JP2015519398A - 治療用製剤および処置の方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の開示は、製剤を用いた眼疾患および状態の処置における、ヒドララジンを含む医薬製剤に関する。本発明の開示はまた、医薬製剤を調製する方法に関する。

Description

本出願は、この全体を参照により本明細書に組み込む、2012年6月11日に出願した米国仮出願第61/658,304号の利益を主張する。
本明細書に記載された主題は、製剤およびこれを用いた眼の処置に関する。
老化は、眼の脈絡膜血管、網膜色素上皮細胞(RPEC)およびブルッフ膜を含めた、細胞、組織および器官の変性を引き起こす慢性のプロセスである。動脈硬化性の老化は、脈絡膜血管、特に黄斑性の脈絡毛細管枝を変化させ、毛細管の全血流を結果として低減させる。この結果、網膜色素上皮がドルーゼおよびリポフスチンを蓄積し始め、細胞形状、密度、色素沈着、リソソーム活性および細胞外マトリクス形成を変化させる。徐々に、ブルッフ膜は、肥厚および透過性の低減を示し、結果として、脈絡膜血管新生(CNV)の出現を可能にし得る崩壊が生じ、この脈絡膜血管新生(CNV)の出現が、最終的に新生血管の加齢黄斑変性(また滲出型加齢黄斑変性)および失明をもたらす。臨床的証拠は、脈絡膜血流の虚血または低減は、加齢黄斑変性(AMDまたはARMD)を含めたいくつかの重症な網膜疾患を伴い得ることを示唆した(Grunwaldら、1998年、Invest Ophthalmol Vis Sci.、39巻(2号):385−390頁;Grunwaldら、2005年、Invest Ophthalmol Vis Sci.、46巻(3号):1033−1038頁;Ciullaら、1999年、Am J.Ophthalmol、128巻(1号):75−80頁;Metelitsinaら、2006年、Br J Ophthalmol、90巻(3号):342−346頁;Metelitsinaら、2008年、Invest Ophthalmol Vis Sci、49巻(1号):358−363頁)。眼の血管因子および全身性血管因子の両方、例えば、全身性高血圧症および高眼圧症などが、AMDの発症および脈絡膜血管新生にある役割を果たしていると考えられている(Metelitsina、2006年;Metelitsina、2008年;Nathansonらによる米国特許第5,500,230号)。したがって、脈絡膜血管新生を予防し、および/または脈絡膜血流を増加させる薬剤を特定する必要性が存在する。
加齢黄斑変性を処置するための多くの方法が試されてきたが、不成功に終わっている。これらは、脈絡膜血管新生に対するレーザー光凝固術、照射処置、中心窩下潜在性脈絡膜血管新生の経瞳孔的温熱治療法、黄斑下手術、限局性黄斑移動術、手術における補助,ドルーゼへのアルゴンレーザー、滲出型AMDの処置のための赤外線ダイオードレーザー光凝固術を含む。最近では、ヒドララジンなどの血圧降下剤を含む、非新生血管のAMDまたはドライ型AMDを処置するための組成物が、参照により本明細書に組み込む、Chiouによる米国特許第8,088,773号に記載されている。
関連技術の前述の例およびこれらに関連する制限は、例示的であることを意図するもので、限定的であることを意図するものではない。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図を研究すれば当業者には明らかである。
米国特許第5,500,230号明細書 米国特許第8,088,773号明細書
Grunwaldら、1998年、Invest Ophthalmol Vis Sci.、39巻(2号):385−390頁 Grunwaldら、2005年、Invest Ophthalmol Vis Sci.、46巻(3号):1033−1038頁 Ciullaら、1999年、Am J.Ophthalmol、128巻(1号):75−80頁 Metelitsinaら、2006年、Br J Ophthalmol、90巻(3号):342−346頁 Metelitsinaら、2008年、Invest Ophthalmol Vis Sci、49巻(1号):358−363頁
(発明の要旨)
以下に記載および例示されている以下の態様およびこの実施形態は、典型的および例示的であることを意図するもので、範囲を制限することを意図するものではない。
一態様において、眼科用組成物が記載されている。一実施形態において、眼科用組成物は、ヒドララジンを約0.02−2重量%の間の量で含む医薬として活性のある薬物および以下のうちの1種以上を含む:3.5−4.5の間のpHを有する1種以上の緩衝溶液;1種以上のキレート剤;1種以上の等張剤;1種以上の保存剤;1種以上の増粘剤および1種以上の希釈剤。ある実施形態において、組成物は、4.0−4.4の間のpHを有する。別の実施形態において、眼科用組成物は、約0.02−2重量%の間の量でヒドララジンを含む医薬として活性のある薬物、3.9−4.5の間のpHを有する、8−12重量%の間の量の酢酸塩緩衝溶液、0.5−2重量%の間の量のプロピレングリコール、0.25−1重量%の間の量の塩化ナトリウム、0.015−0.06重量%の間の量のメチルパラベン、0.01−0.04重量%の間の量で存在する、50%溶液の形態での塩化ベンザルコニウムおよび0.008−0.030重量%の間の量のエデト酸二ナトリウムを含む。ある実施形態において、この組成物は4.0−4.4の間のpHを有する。
医薬として活性のある薬物は塩酸ヒドララジンを含んでもよい。別の実施形態において、この薬物は、0.5−2重量%の間の量で存在する。
別の実施形態において、酢酸塩緩衝溶液は約4.2のpHを有し、約10重量%の量で存在する。酢酸塩緩衝溶液は、酢酸ナトリウムおよび2N酢酸で構成されていてもよい。
ある実施形態において、プロピレングリコールは約1重量%の量で存在する。別の実施形態において、メチルパラベンは約0.03重量%の量で存在する。さらに別の実施形態において、塩化ベンザルコニウムは、50%溶液の形態で存在し、約0.02重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、エデト酸二ナトリウムは、約0.015重量%の量で存在する。
別の態様において、眼科用製剤を調製するための方法が想定されている。一実施形態において、本方法は、希釈剤と、約3.5−4.5の間のpHを有する1種以上の緩衝溶液とを混合することによって、第1の中間混合物を形成するステップ、1種以上のキレート剤を第1の中間混合物に加えることによって、第2の中間混合物を形成するステップ、1種以上の滑沢剤を第2の中間混合物に加えることによって、第3の中間混合物を形成するステップ、1種以上の等張剤を第3の中間混合物に加えることによって、第4の中間混合物を形成するステップ、1種以上の保存剤を第4の中間混合物に加えることによって、第5の中間混合物を形成するステップ、およびヒドララジンを含む医薬として活性のある薬物を第5の中間混合物に加えることによって、眼科用製剤を形成するステップを含む。
ある実施形態において、緩衝剤は、製剤中に約8−12重量%の間の酢酸塩緩衝溶液が得られる量で加えられる、約3.9−4.5のpHを有する酢酸塩緩衝溶液である。別の実施形態において、酢酸塩緩衝溶液は、製剤中に約10重量%の酢酸塩緩衝剤が得られる量で加えられる。さらなる実施形態において、酢酸塩緩衝溶液は酢酸ナトリウムおよび2N酢酸で構成されている。
ある実施形態において、キレート剤はエデト酸二ナトリウムであり、このエデト酸二ナトリウムは、製剤中に約0.008−0.030重量%の間のエデト酸二ナトリウムが得られる量で加えられる。さらなる実施形態において、エデト酸二ナトリウムは、製剤中に約0.015重量%のエデト酸二ナトリウムが得られる量で加えられる。
ある実施形態において、滑沢剤は、製剤中に約0.5−2重量%の間のプロピレングリコールが得られる量で加えられるプロピレングリコールである。さらなる実施形態において、プロピレングリコールは、製剤中に約15重量%のプロピレングリコールが得られる量で加えられる。
さらなる実施形態において、等張剤は、製剤中に約0.25−1重量%の間の塩化ナトリウムが得られる量で加えられる塩化ナトリウムである。ある実施形態において、塩化ナトリウムは、製剤中に約0.5重量%の塩化ナトリウムが得られる量で加えられる。
さらに別の実施形態において、保存剤は、製剤中に約0.01−0.04重量%の間の塩化ベンザルコニウムが得られる量で加えられる塩化ベンザルコニウムである。別の実施形態において、塩化ベンザルコニウムは、製剤中に約0.02重量%の塩化ベンザルコニウムが得られる量で加えられる。さらなる実施形態において、第2の保存剤が加えられ、この第2の保存剤は、製剤中に約0.015−0.06重量%の間のメチルパラベンが得られる量で加えられるメチルパラベンである。さらに別の実施形態において、メチルパラベンは、製剤中に約0.03重量%のメチルパラベンが得られる量で加えられる。
実施形態において、医薬として活性のある薬物は、約0.5−2重量%の間で製剤中に存在するヒドララジンである。さらなる実施形態において、医薬として活性のある薬物は塩酸ヒドララジンである。特定の実施形態において、医薬として活性のある薬物は、製剤中に約1重量%で存在する塩酸ヒドララジンである。
実施形態において、加えるステップの1つ以上は、加えながら混合するステップをさらに含む。
さらなる態様において、黄斑変性を処置するための方法が想定されている。実施形態において、本方法は、黄斑変性のリスクがある、または黄斑変性であると診断された対象の眼に、本明細書に記載されたまたは本明細書に記載された方法で調製した眼科用組成物を投与するステップを含む。ある実施形態において、黄斑変性は加齢黄斑変性である。特定の実施形態において、加齢黄斑変性はドライ型加齢黄斑変性である。
上の実施形態は、記載されたさらなる実施形態のうちの1つ以上、またはすべてと合わせることができることを理解されたい。上に記載された典型的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態が、図の参照によりおよび以下の記載の研究により明らかとなる。
本発明の方法および組成物などのさらなる実施形態は、以下の記載、図、実施例および特許請求の範囲から明らかとなる。前述の記載および以下の記載から理解できるように、本明細書に記載されたそれぞれおよびすべての特徴、ならびにこのような特徴の2つ以上のそれぞれおよびすべての組合せは、本発明の開示の範囲内に含まれているが、ただし、このような組合せに含まれる特徴は相互に矛盾しないものとする。さらに、任意の特徴または特徴の組合せが、本発明の任意の実施形態から特異的に除外されてもよい。本発明のさらなる態様および利点は、特に付随の実施例および図と関連させて考慮した場合、以下の記載および特許請求の範囲に記述されている。
1%塩酸ヒドララジン製剤の滴下後、0、30、60および120分の時点での脈絡膜血流(単位:μl/分/mg)のグラフである。 フルオレセインにより測定した場合の、0%、0.5%、1%および2%塩酸ヒドララジン製剤の投与後のCNV面積(単位:mm)のグラフである。 脈絡膜フラットマウントで測定した場合の、0%、0.5%、1%および2%塩酸ヒドララジン製剤の投与後のCNV面積(単位:μm)のグラフである。 ラット網膜におけるNaIO誘発性RPE変性に対する1.0%塩酸ヒドララジン製剤の作用を示すERG c波信号(単位:ボルト)のグラフである(平均値±標準偏差:**=P<0.01または##=P<0.01)。
ここで、様々な態様が本明細書のこれより以下でより完全に説明されることになる。しかし、このような態様は多くの異なる形態で実施形態化されてもよく、本明細書に記述された実施形態を制限すると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態が提供されることによって、本開示は十分および完全となり、この範囲は当業者に完全に伝わるようになる。
I.定義
本明細書で使用されているように、単数形「a」、「an」および「the」は、そうでない事が内容から明白である場合を除き、複数形も含む。したがって、例えば、「薬物」への言及は、単一の薬物ならびに2種以上の、同一でありまたは異なる薬物を含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤ならびに2種以上の、同一でありまたは異なる賦形剤を含む。
濃度、量、pH値などは、本明細書で多くの場合、範囲形式で提示されている。範囲形式での記載は、便宜さおよび簡潔さのためだけであり、本発明の範囲への柔軟性のない制限と解釈されるべきではない。したがって、範囲の記載は、具体的に開示されたすべての可能な下位の範囲ならびにこの範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば、ある範囲の記載、例えば、3.8−4.4のpHは、具体的に開示された下位の範囲、例えば、3.8−4.4、3.8−4.2、3.8−4.0、4.0−4.4、4.2−4.4、3.9−4.2、4.0−4.2など、ならびにこの範囲内の個々の数、例えば、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3および4.4などを有するとみなされるべきである。この解釈は、範囲の大きさに関わらず、および本開示全体を通してすべての文脈に適用される。
「治療有効量」は、視力障害または視覚低下または眼疾患の予防、処置、または進行の遅延に有用な医薬として活性のある物質、薬剤または薬物の量を指す。
本明細書中の「薬物」または「薬剤」または任意の具体的な組成物もしくは化合物を、ヒドララジンなどの名称で言及する場合、薬理学的活性化合物ならびにこの医薬として許容される塩、プロドラッグ、例えば、エステルもしくはエーテルなど、またはプロドラッグの塩、または溶媒和物、例えば、エタノレートなど、または薬理学的活性化合物の他の誘導体を含む。本明細書中で「薬物またはこの塩」または「薬剤またはこの塩」または任意の具体的な化合物もしくは組成物を、「またはこの塩」と関連させてヒドララジンなどの名称で言及する場合、この言及は、薬理学的活性剤およびこの薬物の任意の医薬として許容される塩を意図する。薬理学的活性のある薬物の塩は、無機酸または有機酸および無機塩基または有機塩基から誘導することができる。無機酸の例として、これらに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸およびリン酸が挙げられる。塩基の例として、これらに限定されないが、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニアおよび式N−W (式中、WはC1−4アルキルである)の化合物が挙げられる。有機酸塩の例として以下が挙げられる:酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、ウンデカン酸塩、パモ酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、カンファー酸塩、ニコチン酸塩、ペクチン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、トシル酸塩、グルコン酸塩、ジグルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、カンファースルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩およびフェニルプロピオン酸塩。他の塩は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(1995年)、第83章(本明細書でこれより以下、REMINGTONと称す)に列挙されている。
本明細書で使用されているように、「眼疾患」とは、視力損失、かすんだまたは低下した中心の近接視力および遠視力、盲点、異なる色または形状で出現する対象、血管系眼疾患の神経眼科的症状を引き起こす任意の様々な疾患、機能障害、または欠陥を意味し、虚血性視神経症、前部虚血性視神経症、網膜動脈閉塞症、無症候性網膜塞栓、網膜組織の無症候性網膜塞栓または虚血、網膜浮腫、一過性黒内障、視野の減少,眼血管の閉塞、細動脈内の血流の低迷、白内障、緑内障、眼球突出症、眼瞼後退、限定的ミオパシー、複視(二重視)、圧迫性視神経症および/または兎眼性角膜症を含む。一実施形態において、眼疾患は黄斑変性または糖尿病性眼疾患である。さらなる実施形態において、眼疾患は加齢黄斑変性である。またさらなる実施形態において、眼疾患はドライ型または非新生血管性加齢黄斑変性である。別の実施形態において、眼疾患は糖尿病性黄斑浮腫である。「眼疾患」は1種以上の眼疾患を包含し得ることを理解されたい。すなわち、本発明の製剤は、1種以上の眼疾患を処置し、予防し、および/またはこの進行を遅延/停止させることができる。本発明は、視力欠陥または機能障害をもたらしている任意の特定の根底疾患を処置することだけに制限されることを意図していない。
