ゴルフゲームは、ゴルフボールを打って指定された穴に入れることからなる。最初に、ゴルファーは、ゴルフボールを空中に打つための指定されたゴルフクラブを使用して、指定された穴が位置付けられた所であるグリーン上にゴルフボール乗せることを狙う。グリーンに乗ると、ゴルファーは次にパターを使用して、グリーンの表面に沿ってゴルフボールをストロークし、最終的に指定された穴に入れる。ゴルファーは次に、ゴルフボールを指定された穴に入れるのに打ったゴルフショットの数を数えてゲームを記録する。
ゴルファーの記録は、多くの場合、ゴルフボールをグリーンの表面に沿ってストロークして指定された穴に入れるのに試みた数の結果として増大する。概算で、プロ選手およびアマチュア選手共に、ゴルフショットの約40%はグリーン上でのものである。最も多く使用されたゴルフショットのタイプがパッティングであるという示された事実にもかかわらず、多くのゴルファーは、なおもパッティングがゲームのうちの難しい部分であると感じている。ゴルフの練習は、ゴルファーを向上させ、ゴルファーがゴルフボールを指定された穴に入れるために打ったゴルフショットの数を減らすのに最も有効な方法である。パッティングは、明らかにゴルフゲームの極めて重要な部分であるが、多くの場合に、日常の練習においてゴルファーは軽視している。一般に、ゴルファーは、ドライバー、アイアンショットおよびチップショットなどの長距離のゴルフショットの練習を主に提供するゴルフ練習場でゴルフのスイングを練習する。グリーンの練習は、そのようなゴルフ練習場でも提供されているが、練習グリーンの質は、ゴルフ場で見られるグリーンの質をかなり下回ることがあり、大抵のゴルファーは、そのような質の低いグリーンでのゴルフパッティングの練習のメリットを認めていない。大抵のアマチュアゴルファーがゴルフ練習場でパッティングを練習しないことは真実と言える。
自宅で使用できるパッティング練習装置の設備が、ゴルファーに有益であろうことが長く知られてきた。多くのそのようなゴルフパッティング練習装置が既に存在している。以下に明示されるように、大部分においてこれらの先行技術のゴルフパッティング練習装置には多くの制限があり、ゴルファーが行ったパッティングストロークおよびパットのタイプに関して比較的粗雑かつ単純なフィードバックしか与えない。
例えば、既存の先行技術のパッティング練習装置の多くは、単にパッティングマットおよびゴルファーがゴルフボールを打つ練習をできる方にある指定されたターゲットまたは穴だけを含む。しかしながら、ゴルファーのパッティングストロークの根本的な欠点は、そのような装置では特定されない。実際に、ゴルファーは、穴の位置およびパットの長さにいずれ慣れ、結果的に、その特定のパッティング装置におけるゴルフボールの成功的なパッティングに熟練するが、彼らの全体的なパッティング技術は、なおも根本的な欠点があり得る。
ゴルファーのパッティングストロークを観測および解析して、パッティングストロークが的確であるか否かを評価する少数の先行技術のパッティング練習装置がある。これらのパッティングストローク解析装置は、通常、赤外線または他のそのような信号を使用して、パッティングストローク中のパターの軌道を観測する。
一つのそのような例のパッティングストローク解析装置に、米国特許第US7,744,482号(WATSON)が挙げられる。米国特許第US7,744,482号は、上部デッキおよび下部デッキを有するパッティングストローク解析器を開示している。この上部デッキは、下部デッキと直角に位置する。上部デッキは赤外線放射体を含み、下部デッキは赤外線センサを含む。この赤外線放射体は、赤外線信号を下部デッキにおける一以上の対応する赤外線センサに向けて継続的に放出する。上部デッキと下部デッキとが直角に位置するため、赤外線信号のビームは、パッティングストローク解析器の上部デッキと下部デッキとの間の空間を斜め方向に横切る。この空間において、ゴルファーは、パッティングストロークの練習としてパターをスイングする。ゴルファーが空間においてパターをスイングすると、赤外線ビームが遮断され、結果的に、ビームが遮断された位置、期間および互いに関連する時を検出することによって、ゴルファーのパッティングストロークを観測および解析できる。これによりパッティングストローク解析装置は、パッティングストロークに関するフィードバックをゴルファーに提供する。このフィードバックは特に、パターヘッドの四角のインパクト時の状態、パッティングストロークの速度、およびパットの推定距離である。
この先行技術の解決法は、望ましくないことが見出された。なぜならば、遮断される赤外線ビームを必要とし、それ故に、赤外線ビームを、上部デッキにおける赤外線放射体と、それと相補的な下部デッキにおける赤外線センサとの間の軌道に沿って、連続的にかつ比較的長い距離を伝える必要があるからである。それ故に、米国特許第US7,744,482号の装置は、結果として電力消費量が比較的高くなる。さらに、パターの位置を示すために遮断される連続ビームを存在させるために、赤外線放射体とセンサとを、互いに対向させて位置付ける必要がある。装置の小型化および携帯性のために、これは結果として、上部および下部デッキが互いに略直角に配置された米国特許第US7,744,482号に示す構造になった。これは装置の全体サイズを増大し、望ましくはない。さらに、赤外線ビームは、パッティングストローク空間を斜めに横切って伝わり、そのような角度外の斜め方向の軌道が不正確な結果を生じることがある。例えば、同一の赤外線ビームが、ゴルファーからのパターの距離が変わるときにパターによって遮断されるが、下部デッキからのパターの高さが変わるときにも遮断される。それ故に、米国特許第US7,744,482号に開示した配置ではパターの位置を真に正確には検出できない。
別の例のゴルフスイング解析装置が、米国特許第US8,118,687号(GALLOWAY)に開示されている。これは、ゴルファーのゴルフスイングを測定するための別の赤外線ベースのシステムを記述している。赤外線センサがゴルフスイングを測定できるように、使用するゴルフクラブにおいて、ゴルフクラブのヘッドおよびゴルフクラブのシャフトに赤外線反射体を位置付ける必要がある。赤外線反射体は、ゴルフクラブのヘッドのトウの先端位置と、ゴルフクラブのシャフトの下部および上部とに取り付ける必要がある。ゴルファーがスイング場においてゴルフクラブをスイングすると、赤外線センサが赤外線信号を出し、この信号が、ゴルフクラブに取り付けられた複数の赤外線反射体に反射し、赤外線センサに感知される。このようにして、スイング場におけるゴルフクラブの軌道を観測および評価できる。
そのような構造には不都合がある。赤外線センサを組み込むパッティング練習ストローク解析器の前の例は、使用するゴルフクラブに赤外線反射体を取り付ける必要がある場合に、望ましくないことが見出された。ゴルフクラブに赤外線反射体を取り付ける必要があると、ゴルファーにとって負担および時間消費の両方となる好ましくない複雑性がシステムの初期設定にもたらされる。
さらに、取り付けられた赤外線センサのために、ゴルファーが使用するゴルフクラブの重量配分が変わる。重量配分の変化によって、ゴルファーのゴルフクラブの感触が異なり、赤外線反射体が取り付けられていないゴルフクラブでゴルフスイングを再現するゴルファーの能力に影響を及ぼす。赤外線センサを含むゴルフクラブを使用したときにゴルファーが感じる重量配分は、ゴルファーが経験する実際の状況を正確に反映しない。
