[0026]添付の図面に関して以下に示す発明を実施するための形態は、様々な構成を説明するものであり、本明細書で説明する概念が実施され得る唯一の構成を表すものではない。発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。ただし、これらの概念はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、そのような概念を不明瞭にしないように、よく知られている構造および構成要素をブロック図の形式で示す。
[0027]様々な装置および方法に関して電気通信システムの態様を提示する。これらの装置および方法について、以下の発明を実施するための形態において説明し、(「要素」と総称される)様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなどによって添付の図面に示す。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェアとして実装されるのか、ソフトウェアとして実装されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
[0028]例として、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」を用いて実装され得る。プロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアがある。処理システム中の1つまたは複数のプロセッサはソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されたい。
[0029]したがって、1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして符号化され得る。コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびBlu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
[0030]図1は、LTEネットワークアーキテクチャ100を示す図である。LTEネットワークアーキテクチャ100は発展型パケットシステム(EPS:Evolved Packet System)100と呼ばれることがある。EPS100は、1つまたは複数のユーザ機器(UE)102と、発展型UMTS地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)104と、発展型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)110と、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)120と、事業者のIPサービス122とを含み得る。EPSは他のアクセスネットワークと相互接続することができるが、簡単のために、それらのエンティティ/インターフェースは図示していない。図示のように、EPSはパケット交換サービスを提供するが、当業者なら容易に諒解するように、本開示全体にわたって提示する様々な概念は、回線交換サービスを提供するネットワークに拡張され得る。
[0031]E−UTRANは、発展型ノードB(eノードB)106と他のeノードB108とを含む。eノードB106は、UE102に対してユーザプレーンプロトコル終端と制御プレーンプロトコル終端とを与える。eノードB106は、X2インターフェース(たとえば、バックホール(backhaul))を介して他のeノードB108に接続され得る。eノードB106は、基地局、送受信基地局、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS:basic service set)、拡張サービスセット(ESS:extended service set)、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることもある。eノードB106は、UE102にEPC110へのアクセスポイントを与える。UE102の例としては、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP:session initiation protocol)電話、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、衛星無線、全地球測位システム、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の同様の機能デバイスがある。UE102は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることもある。
[0032]eノードB106はS1インターフェースによってEPC110に接続される。EPC110は、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)112と、他のMME114と、サービングゲートウェイ116と、パケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)ゲートウェイ118とを含む。MME112は、UE102とEPC110との間のシグナリングを処理する制御ノードである。概して、MME112はベアラおよび接続管理を行う。すべてのユーザIPパケットはサービングゲートウェイ116を通して転送され、サービングゲートウェイ116自体はPDNゲートウェイ118に接続される。PDNゲートウェイ118はUEのIPアドレス割振りならびに他の機能を与える。PDNゲートウェイ118は事業者のIPサービス122に接続される。事業者のIPサービス122は、インターネットと、イントラネットと、IPマルチメディアサブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)と、PSストリーミングサービス(PSS:PS Streaming Service)とを含み得る。