本明細書で使用されているように、「黄斑変性」とは、網膜黄斑の一部の劣化を引き起こす任意の状態を意味する。この変性は、部分的または全部であってよく、疾患の進行段階だけに制限されることは意図されない。例えば、加齢黄斑変性に関して、「黄斑変性」とは、対象が視覚障害の任意の症状を有していなかったとしても、ドルーゼと診断された対象を含むことを意図する。非限定的実施形態において、黄斑変性は加齢黄斑変性を指すことができる。
本明細書で使用されているように、「脈絡膜血管新生を低下させるように機能する」化合物とは、脈絡膜血管新生の統計学的に有意な減少を意味し、この有意な減少は、例えば、レーザーを介したまたは眼疾患による眼のブルッフ膜の物理学的破壊後、化合物を投与してからある程度時間が経過した後で、当技術分野で公知の方法、例えば、フルオレセイン血管造影で測定される。脈絡膜血管新生を低下させるように機能する化合物を特定するための方法の詳細な記載が、本明細書に記載されている。
「異性体」とは、同じ割合の同じ要素で構成されているが、原子の三次元の配置が異なる2種以上の物質のいずれかを意味し、この異性体には、エナンチオマー異性体(すなわち、鏡像)およびジアステレオマー異性体が含まれる。
本明細書で使用されているように、「塩」という用語は、所望の機能、例えば、生物活性を保持しながら、本明細書に含まれている、特定された化合物と複合体を形成する任意の塩を指す。このような塩の例として、これらに限定されないが、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)と形成される酸付加塩、ならびに有機酸、例えば、これらに限定されないが、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸およびポリガラクツロン酸などと形成される塩が挙げられる。塩化合物はまた、当業者には公知の医薬として許容される第四級塩としても投与することができ、具体的には、式−−NR,R’,R’’(式中、R、R’、R’’は、独立して、水素、アルキル、またはベンジルであり、Zは対イオン、例えば、これらに限定されないが、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルコキシド、トルエンスルホネート、メチルスルホネート、スルホネート、ホスフェート、またはカルボキシレート(例えば、ベンゾエート、スクシネート、アセテート、グリコレート、マレエート、マレート、フマレート、シトレート、タルタレート、アスコルベート、シンナモエート、マンデロエートおよびジフェニルアセテートなど)が挙げられる)の第四級アンモニウム塩が挙げられる。
「有害な薬物反応」とは、侵害性がありおよび/または意図的ではなく、ならびに予防法、診断、または治療のための投与量において生じる、薬物に対する任意の応答を意味し、副作用、毒性、過感受性、薬物相互作用、合併症、または他の特異体質を含む。副作用とは、多くの場合、意図していない器官系に対してこの薬理学的作用により生じる、薬物の治療的血清レベルにより生じる、有害な症状である(例えば、抗コリン抗ヒスタミン剤によるかすみ目)。有毒性副作用とは、薬物への過剰なまたは長期の化学的曝露により生じる有害な症状または他の作用(例えば、ジギタリス毒性および肝臓毒性)である。過感受性は、免疫媒介性の有害反応である(例えば、アナフィラキシー、アレルギー)。薬物相互作用は、他の薬物、食物または疾患状態との相互作用(例えば、ワルファリンおよびエリスロマイシン、シサプリドおよびグレープフルーツ、ロペラミドおよびクロストリジウム・ディフィシル大腸炎)に起因する、通常有害な作用である。合併症は、薬物により引き起こされる疾患である(例えば、NSAID誘発性胃潰瘍、エストロゲン誘発性血栓症)。有害な薬物反応は、公知のまたは不明の機序により媒介され得る(例えば、クロラムフェニコールまたはクロザピンに伴う無顆粒球症)。このような有害な薬物反応は、当技術分野で公知の対象観察、アッセイまたは動物モデルにより判定することができる。
「誘導体」という用語は、化学化合物に関して使用された場合、適用時、例えば、対象への投与の際に、化学化合物が有することが開示された機能を直接的または間接的に提供することが可能な同様の構造を指す(ただし、この誘導体の機能に増減は有り得る)。例えば、化学化合物の中で1個の原子を別の原子で置換する、例えば、炭素原子を窒素原子で置換することによって、同様の構造の化合物を提供する。同様の構造の化合物は、例えば、脈絡膜血管新生を低減させるなど、同様の機能が可能となり得る。ある特許請求された実施形態は、化学構造における微量な変化を包含することを意図するが、ただし、この誘導体は、眼疾患を処置し、予防し、この進行を停止または遅延させることができるものとする。
「管理する」という用語は、疾患または状態に関連して使用された場合、予防用または治療用薬剤を投与された対象へ有利な作用を提供することを意味し、この場合、結果として疾患の治癒は生じない。ある特定の実施形態において、対象に、1種以上の予防用または治療用薬剤を投与して疾患を管理することによって、疾患の進行または疾患の悪化を予防する。
本明細書で使用されているように、「予防する」および「予防している」という用語は、疾患の再発、拡散または開始を予防することを含む。本発明が完全な予防に制限されることは意図されていない。一部の実施形態において、開始が遅延され、または疾患の重症度が減少する。
「対象」とは、任意の動物を意味し、好ましくはヒト患者、家畜、または飼い慣らしたペットを意味する。
本明細書で使用されているように、「処置する」および「処置している」という用語は、対象(例えば、患者)が治癒し、疾患が根絶される場合に制限されない。むしろ、本発明はまた、単に症状を減少させ、視力を(ある程度)改善させ、疾患進行を遅延および/または停止する処置を想定している。
本明細書で使用されているように、「医薬として許容される」という用語は、動物、より具体的にはヒトにおける使用に対して、連邦政府もしくは州政府の監督官庁で認可されている、または米国薬局方もしくは他の一般的に認識された薬局方に列挙されていることを意味する。
II.医薬としての眼科用製剤
第1の態様において、眼科用組成物または製剤が提供される。医薬としての製剤は、これらに限定されないが、ヒドララジンまたはこの塩、置換された誘導体、もしくは非置換の誘導体を含めた血圧降下剤、および特定の他の構成成分(これらは共同で有利な組成物を提供する)を含み、これらは以下に説明されることになる。
特許請求されている組成物および方法を裏付けるように行われた研究において、ヒドララジンを含む眼科用製剤が実施例1に記載の通り調製された。製剤は、一実施形態において、ヒドララジンならびにより良い安定性および/またはバイオアベイラビリティーを提供する選択された賦形剤を含む。
ヒドララジン
ヒドララジンは、以前は血圧降下剤として使用されたベンゾピリダジン誘導体である。動物およびヒトにおけるヒドララジンの生化学、生理、代謝および排出が大いに研究されてきた(Velliquetteら、2003年、J Pharmacol Exp Ther、307巻(3号):1104−1111頁;Carmodyら、2007年、Cardiol Rev、15巻(1号):46−53頁;Adorisioら、2006年、Heart Fail Rev、11巻(2号):109−123頁;Artmanら、1984年、Circulation、69巻(5号):949−954頁;Cameronら、1984年、289巻(6442号):410−412頁;およびPerryら、1973年、Am J Med、54巻(1号):58−72頁)。ヒドララジンは、細動脈筋の緩和を引き起こし、末梢血管拡張作用を発揮する、直接作用性抗高血圧薬物であるが、ヒドララジンがこのように作用する機序は完全に理解されてはいない(Freemantleら、2008年、Coch Dat Sys Rev、2008年(2巻):1−5頁;Bruntonら編、2008年、Goodman and Gilman’s Manual of Pharmacology and Therapeutics、第11版、New York;Apresoline(登録商標)パッケージ添付文書、Ciba−Geigy、1995年)。ヒドララジンはカルシウム代謝を変化させ、これによって、収縮状態の開始または延長を引き起こす血管平滑筋内でのカルシウム移動を妨げると提案されている。抹消血管拡張作用はいくつかの心臓の作用をもたらす:動脈圧の低減(心臓収縮期よりも心臓拡張期);末梢血管耐性の低減;ならびに心拍、一回拍出量および心拍出量の増加。ヒドララジンは普通、恐らく反射交感神経放電に応答して、血漿中のレニン活性を増加させる。この薬物はまた、腎臓および大脳の血流を維持または増加させることが判明した。眼における血管拡張剤(1クラスとして)の予測される潜在的作用のうちのいくつかには、細動脈の拡大が含まれ、この細動脈の拡大は、脈絡膜および網膜の循環および動脈または細動脈の壁の痙縮(眼内の病変または他の拘縮による)の緩和および硬化の回避を改善すると予想されている(Laws、1964年、Can Med Assoc J、91巻:325−330頁)。
ヒドララジンは消化管を介してよく吸収され、ファストアセチレーターにおいては全身性バイオアベイラビリティーは16%であり、スローアセチレーターにおいては全身性バイオアベイラビリティーは35%である(Brunton、2008年;塩酸ヒドララジンUSPパッケージ添付文書、Par Pharmaceuticals、2005年)。ヒドララジンは腸および/または肝臓内でN−アセチル化する。ヒドララジンの血漿半減期は3−7時間であるが、ただし、この低血圧作用は12時間まで持続できる(Par 2005年)。ヒドララジンは、α−ケト酸とすばやく組み合わさって、ヒドラゾンを形成し、この主要代謝物はヒドララジンピルビン酸ヒドラゾンである。アセチル化形態のヒドララジンは不活性であるため、ラピッドアセチレーターは通常、スローアセチレーターよりも多量の投与量を必要とするが、米国の人口の約半分がファストアセチレーターである;アセチル化速度はバイオアベイラビリティーの1つの要素であるが、肝臓のクリアランス速度が高いため、薬物の全身性排除における要素とはならない(全身性クリアランスは50mL/kg/分であり、これは肝臓の血流を超える)。経口的に投与されたヒドララジンの血漿中のピーク濃度および最大の低血圧作用は投与から30−120分内に生じる。ヒドララジンの筋肉内注射は、組織抽出物中で低酸素誘導因子−1α(HIF−1α)タンパク質を誘発させ、これが次に血管内皮成長因子を調節する(Knowlesら、2004年、Circ Res、95巻(2号):162−169頁において、ヒドララジンが、血管新生促進作用を発揮し、虚血性心疾患に有利となり得ることを示唆している)。網膜内の血流の減少および焦点虚血は、AMDの進行において重要な要素であることが示唆されている(Grunwald、1998年、Metelitsina 2006年、Spraulら、1998年、Invest Ophthalmol Vis Sci、39巻(11号):2201−2202頁;Pournarasら、2006年、Invest Ophthalmol Vis Sci、47巻(4号):1581−1586頁;Feiglら、2007a、Clin Exp Optom、90巻(4号):263−271頁;Feiglら、2007b、Eye、21巻(6号):689−696頁)。
一実施形態において、製剤に使用するためのヒドララジンはヒドララジン塩、例えば、塩酸ヒドララジンなどである。塩酸ヒドララジンは、分子量196.64を有し、式C・HClを有する、白色からオフホワイト色の、臭気なしの結晶性粉末である。塩酸ヒドララジンUSPは、水25に対して1およびアルコール500に対して1の割合で可溶性である。2%水溶液は約3.5−4.2のpHを有し、pH約3.5−4.5で極めて安定しているように見える。pHプロファイルでは、塩酸ヒドララジンは、薬物がカチオン形態であるpH3.5の付近で極めて安定していることを示している。カチオン形態である場合、25℃、pH3.5での速度定数は、10%未満の損失で(外挿で取得)、1.5年である。
好ましくは、ヒドララジン製剤は、ヒドララジンまたはこの塩、この置換もしくは非置換の誘導体を含む、眼用または眼科用溶液または製剤である。一つの特定の実施形態において、製剤は塩酸ヒドララジンを含む。別の実施形態において、製剤はヒドララジンの酢酸塩を含む。実施形態において、眼用溶液は水溶液である。
賦形剤
製剤中に含まれている典型的な賦形剤は、取り込み増強剤、粘稠化剤および安定性増強剤、緩衝剤、保存剤、キレート剤、滑沢剤、等張剤、pH調整のための酸および塩基、ならびに/または希釈剤を含む。
適切な緩衝剤は当技術分野で公知であり、制限なしで、酢酸塩、アスコルビン酸塩、トリス、酢酸ナトリウム三水和物、酢酸、クエン酸塩緩衝剤、ホウ酸塩、炭酸塩、酢酸塩および/またはリン酸塩が挙げられる。実施形態において、1種以上の緩衝剤が使用されている。1つの非限定的実施形態において、溶液または軟膏剤を生理学的に許容される範囲で維持するための適切な量の緩衝剤が溶液または軟膏剤中に含まれている。非限定的実施形態において、pH約3.8−7.5または3.8−4.4を維持するのに適切な量の緩衝剤が溶液または軟膏剤に加えられる。眼科用溶液のpH範囲は、一般的に約3.0−7.7の範囲であり、大部分の眼科用溶液は約5−7pHを有する。実施形態において、本発明の製剤のpHは、約3.0−7.7の間または約5−7の間である。他の実施形態において、眼科用溶液は、pH約3.5−4.5、3.5−4.2、3.5−4.0、3.8−4.4、または4.0−4.5を有する。使用される緩衝剤は、維持されるべきpHに依存することを理解されたい。他の実施形態において、pH調整剤を使用して、製剤のpHを調整することができる。当技術分野で公知であり、眼への局所用投与に対して適切な、任意のpH調整剤を使用することができることを理解されたい。非限定的実施形態において、pH調整剤は、水酸化ナトリウムおよび/または塩酸から選択される。典型的な緩衝剤として、酢酸ナトリウム三水和物USPおよび酢酸USP(2N)が挙げられる。さらなる典型的な緩衝剤は、酢酸ナトリウム三水和物USPおよび酢酸USPを含む、酢酸塩緩衝溶液USPである。
制限なしで、エデト酸二ナトリウム二水和物を含めた、任意の適切なキレート剤が想定されている。適切な滑沢剤として、これらに限定されないがプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールおよびグリセリンが挙げられる。典型的なキレート剤はエデト酸二ナトリウム二水和物USPである。典型的な滑沢剤はプロピレングリコールUSPである。
等張剤は一般的に、生理学的に許容され、製剤と接触している細胞膜を通した水の正味の拡散を防止するために、製剤に適切な張度を付与する薬剤または化合物である。適切な等張剤として、これらに限定されないが、塩化ナトリウムを含めた塩ならびにデキストロースおよびラクトースなどの糖が挙げられる。眼の重量オスモル濃度は約290mOsmol/kgである。眼科用溶液に対する重量オスモル濃度範囲は一般的に、約250−350mOsmol/kgの間であり、大部分が約290−300mOsmol/kgの間に入る。実施形態において、本発明の製剤の重量オスモル濃度は、眼の重量オスモル濃度、またはこの付近であるべきである。特に、非限定的な実施形態において、本発明の製剤の重量オスモル濃度は一般的に、約250−350mOsmol/kgの間、または約290−300mOsmol/kgの間である。一つの特定の実施形態において、本発明の製剤の重量オスモル濃度は約300mOsmol/kgである。典型的な等張剤は塩化ナトリウムUSPである。
一実施形態において、製剤は、約3.5と4.5との間のpHを有する。好ましい一実施形態において、製剤は、約3.8と4.4との間のpHを有する。別の実施形態において、製剤は、約4.0と4.4との間のpHを有する。
適切な保存剤は、当技術分野で公知であり、これらに限定されないが、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン、クロロブタノール、チメロゾール、プロピルパラベンおよびポリクオタニウム−1が挙げられる。FDA Advisory Review Panel on OTC Ophthalmic Drug Products(最終報告期日:1979年12月)によると、塩化ベンザルコニウムUSPに対する、眼科用製剤中での使用の最大濃度は0.013%であり、メチルパラベンNFに対する最大濃度は0.1−0.2%である。塩化ベンザルコニウムUSPは細菌に対して最も活性があるが、シュードモナスおよびカビに対してより弱いとみなされている。メチルパラベンNFは真菌およびグラム陽性細菌に対して最も活性があるが、グラム陰性細菌に対してより弱いとみなされている。典型的な保存剤として、塩化ベンザルコニウムNFおよび/またはメチルパラベンNFが挙げられる。
適切な希釈剤は当技術分野で公知であり、これらに限定されないが、精製水USPおよび注射用の水が挙げられる。典型的な希釈剤として、水、特に注射用の水USPおよび生理食塩水が挙げられる。
適切な増粘剤は当技術分野で公知であり、これらに限定されないが、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。