本発明の目的は、前述の問題の少なくとも一つを克服する機械を提供することにある。
本明細書の全体を通じて、「パッティングストローク解析装置」という用語は、パッティングストロークを練習できる、その全域、その上方またはそこを通じた空間内の平面または指定の領域を包含すると理解されるべきである。この領域では、これらに限定されないが、パターヘッドの速度、パターヘッドの速さ、パターヘッドの加速度、ゴルフボールの速度、ゴルフボールの速さ、ゴルフボールの加速度、パターヘッドのスイング軌道、パターヘッドの迎角、ゴルフボールにインパクトした時点のパターヘッドの角度、ゴルフボールにインパクトした時点のパターヘッドのインパクト点などのさまざまなパッティング特性を検出して評価できる。
本発明は、パターを使用するゴルファーのパッティングストローク技術を解析するためのパッティングストローク解析装置に関する。パッティングストローク解析装置は、そこに配置された複数の赤外線放射体および共に動作する赤外線センサを備えた平面を含む。複数の赤外線放射体の各々は赤外線ビームを放出することができ、複数の共に動作する赤外線センサの各々は反射した赤外線ビームを検出できる。ここでは、反射した赤外線ビームは、ゴルファーによるパッティングストローク技術の実行中、平面における複数の赤外線放射体および共に動作する赤外線センサの上方を進むパターに反射する。パッティングストローク解析装置は、さらにプロセッサを含む。これは、複数の共に動作する赤外線センサの少なくとも一つからの情報を受信し、その情報を処理してパッティングストローク技術のパッティング特性を決定する。
そのような赤外線ベースのパッティングストローク解析装置を提供する利点は、パッティングストローク解析装置が平面を含み、その平面に赤外線放射体および共に動作する赤外線センサの両方が位置し、従って、放射体からの赤外線ビームが、パターによってセンサに向かい後方に反射するほかないことである。それ故に、比較的低出力の赤外線放射体を使用することにより、装置の電力消費要件を減らすことができる。さらに、パッティングストローク解析装置は、比較的小型であり、運搬できる。このサイズ、そして装置の電力消費要件が比較的低いため、装置は、携帯性を増す電池式にできる。
また、赤外線ビームが低出力レベルであるため、反射した赤外線ビームをセンサが検出するために、パターが平面にごく接近して通る必要がある。それ故に、パターは、検出されるために平面から250mm以内を通る必要がある。実際には、赤外線ビームは、検出されるためのパターが50mm以内を通るものとして出力され得る。パターがそのように平面にごく接近して通る必要があるため、パターの他の部分またはゴルファーもしくはゴルファーの衣類などの他の物体からのスプリアス信号、さらには、隣接していない放射体とセンサとの間のクロストークも除去される。赤外線放射体の低出力の性質では、一以上の赤外線センサによって順々に受信および検出され、確認される赤外線信号の強い反射のためにパターが実際の赤外線放射体にごく接近する必要があるため、パターの位置決めの精度が比較的高いことが保証される。これにより、装置の精度が増す。
さらなる実施形態では、平面は、使用中略水平面に位置し、複数の赤外線放射体および共に動作する赤外線センサは、平面における略同じ横断面に配置される。
平面パッティング面上の略同じ横断面に配置された複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを提供する利点は、低出力の赤外線ビームを使用してさまざまなパッティング特性を検出できることである。この特性は、例えば、パターの速度、パターの速さ、パターの加速度、打たれたゴルフボールの速度、打たれたゴルフボールの速さ、打たれたゴルフボールの加速度、パターのスイング軌道、パターの迎角、ゴルフボールにインパクトした時点のパターの角度、ゴルフボールにインパクトした時点のパターのインパクト点、パターの速度、パターの速さおよび/またはパターの加速度に基づくパットの距離、ゴルフボールの速度、ゴルフボールの速さおよび/または打たれたゴルフボールの加速度に基づくパットの距離がある。
本発明の最も重要な点は、平面ならびに複数の赤外線放射体および赤外線センサの配置によって、赤外線ビームが遠距離を伝わる必要がないため、低出力の赤外線ビームを使用できることである。従って、好ましい実施形態では、赤外線ビームは、0.8〜2.5μmの範囲の波長とほぼ等しい14000cm−1〜4000cm−1の範囲の波数を有する。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサは、複数の集団で配置される。複数の集団の各々は、少なくとも一つの赤外線放射体、少なくとも一つの共に動作する赤外線センサ、および少なくとも一つの赤外線放射体と少なくとも一つの共に動作する赤外線センサとの中間に位置付けられた赤外線遮断シールドを含む。この配置では、反射した赤外線ビームのみを、少なくとも一つの共に動作する赤外線センサによって検出できる。
この利点は、赤外線ビームがパターに反射することなく、赤外線放射体と赤外線センサとの間にクロストークが発生しないことである。
さらなる実施形態では、少なくとも一つの集団は、同一線上に配置された複数の赤外線放射体および同一線上に配置された複数の共に動作する赤外線センサを含む。ここでは、複数の同一線上の赤外線放射体と複数の同一線上の共に動作する赤外線センサとは、平行に配置される。少なくとも一つの集団は、複数の同一線上の赤外線放射体と複数の同一線上の共に動作する赤外線センサとの中間に位置付けられた伸長赤外線遮断シールドをさらに含む。この配置では、反射した赤外線ビームのみを、少なくとも一つの共に動作する赤外線センサによって検出できる。
さらなる実施形態では、少なくとも一つの集団は、同一線上に配置された複数の赤外線放射体および同一線上に配置された複数の共に動作する赤外線センサを含む。ここでは、複数の同一線上の赤外線放射体と複数の同一線上の共に動作する赤外線センサとは、平行に配置される。少なくとも一つの集団は、複数の同一線上の赤外線放射体と複数の同一線上の共に動作する赤外線センサとの中間にそれぞれが位置付けられた複数の赤外線遮断シールドをさらに含む。この配置では、反射した赤外線ビームのみを、少なくとも一つの共に動作する赤外線センサによって検出できる。
集団を使用する利点は、より詳細な精度および測定値が得られることである。
さらなる実施形態では、赤外線放射体が放出した赤外線ビームが変調される。さらなる実施形態では、赤外線放射体が放出した赤外線ビームは、20kHz〜100kHzの範囲の変調周波数に変調される。さらなる実施形態では、赤外線放射体が放出した赤外線ビームは、略38kHzの変調周波数に変調される。代替的な実施形態では、赤外線放射体が放出した赤外線ビームは、略56kHzの変調周波数に変調される。
さらなる実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、検出した赤外線ビームのうちのバンドパスフィルタ範囲を外れたビームを減衰するバンドパスフィルタを含む。さらなる実施形態では、共に動作する赤外線センサの各々が、検出した赤外線ビームのうちのバンドパスフィルタ範囲を外れたビームを減衰するバンドパスフィルタを含む。代替的な実施形態では、プロセッサが、検出した赤外線ビームのうちのバンドパスフィルタ範囲を外れたビームを減衰するバンドパスフィルタを含む。好ましくは、バンドパスフィルタは、略38kHzまたは略56kHzに合わせられる。
