JP2015527476A - ポリ(フェニレンエーテル)組成物、物品および方法 - Google Patents

ポリ(フェニレンエーテル)組成物、物品および方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】組成物は、特定量のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物と耐衝撃性改良剤とを含む。該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとを含む。該組成物は、有機リン酸エステルやハロゲン化難燃剤などの難燃性添加剤を最小化または削除しながらも、衝撃強度、耐熱性および難燃性の望ましいバランスを示す。【選択図】なし

Description

ポリ(フェニレンエーテル)は、その優れた耐水性、寸法安定性および固有の難燃性で知られるプラスチックの一種である。強度、剛性、耐薬品性および耐熱性などの特性は、他の種々のプラスチックと混合して、例えば、衛生器具、配電盤、自動車部品、ワイヤーやケーブル用の絶縁体などの広範囲の消費財の要件を満たすように調整できる。
ポリ(フェニレンエーテル)系樹脂の用途の中には、著しい難燃性能が要求されるものがある。この例としては、建築、輸送、電子および太陽光発電業界における用途が挙げられる。ポリ(フェニレンエーテル)は本来的に難燃性であるが、耐衝撃性改良剤と混合されることも多く、その場合、得られた組成物の加工特性や機械的特性は向上しても難燃性は低下する。そのために、ポリ(フェニレンエーテル)と耐衝撃性改良剤との混合用の難燃性添加剤が要求されることが多い。
保険業者研究所規格94「プラスチック材料の燃焼性試験(UL94)」の20mm垂直燃焼性試験でV−1またはV−0難燃性等級が要求される用途の場合、比較的多量の難燃性添加剤、特に有機リン酸エステルが必要になり得る。こうした多量の有機リン酸エステルによって、組成物の耐熱性は許容できないほど低下し得る。また、多量の有機リン酸エステルによって、組成物の煙発生も増加し得る。ハロゲン化難燃剤は有機リン酸エステルの一代替物であるが、健康および安全性に基づく規制によって、その使用はますます抑制あるいは禁止されてきている。
従って、有機リン酸エステルまたはハロゲン化難燃剤をほとんどあるいは全く含まずに、良好な耐衝撃性と耐熱性を有すると共に、UL94V−1またはV−0難燃性等級を示す耐衝撃性改良ポリ(フェニレンエーテル)組成物が求められている。
一実施形態は、組成物の合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を60〜95質量%と、ポリ(アルケニル芳香族)とゴムを含み、ゴム含有量に対するポリ(アルケニル芳香族)含有量の質量比が少なくとも0.5である耐衝撃性改良剤を5〜40質量と、を含む組成物であって、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合したポリシロキサンを1〜10質量%含み、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサン100質量部に対して、同コポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを10質量部以下含み、有機リン酸エステルを0.5質量%以下含み、ハロゲンを0.5質量%以下含む組成物である。
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの組成物を含む物品である。
これらおよびその他の実施形態について以下詳細に説明する。
本発明者らは、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含み、有機リン酸エステルまたはハロゲン化難燃剤をほとんどあるいは全く含まない耐衝撃性改良ポリ(フェニレンエーテル)組成物は、良好な耐衝撃性と耐熱性を有すると共に、厚み3.0mm以下のサンプルでUL94V−1またはV−0難燃性等級を示し得ることを見出した。
従って、一実施形態は、特に明記されない限り組成物の合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を60〜95質量%と、ポリ(アルケニル芳香族)とゴムを含み、ゴム含有量に対するポリ(アルケニル芳香族)含有量の質量比が少なくとも0.5である耐衝撃性改良剤を5〜40質量%と、を含む組成物であって、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを1〜10質量%含み、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサン100質量部に対して、同コポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを10質量部以下含み、有機リン酸エステルを0.5質量%以下含み、ハロゲンを0.5質量%以下含む組成物である。
該組成物は、有機リン酸エステルまたはハロゲン化難燃剤をほとんどあるいは全く含まないが、良好な耐衝撃性と耐熱性を有すると共に、UL94V−1またはV−0難燃性等級を示す。具体的には、該組成物は、保険業者研究所規格94「プラスチック材料の難燃性試験(UL94)」の20mm垂直燃焼性試験において、厚み3.0mm以下のサンプルでV−1またはV−0難燃性等級を示し、ASTM D648−07に準拠し、応力1.82MPaおよび3.2mm厚のサンプルを用いて求めた熱変形温度が少なくとも128℃であり、ASTM D256−10に準拠し、温度23℃、振り子エネルギー2.7J、衝撃速度3.5m/秒で求めたノッチ付アイゾッド衝撃強度が少なくとも150J/mである。一部の実施形態では、難燃性等級は、厚み3.0mm以下のサンプルでV−0である。一部の実施形態では、難燃性等級は、1.5mm厚のサンプルでV−0である。一部の実施形態では、熱変形温度は128〜170℃であり、具体的には130〜170℃であり、より具体的には140〜165℃であり、さらにより具体的には150〜165℃である。一部の実施形態では、ノッチ付アイゾッド衝撃強度は150〜500J/mであり、具体的には200〜400J/mであり、より具体的には250〜350J/mである。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとポリ(フェニレンエーテル)ホモポリマーとを順に含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物)を含む。本明細書では簡略化のために、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を「反応生成物」とも呼ぶ。ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、一価フェノールとヒドロキシアリール末端ポリシロキサンとの混合物の酸化重合によって合成される。この酸化重合によって、所望の生成物としてのポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーと、副生成物としてのポリ(フェニレンエーテル)ホモポリマーと、が生成される。ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーからポリ(フェニレンエーテル)ホモポリマーを分離することは困難であり、また不要である。従って、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)ホモポリマーとポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーの両方を含む「ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物」として本組成物内に組み込まれる。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーは、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックとポリシロキサンブロックを含む。ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、一価フェノールの重合残基である。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、下記の構造を有するフェニレンエーテル繰り返し単位を含む:
Figure 2015527476
式中、各繰り返し単位において、Zはそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではないことを条件として未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオまたはC−C12ヒドロカルビルオキシであり;Zはそれぞれ独立に、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではないことを条件として未置換または置換C−C12ヒドロカルビル、C−C12ヒドロカルビルチオまたはC−C12ヒドロカルビルオキシである。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)ブロックは、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル繰り返し単位、すなわち、下記の構造を有する繰り返し単位、
