JP2015526481A - 片頭痛の治療用組成物 - Google Patents

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Abstract

本明細書において、経鼻経路による送達のためのカプサイシンの製剤、および片頭痛および他の重度の頭痛の治療のために該製剤を使用する方法を提供する。本明細書に記載の製剤は鼻腔内送達によるカプサイシンの治療効果を最適化するための粘膜付着性剤を含有する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年8月24日に出願された米国特許出願第61/692,826号に対して、米国特許法第119条(e)に基づいて優先権の恩典を主張し、この出願の内容の全体は参照することによって本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明の分野は、一般に、片頭痛、群発頭痛、および他の重度の頭痛の治療、およびより具体的には、それらの治療のための新たな鼻内噴霧製剤である。
頭痛は、人類に最も偏在する医学的状態であり得、3人に1人が自分の人生のある段階で、重度の頭痛を経験すると推定される。片頭痛、群発頭痛、薬物乱用頭痛、および最も一般的には緊張型頭痛を含む、原発性頭痛症候群の多くの異なる種類が報告されている。
片頭痛は、世界で最も障害をもたらす医学的な疾患の上位20の内に位置する。全ての女性の約18%および男性の6%は片頭痛を患っている。米国だけでも、3,300万人を超える片頭痛患者がいる。このうち、60%以上は18歳〜49歳の女性である。米国の雇用者は、片頭痛に起因する1億1300万日の出勤日を失う結果として、130億ドル以上を毎年失う。
群発頭痛は、それらの病因に関して第1の理論を仮定したB.T Hortonにちなんで当初ホートン頭痛(Horton's Cephalalgia)またはホートン頭痛(Horton's Headache)と名付けられ、個人を苦しめる最も痛みを伴う再発性頭痛の1つである。群発頭痛に罹患した一部の人々は、「自殺頭痛」というニックネームにつながる自殺を遂げた。頭痛は、「群発(clusters)」(無症状期で区切られる度重なる攻撃の期間)で発生し、未治療の場合、最大3時間以上持続する。
群発頭痛発作の主症状は、重度または非常に重度の片側の眼窩、眼窩上および/または側頭の痛み、および48時間で1〜16回の攻撃頻度である。頭痛は、次の自律神経症状の少なくとも1つを伴う:眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がること)、縮瞳(瞳孔の収縮)結膜充血(結膜の赤み)、流涙(涙を流すこと)、鼻漏(鼻水)、およびあまり一般的ではないが、顔面の潮紅、腫れ、または発汗、全てが痛みと同じ側の頭部に現れる。攻撃はまた落ち着きのなさと関連しており、患者は、しばしば部屋を行ったり来たり、または体を前後に揺らしたりする。あまり頻繁ではないが、患者は、攻撃中に明るい光および大きな音への嫌悪を持つであろう。それは報告されているものの、吐き気はめったに群発頭痛に付随しない。首はしばしば頭痛の余波で硬いかまたは圧痛があり、顎または歯の痛みが時々存在する。一部の患者は鼻が詰まっているかのように感じ、鼻孔の1つから息をすることができないことを報告している。
群発頭痛に関連する痛みは質的に突き刺すまたはえぐられるような/ドリルで穴を開けるようなものであり、眼(眼窩周囲)の後ろまたはこめかみに位置し、時々首や肩に放射状に広がる。痛みを記述するために頻繁に使用される例えは、眼内に挿入される赤く焼けた火かき棒、または頭の上から片方の目の後ろを貫通し、首を下って放射状に広がる釘、または時々全く麻酔なしで足を切断すること、である。患者は、頭痛の間、高い頻度で普通に生活ができなくなり、強い不快感から、群発頭痛中に自殺思考および行動に陥り得る。
頭痛症候群の治療のために複数の選択肢が存在し、非薬理学的な選択肢から処方薬への範囲に及ぶ。非薬理学的な選択肢は、緊張型頭痛に対して役立ち得る、かつ片頭痛型頭痛に対する補助療法であり得るリラクゼーション法、バイオフィードバック、ヨガおよびストレス軽減を含む。非処方薬には、TYLENOL(登録商標)、BUFFERIN(登録商標)、MOTRIN(登録商標)およびALLEVE(登録商標)などの店頭販売(OTC)の錠剤またカプセルが含まれる。一般的に、米国で使用される他の非処方OTCの代替物は香膏およびローション、(例えば、タイガーバーム)ならびに経鼻カプサイシン噴霧(SINOL(登録商標)およびHEADACHE BUSTER(登録商標))などの他の局所適用代替物を含む。片頭痛用の処方薬は、トリプタン(例えば、RELPAX(登録商標)およびMAXALT(登録商標))およびジヒドロエルゴタミン(DHE)を含む。頭用の非特定の処方薬は、オピオイドおよび他の習慣性鎮痛剤を含む。多くの場合、許容可能な痛みの制御を達成する目的で患者はこれらの選択肢の1つ以上を使用し得、高い頻度で、患者はそれらを同時に使用し得る。
現在利用可能な治療は、非常に有用であるとはいえ、下記記載のように、いくつかの重要な限界を有し、治療を改善するためにこの分野に医学的必要性を生じさせる。
効果の発現までの時間:ほとんどの選択肢は顕著な効果を有し始めるために最大45〜60分を必要とする。DaviesおよびLipton(2000)は、片頭痛治療での患者満足度を報告し、満足度は頭痛の重症度および随伴症状と負の関連を示し、痛みの緩和開始の迅速性と正の関連を示していたと結論付けた。
不十分な有効性:高い頻度で、有効性の欠如または不十分さのために1つ以上の医薬が調整または変更を必要とする。痛みの緩和を改善するために用量を増加させ、および/または複数の薬剤を使用すると、有害な薬物相互作用の危険性および過剰摂取の危険性(オピオイドのように)をはらんでいる(下記参照)。
副作用:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である鎮痛薬(MOTRIN(登録商標)、ALLEVE(登録商標))は、胃腸の炎症および潰瘍を引き起こす。毎年10,000〜20,000人の患者が、NSAIDの使用に関連する胃腸出血によって死亡する。TYLENOL(登録商標)は慢性的使用に関連する肝毒性が十分に裏付けられており、オピオイドは呼吸抑制に関連し過剰摂取において致命的であり得る。
禁忌:多くの現在の治療は、それらの使用を制限する特別な集団における禁忌および/または警告を有する。トリプタン(例えば、MAXALT(登録商標)、RELPAX(登録商標)、IMITREX(登録商標))は冠動脈疾患の既往歴のある患者には制限があり、冠動脈狭窄を引き起こす潜在性があるため、「控えめに」使用すべきである。
薬物相互作用:薬物相互作用もまた、これらの薬の組み合わせの使用を制限し、潜在的に多くの患者に最適状態に及ばない痛みの緩和をもたらす。例は、抗うつ薬のいくつかのクラスと相互作用し得るトリプタンを含み、これらの患者において、および出血の可能性を高めるワルファリンなどの抗血液凝固剤と相互作用し得るASPIRIN(登録商標)およびイブプロフェンなどの鎮痛剤と併せて注意して使用する必要がある。
依存性および/または薬物乱用頭痛を引き起こす可能性:オピオイドの慢性使用は身体的依存を引き起こし得、多くの医師は危険性を低減する目的でこれらの薬を過少量投与する。TYLENOL(登録商標)、EXCEDRIN(登録商標)、ASPRIN(登録商標)およびMOTRIN(登録商標)などのOTC薬は、頻繁に使用する場合、薬物乱用頭痛に関連付けられており、解決するためにそれらが使用される問題を複雑にし得る。
鼻組織の高血流および大きな表面積が迅速な全身取込みを有利に提供することから、薬剤は、例えば、オキシトシンおよびカルシトニンのようなホルモンなどの医薬、および抗片頭痛組成物などの鎮痛剤の全身送達のための良好な経路を提供する経鼻経路である鼻腔内投与によって、全身的または局所的に送達され得る。
全身送達に関して、研究は、顕著に増加した全身性バイオアベイラビリティが、点滴薬と比較して、鼻内噴霧としての送達により達成されることを示した。水性噴霧としておよび点鼻薬としての両方で送達されるプロピオン酸フルチカゾンの全身性バイオアベイラビリティが研究されており、鼻内噴霧製剤のバイオアベイラビリティは、点鼻製剤に比べて約8倍高いことが発見された。鼻内噴霧および点鼻薬としてのデスモプレシンの鼻腔内投与もまた研究されており、鼻内噴霧製剤のバイオアベイラビリティは、点鼻製剤に比べて2〜3倍高いことが発見された。これは、鼻のバイパスに対して増加した鼻腔噴霧製剤のバイオアベイラビリティおよび胃腸(GI)管からの増加した吸収量に起因しており、そこで鼻は、物質の粘液線毛クリアランス、または鼻底に沿って物質を嗅ぐことおよび続く嚥下の1つまたは両方によってバイパスされる。
治療剤の全身送達のための鼻腔内または他の粘膜経路の使用は、管理の容易さ、および治療剤の腸内分解および初回通過肝代謝を回避する能力を可能にする。治療剤の全身的送達を有しないか、または治療剤が局所的または局部的な領域を対象とすることが望ましい場合がある。例えば、鼻腔内薬物送達は、血液脳関門を迂回[し、中枢神経系(CNS)および脳への物質を送達するために使用される。