さらなる実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、高利得増幅器を含む。さらなる実施形態では、共に動作する赤外線センサの各々が高利得増幅器を含む。代替的な実施形態では、プロセッサが高利得増幅器を含む。好ましくは、高利得増幅器が少なくとも40dBの利得を含む。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを使用して、ゴルフボールにインパクトする前のパターのパッティング特性の少なくとも一つを測定する。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを使用して、ゴルフボールにインパクトした時点のパターのパッティング特性の少なくとも一つを測定する。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを使用して、ゴルフボールにインパクトした後のパターのパッティング特性の少なくとも一つを測定する。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターのパターヘッドの速度である。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターのパターヘッドの速さである。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターのパターヘッドの加速度である。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターにインパクトした直後のゴルフボールの速度である。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターにインパクトした直後のゴルフボールの速さである。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターにインパクトした直後のゴルフボールの加速度である。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターのパターヘッドの角度である。このパターヘッドの角度は、理想的なパッティングラインに対して測定される。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターのパターヘッドのインパクト点である。このインパクト点は、ゴルフボールにインパクトしたパターヘッドのパターフェイス上の点として測定される。
さらなる実施形態では、パッティングストローク技術のパッティング特性の一つは、パターのパターヘッドのスイング軌道である。このスイング軌道は、ゴルフボールにインパクトする前にパターヘッドが移動した軌道に沿って測定される。
さらなる実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、パット距離ルックアップテーブルを含む。このパット距離ルックアップテーブルは、パター速度および/またはパター加速度の値に基づいたパット距離の値を保持している。パッティングストローク解析ツールは、パターがゴルフボールにインパクトした時点の実質的なパターのパターヘッドの速度および/または加速度を測定し、そしてパット距離ルックアップテーブルを参考し、パターのパターヘッドの測定した速度および/または加速度に基づいたパット距離の値を引き出すことによって、パットの距離を決定する。
さらなる実施形態では、このパット距離ルックアップテーブルは、パター速度および/またはパター加速度の値に基づいた、ならびにパッティングストローク解析ツールが使用されている表面のタイプに基づいたパット距離の値を保持している。パッティングストローク解析ツールは、パッティングストローク解析ツールが使用されている表面のタイプを確定し、パターがゴルフボールにインパクトした時点の実質的なパターのパターヘッドの速度および/または加速度を測定し、そしてパット距離ルックアップテーブルを参考し、確定したパッティングストローク解析ツールが使用されている表面のタイプならびにパターのパターヘッドの測定した速度および/または加速度に基づいたパット距離の値を引き出すことによって、パットの距離を決定する。
さらなる実施形態では、パット距離ルックアップテーブルは、ゴルファーが入力した履歴データ、またはゴルファーが入力した一連のスティンプメータでの計算値に基づいたパット距離の値を保持している。
さらなる実施形態では、パターがゴルフボールにインパクトした時点の実質的なパターのパターヘッドの速度および/または加速度を測定するステップは、パターのパターヘッドがゴルフボールにインパクトしている所定の期間内のパターのパターヘッドの速度および/または加速度を測定することを含む。
さらなる実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、パターによって打たれたゴルフボールの運動量を計算することによってパットの距離を決定する。運動量原理を維持し、パターのパターヘッドの質量および打たれたゴルフボールの質量を既知のものとして仮定し、パターヘッドがゴルフボールにインパクトする前およびパターヘッドがゴルフボールにインパクトした後のパターのパターヘッドの速度の測定値を用いることによって、ゴルフボールとのインパクト前のパターの運動量およびゴルフボールとのインパクト後のパターヘッドの運動量を決定できる。これらの間の差異は、ゴルフボールの運動量と略等しいであろう。そしてゴルフボールの質量が既知である場合には、ゴルフボールの速度を決定できる。スティンプメータの測定値およびゴルフボールの速度を用いて、パットの距離を決定できる。
あるいは、インパクト直後のゴルフボールの速度を測定し、スティンプメータの測定値またはルックアップテーブルを使用して、より簡単な方法でパットの距離を決定できる。
さらなる実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、パッティングストローク技術のパッティング特性をゴルファーに表示するための画面を含む。
さらなる実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、パッティングストローク技術のパッティング特性を外部装置に転送するための入出力ポートを含む。
さらなる実施形態では、外部装置はコンピュータである。あるいは、外部装置は表示画面である。
一実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、仮想ゴルフゲームの一部として使用される。別の実施形態では、パッティングストローク解析ツールは、ゴルフコーチによるスイング解析の一環として使用される。
本発明は、さらにパッティングストローク解析器に関する。これは、複数の赤外線放射体を有する平面パッティング面、および平面パッティング面の下方に位置付けられた複数の共に動作する赤外線センサを含む。複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサは、平面パッティング面の下方における略同じ横断面に配置される。複数の赤外線放射体のうちの一つから放出された赤外線ビームは、平面パッティング面の上方を進むパターヘッドに反射し、複数の共に動作する赤外線センサのうちの一つの方に戻り、平面パッティング面の上方におけるパターの位置を示すことができる。
