JP2015527870A - 推定出生児が状態を発症する危険性を評価するための方法およびデバイス - Google Patents
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Abstract
本発明は一般に、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するための方法およびデバイスに関する。ある特定の実施形態では、本発明は、推定出生児が状態を発症する危険性を評価する方法であって、母体試料を得るステップ、少なくとも1つの不妊症関連バイオマーカーに対してアッセイを実施するステップ、およびこのアッセイの結果に基づいて、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するステップを含む方法を提供する。本発明の方法は、不妊症関連バイオマーカーを含む哺乳動物から試料を得るステップをさらに含み得る。
Description
関連出願
本願は、2011年10月3日に出願された米国仮特許出願第61/542,324号の優先権および利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
本願は、2011年10月3日に出願された米国仮特許出願第61/542,324号の優先権および利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
発明の分野
本発明は一般に、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するための方法およびデバイスに関する。
本発明は一般に、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するための方法およびデバイスに関する。
背景
7組のカップルのうちおよそ1組が、妊娠困難を有している。不妊症は、いずれかのパートナーにおける単一の原因、または妊娠の発生もしくは継続を妨げ得る要因(例えば、遺伝的要因、疾患または環境要因)の組み合わせに起因し得る。全ての女性が、閉経に起因してその人生において不妊になる。平均して、卵子の質および数は、35歳で急峻に減退し始める。しかし、多数の女性が、40歳代に入っても十分に繁殖力があり、一部の女性は、人生のかなり早い時期にこの減退を経験する。しかし一般に、母体の年齢の上昇(35歳以上)は、より低い妊孕成績と関連しており、より若い女性において卵子の質の問題を診断する方法も、特定の女性が卵子の質および貯蔵における減退をいつ経験し始めるかを知る方法もない。
7組のカップルのうちおよそ1組が、妊娠困難を有している。不妊症は、いずれかのパートナーにおける単一の原因、または妊娠の発生もしくは継続を妨げ得る要因(例えば、遺伝的要因、疾患または環境要因)の組み合わせに起因し得る。全ての女性が、閉経に起因してその人生において不妊になる。平均して、卵子の質および数は、35歳で急峻に減退し始める。しかし、多数の女性が、40歳代に入っても十分に繁殖力があり、一部の女性は、人生のかなり早い時期にこの減退を経験する。しかし一般に、母体の年齢の上昇(35歳以上)は、より低い妊孕成績と関連しており、より若い女性において卵子の質の問題を診断する方法も、特定の女性が卵子の質および貯蔵における減退をいつ経験し始めるかを知る方法もない。
妊娠困難を有する女性にとって利用可能な多くの異なる補助生殖技術が存在する。例えば、卵細胞が、女性の胎内の外側で精子によって受精され、次いで胎内に移されるプロセスであるin vitro受精(IVF)は、妊娠困難を有する女性を補助するための一般的な手順である。これらの技術は、出生という成績を達成するために女性を助けることに焦点を当てており、不妊症欠損を迂回することにおいて潜在的に固有の、推定出生児に対する危険性は扱わない。補助生殖技術は、不妊症を克服する手順を女性に提供するので、そうでなければ生まれなかった子供が誕生し、その子供は、遺伝子状態を発症する危険性を有して生まれ得るが、この危険性は、評価されることも、補助生殖技術を利用している女性に対して提示されることもなかった。女性は、特定の年齢において生殖すること、またはある特定のもしくは全ての補助生殖技術を介して生殖することが、遺伝子状態を有する出生児を有する危険性を増加させるかどうかについての情報から、大きな利益を得る。その情報は、女性が自分自身の卵母細胞および胎内を用いて生殖するか、またはドナーの卵母細胞および/もしくは妊娠キャリア(代理母)の助けで生殖するかを決定するのに、影響を与え得る。
要旨
不妊症問題を発生させ得る、根底にある母体の遺伝的バリエーション(例えば、変異、多型、構造的バリアント、発現レベル)が、推定出生児が発症し得る状態の指標でもある同じ遺伝的バリエーションであること、即ち、女性を不妊症に罹らせる同じ遺伝的バリエーションが、彼女の出生児が遺伝子状態を有すると診断される危険性を創出することを、本発明は認識している。したがって、不妊症問題が補助生殖技術(例えば、in vitro受精)の使用によって克服され得る場合でさえ、推定出生児がその遺伝的バリエーションに関連する状態を発症する危険性がなおも存在する。本発明は、母体の遺伝的バリエ
ーションに基づいて、推定出生児が遺伝子状態を発症する危険性を評価することが可能な方法を提供する。この様式において、本発明の方法は、推定出生児について存在する危険性を女性に提供しながらも、不妊症関連の決定を女性が行うことを可能にする情報を、女性に提供する。
不妊症問題を発生させ得る、根底にある母体の遺伝的バリエーション(例えば、変異、多型、構造的バリアント、発現レベル)が、推定出生児が発症し得る状態の指標でもある同じ遺伝的バリエーションであること、即ち、女性を不妊症に罹らせる同じ遺伝的バリエーションが、彼女の出生児が遺伝子状態を有すると診断される危険性を創出することを、本発明は認識している。したがって、不妊症問題が補助生殖技術(例えば、in vitro受精)の使用によって克服され得る場合でさえ、推定出生児がその遺伝的バリエーションに関連する状態を発症する危険性がなおも存在する。本発明は、母体の遺伝的バリエ
ーションに基づいて、推定出生児が遺伝子状態を発症する危険性を評価することが可能な方法を提供する。この様式において、本発明の方法は、推定出生児について存在する危険性を女性に提供しながらも、不妊症関連の決定を女性が行うことを可能にする情報を、女性に提供する。
ある特定の態様において、本発明の方法は、母体試料を得るステップ、少なくとも1つの不妊症関連バイオマーカーに対してアッセイを実施するステップ、およびこのアッセイの結果に基づいて、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するステップを含む。以下で議論するように、種々の母性効果遺伝子および/または他の不妊症関連遺伝子の領域の状況に関する遺伝子情報のアレイが、出生児が状態を発症する危険性を評価するために使用される。この遺伝子情報は、1つまたは複数の母性効果遺伝子および/または他の不妊症関連遺伝子の領域における1つまたは複数の多型、これらの遺伝子領域のうち1つまたは複数における変異、あるいはこれらの遺伝子領域の発現に影響を与えるエピジェネティックな要因を含み得る。これらの遺伝子領域の変異の分子的な結果は、以下のうちの1つまたは組み合わせであり得る:選択的スプライシング、低下もしくは増加したRNA発現、および/またはタンパク質発現における変更。これらの変更には、産生されている異なるタンパク質産物、例えば、低減もしくは増加した活性を有するタンパク質、または異常な免疫学的反応を惹起するタンパク質もまた、含まれ得る。この情報は全て、疾患状態を有する出生児を有する可能性があることを患者に知らせることに関して、重要である。
ゲノム情報を排他的に見ることに加えて、遺伝子情報(例えば、多型、変異など)を表現型および/または環境データと組み合わせることによって、本発明の方法は、さらなるレベルの臨床的明確性を実現する。例えば、以下で議論する遺伝子中の多型から、出生児が状態を発症する素因についての情報を得ることもできる。しかし、ある特定の場合には、臨床成績は、ある特定の表現型および/または環境情報と組み合わせない限り、決定要因にならない可能性がある。したがって、本発明の方法は、出生児が状態を発症する可能性を評価するために、表現型および環境曝露データと組み合わせた遺伝的素因分析の組み合わせを提供する。したがって、ある特定の場合には、遺伝的素因は、診断を行うのに十分であり得るが、他の場合には、臨床成績は、遺伝的分析単独に基づいて明白にならない可能性があり、遺伝子データおよび表現型データまたは環境データの組み合わせが、疾患状態を有する出生児を有する可能性を評価するために使用されるべきである。
女性が特定の母体年齢でまたは補助生殖技術を使用することによって子供を得ようとすることを選択する場合に、その女性の推定出生児が状態を発症する危険性に関する情報を女性に提供することに加えて、本発明の方法は、処置目的のために医師によっても使用され得、例えば、推定出生児がその状態を発症する危険性を低減または排除するのを助けるビタミン/薬物推薦を医師が行うことを可能にする。例えば、本明細書中のデータは、CBS遺伝子における変異が、不妊症に影響を与え、推定出生児における自閉症スペクトラム障害の発症とも関連していることを示している。このデータは、出生児における自閉症の危険性を修正することを助け得る処置プランを作成するために、医師によって使用され得る。例えば、医師は、女性に高用量の葉酸または他のビタミンサプリメント/薬物を摂取するように、また生まれた場合には子供に同じものを投与するように、アドバイスし得る。かかる処置プランは、推定出生児において自閉症の危険性を低減または排除し得る。
バイオマーカーは一般に、生物学的状況の指標として作用する分子を指す。ある特定の実施形態では、このバイオマーカーは遺伝子領域である。特定の実施形態では、この遺伝子領域は、母性効果遺伝子および/または他の不妊症関連遺伝子の領域である。当該分野で公知の任意のアッセイが、この遺伝子領域を分析するために使用され得る。ある特定の実施形態では、このアッセイは、遺伝子領域の少なくとも一部分を配列決定して、不妊症に関連する変異の存在または非存在を決定するステップを含む。本発明に従って検出され
る変異は、任意の型の遺伝子変異であり得る。例示的な変異には、一塩基多型、欠失、挿入、逆位、他の再編成、コピー数多型(copy number variation)またはそれらの組み合わせが含まれる。遺伝子変異を検出する任意の方法が本発明の方法で有用であり、多数の方法が当該分野で公知である。ある特定の実施形態では、配列決定が、不妊症関連遺伝子領域中の変異の存在を決定するために使用される。特に好ましい実施形態では、この配列決定は、合成時解読(sequencing−by−synthesis)である。
る変異は、任意の型の遺伝子変異であり得る。例示的な変異には、一塩基多型、欠失、挿入、逆位、他の再編成、コピー数多型(copy number variation)またはそれらの組み合わせが含まれる。遺伝子変異を検出する任意の方法が本発明の方法で有用であり、多数の方法が当該分野で公知である。ある特定の実施形態では、配列決定が、不妊症関連遺伝子領域中の変異の存在を決定するために使用される。特に好ましい実施形態では、この配列決定は、合成時解読(sequencing−by−synthesis)である。
他の実施形態では、このバイオマーカーは遺伝子産物である。特定の実施形態では、この遺伝子産物は、母性効果遺伝子および/または他の不妊症関連遺伝子の産物である。この遺伝子産物は、RNAまたはタンパク質であり得る。当該分野で公知の任意のアッセイが、遺伝子産物を分析するために使用され得る。ある特定の実施形態では、このアッセイは、遺伝子産物の量を決定するステップおよび決定された量を参照と比較するステップを含む。
本発明の方法は、不妊症関連バイオマーカーを含む哺乳動物から試料を得るステップをさらに含み得る。この試料は、ヒトの組織または体液であり得る。特定の実施形態では、この試料は、母体血液または母体唾液である。本発明の方法は、不妊症関連バイオマーカーについて試料を富化するステップもまた含み得る。
本発明の方法は、推定出生児が不妊症関連バイオマーカーと関連する任意の状態を発症する危険性を評価するために使用され得る。ある特定の実施形態では、この状態は、神経発生的、神経心理学的または神経遺伝学的障害、例えば、神経管欠損、自閉症スペクトラム障害(古典的自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害および特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)が含まれるがこれらに限定されない)、バルデー・ビードル症候群(Bardet−Beidl syndrome)、注意欠陥多動障害(ADHD)、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、双極性障害、シャルコー・マリー・トゥース症候群または統合失調症である。他の実施形態では、この状態は、代謝障害、例えば、肥満および糖尿病(I型またはII型)である。他の実施形態では、この状態は、婦人科学的障害および/または不妊症障害、例えば、子宮内膜症および早期卵巣機能不全(POF)である。他の実施形態では、この状態は、自己免疫障害、例えば、喘息、若年性特発性関節炎、アレルギー、アジソン病、クローン病およびセリアック病である。他の実施形態では、この状態は、筋ジストロフィーまたは癌である。他の実施形態では、この状態は、心血管疾患、例えば、早期発症型冠動脈心疾患である。
本発明の別の態様は、不妊症および推定出生児が状態を発症する危険性を評価する方法であって、母体試料を得るステップ、少なくとも1つの不妊症関連バイオマーカーに対してアッセイを実施するステップ、およびこのアッセイの結果に基づいて、不妊症および推定出生児が状態を発症する危険性を評価するステップを含む方法を提供する。
本発明は一般に、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するための方法およびデバイスに関する。ある特定の実施形態では、本発明は、推定出生児が状態を発症する危険性を評価する方法であって、母体試料を得るステップ、少なくとも1つの不妊症関連バイオマーカーに対してアッセイを実施するステップ、およびこのアッセイの結果に基づいて、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するステップを含む方法を提供する。
試料
本発明の方法は、不妊症関連遺伝子または遺伝子産物を含むことが疑われる、組織または体液などの試料を得るステップを含む。特定の実施形態では、この試料は母体試料である。この試料は、任意の臨床的に許容可能な様式で収集され得る。組織は、連結された細胞および/または細胞外マトリックス材料の塊、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物などから誘導される、皮膚組織、毛髪、爪、子宮内膜組織、鼻道組織、CNS組織、神経組織、眼組織、肝臓組織、腎臓組織、胎盤組織、乳腺組織、胎盤組織、胃腸管組織、筋骨格組織、尿生殖器組織、骨髄などであり、細胞および/または組織と関連する結合性材料および液体材料が含まれる。体液は、ヒトまたは他の哺乳動物などから誘導される液体材料である。かかる体液には、粘膜、血液、血漿、血清、血清誘導体、胆汁、血液、母体血液、痰、唾液、汗、羊水、月経液、子宮内膜吸引物、乳房液、卵巣の濾胞液、ファロピウス管液、腹水、尿および脳脊髄液(CSF)、例えば腰椎CSFまたは脳室CSFが含まれるがこれらに限定されない。試料はまた、細針吸引物または生検組織であり得る。試料はまた、細胞または生物学的材料を含む培地であり得る。試料はまた、血餅、例えば、血清が除去された後の全血から取得された血餅であり得る。ある特定の実施形態では、不妊症関連遺伝子または遺伝子産物は、生殖細胞または組織、例えば、配偶子細胞、生殖腺組織、受精した胚および胎盤において見出され得る。ある特定の実施形態では、この試料は、引き出された母体の血液または唾液である。
本発明の方法は、不妊症関連遺伝子または遺伝子産物を含むことが疑われる、組織または体液などの試料を得るステップを含む。特定の実施形態では、この試料は母体試料である。この試料は、任意の臨床的に許容可能な様式で収集され得る。組織は、連結された細胞および/または細胞外マトリックス材料の塊、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物などから誘導される、皮膚組織、毛髪、爪、子宮内膜組織、鼻道組織、CNS組織、神経組織、眼組織、肝臓組織、腎臓組織、胎盤組織、乳腺組織、胎盤組織、胃腸管組織、筋骨格組織、尿生殖器組織、骨髄などであり、細胞および/または組織と関連する結合性材料および液体材料が含まれる。体液は、ヒトまたは他の哺乳動物などから誘導される液体材料である。かかる体液には、粘膜、血液、血漿、血清、血清誘導体、胆汁、血液、母体血液、痰、唾液、汗、羊水、月経液、子宮内膜吸引物、乳房液、卵巣の濾胞液、ファロピウス管液、腹水、尿および脳脊髄液(CSF)、例えば腰椎CSFまたは脳室CSFが含まれるがこれらに限定されない。試料はまた、細針吸引物または生検組織であり得る。試料はまた、細胞または生物学的材料を含む培地であり得る。試料はまた、血餅、例えば、血清が除去された後の全血から取得された血餅であり得る。ある特定の実施形態では、不妊症関連遺伝子または遺伝子産物は、生殖細胞または組織、例えば、配偶子細胞、生殖腺組織、受精した胚および胎盤において見出され得る。ある特定の実施形態では、この試料は、引き出された母体の血液または唾液である。
核酸は、当該分野で公知の方法に従って試料から抽出される。例えば、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Maniatisら、Molecular
Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、N.Y.、280〜281頁、1982年を参照のこと。ある特定の実施形態では、ゲノム試料は、対象から収集された後、例えば、対象の妊孕関連遺伝子または遺伝子断片を含むヌクレオチドアレイに対するハイブリダイゼーションによって、対象の遺伝子領域または遺伝子断片について富化される。この試料は、ハイブリッド捕捉などの当該分野で公知の方法を使用して、対象の遺伝子(例えば、不妊症関連遺伝子)について富化され得る。例えば、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれるLapidus(米国特許第7,666,593号)を参照のこと。
Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、N.Y.、280〜281頁、1982年を参照のこと。ある特定の実施形態では、ゲノム試料は、対象から収集された後、例えば、対象の妊孕関連遺伝子または遺伝子断片を含むヌクレオチドアレイに対するハイブリダイゼーションによって、対象の遺伝子領域または遺伝子断片について富化される。この試料は、ハイブリッド捕捉などの当該分野で公知の方法を使用して、対象の遺伝子(例えば、不妊症関連遺伝子)について富化され得る。例えば、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれるLapidus(米国特許第7,666,593号)を参照のこと。
RNAは、細胞の溶解およびその中に含まれるタンパク質の変性を含む手順によって、真核生物細胞から単離され得る。対象の組織には、配偶子細胞、生殖腺組織、子宮内膜組織、受精した胚および胎盤が含まれる。RNAは、その中に含まれるタンパク質の変性を含む手順によって、対象の体液から単離され得る。対象の体液には、血液、月経液、乳房液、卵巣の濾胞液、腹水または培養培地が含まれる。さらなるステップが、DNAを除去するために使用され得る。細胞溶解は、非イオン性界面活性剤を用い、その後核およびしたがって細胞DNAのバルクを除去するために微量遠心分離を用いて達成され得る。一実施形態では、RNAは、チオシアン酸グアニジン溶解を使用し、その後CsCl遠心分離を使用してDNAからRNAを分離することにより、対象の種々の型の細胞から抽出される(Chirgwinら、Biochemistry 18巻:5294〜5299頁(1979年))。ポリ(A)+RNAは、オリゴdTセルロースを用いた選択によって選択される(Sambrookら、MOLECULAR CLONING−−A LABORATORY MANUAL(第2版)、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)を参照のこと)。あるいは、DNAからのRNAの分離は、例えば熱フェノールまたはフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールを用いた有機抽出によって達成され得る。所望の場合、RNaseインヒビターが、溶解緩衝液に添加され得る。同様に、ある特定の細胞型については、このプロトコールにタンパク質の変性/消化ステップを加えることが望まれ得る。