2つの鼻内噴霧剤、SINOL(登録商標)およびSINUS BUSTER(登録商標)は、カプサイシンを含有し、米国では店頭販売で現在利用可能である。SINOL(登録商標)およびSINUS BUSTER(登録商標)はしかし、副鼻腔炎性頭痛や季節性アレルギー性頭痛の患者(すなわち、より広範な集団)を対象としており、どちらの製剤も重度の頭痛や片頭痛/群発頭痛に関連する症状を治療または改善するのに有効ではない。
カプサイシンは、経鼻経路を介して投与した場合、随伴する刺痛を有し、したがってSINOL(登録商標)およびSINUS BUSTER(登録商標)は、特に副鼻腔炎性およびアレルギー性の頭痛を患うユーザの、より大きな集団にとって許容できるものとするために、意図的に低用量のカプサイシンで製剤化されている。SINOL(登録商標)は4Xであり、SINUS BUSTER(登録商標)は4X/5Xであり、それぞれ、0.001%および0.001〜0.0001%の濃度のカプサイシンを表す。
さらに、これらの薬剤は、追加の有効成分としてナツシロギク(Pyrethrum parthenium)を含有する。ナツシロギクは、妊娠中や授乳中の使用は禁忌であり、このことは、片頭痛の患者の大多数は妊娠可能な時期の女性であることから、これらの組成物を、特に集団の大部分における頭痛の治療のための使用に適さないものにする。
迅速な作用の発現を有し、既存の治療よりも副作用および薬物相互作用が少なく、片頭痛、頻繁な重度の頭痛および群発頭痛を安全かつ効果的に治療するために使用できる組成物の必要性が存在する。
本発明は、カプサイシンまたはトウガラシ(Capsicum annuum)3Xを含有する、経鼻投与用に製剤化された医薬組成物が、作用の迅速な発現を伴いながら、片頭痛および頻繁な重度の頭痛の治療に有効であるという、独創性に富んだ発見に基づいている。この治療効果は、結合を改善して鼻粘膜上での滞留時間を延長することによってカプサイシンの吸収量の可能性を最大化するために粘膜付着性を医薬組成物に付加することによって、増強され得る。
少なくとも約0.013%(w/w)のカプサイシンを含有する経鼻送達用に製剤化された組成物が本明細書で提供される。本明細書に記載の組成物において、カプサイシンは、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末カプサイシンUSPおよび/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)の少なくとも1つを含み得る。一実施形態では、組成物はさらに、追加の治療剤を含む。ほんの一例として、組成物は、追加の治療剤としてショウガ(ginger)またはショウガ(zinger officinale)を含み得る。一実施形態では、ショウガは3Xショウガである。特定の態様では、組成物は、微結晶セルロースを含むがこれに限定されない粘膜付着性剤をさらに含み得る。他の態様では、本明細書に記載の組成物は、鼻内噴霧による鼻腔内送達のために製剤化される。
一実施形態では、組成物中のカプサイシンの濃度は、約0.013%〜0.1%(w/w)のカプサイシンである。別の実施形態では、組成物中のカプサイシンの濃度は、約0.027%〜0.054%(w/w)のカプサイシンである。さらに他の実施形態では、組成物中のカプサイシンの濃度は、約0.0135%(w/w)、0.027%(w/w)または0.054%(w/w)のカプサイシンである。さらなる実施形態では、濃度は、約0.013%〜0.075%(w/w)のカプサイシンである。
また、片頭痛、重度の頭痛、または群発頭痛の治療のための方法が、本明細書で提供される。この方法は、それを必要とする対象に、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末カプサイシンUSPおよび/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)のうちの少なくとも1つを少なくとも約0.013%(w/w)含む、経鼻送達用に製剤化された組成物の治療上有効量を投与することを含み、それによって片頭痛や頭痛の治療を行う。
必要とする対象に、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末カプサイシンUSP、および/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)のうちの少なくとも1つを少なくとも約0.013(w/w)%含む、経鼻送達用に製剤化された組成物の治療上有効量を投与し、それによって片頭痛や頭痛の抑制または予防を行うことによる、片頭痛、重度の頭痛、または群発頭痛の症状を抑制または予防する方法が本明細書中に提供される。
特定の態様では、前記方法は、経鼻送達用に製剤化された、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末カプサイシンUSPおよび/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)のうちの少なくとも1つを少なくとも約0.013(w/w)%含む組成物を投与することを含む。
特定の態様では、対象はヒトであることが好ましい。一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、適切な装置を備える鼻内噴霧器によって投与される。他の態様では、本明細書に記載の方法は、鎮痛薬を含むがこれに限定されない少なくとも1つの追加の治療剤をさらに投与することを含む。一例として、本明細書に記載の組成物と組み合わせて投与される鎮痛薬は、非ステロイド性抗炎症(NSAID)剤、トリプタン、オピオイド、アセトアミノフェン、半合成オピオイドまたはジヒドロエルゴタミン(DHE)を含み得る。追加の治療剤(複数可)は、本明細書に記載の組成物と同時に、または数分、数時間、または数日後に連続して投与され得る。一態様では、本明細書に記載の方法はさらに、少なくとも約0.013%(w/w)のカプサイシンを含有する経鼻送達用に製剤化された組成物と組み合わせて対象に酸素を投与することを含む。
特定の態様では、組成物は実質的に、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末状のカプサイシンUSPおよび/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)の少なくとも1つからなる。他の態様では、組成物は実質的に、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末状のカプサイシンUSPおよび/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)およびショウガの少なくとも1つからなる。
一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、定量噴霧器の状態で製剤化される。特定の態様では、投与の頻度は、分、時間、日、週、または月である。
発明の詳細な説明
カプサイシンは、トウガラシに由来し、このトウガラシからの「熱」の原因であり、何百年もの間、痛みの緩和特性を有することが知られており、局所的に身体および関節の痛みを治療するために使用されている。カプサイシンは、ヒトの摂取において安全であり、数千年もの間トウガラシの形態で摂取されている。本明細書に記載のように、カプサイシンはまた、片頭痛、重度の頭痛、および群発頭痛の治療に有効であることが発見されている。
本開示の組成物および製剤中には、ホメオパシーにおいて有効な次の2つの成分がある:頭痛や片頭痛に関連する痛みの緩和のためのトウガラシ(Capsicum annuum)3X(ホメオパシーで有効)、および重度の頭痛および片頭痛に関連する吐き気および嘔吐のためのショウガ3X(ホメオパシーで有効)。
カプサイシンは抗菌性および抗真菌性の特性を有しており、天然防腐剤としても機能する。カプサイシン(トウガラシ抽出物およびカプサイシン自体の両方の形態)の広範な抗真菌性および抗菌性の特性は、多様な医療、農業/食品の文献においてインビトロで研究されており、以下の表1に要約される。抗真菌性についての文献はより詳細であり、カプサイシン/トウガラシの抗真菌効果は脂質輸送タンパク質(LTP)クラスの存在およびそれらの関連するアルファアミラーゼおよびL−トリプシンの抑制に少なくとも部分的に関連し得ることを示唆する(Ribeiro,S.F.,et al.,Antonie Van Leeuwenhoek,2012,101(3):p.657−70)。
グレープフルーツ種子抽出物(GSE)は、一般に防腐剤として使用される(Cvetnic,Z.and S.Vladimir−Knezevic,Acta Pharm,2004,54(3):p.243−50)。以下の表2は、GSEの防腐剤の特性で利用可能なデータを概要する。
(表1)トウガラシ(Capsicum annuum)(カプサイシン)の抗菌活性
Figure 2015526481
Figure 2015526481
(表2)グレープフルーツ種子抽出物(GSE)の抗菌活性