平面パッティング面の下方における略同じ横断面に配置された複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを提供する利点は、比較的低出力の赤外線ビームを使用してさまざまなパッティング特性を検出できることである。この特性は、例えば、速度、速さ、加速度、スイング軌道、迎角、パターヘッドの角度、インパクト点、パターヘッドの速度および/または加速度に基づくパットの距離、打たれたゴルフボールの速度および/または加速度に基づくパットの距離などがある。低出力の赤外線ビームは、遠距離を伝える必要がない場合に使用できる。
さらに、複数の赤外線放射体のうちの一つから放出された赤外線ビームが、平面パッティング面の上方を進むパターヘッドに反射し、複数の共に動作する赤外線センサのうちの一つの方に戻り、平面パッティング面の上方におけるパターの位置を示す場合に、赤外線放射体は比較的低出力のものでもよい。
また、赤外線ビームは、反射したビームを検出するためにパターヘッドが平面パッティング面に最大でもおおよそ250mm未満、好ましくは50mm未満にごく接近するように、低出力レベルに制御される。これによりクラブの他の部分またはゴルファーもしくはゴルファーの衣類などの他の物体からのスプリアス信号、または隣接していない放射体とセンサとの間のクロストークが除去される。赤外線放射体の低出力の性質では、一以上の赤外線センサによって順々に受信および検出され、確認される赤外線信号の強い反射のためにパターヘッドが実際の赤外線放射体にごく接近する必要があるため、パターヘッドの位置決めの精度が比較的高いことが保証される。
さらなる実施形態では、赤外線放射体が放出した赤外線ビームが変調される。さらなる実施形態では、変調周波数は、20kHz〜100kHzの範囲、好ましくは略38kHzまたは56kHzである。
さらなる実施形態では、赤外線センサは、バンドパスフィルタを含む。好ましくは、バンドパスフィルタは、略39kHzまたは56kHzに合わせられる。
さらなる実施形態では、赤外線センサは、高利得増幅器を含む。好ましくは、高利得増幅器は、少なくとも40dBである。
本発明のさらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の赤外線センサは、集団で配置される。好ましくは、各集団は、少なくとも一つの赤外線放射体、赤外線センサ、および赤外線装置と赤外線センサとの間に位置付けられた赤外線遮断シールドを含む。この配置では、反射した赤外線ビームのみを赤外線センサによって検出できる。
さらなる実施形態では、少なくとも一つの集団は、複数の略同一線上に配置された赤外線放射体、赤外線放射体と平行に位置する、複数の略同一線上に配置された共に動作する相補的な赤外線センサ、およびそれらの間に位置付けられた伸長赤外線遮断シールドまたは個々の遮断シールドを含む。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを使用して、ゴルフボールにインパクトする前のパターヘッド、ゴルフボールにインパクトした瞬間のパターヘッド、および/またはゴルフボールにインパクトした後のパターヘッドのさまざまなパッティング特性を測定する。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを使用して、ゴルフボールにインパクトした後のパターヘッドのさまざまなパッティング特性を測定する。
さらなる実施形態では、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサを使用して、ゴルフボールにインパクトする前およびインパクトした後のパターヘッドのさまざまなパッティング特性を測定する。
さらなる実施形態では、パットの距離は、インパクト時またはパターヘッドがゴルフボールにインパクトした短時間内のパターヘッドの速度および/または加速度を測定し、続いて以下のいずれかの実行に基づいてパットの距離を決定できる。すなわち、a)種々の表面における種々のパターヘッド速度に関する距離の値が保存されたテーブルに基づくパットの距離の計算、b)標準的な表面における距離のデフォルト値、c)パターヘッドの質量、インパクト時のパターヘッドの速度、ゴルフボールが打たれる表面についてのスティンプメータの測定値、およびゴルフボールの質量に基づくゴルフボールの運動量の計算、またはd)インパクト後のゴルフボールの速度、ゴルフボールの質量、およびゴルフボールが打たれる表面についてのスティンプメータの測定値に基づくゴルフボールの運動量の計算のいずれかに基づいて決定する。
例えば、パターヘッドの質量、インパクト時のパターヘッドの速度、ゴルフボールが打たれる表面についてのスティンプメータの測定値、およびゴルフボールの質量に基づいてゴルフボールの運動量を計算するステップは、パッティングストローク解析装置がインパクト後ならびにインパクト時のパターヘッドの速さを測定することを含む。パターヘッドの質量が既知であれば、ゴルフボールとのインパクト時に受けるパターヘッドの運動量の損失を計算できる。この運動量の損失の全てが、打たれたゴルフボールに伝達すると推測される。ゴルフボールの質量が既知であるため、それ故にゴルフボールの速さを計算できる。その上でゴルフボールが打たれる表面のタイプ(すなわち、速いグリーン、中速のグリーンまたは遅いグリーンなどのシミュレートされたプレーする表面)の知識に基づく既知のスティンプメータの測定値を摩擦要素の係数として適用すれば、ゴルフボールが移動する推定距離を決定できる。あるいは、パッティングストローク解析装置がパターヘッドの速さと同じ方法でインパクト後のゴルフボールの速さを測定する場合には、その結果、スティンプメータに基づくより簡単な計算を使用して、ゴルフボールがインパクト後に移動するであろう推定距離を決定できる。
さらなる実施形態では、種々の表面における種々のパターヘッド速度に関する距離の値が保存されたテーブルは、ゴルファーが入力した履歴データ、または一連のスティンプメータでの計算に基づく。
本発明は、以下のパッティングストローク解析器に関する。これは、複数の赤外線放射体を有する平面パッティング面、および平面パッティング面の下方に位置付けられた複数の共に動作する赤外線センサを含む。複数の赤外線放射体のうちの一つから放出された赤外線ビームは、平面パッティング面の上方を進むパターヘッドに反射し、複数の共に動作する赤外線センサのうちの一つの方に戻り、平面パッティング面の上方におけるパターの位置を示すことができる。
本発明は、以下のパッティングストローク解析器に関する。これは、複数の赤外線放射体を有する平面パッティング面、および平面パッティング面の下方に位置付けられた複数の共に動作する赤外線センサを含む。ここでは、複数の赤外線放射体および複数の共に動作する赤外線センサは、平面パッティング面の下方における略同じ横断面に配置される。
本発明は、以下の添付図面を参照して、単なる例として与えられた、その一部の実施形態の以下の記述からより明確に理解される。