[0033]図2は、LTEネットワークアーキテクチャにおけるアクセスネットワーク200の一例を示す図である。この例では、アクセスネットワーク200は、いくつかのセルラー領域(セル)202に分割される。1つまたは複数のより低い電力クラスのeノードB208は、セル202のうちの1つまたは複数と重複するセルラー領域210を有し得る。より低い電力クラスのeノードB208は、リモートラジオヘッド(RRH:remote radio head)と呼ばれることがある。より低い電力クラスのeノードB208は、フェムトセル(たとえば、ホームeノードB(HeNodeB:home eNodeB))、ピコセル、またはマイクロセルであり得る。マクロeノードB204は各々、それぞれのセル202に割り当てられ、セル202中のすべてのUE206にEPC110へのアクセスポイントを与えるように構成される。アクセスネットワーク200のこの例には集中コントローラはないが、代替構成では集中コントローラが使用され得る。eノードB204は、無線ベアラ制御、承認制御、モビリティ制御、スケジューリング、セキュリティ、およびサービングゲートウェイ116への接続性を含む、すべての無線関係機能を担当する。
[0034]アクセスネットワーク200によって採用される変調および多元接続方式は、展開されている特定の電気通信規格に応じて異なり得る。LTE適用例では、周波数分割複信(FDD)と時分割複信(TDD)の両方をサポートするために、OFDMがダウンリンク上で使用され、SC−FDMAがアップリンク上で使用される。当業者なら以下の詳細な説明から容易に諒解するように、本明細書で提示する様々な概念は、LTE適用例に好適である。ただし、これらの概念は、他の変調および多元接続技法を採用する他の電気通信規格に容易に拡張され得る。例として、これらの概念は、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO:Evolution-Data Optimized)またはウルトラモバイルブロードバンド(UMB:Ultra Mobile Broadband)に拡張され得る。EV−DOおよびUMBは、CDMA2000規格ファミリーの一部として第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2:3rd Generation Partnership Project 2)によって公表されたエアインターフェース規格であり、CDMAを採用して移動局にブロードバンドインターネットアクセスを提供する。これらの概念はまた、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))とTD−SCDMAなどのCDMAの他の変形態とを採用するユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA:Universal Terrestrial Radio Access)、TDMAを採用するモバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile Communications)、ならびに、OFDMAを採用する、発展型UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、およびFlash−OFDMに拡張され得る。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTEおよびGSMは、3GPP団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、3GPP2団体からの文書に記載されている。採用される実際のワイヤレス通信規格および多元接続技術は、特定の適用例およびシステムに課された全体的な設計制約に依存することになる。
[0035]eノードB204は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有し得る。MIMO技術の使用により、eノードB204は、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシティをサポートするために空間領域を活用することが可能になる。空間多重化は、データの異なるストリームを同じ周波数上で同時に送信するために使用され得る。データストリームは、データレートを増加させるために単一のUE206に送信されるか、または全体的なシステム容量を増加させるために複数のUE206に送信され得る。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし(すなわち、振幅および位相のスケーリングを適用し)、次いでダウンリンク上で複数の送信アンテナを通して空間的にプリコーディングされた各ストリームを送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、異なる空間シグナチャとともに(1つまたは複数の)UE206に到着し、これにより、(1つまたは複数の)UE206の各々がそのUE206に宛てられた1つまたは複数のデータストリームを復元することが可能になる。アップリンク上で、各UE206は、空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信し、これにより、eノードB204は、空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することが可能になる。
[0036]空間多重化は、概して、チャネル状態が良好であるときに使用される。チャネル状態があまり良好でないときは、送信エネルギーを1つまたは複数の方向に集中させるためにビームフォーミングが使用され得る。これは、複数のアンテナを通して送信するためのデータを空間的にプリコーディングすることによって達成され得る。セルのエッジにおいて良好なカバレージを達成するために、送信ダイバーシティと組み合わせてシングルストリームビームフォーミング送信が使用され得る。
[0037]以下の詳細な説明では、ダウンリンク上でOFDMをサポートするMIMOシステムを参照しながらアクセスネットワークの様々な態様について説明する。OFDMは、OFDMシンボル内のいくつかのサブキャリアを介してデータを変調するスペクトル拡散技法である。サブキャリアは正確な周波数で離間する。離間は、受信機がサブキャリアからデータを復元することを可能にする「直交性(orthogonality)」を与える。時間領域では、OFDMシンボル間干渉をなくすために、ガードインターバル(たとえば、サイクリックプレフィックス)が各OFDMシンボルに追加され得る。アップリンクは、高いピーク対平均電力比(PAPR:peak-to-average power ratio)を補償するために、SC−FDMAをDFT拡散OFDM信号の形態で使用し得る。