Figure 2015526481
防腐系としてカプサイシンUSP、グレープフルーツ種子抽出物および塩化ベンザルコニウムを含有する組成物および製剤は、本明細書に記載の組成物および製剤のために開発されている。この防腐系は、驚くべきことに、優れた防腐および殺菌効果を有することが示されている。
有効成分としてカプサイシンを含有する新しい組成物および製剤は、片頭痛、群発頭痛、および他の重度の頭痛のホメオパシー治療のために特別に開発されてきた。本明細書に開示される組成物および製剤は、鼻腔内送達によって投与され、片頭痛、群発頭痛、および他の重度の頭痛に関連する症状の迅速な緩和、ならびに既存の治療よりもより少ない副作用および薬物相互作用を提供する。
本開示の製剤の浸透圧は調整されており、カプサイシンの有効性に否定的な影響を与えることなく、投与時の刺痛の認容性を高めるために、複数の物質が組み込まれてきた(例えば、アロエおよびグリセロール)。
経鼻送達は、作用の迅速な発現を必要とする薬剤、例えば、鎮痛薬、制吐剤、インスリン、抗てんかん薬、鎮静剤および催眠、ならびに心血管治療剤などの他の医薬の投与のために有利であることが期待されている。
経鼻投与は、注射と同様の速度で、かつ経口投与よりもはるかに迅速な速度で、作用の迅速な発現を提供することが想定される。実際に、胃内容うっ滞は、経口投与後の作用の開始をさらに遅らせる可能性があるため、多くの急性状態の処置について、経鼻投与は経口投与よりも有利である。
経鼻投与はまた、本質的に神経性であり得、全身送達よりもさらに迅速な作用の発現を有する。経鼻投与が、中枢神経系(CNS)への鎮痛剤の送達につながる場合、局所的分枝V2の脱感作およびCGRP(頭蓋内血管や局所の炎症の拡張を引き起こすことによって片頭痛または血管性頭痛の発生に関与しているカルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経伝達物質の枯渇が発生し得る。したがって、片頭痛や群発頭痛からの痛みの緩和は、脳に入る三叉神経を通して神経伝達を阻害することによって数秒で与えられる。鎮痛効果の伝達または発生の速度は、本質的に全身性であるよりも本質的に神経性である場合のほうが実質的に速くなる。加えて、鎮痛効果を開始し維持するのにより少ない量の鎮痛薬が要求され、全身循環中の薬物のほぼ検出不可能な量をもたらす。鎮痛剤のより少量の投与は、薬物相互作用、代謝または薬物排泄(すなわち、肝または腎毒性)の問題および全身性の副作用の危険性を低減し、したがって、複数の投薬を可能にする。
特定の理論に縛られることを望まないが、本明細書に記載の組成物および製剤の作用がCNSに送られ、三叉神経または第5脳神経の三分枝の1つである局所的分枝V2の脱感作を引き起こすと考えられる。三叉神経は主に感覚神経であり、鼻の内部の感覚を供給する主要なものである。さらに、V2は硬膜を通って流れる頭蓋内血管にも供給する。これらの血管は片頭痛または血管性頭痛の間拡張し、その結果痛みの感覚をもたらす伸張受容体の刺激をもたらし、前述の三叉神経によって脳に伝達される。カプサイシンの鼻内適用によるV2分枝の脱感作は、血管および炎症の局所的拡張を引き起こすことによる片頭痛、群発頭痛、および他の重度の頭痛の病理において関与が示唆されている、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経伝達物質を枯渇させる。これらの作用は一緒に、脳(我々が実際に痛みを感じる)に行く三叉神経を通して神経伝達を阻害することにより片頭痛/頭痛を止める。この相互抑制(cross inhibition)はおそらくCGRP受容体を発現する三叉神経節で起こり、カプサイシンの末梢的適用によって影響されることが示される。
さらに、本明細書に記載の製剤のpHは、VR1受容体が「開く」最適pHを反映するように開発され、その結果この受容体におけるカプサイシンの作用を改善してきた。この目的のために、本開示の製剤および組成物のpHは約6〜6.5に調整されてきた。
本明細書に開示される組成物および製剤は、迅速に吸収され、片頭痛および重度の頭痛を患う対象に1分以内に緩和を提供する鼻内噴霧の形態である。本開示の組成物および製剤は体内に吸収されず(すなわち、鼻の中に局所的に留まる)、塗布時の鼻の強い感覚/刺痛を除いて、全身性の悪影響または副作用は全くない。さらに、本開示の組成物および製剤は、患者が服用し得る他の薬と相互作用せず、習慣性がない。
本開示の組成物および製剤は、症状の緩和までに最大1時間以上かかるTYLENOL(登録商標)、ADVIL(登録商標)およびEXCEDRIN(登録商標)などの他の痛みの緩和薬剤とは対照的に、迅速な痛みの緩和を提供することにより、片頭痛および重度の頭痛の患者の特定の必要性に対応する。
カプサイシンを含有する組成物は、激しい痛みの治療のために製剤化されていないまたはそれに効果的ではない他の既存の鼻内噴霧とは対照的に、片頭痛および重度の頭痛の患者の痛みの緩和の必要性に特に対処するために製剤化されている。
本開示の組成物は、鼻腔内送達のために製剤化されかつ体内に吸収されないため、薬物相互作用はほとんどない。したがって、本開示の組成物および製剤は、他の治療と組み合わせてまたは併せて使用することができ、他の片頭痛または頭痛薬と相互作用しない。
本開示の組成物は経鼻送達用に製剤化されるため、それらは、ADVIL(登録商標)、EXCEDRIN(登録商標)、およびTYLENOL(登録商標)などの他の従来の鎮痛薬のように胃や肝臓の問題を引き起こさない。さらに、組成物および製剤はRELPAX(登録商標)またはIMITREX(登録商標)とは異なり、心臓血管疾患を有する患者にとって安全であり、かつそれらは体内で代謝されないため、腎疾患を有する患者に適している。
天然由来の有効成分であるカプサイシンを含有する本開示の組成物は、ホメオパシーにおける鼻内噴霧として投与するために製剤化され、習慣性がなく、したがって例えばオピオイドとは異なり、片頭痛、重度の頻繁な頭痛および群発頭痛の治療のために、必要に応じて使用され得る。
オレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)(カプサイシン系化合物の混合物を含有する油性植物抽出物)、粉末カプサイシンUSP、トウガラシ(Capsicum annuum)、およびトウガラシ(Capsicum annuum)3Xを、本開示の組成物および鼻内噴霧製剤における使用のために試験した(「実施例」の節を参照)。
本明細書に記載される成分は、ホメオパシーにおける規制の遵守を確実にするために、米国ホメオパシー薬局方(HPUS)の原則に従って製剤化され、混合される。以下に詳細に説明するように、トウガラシ(Capsicum annuum)、3Xトウガラシ(Capsicum annuum)、粉末カプサイシンUSPおよび/またはオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)およびショウガに加えて、組成物および製剤は、不活性な賦形剤を含有する。
本開示の不活性成分(総じて「賦形剤」とも呼ばれる)は、特に、患者の服薬率を改善し、認容性および有効性を最大化するように製剤化される。
適切な緩衝液、ほんの一例としてクエン酸緩衝液(例えば、クエン酸およびクエン酸ナトリウム)が、製剤のpHを約6.0〜6.5に滴定するために製剤に添加される。このpHは、鼻の自然のpH(6.5)に最も近く、本開示の製剤の機能および患者によるその認容性に最適と判断される。約6.5のpHは、続いて上述の神経イベントのカスケードを開始する、TRPV1受容体(VR1受容体)上のカプサイシンのアゴニスト作用のために理想的であると考えられる。
塩化ナトリウム(NaCl)は、患者による最大の認容性のため溶液が可能な限り等浸透性であることを維持するために必要に応じて添加される。
ユーカリプトール、グリセロールおよびアロエは、鼻粘膜を鎮静化させて噴霧の認容性を改善するために製剤に添加される。
AVICEL(登録商標)RC 591(微結晶セルロース)は、治療効果の最適化のため鼻粘膜上での結合を改善するために粘膜付着性剤として製剤に添加される。
Tween80は、水不溶性化合物の溶解による均質(非沈降性)溶液の生成を助けるために使用される界面活性剤である。
上述の2つの天然防腐剤であるカプサイシンおよびグレープフルーツ種子抽出物(GSE)に加えて、塩化ベンザルコニウム(BKC)が、製剤中に含まれる。
鼻粘膜におけるカプサイシンの滞留時間を最大化することによって、より効率的な薬物の取り込みを促進するために、粘膜付着性剤の添加が検討された。鼻の薬物送達系における粘膜付着性剤の使用は報告されているが、一般に、粘膜付着性剤は、液体製剤よりもむしろ粉末またはゲル製剤に任されている。さらに、いくつかの市販の液体鼻内噴霧製品の組成物を調査したところ、それらのいずれも粘膜付着性剤を含有しないことが明らかとなった(例えば、DEMOSPRAY(登録商標)、デモプレシン酢酸塩;OCTIM(登録商標)、デモプレシン酢酸塩;RHINOLAST(登録商標)、塩酸アゼラスチン;IMIGRAN(登録商標)、スマトリプタン)。粘膜付着性剤は、従来使用される場合、それらは、鼻粘膜に接触して粉末粒子を保持するのを助けるための、粉末状の経鼻投与製品である。粘膜付着性剤が典型的には製剤に使用されないという事実は、おそらく粘膜付着性剤が患者の使用中に噴霧ノズルの閉塞を引き起し得るという事実に起因し得る。それにもかかわらず、鼻粘膜内でカプサイシンの滞留時間を延長し、それによって薬物吸収の可能性を最大化し、かつ有効性を最適化するために、粘膜付着性剤を、本明細書に記載の製剤中に組み込んだ。
