JP2015511214A - 高密度キトサン膜物質の組成物、調製および使用 - Google Patents
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Abstract
非常に高い密度のキトサンの組成物、および前記高密度キトサン構造物を製造するための新規方法が記載される。この新規製造方法は、中和したキトサンポリマーに同時に圧縮および真空圧を適用し、これにより、非常に高い密度のキトサン薄膜または膜物質をもたらす。前記高密度キトサン薄膜または膜組成物は、動物、哺乳動物またはヒトの表面または内部での幅広い医療適用のために物理的および臨床的に魅力的な複数の性質を有する。【選択図】 なし
Description
本発明は、高密度キトサン薄膜又は膜物質およびそれらの調製のための方法に関する。前記物質は、医療、科学および他の産業において有用性を有する。
機能的なバイオマテリアルの研究が、創傷治癒および組織工学のための改善されたスカフォールドの開発に向けられている。複数の生分解性ポリマーが、創傷治癒および組織工学の適用のためのスカフォールドとして調査されており、このようなポリマーには、ポリ−カプロラクトン、ポリ(乳酸・グリコール酸共重合体)、ポリ(エチレングリコール)などの合成ポリマー、およびアルギネート、ゼラチン、コラーゲン、デンプンおよびキトサンといった天然ポリマーが含まれる。その中でも、天然由来のポリマーは特に興味深く、それは生体構造の天然成分として、それらの生来の組織に対する生物学的および化学的類似性を有するためである。これに関連し、キトサンは、抗菌性、抗真菌性、止血性特質に加え、生体適合性、無害な糖類生成物への生分解性、非毒性、生理的不活性、タンパク質に対する顕著な親和性を含む独特の生物学的性質とともに、幅広い適用範囲において魅力的な候補として見なされてきた。
キトサンの記録された使用は19世紀にさかのぼり、1859年にRougetがキトサンの脱アセチル化形態について考察した。キトサンの原料物質であるキチンは、もっとも豊富な有機物質の1つであり、年間に生合成によって生成される量において、セルロースに次いで2番目である。キチンは、動物、とくに甲殻類、軟体動物および昆虫の外骨格の重要な成分である。また、ある種の真菌類の細胞壁の重要な線維状ポリマーでもあり、微細藻類によって生成することができる。脱アセチル化キチン誘導体が、「キトサン」として称されてきた。1800年代にこれら2つの用語が初めて使われた頃、キチンおよびキトサンは、キチンは完全にアセチル化、キトサンは完全に脱アセチル化した組成物の状態で、別個の、きちんと定義された、独特で、そして不変の化学種として常に天然に存在すると考えられていた。しかし、「キチン」および「キトサン」という用語が、実はあいまいであることが発見されるのは、約1世紀後であった。きちんと定義された化合物を指すというよりは、これらの用語は、実際は、非常に異なる物理的および化学的性質を示す化合物のファミリーを指す。これらの違いは、生成物の様々な分子量および様々なアセチル化度によるものである。
キトサンは、直鎖の多糖類であり、β(1−4)グリコシド結合によって結びつけられたグルコサミンおよびN−アセチルグルコサミン単位から成り、本質的には、糖単位の連なりである。原料および調製手法に応じて、その分子量は一般的に10kDa〜1000kDa超の範囲に及ぶ。キトサンポリマーの分子量は、通常粘性によって決定され、センチポアズ(CPS)またはミリパスカル(mPas)単位で表され、約5mPas〜3000mPasの範囲に及び得る。グルコサミンの含有量は、脱アセチル化度(DD)と称され、30%〜95%の範囲に及び得る。その結晶形態において、キトサンは通常pH7を超える水性溶液中において不溶性を示すが、希酸中(pH<6.0)では、グルコサミン上のプロトン化した遊離アミノ基が分子の溶解性を促進する(Kim,Seoら、2008)。一般的に、キトサンは3種類の反応性官能基を有し、それぞれ、アミノ基ならびにC(2)位、C(3)位およびC(6)位における1級ならびに2級水酸基の双方である。これらの基は、特定の適用に関してキトサンの変更を可能にし、組織工学の適用のために様々な有益なスカフォールドを生成することができる。キトサンの化学的性質は、同様に、機械的および生物学的性質の多方面にわたる調節を可能にする、共有結合性およびイオン性の変更の可能性を多く提供する。
キチン処理
上記した通り、キチンは数多くの分類群内に存在する。しかし、市販のキチンは通常、エビ等の海生甲殻類から単離される。甲殻類の貝殻は、30〜40%のタンパク質、30〜50%の炭酸カルシウム、および20−30%のキチンから成り、また、カロテノイド(アスタキサンチン、アスタチン、カンタキサンチン、ルテインおよびβ−カロテン)といった脂質の性質の色素を有する。これらの割合は、種によって、および季節によって変化する。
上記した通り、キチンは数多くの分類群内に存在する。しかし、市販のキチンは通常、エビ等の海生甲殻類から単離される。甲殻類の貝殻は、30〜40%のタンパク質、30〜50%の炭酸カルシウム、および20−30%のキチンから成り、また、カロテノイド(アスタキサンチン、アスタチン、カンタキサンチン、ルテインおよびβ−カロテン)といった脂質の性質の色素を有する。これらの割合は、種によって、および季節によって変化する。
キチンが酸処理によって抽出され、炭酸カルシウムが溶解され、アルカリ抽出によるタンパク質の変性および溶解ならびに色素脱失工程が続く際、無色からオフホワイトの生成物が、主にアスタキサンチンを取り除くことで、得られる。その調製方法は試料の特質に影響を及ぼす要因である。初期の研究では、これら生成物の特定の特質(Mw、DD)が、処理条件に依存することが明確に示されている。しかし、一般的に、市販のキチンは、第1工程である除タンパク、続いて第2工程である脱ミネラル化によって調製される。このような条件で、キチンの生来の構造が失われた「破壊されたキチン」が抽出される。一方で、生来の鎖および繊維構造が完全なままで安定した「圧縮されたキチン」は、脱ミネラル化が第1工程で起こった時に抽出される。キトサン抽出のいずれかの方法で調製されたキトサンが、本発明に適用される。さらに、本発明は天然、半合成または合成原料まで、キトサンの原料を制限しない。
キトサンへのキチン脱アセチル化
キトサンは、キチンのアセタミド基の加水分解によって調製される。これは通常、糖環におけるC2−C3置換基のトランス配置によって加わるそのような基の抵抗のために、激しいアルカリ加水分解処理によって実行される(HortonおよびLineback 1965)。強い水性アルカリ下でのキチンの熱処理が、部分的に脱アセチル化したキチン(70%よりも高いDD)を提供するために、通常必要とされ、キトサンとして見なされる。一般的に、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが、高い温度(100℃)で30〜50%w/vの濃度で使用される。この激しい水酸化物/熱方法は、可能性のある菌体内毒素を減少または取り除く効果を同時に有し、これは、得られたキトサン物質の生物医学的適用のために有益である。
キトサンは、キチンのアセタミド基の加水分解によって調製される。これは通常、糖環におけるC2−C3置換基のトランス配置によって加わるそのような基の抵抗のために、激しいアルカリ加水分解処理によって実行される(HortonおよびLineback 1965)。強い水性アルカリ下でのキチンの熱処理が、部分的に脱アセチル化したキチン(70%よりも高いDD)を提供するために、通常必要とされ、キトサンとして見なされる。一般的に、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが、高い温度(100℃)で30〜50%w/vの濃度で使用される。この激しい水酸化物/熱方法は、可能性のある菌体内毒素を減少または取り除く効果を同時に有し、これは、得られたキトサン物質の生物医学的適用のために有益である。
キトサンDDは、キチン原料およびキトサン調製の方法に応じて、56%〜99%の範囲に及び得る(Abou−Shoer 2010)。脱アセチル化の度合いに影響を及ぼす要因には、アルカリの濃度、その前の処理、粒度およびキチンの密度が含まれる。実際には、単一のアルカリ処理で達成され得る最大DDは約75〜85%である(Roberts 1998)。概して脱アセチル化の間は、条件が、妥当な時間内でキチンを脱アセチル化し、(続いて)希酢酸に溶解性を示すキトサンを得るために適切なものでなくてはならない。キトサンの微細構造に関する最も重要な要因はDD値の化学的な多分散性であることが明らかになっている(Roberts 1998)。キトサン脱アセチル化の間、ポリマー鎖の分解が生じる。低DD(75−85%)を伴うキトサンスカフォールドは、より規則的な構造を示し、その細孔は極めて均一であり多角形断面に並行していた(TigliおよびGumusderelioglu 2008)。側部の細孔の連結性は、高い脱アセチル化度(>85%)を伴うスカフォールドのものよりもかなり低い。膨潤実験も実施されたが、DDと膨潤率との間に関係性は見られなかった。キトサンスカフォールドの機械的試験は、高DDを伴うと機械的強度はより高いことを示した。スカフォールドの生分解性もDDに依存する。
キトサン脱重合
特定の適用でのキトサンの使用における主な制約は、その高粘性および中性pHでの低溶解性である。低いMwのキトサンおよびオリゴマーは、ポリマー鎖の加水分解によって調製することができる。いくつかの具体的な適用においては、これらのより小さな分子がさらにより有益であることが発見されている。キトサン脱重合は化学的に、酵素的にまたは物理的に実行可能である。化学的脱重合は主に、HClを使う酸加水分解によって、または、HNO2およびH2O2を使う酸化反応によって実行される。それは、HNO2が脱アセチル化したグルコサミン単位のアミノ基を攻撃し、続いて隣接したグリコシド結合の切断を伴うという点で、特異的であることが分かっている(PrashanthおよびTharanathan 2007)。酵素的脱重合の場合、高水溶性を伴う低分子量キトサンが、キチナーゼ、キトサナーゼ、グルコナーゼおよびいくつかのプロテアーゼといった複数の酵素によって生成された。リゾチーム、セルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼおよびペクチナーゼを含む、キトサンを脱重合することができる非特異性酵素が知られている。この方法では、穏やかな条件下での位置選択的脱重合が可能である(Aranaz,Mengibarら、2009)。
特定の適用でのキトサンの使用における主な制約は、その高粘性および中性pHでの低溶解性である。低いMwのキトサンおよびオリゴマーは、ポリマー鎖の加水分解によって調製することができる。いくつかの具体的な適用においては、これらのより小さな分子がさらにより有益であることが発見されている。キトサン脱重合は化学的に、酵素的にまたは物理的に実行可能である。化学的脱重合は主に、HClを使う酸加水分解によって、または、HNO2およびH2O2を使う酸化反応によって実行される。それは、HNO2が脱アセチル化したグルコサミン単位のアミノ基を攻撃し、続いて隣接したグリコシド結合の切断を伴うという点で、特異的であることが分かっている(PrashanthおよびTharanathan 2007)。酵素的脱重合の場合、高水溶性を伴う低分子量キトサンが、キチナーゼ、キトサナーゼ、グルコナーゼおよびいくつかのプロテアーゼといった複数の酵素によって生成された。リゾチーム、セルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼおよびペクチナーゼを含む、キトサンを脱重合することができる非特異性酵素が知られている。この方法では、穏やかな条件下での位置選択的脱重合が可能である(Aranaz,Mengibarら、2009)。