典型的なヒドララジン製剤が表1に提示されており、製剤を調製する典型的な方法が実施例1に記述されている。
Figure 2015519398
さらに一般的に、製剤は、活性のある治療剤、ヒドララジンおよび担体を含む。「担体」という用語は、これと共に活性化合物が投与される、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。このような医薬としての担体は、水および油状物などの液体であってよく、石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などを含む。医薬としての担体は、水、生理食塩水であってよく、リン酸緩衝食塩水、水性溶媒、ポリアルキレングリコール、石油ベースのゼリー、エチルセルロース、オレイン酸エチル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、ミリスチン酸イソプロピル、ガムアカシア、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、ウレアなどを含む。活性化合物が静脈内に投与される場合、水がビヒクルとなり得る。生理食塩水および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、液体担体として利用することができる。適切な医薬としての担体はまた、賦形剤、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、穀粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥した脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなども含む。さらなる適切な担体として、これらに限定されないが、グリシンおよびヒアルロン酸が挙げられる。本発明の組成物はまた、所望する場合、湿潤剤もしくは乳化剤および/またはpH緩衝剤を含有することもできる。さらに、助剤、安定化剤、粘稠化剤、乳化剤、滑沢剤および/または着色剤を使用することができる。
対象に投与された場合、医薬として許容されるビヒクルは好ましくは滅菌である。適切な滅菌法は当技術分野で公知であり、これらに限定されないが、加熱殺菌、化学的殺菌および/または濾過殺菌が挙げられる。別の実施形態において、成分の1種以上を別個に滅菌し、製剤を無菌の条件下で調製してもよい。
本発明の組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、持続放出製剤の形態をとることができ、または使用するのに適切な任意の他の形態をとることができる。一実施形態において、医薬として許容されるビヒクルは眼科用溶液、懸濁液、乳濁液、軟膏または軟膏剤である。
投与のための組成物は、投与部位での疼痛を和らげるために、眼への投与に対して適切な局所麻酔薬を場合によって含むことができる。一般的に、成分は、別個に供給される、または単位剤形内で一緒に混合して供給される。
III.製剤を調製する方法
一態様において、製剤は成分の段階的添加により調製し得る。ある実施形態において、本方法は、第1に、適切な量の緩衝溶液を適切な量の精製水に混合しながら加えるステップを含む。好ましくは、精製水は、最終製剤の容量を保持する適切なサイズの容器内に配置される。任意の適切な混合方法が許容される。好ましい方法は、連続的混合、例えば、当業者には周知のような撹拌プレートおよび回転棒により提供されるものなどである。緩衝溶液は、別個に調製しても、または商業的に購入してもよい。1つの非限定的実施形態において、緩衝溶液は酢酸塩緩衝溶液である。1つの非限定的実施形態において、酢酸塩緩衝溶液は、酢酸ナトリウム、酢酸および精製水を含む。このような緩衝溶液は、購入しても、または調製してもよい。緩衝剤は適切なpHで選択され得る。典型的な実施形態において、酢酸塩緩衝溶液は、約4.2−4.6のpHを有する。特定の実施形態において、緩衝剤は4.2のpHを有する。非限定的例として、酢酸塩緩衝溶液は、1.75gの酢酸ナトリウムおよび18.6mlの酢酸2Nを、精製水(1000mLになるまで適量)と共に1Lメスフラスコに加えることによって調製することができる。この典型的な緩衝溶液は、約4.2のpHを有するべきである。緩衝溶液が購入されるのではなく、むしろ調製された場合、緩衝液を調製する前のステップが必要となることを理解されたい。
第2に、適切な量の1種以上のキレート剤、例えば、エデト酸二ナトリウム二水和物などを、混合しながら緩衝化溶液に加え、キレート化剤が完全にまたはほぼ溶解するまで生成した溶液(A)を混合する。第3に、1種以上の滑沢剤を混合しながらこのA溶液に加える。生成した溶液(B)を、滑沢剤が完全にまたはほぼ溶解するまで混合する。眼科用製剤における使用に対して適切な任意の滑沢剤が想定されている。1つの非限定的実施形態において、滑沢剤はプロピレングリコールである。第4に、1種以上の等張剤を混合しながらB溶液に加える。生成した(C)溶液を、等張剤が完全にまたはほぼ完全に溶解するまで混合する。第5に、1種以上の保存剤を混合しながらC溶液に加える。生成した(D)溶液を、保存剤が完全にまたはほぼ完全に溶解するまで混合する。第6に、これに限定されないが、塩酸ヒドララジンを含めた1種以上の治療剤を混合しながらD溶液に加える。生成した(E)溶液を、治療剤が完全にまたはほぼ完全に溶解するまで混合する。1種類を超える成分、例えば、2種以上の保存剤が使用されている場合、成分は一緒にまたは別個に加えてもよいことを理解されたい。成分が別個に加えられる場合、次の成分が加えられる前にこの溶液は完全にまたはほぼ完全に混合されてもよい。製剤パラメータが測定されてもよく、製剤は適宜調整されてもよい。例えば、pHは測定され、必要であれば、調整されてもよい。
典型的な製剤の調製が実施例2に詳述されている。実施例2に提示されたデータにより証明されたように、この調製方法は驚くほど安定した製剤を生成する。表8−10に見られるように、この0.5%および1.0%塩酸ヒドララジン製剤は、点眼容器内のすべての3つの温度において好ましく安定している。すなわち、製剤の大部分について、1カ月および2カ月の保存後、3つの温度のそれぞれにおいて、活性剤のw/w%の低減は約1%未満とかなり少なかった。製剤の多くについて、1カ月および2カ月の保存後、3つの温度のそれぞれにおいて、活性剤のw/w%の低減は約0.5%未満とかなり少なかった。0.5%および1%製剤は、1カ月、2カ月および3カ月後、特に4℃および25℃での保存で、極めて安定していた。2%製剤はまた極めて安定しており、25℃での保存で最も安定していた。製剤はまた約4.0−6.6のpHでも極めて安定していたが、データは示されていない。保存用ガラスバイアル内で、pH4.0−5.5で製剤を保存後(1週間から1カ月)、活性剤の100%が回収された。
投薬
加齢黄斑変性の処置または予防に効果的な活性化合物の量は、標準的な研究技術で求めることができる。例えば、加齢黄斑変性の処置または予防に効果的である活性化合物の用量は、活性化合物を、モデル、例えば、当業者に公知の動物モデル、または他のモデル、例えば、コンピュータモデルなどの動物に投与することによって求めることができる。さらに、インビトロアッセイを利用することによって、最適な用量範囲を特定するのを場合によって助けることができる。
ある特定の有効投与量の選択は、当業者に公知であるいくつかの要素を考慮に入れて、当業者により決定することができる(例えば、治験を介して)。このような要素として、処置すべきまたは予防すべき疾患、関連する症状、対象の体重、対象の免疫の状態および当業者に公知の他の要素が挙げられる。
ヒトなどの対象に投与される活性化合物の投与量は可変であり、独立した判断の対象となり得る。多くの場合、活性化合物の1日量を1日の様々な時間に投与するのが実用的である。しかし,任意の所与のケースにおいて、投与される活性化合物の量は、活性構成成分の溶解度、使用される製剤、対象の状態(例えば体重など)および/または投与経路などの要素に依存することになる。
活性化合物の有効量の一般的範囲は、単独でまたは別の予防用もしくは治療用薬剤と組み合わせて、約0.001mg/日から約1000mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日750mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から500mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から250mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から100mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から75mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から50mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から25mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から10mg/日であり、より好ましくは約0.001mg/日から1mg/日である。当然、化合物の1日量を1日の様々な時間に少しずつ投与するのが多くの場合実用的である。しかし、任意の所与のケースにおいて、投与される化合物の量は、活性構成成分の溶解度、使用される製剤、対象の状態(例えば体重など)および/または投与経路などの要素に依存することになる。
IV.処置方法
一態様において、本製剤は眼疾患の処置に有用である。いくつかの非限定的実施形態において、製剤は、黄斑変性を処置し、予防し、この進行を停止および/または遅延させるのに有用である。他の非限定的実施形態において、本製剤は糖尿病性黄斑浮腫を処置するのに有用である。
A.黄斑変性
黄斑変性は、眼の中心視の焦点を絞ることに関与しているエリアである、網膜黄斑として知られている網膜の中心部分の劣化により引き起こされる。黄斑変性は、年齢50才未満の個人に影響を及ぼす黄斑ジストロフィーならびに加齢黄斑変性(AMDまたはARMD)の両方を指すことを意図している。
加齢黄斑変性は、50才を超える年齢の成人における視力損失の主要な原因であり、世界中の失明全体の3番目に主要な原因である(国立眼学研究所(National Eye Institute))。AMDは、ドライ型(萎縮性、非新生血管性、非浸出性)または滲出型(新生血管性、浸出性)の形態と特徴づけることができる。
AMDの発症および進行に関与している細胞の変化と分子の変化との間の関係は明らかに理解されていないが、臨床経過はより良く描かれている。AMDは、網膜黄斑の下位にある支持的網膜色素上皮(RPE)およびブルッフ膜に、老化による非浸出性(ドライ型)変化が生じることから開始する。非浸出性のAMDは、さらに重症の萎縮性AMD(地図状萎縮としても知られている)にまで進行し、また網膜黄斑の下から増大する病的脈絡膜の新生血管性膜を特徴とする浸出性(滲出型)形態を発症する可能性がある。重症の視力損失は通常、浸出性の形態を発症するすべてのAMD患者の10−15%と関連する;しかし、AMDから生じた正当な失明のうちの20%までが進行した萎縮性、非浸出性の形態によるものである。
ドライ型形態は非新生血管性であり、AMD症例の約90%を占め、ドルーゼと呼ばれる複数の、小型の、丸い、黄色−白色のスポットで特定される。これらのスポットは通常、外網膜のレベルで、眼の裏に位置する。これらのスポットを有する対象は、優れた視力を有し、症状がないこともある。ドルーゼは網膜と脈絡膜との間に蓄積することがあり、これによって、網膜剥離を引き起こし得る。非浸出性AMDは、3つの臨床的段階を有する:初期、中間および後期。これらの段階は、RPEにおける異常の程度に加えて、網膜黄斑の下の黄色のドルーゼ堆積物の程度およびサイズにより臨床的に特徴づけられている。初期の非浸出性AMDでは、ドルーゼのサイズは小型から中間であり、色素異常は最小から無しである。非浸出性AMDが地図状萎縮へと進行するまでには、臨床的知見は、広範な黄斑のドルーゼの段階を通り、RPEの局所的な閉塞を示している。RPEの地図状萎縮は、これが中心の網膜黄斑(すなわち、窩)の下に位置した場合、この上にある光受容体および機能的視力の損失をもたらす。
新生血管性、滲出型の形態において、新しく作り出された異常な血管は、網膜の中心の下で増大する。これらの血管は、漏れ出し、出血し、網膜を傷つけ、視力をゆがめ、または中心視を破壊する。視力のゆがみは一方の眼において始まり、後で他方の眼に影響を及ぼし得る。滲出型形態はAMD症例の10%を占めるが、AMDで引き起こされた視力損失の90%を占める。年間、ドライ型AMDの症例の10%が滲出型AMDへと進行していることが推測されている。
いくつかの要素が潜在的にAMDの発症および進行に関与している。心疾患およびAMDは、リスクファクターとして高血圧症および無症候性アテローム性動脈硬化症を共有するという所見は、AMDの病因の血流力学モデル(また血管系モデルとして知られている)の開発につながった。AMDは、硬化した堆積物、眼組織のコンプライアンスの低減および脈絡膜の脈管構造を介した血流の低減が疾患進行につながる血管系疾患の形態であることを、このモデルは全身性血管系疾患と同じ方式で強く主張している。特に、モデルは、網膜黄斑内の脂質の進行性の浸潤および堆積が眼組織のコンプライアンスを低減させ、黄斑の脈絡毛細管枝を狭めると断言している。この脈絡毛細管枝の狭小化は、年齢に伴う普通の狭小化と相まって、静水圧の上昇と共に血流をさらに低減させる。次に、これがRPEにより分泌されるリポタンパク質および他の物質のクリアランスを減少させる。結果は臨床的に明らかなドルーゼおよび色素性の変化、ならびにブルッフ膜の石灰化および破断であり、これらが脈絡膜血管新生をもたらす。
炎症もまたAMDにおいてある役割を果たすという増大する数の証拠が存在する。補体構成成分は、AMDにおいて最も良く理解されている炎症性メディエーターである。補体C5、および補体構成成分5b−9からなる膜侵襲複合体がドルーゼ中に検出された。同様に、様々な研究により、ドルーゼ、RPE細胞および/またはブルッフ膜に限局している免疫複合体、補体および/または補体調節タンパク質の存在が示された。さらに、多くの遺伝子研究がAMDにおける補体の役割を裏付けている。さらに、組織破壊性マクロファージはAMDを悪化させると考えられている。したがって、脈絡膜血流を治療により増加させること、酸化ストレスを減少させることおよび/または慢性炎症を制御することのうちの1種以上により、AMDを有意に処置し、および/またはこの進行を遅延させることができる。
黄斑変性の1つの症状は中心視の変化である。患者は、読書時に、かすんだ中心視またはページ上のブランクスポットに気が付くこともある。患者は、視覚的ゆがみ、例えば、曲がった直線などに気が付くこともある。像がより小さく見えることもある。色知覚における変化に気が付く患者もいれば、異常な光感覚を経験する患者もいる。これらの症状は突発的に現れ、徐々に重くなっていくこともある。
本明細書で使用されているように、黄斑変性の診断は、対象における黄斑の変化または機能の任意の分析が必要となり得る。任意の特定の方法に限定されることは意図されていない。例えば、眼の検査者、例えば、医師は、瞳孔を点眼剤で広げ、ドルーゼの黄色の隆起、眼の病変の存在について、または薄化などの網膜黄斑の全体の変化について網膜を観察することで、眼の内部を検査することができる。眼の検査者はまた、中心視にブランクスポットを探す視野試験を施すこともできる。検査者は、網膜内の血管が漏れているかどうかを判定するためにフルオレセイン血管造影(蛍光色素の静脈内投与と、これに続く、眼の裏の外観検査および写真)を要求することもできる。
黄斑変性を有することに対するいくつかのリスクファクターとして、年齢、喫煙および飽和脂肪が豊富な食生活が挙げられる。この他に、遺伝子の継承または環境的曝露により黄斑変性に対するリスクが高くなり得る者もいる。
実施形態において、本明細書に記載された方法は、加齢黄斑変性の処置または予防に関し、好ましくは防止的予防および処置に関する。他の実施形態において、本明細書に記載された方法は、本明細書に記載された製剤を用いて、加齢黄斑変性を予防するまたはこの進行を遅延させることに関する。一実施形態において、本明細書に記載された製剤で非浸出性または浸出性のAMDと診断された患者におけるCNVを予防または遅延させる方法が想定されている。
一実施形態において、1%(w/w)ヒドララジン眼科用溶液は、病気に冒された、1つ以上の眼に毎日少なくとも1回滴下され、他の実施形態において、毎日1回から5回滴下される。他の実施形態において、0.5%−4%w/wのヒドララジン眼科用溶液は、病気に冒された、1つ以上の眼に毎日少なくとも1回滴下され、他の実施形態において、毎日1回から5回滴下される。またさらなるに実施形態において、0.5%−2%w/wのヒドララジン眼科用溶液は、病気に冒された、1つ以上の眼に毎日少なくとも1回滴下され、他の実施形態において、毎日1回から5回滴下される。一つの特定の実施形態において、1%w/wのヒドララジン眼科用溶液は、病気に冒された、1つ以上の眼に毎日少なくとも1回滴下され、他の実施形態において、毎日1回から3回滴下される。
