JP2015525538A - 狭域通信用の超低電力無線機 - Google Patents

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Abstract

ウェイクアップ機能が低電力無線機に提供される。無線機は、アンテナ、整流器及び比較器を備える。整流器は、アンテナからRF信号を受信するように構成され、RF信号がある場合に大きさが減少する出力を生成する。比較器は、整流器からの出力を基準信号と比較し、別の無線機の構成要素のための起動信号を出力する。起動信号に応答して、無線機の構成要素は低電力消費モードからより高い電力消費モードへ移行する。このようにして、整流器及び比較器は、RF信号が存在する場合にウェイクアップ機能を実行するように協働して動作する。

Description

本発明は、認可番号CNS1035303の下で米国国立科学財団から授与された政府の助成を受けてなされたものである。政府は、本発明について一定の権利を有する。
本出願は、2013年6月12日に出願された米国特許出願第13/915,749号の優先権を主張し、2012年6月12日に出願された米国仮出願第61/658,515号の利益を主張する。上記の出願の開示内容全体は、参照により本明細書に取り込まれる。
本開示は低電力無線機に関し、より詳細には、低電力無線機において使用するための改良された整流器に関する。
ボディ・エリア・ネットワーク(BAN:Body Area Netwoks)において無線センサ・ノードの広範な使用に導く2つの重要な課題は、サイズを縮小し、電力消費を削減することである。無線機の電力は、通常、総電力のうちの大部分がセンサ・ノードで消費され、それゆえ、エネルギー効率の良い設計の大きなネックとなっている。BANにおいて電力消費を削減するのに使用される1つの技法は、高電力の通信無線機を低電力のスリープ状態に保つ非同期通信を使用することである。電力消費が50μW程度と低い無線機が、これを実現するのに使用される一般的な技法である。しかし、このような無線機は常に稼働状態であり、それゆえ、ノードの総エネルギー消費の大きな一因となっている。センサ・ノードの耐用期間をBANにおいて中断することなく使用できる程度にまで改善するために、さらなる電力削減が必要とされる。
図1は、2005年から2012年までに公開された超低電力無線機(左上)及び環境発電機器(右下)の電力対感度の比較調査を示している。図表は、1)電力を消費する低電力無線機と、2)電力を発生させる環境発電機器の2つの部分に分けられる。
低電力無線機の部分を見ると、−1/2の経験的な傾斜は、感度が−60dBm未満の無線機に明らかである。この傾斜は、データ転送速度の変動や構造、RF周波数での増幅の必要性、無線機に存在する非線形性などのいくつかの要素の影響を受ける。この調査は、BAN研究において一般的な超低電力受信機のみを対象としており、それゆえ、より高電力のBluetooth(登録商標)の受信機やZigbee(登録商標)の受信機は、この線よりもはるか上に位置するであろう。RFで利得を得るのに最小の電力が必要であることにより、おおよそ50μWの顕著な電力フロアが存在する。
環境発電機器の部分において、−1/2の経験的な傾斜は、やはり、このデータでは−30dBmよりも高い感度に明らかである。−30dBmを下回ると、受信電圧は整流段を完全に整流するのに十分でなく、電力環境発電効率は急激に低下する。
図1に図表化すると、50μWよりも低く、−60dBmと−36dBmの間の、通信が存在しない領域を認識することができる。明らかに、この領域の左上では無線機が実証されており、右では受信電力が十分高いので、整流は電力なしで通信に使用することができる。
本研究の目的は、−40dBmの感度及び電力消費<1μWの無線機を対象とすることにより、外挿された傾向線の交点付近のこの領域を探査することである。
それゆえ、本開示は、上記の課題の両方に対処する有効領域を有し、図1の外挿された傾向線の交点付近で動作する低電力無線機を提示する。この節は、必ずしも従来技術でない、本開示に関連する背景情報を提供するものである。
この節は、本開示の一般的な概要を提供しており、本開示の全範囲又は本開示の特徴の全てに関する包括的な開示ではない。
ウェイクアップ機能が低電力無線機に提供される。ウェイクアップ機能は、アンテナ、整流器及び比較器によって実行される。整流器は、アンテナからRF信号を受信するように構成され、RF信号がある場合に大きさが減少する出力を生成する。比較器は、整流器からの出力を基準信号と比較し、別の無線機の構成要素のための起動信号を出力する。起動信号に応答して、無線機の構成要素は低電力消費モードからより高い電力消費モードへ移行する。このようにして、整流器及び比較器は、RF信号がある場合にウェイクアップ機能を実行するように協働して動作する。