キトサンのMwとその膨張挙動との間に相互関係は一切ない(Roldo,Hornofら、2004;El−Kamel,Ashriら、2007)。引張力(TS)、破断点伸びの割合(%EB)および弾性率(EM)は薄膜の強度および弾性を示すのに重要なパラメーターである。ASTMインターナショナル規格試験方法が、薄い薄膜または膜のための物理的パラメーターの評価のために確立されている(ASTM 2002;ASTM 2006)。中程度のMwキトサン薄膜は、TSおよびEMに対して最も高い値を有し、次に、高いMwおよび低いMwキトサン薄膜が続く(El−Kamel,Ashriら、2007)。一方で、最も高い%EBは、低いMwキトサン薄膜に対して得られ、次に、高程度および中程度のMwキトサン薄膜が続く。
細孔のばらつきの影響
キトサン系スカフォールドの機械的性質は細孔径および細孔の配向に依存する。キトサンはキトサン溶液を凍結および凍結乾燥することで、または、CaCO3をキトサン溶液に加えて適切な鋳型の使用により特定な形のキトサン−CaCO3ゲルを生成する、「内部バブリング処理(IBP)」といった処理によって、連通多孔構造として形成することができる(ChowおよびKhor 2000)。水和した試料の張力試験は、多孔性キトサン膜は非多孔性キトサン膜(5〜7MPa)と比較して、大いに低減した弾性率(0.1〜0.5MPaで、この場合、メガパスカル単位=N/mm2)を有することを示す。多孔性膜の伸び率(最大歪み)は、細孔径および配向の双方に応じて、非多孔性キトサンに類似した値(約30%)から100%超まで及んだ。多孔性膜は、2つの異なる領域を伴う複合物質に特有である応力−ひずみ曲線を示した。低ひずみでの低い弾性域および高ひずみでのさらに2〜3倍高い係数への移行である。これら多孔性構造の引張力は報告されたところによれば30〜60kPaの範囲である(MadihallyおよびMatthew 1999)。
キトサン系スカフォールドの機械的性質は細孔径および細孔の配向に依存する。キトサンはキトサン溶液を凍結および凍結乾燥することで、または、CaCO3をキトサン溶液に加えて適切な鋳型の使用により特定な形のキトサン−CaCO3ゲルを生成する、「内部バブリング処理(IBP)」といった処理によって、連通多孔構造として形成することができる(ChowおよびKhor 2000)。水和した試料の張力試験は、多孔性キトサン膜は非多孔性キトサン膜(5〜7MPa)と比較して、大いに低減した弾性率(0.1〜0.5MPaで、この場合、メガパスカル単位=N/mm2)を有することを示す。多孔性膜の伸び率(最大歪み)は、細孔径および配向の双方に応じて、非多孔性キトサンに類似した値(約30%)から100%超まで及んだ。多孔性膜は、2つの異なる領域を伴う複合物質に特有である応力−ひずみ曲線を示した。低ひずみでの低い弾性域および高ひずみでのさらに2〜3倍高い係数への移行である。これら多孔性構造の引張力は報告されたところによれば30〜60kPaの範囲である(MadihallyおよびMatthew 1999)。
ChenおよびHwaは、キトサン膜の機械的性質に対する、使用されるキトサンの分子量およびそれらの結晶化度の影響を報告した(ChenおよびHwa 1996)。つまり、使用されるキトサンの分子量が低いほど、調製されるキトサン膜の引張力は低く、それは、もつれの確率の違いのためである。言い換えると、低分子量キトサンの使用は、より少ないもつれを生成する。キトサンの結晶化度の違いは、別の要因が原因であり得る。使われるキトサンの分子量が低いほど、得られる膜のエンタルピーは低い。これらは、膜のより低い引張力が、低分子量キトサンから調製されるキトサン膜におけるより低い結晶化度の結果であることを示した。
生分解性
キトサンは哺乳動物には存在しないが、複数の酵素、特にリゾチーム、キチナーゼおよびNAGアーゼによって、インビボで分解が可能である(Dallan,da Luz Moreiraら、2007;Kim,Seoら、2008)(Aranaz,Mengibarら、2009)(Niekraszewicz 2005)。生分解は、様々な長さの非毒性オリゴ糖類の放出をもたらし、非毒性オリゴ糖類は続いてグリコサミノグリカンおよび糖タンパク質へ組み込まれ、代謝伝達経路へ、または、排泄され得る。哺乳動物組織内に存在し先天免疫内に関わる、非特異性グリコシドヒドロラーゼであるリゾチームは、キチンおよびキトサンに対して、顕著な分解役割を果たすようである。分解の動態は、主にDDによって調節される結晶化度に逆相関しているようである。さらに、アセチル基の分布も生分解性に影響を与え、それはアセチル基またはそれらの均一な分布の不在(塊よりはむしろ無秩序)は、酵素分解の極めて低い速度につながるからである。
キトサンは哺乳動物には存在しないが、複数の酵素、特にリゾチーム、キチナーゼおよびNAGアーゼによって、インビボで分解が可能である(Dallan,da Luz Moreiraら、2007;Kim,Seoら、2008)(Aranaz,Mengibarら、2009)(Niekraszewicz 2005)。生分解は、様々な長さの非毒性オリゴ糖類の放出をもたらし、非毒性オリゴ糖類は続いてグリコサミノグリカンおよび糖タンパク質へ組み込まれ、代謝伝達経路へ、または、排泄され得る。哺乳動物組織内に存在し先天免疫内に関わる、非特異性グリコシドヒドロラーゼであるリゾチームは、キチンおよびキトサンに対して、顕著な分解役割を果たすようである。分解の動態は、主にDDによって調節される結晶化度に逆相関しているようである。さらに、アセチル基の分布も生分解性に影響を与え、それはアセチル基またはそれらの均一な分布の不在(塊よりはむしろ無秩序)は、酵素分解の極めて低い速度につながるからである。
最後に、複数の研究によって、鎖の長さ(Mw)も分解の速度に影響を与えることが報告された。キトサン系物質および医療機器の分解速度の理解および調節は大変興味深く、というのも、多くの小分子および大分子の放出適用において、ならびに、機能的組織再生適用において、分解は必須であるからである。特定の使用において、スカフォールドの分解の速度は、新しい組織形成の速度を反映するべきであり、または、生理活性分子(たとえば、天然化合物、薬剤、生物製剤核酸、ワクチンおよび免疫エフェクター)の調節された放出のために適切であるべきである。したがって、各物質が分解される機構および速度の双方を理解し、調節することが重要である。
分解速度は生体適合性にも影響を与え、なぜなら、分解の速度が速いと、軽度の炎症反応を起こし得るアミノ糖類を放出する(そして、集積する可能性がある)からである。低いDDを伴うキトサン試料は、さらに急性の炎症反応を誘発する一方で、高いDDを伴うキトサン試料は、低い分解速度のために、最小限の反応を誘発する。分解は、DDが減少するにつれ、増加することが示されている。言い換えると、概して、分解は、増加したアセチル化によって促進される(Lim,Songら、2008)。Kofujiらは、リゾチームの存在下におけるキトサン溶液の粘性の変化を観察することで、様々なキトサンの酵素の挙動を調査した(Kofuji,Qianら、2005)。彼らは、低いDDを伴うキトサンは、より速く分解される傾向にあることを発見した。しかし、分解における違いは、キトサン分子中のアセトミド基の分布におけるばらつきのためであると、他の著者は報告した。これは、分子間または分子内の反発力を変えることによってキトサン溶液の粘性に影響を与える脱アセチル化状況の違いのために起こる。したがって、DD単独から生分解速度を見積もるのは不可能であると結論付けることができる。
生体適合性
キトサンは素晴らしい生体適合性を示すが、この性質は試料の特質(たとえば、天然の原料、調製の方法、MwおよびDD)による。消化(経口/胃腸)酵素は部分的にキトサンを分解できるが、経口投与された際には、キトサンは吸収されない。このために、キトサンは経口経路では生物に利用可能ではないと見なされる。キトサンは、マウスにおいて約16g/kgのLD50を有し、非常に高い用量であり、ごくわずかな急性毒性と一致している。キトサンの毒性はDDに依存すると報告されている。Schipperらは、35%よりも高いDDを伴うキトサンは低い毒性を示し、一方で35%未満のDD(すなわち、キチン)は用量依存の毒性を引き起こすことを報告した(Schipper,Varumら、1996)。他方では、キトサンのMwは毒性に影響を及ぼさなかった(Schipper,Varumら、1996)。
キトサンは素晴らしい生体適合性を示すが、この性質は試料の特質(たとえば、天然の原料、調製の方法、MwおよびDD)による。消化(経口/胃腸)酵素は部分的にキトサンを分解できるが、経口投与された際には、キトサンは吸収されない。このために、キトサンは経口経路では生物に利用可能ではないと見なされる。キトサンは、マウスにおいて約16g/kgのLD50を有し、非常に高い用量であり、ごくわずかな急性毒性と一致している。キトサンの毒性はDDに依存すると報告されている。Schipperらは、35%よりも高いDDを伴うキトサンは低い毒性を示し、一方で35%未満のDD(すなわち、キチン)は用量依存の毒性を引き起こすことを報告した(Schipper,Varumら、1996)。他方では、キトサンのMwは毒性に影響を及ぼさなかった(Schipper,Varumら、1996)。
キトサンの、心筋、内皮および上皮細胞、線維芽細胞、肝細胞、軟骨細胞ならびに角化細胞との細胞適合性は、インビトロで証明されている(Aranaz、Mengibarら 2009)。この性質は、試料のDDに関連していると見受けられる。ポリマーの正電荷が上昇する際、遊離アミノ基が存在するため、キトサンおよび細胞の相互作用も増大する。角化細胞および線維芽細胞の、異なるDDを伴う複数のキトサン薄膜上への接着および増殖は、DDおよび細胞の種類の双方に依存する。双方の細胞で、細胞接着の割合はDDに強く依存しており、このパラメーターとともに増加した。細胞の種類は、接着に影響を及ぼす要因でもあり、線維芽細胞でさらに有利であり、角化細胞に対してよりも、さらに負荷電の表面を示す。一方で、増殖は、DDを上昇させることで相当低下した。したがって、創傷治癒および生物学的適用において、細胞接着および細胞増殖の釣り合いには、適切なDDが必要となる。
異なるMwキトサンを含むキトサン薄膜は、異なる接着力を有するが、統計分析によると、薄膜間の生体接着力に有意差は一切ない。逆に、Roldoらは、中程度のMwキトサンの最大分離力は、低いおよび高いMwキトサンの双方のものよりも高いことを示した(Roldo,Hornofら、2004)。
残渣タンパク質を伴う不純キチンおよびキトサンは、いくつかの個体内に、過敏症といったアレルギー反応を起こし得る。試料中のタンパク質含有量は、試料の原料に、および、特に調製の方法に依存する。上述した通りに調製された場合(たとえば、酸に引き続き、強塩基および熱)、精製されたキトサンは非アレルゲン性である。ヒト群の0.2〜0.3パーセントは海生甲殻類にアレルギーを示す(Osterballe,Hansenら、2005;Osterballe,Mortzら、2009)一方で、キトサンに関して、尊敬される権威者、Riccardo Muzzarelli博士は、次の結論を導いた。
キチンをアレルゲン性物質として解釈するのは現在賢明ではなく、さらなる臨床的および遺伝学的な研究が必要とされている。カニ、エビ、クルマエビおよびロブスターのキチンは、全段階のキトサンと同様に、一度精製されると、「甲殻類派生物」と見なされるべきではなく、というのもその単離方法が、それらの由来に関わりなくそれらを化学物質として分類できる程度まで、タンパク質、脂質および他の混入物を、取り除くからである[(Muzzarelli 2010).305]。
