JP2015514221A - 原子力発電所用給水分配システムおよび原子力発電所の運転方法 - Google Patents

原子力発電所用給水分配システムおよび原子力発電所の運転方法 Download PDF

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Abstract

原子炉圧力容器(1)の内部に配置された少なくとも2つの給水分配器(20)からなる原子力発電所用給水分配システム(12)が次のように構成されている:すなわち、このシステムは、始動時および部分負荷運転時により小さい機械的負荷のもとで供給水を均等に供給するとともに、原子力発電所で通常行われている安全を確保しつつ個々のコンポーネントの冗長性を有する。さらにこの給水分配システム(12)は本発明により次のように構成されている:すなわち、それぞれの給水分配器(20)が1個の内部流路(30)を備えた厳密に1つのリング状本体部(17)と、少なくとも1つの注入開口(26)を介して内部流路(30)と流体的に接続されている少なくとも1つの注入短管(24)と、内部流路(30)と流体的に接続されている多数の出口ノズル(22)とを有し、1つの給水分配器(20)のそれぞれの注入短管(24)がその給水分配器(20)のそれぞれの出口ノズル(22)と流体的に接続されている。このような給水分配システム(12)を備えた原子力発電所の運転のための特に適切な方法において、始動時には厳密に1つの給水分配器(20)が使用され、全負荷運転時には1つよりも多い給水分配器(20)が使用される。【選択図】図2

Description

本発明は、原子炉圧力容器の内部に配置された少なくとも2つの給水分配器からなる原子力発電所用の給水分配システムおよび原子力発電所の運転方法に関する。本発明はさらに原子力発電所に関する。
原子力発電所では原子炉圧力容器内の炉心における制御された核分裂により熱が発生される。この熱により、炉心を通ってポンプで送られる冷却材が加熱され、こうして炉心および原子炉圧力容器から熱が運び出される。人間にとって危険な放射能があるので、原子炉圧力容器に加えて、放射能を有する放射の大部分を吸収すべく、通常は原子力発電所内にさらに遮蔽あるいは保護シールドが設けられている。
様々なタイプの原子炉があり、これらでは核燃料、冷却循環路およびモジュレータが異なっている。
軽水炉に属する沸騰水形原子炉では厳密に1つの蒸気・水循環路があり、1次と2次の分離された循環路が存在する加圧水形原子炉とは異なる。通常、沸騰水形原子炉では余熱された水が原子炉圧力容器にポンプで送られる。そこに存在する熱によってこの水は蒸気として原子炉圧力容器から排出され、1台または複数台のタービンを駆動し、凝縮する。引き続きこの凝縮水はポンプにより原子炉圧力容器に戻される。通常は給水器の前に給水容器が接続されており、この給水容器の中で温度バランスおよび/または圧力バランスのためにこの流体が先ず集められる。殆どの場合、水は給水の前にさらに予熱器を貫流し、これによって凝縮水の温度を原子炉圧力容器内の温度に近づけることができる。
原子炉圧力容器自身における水の分配のために、1つの給水分配器を有する給水分配システムが備えられており、これを簡略化してシステムと呼ぶ。出願人の会社でよく使用されている1つのシステムでは、この給水分配器は厳密に1つのリング状の本体部から成り、この本体部は2つまたは4つの中空の部分セグメントに分割されている。部分セグメントが4つの場合には、各部分セグメントはほぼ1/4円に亘っており、それぞれが1つの給水短管および多数の排水ノズルと接続されている。これら複数の給水短管は通常は対称的に分布されているので、それぞれ2つの給水短管が対向して原子炉圧力容器内に配置されている。すなわち、給水短管が4つの場合には、十字形が形成される。給水分配器の2つまたは4つの部分セグメントは同数の給水配管により水で満たされ、この場合、これら複数のそれぞれの給水配管、そしてその結果として、給水分配器のこれらの部分セグメントは別々に接続可能である。原子炉内では水を使用するほかに、他の流体を使用することも可能であり、これらの他の流体はこの給水分配器により原子炉圧力容器に供給される。したがって、以降では「供給水」という用語は広義に解釈されるべきであり、そのような複数の場合を含む。
この給水分配システムは原子炉圧力容器内で供給される十分に多量の供給水を供給しなければならないので、特に、そこにかかっている圧力にも基づいて、循環路が生じ、原子炉熱を外へ導くことができる。
