JP2015524233A - 向上したプレイリストコンテンツ選択システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
補助コンテンツタイトルを選択して、コンテンツプレイリスト内にデジタルシネマ主要作品と共に含まれるようにために、まず、デジタル主要作品に関連付けられる形式属性(例えば、アスペクト比、画像立体視、フレームレート、およびピークビットレート)を判定する。操作者が、所望のデジタル補助コンテンツタイトルを識別したことに応答して、補助コンテンツタイトルが、デジタル主要作品の形式と少なくとも互換性がある形式属性を持つかどうか、を判定するために判定が行われる。互換性がある形式属性を持つと判定される場合、補助コンテンツタイトルがプレイリストに追加される。そうでない場合、操作者は警告を受け取るが、これを互換性の判定に応じて無効にすることができる。
Description
本発明は、デジタルシネマプレゼンテーションに関する。
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2012年6月19日に提出された米国仮特許出願第61/661,453号の優先権を主張し、その教示がここに組み込まれる。
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2012年6月19日に提出された米国仮特許出願第61/661,453号の優先権を主張し、その教示がここに組み込まれる。
歴史的に、デジタルシネマ上映システムでは、上映者(例えば、映写技師などの映画館職員)が、デジタルシネマプレゼンテーションに関連するプレイリストに含まれるコンテンツを選択することができるようになっている。検討の目的で、デジタルシネマプレゼンテーションには、少なくとも1つの、通常はいくつかのコンテンツが含まれる。各コンテンツは、特別なセットの形式属性を有することで特別なタイトルを表し、各タイトルは、以下で説明するように、典型的には1つまたは複数のセットの形式属性において利用可能である。いくつかのタイトルが主要作品(例えば、デジタルシネマ主要作品)を構成し、一方、他のタイトルが補助コンテンツを構成する。補助コンテンツタイトルには、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)標準429−7のTable2に記載されるように、広告、予告編、および、主要作品以外の他のコンテンツ(例えば、ティーザ、レーティング公示、ショート、トランジション、公共広告、および、ポリシーステートメント)が含まれる。
指定の上映時刻に、デジタルシネマ上映システムの一部を備えるコンピュータサーバが、プレイリスト上のコンテンツを、観客に対して表示するためにデジタルシネマプロジェクタに、再生(play out)する。映写技師または他の映画館職員は、デジタルシネマプロジェクタおよび館内自動設備を、プレイリストに記載されるコンテンツの対応する形式属性の設定に設定する。例えば、映写技師は、アスペクト比のマスキングを「スコープ」または「フラット」のうちの一方に設定し、同様にプロジェクタ形式をコンテンツの表示の前に設定する。多くの新しい形式(特に、4K、高フレームレート、および、3次元(3D)高フレームレート)が加わることで、必要な調整を行うことが非常に複雑なものとなり、過去の手動の方法では、最も熟練した映写技師でさえ容易なことではない。
いくつかのデジタルシネマサーバには、現在、個々のコンテンツタイトルが3D形式ではない場合でも、3D出力ストリームを生成させる設定が含まれる。2Dコンテンツについては、デジタルシネマサーバは、この様式で設定されると、出力ストリームを、2D作品の左目用画像および右目用画像であるかのように生成し、その結果、プロジェクタでは、2Dコンテンツと3Dコンテンツとの間のモードの変更する必要がなくなる。通常、映写技師は、プレイリスト全体に適用させるようにデジタルシネマサーバを手動で設定する。しかし、上映者が(ポリシーの問題として)、デジタルシネマ主要作品と同じアスペクト比を共有する補助コンテンツタイトルを表示する傾向があるにもかかわらず、補助コンテンツタイトルをアスペクト比で分けること、または、プレイリストに含ませるために異なる形式の補助コンテンツタイトルを選択した場合に警告を生成すること、のための対策は存在しない。さらに、映写技師による最適ではない選択を、より良い選択が存在する際に、自動的に調整するための機構も現在のところ存在しない。
簡潔には、デジタルシネマ主要作品と共にプレゼンテーションするデジタル補助コンテンツタイトルを選択するための方法は、まず、デジタルシネマ主要作品用の形式属性のセットを判定することにより、開始される。次に、補助コンテンツタイトルが、その形式属性のセットが、デジタルシネマ主要作品の形式属性と互換性を持つように、選択される。互換性のあるセットの形式属性を持つ補助コンテンツタイトルが無い場合、警告が生成される。
現在、デジタル形式の映画などのデジタルシネマ主要作品は、異なる形式属性を持ってよい。例えば、デジタルシネマ主要作品は、2Dまたは3Dのどちらででも存在してよい。デジタルシネマ主要作品は、以下でさらに詳細に説明するように、異なる解像度(例えば、2Kまたは4K)、異なるアスペクト比(例えば、「フラット」または「スコープ)、異なるフレームレート(例えば、24fpsまたは48fps)、および/または、異なる帯域幅(ピークビットレート)(例えば、250Mb/sまたは450Mb/s)を持ってよい。今日のデジタルシネマ上映システムでは、少なくとも1つの形式属性、通常はいくつかの異なるセットの形式属性を、典型的にはサポートする。(以下で説明するように、各セットの形式属性は、特別な解像度、アスペクト比、フレームレートおよびピークビットレートに対応する。)先に検討したように、デジタルシネマプレゼンテーションには、典型的には、1つまたは複数のデジタルシネマ主要作品と、予告編および/または広告を含む1つまたは複数の補助コンテンツタイトルと、が含まれる。各デジタルシネマプレゼンテーションは、プレゼンテーションを満足いくように再生することができるように、デジタルシネマ上映システムがサポートする、形式属性セットのうちの1つに対応する形式属性のセットを持つ。形式属性のセットがデジタルシネマ上映システムによりサポートされないデジタルシネマプレゼンテーションの作品は再生されず、何故なら、デジタルシネマ上映システムが物理的に再生することができない、または、再生が、可能であるとしても、見ている観客に対して不満足に映るからである。例えば、3D形式のデジタルシネマプレゼンテーションは、3Dをサポートしていないデジタルシネマプロジェクタ、または、3D互換スクリーンを持たないデジタルシネマ上映システム、では再生することができない。
実際のところ、デジタルシネマ主要作品に関連付けられる形式属性のセットと互換性のある特別な構成に設置されるデジタルシネマプロジェクタは、主要作品および関連する補助コンテンツタイトルが含まれるプレイリスト全体に渡って、その構成のままであろう。いくつかの補助コンテンツタイトルが、デジタルシネマプロジェクタの構成と完全に互換性がある形式属性のセットを持ち、一方で、他の補助コンテンツタイトルはサポートされないか、または、程度が低下した状態でサポートされるだけである。低下したセットの形式属性を持つそれらの補助コンテンツタイトルが再生されるかどうかは、上映者のポリシーにより左右される。同様に、デジタルシネマプロジェクタが、デジタルシネマ主要作品に関連付けられる形式属性と比較して、異なるセットの形式属性に適応するための意向を受け入れるかどうか、および、いつ受け入れるのかについても、上映者のポリシーの問題として残る。
本原理の向上したプレイリスト選択の技術は、プレイリスト内の1つまたは複数のデジタルシネマ主要作品に付随する補助コンテンツタイトルを選択する際に、デジタルシネマ上映システムで使用できるように、形式属性の互換性およびポリシーを体系化するべく機能する。さらに、同じ情報を、許容できる形式属性の共同利用を広げることができる代替の互換性のあるセットの形式属性を選択する際に、応用することができる。いくつかの場合において、形式属性自身の相互運用性が、そのような選択を制限する可能性がある。さらに、デジタルシネマ上映システム内の種々のハードウェア要素の制限が、補助コンテンツタイトルの選択を、同様に制限する可能性がある。加えて、上映者のポリシーにより、特定の補助コンテンツタイトルが排除され、他の補助コンテンツタイトルが好まれるかもしれない。例えば、上映者は、表示されると非常に劣化して映ってしまう補助コンテンツタイトルを除外するという選択が可能となるであろう。また、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションで、高品質な(そしてなお互換もある)セットの形式属性の利点を活用できないような場合でも、上映者は、特定の互換性のある補助コンテンツタイトルをより良く見せることができる高品質のプレゼンテーション形式属性を選択することが可能となるであろう。
図1は、軸110および120それぞれに、デジタルシネマ形式属性の同様に選択されたものがリストアップされた、マトリクスを示す。選択されたものは、特別なデジタルシネマ上映システムが受入可能な形式属性のセットに相当する。ここで、形式の名称は、簡略化して使用するために以下のように符号化されている。