図1を参照するように、参照数字100で概略を示すパッティングストローク解析装置が提供される。パッティングストローク解析装置100は、ゴルフボール104がそこを横切ってパットされる平面パッティング面102を含む。ただし、本実施形態では、ゴルフボール104は、平面102の側面に隣接した位置から、平面102から離れる方にパットされる。
右利きのゴルファー(図示せず)は、基準B1に示す位置に立つ。ゴルフボール104は、通常、ゴルファーの視点から見て、基準B2に示す平面102の左側面位置に置かれる。ゴルファーは、パターのパッティングヘッド106のパッティングフェイスにゴルフボール104をインパクトさせるようなパッティングストローク技術を実行する。その際、パターヘッド106は、ゴルフボール104を平面102から離れる方にインパクトするまたは打つ。
好ましい実施形態では、図1に示すように、適切なサイズの半円の切り抜きを、平面102の一側面または両側面に提供できる。これは、打たれるゴルフボール104のゴルファーによる位置付けを支援する。
図1では、参照矢印Aに示すようにパターヘッド106が右から左方向に動くと、ゴルフボール104は、位置B2から平面102から離れる方に打たれる。ゴルフボール104がパターヘッド106にインパクトされると、パッティングストローク技術のパッティング特性が解析される。パッティングストローク技術は、パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトする前および/またはパターヘッド106がゴルフボール104にインパクトした時点に決定されたパッティングストローク特性に基づいて解析される。パッティングストローク解析装置100を類似の方法で左利きのゴルファーにも等しく使用できることが理解される。
以下に記述するさらなる実施形態では、パッティングストローク技術は、パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトする前、パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトした時点、および/またはパターヘッド106がゴルフボール104にインパクトした後に決定されたパッティングストローク特性に基づいて解析される。パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトする前、パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトした時点、および/またはパターヘッド106がゴルフボール104にインパクトした後のパッティングストローク特性を決定するための適当な手段が必要となる。
パッティングストローク解析装置100は、図面全体を通じて円で示す複数の赤外線放射体204、および図面全体を通じて四角で示す複数の共に動作する赤外線センサ206を含む。複数の赤外線放射体204および複数の共に動作する赤外線センサ206は、平面パッティング面102に位置付けられる、または嵌め込まれる。一実施形態では、複数の赤外線放射体204および複数の共に動作する赤外線センサ206は、互いに略同じ横断面に位置する。複数の赤外線放射体204および複数の共に動作する赤外線センサ206は、赤外線放射体204の集団、および赤外線放射体204の集団に隣接して共に動作する赤外線センサ206を形成するように一群で配置される。赤外線遮断シールド205が、赤外線放射体204と、その集団内の赤外線放射体204に隣接する赤外線センサ206との中間に位置付けられる。集団が、それらの間に位置付けられた比較的短い赤外線遮断シールドと共に、ただ一つの赤外線放射体204および一つの赤外線センサ206を含んでもよいことに留意すべきである。あるいは、集団は、それらの間に位置付けられた比較的長い赤外線遮断シールド、またはそれらの間に位置付けられた複数の比較的短い赤外線遮断シールドと共に、複数の赤外線放射体204および複数の赤外線センサ206を含んでもよい。
パッティングストローク解析装置100は、多くの種々の集団108A〜108D包括群、110A〜110D包括群、および112A〜112D包括群を含む。集団108A〜108D、110A〜110Dおよび112A〜112Dの各々を使用して、パターヘッドの速さおよび加速度、インパクト時のパターヘッドフェイスの角度、パターヘッドの軌道、パターヘッドがゴルフボールをインパクトした時点のパターヘッドにおけるゴルフボールのインパクト点、パッティングストローク中のパターヘッドの迎角、ならびに以下にさらに詳述することなどを測定する。
図2を参照するように、パッティングストローク解析装置100は、平面パッティング面102として機能する赤外線透過面200を含む。赤外線透過面200は、基部202と略平行であり、それと間隙を介して位置する。これは好ましくは、プリント基板(図示せず)を内蔵できる。赤外線放射体204および赤外線センサ206が、赤外線透過面200と基部202との間に位置付けられる。その集団108A、108B内の赤外線放射体204と赤外線放射体204に隣接する赤外線センサ206との間には、赤外線透過面200と基部202との間の略垂直な壁として配置された赤外線遮断シールド205が位置する。
使用中、赤外線放射体204は、入射赤外線ビーム208を放出する。このビームは、参照矢印Eに示すように平面パッティング面102の上方を進むパターヘッド106の底面などのパターヘッド106の一部に反射する。そして入射赤外線ビーム208は、反射した赤外線ビーム214として、複数の共に動作する赤外線センサ206の一つに向かい後方に反射する。入射赤外線ビーム208は、比較的低出力であり得る略36kHzに変調される。反射した赤外線ビーム214は、赤外線センサ206における36kHzバンドパスフィルタを通過し、環境中に自然に発生する、またはノイズとみなされる赤外線の他の源からの周辺赤外光が除去される。通常、36kHzの周波数に変調された赤外線ビームのために、バンドパスフィルタは、約30kHzのより低いバンドパス周波数、および約42kHzのより高いバンドパス周波数を有する。これにより、比較的低出力の赤外線ビームを赤外線放射体204から放出し、放出される赤外線信号に他のタイプの赤外線ノイズ信号が干渉することなく、一以上の共に動作する赤外線センサ206によって検出および感知できる。
赤外線センサ206は、略平面パッティング面102の上方の2mm〜250mmの近接範囲内にパターヘッド106がある場合にのみ入射赤外線ビーム208が検出されるように設定される。さらなる実施形態では、測定された周辺光と相対的に赤外線出力レベルを変えることによって、パッティングストローク解析装置は、人工の、比較的低い赤外線レベルの室内環境から、比較的高いレベルの赤外線を有する直射日光にさらされる屋外環境までの範囲における大いに異なる照明条件において動作できる。
赤外線放射体204は、参照数字210に示すような比較的狭いビーム角内に入射赤外線ビーム208を放出する。パターヘッド106のフェイス212がこの比較的狭いビーム角210、おおよそ10〜20度に入るときに、パターヘッド106の一部が、入射赤外線ビーム208を赤外線センサ206に向けて後方に反射する。赤外線センサ206は、感知する円錐範囲216によって画定された感知領域内における反射したビームを検出できる。標準的な半強度のビーム角は、レンズ付きの赤外線放射体204では+/−10度、または嵌め込まれたレンズ付きの赤外線放射体204では+/−40度である。