Figure 2015527476
2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル繰り返し単位あるいはこれらの組み合わせを含む。
該ポリシロキサンブロックは、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンの残基である。一部の実施形態では、ポリシロキサンブロックは、下式の構造を有する繰り返し単位を含む:
Figure 2015527476
式中、RとRはそれぞれ独立に、水素またはC−C12ヒドロカルビルであり;ポリシロキサンブロックはさらに、下式の構造
Figure 2015527476
(式中、Yは、水素、C−C12ヒドロカルビルまたはC−C12ヒドロカルビルオキシであり、RとRはそれぞれ独立に、水素またはC−C12ヒドロカルビルである)を有する末端単位を含む。一部の実施形態では、ポリシロキサン繰り返し単位は、ジメチルシロキサン(−Si(CHO−)単位を含む。一部の実施形態では、ポリシロキサンブロックは下式の構造を有する:
Figure 2015527476
式中、nは平均で20〜60である。
該ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、少なくとも1つのヒドロキシアリール末端基を含む。一部の実施形態では、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、単一のヒドロキシアリール末端基を有しており、この場合、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンジブロックコポリマーが形成される。他の実施形態では、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは2つのヒドロキシアリール末端基を有しており、この場合、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンジブロックコポリマーおよびまたはポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン−ポリ(フェニレンエーテル)トリブロックコポリマーが形成される。また、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、3つ以上のヒドロキシアリール末端基が可能であり、対応する分枝ブロックコポリマーの形成が可能な分岐構造も有し得る。
一部の実施形態では、該ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、平均で20〜80個の、具体的には25〜70個の、より具体的には30〜60個の、さらにより具体的には35〜50個の、さらにより具体的には40〜50個のシロキサン繰り返し単位を含む。ポリシロキサンブロック中のシロキサン繰り返し単位の数は、共重合および単離条件には本質的に影響されないため、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサン出発原料中のシロキサン繰り返し単位の数に等しい。その数が分からない場合、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサン1分子当たりのシロキサン繰り返し単位の平均数は、シロキサン繰り返し単位に伴う信号強度をヒドロキシアリール末端基に伴う信号強度と比較する核磁気共鳴(NMR)法によって求められる。例えば、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンがオイゲノールキャップ化ポリジメチルシロキサンの場合、ジメチルシロキサン共鳴プロトンの積分とオイゲノールメトキシ基プロトンの積分とを比較するプロトン核磁気共鳴(H NMR)法によって、シロキサン繰り返し単位の平均数が求められる。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物の質量平均分子量は、少なくとも30,000原子質量単位である。該反応生成物の質量平均分子量は、例えば30,000〜150,000原子質量単位であり、具体的には35,000〜120,000原子質量単位であり、より具体的には40,000〜90,000原子質量単位であり、さらにより具体的には45,000〜70,000原子質量単位である。一部の実施形態では、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物の数平均分子量は、10,000〜50,000原子質量単位であり、具体的には10,000〜30,000原子質量単位であり、より具体的には14,000〜24,000原子質量単位である。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物の固有粘度は、25℃のクロロホルム中、ウベローデ粘度計で測定して、少なくとも0.3dL/gである。一部の実施形態では、固有粘度は0.3〜0.5dL/gであり、具体的には0.31〜0.5dL/gであり、より具体的には0.35〜0.47dL/gである。
ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンのブロックコポリマーへの組み込み効率の一指標は、反応生成物中のいわゆるポリ(フェニレンエーテル)「尾部」基が低濃度であることである。2,6−ジメチルフェノールの単独重合において、生成物分子の大部分は、線状生成物分子の一端が3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル「頭部」で終了し、他端が2,6−ジメチルフェノキシ「尾部」で終了する所謂頭部−尾部構造を有する。従って、一価フェノールが2,6−ジメチルフェノールで構成される場合、ポリ(フェニレンエーテル)尾部基は下記の構造を有する:
Figure 2015527476
式中、環の3−、4−および5−位置は水素原子で置換されている(すなわち、「2,6−ジメチルフェノキシ」は一価基を指し、二価の2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル基を含まない)。一価フェノールとヒドロキシアリール末端ポリシロキサンとの共重合では、ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンのブロックコポリマー内への取り込みによって、フェニレンエーテル「尾部」基の濃度は低減するであろう。従って、一部の実施形態では、該一価フェノールは2,6−ジメチルフェノールで構成され、該反応生成物は、その質量に対して、0.4質量%以下の、具体的には0.1〜0.4質量%の2,6−ジメチルフェノキシ基を含む。2,6−ジメチルフェノキシ尾部末端基は、線状生成物分子の一端が3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル「頭部」で終了し、他端が2,6−ジメチルフェノキシ「尾部」で終了する頭部−尾部(ヒドロキシ一末端)構造を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)ホモポリマーの特徴を示す。そのために、2,6−ジメチルフェノキシ尾部末端基が低濃度であることは、反応生成物が、濃度が低減したこうした単官能性ホモポリマーと濃度が上昇した所望のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン)ブロックコポリマーとを含むことを示している。
該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物はさらに、それ自体が一価フェノールの酸化生成物であるジフェノキノンから誘導された基を含み得る。例えば、一価フェノールが2,6−ジメチルフェノールの場合、ジフェノキノンは、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジフェノキノンである。共重合の形成相の間、ジフェノキノンは典型的には、対応するビフェニル基として頭部−尾部ポリ(フェニレンエーテル)の「尾部」端部中に組み込まれる。さらなる反応を通じて、末端ビフェニル基は、ポリ(フェニレンエーテル)鎖内の内部ビフェニル基になり得る。一部の実施形態では、該一価フェノールは2,6−ジメチルフェノールで構成され、反応生成物は、0.1〜2.0質量%の、具体的には1.1〜2.0質量%の2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−フェノキシ(「ビフェニル」)基を含む。該ビフェニル基は、二官能性(頭部−頭部すなわちヒドロキシル−二末端化)構造内にのみ存在する。そのために、ビフェニル基が低濃度であることは、反応生成物が、濃度が低減したこうした二官能性ホモポリマーと濃度が上昇した所望のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとを含むことを示している。
該酸化共重合は、反応時間が110分以上で行われ得る。該反応時間は、酸素流の開始から終了までの経過時間である。(簡略化のために、本明細書では、「酸素」または「酸素流」が繰り返して記載されるが、空気を含む任意の酸素含有ガスを酸素源として使用し得ることは理解されるであろう。)一部の実施形態では、反応時間は110〜300分であり、具体的には140〜250分であり、より具体的には170〜220分である。