解像度:「2K」または「4K」、ここで、2K形式では、画像が最大で縦2048ピクセル、横1080ピクセルに制約される。(他の実施形態においては、追加的な解像度が含まれる。)
アスペクト比:「F」はフラット、「S」はスコープ、ここで、フラットの定義は1.85:1のアスペクト比、スコープの定義は2.39:1のアスペクト比である。(他の実施形態においては、追加的なアスペクト比が与えられる。)
次元:「2Dまたは「3D」、ここで、3Dプレゼンテーションは立体に見える。
フレームレート:「24」または「48」により、コンテンツに24fpsまたは48fpsのフレームレートを指定する。(他の実施形態においては、追加的なフレームレート、例えば、60fps、が与えられる。)
帯域幅:「250」または「450」は、圧縮されて制約されるコンテンツの帯域幅(ピークビットレート)を示し、1秒当たりのメガビットの単位である。250Mb/sという値は、デジタルシネマ主要作品に対する元々の標準制約を表し、450Mb/sは、ごく最近導入された制約を表し、高フレームレートまたは高解像度に画質を向上または維持するものである。(他の実施形態においては、追加的な帯域幅が与えられる。)
他の実施形態において、コンテンツに関するメタデータには、さらに音声形式の指標が含まれてよいが、本明細書における例では使用されない。
各デジタルシネマ主要作品、および各補助コンテンツタイトルについて、そのようなコンテンツに付随するメタデータに、関連する形式属性のセットが記述される。そのようなメタデータを検査し比較することにより、デジタルシネマ主要作品および補助コンテンツタイトルの形式属性について、以下に説明する様式で互換性のテストをする。
図1において、軸110に沿って示される第1のセットの形式属性は、「2kS2d24−250」という表示があり、デジタルシネマ主要作品が、最大解像度2048×1080、スコープのアスペクト比(従って、画像の範囲は1998×1080画素にさらに制限される)、1秒当たり24フレームの2D(非立体)形式、帯域幅250Mb/sを超えない、ことが符号化されていることを示す。互換性マトリクス100、および、図2から6に示されるマトリクスにおいて、各列は、横軸110で示すように、デジタルシネマ主要作品が表示用に再生される際の形式属性のセットに相当する。各行は、配信された元の補助コンテンツタイトル(例えば、予告編および/または広告)の形式属性のセットに相当する。マトリクスの各セル130は、対応するデジタルシネマ主要作品再生用セットの形式属性を使用した、補助コンテンツタイトルのプレゼンテーション品質のレベル(例えば、期待される再生の状態)を示し、第1のテスト101「アスペクト比が合致するかどうか」のみを考察している。
デジタルシネマプレゼンテーションは、一般に「フラット」または「スコープ」のどちらかのアスペクト比を持つ。「フラット」のアスペクト比を持つ補助コンテンツタイトルの一部を含む予告編を、「スコープ」のアスペクト比で表示すると、画像の上部および底部が切れて見えるか、または、画像の側部に柱状のブランクが見えるか、またはその両方が現れるが、これは、スコープが、フラットより幅広のアスペクト比を構成するからである。スコープのアスペクト比を持つ補助コンテンツタイトルの一部を含む予告編を、フラットのアスペクト比で表示すると、画像の左右の側部が切れて見えるか、上部と底部に棒状のブランクが見えるか、またはその両方が現れ、これも、スコープが、フラットよりも幅広のアスペクト比を構成するからである。
劣化のタイプと重篤度は、デジタルシネマ上映システムを備える特別な設備と、その構成に左右される。特別な上映者の設備構成では、1つのアスペクト比または他のアスペクトにおいてそれほどひどい違いが生じないかもしれない。例えば、上映者は、アスペクト比に従ってスクリーンにマスクをかけないという選択ができる。加えて、劣化が、対称ではないかもしれない、すなわち、スコープのアスペクト比形式で投影されたフラットの画像が、フラットアスペクト比で投影されたスコープ画像ほど悪くは映らないかもしれない。その結果、個々の上映者は、図1に示す例とは異なるマトリクス100を有することにしてもよい。
図1のキー150は、マトリクス110(図2から6のマトリクスのそれぞれについても同様)への入力に使用される一例のセットのシンボルを示す。これらのマトリクスにおいて、セルには、主要作品プレゼンテーションの形式属性を、補助コンテンツタイトルに適用した場合に生ずる補助コンテンツタイトルの表示が、可及的に良好ならば、「理想的」アイコン151(白抜きの丸)でその状態(品質レベル)を示す。デジタルシネマ主要作品の形式属性のセットを補助コンテンツタイトルに適用することにより、幾分劣化した表示が生ずる場合は、「受入可能」アイコン152(半分白/半分黒の丸)がその状態を示す。極度に劣化したプレゼンテーションの補助コンテンツタイトルが結果的に生ずる場合は、「不良」アイコン153(3/4が黒い丸)がその状態を示す。補助コンテンツタイトルを、デジタルシネマ主要作品の形式属性のセットを使用しても全く表示できない場合は、「不可能」アイコン154(黒丸)がその状態を示す。マトリクスの対角線(2つのセットの形式属性が同一の値を持つ部分)に沿ったセルは、セル133に見られるように、背景がハッシュ網掛け155で、全てに「理想的」アイコン151が記入されている。
一例として、「理想的」アイコン151がセル131に記入されているのは、テスト101に関して、主要作品の形式属性(2kS3d48−450)と補助コンテンツタイトルの形式属性(2kS3d24−250)とが両方とも、スコープアスペクト比を使用しているからであり、これにより、可及的に良好なプレゼンテーションが生ずる。セル132は「不良」アイコン153を含むが、これは、デジタルシネマ主要作品に関連付けられる形式属性のこのセットに対して、補助コンテンツタイトルの形式属性(4kF2d24−250)が、異なるアスペクト比を示すからである。本例において、この特別な上映者の構成に対して、スコープのアスペクト比で再生される補助コンテンツタイトルの品質は、極度に劣化したものとして映る恐れがあり、すなわち、観客には不快なプレゼンテーションであり、低品質であると気づくであろう。しかし、実際は、必要があればその設備で再生を行い、結果的に生じる不良なプレゼンテーション品質と、プレゼンテーションが行えるようにするために(再生を行うときの最終的な品質にかかわらず)、システムが形式を変更するのに要する長時間のディレイと、により低品質となる。本例において、評価は対称的である。フラットのアスペクト比を持つ補助コンテンツタイトルを、スコープのアスペクト比で再生を行うと、スコープのアスペクト比を持つ補助コンテンツタイトルをフラットのアスペクト比で行うのと同様に、不良に映るが、個々の上映者では、異なる評価を与えるかもしれず、対称的なものではないかもしれない。
図2は、図1のマトリクス100と同様のマトリクス200を示し、マトリクス200では、デジタルシネマ主要作品に関連付けられる形式属性のセットで再生を行う各補助コンテンツタイトルの品質が符号化されており、テスト201「補助コンテンツタイトルが2K解像度を持つか、または、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが4K解像度を持つか」のみを考察している。
テスト201では、4つの成果を得る可能性がある。
a)2K解像度を持つ補助コンテンツタイトルは、2K解像度で再生される際には上質に見える。
b)2K解像度を持つ補助コンテンツタイトルは、4K再生用に解像度をアップグレードした後、非常に上質に見える。
c)4K解像度の予告編を有する補助コンテンツタイトルは、4Kプレゼンテーション形式で非常に上質に再生される。しかし
d)2Kプレゼンテーション形式で4Kの予告編を再生すると、いくらかの劣化があるが、再生を排除するほど不快には映らない。
従って、(d)の場合、記載したテストでは、理想より劣った結果が生じ、「受入可能」アイコン152がその状態を示し(図2のセル231に示すように)、一方、状態(a)、(b)および(c)に相当するセル(例えば、セル232、233および234)は全て、「理想的」アイコン151を含み、相当する状態を示す。ある上映者にとっては、ポリシーにより、補助コンテンツタイトルがデジタルシネマ主要作品より良好に見えるべきではないことが指示されている場合は、状態(b)の評価で異なる結果を生ずるであろう。その場合は、テスト201に異なる基準を設ければよく、マトリクス200のセルはそれに従って評価される。
図3は、図1のマトリクス100および図2のマトリクス200それぞれと同様のマトリクス300を示す。図3のマトリクス300では、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションと同じ形式属性のセットで再生を行う各補助コンテンツタイトルの品質が符号化されており、テスト301「補助コンテンツタイトルが2D形式を持つか、または、主要作品プレゼンテーション形式が3D形式を持つか」のみを考察している。