[0038]図3は、LTEにおけるダウンリンクフレーム構造の一例を示す図300である。フレーム(10ms)は、等しいサイズの10個のサブフレームに分割され得る。各サブフレームは、2つの連続するタイムスロットを含み得る。2つのタイムスロットを表すためにリソースグリッドが使用され得、各タイムスロットはリソースブロックを含む。リソースグリッドは複数のリソース要素に分割される。LTEでは、リソースブロックは、周波数領域中に12個の連続サブキャリアを含んでおり、各OFDMシンボル中のノーマルサイクリックプレフィックスについて、時間領域中に7個の連続OFDMシンボル、または84個のリソース要素を含んでいる。拡張サイクリックプレフィックスについて、リソースブロックは、時間領域中に6個の連続OFDMシンボルを含んでおり、72個のリソース要素を有する。R302、304として示されるリソース要素のいくつかはダウンリンク基準信号(ダウンリンクRS)を含む。ダウンリンクRSは、(共通RSと呼ばれることもある)セル固有RS(CRS:Cell-specific RS)302と、UE固有RS(UE−RS:UE-specific RS)304とを含む。UE−RS304は、対応する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)がマッピングされるリソースブロック上でのみ送信される。各リソース要素によって搬送されるビット数は変調方式に依存する。したがって、UEが受信するリソースブロックが多いほど、また変調方式が高いほど、UEのデータレートは高くなる。
[0039]図4は、LTEにおけるアップリンクフレーム構造の一例を示す図400である。アップリンクのために利用可能なリソースブロックは、データセクションと制御セクションとに区分され得る。制御セクションは、システム帯域幅の2つのエッジにおいて形成され得、構成可能なサイズを有し得る。制御セクション中のリソースブロックは、制御情報を送信するためにUEに割り当てられ得る。データセクションは、制御セクション中に含まれないすべてのリソースブロックを含み得る。アップリンクフレーム構造は、データセクション中の連続するサブキャリアのすべてを単一のUEに割り当てることを可能にし得る連続サブキャリアを含むデータセクションを生じる。
[0040]UEには、eノードBに制御情報を送信するために、制御セクション中のリソースブロック410a、410bが割り当てられ得る。UEには、eノードBにデータを送信するために、データセクション中のリソースブロック420a、420bも割り当てられ得る。UEは、制御セクション中の割り当てられたリソースブロック上の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)中で制御情報を送信し得る。UEは、データセクション中の割り当てられたリソースブロック上の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)中でデータのみまたはデータと制御情報の両方を送信し得る。アップリンク送信は、サブフレームの両方のスロットにわたり得、周波数上でホッピングし得る。
[0041]初期システムアクセスを実行し、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)430中でアップリンク同期を達成するためにリソースブロックのセットが使用され得る。PRACH430は、ランダムシーケンスを搬送し、いかなるアップリンクデータ/シグナリングをも搬送することができない。各ランダムアクセスプリアンブルは、6つの連続するリソースブロックに対応する帯域幅を占有する。開始周波数はネットワークによって指定される。すなわち、ランダムアクセスプリアンブルの送信は、ある時間リソースおよび周波数リソースに制限される。周波数ホッピングはPRACHにはない。PRACH試みは単一のサブフレーム(1ms)中でまたは少数の連続サブフレームのシーケンス中で搬送され、UEは、フレーム(10ms)ごとに単一のPRACH試みだけを行うことができる。
[0042]図5は、LTEにおけるユーザプレーンおよび制御プレーンのための無線プロトコルアーキテクチャの一例を示す図500である。UEおよびeノードBのための無線プロトコルアーキテクチャは、レイヤ1と、レイヤ2と、レイヤ3との3つのレイヤとともに示されている。レイヤ1(L1レイヤ)は最下位レイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実装する。L1レイヤを本明細書では物理レイヤ506と呼ぶ。レイヤ2(L2レイヤ)508は、物理レイヤ506の上にあり、物理レイヤ506を介したUEとeノードBとの間のリンクを担当する。
[0043]ユーザプレーンでは、L2レイヤ508は、ネットワーク側のeノードBにおいて終端される、媒体アクセス制御(MAC:media access control)サブレイヤ510と、無線リンク制御(RLC:radio link control)サブレイヤ512と、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:packet data convergence protocol)514サブレイヤとを含む。図示されていないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイ118において終端されるネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)と、接続の他端(たとえば、ファーエンドUE、サーバなど)において終端されるアプリケーションレイヤとを含めてL2レイヤ508の上にいくつかの上位レイヤを有し得る。
[0044]PDCPサブレイヤ514は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間で多重化を行う。PDCPサブレイヤ514はまた、無線送信オーバーヘッドを低減するための上位レイヤデータパケットのヘッダ圧縮と、データパケットを暗号化することによるセキュリティと、eノードB間のUEに対するハンドオーバサポートとを行う。RLCサブレイヤ512は、上位レイヤデータパケットのセグメンテーションおよび再統合と、紛失データパケットの再送信と、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)による、順が狂った受信を補正するデータパケットの並べ替えとを行う。MACサブレイヤ510は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ510はまた、UEの間で1つのセル内の様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)を割り振ることを担当する。MACサブレイヤ510はまたHARQ動作を担当する。
[0045]制御プレーンでは、UEおよびeノードBのための無線プロトコルアーキテクチャは、制御プレーンのためのヘッダ圧縮機能がないことを除いて、物理レイヤ506およびL2レイヤ508について実質的に同じである。制御プレーンはまた、レイヤ3(L3レイヤ)中に無線リソース制御(RRC:radio resource control)サブレイヤ516を含む。RRCサブレイヤ516は、無線リソース(すなわち、無線ベアラ)を取得することと、eノードBとUEとの間のRRCシグナリングを使用して下位レイヤを構成することとを担当する。
