JP2015522718A - シャフト炉に用いる回転型充填装置 - Google Patents

シャフト炉に用いる回転型充填装置 Download PDF

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Abstract

シャフト炉の喉部(12)上へ取り付けるための固定ハウジング、及び該ハウジング中にほぼ垂直な軸心(A)を中心に回転できるように支持されるサスペンジョンローター(22)を含んで構成されるシャフト炉用回転充填装置であって、前記サスペンジョンローター(22)と前記固定ハウジング(16)によって前記回転充填装置の主ケーシング(36)を形成する環状チャンバーの境界が定められる前記シャフト炉用回転充填装置を提供する。サスペンジョンローター(22)には充填分配装置(28)が揺動可能に懸架される。本発明装置には、サスペンジョンローター(22)をその軸を中心に回転させる回転駆動手段と、充填分配装置をほぼ水平な揺動軸心(B)を中心に揺動させる独立した傾動駆動手段が含まれ、該傾動駆動手段には、固定ハウジングに対して取り付け固定された水平出力シャフト(52)を備える傾動モーター(MB)と、サスペンジョンローター上へ取り付けられる主ケーシング(36)中の傾動駆動シャフト(58)が含まれ、傾動駆動シャフト(58)の外側端部(60)は動作変換手段(64)によって傾動モーター(MB)へ連結され、他方傾動駆動シャフトの反対側の内側端部(62)は充填分配装置(28)へ連結されてその揺動操作が選択され、及び動作変換手段(64)はサスペンジョンローター(22)のいずれの角度位置においても傾動用モーター(MB)から傾動駆動シャフト(58)へ動力が伝達されるように構成される。

Description

本発明は概略としてはシャフト炉用の充填装置、詳細にはシャフト炉中へ充填材料を供給するための回転型充填装置に関する。より詳細には、本発明は充填材料を周縁方向及び半径方向へ供給するシュートを備えた型式の充填装置に関する。
充填物質を周縁方向及び半径方向へ分配するシュートを用いる回転型充填装置は、本願出願人が、1970年代初期に産業界へ提供したBELL LESS TOP(登録商標)を筆頭として数十年前から公知である。
このような回転型充填装置は例えばUS3,693,812に記載されている。この装置にはサスペンジョンローターとシュート調整ローターが含まれ、これらは固定ハウジング中にほぼ垂直な回転シャフトを中心として回転可能にされ支持されている。前記シュートは、サスペンジョンローターと一緒に回転して充填物質を周縁方向へ分配するように該サスペンジョンローターに吊るされている。さらに、前記シュートは充填物質の半径方向への分配のためほぼ水平な軸の周りに揺動調整可能に吊るされている。前記サスペンジョンローター及びシュート調整ローターは、主回転駆動部としての電動モーターと、調整駆動部としての電動モーターが備えられた差動駆動ユニットによって駆動される。後者の調整駆動部はサスペンジョンローターとシュート調整ローター間に差動回転を起こすことが可能である。またシュートの傾度調整のため揺動機構が付与される。前記シュートへ接続され、かつ前記ローターによって作動されるこの機構により、差動回転によってサスペンジョンローターとシュート調整ローター間の傾度変位における変化は、揺動位置、すなわち前記シュートの傾斜角度の変化に変換される。
US3,693,812の回転型充填装置にはさらに2機のローターを駆動する一つの駆動ユニットが備えられている。この駆動ユニットはローター及びシュートを支持する固定ハウジング上に設置されたケーシング中に封入されている。前記ケーシングには主入力シャフト、補助入力シャフト、後述の記載においては回転シャフトとされる第一出力シャフト及び後述の記載においては調整シャフトとされる第二出力シャフトが備えられている。前記主入力シャフトは主回転駆動によって駆動される。前記ケーシング内部では、減速機構によって主入力シャフトが回転シャフトへ接続され、該回転シャフトはサスペンジョンローターのギアリングと噛み合うギアホイールが設けられた固定ハウジング内へ垂直に延びている。前記調整シャフトも、前記調整ローターのギアリングと噛み合うギアホイールが設けられた固定ハウジング中へ垂直に延びている。前記駆動ユニットのケーシング内部では、前記回転シャフトと前記調整シャフトがプラネットギア機構、すなわち太陽・遊星歯車列によって相互接続されている。後者は回転シフト上のギアホイールと噛み合う外側歯状体をもつ水平な環状体(リングギア)、前記補助入力シャフトに接続された太陽歯車、及び前記環状体の内側歯状体及び太陽歯車と噛み合う少なくとも2個のプラネットギアが含まれている。この太陽・遊星歯車トレーンは、補助入力シャフトが静止している時、すなわち調整駆動が停止している時に、主回転駆動によって回転シャフト及び調整シャフトへ与えられる回転速度が同じになるように寸法化される。調整駆動はリバーシブルな駆動であり、補助入力シャフトに接続される。差動機構を用いて、調整駆動によって回転シャフトよりも高速あるいは低速の回転速度で調整シャフトを駆動させてサスペンジョンローターとシュート調整ローター間の相対的な回転、すなわち差動回転を起こすことが可能である。かかる差動回転は、前記揺動機構によってシュートの揺動動作に変換される。