多くの適用について、他の細胞RNA、例えばトランスファーRNA(tRNA)およびリボソームRNA(rRNA)に対して、mRNAを優先的に富化することが望まれる。殆どのmRNAは、その3’末端にポリ(A)テイルを含む。これは、例えばセルロースまたはSEPHADEXなどの固体支持体にカップリングされたオリゴ(dT)またはポリ(U)を使用して、アフィニティクロマトグラフィーによってmRNAが富化されることを可能にする(Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、2巻、Current Protocols Publishing、New York(1994年)を参照のこと。いったん結合すると、ポリ(A)+mRNAは、2mM EDTA/0.1%SDSを使用してアフィニティカラムから溶出される。
バイオマーカー
バイオマーカーは一般に、生物学的状況の指標として作用し得る分子を指す。本発明の方法で使用するバイオマーカーは、不妊症と関連する任意のマーカーであり得る。例示的なバイオマーカーには、遺伝子(例えば、機能的産物をコードするDNAの任意の領域)、遺伝子領域(例えば、有胎盤哺乳動物において進化の間中で保存された領域上に特定の遺伝子座を有する遺伝子および遺伝子間領域を含む領域)および遺伝子産物(例えば、RNAおよびタンパク質)が含まれる。ある特定の実施形態では、このバイオマーカーは、
不妊症関連遺伝子領域である。不妊症関連遺伝子領域は、そのバリエーションが妊孕能における変化と関連する任意のDNA配列である。妊孕能における変化の例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:不妊症関連遺伝子のホモ接合型変異は、妊孕能の完全な喪失を導く;不妊症関連遺伝子のホモ接合型変異は、不完全に浸透性であり、個体ごとに変動する妊孕能における低減を導く;ヘテロ接合型変異は完全に劣性であり、妊孕能に対して影響を有さない;および不妊症関連遺伝子はX連鎖であり、その結果、妊孕能における潜在的な欠損は、この遺伝子の非機能的対立遺伝子が、不活性なX染色体(バー小体)上に位置するか発現されたX染色体上に位置するかに依存する。
バイオマーカーは一般に、生物学的状況の指標として作用し得る分子を指す。本発明の方法で使用するバイオマーカーは、不妊症と関連する任意のマーカーであり得る。例示的なバイオマーカーには、遺伝子(例えば、機能的産物をコードするDNAの任意の領域)、遺伝子領域(例えば、有胎盤哺乳動物において進化の間中で保存された領域上に特定の遺伝子座を有する遺伝子および遺伝子間領域を含む領域)および遺伝子産物(例えば、RNAおよびタンパク質)が含まれる。ある特定の実施形態では、このバイオマーカーは、
不妊症関連遺伝子領域である。不妊症関連遺伝子領域は、そのバリエーションが妊孕能における変化と関連する任意のDNA配列である。妊孕能における変化の例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:不妊症関連遺伝子のホモ接合型変異は、妊孕能の完全な喪失を導く;不妊症関連遺伝子のホモ接合型変異は、不完全に浸透性であり、個体ごとに変動する妊孕能における低減を導く;ヘテロ接合型変異は完全に劣性であり、妊孕能に対して影響を有さない;および不妊症関連遺伝子はX連鎖であり、その結果、妊孕能における潜在的な欠損は、この遺伝子の非機能的対立遺伝子が、不活性なX染色体(バー小体)上に位置するか発現されたX染色体上に位置するかに依存する。
特定の実施形態では、この不妊症関連遺伝子領域は、母性効果遺伝子である。母性効果遺伝子は、哺乳動物の卵母細胞における重要な構造および機能をコードすることが見出されている遺伝子である(Yurttasら、Reproduction 139巻:809〜823頁、2010年)。母性効果遺伝子は、例えば、Christiansら(Mol Cell Biol 17巻:778〜88頁、1997年);Christiansら、Nature 407巻:693〜694頁、2000年);Xiaoら(EMBO J 18巻:5943〜5952頁、1999年);Tongら(Endocrinology 145巻:1427〜1434頁、2004年);Tongら(Nat Genet 26巻:267〜268頁、2000年);Tongら(Endocrinology、140巻:3720〜3726頁、1999年);Tongら(Hum Reprod 17巻:903〜911頁、2002年);Ohsugiら(Development 135巻:259〜269頁、2008年);Borowczykら(Proc Natl Acad Sci U S A.、2009年);およびWu(Hum
Reprod 24巻:415〜424頁、2009年)に記載されている。これらの各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。
Reprod 24巻:415〜424頁、2009年)に記載されている。これらの各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。
特定の実施形態では、この不妊症関連遺伝子領域は、以下の表1に示される遺伝子から選択される遺伝子(エクソン、イントロン、および前記遺伝子のいずれかの側に隣接する10kbのDNAを含む)である。表1において、OMIM参照番号は、入手可能な場合に提供される。
表1中の遺伝子の分子産物は、転写および染色体再構築からRNAプロセシングおよび結合までの、卵母細胞および胚の生理学の異なる態様に関与する。図2を参照のこと。図2は、不妊症関連遺伝子が局在および調節する、重要な哺乳動物卵子構造を示す:細胞質格子、表層下母性複合体(SCMC)および減数分裂紡錘体。図3は、SCMCと関連する母性効果遺伝子(MEG)の、マウスにおける卵子発生の全体を通じた豊富な遺伝子発現プロファイルを示す。この複合体と関連しない3つの遺伝子(Oct4、Cdx2、Nanog)の比較的低い遺伝子発現パターンが、対照として示される。図4は、マウス卵母細胞成熟の間の、SCMCと関連する母性効果遺伝子の発現レベルにおける相対的な減退を示す。MEGのRNAレベルおよびタンパク質レベルでの減退は、卵母細胞成熟の間に一般に観察される。図5は、マウスにおける母体から接合体への移行の間のポリソーム画分における、SCMCと関連するMEGの富化を示す。この画分における存在は、これらのmRNAがタンパク質へと翻訳されていることの証拠である。図6は、マウスにおける移植前の発生の過程の間の、胚性因子(Oct4、Cdx2、Nanog)と比較した、SCMCと関連するMEG(卵母細胞因子)の動的RNAレベルを示す。一般に、母性遺伝する転写物のレベルは、胚ゲノムが完全に活性化されるまで減退する。図7は、ヒト母性効果遺伝子の組織特異的発現を示す。
ペプチジルアルギニンデイミナーゼ6(PADI6):Padi6は、その相対的存在量に基づいて2Dマウス卵子プロテオームゲルから元々クローニングされたものであり、マウスにおけるPadi6発現は、ほぼ完全に卵母細胞および移植前の胚に限定されるようである(Yurttasら、2010年)。Padi6は、始原卵母細胞の濾胞において最初に発現され、胚盤胞期までの移植前の発生を通じて、タンパク質レベルで持続する(Wrightら、Dev Biol、256巻:73〜88頁、2003年)。Padi6の不活化は、マウスにおいて雌性不妊症を導き、Padi6ヌルの発生停止が、2細胞期で生じる(Yurttasら、2008年)。
ヌクレオプラスミン2(NPM2):ヌクレオプラスミンは別の母性効果遺伝子であり
、マウス卵母細胞成熟の間にリン酸化されると考えられる。NPM2は、卵母細胞成熟の間に、質量におけるリン酸感受性の増加を示す。増加したリン酸化は、発生の前核段階を通じて保持される。次いで、NPM2は、2細胞期で脱リン酸化され、移植前の発生の残部にわたりこの形態のままである。さらに、その発現パターンは、卵母細胞および初期胚に限定されるようである。NPM2局在の免疫蛍光分析は、NPM2が、マウスの卵母細胞および初期胚において核に主に局在することを示している。マウスでは、母体由来のNPM2が、雌性妊孕能に必要である(Burnsら、2003年)。
、マウス卵母細胞成熟の間にリン酸化されると考えられる。NPM2は、卵母細胞成熟の間に、質量におけるリン酸感受性の増加を示す。増加したリン酸化は、発生の前核段階を通じて保持される。次いで、NPM2は、2細胞期で脱リン酸化され、移植前の発生の残部にわたりこの形態のままである。さらに、その発現パターンは、卵母細胞および初期胚に限定されるようである。NPM2局在の免疫蛍光分析は、NPM2が、マウスの卵母細胞および初期胚において核に主に局在することを示している。マウスでは、母体由来のNPM2が、雌性妊孕能に必要である(Burnsら、2003年)。
胚が必要とする母体抗原(Maternal antigen the embryos require)(MATER/NLRP5):Nlrp5遺伝子によってコードされるタンパク質MATERは、2細胞期を越えた胚発生のためにマウスにおいて重要な、別の高度に豊富な卵母細胞タンパク質である。MATERは、自己免疫性早期卵巣機能不全のマウスモデルにおいて、卵母細胞特異的抗原として元々同定された(Tongら、Endocrinology、140巻:3720〜3726頁、1999年)。MATERは、PADI6と同様の発現および細胞内発現プロファイルを実証している。Padi6ヌル動物と同様に、Nlrp5ヌル雌性は、正常な卵形成、卵巣発生、卵母細胞成熟、排卵および受精を示す。しかし、Nlrp5ヌル雌性から誘導された胚は、2細胞期で発生阻止を受け、正常な胚ゲノム活性化を示すことができない(Tongら、Nat Genet 26巻:267〜268頁、2000年;およびTongらMamm Genome 11巻:281〜287頁、2000年b)。
Brahma関連遺伝子1(BRG1):哺乳動物SWI/SNF関連クロマチン再構築複合体は、転写を調節し、接合体ゲノム活性化(ZGA)に関与すると考えられる。かかる複合体は、細胞型および組織に依存して変動し得るおよそ9つのサブユニットから構成される。BRG1の触媒サブユニットは、DNA依存的なAPTase活性を示し、ATP加水分解から導出されるエネルギーは、ヌクレオソームのコンフォメーションおよび位置を変更する。Brg1は、卵母細胞において発現され、マウスにおいて重要であることが示されているが、これは、ヌルホモ接合体が、胚盤胞期を越えて進行しないからである(Bultmanら、2000年)。
胚発生を可能にする卵母細胞中に位置する因子(Factor located in
oocytes permitting embryonic development)(FLOPED/OOEP):表層下母性複合体(SCMC)は、いくつかの母性効果遺伝子産物が局在する、あまり特徴付けられていないマウス卵母細胞構造である(Liら Dev Cell 15巻:416〜425頁、2008年)。PADI6、MATER、FILIA、TLE6およびFLOPEDは、この複合体に局在することが示されている(Liら Dev Cell 15巻:416〜425頁、2008年;Yurttasら Development 135巻:2627〜2636頁、2008年)。この複合体は、FlopedおよびNlrp5の非存在下では存在せず、Nlrp5が枯渇した卵母細胞から生じる胚と類似して、Flopedヌル卵母細胞から生じる胚は、マウス発生の2細胞期を越えて進行することはない(Liら、2008年)。FLOPEDは、MOEP19の名の下でも特徴付けられている、小さい(19kD)RNA結合タンパク質である(Herrら、Dev Biol 314巻:300〜316頁、2008年)。
oocytes permitting embryonic development)(FLOPED/OOEP):表層下母性複合体(SCMC)は、いくつかの母性効果遺伝子産物が局在する、あまり特徴付けられていないマウス卵母細胞構造である(Liら Dev Cell 15巻:416〜425頁、2008年)。PADI6、MATER、FILIA、TLE6およびFLOPEDは、この複合体に局在することが示されている(Liら Dev Cell 15巻:416〜425頁、2008年;Yurttasら Development 135巻:2627〜2636頁、2008年)。この複合体は、FlopedおよびNlrp5の非存在下では存在せず、Nlrp5が枯渇した卵母細胞から生じる胚と類似して、Flopedヌル卵母細胞から生じる胚は、マウス発生の2細胞期を越えて進行することはない(Liら、2008年)。FLOPEDは、MOEP19の名の下でも特徴付けられている、小さい(19kD)RNA結合タンパク質である(Herrら、Dev Biol 314巻:300〜316頁、2008年)。
KHドメイン含有3様表層下母性複合体メンバー(KH domain containing 3−like, subcortical maternal complex member)(FILIA/KHDC3L):FILIAは、別の小さいRNA結合ドメイン含有の母性遺伝するマウスタンパク質である。FILIAは、MATERとの相互作用によって同定され命名された(Ohsugiら Development 13
5巻:259〜269頁、2008年)。SCMCの他の成分と同様に、Khdc3遺伝子産物の母性遺伝は、初期胚発生に必要である。マウスでは、Khdc3の喪失は、初期卵割分裂の間の不適切な染色体整列に一部起因して、高い発生率の異数性を有する変動する重症度の発生停止を生じる(Liら、2008年)。Khdc3枯渇もまた、紡錘体形成チェックポイント(spindle checkpoint assembly)(SAC)不活化、異常な紡錘体形成および染色体誤整列に起因して、異数性を生じる(Zhengら Proc Natl Acad Sci USA 106巻:7473〜7478頁、2009年)。
5巻:259〜269頁、2008年)。SCMCの他の成分と同様に、Khdc3遺伝子産物の母性遺伝は、初期胚発生に必要である。マウスでは、Khdc3の喪失は、初期卵割分裂の間の不適切な染色体整列に一部起因して、高い発生率の異数性を有する変動する重症度の発生停止を生じる(Liら、2008年)。Khdc3枯渇もまた、紡錘体形成チェックポイント(spindle checkpoint assembly)(SAC)不活化、異常な紡錘体形成および染色体誤整列に起因して、異数性を生じる(Zhengら Proc Natl Acad Sci USA 106巻:7473〜7478頁、2009年)。
バソヌクリン(Basonuclin)(BNC1):バソヌクリンは、マウスにおいて研究されてきたジンクフィンガー転写因子である。これは、ケラチノサイトおよび生殖細胞(雄性および雌性)において発現されることが見出されており、rRNA(ポリメラーゼIを介する)合成およびmRNA(ポリメラーゼIIを介する)合成を調節する(IuchiおよびGreen、1999年;Wangら、2006年)。卵母細胞において低減される発現の量に依存して、胚は、8細胞期を越えて発生しない可能性がある。Bsn1枯渇マウスでは、卵母細胞発生が乱される場合であっても、正常数の卵母細胞が排卵されるが、これらの卵母細胞の多くは、生存可能な出生児を得るところまで進むことができない(Maら、2006年)。
接合体停止(Zygote Arrest)1(ZAR1):Zar1は、マウスにおいて卵母細胞から胚への移行において機能することが公知の、卵母細胞特異的母性効果遺伝子である。高レベルのZar1発現が、マウス卵母細胞の細胞質において観察され、ホモ接合型ヌル雌性は不妊である:Zar1ヌル雌性由来の成長中の卵母細胞は、2細胞期を越えて進行しない。
細胞質ホスホリパーゼA2γ(PLA2G4C):正常条件下では、マウスPLA2G4Cオルソログのタンパク質産物であるcPLA2γの発現は、マウスでは卵母細胞および初期胚に限定されている。細胞内レベルでは、cPLA2γは主に、卵母細胞の表層領域、核細胞質および多胞性凝集物に局在する。cPLA2γ発現は、健康なマウスにおいて卵母細胞および移植前の胚に主に限定されるようであるが、発現は、Trichinella spiralisが感染したマウスの腸管上皮内でかなり上方調節されることにも、留意する価値がある。これは、cPLA2γが炎症応答においても役割を果たし得ることを示唆する。ヒトPLA2G4Cは、卵巣において豊富に発現されるのではなく、心臓および骨格筋において豊富に発現されるという点が異なっている。また、このヒトタンパク質は、リパーゼコンセンサス配列を含むが、他のPLA2酵素において見出されるカルシウム結合ドメインを欠く。したがって、別の細胞質ホスホリパーゼが、ヒト妊孕能により関連し得る。
形質転換性酸性コイルドコイル含有タンパク質(Transforming, Acidic Coiled−Coil Containing Protein 3)(TACC3):マウスでは、TACC3は、成長中の卵母細胞の細胞質において豊富に発現され、中心体における微小管アンカリングのために、また紡錘体形成および細胞生存のために、必要とされる(Fuら、2010年)。
ある特定の実施形態では、遺伝子は、卵母細胞において発現される遺伝子である。例示的な遺伝子には、CTCF、ZFP57、POU5F1、SEBOXおよびHDAC1が含まれる。
他の実施形態では、この遺伝子は、MLH1、PMS1およびPMS2が含まれるがこれらに限定されない、DNA修復経路に関与する遺伝子である。他の実施形態では、この
遺伝子は、BRCA1またはBRCA2である。
遺伝子は、BRCA1またはBRCA2である。
他の実施形態では、バイオマーカーは、不妊症関連遺伝子の遺伝子産物(例えば、RNAまたはタンパク質)である。特定の実施形態では、この遺伝子産物は、母性効果遺伝子の遺伝子産物である。他の実施形態では、この遺伝子産物は、表1からの遺伝子の産物である。ある特定の実施形態では、この遺伝子産物は、卵母細胞において発現される遺伝子の産物、例えば、CTCF、ZFP57、POU5F1、SEBOXおよびHDAC1の産物である。他の実施形態では、この遺伝子産物は、DNA修復経路に関与する遺伝子の産物、例えば、MLH1、PMS1またはPMS2の産物である。他の実施形態では、遺伝子産物は、BRCA1またはBRCA2の産物である。
他の実施形態では、このバイオマーカーは、エピジェネティックな要因、例えば、メチル化パターン(例えば、CpG島の高メチル化)、ヒストンタンパク質のゲノム局在化もしくは翻訳後修飾、またはタンパク質の一般的な翻訳後修飾、例えば、アセチル化、ユビキチン化、リン酸化など、であり得る。
他の実施形態では、本発明の方法は、出生児が障害を発症する危険性を評価するために、不妊症関連バイオマーカーを分析する。本発明は、例示された遺伝子が、推定出生児が障害を発症することの指標でもありつつ、不妊症問題を生じ得ることを認識している。
ある特定の実施形態では、このバイオマーカーは、一炭素代謝経路および細胞巨大分子のメチル化をもたらす他の経路と関連する遺伝子の、遺伝子領域、遺伝子またはRNA/タンパク質産物である(図19)。例示的な遺伝子およびそれらの遺伝子の産物は、以下および図19中に記載される。
メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR):特定の実施形態では、MTHFR遺伝子中の変異(677C>T)は、不妊症と関連する。酵素5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼは、葉酸活性を調節する(Pavlikら、Fertility and Sterility 95巻(7号):2257〜2262頁、2011年)。677TT遺伝子型は、60%低減した酵素活性、不十分な葉酸代謝、減少した血中葉酸、上昇した血漿ホモシステインレベルおよび低減したメチル化能と関連することが、当該分野で公知である。Pavlikら(2011年)は、制御された卵巣過剰刺激(COH)後の血清抗ミュラー管ホルモン(AMH)濃度および回収卵母細胞数(NOR)に対するMTHFR 677C>Tの影響を調査した。IVFのためにCOHを受けている270人の女性を分析し、そのAMHレベルを、10日間のGnRHスーパーアゴニスト処置の後およびCOH前に収集した血液試料から決定した。TTキャリアの平均AMHレベルは、ホモ接合型CC個体またはヘテロ接合型CT個体のレベルよりも有意に高かった。AMH血清濃度は、研究した全ての個体においてNORと有意に相関した。この研究により、MTHFR 677TT遺伝子型がより高い血清AMH濃度と関連するが、逆説的に、COH後のNORに対して陰性効果を有することが結論付けられた。濾胞成熟がMTHFR 677TT個体において遅延され得、このことが引き続いて、AMHを産生するが周期的リクルートメントに向かって進行することができない最初にリクルートされた濾胞のより高い割合を導き得ることが、提唱されている。MTHFRの組織遺伝子発現パターンは、卵母細胞発現寄りのいずれの偏りも示さない(図8)。MTHFR遺伝子におけるこの変異もしくは他の変異(表2)またはMTHFR遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
Jeddi−Tehraniら(American Journal of Reproductive Immunology 66巻(2号):149〜156頁、201