[0046]図6は、アクセスネットワーク中でUE650と通信しているeノードB610のブロック図である。ダウンリンクでは、コアネットワークからの上位レイヤパケットが、コントローラ/プロセッサ675に与えられる。コントローラ/プロセッサ675は、L2レイヤの機能を実装する。ダウンリンクでは、コントローラ/プロセッサ675は、様々な優先度メトリックに基づいてヘッダ圧縮と、暗号化と、パケットのセグメント化および並べ替えと、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化と、UE650への無線リソース割振りとを行う。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作と、紛失パケットの再送信と、UE650へのシグナリングとを担当する。
[0047]TXプロセッサ616は、L1レイヤ(すなわち、物理レイヤ)のための様々な信号処理機能を実装する。信号処理機能は、UE650における前方誤り訂正(FEC:forward error correction)と、様々な変調方式(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK:binary phase-shift keying)、4位相シフトキーイング(QPSK:quadrature phase-shift keying)、M位相シフトキーイング(M−PSK:M-phase-shift keying)、多値直交振幅変調(M−QAM:M-quadrature amplitude modulation))に基づいた信号コンスタレーションへのマッピングとを可能にするために、コーディングとインターリービングとを含む。次いで、符号化され変調されたシンボルは並列ストリームに分割される。各ストリームは、次いでOFDMサブキャリアにマッピングされ、時間領域および/または周波数領域中で基準信号(たとえば、パイロット)と多重化され、次いで逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を使用して互いに合成されて、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルを生成する。OFDMストリームは、複数の空間ストリームを生成するために空間的にプリコーディングされる。チャネル推定器674からのチャネル推定値は、符号化および変調方式を判断するために、ならびに空間処理のために使用され得る。チャネル推定値は、UE650によって送信される基準信号および/またはチャネル状態フィードバックから導出され得る。次いで、各空間ストリームは、別個の送信機618TXを介して異なるアンテナ620に与えられる。各送信機618TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調する。
[0048]UE650において、各受信機654RXは、それのそれぞれのアンテナ652を通して信号を受信する。各受信機654RXは、RFキャリア上に変調された情報を復元し、受信機(RX)プロセッサ656に情報を与える。RXプロセッサ656は、L1レイヤの様々な信号処理機能を実装する。RXプロセッサ656は、UE650に宛てられた任意の空間ストリームを復元するために、情報に対して空間処理を実行する。複数の空間ストリームがUE650に宛てられた場合、それらはRXプロセッサ656によって単一のOFDMシンボルストリームに合成され得る。RXプロセッサ656は、次いで高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を使用してOFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号のサブキャリアごとに別々のOFDMシンボルストリームを備える。各サブキャリア上のシンボルと基準信号とは、eノードB610によって送信される、可能性が最も高い信号のコンスタレーションポイントを判断することによって復元され、復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器658によって計算されるチャネル推定値に基づき得る。軟判定は、次いで、物理チャネル上でeノードB610によって最初に送信されたデータおよび制御信号を復元するために復号され、デインターリーブされる。データおよび制御信号は、次いでコントローラ/プロセッサ659に与えられる。
[0049]コントローラ/プロセッサ659はL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサは、プログラムコードとデータとを記憶するメモリ660に関連し得る。メモリ660はコンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。アップリンクでは、コントローラ/プロセッサ659は、コアネットワークからの上位レイヤパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重分離と、パケットリアセンブリと、復号(deciphering)と、ヘッダ復元(decompression)と、制御信号処理とを行う。上位レイヤパケットは、次いで、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表すデータシンク662に与えられる。また、様々な制御信号がL3処理のためにデータシンク662に与えられ得る。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作をサポートするために肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用した誤り検出を担当する。
[0050]アップリンクでは、データソース667は、コントローラ/プロセッサ659に上位レイヤパケットを与えるために使用される。データソース667は、L2レイヤの上のすべてのプロトコルレイヤを表す。eノードB610によるダウンリンク送信に関して説明した機能と同様に、コントローラ/プロセッサ659は、ヘッダ圧縮と、暗号化と、パケットのセグメント化および並べ替えと、eノードB610による無線リソース割振りに基づいた論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化とを行うことによって、ユーザプレーンおよび制御プレーンのためのL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ659はまた、HARQ動作と、紛失パケットの再送信と、eノードB610へのシグナリングとを担当する。