テスト301は3つの成果を達成する。
a)デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが2D形式を持ち、補助コンテンツタイトルが3D形式を有し、セル331に示すような状態で表される。
b)デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが3D形式を持ち、補助コンテンツタイトルが2D形式を有し、セル331に示すような状態で表され、ほとんどのサーバが2Dコンテンツを3Dモードで表示させることができる。
c)デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションの形式と補助コンテンツタイトルの形式とが両方とも3D形式を有し、セル333に示すような状態で表される。
本テストでは、第4の場合(d)については達成できない成果があり、これは、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが2D形式を持ち、補助コンテンツタイトルが3D形式を持つ場合であり、「不可能」アイコン154でセル334に示す状態で表され、一般にサーバが、2Dプレゼンテーションとしての表示に対して立体のプレゼンテーションの一方または他方の目のビューを選択することをサポートしていないためである。この状態は、技術的に不可能であることを表すものではない。むしろ、ほとんどのコンテンツ制作者が、自分の作品が自動的に再処理されること、および、このように自動的に生成された結果が表示されること、を好まないのである。立体的にプレゼンテーションされているときには現れないようなコンテンツの単眼用のビューをプレゼンテーションすると、種々のアーチファクトが可視化され、例えば、スクリーンの端または端の近くにあるオブジェクトをスクリーンの前面に表示させる際の、フローティングウィンドウのブラックバーがそれである。
図4は、図1のマトリクス100、図2のマトリクス200、および図3のマトリクス300それぞれと同様のマトリクス400を示す。図4のマトリクス400では、デジタルシネマ主要作品に関連付けられる形式属性の同じセットを使用して再生を行う各補助コンテンツタイトルの品質が符号化されており、テスト401「補助コンテンツタイトルの形式が1秒当たり24フレームのフレームレートを有するかどうか、または、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが1秒当たり48フレームのフレームレートを有するかどうか」のみを考察している。テスト401は3つの成果を達成する。
(a)補助コンテンツタイトルとデジタルシネマ主要作品プレゼンテーションとが両方がとも24fpsのフレームレートを有し、セル431に示すような状態で表される。
(b)補助コンテンツタイトルと主要作品プレゼンテーションとが両方がとも48fpsのフレームレートを有し、セル433に示すような状態で表される。
(c)セル432に示すような状態で表されるように、補助コンテンツタイトルの形式が24fpsのフレームレートを有し、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが48fpsのフレームレートを有し、これは、補助コンテンツタイトルを、フレームが重複した状態で再生することにより、少なくとも例示の評価において、フレームが重複しても品質が劣化しないからである。
しかし、テスト401では、デジタルシネマ主要作品プレゼンテーションが24fpsのフレームレートを有し、補助コンテンツタイトルが48fpsのフレームレートを有し、セル434に示すような状態で表される際の第4の状態(d)については達成できない成果が生じる。そのような状況において、「不可能」アイコン154が失敗の結果を示す。ほとんどのデジタルシネマ設備では、一般に、デジタルシネマ主要作品からのドロップした交互フレームをサポートすることはできず、状態が存続可能とは考えられない。他の実施形態においては、そのようなフレームスキップが発生する可能性があり、結果的に品質において意図されたものから招く重大な劣化を伴う。そのような状況では、セル434には「不良」アイコン153が含まれるであろう。
図5は、図1のマトリクス100、図2のマトリクス200、図3のマトリクス300、および図4のマトリクス400それぞれと同様のマトリクス500を示す。図5のマトリクス500では、デジタルシネマ主要作品と同じセットの形式属性を使用して再生を行う各補助コンテンツタイトルの品質が符号化されており、テスト501「補助コンテンツタイトルのピークビットレートと、デジタルシネマ主要作品のピークビットレートとの互換性を何によって考慮するか」のみを考察している。実際には、テスト501では、補助コンテンツタイトルが250Mb/s程度のピークデータレートを必要とするかどうか、または、デジタルシネマ主要作品が最高で450Mb/sまでのピークデータレートをサポートするかどうか、が評価される。テスト501は3つの成果を達成する。
a)セル531に示すような状態で表されるように、補助コンテンツタイトルとデジタルシネマ主要作品との両方が250Mb/s以下のピークビットレートを有する。
b)セル532に示すような状態で表されるように、補助コンテンツタイトルが250Mb/s以下のピークビットレートを有し、デジタルシネマ主要作品が450Mb/sの高いピークビットレートを有する。
c)セル533に示すような状態で表されるように、補助コンテンツタイトルとデジタルシネマ主要作品との両方が、最高で450Mb/sまでのピークビットレートを有する。
テスト501では、第4の状態(d)については達成できない成果があり、これは、セル534に示すような状態で表されるように、補助コンテンツタイトルが、250Mb/sより高く、かつ、450Mb/s程度の高いピークビットレートを有するが、デジタルシネマ主要作品が、250Mb/sを超えないよう制約されたピークビットレートを有する場合に起こる。ある上映者のデジタルシネマ上映システムでは、デジタルシネマ主要作品であろうと補助コンテンツタイトルであろうと、どのコンテンツについても450Mb/sの高さのピークビットレートをサポートしない。そのような状況では、マトリクス500の最後の行と列には「不可能」アイコン154が含まれる。450Mb/sのピークビットレートが可能な他の上映者システムでは、デジタルシネマ主要作品の帯域幅要件にかかわらず、デジタルシネマ主要作品と補助コンテンツタイトルとを異なる方法で扱うことはない。そのような状況では、マトリクス500の全てのセルに、「理想的」アイコン151が含まれることになる。
もっと多くの形式属性、例えば、60および120fpsなどのより高いフレームレート、また、2Kおよび4Kの現在のメニューに、8Kを追加するなどのより高い解像度、などを考慮する必要がある場合には、図1のマトリクス100、図2のマトリクス200、図3のマトリクス300、図4のマトリクス400、および図5のマトリクス500それぞれの複雑性は増加する。検討を簡単にするために、図1から5それぞれのマトリクス100、200、300、400、および500は、簡略化されており、そのような拡張を組み込んでいない。追加的な形式属性を考慮することが必要となる限りにおいて、例えば、より高いフレームレートの採用など、そのような追加的な形式属性は、図1から6の軸110および120に沿って追加されることとなる。
同様に、異なる音声形式も検査して、基本の5.1音声形式(左、中央、右、スクリーンの背後全体、すなわち、劇場の壁の左右のサラウンド、および、低周波数のエフェクトチャンネル、すなわち、「.1」のことである)を表す形式属性のセットと、より精巧な所定の構成(例えば、追加のスピーカをスクリーンの背後、部屋の周り、および/または天井に配置する必要を伴う音声形式)とを差別化することもできる。音声形式の制限と要件が概して画像フォーマットと直交する状態であるため、補助コンテンツタイトルの音声形式属性とデジタルシネマ主要作品の音声形式属性との互換性を評価する処理では、補助コンテンツタイトルの音声形式用およびデジタルシネマ主要作品の音声形式用の別個セットのマトリクス(図示せず)を追加することが必要となる。そのような音声形式マトリクスの管理および適用は、本明細書において画像形式のマトリクスについて説明したものと同様の様式で行うものとなる。現在、異なる音声形式のための本原理の技術を実装する必要性は、比較的低い。上述の5.1形式よりも高性能の音声形式において、補助コンテンツタイトルがわずかに存在する。さらに、全ての高品質の音声形式で、5.1音声形式が、理想的にではなくとしても、非常に良好にサポートされる。
図6は、図1に対応するマトリクス100についてのテスト101、図2に対応するマトリクス200についてのテスト201、図3に対応するマトリクス300についてのテスト301、図4に対応するマトリクス400についてのテスト401および図5に対応するマトリクス500についてのテスト501それぞれによる結果がセルに蓄積されたマトリクス600を示す。テスト101、201、301、401、および501により識別される劣化が、他のテストの状態とは無関係とされているため、任意のマトリクスの任意のセルについての正味の評価は、全てのマトリクスの全てのテストのセルについて最悪という評価ほどは悪くない(しかし、他の実施形態においては、本原理のプレイリスト作成技術を実施する職員は、劣化を種々のテストマトリクス内に蓄積させるように扱うという選択をすることもできる)。マトリクス100、200、300、400、および500のそれぞれにおいて同じ位置に対応するセルのいずれにも、最低品質の評価を与えることにより、テスト101、201、301、401、および501それぞれの結果を統合するための適切なアプローチが示される。