一実施形態では、本発明は、少なくとも約0.013%のカプサイシンを含有する、経鼻送達に適した組成物を提供する。一実施形態では、濃度は、約0.013%〜0.1%のカプサイシンである。一実施形態では、濃度は、約0.027%〜0.054%のカプサイシンである。一実施形態では、組成物は、定量噴霧器の状態で製剤化される。
一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象に、本明細書に記載のカプサイシン組成物の治療上有効量を投与することを含む、片頭痛、重度の頭痛、または群発頭痛の治療、症状の抑制、または予防の方法を提供する。対象はヒトであることが好適である。
経鼻投与の目的のために、本発明の組成物は、好適には、含有する組成物の鼻粘膜に対する塗布を可能にする手段を備えた容器または装置、例えば、鼻用塗布器の中にある。適切な塗布器は、当該技術分野で周知であり、滴剤または噴霧剤の状態で鼻粘膜に液体組成物を投与するために適合されているものを含む。適切な投与器は、例えば、アトマイジング装置、ポンプアトマイザーおよびエアロゾルディスペンサーを含むがこれらに限定されない。後者の場合、塗布器は、本発明に従う組成物を、鼻用塗布器で使用するのに適した噴射剤媒体と一緒に含有することができる。アトマイジング装置は、中に収めている組成物の鼻粘膜への送達を可能にする適切な噴霧アダプタと共に提供される。そのような装置は当技術分野で周知である。
容器、例えば、鼻用塗布器は、数分、数時間、数日または数週間の期間にわたって、例えば、単一の経鼻投薬に、またはいくつかの連続投与量の供給に十分な組成物を含有し得る。供給される個々の投与量は、医師のアドバイスに従うものとする。本発明の組成物の安定性を、従来の方法で決定し得る。
値の範囲が開示されている場合、特記がない限り、この表記は、数字自体およびそれらの間の範囲を含むことが意図される。この範囲は、端の値間および端の値を含む、整数または連続であってもよい。一例として、範囲「1〜3μM(マイクロモル)」は1μM、3μM、および有効数字の任意の数の間にある全てのもの(例えば、1.255μM、2.1μM、2.9999μM、など)を含むことが意図される。
本明細書で使用する「約」という用語は、それが修飾する数値を限定し、誤差の範囲内で可変のそのような値を表すことが意図される。データの図表または表に示す平均値に対する標準偏差のような、誤差が特に列挙されない場合、「約」という用語は、列挙された値を含む範囲および有効数字を考慮して、同様にその数字の切り上げまたは切り下げによって含まれ得る範囲を意味すると理解されるべきである。
本明細書で使用する「疾患」という用語は、全て、正常な機能を損なう身体またはその部分の一つの異常な状態を反映し、典型的に特徴的な徴候や症状によって現れるという点で、「障害」および「状態」(医学的状態として)という用語と一般的に同義語であることが意図され、これらと交換可能に使用される。
本明細書で使用される「カプサイシン」という用語は、「トウガラシ(Capsicum annuum)」、「3Xトウガラシ(Capsicum annuum)」、「粉末カプサイシンUSP」、および/または「オレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)」を述べることを意図し、これらの各々は独立して、本明細書に記載の組成物および製剤中の化合物のように「カプサイシン」の形態を意味する。
「併用療法」という用語は、本開示に記載の治療的状態または障害を治療するための2つ以上の治療剤の投与を意味する。そのような投与は、複数の有効成分の固定比を有する単一の鼻腔内用量、または各有効成分についての複数の別々の用量(例えば、複数の鼻腔内用量、または鼻腔内用量(複数可)とカプセル(複数可))などでの実質的に同時の方法で、これらの治療剤の同時投与を含む。さらに、そのような投与は、各種類の治療剤の連続的な方法での使用を包含する。いずれの場合も、治療計画は、本明細書に記載の状態または障害の治療において薬物併用の有益な効果を提供する。
「治療上有効」という語句は、疾患または障害の治療に使用される有効成分の量を限定することが意図される。この量は、前記疾患または障害を低減または排除するという目標を達成する。
本明細書で使用する場合、患者の「治療」への言及は、予防を含むことが意図される。「患者」という用語は、ヒトを含む全ての哺乳動物を意味する。患者の例は、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギを含む。患者はヒトであることが好適である。
本発明の化合物(複数可)は、治療的に許容される塩として存在可能である。本発明は、塩基付加塩を含む塩の形態で、上記記載の化合物(複数可)を含む。適切な塩は、有機および無機塩基の両方で形成されるものを含む。そのような塩基付加塩は、通常、薬学的に許容される。しかしながら、非薬学的に許容される塩の塩は、当該化合物の製造および精製において有用であってもよい。酸性付加塩も形成され、薬学的に許容されてもよい。塩の調製および選択のより完全な考察については、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection, and Use(Stahl,P.Heinrich.Wiley−VCHA,Zurich, Switzerland,2002)を参照されたい。
本明細書で使用する用語「治療的に許容される塩」とは、水もしくは油溶性または分散性の、本明細書で定義されるような治療的に許容される本発明の化合物の塩または双性イオン形態を表す。塩基付加塩は、金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩、またはアンモニア、または有機第一級、第二級、もしくは第三級アミンなどの適切な塩基とフェノキシ基とを反応させることにより、化合物(複数可)の最終単離および精製中に調製することができる。治療的に許容される塩のカチオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム、ならびに無毒性の第四級アミンカチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン、およびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンが含まれる。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンを含む。
本発明の化合物は、原材料のままの化学物質として投与することが可能でありうるが、医薬製剤として提示することも可能である。したがって、本明細書おいて、本発明の1つ以上の特定の化合物、またはその1つ以上の薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、アミド、もしくは溶媒和化合物を、それらの1つ以上の薬学的に許容される担体および任意で1つ以上の他の治療的な成分と一緒に含む、医薬製剤が提供される。担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合し、その受容者とって有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。周知の技術、担体および賦形剤の任意のものが適切にかつ当技術分野で理解されるように、例えば、Remington's Pharmaceutical Scienceにおけるように使用され得る。本明細書で開示される医薬組成物は、当技術分野で周知の任意の方法で製造され得る。
製剤は、経鼻投与に適したものを含む。製剤は便利に単位剤形で提供され得、薬学分野で周知の任意の方法によって調製され得る。典型的には、これらの方法には、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは溶媒和化合物(「有効成分」)を1つ以上の補助成分を構成する担体と関連させる工程を含む。一般に、製剤は、均一かつ密接に液体担体または微粉固体担体または両方と活性成分を関連させることによって調製される。
好適な単位用量製剤は、本明細書の以下に列挙するように有効成分の有効用量を含むもの、またはそれらの適切な画分である。
特定の例においては、別の治療剤と組み合わせて本明細書に記載の化合物(またはその薬学的に許容される塩、エステル、もしくはそれらのプロドラッグ)の少なくとも1つを投与することが適切であり得る。ほんの一例として、本明細書に記載の化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与によって増強され得る(すなわち、それ自体ではアジュバントは最小限の治療上の利益を有し得るだけだが、別の治療剤と組み合わせることで、患者に対する全体的な治療的有用性が増強される)。または、ほんの一例として、患者が経験することの益はまた、本明細書に記載の化合物の1つを、同じく治療的有用性を有する別の治療剤(治療計画も含む)と共に投与することによって、増大され得る。いずれの場合も、疾患、障害または治療されている状態にかかわらず、患者が経験する全体的な益は、単純に2つの治療剤の相加的なものであり得るか、または患者は相乗的な益を経験し得る。