主要なエビアレルゲンは、筋肉タンパク質であるトロポミオシンとして特定されている…エビ由来グルコサミンは、トロポミオシンに過敏である個体にとってでさえ安全である。Villacisらは、様々な製造業者のグルコサミンサプリメントは、臨床的に関係する濃度のアレルゲンを含まないと述べる[76]。Grayらは、「貝類アレルギーは、IgE抗体によって、貝の身の中の抗原に対して引き起こされるのであって、貝殻ではない。したがって、貝類アレルギーを有する患者にとって、グルコサミンサプリメントを取ることは安全であるはずだ」と明確に述べる[77][(Muzzarelli 2010)p.300]。
さらに、「創傷被覆材」製品内の物質としての精製されたキトサンに関して、Muzzarelli博士はこう述べる。
「実験的および前臨床の外科的試みにおいて、キチン/キトサンおよびそれらの誘導体の使用が、アレルギーまたは他の疾患をもたらしたことは一度もない。」[(Muzzarelli 2010)p.304]
止血性の考慮
キトサンのMwは、赤血球の結合または凝集にも影響を及ぼす(Mi,Shyuら、2001;Ishihara,Obaraら、2006;Pang,Chenら、2007;Aranaz,Mengibarら、2009;Zhang,Xiaら、2010)。最近の論文で、固体状態のキトサンおよびキトサン酢酸生理的食塩水の間で比較研究がなされている(Jian,Fengら、2008)。2000〜400kDaのMwおよび90〜70%のDDを伴う複数のキトサン試料を試験した。固体状態のキトサンおよび「キトサン酢酸生理的食塩水」は、異なる止血機構に従うことが分かった。血をキトサン酢酸生理的食塩水と混ぜると、赤血球が凝集し、変形された。キトサン酢酸生理的食塩水中のDD、特に高いDDは、100〜1,000kDaの間の範囲内のMwの影響に比べ、赤血球の普通ではない凝集および変形に顕著な影響をもたらした。しかし、この現象は、固体状態のキトサンでは観察されなかった。高いDDを伴う固体状態のキトサンはより多くの血小板を結合させ、止血性もさらに高かった。
キトサンのMwは、赤血球の結合または凝集にも影響を及ぼす(Mi,Shyuら、2001;Ishihara,Obaraら、2006;Pang,Chenら、2007;Aranaz,Mengibarら、2009;Zhang,Xiaら、2010)。最近の論文で、固体状態のキトサンおよびキトサン酢酸生理的食塩水の間で比較研究がなされている(Jian,Fengら、2008)。2000〜400kDaのMwおよび90〜70%のDDを伴う複数のキトサン試料を試験した。固体状態のキトサンおよび「キトサン酢酸生理的食塩水」は、異なる止血機構に従うことが分かった。血をキトサン酢酸生理的食塩水と混ぜると、赤血球が凝集し、変形された。キトサン酢酸生理的食塩水中のDD、特に高いDDは、100〜1,000kDaの間の範囲内のMwの影響に比べ、赤血球の普通ではない凝集および変形に顕著な影響をもたらした。しかし、この現象は、固体状態のキトサンでは観察されなかった。高いDDを伴う固体状態のキトサンはより多くの血小板を結合させ、止血性もさらに高かった。
キトサンおよびその塩形態を含む多くの市販の医療機器製品が、出血を調節する際の使用のために利用可能である(たとえば、酸性の凍結乾燥したキトサンスポンジ)。これらの機器は、一般的に、創傷被覆材または「包帯」として、創傷の外面に適用される(下記のFDA認可機器を参照)。
粘膜付着
複数の要因がキトサン粘膜付着に影響を与え、たとえば、キトサンの生理学的変動および生理科学的性質などである。粘液は、ムチンと呼ばれる糖タンパク質から成り、ムチンはシアル酸残渣を有するため、負荷電が豊富である。胃の中では、酸性環境のためにキトサンは正荷電を帯びており、したがって、静電力によってムチンと相互に作用することができる。この結合の度合いは、ムチンに存在するシアル酸の量ならびにキトサンのMwおよびDDに依存する。キトサンのMwが大きくなると、ムチン層の透過も上昇し、したがって粘膜付着もさらに強くなることが分かっている(Lehr,Bouwstraら、1992)。一方で、より高いDDは、分子の電荷密度の増加をもたらし、粘着性質はさらに関連性が高くなる(He,Davisら、1998)。
複数の要因がキトサン粘膜付着に影響を与え、たとえば、キトサンの生理学的変動および生理科学的性質などである。粘液は、ムチンと呼ばれる糖タンパク質から成り、ムチンはシアル酸残渣を有するため、負荷電が豊富である。胃の中では、酸性環境のためにキトサンは正荷電を帯びており、したがって、静電力によってムチンと相互に作用することができる。この結合の度合いは、ムチンに存在するシアル酸の量ならびにキトサンのMwおよびDDに依存する。キトサンのMwが大きくなると、ムチン層の透過も上昇し、したがって粘膜付着もさらに強くなることが分かっている(Lehr,Bouwstraら、1992)。一方で、より高いDDは、分子の電荷密度の増加をもたらし、粘着性質はさらに関連性が高くなる(He,Davisら、1998)。
抗菌作用
キトサンの固有な性質の1つとして、幅広い範囲の細菌に対して顕著な抗菌作用をもたらすことがある(No,Parkら、2002;Jou,Yuanら、2007)。Aiminら(Aimin,Chunlinら、1999)はキトサンがウサギの黄色ブドウ球菌によって実験的に誘導された骨髄炎の感染率を下げることができると示している。これはアミノ基によるキトサンのカチオン性の性質および細菌細胞壁のアニオンに関係する。正荷電を帯びたキトサンと負荷電を帯びた細菌細胞壁との間の相互作用は、細胞内成分の漏出につながる。キトサンとDNAの結合およびmRNA合成の阻害は、キトサンの微生物の細胞基質への浸透ならびにmRNAおよびタンパク質の合成を妨害することを介して生じる(Liu,Guanら、2001)。
キトサンの固有な性質の1つとして、幅広い範囲の細菌に対して顕著な抗菌作用をもたらすことがある(No,Parkら、2002;Jou,Yuanら、2007)。Aiminら(Aimin,Chunlinら、1999)はキトサンがウサギの黄色ブドウ球菌によって実験的に誘導された骨髄炎の感染率を下げることができると示している。これはアミノ基によるキトサンのカチオン性の性質および細菌細胞壁のアニオンに関係する。正荷電を帯びたキトサンと負荷電を帯びた細菌細胞壁との間の相互作用は、細胞内成分の漏出につながる。キトサンとDNAの結合およびmRNA合成の阻害は、キトサンの微生物の細胞基質への浸透ならびにmRNAおよびタンパク質の合成を妨害することを介して生じる(Liu,Guanら、2001)。
他の機構も提唱されている。キトサンは、微生物の成長を阻害し得、それは、金属元素、微量元素または必須栄養素を、その生物体が通常速度で成長するためには利用できないようにするキレート剤として作用することで、阻害し得る。キトサンは、凝集タンパク質と相互に作用することもできるが、この作用は、pHに非常に依存している。
さらに、キトサンは抗真菌性質を持つ。複数の著者が、キトサンの糸状菌に対する抗菌作用は、膜の機能のより直接的な妨害によって説明され得ると提唱している。しかし、キトサンの抗菌作用が成長阻害(静真菌性)または細胞死(殺真菌性)によって引き起こされるかどうかははっきりしていない。
抗酸化作用
キトサンは異なるラジカル種に対して著しい除去能力を示しており、その結果は市販の抗酸化剤で得られるものに匹敵する。カニの殻のDDが90、75、50%であるキチンから試料を調製し、ここで、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)、水酸基、スーパーオキシドおよびアルキルラジカルを除去するそれらの能力に基づいて評価した。結果は、より高いDDを伴うキトサンは最も高い除去作用を示すことを明らかにした(Park,Jeら、2004)。一方で、異なるサイズのキトサンおよびそれらのサルフェート誘導体を、スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルに対して分析した。キトサンのMwと作用との間には負の相関がみられた。キトサン硫酸化誘導体は、過酸化ラジカルに対してより強い除去効果を示したが、一番低いMwのキトサンは、他よりも、さらに著しい2価鉄イオンキレート化効力を示した。金属イオンのキレート化は、キトサンが可能性のある天然抗酸化剤と見なされ得る理由の1つである。キトサンはそのシステムに存在する2価鉄イオンをキレート化することで、脂質の酸化を遅らせ、したがって、それらの酸化促進作用または3価鉄イオンへの転換を排除し得る(Peng 1998)。
キトサンは異なるラジカル種に対して著しい除去能力を示しており、その結果は市販の抗酸化剤で得られるものに匹敵する。カニの殻のDDが90、75、50%であるキチンから試料を調製し、ここで、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)、水酸基、スーパーオキシドおよびアルキルラジカルを除去するそれらの能力に基づいて評価した。結果は、より高いDDを伴うキトサンは最も高い除去作用を示すことを明らかにした(Park,Jeら、2004)。一方で、異なるサイズのキトサンおよびそれらのサルフェート誘導体を、スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルに対して分析した。キトサンのMwと作用との間には負の相関がみられた。キトサン硫酸化誘導体は、過酸化ラジカルに対してより強い除去効果を示したが、一番低いMwのキトサンは、他よりも、さらに著しい2価鉄イオンキレート化効力を示した。金属イオンのキレート化は、キトサンが可能性のある天然抗酸化剤と見なされ得る理由の1つである。キトサンはそのシステムに存在する2価鉄イオンをキレート化することで、脂質の酸化を遅らせ、したがって、それらの酸化促進作用または3価鉄イオンへの転換を排除し得る(Peng 1998)。
キトサンの現在の使用
天然のカチオン性多糖類であるキトサンおよびその塩形態(たとえば、−アセテート、−ラクテート、−クロリド、−ホスフェートなど)は、特に食品、医療機器、美容およびヘアケア製品ならびに薬剤における、様々な適用のための、非毒性および生分解性バイオポリマーとして著しい注目を浴びている(JohnsonおよびNichols 2000)。
天然のカチオン性多糖類であるキトサンおよびその塩形態(たとえば、−アセテート、−ラクテート、−クロリド、−ホスフェートなど)は、特に食品、医療機器、美容およびヘアケア製品ならびに薬剤における、様々な適用のための、非毒性および生分解性バイオポリマーとして著しい注目を浴びている(JohnsonおよびNichols 2000)。
食品に関して、近年キトサンは、脂肪と結合するその能力のために、複数の栄養補助サプリメント製品において、栄養サプリメントまたはコレステロール低下剤として店頭で入手可能となった。キトサンは食品保存のための天然由来多目的バイオポリマーとして認識されており、それはキトサンの食物腐敗細菌に対する抗菌作用および抗酸化性質のためである。pHに依存した溶解性によって、水性加工を利用して、キトサンを様々な形(たとえば、ビーズ状、薄膜および膜)に形成することが可能である。ビーズおよび粒子は、樹脂、注入剤、吸収材、吸着材および絶縁体における使用のために説明されている(Smith 1994)(UngerおよびRohrbach 1996)。多くの果物及び野菜の保存性を広げるための保護バリアとしてキトサンコーティングを使用することも広く記述されている。
キトサン構造物の現在の医療的用法
その生物学的性質のために、キトサンは、創傷治癒管理(たとえば、創傷被覆材および「包帯」)、整形外科および歯周用の複合体といった埋め込み型機器システム、組織再生のためのスカフォールドならびに薬剤およびDNA伝達システムにおいて、研究および/または市販製品で利用されている。
その生物学的性質のために、キトサンは、創傷治癒管理(たとえば、創傷被覆材および「包帯」)、整形外科および歯周用の複合体といった埋め込み型機器システム、組織再生のためのスカフォールドならびに薬剤およびDNA伝達システムにおいて、研究および/または市販製品で利用されている。