この開示の一態様において、整流器は、アクティブ回路、レプリカ・バイアス回路及びアクティブ・フィードバック回路から一般に構成される。アクティブ回路は、第1のアクティブ電界効果トランジスタを含む。アクティブ回路は、RF信号を受信するように構成され、RF信号がある場合に、第1のアクティブ電界効果トランジスタのドレイン端子で電圧を低下させるように動作する。レプリカ・バイアス回路も、第1のバイアス電界効果トランジスタを備え、これは第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子で定電圧を出力するように動作する。アクティブ・フィードバック回路は、第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された入力、及び第1のアクティブ電界効果トランジスタと第1のバイアス電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力を有し、アクティブ・フィードバック回路は、サブスレッショルド領域で動作するように第1のアクティブ電界効果トランジスタにバイアスをかけ、且つ、サブスレッショルド領域で動作するように第1のバイアス電界効果トランジスタにバイアスをかける。
アクティブ回路は、第2のアクティブ電界効果トランジスタ及び第2のバイアス電界効果トランジスタをさらに備えることができ、第2のアクティブ電界効果トランジスタは、第1のアクティブ電界効果トランジスタのドレインに結合されたソースを有し、第2のバイアス電界効果トランジスタは、第1のバイアス電界効果トランジスタのドレインに結合されたソースを有する。
アクティブ・フィードバック回路は、第2の電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された反転端子、電圧基準回路に接続された非反転端子、及び第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力端子を有する演算増幅器と定義することができる。
電圧基準回路は、カスコード電流ミラー、絶対温度相補(CTAT:complementary to absolute temperature)電圧発生器、及び絶対温度比例(PTAT:proportional to absolute temperature)電圧発生器から一般に構成することができる。CTAT電圧発生器及びPTAT電圧発生器は、互いに直列に、カスコード電流ミラーの出力の両端で接続される。さらに、CTAT電圧発生器は上段の電界効果トランジスタを備え、PTAT電圧発生器は下段の電界効果トランジスタを備え、上段のFETのソース端子は、下段のFETのドレイン端子に結合される。上段の電界効果トランジスタのゲートが下段の電界効果トランジスタのゲートに結合されることに留意されたい。
実施例の中には、フィルタがアンテナと整流器の間に配置されているものもある。フィルタは、アンテナからRF信号を受信し、特定の周波数範囲内で信号を出力するように構成される。
他の実施例では、無線機の構成要素は、無線機のハウジング内に備わっている無線送受信機又はコントローラとさらに定義される。
より詳しい適用範囲が本明細書において提供される記載から明らかとなろう。この概要部分における記載及び特定の実例は、例示目的のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
低電力及び環境発電機器の調査を示す線図である。 低電力無線機のための例示的な構造のブロック図である。 例示的な整流回路の概略図である。 例示的なオンチップの電圧基準回路の概略図である。 無線機によって出力された波形を示すグラフである。 入力電力及び周波数に応じた低電力無線機の比較器での出力電圧を示すグラフである。 入力電力及び周波数に応じた低電力無線機の比較器での出力電圧を示すグラフである。
本明細書において示された図面は、特定の実施例を説明する目的のためだけのものであり、全ての可能な実施態様ではなく、本開示の範囲を限定することを意図していない。対応する参照番号は、図面のいくつかの視点を通して対応する個所を示している。
次に、例示的な実施例を添付の図面を参照してさらに十分に説明する。
図2は、低電力無線機10の例示的な構成を示している。無線機10は、アンテナ12、フィルタ13、整流器14及び比較器15を備える。例示的な構成は、例えば1.2Vの単一の外部電源16も備える。一実施例では、整流器14及び比較器15は単一のチップ17に実装される。プロセスとミスマッチの両方は較正によって補償され、これはオフチップのFPGAが制御するスキャン・チェーンを使用して実行されるが、ヒューズを使用して1度限りでプログラムされてもよい。無線機の関連する構成要素のみを図1に関して述べているが、コントローラや音声出力などの別の構成要素も操作デバイスを構成するのに必要な場合があることを理解すべきである。無線機のためのその他の構造的な構成も、本開示の広範な態様の範囲内において考察される。