該酸化共重合は、モノマー添加完了から酸素流終了までの時間である「形成時間」を含み得る。一部の実施形態では、反応時間は80〜160分の形成時間を含む。一部の実施形態では、形成時間の少なくとも一部の間、反応温度は40〜60℃であってもよく、具体的には45〜55℃であってもよい。
該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、揮発性および不揮発性混入物質を最小化する単離法で溶液から単離できる。一部の実施形態では、反応生成物は、例えば1質量%以下の、具体的には0.2〜1質量%の全揮発性物質を含む。一部の実施形態では、モノマー混合物は、金属(銅またはマンガンなど)を含む触媒の存在下で酸化共重合され、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、その質量に対して、100質量ppm以下の、具体的には5〜100質量ppmの、より具体的には10〜50質量ppmの、さらにより具体的には20〜50質量ppmの該金属を含む。
ある単離法では、残留するヒドロキシアリール末端ポリシロキサン出発材料をポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物に確実に含ませないようにできる。言いかえれば、これらの単離法では、反応生成物のポリシロキサン含有量は本質的に、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとポリ(フェニレンエーテル)ホモポリマーとで構成されることが保証される。共重合反応終了後、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、溶液からのポリ(フェニレンエーテル)の単離として当分野で既知の方法を用いて溶液から単離できる。ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールなどのC−Cアルカノールの1種または複数種を少なくとも50質量%含む貧溶媒による析出によって単離できる。イソプロパノールは、未反応のヒドロキシアリール末端ポリシロキサンに対する良好の溶媒であるため、イソプロパノール含有貧溶媒の使用は好都合である。従って、イソプロパノール含有貧溶媒(例えばイソプロパノール単独)を用いた析出およびまたは洗浄によって、単離生成物からヒドロキシアリール末端ポリシロキサンを実質的に除去する。
従って、一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物は、その合計質量に対して、1.5質量%以下の、具体的には1質量%以下の、より具体的には0.5質量%以下の、さらにより具体的には0.1質量%以下のヒドロキシアリール末端ポリシロキサンを含む。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているヒドロキシアリール末端ポリシロキサンの各100質量部に対して、同コポリマー内で共有結合していないヒドロキシアリール末端ポリシロキサンを10質量部以下含む。この範囲内で、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合していないヒドロキシアリール末端ポリシロキサンの量は、5質量部以下であり得、具体的には3質量部以下であり得、より具体的には2質量部以下であり得、さらにより具体的には1質量部以下であり得る。一部の実施形態では、該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを0.1質量%以下含む。
一部の実施形態では、該ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物において、75質量%超のヒドロキシアリール末端ポリシロキサン出発材料がポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内に組み込まれている。具体的には、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内に組み込まれているヒドロキシアリール末端ポリシロキサンの量は少なくとも80質量%であり得、より具体的には少なくとも85質量%であり得、さらにより具体的には少なくとも90質量%であり得、さらにより具体的には少なくとも95質量%であり得る。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物の調製、キャラクタリゼーションおよび特性に関するさらなる詳細は、Carrilloらの米国特許第8,017,697号および2011年6月27日出願のCarrilloらの同時係属米国特許出願第13/169,137号に記載されている。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを1〜10質量%含む。この範囲内で、共有結合しているポリシロキサンの量は、組成物の合計質量に対して、2〜8質量%であり得、具体的には3〜6質量%であり得る。反応生成物60〜95質量%によって、結合したポリシロキサン1〜10質量%が組成物に与えられるためには、反応生成物は、その合計質量に対して、1〜17質量%のシロキサン繰り返し単位と、83〜99質量%のフェニレンエーテル繰り返し単位と、を含み得る。シロキサン繰り返し単位はヒドロキシアリール末端ポリシロキサンから誘導され、フェニレンエーテル繰り返し単位は一価フェノールから誘導されることは理解されるであろう。一部の実施形態では、例えば、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物がイソプロパノール中の析出によって精製される場合などは、シロキサン繰り返し単位は本質的に、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内に組み込まれたヒドロキシアリール末端ポリシロキサンの残基で構成される。
一部の実施形態では、該反応生成物は、その合計質量に対して、1〜8質量%のシロキサン繰り返し単位と、12〜99質量%のフェニレンエーテル繰り返し単位と、を含む。これらの範囲内で、シロキサン繰り返し単位の量は2〜7質量%であり得、具体的には3〜6質量%であり得、より具体的には4〜5質量%であり得;フェニレンエーテル繰り返し単位の量は93〜98質量%であり得、具体的には94〜97質量%であり得、より具体的には95〜96質量%であり得る。
該反応生成物は、比較的少量の非常に低分子量の種を含み得る。従って、一部の実施形態では、該反応生成物は、25質量%未満の、具体的には5〜25質量%の、より具体的には7〜21質量%の分子量が10,000原子質量単位未満の分子を含む。一部の実施形態では、分子量が10,000原子質量単位未満の分子は、平均で5〜10質量%の、具体的には6〜9質量%のシロキサン繰り返し単位を含む。
同様に、該反応生成物は、比較的少量の非常に高分子量の種も含み得る。従って、一部の実施形態では、該反応生成物は、25質量%未満の、具体的には5〜25質量%の、より具体的には7〜23質量%の分子量が100,000原子質量単位超の分子を含む。一部の実施形態では、分子量が100,000原子質量単位超の分子は、平均で3〜6質量%の、具体的には4〜5質量%のシロキサン繰り返し単位を含む。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーの非常に特定的な調製手順では、一価フェノールは2,6−ジメチルフェノールであり;ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、35〜60個のジメチルシロキサン単位を含むオイゲノールキャップ化ポリジメチルシロキサンであり;酸化共重合は反応時間170〜220分で行われ;ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンは、合計質量が2〜7質量%の該一価フェノールとヒドロキシアリール末端ポリシロキサンを構成する。