生分解性天然バイオポリマーとしてのキトサンは、長年、生体適合性創傷被覆材として役立っている。キトサン系物質は生体適合性が非常に高く、毒性もなく、初期に、軽度のマクロファージ主導の炎症反応を伴うだけである。概して、キトサンの独特な化学的および生物学的性質、生分解特質ならびに生体適合性のために、キトサンは生物医学的適用において魅力的である。現在、キトサン含有製品は、一般的に創傷治癒を促進するための米国FDAクラスIの医療機器創傷被覆材または「包帯」として医療市場で入手可能である。おそらく、キトサン系製品は、米国よりもさらに広い範囲で、国際的に使用されている。
ヒトにおける精製キトサンの安全性
ヒトにおける精製キトサンの安全性は広く報告されている(Illum 1998;Baldrick 2010)。ヒトにおける安全性は様々なコンテクストで実証されている。
ヒトにおける精製キトサンの安全性は広く報告されている(Illum 1998;Baldrick 2010)。ヒトにおける安全性は様々なコンテクストで実証されている。
1.FDA認可機器:精製キトサンは複数の米国FDA認可クラスI医療および歯科用機器における構成成分であり、多くの場合、主要な構成成分である。様々な完成製品形態のなかで使われており、たとえば、粒剤、包帯およびガーゼの薄膜成分、および凍結乾燥「スポンジ」である。FDA510(k)市販前通知をクリアしたクラスI製品の例としては、ヘムコンバンデージ、ヘムコンデンタルドレッシング、ヘモホルトヘモスタシスパッドウーンドドレッシング(HemoHalt Hemostatis Pad Wound Dressing)、アクアノバ超吸収剤ドレッシング(Aquanova Super−Absorbent Dressing)、溶解性袋中CELOX局所止血性粒剤(CELOX Topical Hemostatic Granules in Soluble Bag)およびキトガーゼ(ChitoGauze)が含まれる。
2.GRAS食品添加物:キトサンは食品添加物として、様々なキトサン製造業者(たとえば、プリメックス)による自己確認のレベルで、一般に安全と認められる(GRAS)と見なされる。我々の知る限りにおいて、完全なFDA検査後に「コメントなし」というより高いレベルでのGRAS指定は、まだ起こっていない。摂取されたキトサンは食物中の脂質と親和性を有し、胃腸管からの脂質の取り込みを低下し得るという注意が1つあるものの、キトサンは、科学界によって食品での使用が安全であるとみなされている。
3.美容&消費スキンケア製品:キトサンは国際化粧品原料国際命名法(INCI)のなかに列挙されている。キトサンおよびそのさまざまな塩形態(たとえば、ラクテート、グリコレート、アスコルベート、ホルメート&サリチレート)ならびに他の有機誘導体が、化粧品および消費スキンケア製品における使用のための成分として、複数の販売店を介して列挙されている。しかし、キトサンは、化粧品成分審査委員会(CIR)による評価をまだ経験していない。産業専門家によるこのパネルは、安全性のために、非常に限られた数の化粧品成分を評価する。我々の知る限りにおいて、キトサンは専門家パネルによる考慮を必要とせず、科学界によって消費スキンケアおよび美容製品での使用に関しては安全だとみなされている。
組織工学
組織工学は、多くの専門分野にわたる科学であり、破損している組織および臓器の生物学的代用品を開発する取り組みにおいて材料工学および分子/細胞生物学の基本原則を含む。最も一般的な意味で、組織工学は、身体のために生きている代替部を作ろうとする。LangerおよびVacanti(LangerおよびVacanti 1993)は、生物学的代用品工学のための最も一般的なアプローチは、生細胞、シグナル分子およびポリマースカフォールドに基づいていると報告した。前記細胞は、新しい組織のマトリックスおよび機能を、疾患または破損組織の代わりに合成し、一方で前記スカフォールドは、該細胞が接着、増殖および分化といった細胞の任務を効果的に果たせるよう適切な環境を提供する。シグナル分子の機能は、細胞が新しい組織を再生することを助長および促進する。スカフォールドは、設計された組織を形成するための一時的な3次元の骨組みだけでなく、生物活性シグナル分子の空間充填および調節放出も提供する。組織工学におけるこれら様々な任務をこなすために、スカフォールドは次の必要条件を満たすべきである。(1)組織との生体適合性および細胞接着を促進する環境、(2)新しい組織形成の速度に対応する最適速度での生分解性、(3)非毒性および非免疫原生、(4)最適機械的特質、ならびに(5)気体、代謝物質、栄養分およびシグナル分子をスカフォールド内ならびにスカフォールドと局所環境との間の双方で運搬するための十分な多孔性および形態、である。
組織工学は、多くの専門分野にわたる科学であり、破損している組織および臓器の生物学的代用品を開発する取り組みにおいて材料工学および分子/細胞生物学の基本原則を含む。最も一般的な意味で、組織工学は、身体のために生きている代替部を作ろうとする。LangerおよびVacanti(LangerおよびVacanti 1993)は、生物学的代用品工学のための最も一般的なアプローチは、生細胞、シグナル分子およびポリマースカフォールドに基づいていると報告した。前記細胞は、新しい組織のマトリックスおよび機能を、疾患または破損組織の代わりに合成し、一方で前記スカフォールドは、該細胞が接着、増殖および分化といった細胞の任務を効果的に果たせるよう適切な環境を提供する。シグナル分子の機能は、細胞が新しい組織を再生することを助長および促進する。スカフォールドは、設計された組織を形成するための一時的な3次元の骨組みだけでなく、生物活性シグナル分子の空間充填および調節放出も提供する。組織工学におけるこれら様々な任務をこなすために、スカフォールドは次の必要条件を満たすべきである。(1)組織との生体適合性および細胞接着を促進する環境、(2)新しい組織形成の速度に対応する最適速度での生分解性、(3)非毒性および非免疫原生、(4)最適機械的特質、ならびに(5)気体、代謝物質、栄養分およびシグナル分子をスカフォールド内ならびにスカフォールドと局所環境との間の双方で運搬するための十分な多孔性および形態、である。
キトサンは組織工学において最も有望なバイオマテリアルの1つであり、というのも、キトサンは、皮膚、骨、軟骨、肝臓、神経および血管といった様々な種類の臓器における組織再生のために適任である、明確な一連の有利な物理化学的および生物学的性質を提供するからである。再生組織工学における最近の研究では、破損組織を支え、編成するためにスカフォールドの使用が提唱されており、なぜなら、3次元マトリックスは、細胞挙動にとってより好都合な環境を提供するからである。低い免疫原性作用、調節された生分解性および多孔性構造のために、キトサンスカフォールドは、組織工学によるシステムの設計のために有望な物質である。
細孔径、形および分布といった微細構造は、組織工学における細胞侵入、増殖および機能に重要な影響をもたらすことが知られている。スカフォールドに関する細胞付着研究によると、より高いDDは、細胞接着に有利に働くと示されている(Seda Tigli,Karakeciliら、2007)。しかし、本開示は、56%〜99%のキトサンDDを企図している。
スカフォールドの分解性は、細胞増殖、組織再生および宿主反応を含む多くの細胞プロセスに影響を与えるため、細胞工学による細胞/物質構築物の長期的性能に決定的な役割を果たす。スカフォールドが骨格系の組織工学のために使われる際、組織再生が完成するか、それに近くなるまで機械的強度を保たなくてはいけないため、スカフォールドバイオマテリアルの分解は、比較的遅くあるべきである。その分解速度は、時間をかけて、機械的性質および溶解特性の双方にも本質的に影響する。
最近、電界紡糸処理によって高分子ナノ繊維を作ることが、独特な技術として注目されており、なぜなら、ポリマーおよび処理条件に応じて、数マイクロメーターから数10ナノメーターまでの範囲である直径を伴うキトサンナノ繊維を製造することができるからである。電界紡糸は、高電圧をポリマー溶液の毛管の液滴または融成物に適用して液体の表面張力に打ち勝ち、したがって、従来の繊維紡糸方法よりもさらに細かい繊維の形成を可能にする。これらのナノ繊維は、天然の細胞外マトリックス(ECM)の構造および機能をまねており、ヒト組織の機能を回復、維持または改善するためのスカフォールド物質として組織工学において大変興味深く、というのも、ナノ繊維は高比表面積および高い多孔性といった有益な性質を複数有するからである。最近の試みでは、電界紡糸によるキトサン系ナノ繊維構造物の調製が、様々な成功率でなされている。Minら(Min,Leeら、2004)は、110nmの平均直径を伴うキチンおよびキトサンナノ繊維を製造し、直径は、SEM画像分析によって40〜640nmの範囲に及んだ。Bhattaraiら(Bhattarai,Edmondsonら、2005)はさらに、これらのキトサン系ナノ繊維は軟骨細胞および骨芽細胞の接着を促進し、特徴的な細胞形態を維持すると結論付けた。
創傷治癒
キチンおよびキトサンは免疫細胞および炎症細胞(たとえば、PMNおよびマクロファージ)、線維芽細胞ならびに血管−内皮細胞を活性化する。これらの効果は、キチンはキトサンよりも弱い効果を示すので、試料のDDに関係する。Okamotoおよび共同研究者は、キトサンは、実験的動物モデルにおいて、全段階の創傷治癒に影響を及ぼすと報告した(Okamoto,Shibazakiら1995)。炎症段階において、キトサンは、通常の凝固カスケードに依存しない独特な止血性質を有する。インビボで、これらのポリマーは線維芽細胞の増殖を刺激し、好中球およびマクロファージの遊走挙動を調節することもでき、線維増殖および再上皮化といった続きの修復処理を修飾する(Okamoto,Shibazakiら、1995;Kosaka,Kanekoら、1996)。Kosakaらは、キトサンの細胞結合および細胞活性化性質は、その可能性のある作用に決定的な役割を果たすと報告した。これらの研究は、キトサンが創傷治癒物質として好適であるという証拠体をさらに加え、キトサン系スカフォールドへの細胞播種は、生体適合性で生存可能な、組織工学によるインプラントを提供するであろう。
キチンおよびキトサンは免疫細胞および炎症細胞(たとえば、PMNおよびマクロファージ)、線維芽細胞ならびに血管−内皮細胞を活性化する。これらの効果は、キチンはキトサンよりも弱い効果を示すので、試料のDDに関係する。Okamotoおよび共同研究者は、キトサンは、実験的動物モデルにおいて、全段階の創傷治癒に影響を及ぼすと報告した(Okamoto,Shibazakiら1995)。炎症段階において、キトサンは、通常の凝固カスケードに依存しない独特な止血性質を有する。インビボで、これらのポリマーは線維芽細胞の増殖を刺激し、好中球およびマクロファージの遊走挙動を調節することもでき、線維増殖および再上皮化といった続きの修復処理を修飾する(Okamoto,Shibazakiら、1995;Kosaka,Kanekoら、1996)。Kosakaらは、キトサンの細胞結合および細胞活性化性質は、その可能性のある作用に決定的な役割を果たすと報告した。これらの研究は、キトサンが創傷治癒物質として好適であるという証拠体をさらに加え、キトサン系スカフォールドへの細胞播種は、生体適合性で生存可能な、組織工学によるインプラントを提供するであろう。
キトサンオリゴマーも、創傷治癒の性質を示している(Minagawa,Okamuraら、2007)。キトサンオリゴマーの創傷治癒性質は、線維芽細胞成長因子に影響することで、線維芽細胞生成を刺激する能力のためだと提唱されている。それに続くコラーゲン生成はさらに結合組織の形成を促進する(Howling,Dettmarら、2001)。