このような分配シュートを備える回転充填装置は産業界において大きな成功を収め、多数のメーカーによって独自の型式が開発された。大部分の設計においては、駆動モーター、駆動ユニット、回転シャフト及び調整シャフトは一般的には固定ハウジング上に垂直に配置される。上述したように、回転駆動は支持ローターへ取り付けられるリングギアに噛み合うピニオンによって比較的容易に達成可能である。前記傾動駆動は、垂直型電動モーターにより与えられるトルクが、分配シュートを水平軸の周りを揺動させることができるように変換されなければならないためより複雑である。これに関して、前記傾動機構の設計は、連結ロッド、ケーブル、あるいは油圧シリンダ及び特殊設計のギアを用いて多数発展しつつある。特に、前述した傾動駆動ユニットは充填物質を分配するための主要要素である。このユニットはカスタムメードであるため、本装置の全コストの大きな部分を占める。さらに、駆動ユニットが修理や大きな修繕を必要とした時でも継続稼動を確保するため、通常完全なスペアユニットが高炉オペレーターによって保管される。
以下に述べる理由に基づき、数年に亘たる新設計の開発が行われている。
− 特に小型/中型高炉装置に用いる当該装置のコンパクトさを向上させる。
− 回転及び傾度調節可能な装置機構の信頼性を向上させる。
− 取り付けられている種々外部ケーシングによって複雑化されている固定ハウジングへのアクセスを容易にする。
− ケーシング開口部(シール、ガスケットなど)の数を減らす。
− 回転及び傾度調節可能装置機構の信頼性を向上させる。
EP0863215においては、シュートを支持する回転部分(サスペンジョンローター)上に配置された電動モーターを用いてシュートを作動させることが提案されている。この解決法により、シュートの傾度を変えるための高度に発達した機械ギア配列の必要性が解消される。しかしながら、シュート支持ローター上の電動モーターに動力を与えるために、固定部分から回転可能部分への電気エネルギー伝達手段が必要とされる。
しかしながら、EP0863215によって提供された解決法は完全であるとまではいえず、多量の埃や熱を伴う厳しい工業的条件に晒される実用場面での使用には不適当と考えられる。傾度調節装置への動力供給は別の問題であり、本願では取り扱われていない。
本発明は、分配シュート制御が容易化された、代替回転充填装置設計を提供することを目的とする。
本目的は請求項1項記載の回転充填装置によって達成される。
本発明によれば、
シャフト炉の喉部上へ取り付ける固定ハウジング、
前記固定ハウジング中にほぼ垂直な軸を中心に回転できるように支持されたサスペンジョンローターであって、該サスペンジョンローターと固定ハウジングによって前記回転充填装置の主ケーシングを形成する環状チャンバーが画定される該サスペンジョンローター、
前記サスペンジョンローターへ揺動可能に吊るされる充填分配装置、
前記サスペンジョンローターをその軸を中心に回転させる回転駆動手段、及び
前記回転駆動手段から独立していて、前記充填分配装置をほぼ水平な揺動軸を中心に揺動させる傾動駆動手段、から構成される回転充填装置であって、
前記傾動駆動手段は、
固定ハウジングに対して取り付け固定され、かつサスペンジョンローターに対して側方に配置される傾動用モーター、好ましくは電動モーターであって、傾動用モーター出力シャフトは好ましくは水平である該傾動用モーターと、
主ハウジング中においてサスペンジョンローター(22)上へ取り付けられる傾動駆動シャフトであって、該傾動駆動シャフトの外側の第一端部(60)が動作変換手段(トランスミッション)によって前記傾動用モーターと接続し、他方該傾動駆動シャフトの内側の第二端部が充填分配装置へ接続してその揺動を選択的に作動させ、及び前記動作変換手段はサスペンジョンローターのいずれかの角度において傾動用モーターから該傾動駆動シャフトへ動力を伝達できるようにサスペンジョンローターの周辺部に対して作用するように構成されている該傾動駆動手段から構成されることを特徴とする回転充填装置が提供される。
