Res.Commun.136(2):521〜8頁に記載されているドキソルビシン、ダウノルビシン、およびミトキサントロンを含めたアントラサイクリン誘導の群から選択することができ、適切な遺伝子マーカーで同定された患者を処置するために、上述した抗体系化学療法との組合せ療法で使用されることになる。
イリノテカン(CPT−11)は、Camptosar(登録商標)の商標名で販売されている。これは、SN−38への加水分解によって活性化されており、トポイソメラーゼIを標的にするアルカロイドカンプトテシンの半合成類似体である。化学的等価物は、トポイソメラーゼIとDNAの相互作用を阻害して、触媒活性トポイソメラーゼI−DNA複合体を形成するものである。化学的等価物は、G2−Mフェーズで細胞周期進行を阻害し、細胞増殖の破壊をもたらす。
別の態様では、それだけに限らないが、アントラサイクリン(アクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アムルビシン、ピラルビシン、バルルビシン、ゾルビシン)、ならびにアントラセンジオン(ミトキサントロンおよびピクサントロン)などのいくつかの第2の化学療法剤は、トポイソメラーゼIIを阻害し、DNAインターカレーション活性を有する。
本発明の一態様では、トポイソメラーゼII阻害剤としては、それだけに限らないが、エトポシドおよびテニポシドがある。
本発明の別の態様では、第2の化学療法剤は、それだけに限らないが、サイントピンおよび他のナフタセンジオン、DACAおよび他のアクリジン−4−カルボキサミド、イントプリシンおよび他のベンゾピリドインドール、TAS−103および他の7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、ピラゾロアクリジン、XR11576および他のベンゾフェナジン、XR5944および他の二量体化合物、ならびにDennyおよびBaguley(2003)Curr.Top.Med.Chem.3(3):339〜353頁に記載されているアントラセニル−アミノ酸コンジュゲートの群から選択されるデュアルトポイソメラーゼIおよびII阻害剤である。一態様では、これらは、適切な遺伝子マーカーで同定された患者を処置するために、上述した抗体系化学療法との組合せ療法で使用されうる。
「ラパチニブ」(Tykerb(登録商標))は、腫瘍退縮性デュアルEGFRおよびerbB−2阻害剤である。ラパチニブは、いくつかの臨床試験において、抗がん単剤療法として、ならびにトラスツズマブ、カペシタビン、レトロゾール、パクリタキセル、およびFOLFIRI(イリノテカン、5−フルオロウラシル、およびロイコボリン)と組み合わせて調査されてきた。これは現在、転移性の乳房、頭頸部、肺、胃、腎臓、および膀胱のがんの経口処置に関して第III相試験中である。
ラパチニブの化学的等価物は、チロシンキナーゼ阻害剤、あるいはHER−1阻害剤もしくはHER−2阻害剤である小分子または化合物である。いくつかのTKIは、有効な抗腫瘍活性を有することが見出されており、認可されているか、または臨床試験中である。このようなものの例としては、それだけに限らないが、ザクティマ(ZD6474)、イレッサ(ゲフィチニブ)、およびタルセバ(エルロチニブ)、イマチニブメシル酸塩(STI571;グリベック)、エルロチニブ(OSI−1774;タルセバ)、カネルチニブ(CI 1033)、セマキシニブ(SU5416)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、ソラフェニブ(BAY 43−9006)、スーテント(SU11248)、およびレフルノミド(SU101)がある。
ラパチニブの生物学的等価物は、HER−1阻害剤および/またはHER−2阻害剤であるペプチド、抗体、またはその抗体誘導体である。このようなものの例としては、それだけに限らないが、ヒト化抗体トラスツズマブおよびハーセプチンがある。
本発明の別の態様では、第2の化学療法剤は、代謝産物、すなわち、正常な代謝の一部である別の化学物質の使用を阻害する代謝拮抗剤である。がん処置では、代謝拮抗剤は、DNA生成、したがって細胞分裂および腫瘍の増殖を妨害する。これらの薬剤の非限定例は、葉酸系、すなわちジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤、例えば、アミノプテリン、メトトレキセート、およびペメトレキセドなど;チミジル酸合成酵素阻害剤、例えば、ラルチトレキセド、ペメトレキセドなど;プリン系、すなわち、ペントスタチンなどのアデノシンデアミナーゼ阻害剤、チオプリン、例えば、チオグアニンおよびメルカプトプリンなど、ハロゲン化/リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、例えば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、もしくはグアニン/グアノシンなど:チオグアニンなどのチオプリン;またはピリミジン系、すなわち、シトシン/シチジン:低メチル化剤、例えば、アザシチジンおよびデシタビンなど、シタラビンなどのDNAポリメラーゼ阻害剤、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、例えば、ゲムシタビン、もしくはチミン/チミジンなど:フルオロウラシル(5−FU)などのチミジル酸合成酵素阻害剤である。