1年)は、反復性妊娠損失(Recurrant Pregnancy Loss)(RPL)に対するMTHFR 677TT遺伝子型の影響を調査した。2回の連続した妊娠損失を経た35歳未満の100人の女性および少なくとも2回の正常な妊娠を経た100人の健康な女性を、RPLについての5つの候補遺伝子危険因子−MTHFR 677C>T、MTHFR 1298A>C、PAI1−675 4G/5G(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター−1プロモーター領域)、BF−455G/A(ベータフィブリノゲンプロモーター領域)およびITGB3 1565T/C(インテグリンベータ3)−の頻度を評価するために使用した。多型の頻度を計算し、症例群と対照群との間で比較した。MTHFR多型(677C>Tおよび1298A>C)ならびにBF−455G/A多型の両方は、RPLと正に関連することが見出され、ITGB3 1565T/C多型はRPLと負に関連することが見出された。PAI−1−6754G/5G多型についてホモ接合型であるがヘテロ接合型でないことは、対照群よりも、RPLを経た患者において有意に高かった。MTHFR遺伝子の両方の変異の存在は、RPLの危険性を高度に増加させた。MTHFR遺伝子におけるこれらの変異および他の変異(表2)またはMTHFR遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
1年)は、反復性妊娠損失(Recurrant Pregnancy Loss)(RPL)に対するMTHFR 677TT遺伝子型の影響を調査した。2回の連続した妊娠損失を経た35歳未満の100人の女性および少なくとも2回の正常な妊娠を経た100人の健康な女性を、RPLについての5つの候補遺伝子危険因子−MTHFR 677C>T、MTHFR 1298A>C、PAI1−675 4G/5G(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター−1プロモーター領域)、BF−455G/A(ベータフィブリノゲンプロモーター領域)およびITGB3 1565T/C(インテグリンベータ3)−の頻度を評価するために使用した。多型の頻度を計算し、症例群と対照群との間で比較した。MTHFR多型(677C>Tおよび1298A>C)ならびにBF−455G/A多型の両方は、RPLと正に関連することが見出され、ITGB3 1565T/C多型はRPLと負に関連することが見出された。PAI−1−6754G/5G多型についてホモ接合型であるがヘテロ接合型でないことは、対照群よりも、RPLを経た患者において有意に高かった。MTHFR遺伝子の両方の変異の存在は、RPLの危険性を高度に増加させた。MTHFR遺伝子におけるこれらの変異および他の変異(表2)またはMTHFR遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT):特定の実施形態では、COMT遺伝子中の変異(472G>A)は、不妊症と関連する。カテコール−O−メチルトランスフェラーゼは、メチル基をSAM(S−アデノシルメチオニン)からカテコールアミンに転移させることによってカテコールアミン神経伝達物質を不活化するいくつかの酵素のうち1つであることが、当該分野で公知である。AA遺伝子バリアントは、酵素の熱安定性を変更し、その活性を1/3〜1/4に低減させることが公知である(Schmidtら、Epidemiology 22巻(4号):476〜485頁、2011年)。Salihら(Fertility and Sterility 89巻(5号、補遺1):1414〜1421頁、2008年)は、顆粒膜細胞におけるCOMT発現の調節を調査し、in vitro実験において、JC410ブタ顆粒膜細胞株およびHGL5ヒト顆粒膜細胞株におけるDNA増殖およびステロイド産生に対する2−ME2(COMT産物)およびCOMTインヒビターの影響を評価した。彼らは、DHT(ジヒドロテストステロン)、インスリンおよびATRA(全トランス型レチノイン酸)によるCOMT発現の調節をさらに評価した。彼らは、顆粒膜細胞におけるCOMT発現が、インスリン、DHTおよびATRAによって上方調節されると結論付けた。さらに、2−ME2は、顆粒膜細胞増殖およびステロイド産生を減少させ、COMT阻害は顆粒膜細胞増殖およびステロイド産生を増加させた。2−ME2の引き続くレベル増加を伴うCOMTの過剰発現は、排卵機能不全を導き得ると仮定された。図9は、COMT mRNAの組織発現パターンを示す。COMT遺伝子におけるこの変異またはCOMT遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
メチオニンシンターゼレダクターゼ(MTRR):特定の実施形態では、メチオニンシンターゼレダクターゼ(MTRR)遺伝子中の変異(A66G)は、不妊症と関連する。MTRRは、酵素メチオニンシンターゼ(MTR)の適切な機能のために必要とされる。MTRは、ホモシステインをメチオニンに変換し、MTRRはMTRを活性化し、それによって、ホモシステインおよびメチオニンのレベルを調節する。母体バリアントA66Gは、ダウン症候群(Pozziら、2009年)および二分脊椎症(Doolinら、American journal of human genetics 71巻(5号):1222〜1226頁、2002年)などの初期発達障害と関連している。図10は、MTRRの組織発現パターンを示す。MTRR遺伝子におけるこの変異またはMTRR遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
ベタイン−ホモシステインS−メチルトランスフェラーゼ(BHMT):特定の実施形態では、BHMT遺伝子中の変異(G716A)は、不妊症と関連する。ベタイン−ホモシステインS−メチルトランスフェラーゼ(BHMT)は、MTRRと共に、葉酸/B−12依存的およびコリン/ベタイン依存的な、ホモシステインのメチオニンへの変換において補助する(図19を参照のこと)。高いホモシステインレベルは、雌性不妊症と関連している(Berkerら、Human Reproduction 24巻(9号):2293〜2302頁、2009年)。Benkhalifaら(2010年)は、制御された卵巣過剰刺激(COH)が、濾胞液中のホモシステイン濃度に影響を与えることを考察している。IVF手順に関わった患者由来の胚胞(germinal vescicle)卵母細胞を使用して、この研究は、ヒト卵母細胞が、MTRおよびBHMTを使用するがCBS(シスタチオニン(Cystathione)ベータシンターゼ)を使用しない再メチル化を介してそのホモシステインレベルを調節できると結論付けている。彼らはさらに、これが、IVF手順の間のインプリンティング問題の危険性を調節し得ることを強調している。図11は、BHMTの組織発現パターンを示す。BHMT遺伝子におけるこの変異またはBHMT遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
Ikedaら(Journal of Experimental Zoology Part A: Ecological Genetics and Physiology 313巻A(3号):129〜136頁、2010年)は、ウシ卵母細胞および移植前の胚において全てのメチル化経路酵素の発現パターンを試験した。ウシ卵母細胞は、MAT1A(メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ)、MAT2A、MAT2B、AHCY(S−アデノシルホモシステインヒドロラーゼ)、MTR、BHMT、SHMT1(セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ)、SHMT2およびMTHFRのmRNAを有することが実証された。これらの転写物は全て、8細胞期以降からは検出されなかったMAT1Aおよび8細胞期において検出されなかったBHMT以外は、全ての発生段階を通じて一貫して発現された。さらに、ウシ胚の移植前の発生に対する外因性ホモシステインの影響を、in vitroで調査した。高い濃度のホモシステインは、ゲノムDNAの高メチル化、ならびにウシ胚における発生遅延を誘導した。これら変則的なメチル化パターンについて母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
葉酸受容体2(FOLR2):特定の実施形態では、FOLR2遺伝子中の変異(rs2298444)は、不妊症と関連する。葉酸受容体2は、葉酸(および葉酸誘導体)を細胞中に輸送することを助ける。ElnakatおよびRatnam(Frontiers in bioscience: a journal and virtual library 11巻:506〜519頁、2006年)は、卵巣癌および子宮内膜癌において、FOLR1と共に、FOLR2を示している。図12は、FOLR2の組織発現パターンを示す。図13は、FOLR1の組織発現パターンを示す。FOLR2遺伝子もしくはFOLR1遺伝子における変異またはFOLR2遺伝子もしくはFOLR1遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が発達障害を示す危険性を評価することが可能になる。
トランスコバラミン2(TCN2):特定の実施形態では、TCN2遺伝子中の変異(C776G)は、不妊症と関連する。トランスコバラミン2は、コバラミン(ビタミンB12)の細胞中への輸送を促進する。Stanislawska−Sachadynら(Eur J ClinNutr 64巻(11号):1338〜1343頁、2010年)は、TCN2 776C>G多型と、血清B12および総ホモシステイン(tHcy)レベルの両方との間の関連性を評価した。北アイルランド出身の613人の男性由来の遺
伝子型を使用して、TCN2 776CC遺伝子型が、776CG遺伝子型および776GG遺伝子型と比較した場合に、より低い血清B12濃度と関連することが示された。さらに、ビタミンB12状況は、TCN2 776C>G遺伝子型とtHcy濃度との間の関連性に影響を与えることが示された。TCN2 776C>G多型は、低いB12および高い総ホモシステイン表現型と関連する病理の危険性に寄与し得る。図14は、TCN2の組織発現パターンを示す。TCN2遺伝子におけるこの変異またはTCN2遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
伝子型を使用して、TCN2 776CC遺伝子型が、776CG遺伝子型および776GG遺伝子型と比較した場合に、より低い血清B12濃度と関連することが示された。さらに、ビタミンB12状況は、TCN2 776C>G遺伝子型とtHcy濃度との間の関連性に影響を与えることが示された。TCN2 776C>G多型は、低いB12および高い総ホモシステイン表現型と関連する病理の危険性に寄与し得る。図14は、TCN2の組織発現パターンを示す。TCN2遺伝子におけるこの変異またはTCN2遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
シスタチオニン−ベータ−シンターゼ(CBS):特定の実施形態では、CBS遺伝子中の変異(rs234715)は、不妊症と関連する。ビタミンB6を補因子として用いて、シスタチオニン−ベータ−シンターゼ(CBS)酵素は、ホモシステインを含硫基移動経路に転用することによって、メチオニン経路からホモシステインを恒久的に除去する反応を触媒する。減少したCBS活性と関連するCBS遺伝子変異はまた、上昇した血漿ホモシステインレベルを導く。Guzmanら(2006年)は、Cbsノックアウトマウスが不妊であることを実証している。彼らは、Cbsヌル雌性の不妊症が子宮不全の結果であり、これが、子宮環境における高ホモシステイン血症または他の要因(複数可)の結果であることをさらに説明している。図15は、CBSの組織発現パターンを示す。CBS遺伝子におけるこの変異またはCBS遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が発達障害を示す危険性を評価することが可能になる。
DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼ1(DNMT1):特定の実施形態では、DNMT1遺伝子中の変異(rs16999593)は、不妊症と関連する。本発明者らは、不妊雌性患者のサブセットにおいて、Dnmt1タンパク質中の残基97におけるヒスチジン(H)からアルギニン(R)への変化を引き起こすrs16999593バリアントを同定した。発生の間に連続的な順序で発現されるDNMT1タンパク質の2つのアイソフォームが存在する(Carlsonら、1992年)。マウスでは、DNMT1oタンパク質は、卵母細胞において合成され、インプリントされた対立遺伝子上のメチル化パターンを維持するように受精後に機能する、母性効果タンパク質であることが公知である。そのアミノ末端におけるさらなる118aaのドメインを伴ってDNMT1oと同じ一次構造を有するDNMT1タンパク質は、胚移植後にDNMT1oを置き換える。両方のDNMT1アイソフォームは、DNA中のシトシン塩基へのメチル基の付加を触媒することによって、CpGジヌクレオチドにおけるメチル化を維持し、CAGリピートを含むリピート配列を安定化することに関与する。
DNMT1および/またはDNMT1oの両方の異常な発現または機能は、雌性不妊症、および不妊症が迂回される場合には推定出生児における障害の提示を導き得る。マウスにおけるDNMT1の枯渇は、親から出生児への伝達の間のCAGリピートの拡大における増加を導く(Dionら、2008年)。さらに、DNMT1の低減は、ヒト細胞において、ミスマッチ修復欠損を引き起こし(Lougheryら、2011年)、CAGトリプレットリピートを不安定化させる(Dionら、2008年)。拡大したCAGリピートトラックは、ハンチントン病(HD)、脊髄小脳変性症1、2、3、6、7および17(SCA1/2/3/6/7/17)ならびに歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)が含まれるがこれらに限定されない種別の神経変性疾患を引き起こし得る。ホモ接合型Dnmt1o欠失を有する雌性マウスは、表現型的に正常に見えるが、ホモ接合型雌性のヘテロ接合型胎児は一般に、ある特定のインプリントされた遺伝子座における対立遺伝子特異的遺伝子発現およびメチル化の喪失に起因して、妊娠期間の最後の3分の1の間に死亡する{Howell:2001hf}。DNMT1におけるrsl6999593バリアントは、DNMT1/DNMT1o機能を変更または弱力化し得、これは、共に出生児障害の危険性を増加させ得る世代間のCAGリピートトラックの拡大および/または
インプリンティングの喪失を引き続いて導く。DNMT1遺伝子におけるこの変異もしくは他の変異またはDNMT1遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
インプリンティングの喪失を引き続いて導く。DNMT1遺伝子におけるこの変異もしくは他の変異またはDNMT1遺伝子の産物の異常な遺伝子発現について母体試料を分析することで、出生児が障害を発症する危険性を評価することが可能になる。
ある特定の実施形態では、このバイオマーカーは、雌性不妊症と以前に関連付けられている遺伝子領域である。標的化された再配列決定によるSNP関連性研究を実施して、雌性不妊症と関連する新たな遺伝子バリアントを調査した。かかる方法は、広範な疾患と関連する顕著なバリアントを同定することにおいて成功している(Rehmanら、2010年;Walshら、2010年)。簡潔に述べると、SNP関連性研究は、多数の試料および対照における対象の遺伝子領域中のSNPを収集し、次いで、症例と対照との間の有意な頻度の差異を示したSNPのそれぞれを試験することによって、実施される。症例と対照との間の有意な頻度の差異は、そのSNPが対象の状態と関連することを示す。
本発明者らは、標的化された再配列決定によるSNP関連性研究を実施し、雌性不妊症と有意に関連する合計286のSNPを同定した。各バリアントを、新規または既知と分類した。
既知のバリアントについて、本発明者らは、1000ゲノムのデータベースから、マイナー対立遺伝子頻度を検索した(Durbinら、2010年)。本発明者らは次いで、各バリアントについて正確な片側2項検定を実施して、観察されたバリアント計数が、マイナー対立遺伝子頻度に基づいて予測された計数よりも統計的に大きかったかどうかを試験した。0.00043未満のP値を有意とみなした。新規バリアントについて、同じ方法を使用したが、0.001の帰属されたマイナー対立遺伝子頻度を使用した。
表2は、出生児が障害を発症する危険性と関連付けられた遺伝子領域内にも入る、雌性不妊症と関連する286のSNPを同定している(表3を参照のこと)。
特定の実施形態では、この不妊症関連遺伝子領域は、以下の表2に示されるSNPから選択される。
Ref=参照対立遺伝子、
Var=バリアント(危険性)対立遺伝子、
MAF=マイナー対立遺伝子頻度、
スコア=正確な片側2項検定のP値−Log10p値
ある特定の実施形態では、このバイオマーカーは、ヒト妊孕能および別の障害と関連する遺伝子領域、遺伝子または遺伝子の遺伝子産物である。出生児障害の例には、神経発生的、神経心理学的または神経遺伝学的障害、例えば、神経管欠損、自閉症スペクトラム障害(古典的自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害および特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)が含まれるがこれらに限定されない)、バルデー・ビードル症候群、注意欠陥多動障害(ADHD)、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、双極性障害、シャルコー・マリー・トゥース症候群または統合失調症;代謝障害、例えば、肥満および糖尿病(I型またはII型);婦人科学的障害および/ま
たは不妊症障害、例えば、子宮内膜症および早期卵巣機能不全(POF);自己免疫障害、例えば、喘息、若年性特発性関節炎、アレルギー、アジソン病、クローン病およびセリアック病;筋ジストロフィー;癌;ならびに心血管疾患、例えば、早期発症型冠動脈心疾患が含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、不妊症/出生児疾患関連の遺伝子領域は、以下の表3に示される遺伝子から選択される遺伝子である。OMIM参照番号は、入手可能な場合に提供される。
アデノシンデアミナーゼ(ADA)は、プリン異化経路におけるアデノシンの脱アミノ化を触媒する酵素である。ADA RNA転写物は、ヒト卵母細胞において高度に発現され、そのタンパク質もまた、マウス卵母細胞プロテオームにおいて検出される。雌性不妊症と関連すること(Nicotraら、1998年)に加えて、公的データベースの検索により、ADAは、自閉症スペクトラム障害(ASD)、喘息、II型糖尿病および肥満を含むいくつかの他の疾患とも関連することが明らかになった。ADA欠損マウスは、重症呼吸促迫に起因しておよそ3週目に死亡し(Blackburnら、2000年)、ADAにおけるいくつかのバリアントは、喘息と関連付けられている(Bottiniら、2002年)。さらに、自閉症の小児は、対照と比較して血清において低減したADA活性を示し、ADA Asp8Asn多型は、対照と比較して、自閉症の小児において過剰に存在する(Bottiniら、2001年)。
AF4/FMR2ファミリー、メンバー2(AFF2)は、pre−mRNAスプライシングをモジュレートすると考えられている核の高密度領域である核スペックル中のスプライシング因子SC35と同時局在する、RNA結合タンパク質および推定転写アクチベーターである。AFF2 RNA転写物は、公的データベースによれば、他の組織と比較して、ヒト卵母細胞において有意に上方調節される。本発明者らが不妊患者に対して実施した小規模研究において、本発明者らは、AFF2遺伝子座(chrX:147737851〜147739165)における稀なコピー数多型を有する患者のサブセットを同定したが、これは、この遺伝子におけるバリアントが雌性不妊症に寄与し得ることを示唆している。同様に、別の研究により、AFF2における微小欠失が、早期卵巣機能不全(POF)の増加した危険性と関連したことが明らかになった(Murrayら、1999年)。雌性不妊症とのその関連に加えて、AFF2中の変異は、精神遅滞とも関連する。AFF2遺伝子座内の微小欠失は、この遺伝子のサイレンシングを生じ得、X連鎖型精神遅滞の1形態である脆弱XE症候群を引き起こす(Sahooら、2011年)。
自閉症感受性候補2(Autism susceptibility candidate 2)(AUTS2):公的データベースによれば、AUTS2 RNAは、成人ヒト雌性卵母細胞において独自に発現され、このタンパク質産物が、この組織において排他的に機能することを暗示している。実際、ブタにおいてAUTS2の機能を変更または抑止するように思われる遺伝子バリアントは、低減した数の黄体と関連しており、高レベルのプロゲステロンを産生するブタ雌性における内分泌構造は、首尾よい生殖に重要である(Satoら、2011年)。成人卵母細胞において機能することに加えて、AUTS2は、発生中の前頭大脳皮質においても発現され、適切な脳形成に寄与し得る(Francesco Bedogni、2010年)。AUTS2におけるいくつかの遺伝子バリアントは、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、てんかんおよび嗜癖を含む、異常な神経発生障害と関連付けられている(Abramsら、1997年;Gunter Schumann、2011年;Talkowskiら、2012年)。