一例として、マトリクス100のセル132がアスペクト比のミスマッチから生じる「不良」状態を示す場合を考察する。マトリクス200の対応するセル232は、4Kコンテンツを2Kにより再生する結果による「受入可能」状態を示す。マトリクス300の対応するセル332は、(考察のシステムに対して)2Dコンテンツを3Dにより順調に再生することで生じる「理想的」状態を示す。図4のマトリクス400内の対応するセル432は、(考察のシステムにより)24fpsのコンテンツがフレーム重複により48fpsで良好に再生されるため、「理想的」状態を示す。最後に、図5のマトリクス500内の対応するセル532は、250Mb/sのピークビットレートを持つコンテンツが、システムが450Mb/sのピークビットレートをサポートする能力を持つ場合には、良好に再生されるため、同様に「理想的」状態を示す。
これらの対応するセル間の最低評価により、図1のマトリクス100内のセル132に示される「不良」状態が構成される。従って、図6のマトリクス600内の対応するセル633は、この評価を受ける。5個の評価マトリクス100、200、300、400、および500のセル間の最低評価に基づき、マトリクス600内のいくつかのセルが、「理想的」状態を示す(例えば、セル631)。他のセルは、「受入可能」状態を示し(例えば、セル632)、いくつかのセルが「不良」状態を示す(例えば、セル633)。最後に、いくつかのセルが、「不可能」状態を示す(例えば、セル634)。
マトリクス600用のキー650は、元のキー150と、ハッシュ網掛けパターン656とを備え、ハッシュ網掛けパターンは、セル641および642などのセルに示され、同一の列における識別セル640からの無損失のプロモーションパスを表す。無損失セルは、コンテンツが品質の劣化なく再生可能であることを示す。図1から6のハッシュ155で示されるセルは、識別セルを備え、これは、各マトリクスにおいて対角線上にあり、、補助コンテンツタイトルがデジタルシネマ主要作品と全く同じ形式属性を持つことによりこれらのセルを形成する。第1のマトリクス列(2kS2d24−250)のデジタルシネマ主要作品の形式属性に対して、同じセットの形式属性を持つ補助コンテンツタイトルのみが理想的に再生されるため、そのセットの形式属性については、識別セル640のみが「理想的」状態151である。補助コンテンツタイトルについて、再生が可能な他のセットの形式属性(2kF2d24−250、4kS2d24−250、および、4kF2d24−250)を考察すると、2つのセットの形式属性が「不良」状態を生じ、残りのセットの形式属性が「受入可能」状態を示すだけである。図6のマトリクス600のセル641および642における無損失プロモーションのハッシュ656では、当該考察の設備に対して、無損失プロモーションセル641および642を含む列に対応する形式属性のセットに関連して、品質において損失なくデジタルシネマ主要作品の上映用の形式属性のセットとして使用可能である2つの向上したセットの形式属性を示す。
図6の無損失プロモーションセル641および642のそれぞれにより、異なる向上が提示される。第1のセル641により、2Kではなく4Kとしての解像度を構成することが示唆される。(無損失プロモーションセル641に対応する)識別セル643に向かって水平に移動すると、この第1の無損失プロモーションが提示する列が結果として識別される。このセルでは、「不良」と見なされる補助コンテンツタイトルの形式属性が変化していないが、「受入可能」と見なされる形式属性が、「理想的」状態に昇格している(例えば、セル643に示される状態)。4Kを受け入れるべく構成されるデジタルシネマ上映システムは、2K主要作品を再生するが、ここでは、4K補助コンテンツファイルのタイトルが4K解像度で再生され、2K解像度に低下されない。あるデジタルシネマ設備では、4K解像度に移行することで、品質の低下をまねき、これが、デジタルシネマ主要作品に適用されると、「無損失プロモーション」が生じない。この例では、2Kから4Kへのプレゼンテーション形式のプロモーションが無損失であると考える。
第1の列にある第2の無損失プロモーションセル642により、24fpsではなく48fpsのデジタルシネマ主要作品を構成することが示唆される。(無損失プロモーションセル641に対応する)識別セル644に向かって水平に移動すると、この第2の無損失プロモーションが提示する列が結果として識別される。そのセルでは、「不良」と見なされる補助コンテンツタイトルの形式属性が変化しておらず、「受入可能」と見なされるものもない。しかし、前には「不可能」と見なされた補助コンテンツタイトルの形式属性(セル642および644により示される形式属性)が、ここでは、「理想的」状態を示す。従って、デジタルシネマ主要作品が2kS2D24−250に対応する主要作品属性のセットを持つ場合には、以前は全く表示できなかった補助コンテンツタイトルを、デジタルシネマ主要作品の形式属性を2kS2D48−250にプロモーションさせることにより、完全に表示することができる。(ここでも、このプロモーションでは、24fpsのコンテンツをフレーム重複を介して48fpsモードで再生することができる設備を想定しており、従って無損失プロモーションが構成される。)
あるプロモーションでは、技術的には実行可能であっても、不適切であることがある。例えば、2D主要作品プレゼンテーション形式を、対応する3D主要作品プレゼンテーション形式にプロモーションすることができるとする。これにより、デジタルシネマ主要作品が、3Dプレゼンテーション形式を使用して上映される2D映画を構成する場合でも、3D補助コンテンツタイトルのプレゼンテーションが可能となるであろう。このプロモーションは、2つの理由により適切ではない。第1に、デジタルシネマ主要作品が元々は3D形式を持たないため、今日の3D劇場ではほとんど常に必要とされる3D眼鏡を、観客が受け取っていないであろう。第2に、2Dコンテンツのほとんどのプレゼンテーションは、3Dでは2Dよりもぼやける。従って、(結果として得られるぼやけた画像が「受入可能」状態を構成する、又は「不良」状態を構成するかを論じる者もあるであろうが)この様式でプロモーションするコンテンツは、損失を生じさせる。
図7は、本原理の向上したプレイリスト選択技術を実践するための典型的なデジタルシネマ上映システム700のブロック図を示す。デジタルシネマ上映システム700には、ユーザインターフェース712に応答するメディアサーバ710が含まれ、ユーザインターフェースを介して、操作者はプレイリストに含めるためにコンテンツを選択し、そのリストの再生を手動で開始する、または、そのプレイリストを将来の再生用にスケジュールする、ことができる。典型的には、ユーザインターフェース712には、コンピュータ端末、または、操作者がメディアサーバ710へのコマンドの入力や、メディアサーバ710からの情報の表示の閲覧を行うことができる他の機構が含まれてよい。コンテンツ記憶装置機構711には、メディアサーバ710で受け取ってメディアサーバ710から再生するためのコンテンツ(例えば、デジタルシネマ主要作品および補助コンテンツタイトル)を格納するする。コンテンツ記憶装置機構711はまた、プレイリストを構築する際に利用するための、(利用可能であるが、まだコンテンツ記憶装置機構にロードされていないコンテンツが含まれてよい)利用可能なコンテンツのリストを提供する。
コンテンツの再生中、メディアサーバ710は、制御情報およびデジタルシネマ画像をデジタルシネマプロジェクタ720に提供する。メディアサーバ710は、デジタルシネマプロジェクタ720に命令して、明示的に、個々のコマンドを介して、または、事前にプロジェクタに定義した特定のマクロを呼び出すことにより、上記で検討したように異なる形式属性で、デジタルシネマ画像を表示させることができる。メディアサーバ710はまた、自動化コントローラ733に命令することができ、自動化コントローラは、例えば、モータ732を制御して、スクリーンマスキング731を調整してスクリーン730の可視部分のアスペクト比を変更する。