従って、本発明は回転装置と傾動装置を別々/独立に制御できるシャフト炉用回転充填装置を提供する。充填分配装置を揺動させるために、サスペンジョンローターによって、一対のギアで充填分配装置のサスペンジョンアームへ簡単に連結できる傾動駆動シャフトが担持されることが理解されなければならない。従って、これにより充填分配装置の付近のサスペンジョンローター上において単純かつ頑強な機構を介した作動が可能とされる。
本発明に係る回転充填装置は下記の利点を有する。
− 前記傾動・回転駆動手段は分離/独立方式であり、変速機構の機械的設計が容易である。
− 傾動用モーターの側方設置により固定ハウジング上方の領域に一定程度のスペースが解放される。
− 前記傾動用モーターは主ケーシング内に配置されるため、厳しい外部環境から保護される。
好ましくは、サスペンジョンローターは円筒体及びほぼ水平な底部フランジから構成される。但し、かかる構成は限定的ではなく、他の設計を用いることも可能である。
通常、回転駆動手段(垂直もしくは水平な出力シャフトを備える)は、固定ハウジングの外部または内部に取り付けられ、主変速装置によってサスペンジョンローターを作動する回転モーター、好ましくは電動モーターから構成される。回転モーターは、例えばその出力シャフトがほぼ水平となり、かつ前記主変速装置に前記出力シャフトによって駆動され、及び前記サスペンジョンローターと共軸心で一体回転する歯状リングと噛み合う入力ギアが含まれるように取り付けることが可能である。
前記回転モーターは好ましくは固定ハウジングの側方とサスペンジョンローターへそれぞれ取り付けられ、及び好ましくは主ケーシング内部にその出力シャフトがほぼ水平になるように取り付けられる。回転モーターを側方に設置することにより、同じく回転分配装置上方に一定のスペースが解放され、かつその高さが減じられる。
好ましくは、前記動作変換手段には一体回転する一対の大口径歯状リングが含められ、該リングは主ケーシングの垂直軸を中心に典型例としてはサスペンジョンローターの周りを回転するように主ケーシング中に取り付けられる。第一歯状リングは傾動用モーターへ連結されて該傾動用モーターによって回転され、他方第二歯状リングは、歯状リングの回転によって傾動駆動シャフトがその軸を中心に対応して回転するように、操作により傾動シャフトの第一端部へ接続される。この歯状リングアセンブリは好ましくは転がり軸受、とりわけ旋回軸受によって回転支持される。
前記大口径歯状リングは、サスペンジョンローター及び傾動駆動シャフトから分離させて、主ケーシングのサブチャンバー中に配置可能である。このように配置させた場合、動作変換手段は好ましくは、サスペンジョンローターによって画成される内側端部があるサブチャンバーから歯状リングを含むサブチャンバーを接続させる環状スリットを通して、第二歯状リングを傾動駆動シャフトへ連結させるように構成される。
一実施態様においては、動作変換手段に前記第二歯状リングを傾斜駆動シャフトへ連結させるウォームギアセットが含まれる。かかるウォームギアを用いる構成は、傾動駆動手段へ高トルクを伝達できる点において有利である。
別の実施態様においては、主ケーシング中に環状仕切り壁が回転可能に取り付けられ、該環状仕切り壁はサスペンジョンローターと一体回転する。傾動駆動シャフトは該仕切り壁を横切り、その第一端部に前記歯状リングの一方と噛み合うギアホイールを有し、他方の歯状リングは傾動用モーターへ接続されて該傾動用モーターによって駆動される。好ましくは、さらなる傾動駆動シャフトが第一駆動シャフトに対向するサスペンジョンローター上に取り付けられ、該傾動駆動シャフトは同様に歯状リングによって駆動されるが、回転インバーターによって充填分配装置の各サスペンジョンアームへ接続される。
本発明の上記実施態様及び他の実施態様は、添付の特許請求の範囲の従属項に列記されている。
本発明に係る回転充填装置の第一の実施態様の模式的断面図である。 歯状リングの上方から見た動作変換機構の模式平面図である。 本発明に係る回転充填装置のさらに別の実施態様の模式的断面図である。 本発明に係る回転充填装置のさらに別の実施態様の模式的断面図である。
発明を実施するための手段
本発明について以下に実施例を用いて添付図面を参照しながら説明する。
図1はシャフト炉中へバルク充填材料(高炉装入原料)を分配するための回転分配装置10の第一の実施態様の主要な構成要素を示した図である。本技術分野において公知なように、本発明装置10は頂部充填設備の一部であり、リアクター、例えば高炉の喉部12上に上部開口部を閉じるために、配置される。分配装置10には、例えばWO2007/082633に開示された構成に従って、1または2以上の中間貯蔵ホッパー(図示せず)から充填材料が送り込まれる。図1では、ファネル14によってホッパーから放出された充填材料が回転分配装置10中へ導かれる。