フルオロウラシル(5−FU)は、ピリミジン系抗代謝薬と呼ばれる療法薬のファミリーに属する。5−FUは、様々な細胞傷害性代謝産物に変換され、次いでこれは、DNAおよびRNA中に組み込まれ、それによって細胞周期停止およびアポトーシスを誘導する。これは、様々な細胞傷害性代謝産物に変換され、次いでそれがDNAおよびRNA中に組み込まれ、それによって細胞周期停止およびアポトーシスを誘導する、ピリミジン類似体である。化学的等価物は、DNA複製の破壊をもたらすピリミジン類似体である。化学的等価物は、Sフェーズで細胞周期進行を阻害し、細胞周期の破壊、およびしたがってアポトーシスをもたらす。5−FUの等価物としては、そのプロドラッグ、類似体、ならびに誘導体、例えば、Papamicheal(1999)The Oncologist 4:478〜487頁に例えば記載されている、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(ドキシフルリジン)、1−テトラヒドロフラニル−5−フルオロウラシル(フトラフール)、カペシタビン(Xeloda)、S−1(テガフール、ならびに2種のモジュレーター、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシピリジンおよびオキソン酸カリウムからなるMBMS−247616)、ラルチトレキセド(トムデックス)、ノラトレキセド(チミタク、AG337)、LY231514、およびZD9331がある。
カペシタビンおよびテガフールは、5−FUの化学的等価物の例である。これは、3つの酵素ステップの経路、ならびに2種の中間代謝産物、5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(5’−DFCR)および5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(5’−DFUR)の後に、腫瘍特異的酵素PynPaseによってその活性体に変換される(5FU)のプロドラッグである。カペシタビンは、商標名Xeloda(登録商標)でRacheによって販売されている。
ロイコボリン(フォリン酸)は、がん療法で使用される補助剤である。これは、化学療法剤の効力を改善するために、5−FUとの相乗的組合せで使用される。理論によって束縛されることなく、ロイコボリンを追加すると、チミジル酸合成酵素を阻害することによって、5−FUの効力が増強されると考えられる。これは、高用量の抗がん薬メトトレキセートから正常細胞を保護し、フルオロウラシル(5−FU)およびテガフール−ウラシルの抗腫瘍効果を増大させるための解毒薬として使用されている。これは、シトロボラム因子およびウェルコボリンとしても公知である。この化合物は、L−グルタミン酸N−[4−[[(2−アミノ−5−ホルミル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4−オキソ−6−プテリジニル)メチル]アミノ]ベンゾイル]、カルシウム塩(1:1)の化学名を有する。
ビンカアルカロイドの例としては、それだけに限らないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビンデシン、およびビノレルビンがある。
タキサンの例としては、それだけに限らないが、ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、およびテセタキセルがある。エポチロンの例は、イクサベピロンである。
酵素阻害剤の例としては、それだけに限らないが、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(チピファルニブ);CDK阻害剤(アルボシジブ、セリシクリブ);プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ);ホスホジエステラーゼ阻害剤(アナグレリド);IMP脱水素酵素阻害剤(チアゾフリン);およびリポキシゲナーゼ阻害剤(マソプロコール)がある。