いずれの場合も、複数の治療剤(それらの少なくとも1つは、本発明の化合物である)を、任意の順序で、または同時に投与してもよい。同時である場合、複数の治療剤は、単一の、一つにまとめられた形態で、または複数の形態で提供することができる(ほんの一例として、経鼻送達によって、または経鼻送達および丸剤としてのいずれかで)。治療剤の1つを複数回用量で与えてもよく、または両方を複数回用量として与えてもよい。同時でない場合、複数回用量間のタイミングは、数分〜4週間の範囲の時間の任意の期間であってもよい。
次の実施例は例示することを意図しているが、本発明を限定するものではない。
カプサイシン製剤用原液の調製
実施例1〜3は、鼻内噴霧として投与するための、粘膜付着性物を含まないカプサイシン製剤の開発を示す。この例では、カプサイシン製剤実験用原液の調製を実証する。
カプサイシン粉末(95%)USP:Chillies Export House、インドから入手したサンプル。
ポリソルベート80(Tween 80)USP/Ph Eur:Sigma−Aldrich、英国から入手。
ローズマリー抽出物、ロット番号905113:Azelis、英国から入手した30gのサンプル。
ユーカリプトール、ロット番号ECH B1/10556:Mane、英国から入手した10gのサンプル。
グレープフルーツ種子抽出物(ザボン(Citrus grandis)、10%乾燥含水アルコール抽出)、ロット番号1100512:EPO srl、イタリアから入手した30gのサンプル。
グリセロールUSP/Ph Eur、ロット番号K42075193:Merck、ドイツから入手した1kgのサンプル。
アスコルビン酸Ph Eur、ロット番号222U1:Mistral Chemicals、北アイルランドから入手した50gのサンプル。
クエン酸無水物USP/Ph Eur、ロット番号K93210941:Merck、ドイツから入手した5kgのサンプル。
海塩、ロット番号MM1177:All in All Food Ingredients、アイルランドから入手した1.5kgのサンプル。
精製水:実験室精製システムから提供。
鼻内噴霧ボトル(10mL):MVW Healthcareからサンプルとして提供。
鼻内噴霧ポンプ、スナップオン(50μLの噴霧量):MWV Healthcareからサンプルとして提供。
サンプルは実験サンプルとして製造することになっており(すなわち、GMP規格に従っていない)、商品の検査は実施しなかった。
0.054、0.027、0.0135、および0.0054%w/vのカプサイシン溶液のサンプルを調製した。サンプルを、鼻内噴霧ポンプ(用量あたり50μLを送達する)を取り付けた10mLのボトルに添加した。
水性媒体中のオレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)を溶解させるために少量の界面活性剤(例えば、0.5%のTween80)が製剤中に必要とされた。しかし、この添加は、わずかに混濁した赤い色の液体の発生につながり、それは美学上心地よいものではなく、潜在的に患者に関する問題を提示する可能性がある(すなわち、赤色の液滴が患者の鼻から落ちる可能性があり、衣類にしみを付けおよび/または患者が鼻出血を患っていると信じている場合には不安を呼び起こす可能性がある)。
したがって、油性オレオレジントウガラシ(oleoresin capsicum)抽出物の代替として、濃縮カプサイシン(白色粉末)の使用を評価することが決定された。しかし、カプサイシン粉末は疎水性であるため、溶液中でカプサイシンを保つためにどれだけの界面活性剤の量が必要であるかを決定する必要があった。したがって、選択された界面活性剤(Tween80)がカプサイシン(0.054%w/vのカプサイシン濃度を仮定)の完全な溶解を達成しかつ維持するために必要な濃度を決定するための研究が実施された。換言すれば、カプサイシンを水性媒体中で溶解するために必要な界面活性剤のレベルを、後述のように判定した。
Tween80の必要濃度の決定:原液(カプサイシンまたはTween80を含まない)を、以下の表3に示す組成に従って調製した。
(表3)原液の組成
Figure 2015526481
次のように原液を調製した:海塩、アスコルビン酸、グレープフルーツ種子抽出物およびグリセロールを500mLのメスフラスコ中に秤量した。精製水(200mL)をフラスコに添加し、フラスコを旋回させることにより混合した。(注:この段階では、グレープフルーツ種子抽出物は、目立つ麦わら色を付与することが観察された)。ローズマリー抽出物およびユーカリプトールをフラスコに添加し、内容物を混合するためフラスコを旋回した(注:ローズマリー抽出物もまた、溶液中に顕著な着色を付与する)。溶液は、精製水の添加により最大量(500mL)になるように作製した。この段階で溶液は非常にわずかに濁っていた。
カプサイシン可溶化実験
この実施例は、カプサイシン濃度(0.054、0.027、0.0135、および0.0054%w/v)の範囲を含むサンプルのカプサイシンの完全な溶解を達成するのに必要な界面活性剤の濃度を示す。
一連の実験は、カプサイシン粉末の設定量(溶液中で0.05%に相当)を加えた、Tween80の濃度が様々である様々なサンプルを調製するために実施された。
サンプル1:1%のTween80を以下のプロトコルに従って調製した:0.5gのTween80、0.025gのカプサイシン、および10mLの原液。サンプルを、2分間超音波処理した後、目視で評価した。カプサイシンは、完全に溶解した。溶液を原液で最大50mLになるように作製し、2分間超音波処理した。透明な、薄い麦わら色の溶液が得られた。
サンプル2:0.5%のTween80を以下のプロトコルに従って調製した:0.1gのTween80、0.011gのカプサイシン、および10mLの原液。サンプルを、2分間超音波処理した後、目視で評価した。カプサイシンは、完全に溶解した。溶液を原液で最大20mLになるように作製し、2分間超音波処理した。透明な、薄い麦わら色の溶液が得られた。
サンプル3:0.25%のTween80を以下のプロトコルに従って調製した:0.05gのTween80、0.011gのカプサイシン、および10mLの原液。サンプルを、2分間超音波処理した後、目視で評価した。わずかに濁った溶液が得られた。溶液を原液で最大20mLになるように作製し、2分間超音波処理した。非常にわずかにかすんだ、薄い麦わら色の溶液が得られた。
サンプル4:0%のTween80を以下のプロトコルに従って調製した:0.011gのカプサイシン、および10mLの原液。サンプルを、2分間超音波処理した後、目視で評価した。わずかに濁った溶液が得られた。溶液を原液で最大20mLになるように作製し、2分間超音波処理した。わずかにかすんだ、薄い麦わら色の溶液が得られた。
全てのサンプルは、一晩放置し、次の日に視覚的に再び評価した。最初の視覚的評価からは、Tween80(0.25%〜1%)を含有する全てのサンプルは透明な溶液であると考えられた(すなわち、カプサイシンが完全に溶解した)。しかし、サンプル3(0.25%のTween80)の精査から、サンプルにわずかなかすみを与える、懸濁液中の非常に微細な粒子が観察された。全てのサンプルを1週間室温で貯蔵した後に再検査したが、サンプルの外観に変化は観察されなかった。実験データに基づいて、カプサイシン(0.05〜0.055%濃度)の完全な溶解を達成するための、原液中のTween80の必要な濃度は、0.5%w/vと結論付けられた。
粘膜付着性物を含まない製品サンプルの製造
4つの強度(0.054%、0.027%、0.0135%、および0.0054%w/v)のカプサイシンを含有する製剤のサンプルを調製した。サンプルを、50μLの用量を送達するためにスナップオン噴霧ポンプを取り付けた10mLの鼻内噴霧ボトルに加えた。
カプサイシン(0.054%w/v)原液を、カプサイシンの様々な強度の調製に使用するために調製した。表4に詳述するように、製剤の原液を調製した。
(表4)粘膜付着性物を含まないカプサイシン製剤用原液
Figure 2015526481
製剤を500mLのメスフラスコ中の約200mLの精製水に各成分の添加することによって調製した。フラスコを水中の成分が溶解するよう撹拌した後、精製水で最大500mLになるように作製した。
カプサイシン鼻内噴霧サンプルを、以下の手順に従って生成した。
0.054%w/vカプサイシン(バッチ番号0953/17/A):原液のアリコート(10mL)を、10mLのシリンジを使用して10mLの容積の鼻内噴霧ボトルに充填した。続いて各ボトルに噴霧ポンプを取り付け、20個のボトルを提供した。