[0051]eノードB610によって送信される基準信号またはフィードバックからの、チャネル推定器658によって導出されるチャネル推定値は、適切な符号化および変調方式を選択することと、空間処理を可能にすることとを行うために、TXプロセッサ668によって使用され得る。TXプロセッサ668によって生成される空間ストリームは、別個の送信機654TXを介して異なるアンテナ652に与えられる。各送信機654TXは、送信のためにそれぞれの空間ストリームでRFキャリアを変調する。
[0052]アップリンク送信は、UE650における受信機機能に関して説明した方法と同様の方法でeノードB610において処理される。各受信機618RXは、それのそれぞれのアンテナ620を通して信号を受信する。各受信機618RXは、RFキャリア上で変調された情報を復元し、RXプロセッサ670に情報を与える。RXプロセッサ670はL1レイヤを実装し得る。
[0053]コントローラ/プロセッサ675はL2レイヤを実装する。コントローラ/プロセッサ675は、プログラムコードとデータとを記憶するメモリ676に関連し得る。メモリ676はコンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。アップリンクでは、コントローラ/プロセッサ675は、UE650からの上位レイヤパケットを復元するために、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重分離と、パケットリアセンブリと、復号と、ヘッダ復元と、制御信号処理とを行う。コントローラ/プロセッサ675からの上位レイヤパケットはコアネットワークに与えられ得る。コントローラ/プロセッサ675はまた、HARQ動作をサポートするためにACKおよび/またはNACKプロトコルを使用した誤り検出を担当する。
拡張サウンディング基準信号(SRS)
[0054]LTEシステムにおける多地点協調(CoMP:coordinated multiple point)送信および受信を拡張し、サポートするための取り組みが進められてきた。CoMPは、概して、異なる送信機または受信機の間の協調送信または受信を指す。協調スケジューリング/協調ビームフォーミング(CS/CB:coordinated scheduling/coordinated beamforming)、動的ポイント選択(DPS:dynamic point selection)、および/またはコヒーレントまたは非コヒーレントジョイント送信(JT:joint transmission)など、様々なCoMP方式が指定され得る。
[0055]CoMPは、様々な展開シナリオにおいて使用され得る。たとえば、同種ネットワークでは、CoMPは、同じマクロサイトのセルにわたって使用され得る。別の例として、同種ネットワークでは、CoMPは、3つの近隣マクロサイトにわたって使用され得る。異種ネットワークでは、CoMPは、マクロセルおよびピコセル/リモートラジオヘッド(RRH)にわたって使用され得る。ある場合には、マクロセルおよびピコセル/RRHは異なるセルIDで構成される。別の場合には、マクロセルおよびピコセル/RRHは同じセルIDで構成される。同じセルIDで構成されたマクロセルおよびピコセルにわたるCoMPの使用は、物理セルIDへの依存性を低減し得る。
[0056]ワイヤレスシステムでは、アップリンクリンク適応、チャネル相反性(channel reciprocity)の下でのダウンリンクスケジューリング、および/またはCoMP動作を管理することにおいて、サウンディング基準信号(SRS)が使用され得ることを理解されたい。LTEリリース10は、周期的なSRSと非周期的なSRSの両方をサポートする。LTEアップリンク(UL)において送信される基準信号は、eノードBがチャネル推定を実行することを可能にし得る。すなわち、送信される基準信号は、eノードBが測定を実行することおよび/またはチャネルを監視することを可能にし得る。たとえば、eノードBは、周波数領域スケジューリングをサポートするために、測定を実行し、および/またはチャネルを監視し得る。
[0057]周期的なSRSは、SRS送信が無線リソース制御(RRC)メッセージを介して構成解除されるまでの不確定持続時間の間の、UEからの周期的なSRS送信を指す。周期的なSRSは、セル固有SRSサブフレームのサブセットであるUE固有周期SRSサブフレーム(UE-specific periodic SRS subframes)中で送信される。
[0058]非周期的なSRSは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)などのダウンリンク制御チャネルによってトリガされる非周期的なSRS送信を指す。非周期的なSRSは、フォーマット0(1ビット)またはフォーマット4(2ビット)を利用するアップリンク許可(uplink grant)を介してトリガされ得る。さらに、非周期的なSRSは、フォーマット1A/2B/2Cを使用するダウンリンク許可(downlink grant)を介してトリガされ得る。一般に、非周期的なSRSは、トリガに応答して1回送信され、(1つまたは複数の)UE固有非周期SRSサブフレーム(UE-specific aperiodic SRS subframe(s))中で送信される。
[0059]SRSは、ダウンリンク動作とアップリンク動作とを管理することにおいて使用され得る。ダウンリンクCoMPの場合、SRSは、CoMPセット管理、および/またはチャネル相反性に基づくダウンリンクスケジューリング(channel reciprocity based downlink scheduling)のために使用され得る。アップリンクCoMPの場合、SRSは、レート予測、電力制御、および/またはアップリンクCoMPセット管理のために使用され得る。
[0060]一般に、SRS電力は、PUSCH電力などのアップリンクチャネル電力に関連する。詳細には、単一の累積ループ(f(i))がアップリンクチャネルとSRSとによって共有される。さらに、UEは、SRS動作のための電力オフセットとともにeノードBによって構成され得る。たとえば、非周期的なSRSと周期的なSRSとのために異なるオフセットが構成され得る。SRSは、所与のセル中のすべてのUEに共通の物理セルIDに関連付けられ得る。