出願人の会社でよく使用されている給水分配器は全負荷用に設計されているので、給水配管、注入短管や本体部などの大きさは、全負荷運転時に原子炉圧力容器への適切な給水が行われるように選ばれている。しかし、原子炉の部分負荷運転時や始動時にはより少ない給水を行うことができる。1つの給水分配器を適切に利用するためには、とりわけこの中に最低圧力がかかっていなければならないので、この場合には複数の給水配管の一部だけが使用されるが、これはアクティブな制御またはパッシブな部品により行われる。例えば、そこにある複数の給水配管の中の1つだけに、すなわち、複数の部分セグメントの中の1つだけにこの流体が流されると、このことは、リング状の配置に基づき、この流体が原子炉圧力容器内部でもはや均等ではなく、非対称に分配されることをも意味する。
非対称な給水は多くの重大な不利益を惹き起こす。一つには、原子炉圧力容器内の直接給水個所と給水されない個所との間で高い温度差が生じ、これにより原子炉圧力容器の特に内壁における材料疲労および材料破壊が生じることがある。他方、不均等な給水により、原子炉の熱の一部が遅れて排出されるので、効率低下が見込まれるとともに、原子炉圧力容器の一部に高い絶対温度が生じることになる。とりわけ危機的な炉心溶融時に生じる原子炉の過負荷時にも、このようなシステムには多くのデメリットが生じる。というのは、通常は付加的な緊急冷却要素が使用されるように、その大きさが過負荷時の場合に対して条件付きで設計されているからである。もう1つのデメリットは真の冗長性が欠如していることである。例えば、1つの給水配管および/または1つの給水分配器が動かなくなった時には、炉心への給水はこの故障が直るまでは不均等のままである。
そこで本発明の課題は、一方では、始動時および部分負荷運転時に、より少ない機械的負荷のもとで供給水の均等な分配を行い、他方では、原子力発電所で通常行われている安全性を確保しつつ個々のコンポーネントの冗長性を有する給水分配システムを提供することにある。さらにこの種の給水分配システムを使用して原子力発電所の特に適切な運転方法が提示される。
給水分配システムに関する課題は本発明により以下により解決される。すなわち、それぞれの給水分配器が、
・1つの内部流路を備えた厳密に1つのリング状本体部を有し、
・少なくとも1つの注入短管を有し、この注入短管が少なくとも1つの注入開口を経由して前記内部流路と流体的に接続されており、
・多数の出口ノズルを有し、これらのノズルが前記内部流路と流体的に接続されており、
さらに、1つの給水分配器のそれぞれの注入短管がその給水分配器の各出口ノズルと流体的に接続されている。
有利な諸形態は下位請求項の主題である。
本発明は、始動時および部分負荷運転時には全負荷運転時よりも少ない量の供給水があればよいという考察に基づく。このためには給水システムの部分的故障時に炉心への供給水の供給が維持されねばならないし、この供給水はできるだけ均等に原子炉圧力容器内で分配されなければならない。1つの給水分配器の中に多数の分離された中空体を有する、従来よく使用されてきた給水システムの個々の部分セグメントは、これらに特定の流量と特定の圧力が必要となるように設計されている。しかし、例えば、原子炉の始動時には供給水の需要はより少ないので、通常は幾つかの部分セグメントだけが使用される。非対称な注入の結果でもあるが、これらの部分セグメント内の温度が異なることにより、機械的な負荷が発生し、これによってクラック形成が助長されることにもなる。
本発明により、1つの給水分配器を、給水分配器の1つの貫通した中空の本体部からでも構成することが可能であることが分かった。この場合、全ての出口ノズルが1つまたは複数の注入短管と流体的に接続されている。こうして、唯一の給水分配器によって、炉心への均等で対称的な給水を行うことができる。1つの給水分配器を目的に適うように構成するに際して、この給水分配器を部分負荷運転に適するように設計するとよい。全負荷運転時の供給水の量はより多いので、この給水分配システムは少なくとも2つのこのような給水分配器からなるように構成される。すなわち、始動時および部分負荷運転時には供給水を対称的に分配する1つの給水分配器で十分である。これは1つの貫通する内部流路を有しているので、導入された供給水に起因するこの給水分配器自身の内部における非対称な熱分布をも避けることができ、これによって、発生する機械的な負荷をより小さくすることができる。第2の給水分配器は供給水需要がより大きい時にアクティブにまたはパッシブに接続され、同様に均等に給水する。通常の全負荷運転を超えた供給水需要が生じた場合には、全負荷運転のために備えられている給水分配器の台数を超えてさらに複数の給水分配器を追加接続することも考えられ、これによって、全負荷運転時の冷却需要を超える冷却が不可欠な緊急時に対する給水を行うことができる。互いに別々に注入され、且つ、それぞれ自身が均等な給水を実施する複数の給水分配器を備えた給水分配システムの的確な設計に基づいて、このシステムの冗長性も与えられ、これにより部分故障あるいは損傷時に原子力発電所の継続運転が支援される。