バルデー・ビードル症候群遺伝子(BBS1、BBS2、BBS4、BBS5、BBS6、BBS7、BBS8、BBS9、BBS10およびBBS12)は、複数の細胞型の一次繊毛の形成に関与する基底小体BBSomeの機能を構成または媒介するタンパク質をコードする。BBS遺伝子のいずれかにおける有害な変異は、肥満、網膜症、多指症/多趾症、性腺機能低下症、腎機能不全および精神遅滞によって特徴付けられる繊毛関連疾患ヒト遺伝子障害バルデー・ビードル症候群を引き起こし得る。図20に示すように、BBS1、BBS4、BBS5、BBS7、BBS9およびBBS10は、成人ヒト卵母細胞において有意に過剰発現され、これらの遺伝子が、雌性妊孕能において重要な役割を果たすことを示している。
アッセイ
本発明の方法は、不妊症関連遺伝子中の変異または不妊症関連遺伝子産物の異常な発現(過剰もしくは過小)のいずれかを検出するアッセイを実施するステップを含む。特定の実施形態では、このアッセイは、不妊症関連遺伝子領域またはこれらの領域の産物に対して実施される。核酸アレイ、増幅プライマー、ハイブリダイゼーションプローブなどを作製および使用するために使用されるものなどの従来の方法の詳細な説明は、例えば以下などの標準的な実験室マニュアルにおいて見出すことができる:Genome Analysis: A Laboratory Manual Series (I〜IV巻)、Cold Spring Harbor Laboratory Press;PCR Primer: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびSambrook, Jら、
(2001年)Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版(1〜3巻)、Cold Spring Harbor Laboratory Press。カスタム核酸アレイは、例えば、Affymetrix(Santa Clara、CA)、Applied Biosystems(Foster City、CA)およびAgilent Technologies(Santa Clara、CA)から市販されている。
本発明の方法は、不妊症関連遺伝子中の変異または不妊症関連遺伝子産物の異常な発現(過剰もしくは過小)のいずれかを検出するアッセイを実施するステップを含む。特定の実施形態では、このアッセイは、不妊症関連遺伝子領域またはこれらの領域の産物に対して実施される。核酸アレイ、増幅プライマー、ハイブリダイゼーションプローブなどを作製および使用するために使用されるものなどの従来の方法の詳細な説明は、例えば以下などの標準的な実験室マニュアルにおいて見出すことができる:Genome Analysis: A Laboratory Manual Series (I〜IV巻)、Cold Spring Harbor Laboratory Press;PCR Primer: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびSambrook, Jら、
(2001年)Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版(1〜3巻)、Cold Spring Harbor Laboratory Press。カスタム核酸アレイは、例えば、Affymetrix(Santa Clara、CA)、Applied Biosystems(Foster City、CA)およびAgilent Technologies(Santa Clara、CA)から市販されている。
遺伝子領域中の変異を検出する方法は、当該分野で公知である。ある特定の実施形態では、単一の不妊症関連遺伝子領域における変異が、不妊症を示す。他の実施形態では、このアッセイは、1つより多い遺伝子領域に対して実施され、これらの遺伝子領域のうち少なくとも2つにおける変異が、不妊症を示す。他の実施形態では、これらの遺伝子領域のうち少なくとも3つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも4つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも5つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも6つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも7つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも8つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも9つにおける変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも10個における変異が、不妊症を示す;これらの遺伝子領域のうち少なくとも15個における変異が、不妊症を示す;または表1からの遺伝子領域の全てにおける変異が、不妊症を示す。
ある特定の実施形態では、特定の位置におけ既知の一塩基多型は、その位置に隣接する試料DNAに結合するプライマーについての単一塩基伸長によって検出され得る。例えば、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Shuberら(米国特許第6,566,101号)を参照のこと。他の実施形態では、対象のSNPと重複し、その位置における特定のヌクレオチドを含む試料核酸に選択的にハイブリダイズするハイブリダイゼーションプローブが、使用され得る。例えば、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Shuberら(米国特許第6,214,558号および米国特許第6,300,077号)を参照のこと。
特定の実施形態では、核酸は、野生型および/または非変異形態の配列と比較して、その核酸におけるバリアント(即ち変異)を検出するために、配列決定される。この核酸は、複数の遺伝子エレメントから誘導された複数の核酸を含み得る。配列バリアントを検出する方法は、当該分野で公知であり、配列バリアントは、アンサンブル(ensemble)配列決定または単分子配列決定などの、当該分野で公知の任意の配列決定法によって検出され得る。
配列決定は、当該分野で公知の任意の方法によるものであり得る。DNA配列決定技術には、標識されたターミネーターまたはプライマー、およびスラブまたはキャピラリーにおけるゲル分離を使用する、古典的なジデオキシ配列決定反応(Sanger法)、可逆的に終結された標識されたヌクレオチドを使用する合成時解読、ピロ配列決定、454配列決定、標識されたオリゴヌクレオチドプローブのライブラリーに対する対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション、標識されたクローンのライブラリーに対する対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションを使用し、その後にライゲーションが行われる合成時解読、重合ステップの間の標識されたヌクレオチドの取り込みのリアルタイムモニタリング、ポロニー(polony)配列決定およびSOLiD配列決定が含まれる。分離された分子の配列決定が、ポリメラーゼまたはリガーゼを使用する連続的または単一の伸長反応によって、およびプローブのライブラリーとの単一または連続的な示差的ハイブリダイゼーションによって、より最近になって実証された。
配列決定を実施するための1つの従来の方法は、Sangerら、Proc Natl. Acad. Sci. U S A、74巻(12号):5463〜67頁(1977年)に記載されるような、鎖終結およびゲル分離によるものである。別の従来の配列決定法は、核酸断片の化学的分解を含む。Maxamら、Proc. Natl. Acad. Sci.、74巻:560〜564頁(1977年)を参照のこと。ハイブリダイゼーションによる配列決定に基づく方法もまた開発されている。例えば、Harrisら(米国特許出願公開第2009/0156412号)を参照のこと。各参考文献の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。
提供された本発明の方法において使用され得る配列決定技術には、例えば、Helicos True Single Molecule Sequencing(tSMS)(Harris T. D.ら(2008年)Science 320巻:106〜109頁)が含まれる。tSMS技術では、DNA試料は、およそ100〜200ヌクレオチドの鎖へと切断され、ポリA配列が、各DNA鎖の3’末端に付加される。各鎖は、蛍光標識されたアデノシンヌクレオチドの付加によって標識される。次いで、DNA鎖は、フローセル表面に固定化された数百万のオリゴT捕捉部位を含むフローセルにハイブリダイズされる。鋳型は、約1億鋳型/cm2の密度であり得る。次いで、フローセルは、HeliScope(商標)シーケンサーなどの機器中にロードされ、レーザーがフローセルの表面に照明を当て、各鋳型の位置を明らかにする。CCDカメラが、フローセル表面上の鋳型の位置をマッピングし得る。次いで、鋳型の蛍光標識が切断され、洗浄して除かれる。配列決定反応は、DNAポリメラーゼおよび蛍光標識されたヌクレオチドを導入することによって開始される。オリゴT核酸はプライマーとして機能する。ポリメラーゼは、鋳型指向的な様式で、標識されたヌクレオチドをプライマー中に取り込む。ポリメラーゼおよび取り込まれていないヌクレオチドが除去される。蛍光標識されたヌクレオチドの取り込みを指向した鋳型は、フローセル表面を画像化することによって検出される。画像化後、切断ステップが蛍光標識を除去し、このプロセスは、所望の読み取り長が達成されるまで、他の蛍光標識されたヌクレオチドを用いて繰り返される。配列情報は、各ヌクレオチド付加ステップで収集される。tSMSのさらなる説明は、例えば、Lapidusら(米国特許第7,169,560号)、Lapidusら(米国特許出願第2009/0191565号)、Quakeら(米国特許第6,818,395号)、Harris(米国特許第7,282,337号)、Quakeら(米国特許出願公開第2002/0164629号)およびBraslavskyら、PNAS (USA)、100巻:3960〜3964頁(2003年)中に示されており、これらの参考文献の各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。
提供された本発明の方法において使用され得るDNA配列決定技術の別の例は、454配列決定(Roche)(Margulies, Mら 2005年、Nature、437巻、376〜380頁)である。454配列決定は2つのステップを含む。第一のステップでは、DNAが、およそ300〜800塩基対の断片へと剪断され、これらの断片が平滑末端化される。次いで、オリゴヌクレオチドアダプターがこれらの断片の末端にライゲーションされる。アダプターは、断片の増幅および配列決定のためのプライマーとして機能する。これらの断片は、例えば、5’−ビオチンタグを含むアダプターBを使用して、DNA捕捉ビーズ、例えば、ストレプトアビジン被覆ビーズに付着され得る。ビーズに付着された断片は、油−水エマルジョンの液滴内でPCR増幅される。結果は、各ビーズ上のクローン増幅されたDNA断片の複数コピーである。第二のステップでは、これらのビーズがウェル中で捕捉される(ピコリットルサイズ)。ピロ配列決定が、各DNA断片に対して並行して実施される。1つまたは複数のヌクレオチドの付加は、配列決定機器中のCCDカメラによって記録される光シグナルを生じる。シグナル強度は、取り込まれたヌクレオチドの数と比例する。ピロ配列決定は、ヌクレオチド付加の際に放出されるピロリン酸(PPi)を使用する。PPiは、アデノシン5’ホスホ硫酸の存在下で、AT
PスルフリラーゼによってATPに変換される。ルシフェラーゼは、ルシフェリンをオキシルシフェリンに変換するためにATPを使用し、この反応は、検出および分析される光を生じる。
PスルフリラーゼによってATPに変換される。ルシフェラーゼは、ルシフェリンをオキシルシフェリンに変換するためにATPを使用し、この反応は、検出および分析される光を生じる。
提供された本発明の方法において使用され得るDNA配列決定技術の別の例は、SOLiD技術(Applied Biosystems)である。SOLiD配列決定では、ゲノムDNAが断片へと剪断され、アダプターが、これらの断片の5’末端および3’末端に付着されて、断片ライブラリーを生成する。あるいは、内部アダプターが、断片の5’末端および3’末端にアダプターをライゲーションさせ、断片を環化し、環化した断片を消化して内部アダプターを生成し、得られた断片の5’末端および3’末端にアダプターを付着させてメイトペアライブラリーを生成することによって、導入される。次に、クローン性ビーズ集団が、ビーズ、プライマー、鋳型およびPCR成分を含むマイクロリアクター中で調製される。PCR後、鋳型を変性させ、ビーズを富化して、伸長した鋳型を有するビーズを分離する。選択されたビーズ上の鋳型が、ガラススライドへの結合を可能にする3’改変に供される。配列は、特異的フルオロフォアによって同定される中心の決定された塩基(または塩基の対)を有する部分的にランダムなオリゴヌクレオチドの、連続的なハイブリダイゼーションおよびライゲーションによって決定され得る。色を記録した後、ライゲーションされたオリゴヌクレオチドは切断および除去され、次いでこのプロセスが繰り返される。
提供された本発明の方法において使用され得るDNA配列決定技術の別の例は、Ion
Torrent配列決定(米国特許出願公開第2009/0026082号、米国特許出願公開第2009/0127589号、米国特許出願公開第2010/0035252号、米国特許出願公開第2010/0137143号、米国特許出願公開第2010/0188073号、米国特許出願公開第2010/0197507号、米国特許出願公開第2010/0282617号、米国特許出願公開第2010/0300559号)、米国特許出願公開第2010/0300895号、米国特許出願公開第2010/0301398号および米国特許出願公開第2010/0304982号)であり、これらの各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。Ion Torrent配列決定では、DNAは、およそ300〜800塩基対の断片へと剪断され、これらの断片が平滑末端化される。次いで、オリゴヌクレオチドアダプターがこれらの断片の末端にライゲーションされる。アダプターは、断片の増幅および配列決定のためのプライマーとして機能する。これらの断片は、表面に付着され得、これらの断片が個々に分離可能なように、分離の場所で付着される。1つまたは複数のヌクレオチドの付加は、プロトン(H+)を放出し、そのシグナルが配列決定機器において検出および記録される。シグナル強度は、取り込まれたヌクレオチドの数と比例する。
Torrent配列決定(米国特許出願公開第2009/0026082号、米国特許出願公開第2009/0127589号、米国特許出願公開第2010/0035252号、米国特許出願公開第2010/0137143号、米国特許出願公開第2010/0188073号、米国特許出願公開第2010/0197507号、米国特許出願公開第2010/0282617号、米国特許出願公開第2010/0300559号)、米国特許出願公開第2010/0300895号、米国特許出願公開第2010/0301398号および米国特許出願公開第2010/0304982号)であり、これらの各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。Ion Torrent配列決定では、DNAは、およそ300〜800塩基対の断片へと剪断され、これらの断片が平滑末端化される。次いで、オリゴヌクレオチドアダプターがこれらの断片の末端にライゲーションされる。アダプターは、断片の増幅および配列決定のためのプライマーとして機能する。これらの断片は、表面に付着され得、これらの断片が個々に分離可能なように、分離の場所で付着される。1つまたは複数のヌクレオチドの付加は、プロトン(H+)を放出し、そのシグナルが配列決定機器において検出および記録される。シグナル強度は、取り込まれたヌクレオチドの数と比例する。
提供された本発明の方法において使用され得る配列決定技術の別の例は、Illumina配列決定である。Illumina配列決定は、フォールドバック(fold−back)PCRおよびアンカリングされたプライマーを使用した固体表面上でのDNAの増幅に基づく。ゲノムDNAが断片化され、アダプターが断片の5’末端および3’末端に付加される。フローセルチャネルの表面に付着されたDNA断片が伸長され、ブリッジ増幅される。断片は二本鎖になり、これら二本鎖の分子が変性される。複数サイクルの固相増幅とその後の変性は、フローセルの各チャネルにおいて、同じ鋳型のおよそ1,000コピーの一本鎖DNA分子の、数百万のクラスターを創出できる。プライマー、DNAポリメラーゼおよび4種のフルオロフォア標識された可逆的に終結するヌクレオチドが、連続的配列決定を実施するために使用される。ヌクレオチド取り込みの後、フルオロフォアを励起するためにレーザーが使用され、画像が捕捉され、最初の塩基の正体が記録される。各取り込まれた塩基から3’ターミネーターおよびフルオロフォアを除去し、組込み、検出および同定のステップが繰り返される。
提供された本発明の方法において使用され得る配列決定技術の別の例には、Pacific Biosciencesの単分子リアルタイム(SMRT)技術が含まれる。SMRTでは、4種のDNA塩基の各々が、4種の異なる蛍光色素のうち1種に付着される。これらの色素は、リン酸連結される(phospholinked)。単一のDNAポリメラーゼが、ゼロモード導波路(ZMW)の底において単一分子の鋳型一本鎖DNAと固定化される。ZMWは、ZMWの外側において迅速に(マイクロ秒で)拡散する蛍光ヌクレオチドの背景に対して、DNAポリメラーゼによる単一ヌクレオチドの取り込みの観察を可能にする、閉じ込め構造である。成長中の鎖に1ヌクレオチドを取り込むには、数ミリ秒かかる。この時間の間に、蛍光標識が励起され、蛍光シグナルを生じ、蛍光タグが切断されて除かれる。色素の対応する蛍光の検出は、その塩基が取り込まれたことを示す。このプロセスが繰り返される。
提供された本発明の方法において使用され得る配列決定技術の別の例は、ナノポア配列決定である(Soni G VおよびMeller A.(2007年)Clin Chem 53巻:1996〜2001頁)。ナノポアは、直径が1ナノメートルのオーダーの小さい穴である。導電性流体中でのナノポアの浸漬およびナノポアを横断する電位の適用は、ナノポアを通過するイオンの伝導に起因する僅かな電流を生じる。流れる電流の量は、ナノポアのサイズに対して感受性である。DNA分子がナノポアを通過する際に、DNA分子上の各ヌクレオチドは、ナノポアを異なる程度まで詰まらせる。したがって、DNA分子がナノポアを通過する際の、ナノポアを通過する電流における変化は、DNA配列の読み取りを示す。
提供された本発明の方法において使用され得る配列決定技術の別の例には、化学感応性電界効果トランジスタ(chemFET)アレイを使用して、DNAを配列決定することが含まれる(例えば、米国特許出願公開第20090026082号に記載される)。この技術の一例では、DNA分子は反応チャンバ中に配置され得、鋳型分子が、ポリメラーゼに結合した配列決定プライマーにハイブリダイズされ得る。配列決定プライマーの3’末端における新たな核酸鎖中への1つまたは複数の三リン酸の取り込みは、chemFETによって、電流における変化によって検出され得る。アレイは複数のchemFETセンサーを有し得る。別の例では、単一の核酸がビーズに付着され得、核酸がビーズ上で増幅され得、個々のビーズが、chemFETアレイ上の個々の反応チャンバに移され得、各チャンバは、chemFETセンサーを有し、核酸が配列決定され得る。
提供された本発明の方法において使用され得る配列決定技術の別の例には、電子顕微鏡を使用することが含まれる(Moudrianakis E. N.およびBeer M. Proc Natl Acad Sci USA. 1965年3月;53巻:564〜71頁)。この技術の一例では、個々のDNA分子が、電子顕微鏡を使用して識別可能な金属標識を使用して標識される。次いで、これらの分子は、平らな表面上で引き伸ばされ、配列を測定するために、電子顕微鏡を使用して画像化される。
試料由来の核酸が分解されるか、または最小量の核酸のみが試料から取得できる場合、PCRが、配列決定のために十分な量の核酸を得るために、核酸に対して実施され得る(例えば、その内容が本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる、Mullisらの米国特許第4,683,195号を参照のこと)。