該組成物は、その合計質量に対して、60〜95質量%のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を含む。この範囲内で、反応生成物の量は65〜90質量%であり得、具体的には70〜85質量%であり得、より具体的には75〜85質量%であり得る。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物に加えて、耐衝撃性改良剤を含む。耐衝撃性改良剤は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物と相溶性のゴム状ポリマーであり、ASTM D256に準拠し温度23℃で測定するノッチ付アイゾッド衝撃強度に見られるように、組成物の耐衝撃性を改善する。該耐衝撃性改良剤は、ポリ(アルケニル芳香族)とゴムとを含み、ゴム含有量に対するポリ(アルケニル芳香族)含有量の質量比は少なくとも0.5である。一部の実施形態では、ポリ(アルケニル芳香族)含有量とゴム含量との質量比は0.5〜20であり、具体的には1〜10であり、より具体的には2〜5である。一例として、耐衝撃性改良剤がゴム変性ポリスチレンの場合、ポリ(アルケニル芳香族)含有量はポリスチレンから成り、ゴム含有量はポリブタジエンから成る。別の例として、耐衝撃性改良剤がポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーの場合、ポリ(アルケニル芳香族)含有量はポリスチレンから成り、ゴム含有量はポリ(エチレン−ブチレン)から成る。好適な耐衝撃性改良剤としては、ゴム変性ポリ(アルケニル芳香族)(耐衝撃性ポリスチレンとしても知られるゴム変性ポリスチレンなど)、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマー(ポリスチレン−ポリブタジエンジブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレンジブロックコポリマーおよびポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロックコポリマーなど)、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマー(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)ジブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)ジブロックコポリマーおよびポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーなど)およびこれらの組み合わせが挙げられる。従って、ゴム含有量の供給源としては、ポリブタジエン、ブロックコポリマー内のポリブタジエンブロック、グラフトコポリマー内のポリブタジエングラフト、ポリイソプレン、ブロックコポリマー内のポリイソプレンブロック、グラフトコポリマー内のポリイソプレングラフト、ブロックコポリマー内のエチレン−プロピレンコポリマーブロックおよびブロックコポリマー内のエチレン−ブチレンブロックが挙げられる。
耐衝撃性改良剤の調製に用いるアルケニル芳香族モノマーは下記の構造を有していてもよい:
Figure 2015527476
式中、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基を表わし;RとR11はそれぞれ独立に、水素原子、C−Cアルキル基、塩素原子または臭素原子を表わし;R、RおよびR10はそれぞれ独立に、水素原子、C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基を表わし、あるいは、RとRは、中央の芳香環と共にナフチル基を形成し、RとR10は、中央の芳香環と共にナフチル基を形成する。具体的なアルケニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、p−クロロスチレンなどのクロロスチレン、α−メチルスチレンおよびp−メチルスチレンなどのメチルスチレン、および3−t−ブチルスチレンおよび4−t−ブチルスチレンなどのt−ブチルスチレンが挙げられる。一部の実施形態では、該アルケニル芳香族モノマーはスチレンである。
未水素化または水素化ブロックコポリマーの調製に用いる共役ジエンは、C−C20共役ジエンであってもよい。好適な共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、共役ジエンは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンまたはこれらの組み合わせである。一部の実施形態では、共役ジエンは1,3−ブタジエンで構成される。
一部の実施形態では、該耐衝撃性改良剤はゴム変性ポリスチレンを含む。ゴム変性ポリスチレンは、ポリスチレンとポリブタジエンを含む。ゴム変性ポリスチレンは、「耐衝撃性ポリスチレン」あるいは「HIPS」とも呼ばれる。一部の実施形態では、ゴム変性ポリスチレンは、その質量に対して、80〜96質量%の、具体的には88〜94質量%のポリスチレンと、4〜20質量%の、具体的には6〜12質量%のポリブタジエンと、を含む。一部の実施形態では、ゴム変性ポリスチレンの有効ゲル含有量は10〜35%である。好適なゴム変性ポリスチレンは、例えば、SABIC Innovative Plastics社からHIPS3190として市販されている。
一部の実施形態では、該耐衝撃性改良剤は、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーを含む。簡略化のために、この成分を「水素化ブロックコポリマー」と呼ぶ。水素化ブロックコポリマーは、その質量に対して、10〜90質量%のポリ(アルケニル芳香族)と、10〜90質量%の水素化ポリ(共役ジエン)と、を含んでいてもよい。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、低ポリ(アルケニル芳香族含有量)水素化ブロックコポリマーであって、ポリ(アルケニル芳香族)含有量は、低ポリ(アルケニル芳香族含有量)水素化ブロックコポリマーの質量に対して、10〜40質量%未満であり、具体的には20〜35質量%であり、より具体的には25〜35質量%である。他の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、高ポリ(アルケニル芳香族含有量)水素化ブロックコポリマーであって、ポリ(アルケニル芳香族)含有量は、高ポリ(アルケニル芳香族含有量)水素化ブロックコポリマーの質量に対して、40〜90質量%であり、具体的には50〜80質量%であり、より具体的には60〜70質量%である。
一部の実施形態では、該水素化ブロックコポリマーの質量平均分子量は40,000〜400,000原子質量単位である。数平均分子量と質量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィによって、およびポリスチレン標準との比較に基づいて求められる。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーの質量平均分子量は200,000〜400,000原子質量単位であり、具体的には220,000〜350,000原子質量単位である。他の実施形態では、水素化ブロックコポリマーの質量平均分子量は40,000〜200,000原子質量単位であり、具体的には40,000〜180,000原子質量単位であり、より具体的には40,000〜150,000原子質量単位である。
該水素化ブロックコポリマーは、(A)アルケニル芳香族化合物から誘導された少なくとも1つのブロックと、(B)共役ジエンから誘導された少なくとも1つのブロックと、を含み、ブロック(B)中の脂肪族不飽和基含有量が水素化によって少なくとも部分的に低減されているコポリマーである。一部の実施形態では、(B)ブロック中の脂肪族不飽和は少なくとも50%、具体的には少なくとも70%低減されている。ブロック(A)と(B)の配置としては、リニア構造、グラフト構造、および分枝鎖の有無に拘わらないラジアルテレブロック構造がある。リニアブロックコポリマーには、傾斜型リニア構造および非傾斜型リニア構造がある。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは傾斜型リニア構造を有する。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは非傾斜型リニア構造を有する。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、アルケニル芳香族モノマーがランダムに取り込まれた(B)ブロックを含む。リニアブロックコポリマー構造には、ジブロック(A−Bブロック)構造、トリブロック(A−B−AブロックまたはB−A−Bブロック)構造、テトラブロック(A−B−A−Bブロック)構造、ペンタブロック(A−B−A−B−AブロックあるいはB−A−B−A−Bブロック)構造、および(A)および(B)を合計で6個以上含むリニア構造などがあり、ここで、各(A)ブロックの分子量は、他のAブロックのそれと同じであっても異なっていてもよく、各(B)ブロックの分子量は、他のBブロックのそれと同じであっても異なっていてもよい。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマーまたはこれらの組み合わせである。
一部の実施形態では、該水素化ブロックコポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエン以外のモノマーの残基を含まない。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとから誘導されたブロックから構成される。水素化ブロックコポリマーは、これらで形成されたグラフトあるいは他の任意のモノマーで形成されたグラフトを含まない。また、水素化ブロックコポリマーは炭素原子と水素原子から構成され、従って、ヘテロ原子を含まない。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、無水マレイン酸などの1つまたは複数の酸官能化剤の残基を含む。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。