[0061]ダウンリンクCoMP動作とアップリンクCoMP動作とのための異なる必要に対処するために拡張電力制御をサポートすることと、SRSのためのUE固有セルIDを構成することとのために、SRS動作を拡張するための取り組みが進行中である。拡張電力制御は、ダウンリンクのために1つおよびアップリンクのために1つの、2つの異なる電力オフセットなど、開ループベースのソリューション(open-loop based solution)を含み得る。拡張電力制御はまた、ダウンリンクのために1つおよびアップリンクのために1つの、2つのf(i)関数など、閉ループベースのソリューション(closed-loop based solution)を含み得る。さらに、拡張電力制御は、開ループベースのソリューションと閉ループベースのソリューションとの組合せを含み得る。
[0062]本開示の態様は拡張SRS動作を対象とする。一態様によれば、ダウンリンク動作を対象とするSRS送信およびアップリンク動作を対象とするSRS送信など、SRS送信は異なるアンテナポートを使用し得る。詳細には、SRS送信は、ダウンリンク動作のための別個のアンテナポート構成と、アップリンク動作のための別個の構成とを有し得る。その上、異なるアンテナポート構成は、同じ論理または仮想アンテナポート定義内の異なる数のアンテナポートを指すことがある。代替として、異なるアンテナポートは、ダウンリンク動作を対象とするSRSとアップリンク動作を対象とするSRSとのための異なる論理または仮想アンテナポートを指すことがある。異なるアンテナポートはまた、異なる数の論理または仮想アンテナポートを指すことがある。たとえば、1つのアンテナポートが、ダウンリンク動作を対象とするSRSのために構成され得、2つのアンテナポートが、アップリンク動作を対象とするSRSのために構成され得る。
[0063]UEが、周期的または非周期的など、同じSRSタイプを有するSRS送信のための2つ以上の異なる構成を受信したとき、受信したSRS構成のSRSの送信は重複し、衝突し得る。場合によっては、一方のSRS構成はダウンリンクのためものであり得、他方のSRS構成はアップリンクのためものであり得る。さらに、各SRS構成のSRS送信は同じセル中で送信され得る。第1のSRSの送信と第2のSRSの送信との間の潜在的衝突を処理するようにUEを構成することが望ましい。本開示は、2つ以上のSRS構成のSRS送信間の衝突を処理することを対象とする態様を含む。
[0064]図7Aに、2つのSRS構成のSRS送信間の衝突の例を示す。図7Aに示すように、UEは、第1のSRS構成の第1のSRS送信と、第2のSRS構成の第2のSRS送信とを有し得る。この構成では、第1のSRS構成と第2のSRS構成は同じタイプである。さらに、図7Aに示すように、特定の時間インスタンス702、704、および706において、第1のSRS送信と第2のSRS送信は衝突し得る。
[0065]一構成によれば、SRS送信の潜在的衝突は誤構成(mis-configuration)として扱われる。すなわち、衝突は許されない。UE固有の実装形態は、複数のSRS送信の衝突を防ぐように設計され得る。より詳細には、そのSRS送信が衝突し得ると判断された場合、UEは、SRS構成のうちの1つまたは複数のスケジュールされた送信を変更し得る。
[0066]たとえば、本構成に基づいて、図7AのUEは、SRS送信間に潜在的衝突があり得る特定の702、704、および706においてSRS送信が重複しないように、第1のSRS送信および/または第2のSRS送信のタイミングを変更し得る。すなわち、図7Bに示すように、UEは、SRS送信間に潜在的衝突があり得る特定の702、704および706において第1のSRS送信714が第2のSRS送信と重複しないように、第1のSRS送信714のタイミングを変更することによって潜在的衝突を緩和する。
[0067]別の構成によれば、潜在的衝突が判断されたとき、SRS送信のうちの1つが優先度付けルールに基づいて保持され得る。優先度付け(prioritization)は、SRSがダウンリンクを対象とするのかアップリンクを対象とするのかなど、SRSの目的に基づいて定義され得る。優先度付けはSRSパラメータにも基づき得る。SRSパラメータは、帯域幅、周期の長さ、電力オフセット、および/またはアンテナポートの数を含み得る。
[0068]たとえば、本構成に基づいて、潜在的衝突が検出されたとき、UEは、第1のSRS送信および第2のSRS送信の優先度を判断し得る。第1のSRS送信および第2のSRS送信の優先度を判断した後に、UEは、潜在的衝突を緩和するために、最高優先度をもつSRS送信のみを送信し得る。詳細には、図7Cに示すように、UEは、第1のSRS送信と比較して第2のSRS送信がより高い優先度を有すると判断し得、したがって、SRS送信間に潜在的衝突がある特定の時間702、704、および706において、UEは第2のSRS構成のみを送信する。
[0069]SRS構成の優先度は、様々なファクタに基づいて判断され得る。一構成では、より長い周期をもつSRS送信が保持され得る。前に説明したように、図7Cは、別のSRS構成のSRS送信と比較してより高い優先度を有する特定のSRS構成のSRS送信を保持する例を示す。図7Cの代替例では、第2のSRS送信と比較して第1のSRS送信がより長い周期を有するので、第1のSRS送信が保持され得る。
[0070]また別の構成では、より大きい電力オフセットをもつSRS送信が保持され得る。さらにまた別の構成では、最大数のアンテナポートをもつSRS送信が保持され得る。さらに、一構成では、最大帯域幅をもつSRS送信が保持され得る。
[0071]別の構成によれば、潜在的衝突が判断されたとき、両方のSRS送信が直交する場合、それらは保持され得る。直交性は、時間リソース(たとえば、サブフレーム)において、周波数領域において、コード領域(たとえば、異なるサイクリックシフト(cyclic shift))において、またはそれらの組合せで実現され得る。したがって、本構成では、両方のSRS構成が保持され得、2つ以上のSRS送信が異なるサブバンド、くし形フィルタ(comb filter)、またはサイクリックシフトを使用する場合、同じサブフレーム中での同時送信が可能にされ得る。しかしながら、2つのSRS構成が直交しないとき、ただ1つのSRS構成が上述の優先度付けルールに基づいて保持される。さらに、本構成によれば、両方のSRS構成を保持するという決定はUEの能力に依存し得る。すなわち、その決定は、クラスタリングされたPUSCHリソース割当てまたは並列PUCCHおよびPUSCH動作と同様であり得る。
[0072]また別の構成によれば、SC−FDMA波形が各アンテナポートについて維持され得る場合、両方のSRS構成が保持され得る。詳細には、第1のSRS送信が、第2のアンテナポート構成の第2のSRS送信と比較してサイクリックシフトによって区別される第1のアンテナポートを割り当てられる場合、両方のSRS構成が保持され得る。