0.027%w/vカプサイシン(バッチ番号0953/17/B):表3からの原液(250mL)を500mLのメスフラスコに添加し、精製水で最大容量になるようにした。得られた溶液のアリコート(10mL)を、10mLのシリンジを使用して10mLの容積の鼻内噴霧ボトルに充填した。続いて各ボトルに噴霧ポンプを取り付け、20個のボトルを提供した。
0.0135%w/vカプサイシン(バッチ番号0953/17/C):バッチ番号0953/17/Bからの溶液(250mL)(すなわち、0.027%w/vのカプサイシン溶液)を500mLのメスフラスコに添加し、精製水で最大容量になるようにした。得られた溶液のアリコート(10mL)を、10mLのシリンジを使用して10mLの容積の鼻内噴霧ボトルに充填した。続いて各ボトルに噴霧ポンプを取り付け、20個のボトルを提供した。
0.0054%w/vカプサイシン(バッチ番号0953/17/D):バッチ番号0953/17/Dからの溶液(100mL)(すなわち、0.0135%w/vのカプサイシン溶液)を250mLのメスフラスコに添加し、精製水で最大容量になるようにした。得られた溶液のアリコート(10mL)を、10mLのシリンジを使用して10mLの容積の鼻内噴霧ボトルに充填した。続いて各ボトルに噴霧ポンプを取り付け、20個のボトルを提供した。
粘膜付着性物を含有するカプサイシン製剤用の材料および方法
実施例4〜6は、鼻内噴霧として投与するための粘膜付着性物を含まない、追加のカプサイシン製剤の開発を示す。
50mg/mLのクエン酸緩衝液の調製、pH6:化学天秤を使用して、2.78gの一水和物クエン酸および3.89gの二水和物クエン酸ナトリウムの量を、個々の50mLメスフラスコに秤量し、水に溶解した。得られた2つの溶液を、pH6のクエン酸緩衝液の溶液を生成するために一緒に滴定した。
100mg/mLのクエン酸緩衝液の調製、pH6:化学天秤を使用して、11.1gの一水和物クエン酸および15.6gの二水和物クエン酸ナトリウムの量を、個々の100mLメスフラスコに秤量し、水に溶解した。得られた2つの溶液を、pH6のクエン酸緩衝液の溶液を生成するために一緒に滴定した。
(表5)粘膜付着性物を含む場合および含まない場合の両方のカプサイシン製剤用の材料
Figure 2015526481
(表6)粘膜付着性物を含む場合および含まない場合の両方のカプサイシン製剤用の装置
Figure 2015526481
製剤の調製:第一期
この実施例は、粘膜付着性物を含まない鼻腔内送達用カプサイシン製剤の調製を示す。3つのカプサイシン製剤を、100gスケールでの重量対重量ベースで以下の手順に従って調製した。各製剤の組成を表7に要約する。
適切なサイズのビーカーに、製剤成分を秤量、攪拌し、完全な溶解が全製剤量のうち約90%達成されるまで超音波処理した。水の残量を添加する前に、各溶液のpHおよびモル浸透圧濃度を測定し、可能であれば、6.0〜6.5のpH範囲で等浸透液を得るように調整した。製剤2および3を、クエン酸緩衝液を調製するために使用した5%のクエン酸溶液を使用して適切なpH範囲に調整した。製剤1および2の最終緩衝液濃度は、クエン酸緩衝液の0.5%(w/w)であったことに注意されたい。
最初の5%(w/w)のクエン酸緩衝液を各製剤に10倍(w/w)に希釈した。pH調整のために使用される量はごくわずかであり、最終緩衝液濃度に影響を与えないと予想した。全ての製剤は、高浸透圧性であることが観察され、したがってモル浸透圧濃度の調整を必要としなかった。
続いて各製剤を水で最大量にし、一晩撹拌して均質な製剤が得られたことを確実にし、かつpHおよびモル浸透圧濃度を測定した。さらに、各溶液の密度を三重に測定した。これらの結果を表8に要約する。
(表7)第一期用に調製されたカプサイシン製剤の組成
Figure 2015526481
(表8)第一期カプサイシン製剤の分析結果
Figure 2015526481
23.4℃で測定した密度
製剤の調製:第二期
粘膜付着性物を含有しない3つのカプサイシン製剤の第2のセットを、100gスケールでの重量対重量ベースで以下のプロトコルに従うことにより調製した。各製剤の組成を表9に要約する。
適切なサイズのビーカーに、製剤成分を秤量、攪拌し、完全な溶解が全製剤量のうち約90%達成されるまで超音波処理した。水の残量を添加する前に、各溶液のpHおよびモル浸透圧濃度を測定し、可能であれば、6.0のpHで等浸透液を得るように調整した。
全ての製剤を、クエン酸塩緩衝液を調製するために使用した10%のクエン酸溶液を使用して約pH6.0に調整した。全ての製剤の最終緩衝液濃度は、クエン酸緩衝液の2.5%(w/w)であったことに注意されたい。最初の10%(w/w)のクエン酸緩衝液を各製剤に4倍(w/w)に希釈した。
pH調整のために使用される量はごくわずかであり、最終緩衝液濃度に影響を与えないと予想する。全ての製剤は、高浸透圧性であることが観察され、したがってモル浸透圧濃度の調整を必要としなかった。
続いて各製剤を水で最大重量にし、一晩撹拌して均質な製剤が得られたことを確実にし、かつpHおよびモル浸透圧濃度を測定した。さらに、各溶液の密度を三重に測定した。調製された製剤に加えて、2つの市販の鼻内噴霧剤を、pHおよびモル浸透圧濃度について分析した。これらの結果を表10に要約する。
(表9)第二期用に調製されたカプサイシン製剤の組成
Figure 2015526481
(表10)第二期カプサイシン製剤および市販の鼻内噴霧剤の分析結果
Figure 2015526481
22.5℃で測定した密度
製剤の調製:第三期
この実施例は、鼻腔内送達のための粘膜付着性物を含有するカプサイシン製剤の調製を実証する。5つのカプサイシン製剤の最終セットを、100gスケールで調製した製剤2を除く全ての製剤において700gスケールの重量対重量ベースで以下の手順に従って調製した。各製剤の組成を表11に要約する。
5つの製剤の調製を促進するために、成分のいくつかの原液を調製し、所望の濃度となるように続いて適切に希釈した。原液を以下に要約する。
水(92.3%)中、ローズマリー抽出物(0.8%)、ユーカリプトール(1.3%)、グレープフルーツ種子抽出物(0.5%)、Tween80(5%)、および塩化ベンザルコニウム(0.1%) ― 所望の製剤に比べ10倍高い濃度(w/w)で賦形剤の各々を含有するように、10倍原液を調製した。この溶液を、続いて表11に示す濃度を得るよう、製剤に10倍(w/w)希釈した。
AVICEL(登録商標)(2.5%) ― 所望の製剤よりも2倍の濃度(w/w)でAVICEL(登録商標)を含有するように、2倍原液を調製した。この溶液を製剤の前に調製し、均質な分散を達成するために一晩攪拌させた。濁った白色溶液が得られた。表11に示すように、次いで、この溶液を1.25%の最終濃度を得るために2倍(w/w)に希釈した。
適切なサイズのビーカーに、製剤成分および/または原液を秤量、攪拌し、完全な溶解が全製剤量のうち約90%達成されるまで超音波処理した。
水の残量を添加する前に、各溶液のpHおよびモル浸透圧濃度を測定し、可能であれば、6.0のpHで等浸透液を得るように調整した。全ての製剤を、クエン酸塩緩衝液を調製するために使用した10%のクエン酸溶液を使用してpH6.0に調整した。全ての製剤の最終緩衝液濃度は、クエン酸緩衝液の0.25%(w/w)であったことに注意されたい。最初の10%(w/w)のクエン酸緩衝液を各製剤に40倍(w/w)に希釈した。pH調整のために使用される量はごくわずかであり、最終緩衝液濃度に影響を与えないと予想する。
全ての製剤はほぼ等浸透性であることが観察され、したがってモル浸透圧濃度の調整を必要としなかった。
続いて各製剤を水で最大重量にし、一晩撹拌して均質な製剤が得られたことを確実にし、かつpHおよびモル浸透圧濃度を測定した。さらに、各溶液の粘性を三重に測定した。結果を表12に示す。
(表11)第三期用に調製された粘膜付着性物を含有するカプサイシン製剤の組成
Figure 2015526481
(表12)第三期カプサイシン製剤の分析結果
Figure 2015526481
防腐剤の研究
この実施例は、殺菌活性を有する防腐剤としてカプサイシンを含有する製剤の有効性を実証する。最初の検証スクリーンは、希釈剤として0.1%のポリソルベート80(PS80)を含むリン酸緩衝液、トリプティックソイ寒天培地(TSA)およびサブローデキストロース寒天培地(SAB)を使用して実施される。これらの試験で、3つの細菌株の回収は観察されなかったが、酵母および真菌の回収は許容できるものであった。
塩化ベンザルコニウム、カプサイシンUSPおよびグレープフルーツ種子抽出物を含む防腐剤系が、この防腐剤系を含有する増殖培地中への微生物や菌類の接種を含む攻撃に耐えることができるかどうかを評価するために、米国薬局方(USP)51ガイドラインプロセスを使用した。
プロトタイプ製剤の開発を支援する目的のために、適切な生物の回収および中和方法のためのスクリーニング検証をプロトタイプカプサイシン、RND114製剤で実施した。米国薬局方<51>ガイダンスが検証を実行するための基礎として使用された。
最初の検証スクリーンは、希釈剤として0.1%のポリソルベート80(PS80)を含むリン酸緩衝液、トリプティックソイ寒天培地(TSA)およびサブローデキストロース寒天培地(SAB)を使用して実施された。これらの試験で、3つの細菌株の回収は観察されなかったが、酵母および真菌の回収は許容できるものであった。