水素化ブロックコポリマーの調製方法は当分野で既知であり、多くの水素化ブロックコポリマーが市販されている。市販の水素化ブロックコポリマーの具体的なものとしては、Kraton Performance Polymers社からKRATON G1701 (ポリスチレン含有量37質量%)およびG1702(ポリスチレン含有量28質量%)として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)ジブロックコポリマー;Kraton Performance Polymers社からKRATON G1641(ポリスチレン含有量33質量%)、G1651(ポリスチレン含有量31〜33質量%)およびG1654(ポリスチレン含有量31質量%)として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマー;(株)クラレからSEPTON S4044、S4055、S4077およびS4099として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーが挙げられる。市販の水素化ブロックコポリマーのさらなる例としては、Dynasol社からCALPRENE CH−6170、CH−7171、CH−6174およびCH−6140として、また(株)クラレからSEPTON8006および8007として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)トリブロックコポリマー;(株)クラレからSEPTON2006および2007として販売されているポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)コポリマー;およびKRATON Performance Polymers社からKRATON G4609およびG4610として、また旭化成(株)からTUFTEC H1272として販売されているこれらの水素化ブロックコポリマーの油展化合物が挙げられる。2つ以上の水素化ブロックコポリマーの混合物も使用できる。一部の実施形態では、水素化ブロックコポリマーは、質量平均分子量が少なくとも100,000原子質量単位のポリスチレンポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。
一部の実施形態では、該耐衝撃性改良剤は、ゴム変性ポリスチレンと、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーと、を含む。該水素化ブロックコポリマーは、質量平均分子量が200,000〜400,000原子質量単位のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーであってもよい。
該組成物は、その合計質量に対して、5〜40質量%の耐衝撃性改良剤を含む。この範囲内で、耐衝撃性改良剤の量は、5〜30質量%であってもよく、具体的には9〜20質量%であってもよく、より具体的には9〜15質量%であってもよく、さらにより具体的には9〜12質量%であってもよい。非常に特定的な実施形態では、耐衝撃性改良剤は、6〜10質量%のゴム変性ポリスチレンと、1〜4質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーと、を含む。
該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物と耐衝撃性改良剤に加えて、任意にさらに無機充填剤を含んでいてもよい。好適な無機充填剤としては、例えば、粘土、雲母、タルクおよびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、無機充填剤は粘土を含む。無機充填剤が存在する場合、その量は、組成物の合計質量に対して4〜15質量%であってもよい。この範囲内で、無機充填剤の量は5〜12質量%であってもよく、具体的には6〜10質量%であってもよく、より具体的には6〜8質量%であってもよい。
該組成物は任意にさらに、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマーを含んでいてもよい。こうしたトリブロックコポリマーは、例えば、PLURONIC P65、PLURONIC P85、PLURONIC P103、PLURONIC P123、PLURONIC F68、PLURONIC F127およびPLURONIC F88として市販されている。ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマーが存在する場合、その量は、組成物の合計質量に対して0.5〜2質量%であってもよい。
該組成物は任意にさらに、炭化水素樹脂を含んでいてもよい。炭化水素樹脂としては、脂肪族炭化水素樹脂、水素化脂肪族炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族炭化水素樹脂、水素化脂肪族/芳香族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、水素化脂環式樹脂、脂環式/芳香族炭化水素樹脂、水素化脂環式/芳香族炭化水素樹脂、水素化芳香族炭化水素樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジンおよびロジンエステル、水素化ロジンおよびロジンエステル、およびこれらの混合物が挙げられる。本明細書において、炭化水素樹脂に関する「水素化」には、完全に水素化された樹脂、実質的に水素化された樹脂および部分的に水素化された樹脂が含まれる。好適な芳香族樹脂としては、芳香族変性脂肪族樹脂、芳香族変性脂環式樹脂、および芳香族含有量が1〜30質量%の水素化芳香族炭化水素樹脂が挙げられる。上記の何れも樹脂も、当分野で既知の方法を用い、不飽和エステルまたは無水物でグラフト化されていてもよい。こうしたグラフト化によって、樹脂の特性は向上させられる。一実施形態では、炭化水素樹脂は、水素化芳香族炭化水素樹脂である。
好適な炭化水素樹脂は市販されており、その例としては、例えば、ExxonMobil Chemical社から販売されているEMPR100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、116、117および118樹脂類およびOPPERA樹脂;荒川化学工業(株)から販売されているARKON P140、P125、P115、M115およびM135、およびSUPER ESTERロジンエステル;Arizona Chemical社から販売されているSYLVARESポリテルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂およびテルペンフェノール樹脂;Arizona Chemical社から販売されているSYLVATACおよびSYLVALITEロジンエステル;Cray Valley社から販売されているNORSOLENE脂肪族芳香族樹脂;DRT Chemical社から販売されているDERTOPHENEテルペンフェノール樹脂およびDERCOLYTEポリテルペン樹脂;Eastman Chemical社から販売されているEASTOTAC樹脂、PICCOTAC樹脂、REGALITEおよびREGALREZ水素化脂環式/芳香族樹脂およびPICCOLYTEおよびPERMALYNポリテルペン樹脂、ロジンおよびロジンエステル;Goodyear Chemical社から販売されているWINGTACK樹脂;Neville Chemical社から販売されているクマロン/インデン樹脂;日本ゼオン(株)から販売されているQUINTONE酸変性C5樹脂、C5/C9樹脂および酸変性C5/C9樹脂;およびヤスハラケミカル(株)から販売されているCLEARON水素化テルペン樹脂などが挙げられる。
該炭化水素樹脂が存在する場合、その量は、組成物の合計質量に対して0.5〜6質量%であってもよい。この範囲内で、炭化水素樹脂の量は0.5〜4質量%であってもよく、具体的には1〜3質量%であってもよい。
該組成物は、その合計質量に対して、0.5質量%以下の有機リン酸エステルを含む。有機リン酸エステルは既知の難燃剤であり、その例としては、フェニル基、置換フェニル基、あるいはこれらの組み合わせを含むリン酸エステル;レゾルシノール系ビスアリールホスフェートエステル(例えばレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェートなど);およびビスフェノール系ビスアリールホスフェートエステル(例えばビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェートなど)が挙げられる。一部の実施形態では、組成物は、0.2質量%以下の、具体的には0.1質量%以下の有機リン酸エステルを含む。一部の実施形態では、組成物は有機リン酸エステルを含まない。
該組成物は0.5質量%以下のハロゲンを含む。ハロゲンとしては、フッ素、塩化物、臭素、ヨウ素およびアスタチンが挙げられる。一部の実施形態では、組成物は、0.2質量%以下の、具体的には0.1質量%以下のハロゲンを含む。一部の実施形態では、組成物はハロゲンを含まない。
該組成物は任意にさらに、ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、およびアルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーのそれぞれを2質量%以下、具体的には1質量%以下含んでいてもよい。この文脈において、「ポリオレフィン」は、C−C12モノアルケンから成るモノマーのホモポリマーおよびコポリマーとして定義される。ポリオレフィンとしては、例えば、ホモポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマーおよびエチレン−オクテンコポリマーが挙げられる。ポリ(共役ジエン)はポリオレフィンには含まれず、また、C−C12モノアルケン以外のモノマーの残基をさらに含むコポリマー中に存在するブロックまたはグラフトもポリオレフィンには含まれない。一部の実施形態では、ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステルおよび未水素化ブロックコポリマーは、組成物には含まれない。