動作中、RF信号はアンテナ12で受信され、フィルタ13によって電力整合された後に、整流器14への入力に到達する。感度が−40dBmである場合、アンテナでの入力信号はおおよそ2.2mVであろう。フィルタ13は、特定の周波数範囲内で信号を通過させるように動作する。例示的な実施例では、フィルタ13は共振タンク回路とさらに定義される。整流器への入力信号は、整流器の変換利得を最大にするように可能な限り大きいことが所望されるので、共振タンクは、受信電圧を昇圧するように整流器の入力で使用することができる。共振タンクを実行する前、回路の測定された入力インピーダンスは0.7−j18.8であり、それゆえ、1pFのコンデンサ及び5.5nHのインダクタが共振タンクにおいて使用され、ウェイクアップ無線機の感度を12dB増加させた。
整流器14は、RF信号が存在する場合に大きさが減少するアクティブ出力(Vactive)を生成する。整流器14は、一定のままであることにより比較器15への入力のバイアス点として機能するレプリカ・バイアス出力(Vbias)も生成する。整流器14からの2つの出力信号は、比較器15に送られる。次いで比較器15は、2つの入力信号を比較して、デジタル出力を生成する。例えば、比較器15は、アクティブ信号がバイアス信号よりも小さい場合には値の高い起動信号を出力し、アクティブ信号がバイアス信号よりも大きい場合には値の低い起動信号を出力する。
比較器15のデジタル出力は、別の無線機の構成要素のための起動信号として使用することができる。例えば、起動信号は、コントローラ、別の無線送受信機(例えば、Bluetooth(登録商標)の送受信機)、又は低電力消費モード(例えば、スリープモード)で動作する別の無線機の構成要素を起動するのに使用することができる。起動信号に応答して、無線機の構成要素は、低電力消費モードからより高い電力消費モードに移行する。このように、整流器14及び比較器15は、RF信号が存在する場合にウェイクアップ機能を実行するように協働して動作する。
図3は、低電力無線機10において使用するための整流器14の例示的な実施例を示している。整流器14は、アクティブ回路31、レプリカ・バイアス回路32及びアクティブ・フィードバック回路33から一般に構成される。アクティブ回路31は、RF信号を受信するように構成され、RF信号が存在する場合には、RF信号があると低下する電圧を出力するように動作する。例示的な実施例では、アクティブ回路31は、電界効果トランジスタM1から構成され、アクティブ出力は、この電界効果トランジスタのドレイン端子で取得される。例えば、電界効果トランジスタは、バイナリ加重6ビット電流DACにより制御される、弱反転における自己バイアス3重ウェルNMOSデバイスとさらに定義することができる。NMOSデバイスは、(ゲートにボディが接続された)DTMOSとして構成され、そのサブスレッショルド傾斜を減少させ、その変換利得を増加させる。信号が存在すると、出力(Vactive)は低下する。
例示的な実施例において、レプリカ・バイアス回路32は、やはり、そのドレイン端子で定電圧を出力するように動作する電界効果トランジスタM2から構成される。電界効果トランジスタM2は、アクティブ回路31で使用されるNMOSデバイスと同一とすることができるが、本開示はその他のタイプのトランジスタも考慮している。
アクティブ・フィードバック回路33は、アクティブ回路31及びレプリカ・バイアス回路32にバイアスをかけるように動作する。具体的には、アクティブ・フィードバック回路は、サブスレッショルド領域において動作するように、電界効果トランジスタM1及びM2にバイアスをかける。例示的な実施例では、アクティブ・フィードバック回路33は演算増幅器であり、反転端子がレプリカ・バイアス回路内の電界効果トランジスタのドレイン端子に接続され、非反転端子が電圧基準回路に接続され、出力端子がアクティブ回路とレプリカ・バイアス回路の両方の電界効果トランジスタのゲート端子に接続されている。NMOSデバイスM2の最小オーバーヘッドの2〜3倍と等しい公称電圧基準に接続された1つの入力を有するアクティブ・フィードバック増幅器33は、DCバイアスをアクティブ整流器に提供するレプリカ・バイアス回路32を自己バイアスするのに使用される。RF信号が存在する場合、整流デバイスM1はドレイン電圧を素早く引き下げ、このドレイン電圧は次いで図5に示す線形領域に達すると平滑化され、これにより、信号が消失するときにドレイン電圧を素早くリセットすることができる。本開示は、アクティブ・フィードバック回路のその他の実施態様も考慮している。