このスクリーニングの検証の目的は、「防腐剤攻撃試験」(抗菌効果試験(AET)としても知られる)を実施する際に生物を回収するのに標準希釈法が有効であるかどうかを決定することであった。プロトタイプ生物回収検証試験は、製剤のアリコートに指標生物懸濁液の適切な接種材料を添加することによって実施した。連続希釈液を、接種試験製剤の1:10希釈から開始して調製した。その後、1mLの注入プレートを、生物回収効率を評価するために各希釈液から調製した。米国薬局方<51>から5つの指標生物を使用した。(阻害が観察された場合は、さらに情報を収集するために、標準的な範囲を超えてインキュベーションを延長することができる。)米国薬局方<51>は、この実験的な検証を実施するための指針として参照された。
試薬および材料:
Figure 2015526481
手順:
各指標生物(5)について、10mLのアリコートを調製した。このアリコートにおけるcfu/mLの濃度が500cfu/mLの範囲内(または接種量が合計約5,000cfu)となるように、商業的に購入した生物懸濁液も調製した。理論上の計算値は、分析の製造業者の証明書に基づいていた。
5つの指標生物の各々を、個々のアリコートに接種し、十分に混合した。各接種したアリコート1mLを、1:10希釈を提供するために9mLの希釈剤(リン酸緩衝液、0.1% PS80)の中に移し、よく混合した。1:10の「中和」希釈液1mLを二つ組の注入プレートに移した。(注入プレート内の理論上のcfuカウントは約50であった。)その後、生物のための適切な溶融寒天15〜20mLを添加し、旋回して混合し、凝固させた。(細菌用にはTSA。酵母菌/カビ用にはSAB)。
次のようにプレートをインキュベートした:TSAプレートは30〜35℃。SABプレートは20〜25℃。細菌およびカンジダのための標準的なインキュベーションは3〜5日であり、したがって予想される生物の回収は3日以下であった。アスペルギルスのための標準的なインキュベーションは5〜7日であり、したがって予想される生物の回収は5日以下であった。(注:検証試験中に、例えば、阻害が観察された場合、追加情報を収集するためにインキュベーションは必要に応じて延長されている可能性がある)。インキュベーション後、各プレート上のcfuを計数し、二つ組プレートの平均値を算出した。結果を、接種対照数と比較した。許容可能な結果は、対照数の2倍±以内であった。
最初の検証スクリーンは、希釈剤として0.1%のポリソルベート80(PS80)を含むリン酸緩衝液、トリプティックソイ寒天培地(TSA)およびサブローデキストロース寒天培地(SAB)を使用して実施される。これらの試験下で、3つの細菌株の回収は観察されなかったが、酵母および真菌は、許容可能であることが発見された。
追跡調査である生物回収の研究が、この製剤について成功した米国薬局方51方法論を実証するために実施されるであろう。この次の段階は、寒天として標準TSAを用い、L&Tを含むTSBなどの中和希釈剤を使用して、いくつかのより高い中和希釈度を評価するものとなるであろう。さらに、L&Tを含むTSAなどの中和寒天を用いて、同一の中和希釈度の使用を評価することが行われるであろう。以下の表の提示を参照されたい。
(表13)追跡調査試験1:TSA注入プレート寒天を使用。SA、PA、ECの各生物について複製。
Figure 2015526481
(表14)追跡調査試験2:L&T含有TSA注入プレート寒天を使用。SA、PA、ECの各生物について複製。
Figure 2015526481
患者の研究
この実施例では、実施例7において経鼻経路による送達用に調製および製剤化された組成物の有効性およびヒトにおける発現までの時間を示す(すなわち AUSANIL(登録商標))。
頭痛の間の機能障害の陽性既往歴(働くことができない、集中困難、疲労感、吐き気、嘔吐、光および/または音声恐怖症)を持つ重度の頭痛、頻繁な頭痛、片頭痛または群発頭痛の既往歴のある12人の患者が、実施例7の本開示の組成物および製剤で治療を受けた(AUSANIL(登録商標))。各患者は委員会による認可を受けた神経科医(AC)の面接を受け、完全な既往歴が取られ、身体的および神経学的検査が、正しい診断およびAUSANIL(登録商標)使用の妥当性を確認するために完了した。
頭痛発症の初期の兆候の際に経鼻でAUSANIL(登録商標)を服用するよう患者に指示した。AUSANIL(登録商標)を片頭痛および群発頭痛の場合には同側の鼻に、および両側性/緊張型頭痛の場合には両側に噴霧した。AUSANIL(登録商標)を吸入したり、飲み込んだり、または別に摂取しないように、そして約1分後に鼻をかむことによって残留薬を取り除くよう、患者に指示した。
表15は、反応と共に患者の列を要約し、これに、各患者の既往歴および反応の簡単な要約が続く。患者の反応は5点評価尺度に基づいており、5は最高度の緩和を示す。
(表15)AUSANIL(登録商標)に対する患者の反応の要約
Figure 2015526481
症例の要約:
症例1:長年群発頭痛を持ち、1ヶ月続く現在の群発頭痛を含む複数の頭痛を患っている45歳の男性。患者は1日に2〜3回の非常に重度の頭痛に苦しみ、死にたいと述べた。ベラパミル、インドメタシン、プレドニゾン、トリプタン、および酸素の試行は成功しなかった。AUSANIL(登録商標)を1日に複数回使用し、患者の頭痛の治療に成功した。患者は、鼻の刺痛は重大ではなく、緩和が即時であることを示した。
症例2:数年間、毎日の両前頭部(bifrontal)「緊張型」頭痛を持つ32歳の女性。患者の既往歴は薬物乱用(薬物乱用/リバウンド頭痛)に関連する慢性の頻繁な頭痛を強く示唆している。薬への中程度の反応および痛みの緩和の長い発現を伴うMOTRIN(登録商標)/EXCEDRIN(登録商標)/TYLENOL(登録商標)(最大1g/日)の高用量の使用。AUSANIL(登録商標)を鼻内噴霧として両側に使用すると、作用の即時の発現を伴う頭痛の治療に成功した。患者は、有効性を失うことなく、毎日AUSANIL(登録商標)を使用し続けた。鼻の刺痛は患者にとって重大では無いことが説明された。定期的な使用の1ヶ月後、患者の頭痛は月に1回または2回に減少している。AUSANIL(登録商標)は患者の頭痛に迅速に効果的であり続けている。
症例3:「片頭痛」の生涯にわたる既往歴を持つ65歳の男性。頭痛は患者の青年期に月に数回発生し、20年間消えていたが、最近10年間に戻ってきた。頭痛は週に2回発生したが、その強さは、患者の以前の「片頭痛」よりもはるかに低い。彼のこめかみの片側にズキズキする痛みを感じ、痛みの緩和のための鎮痛薬は作用するのに1時間以上かかる。患者は現在の処方箋で満足であると説明した。頭痛の側への片側のみのAUSANIL(登録商標)噴霧は痛みの緩和の即時の発現により痛みの治療に成功し、24時間再発しなかった。患者は鼻の刺痛には驚いたが、問題にはならないと説明した。
症例4:幼少期から生涯にわたる片頭痛および頭痛を持つ46歳の男性。頭痛は月に数回左側に片側のみ発生する。頭痛のために高用量のTYLENOL(登録商標)(1g)を服用。CADの既往歴のためトリプタンは禁忌である。高用量のNAPROSYN(登録商標)/イブプロフェン/ASPIRIN(登録商標)使用の長い経歴。患者は、上記に起因する胃潰瘍と診断された。吐き気のためDHEを使用することができない。AUSANIL(登録商標)の使用は即時かつ持続的な緩和をもたらした。患者は、1分未満での頭痛の緩和を伴って、AUSANIL(登録商標)をほぼ1年間使用している。鼻の刺痛は問題ではない。患者は、もはやTYLENOL(登録商標)を使用していない。
症例5:一部は月経に関連する、不定期の緊張型頭痛を持つ40歳の女性。頭痛は数年間、月に2〜3回発生。一部の頭痛は、月経期間の開始時に発生する。頭痛治療のため、TYLENOL(登録商標)/NAPROSYN(登録商標)/イブプロフェンを含む複数のOTC薬を使用した。月経頭痛を除いて、治療計画は概ね有効であるが、作用の開始に長くかかる。AUSANIL(登録商標)の使用は緊張型頭痛の即時かつ完全な緩和をもたらした。迅速な緩和の発現のため、患者は頭痛に対してAUSANIL(登録商標)をTylenolと一緒に服用しない。AUSANIL(登録商標)は、月経頭痛の持続的緩和には無効であった:患者は、症状の改善を説明するが、頭痛は約30分以内に再開/悪化することを報告した。
症例6:慢性的な重度の頭痛および日々の痛みに起因する弱い機能をもたらす外傷性脳損傷(TBI)を持つ57歳の左利きの男性。患者は8年前に階段から落下し左頭頂領域上に硬膜下血腫を伴うTBIを受けた。損傷後の慢性頭痛症候群は対処するのが非常に困難であり、絶え間ないベースラインの痛みおよび左側の鋭い痛みの不定期の悪化からなった。患者はPercocet(登録商標)、オキシコドン、Fioricet(登録商標)および神経ブロックで治療されたが失敗した。唯一の他の医学的問題は、シンバスタチンで治療した高コレステロール血症である。患者は痛みに対し、左側に、10分で区切られた2回の吹付けでAUSANIL(登録商標)を使用した。痛みの緩和は約2分で経験され、50〜65%の改善および2時間半続いた「くつろぎ」として説明された。患者は数分間持続する驚くべき刺痛を報告したが、刺痛は、痛みの緩和の利益の観点からすれば重大ではなかった。