一般に、3Dコントローラ735がある場合、プロジェクタ720が3Dコントローラ735を管理する。いくつかの実施形態において、自動化コントローラ733が代わりに、3Dコントローラ735を管理することができる。3Dコントローラは、動作中、3Dモジュレータ734をデジタルシネマプロジェクタ720の光路721に挿入し、モジュレータをプロジェクタの画像出力と同期させる。図示するように、3Dモジュレータ734は、デジタルシネマプロジェクタ720の外部に設置されているが、いくつかの実施形態において、モジュレータをプロジェクタの内部に設置することもできる。さらに他の実施形態において、3Dモジュレータは、観客たちが装着する眼鏡に設置することができる。そのような状況では、3Dコントローラ735で赤外線または無線周波数のエミッタを、眼鏡上の3Dモジュレータを制御して、モジュレータをデジタルシネマプロジェクタ720と同期させるように構成する。いくつかの実施形態において、3Dモジュレータ734がデジタルシネマプロジェクタ720に搭載される場合、モジュレータを、、手動または機械的な介在の必要なしに、光路に対して自動的に挿入または光路から除去することができない。これは、デュアルレンズ装着またはデュアルプロジェクタシステムを使用するデジタルシネマプロジェクタの場合にあることで、シングルプロジェクタ3Dモジュレータを組み合わせる場合とは対照的である。
2Dおよび3Dモードの間を自動的に切替える能力を持たないデジタルシネマ上映システムでは、プレゼンテーションされているデジタルシネマ主要作品が3Dにおいて存在する場合に、3Dプレゼンテーションが行われ得るだけである。デジタルシネマプロジェクタ710が、2Dと3Dの間を自動的に切替えることができるとしても、この処理には、典型的には数十秒、時間がかかり、従って、劇場でのプレゼンテーションに対して不適切なディレイが生ずることがある。いくつかの場合において、3Dコントローラ735および/または3Dモジュレータ734が、フレームレートの変更に同期するために時間を要するため、異なるフレームレート間での切替えはディレイが必要となる。ある設備では、特に機械的なモジュレータを備える設備では、同期のための時間が数十秒かかる。これにより、設備に特有な他の問題に関するこれらの問題のため、評価テスト(例えば、テスト101、201、301、401、および501)を設定する際には、マトリクス100、200、300、400、および500それぞれに記入するための考察が必要となる。
図8は、図7のメディアサーバ710により実行するための本原理の第1の実施形態による、プレイリスト作成処理800を示す。処理800の実行は、コンテンツ記憶装置機構711に、利用可能なコンテンツのリストが入力される間に、開始ステップ801にて開始される。開始ステップの間、メディアサーバ710はまた、デジタルシネマ上映システム700がサポートする主要作品属性の1つまたは複数のセットを判定し、そのような情報を表すメタデータを構築する。あるいは、メディアサーバ700に、そのようなメタデータを事前に入力しておいてもよい。ステップ802にて、操作者は、図7のデジタルシネマ上映システム700で表示するのに適切な特別なセットの形式属性を持つデジタルシネマ主要作品を選択する。
一例の実施形態において、コンテンツ選択のステップ802は、操作者に対して表示されるユーザインターフェース712を介して実行されてもよい。
「Funny-Movie_FTR_S_EN-XX_US-PG_51-EN_2K_FX_20120615_TEC_OV」および
「Funny-Movie_FTR_S_EN-XX_US-PG_51 -EN_2K_FX_20120615_TEC_i3D_OV」は
同じ映画に対応する2つの別々のコンテンツであるが、異なる形式属性を持ち、後者が3Dである。前者の選択は、形式属性のセット2kS2d24−250に相当し、これは図6のマトリクス600の第1の列の形式属性のセットに対応する。実際、図10と併せて検討するように、メディアサーバ710は、デジタル主要作品の形式属性の取得を、デジタルシネマ主要作品が担持するそのような形式属性を表すメタデータを読み込むことにより行う。図8のステップ803にて、メディアサーバ710は、選択したセットの形式属性を使用して、選択されたデジタルシネマ主要作品が再生可能であるかどうか、を判定する。
「Funny-Movie_FTR_S_EN-XX_US-PG_51 -EN_2K_FX_20120615_TEC_i3D_OV」は
同じ映画に対応する2つの別々のコンテンツであるが、異なる形式属性を持ち、後者が3Dである。前者の選択は、形式属性のセット2kS2d24−250に相当し、これは図6のマトリクス600の第1の列の形式属性のセットに対応する。実際、図10と併せて検討するように、メディアサーバ710は、デジタル主要作品の形式属性の取得を、デジタルシネマ主要作品が担持するそのような形式属性を表すメタデータを読み込むことにより行う。図8のステップ803にて、メディアサーバ710は、選択したセットの形式属性を使用して、選択されたデジタルシネマ主要作品が再生可能であるかどうか、を判定する。
この判定を行う際、図7のメディアサーバ710では、デジタルシネマ主要作品の形式属性セットを使用して、要約マトリクス600の(列ではなく)行を選択するが、この行では、少なくとも1つの列が利用可能であり、図7のシステム700がサポートする利用可能な形式属性の組み合わせのセットが表される。そして、メディアサーバ710は、マトリクスの行と、少なくとも1つの列のぞれぞれとの交点にある、対応する少なくとも1つのセルを検査する。その少なくとも1つのセルについての要約レーティングが「不可能」状態以外である限り、図8の処理800は、ステップ805に進む。しかし、少なくとも1つのセルの全てが「不可能」状態を示すならば、ステップ804に進んで、(例えば、ユーザインターフェース712を介して)操作者にエラーを警告する。デジタルシネマ上映システム700が選択した形式で主要作品を再生できない。そこで、処理800は、ステップ802に戻り、操作者は選択を訂正することができる。いくつかの実施形態において、メディアサーバ710がステップ803にて行う判定(例えば、テスト)では、他のポリシーを実施してもよい。例えば、上映者または設備製造者は、ステップ805に進む前に、ステップ803にて「理想的」または「受入可能」のいずれかの状態が存在するように要求してもよい。
他の実施形態においては、処理800のうち、選択した主要作品を再生する形式の選択を、図9のステップ903と併せて以下で検討するように、自動的に行ってもよい。
他の周知の要因が、選択したデジタルシネマ主要作品を再生する能力に影響し得る。例えば、ほとんどのデジタルシネマ主要作品は、図7のコンテンツ記憶装置機構711に格納する前に暗号化される。暗号化されたデジタルシネマプレゼンテーションは、再生が発生する際の合間に有効となる復号鍵を使用して、図7のメディアサーバ710により(また、いくつかの場合ではプロジェクタ720と組み合わせて)復号されると、有用な様式で再生されるのみとなる。そのような鍵の可用性は、ステップ803にて、デジタルシネマを今再生するのか、近い将来に再生するのかを決定するのに寄与できる。
デジタルシネマ主要作品を将来再生すべきである場合、または、デジタルシネマ主要作品が、現在のセットの形式属性で再生可能だが、「理想的」品質に達していない場合、メディアサーバ710は、ステップ804にて適切な警告を生成することができる。ポリシーによっては、メディアサーバ710は、警告を選択的に無視して、ステップ805に進むことができる。再生を行うためにデジタルシネマ設備について選択した形式属性に基づき、デジタルシネマ主要作品を再生可能であるならば、図8のステップ805にて、図7のメディアサーバ710は、そのデジタルシネマ主要作品を、その対応する属性と共にプレイリストに追加する。
図8の処理800のステップ810にて、メディアサーバ710は、プレイリストが完了したと操作者が考えているかどうかを判定する。典型的には、メディアサーバは、図7のユーザインターフェース712を介して操作者に適切な質問を送ることにより、そのようなテストを行う。操作者がプレイリスト作成が完了したと見なす場合、メディアサーバ710は、ステップ820にてプレイリスト作成処理を終了する。そして、メディアサーバ710は、プレイリストを保存するか、または、今または将来に再生を開始するために直ちにロードする。しかし、ステップ805にて、操作者が、補助コンテンツタイトルなどさらなるコンテンツをプレイリストに追加する必要があることを示す場合、処理800はステップ811に進む。
ステップ811にて、操作者は、コンテンツの選択を行うが、典型的には、必ずではないが、1つまたは複数の補助コンテンツタイトルをコンテンツ記憶装置機構711から、再度ユーザインターフェース712を介して、選択する。図8のステップ812にて、メディアサーバ710は、ステップ811で選択したコンテンツの形式属性と、デジタルシネマ主要作品の現在の設定の形式属性との互換性をテストする。ステップ811において互換性テストを行うために、メディアサーバ710は、図6のマトリクス600における、選択したコンテンツの形式属性に対応するマトリクスの行と、デジタルシネマ主要作品の形式属性に対応するマトリクス列との交点にあるセルにより示される状態を検査する。(デジタルシネマ主要作品の互換性テストと同様に、メディアサーバ710による補助コンテンツタイトルの互換性テストには、補助コンテンツタイトルの形式属性を、該補助コンテンツタイトルが担持する関連するメタデータから構築することが含まれる。)これら2つの列の交点にあるセルが、理想的品質状態を示す場合、ステップ812にて行われるテストでは、達成可能な結果があり、処理は進んでステップ805に戻り、ここで、メディアサーバ710は、選択した補助コンテンツタイトルをプレイリストに追加する。しかし、マトリクスセルが「理想的」状態以外を示す場合、テストは失敗であり、メディアサーバ710は、ステップ813にて警告を生成する。