供給水の特に均等な分配を達成するために、有利な形態において、複数の出口ノズルはそれぞれの給水分配器の本体部にわたって周囲方向に見て均等に分布されている。
沸騰水形原子炉でよく使用されている原子炉圧力容器への均等な給水のために、有利な形態では、それぞれの給水分配器は40個〜50個の出口ノズルを有する。このことによって、とりわけ、これらの出口ノズルおよび通常使用されている原子炉圧力容器の諸特性に考慮をはらうことができる。
給水分配器のできるだけ高い安定性を得るために、有利な形態では、それぞれの給水分配器の本体部は1つのほぼ円形の断面を有する。すなわち、通常は円形断面は高い安定性につながる。さらに、原子炉圧力容器内で蒸気と接触する給水分配器の外側表面積は他の多くの構造形状よりも小さいので、この給水分配器の熱負荷は小さく抑えられる。
それぞれの給水分配器が均等に原子炉圧力容器に給水するこのシステムの冗長性のある設計に対して、有利な形態では、これら複数の給水分配器の複数の本体部は上下に重ねて配置されている。こうして、これらは原子炉圧力容器のほぼ同一領域を覆うので、1つの給水分配器が故障した時に他の1つがその役目を引き受けることができる。1つの給水分配器から2つあるいはそれ以上の給水分配器に切り替える時にも、適切な形状に構成されたそれぞれの給水分配器による均等な給水が可能である。このような積み重ね構造にすれば、原子炉圧力容器の内部空間を適切に有効利用することもできる。
特に原子炉圧力容器の床部に供給水を供給すべく、有利な形態では、少なくとも1つの給水分配器の複数の出口ノズルの全てのノズル開口が原子炉圧力容器の床に向けられている。このようなアラインメントにより、供給水は優先的に床方向に導かれるので、これは特別に適切な方法で、特に液状で、床部に到達することができる。このノズルアラインメントにより、さらに、床部において一時的な過圧が生じるので、通常は原子炉圧力容器の上部に設けられた取り出し開口を通って排出される供給水ないし蒸気の循環路の発生が促進される。
原子炉圧力容器内における、および原子炉圧力容器に通じる複数の給水配管における空間的な制約に適切に対処するために、この給水分配システムは、好ましい形態では、2個以上で4個以下の給水分配器を有する。全負荷運転用に少なくとも2つの給水分配器が設けられており、他方では、給水分配器の数はとりわけ、原子炉圧力容器の壁を通る複数の貫通部(これらは部分的には脆弱箇所となる)に基づいて制限されているので、2個から4個の間という給水分配器の数は、これらの両条件に適切に対応していることが分かった。
特に、緊急システムとしても考慮されたこの給水分配システムの別の構成では、この給水分配システムは、有利な形態において、2つよりも多い給水分配器を有する。給水分配器のこのような数によって、例えば、部分負荷運転時には厳密に1つの給水分配器を、全負荷運転時には厳密に2つの給水分配器を使用することが可能である。こうして、より強力な冷却が必要な緊急時には、供給水を同様に均等に原子炉圧力容器内に導入する少なくとももう1つの給水分配器を追加接続することが可能である。この場合、複数の給水分配器の中の1つの故障を補償することもできる。
それぞれの給水分配器の安定性を確保し、これを適切に固定するために、有利な形態では、それぞれの本体部が複数の保持要素を有し、これらの保持要素を用いて本体部が原子炉圧力容器の内壁に固定されている。特にこのような固定により、一方では給水分配システムのモジュール的な特徴が支援される。例えば、故障時には個々の部品だけを交換すればよい。他方では、本体部と原子炉圧力容器の内壁との間の温度差が考慮に入れられる。というのは保持要素はもう1つの機能において熱的な緩衝機能を果たすことができるからである。