分配装置10は、炉喉部12へ密閉取り付けられる固定ハウジング16を形成する固定構造を有し、該喉部には上部フランジ構造20aと下部フランジ構造20bとの間に延びる固定式外部ケーシング18が含まれている。図1の変形例において、固定ハウジング16は機械加工フランジが作られた炉喉部12のトップリング21へその下部フランジ構造20bによって固定される。
ハウジング16内部において、符号22で識別されるサスペンジョンローターは、例えば高炉軸心に一致するほぼ垂直な回転軸心Aを中心として回転可能に取り付けられる。この取り付けは、固定ハウジング構造16によって支持された大口径環状の転がり軸受24、一般的には転がり軸受、好ましくは旋回軸受(Slewing bearing)を用いて実施可能である。この環状転がり軸受は軸心Aを中心として円周方向に延びている。
装置10上方から供給され、かつファネル14によってガイドされる高炉充填材料は中央チャネル26を通って装置10中へ流れ込み、符号28で識別される分配シュートへ至る。前記中央チャネル26の内径は概略サスペンジョンローター22の断面に依存する。しかしながら、供給口30は好ましくはサスペンジョンローター22の内部側で固定ハウジング16へ取り付け固定される。供給口30の軸方向への広がりはその設計によって異なる。本変形例においては、供給口30は装置10の上部開口部32から下方へ向かってシュート28に至るまで延びている。ここでは、供給口30はローター22の内部側に置かれているため、チャネル26の断面は該ローターに依存して決まる。
分配シュート28は軸Aを中心にサスペンジョンローター22と共に回転するように該サスペンジョンローター22へ取り付けられる。前記シュート28には実際には一対の側方サスペンジョンアーム34(またはトラニオン)が含まれ、該シュートは該トラニオンを用いて公知方法でローター22中の取り付け軸受35(例えば転がり軸受もしくは滑り軸受)へ吊り下げられ、さらに水平軸Bを中心として傾動/揺動することが可能とされる。シュート28は通常供給チャネル26の下側領域に設置され、分配装置10の頂部から供給された充填材料はローター22を通ってシュート28中へ落下し、炉へ分配される。
理解されるように、サスペンジョンローター22と固定ハウジング16によって回転充填装置10の主ケーシング36が形成される。従って中心供給チャネル26を取り囲むほぼ閉じられた環状チャンバーが画成される。これに関し、すべての図において、単に説明のためであるがサスペンジョンローター22が破線で示されていることに気付くであろう。これはその本体部/底部に横断開口部があることを意味しているのではない。いくつかの例においては、主ケーシング36にその周囲の全体もしくは一部に延びる1または2以上の内部仕切り壁が含まれてもよいが、これについては後で述べる。
サスペンジョンローター22には、回転軸心Aと共軸に配置される管状支持体もしくは管状体38が含まれ、これによって実際にシュート28が支持されることとに気付くであろう。管状体38は中心供給チャネル26中を垂直に延び、かつ転がり軸受24の1つのレースによって作動的に接続され及び支持され、本実施態様では他のレースは構造体16の固定環状壁39へ取り付け固定される。ローター22には有利に環状フランジとして形成された底部40が含まれる。底部40は、特に主ケーシング36内部と炉内部の間に一種のスクリーンを形成して保護機能を発揮する。サスペンジョンローター22の底部40は固定ハウジング16の底部フランジ20bに極めて近接して横方向/半径方向に延びている。
サスペンジョンローター22をその軸心Aを中心として回転させるため回転駆動手段が与えられる。この手段は電動モーターMから構成され、該電動モーターはハウジング16の外側上へ固定され、出力シャフト46を備えている。回転モーターMは主変速装置によってサスペンジョンローター22を作動するよう連結される。主変速装置には、サスペンジョンローター22を取り囲んで回転的に一体化された歯付き環状リング50を駆動させる入力ギア48(垂直型)を、出力シャフト46上に固定させて含めることが可能である。歯付きリング50は好ましくはローター22を支持する軸受レースへ固定される。
前記装置10には、回転駆動手段とは独立して、サスペンジョンアーム34、従って軸Bを中心として分配シュート28を回転させることによって該分配シュートの傾度を選択的に操作する傾動駆動手段がさらに含まれる。
傾動駆動手段は、傾動用モーターM、好ましくは電動モーターから成り、該モーターは固定ハウジング16に対して固定設置される。モーターMはサスペンジョンローター22に対して側方に(すなわち、上部フランジ20aの下方に)、好ましくは出力シャフト52と共に、ほぼ水平に取り付けられる。傾動入力ギア54は傾動用モーターMによって駆動され、他方傾動出力ギア56は回転してシュート分配装置28の一つのアーム34と一体となり、傾動入力ギア54は傾動出力ギア56と噛み合う。実用的上、傾動入力ギア54は外側が歯状の輪であってもよく、他方傾動出力ギア56はシュートアーム34と一体な凹形歯状片形状であってもよい。