遺伝子産物(例えば、RNAまたはタンパク質)のレベルを検出する方法は、当該分野で公知である。試料におけるmRNA発現の定量のために当該分野で一般に使用される方法には、ノサンブロッティングおよびin situハイブリダイゼーション(ParkerおよびBarnes、Methods in Molecular Biology
106巻:247〜283(1999年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる);RNAse保護アッセイ(Hod、Biotechniques 13巻:852〜854頁(1992年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる);およびPCRベースの方法、例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)(Weisら、Trends in Genetics 8巻:263〜264頁(1992年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる)が含まれる。あるいは、RNA二重鎖、DNA−RNAハイブリッド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含む特定の二重鎖を認識できる抗体が、使用され得る。遺伝子発現(例えば、RNAまたはタンパク質の量)を測定するための当該分野で公知の他の方法は、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Yeatmanら(米国特許出願公開第2006/0195269号)中に示されている。
106巻:247〜283(1999年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる);RNAse保護アッセイ(Hod、Biotechniques 13巻:852〜854頁(1992年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる);およびPCRベースの方法、例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)(Weisら、Trends in Genetics 8巻:263〜264頁(1992年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる)が含まれる。あるいは、RNA二重鎖、DNA−RNAハイブリッド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含む特定の二重鎖を認識できる抗体が、使用され得る。遺伝子発現(例えば、RNAまたはタンパク質の量)を測定するための当該分野で公知の他の方法は、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Yeatmanら(米国特許出願公開第2006/0195269号)中に示されている。
示差的に発現される遺伝子または示差的遺伝子発現とは、正常または対照の対象におけるその発現と比較して、不妊症などの障害に罹患している対象において、より高いレベルまたはより低いレベルまでその発現が活性化される遺伝子を指す。これらの用語は、同じ障害の異なる段階においてより高いレベルまたはより低いレベルまでその発現が活性化される遺伝子もまた含む。示差的に発現される遺伝子は、核酸レベルまたはタンパク質レベルにおいて活性化または阻害され得、あるいは選択的スプライシングに供されて異なるポリペプチド産物を生じ得ることもまた、理解される。かかる差異は、例えば、mRNAレベル、表面発現、分泌またはポリペプチドの他の分配における変化によって証明され得る。
示差的遺伝子発現には、正常な対象と不妊症などの障害に罹患している対象との間で、または同じ障害の種々の段階の間で異なる、2つ以上の遺伝子もしくはその遺伝子産物間での発現の比較、または2つ以上の遺伝子もしくはその遺伝子産物間での発現の比率の比較、またはさらには同じ遺伝子の2つの示差的にプロセシングされた産物の比較が含まれ得る。示差的発現は、遺伝子またはその発現産物における時間的発現パターンまたは細胞発現パターンにおける、定量的および定性的の両方の差異を含む。示差的遺伝子発現(発現における増加または減少)は、正常細胞における発現に対する、百分率変化または倍率変化に基づく。増加は、正常細胞における発現レベルに対して、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180または200%の増加であり得る。あるいは、倍率増加は、正常細胞における発現レベルに対して、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5または10倍の増加であり得る。減少は、正常細胞における発現レベルに対して、1、5、10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、99または100%の減少であり得る。
ある特定の実施形態では、逆転写PCR(RT−PCR)が、遺伝子発現を測定するために使用される。RT−PCRは、密接に関連したmRNA間を区別し、RNA構造を分析するために、遺伝子発現のパターンを特徴付けるために異なる試料集団におけるmRNAレベルを比較するために使用され得る定量的方法である。
第一のステップは、標的試料からのmRNAの単離である。出発材料は典型的に、ヒトの組織または体液から単離された総RNAである。
mRNA抽出のための一般的方法は、当該分野で周知であり、Ausubelら、Current Protocols of Molecular Biology、John Wiley and Sons(1997年)を含む、分子生物学の標準的教科書中に開示されている。パラフィン包埋組織からのRNA抽出のための方法は、例えば、Ru
ppおよびLocker、Lab Invest. 56巻:A67頁(1987年)ならびにDe Andresら、BioTechniques 18巻:42044頁(1995年)に開示されている。これらの参考文献の各々の内容は、本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる。特に、RNA単離は、製造業者の指示に従って、Qiagenなどの製造業者からの精製キット、緩衝液セットおよびプロテアーゼを使用して実施され得る。例えば、培養物中の細胞由来の総RNAは、Qiagen RNeasyミニカラムを使用して単離され得る。他の市販のRNA単離キットには、MASTERPURE
Complete DNA and RNA Purification Kit(EPICENTRE、Madison、Wis.)およびParaffin Block RNA Isolation Kit(Ambion,Inc.)が含まれる。組織試料由来の総RNAは、RNA Stat−60(Tel−Test)を使用して単離され得る。腫瘍から調製されたRNAは、例えば、塩化セシウム密度勾配遠心分離によって単離され得る。
ppおよびLocker、Lab Invest. 56巻:A67頁(1987年)ならびにDe Andresら、BioTechniques 18巻:42044頁(1995年)に開示されている。これらの参考文献の各々の内容は、本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる。特に、RNA単離は、製造業者の指示に従って、Qiagenなどの製造業者からの精製キット、緩衝液セットおよびプロテアーゼを使用して実施され得る。例えば、培養物中の細胞由来の総RNAは、Qiagen RNeasyミニカラムを使用して単離され得る。他の市販のRNA単離キットには、MASTERPURE
Complete DNA and RNA Purification Kit(EPICENTRE、Madison、Wis.)およびParaffin Block RNA Isolation Kit(Ambion,Inc.)が含まれる。組織試料由来の総RNAは、RNA Stat−60(Tel−Test)を使用して単離され得る。腫瘍から調製されたRNAは、例えば、塩化セシウム密度勾配遠心分離によって単離され得る。
RT−PCRによる遺伝子発現プロファイリングにおける第一のステップは、cDNAへのRNA鋳型の逆転写であり、その後、PCR反応におけるその指数関数的増幅が行われる。2つの最も一般的に使用される逆転写酵素は、トリ骨髄芽球症ウイルス(avilo myeloblastosis virus)逆転写酵素(AMV−RT)およびモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV−RT)である。逆転写ステップは典型的に、状況および発現プロファイリングの目的に依存して、特異的プライマー、ランダムヘキサマーまたはオリゴdTプライマーを使用して開始される。例えば、抽出されたRNAは、製造業者の指示に従って、Gene Amp RNA PCRキット(Perkin Elmer、Calif.、USA)を使用して逆転写され得る。次いで、誘導されたcDNAは、引き続くPCR反応において鋳型として使用され得る。
PCRステップは、種々の熱安定性DNA依存性DNAポリメラーゼを使用できるが、典型的には、5’−3’ヌクレアーゼ活性を有するが3’−5’プルーフリーディングエンドヌクレアーゼ活性を欠くTaq DNAポリメラーゼを使用する。したがって、TaqMan(登録商標)PCRは典型的に、その標的アンプリコンに結合したハイブリダイゼーションプローブをハイブリダイズするために、Taqポリメラーゼの5’−ヌクレアーゼ活性を利用するが、等価な5’ヌクレアーゼ活性を有する任意の酵素が使用され得る。2つのオリゴヌクレオチドプライマーが、PCR反応に典型的なアンプリコンを生成するために使用される。第三のオリゴヌクレオチド、またはプローブが、2つのPCRプライマー間に位置するヌクレオチド配列を検出するために設計される。このプローブは、Taq DNAポリメラーゼ酵素によっては伸長不能であり、レポーター蛍光色素およびクエンチャー蛍光色素を用いて標識される。2つの色素がこのプローブ上に存在するので、レポーター色素からの任意のレーザー誘導された発光は、これら2つの色素が近くに位置している場合、クエンチング色素によってクエンチされる。増幅反応の間に、Taq DNAポリメラーゼ酵素は、鋳型依存的様式でプローブを切断する。得られたプローブ断片は、溶液中で解離し、放出されたレポーター色素からのシグナルは、第二のフルオロフォアのクエンチング効果から自由になる。1分子のレポーター色素が、合成された新たな分子のそれぞれについて放出され、クエンチされていないレポーター色素の検出は、データの定量的解釈のための基礎を提供する。
TaqMan(登録商標)RT−PCRは、市販の設備、例えば、ABI PRISM
7700(商標)Sequence Detection System(商標)(Perkin−Elmer−Applied Biosystems、Foster City、Calif.、USA)またはLightcycler(Roche Molecular Biochemicals、Mannheim、Germany)などを使用して実施され得る。ある特定の実施形態では、5’ヌクレアーゼ手順は、ABI PRI
SM 7700(商標)Sequence Detection System(商標)などのリアルタイム定量PCRデバイスで実施される。このシステムは、サーモサイクラー、レーザー、電荷結合素子(CCD)、カメラおよびコンピューターからなる。このシステムは、サーモサイクラー上で96ウェル形式で試料を増幅する。増幅の間、レーザー誘導された蛍光シグナルが、96ウェル全てについて光ファイバーケーブルを介してリアルタイムで収集され、CCDにおいて検出される。このシステムは、機器を走らせるためおよびデータを分析するためのソフトウェアを含む。
7700(商標)Sequence Detection System(商標)(Perkin−Elmer−Applied Biosystems、Foster City、Calif.、USA)またはLightcycler(Roche Molecular Biochemicals、Mannheim、Germany)などを使用して実施され得る。ある特定の実施形態では、5’ヌクレアーゼ手順は、ABI PRI
SM 7700(商標)Sequence Detection System(商標)などのリアルタイム定量PCRデバイスで実施される。このシステムは、サーモサイクラー、レーザー、電荷結合素子(CCD)、カメラおよびコンピューターからなる。このシステムは、サーモサイクラー上で96ウェル形式で試料を増幅する。増幅の間、レーザー誘導された蛍光シグナルが、96ウェル全てについて光ファイバーケーブルを介してリアルタイムで収集され、CCDにおいて検出される。このシステムは、機器を走らせるためおよびデータを分析するためのソフトウェアを含む。
5’−ヌクレアーゼアッセイデータは、Ct即ち閾値サイクルとして最初に表現される。上で議論したように、蛍光値は、全てのサイクルの間に記録され、増幅反応中のその時点までに増幅された産物の量を示す。蛍光シグナルが統計的に有意であると最初に記録される時点が、閾値サイクル(Ct)である。
誤差および試料から試料のバリエーションの影響を最小化するために、RT−PCRは通常、内部標準を使用して実施される。理想的な内部標準は、異なる組織間で一定のレベルで発現され、実験処理によって影響を受けない。遺伝子発現のパターンを正規化するために最も頻繁に使用されるRNAは、ハウスキーピング遺伝子グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)およびβ−アクチンのmRNAである。移植前の胚および卵母細胞に対して分析を実施するためには、Chukが、正規化のために使用される遺伝子である。
RT−PCR技術のより最近のバリエーションは、二重標識された蛍光発生(fluorigenic)プローブ(即ち、TaqMan(登録商標)プローブ)を介してPCR産物の蓄積を測定する、リアルタイム定量PCRである。リアルタイムPCRは、各標的配列に対する内部競合因子が正規化のために使用される定量的競合的PCR、および試料内に含まれる正規化遺伝子もしくはRT−PCRのためのハウスキーピング遺伝子を使用する定量的競合的PCRの両方と、適合性である。さらなる詳細については、例えば、その内容が本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる、Heldら、Genome Research 6巻:986〜994頁(1996年)を参照のこと。
別の実施形態では、MassARRAYベースの遺伝子発現プロファイリング法が、遺伝子発現を測定するために使用される。Sequenom,Inc.(San Diego、Calif.)によって開発されたMassARRAYベースの遺伝子発現プロファイリング法では、RNAの単離および逆転写の後に、得られたcDNAが、単一の塩基を除く全ての位置において標的化されたcDNA領域と一致し、内部標準として機能する、合成DNA分子(競合因子)でスパイクされる(spiked)。このcDNA/競合因子混合物は、PCR増幅され、残りのヌクレオチドの脱リン酸化を生じるPCR後エビアルカリホスファターゼ(SAP)酵素処理に供される。アルカリホスファターゼの不活化後、競合因子およびcDNA由来のPCR産物は、競合因子由来のPCR産物およびcDNA由来のPCR産物について別個の質量シグナルを生じるプライマー伸長に供される。精製後、これらの産物は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF MS)分析による分析に必要な成分を予めロードしたチップアレイ上に分注される。次いで、この反応中に存在するcDNAが、生成された質量スペクトルにおけるピーク面積の比率を分析することによって定量される。さらなる詳細については、例えば、DingおよびCantor、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100巻:3059〜3064頁(2003年)を参照のこと。
さらなるPCRベースの技術には、例えば、ディファレンシャルディスプレイ(LiangおよびPardee、Science 257巻:967〜971頁(1992年));増幅断片長多型(iAFLP)(Kawamotoら、Genome Res. 1
2巻:1305〜1312頁(1999年));BeadArray(商標)技術(Illumina、San Diego、Calif.;Oliphantら、Discovery of Markers for Disease (Supplement to Biotechniques)、2002年6月;Fergusonら、Analytical Chemistry 72巻:5618頁(2000年));遺伝子発現についての迅速なアッセイにおいて市販のLuminex100 LabMAPシステムおよび複数色コード化ミクロスフェア(Luminex Corp.、Austin、Tex.)を使用するBeadsArray for Detection of Gene
Expression(BADGE)(Yangら、Genome Res. 11巻:1888〜1898頁(2001年));および高カバー率発現プロファイリング(HiCEP)分析(Fukumuraら、Nucl. Acids. Res. 31巻(16号)e94頁(2003年))が含まれる。これらの各々の内容は、本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる。
2巻:1305〜1312頁(1999年));BeadArray(商標)技術(Illumina、San Diego、Calif.;Oliphantら、Discovery of Markers for Disease (Supplement to Biotechniques)、2002年6月;Fergusonら、Analytical Chemistry 72巻:5618頁(2000年));遺伝子発現についての迅速なアッセイにおいて市販のLuminex100 LabMAPシステムおよび複数色コード化ミクロスフェア(Luminex Corp.、Austin、Tex.)を使用するBeadsArray for Detection of Gene
Expression(BADGE)(Yangら、Genome Res. 11巻:1888〜1898頁(2001年));および高カバー率発現プロファイリング(HiCEP)分析(Fukumuraら、Nucl. Acids. Res. 31巻(16号)e94頁(2003年))が含まれる。これらの各々の内容は、本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる。
ある特定の実施形態では、示差的遺伝子発現はまた、マイクロアレイ技術を使用して同定または確認され得る。この方法では、対象のポリヌクレオチド配列(cDNAおよびオリゴヌクレオチドを含む)が、マイクロチップ基材上にプレートされるかまたはアレイされる。次いで、アレイされた配列は、対象の細胞または組織由来の特異的DNAプローブとハイブリダイズされる。マイクロアレイを作製する方法および遺伝子産物発現(例えば、RNAまたはタンパク質)を決定する方法は、その内容が本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる、Yeatmanら(米国特許出願公開第2006/0195269号)中に示される。
マイクロアレイ技術の特定の実施形態では、cDNAクローンのPCR増幅された挿入物が、高密度アレイにおいて基材に適用され、例えば、少なくとも10,000のヌクレオチド配列が、基材に適用される。それぞれ10,000のエレメントでマイクロチップ上に固定化されたマイクロアレイされた遺伝子は、ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションに適している。蛍光標識されたcDNAプローブは、対象の組織から抽出されたRNAの逆転写による蛍光ヌクレオチドの取り込みを介して生成され得る。チップに適用された標識されたcDNAプローブは、アレイ上のDNAの各スポットに対して特異的にハイブリダイズする。非特異的に結合したプローブを除去するためのストリンジェントな洗浄の後、チップは、共焦点レーザー顕微鏡によって、またはCCDカメラなどの別の検出方法によって、スキャンされる。各アレイされたエレメントのハイブリダイゼーションの定量により、対応するmRNAの存在量の評価が可能になる。二色蛍光を用いて、RNAの2つの供給源から生成された個別に標識されたcDNAプローブが、このアレイに対して対になってハイブリダイズされる。したがって、各特定化された遺伝子に対応する2つの供給源由来の転写物の相対的存在量が、同時に決定される。ハイブリダイゼーションの小型化した規模により、多数の遺伝子の発現パターンの簡便かつ迅速な評価が可能になる。かかる方法は、1細胞当たり数コピーで発現される稀な転写物を検出するため、および発現レベルにおける少なくともおよそ2倍の差異を再現性良く検出するために必要な感度を有することが示されている(Schenaら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93巻(2号):106〜149頁(1996年)、その内容は本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる)。マイクロアレイ分析は、製造業者のプロトコールに従って市販の設備によって、例えば、Affymetrix GenChip技術またはIncyteのマイクロアレイ技術を使用することによって、実施され得る。