ステップ813にて生成した警告にもかかわらず、処理800では、操作者がステップ814にて警告を無効にすることができ、その場合、メディアサーバ710は、ステップ805にて、選択した補助コンテンツタイトルをプレイリストに追加する。操作者が警告を無効にしない場合、メディアサーバ710は、選択したコンテンツを破棄し、処理はステップ810に戻り、プレイリストを終わらせる機会が与えられる。
いくつかの実施形態において、ステップ812にて行われる互換性テストでは、それほど厳しくない要件を課すことができ、互換性テストの結果が、少なくとも「受入可能」の品質レベルまたは状態、せめて「不良」状態を生じれば、自動的にコンテンツ選択が受け入れられる。そのような実施形態において、ステップ811にて提示されるコンテンツ選択では、「不良」またはこれより良い品質レベルを生じさせなければならず、それにより、その現在の形式属性(すなわち、「不可能」状態)では再生できないいずれのコンテンツも、考慮から外される。他の実施形態においては、ステップ811にて示されるコンテンツ選択に、「不可能」状態を生じる選択を含ませることができ、これは、そのようなコンテンツは、プレイリストに追加されると、1つまたは複数の再生するための形式属性に変更することが要求されるであろうという期待を伴っている。ステップ814にて、操作者は、必要な形式変更が原因で、再生が連続しないまたは完了しないかもしれない、という警告を無視する選択をすることができる。換言すると、コンテンツの再生で、形式属性に必要な変更を加える間にディレイが起こるかもしれないということである。従って、形式属性の変更ができる前に再生が進む場合には、観客は選択したコンテンツを見ることができない。
いくつかの実施形態において、ステップ811での補助コンテンツタイトルの選択には、どの形式を使用するのかについての詳細が含まれていなくてもよいが、ステップ803で行う再生適正テストについて先に検討したように、ステップ812で行う互換性の判定では、各選択した補助コンテンツタイトルが利用可能となる各形式について降順の選好順で連続して考察することができる。このように、ステップ812の十分な互換性要件に合った、選択した補助コンテンツタイトルの形式が無い場合のみ、ステップ813にて生成される警告により、主要作品形式設定と互換性のある最も好ましい形式を、選択した補助コンテンツタイトルごとに自動的に選択する。
図9は、本原理の別の実施形態による、代替のプレイリスト作成処理900を示す。図7のメディアサーバ710による処理900の実行は、開始ステップ901で開始され、その間、コンテンツ記憶装置機構711に、利用可能なコンテンツのリストが入力される。リストには、(主要作品、予告編、広告その他にかかわらず)同じコンテンツタイトルの異なった形式のバージョンが関連付けられたメタデータが含まれ、メディアサーバ710が操作者に対してコンテンツタイトルを提示するだけで良いようにされる。従って、コンテンツ選択ステップ902では、図7のユーザインターフェース712が操作者に対して主要作品タイトルだけを表示し、一方、図8のコンテンツ選択ステップ802では、操作者には、主要作品タイトルと、それぞれが利用可能な異なる形式との両方が提示された。その代わりに、ステップ902では、ユーザインターフェース712は、映画のタイトル「Funny Movie」のみを表示すること、および、(仮にそうであるならば)2Dと3D両方のバージョンが、両方ともスコープで、利用可能であることを別に示すことができる。図8の処理800のように、図9の処理900は、必要な形式属性を対応するメタデータから取得する。
操作者は、所望のコンテンツをタイトルで選択し、それに応じて、メディアサーバ710がステップ903を実行し、コンテンツ再生を可能にするためのデジタルシネマ上映システム700がサポートする形式属性を持つ形式で、選択したコンテンツが存在するかどうかを判定する(すなわち、テストする)。選択されたコンテンツが無い場合は、メディアサーバ710は、ステップ904にてエラーメッセージを生成し、そのコンテンツ選択を破棄する。しかし、選択したタイトルが、図7のデジタルシネマ上映システム700が再生のためにサポートする形式属性を持つ1つまたは複数の形式でコンテンツとして存在する場合、ステップ905にて、メディアサーバ710は、最高品質の形式のそのコンテンツを、プレイリストに追加するために選択する。実際、メディアサーバ710は、最も好ましい形式から最も好ましくないものに向かって選好順でソートされた、選択したコンテンツの利用可能な形式のうちの可能な形式属性の所定のリストを使用することにより、「最高品質」形式のコンテンツの選択する。例えば、メディアサーバ710は、図6のマトリクス600の軸110および120に沿って見られるような形式属性の順番で、リストを構築することができる。軸110および120では典型的には、順番は、スコープのアスペクト比がフラットのアスペクト比よりも選好され、4Kが2Kよりも選好され、3Dが4Kよりも選好され、48fpsが3Dよりも選好される。各上映者は、そのような形式属性のランキングを選択または提供するであろうが、利用可能な特別なデジタルシネマ設備や、特別な動画上映施設などを考慮して、さらに変更してもよい。例えば、特別な施設において、3Dで、最も望ましくない形式属性が構成されるかもしれない。特別なデジタルシネマ上映システムでは、48fpsをサポートせず、そのため、選択を考慮して、そのようなフレームレートを持つコンテンツを除去するようにしてもよい(そのようなコンテンツを最初に検討するのではなく、プレイリスト作成処理800および900において、そのようなコンテンツを除外するようにマトリクス600を構成する)。
いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース712は、操作者に対して、ステップ902にて、利用可能なタイトルと、形式の選好、例えば「3D」形式、の受入とを示すことができる。従って、ステップ905にて、メディアサーバ710は、2D形式バージョンで存在するコンテンツの何らかのプロパティが、所定のソートされたリストにおいて3D形式属性より重要であると見なされてしまう場合、そのコンテンツの「最も使用可能なバージョン」よりむしろ、そのコンテンツ3Dにおける最も使用可能なバージョンを選択する。従って、一実施形態において、メディアサーバ710が、「2D、48fps」形式を、同一のコンテンツの「3D、24fps」バージョンよりも好ましい、と識別する場合、形式選好により、メディアサーバにいずれの2D形式も無視させる(または、少なくとも考慮させない)ことが可能であり、ステップ905にて、利用可能であれば、最高の3D形式のコンテンツの選択が発生する。
ステップ910にて、メディアサーバは、操作者がプレイリストの作成を完了したかどうか、を判定する。完了したと判定する場合、処理900は、プレイリスト作成が完了したことを示すステップ920に分岐する。そうでない場合、ステップ911にて、メディアサーバ710が、予備コンテンツ、例えば、名称でリストアップされた予告編および/または広告、を操作者に提示する。操作者が選択した後、メディアサーバは、ステップ912を実行して、選択したコンテンツの互換性のある形式属性を持つバージョンがあるかチェックする。少なくとも1つの互換性のあるバージョンが存在する場合、ステップ905にて、メディアサーバ710は、選択したコンテンツの最も互換性のあるバージョンを、プレイリストに追加するために選択する。選択したコンテンツの互換性のある形式属性を持つバージョンが存在しない場合、許容される状態(例えば、「理想的」、「受入可能」、または「不良」)のうちの特定の1つに従って、互換性を定義するべく構築されるポリシーに鑑みて、メディアサーバ710がステップ913にて警告を生成する。ステップ914にて、メディアサーバ710は、ユーザインターフェース712を介して操作者に質問し、警告を受けたにもかかわらず、選択したコンテンツの受入についてテストする。受け入れない場合、メディアサーバ710は、コンテンツ選択を破棄し、処理はステップ910にループバックする。
ステップ913にて警告を受けた後、操作者は、ステップ914にて、とにかくコンテンツを含めるという指示を入力し、図7のメディアサーバ710が、ステップ915にて以下の判定を行う。すなわち、a)現在のデジタルシネマ主要作品の形式属性が与えられた任意の無損失プロモーション(例えば、ハッシュ656で示す)が利用可能であるかどうか、利用可能ならば、b)そのような無損失プロモーションにより、選択したコンテンツを、警告を発生したコンテンツより高い品質レベルで再生することが許可されるかどうか、許可されるならば、c)この選択肢をユーザインターフェース712を介して操作者に提示する。操作者がこの選択肢を受け入れる場合、図9の処理900は、ステップ916に分岐し、そこで、図7のメディアサーバ710が、プレイリストを更新して無損失プロモーションに対応する新しい形式属性を反映させる。既にプレイリストへの収容が許可されたコンテンツごとに、メディアサーバ710は、より高い品質の(すなわち、例えば、図6のマトリクス600の軸110および120のソートにより示唆されるように、ソートされた形式ランキングにおいてより高い)バージョンであって、許可された状態のうちの適切な1つ(例えば、「理想的」、「受入可能」、または「不良」)により既に示されているものより悪くない品質で再生されるバージョン、があるかチェックする。