実施例3に示されている安全性データから見られるように、本明細書に記載された方法に従い調製した塩酸ヒドララジン眼科用溶液は安全であり、一般的にヒトに十分に許容され、治療下で発現する有害事象(AE)は低い発生率で起こるが、この有害事象は、全般的に軽度の重症度であり、2つの対象集団の間で比較的均等に分布していた。研究の過程において有意な有害事象(SAE)、死亡および他の臨床的に有意な安全性の知見は何もなかった。眼の充血が、この研究における対象の大部分により報告された、最も共通して報告された治療関連の眼のAEであった。眼の充血の発生率は、ヒドララジンの抹消血管拡張作用と一致し、予期せぬことではなかった。したがって,局所用塩酸ヒドララジン製剤の反復投与は安全であり、ヒトに十分許容されていた(Ralstonら、2010年、ARVO Abstracts、Abstract No.913/A196)。
実施例4および5は、本明細書に記載された方法に従い調製された、本明細書に記載された製剤を使用した単回投与および反復投与研究について記述している。実施例5において、ウサギモデルを使用して、28日の、GLP適合した、反復投与を行った眼の研究は、初期の投薬において生じていた眼への刺激が、反復投薬中に十分に許容されるようになることを示している。いかなる有意な投与量関連の毒性もないことは、この特に感受性の動物モデルにおいて少なくとも2.0%w/wまでの塩酸ヒドララジンの濃度での安全性に対して妥当な潜在能力があることをさらに示している。
脈絡膜血流の減少および焦点虚血が初期のAMDへとつながる事象の進行における原因因子となり得ることが提案されてきた(Feiglら、2007b年)。さらに、脈絡膜および網膜における低酸素の長期的作用が、初期から後期AMDの進行の特徴である、内皮増殖因子のアップレギュレーションおよび脈絡膜新生血管性増大の発生に関与していることが提案された(Feiglら、2007b年)。実施例6に示されているように、ヒドララジン1.0%点眼剤の滴下は、ウサギの眼のモデルにおいて脈絡膜血流を有意に改善させた。図1に見られるように、1%ヒドララジン製剤を滴下後30分で、脈絡膜血流は、起始点より維持されたばかりでなく、実際に改善された。対照的に、対照の滴下は、脈絡膜血流の低減をもたらした(図1を見ると約40%低減した)。30分後、1%ヒドララジン製剤での処置により、脈絡膜血流は少なくとも約75%多くなり、または対照よりも少なくとも約3倍から4倍多くなった。対照的に、対照での処置は脈絡膜血流を約40%低減させた。また図1からも見られるように、ヒドララジン製剤の滴下後60分で、脈絡膜血流は少なくとも約65%多くなり、または対照よりも少なくとも約2倍から3倍多くなった。120分後、1%ヒドララジン製剤での処置により、脈絡膜血流は少なくとも約50%多くなり、または対照よりも少なくとも約2倍多くなった。対照的に、対照での処置は、脈絡膜血流を約30%低減させた。脈絡膜血流の増加は、対照と比較して、少なくとも2時間維持された。レーザー誘発性CNVモデルにおいて、4週間のヒドララジン点眼剤の導入(すべての濃度において)は、CNV形成の面積を有意に減少させた。実施例7を参照されたい。CNV形成に対するヒドララジン製剤(0%、0.5%、1%および2%。w/w)の作用が図2および3に示されている(それぞれフルオレセインまたは脈絡膜フラットマウントで測定)。図2に見られるように、ヒドララジン製剤のそれぞれは、フルオレセインで測定したCNV面積を減少させた。0.5%製剤は、CNV面積を約33%減少させた。1%製剤は、CNV面積を約30%減少させ、一方で2%製剤はCNV面積を約26%減少させた。図3に見られるように、ヒドララジン製剤のそれぞれは、脈絡膜フラットマウントで測定されたCNV面積を減少させた。0.5%製剤はCNV面積を約20−25%減少させた。1%製剤は、CNV面積を約25%減少させ、一方で2%製剤はCNV面積を約30−35%減少させた。さらに、実施例8に記載されたように、HUVECのインビトロでの管形成(これは、抗血管新生活性の徴候とみなすことができる)がヒドララジンにより阻止された。これらのデータは、ヒドララジンは、複数の作用機序を有し得、脈絡膜血流の改善および新たな血管形成の阻止の両方を介してCNV形成の程度を減少させることができたことを示唆している。
RPEにおける細胞上でのヨウ素酸ナトリウムの選択性の毒性は、長年の間公知である(Noell、1953年、Am J Ophthalmol、36巻(6:2):103−116頁)。RPEの損傷および機能障害は、AMDの進行における初期事象のうちの1つと考えられる。したがって、網膜のRPE層内に化学物質誘発性損傷を選択的に作り出すというこのアプローチは、AMDに対する潜在的治療法を調べるために使用されてきた(Liら、2006年、Invest Ophthalmol Vis Sci、47巻(4号):1646−1652頁;Obataら、2005年、Eye、19巻(4号):464−468頁)。実施例9および10に示されているように、高濃度のNaIOは、インビトロにおいてヒトRPE細胞に対して毒性を持つ。文献の報告と一致して、NaIOの単回静脈内注射は、時間依存的および投与量依存的形式でラットの網膜に有意な損傷を引き起こした。高投与量のNaIOは、組織病理学で示されているように網膜全体に損傷を引き起こし、光受容体細胞(a波)、神経網膜(b波)およびRPE細胞(c波)から生じる電気生理学的信号の抑制を引き起こした。注射されたNaIO投与量を調整することによって、ラットにおいて、損傷がRPE細胞に限定されているように見える条件が特定された。ERG c波信号は抑制されていたが、a波およびb波信号は正常レベルのままだった。NaIO誘発性の、c波信号の選択的抑制は4週間超持続した。したがって、これらのパラメータは、非浸出性AMDに対するラットモデルとして有用となり得る。
このモデルにおいて、これらの最適化された条件(35mg/kgのNaIOおよび注射後4週間)を使用して、ヒドララジン1.0%眼科用溶液を毎日3回、4週間の実験継続時間の間滴下すると、NaIOの注射により作り出されたERG c波信号に観察された電気生理学的欠乏が有意に低減したことが示された(実施例10)。図4に見られるように、NaIOの滴下は、対照と比較して、ERG c波において70%の低減をもたらした。1%ヒドララジン製剤の滴下はERC c波信号の約50%の低減しかもたらさなかった。したがって、1%ヒドララジン製剤の滴下は、NaIO単独の注射と比較して、ERG c波信号の約20%を維持した。実施例10に記載されたデータはまた、局所用導入は保護作用を発揮するのに十分なヒドララジンを網膜に送達することを示している。ヒドララジンがNaIO誘発性損傷からRPEを保護する機序は、脈絡膜血流を増加させる薬物の能力またはその抗酸化特性に関係し得る。網膜への血液および酸素の流れを増加させることによって、ヒドララジンは、非浸出性加齢黄斑変性の発症を延期させることもあり、初期段階(ドライ型)AMDに対する処置として使用することができる。ある実施形態において、本明細書に記載された製剤は、非浸出性または浸出性のAMDと診断された患者において脈絡膜血流を増加させる方法において有用である。
ラットにおけるNaIO誘発性ドライ型AMDモデルの結果は、実施例9および10において記載されたように、NaIOへの曝露で誘発させた損傷から網膜色素上皮(RPE)細胞を保護する、したがってドライ型AMDの患者において、視覚的機能を保護し、恐らく回復させる、塩酸ヒドララジン製剤の能力を示している。
RPE細胞の損失は、AMDの初期段階の主要な症状であると提案されている(Caiら、Prog Retin Eye Res、2000年、19巻(2号):205−221頁)。酸化ストレスは、RPE細胞の損失およびAMDの病因においてある役割を果たし得る(Beattyら、2000年、Surv Ophthalmol、45巻(2号):115−134頁;Finkelら、2000年、Nature、408巻(6809号):239−247頁)。現存する保護的機序の減少または反応性酸素種(ROS)の数および濃度の増加による酸化ストレスの増加が、ある程度、AMDの病因の一因となっていると考えられている(Boultonら、1994年、Br J Ophthalmol、78巻(2号):125−129頁)。ヒドララジンは、AMDの処置において有用となり得る抗酸化特性および血管拡張性特性を有する。
低酸素は酸化ストレス誘発性機序を介してRPE細胞の死を引き起こすことができることがさらに報告されている(Cai、2000年)。低酸素および酸化的外傷に関連したいくつかの作用が存在し(Emeritら、1998年、Handbook of Free Radical and Antioxidants in Biomedicine、Quintanilha編、CRC Press)、これらは、ミトコンドリアの酸化的リン酸化の脱共役およびアデノシン三リン酸のアデノシン二リン酸への分解を含む。さらに、O分圧の突発的低減は、しっかりと制御された電子伝達鎖からのフリーラジカルの放出を可能にし、これらROSと隣接する膜脂質との反応が結果として膜および細胞の損傷を生じる。細胞を低酸素誘発性損傷から保護するヒドララジンの能力を評価するために、ARPE−19細胞を、低酸素に制御されたチャンバー内で低酸素環境に曝露させて(1%O)、様々な濃度のヒドララジンと共に24−72時間インキュベートした。1μg/mLのヒドララジン製剤は、48時間および72時間の時点で、ARPE−19細胞に対する低酸素誘発性損傷を有意に減少させた。このデータは、ヒドララジンは、低酸素誘発性細胞損傷を予防することができるが、低酸素を化学的に模倣することを意図した化学物質(NaN)誘発性細胞損傷は予防することができないことを示している。理論に関して制限されることなく、この差は、低酸素条件下で化学薬品NaNおよびミトコンドリアから放出されたROSにより引き起こされた細胞傷害の機序が異なるためであってよい。
実施例11に記載されたように、ヒト網膜色素上皮細胞(ARPE−19細胞)をインビトロで使用して、ヒドララジンの抗酸化特性を調べ、ROS関連の損傷または低酸素関連の損傷から細胞を保護するヒドララジンの能力を評価した。
フリーラジカルは奇数の、不対電子を有する分子である;この不対電子は、分子を不安定にし、極めて反応性にする(Fantoneら1985年、Hum Pathol、16巻(10号):973−978頁;Thompsonら、1986年、Prog Cardiovasc Dis、28巻(6号):449−462頁;McCordら、1985年、N Engl J Med、312巻(3号):159−163頁)。酸素フリーラジカル、超酸化物アニオン(O−)、ヒドロキシル基(OH−)およびこれらの中間の、過酸化水素(H)が虚血中におよび再灌流の際に組織内に作られると考えられている。これらのROSは、以下を含めた多種多様な経路を介して細胞に細胞傷害性となり得る:脂肪酸との反応、これが、膜内の脂質過酸化物の形成へとつながる;タンパク質中のアミノ酸の酸化;スルフヒドリル基の酸化;およびポリペプチド鎖の切断(Thompson、1986年、McCord、1985年、Klonerら、1989年、Circulation、80巻(5号):1115−1127頁)。
Tert−ブチルヒドロペルオキシド(t−BHP)、有機ヒドロペルオキシド(Rushら、1985年、Toxicol Appl Pharmacol、78巻(3号):473−483頁)は、肝実質細胞内でグルタチオンペルオキシダーゼにより代謝され、酸化グルタチオンを生成することができる(Aliaら、2006年、Toxicol Appl Pharmacol、212巻(2号):110−118頁)。グルタチオン(GSH)の枯渇およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化は、カルシウムホメオスタシスの変化を伴い、細胞生存度の損失へとつながる(Martinら、2001年、Biochem Pharmacol、62巻(6号):705−712頁)。代わりに、t−BHPは、チトクロムP450酵素および遊離鉄依存性反応により、このペルオキシルおよびアルコキシルフリーラジカルに変換され得る。これらのフリーラジカルは、続いて脂質過酸化を開始することができ、細胞分子(例えば、DNAおよびタンパク質など)と共有結合を形成し、GSHレベルをさらに低減する。後者の作用は、カルシウムホメオスタシスを変化させることに加えて、ミトコンドリアの膜電位に影響を及ぼし、最終的に細胞死を引き起こす(Van der Zeeら、1996年、Free Radic Biol Med、20巻(2号):199−206頁;Hixら、2000年、Chem Res Toxicol、13巻(10号):1056−1064頁)。ROS(Martin、2001年;Limaら、2006年、Life Sci、79巻(21号):2056−2068頁)、t−BHPラジカル(Van der Zee、1996年;Davies、1989年、Biochem J、257巻(2号):603−606頁)および細胞内鉄イオン(Hix2000)がt−BHPの毒性に関与していることは明らかである;これらのパラメータに対する直接的作用は、損傷のレベルを減少させる傾向にある。Hは、細胞内の鉄とのフェントン反応により、大部分の有機物質を分解することが可能な、極めて反応性の高いヒドロキシルラジカル(.OH)を形成することができる(Pesakhovら、2007年、Biochim Biophys Acta、1768巻(3号):590−597頁)。実施例11に示されているデータによると、ヒドララジンは、t−BHPおよびH誘発性細胞傷害性から細胞を保護することができる。
実施例11および本明細書に記載されたように、3種の酸化ストレス誘発薬剤(H、t−BHPおよびNaN)を使用して、ROS誘発性損傷および低酸素誘発性損傷からARPE−19細胞を保護するヒドララジンの能力を評価した。ヒドララジン製剤は、濃度依存的方式でt−BHP誘発性およびH誘発性の酸化ストレス損傷を阻害したが、NaNで引き起こされた損傷に対してはわずかな作用しかなかった、または作用がまったくなかったことをデータは示した。
ヒドララジン製剤は、0.01mMおよび0.03mMのtBHPでの侵襲後、明らかに濃度依存的方式でtBHP誘発性細胞損傷の統計学的に有意な阻害を示した。0.01と0.03mMの両方のtBHPでの侵襲後の最大生存能力保護作用が、100μg/mLのヒドララジンで観察された。
ヒドララジン製剤は、0.3mMおよび1.0mMのHでの侵襲後、明らかに濃度依存的方式でH誘発性細胞損傷の統計学的に有意な阻害を示した。0.3mMのHでの侵襲後、最大生存能力保護作用が30μg/mLのヒドララジンで観察され、0.3mMのHでの侵襲後、最大生存能力保護作用が30μg/mLのヒドララジンで観察された。最大逆転作用が、48時間および72時間の時点で、1μg/mLのヒドララジンに見られた。
ミトコンドリア毒素は、インビボでの一過性虚血中に生じる可逆的エネルギー不全を修正するグルタメート中毒(グルタミンにより引き起こされる中毒であり、これは細胞内部位でカルシウムの氾濫を誘発することによって細胞を死滅させる興奮性薬剤である)の代替物となり得る。アジ化ナトリウム(NaN)は、細胞培養物において(Varmingら、1996年、J Neurosci Res、44巻(1号):40−46頁;Grammatopoulosら、2004年、Neurosci Res、50巻(3号):299−306頁;Grammatopoulosら、2002年、Brain Res Mol Brain Res、99巻(2号):114−124頁)ならびにインビボ実験において(Vecseiら、2001年、J Neural Transm、108巻(3号):273−278頁)、「化学的虚血」を誘発させるためにすでに使用されている。この正確な作用機序は、部分的に不明のままである。作用は普通、シトクロムcオキシダーゼの呼吸鎖複合体IV阻害に起因し、超酸化物は電子移動連鎖の遮断後、ミトコンドリアから放出される主要生成物となり得る(Duranteauら、1998年、J Biol Chem、273巻(19号):11619−11624頁)。示されていない他の実験において、ARPE−19細胞は、NaN単独に、またはヒドララジンの存在下で曝露された(1、3、10、30、100μg/mLの濃度で)。NaN(0.1−100mM)による侵襲およびヒドララジンでの処置後、生存可能なARPE細胞の割合をMTTアッセイで測定すると、ヒドララジンで処置したARPE−19細胞では、NaNで化学的に誘発された低酸素に対して有意な作用が見られなかった。これらの実験において、ヒドララジンは、NaN誘発性細胞傷害性を逆転しなかったが、これは、ヒドララジンは、ミトコンドリア誘導性ROSに拮抗しないことを示し得る。