あるいは、タンパク質レベルは、結合部位が、細胞ゲノムによってコードされる複数のタンパク質種に対して特異的な、固定化された好ましくはモノクローナルの抗体を含む、抗体マイクロアレイを構築することによって決定され得る。好ましくは、抗体は、対象の
タンパク質の実質的な部分について存在する。モノクローナル抗体を作製する方法は周知である(例えば、その全体が全ての目的のために組み込まれる、HarlowおよびLane、1988年、ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照のこと)。一実施形態では、モノクローナル抗体は、細胞のゲノム配列に基づいて設計された合成ペプチド断片に対して惹起される。かかる抗体アレイを用いて、細胞由来のタンパク質がアレイと接触され、それらの結合が、当該分野で公知のアッセイを用いてアッセイされる。一般に、診断的興味および予後判定的興味が持たれるタンパク質の発現および発現のレベルは、組織スライスまたは切片の免疫組織化学染色を介して検出され得る。
タンパク質の実質的な部分について存在する。モノクローナル抗体を作製する方法は周知である(例えば、その全体が全ての目的のために組み込まれる、HarlowおよびLane、1988年、ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照のこと)。一実施形態では、モノクローナル抗体は、細胞のゲノム配列に基づいて設計された合成ペプチド断片に対して惹起される。かかる抗体アレイを用いて、細胞由来のタンパク質がアレイと接触され、それらの結合が、当該分野で公知のアッセイを用いてアッセイされる。一般に、診断的興味および予後判定的興味が持たれるタンパク質の発現および発現のレベルは、組織スライスまたは切片の免疫組織化学染色を介して検出され得る。
最後に、多数の組織検体におけるマーカー遺伝子の転写物のレベルが、「組織アレイ」を使用して特徴付けられ得る(Kononenら、Nat. Med 4巻(7号):844〜7頁(1998年))。組織アレイでは、複数の組織試料が同じマイクロアレイで評価される。このアレイにより、RNAレベルおよびタンパク質レベルのin situ検出が可能になる;連続切片により、複数の試料を同時に分析することが可能になる。
他の実施形態では、Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)が、遺伝子発現を測定するために使用される。Serial analysis of gene expression(SAGE)は、各転写物について個々のハイブリダイゼーションプローブを提供する必要性なしに、多数の遺伝子転写物の同時かつ定量的な分析を可能にする方法である。まず、転写物を独自に同定するのに十分な情報を含む短い配列タグ(約10〜14bp)が生成されるが、ただし、このタグは、各転写物内の独自の位置から得られる。次いで、多くの転写物が一緒に連結されて、配列決定できる長い連続分子を形成し、複数のタグの正体を同時に明らかにする。転写物の任意の集団の発現パターンが、個々のタグの存在量を決定し、各タグに対応する遺伝子を同定することによって、定量的に評価され得る。さらなる詳細については、例えば、そのそれぞれの内容が本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる、Velculescuら、Science 270巻:484〜487頁(1995年);およびVelculescuら、Cell 88巻:243〜51頁(1997年)を参照のこと。
他の実施形態では、Massively Parallel Signature Sequencing(MPSS)が、遺伝子発現を測定するために使用される。Brennerら、Nature Biotechnology 18巻:630〜634頁(2000年)によって記載されるこの方法は、非ゲルベースのシグネチャー配列決定を、個別の5μm直径のマイクロビーズ上での数百万の鋳型のin vitroクローニングと組み合わせる、配列決定アプローチである。まず、DNA鋳型のマイクロビーズライブラリーが、in vitroクローニングによって構築される。この後、高密度(典型的には、3×106マイクロビーズ/cm2より大きい)でのフローセル中での鋳型含有マイクロビーズの平面アレイのアセンブリが続く。各マイクロビーズ上のクローニングされた鋳型の遊離末端が、DNA断片の分離を必要としない蛍光ベースのシグネチャー配列決定法を使用して、同時に分析される。この方法は、単一の操作において、酵母cDNAライブラリーから数十万の遺伝子シグネチャー配列を同時にかつ正確に提供することが示されている。
免疫組織化学的方法もまた、本発明の遺伝子産物の発現レベルを検出するのに適している。したがって、各マーカーに対して特異的な、抗体(モノクローナルもしくはポリクローナル)または抗血清、例えばポリクローナル抗血清が、発現を検出するために使用される。これらの抗体は、例えば放射性標識、蛍光標識、ビオチンなどのハプテン標識、または西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼなどの酵素を用いて、抗体自体を直接的に標識化することによって検出され得る。あるいは、標識されていない一
次抗体が、一次抗体に対して特異的な、抗血清、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を含む標識された二次抗体と合わせて使用される。免疫組織化学のプロトコールおよびキットは、当該分野で周知であり、市販されている。
次抗体が、一次抗体に対して特異的な、抗血清、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を含む標識された二次抗体と合わせて使用される。免疫組織化学のプロトコールおよびキットは、当該分野で周知であり、市販されている。
ある特定の実施形態では、プロテオミクスアプローチが、遺伝子発現を測定するために使用される。プロテオームとは、ある特定の時点で試料(例えば、組織、生物または細胞培養物)中に存在するタンパク質の全体性を指す。プロテオミクスには、とりわけ、試料中のタンパク質発現の全体的な変化の研究を含む(発現プロテオミクスともいう)。プロテオミクスは典型的には、以下のステップを含む:(1)2−Dゲル電気泳動(2−D PAGE)による試料中の個々のタンパク質の分離;(2)ゲルから回収された個々のタンパク質の同定、例えば、my質量分析またはN末端配列決定、および(3)バイオインフォマティクスを使用したデータの分析。プロテオミクス法は、遺伝子発現プロファイリングの他の方法に対する価値ある補足であり、本発明の予後判定マーカーの産物を検出するために、単独でまたは他の方法と組み合わせて使用され得る。
いくつかの実施形態では、質量分析(MS)分析は、生物学的試料における本明細書中に開示された1つもしくは複数のバイオマーカーの存在および/または量を決定するために、単独でまたは他の方法(例えば、イムノアッセまたはRNA測定アッセイ)と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、MS分析には、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)飛行時間(TOF)MS分析、例えば、ダイレクトスポットMALDI−TOFまたは液体クロマトグラフィーMALDI−TOF質量分析などが含まれる。いくつかの実施形態では、このMS分析は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)MS、例えば液体クロマトグラフィー(LC)ESI−MSなどを含む。質量分析は、市販の分光計を使用して達成され得る。生物学的試料中のバイオマーカーペプチドの存在および量を検出するために、MALDI−TOF MSおよびESI−MSを含むMS分析を利用するための方法は、当該分野で公知である。さらなる指針については、例えば、そのそれぞれが本明細書中に参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第6,925,389号;米国特許第6,989,100号;および米国特許第6,890,763号を参照のこと。
表現型形質
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、アッセイ結果を、不妊症と関連し得る表現型形質または環境曝露の分析と相関させることによって、推定出生児が状態を発症する危険性を評価する。例示的な表現型形質または環境曝露は表4に示される。
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、アッセイ結果を、不妊症と関連し得る表現型形質または環境曝露の分析と相関させることによって、推定出生児が状態を発症する危険性を評価する。例示的な表現型形質または環境曝露は表4に示される。
他の実施形態では、環境曝露に特異的なアッセイが、対象の表現型形質を得るために使用される。かかるアッセイは当業者に公知であり、本発明の方法で使用され得る。例えば、経口避妊薬において使用されるホルモン(エストロゲンおよびプロゲステロン)は、尿試験または血液試験から検出され得る。Vennersら(Hum. Reprod. 21巻(9号):2272〜2280頁、2006年)は、尿試料および血液試料中のエストロゲンおよびプロゲステロンを検出するためのアッセイを報告している。Vennerは、妊孕能処置において使用される化学物質を検出するためのアッセイもまた報告して
いる。
いる。
同様に、違法薬物の使用は、毛髪、尿、汗または血液などの組織または体液から検出され得、かかる試験を実施するための多数の市販のアッセイ(LabCorp)が存在する。標準的な薬物試験は、10種の異なるクラスの薬物を探索し、この試験は、「10パネル尿スクリーン」として商業的に公知である。この10パネル尿スクリーンは、以下からなる:1.アンフェタミン(メタンフェタミンを含む)2.バルビツレート3.ベンゾジアゼピン4.カンナビノイド(THC)5.コカイン6.メサドン7.メタカロン8.オピエート(コデイン、モルヒネ、ヘロイン、オキシコドン、バイコジンなど)9.フェンシクリジン(PCP)10.プロポキシフェン。アルコールの使用もまた、かかる試験によって検出され得る。
多数のアッセイが、プラスチック(例えば、ビスフェノールA(BPA))への患者の曝露を試験するために使用され得る。BPAは、ポリカーボネートの成分として(生成された総BPAの約74%)、およびエポキシ樹脂の生成において(約20%)、最も一般的に見出される。プラスチックの食品および飲料容器(哺乳瓶および水の瓶を含む)を含む無数の製品においても見出されるが、BPAは、種々の家庭用品、電子機器、スポーツ安全設備、接着剤、レジのレシート、医療用デバイス、眼鏡のレンズ、給水管および多数の他の製品においても一般に見出される。BPAの存在について血液、汗または尿を試験するためのアッセイは、例えば、Genuisら(Journal of Environmental and Public Health、2012巻、記事ID 185731、10頁、2012年)に記載されている。
関連性研究は、研究されている特定の形質に対する遺伝子変異または異常な遺伝子発現の影響を分析するために実施され得る。形質としての不妊症および出生児に対する危険性は、年齢および民族が一致した患者としての不妊雌性および対照としての繁殖性雌性を含む症例対照研究において、非連続型変数として分析され得る。ロジスティック回帰分析およびカイ二乗検定を含む方法は、遺伝子変異または異常な遺伝子発現と、不妊症および出生児に対する危険性との間の関連性を同定するために使用され得る。さらに、ロジスティック回帰を使用する場合、表4に示されるような、年齢、喫煙、BMIおよび不妊症をもたらす他の要因などの共変数についての調整が、この分析に含まれ得る。
さらに、ハプロタイプ効果が、Haploscoreなどのプログラムを使用して概算され得る。あるいは、HaploviewおよびPhaseなどのプログラムが、ハプロタイプ頻度を概算するために使用され得、次いで、カイ二乗検定などのさらなる分析が実施され得る。ロジスティック回帰分析は、各遺伝子バリアント(単数または複数)についてのオッズ比および相対的危険性を生成するために使用され得る。
遺伝子変異および/または異常な遺伝子発現と不妊症および出生児に対する危険性との間の関連性は、分散の分析を使用して、症例のみの内部で、または症例と対照とを比較することで、分析され得る。かかる分析には、年齢、喫煙、BMIおよび不妊症をもたらす他の要因などの共変数についての調整が含まれ得る。さらに、ハプロタイプ効果が、Haploscoreなどのプログラムを使用して概算され得る。
ロジスティック回帰の方法は、例えば、Ruczinski(Journal of Computational and Graphical Statistics 12巻:475〜512頁、2003年);Agresti(An Introduction to Categorical Data Analysis、John Wiley & Sons, Inc.、1996年、New York、第8章);およびYeatmanら(米国特許出願公開第2006/0195269号)中に記載されており
、その各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。
、その各々の内容は、本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる。
関連性を分析するための他のアルゴリズムが公知である。例えば、確率勾配ブースティング(stochastic gradient boosting)は、成績の確率の範囲を予測するために、多重加算回帰ツリー(multiple additive regression tree)(MART)モデルを生成するために使用される。各ツリーは、その可能な帰結が患者のパラメーターを分配する決定の再帰グラフである;各ノードは、設問(例えば、FSHレベルがxより高いか?)を示し、そのノードからの枝は、決定がなされる(例えば、イエスまたはノー)ことを示す。各ノードに対応する設問の選択は自動化される。MARTモデルは、反復して生成される回帰ツリーの加重和である。各反復において、回帰ツリーは、より予測誤差に関与する試料が優先される基準に従って、フィッティングされる。このツリーは、既存のツリーに追加され、予測誤差が再計算され、サイクルが継続し、予測の漸進的な精緻化を導く。この方法の長所は、その複合体相互作用の予めの知識なしに、多数の変数の分析を含むことである。
一般化線形モデルと呼ばれる異なるアプローチは、予測因子変数の関数の加重和として成績を表す。この加重は、訓練セットに対する予測誤差を最小化するために、最小二乗法またはBayesian法に基づいて計算される。予測因子の加重は、他の定数を維持しつつ、その予測因子を変化させることの、成績に対する影響を明らかにする。共線性として公知の現象において、1つまたは複数の予測因子が高度に相関する場合、それらの加重の相対的な値にはあまり意味がない;例えばこのモデルからほぼ冗長な変数を排除することによって、共線性を除去するためのステップがとられなければならない。したがって、適切に解釈される場合、これらの加重は、予測因子の相対的重要性を表す。一般化線形モデルのあまり一般的でない定式化には、線形回帰、重回帰および多因子ロジスティック回帰モデルが含まれ、臨床的予測因子として医学界において高度に使用される。
マイクロアレイ
特定の態様では、本発明は、別個のアドレス可能な位置において基材に付着した複数のオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイを提供し、このマイクロアレイにおいて、オリゴヌクレオチドのうち少なくとも1つが、不妊症関連変異を含む、表1からの遺伝子領域の一部分にハイブリダイズする。
特定の態様では、本発明は、別個のアドレス可能な位置において基材に付着した複数のオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイを提供し、このマイクロアレイにおいて、オリゴヌクレオチドのうち少なくとも1つが、不妊症関連変異を含む、表1からの遺伝子領域の一部分にハイブリダイズする。
マイクロアレイを構築する方法は、当該分野で公知である。例えば、その内容が本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Yeatmanら(米国特許出願公開第2006/0195269号)を参照のこと。
マイクロアレイは、ポリヌクレオチド配列を含むプローブを選択し、次いでかかるプローブを固体支持体または表面に固定化することによって、調製される。例えば、これらのプローブは、DNA配列、RNA配列、またはDNAおよびRNAのコポリマー配列を含み得る。プローブのポリヌクレオチド配列は、DNAおよび/もしくはRNAアナログ、またはそれらの組み合わせもまた含み得る。例えば、プローブのポリヌクレオチド配列は、ゲノムDNAの完全または部分的断片であり得る。プローブのポリヌクレオチド配列は、合成されたヌクレオチド配列、例えば合成オリゴヌクレオチド配列でもあり得る。プローブの配列は、in vivoで酵素的に、in vitroで酵素的に(例えばPCRによって)またはin vitroで非酵素的にのいずれかで合成され得る。
本発明の方法で使用されるプローブ(単数または複数)は、多孔性または非多孔性のいずれかであり得る固体支持体に好ましくは固定化される。例えば、本発明のプローブは、ポリヌクレオチドの3’末端または5’末端のいずれかにおいてニトロセルロースまたはナイロンのメンブレンまたはフィルターに共有結合により付着したポリヌクレオチド配列
であり得る。かかるハイブリダイゼーションプローブは、当該分野で周知である(例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING−−A LABORATORY MANUAL(第2版)、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)を参照のこと。あるいは、固体支持体または表面は、ガラスまたはプラスチック表面であり得る。特に好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションレベルは、その表面上にポリヌクレオチドの集団、例えば、DNAもしくはDNA模倣物の集団、または代替的にはRNAもしくはRNA模倣物の集団が固定化された固相からなる、プローブのマイクロアレイに対して測定される。この固相は、非多孔性であってもよいが、または任意選択で、ゲルなどの多孔性材料であってもよい。
であり得る。かかるハイブリダイゼーションプローブは、当該分野で周知である(例えば、Sambrookら、MOLECULAR CLONING−−A LABORATORY MANUAL(第2版)、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)を参照のこと。あるいは、固体支持体または表面は、ガラスまたはプラスチック表面であり得る。特に好ましい実施形態では、ハイブリダイゼーションレベルは、その表面上にポリヌクレオチドの集団、例えば、DNAもしくはDNA模倣物の集団、または代替的にはRNAもしくはRNA模倣物の集団が固定化された固相からなる、プローブのマイクロアレイに対して測定される。この固相は、非多孔性であってもよいが、または任意選択で、ゲルなどの多孔性材料であってもよい。
好ましい実施形態では、マイクロアレイは、そのそれぞれが本明細書中に記載される遺伝子、特に表1に記載される遺伝子のうち1つを示す、結合(例えば、ハイブリダイゼーション)部位または「プローブ」の順序づけられたアレイを有する支持体または表面を含む。好ましくは、これらのマイクロアレイは、アドレス可能なアレイであり、より好ましくは、位置的にアドレス可能なアレイである。より具体的には、各プローブの正体(即ち、配列)がアレイ中の(即ち、支持体または表面上の)その位置から決定できるように、アレイの各プローブは、固体支持体上の既知の予め決定された位置に位置付けられることが好ましい。好ましい実施形態では、各プローブは、単一の部位において固体支持体に共有結合により付着される。