レンズを備えた赤外線センサの標準的な指向性の半値角は、約+/−45度であり、レンズを備えない赤外線センサ206では約+/−75度である。
図2では、集団108A、108Bは、互いから距離dを隔てて位置付けられる。それ故に、参照矢印Eに示すように頭上を通るパターヘッド106を赤外線センサ206が検出すると、各赤外線センサ206は、パターヘッド106がその時点でその上方を動いているという情報を制御装置(図示せず)に信号で送る。信号波形218A、218Bは、電圧レベルの変化および赤外線センサ206によって制御装置に伝送された情報を表す。
パターヘッド106は、最も右側の集団108Aの一部を形成する赤外線センサ206の上方を通り、ここでは波形218Aの電圧が降下する。時間tの後、パターヘッド106は、最も左側の集団108Bの一部を形成する赤外線センサ206の上方を通り、ここでは波形218Bの電圧が降下する。それ故に、パターヘッド106の速度は、距離dを移動するのにかかる時間として計算できる。すなわち、速度=d×tである。同様に、パターヘッド106の速度は、集団108Bと108Cとの間、108Cと108Dとの間において観測できる。
その後、4つの同一線上に配置された集団108A〜108Dを横切るパターヘッド106の加速度を決定できる。
必要に応じて、決定したパターヘッド106の速度に関連するパターヘッド106の運動方向を決定することによって、速さを決定できることが理解される。
速度および加速度は、グラフィカルユーザインターフェイス(図示せず)によってゴルファーに与えることができる。あるいは、無線または有線ネットワークを通じて携帯電話またはコンピュータなどの付属装置に伝送し、ゴルファーに結果を提供できる。
パターヘッドの速さおよび加速度、インパクト時のパターヘッドフェイスの角度、ならびにパターヘッドの軌道、迎角およびインパクト点の計算は、パッティングストローク解析装置100の特注回路によって実行できることが理解される。または、パッティングストローク解析装置100は、赤外線センサ206からの未加工の信号情報をその後の処理のために付属装置に送信できる。この処理によって、パターヘッドの速さおよび加速度、インパクト時のパターヘッドフェイスの角度、ならびにパターヘッドの軌道、迎角およびインパクト点が得られる。
図3を参照して本発明の代替的な実施形態を示す。前述と同様の部品は、同じ参照数字で指定される。ここに示す赤外線放射体300および赤外線センサ302は、赤外線透過面200と基部202との間の距離を短くするような異なる形態を取る。赤外線センサ302は、提供された開口において基部202の下方に備え付けることができる。この配置は、赤外線センサ302と、それに隣接する赤外線放射体300との分離を向上し、この実施形態では明確なように、赤外線送信機300と、共に動作する赤外線センサ302とは、互いに同じ横断面には位置しない。
この配置は、感度範囲、感知する円錐範囲も狭くする。それ故に、パターヘッド106の位置決めの精度を向上する。
赤外線放射体300に嵌め込まれたレンズが備えられたタイプを示す図3の実施形態と共に、赤外線放射体300および赤外線センサ302のさまざまな構成を使用できることが容易に理解される。赤外線センサ302は、レンズを有さない平らな表面を有するように図3に示す。故に、最大+/−80度のより広い感度角度が得られる。
ここで図1に示す第一の実施形態に関連する図4を参照する。前述と同様の部品は、同じ参照数字で指定される。互いに隣接する一対の略同一線上に配置された集団110C、110Dを示す。略同一線上に配置された隣接する集団110C、110Dは、各々、単一赤外線放射体204、赤外線遮断シールド205、および共に動作する赤外線センサ206を含む。パターヘッド106は集団110C、110Dの上方を通り、パターヘッド106のパターフェイス212は、略同一線上に配置された隣接する集団110C、110Dに対して斜めに位置する。波形402は、上部集団110Cの共に動作する赤外線センサ206からの出力信号を表し、波形400は、下部集団110Dのセンサ206からの出力信号を表す。
パターヘッド106が右から左方向に動くと、パターヘッド106のトウが上部集団110Cの赤外線センサ206の上方を通る前に、パターヘッド106のヒールが下部集団110Dの赤外線センサ206の上方を通る。それ故に、波形400における変形が、波形402における変形よりも早い時間に発生するように見える。波形400における変形は、波形402における変形よりも時間tだけ前に発生する。図4の計算した三角形404に関連し、パターヘッド106の速度が既知であれば、距離sをs=t×速度に従い計算できる。それ故に、角度θをθ=tan−1(d/s)に従い計算できる。ここで、dは、図4に示す略同一線上に配置された隣接する集団110C、110D間の距離である。この計算は、パッティングストローク解析装置100内のプロセッサによって実行される。このようにして、ゴルフボールにインパクトした時(図示せず)のフェイス角、さもなければパターヘッドの角度として参照される角度を決定できる。
ここで図5を参照すると、パターヘッド106は、参照矢印Fに示すスイング軌道に沿って略平面パッティング面102の上方を移動するように示される。複数の集団112A〜112Dを使用して、パターヘッドのスイング軌道を計算する。
複数の集団112A〜112Dの各々は、複数の同一線上に配置された共に動作する赤外線センサ206と分離している複数の同一線上に配置された赤外線放射体204を含む。これらは、それぞれ、伸長赤外線遮断シールド205によって互いに分離される。
図5に示す実施形態では、各集団112A〜112Dに、8つの同一線上に配置された共に動作する赤外線放射体204に隣接して位置付けられた4つの同一線上に配置された赤外線センサ206が提供される。集団112A〜112Dは、任意の数の赤外線放射体204および赤外線センサ206で構成できることが認識される。
波形のセット550A〜550Dは、集団112A〜112Dの各々内の赤外線センサの各々からの出力信号を表す。これを図5に示す。波形の各セット500A〜500Dは、その集団内の各赤外線センサ206からの波形を含む。このようにして、波形の各セット500A〜550D内の波形を評価して、パターヘッド106が特定の集団内の赤外線センサ206の全ての上方を通ったか、またはその集団内の一部のみの赤外線センサ206の上方を通ったかを決定することによって、パターヘッド106のトウおよびパターヘッド106のヒールの位置を計算できる。パッティングストローク解析装置100は、集団内の下の方の赤外線センサ206のいくつかのみがパターヘッド106を検出したか、集団内の上の方の赤外線センサ206のいくつかのみがパターヘッド106を検出したか、または集団内のいずれの赤外線センサ206もパターヘッド106を検出していないかを決定できる。複数の赤外線センサ206のうちのどれが頭上を通るパターヘッド106を検出したかを解析することによって、例えば平面の上方を通るときのパターヘッドのスイング軌道106を決定するのに必要なパターヘッド106の軌道における点を決定および推定できる。このパッティング特性は、ゴルファーのパッティングストローク技術の解析を作り上げるための速度、加速度、速さおよび/またはフェイス角に関するパッティング特性と併せて使用できる。