原子炉圧力容器内の様々な部品間の温度差により生じる機械的負荷に対称性を持たせるようにするために、有利な形態では、これら複数の保持要素はそれぞれの給水分配器の本体部に、本体部の1つの注入開口または1つの注入短管を中心にして対称的に配置されている。特にこの注入短管またはこれと接続された複数の注入開口を介して熱が搬送され、その周辺の部品に伝達されるので、これら複数の部品は、同一の、または少なくとも類似の負荷を受けるようにするために、同じように構成されていなければならない。原子炉圧力容器の内壁への結合部および、それに関して、これら保持要素は、一方では、多くの場合は脆弱箇所であり、他方では、それ自身が本体部と原子炉圧力容器の内壁との熱的結合を行うので、これらは望ましい方法で機械的負荷が均等に作用するように分布されている。
原子炉圧力容器を通る貫通部の数を少なくするために、それぞれの給水分配器は、有利な形態では、厳密に1つの注入短管を有する。原子炉圧力容器を通る複数の貫通部は一方では複雑であり、したがってコスト高となる。他方、これらは
しばしば脆弱箇所となる。特に、原子炉圧力容器の内壁とは異なる温度を有する供給水の導入配管は、機械的な負荷に曝されている。そこで、貫通部の数を少なく抑えるのが望ましい。注入短管は給水配管ないし貫通部と直接に接しており、また、給水分配器の1つまたは複数の開口部と流体的に接続されているので、1つの注入短管を1つの貫通部に対して対を成すものとして使用することが望ましい。さらに、この注入短管は本体部と原子炉圧力容器の内壁との熱的な結合部であり、このことによって回避可能な機械的応力を解消することができる。
本体部の内部流路における供給水の特に適切な分配のために、有利な形態において、それぞれの本体部はその1つの注入短管に対して2つの注入開口を有する。本体部のリング状の形状に基づき、本体部への対称的な給水が望ましく、これによって供給水は内部流路内で均等に分布する。注入開口が1つの場合には、理想的には、供給された供給水の半分が本体部の片方に向けて移動し、残りの半分が反対側に向けて移動されることを意味する。これを実現するための1つの有効な手段は、複数の注入開口を経由し、対称的で、且つ、予め内部流路のそれぞれの方向に向けられた給水をおこなうことである。特に有利な形態では、それぞれの本体部の内部流路は両方の注入開口の間で例えば1つの分離壁で付加的に遮断されている。特にこのような遮断によって、供給水は内部流路内で対称的に分布するので、原子炉圧力容器の対称的な給水が有利に行われる。
有利な形態では、原子炉が上述した給水分配システムの1つを有し、これにより、運転時に、一方では、殆どの場合に原子炉圧力容器への対称的な給水が確保され、他方、給水分配システムの複数のコンポーネントに冗長性を持たせることが可能となる。
原子力発電所の運転方法に関する前述した課題は、原子力発電所が上述した給水分配システムの1つを有し、始動運転時には厳密に1つの給水分配器が使用され、全負荷運転時には1つよりも多い給水分配器が使用されることにより解決される。
このような展開により、その都度必要な供給水量を考慮したうえで、原子炉圧力容器の特に対称的な給水が達成できる。原子炉の始動時および部分負荷運転時には供給水の量はより少なくてすむので、より少ない供給水量だけを分配すればよい。このような運転モードではこの給水分配システムを利用して、厳密に1つの給水分配器だけを使用した特に効果的な給水が実現できる。全負荷運転のような他の運転時には、原子炉の熱を排出するためにより多量の供給水が必要となる。2つの給水分配器を使用することによって、この供給水量の供給とその分配を効果的に達成することができる。これらの給水分配器の寸法は、始動時には1つの給水分配器により、そして全負荷時には2つの給水分配器により、対称的な給水が効果的に行われるように設計することができるので、原子力発電所の特にこのような運転方法はこのシステムを効果的に利用するものである。
本発明による利点は特に、少なくとも2つのリング状ないしトーラス状の給水分配器を使用することによって、一方では、様々な運転モードにおける原子炉圧力容器への対称的な給水が可能になることにある。他方、このシステムは、その多重で対称性を有する設計により、特に原子力発電所の安全思想を考慮に入れた冗長性を有する。また、熱伝達により生じ、給水分配システムまたは原子炉圧力容器内でクラックの形成を助長する機械的な負荷を低減することができる。さらに、このシステムとその給水分配器のモジュール的な特徴に基づいて、故障した部品の交換が容易になる。
本発明の1実施例を3つの図に基づいて詳細に説明する。