2つの追加のトランジスタM3、M4は、比較器15のコモンモードの範囲内の電圧に整流器のドレインでの電圧をレベル・シフトするのに使用することができる。例示的な実施例では、一方のトランジスタM3は、アクティブ回路31内の電界効果トランジスタM1のドレイン端子に結合されたソース端子を有し、他方のトランジスタM4は、レプリカ・バイアス回路32内の電界効果トランジスタM2のドレイン端子に結合されたソース端子を有する。
図4は、整流器14とともに使用することのできる例示的な電圧基準回路40を示す。電圧基準回路40は、非常に低い電力レベルで十分安定した電圧出力を有するように設計された。一実施例では、電圧基準回路40は、カスコード電流ミラー41、絶対温度相補(CTAT)電圧発生器42及び絶対温度比例(PTAT)電圧発生器43から一般に構成される。CTAT電圧発生器42及びPTAT電圧発生器43は、互いに直列に、カスコード電流ミラー41の出力に接続される。例示的な実施例では、CTAT電圧発生器42は、上段の電界効果トランジスタによって実行され、PTAT電圧発生器43は下段の電界効果トランジスタによって実行され、上段のFETのソース端子は下段のFETのドレイン端子に結合されている。上段の電界効果トランジスタのゲートが、下段の電界効果トランジスタのゲートに結合されていることに留意されたい。上段の電界効果トランジスタのゲートを下段の電界効果トランジスタのゲートに接続しない(代わりにVDDに接続する)と、上段のFETは強すぎて、整流回路に所望されるよりも高く出力電圧基準を引き上げることとなろう。上段のFETのゲートを下段のFETのゲートに接続するとその強度は減少し、電圧出力は低下して、整流器を適切に動作させるのに必要な範囲内にすることができる。絶対出力電圧の性能及び安定性が電圧基準の低電力性能ほど重要ではないので、これは許容できるものである。その他の電圧基準回路も本開示のより広範な態様の範囲内にある。
動作にあたって、整流器はインバータのように機能する。インバータのプルアップ部は、M1で常にプルアップしている電流DACである。M1は、インバータのプルダウン部であり、この2つの間の出力を一定に保つようにフィードバック増幅器によってバイアスされる。信号が存在すると、弱反転の整流器の指数関数的な動きによりプルダウンがより強くなり、出力を低下させる。ドレイン電圧がその最小ヘッドルームの2〜3倍程度に整流器はバイアスされるので、ドレイン電圧は素早く平滑化される。この点で、出力は、比較器の出力を切り替えるのに十分な程度まで低下した。入力信号が除去されると、プルアップは、プルアップとプルダウンの間の平衡を取り戻す。
例示的な実施例では、同調可能な非対称のヒステリシス比較器が、整流器の出力を比較するのに使用される。比較器は、4ビットのバイナリ加重較正方法を使用して、ヒステリシス量を判定する。較正は、比較器の両側にある並列の末端デバイスを使用して実行される。両側の4つのデバイスをバイナリ・スイッチングすると、それらの有効幅が変化し、それゆえ入力オフセットが変化する。コモン・モード入力電圧は、300mVから600mVの範囲に及び、ヒステリシスは−31mVから+29mVの範囲に及ぶ。電力は、整流器において使用されるものと類似の7ビットのバイナリ加重電流DACを使用してプロセスばらつき全体で制御され、酸化膜の厚いデバイスが、電力消費及びデバイスの漏れを減少するのに使用される。無線機が、整流器からの出力を比較したり処理したりするようにその他のタイプの構成要素を使用できることが想定される。
ミスマッチは、弱反転におけるデバイスを使用した設計において強調されるので、性能に対してミスマッチが有する影響を減少させるのにいくつかのステップが取られた。ミスマッチは、アクティブ整流器及びレプリカ・バイアス回路の出力での相対電圧レベルにおいて最も顕著であろう。
整流器のための公称動作は、その入力がバイアスデバイスのドレイン電圧に接続されている単一のフィードバック増幅器を使用して、アクティブ整流器とレプリカ・バイアスの両方のためにゲート・バイアスを制御する。これにより、両デバイスはバイアスをかけられて同じゲート電圧となり、ミスマッチがない場合には同等のドレイン電圧を生成することになろう。しかし、ミスマッチがあると、ドレイン電圧は異なることとなり、この影響を補償するために、比較器内でプログラム可能なヒステリシスがアクティブ出力とバイアス出力の間の差を較正することができる。
整流器内のアクティブデバイスとバイアスデバイスの出力間のオフセットが十分に大きい場合は、第2のフィードバック増幅器を使用することができ、アクティブデバイス及びレプリカ・バイアスデバイスに別々にバイアスをかけることができる。各アクティブ・フィードバック素子は、同一のオンチップの電圧基準入力を有して、それらのドレイン電圧を近づける。電圧がアクティブ整流器とバイアス整流器の間で共有されるので、PVTの影響を受けない正確な電圧レベルは必要とされない。フィードバック増幅器には、OOK入力信号が存在する場合に、バイアスレベルを一定に保つのにゆっくりとした十分な反応時間がある。このアプローチの欠点は、その反応時間によりフィードバック増幅器からの総電力消費量が2倍となり、感度が低下することである。