チロシンキナーゼ阻害剤の例としては、それだけに限らないが、ErbB:HER1/EGFR(エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、ネラチニブ);HER2/neu(ラパチニブ、ネラチニブ);RTKクラスIII:C−kit(アキシチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ);FLT3(レスタウルチニブ);PDGFR(アキシチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ);ならびにVEGFR(バンデタニブ、セマキサニブ、セジラニブ、アキシチニブ、ソラフェニブ);bcr−abl(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ);Src(ボスチニブ)、およびヤヌスキナーゼ2(レスタウルチニブ)がある。
PTK/ZKは、すべてのVEGF受容体(VEGFR)、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体、c−KIT、およびc−Fmsを標的にする広い特異性を有する「小」分子チロシンキナーゼ阻害剤である。Drevs(2003)Idrugs 6(8):787〜794頁。PTK/ZKは、VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(KDR/Flk−1)、およびVEGFR−3(Flt−4)を含めたVEGFに結合するすべての公知の受容体の活性を阻害することによって、血管新生およびリンパ脈管新生を遮断する標的薬である。PTK/ZKの化学名は、1−[4−クロロアニリノ]−4−[4−ピリジルメチル]フタラジンスクシネート、または1−フタラジンアミン、N−(4−クロロフェニル)−4−(4−ピリジニルメチル)−、ブタンジオエート(1:1)である。PTK/ZKの同義語および類似体は、バタラニブ、CGP79787D、PTK787/ZK222584、CGP−79787、DE−00268、PTK−787、PTK−787A、VEGFR−TK阻害剤、ZK222584、およびZKである。
第2の化学療法剤および組合せ療法の追加の例としては、それだけに限らないが、アムサクリン、トラベクテジン、レチノイド(アリトレチノイン、トレチノイン)、三酸化ヒ素、アスパラギン枯渇薬(asparagine depleter)(アスパラギナーゼ/ペガスパルガーゼ)、セレコキシブ、デメコルシン、エレスクロモール、エルサミトルシン、エトグルシド、ロニダミン、ルカントン、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、テムシロリムス、およびボリノスタットがある。
「FOLFOX」は、結腸直腸がんを処置するのに使用される組合せ療法の一タイプの略語である。これは、5−FU、オキサリプラチン、およびロイコボリンを含む。この処置に関する情報は、2008年1月16日に最後にアクセスされた国立がん研究所のウェブサイトcancer.govで入手可能である。
「FOLFOX/BV」は、結腸直腸がんを処置するのに使用される組合せ療法の一タイプの略語である。この療法は、5−FU、オキサリプラチン、ロイコボリン、およびベバシズマブを含む。さらに、「XELOX/BV」は、結腸直腸がんを処置するのに使用される別の組合せ療法であり、これは、オキサリプラチンおよびベバシズマブと組み合わせて、カペシタビン(Xeloda)として公知の5−FUのプロドラッグを含む。これらの処置に関する情報は、国立がん研究所のウェブサイト、cancer.govで、または2008年5月27日に最後にアクセスされた全米総合がん情報ネットワークのウェブサイト、nccn.orgから入手可能である。
治療抗体を含めた第2の化学療法剤または抗がん薬の例としては、それだけに限らないが、抗HER1/EGFR(セツキシマブ、パニツムマブ);抗HER2/neu(erbB2)受容体(トラスツズマブ);抗EpCAM(カツマキソマブ、エドレコロマブ);抗VEGF−A(ベバシズマブ);抗CD20(リツキシマブ、トシツモマブ、イブリツモマブ);抗CD52(アレムツズマブ);および抗CD33(ゲムツズマブ)、ならびにこれらの生物学的等価物がある。
ベバシズマブは、Genentechによって商標名Avastinで販売されている。これは、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に結合し、その生物活性を阻害するヒト化モノクローナル抗体である。生物学的に等価な抗体は、修飾抗体、および抗原の同じエピトープに結合し、VEGFのその受容体(Flt01、KDR 別名VEGFR2)との相互作用を防止し、実質的に等価な応答、例えば、内皮細胞増殖および血管新生の遮断を生じるものとして本明細書で識別される。