したがって、ヒドララジン製剤は、インビトロで低酸素誘発性損傷からの有意な保護をARPE−19細胞に対してもたらす。理論に関して制限されることなく、この作用は、ROSをクエンチするヒドララジンのフリーラジカルスカベンジ作用が原因となり得る。RPE細胞への酸化ストレス媒介性損傷に関与している細胞内シグナル伝達は依然として十分に理解されていないが、RPE細胞における抗酸化性防御または酸化ストレス応答の仲介のいずれかに関与している化学物質の同定は、AMDに対する治療的ストラテジーの将来の発展を可能にするはずである。ヒドララジンは、低酸素およびROSで引き起こされる損傷からRPE細胞を保護し、したがって加齢黄斑変性(AMD)および虚血性網膜症を処置する潜在能力を有している。
ヒドララジンの眼および全身性安全性プロファイルは十分に確立されており、以前の非臨床的および臨床的研究ならびに50年にわたる全身性使用の歴史に基づき十分に理解されている。このデータは、塩酸ヒドララジン眼科用溶液を用いたドライ型AMDの処置に対する実施例6の結果により裏付けされている。
B.糖尿病性黄斑浮腫または糖尿病性黄斑変性
別の非限定的実施形態において、本明細書に開示された製剤は、糖尿病性黄斑浮腫または糖尿病性黄斑変性を処置または予防するのに有用である。糖尿病性黄斑変性は、糖尿病による網膜黄斑の劣化である。類嚢胞黄斑変性とは、黄斑領域内での液体充満エリア(嚢胞)による網膜黄斑における視力の損失である。これは、他の障害、炎症、または強度近視の結果であることもある。
以下の実施例は本来例示的であり、決して限定することを意図しない。
[実施例1]
ヒドララジン製剤
ヒドララジン眼科用溶液としての使用のための製剤を調製した。5306gの精製水USPを、回転棒を備えた6Lフラスコに、混合しながら加えた。酢酸ナトリウムおよび酢酸(2N)を含む、600gの酢酸塩緩衝溶液(pH4.2)を、6Lフラスコ内の精製水に撹拌しながら加えた。均一になるまで混合を継続した。0.9gのエデト酸二ナトリウムUSPをフラスコに加え、溶解するまで混合した。次に、60gのプロピレングリコールUSPをフラスコに加え、溶解するまで混合した。次に、30gの塩化ナトリウムUSPをフラスコに加え、溶解するまで混合した。1.2gの塩化ベンザルコニウム50%溶液NFをフラスコに加え、均一になるまで混合した。最後に、1.8gのメチルパラベンNFをフラスコに加え、溶解するまで混合した。生成した溶液のpHは4.4であった。
ヒドララジン製剤を調製するため、次いで、塩酸ヒドララジンのある量を溶液に加え、均一になるまで混合した。
[実施例2]
ヒドララジン製剤の保存安定性
0.5%、1%および2%の塩酸ヒドララジン製剤を本質的に実施例1に記載されたように調製して、製剤の安定性を査定した。製剤の成分およびパーセンテージが以下の表3に示されている。
Figure 2015519398
対照製剤を、ゴム張りしたキャップ付の8mLのE−Cアンバーガラス試料バイアル(Item 224735、Lot 1402565、Wheaton、Millville、NJ)内に入れた。塩酸ヒドララジン製剤を、13mmのLDPE制御された滴下先端、40μLおよび13mm−425ポリプロピレン仕上げの密閉を有するビーズ点眼容器付の6ccのLDPE円形シリンダー内に入れた(Comar Packaging、Buena、NJ)。製剤を、4℃±2℃、25℃±2℃および40℃±2℃で3カ月保存することによって、室温での保存、冷蔵保存および高温保存について査定した。活性成分のpH、重量オスモル濃度およびw/w%を、ゼロの時点で試験し、結果が以下の表4に示されている。活性成分のpH、外観およびw/w%を1カ月後、2カ月後および3カ月後に試験し、結果が以下の表5−13に示されている。
アンバーガラスバイアルでの対照の試験は、pHのドリフトおよびアッセイ結果の低減により1カ月後に中断した(結果は示されていない)。pHのシフトは、ガラスバイアルのアルカリ性が原因であると疑われる。
Figure 2015519398
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製剤の記載に対する「合格」とは、目視検査による透明な、無色の溶液を指す。pHは、Fischer Scientific Accumet Basic pH計で測定した。
[実施例3]
ヒドララジン製剤投与後の脈絡膜血流に対する作用
年齢50才以上の31名の患者における単一中心、非盲検研究を行った:20名の患者はいかなる臨床的に有意な眼疾患も持たず、または異常がなく、20/30より良いスネレン等価最高矯正視力(BCVA)を有し、11名の患者が初期の非浸出性加齢黄斑変性(ドライ型AMD)の徴候および症状を有していた。3日の期間にわたり、塩酸ヒドララジン製剤の7回の眼への局所的投与後、安全性、快適さおよび脈絡膜血流を評価した。
ドライ型AMD群の対象は、小さなおよび中間のドルーゼ、網膜黄斑内に最小の色素異常がある、または色素異常がない(すなわち、AREDS単純化評定スケールでリスクファクター2)、スネレン等価最高矯正視力(BCVA)が20/100以上であるという証拠を有していた。すべての対象は、脈絡膜血流の正確な測定が可能な位十分に透明な透光体を有していた。この研究では、一時的に増加した結膜の充血が示されたが、他の安全性または耐容性の懸案事項は示されなかった。
患者には、1つの眼に1滴の試験物質を投与し、反対側の眼にはビヒクル対照を投与した。患者には、各日の第1回目の投与量を臨床現場で投与し、この日の残りの2回の投与量は所定の時点において自己投与された。以下のパラメータを査定した:
視力(スネレン)
眼内圧
完全な前眼部スリット−ランプ検査
広げた後眼部スリット−ランプ検査
AEの収集(誘発され、観察された)
バイタルサイン
Gevaltec AG(Switzerland)により提供されているコンパクトレーザードップラー流量計を使用して査定された脈絡膜血流。
研究の主な目的は、実施例1に記述されているように調製した塩酸ヒドララジン眼科用溶液の安全性および快適さを評価することであった。しかし、塩酸ヒドララジン眼科用製剤活性についての初期の臨床的薬理学的なデータを得るために、患者の脈絡膜血流に対する試験物質の作用もまた評価した。各日の第1回目の投与量の投与前に、患者は、スネレン眼チャートによる視力、バイタルサイン、眼内圧(IOP)、生体顕微鏡検査法による全般的な眼の健康状態および脈絡膜血流について査定された。各日の第1回目の投与量の投与後1または4時間枠にわたり、快適さ、脈絡膜血流、IOPおよび全般的な眼の健康状態について患者をモニターした。1日目には、塩酸ヒドララジン投与から30、60、120および240分後に評価を行った。2日目および3日目には、評価は最初の2つの時点の後に行った。7回目の投与量が3日目の朝に投与された。最終投与量の後、7日目に電話を介して患者と接触して、あらゆる研究後の有害事象または問題を評価した。
脈絡膜血流
眼内圧(IOP)、視力(VA)、前眼部および後眼部の生体顕微鏡検査法による知見ならびにバイタルサインについて、いずれの眼においてもベースラインからの臨床的に有意な変化は判明しなかった。他の安全性関連の問題は報告されなかった。
26名の(84%)対象において眼の有害事象(AE)が生じたが、これらのすべては性質上軽度なものであった。異物感があるという1つのAEを除いて(これについては不明と分類された)、すべての眼のAEは研究期間中に解決された。
最も一般的な治療関連の眼のAEは、眼の充血であり、これは、塩酸ヒドララジン処置した21の眼において生じた(AMD群中7名の対象[64%]および正常/健康な群中14名の対象[70%])が、ビヒクル処置した眼ではほんの1つにしか生じなかった。眼の充血のすべてのケースが解決され、すべての対象に対して解決までの平均時間は1.85日(1から4日の範囲)であった。
塩酸ヒドララジン製剤で処置した眼に発見された眼の充血の発生率は、この活性成分である、十分確立した末梢血管拡張作用を有する、認可された直接作用性抗高血圧薬物の公知の薬理学的作用と一致する。
塩酸ヒドララジン眼科用溶液は、両対象群における液滴の滴下の直後に、ビヒクルよりもわずかに快適さが低かったことが判明したが、液滴の滴下後30分までに発見された快適さスコアにおいて目立つ差はなかった。
各日の第1回の試験物質の投薬後、脈絡膜血流、速度および容量を査定した。1日目に、投与後30、60、120および240分の時点で脈絡膜血流測定を行い、2日目および3日目には、最初の2つの時点だけで測定を行った。中心窩下の脈絡膜血流を視覚化および測定するための最新の、非侵襲的および定量的アプローチである、レーザードップラー流量測定装置を使用して測定を行った。
全体的な結果は、塩酸ヒドララジン眼科用製剤が、眼への局所的投薬後、薬理学的活性を有したことを示している:
塩酸ヒドララジンで処置した眼において脈絡膜の平均血液量および速度値が増加する傾向があり、これは、1日目には、眼への局所的投薬後約2時間でピークに達し、投薬後約4時間でベースライン値に戻った(すなわち、2時間後)。AMD群においても、血液量の増加が1日目の早くも投薬後30分の時点で、塩酸ヒドララジンで処置した眼に見出された。
脈絡膜血流について、AMD対象の塩酸ヒドララジンで処置した眼において、平均スコアが改善される傾向にあった。対照的に、正常/健康な対象では、1日目のすべての時点において、平均値およびこれに伴う標準偏差(SD)の両方が低いままであった。
1日目について、AMDと正常群との間で、脈絡膜血流の結果のオッズ比分析を評価した。群の差に対する検定は、SASバージョン9.2(SAS、2009年)のFREQ手順を使用して計算したフィッシャーの正確検定に基づいた。脈絡膜の血液量について、オッズ比が60分の時点の0.22(p=0.337)から、120分の時点で6.67(p=0.106)に変化したが、これは、120分の時点ではAMD患者において、より高い塩酸ヒドララジン応答があった可能性を示唆している。
この研究の結果は、塩酸ヒドララジン眼科用溶液は安全であり、一般的に十分に許容され、治療下で発現するAEは低い発生率で起こるが、この有害事象は、全般的に軽度の重症度であり、2つの対象集団の間で比較的均等に分布していたことを示している。研究の過程において、SAEはなく、死亡はなく、他の臨床的に有意な安全性の知見はなかった。眼の充血は最も一般的に報告された治療関連の眼のAEであり、この研究において大部分の対象により報告された。しかし、眼の充血の発生率は、塩酸ヒドララジンの抹消血管拡張作用と一致し、予期せぬことではなかった。脈絡膜の血液データの分析は、眼への局所的滴下後、塩酸ヒドララジンが眼の裏の黄斑エリアに到達することによって、脈絡膜の血液循環を改善できることを示唆している。血流の障害は、ドライ型AMDの進行における寄与因子となり得るので、これらの結果は、塩酸ヒドララジンがドライ型AMDの処置に対して有用な治療剤となり得ることを示唆している。
[実施例4]
ヒドララジン製剤の単回投与の毒性
ヒドララジン眼科用製剤を用いた単回投与の眼への刺激の研究は、ウサギモデルを使用したDraize手順に従い、製剤が眼への刺激をもたらす傾向が最小から軽度であることを示している。
ヒドララジンの様々な投与量(0.0%、0.5%、1.0%および2.0%[w/w])を使用して、ヒドララジンの眼への刺激物としての可能性を査定するいくつかの研究が完了した。ヒドララジン製剤は、本質的に実施例1に記載されたように調製した。若いメスの成体ニュージーランド白ウサギを対照と3つの処置群に分けた(各群に対してn=3)。0.1mLの投与量(対照または0.5%、1.0%、または2.0%ヒドララジン製剤)を各ウサギの右眼に滴下し、左眼は対照とした。ウサギは、同様のヒトの応答を予測する上で貴重となるような形で眼への刺激に応答するその能力が実証されたことから、これらの研究で試験モデルとして使用した。ウサギモデルは、いくつかの刺激に対してヒトよりもいくぶん感受性が高いことが知られている(Milllichamp、1999a年、Millichamp、1999b年)。緩衝されたpH4.2および一時的な眼の刺激を引き起こすことが知られている保存剤を利用して、安定性および投与量の完全性を確かめた。
全体的には、試験したすべての製剤は、ウサギモデルを使用した主要な眼への刺激研究において最小の眼への刺激を示した。2.0%ヒドララジンを用いて試験した製剤は、0.0%、0.5%、または1.0%塩酸ヒドララジンを含有する製剤よりもわずかにより大きな刺激を示した;各濃度は、全Draizeスコアの最大平均値2.0を示し、刺激性は最小限であると分類された。
[実施例5]
ヒドララジン製剤の反復投与の毒性
塩酸ヒドララジン眼科用溶液は、本質的に実施例1に記載されたように、0.0%(ビヒクル)、0.5%塩酸ヒドララジン、1.0%塩酸ヒドララジンおよび2.0%塩酸ヒドララジンの濃度で調製した。製剤、ビヒクルまたは対照は、表2に示されているように、40匹のオランダベルトウサギ(1群当たりオス5匹およびメス5匹)の指定された眼に28日間毎日投与した。
Figure 2015519398
群1には、左眼にビヒクルおよび右眼に生理食塩水を与え、群2−4には、左眼に塩酸ヒドララジン(低い投与量[0.5%ヒドララジン、w/w、0.2mg/kg/投与量]、中間の投与量[1.0%ヒドララジンw/w、0.4mg/kg/投与量]、または高い投与量[2.0%ヒドララジン、w/w、0.8mg/kg/投与量]のいずれか)を与え、右眼にビヒクルを与えた。
28日間の眼の局所的処置後、ビヒクルまたは塩酸ヒドララジンの適用は、オランダベルトウサギの眼における、慣用的眼の評価、眼圧測定、体重、器官体重、臨床化学、眼の病態、炎症、変性、または毒性の組織学的証拠などの査定を含めて、有意な投与量関連の毒物学的変化の発生を結果として生じなかった。
この研究において投与された最も高い投与量濃度は、ヒドララジン活性医薬成分の良好な溶解度を維持しながら眼科用調製ビヒクルを使用して調製することができる最大可能濃度であった。投与した最大投与量は、ウサギ動物モデルの眼に適用することができる最大容量であった。この結果、1回当たりの全投与量40μLを使用して、最大1日量である0.8mg/kg/投与量が投与された。
飼料消費はすべての群の間で同様であり、群間に体重の統計学的に有意な差はなかった。所定の身体検査および臨床的検査に対して、治療関連の知見は指摘されなかった。予定外の死亡もなかった。
28日目に行われた測定に対して、群1と群2−4との間で、オスまたはメスウサギのいずれかで、巨視的な眼検査の知見において統計学的に有意な差はなかった。
投薬前および29日目に光反射を試験した。すべての時間枠でのすべての瞳孔の応答はすべての処置群について正常であった。
スリットランプ生体顕微鏡の使用後、改造したHackettおよびMcDonald顕微鏡を用いた眼の評定システム(Hackett、1996年)を眼の知見に適用したが、これには、ブルーフィルターを挿入して、フルオレセイン色素保持を査定することが含まれていた。顕微鏡を用いて評価されたいずれの眼検査パラメータに対しても、投薬前または29日間の研究測定期間中に群1と群2−4との間で、オスまたはメスウサギのいずれかで、統計学的に有意な差はなかった。
投薬前および29日目における対照および試験ウサギのIOPの平均眼圧測定(Tono−pen;Reichert Ophthalmic Instruments、Depew、New York)記録は、15−25mmHgの間であり、これは正常な生理学的範囲内である。停止(29日目)前、1つのパラメータが統計学的に有意な差を示した:群1の平均値と比較した場合、群4のメスの左眼の平均IOPが増加したが、ただしこの平均値(22mmHg)正常な生理学的範囲内であった;さらに、左眼の平均IOPは、群4のメスのプラシーボ処置した右眼の平均IOPと異ならなかった。
29日目の試料において、群2および4のメスのウサギにおいて低いログ変換された絶対好酸球カウント数があったこと以外は、血液学的指標に対する統計学的に有意な差は、研究のいずれの期間中にも群間で生じなかった。
29日目の試料において群2および4のメスのコレステロール値が低かったことを除いて、血清化学的性質指標に対する統計学的に有意な差は、研究のいずれの期間中にも群間で生じなかった。
平均器官体重および相対的器官体重において、オスおよびメスウサギの両方に対して、統計学的に有意な差は、群1と群2−4との間で存在しなかった。剖検中に観察された、投与量関連とみなすことができた、有意な全体的病的変化はなかった。
各眼、涙腺および眼付属器の側頭部切片、中心切片(視神経を含む)および鼻の矢状切片からなる40(40)セットのヘマトキシリンおよびエオシン着色したスライドについて、有資格の獣医学的眼科医が組織病理学検査を行った。すべての群において、知見は、結膜のリンパ様ろ胞、角膜上皮の局所的損失もしくは広汎性損失および/または網膜襞からなった。これらの知見は、右眼と左眼において、および群1から4の間で、ほぼ等しい頻度で生じ、人工産物のプロセシングに伴い、偶発的知見とみなされる。2.0%までの塩酸ヒドララジンまたはビヒクルの毎日の適用は、28日の眼の局所的処置後のオランダベルトウサギの眼において、眼の病態、炎症、変性、または毒性の組織学的証拠の発生を結果として生じなかった。
提案された製剤を用いて実施したこれらの眼の投薬研究から得た結果に基づき、2.0%w/wまでの塩酸ヒドララジンの配合された投与量であれば、ヒトの眼の使用に対してかなり十分に許容され、安全であるはずであるように思われる。
[実施例6]
脈絡膜血流に対するヒドララジン製剤の作用
1.0%ヒドララジン眼科用溶液を、本質的に実施例1に記載されたように調製した。