マイクロアレイは、多数の方法で作製され得、そのうちいくつかが以下に記載される。しかし、生成されると、マイクロアレイは、特定の特徴を共有する。これらのアレイは再現性があり、所与のアレイの複数コピーが生成されること、および互いに容易に比較されることを可能にする。好ましくは、マイクロアレイは、結合(例えば、核酸ハイブリダイゼーション)条件下で安定な材料から作製される。マイクロアレイは、好ましくは、小さい、例えば、1cm2と25cm2との間、12cm2と13cm2との間、または3cm2である。しかし、より大きいアレイもまた企図され、例えば、アレイをスクリーニングする際に使用するのに好ましい場合がある。好ましくは、マイクロアレイ中の所与の結合部位または独自のセットの結合部位は、細胞中の単一の遺伝子の産物に(例えば、特異的mRNAに、またはそれから誘導された特異的cDNAに)、特異的に結合(例えば、ハイブリダイズ)するであろう。しかし、一般には、他の関連のまたは類似の配列が、所与の結合部位にクロスハイブリダイズするであろう。
本発明のマイクロアレイは、1つまたは複数の試験プローブを含み、試験プローブの各々は、検出されるRNAまたはDNAの部分配列に対して相補的なポリヌクレオチド配列を有する。好ましくは、固体表面上の各プローブの位置は既知である。実際、マイクロアレイは、好ましくは、位置的にアドレス可能なアレイである。具体的には、各プローブの同一性(即ち、配列)がアレイ上の(即ち、支持体または表面上の)その位置から決定できるように、アレイの各プローブは、固体支持体上の既知の予め決定された位置に位置付けられることが好ましい。
本発明によれば、マイクロアレイは、各位置が本明細書に記載されるバイオマーカーのうち1つを示すアレイ(即ち、マトリックス)である。例えば、各位置は、その遺伝子マーカーから転写された特定のRNAまたはcDNAが特異的にハイブリダイズし得るゲノムDNAに基づくDNAまたはDNAアナログを含み得る。DNAまたはDNAアナログは、例えば、合成オリゴマーまたは遺伝子断片であり得る。一実施形態では、これらのマーカーのそれぞれを示すプローブが、このアレイ上に存在する。好ましい実施形態では、このアレイは、表1に列挙される遺伝子の各々に対するプローブを含む。
上記のように、特定のポリヌクレオチド分子が本発明に従って特異的にハイブリダイズするプローブは、相補的ゲノムポリヌクレオチド配列を含む。マイクロアレイのプローブは、好ましくは、1,000ヌクレオチド以下のヌクレオチド配列からなる。いくつかの実施形態では、このアレイのプローブは、10〜1,000ヌクレオチドのヌクレオチド配列からなる。好ましい実施形態では、配列は相補性を有する、およびしたがって、生物の種のゲノムにハイブリダイズすることが可能であり、かかるゲノムの全てまたは一部分にわたって連続的にタイル貼りされる複数の異なるプローブが存在するように、プローブのヌクレオチド配列は、10〜200ヌクレオチド長の範囲内であり、生物のかかる種のゲノム配列である。他の特定の実施形態では、これらのプローブは、10〜30ヌクレオチド長の範囲内、10〜40ヌクレオチド長の範囲内、20〜50ヌクレオチド長の範囲内、40〜80ヌクレオチド長の範囲内、50〜150ヌクレオチド長の範囲内、80〜120ヌクレオチド長の範囲内であり、最も好ましくは60ヌクレオチド長である。
これらのプローブは、生物のゲノムの一部分に対応するDNAまたはDNA「模倣物」(例えば、誘導体およびアナログ)を含み得る。別の実施形態では、マイクロアレイのプローブは、相補的なRNAまたはRNA模倣物である。DNA模倣物は、DNAとの特異的Watson−Crick様ハイブリダイゼーションまたはRNAとの特異的ハイブリダイゼーションが可能なサブユニットから構成されるポリマーである。これらの核酸は、塩基部分において、糖部分において、またはリン酸骨格において、改変され得る。例示的なDNA模倣物には、例えば、ホスホロチオエートが含まれる。
DNAは、例えば、ゲノムDNAまたはクローニングされた配列のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅によって取得され得る。ゲノムDNAの特異的断片の増幅を生じるPCRプライマーは、好ましくは、ゲノムの既知の配列に基づいて選択される。Oligoバージョン5.0(National Biosciences)などの、当該分野で周知のコンピュータープログラムが、必要とされる特異性および最適な増幅特性を有するプライマーの設計において有用である。典型的には、マイクロアレイ上の各プローブは、10塩基長と50,000塩基長との間、通常は300塩基長と1,000塩基長との間であろう。PCR法は当該分野で周知であり、例えば、Innisら、編、PCR PROTOCOLS: A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS、Academic Press Inc.、San Diego、Calif.(1990年)に記載されている。制御されたロボットシステムが核酸を単離および増幅するために有用であることは、当業者に明らかであろう。
マイクロアレイのポリヌクレオチドプローブを生成するための代替的な好ましい手段は、例えば、N−ホスホネートまたはホスホラミダイト化学を使用する、合成ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの合成による(Froehlerら、Nucleic Acid Res. 14巻:5399〜5407頁(1986年);McBrideら、Tetrahedron Lett. 24巻:246〜248頁(1983年))。合成配列は、典型的には、約10塩基長と約500塩基長との間、より典型的には、約20塩基長と約100塩基長との間、最も好ましくは、約40塩基長と約70塩基長との間である。いくつかの実施形態では、合成核酸は、例えばイノシンであるがこれに限定されない非天然塩基を含む。上記のように、核酸アナログは、ハイブリダイゼーションのための結合部位として使用され得る。適切な核酸アナログの例は、ペプチド核酸である(例えば、Egholmら、Nature 363巻:566〜568頁(1993年);米国特許第5,539,083号を参照のこと)。
プローブは、好ましくは、結合エネルギー、塩基組成、配列の複雑性、クロスハイブリダイゼーションの結合エネルギーおよび二次構造を考慮に入れるアルゴリズムを使用して選択される。2001年1月25日公開のFriendら、国際特許公報WO01/05
935;Hughesら、Nat. Biotech. 19巻:342〜7頁(2001年)を参照のこと。
935;Hughesら、Nat. Biotech. 19巻:342〜7頁(2001年)を参照のこと。
当業者は、陽性対照プローブ、例えば、標的ポリヌクレオチド分子中の配列に相補的でありかつハイブリダイズ可能であることが既知のプローブ、および陰性対照プローブ、例えば、標的ポリヌクレオチド分子中の配列に相補的でなくハイブリダイズ可能でないことが既知のプローブが、このアレイ上に含まれるべきであることを理解するであろう。一実施形態では、陽性対照は、アレイの外周に沿って合成される。別の実施形態では、陽性対照は、アレイを横切って斜めの縞模様で合成される。なお別の実施形態では、各プローブについての逆相補体が、陰性対照として機能するように、プローブの位置に隣接して合成される。なお別の実施形態では、他の種の生物由来の配列が、陰性対照または「スパイクイン(spike−in)」対照として使用される。
これらのプローブは、例えば、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ゲル、または他の多孔性もしくは非多孔性材料製であり得る、固体支持体または表面に付着される。表面に核酸を付着させるための好ましい方法は、Schenaら、Science 270巻:467〜470頁(1995年)によって一般に記載されるように、ガラスプレート上に印刷することによる。この方法は、cDNAのマイクロアレイを調製するのに特に有用である(DeRisiら、Nature Genetics 14巻:457〜460頁(1996年);Shalonら、Genome Res. 6巻:639〜645頁(1996年);およびSchenaら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93巻:10539〜11286頁(1995年)もまた参照のこと)。
マイクロアレイを作製するための第二の好ましい方法は、高密度オリゴヌクレオチドアレを作製することによる。in situ合成のためのフォトリソグラフィー技術(Fodorら、1991年、Science 251巻:767〜773頁;Peaseら、1994年、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91巻:5022〜5026頁;Lockhartら、1996年、Nature Biotechnology 14巻:1675頁;米国特許第5,578,832号;米国特許第5,556,752号;および米国特許第5,510,270号を参照のこと)、または規定されたオリゴヌクレオチドの迅速な合成および堆積のための他の方法(Blanchardら、Biosensors & Bioelectronics 11巻:687〜690頁)を使用して、表面上の規定された位置において規定された配列に対して相補的な数千のオリゴヌクレオチドを含むアレイを生成するための技術が、公知である。これらの方法が使用される場合、既知の配列のオリゴヌクレオチド(例えば、60マー)が、誘導体化されたガラススライドなどの表面上で直接合成される。通常、生成されるアレイは冗長であり、RNA1つ当たり数個のオリゴヌクレオチド分子である。
例えば、マスキング(MaskosおよびSouthern、1992年、Nuc. Acids. Res. 20巻:1679〜1684頁)による、マイクロアレイを作製するための他の方法もまた、使用され得る。原則的に、また上述のように、任意の型のアレイ、例えば、ナイロンハイブリダイゼーションメンブレン上でのドットブロット(Sambrookら、MOLECULAR CLONING−A LABORATORY MANUAL(第2版)、1〜3巻、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)を参照のこと)が使用され得る。しかし、当業者に認識されるように、ハイブリダイゼーション容量がより小さくなるため、非常に小さいアレイがしばしば好まれる。
一実施形態では、本発明のアレイは、支持体上でポリヌクレオチドプローブを合成する
ことによって調製される。かかる実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、ポリヌクレオチドの3’末端または5’末端のいずれかにおいて、支持体に共有結合的に付着される。
ことによって調製される。かかる実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、ポリヌクレオチドの3’末端または5’末端のいずれかにおいて、支持体に共有結合的に付着される。
特に好ましい実施形態では、本発明のマイクロアレイは、例えば、Blanchardの米国特許第6,028,189号;Blanchardら、1996年、Biosensors and Bioelectronics 11巻:687〜690頁;Blanchard、1998年、Synthetic DNA Arrays in Genetic Engineering、20巻、J. K. Setlow、編、Plenum Press、New York、111〜123頁に記載される方法およびシステムを使用して、オリゴヌクレオチド合成のためのインクジェット印刷デバイスによって製造される。具体的には、かかるマイクロアレイにおけるオリゴヌクレオチドプローブは、好ましくは、プロピレンカーボネートなどの高表面張力溶媒の「微小滴」中で個々のヌクレオチド塩基を連続的に堆積させることによって、例えばガラススライド上で、アレイにおいて合成される。これらの微小滴は、小さい容量(例えば、100pL以下、より好ましくは50pL以下)を有し、アレイエレメント(即ち、異なるプローブ)の位置を規定する円形の表面張力ウェルを形成するために、マイクロアレイ上で(例えば、疎水性ドメインによって)互いから分離される。このインクジェット法によって製造されたマイクロアレイは、典型的には高密度のものであり、好ましくは、1cm2当たり少なくとも約2,500の異なるプローブの密度を有する。ポリヌクレオチドプローブは、ポリヌクレオチドの3’末端または5’末端のいずれかにおいて、支持体に共有結合的に付着される。
本発明によって分析され得るポリヌクレオチド分子は、DNA、RNAまたはタンパク質である。標的ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のヌクレオチドにおいて検出可能に標識される。当該分野で公知の任意の方法が、標的ポリヌクレオチドを検出可能に標識するために使用され得る。好ましくは、この標識化は、DNAまたはRNAの長さにわたって均一に標識を取り込み、より好ましくは、この標識化は、高い程度の効率で実施される。
好ましい実施形態では、検出可能な標識は、発光標識である。例えば、蛍光標識、生物発光標識、化学発光標識および発色標識が、本発明において使用され得る。高度に好ましい実施形態では、この標識は、蛍光標識、例えば、フルオレセイン、リン光体、ローダミンまたはポリメチン色素誘導体である。市販の蛍光標識の例には、例えば、蛍光ホスホラミダイト、例えばFluorePrime(Amersham Pharmacia、Piscataway、N.J.)、Fluoredite(Millipore、Bedford、Mass.)、FAM(ABI、Foster City、Calif.)、およびCy3またはCy5(Amersham Pharmacia、Piscataway、N.J.)が含まれる。別の実施形態では、検出可能な標識は、放射性標識されたヌクレオチドである。
さらなる好ましい実施形態では、患者試料由来の標的ポリヌクレオチド分子は、参照試料の標的ポリヌクレオチド分子とは異なって標識される。参照は、正常組織試料由来の標的ポリヌクレオチド分子を含み得る。
核酸ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件は、標的ポリヌクレオチド分子が、アレイの相補的ポリヌクレオチド配列に対して、好ましくは、その相補的DNAが位置付けられる特異的アレイ部位に対して、特異的に結合するまたは特異的にハイブリダイズするように選択される。
その上に位置する二本鎖プローブDNAを含むアレイは、好ましくは、標的ポリヌクレ
オチド分子と接触させる前に、DNAを一本鎖にするための変性条件に供される。一本鎖プローブDNA(例えば、合成オリゴデオキシリボ核酸)を含むアレイは、例えば、自己相補的配列に起因して形成するヘアピンまたはダイマーを除去するために、標的ポリヌクレオチド分子と接触させる前に、変性される必要があり得る。
オチド分子と接触させる前に、DNAを一本鎖にするための変性条件に供される。一本鎖プローブDNA(例えば、合成オリゴデオキシリボ核酸)を含むアレイは、例えば、自己相補的配列に起因して形成するヘアピンまたはダイマーを除去するために、標的ポリヌクレオチド分子と接触させる前に、変性される必要があり得る。
最適なハイブリダイゼーション条件は、プローブおよび標的核酸の長さ(例えば、オリゴマー対200塩基より大きいポリヌクレオチド)および型(例えば、RNAまたはDNA)に依存するであろう。当業者は、オリゴヌクレオチドが短くなるにつれて、満足のいくハイブリダイゼーション結果のための比較的均一な融解温度を達成するためにその長さを調整することが必要になる場合があることを理解するであろう。核酸についての特異的な(即ち、ストリンジェントな)ハイブリダイゼーション条件のための一般的なパラメーターは、Sambrookら、MOLECULAR CLONING−A LABORATORY MANUAL(第2版)、1〜3巻、Cold Spring Harbor
Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)、およびAusubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、2巻、Current Protocols Publishing、New York(1994年)に記載されている。SchenaらのcDNAマイクロアレイにとって典型的なハイブリダイゼーション条件は、65℃で5×SSC+0.2%SDS中で4時間のハイブリダイゼーション、その後25℃で低いストリンジェンシーの洗浄緩衝液(1×SSC+0.2%SDS)中での洗浄、その後25℃で10分間のより高いストリンジェンシーの洗浄緩衝液(0.1×SSC+0.2%SDS)である(Schenaら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93巻:10614頁(1993年))。有用なハイブリダイゼーション条件は、例えば、Tijessen、1993年、HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES、Elsevier Science Publishers B.V.;およびKricka、1992年、NONISOTOPIC DNA PROBE TECHNIQUES、Academic Press、San Diego、Calif.中にも提供されている。
Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年)、およびAusubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、2巻、Current Protocols Publishing、New York(1994年)に記載されている。SchenaらのcDNAマイクロアレイにとって典型的なハイブリダイゼーション条件は、65℃で5×SSC+0.2%SDS中で4時間のハイブリダイゼーション、その後25℃で低いストリンジェンシーの洗浄緩衝液(1×SSC+0.2%SDS)中での洗浄、その後25℃で10分間のより高いストリンジェンシーの洗浄緩衝液(0.1×SSC+0.2%SDS)である(Schenaら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93巻:10614頁(1993年))。有用なハイブリダイゼーション条件は、例えば、Tijessen、1993年、HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES、Elsevier Science Publishers B.V.;およびKricka、1992年、NONISOTOPIC DNA PROBE TECHNIQUES、Academic Press、San Diego、Calif.中にも提供されている。
特に好ましいハイブリダイゼーション条件には、1M NaCl、50mM MES緩衝液(pH6.5)、0.5%サルコシンナトリウムおよび30%ホルムアミド中での、プローブの平均融解温度またはその近傍の温度(例えば、51℃以内、より好ましくは21℃以内)でのハイブリダイゼーションが含まれる。
蛍光標識された遺伝子領域またはこれらの遺伝子の産物が使用される場合、マイクロアレイの各部位における蛍光発光は、好ましくは、走査型共焦点レーザー顕微鏡によって検出され得る。一実施形態では、適切な励起線を使用した別個のスキャンが、使用した2つのフルオロフォアの各々について実施される。あるいは、2つのフルオロフォアに特異的な波長での同時の検体照明を可能にするレーザーが使用され得、2つのフルオロフォアからの発光が同時に分析され得る(全ての目的のために本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、Shalonら、1996年、「A DNA microarray system for analyzing complex DNA samples using two−color fluorescent probe hybridization」、Genome Research 6巻:639〜645頁を参照のこと)。好ましい実施形態では、これらのアレイは、コンピューター制御されたX−Yステージおよび顕微鏡の対物レンズを備えたレーザー蛍光スキャナーを用いてスキャンされる。2つのフルオロフォアの連続的励起は、マルチライン混合ガスレーザーを用いて達成され、放射された光は、波長によって分割され、2つの光電子増倍管を用いて検出される。蛍光レーザー走査型デバイスは、Schenaら、Genome Res. 6巻:639〜645頁(1996年)およびその中で引用された他の参考文献中に記載されてい
る。あるいは、Fergusonら、Nature Biotech. 14巻:1681〜1684頁(1996年)によって記載される光ファイバー束が、多数の部位においてmRNAの存在量レベルを同時にモニタリングするために使用され得る。
る。あるいは、Fergusonら、Nature Biotech. 14巻:1681〜1684頁(1996年)によって記載される光ファイバー束が、多数の部位においてmRNAの存在量レベルを同時にモニタリングするために使用され得る。
(参考文献)
参照による組込み
他の文献、例えば、特許、特許出願、特許公報、記事、書籍、論文、webコンテンツに対する参照および引用が、本開示を通じてなされてきた。全てのかかる文献は、全ての目的のために、本明細書中で参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