創傷治癒におけるキチンオリゴ糖の可能性のある使用が、慢性腸疾患に対するその能力と同様に研究されている(Deters,Petereitら、2008)。キトサンオリゴマーおよびモノマーの創傷治癒効果は、リゾチームがインビボでキトサンポリマーをこれらのより小さな分子に分解するため、大変興味深い。
キトサン系インプラントは、ほとんどまたは一切繊維被包がない状態で、最小限の異物反応を引き起こすことが分かっている。治癒の一般的な過程は、しばしば加速した血管新生とともに普通の肉芽組織の形成を伴う。キトサンは、単純な創傷被覆材から洗練された人工皮膚マトリックスにわたる適用に好適な、速い真皮再生の促進および創傷治癒の加速に好都合な性質を所持する。マクロファージ様細胞によるキトサンインプラントの分解過程の間、キトサンは抗炎症サイトカインカスケードを刺激することが報告されている(Chellat,Grandjean−Laquerriereら、2005)。
理想的な皮膚の被覆材は、最適な速度で、創傷からの蒸発水損失を調節するであろう。通常の皮膚の経皮水分損失(TEWL)速度は1日当たり204g/m2であり、一方で、損なわれた角質層および上皮を伴う傷ついた皮膚に関しては、第1度熱傷で1日当たり279g/m2から上皮を失った肉芽創傷で1日当たり5138g/m2までに及び得る。創傷被覆材の水蒸気透過性は、過剰な脱水および浸出物の発達の双方を阻止するべきである。傷ついた皮膚の損失速度の中程度の範囲にある、1日当たり2500g/m2の速度が、創傷脱水症状の危険もなく適切な水分レベルを提供するであろうと推奨された。作られた非対称キトサン膜に関する水分損失データは、膜をつける前の完全蒸発時間に応じて、1日当たり2109〜2792g/m2の範囲に及んだ(Mi,Shyuら、2001)。スポンジ様下層の高い多孔性が、水蒸気の吸収を増大させ、緻密な表面薄層の減少した厚さは水分子の拡散を増大させ、したがって、増加した水蒸気伝達速度につながる。
薬剤伝達システム
産業におけるキトサンの重要な適用に、ナノ粒子、ヒドロゲル、微粒子、薄膜および錠剤といった薬剤伝達システムの発展がある。そのカチオン性質の結果、キトサンはポリアニオンと反応することができ、多価電解質複合体を生じさせる。医薬用途には、鼻、眼、経口、膣、非経口および経皮薬剤伝達が含まれる。キトサンの3つの主な特徴が考慮されるべきである。Mw、DD、および純度。キトサン鎖が短くなるとき(低いMwキトサン)、キトサン鎖は直接水に溶解することができ、これは特定の生物医学的な適用に関して特に有益であり、この際、皮膚科学的または消費スキンケア適用のために、pHは約7.0または少し低い(およそ5.5〜6.5)pHにとどめるべきである。
産業におけるキトサンの重要な適用に、ナノ粒子、ヒドロゲル、微粒子、薄膜および錠剤といった薬剤伝達システムの発展がある。そのカチオン性質の結果、キトサンはポリアニオンと反応することができ、多価電解質複合体を生じさせる。医薬用途には、鼻、眼、経口、膣、非経口および経皮薬剤伝達が含まれる。キトサンの3つの主な特徴が考慮されるべきである。Mw、DD、および純度。キトサン鎖が短くなるとき(低いMwキトサン)、キトサン鎖は直接水に溶解することができ、これは特定の生物医学的な適用に関して特に有益であり、この際、皮膚科学的または消費スキンケア適用のために、pHは約7.0または少し低い(およそ5.5〜6.5)pHにとどめるべきである。
薬剤伝達において、特定の特徴を備えた理想的なキトサンの種類の選択は、持続した薬剤伝達システムを発達させる、薬剤作用の継続時間を長くする、治療効果を改善する、および、副作用を緩和するために有益である。キトサンの生理化学的特徴は、薬剤伝達賦形剤の物質として適切なキトサンの選択のために重要である。
DDは、キトサンマトリックスの負荷および剥離性を調節する疎水性相互作用における差異のために、キトサンの結晶化度および疎水性度を調節する(Draget 1996)。Zhangらも、高いキトサンDDおよび狭いポリマーMw分布が粒度分布の調節にきわめて重要であることが示されたと報告した(Zhang,Ohら、2004)。
DesaiおよびParkは、ビタミンCの放出率が、微粒子調製のために使われるキトサンのMwが上昇するにつれて一気に低くなったことを観察した(DesaiおよびPark 2006)。彼らは、その放出動態を研究し、フィックの法則に従っていることを発見した。
インビトロ放出研究に関しては、放出される薬剤の量は、低い程度または中程度のMwキトサンを含んだ薄膜に関しては類似するが、高程度のMwキトサンと調製されたものに関しては、より低い。キトサンのモル質量およびその溶液の粘性間の直接関係を考慮すると、この挙動は予測可能である。ポリマーの粘性を上昇させることで、薬剤の、形成されたゲル層経由での放出媒体への拡散は遅くなる(El−Kamel、Ashriら2007)。
遺伝子伝達
その正荷電のために、キトサンはDNAのような負荷電を帯びた分子と相互作用する能力を持つ。この性質は、1995年に初めて利用され、遺伝子伝達システムのための非ウイルスベクターを調製した(MacLaughlm,Mumperら1998)。遺伝子伝達のための非ウイルス性ベクターとしてのキトサンの使用は、ウイルス性ベクターに比べて複数の利点を提供する。主に、キトサンは内在性組み換え、発がん性効果をもたらさず、軽度の免疫学的反応しかもたらさない。さらに、キトサン/プラスミドDNA複合体を低コストで簡単に調製することができる。
その正荷電のために、キトサンはDNAのような負荷電を帯びた分子と相互作用する能力を持つ。この性質は、1995年に初めて利用され、遺伝子伝達システムのための非ウイルスベクターを調製した(MacLaughlm,Mumperら1998)。遺伝子伝達のための非ウイルス性ベクターとしてのキトサンの使用は、ウイルス性ベクターに比べて複数の利点を提供する。主に、キトサンは内在性組み換え、発がん性効果をもたらさず、軽度の免疫学的反応しかもたらさない。さらに、キトサン/プラスミドDNA複合体を低コストで簡単に調製することができる。
トランスフェクション効率はキトサンMwと強く関連し合うため、キトサンのMwはキトサン/DNA複合体の調製において重要なパラメーターである。高い分子量のキトサンは、大変安定した複合体を作るが、トランスフェクション効率は大変低い。トランスフェクション効率を改善するために、最近の研究では、低いMwのキトサンおよびオリゴマーの遺伝子伝達ベクターにおける使用が試験されている。高いレベルのトランスフェクションを得るためには、細胞外DNA保護(高いMwとがより良い)対効率的な細胞内アンパッケージング(低いMwとがより良い)の精密な釣り合いが達成されなくてはいけないようである。Lavertuらは、キトサンのMwおよびDDの複数の組み合わせを研究し、10kDaならびにそれぞれ92および80%のDDのキトサンを使った、高いトランスフェクション効率の組み合わせを2つ発見した(Lavertu,Methotら2006)。
Kiangらは、キトサンの脱アセチル化の度合いがキトサン−DNAナノ粒子の遺伝子トランスフェクションの効率に与える影響を調べた(Kiang、Wenら、2004)。高度に脱アセチル化したキトサン(80%超)は、DNAを大変ゆっくり放出する。彼らは、80%未満のDDを伴うキトサンの使用は、電荷密度を低くするためにDNAの放出を助長し、DNAと複合する際の立体障害を増大し得、分解速度を加速させるよう知られていることを提唱する。彼らは、DDが90%から70%に減った時に、ルシフェラーゼ・レポーター遺伝子発現が増加したことを報告した。62%および70%脱アセチル化との配合は、90%脱アセチル化したキトサンよりも規模が2次数高いルシフェラーゼトランスジェニック発現につながった。
キトサン膜
キトサン膜および薄膜の、可能性のある、かつ実用的な使用は、手術の間、組織層を分離するバリア膜としてである。通常3つの方法を用いて低密度から高密度の膜様または薄膜様のキトサン構造物を製造する。これらの調製方法は、溶媒キャスト、相分離、および液浸−析出相反転である(MadihallyおよびMatthew 1999;Hong,Weiら2007)。3つの方法すべてに関して、適切な量のキトサン粉末(たとえば、75〜90%DD/400〜500mPas)を1%(v/v)の酢酸溶液中に溶解させて、異なる濃度(たとえば、2〜4%w/v)のキトサン溶液を調製した。次に、そのキトサン溶液をカスタムのシリコーン型の穴の中に鋳造する。3つの違うやり方は、この時点で、下記の通りお互い分岐する。
キトサン膜および薄膜の、可能性のある、かつ実用的な使用は、手術の間、組織層を分離するバリア膜としてである。通常3つの方法を用いて低密度から高密度の膜様または薄膜様のキトサン構造物を製造する。これらの調製方法は、溶媒キャスト、相分離、および液浸−析出相反転である(MadihallyおよびMatthew 1999;Hong,Weiら2007)。3つの方法すべてに関して、適切な量のキトサン粉末(たとえば、75〜90%DD/400〜500mPas)を1%(v/v)の酢酸溶液中に溶解させて、異なる濃度(たとえば、2〜4%w/v)のキトサン溶液を調製した。次に、そのキトサン溶液をカスタムのシリコーン型の穴の中に鋳造する。3つの違うやり方は、この時点で、下記の通りお互い分岐する。
相分離方法では、鋳造した酸性キトサン溶液を一晩、−20℃で凍結させ、48時間、−40℃の10×10−3mBarで凍結乾燥させる。凍結乾燥したキトサン物質を、次いで脱型し、4時間、1NのNaOHで処理し、キトサンポリマー綱目を安定させ、蒸留水で繰り返し洗浄し、次いで乾燥のために50℃のオーブン内に置く。相分離方法は、調節できる細孔径を伴う比較的低い密度の多孔性「スポンジ」をもたらす(Mi,Shyuら、2001)(Noら、2002)。
キトサン溶液の凍結は、2つ以上の異なる相を生成し、一般的にキトサンバイオマテリアルの分離した固相への置換とともに水が氷に凍結する。もう1つの工程が、凍結した溶媒(通常氷である)を取り除き、したがって、創傷被覆材に一般的に使われる形態である低密度の多孔性スポンジを製造するために必要である。これは、凍結乾燥(すなわち、凍結乾燥(lyophilization))および/または凍結置換工程によって繊維構造を乱すことなく達成される。
溶媒キャスト法に関しては、鋳造した酸性キトサン溶液を50℃のオーブン内で単に乾燥し、溶媒を取り除き、キトサン膜を残す。乾燥後、キトサン膜を4時間、1NのNaOHで処理し、蒸留水で繰り返し洗浄して反応剤のいかなる痕跡も取り除き、次いで、乾燥のために50℃のオーブン内に置く。このプロセスで溶液が鋳造された後に溶媒が蒸発するにつれ、ポリマー溶液の表面上の溶媒は、その内部のものよりも速く蒸発し、そのため、ポリマーの濃度が素早く上昇し、コロイド粒子によって、形作られた層を形成する。表面層の形成後、溶媒の蒸発は遅くなる。キトサン溶解性は、そのシステムを均質溶液として維持するには十分ではなく、相分離につながる。均質溶液から分離する溶媒は、ポリマーが豊富な相に囲まれた、ポリマーが乏しい相を形成する。酸性溶媒を中和塩基と交換すると、ポリマー綱目は安定する。
第3のアプローチである液浸−析出相反転(IPPI)方法では、鋳造した酸性キトサン溶液を(部分的に)50℃のオーブン内で1時間脱水して非対称の膜を形成し、続いて、その膜内のキトサンポリマーを0.2MのNaOH溶液内に24時間浸漬させることで安定させる。得られた膜を次いで脱イオン化した水で繰り返し洗浄し、次いで48時間凍結乾燥する。IPPI方法は、3つの層を伴う非対称の多孔性膜をもたらす。高密度外層、より低密度の中間移行層、およびスポンジ状の多孔性層であり、これら全ての層が調節可能である(Hong,Weiら、2007)。
キトサンおよびその使用に関する概要は公表されている(Kato,Onishiら、2003;Niekraszewicz 2005;Boateng,Matthewsら、2008;Aranaz,Mengibarら、2009;Zhang,Xiaら、2010)。