実施例の中には、低電力無線機は、デューティサイクル化されたウェイクアップ方法をサポートするように、低電力のスリープ・モードを有して設計されるものもある。これは、スリープ・モードにおけるエネルギー消費量の重要性を特に強調する。スリープ・モードのエネルギーを改善するために、上記の最小長さの設計全体で、酸化膜の厚い電力遮断デバイスが使用されてきた。
例示的な実施態様において、低電力無線機は、0.13μmのCMOSにおいて製造されており、単一の1.2Vの電源の下で動作する。低電力無線機の有効領域は、156×190μmである。試験回路がない場合には、低電力無線機は、5つのIOピンを使用する。
感度が−41dBmの915MHzの信号は、受信機の入力に直接接続され、信号出力はオシロスコープでモニタされた。信号は、100kpbsのデータ転送速度でOOK変調される。図5は、総電力98nWで動作する低電力無線機の過渡動作を示している。パッチ・アンテナを使用した通信も、0dBmの送信電力を使用して、121.92cm(4フィート)の距離で確認された。これは、フリス(Frris)の式に基づく、259.08cm(8.5フィート)の理論的な通信距離の約半分である。
図6A及び図6Bは、入力振幅及び周波数に応じた、整流器の測定された出力電圧をそれぞれ示している。図6Aは、入力感度が低いと、出力電圧振幅が減少することを示している。入力が高いと、変換利得が改善し、潜在的な省電力化が見込まれる。例えば、−30dBmでは、ウェイクアップ無線機の電力消費を、53nWに削減することができる。図6Bは、オフチップの共振タンクによる出力電圧対周波数を示している。データは、−36dBmの入力電圧で取得されており、920MHzでピークの共振を示しているが、915MHzでも十分な性能であることを示している。
上記の表1は、図5と同じ状況下の低電力無線機の電力の内訳を示す。無線機全体では、11pWの測定されたスリープ電力で合計98nWを消費した。表の右側は、較正設定分解能、及びフィードバック増幅器で使用されたオンチップの電圧基準のためのスリープからの起動時間を示す。
上記の表2は、別の低電力無線機との比較を示している。感度を落とすと、より低電力の無線機の設計が可能となり、同様に、よりエネルギー効率の良い通信が可能となることを理解することができる。おおよそ−40dBmの感度レベルは、ボディ・エリア・ネットワークにおける多くの用途に許容できるものである。
0.13μmのCMOSにおいて設計された低電力無線機が提示された。RFで相互コンダクタンスを生成する必要性をなくすことにより、無線機の電力は、対象となった50μWの電力フロアを越えて削減することができる。この方法を使用して、感度が−41dBmでありデータ転送速度が100kpbsである98nWのウェイクアップ無線機が実現された。
実施例についての前述の記載は、例示及び説明目的のために提供されている。包括的であることや本開示を限定することを意図していない。特定の実施例の個々の要素や特徴は、全般にその特定の実施例に限定されるのではなく、具体的に示していないか又は記載していない場合であっても、必要に応じて、交換可能であり、選択された実施例において使用することができる。特定の実施例の個々の要素や特徴は、様々に変形することもできる。このような変形形態は、本開示から逸脱するものと見なすべきでなく、全てのこのような修正形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。

Claims (19)

  1. RF信号を受信するように構成されたアンテナと、
    前記アンテナから前記RF信号を受信するように構成され、RF信号が存在する場合に大きさが減少するアクティブ出力信号を生成するように動作する整流器と、
    前記アクティブ出力信号及びバイアス信号を受信するように構成され、前記アクティブ出力信号を前記バイアス信号と比較するように動作する比較器であって、前記アクティブ出力信号が前記バイアス信号よりも小さい場合には高い値を有し、前記アクティブ出力信号が前記バイアス信号よりも大きい場合には低い値を有する起動信号を出力する比較器と、
    低電力消費モードで動作しながら、前記比較器から前記起動信号を受信するように構成された無線機の構成要素であって、高い値の前記起動信号を受信することに応答して、低電力消費モードから高電力消費モードに移行する無線機の構成要素と、を含む、低電力無線機。
  2. 前記整流器が、