ステップ916にて、必要に応じて、既存のプレイリストの再加工と、現在のデジタルシネマ主要作品を適切な形式属性にプロモーションすることが終了すると、メディアサーバ710は、ステップ905にて、現在選択されている予備コンテンツの最高のバージョンをプレイリストに追加する。ステップ915にて、a)無損失プロモーションが存在しない場合、または、b)無損失プロモーションにより、選択したコンテンツがより良く再生されるという結果にならない場合、または、c)操作者が許可しない場合、処理はステップ915からステップ905に直接進み、その際に、メディアサーバ710が、選択したコンテンツ(例えば、選択した補助コンテンツタイトル)を、最高の品質で再生されない場合でも、追加する。ここでもまた、結果的な互換性のテストで、「不可能」状態154が生じる場合、プレイリストにそのタイトルを含めることは、再生中に形式属性の変更を強要することになるため、システム700の形式設定が移行されるのに伴って、再生における一時停止および/または誤作動が誘発されるのにもかかわらずコンテンツタイトルが表示される。
処理900における動作、特に、コンテンツの全ての属性を記述する長い形式ばかりのコード名ではなく、操作者が映画のタイトルにより行うコンテンツの選択を、ユーザインターフェースの動作、をより良好に操作させるために、作品プレイリストには、特別なタイトルを表すものとして作品を一義的に識別する要素を組み込むべきである。作品プレイリストは、特別なバージョンの映画、予告編、または広告の資産をリストアップしたファイルを構成し、これには、画像を提供するファイル、音声を提供するファイル、サブタイトルおよび字幕を提供するファイル、ならびに、これらのファイルをどのように再生すべきか、再生の速度、いつ再生するかについて、コンテンツを意図されるように再生させるために、定義するメタデータ、が含まれ、全ての要素が同期した状態である。
現在、作品プレイリスト(CPL)について広く採用される規格があり、例えば、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)規格文書429−7−2006 D−Cinema Packagingで定義される規格がある。これらの規格により、各CPLはUUID(universally unique identifier)を使用して、それ自身が絶対的に一意性があるものとして識別される。CPL IDに対して同じUUID値を持つCPLが2つ作成されることはない。これとは別に、CPLはまた、コンテンツバージョンIDを持ってよく、これはUUID値を構成するが、所与のタイトルに関する特別なセットの属性を表す。従って、特別な映画タイトルに関する2K、フラット、3D、24fps、250Mb/sのCPL(また、主言語として英語を有し、サブタイトルおよび他の特別な属性がフランス語を有する)は、特別なUUIDを受け取る。例えば、メインタイトルまたはクレジットを修正する必要があるために、そのCPLが更新される場合、または、特定のシーンが再編集されて、何らかの間違いまたは新しい芸術上の決定に対処する場合、新しい一意的なCPL IDを持つ新しいCPLは、前のものと同じバージョンのIDを受け取る。CPLの現在の規格は、「上映者/映写技師が期待するものは、音声および字幕が特定の言語を有する特定の形式であった、そして、このより新しいCPLは、それに代わる権威あるものを構成する」という概念を具現化する。現在のCPL形式に欠けているものは、特別なタイトルについての、すなわち、特別な映画についての、一意的な識別子である。
図10には、SMPTE429−7規格に略追随するCPL1000が示され、特定の詳細(例えば、SMPTE429−7で指定される特定の要素に関するネームスペース)が省略され、また、簡潔さおよび明瞭さに関するほとんどの選択的な要素が省略されている。Compositionplaylist(作品プレイリスト)要素が開始タグ1010で開始され、位置1012にある終了タグまで実行される。正確にかつ排他的にこのCPLを指す一意的なCPLのIdが、位置1020に見える。Annotationtext(注釈テキスト)要素1021は、このファイルの読者には有用であろうし、ユーザインターフェースで使用されてもよい。位置1022AにあるIconID(アイコンID)はオプションであり、現在はほとんど使用されない。従って、IconIDタグは、対応する画像リソースを識別するべく機能することができ、例えば、映画のポスターのサムネイルを表し、または、このCPLの他の表示グラフィックユーザインターフェースで表す。CPLが作成された(発行された)日付が、位置1023のIssueDate(発行日)タグに挟まれて記述され、映画スタジオまたは広告クライアントである(発行者)が、位置1024に記述される。ContentTitleText(コンテンツタイトルテキスト)は、ユーザインターフェースでの使用に適切であり、位置1025に記述される。このCPLが表すコンテンツの種類が、位置1026で識別され(ここでは、「advertisement(広告)」であるが、「feature(主要作品)」および「trailer(予告編)」も他の標準的な値である)。Ratinglist1040は、必要な項目だが、ここで示すように空のままでもよい。
CPLの主要部分は、(タグ1052を介して)Reellist1050にあり、ここには、連続する個々のリール(ここでは1つのみ示す)それぞれが、Reel(リール)タグ1060と1062の間で働く。各リールは、一意的なID(識別子)とAssetlist(アセットリスト)1070とを持つ。Assetlistには、再生用リソースの種類および識別子、ならびに、その同期に関する情報が列挙される。MainPicture(主要画像)要素1080では、表示用の2D画像ファイルを識別し、FrameRate(フレームレート)1084では、該ファイルの再生するレート(24fps)を定義し、ScreenAspectRatio(スクリーンアスペクト比)1086では、作品がフラットであるかスコープであるか(ここではフラット)を判定する。Mainsound(主要音声)1090では、再生用の音声ファイルを識別し、Language(言語)指標1094では、サウンドトラックでのせりふ用の主言語を指定する。3D形式のコンテンツでは、MainPicture要素1080の代わりに、MainStereoscopicPicture(主立体画像)要素(図示せず)がMainSoundの後に記述される。
ContentVersion(コンテンツバージョン)識別子が位置1030に見える。例示の実施形態において、ContentVersion識別子は、上記で検討したUUIDではなく、ISAN(International Standard Audiovisual Number(国際標準視聴覚番号))の値を構成する(UUIDも受入可能である)。このバージョンIDに従来から使用される別の種類の値には、UMID(SMPTEのUnique Material Identifier)がある。これらのうち、ISAN値のみが、定義されるISAN値の一部が、同一の映画タイトルの全ての事例に亘って一貫する、という特性を持ち、例えば、「Gone with the Wind(風邪と共に去りぬ)(1939年)」の、オリジナルフィルムのデジタルバージョン、100分再生用の短縮バージョン、現代の観客を取り込むためにつくられた3D変換版、のどれであろうと一貫している。
特別な主要作品のコンテンツタイトルとして、「Gone with the Wind」は、人が可読なテキストとして適切であろう。標準のCPL形式では、このようなタイトルがそのContentTitleText要素に現れることが期待されるように思われる。しかし、メタデータが広く知られる前、十分に発達したユーザインターフェースがまだ構築されていない時代に、ContentTitleText要素は、多種類の形式情報が増加し、これにより、1つのタイトルの全てのバージョンと形式との中での共通の識別子を有する機会が失われている。
ContentTitleText要素1025、IconId要素1022A、または、ContentVersionId1030(ISAN値の場合)のいずれをも、同一の映画タイトル(または予告編、または広告)の全ての事例およびバージョンに同一の値を提供するべく記入することができるが、実際には行われていない。これに最も近いものは、ContentVersionId1030が常にISAN値であるべく制約されて、この少なくともコアの機能部分がCPLが関連付けされるタイトルを識別する、という場合である。なお、主要作品に対して予告編は同じコア機能値を持ってよいが、ContentKindElement1026によって互いに異ならせることもでき(これは、映画の予告編が、その映画そのものとして同一のプレイリストに現れないことを自動的に確実にするのに有用である)、予告編と主要作品についての、同様のタイトル中心の参照を提示してもよい。