12匹のメスのニュージーランド白ウサギ、体重2.5−3.0kgを、35mg/kgのケタミンおよび5mg/kgのキシラジン(筋肉内)により麻酔下においた。初期投与量の半分を1時間ごとに与えて、麻酔を維持した。
眼の高血圧症のモデルを作るための前眼房の穿刺により左眼の眼内圧を40mmHgに上昇させることによって、眼の高血圧症のモデルを作り出した。ミクロスフェア注射のために、右の頸動脈を介して左室をカニューレ処置した(IMT−Stason Laboratories、Irvine CA)。大腿動脈を血液サンプリングのためにカニューレ処置した。
対照として50μLの生理食塩水(n=5)、または1.0%ヒドララジン眼科用溶液(n=7)を左眼に局所的に滴下した。この後、0、30、60および120分の時点で、脈絡膜血流を有色ミクロスフェアで測定した。各時点において、0.2mLの異なる有色ミクロスフェアを参照用に左室に注射し、ミクロスフェアの注射後、正確に1分間、大腿動脈から血液試料を採取した。血液試料をヘパリン処置した管内に収集し、容量を記録した。
最終の血液サンプリング後に、100mg/kgのペントバルビタールナトリウムを注射してウサギを安楽死させた。左眼を摘出し、脈絡膜を切除した。組織試料を秤量し、分解し、組織内のミクロスフェアを血球計算板でカウントした。ある時点での各組織の血流を以下の方程式を使用して計算した:
Qm=(Cm×Qr)/Cr
(式中、QmはμL/分/mgで表した組織の血流であり、Cmは組織1mg当たりのミクロスフェアカウントであり、QrはμL/分で表した血液試料の流量であり、Crは参考にした血液試料における全ミクロスフェアカウントである)。
図1に結果が示されているように、1.0%濃度のヒドララジン点眼剤は、薬物滴下後30および60分で、対照と比較して、ウサギの脈絡膜血流を有意に向上させることが判明した(P<0.05)。
[実施例7]
レーザー誘発性脈絡膜血管新生に対するヒドララジン製剤のインビボでの作用
0.5%、1.0%および2.0%ヒドララジン眼科用溶液を、本質的に実施例1に記載されたように調製した。
25匹のブラウンノルウェーラット、体重150−180gを、35mg/kgのケタミンおよび5mg/kgのキシラジン(筋肉内)で麻酔下においた。1%トロピカミド(Bausch&Lomb;Tampa、Fla.)および2.5%フェニレフリンの局所的適用により瞳孔を広げた。VOLK super pupil XL生体顕微鏡検査法レンズ(Keeler Instrument、Inc.、Broomall、PA)を用いて眼底を視覚化した。2周波Nd:YAGレーザー(Laserex LP3532;Lumenis Inc.、Salt Lake City UT)を532nm波長で使用して、ブルッフ膜を貫通した。スポットサイズは100μmであった。送達電力は200mWであり、0.15秒の曝露を適用した。視神経からほぼ等しい距離で眼底に6つの病変を作製した。バブル形成を伴うレーザースポットのみを含めた。かなりの網膜出血を伴う病変は除外した。
0.5%(n=5)、1.0%(n=10)、または2.0%(n=5)塩酸ヒドララジンまたは生理食塩水点眼剤(n=5)を含むヒドララジン点眼剤を、レーザー処置の直後、1日3回、4週間の間、両眼に滴下した。レーザー処置の直後の薬物の投与は、ドライ型AMDに対するより良いモデルであると考えられ、出血が生じている点へのレーザー侵襲から約2週間後に薬物が投与される普通のレーザー誘発性CNV(滲出型AMD)モデルとは異なる。
広がった瞳孔を有する麻酔下の動物の処置の4週間後、デジタル眼底カメラ(TRC−50EX:Topcon、Japan)および標準的フルオレセインフィルターを使用してフルオレセイン血管造影を実施した。0.3mlの10%フルオレセインイソチオシアネート−デキストラン(Sigma−Aldrich Inc.、St.Louis、MO)を、0.14mL/100g(体重)の量で、舌下静脈を介して静脈内に注射した。フルオレセインの像を20分以内に記録し、Imagenet2000デジタル画像システム(Topcon Medical Systems、Inc.、Paramus NJ)を使用して、CNV形成の面積を測定するために、最も鮮明な品質の像を選んだ。結果は図2において示されている。
フルオレセイン血管造影像を記録した後、ラットを屠殺し、眼を摘出し、10%リン酸塩緩衝ホルマリン液中に固定した。角膜およびレンズを切除し、全網膜を慎重に解剖した。脈絡膜の端から眼球赤道へ向かって脈絡膜を半径方向に切断し(普通4−6)、脈絡膜側を上に向けて眼杯をフラットマウントした。フラットマウントをAxioskop顕微鏡(Zeiss、Thornwood、NY)上で蛍光顕微鏡法により撮像し、Image−Pro Plusソフトウエア(Media Cybernetics、Silver Spring、MD)を使用して、CNVの面積を測定した。この結果は図3に示されている。
4週間の処置後、処置群のすべては、フルオレセイン染色されたCNV面積の有意な減少(2.0%に対してP<0.05;0.5%および1.0%に対してP<0.01)を示した。同じ結果が、脈絡膜フラットマウントで実証された(すべての群に対してP<0.01)。
これらの分析の両方において、少なくとも1.0%塩酸ヒドララジン眼科用溶液で有意な減少が見られ、この1.0%塩酸ヒドララジン眼科用溶液はまた脈絡膜血流における有意な減少も示した。
[実施例8]
管形成に対するヒドララジン製剤のインビトロでの作用
内皮細胞は、適切な増殖条件下、マトリクスゲル表面上で増殖させた場合、インビトロで管状構造を形成することになる。この研究は、ヒドララジン製剤のインビトロでの管形成の阻害能力を測定し、インビトロの抗血管形成アッセイを意味する。
ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)をScienceCell(San Diego、CA)から購入した。内皮基礎培地(EBM−2;Lonza Walkersville Inc.、Walkersville、MD)、10%ウシ胎児血清および内皮成長培地(EGM−2 SingleQuots;Lonza Walkersville Inc.)を用いて培地を調製し、この培地は2mMのグルタミン、100単位/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシンを含有している。0(対照)、1、3、10、30および100μg/mLの濃度のヒドララジンを時間0で培地に加えた。5%COおよび95%空気の大気中、37℃で、2.5%マトリクスゲル上で細胞を培養し、HUVECを48時間インキュベートした。従来の顕微鏡撮影(Zeiss)を使用して細胞形態の画像を得た。HUVECによる管形成を研究するインビトロ実験を3回反復した。
1mg/mLのヒドララジンでの処置は、対照とは異ならないことが判明した。3μg/mLのヒドララジンを用いると、いくつかのHUVECは、管へと増大することができず、この作用は30μg/mLのヒドララジンにおいて最も明らかとなった。100μg/mlではヒドララジンがアポトーシスを引き起こした。
[実施例9]
非浸出性加齢黄斑変性のヨウ素酸ナトリウム誘発性ラットモデルのインビトロでの作用
ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)の静脈内注射は、網膜色素上皮(RPE)内の細胞に選択性の毒性をもたらす(Noell、1953年)。RPEに対する作用はNaIOの投与量に依存する。このアプローチを使用して、ヒドララジン製剤の潜在的保護作用を評価することができる非浸出性AMDのラットモデルを作り出した。
ヒトの網膜色素上皮細胞株(ARPE−19;アメリカ培養細胞系統保存機関、Manassas、VA)を使用して、NaIOの毒性をインビトロで評価した。加湿した5%COおよび95%空気の大気中、37℃で細胞をインキュベートした。成長培地は、Dulbecco改質Eagle培地(DMEM)、ならびに1.2g/Lの炭酸水素ナトリウム、2.5mMのL−グルタミン、15mMのHEPES、0.5mMのピルビン酸ナトリウムおよび10%ウシ胎児血清(すべてInvitrogen製)を含有するHam’s F12培地の1:1混合物で構成された。0.25%トリプシン−0.2g/Lエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(Sigma−Aldrich)と共に分解させてコンフルエントな培養物を収集した。細胞増殖アッセイのため、96ウェル組織培養物プレート内でARPE−19細胞を一晩増殖させた。次いで、培地を、様々な濃度のNaIO(0、0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、10、30、100μg/mL)を含有する新鮮な培地に置き換えた。48時間のインキュベーション後、細胞をDulbecco’sリン酸緩衝食塩水で1回洗浄し、100μLの10%3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)と共に正確に4時間さらにインキュベートした。次いで培地を吸引除去し、100μLのDMSOを各ウェルに加え、シャーレを2分間振盪することによって、細胞および有色のホルマザン産物を溶解した。SpectraCountプレートリーダー(Packard BioScience、Meridan、CT)を使用して、570nm(OD570)で各ウェルの光吸収性を読み取った。加えたNaIOの細胞生存度に対する作用を、NaIOに曝露した細胞のOD570と、対照細胞のOD570との比として計算し、対照のパーセンテージとして表現した。各実験中、各群に対して6つのウェルを使用して、実験を6回反復した。
MTT比色のアッセイを使用して、RPE細胞に対するNaIOの毒性作用をインビトロで定量化した。10μg/mL以下のNaIO濃度において、細胞増殖における有意な減少はなかった。30μg/mLおよび100μg/mLのNaIO濃度は、生存可能なARPE−19細胞の数を、対照において観察されたレベルのそれぞれ約65%および40%に減少させた。
[実施例10]
ヨウ素酸ナトリウム誘発性非浸出性加齢黄斑変性のインビボラットモデル
NaIOモデルを作るため、12:12時間周期性照明スケジュールを有する標準的な動物部屋の中で、28匹の週齢8週のオスのブラウンノルウェーラット(Texas A&M University、Texas)を飼育した。動物には普通の食物および水を与えた。すべての手順は、Use of Animals in Ophthalmic and Vision ResearchのARVO Resolutionに準拠した。
NaIO(Sigma−Aldrich)を3.0%の濃度で生理食塩水中に溶解した。ラットには、舌下静脈を介して、0、7.5、15、20、30、40および60mgNaIO/kg(体重)の投与量で、NaIOの単回注射を行った(1つの濃度群当たりそれぞれラット4匹)。
機能的変化(ERG、眼底像およびフルオレセイン血管造影)および組織学的変化を、注射後3から56日の間の時点において選択的に試験した。
ヒドララジン1.0%眼科用溶液(Pam Lewis Associates、San Antonio、TX)を用いた実験に対して、正常な群には、NaIO注射はせずに、生理食塩水を単独で両眼に滴下した。NaIO群には、35mg/kgのNaIOの単回注射後、生理食塩水を単独で滴下し、ヒドララジン1.0%+NaIO群には、35mg/kgのNaIOの注射後、ヒドララジン1.0%点眼剤を滴下した。すべての点眼剤は、注射直後から開始して、1日3回、4週間の間滴下した。
EPIC−2000Visual Electrodiagnostic Testing System(LKC Technologies、Inc.、Gaithersburg、MD)を使用して、網膜の機能試験を実施した。Grass Instruments PS22光刺激器(Grass Instruments Co.、Waltham、MA)で閃光刺激を与えた。光刺激装置を眼から5インチの位置に配置した。各エンドポイント(2および4週)で、すべてのラットにおいて網膜電位図(ERG)c波を以下の通り測定した。ラットは一晩暗い場所に順応させ、次いで筋肉内投与された35mg/kgのケタミンプラス5mg/kgのキシラジンで麻酔下においた。この後、初期投与量の半分を毎時間与えて麻酔を維持した。各1滴のアトロピン1%、トロピカミド1%およびフェニレフリン2.5%ですべてのラットの瞳孔を広げた。記録前、1滴のopticaineを表面麻酔のために使用した。すべての動物は、ERG測定中保温されていた。
ラット網膜は、神経網膜層から光受容体およびRPE細胞層まで、高投与量のNaIOにより不可逆的に損傷を受けた。高投与量のNaIOは重症の網膜毒性を誘発させた;より低い投与量では、このように多くの、またはこのように重症の変化は見出されなかった。これらの結果は、中程度の投与量のNaIOであれば、ドライ型AMDの処置のための動物モデルに適切であることを示唆している;30mg/kgから40mg/kgのNaIOであれば、この動物モデルに使用するのに最適である。
各ラットは、第1にDC−ERG記録で測定し、次いでACERG記録で測定した。AC−ERG記録のため、Ag/AgCl電極を、基準電極として角膜とそっと接触させて配置した。1滴のNaCl0.9%を角膜と電極との間に使用して、安定した信号コンダクタンスを確立した。ステンレススチールの長い電極を2つの眼の間の額の皮膚の下に挿入し、別のステンレススチールの短い電極をアース電極として脚の皮下に挿入した。単一の暗順応の白色フラッシュ(20msの継続時間)を使用して、ERGおよびb波を誘発した。刺激強度は628cds/m2であり、0.3から500Hzでバンドパスフィルターにかけた。DC−ERGに対して、以前に記述された方法に従い(Peacheyら、2002年、Vis Neurosci、19巻(6号):693−701頁)、Hank’s平衡塩類溶液(Invitrogen、Carlsbad、CA)を充填した、直径1−mmのフィラメント付ガラスキャピラリー管(Sutter Instruments、Novato、CA)を使用して、コネクターが付随しているAg/AgClワイヤ電極と接触させた。キャピラリー管をラットの角膜表面と接触させた。反対側の眼の表面上に配置した別の同様の電極は基準リードとしての役目を果たした。応答を増幅させ(DC−100Hz、増幅率=1000×)(DP−301;Warner Instruments、Hamden、CT)、10Hzまたは1000Hzでデジタル化した。データをiWORX LabScribe Data Recording Software(iWorx0CB Sciences、Dover、NH)で分析した。刺激輝度を調整するために光路内にニュートラルデンシティフィルター(Oriel、Stratford、CT)を配置した、ファイバーライト高強度照明器(Dolan−Jenner Industries、Boxborough、MA)を使用して光チャネルから光刺激を誘導した。この実験で使用した刺激輝度は、3.22ログcd/m2であり、継続時間は4分間であった。ラット眼が位置している光ファイバー束の出力側に焦点をあてたMinolta(Ramsey、NJ)LS−110測光器を用いて輝度キャリブレーションを実施した。
AC−ERG記録中に、ベースラインから最初の負のトラフまでa波を測定した;最大b波振幅(Vbmax)を最初の負のトラフ(a波)からb波の最初の正のピークまで測定した。DC−ERG記録に対して、b波に続く第2の正のピークはc波であり、b波の後のトラフ(後電位;AP)からc波のピークまでこの振幅を測定した。高速振動(FO)の振幅をc波ピークからFOトラフまで測定した。光ピーク(LP)をFO最低値からLP最大まで測定した(Peachey、2002年)。
デジタル眼底カメラ(TRC−50EX;TOPCON)およびImagenet2000デジタル画像化システム(Topcon Medical Systems)を使用して、網膜有色像およびフルオレセイン血管造影図を記録した。フルオレセイン血管造影を使用する場合、10mgのフルオレセインナトリウムを、ラットの舌下静脈を介して注射した。麻酔および瞳孔拡大を上に記載のように実施した。
機能検査後、すべてのラットを屠殺した。約16匹のラット(異なるヒドララジン処置群に属する)において、眼を除去し、2.5%グルタルアルデヒド中に2時間固定し、次いで5%ホルマリン中に一晩固定した;各動物の一方の眼は組織学および免疫組織学研究に使用し、他方の眼はフラットマウント上の自己蛍光測定用に準備した。組織査定のため、パラフィン包埋した組織を3μmの厚さに切断した。垂直の経線に沿って角膜から視神経頭まで眼に切り込みを入れ、次いでヘマトキシリンおよびエオシンで着色した。Axioskop顕微鏡(Zeiss)を使用して画像を記録した。フラットマウント調製のため、各動物から1つの眼を摘出した。固定後、眼の前方部分、ならびに角膜、レンズおよび感覚網膜をそっと除去し、残りの眼杯をPBS中で洗浄した。端から中心にかけて4つの切れ目を入れることによって、眼杯をガラススライド上で平らにしやすくした。フラットマウント中のRPEの自己蛍光を研究し、アルゴンレーザー(波長488nm)を使用して共焦点顕微鏡(Zeiss LSM510;Zeiss)で記録した。