傾動駆動シャフト58は主ハウジング16中に配置され、さらに具体的にはサスペンジョンローター22上へ該サスペンジョンローターと一緒に回転するように取り付けられる。傾動駆動シャフト58の外側の第一端部60は動作変換機構64によって傾動用モーターMへ連結され、他方傾動駆動シャフト58の内側第二端部62はその揺動を選択的に操作できるように前記充填分配装置28へ連結される。この変形例においては、傾動入力ギア54は上記のように回転により一体となる傾動駆動シャフト58の第二端部62へ取り付けられる。
さらに、前記動作変換機構64は、軸心Aを中心とした傾動駆動シャフト58のいずれかの角度位置に固定された傾動用モーターMから該傾動駆動シャフト58への動作/動力の伝達を可能とするために、サスペンジョンローター22に対して好ましくは周囲から周辺に対する操作を行えるように構成される。図1の変形例においては、この操作は下記のように有利に達成される。
前記動作変換機構64には固定ハウジング16に対してほぼ周辺に配置され、かつ軸心Aを中心として主ケーシング36中を周辺方向に延びる環状転がり軸受68、好ましくは旋回リングによって回転支持される一対の大口径歯状リング66、66が含まれる。2つの歯状リング66、66は互いに堅固に結合され、一体回転し、それゆえ一緒にのみ回転可能である。これに関して、前記対の歯状リング66、66は、例えば任意であるが中間リング(図示せず)を介して、溶接して合わせることが可能である。前記歯状リングアセンブリ66、66は次いで旋回リング68の一方のレースへ固定され、他方のレースは固定ハウジング16の一つの固定壁70へ固定される。従って仕切り壁70によって主チャンバーが2つの同心状の環状サブチャンバーに分割される。
前記歯状リングアセンブリ66は主ケーシング中の固定仕切り壁の後方に配置されるため、厳しい環境からさらに保護される。
符号72は、一方の歯状リング66(上側)と噛み合うモーターMの出力シャフト52へ固定された駆動ピニオンを示す。従って、出力シャフト52の回転によって該ピニオン72の回転が起こり、順に歯状リングアセンブリ66の軸心Aを中心とした回転も起こる。
他方の(下側の)歯状リング66は中間シャフト75へ取り付けられた中間ギア74と噛み合い、この中間シャフト74にはウォーム76も取り付けられる。このウォーム76は順に傾動駆動シャフト58の第一端部60に取り付けられたウォームホイール78と噛み合う。傾動用モーターMが作動すると、傾動駆動シャフトとウォームギアセットが一緒に運ばれ、中間シャフト75の通過のため仕切り壁71の下方部分中に環状スリット71が設けられる。
このウォームギアセット及び他のギアの機械配置は図2に理解し易く示されている。図から理解されるように、ウォームギアセットは比較的簡単な設計から成り、外側が歯状の(例えば、螺旋状歯車に類似した)ウォームホイール78が垂直かつ同心状に傾動駆動シャフト58へ固定される。
前記ウォームホイール78はウォームスクリュー76によって駆動され、該ウォームスクリュー76の回転は中間シャフト75をその軸心Cを中心として回転させることによって為される。本変形例においては、中間シャフト75は傾動駆動シャフトに対して垂直であり、かつ環状リングアセンブリ66によって描かれるサークルの接線に対して小さな角度を成して位置される。既に述べたように、中間ギア74は次いで第二の下側歯状リング66と噛み合う。回転軸の形状を考慮して、中間ギア74及び下側歯状リング66は、例えばハイポイド(Hypoid)ギアあるいは螺旋状(Spiroid)ギアとしてデザイン可能である。代替方法として、中間シャフト75を回転によって該中間ギア74と該ウォームスクリュー76を接続させるカルダンシャフト(図示せず)に置き換えて、それによって中間ギアとウォームスリュー76のそれぞれが適合するギア、すなわち下側歯状リング66及びウォームホイール78に対して適切に配列されるようにして配置における問題を解決することが可能である。
理解されるように、この実施態様には好ましくは対称に配置され、かつシュート28の変速装置64及びアーム34へ同様に連結される一対の傾動駆動シャフト58が含められる。
電動モーターM及びMの双方は固定ハウジング16の外側に据えられ固定されるため、図中符号73で示された動力供給源へ簡単に有線接続することができる。
また、サスペンジョンローター22上へ傾動駆動シャフト58を動作変換機構64と一緒に設置する構成とした結果、ローター22の軸心Aを中心とする回転によって傾動駆動シャフト58の回転、従ってシュート28の揺動が引き起こされることも理解されよう。しかしながら、この回転は、傾動用モーターMの適切な同期操作によって回避することが可能である。それゆえ、実用時において、傾動角度の変更が要求されない場合、傾動用モーターMはローター22がモーターMによって回転される時に安定な傾動角を保持するように同期操作される。