あるいは、新しいTitleIdタグ1022BをCPLに導入することもでき、また、UUID、ISAN、コアの機能部分のみを含む省略形のISAN、すなわち、エピソードやバージョンのコードが含まれない、登録されたISAN値のルート部分、を導入してもよい。いくつかの実施形態において、エピソード番号が導入されてよい(例えば、オリジナルと続編を区別するために使用する場合)。UUIDの利点は、値の登録の必要が無いことである。コンテンツ制作者は、UUID値を自分で生成し、その値を必要に応じて使用することができ(ISANのコア機能部分と同じように)、第三者に介入されることはない。このことは、IconIdに依存するよりも良い場合もあり、何故ならコンテンツ制作者が後にアイコンを変更したり、異なるアイコンを異なるバージョンの主要作品に選択したりするかもしれないためである(例えば、アイコンが映画のポスターと似ていたら、異なる言語バージョンが異なって現れるかもしれないし、映画のポスターも時と共に更新されたり差し替えられたりして、さらに変更が生じる)。
共通のタイトルに対して限定的な関連を提供するTitleId1022BなどのメタデータをCPLによって提示することは、選択したタイトル(例えば、ステップ911にて選択される)について適切な形式属性セット(例えば、ステップ912にて選択される)を自動的に選択する処理において役立つであろうし、また、プレイリストのコンテンツを、より高品質のプレゼンテーション形式属性セットに更新する際に(ステップ916におけるように)役立つであろう。しかし、関連付けのための他のソースを使用することができる。例えば、アIconId1022A、および、何らかのContentVersion識別子(Id1030、特にwhenISANが使用される際)の一部、および、ContentTitleText1025またはAnnotationText1021の何らかのプレゼンテーション(例えば、概して一貫性のある、自動的に構文解析可能なネーミング変換を使用するもの)。
上記では、デジタルシネマプレゼンテーション用のプレイリストを作成して、そのプレイリストで指定されるコンテンツの形式属性の互換性を確保するための技術、について記載した。
Claims (18)
- デジタル主要作品と共にプレゼンテーションするデジタル補助コンテンツタイトルを選択するための方法であって、
(a)前記デジタル主要作品に関連付けられる第1のセットの形式属性を判定するステップと、
(b)前記デジタル補助コンテンツタイトルに対応する第1のデジタル補助コンテンツを選択するステップであって、前記第1のデジタル補助コンテンツは、少なくとも前記第1のセットと互換性がある第2のセットの形式属性を持つ、ステップと、さもなくば
(c)少なくとも前記第1のセットと互換性がある形式属性を持つ、前記デジタル補助コンテンツタイトルに対応するデジタル補助コンテンツが無い場合、警告を生成するステップと、
を含む、前記方法。 - 前記第1のセットの形式属性を判定するステップが、前記デジタルシネマ主要作品に関連付けられるメタデータを検査するステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第1のコンテンツを選択するステップが、前記第1のデジタル補助コンテンツに関連付けられるメタデータを検査するステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記選択するステップが、
少なくとも前記第1のデジタル補助コンテンツと、第2のデジタル補助コンテンツとを識別するステップであって、両者とも前記デジタル補助コンテンツタイトルに対応し、前記第2のデジタル補助タイトルコンテンツは、前記デジタル補助コンテンツタイトルに対応し、第3のセットの形式属性を持ち、前記第3のセットは前記第1のセットと互換性がある、ステップと、
前記第2および第3のセットの形式属性のうちのどちらがより満足できる再生を生ずるのか、に基づき、前記第1および第2のデジタル補助コンテンツのうちから選択するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 前記第2および第3のセットの形式属性のうちのどちらがより満足できる再生を生ずるのかを、上映者が構築する少なくとも1つの基準に従って判定する、請求項4に記載の方法。
- 前記第1のデジタル補助コンテンツを選択するステップが、
デジタルシネマ主要作品と互換性が無い形式属性のうちの少なくとも1つの属性を有するデジタル補助コンテンツタイトルを識別するステップと、
互換性が無い形式属性のうちの少なくとも1つの属性を有する前記デジタル補助コンテンツタイトルを処理して、その形式属性を互換性を持つようにレンダリングするステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - (d)操作者に対して前記警告を提示するステップと、
(e)警告を無効にすることを前記操作者から受け入れて、互換性が無いにもかかわらず前記補助コンテンツタイトルを選択するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - ステップ(e)がステップ(d)に先だって実行され、これによって、前記無効を受け入れることにより上映者のポリシーが構成される、請求項7に記載の方法。
- 前記補助コンテンツタイトルとデジタルシネマ主要作品との互換性が、
選択した前記補助コンテンツタイトルの前記形式属性のそれぞれと、対応する前記デジタルシネマ主要作品の前記形式属性のそれぞれとを比較して、各形式属性のうち補助コンテンツタイトルのどの属性が最低品質を持つかについて品質評価を規定するステップと、
選択した前記補助コンテンツタイトルの互換性を構築するために上映者のポリシーに従って、前記補助コンテンツタイトルの前記最低品質の形式属性が、再生を妨げるかどうかを判定するステップと、
によって判定される、請求項1に記載の方法。 - 前記形式属性が、アスペクト比と、フレームレートと、解像度と、画像立体視と、ピークビットレートと、を含む、請求項1に記載の方法。
- (a)デジタルシネマ主要作品に関連付けられる形式属性を判定するステップと、(b)前記デジタル主要作品の前記形式と少なくとも互換性がある形式属性セットを有するデジタル補助コンテンツタイトルを選択するステップと、さもなくば(c)少なくとも前記デジタルシネマ主要作品と互換性がある形式属性のセットを持つデジタル補助コンテンツタイトルが無い場合、警告を生成するステップと、によりデジタルシネマ主要作品と共にプレゼンテーションするデジタル補助コンテンツタイトルを選択するように構成されるメディアサーバを含む、デジタルシネマ上映システム。
- 前記メディアサーバは、前記デジタルシネマ主要作品の前記形式属性を、前記デジタルシネマ主要作品に関連付けられる第1のメタデータを検査することにより判定する、請求項11に記載の装置。
- 前記メディアサーバは、デジタル補助コンテンツタイトルを、前記デジタル補助コンテンツタイトルに関連付けられる第2のメタデータを検査することにより選択することを特徴とする請求項11に記載の装置。
- 前記メディアサーバは、前記デジタル補助コンテンツを、少なくとも互換性のある形式属性を持つ第1および第2のデジタル補助コンテンツタイトルを、識別すること、次に、互換性のある形式属を持つ前記第1および第2のデジタル補助コンテンツタイトルのうちから、満足できる再生を生ずる形式属性を持つ前記デジタル補助コンテンツタイトルを選択すること、により選択する、請求項11に記載の装置。
- 前記メディアサーバは、デジタル補助コンテンツタイトルを、デジタルシネマ主要作品と互換性が無い形式属性のうちの少なくとも1つの属性を有する前記デジタル補助コンテンツタイトルを識別すること、次に、互換性が無い形式属性のうちの少なくとも1つの属性を有する前記補助コンテンツタイトルを処理して、その形式属性を互換性を持つようにレンダリングすること、により選択する、請求項1に記載の装置。
- 前記メディアサーバは、操作者に対して前記警告を提示し、前記警告を無効にすることを操作者から受け入れて、互換性が無いにもかかわらず前記補助コンテンツタイトルを選択する、請求項11に記載の装置。
- 前記メディアサーバは、前記補助コンテンツタイトルと前記デジタルシネマ主要作品との互換性を、前記選択した補助コンテンツタイトルの前記形式属性のそれぞれと、対応するデジタルシネマ主要作品の形式属性のそれぞれとを比較して、各形式属性のうちどの補助コンテンツタイトルの形式属性が最低品質を持つかについて品質評価を規定することと、選択した前記補助コンテンツタイトルの互換性を構築するために上映者のポリシーに従って、前記補助コンテンツタイトルの前記最低品質の形式属性が、再生を妨げるかどうかを判定することと、により判定する、請求項11に記載の装置。
- 前記形式属性が、アスペクト比と、フレームレートと、解像度と、画像立体視と、ピークビットレートと、を含む、請求項11に記載の装置。
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