1つの給水分配システムを有する原子炉圧力容器 2つの給水分配器からなる給水分配システム 2つの給水分配器の、上下に重ねて配置された2つの円筒状本体部の断面図 同一部分には全ての図で同一符号が付されている。
図1は原子炉圧力容器1を示し、その下部領域は炉床2とも呼ばれる。原子炉圧力容器1内には炉心4があり、これ自身は炉心シュラウド6で囲まれている。炉心は上方で通常は炉心シュラウドカバー8で覆われている。炉心4内での放射性核崩壊とそれに伴って発生する熱は制御棒10で制御される。炉心4内で加熱され、熱の搬送を担う供給水は、給水分配システム12により原子炉圧力容器1に供給される。この供給水は導入管14を通って外部から原子炉圧力容器1内にもたらされ、次いで、給水分配システム12を介して原子炉圧力容器1内で分配される。給水分配システム12と炉心4の選ばれた配置に基づいて、この供給水を給水分配システム12から下方へ導くのが有利である。こうして炉心4よりも低温の供給水が炉心4に到達し、そこで加熱されるので、過圧が生じ、次いで、原子炉圧力容器1の上部に設置されている気水分離器16を経由して排出される。加熱された蒸気あるいは流体が原子炉圧力容器1の外部にあるタービンを駆動し、凝縮し、次いで、ポンプを用いて供給水として再び原子炉圧力容器1に供給される。この場合、この給水分配システム12は原子炉圧力容器12の内壁に固定されている。
図2にこの給水分配システム12の有利な実施形態が示されている。これはそれぞれが1つの360°リングに曲げられた2つの円筒状本体部17を含み、これらの本体部はそれぞれが1つの内部流路30を有している。この内部流路30は1つの給水分配器20の各出口ノズル22と接続されている。供給水が1つの注入短管24と、これに流体的に接続された2つの注入開口26とを通って1つの給水分配器20内に導かれると、この供給水はこの給水分配器20内で均等に分布し、複数の出口ノズル22を通って原子炉圧力容器1内に流入する。
ほぼリング状あるいはトーラス状の両方の給水分配器20は組立て状態では上下に重ねて配置されているので、両者は原子炉圧力容器1に、および、その結果、炉心4にも、同様の対称的な給水を行うことができる。複数の出口ノズル22を下向きに、炉床2部分に向けて的確にアラインメントすることによって、特に炉心4に供給水が供給される。それぞれの給水分配器20の注入短管24を相互に回転することによって、原子炉圧力容器1において必要な複数の貫通部が複数の異なった位置に配置されるので、複数の部分領域にクラックが生じた場合に供給水を継続して供給することが可能である。ここに示された配置ではこの回転角は約90°であり、このことによって、この給水分配システム12への供給水の供給は、原子炉圧力容器1の外部に配置され互いに独立に作動する2つの導入システムによって、冗長性をもって行われる。
ここで両方の給水分配器20は複数の保持要素28を介して原子炉圧力容器1の内壁に固定されている。それぞれの給水分配器20に対して異なる複数の保持要素28を使用することによって、これら給水分配器は互いに固定されることなく支承することができる。その結果、1つの給水分配器20だけに働く機械的負荷がかかった時に、この機械的負荷は他方の給水分配器20には及ばない。複数の注入短管24および注入開口26の部分では特に、個々の部品と供給水との異なる温度に基づいて機械的負荷が生じる。特に、個々の給水分配器20の的確なモジュール的な構成により、給水分配システム12の安全上重要な冗長性が達成される。
給水分配器20のリング状本体部17の両方の注入開口26における遮断によって、本体部17内での供給水の的確な輸送が達成される。理想的には供給水の約半分が左側部分に、他の半分が右側部分に流入し、これらはそこから複数の出口ノズル22を通って原子炉圧力容器1内に給水されるので、均等な分配を達成することができる。
原子力発電所の運転に対して、全負荷運転時よりも少ない熱量が解放される炉心4の始動時には、両方の給水分配器20の中の1つだけを使用することができる。この場合にも注入された供給水は原子炉圧力容器1内で均等に分配される。より多量の熱が解放され、したがって、より強い冷却が必要な全負荷運転時には、2番目の給水分配器20を追加接続することができる。この場合にも、この給水分配システム12により、均等な給水が可能である。
図3には、2つの給水分配器20の、上下に重ねて配置された2つの円筒状本体部17が断面図で示されている。それぞれの円筒状本体部17の内部流路30を通って供給水が流れ、先ず、それぞれの円筒状本体部17の内部で分布し、次いで、複数の出口ノズル22を通って原子炉圧力容器1内に導かれるが、この場合、両方の給水分配器20は互いに別々に作動する。