さらに、図6および図7を参照するように、集団112A〜112Dは、複数の同一線上に配置された赤外線センサ206と分離する複数の同一線上に配置された赤外線放射体204を含む。複数の同一線上に配置された赤外線放射体204は、赤外線放射体204と赤外線センサ206との中間に位置する伸長赤外線遮断シールド205によって、複数の同一線上に配置された赤外線センサ206と分離される。パターヘッド106がゴルフボールにインパクトした時点のパターヘッドにおけるインパクト点は、複数の赤外線センサ206A〜206Dのうちのどのセンサ206A〜206Dが頭上を通るパターヘッド106を検出したかを解析することによって決定できる。平面上のゴルフボールの位置がプリセットされた場合には、パターヘッド106のパターフェイスの略中央に位置付けられたインパクト点においてパターヘッド106がゴルフボールをインパクトすると、特定の赤外線センサが反射した赤外線ビームを受信し、他の赤外線センサは赤外線ビームを全く受信しないことが公知である。同一線上に配置された赤外線センサ206A〜206Dは、互いから所定の距離δ2に配置され、同一線上に配置された赤外線送信機204は、互いから所定の距離δ1に配置される。
同一線上に配置された赤外線センサ206A〜206Dのセットと赤外線放射体204とをそのようにそれぞれ互いから所定の距離離すことによって、打たれるゴルフボール104の定位置B(図1)と相対的なパターヘッド106の位置を決定できる。その結果、パターヘッド106のヒールに隣接するインパクト点、パターヘッド106の略中央のインパクト点、またはパターヘッド106のトウに隣接するインパクト点においてゴルフボール104が打たれたか否かを理解できる。図7から見てわかるように、パターヘッド106が参照矢印Gに示すように右から左方向に動いており、ゴルファーが下の方の集団112B、112Dに隣接して立っている場合には、パターヘッド106がゴルファーに若干接近し過ぎだと判定することができ、結果的にゴルフボール104は、パターヘッド106のトウに隣接するインパクト点においてパターヘッド106に打たれる。このさらなるパッティング特性を使用して、ゴルファーのパッティングストローク技術の全体的解析を構成できる。
さらなる実施形態では、図6を参照するように、複数の同一線上に配置された赤外線放射体204は、複数の同一線上に配置された赤外線センサ206A〜206Dと分離される。パターヘッド106が複数の赤外線放射体204の上方で検出される間、複数の赤外線放射体204の各々は個々に順々にスイッチオンされ、他の赤外線放射体204はスイッチオフされる。赤外線放射体204のこの順々の起動によって、パッティングストローク解析装置100は、パターヘッド106が複数の赤外線放射体204のうちの特定の赤外線放射体204の上方にある時を検出できる。例えば、赤外線ビームを伝えるのに56kHz変調周波数を使用する場合には、赤外線センサの反応時間の故に、赤外線放射体204がスイッチオンされてから、対応する赤外線センサ206A〜206Dによって反射した赤外線ビームを検出する間には、少なくとも220usの時間が必要となる。それ故に、赤外線放射体204の順々の起動は、そのような技術的要件を考慮して実行する必要がある。さらに、例えば、上の方の赤外線放射体のみがスイッチオンされ、赤外線センサ206A〜206Dが反射した赤外線ビームを検出した場合には、その結果、パッティングストローク解析装置は、パターヘッド106が上の方の赤外線放射体204の上方を通っていることを認識するであろう。使用される赤外線センサの反応時間および使用される変調周波数を考慮して計算された所定の期間後、上の方の放射体204がスイッチオフされると、第二の上の方の放射体のスイッチが入れられる。次に任意の赤外線センサ206A〜206Dが、反射した赤外線ビームを検出すると、その結果、パッティングストローク解析装置は、パターヘッドが第二の上の方の放射体204の上も越えたことを認識する。集団内の複数の同一線上に配置された赤外線放射体204の全てが、パターヘッドが集団の上方を通るのにかかる間中、連続的なオン/オフを繰り返す。このようにして、赤外線放射体204が順々にスイッチオン/オフされるときには、分解能は赤外線放射体204によって決まるため、パターヘッド位置の決定の精度の分解能はδ1/2以下になる。
代替的に、赤外線放射体204の全てが同時に起動すると、パターヘッド位置の決定の精度の分解能は、δ2>δ1であるためδ2/2以下のみとなる。この代替的な実施形態では、分解能は、赤外線放射体204間の距離ではなく、赤外線センサ206間の距離によって決まる。
図8を参照し、パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトする前のパターヘッド106の迎角を示す。迎角は参照矢印Hで示す。赤外線放射体204に隣接する赤外線センサ206によって検出された反射した赤外線ビームの強度または出力レベルを使用して、平面102からのパターヘッドの高さを概算する。例えば、パターヘッド106が迎角Hに沿って進むときに、パターヘッド106は、高さh1において赤外線放射体204および赤外線センサ206の最も右側の集団の上方を通り、そしてパターヘッド106が迎角Hに沿って進むと、パターヘッド106は、高さh2において赤外線放射体204および共に動作する赤外線センサ206の最も左側の集団の上方を通る。最も右側の集団と最も左側の集団との間の距離lは、既知である。パターヘッドの迎角を示す単純な勾配は、決定した高さh1およびh2ならびに既知の距離lを使用して決定できる。第三の集団を使用する場合には、最もモミの曲線を間に入れることができる。複数の集団を使用すれば、任意の間に入れた最も適合する曲線の精度が増す。迎角の測定に使用される赤外線放射体204は、好ましくも、略100kHzに変調された赤外線ビームを使用できる。そのように、周波数は、通常、テレビ受信機および他の電子商品に使用される赤外線リモコンの範囲外にあり、故に、そのようなリモコンによる干渉を最小にできる。100kHzは、本明細書の全体を通じて言及される任意の他のパッティング特性の計算および決定に使用される赤外線ビームの変調にも使用できることが理解される。
代替的な実施形態では、迎角を決定するために使用される、集団から放出された赤外線ビームは、略180MHz〜300MHzに変調でき、位相シフトの計算を使用して高さを決定できる。変調された赤外線ビームが赤外線放射体204からパターヘッドに伝わり、赤外線センサに向かい後方に反射するのに一定の時間がかかるため、この距離を伝わるのにかかる時間によって、赤外線放射体から放出された変調された入射赤外線ビームと、反射した赤外線ビームとの間の位相差または位相シフトが生じる。この位相差は、赤外線ビームが赤外線放射体からパターヘッドに、そして赤外線センサに向かい後方に伝わった距離に比例する。赤外光の速度が3×108m/secであり、赤外線ビームが187.5Mhzの周波数に変調されたと仮定すると、45度の位相シフトの測定値が、パターヘッドが約200mmの高さにおいて赤外線放射体および赤外線センサの上方を通ったという情報を与える。位相シフトの決定および位相シフトまたは位相差に基づく距離の決定を、標準的な公知の手法を使用して実行できることが理解される。