スチューデントt検定を統計分析のために使用した。インビボ実験に対して片側t検定を使用し、インビトロアッセイに対して両側t検定を使用した。
フルオレセイン血管造影および眼底写真
60mg/kgのNaIO投与量群において、注射後早くも3日目には全網膜中の過蛍光を観察した;しかし、この初期の時点において眼底像に明らかな変化は何も見られなかった。40mg/kgと30mg/kgのNaIOの両投与量群において、注射後3日目に部分的な網膜過蛍光を見ることができたが、この作用は、60mg/kg群において観察されたもののように明白ではなかった。注射後より長い時間が経過すると(28から56日の間と定義)、周辺網膜において低蛍光が明らかとなった。早くも7日目には、すべての3つの群において、黄色の斑点または瘢痕(これらはNaIOの投与量に関係し、ネクローシスを示すものであった)が網膜の周辺から中心までに見ることができた。20mg/kgのNaIO群では、眼底像およびフルオレセイン血管造影の両方において、28日目まで変化は明らかではなかった。
ERGに対するNaIOの作用
40または60mg/kgの投与量でのNaIOの単回注射は、最大b波振幅(Vbmax)に対して劇的な作用があり、これは、注射後3日目および7日目までに明らかとなった。処置後28日目までには60mg/kgの群においてERG b波は完全に消えた。40mg/kgの群において、b波の大きさは注射後3日目までに有意に低減し、この後のすべての時点において継続して低減した;56日目で、b波は測定不可能となった。20mg/kgのNaIOは、b波の大きさを7日目に低減したが、14日目以降は、対照群において見られるレベルまで回復した。
15または7.5mg/kgのNaIOの投与量は、ERG波のいずれも、いずれの時点においても抑制しなかった。30mg/kgのNaIOの単回注射は、注射後7日目でERG波のすべてにおいて低減を引き起こした。30mg/kg投与量群のa波およびb波信号は、この後の時点において回復したように見えた(14日および28日目)。対照的に、c波信号は、30mg/kgのNaIO注射後のすべての時点において抑制された。c波に対してFOおよびLP指標を測定したが、これらはc波データにおいて見られたNaIO投与量への応答を反映している。
ERG c波はRPEにおいて生じる。ERG c波信号に対するNaIOの抑制作用は、この化合物の既知の毒性作用と一致する。ERG c波信号の長期的抑制は、非浸出性AMDの研究に対するこのラットモデルの使用を裏付ける。
網膜組織病理学に対する作用
30mg/kgのNaIO群においていくつかの網膜壊死が、注射後3日目に出現し、より高い投与量群(すなわち、40または60mg/kgのNaIO)においてさらに重症になり、または注射後さらに長い時間でさらに重症になった。より低い投与量群(<30mg/kg)においてラットからの網膜に明らかな組織学的変化はなかった。同様に、網膜フラットマウント上でのRPE単層の検査は、注射後3日目で、より高い投与量群においてネクローシスの証拠を示した;30mg/kgのNaIOおよび低い投与量群では有意な変化は見られなかった。RPE細胞と光受容体細胞の両方の密度の低減は、60mg/kgの投与量群において、注射後3日目またはそれ以降の時点でラットからの網膜において明らかであった。40mg/kgの投与量群では、同様の変化が、注射後7日目から観察され始めた。30mg/kgのNaIOの投与量群では、RPE細胞内のメラニン顆粒の数の低減が、注射後7日目から指摘され始めた。20mg/kgのNaIOの投与量群では、明らかな変化は見られなかった。
フラットマウント調製物において、RPE細胞のレーザー誘発性自己蛍光を共焦点顕微鏡法で測定した。30mg/kgのNaIOまたはそれ以上の投与量の投与後、3日目に小さな孔がRPEに観察され、これらは注射後さらに長時間で数が増加した。RPE自己蛍光信号におけるこれらの欠陥は、RPE細胞のネクローシスの領域を示唆している。20mg/kgのNaIO投与量群では、RPE自己蛍光の中に小さな孔が7日目から観察され始め、より高い投与量群で観察された数より少なかった。
ヒドララジン製剤のNaIO誘発性損傷を遮断する能力
上に記載された時間依存性および投与量依存性実験の結果に基づいて、ラットERGパターンに対するNaIOの作用を遮断するヒドララジンの能力を試験するために、35mg/kgのNaIOの濃度および28日という時点が実験に選ばれた。正常な群には、NaIOをまったく与えず、生理食塩水のみの点眼剤を与えた。35mg/kgの投与量でNaIOを注射後4週目に、ERG c波振幅は、対照群のものの31%まで著しく落ち込んだ(P<0.01)。ヒドララジン1.0%+NaIO群のERG c波振幅は、対照群のものの50%に落ち込んだ(P<0.05)。1.0%ヒドララジン+NaIO群において観察されたc波信号の大きさは、NaIOのみの群の信号を有意に超えた(P<0.01)(図4)。これは、このモデルにおけるヒドララジン1.0%点眼剤の保護作用を実証している;ヒドララジンは、NaIO注射により引き起こされたRPE細胞への損傷の61%を遮断した(または回復させた)。
[実施例11]
網膜色素上皮細胞に対するヒドララジンの抗酸化作用
細胞損傷誘発性酸化ストレスの定量的測定
10%ウシ胎児血清、50単位/mLのペニシリン−ストレプトマイシンおよび2.5mMのグルタミンを補充したDulbecco改質必須培地(DMEM)内での、5%CO、37℃でのインキュベーションで、ヒトRPE細胞株ARPE−19(ATCC;Manassas、VA)を培養した。細胞株は形質転換せず、RPEに特徴的な構造および機能特性をインビボで有していた。細胞を96−ウェルプレートに播種し、3から10継代内でサブコンフルエントの細胞単層を研究した。実験手順の開始前、培地を除去し、1%の子牛の血清、0.06%のグルタミンおよび1%のペニシリン−ストレプトマイシンを補充した、フェノールレッドを含まない低グルコースDMEMと置き換えた。
培養したARPE−19細胞を、1×105個の細胞/mLの濃度で、96−ウェルプレートに播種した。細胞は、接触阻止を防止するために80%コンフルエンスに到達した時点で実験に使用した。ARPE−19細胞を、酸化ストレス(H、t−BHP)または低酸素(NaIO)をシミュレートするように作られている化学薬品に曝露し、様々な濃度のヒドララジン(1、3、10、30、または100μg/mL)の、損傷を遮断する能力を測定した。
酸化ストレスおよび低酸素実験のため、特定の化学薬品およびヒドララジン製剤の両方を(または、対照については化学薬品のみ)ウェルに加え、プレートを37℃で24時間インキュベートした。各培養物内の生細胞の相対的な数(生細胞だけしか、MTT分子を暗紫色の物質ホルマザンに変換するために必要とされるミトコンドリアの酵素活性を持たない)を判定する3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイを使用して細胞生存度を査定した(Swanson、1992年、Neurosci Lett、147巻(2号):143−146頁))。24時間の曝露後、MTT試薬:培養培地容量の比1:10でMTT試薬溶液(5mg/mL)を各ウェルに加えた。37℃で3時間、培養物をMTT試薬と共にインキュベートした。インキュベーションの終わりに、MTT溶液を除去し、0.1mLのジメチルスルホキシド(DMSO)を各ウェルに加えることによって紫色のホルマザン産物を可溶化した。SpectraCountプレートリーダー(Packard BioScience、Meridan、CT)を使用して、各試料の光学密度(OD)を570nm(A570)で測定することによって、生存細胞の割合を求めた。等しい密度で細胞を播種し、次いでMTTアッセイを実施し、並行した複製培養物について血球計算板細胞を手作業でカウントすることによって、MTT比色アッセイにおけるOD記録と正確な細胞数との間の関係を判定した。トリパンブルーを血球計算板培養物に加えて、生存可能な、色素を除いた細胞だけがカウントされるようにした。このアプローチは、A570対細胞数に対する検量線の確立を可能にした。
Swansonら(Swanson、1992年;Varming、1996年)により記載された、修正した方法を使用することによって、化学的低酸素を誘発させた。RPE細胞を洗浄し、様々な濃度のNaN3(0.1mM−100mM)を含有する新鮮なDMEM−F12培地に置き換えた。次いでヒドララジン製剤を加え、培養物および試験薬剤を37℃で24時間インキュベートした。培地を洗浄することによって、反応を停止させた。MTT試薬溶液(5mg/mL)を、MTT試薬:培養培地容量の比1:10で加え、次いで37℃で3時間インキュベートした。インキュベーションの終わりに、MTT溶液を除去し、0.1mLのDMSOを各ウェルに加えることによって、紫色のホルマザン産物を可溶化した。SpectraCountプレートリーダー(Packard BioScience、Meridan、CT)を使用して、各試料のODを570nmで測定することによって、生存細胞の割合を判定した。
すべてのデータは、平均値±標準誤差として提示した。対応のないスチューデントt検定を実施して、ある時点での2つの平均値間の有意性を分析した。この差はP<0.05において有意であるとみなされた。一酸化窒素測定に対する結果は、1x10個の細胞当たりの亜硝酸塩および硝酸塩のμMとして表現した。
tBHP誘発性毒性に対するヒドララジンの作用
0.01mMのtBHPでの侵襲後、対照の細胞生存度(tBHP単独で処置した細胞)は89.90%±2.80%に減少し、0.03mMのtBHPでの侵襲後、55.80%±4.08%に減少した。0.01mMおよび0.03mMのtBHPでの侵襲後、ヒドララジン製剤は、明らかな濃度依存性方式で、tBHP誘発性細胞損傷を阻害した。0.01および0.03mMのtBHPの両方での侵襲後、最大生存能力保護作用が、100μg/mLのヒドララジンで観察された(0.01mMのtBHPに対して109.99%±2.41%;0.03mMのtBHPに対して100.84%±13.00%);対照と比較した場合、これらの差は統計学的に有意であった(P<0.001)。統計学的に有意な保護作用(P<0.01)はまた、0.01mMのtBHPでの侵襲後の30μg/mLのヒドララジンおよび0.03mMのtBHPでの侵襲後のすべての濃度のヒドララジン(P<0.001)でも観察された。
ARPE−19細胞におけるH誘発性毒性に対するヒドララジンの作用
対照(H単独で処置した細胞)の細胞生存度は、0.3mMのHでの侵襲後、48.74%±2.40%に減少し、1.0mMのHでの侵襲後、41.28%±0.80%に減少した。0.3mMおよび1.0mMのHでの侵襲後、ヒドララジン製剤は、明らかな濃度依存性方式でH誘発性細胞損傷を阻害した。0.3mMのHでの侵襲後、最大生存能力保護作用が、30μg/mLのヒドララジンで観察された(74.30%±0.80%);対照と比較した場合、この差は統計学的に有意であった(P<0.001)。0.3mMのHでの侵襲後、最大生存能力保護作用が30μg/mLのヒドララジンで観察された(68.04%±0.67%);対照と比較した場合、この差は統計学的に有意であった(P<0.001)。統計学的に有意な保護作用はまた、0.3mMのHでの侵襲後の100μg/mL(P<0.001)および10μg/mL(P<0.001)のヒドララジン、ならびに1.0mMのHでの侵襲後の100μg/mL(P<0.001)のヒドララジンでも観察された。
ARPE−19細胞における低酸素誘発性細胞損傷に対するヒドララジンの作用
ProOx低酸素システムを使用して、インビトロの低酸素処置を行った。ARPE−19細胞は、一晩結合させておき、次いで、正常酸素または低酸素条件下で24、48および72時間の間ヒドララジン(0.1−100μg/mL)に曝露した。低酸素において、NおよびCOガス供給源付きの、OおよびCOコントローラー(ProOxモデル110およびProCO2モデル120;BioSpherix Ltd.、Redfield、NY)により温度制御および湿度制御された環境C−チャンバーを使用して1%Oおよび5%COの酸素濃度を維持した。培地を洗浄することによって、反応を停止させ、37℃で3時間、培養培地容量に対して1:10の希釈で5mg/mLのMTTを加えた。インキュベーションの終わりに、MTT溶液を除去し、細胞を0.1mL/ウェルDMSO中に溶解した。SpectraCountプレートリーダー(Packard BioScience、Meridan、CT)を使用して570nmで各試料のODを測定することによって、生存細胞の割合を判定した。
対照(ヒドララジン処置なしで、1%のO2および5%のCO2に曝露した細胞)の細胞生存度は、48および72時間で、それぞれ98.91%±0.56%および97.45%±0.52%であった。対照と比較して、ヒドララジン製剤は、低酸素誘発性細胞損傷を有意に逆転した。最大逆転作用は、1μg/mLのヒドララジンで、48時間(101.21%±0.54%;P<0.001)および72時間(103.55%±1.75%;P<0.001)の時点において見られた。
[実施例12]
ARPE−19細胞の一酸化窒素(NO)産生に対するヒドララジンの作用
以前のセクションに記載されたように、ヒドララジン製剤への曝露および化学物質とのインキュベーションの後、フェノールレッドの試料およびデキサメタゾンを含まない培養培地を抽出し、亜硝酸塩/硝酸塩Greiss試薬システムを使用して、一酸化窒素(NO)の比較的安定した最終生成物である亜硝酸塩および硝酸塩のレベルを判定した。60μLアッセイ緩衝液中の50μLアリコートのフェノールレッドを含まない培養培地を、それぞれ10μLの硝酸レダクターゼ調製物および硝酸レダクターゼコファクター調製物(独自仕様の濃縮物)(硝酸塩を亜硝酸塩に変換する)と共に、96−ウェルのミクロアッセイプレート内で、室温で60分間インキュベートした。必要とされるインキュベーション時間の後、10μLのDAN試薬を各ウェルに加え、10分間インキュベートし、次いで20μLのNaOHを各ウェルへ加えて反応を停止させた。SpectraCountプレートリーダー(Packard BioScience、Meridan、CT)を使用して、各試料のODを540nmで測定することによって、全亜硝酸塩/硝酸塩を求めた。硝酸塩検量線を用いてデータを計算した。
ヒドララジン製剤で処置後、NO産生の有意な作用は検出されなかった。
[実施例13]
塩酸ヒドララジン眼科用製剤を用いた非浸出性加齢黄斑変性(ドライ型AMD)の処置
この研究は、ビヒクル対照の、二重盲検、単一中心研究であり、軽度から中程度の非浸出性AMDを有する60名のヒト個人の1つの眼を、局所用塩酸ヒドララジン1%またはビヒクル対照のいずれかの投与を1日3回、2年間受けるようにランダムに割り当てた。すべての対象が12、18および24カ月の期間を完了したら、第1および第2のエンドポイントの分析を行う。
1%塩酸ヒドララジン眼科用溶液は、1%(10mg/mL)塩酸ヒドララジンを含有する無色の等張液として供給されるが、これは、濾過滅菌されている。不活性成分は以下を含む:保存剤としての塩化ベンザルコニウムおよびメチルパラベンに加えて、pH範囲3.8−4.4および重量オスモル濃度範囲300−340mOsmol/kgでの、酢酸塩緩衝溶液中のエデト酸二ナトリウム、塩化ナトリウムおよびプロピレングリコール(すべて米国薬局方[USP]等級)。
ビヒクルは、塩酸ヒドララジン眼科用溶液と等しい方式で製造するが、活性剤を含まない。各ボトルは、7mLを含有し、ボトルは、1滴当たり40から50マイクロリットルを測定する滴びんを有する。
製剤およびビヒクル対照は、1日3回:朝、午後および晩に患者により自己投与される。各液滴は、保存剤を加えた無菌生理食塩水ビヒクル中の40−50μL液滴の1%塩酸ヒドララジン活性成分からなる。薬物またはビヒクルは、24カ月間、研究用の眼TIDに1滴の滴下により自己投与される。
処置前の眼検査(処置眼のみ)を実施するが、これは以下を含む:ETDRS視力、屈折、眼内圧、瞳孔の査定、スリットランプ検査(まぶた/まつ毛、結膜/強膜、角膜、前眼房、虹彩、レンズ、前方の硝子体を査定)および拡張型眼底検査(視神経、硝子体、血管、網膜黄斑および末梢を査定)。処置眼のさらなる試験は以下を含む:暗順応、フラビンタンパク質蛍光、リポフスチン蛍光、色眼底写真、OCTおよび脈絡膜の流量測定。処置後1カ月および3カ月の時点で、以下を含む研究眼の眼検査を実施する:ETDRS視力、屈折、眼内圧、瞳孔査定、スリットランプ検査(まぶた/まつ毛、結膜/強膜、角膜、前眼房、虹彩、レンズ、前方の硝子体を査定)および拡張型眼底検査(視神経、硝子体、血管、網膜黄斑および末梢を査定)。6、12、18および24カ月の時点で、処置眼の眼検査ならびに処置眼の試験を実施する。