キトサンスポンジの作製および使用は、先行技術で記載される通りである。
(1)非圧縮凍結乾燥中和スポンジに関して(Zhang,Chengら、2006;Seda Tigli,Karakeciliら、2007;BlanおよびBirla 2008)、および
(2)非圧縮凍結乾燥未中和スポンジに関して(Tully−Dartez,Cardenasら、2010;McAdams,Blockら、2011)。
(1)非圧縮凍結乾燥中和スポンジに関して(Zhang,Chengら、2006;Seda Tigli,Karakeciliら、2007;BlanおよびBirla 2008)、および
(2)非圧縮凍結乾燥未中和スポンジに関して(Tully−Dartez,Cardenasら、2010;McAdams,Blockら、2011)。
キトサン物質の密度を増大するための方法は、他にも複数説明されており、以下を含む。
(1)凍結乾燥酸性スポンジを不特定の密度まで圧縮(McCarthy,Gregoryら、2008;GregoryおよびMcCarthy 2009)、
(2)凍結乾燥酸性スポンジを0.8g/cm3未満または同等の特定の密度まで圧縮(McCarthy,Gregoryら、2008;GregoryおよびMcCarthy 2010;McAdams,Blockら、2011;McCarthy、Gregoryら 2011)、
(3)非対称な空気乾燥(Ma,Wangら、2001;Thein−HanおよびStevens 2004;Kuo 2005;Kuo,Changら、2006;Dallan,da Luz Moreiraら、2007;Duan,Parkら、2007;Hong,Weiら、2007;Pang,Chenら、2007;Kuo 2008)(Maら、2001)(Duanら、2007)、および
(4)電界紡糸、次いでローリング(Yeo,Jeonら、2005;LiおよびHsieh 2006;Park,Kangら、2006)。電界紡糸は、層を成す網状の生成物中に一緒に混合され得る、薄い中和されたキトサン繊維を製造する。電界紡糸技術は、本明細書で記載される本発明には適用しない。
(1)凍結乾燥酸性スポンジを不特定の密度まで圧縮(McCarthy,Gregoryら、2008;GregoryおよびMcCarthy 2009)、
(2)凍結乾燥酸性スポンジを0.8g/cm3未満または同等の特定の密度まで圧縮(McCarthy,Gregoryら、2008;GregoryおよびMcCarthy 2010;McAdams,Blockら、2011;McCarthy、Gregoryら 2011)、
(3)非対称な空気乾燥(Ma,Wangら、2001;Thein−HanおよびStevens 2004;Kuo 2005;Kuo,Changら、2006;Dallan,da Luz Moreiraら、2007;Duan,Parkら、2007;Hong,Weiら、2007;Pang,Chenら、2007;Kuo 2008)(Maら、2001)(Duanら、2007)、および
(4)電界紡糸、次いでローリング(Yeo,Jeonら、2005;LiおよびHsieh 2006;Park,Kangら、2006)。電界紡糸は、層を成す網状の生成物中に一緒に混合され得る、薄い中和されたキトサン繊維を製造する。電界紡糸技術は、本明細書で記載される本発明には適用しない。
キトサン構造物は、光活性化のための必要条件の有無に関わらず架橋結合することにより、強化することができる(Masuoka,Ishiharaら、2005;Obara,Ishiharaら、2005)。しかし、これら架橋結合方法のいずれもキトサンの密度を本明細書で記載される本発明の高密度範囲まで上げることはできない。
非対称空気乾燥は、キトサン溶液の露出した表面から酸性溶媒を蒸発させることで、キトサン溶液の密度を増大する。溶媒が取り除かれるにつれ、露出した表面のキトサン密度は増大する。キトサン密度を増大するこの方法は、高密度で、膜のようなキトサン装置をもたらすことができる。この方法に対する特定の問題として、鋳型内での溶液の表面蒸発の不均等性および圧縮無しで達成され得る制限された密度がある。空気乾燥を単独で用いる高密度キトサン膜構造物の製造に対する問題として、さらに、湿潤の際の乾燥した膜の膨張が過剰であり、高密度および薄いバリア膜として意図された物質としては臨床的に問題であることがある。したがって、先行技術とは違い、本発明は、現在の問題を回避する高密度膜様キトサン物質を製造する新規の方法を説明する。
今まで、精製キトサンをバリア膜または薄膜として外科的および創傷治癒適用において使用することは、キトサンの物理的性質のために制限されてきた。先行技術で記載された通りに調製されるキトサンは、医療用途には密度または他の物理的性質が不十分である薄膜、膜またはスポンジをもたらし得る。一般的に医療適用のために必要とされる通り、柔軟にするために湿潤させる場合、0.6mg/cm3未満の密度で調製されたキトサンは、外科的な配置の際の頑強な縫合及び取扱いを確実に支えるには不十分な強度を有する。したがって、我々は、同時発生する有益な性質をさらに伴う、0.6mg/cm3超の密度を有するキトサン膜を製造する新規の方法を開発した。この高密度キトサン薄膜または膜は、臨床で確実に適用されるために必要な強度および取扱い性を提供する。具体的には、本発明の高密度キトサン薄膜または膜は、医療分野での用途のために、優れた引張力、縫合糸の保持(すなわち、縫合糸引き抜きに対する耐性)、弾性、適切な厚さおよび形状記憶(すなわち、順応性)を有し、さらに、再水和の際の膨張を制限する。
キトサン密度を増加するための既知の複数の方法の中で最も一般的なものは、凍結乾燥したキトサンスポンジの圧縮を含む。凍結乾燥したキトサンスカフォールドを十分な圧力を用いて高密度まで圧縮できる一方で、この一般的な方法の制約は、圧縮された凍結乾燥スカフォールドは再湿潤の際に形状記憶を保持し、膜としては臨床上許容できない厚さまで過剰に反跳することである。湿潤後の反跳の厚さを制限することおよび膜状構造で十分な密度を保持することは、凍結乾燥スポンジを圧縮するこの方法では可能ではなく、したがって、臨床上の取り扱いおよび縫合に十分な強度を伴う高密度膜を作製するには適切ではない。ゆえに、本発明は、2mm未満の厚さである、およそ0.6〜1.6g/cm3の高密度キトサン膜を作製する新規の方法を開示し、本発明は、一般的な圧縮前のスポンジ製作工程を取り除く。
本発明の真髄は、凍結乾燥したキトサンスポンジよりも密度の高い、膜状キトサン物質の作製および使用であり、前記膜状キトサン物質は、適切な引張力、縫合糸保持(すなわち、縫合糸引き抜きに対する耐性)、弾性、および十分な形状記憶(すなわち、順応性)といった追加の性質を伴い、さらに、前述のキトサン物質とは異なる、再水和の際に制限された膨張を伴う。本発明は天然、半合成または合成原料由来のキチンまたはキトサンの原料を制限しない。
本発明を生成する重要な工程は以下を含む。
(1)酸性キトサン溶液を、物質内の全ての酸が中和され、得られる固形キトサンゲルが塩基性pHを有するまで、強塩基に浸す。中和前の空気乾燥は、本発明によって除外されない。前記中和化処理の間にキトサン溶液を維持するための鋳型または型の使用は、単位面積当たりの所望するキトサン濃度を維持するために好ましく、好ましくは1cm2当たりおよそ0.3〜0.5gのキトサン溶液である。前記中和の前に鋳型内でキトサン溶液を凍結させることが、中和処理の間に単位面積当たりのキトサン濃度を安定させ、中和前にポリマー除外を促進するために好ましい。化学の学問に熟練した人々にはよく知られる強塩基、好ましくは1〜2モル濃度の水酸化ナトリウムが、キトサンが表面から失われ、均質なキトサン構造が変化する前に、凍結キトサン懸濁物の外側から内側に向けて凍結キトサン懸濁物を重合するのに好ましい。
(2)水または液体を固形キトサンゲルから取り除き、一方で同時にキトサンを圧縮する。固形キトサンゲル中の強塩基を水性緩衝液または水と交換した後に、脱水を行うことが好ましい。脱水は、好ましくは、熱存在下の真空下で行われる。脱水は、好ましくは、半透過性膜(たとえば、セロハンまたは類似したセルロース系物質)を通した溶媒相(たとえば、水、水性緩衝液)の損失によって行われ、同時に、熱存在下の真空下で行われる。圧縮は、好ましくは、キトサンゲル上に均一に分散された、最小限の25水銀柱インチの線圧で実行される。
本発明の重要で独特な態様は、圧縮および脱水の処理を組み合わせ、その結果ゲルの脱水が圧縮中に起こることである。本発明の他の独特な態様は、脱水中のゲルの中性またはアルカリ性pHである。
本発明の、これらまたは他の対象物、特徴および利点は次に開示される実施形態の詳細な説明の概説から、および付属の特許請求の範囲への参照によって、明確に理解および認識され得る。
前述の発見に基づいて、本明細書では、0.6g/cm3より大きい密度を有する新規キトサン構造物、その組成物を作製する方法、および本文献の背景に記載される医療用途のために前記組成物を使用する方法が提供される。前記キトサン構造物を作製する方法は、次の3つの工程に順次従うことを特徴とし得る。
a)水およびキトサンの酸性溶液を準備する工程と、
b)前記溶液を中和し、重合キトサンのゲルを形成する工程と、
c)前記重合キトサンゲルを同時に脱水および圧縮する工程。
a)水およびキトサンの酸性溶液を準備する工程と、
b)前記溶液を中和し、重合キトサンのゲルを形成する工程と、
c)前記重合キトサンゲルを同時に脱水および圧縮する工程。
好ましい実施形態において、得られる高密度キトサン薄膜または膜組成物は、0.6g/cm3より大きい、より好ましくは0.8g/cm3より大きい密度を有する。
本発明の好ましい実施形態において、酸性溶液で用いられるキトサン出発物質は、およそ70〜95%DDである。しかし、本発明は、56%〜99%のDDも許容する。
好ましい実施形態において、キトサンはキトサン塩基として存在する。しかし、キトサンは、キトサンアセテート、キトサンスクシネート、キトサンアジペート、キトサンクロリド、キトサングルタメート、キトサンラクテート、キトサンアスパルテート、キトサンピルベート、キトサンホスフェート、キトサングリコレート、キトサンアスコルベート、キトサンサリチレート、キトサンホルメートまたはキトサンマレートといった塩として存在していてもよい。
本発明の別の好ましい実施形態において、キトサン出発物質はおよそ400〜500センチポワズ(CPS)またはミリパスカル(mPas)の平均粘性を有する。しかし、本発明は約5〜3000mPasのキトサン出発物質粘性を企図する。
本発明の好ましい実施形態において、キトサンは1%酢酸中で可溶化される。しかし、本発明は酢酸以外の酸性溶媒および0.1%〜10%の範囲の溶媒パーセンテージを考慮する。たとえば、ギ酸、グリコール酸、クエン酸または乳酸といった5.0未満のpHを伴う適切な有機酸も、好適であろう。他の好適な酸としては、塩酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、グルクロン酸、ソルビン酸および葉酸が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態では、溶液中のキトサン濃度は2〜4%である。しかし、本発明は、0.1%〜25%のキトサン濃度も企図する。
本発明の別の好ましい実施形態では、中和キトサンゲルを形成する前に、キトサンを7日間酸性溶媒中で可溶化する(中和前の凍結工程有りまたは無しのいずれにおいても)。しかし、本発明は中和キトサンゲルの形成の直前または2年前までの間に調製されるキトサン溶液を考慮する(中和前の凍結工程有りまたは無しのいずれにおいても)。
本発明の好ましい実施形態では、キトサン溶液を型または鋳型の中に注ぎ、その量は、前記型または鋳型の面積の1平方cmあたりおよそ0.3〜0.5gキトサン溶液の厚さである量である。しかし、本発明は、凍結前の鋳型または型内に、0.1g/cm2の低い量または10g/cm2に達する高い量のキトサン溶液を企図する。