[0073]さらにまた別の構成によれば、よりフレキシブルな電力管理および動作のために、異なる電力制御レベルが異なるアンテナポートに適用され得る。一例として、異なるアンテナポートの間の電力分割は均一でないことがあり、eノードBからのシグナリングに基づき得る。
[0074]SRS送信の潜在的衝突をどのように緩和するかを判断することは、各セットのために構成されたアンテナポートの数にかかわらず、SRS送信ごとに行われ得る。代替として、SRS送信の潜在的衝突をどのように緩和するかを判断することは、アンテナポートごとに行われ得る。
[0075]周期的なSRSおよび非周期的なSRSは異なる目的で使用され得ることを理解されたい。たとえば、周期的なSRSはダウンリンク動作のために使用され得、非周期的なSRSはアップリンク動作のために使用され得、その逆も同様である。したがって、異なる目的のためのSRSのフレキシブルな多重化のために、1つのUEのための周期的なSRSと非周期的なSRSとに対して異なるUE固有セルIDが指定され得る。たとえば、セルID1が周期的なSRSに割り当てられ得、セルID2が非周期的なSRSに割り当てられ得る。さらに、セルIDは特定のアンテナポートに基づき得る。すなわち、各アンテナポートは異なるセルIDに関連付けられ得る。
[0076]非周期的なSRSトリガリング(triggering)では、SRSパラメータの異なるセットが、ダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)フォーマット、および/または非周期的なSRSフィールドの値に基づいて構成され、トリガされ得る。たとえば、DCIフォーマット0は1ビットの非周期的なSRSトリガリングを有し、DCIフォーマット4は2ビットの非周期的なSRSトリガリングを有する。さらに、DCIフォーマット1A/2B/2Cは1ビットの非周期的なSRSトリガリングを有する。したがって、この例では、SRSパラメータの最高5つの異なるセット(DCIフォーマット0からの1つのセット、DCIフォーマット4からの3つのセット、およびDCIフォーマット1A/2B/2Cからの1つのセット)をトリガすることが可能である。その上、拡張PDCCH(e−PDCCH:enhanced PDCCH)は、さらに、異なる非周期的なSRSパラメータセットを用いて定義され得る。
[0077]一構成によれば、セルIDはSRSパラメータセットの一部として含まれ得る。この構成では、トリガリングDCIフォーマットおよび/または非周期的なSRSフィールドの値、ならびに/あるいは、トリガリングがレガシーPDCCHからのものであるのか拡張PDCCHからのものであるのかに基づいて、異なるセルIDが非周期的なSRSのために使用され得る。別の構成によれば、電力オフセットが、異なる非周期的なSRSセットについて別様に定義され得る。
[0078]セルIDおよび/または電力オフセットは、非周期的なSRSトリガリングのためにDCI中の情報を使用して動的に設定され得る。たとえば、DCIはPUSCH送信に関連付けられないことがあり、そうではなく、DCI中の情報フィールドのすべてが非周期的なSRSパラメータを示すために使用され得るように、DCI全体が非周期的なSRSトリガリングに専用される。
[0079]図8に、異なるSRSセットを構成するための方法800を示す。ブロック802において、UEは、第1のサウンディング基準信号(SRS)のための第1の構成を受信する。UEは、ブロック804において第2のSRSのための第2の構成を受信する。本開示の一態様では、第1のSRSと第2のSRSは同じタイプのSRSである。すなわち、第1のSRSと第2のSRSの両方が周期的なSRSであり得、または第1のSRSと第2のSRSの両方が非周期的なSRSであり得る。さらに、本態様では、第1のSRSと第2のSRSは同じセル中で送信される。本開示の別の態様では、第1の構成は、第2の構成の第2のUE固有セル識別情報とは異なる第1のUE固有セル識別情報を含み、および/または第1の構成は、第2の構成の第2の電力オフセットとは異なる第1の電力オフセットを含む。本開示のこの態様では、第1のSRSは、第2のSRSとは異なるタイプであり得る。たとえば、第1のSRSは非周期的なSRSであり得、第2のSRSは周期的なSRSであり得る。
[0080]最後に、ブロック806において、一構成では、UEは、第1のSRSと第2のSRSとの間の潜在的衝突をどのように処理するかを判断する。UEは、第1のSRSと第2のSRSが同じタイプのSRSであるとき、潜在的衝突をどのように処理するかを判断し得る。衝突をどのように処理するかを判断することにおいて、UEは衝突を誤構成として扱い得る。代替的に、衝突をどのように処理するかを判断することにおいて、UEは、第1のSRSおよび第2のSRSの目的、第1のSRSおよび第2のSRSのパラメータ、および/またはUEの能力に基づいて、第1の構成または第2の構成を優先順位付けし(prioritize)得る。
[0081]一構成では、UE650は、ワイヤレス通信のために構成され、第1のSRSのための第1の構成を受信するための手段と、第2のSRSのための第2の構成を受信するための手段とを含む。本開示の一態様では、第1および第2の構成のための受信手段は、第1および第2の構成のための受信手段によって具陳された(recited)機能を実行するように構成されたコントローラ/プロセッサ659、メモリ660、受信プロセッサ656、送信機/受信機654、および/またはアンテナ652であり得る。UE650はまた、第1のSRSと第2のSRSとの間の衝突をどのように処理するかを判断するための手段を含むように構成される。本開示の一態様では、判断手段は、判断手段によって具陳された機能を実行するように構成されたコントローラ/プロセッサ659および/またはメモリ660であり得る。別の態様では、上述の手段は、上述の手段によって具陳された機能を実行するように構成された任意のモジュールまたは任意の装置であり得る。
[0082]図9は、例示的な装置900中の異なるモジュール/手段/構成要素間のデータフローを示す概念データフロー図である。装置900は、第1のSRSのための第1の構成と第2のSRSのための第2の構成とを示す(1つまたは複数の)信号910を受信する受信モジュール902を含む。一構成では、受信モジュール902は、第1の構成を受信するための第1のモジュールおよび第2の構成を受信するための第2のモジュールなど、2つの別個のモジュールであり得る(図示せず)。