臨検全域での桿体妨害データの勾配(最も良い線形適合)を計算して、変化の年率換算を得ることによって、桿体妨害におけるベースラインからの変化について処置群を比較することにより、主要な有効性の尺度である暗順応(桿体妨害)を分析する。暗順応は、網膜外層のパラメータ、例えば、桿体機能などの定量化を可能にする。これは、Jacksonら(J Ocul Biol DisInform.、1:7−11頁、2008年)に記載された方法を使用して、コンピュータ化された暗順応計(AdaptDx;Apeliotus Technologies、Atlanta、GA、USA)で測定する。暗順応機能は、Igor Pro(Wavemetrics、Portland、OR、USA)を使用してプロットする。第1のエンドポイントは桿体妨害であり、これは数分で測定され、機器上に提示される。さらなる尺度として、円錐体感度のプラトー値、桿体−円錐体破壊および桿体感度回復勾配が挙げられる。暗順応試験は、ベースラインおよび処置後6、12、18および24カ月の時点で実施される。
第1の有効性分析は、12カ月データについて行う。研究は、24カ月まで通して二重盲検を継続し、18カ月および24カ月の時点で有効性および安全性についてさらに分析する。
対象が1つの尺度しか提供しない場合、ゼロの勾配が振り分けられる。処置の割当は固定要素であり、ベースラインの桿体妨害は共変量である共分散モデルの分析を使用して、平均勾配における群間の差を試験する。勾配の欠損に対しておよび群間に差分欠損が存在する場合ゼロの値を振り分けられた群に対して、異なるインピュテーション方法を用いて感度分析を実施する。
各群内の30の試料サイズは、両側の有意レベル0.05を有する2群t検定を使用して、少なくとも0.863である、平均値における差と共通標準偏差との比を検出するため90%の検出力を有する。
例:SDが4分間であり、群間の差が1年あたり3.45分間であった場合、30/群では90%の検出力が存在する(3.45/4.00=0.863)。
第2の有効性の尺度として、以下が挙げられる:ETDRS視力、フラビンタンパク質蛍光、リポフスチン自己蛍光、カラー写真、OCT、暗順応(円錐体感度、桿体−円錐体破壊、桿体感度回復勾配)および脈絡膜の流量測定。主要な第2のエンドポイント分析として以下が挙げられる:
すべての対象が18カ月の期間を完了している場合、査定したベースラインからの桿体妨害時間の変化
すべての対象が24カ月の期間を完了している場合、査定したベースラインからの桿体妨害時間における変化
フラビンタンパク質蛍光の平均強度。OcuMet Beacon(OcuMet Beacon、OcuScience Inc.、Ann Arbor、MI)は、網膜組織のフラビンタンパク質蛍光(FPF)を測定する。このFPF信号は、網膜組織内のミトコンドリアの代謝状態と相関することが示されている。グレイスケール単位(gsu)および平均曲線幅におけるFPFの平均強度は、ベースライン尺度および対照対象と比較して、組織機能障害のレベルを区別するための機能的尺度として使用することができる。窩を中心とした5つのFPF画像を処置眼から得る。512×512ピクセルファイルとして保存したFPF画像を分析して、ヒストグラムを作成する。0から65,536のグレイスケール単位の範囲のピクセル強度のヒストグラムを、処置眼に対してプロットすることによって、グレイスケール平均単位波形を作成する。フラビンタンパク質蛍光像をベースライン、さらに処置後の6、12、18および24カ月の時点で撮る。OcuScience、Incにおいて開発されているコンピュータサイエンスの専門的知識を利用して、マスクされた様式で分析を実施する。
リポフスチン蛍光の平均強度:リポフスチンは、脂質リソソーム分解から誘導され、網膜色素上皮(RPE)内のこの蓄積はRPE疾患および光受容体変性の有用なマーカーである。逆に、リポフスチン蛍光の損失は、RPE細胞が失われるにつれて、AMDにおける地図状萎縮の徴候となり得る。したがって、眼底自己蛍光は、AMDにおける疾患進行の有用なモニタリング法としての役目を果たすことができる。フラビンタンパク質蛍光の定量化と同様に,ピクセル強度のヒストグラムを処置眼に対してプロットすると、平均グレイスケール単位波形が生じる。さらに、地図状萎縮は定性的に観察される。リポフスチン蛍光画像は、スクリーニング、ベースライン、さらに処置から6、12、18および24カ月後に得る。
光干渉断層撮影による網膜の平均厚さ。処置割当が固定要素であり、ベースライン桿体妨害が共変量である共分散モデルの分析を使用して、ベースラインからの平均変化における群間の差を試験した。概要は、両方の観察された症例に対しておよび進められた最終観察に対する結果を提供している。スペクトルドメインOCT(Heidelberg Spectralis、Heidelberg Engineering Inc.、Heidelberg、Germany)を用いて、約5ミクロンまでの解像度で中心の網膜黄斑の断面の画像を得ることができる。画像化後の分析により、中心の網膜厚さ、内節/外節(IS/OS)破壊の完全性、硝子体牽引の存在、より高度な深度画像化を用いた脈絡膜の厚さおよび脈絡膜の新生血管性膜または色素上皮の解離の存在が定量化されることになる。OCTは、スクリーニング、ベースラインさらに処置後6、12、18および24カ月の時点で撮る。
1.約0.02−2重量%の間の量でヒドララジンを含む、医薬として活性のある薬物、
3.9−4.5の間のpHを有する、8−12重量%の間の量の酢酸塩緩衝溶液、
0.5−2重量%の間の量のプロピレングリコール、
0.25−1重量%の間の量の塩化ナトリウム、
0.015−0.06重量%の間の量のメチルパラベン、
0.01−0.04重量%の間の量で存在する、50%溶液の形態での塩化ベンザルコニウムおよび
0.008−0.030重量%の間の量のエデト酸二ナトリウム
を含む眼科用組成物であって、4.0−4.4の間のpHを有する組成物。
2.薬物が塩酸ヒドララジンである、実施形態1に記載の組成物。
3.薬物が、0.5−2重量%の間の量で存在する、単一のまたは合わせた実施形態1または2に記載の組成物。
4.酢酸塩緩衝溶液がpH4.2を有し、10重量%の量で存在する、単一のまたは合わせた実施形態1から3に記載の組成物。
5.酢酸塩緩衝溶液が、酢酸ナトリウムおよび2N酢酸で構成されている、単一のまたは合わせた実施形態1から4に記載の組成物。
6.プロピレングリコールが、1重量%の量で存在する、単一のまたは合わせた実施形態1から5に記載の組成物。
7.メチルパラベンが、0.03重量%で存在する、単一のまたは合わせた実施形態1から6に記載の組成物。
8.50%溶液の形態での塩化ベンザルコニウムが、0.02重量%で存在する、単一のまたは合わせた実施形態1から7に記載の組成物。
9.エデト酸二ナトリウムが、0.015重量%で存在する、単一のまたは合わせた実施形態1から8に記載の組成物。
10.水と、pH3.9−4.5を有する酢酸塩緩衝溶液とを混合することによって、第1の中間混合物を形成するステップであって、酢酸塩緩衝溶液が、製剤中に約8−12重量%の間の酢酸塩緩衝溶液が得られる量で加えられるステップ、
第1の中間混合物にエデト酸二ナトリウムを加えることによって、第2の中間混合物を形成するステップであって、エデト酸二ナトリウムが、製剤中に約0.008−0.030重量%の間のエデト酸二ナトリウムが得られる量で加えられるステップ、
第2の中間混合物にプロピレングリコールを加えることによって、第3の中間混合物を形成するステップであって、プロピレングリコールが、製剤中に約0.5−2重量%の間のプロピレングリコールが得られる量で加えられるステップ、
第3の中間混合物に塩化ナトリウムを加えることによって、第4の中間混合物を形成するステップであって、塩化ナトリウムが、製剤中に約0.25−1重量%の間の塩化ナトリウムが得られる量で加えられるステップ、
第4の中間混合物に塩化ベンザルコニウムを加えることによって、第5の中間混合物を形成するステップであって、塩化ベンザルコニウムが、製剤中に約0.01−0.04重量%の間の塩化ベンザルコニウムが得られる量で加えられるステップ、
第5の中間混合物にメチルパラベンを加えることによって、第6の中間混合物を形成するステップであって、メチルパラベンが、製剤中に約0.015−0.06重量%の間のメチルパラベンが得られる量で加えられるステップ、および
第6の中間混合物にヒドララジンを含む医薬として活性のある薬物を加えることによって、前記製剤を形成するステップ
を含む眼科用製剤を調製するための方法。
11.加えるステップのうちの1つ以上が、加えながら混合するステップを含む、実施形態10に記載の方法。
12.酢酸塩緩衝溶液が、製剤中に10重量%の酢酸塩緩衝剤が得られる量で加えられる、単一のまたは合わせた実施形態10から11に記載の方法。
13.酢酸塩緩衝溶液が、酢酸ナトリウムおよび2N酢酸で構成されている、単一のまたは合わせた実施形態10から12に記載の方法。
14.エデト酸二ナトリウムが、製剤中に0.015重量%のエデト酸二ナトリウムが得られる量で加えられる、請求項単一のまたは合わせた実施形態10から13に記載の方法。
15.プロピレングリコールが、製剤中に15重量%のプロピレングリコールが得られる量で加えられる、単一のまたは合わせた実施形態10から14に記載の方法。
16.塩化ナトリウムが、製剤中に0.5重量%の塩化ナトリウムが得られる量で加えられる、単一のまたは合わせた実施形態10から15に記載の方法。
17.塩化ベンザルコニウムが、製剤中に0.02重量%の塩化ベンザルコニウムが得られる量で加えられる、単一のまたは合わせた実施形態10から16に記載の方法。
18.メチルパラベンが、製剤中に0.03重量%のメチルパラベンが得られる量で加えられる、単一のまたは合わせた実施形態10から17に記載の方法。
19.医薬として活性のある薬物が、0.5−2重量%の間で製剤中に存在するヒドララジンである、単一のまたは合わせた実施形態10から18に記載の方法。
20.黄斑変性のリスクがあるまたは黄斑変性と診断された対象の眼に、請求項1から9のいずれか一項に記載の眼科用組成物または請求項10から19に記載の方法に従い調製された製剤を投与するステップを含む、黄斑変性を処置するための方法。
21.前記黄斑変性が加齢ドライ型黄斑変性である、実施形態20に記載の方法。
22.黄斑変性の処置において使用するための、合わせたもしくは別個の実施形態1から9に記載の組成物または合わせたもしくは別個の実施形態10から19に記載の方法により形成された眼科用製剤。
23.ドライ型加齢黄斑変性の処置において使用するための、実施形態22に記載の組成物または製剤。
いくつかの典型的な態様および実施形態が上記で考察されてきたが、当業者は、このある修正、変形、追加および下位の組合せを認識している。したがって、以下の添付の特許請求の範囲およびこれより以下に導入されている特許請求の範囲は、すべてのこのような修正、変形、追加および下位の組合せを、これらの真の趣旨および範囲内に含むものとみなす。

Claims (23)

  1. 組成物であって、約0.02−2重量%の間の量でヒドララジンを含む、医薬として活性のある薬物、
    3.9−4.5の間のpHを有する、8−12重量%の間の量の酢酸塩緩衝溶液、
    0.5−2重量%の間の量のプロピレングリコール、
    0.25−1重量%の間の量の塩化ナトリウム、
    0.015−0.06重量%の間の量のメチルパラベン、
    0.01−0.04重量%の間の量で存在する、50%溶液の形態での塩化ベンザルコニウムおよび
    0.008−0.030重量%の間の量のエデト酸二ナトリウム
    を含む眼科用組成物であって、4.0−4.4の間のpHを有する組成物。
  2. 薬物が塩酸ヒドララジンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 薬物が、0.5−2重量%の間の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
  4. 酢酸塩緩衝溶液がpH4.2を有し、10重量%の量で存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 酢酸塩緩衝溶液が、酢酸ナトリウムおよび2N酢酸で構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  6. プロピレングリコールが、1重量%の量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. メチルパラベンが、0.03重量%で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 50%溶液の形態での塩化ベンザルコニウムが、0.02重量%で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. エデト酸二ナトリウムが、0.015重量%で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 眼科用製剤を調製するための方法であって、水と、pH3.9−4.5を有する酢酸塩緩衝溶液とを混合することによって、第1の中間混合物を形成するステップであって、酢酸塩緩衝溶液が、製剤中に約8−12重量%の間の酢酸塩緩衝溶液が得られる量で加えられるステップ、
    第1の中間混合物にエデト酸二ナトリウムを加えることによって、第2の中間混合物を形成するステップであって、エデト酸二ナトリウムが、製剤中に約0.008−0.030重量%の間のエデト酸二ナトリウムが得られる量で加えられるステップ、
    第2の中間混合物にプロピレングリコールを加えることによって、第3の中間混合物を形成するステップであって、プロピレングリコールが、製剤中に約0.5−2重量%の間のプロピレングリコールが得られる量で加えられるステップ、
    第3の中間混合物に塩化ナトリウムを加えることによって、第4の中間混合物を形成するステップであって、塩化ナトリウムが、製剤中に約0.25−1重量%の間の塩化ナトリウムが得られる量で加えられるステップ、
    第4の中間混合物に塩化ベンザルコニウムを加えることによって、第5の中間混合物を形成するステップであって、塩化ベンザルコニウムが、製剤中に約0.01−0.04重量%の間の塩化ベンザルコニウムが得られる量で加えられるステップ、
    第5の中間混合物にメチルパラベンを加えることによって、第6の中間混合物を形成するステップであって、メチルパラベンが、製剤中に約0.015−0.06重量%の間のメチルパラベンが得られる量で加えられるステップ、および
    第6の中間混合物にヒドララジンを含む医薬として活性のある薬物を加えることによって、製剤を形成するステップ
    を含む眼科用製剤を調製するための方法。
  11. 加えるステップの1つ以上が、加えながら混合するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 酢酸塩緩衝溶液が、製剤中に10重量%の酢酸塩緩衝剤が得られる量で加えられる、請求項10から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 酢酸塩緩衝溶液が酢酸ナトリウムおよび2N酢酸で構成されている、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. エデト酸二ナトリウムが、製剤中に0.015重量%のエデト酸二ナトリウムが得られる量で加えられる、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. プロピレングリコールが、製剤中に15重量%のプロピレングリコールが得られる量で加えられる、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 塩化ナトリウムが、製剤中に0.5重量%の塩化ナトリウムが得られる量で加えられる、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 塩化ベンザルコニウムが、製剤中に0.02重量%の塩化ベンザルコニウムが得られる量で加えられる、請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. メチルパラベンが、製剤中に0.03重量%のメチルパラベンが得られる量で加えられる、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 医薬として活性のある薬物が、0.5−2重量%の間で製剤中に存在するヒドララジンである、請求項10から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 黄斑変性の処置において使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
  21. 黄斑変性がドライ型加齢黄斑変性である、請求項20に記載の組成物。
  22. 黄斑変性のリスクがあるまたは黄斑変性と診断された対象の眼に、請求項1から9のいずれか一項に記載の眼科用組成物または請求項10から19のいずれか一項に記載の方法に従い調製された製剤を投与するステップを含む、黄斑変性を処置するための方法。
  23. 黄斑変性が、加齢ドライ型黄斑変性である、請求項22に記載の方法。
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