本発明の好ましい実施形態では、キトサン溶液を、鋳型または型を介して、溶液に振動を加えることで、脱気してもよい。振動時間は好ましくは10分間である。しかし、本発明は、1秒〜10日の振動時間を企図する。別の実施形態では、本発明は適合された真空圧を用いて、キトサン溶液を脱気することを企図する。
本発明の好ましい実施形態では、キトサン溶液は鋳型または型内で凍結し、固形キトサン懸濁物になる。本発明の好ましい実施形態では、キトサン溶液を、およそ−80℃で1時間凍結させる。別の実施形態では、キトサン溶液をおよそ−20℃で16時間凍結させる。しかし、本発明はキトサン溶液を凍結させるのに十分な、1分〜365日の範囲に及ぶ時間の間、0℃〜−276℃の範囲に及ぶ温度でキトサン溶液を凍結させることを企図する。本発明は、この処理段階でキトサン溶液を凍結させない可能性も企図する。
本発明の好ましい実施形態では、固められた(凍結した場合)キトサン懸濁物は固形のまま脱型(鋳型から取り除かれる)され、続いて固形のまま、24時間、1〜2Mの水酸化ナトリウム等の塩基内で浸漬し、固形キトサン懸濁物内の酸性溶媒を完全に中和して、重合ゲルを生成する。しかし、固形キトサンゲル中の酸性溶媒を完全に中和するために必要な塩基の強さおよび体積ならびに浸漬の継続時間は、固形キトサン懸濁物のサイズおよび酸度によって変化し得る。本発明は、1分〜3か月の範囲である浸漬期間を伴い、0.1M〜10Mの範囲である強度を有する、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等の、化学の学問に熟練した人々にはよく知られる、複数の塩基のいずれか1つを企図する。別の水酸化物が使われてもよく、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態では、塩基性pHを伴う中和キトサンゲルを24時間、脱イオンもしくは蒸留H2Oまたは水性緩衝溶液内で洗浄し、塩基性溶液を取り除き、pHを中性または実質的に中性にする(たとえば、pH5〜11、pH5〜9またはpH5.5〜7.5)。しかし、本発明は1分〜3か月の洗浄期間を企図する。本発明は、このリンス工程の間、脱イオンもしくは蒸留H2Oまたは水性緩衝溶液の連続流を用いることも企図する。本発明は、中和キトサンゲルを一切洗浄しないことも企図する。
本発明の重要な態様では、中和キトサンゲルから液体を取り除く一方で、キトサンを同時圧縮する。脱水は、好ましくは真空圧および熱の使用とともに実施される。圧縮は、好ましくは、25水銀注インチの最小線圧で実施され、好ましくは、キトサンゲル上に均質に分散され、均質膜を得る。しかし、圧縮は、5〜500水銀柱インチ、10〜100水銀柱インチ、または20〜50水銀柱インチの最小線圧を用いることも企図される。脱水および圧縮は、好ましくは、80℃の温度で行われる。しかし、本発明は、2℃〜150℃、40℃〜120℃または50℃〜100℃の範囲に及ぶ温度でキトサンゲルを脱水および圧縮することを企図する。
もちろん、ガス放出として知られるプロセスで、脱水および物理的圧縮が、真空圧存在下で、それだけかまたは熱を加えるかのいずれかにより、起こり得るということが理解されるであろう。適用される真空圧は、好ましくは大気圧未満、および0.6気圧、0.4気圧または0.2気圧の低さである。
脱水および圧縮は、好ましくは4時間の間、実施される。しかし、本発明は、1分〜3か月の範囲に及ぶ時間の間、脱水および圧縮を実行することを企図する。
本発明の好ましい実施形態では、中和されるキトサンゲルは、真空脱水の適用前に、半透過性膜の上または内部に配置される。半透過性膜は、その後真空下で水蒸気の損失を促進し、一方で、脱水されているまたは脱水された重合体のキトサンの完全性を保持する。半透過性膜は、鋳造されたキトサンゲルを半透過性膜の周縁部または境界内に保つ一方で、選択的に水透過性であり、セロハンもしくは他のセルロース系膜または別の物質であってよい。脱水された高密度キトサン薄膜または膜は、引き続いて、脱水処理中に使用された半透過性膜から取り除かれてもよい。
本発明の別の好ましい実施形態では、中和または重合したキトサンゲルを、グリセロール溶液中に1秒〜10日に及ぶ範囲の期間浸漬し、次いで真空脱水のために半透過性膜の上または内部に配置する。さらに、前記グリセロール溶液は、約5%〜20%または10%のグリセロールを水中または水性緩衝液に含むのが好ましい。しかし、本発明は、この処理の間、1%〜50%の範囲であるグリセロール濃度を使用してもよい。
得られるキトサン構造物は、好ましくは、10mm、5mm、2mm、1mmまたは0.5mmよりも小さい厚さを有する薄膜または膜の形態を取る。構造物の密度は、前述された通り、好ましくは0.6g/cm3を超え、および、1.6g/cm3以下であり得る。別の好ましい実施形態では、構造物の密度は0.8g/cm3を超え、および1.6g/cm3以下であり得る。また、薄膜または膜は、好ましくは5.0〜9.5の範囲であるpHを特徴とし得る。薄膜または膜は、切り刻むか、または粉砕して、微粒子として使用してもよいが、その優れた物理的性質(たとえば、引張力、弾性および縫合糸引き抜きに対する耐性)のため、薄膜または膜として使われるのが好ましい。
好ましい実施形態では、本発明のキトサン薄膜または膜は、化学的または光誘発による架橋結合工程を必要とせず、さらに、0.6g/cm3を超える、さらに好ましくは0.8g/cm3を超える脱水された密度を達成する。しかし、いくつかの適用に関して、化学的または光誘発による架橋結合工程は、低下した生分解性の可能性といった、ある利益(いくつかの利益)を提供するかもしれない。
別の実施形態では、得られた本発明の高密度キトサン構造物は、外科的に移植される薄膜または膜といった、動物、哺乳動物またはヒトにおける生物医学的方法での使用に関して有益である物理的性質を有する。引張力、弾性および/または縫合糸の引き抜きに対する耐性を評価すると、高密度キトサン物質は優れた物理的特徴を示す。ASTMインターナショナル規格方法が薄膜または膜に関するこれら物理的パラメーターの評価のために確立されている(ASTM 2002;ASTM 2006)。小さな変化を伴うこれら規格方法論(たとえば、引張力試験に関しては、ASTM規格方法D1708−06aに従った半楕円形切り抜きではなく半円の、約2.5mmの最小幅を有する帯(ASTM 2006)、縫合糸引き抜きに関しては、約5mmの幅を有する帯)が、本発明の得られた高密度キトサン構造の特徴づけを行うために使用される。
本発明は、0.6g/cm3より大きい、さらに好ましくは0.8g/cm3より大きい密度を有する薄膜または膜のキトサンを含む組成物を開示する。別の好ましい実施形態では、キトサン組成物は5.0〜9.5のpHを有する。別の好ましい実施形態では、キトサン組成物はグリセロールを含む。
最後に、本発明は、本発明の構造物を用いた治療の方法を提供し、したがって、次のステップを含む治療方法として定義することができる。0.6g/cm3よりも大きい密度を有するキトサン組成物を提供するステップと、前記組成物を動物の表面または内部に配置するステップである。好ましい実施形態では、動物は哺乳動物またはヒトであり、別の好ましい実施形態では、その構造物は、使用前に、薬剤、生物学的薬剤、核酸、ワクチン、免疫エフェクター、またはそれらの塩から選択される1つ以上の化合物の存在下または不存在下の、水または緩衝水性溶液内で、水和される。別の好ましい実施形態では、キトサン組成物は動物内で組織層を分離させるための物理的バリア薄膜または膜として役立つ。別の好ましい実施形態では、動物、哺乳動物またはヒトの表面または内部の薄膜または膜は、時間をかけて再吸収され、その速度は部分的にその物質のDDおよび厚さに依存する。別の好ましい実施形態では、キトサン組成物は、動物の表面または内部で抗感染物理的バリア薄膜または膜として役立つ。本発明の別の好ましい実施形態では、キトサン薄膜または膜は、水または水性溶液中で小分子透過性である。本発明の別の好ましい実施形態では、物理的性質(たとえば、引張力、弾性および縫合糸引き抜きに対する耐性)が、単独で、または臨床上の取り扱い性(たとえば、湿潤性、外科用インプラント部位への順応性および縫合性)も加わって、動物、哺乳動物またはヒトに対し、得られた高密度のキトサン薄膜または膜の臨床現場での優れた使いやすさを促進する。
中和の前にキトサン溶液を凍結する好ましい方法において、およそ0.3〜0.5g/cm2のキトサン溶液を、−80℃の鋳型で1時間極度に凍結すると、顕微鏡観察または走査型電子顕微鏡観察で検査した際、露出した上面に、織構造、繊維状構造、多孔性構造を伴うキトサンの重合が、最終的にもたらされる。結果として生じる、脱水された薄膜または膜は、全体で0.6g/cm3を超える、さらに好ましくは0.8g/cm3を超える密度を有し、よりなめらかで繊維状の少ない表面を別の底面側に伴い、やや非対称である。
中和の前にキトサン溶液を凍結する好ましい方法において、−80℃で、1時間より顕著に長く(たとえば、2時間)極度に凍結すると、凍結キトサンゲルおよび最終的な膜構造物に物理的な亀裂がもたらされ得る。
凍結する好ましい方法において、中和前に−20℃の鋳型中でキトサン溶液を凍結させると、最終的な膜構造物の織構造の範囲を縮小する。凍結温度に関わらず、得られる膜は0.6g/cm3より大きい密度を有する。
中和前にキトサン溶液の凍結がない場合、結果として生じる、圧縮および脱水された膜は、目に見える織構造、繊維状構造を有さない。凍結またはその欠如に関わらず、得られる膜は、0.6g/cm3よりも大きい密度を有する。
酸の中和および圧縮を伴う脱水の前に、酸性キトサン溶液を凍結させることの妥当性は、凍結処理有りでまたは無しで生成される物質の機械的特質によってさらに例証される。インストロン機を用いて縫合糸引き抜きに対する耐性を測定した際に、凍結処理無しで調製されたキトサン膜は膜の厚さ1mm当たり2.0N±0.3Nの劣った引き抜き力を有した一方で、中和前に1時間−80℃の凍結温度で調製された同組成物の膜は、膜の厚さ1mm当たり、4.5N±0.1Nの縫合糸引き抜きに対する優れた耐性を有した。
脱水および圧縮に先立って凍結キトサン懸濁物をアルカリで半固形ゲルに中和することの重要性を例証するように、酸性キトサン溶液を圧縮する間に蒸発させる試みは失敗した。圧縮を伴う脱水は、乾燥中にキトサンの密度の段階的な増加とともに溶媒の通過を可能にしながら、溶質(キトサンポリマー)を保持する、半透過性膜(たとえば、セロハン)を必要とする。半透過性膜を介して酸性キトサン溶液を脱水できない妥当な理由は、粘着性の非重合キトサンが最終的に膜の表面に蓄積し、溶媒の通過を妨害するということである。その結果として、熱の存在下であっても、溶液は脱水し損なう。同じ理由で、酸性キトサン溶液の凍結後、すぐに脱水および圧縮することも失敗する。同じ理由で、濡れた酸性キトサンスポンジ(酸性キトサン懸濁液を凍結乾燥させることで製造された)の圧縮を伴う脱水も、真空脱水で乾燥し損ない、失敗する。同じ理由で、濡れた、酸性の空気乾燥したキトサン構造物の圧縮を伴う脱水もまた失敗する。真空圧縮の前の、アルカリでの中和によるキトサン懸濁液の重合化が重要である。
中和キトサンゲルを蒸発および圧縮させることの重要性を例証するように、乾燥した、凍結乾燥酸性スポンジを圧縮する試みは、亀裂の入ったキトサン膜構造物につながった。乾燥圧縮した膜を湿潤することは、許容できない反動による膨張および非重合膜構造の損失につながる。
強塩基内におけるキトサン溶液のゲルへの重合化後に、5.0よりも大きいpHを維持することの重要性は、中和キトサンゲルをpH2.9の酸性溶液中に20時間置くとキトサンゲル構造の崩壊につながる際の、キトサンゲル構造物の損失によって例証される。
中和キトサンの脱水後にpH5.0を超えるpH環境を維持することの重要性は、pH4以下の酸性環境での24時間を経た、高密度キトサン薄膜または膜構造物の完全な損失によって例証される。