次に図3には本発明回転充填装置110の別の実施態様が示されている。図1との比較において、特に明示がない限り、同一あるいは類似の要素には同一符号(但し100が加えられている)が付されている。
この実施態様は、主に動作変換機構164の設計において、本実施態様ではウォームギアなしに、かつ転がり軸受168を支持する回転壁部を用いて動作変換機構が働く点において前の実施態様と異なる。
回転駆動手段の構成は図1の構成に類似している。サスペンジョンローター122は転がり軸受124を用いて固定環状壁139へ回転できるよう取り付けられる。
固定ハウジング116とサスペンジョンローター122によって画成される主ケーシング136は第二環状壁180によって2つの部分へ分割される。環状壁180はその上側領域中においてサスペンジョンローター122と同じ軸受124のレースと回転して一体となるように該レースへ取り付け固定される(便宜上、環状壁180はローター122と同様に破線で示されている)。
歯状リングアセンブリ166は、ハウジング116の固定下側壁部181へ固定され、かつ軸Aを中心としてサブチャンバーの周辺全体に亘って延びている転がり軸受168によって回転支持される。2つの歯状リング166及び166は一体回転し、及び傾動用モーターMの出力シャフト152及びピニオン172を通して傾動用モーターMによって駆動される。傾動駆動シャフト158は、図1の態様と同様に、その内側端部162において連結される。傾動駆動シャフト158は、その外側端部160において、例えばホールもしくは滑り軸受を経て環状仕切り壁180を横切り、また上部歯状リング166と直接噛み合うギアホイール178を有している。傾動駆動シャフト158はサスペンジヨンローター122上に軸Aを中心に回転するよう固定されていてサスペンジョンローター122によって運ばれるが、その長軸を中心に回転可能である。
理解されるように、固定された傾動用モーターMが作動されると、歯状リング対166及び166の軸心Aを中心とした回転が引き起こされる。サスペンジョンローター122が静止している時、リングアセンブリ166が回転することにより、傾動シャフト158はローター122及び仕切り壁180中のホール/軸受によって一定の半径方向位置に保持されているため、傾動駆動シャフト158それ自体を中心とする回転が引き起こされる。これにより噛み合いギア154及び156を介した分配シュート128の回転が引き起こされる。
図1と同様に、分配シュート128には2つのアーム134及び134’が備えられ、それらはそれぞれ傾動駆動シャフト158、158’へ連結されている。しかし、ここでの動作変換機構の構成には回転インバーターが必要とされる。回転インバーターは図3において右側に位置し、主傾動シャフト158’とサスペンジョンアーム134’の間に介在している。この回転インバーターには、傾動シャフト158’の入力ギア154’なしに噛み合い、かつここでは上方を向く凹状の歯状一体型セグメント156’と噛み合う第二ギアホイール182’と回転的に一体であるワンギアホイール182が含まれている。これら2つのギアホイール182及び182’は、サスペンジョンローター122へ固定された支持体/軸受によって回転支持されるシャフト184を通して接続されている。
図4には、図1と同一もしくは類似しているが、動作変換機構が簡略化された別の実施態様110’が示されている。図1と同一な要素は100を加えた同一符号で識別されている。固定された環状仕切り壁180によって主ケーシングが2つの同心状サブチャンバーに分割されており、歯状リングアセンブリ166は外側のサブチャンバー中に位置している。歯状リングアセンブリ166の回転は、ハウジング16に対して、ここでは仕切り壁180へ取り付け固定される旋回リング168によって可能とされる。傾動駆動シャフト158はローター底部140上に支持され、前述した方式でシュート28のアーム134へ連結される。その反対端部において、傾動駆動シャフト158は環状スリット190中を通って外側のサブチャンバーまで通過し、該サブチャンバーにおいて傾動駆動シャフトには下側の歯状リング166と噛み合うギアホイール178が備えられている。
第二駆動シャフト158’(図4の右側)は同じ方式で下側歯状リング166へ連結される。回転は入力ギア154’の4下方に出力リングセグメント156’を取り付けることによって反転される。