    第1のアクティブ電界効果トランジスタを備えるアクティブ回路であって、前記RF信号を受信するように構成され、RF信号が存在する場合には、前記第1のアクティブ電界効果トランジスタのドレイン端子で電圧を減少させるように動作するアクティブ回路と、
    第1のバイアス電界効果トランジスタを備え、前記第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子で定電圧を出力するように動作するレプリカ・バイアス回路と、
    前記第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された入力、及び前記第1のアクティブ電界効果トランジスタと前記第1のバイアス電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力を有するアクティブ・フィードバック回路と、
    を備え、
    前記アクティブ・フィードバック回路が、サブスレッショルド領域において動作するように前記第1のアクティブ電界効果トランジスタにバイアスをかけ、且つ、サブスレッショルド領域において動作するように前記第1のバイアス電界効果トランジスタにバイアスをかける、請求項1に記載の低電力無線機。
  3. 前記アクティブ回路が第2のアクティブ電界効果トランジスタをさらに備え、前記第2のアクティブ電界効果トランジスタが前記第1のアクティブ電界効果トランジスタの前記ドレインに結合されたソースを有する、請求項2に記載の低電力無線機。
  4. 前記アクティブ・フィードバック回路が、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された反転端子、電圧基準回路に接続された非反転端子、及び前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力端子を有する演算増幅器をさらに含む、請求項2に記載の低電力無線機。
  5. 前記電圧基準回路が、
    カスコード電流ミラーと、
    上段の電界効果トランジスタから構成される絶対温度相補電圧発生器と、
    下段の電界効果トランジスタから構成される絶対温度比例電圧発生器と、
    を備え、
    前記上段の電界効果トランジスタ及び前記下段の電界効果トランジスタが、前記カスコード電流ミラーの出力の両端に接続されて、前記上段の電界効果トランジスタのソースが前記下段の電界効果トランジスタのドレインに結合され、前記上段の電界効果トランジスタのゲートが前記下段の電界効果トランジスタのゲートに結合される、請求項4に記載の低電力無線機。
  6. 前記第1のアクティブ電界効果トランジスタ及び前記第1のバイアス電界効果トランジスタのうちの少なくとも1つが、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタとさらに定義される、請求項2に記載の低電力無線機。
  7. 前記アンテナから前記RF信号を受信し、特定の周波数範囲内の入力信号を出力するように構成されたフィルタをさらに含む、請求項1に記載の低電力無線機。
  8. 前記無線機の構成要素が、前記無線機のハウジング内に備わっている無線送受信機又はコントローラとさらに定義される、請求項1に記載の低電力無線機。
  9. 第1のアクティブ電界効果トランジスタを備えるアクティブ回路であって、RF信号を受信するように構成され、RF信号が存在する場合には、前記第1のアクティブ電界効果トランジスタのドレイン端子で電圧を減少させるように動作するアクティブ回路と、
    第1のバイアス電界効果トランジスタを備え、前記第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子で定電圧を出力するように動作するレプリカ・バイアス回路と、
    前記第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された入力、及び前記第1のアクティブ電界効果トランジスタと前記第1のバイアス電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力を有するアクティブ・フィードバック回路と、
    を含み、
    前記アクティブ・フィードバック回路が、サブスレッショルド領域において動作するように前記第1のアクティブ電界効果トランジスタにバイアスをかけ、且つ、サブスレッショルド領域において動作するように前記第1のバイアス電界効果トランジスタにバイアスをかける、低電力無線機において使用するための改良された整流器。
  10. 前記アクティブ回路が第2のアクティブ電界効果トランジスタ及び第2のバイアス電界効果トランジスタをさらに備え、前記第2のアクティブ電界効果トランジスタが前記第1のアクティブ電界効果トランジスタの前記ドレインに結合されたソースを有し、前記第2のバイアス電界効果トランジスタが前記第1のバイアス電界効果トランジスタの前記ドレインに結合されたソースを有する、請求項9に記載の整流器。