該組成物は任意に、アルケニル芳香族モノマー(別名ビニル芳香族化合物)とα,β−不飽和環式無水物とのコポリマーを含まなくてもよい。こうしたコポリマーは、Burnellらの米国特許第6,165,309号に記載されている。
本発明の重要な利点は、難燃性添加剤の使用を最小化または削除しながらも、良好な難燃性が得られることである。従って、該組成物は任意に、有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計を1質量%以下含んでいてもよい。一部の実施形態では、これらの難燃剤は含まれない。
非常に特定的な実施形態では、該組成物は、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を75〜85質量%と、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを3〜6質量%と、ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を75〜85質量%と、6〜10質量%のゴム変性ポリスチレンと、1〜4質量%のポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーと、を含む耐衝撃性改良剤を7〜14質量%と、さらに、粘土を含む無機充填剤を5〜10質量%と、ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、およびアルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーのそれぞれを1質量%以下(あるいは、これらのそれぞれを含まない)と、有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計1質量%以下と、を含む。
該組成物は、前記それぞれの成分を互いに溶融混合または溶融混練することによって調製できる。溶融混合または溶融混練は、リボンブレンダ、Henschelミキサー、Banburyミキサー、ドラムタンブラー、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、共混練機などの一般的な装置を用いて行える。例えば、本組成物は、温度が280〜360℃、具体的には300〜330℃の二軸押出機内で成分を溶融混合することによって調製できる。
該組成物は、造形、押出あるいは型成形による物品形成に有用である。特に、射出成形、射出圧縮成形、ガスアシスト射出成形、ロータリー成形、ブロー成形、圧縮成形および関連する成形プロセスなどの既知のプロセスを用いて、組成物から物品を成形できる。組成物に適用可能な特定の射出成形法については、後述の実施例で説明する。該組成物では難燃性添加剤の使用が最小化または削除されているので、食品接触用途または医療用途に適した物品の形成に特に好適である。
本発明は少なくとも以下の実施形態を含む。
実施形態1:組成物の合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン)ブロックコポリマーとを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン)ブロックコポリマー反応生成物を60〜95質量%と、ポリ(アルケニル芳香族)とゴムを含み、ゴム含有量に対するポリ(アルケニル芳香族)含有量の質量比が少なくとも0.5である耐衝撃性改良剤を5〜40質量%と、を含む組成物であって、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを1〜10質量%含み、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサン100質量部に対して、同コポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを10質量部以下含み、有機リン酸エステルを0.5質量%以下含み、ハロゲンを0.5質量%以下含む組成物。
実施形態2:保険業者研究所規格94「プラスチック材料の燃焼性試験(UL94)」の20mm垂直燃焼性試験において、厚み3.0mm以下のサンプルでV−1またはV−0難燃性等級を示し、ASTM D648−07に準拠し、応力1.82MPa、3.2mm厚のサンプルで求めた熱変形温度が少なくとも128℃であり、ASTM D256−10に準拠し、温度23℃、振り子エネルギー2.7J、衝撃速度3.5m/秒で求めたノッチ付アイゾッド衝撃強度が少なくとも150J/mである実施形態1に記載の組成物。
実施形態3:さらに、粘土、雲母、タルクおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された無機充填剤を4〜15質量%含む実施形態1または実施形態2に記載の組成物。
実施形態4:前記耐衝撃性改良剤はゴム変性ポリスチレンを含む実施形態1乃至実施形態3のいずれかに記載の組成物。
実施形態5:前記耐衝撃性改良剤は、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーを含む実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の組成物。
実施形態6:前記耐衝撃性改良剤は、ゴム変性ポリスチレンと、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーと、を含む実施形態1乃至実施形態5のいずれかに記載の組成物。
実施形態7:前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを0.1質量%以下含む実施形態1乃至実施形態6のいずれかに記載の組成物。
実施形態8:さらに、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマーを0.5〜2質量%含む実施形態1乃至実施形態7のいずれかに記載の組成物。
実施形態9:さらに、炭化水素樹脂を0.5〜6質量%含む実施形態1乃至実施形態8のいずれかに記載の組成物。
実施形態10:ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、およびアルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーのそれぞれを2質量%以下含む実施形態1乃至実施形態9のいずれかに記載の組成物。
実施形態11:有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計を1質量%以下含む実施形態1乃至実施形態10のいずれかに記載の組成物。
実施形態12:前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を75〜85質量と、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを3〜6質量%と、ゴム変性ポリスチレンを6〜10質量%と、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを1〜4質量%と、を含む耐衝撃性改良剤を7〜14質量%と、さらに、粘土を含む無機充填剤を5〜10質量%と、有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計を1質量%以下と、を含む実施形態1に記載の組成物。
実施形態12a:組成物の合計質量に対して、ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーとを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物を75〜85質量%と、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを3〜6質量%と、前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサン100質量部に対して、同コポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを10質量部以下と、ポリ(アルケニル芳香族)とゴムを含み、ゴム含有量に対するポリ(アルケニル芳香族)含有量の質量比が少なくとも0.5であり、ゴム変性ポリスチレンを6〜10質量%と、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを1〜4質量%と、を含む耐衝撃性改良剤を7〜14質量%と、粘土を含む無機充填剤を5〜10質量%と、有機リン酸エステルを0.5質量%以下と、ハロゲンを0.5質量%以下と、有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計1質量%以下と、を含む組成物。
実施形態13:ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、およびアルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーのそれぞれを2質量%以下含む実施形態12に記載の組成物。