1 原子炉圧力容器
2 炉床
4 炉心
6 炉心シュラウド
10 制御棒
12 給水分配システム
14 導入管
16 気水分離器
17 本体部
20 給水分配器
24 注入短管
26 注入開口
28 保持要素
30 内部流路
32 断面

Claims (15)

  1. 原子炉圧力容器(1)内に配置された少なくとも2つの給水分配器(20)を含む原子力発電所用給水分配システム(12)であって、
    それぞれの給水分配器(20)が、
    ・1つの内部流路(30)を備えた厳密に1つのリング状本体部(17)を有し、
    ・少なくとも1つの注入短管(24)を有し、この注入短管が少なくとも1つの注入開口(26)を経由して前記内部流路(30)と流体的に接続されており、
    ・多数の出口ノズル(22)を有し、これらの出口ノズルが前記内部流路(30)と流体的に接続されており、
    さらに、1つの給水分配器(20)のそれぞれの注入短管(24)がその給水分配器(20)のそれぞれの出口ノズル(22)と流体的に接続されている、給水分配システム(12)。
  2. 前記各給水分配器(20)の複数の出口ノズル(22)がそれぞれの給水分配器(20)の本体部(17)にわたって周囲方向に見て均等に分布されている請求項1に記載の給水分配システム(12)。
  3. 前記各給水分配器(20)が40〜50個の前記出口ノズル(22)を有する請求項1または2に記載の給水分配システム(12)。
  4. 前記各給水分配器(20)の前記本体部(17)が実質的に1つの円形断面を有する先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  5. 前記複数の給水分配器(20)の複数の前記本体部(17)が上下に重ねて配置されている先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  6. 少なくとも1つの給水分配器(20)の複数の出口ノズル(22)の全てのノズル開口部が原子炉圧力容器(1)の炉床(2)に向けられている先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  7. 2個以上で4個以下の給水分配器(20)が形成されている先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  8. 2個よりも多い給水分配器(20)が形成されている先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  9. 前記各本体部(17)が複数の保持要素(28)により前記原子炉圧力容器(1)の内壁に固定されている先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  10. 前記複数の保持要素(28)が前記各給水分配器(20)の前記本体部(17)に、前記本体部(17)の1つの注入開口(26)または1つの注入短管(24)を中心にして対称的に配置されている請求項9に記載の給水分配システム(12)。
  11. 前記各給水分配器(20)が厳密に1つの注入短管(24)を有する先行する複数の請求項の1つに記載の給水分配システム(12)。
  12. 前記各本体部(17)が前記1つの注入短管(24)に対して2つの注入開口(26)を有する請求項11に記載の給水分配システム(12)。
  13. 前記各本体部(17)の前記内部流路(30)が前記両注入開口(26)の間で遮断されている請求項12に記載の給水分配システム(12)。
  14. 先行する複数の請求項の1つにより構成されている給水分配システム(12)を備えた原子炉。
  15. 請求項1〜13のいずれか1つの給水分配システム(12)を有する原子力発電所の運転方法であって、始動運転時には厳密に1つの給水分配器(20)が使用され、全負荷運転時には1つよりも多い給水分配器(20)が使用される運転方法。
JP2015504884A 2012-04-16 2013-02-06 原子力発電所用給水分配システムおよび原子力発電所の運転方法 Pending JP2015514221A (ja)

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