  11. 前記第1のアクティブ電界効果トランジスタ及び前記第1のバイアス電界効果トランジスタのうちの少なくとも1つが、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタとさらに定義される、請求項9に記載の整流器。
  12. 前記アクティブ・フィードバック回路が、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された反転端子、電圧基準回路に接続された非反転端子、及び前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力端子を有する演算増幅器をさらに含む、請求項9に記載の整流器。
  13. 前記電圧基準回路が、
    カスコード電流ミラーと、
    上段の電界効果トランジスタから構成される絶対温度相補電圧発生器と、
    下段の電界効果トランジスタから構成される絶対温度比例電圧発生器と、
    を備え、
    前記上段の電界効果トランジスタ及び前記下段の電界効果トランジスタが、前記カスコード電流ミラーの出力の両端に接続されて、前記上段の電界効果トランジスタのソースが前記下段の電界効果トランジスタのドレインに結合され、前記上段の電界効果トランジスタのゲートが前記下段の電界効果トランジスタのゲートに結合される、請求項9に記載の整流器。
  14. RF信号を受信するように構成されたアンテナと、
    第1のアクティブ電界効果トランジスタから構成された整流器であって、前記アクティブ電界効果トランジスタが、弱反転モードで動作するようにバイアスをかけられたゲート端子を有し、且つ、前記アンテナから前記RF信号を受信するように構成され、これにより、RF信号が存在する場合に大きさが減少するアクティブ出力信号を生成する整流器と、
    前記アクティブ出力信号及びバイアス信号を受信するように構成され、前記アクティブ出力信号を前記バイアス信号と比較するように動作する比較器であって、前記アクティブ出力信号が前記バイアス信号よりも小さい場合に高い値を有し、前記アクティブ出力信号が前記バイアス信号よりも大きい場合に低い値を有する起動信号を出力する比較器と、
    を含む、低電力無線機。
  15. 前記整流器が、
    第1のバイアス電界効果トランジスタを備え、前記第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子で定電圧を出力するように動作するレプリカ・バイアス回路と、
    前記第1のバイアス電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された入力、及び前記第1のアクティブ電界効果トランジスタと前記第1のバイアス電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力を有するアクティブ・フィードバック回路と、
    をさらに備え、
    前記アクティブ・フィードバック回路が、サブスレッショルド領域において動作するように前記第1のアクティブ電界効果トランジスタにバイアスをかけ、且つ、サブスレッショルド領域において動作するように前記第1のバイアス電界効果トランジスタにバイアスをかける、請求項14に記載の低電力無線機。
  16. 前記アクティブ・フィードバック回路が、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン端子に接続された反転端子、電圧基準回路に接続された非反転端子、及び前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタの両方のゲート端子に接続された出力端子を有する演算増幅器をさらに含む、請求項14に記載の低電力無線機。
  17. 前記アンテナから前記RF信号を受信し、特定の周波数範囲内の入力信号を出力するように構成されたフィルタをさらに含む、請求項14に記載の低電力無線機。
  18. 低電力消費モードで動作しながら、前記比較器から前記起動信号を受信するように構成された無線機の構成要素であって、高い値の前記起動信号を受信することに応答して、低電力消費モードから高電力消費モードに移行する無線機の構成要素をさらに含む、請求項14に記載の低電力無線機。
  19. 前記無線機の構成要素が、前記無線機のハウジング内に備わっている無線送受信機又はコントローラとさらに定義される、請求項18に記載の低電力無線機。
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