ここで図9を参照する。前述と同様の部品は、同じ参照数字で指定される。複数の赤外線放射体204および赤外線センサ206の代替的なレイアウトを、本発明のパッティングストローク解析装置として機能する参照数字900で概略を示すパッティングストローク解析装置に示す。複数の速度測定集団902A〜902Hが、略平面パッティング面102の中心における縦の軸に沿って略水平に配置される。速度測定集団902A〜902Hからのフィードバックによって、パッティングストローク解析装置900は、パターヘッド106がパッティングストローク解析装置900の略平面102の上方を移動したときのそれの速度および加速度を決定できる。
パターヘッド角度測定集団904A〜904Dが、複数の赤外線放射体204および共に動作する赤外線センサ206として配置される。パターヘッド角度測定集団904A〜904Dの複数の赤外線放射体204および赤外線センサ206は、略垂直に配置される。パターヘッド角度測定集団904A〜904Dは、パッティングストローク解析装置900の中心の縦軸によって中間点に沿って二分される。前述のように、パターヘッド106のフェイス212の角度を決定でき、実際には、パターヘッド106がパッティングストローク解析装置900の上方を移動するときのパターヘッド106のフェイス212の角度の変化も決定できる。さらに、パターヘッド軌道およびインパクト点測定集団906、908A〜908Eが、パッティングストローク解析装置900の上縁および下縁に隣接して位置付けられる。これらのパターヘッド軌道およびインパクト点測定集団906、908A〜908Eは、ここに記述するように使用され、その後、パターヘッドが参照矢印Iに示すように右から左方向に動くときのパターヘッド106の軌道およびゴルフボール104にぶつかるパターヘッドのインパクト点を決定する。
図9の実施形態では、ゴルフボール104は、パッティングストローク解析装置900の左側、中央または右側の地点に位置付けることができる。パッティングストロークは、右から左にも左から右にも実行できる。赤外線放射体204および赤外線センサ206の構成では、速度、加速度、インパクト点を含有する多くの点におけるパターヘッド角度、パター軌道、迎角、パターヘッドのスイング軌道、およびパターフェイス上のインパクト点を測定することによって、パターヘッド106のバックスイングおよび前方へのスイングの両方を測定する。このようにして、パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトする前、インパクト中、インパクトした後のパッティングストローク技術のさまざまな特性を検出して解析できる。パターヘッド106がゴルフボール104にインパクトする前またはした後のみに解析する必要がある場合には、赤外線放射体204と相補的な共に動作する赤外線センサ206との任意の組み合わせの動作を停止できることが理解される。
図10を参照し、参照数字1000で示されるパッティングストローク解析装置のさらなる実施形態を示す。前述同様に、パッティングストローク解析装置100は平面102を含み、この平面102を横切るようにゴルフボール14を平面102の上方を通るパターヘッド106によって打つことができる。この実施形態は、より多い数の赤外線放射体および赤外線センサを平面102に含み、このパッティングストローク解析装置1000は、プロゴルファー、ゴルフコーチ、ゴルフシミュレータなどに使用されることが想定されるであろう。赤外線放射体および赤外線センサの数がより多くなると、測定精度が向上する。しかしながら、パターヘッドの速度、パターヘッドの加速度、ゴルフボールにインパクトした時点のパターヘッドのフェイス角、パッティングストローク中のパターヘッドの軌道、パッティングストローク中のパターヘッドの迎角、およびゴルフボールにインパクトした時点のパターヘッドのフェイスにおけるインパクト点などのパッティング特性を測る基本原理は全て測定され、これらを組み合わせてゴルファーのパッティングストローク技術を解析する。
パッティングストローク技術の解析は、音声的にも画面上で視覚的にも与えることができる。画面は、パッティングストローク解析装置100、900、1000の一部を形成してもよいし、それと分離したものでもよい。処理手段は、パッティングストローク解析装置100、900、1000の一部を形成してもよいし、それと分離したものでもよい。いずれの場合でも、未加工データ(好ましくは、さまざまな赤外線センサからの出力信号の形態)が、有線または無線手段によって遠隔処理装置に送信され、遠隔処理装置において処理が実行される。
パッティングストローク技術におけるフィードバックは、「良いストローク」と「悪いストローク」とのフィードバックに簡素化してもよいし、技術の態様を良いもしくは悪い、または理想的もしくは非理想的として示すより粗いものでもよい。特性が良いもしくは悪いまたは理想的もしくは非理想的か否かの決定は、デフォルト閾値に準拠して判定してもよいし、時間の経過により自動的に変わるまたはゴルファーのスイングの任意の特定の特性を考慮してゴルファーが手動で変えることができる動的閾値に対して判定してもよい。
本発明が、プレーヤーがクラブ、スティックまたはバットなどの打撃具を使用して地面からまたはそこに沿ってボールを打つことが要求される他のスポーツにも等しく応用できることが容易に理解される。例えば、フィールドホッケーのプレーヤーは、フリーで打つストロークを練習できる。同様に、アイスホッケーのプレーヤー、ハーリングのプレーヤー、クローケーのプレーヤー、スヌーカーのプレーヤー、プールのプレーヤー、ボウリング選手、アーチェリーの選手なども、練習してストロークに関するフィードバックを受信できる。
パッティングストローク解析装置100、900、1000は、好ましくは、奥行が約3mm〜6mmである。
パターヘッドの代わりに、ゴルフボールの速度、加速度および/または速さを決定できることが理解される。
必要に応じて、スイング軌道、迎角および/またはフェイス角を決定する場合に補間曲線または最も適合する曲線を使用できる。
パターヘッドの反射率が変化し得るため、赤外線センサ206が高利得を要することが広く理解される。好ましくは、赤外線センサ206の利得は、およそ40dBである。
赤外線放射体および赤外線センサの集団には任意の数の赤外線放射体および赤外線センサを使用でき、その任意の数の集団を使用して、パッティングストロークのさまざまな特性を決定できることが認識される。赤外線放射体、赤外線センサおよび/または集団の数がより多くなれば、本発明のパッティングストローク解析装置の分解能および精度が向上することが理解される。
ゴルファーという用語は、パッティングストローク解析装置100、900、1000の任意の使用者にあてはめることができ、ゴルファーのコーチおよびゴルファーのパッティングストローク技術の解析結果に関心がある他のそのような人を指すことができる。
「を含む」および「を含有する」という用語、および文法的な理由のために要求されるそれらのあらゆる変化形は、置き替え可能かつ最も広いあり得る解釈として認められるとみなされる。
任意の図面に示す構成要素が必ずしも原寸に比例して描かれるわけではなく、いくつかの図面に示す同様の部品は、同じ参照数字で指定されることが理解される。
本発明は、前に記述した実施形態に限定されず、構成および詳細の両方を変えることができる。