実施形態14:実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の組成物を含む物品。
本明細書で開示された範囲はすべて終点を含むものであり、該終点は互いに独立に組み合わせできる。本明細書で開示した範囲はそれぞれ、この開示範囲内の任意の点またはサブ範囲の開示を構成する。
以下の非限定的実施例によって、本発明をさらに例証する。
(調製実施例1および2)
これらの実施例では、米国特許第8,017,697号の実施例9および16に対応する2つのポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物の合成について説明する。
反応条件を表1に要約する。ここで、「DMBA濃度(%)」は、ジメチル−n‐ブチルアミンの濃度であり、単位は、トルエンの質量に対する質量%である。「固形分(%)」は、2,6−ジメチルフェノール、オイゲノールキャップ化ポリシロキサンおよびトルエンの質量総計に対する2,6−ジメチルフェノールとオイゲノールキャップ化ポリシロキサンの合計の質量%であり;「ポリシロキサン鎖長」は、オイゲノールキャップ化ポリシロキサン中のジメチルシロキサン(−Si(CHO−)単位の平均数であり;「ポリシロキサン投入(%)」は、オイゲノールキャップ化ポリシロキサンと2,6−ジメチルフェノールの合計質量に対する反応混合物中のオイゲノールキャップ化ポリシロキサンの質量%であり;「初期2,6−ジメチルフェノール(%)」は、2,6−ジメチルフェノールの合計質量に対する重合開始時(反応槽への酸素導入時)の反応槽中の2,6−ジメチルフェノールの質量%であり;「O:2,6−ジメチルフェノールモル比」は、2,6−ジメチルフェノール添加中に維持した、酸素原子(分子状酸素として供給)と2,6−ジメチルフェノールとのモル比であり;「初期充填時温度(℃)」は、モノマーの初期充填を反応槽に添加し、酸素を反応混合物に最初に導入した時点での反応混合物の温度であり;「添加温度(℃)」は、2,6−ジメチルフェノールをさらに添加中の反応温度であり;「形成温度(℃)」は、反応の形成相中の温度であり;「傾斜時間(分)」は、温度を添加温度から形成温度に上昇させる間の時間であり;「傾斜勾配(℃/分)」は、温度を添加温度から形成温度に上昇させる期間中の温度変化率であり;「反応時間(分)」は、酸素導入時から酸素遮断時までの全反応時間である。モノマーは、リアクタ中に最初に存在するもの以外に、0分における反応開始(すなわち酸素流開始)後、40〜80分に添加した。形成時間は、制御したモノマー添加の終了時から反応終了時(すなわち酸素流終了時)までを測定した。形成時間は、80〜160分の間で変化させた。
リアクタおよび2,6−ジメチルフェノール添加タンクは、温トルエンですすいで確実に清浄にした。反応は、酸素濃度が1%未満となるように窒素パージして行った。リアクタにトルエンを充填し、このトルエンを500rpmで撹拌した。初期トルエンの温度を「初期充填」温度である21℃に調整し、添加タンクから反応槽への2,6−ジメチルフェノールの初期充填の添加の間、この温度に維持した。2,6−ジメチルフェノールの初期充填の添加終了後、反応槽に、オイゲノールキャップ化ポリジメチルシロキサン、ジ−n−ブチルアミン、ジメチル−n‐ブチルアミン、ジアミン、および酸化第一銅と臭化水素酸から調製した銅触媒を充填した。酸素流およびモノマーのさらなる添加を開始し、酸素流を調節してヘッドスペース濃度を17%未満に維持した。モノマーのさらなる添加の間、冷却水供給温度を調節して、表1の「添加温度(℃)」に示す温度に維持した。モノマーの添加終了後、モノマー添加ラインをトルエンでフラッシングし、反応温度を表1の「形成温度(℃)」に示す温度まで上げた。表1の「傾斜時間(分)」に示す時間をかけ、また同表の「傾斜勾配(℃/分)」に示す速度で、この温度調節を行った。所定の時点に到達するまで反応を継続させた。所定の終了点は、目標の固有粘度とポリシロキサンの最大取り込みが達成される時点であり、典型的には、2,6−ジメチルフェニル添加終了後80〜160分である。この時点に到達後、酸素流を停止した。その後、反応混合物を60℃に加熱し、キレート水溶液を含むキレート化タンクに移送した。得られた混合物を60℃に維持して1時間撹拌した。軽い相(有機系)と重い相(水系)とをデカンテーションで分離し、重い相は捨てた。分析用に、軽い相の少量をサンプリングしてイソプロパノール沈殿させ、残りを沈殿タンクに移送して、貧溶媒と軽い相との質量比が3:1となる量のメタノール貧溶媒と混合した。沈殿物をろ過して湿潤ケーキとし、それを同じ貧溶媒で3度再スラリー化し、トルエン濃度が1質量%未満になるまで窒素下で乾燥させた。
表1の生成物特性において、「分子量<10K(%)」は、ゲル透過クロマトグラフィで求めた分子量が10,000原子質量単位未満の単離生成物の質量%であり;「分子量>100K(%)」は、ゲル透過クロマトグラフィで求めた分子量が100,000原子質量単位超の単離生成物の質量%であり;「反応終了時固有粘度(dL/g)」は、イソプロパノールから析出によって単離した乾燥パウダーの、25℃のクロロホルム中、ウベローデ粘度計で測定した固有粘度であり、「キレート化終了時固有粘度(dL/g)」は、キレート化後有機相中に存在し、イソプロパノールから析出によって単離後乾燥させた生成物の、25℃のクロロホルム中、ウベローデ粘度計で測定した固有粘度であり;「反応終了時M(AMU)」は、重合反応終了時の反応混合物中に存在し、イソプロパノールから析出によって単離後乾燥させた生成物の、ゲル透過クロマトグラフィで測定した質量平均分子量(原子質量単位)であり;「反応終了時M(AMU)」は、重合反応終了時の反応混合物中に存在し、イソプロパノールから析出によって単離後乾燥させた生成物の、ゲル透過クロマトグラフィで測定した数平均分子量(原子質量単位)であり;「反応終了時M/M」は、重合反応終了時の反応混合物中に存在し、イソプロパノールからの析出によって単離後乾燥させた生成物の質量平均分子量と数平均分子量との比であり;「キレート化終了時M(AMU)」は、キレート化後有機相中に存在し、イソプロパノールから析出によって単離後乾燥させた生成物の、ゲル透過クロマトグラフィで測定した質量平均分子量(原子質量単位)であり;「キレート化終了時M(AMU)」は、キレート化後有機相中に存在し、イソプロパノールから析出によって単離後乾燥させた生成物の、ゲル透過クロマトグラフィで測定した数平均分子量(原子質量単位)であり;「キレート化終了時M/M」は、キレート化後有機相中に存在し、イソプロパノールから析出によって単離後乾燥させた生成物の質量平均分子量と数平均分子量との比であり;「シロキサン質量%(%)」は、単離生成物中の2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位とジメチルシロキサン単位との合計質量に対する単離生成物中のジメチルシロキサン単位の、H NMRで求めた質量%であり;「シロキサン取り込み効率(%)」は、全モノマー組成物中のジメチルシロキサン単位の質量%に対する単離生成物中のジメチルシロキサン単位の、H NMRで求めた質量%であり;「ビフェニル質量%(%)」は、単離生成物中の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール残基の、H NMRで求めた質量%である。H NMR法の詳細は、米国特許第8,017,697号に記載されている。
Figure 2015527476
(実施例1〜10、比較実施例1〜15)
これらの実施例では、組成物によって得られる難燃性、衝撃強度および耐熱性の望ましいバランスを示す。これらの実施例で使用した成分を表2に示す。
Figure 2015527476
発明的組成物および比較組成物を表3に示す。ここでの成分量はすべて質量部単位である。以下の方法で個別の成分から組成物を調製した。バレル温度350℃以下で作動させた、内径28mmのZSK−28メガコンパウンダーで成分を混合した。すべての成分を押出機の供給口で添加した。押出品をペレット化し80℃×4時間乾燥させた後、射出成形に用いた。組成物を物性試験用の物品に射出成形した。フレームバーはVan Dorn85T射出成形機で射出成形し、その他の部分はすべて同120Tで射出成形した。射出成形でのバレル温度は580°F(304.4℃)とし、金型温度は190°F(87.7℃)とした。比較実施例8および9では、これらのブレンドから製造したペレットが油状であり射出成形スクリュー内に送り込めなかったため、部品は射出成形できなかった。