[0083]本開示の一態様では、第1のSRSと第2のSRSが同じタイプであるとき、受信モジュール902は、経路912を介して第1の構成と第2の構成とを衝突モジュール904に送信する。衝突モジュール904は、第1のSRSと第2のSRSとの間の潜在的衝突をどのように処理するかを判断する。潜在的衝突をどのように処理するかを判断した後に、衝突モジュール904は、経路916を介して、潜在的衝突をどのように処理するかの判断に基づいて第1のSRSおよび/または第2のSRSを送信するように送信モジュール908を制御し得る。送信モジュール908は、信号918を介して第1のSRSと第2のSRSとを送信し得る。
[0084]本開示の別の態様では、第1のSRSと第2のSRSが異なるタイプである場合、受信モジュール902は、経路914を介して、第1のSRSおよび/または第2のSRSを送信するように送信モジュール908を制御し得る。送信モジュール908は、信号918を介して第1のSRSと第2のSRSとを送信し得る。
[0085]本装置は、上述のフローチャート図8中のプロセスのステップの各々を実行する追加のモジュールを含み得る。したがって、上述のフローチャート図8中の各ブロックは1つのモジュールによって実行され得、本装置は、それらのモジュールのうちの1つまたは複数を含み得る。それらのモジュールは、述べられたプロセス/アルゴリズムを行うように特に構成された1つまたは複数のハードウェア構成要素であるか、述べられたプロセス/アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサによって実装されるか、プロセッサによる実装のためにコンピュータ可読媒体内に記憶されるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。
[0086]図10は、処理システム1014を採用する装置1000のためのハードウェア実装形態の一例を示す図である。処理システム1014は、バス1024によって概略的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装され得る。バス1024は、処理システム1014の特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス1024は、プロセッサ1004、モジュール1002、1008、1012、およびコンピュータ可読媒体1006によって表される1つまたは複数のプロセッサおよび/またはハードウェアモジュールを含む様々な回路を互いにリンクする。バス1024はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクし得るが、これらの回路は当技術分野においてよく知られており、したがって、これ以上説明しない。
[0087]本装置は、トランシーバ1010に結合された処理システム1014を含む。トランシーバ1010は、1つまたは複数のアンテナ1020に結合される。トランシーバ1010は、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信することを可能にする。処理システム1014は、コンピュータ可読媒体1006に結合されたプロセッサ1004を含む。プロセッサ1004は、コンピュータ可読媒体1006に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担当する。ソフトウェアは、プロセッサ1004によって実行されたとき、処理システム1014に、いずれかの特定の装置について説明した様々な機能を実行させる。コンピュータ可読媒体1006はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ1004によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
[0088]処理システムは、第1の受信モジュール1002と第2の受信モジュール1008とを含む。第1の受信モジュール1002は、アップリンク動作を対象とする第1のサウンディング基準信号(SRS)のための第1の構成を受信することができる。第2の受信モジュール1008は、ダウンリンク動作を対象とする第2のSRSのための第2の構成を受信することができる。第1の受信モジュール1002および第2の受信モジュール1008は、1つのモジュール(図示せず)であるか、または図10に示すように別個のモジュールであり得る。一構成では、処理システムは衝突モジュール1012をも含む。衝突モジュール1012は、第1のSRSと第2のSRSとの間の潜在的衝突をどのように処理するかを判断する。それらのモジュールは、プロセッサ1004中で動作し、コンピュータ可読媒体1006中に常駐する/記憶された、ソフトウェアモジュールであるか、プロセッサ1004に結合された1つまたは複数のハードウェアモジュールであるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。処理システム1014は、UE650の構成要素であり得、メモリ660、送信プロセッサ668、受信プロセッサ656、送信機/受信機654、アンテナ652、および/またはコントローラ/プロセッサ659を含み得る。
[0089]さらに、本明細書の開示に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
[0090]本明細書の開示に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
[0091]本明細書の開示に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施されるか、またはその2つの組合せで実施され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化され得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。ASICはユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
[0092]1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)およびblu−rayディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
[0093]本開示についての以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することができるように与えたものである。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
[0094]SRS動作の拡張のための特定の実装形態は、添付の付録Aに記載されている。付録Aは、本明細書の一部を形成し、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。