一態様では、「化学的等価物」は、標的タンパク質の不活化、DNAもしくはRNA内への化学物質の取込み、または他の適当な方法によって測定される場合、その標的タンパク質、DNA、RNA、またはこれらの断片と選択的に相互作用する化学物質の能力を意味する。化学的等価物には、それだけに限らないが、同じまたは同様の生物活性を有する薬剤が含まれ、限定することなく、参照化学物質と同じ標的タンパク質、DNA,またはRNAと相互作用し、かつ/またはこれらを不活化する、その薬学的に許容される塩または混合物が含まれる。
一態様では、「生物学的等価物」は、ELISAまたは他の適当な方法によって測定した場合、抗体の、そのエピトープタンパク質またはその断片に選択的に結合する能力を意味する。生物学的に等価な抗体としては、それだけに限らないが、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体、ペプチド、抗体断片、抗体バリアント、抗体誘導体、および抗体模倣体がある。等価なベバシズマブ抗体の例は、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に結合し、その生物活性を阻害するものである。
単独で、あるいは第2もしくは他の化学療法薬、または抗がん剤(上述した)と組み合わせたLipoplatin、および任意選択で、本開示の方法を実施するための指示書を備えるキットも、出願人によって提供される。
実験
材料および方法
Lipoplatin(商標)
Lipoplatin(商標)は、治療用組成物であり、その作製方法は、本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第7,393,478号に記載されている。簡単に言えば、完全を期すために、Lipoplatinは、(ステップA)シスプラチン(粉末または他の形態で)をDPPG(ジパルミトイルホスファチジルグリセロール)、または他の負に帯電した脂質分子と、少なくとも30%のエタノール、0.1MのTris HCl、pH7.5の溶液中で、1:1〜1:2のモル比で混合することによって調製することができる。シスプラチンとDPPGの間のモル比の変更も、異なる組織を標的にする治療的価値がある。ステップ(B)において、組成物は、50℃に加熱される。ステップAおよびBの間に、黄色シスプラチン粉末の析出物を与える傾向がある初期の粉末懸濁液は、ゲル(コロイド)形態に変換され;ステップAおよびBの間に、シスプラチンの、正に帯電しており、抗新生物薬活性を賦与されたシスプラチンの活性体であるその水溶液形態への変換があり(塩素原子の加水分解、およびプラチンに結合した水分子によるこれらの交換によって);アクアシスプラチンは、同時に、負に帯電した脂質と複合体形成して30%のエタノール中のミセルになる。このシスプラチン−DPPG静電複合体は、腫瘍根絶において遊離シスプラチンに対してすでに改善された性質を有する(ステップC)。自己の標的に到達した後に腫瘍細胞膜を通過することにおける複合体の(およびステップD後の最終製剤の、以下を参照)性質は、この性質を複合体に与えるペプチドおよび他の分子の添加によって改善される(ステップD)。シスプラチン−DPPGミセル複合体は、既成のリポソームを直接添加し、その後、生理食塩水に対して透析し、膜に通して押出して直径100〜160nmにこれらを小型化することによって、シスプラチン−DPPG−単分子層を被包するリポソームに(米国特許第7,393,478号の図1の上を参照)、または複合体の他のタイプに(米国特許第7,393,478号の図1の下)変換される。これは、本発明者らの最終的なシスプラチン製剤の外表面の組成を決定する添加されたリポソームの脂質組成物である。ステップ(A)の変更は、ドキソルビシンおよび他の正に帯電した抗新生物化合物の被包を可能にする。正に帯電した基を中性の、または負に帯電した化合物に添加すると、リポソーム内にこれらを同様に被包することが可能になる。
肺がんを有する16人の患者、消化器がんを有する10人の患者、および膀胱がんを有する16人の患者を本試験に動員した。16人すべての膀胱がん患者は、腎不全を有していた(クレアチニンレベル 1.6〜4.0mg/dl)。肺がん患者は、Lipoplatinとパクリタキセルを与えられ(セカンドまたはサードライン処置として)、消化器がんを有する患者は、Lipoplatinおよび5−FUを与えられ(セカンドまたはサードライン処置として)、一方、16人すべての膀胱がん患者は、ファーストまたはセカンドライン処置としてLipoplatinおよびゲムシタビンを与えられた。