射出成形フレームバーの難燃性は、保険業者研究所規格94「プラスチック材料の難燃性試験(UL94)」における20mm垂直燃焼性試験に準拠して求めた。試験前に、1.5mm厚(特に明記されている場合を除く)のフレーバーを23℃、相対湿度50%で48時間状態調節した。各組成物について、10個のフレームバーを試験した。各バーについて、火炎を印加後に除去し、自己消火までに必要な時間(第1残炎時間、t1)を記録した。その後、火炎を再度印加・除去し、自己消火までに必要な時間(第2残炎時間、t2)と、火炎後赤熱時間(残赤熱時間、t3)を記録した。表3において、「平均消炎時間(秒)」は、10個のサンプルすべてのt1とt2の総計を20で割った平均消炎時間である。V−0等級を達成するためには、個々の試験片それぞれの残炎時間t1、t2が10秒以内でなければならず;10個の試験片すべての残炎時間の合計(10個の試験片すべてのt2+t1)が100秒以内でなければならず;個々の試験片それぞれの第2残炎時間+残赤熱時間(t2+t3)が30秒以内でなければならず;いずれの試験片も保持クランプまで燃焼あるいは赤熱せず;また、燃焼粒子又は液滴によって綿指標が点火されてはならない。V−1等級を達成するためには、個々の試験片それぞれの残炎時間t1、t2が30秒以内でなければならず;10個の試験片すべての残炎時間の合計(10個の試験片すべてのt2+t1)が500秒以内でなければならず;個々の試験片それぞれの第2残炎時間+残赤熱時間(t2+t3)が60秒以内でなければならず;いずれの試験片も保持クランプまで燃焼あるいは赤熱せず;また、燃焼粒子又は液滴によって綿指標が点火されてはならない。V−2等級を達成するためには、個々の試験片それぞれの残炎時間t1、t2が30秒以内でなければならず;10個の試験片すべての残炎時間の合計(10個の試験片すべてのt2+t1)が500秒以内でなければならず;個々の試験片それぞれの第2残炎時間+残赤熱時間(t2+t3)が60秒以内でなければならず;また、いずれの試験片も保持クランプまで燃焼あるいは赤熱してはならないが、綿指標は、燃焼粒子または液滴によって添加されてもよい。
熱変形温度(℃)(表3の「HDT(℃)」)は、ASTM D648−07に準拠し、応力1.82MPa、3.2mm厚のサンプルを用いて求めた。ノッチ付アイゾッド衝撃強度(NII)(J/m)(表3の「NII、23℃(J/m)」と「NII、−30℃(J/m)」)は、ASTM D256−10に準拠し、温度23℃または−30℃、振り子エネルギー2.7J、衝撃速度3.5m/秒で求めた。引張弾性率(MPa)(表3の「引張弾性率、23℃(MPa)」)は、ASTM D638−08に準拠し、温度23℃、3.2mm厚のTypeI棒を用いて求めた。曲げ弾性率(MPa)(表3の「曲げ弾性率、23℃(MPa)」)は、ASTM D790−10に準拠し、温度23℃、横断面寸法が3.2×12.7mmのサンプルを用いて求めた。メルトフローレート(g/10分)(表3の「メルトフローレート、300℃、5kg(g/10分)」)は、ASTM D1238−04に準拠し、温度300℃、荷重5kgで求めた。
表3の結果から、発明的実施例1〜10はそれぞれ、有機リン酸エステルまたはハロゲン化難燃剤を含まないにも拘わらず、良好な耐衝撃性と耐熱性を有すると共に、UL94V−1またはV−0難燃性等級を示すことがわかる。具体的には、発明的実施例1〜10はそれぞれ、厚み1.5mmまたは3.0mmでV−1またはV−0難燃性等級を示し、熱変形温度は少なくとも128℃であり、23℃ノッチ付アイゾッド衝撃強度は少なくとも150J/mである。発明的実施例の物性バランスは、添加された粘土と、含有量が少なくとも65質量%のポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー反応生成物との組み合わせによってさらに向上し、このことは実施例2および7〜9(ただし、実施例11は除く)のV−0等級と関連している。最良の物性バランスは発明的実施例6〜8で示されており、そのそれぞれは、1.5mm厚のサンプルでV−0難燃性等級、熱変形温度が少なくとも157℃、および23℃ノッチ付アイゾッド衝撃強度が少なくとも325J/mを示す。
Figure 2015527476
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Claims (14)

  1. 組成物の合計質量に対して、
    ポリ(フェニレンエーテル)とポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン)ブロックコポリマーとを含むポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン)ブロックコポリマー反応生成を60〜95質量%と、
    ポリ(アルケニル芳香族)とゴムを含み、ゴム含有量に対するポリ(アルケニル芳香族)含有量の質量比が少なくとも0.5である耐衝撃性改良剤5〜40質量%と、を含む組成物であって、
    ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを1〜10質量%含み、
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサン)ブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサン100質量部に対して、同コポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを10質量部以下含み、
    有機リン酸エステルを0.5質量%以下含み、
    ハロゲンを0.5質量%以下含むことを特徴とする組成物。
  2. 保険業者研究所規格94「プラスチック材料の燃焼性試験(UL94)」の20mm垂直燃焼性試験において、厚み3.0mm以下のサンプルでV−1またはV−0難燃性等級を示し、
    ASTM D648−07に準拠し、応力1.82MPa、3.2mm厚のサンプルで求めた熱変形温度が少なくとも128℃であり、
    ASTM D256−10に準拠し、温度23℃、振り子エネルギー2.7J、衝撃速度3.5m/秒で求めたノッチ付アイゾッド衝撃強度が少なくとも150J/mであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. さらに、粘土、雲母、タルクおよびこれらの組み合わせから構成される群から選択された無機充填剤を4〜15質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記耐衝撃性改良剤はゴム変性ポリスチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記耐衝撃性改良剤は、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記耐衝撃性改良剤は、ゴム変性ポリスチレンと、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの水素化ブロックコポリマーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合していないポリシロキサンを0.1質量%以下含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の組成物。
  8. さらに、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマーを0.5〜2質量%含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の組成物。
  9. さらに、炭化水素樹脂を0.5〜6質量%含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の組成物。
  10. ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、およびアルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーのそれぞれを2質量%以下含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の組成物。
  11. 有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計を1質量%以下含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の組成物。
  12. 前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーの反応生成物を75〜85質量%と、
    前記ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマー内で共有結合しているポリシロキサンを3〜6質量%と、
    ゴム変性ポリスチレンを6〜10質量%と、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを1〜4質量%と、を含む耐衝撃性改良剤を7〜14質量%と、
    さらに、粘土を含む無機充填剤を5〜12質量%と、
    有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンおよび金属水酸化物から構成される群から選択された難燃剤の合計を1質量%以下と、含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  13. ホモポリスチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、およびアルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとの未水素化ブロックコポリマーのそれぞれを2質量%以下含むことを特徴とする請求項12に記載の組成物。
  14. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする物品。
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