凍結乾燥したスポンジではなく、中和したキトサンゲルを脱水および圧縮することの重要性を例証するように、湿潤された中和凍結乾燥キトサンスポンジの圧縮は、0.38g/cm3という不十分なキトサン密度につながる。乾燥した中和凍結乾燥キトサンスポンジの圧縮は、不十分なキトサン密度につながる(0.065g/cm3)。
同時に圧縮を伴う脱水の重要性を例証するように、圧縮の間に十分な脱水が不在したまま圧縮が加えられた実験では、裂け目の入った、不満足なキトサン最終構造物をもたらした。
中和前の酸性キトサン溶液に対する振動の効果は、最終的な膜構造には何の影響も有さない。
高密度を伴うキトサン薄膜または膜の生物学的関連性を例証するように、これらの膜は、小分子透過性を示した。たとえば、4%キトサン溶液から調製した高密度キトサン薄膜または膜は、フランツ細胞技術を用いて、リン酸緩衝食塩水(PBS)溶液中で、メチレンブルーおよびクリスタルバイオレット(それぞれ、Mw285およびMw373)透過性であった。これは、薄膜または膜が選択された小分子に透過性であることを示す。動物、哺乳動物またはヒトの表面または内部の栄養素に対する透過性は、生理的利点を有し得る。
高密度のキトサン薄膜または膜の生物学的関連性をさらに例証するために、生きている哺乳動物細胞を膜状に播き、少なくとも3日間培養で保持した。細胞結合および細胞適合性は膜の両側で観察された。増殖または細胞移動の証拠も示された。角化細胞の移動は、顕微鏡画像分析で計測された通り、より多孔性な表面(つまり、鋳型内における上面)に比べて、より滑らかな表面(つまり、鋳型内における底面)で最も顕著であった。これらの結果は、インビトロ生体適合性の根拠を提供する。
高密度のキトサン薄膜または膜の生物学的関連性をさらに例証するように、該膜をマウス口蓋の外科的に誘導された十分な厚さの潰瘍の底に外科的に配置した際に、哺乳動物モデル内の創傷治癒を観察した。治癒は上皮下マトリックスにおけるコラーゲンの再発達および潰瘍の再上皮化に関連していた。膜移植後の1〜12週間の組織学的分析も、高密度キトサンは生分解性または再吸収性である上に、生体適合性を有することを示した。動物、哺乳動物またはヒトの表面または内部での、時間をかけて再吸収される物理的バリアの確立は、臨床上の有用性を持つ。たとえば、異なる組織(たとえば、骨組織対軟組織)間の物理的バリアは、薄膜または膜の両側で異なる治癒速度を促進することができる。さらに、インビトロでの酵素の分解速度の観点からは、インビボでの再吸収速度(下記参照)は、同様に、高密度キトサン薄膜または膜のDDパーセンテージおよび/または厚さに依存すると予測される。すなわち、分解の速度を、DDのパーセンテージおよび/または厚さを変えることで、少なくとも部分的に「調節」することができる。
密度の臨床上の機能性および有用性に対する関連性の例証は、乾燥したキトサン薄膜または膜の密度と、引張力といった他の物理的性質との間の強い相互関係である。小さな変形を伴うASTM規格法(たとえば、引張力試験に関しては、ASTM規格方法D1708−06aに従った半楕円形切り抜きではなく半円で、約2.5mmの最小幅を有する帯(ASTM 2006)、縫合糸引き抜きに関しては、約5mmの幅を有する帯)を使って、得られた高密度キトサン薄膜または膜を特徴づける。本明細書で請求される方法で製造した高密度キトサンの薄膜または膜は、膜密度と引張力との間において直接的な相互関係を示す。概して、本発明の高密度キトサンの薄膜または膜は、バッチ間の製造から一連の実験的な変数で試験される際(たとえば、出発キトサン溶液の量、1mm未満および一般的に0.2〜0.6mmの厚さの乾燥膜、70%〜95%のDDのパーセンテージ、異なる販売店からの原料物質、もしある場合は、乾燥処理後の修正など)に、インストロン機を用いた試験において、次の一般的な物理的性質な範囲をもたらす。(a)約2〜14Nの最大引張荷重(約2.5mm最小幅)、(b)約20〜140MPaの最大引張応力(約2.5mm最小幅)、(c)約0.5〜4.5Nの縫合糸引き抜き最大荷重(約5mm幅)。
さらに、本発明の高密度キトサン薄膜または膜の物理的特徴の臨床上の有用性に対する関連性の例証は、密度、引張力、弾性および縫合糸引き抜きに対する耐性の組み合わせであり、それらのいくつかまたはすべてが縫合可能で移植可能な外科用膜のために所望する特徴である。
本明細書で開示および請求される方法に関連するキトサン脱アセチル化の関連性を例証するように、pH6.5および37℃で緩衝した濃縮リゾチーム溶液中での分解は、70%DD膜に関しては8日以内で完了し、75%DD膜に関しては11日以内で完了し、80%および85%DD膜に関しては18日以内で部分的に完了し、90%および95%膜では、これらの条件下で3週間後、明白ではなかった。これらの結果は、出発重合体物質(つまり、異なるDDパーセンテージのキトサン粉末)のインビトロでの酵素分解に対する本来の感受性は、高密度キトサン薄膜または膜を生成する間の本発明の処理によって破壊されていなかったことを示す。さらに、本発明の高密度キトサン薄膜または膜は、pH4以下の酢酸溶液または緩衝溶液内に置かれた際、酵素分解のないまま、酸脱重合(および可溶化)に不安定のままである。
脱水工程の前に、中和および重合キトサンゲルをグリセロール溶液(たとえば、水中に10または50パーセントのグリセロール)で処理することの関連性を例証するように、得られた薄膜または膜は、このグリセロール溶液工程無しで製造された薄膜または膜に類似した高密度を有し、有益な高い引張力、縫合糸引き抜きに対する耐性、および、たとえば柔軟性または切りやすさといった取り扱い性を伴う。この性質の組み合わせ(すなわち、物理的性質および臨床上の取り扱い性)は、動物、哺乳動物またはヒトの表面または内部での使用に優れた有用性の薄膜または膜物質を提供する。
この出願を通して、様々な刊行物が参照される。これら刊行物の開示は、本発明が関連する技術水準をさらに十分に説明するために、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。本発明の範囲および主旨から逸脱することなく、様々な修正または変形が本発明になされてもよいということが、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態が、本明細書の熟考および本明細書で開示された発明の実施から、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、次に続く特許請求に示される本発明の真の範囲及び主旨を伴い、例示的なもののみとして見なされることを意図している。
参照
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Claims (26)
- 0.6g/cm3よりも大きい密度を有するキトサン組成物を製造する方法であって、
(a)水およびキトサンの酸性溶液を準備する工程と、
(b)前記溶液を中和して重合ゲルを形成する工程と、
(c)前記ゲルを同時に脱水および圧縮する工程と
を順に含む、方法。 - 前記工程(c)の後に、架橋剤、薬剤、生物学的薬剤、核酸、ワクチン、免疫エフェクター、またはそれらの塩から選択される1種以上の化合物の存在下で、水または緩衝水性溶液中で前記ゲルを再水和することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記組成物が、2mm未満の厚さを有する薄膜または膜を含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記溶液が、水、酢酸およびキトサンを含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記キトサンが、キトサン塩基、またはキトサンアセテート、キトサンスクシネート、キトサンアジペート、キトサンクロリド、キトサングルタメート、キトサンラクテート、キトサンアスパルテート、キトサンピルベート、キトサンホスフェート、キトサングリコレート、キトサンアスコルベート、キトサンサリチレート、キトサンホルメートおよびキトサンマレートから選択される塩として存在する、請求項1に記載の方法。
- 前記酸性溶液が、ギ酸、酢酸、グリコール酸、クエン酸、乳酸、塩酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、グルクロン酸、ソルビン酸、葉酸およびその混合物から選択される酸を含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記中和工程(b)が、前記溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムから選択される水酸化物塩と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記中和工程(b)の前に、前記酸性溶液を凍結させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記脱水工程(c)の前に、前記ゲルを、水または緩衝水性溶液中で洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記脱水工程(c)の前に、前記ゲルを、水または5.5〜7.5のpHにした緩衝水性溶液中で洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記脱水工程(c)の前に、前記ゲルを、1〜50パーセントのグリセロール溶液中に浸すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記脱水が、圧縮中に前記ゲルへ真空圧を適用することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記脱水工程(c)の前に、前記キトサンゲルを、水性溶液に対して選択的に透過性を有する膜に接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記キトサンゲルが、2℃〜150℃の温度の熱の存在下で脱水される、請求項1に記載の方法。
- 前記圧縮工程(c)が、キトサンゲル上に25水銀柱インチの最小線圧を適用することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記キトサンの薄膜または膜が、5.5〜7.5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
- (a)0.6g/cm3よりも大きい密度を有するキトサン組成物を準備するステップと、
(b)前記組成物を動物の表面または内部に配置するステップと
を含む、治療の方法。 - 前記キトサン組成物が、0.8g/cm3よりも大きい密度を有する、請求項17に記載の方法。
- 前記配置工程(b)の前に、前記組成物を水または緩衝水性溶液中で水和させる、請求項17に記載の方法。
- 前記動物が、哺乳動物およびヒトから選択される、請求項17に記載の方法。
- 前記配置工程(b)の前に、前記組成物を、薬剤、生物学的薬剤、核酸、ワクチン、免疫エフェクター、またはそれらの塩から選択される1種以上の化合物の存在下で、水または緩衝水性溶液中で水和させる、請求項17に記載の方法。
- 0.6g/cm3よりも大きい密度を有する、薄膜中または膜中にキトサンを含有する組成物。
- 0.6g/cm3〜1.6g/cm3の密度を有する、請求項22に記載の組成物。
- 0.8g/cm3〜1.6g/cm3の密度を有する、請求項22に記載の組成物。
- 5.0〜9.5のpHを有する、請求項22に記載の組成物。
- グリセロールを含む、請求項22に記載の組成物。
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