シスプラチンを含有する化学療法レジメンは、腎毒性のために血清クレアチニンを増大させることが公知である。対照的に、Lipoplatinは、本試験で処置された患者のいずれにおいてもクレアチニンレベルのいずれの増大も引き起こさなかった。より重要なことに、腎不全を有する10/16人の膀胱がん患者において、血中尿素および血清クレアチニンレベルが正常レベルに向かって減少し、この低減は、排尿障害(urination obstruction)を有していたこれらの患者において観察され、この障害は処置後に、正常に戻った。
Lipoplatin含有レジメンに応答したクレアチニン上昇の欠如は、42人すべての患者について透析をしないで起こった。したがって、本試験の結果は、以前の臨床試験で記録されたLipoplatinの非常に低い腎毒性プロファイルと一致する。さらに、この結果は、腎不全を有する患者においてLipoplatinの好都合な腎毒性プロファイルに及び、Lipoplatinが、この患者集団において最適なシスプラチンとなりうることを示唆する。
予期されたように、多少の毒性、すなわちグレード1&2の骨髄毒性が本試験で観察されたが、これは、軽度であり、増殖因子の使用を必要としなかった。効力に関して、完全奏功が、膀胱がんを有する5人の患者で観察され、部分奏功が、15人の患者(膀胱がんを有する8人、NSCLCを有する2人、および胃腸管がんを有する5人)で観察され、安定疾患が、14人の患者(膀胱がんを有する3人、NSCLCを有する6人、および胃腸管がんを有する5人)で観察された。42人のうち8人の患者のみが進行性疾患を有していた。
こうして、本開示を、好適な実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示したその中に具現されている開示の改変、改善、および変更は、当業者が行使することができ、このような改変、改善、および変更は、本開示の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。ここに提供した材料、方法、および実施例は、好適な実施形態の代表であり、例示的であり、本開示の範囲に対する限定として意図されていない。
本開示を、本明細書で広く、一般的に記載してきた。一般的な開示の中に入るより狭い種および亜類の分類のそれぞれも、本開示の一部を形成する。これは、削除された材料が本明細書に具体的に列挙されているか否かにかかわらず、類から任意の主題を除去する条件または消極的な限定で、本開示の一般的な記載を含む。
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群の観点から記載れている場合、当業者は、本開示が、マーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの亜群の観点からもそれによって記載されていることを認識するであろう。
本明細書で述べたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それぞれが個々に参照に組み込まれているのと同じ程度に、これらの全体が参照により明白に組み込まれている。矛盾する場合、定義を含めて、本明細書が支配する。

Claims (6)

  1. 腎不全を有するがん患者における腫瘍の増殖を阻害し、または該がん患者を処置するための方法であって、有効量のLipoplatinを該患者に投与し、それによって、該腫瘍の該増殖を阻害し、または該がんを処置するステップを含む、方法。
  2. 有効量の第2の化学療法剤を投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の化学療法が、前記Lipoplatin療法の前若しくは後、またはLipoplatin療法と同時に投与される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記腫瘍またはがんが、転移性または非転移性の肺がん、消化器がん、膀胱がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、トリプル・ネガティブ乳がん、胃がん、頭頸部がん、大腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、中皮腫、膵がん、脳腫瘍、(グリア芽細胞腫の多形もしくは転移)、または卵巣がんの群からのものである、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. Lipoplatin、および請求項1から4のいずれか一項に記載の方法のための指示書を含むキット。
  6. 第2の化学療法剤をさらに含む、請求項5に記載のキット。
JP2015527429A 2012-08-13 2012-08-13 腎毒性を低減してがんを処置するための改良法 Pending JP2015528446A (ja)

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