傾動用モーターM及び傾動シャフト158の位置を逆にできること、すなわち、ピニオン172が下側歯状リング166と噛み合い、また傾動シャフト158がそのギアホイール178で上側歯状リング166と噛み合うように、傾動用モーターMを歯状リングアセンブリ166の下方へ位置させることができることが理解されよう。この構成は図3に示した構成に類似するが、仕切り壁180が固定されるようになっていることから、固定された仕切り壁180中の歯状リングアゼンブリの上方に、傾動シャフト158の通過のための環状スリット(図4のスリット190に類似)が必要とされる。
符号92、192は、サスペンジョンローター22、122の底部フランジ40、140上において、(縦軸を中心とした回転のために)傾動駆動シャフト58、158を支持する軸受を示す。かかる軸受はシャフト当たり少なくとも2個がより適切と考えられるが、図による説明のため、軸受92、192は回転シャフト当たり1個のみ示す。同様に、傾動駆動シャフト58、158を支持するため、いずれか適当な手段を採用してもよい。
なお、図面において説明されていないが、本発明に係る回転充填装置には主ケーシング36中への埃の侵入を防止するために、例えば過剰圧の窒素を用いるなど適当な手段を装備すると有利である。さらに、シール、例えば水シールをローター22と固定ハウジング16の対応部分との間に取り付けて操作上の隙間を閉じることも可能である。
また、回転充填装置へ、例えばサスペンジョンローター22上に固定された回転回路部と固定ハウジング16へ固定された静止回路部を含んで成る追加の冷却システムを備えて特徴化することも可能である。そのような冷却システムは例えばWO2011/023772に記載されている。
上記実施態様のすべてにおいて、エンジンM及びMはコントローラー(図示せず)によって操作可能である。モーターMの回転によって傾動駆動シャフト58、158の回転、従ってシュートの揺動が引き起こされる。これが望まれない場合は、前記揺動を防止してほぼ安定な傾動角を保つために、コントローラーにより傾動用モーターMをMと同期させる操作が行われる。

Claims (17)

  1. シャフト炉の喉部(12)上へ取り付けるための固定ハウジング(16)、
    前記固定ハウジング(16)中に支持されほぼ垂直な軸心(A)を中心に回転できるようにされたサスペンジョンロータ(22)であって、かつ該サスペンジョンローター(22)と固定ハウジング(16)の双方によって前記回転充填装置の主ケーシング(36)を形成する環状チャンバーが画成されるサスペンジョンローター(22)、
    前記サスペンジョンローター(22)へ揺動可能に吊るされる充填分配装置(28)、
    前記サスペンジョンローター(22)を軸心を中心に回転させる回転駆動手段、及び
    前記充填分配装置(28)を、前記回転駆動手段とは独立に、ほぼ水平な揺動軸心(B)を中心に揺動させる傾動駆動手段、から構成されるシャフト炉用回転充填装置であって、
    前記傾動駆動手段は、
    前記固定ハウジング(16)に対して取り付け固定され、かつ前記サスペンジョンローター(22)に対して側方に配置された傾動用モーター(M)、好ましくは電動モーターであって、傾動用モーター出力シャフト(52)が好ましくは水平である傾動用モーター(M)と、
    前記サスペンジョンローター(22)上へ取り付けられ、前記主ケーシング(36)中にある傾動駆動シャフト(58)であって、該傾動駆動シャフトの外側第一端部(60)は動作変換手段(64)によって前記傾動用モーター(MB)へ連結され、他方該傾動駆動シャフトの反対側内側第二端部(62)はその揺動を選択して操作するために前記充填分配装置(28)へ連結され、前記動作変換手段(64)は、サスペンジョンローター(22)のいかなる角度位置においても前記傾動用モーター(M)からの動力を前記傾動駆動シャフト(58)へ伝達することができるようにで前記サスペンジョンローター(22)に対して周囲から操作するように構成され、
    前記動作変換手段(64)には前記主ケーシング(36)中に前記垂直軸を中心に回転可能となるように取り付けられた一対の回転により一体となる大口径歯状リング(66、66)が含まれ、前記歯状リングの一方(66)は前記傾動用モーター(M)に駆動されるよう接続され、他方第二の歯状リング(66)はその回転によって前記傾動駆動シャフト(58)のその軸心を中心とする対応した回転が起こるように、前記傾動駆動シャフト第一端部(60)へ結合されることを特徴とする前記シャフト炉用回転充填装置。
  2. 前記傾動駆動シャフト(58)と前記充填分配装置(28)との連結が、前記充填分配装置のサスペンジョンアーム(34)と一体回転する出力傾動ギア(56)と噛み合う、前記傾動駆動シャフト第二端部(62)へ取り付けられた入力傾動ギア(54)によって行われることを特徴とする請求項1項記載の回転充填装置。