他の文献、例えば、特許、特許出願、特許公報、記事、書籍、論文、webコンテンツに対する参照および引用が、本開示を通じてなされてきた。全てのかかる文献は、全ての目的のために、本明細書中で参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
等価物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。したがって、上記の実施形態は、本明細書中に記載される発明に対する限定ではなく、全ての点において例示的であるとみなすべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の等価の意味および範囲内に入る全ての変化が、本明細書中で包含されることが意図される。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施され得る。したがって、上記の実施形態は、本明細書中に記載される発明に対する限定ではなく、全ての点において例示的であるとみなすべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の等価の意味および範囲内に入る全ての変化が、本明細書中で包含されることが意図される。
(実施例1)
卵母細胞タンパク質の同定
卵母細胞を、過剰排卵によって、マウスなどの雌性から収集し、透明帯(zona pellucidae)を、酸Tyrode溶液による処理によって除去する。表面上に曝露された卵母細胞原形質膜(卵細胞膜)タンパク質は、ビオチン標識化によってこの時点で識別され得る。処理された卵母細胞を、0.01M PBS中で洗浄し、溶解緩衝液(7M尿素、2Mチオ尿素、4%(w/v)3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)、65mMジチオスレイトール(DTT)および1%(v/v)プロテアーゼインヒビター、−80℃)で処理する。卵母細胞タンパク質を、1次元または2次元SDS−PAGEによって分離する。ゲルを染色し、可視化し、スライスする。ゲル片中のタンパク質を消化し(50mM炭酸水素アンモニウム中12.5ng/μlのトリプシンで37℃で一晩)、ペプチドを抽出し、ミクロ配列決定する。
卵母細胞タンパク質の同定
卵母細胞を、過剰排卵によって、マウスなどの雌性から収集し、透明帯(zona pellucidae)を、酸Tyrode溶液による処理によって除去する。表面上に曝露された卵母細胞原形質膜(卵細胞膜)タンパク質は、ビオチン標識化によってこの時点で識別され得る。処理された卵母細胞を、0.01M PBS中で洗浄し、溶解緩衝液(7M尿素、2Mチオ尿素、4%(w/v)3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS)、65mMジチオスレイトール(DTT)および1%(v/v)プロテアーゼインヒビター、−80℃)で処理する。卵母細胞タンパク質を、1次元または2次元SDS−PAGEによって分離する。ゲルを染色し、可視化し、スライスする。ゲル片中のタンパク質を消化し(50mM炭酸水素アンモニウム中12.5ng/μlのトリプシンで37℃で一晩)、ペプチドを抽出し、ミクロ配列決定する。
(実施例2)
不妊症関連の多型の同定のための試料集団
ゲノムDNAを、30人の雌性対象(複数ラウンドのIVFが失敗した15人対成功した15人)から収集する。特に、全ての対象は38歳未満である。対照群の成員は、IVFを介して妊娠が成功している。試験群の成員は、特発性不妊症の臨床診断を有しており、以前の妊娠なしに、3回以上のラウンドのIVFを失敗している。これらの女性は、IVFのための卵子を生成することができ、生殖的に正常な雄性パートナーを有する。卵母細胞の欠損から生じる不妊症に焦点を当てるために(および移植欠損などの要因を排除するために)、卵子提供によってその後に妊娠した女性が望ましい。
不妊症関連の多型の同定のための試料集団
ゲノムDNAを、30人の雌性対象(複数ラウンドのIVFが失敗した15人対成功した15人)から収集する。特に、全ての対象は38歳未満である。対照群の成員は、IVFを介して妊娠が成功している。試験群の成員は、特発性不妊症の臨床診断を有しており、以前の妊娠なしに、3回以上のラウンドのIVFを失敗している。これらの女性は、IVFのための卵子を生成することができ、生殖的に正常な雄性パートナーを有する。卵母細胞の欠損から生じる不妊症に焦点を当てるために(および移植欠損などの要因を排除するために)、卵子提供によってその後に妊娠した女性が望ましい。
(実施例3)
不妊症関連の多型の同定のための試料集団
より大きいコホートの追跡研究において、ゲノムDNAを、300人の雌性対象(上記群と類似のプロファイルを有する群に分けられる)から収集する。調査されるDNA配列多型を、小規模初期研究の結果に基づいて選択する。
不妊症関連の多型の同定のための試料集団
より大きいコホートの追跡研究において、ゲノムDNAを、300人の雌性対象(上記群と類似のプロファイルを有する群に分けられる)から収集する。調査されるDNA配列多型を、小規模初期研究の結果に基づいて選択する。
(実施例4)
早期卵巣機能不全(POF)および母体早期老化多型の同定のための試料集団
ゲノムDNAを、異常な月経周期または無月経症を含む、卵子の質および貯蔵における早期減退の症状を経験している30人の雌性対象から収集する。特に、全ての対象は、15〜40歳の間であり、20国際単位(IU)を超える濾胞刺激ホルモン(FSH)レベル、および5を下回る基底胞状濾胞計数を有する。対照群の成員は、IVFを介して妊娠に成功している。試験群の成員は、化学療法などの既知の妊孕能損傷処置への毒性曝露の履歴を以前に有さない。この群の成員はまた、40歳より前に閉経を経験した1人または複数の雌性家族成員を有し得る。
早期卵巣機能不全(POF)および母体早期老化多型の同定のための試料集団
ゲノムDNAを、異常な月経周期または無月経症を含む、卵子の質および貯蔵における早期減退の症状を経験している30人の雌性対象から収集する。特に、全ての対象は、15〜40歳の間であり、20国際単位(IU)を超える濾胞刺激ホルモン(FSH)レベル、および5を下回る基底胞状濾胞計数を有する。対照群の成員は、IVFを介して妊娠に成功している。試験群の成員は、化学療法などの既知の妊孕能損傷処置への毒性曝露の履歴を以前に有さない。この群の成員はまた、40歳より前に閉経を経験した1人または複数の雌性家族成員を有し得る。
(実施例5)
試料の調達および調製
血液を、ホルモンレベルの計測などの標準的手順のために、妊孕クリニックにおいて患者から採取し、多くのクリニックが将来の研究プロジェクトのために同意後にこの材料を貯蔵する。DNAは、血液から容易に取得されるが、より広い集団試料抽出を、在宅の非侵襲性のDNA収集法を使用して達成する、例えば、Oragene DNA自己収集キット(DNA Genotek)を使用して唾液を試料抽出する。
試料の調達および調製
血液を、ホルモンレベルの計測などの標準的手順のために、妊孕クリニックにおいて患者から採取し、多くのクリニックが将来の研究プロジェクトのために同意後にこの材料を貯蔵する。DNAは、血液から容易に取得されるが、より広い集団試料抽出を、在宅の非侵襲性のDNA収集法を使用して達成する、例えば、Oragene DNA自己収集キット(DNA Genotek)を使用して唾液を試料抽出する。
血液試料−3ミリリットルの全血試料を、静脈で収集し、クエン酸ナトリウム抗凝血剤で処理し、DNA抽出まで4℃で保存する。
全唾液−全唾液を、製造業者の指示に従ってOragene DNA自己収集キットを使用して収集する。参加者に、約15秒間口の内側の舌の周りを擦り、次いで、およそ2mlの唾液を収集カップの中に堆積させるように頼む。収集カップは、カップがしっかりと固定されると、バイアルの下部区画からの溶液が放出され、唾液と混合するように設計される。これは、DNA単離の初期段階を開始させ、室温でまたはより低い温度の冷凍庫中での長期保存のために唾液試料を安定化する。全唾液試料を保存し、必要に応じて室温で出荷する。全唾液は、1試料当たり多数の有核細胞(例えば、上皮細胞、白血球)を提供する他の非侵襲性DNA試料抽出方法、例えば、頬側および口腔リンスを超える潜在的な利点を有する。
血餅−生殖ホルモンレベルをモニタリングするためなどの他の実験室試験のために、血清分離を介した抽出後に通常は廃棄される凝固した血液を収集し、抽出まで−80℃で保存する。
試料調製−ゲノムDNAを、市販のキット(例えば、それぞれ、InvitrogenのChargeSwitch(登録商標)gDNA Blood KitまたはDNA Genotekキット)を用いて、下流の配列決定適用のために、患者の血液または唾液から調製する。凝固したものからのゲノムDNAを、プロテイナーゼK消化、塩/クロロホルム抽出およびDNAの90%エタノール沈殿を含む標準的な方法によって調製する(全ての目的のために本明細書中で参照によりその全体が組み込まれる、N Kanaiら、1994年、「Rapid and simple method for preparation of genomic DNA from easily obtainable clotted blood」、J Clin Pathol 47巻:1043〜1044頁を参照のこと)。
(実施例6)
カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーの製造
カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーが、対象のDNAについて試料を富化するために使用され得る。カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーを製造するためのいくつかの方法が、当該分野で公知である。一例では、Nimblegen配列捕捉カスタム
アレイ設計を使用して、不妊症関連の遺伝子のために誂えられたカスタム化標的富化システムを創出する。オリゴヌクレオチドのカスタム化ライブラリーは、表1の遺伝子領域を標的化するために設計される。カスタムDNAオリゴヌクレオチドを、Maskless
Array Synthesizer(MAS)技術を用いた高密度DNA Nimblegen Sequence Capture Array上で合成する。Nimblegen Sequence Capture Arrayシステムワークフローは、アレイベースであり、XIミキサー(Roche NimbleGen)およびNimbleGen Hybridization Systemを用いてガラススライド上で実施される。
カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーの製造
カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーが、対象のDNAについて試料を富化するために使用され得る。カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーを製造するためのいくつかの方法が、当該分野で公知である。一例では、Nimblegen配列捕捉カスタム
アレイ設計を使用して、不妊症関連の遺伝子のために誂えられたカスタム化標的富化システムを創出する。オリゴヌクレオチドのカスタム化ライブラリーは、表1の遺伝子領域を標的化するために設計される。カスタムDNAオリゴヌクレオチドを、Maskless
Array Synthesizer(MAS)技術を用いた高密度DNA Nimblegen Sequence Capture Array上で合成する。Nimblegen Sequence Capture Arrayシステムワークフローは、アレイベースであり、XIミキサー(Roche NimbleGen)およびNimbleGen Hybridization Systemを用いてガラススライド上で実施される。
同様の例において、AgilentのeArray(webベースの設計ツール)を使用して、不妊症関連の遺伝子のために誂えられたカスタム化標的富化システムを創出する。SureSelect Target Enrichment Systemワークフローは、溶液ベースであり、微量遠心管またはマイクロタイタープレート中で実施される。カスタム化オリゴヌクレオチドライブラリーを使用して、対象のDNAについて試料を富化する。AgilentのeArray(webベースの設計ツール)を使用して、不妊症関連の遺伝子のために誂えられたカスタム化標的富化システムを創出する。カスタム化ライブラリーを、表1の遺伝子領域を標的化するために設計する。カスタムRNAオリゴヌクレオチドまたはバイトを、ストレプトアビジン標識された磁気ビーズ上への容易な捕捉のためにビオチン化し、AgilentのSureSelectTarget Enrichment Systemにおいて使用する。SureSelect Target Enrichment Systemワークフローは、溶液ベースであり、微量遠心管またはマイクロタイタープレート中で実施される。
(実施例7)
ゲノムDNAの捕捉
ゲノムDNAを剪断し、下流で利用する配列決定機器に特異的なライブラリー形式にアセンブルする。サイズ選択を、剪断したDNAに対して実施し、電気泳動または他のサイズ検出法によって確認する。
ゲノムDNAの捕捉
ゲノムDNAを剪断し、下流で利用する配列決定機器に特異的なライブラリー形式にアセンブルする。サイズ選択を、剪断したDNAに対して実施し、電気泳動または他のサイズ検出法によって確認する。
ゲノムDNAを捕捉するためのいくつかの方法が、当該分野で公知である。一例では、サイズ選択されたDNAを精製し、その末端を、Illuminaからのアニールしたオリゴヌクレオチドリンカーとライゲーションさせ、DNAライブラリーを調製する。DNA−アダプターライゲーションした断片を、XIミキサー(Roche NimbleGen)およびRoche NimbleGen Hybridization Systemを使用して、Nimblegen Sequence Captureアレイにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション後、洗浄し、アレイに結合したDNA断片を、溶出緩衝液で溶出させる。次いで、捕捉されたDNAを、遠心分離によって乾燥させ、再水和し、ポリメラーゼでPCR増幅する。DNAの富化は、ハイブリダイゼーションの前の同じ試料に対する定量PCR比較によって評価できる。
類似の例では、サイズ選択されたDNAを、ビオチン化したRNAオリゴヌクレオチド「バイト」と共に24時間インキュベートする。RNA/DNAハイブリッドを、磁気的に捕捉されるストレプトアビジン標識された磁気ビーズに固定化する。次いで、RNAバイトを消化して、次いで増幅および配列決定される標的選択された対象のDNAのみを残す。
(実施例8)
標的選択されたDNAの配列決定
標的選択されたDNAを、IlluminaのGenome Analyzerを使用
して、ペアエンド(50bp)再配列決定手順によって配列決定する。組み合わされたDNSの標的化および再配列決定は、SNP発見のための許容された産業的標準よりも大きい、45倍の冗長性を提供する。
標的選択されたDNAの配列決定
標的選択されたDNAを、IlluminaのGenome Analyzerを使用
して、ペアエンド(50bp)再配列決定手順によって配列決定する。組み合わされたDNSの標的化および再配列決定は、SNP発見のための許容された産業的標準よりも大きい、45倍の冗長性を提供する。
(実施例9)
不妊症と自閉症スペクトラム障害との相関
本明細書中のデータは、妊孕遺伝子に近いゲノム中の自閉症クラスターに関与する多数の一炭素代謝遺伝子を示す(図16〜18)。図17〜18は、IVFの助けによって妊娠することができた不妊症患者(この人は、以前には成功していなかった)において検出された新規の5,000bpの欠失を示す。本明細書中のデータは、遺伝子変異が、女性を不妊症に罹らせることができ、かつ不妊症の克服を助けるために治療が使用される場合、出生児を自閉症または他の障害に罹らせることができることを示している。図18に示すように、この欠失は、数個のエクソンと重複し、したがって、CBS機能に影響を与えると予測される。CBS遺伝子における変更は、自閉症スペクトラム障害に関与することが示されている。
不妊症と自閉症スペクトラム障害との相関
本明細書中のデータは、妊孕遺伝子に近いゲノム中の自閉症クラスターに関与する多数の一炭素代謝遺伝子を示す(図16〜18)。図17〜18は、IVFの助けによって妊娠することができた不妊症患者(この人は、以前には成功していなかった)において検出された新規の5,000bpの欠失を示す。本明細書中のデータは、遺伝子変異が、女性を不妊症に罹らせることができ、かつ不妊症の克服を助けるために治療が使用される場合、出生児を自閉症または他の障害に罹らせることができることを示している。図18に示すように、この欠失は、数個のエクソンと重複し、したがって、CBS機能に影響を与えると予測される。CBS遺伝子における変更は、自閉症スペクトラム障害に関与することが示されている。
Claims (25)
- 推定出生児が状態を発症する危険性を評価するための方法であって、
母体試料を得るステップ;
少なくとも1つの不妊症関連バイオマーカーに対してアッセイを実施するステップ;および
前記アッセイの結果に基づいて、推定出生児が状態を発症する危険性を評価するステップ
を含む方法。 - 前記バイオマーカーが遺伝子である、請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子が母性効果遺伝子である、請求項2に記載の方法。
- 前記アッセイが、前記遺伝子の少なくとも一部分を配列決定して、不妊症に関連する変異の存在または非存在を決定するステップを含む、請求項3に記載の方法。
- 前記変異が、一塩基多型;欠失;挿入;再編成;コピー数多型;およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
- 配列決定が合成時解読である、請求項4に記載の方法。
- 前記バイオマーカーが遺伝子産物である、請求項1に記載の方法。
- 前記遺伝子産物が、母性効果遺伝子の産物である、請求項7に記載の方法。
- 前記遺伝子産物がRNAまたはタンパク質である、請求項7に記載の方法。
- 前記アッセイが、前記遺伝子産物の量を決定するステップおよび前記決定された量を参照と比較するステップを含む、請求項7に記載の方法。
- 前記試料が、ヒトの組織または体液である、請求項1に記載の方法。
- 前記実施するステップの前に、前記バイオマーカーについて前記試料を富化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 評価するステップが、前記アッセイの結果を、少なくとも1つの不妊症関連の表現型形質または環境曝露と相関させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記状態が自閉症スペクトラム障害である、請求項1に記載の方法。
- 前記自閉症スペクトラム障害が、自閉症(古典的自閉症)、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害および特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
- 前記アッセイの結果に基づいて、前記推定出生児が前記状態を発症する前記危険性を低減または排除する処置プランを作成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記処置プランが、前記推定出生児が前記状態を発症する前記危険性を低減または排除するビタミンまたは薬物の投与を含む、請求項1に記載の方法。
- 不妊症および推定出生児が状態を発症する危険性を評価する方法であって、
母体試料を得るステップ;
少なくとも1つの不妊症関連バイオマーカーに対してアッセイを実施するステップ;および
前記アッセイの結果に基づいて、不妊症および推定出生児が状態を発症する危険性を評価するステップ
を含む方法。 - 前記バイオマーカーが遺伝子である、請求項18に記載の方法。
- 前記アッセイが、前記遺伝子の少なくとも一部分を配列決定して、不妊症に関連する変異の存在または非存在を決定するステップを含む、請求項19に記載の方法。
- 前記バイオマーカーが遺伝子産物である、請求項18に記載の方法。
- 前記アッセイが、前記遺伝子産物の量を決定するステップおよび前記決定された量を参照と比較するステップを含む、請求項21に記載の方法。
- 評価するステップが、前記アッセイの結果を、少なくとも1つの不妊症関連の表現型形質または環境曝露と相関させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
- 前記状態が自閉症スペクトラム障害である、請求項23に記載の方法。
- 前記自閉症スペクトラム障害が、自閉症(古典的自閉症)、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性障害および特定不能の広汎性発達障害(PDD−NOS)からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
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