症例7:10代以来の片頭痛の既往歴のある36歳の右利きの女性。頭痛は月に3回または4回の割合で発生し、常に吐き気、嘔吐、光および音声恐怖症に関連付けられていた。頭痛は機能を損ない、患者が仕事をするのを妨げる。患者は処方IMITREX(登録商標)を試してみたが、痛みの緩和をもたらさず、さらなる吐き気を引き起こした。患者はさらに、痛みに対する反応が限定的で遅いEXCEDRIN(登録商標)、MOTRIN(登録商標)、TYLENOL(登録商標)、APPIRIN(登録商標)およびSINOL(登録商標)を使用した。2回の噴霧を用いて同側の鼻孔に投与されたAUSANIL(登録商標)は、45秒以内に痛みの緩和をもたらした。患者は、刺痛は重大ではなく他の副作用は観察されなかったと報告した。
症例8:7歳から片頭痛を持ち4年前に神経科医によって診断された29歳の右利きの女性。頭痛は主に頭の右側に、月に2〜3回の頻度で起こる。頭痛は常に視覚的なオーラ、トンネル状視野、歩行困難(運動失調でない)、および重度の光および音声恐怖症に関連付けられた。患者は各無処置の発症で吐き気および嘔吐を経験した。痛みはほとんどが右目の後ろに感じ、ズキズキする感覚と説明された。患者は痛みの緩和のためIMITREX(登録商標)を使用したが、あまりにも多くの吐き気を報告し、INDERAL(登録商標)はうつ病を引き起こした。患者はEXCEDRIN(登録商標)PMを使用しており、頭痛発症時の早期での2錠は、1時間のうちに、さらに2錠続いた。患者は、その頭痛は、既存の治療計画で1時間未満では消えないと報告した。処置される右鼻孔に対するAUSANIL(登録商標)の2回の噴霧は、5分未満で片頭痛の痛みからの緩和を患者にもたらした。患者は、刺痛は痛みの緩和の観点からすれば重大ではないと報告した。さらなる副作用は報告されなかった。その後のAUSANIL(登録商標)の使用は毎回3分未満で完全な痛みの緩和をもたらし、24時間以内の再発はなかった。
症例9:「稲妻」と説明される不定期の重度の前頭部両側性頭痛を持つ49歳の右利きの男性。いかなる具体的な頭痛症候群の既往歴もなく、むしろ完全に健康であり、比較的低頻度であることから頭痛に対する投薬は受けていない。患者は各鼻孔に2用量のAUSANIL(登録商標)を投与され、2分未満で頭痛からの痛みの完全な緩和を報告した。患者は刺痛が重大でなかったことを示した。
症例10:仕事のストレス、睡眠不足および不定期の関連するホルモンにより誘発される両側性緊張型頭痛の15年の既往歴を持つ44歳の右利きの女性。患者は毎月3〜4回の治療された頭痛を経験し、最近の頭痛は起床時にありこれは数日間続いた。頭痛を、毎日160mgのプロプラノロールで治療した。患者はさらに、痛みに対しピロキシカム、ブタルビタールおよびヒドロコデインを数回使用する。額およびこめかみの周囲の痛みは両側性であり、他の症状のないズキズキした痛みだと説明された。各鼻孔に投与された1用量のAUSANIL(登録商標)は、数分以内に効果的に頭痛を治療した。患者は、刺痛は少なく約10分続くと説明した。頭痛は2時間後に再発したが、AUSANIL(登録商標)のその後の投与は、痛みを軽減するのに有効であった。
症例11:仕事のストレス、睡眠不足およびアルコールにより誘発される片頭痛および緊張型頭痛の既往歴のある33歳の右利きの男性。頭痛の頻度は、月に2〜5回であった。高用量のEXCEDRIN(登録商標)およびMOTRIN(登録商標)は効果的であったが、緩和のために1時間以上を要し、時々複数の用量が、完全な緩和のために必要であった。各鼻孔への1用量のAUSANIL(登録商標)は20秒で患者の頭痛の治療に成功し、再発はなかった。患者は、刺痛は痛みの緩和の観点からすれば重大ではないと報告した。
症例12:両側性頭痛の20年の既往歴を持ち、神経科医によって片頭痛と診断された28歳の右利きの女性。頭痛は、光恐怖症および音声恐怖症を伴い、頭全体にわたって発生した。患者はまた、部分的に鋭くおよびズキズキすると様々に説明される後頭部および首の痛みを説明した。頭痛は、常に吐き気や嘔吐を伴い、頭痛中に通常約3時間続いた。頭痛は運動、睡眠不足、赤ワインがきっかけとなって週1回の頻度で起こるが、いずれも月経には関連していない。患者は過去に、様々な結果および顕著な機能障害を伴ってTOPAMAX(登録商標)、スマトリプタン、ハーブ薬、EXCEDRIN(登録商標)およびADVIL(登録商標)を使用していた。患者はAUSANIL(登録商標)について神経科医によって検査および評価されたときに頭痛を経験しており、受診中に治療を受けた。患者は数分でいくらかの緩和を報告したが、その後の頭痛(複数回)はAUSANIL(登録商標)の使用から益を受けなかった。
一般に、開示された組成物の最もありふれた副作用は、一過性の刺すような感覚および涙がでることまたは眼の赤み、および時折のくしゃみであった。軽度の喉の炎症のいくつかの症例が報告された(薬が喉の奥を下に滴る場合)。
上記実施例を参照し、本発明について説明したが、本発明の趣旨および範囲内で様々な修正および変形が包含されることが理解される。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (26)

  1. 少なくとも約0.013%(w/w)のカプサイシンを含む、経鼻送達用に製剤化された組成物。
  2. 少なくとも1つの追加の治療剤を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記治療剤がショウガである、請求項2に記載の組成物。
  4. 粘膜付着性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記粘膜付着性剤が微結晶セルロースである、請求項4に記載の組成物。
  6. 鼻内噴霧による鼻腔内送達用に製剤化された、請求項1に記載の組成物。
  7. 濃度が約0.013%〜0.1%(w/w)のカプサイシンである、請求項1に記載の組成物。
  8. 濃度が約0.027%〜0.054%(w/w)のカプサイシンである、請求項1に記載の組成物。
  9. 濃度が約0.0135%(w/w)のカプサイシンである、請求項1に記載の組成物。
  10. 濃度が約0.013%〜0.075%(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
  11. 濃度が約0.027%(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
  12. 濃度が約0.054%(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
  13. 片頭痛、重度の頭痛、または群発頭痛の治療のための方法であって、それを必要とする対象に、請求項1に記載の組成物の治療上有効量を投与し、それによって該片頭痛または頭痛を治療することを含む、前記方法。
  14. 前記対象がヒトである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記組成物が鼻内噴霧によって投与される、請求項13に記載の方法。
  16. 少なくとも1つの追加の治療剤の投与をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記治療剤が鎮痛薬である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記鎮痛薬が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、トリプタン、オピオイド、アセトアミノフェン、半合成オピオイドまたはジヒドロエルゴタミン(DHE)である、請求項17に記載の方法。
  19. 酸素の投与をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  20. 濃度が約0.0135%(w/w)のカプサイシンである、請求項13に記載の方法。
  21. 前記組成物が粘膜付着性剤をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  22. 片頭痛、重度の頭痛、または群発頭痛の症状を抑制する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1に記載の組成物の治療上有効量を投与し、それによって該片頭痛または頭痛の症状を抑制することを含む、前記方法。
  23. 前記対象がヒトである、請求項22に記載の方法。
  24. 片頭痛、重度の頭痛、または群発頭痛の症状を予防する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1に記載の組成物の治療上有効量を投与し、それによって該片頭痛または頭痛の症状を予防することを含む、前記方法。
  25. 前記対象がヒトである、請求項24に記載の方法。
  26. 定量噴霧器の状態で製剤化される、請求項1に記載の組成物。
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