  3. 前記一対の歯状リング(66、66)が環状転がり軸受(68)、好ましくは旋回軸受によって回転支持されることを特徴とする請求項1項または2項記載の回転充填装置。
  4. 前記大口径歯状リング(66、66)が前記サスペンジョンローター(22)を取り囲んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転充填装置。
  5. 前記動作変換手段(64)が、前記第二歯状リング(66)を前記傾動駆動シャフト(58)へ連結するウォームギアセット(76、78)から成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転充填装置。
  6. 前記大口径歯状リング(66、66)が、前記サスペンジョンローター(22)及び傾動駆動シャフト(58)から離れた、前記主ケーシング(36)のサブチャンバー中に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回転充填装置。
  7. 前記動作変換手段によって、前記サスペンジョンローター(22)によって画成された内側端部をもつサブチャンバーを、前記歯状リングを含むサブチャンバーに接続する環状スリットを通して、前記第二歯状リング(66)の前記傾動駆動シャフト(58)への連結が行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回転充填装置。
  8. 前記サスペンジョンローター(22)に取り付けられた一対の対向する傾動駆動シャフトを含み, これらそれぞれが前記歯状リング(66、66)によって駆動され、かつ前記充填分配装置(28)の各サスペンジョンアームへ連結されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の回転充填装置。
  9. 環状仕切り壁(180)が前記主ケーシング(136)中に回転するよう取り付けられ、かつ前記サスペンジョンローター(122)と一体回転し、及び
    前記傾動駆動シャフト(158)は前記仕切り壁を横切り、かつその第一端部(160)に前記歯状リングの一方(166)と噛み合うギアホイールを有し、また他方の歯状リング(166)は該リングによって駆動される前記傾動用モーター(M)へ接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転充填装置。
  10. 第一駆動シャフト(158)と反対側の前記サスペンジョンローター(122)上に取り付けられ、前記歯状リング(166、166)によって同様に駆動されるが回転インバーターによって前記充填分配装置(128)の各サスペンジョンアーム(134’)に接続されるさらなる傾動駆動シャフト(158’)を含むことを特徴とする請求項9項記載の回転充填装置。
  11. 前記傾動駆動シャフト(158、158’)が、前記一方の歯状リング(166)に噛み合う該シャフトの第一端部(160)に取り付けられたギアホイール(178)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転充填装置。
  12. 前記回転駆動手段を駆動させる回転モーター(M)が含まれることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の回転充填装置。
  13. 前記傾動用モーター(M)及び好ましくは前記回転モーター(M)は、前記上側フランジ構造(20a)の下方において、前記固定ハウジングへ取り付け固定されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の回転充填装置。
  14. 前記サスペンジョンローター(22)に円筒体(38)及び底部フランジ(40)が含まれることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の回転充填装置。
  15. 前記傾動モーター及び/または前記回転モーターがケーシングの内部、好ましくは前記主ケーシング中に設置されることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の回転充填装置。
  16. 前記固定ハウジングは、上側及び下側取り付けフランジ(20a、20b)と、それら間に延びる外側ケーシング(18)とを備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の回転充填装置。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の回転充填装置を含んで構成されるシャフト炉。
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